JP2020506264A - 染色された合成布帛上のインクジェット印刷 - Google Patents

染色された合成布帛上のインクジェット印刷 Download PDF

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Abstract

染色された合成布帛の上にカラー画像を直接インクジェット印刷するためのインクセット及び方法が提供され、それらは、酸性固定化組成物を使用して、十分に接着された架橋フィルムの形で布帛の上に画像を形成し、低温硬化架橋剤を使用し、120±5℃より低い温度で画像を硬化して、フィルムを硬化する工程において布帛から画像への染料移動を回避する。【選択図】図1

Description

本発明は、その一部の実施形態によれば、インクジェット印刷技術に関し、特に限定されないが、未処理の染色された合成布帛の上に直接インクジェット印刷するための方法及び組成物に関する。
布帛の上のインクジェット印刷は、基体の表面の上にフィルムを形成し、その結果、着色剤(顔料及び/又は染料)がフィルム中に埋め込まれ、フィルムが基体に付着され、完成した製品に洗濯堅牢性及び耐久性を与えることを含む。フィルムの接着性は、一般的に、基体中の官能基とフィルムの材料中の対応する官能基の間で結合を形成することによって達成される。フィルムは、結合剤及び接着促進剤(ここではまとめてフィルム形成剤として言及する)を含む。それらは、混合物を熱又は他の形のエネルギーにさらすと架橋剤で架橋され、そのときにフィルムを形成する。これは、硬化として言及される印刷工程である。
織物及び衣料のような吸収性基体の上に直接液体インクをインクジェット印刷することと関連した問題は、本出願人による米国特許出願公開第20150152274及びPCT出願WO2005/115089及びWO2005/115761(それらはともに、本明細書中に完全に述べられているかのように参考として組み入れられる)において緩和されている。これらの文献は、吸収性表面の結合部位との液体インク組成物の係合を妨げることができる湿潤組成物を吸収性表面上に付与することを含む、未処理の(化学的に予備処理されていない基体)織物片のような吸収性表面の上に画像を印刷するための方法、組成物、及び装置を教示する。これらの特許出願で教示された工程によれば、いったん湿潤組成物が付与されると、液体インク組成物は、表面がまだ湿潤している間に付与される。この工程を使用して、吸収性表面の上に躍動的なカラー画像が形成される。しかしながら、これらの特許出願は、吸収性の薄黒い表面の上にカラー画像を印刷することに対処できない。
未処理の基体の表面の上で固定化組成物とカラーインク組成物とを接触させ、基体の上にカラーインク組成物を凝固させ、それによって吸収性基体のフェザリングや吸収性基体内のにじみを生じたりすることを最小にすることに基づくマルチパートインク組成物もまた、米国特許出願No.11/588277(米国特許出願公開No.20070104899)及び米国特許出願シリアルNo.11/606242(米国特許出願公開No.20070103529)において教示され、それらの全ては、本明細書において完全に述べられているかのように参考として組み入れられる。
染色された織物及び衣料のような薄黒い基体の上に直接透明液体インクをインクジェット印刷することと関連した問題は、本出願人による米国特許No.7134749(それは、本明細書中に完全に述べられているかのように参考として組み入れられる)において緩和されている。この文献は、未処理の薄黒い織物片の上にカラー印刷するための方法及び装置を教示し、それは、インクジェット印刷ヘッドによって不透明白色インク層を未処理の薄黒い織物片の上に直接デジタル印刷すること、及びカラー画像を白色インク層の上にデジタル印刷することを含む。
本出願人による米国特許No.8540358(それは、本明細書中に完全に述べられているかのように参考として組み入れられる)は、未処理の延伸可能な及び/又は可撓性の基体の表面に付けられた弾性フィルムの形で画像を形成するためのインクジェットインク組成物を教示し、着色されかつ吸収性又は浸透性の延伸可能な材料のような様々な基体の上にカラー画像をインクジェット印刷するためにそれを利用する方法を教示する。それは、工程時間、インク及びエネルギー消費における高効率によって特徴づけられる。また、この方法によって耐久性があり、洗濯しても色落ちしにくく、摩耗に強い画像をその基体の上に印刷された製品が開示される。
未処理の布帛の上の顔料の直接インクジェット印刷は、上述の技術によって与えられる改良を享有している。なぜなら、乳化及び懸濁された顔料粒子は、基体に付着しながら顔料粒子をカプセルに包む透明フィルムを形成するフィルム形成剤(接着剤及び/又は結合剤)によって基体に結合されることを要求されるからである(基体が白色でない場合には、工程は、不透明白色ベース層によって補足される)。上述の技術は、乳化されたフィルム形成接着剤及びフィルム形成結合剤及び/又は懸濁顔料粒子の分散剤の存在を、これらの成分の特性感受性種を利用することによって使用する。そこでは、これらの成分は、インクの溶剤中でそれらの溶解性を失い、それによって基体の表面の上で特性調整剤(例えば酸)と接触するときにインク組成物の凝固を起こす傾向がある。さらに、上述の技術は、フィルムの様々な成分をそれら自身間で及び基体と架橋する能力に基づき、それは、高温でフィルムを硬化する架橋剤を使用することによって得られる。
架橋によって基体に十分に接着された透明フィルムを形成するための条件は、基体中の染料が高温下で自由になって移動しやすい一般的なタイプである場合に染色された基体、特に合成布帛の上にインクジェット印刷画像を試みるときに問題を生じる。この問題は、染料移行として知られ、画像の色を基材の色で色味付けられたものにしてしまう。なぜなら染料は、硬化工程時に移行し、新しく印刷されたフィルム(画像)に浸透するからである。画像印刷プロセスが不透明な白色アンダーベースで後で補足される場合には、白色アンダーベースは、その中の基体から移行する染料で色味を付けられ、その上に印刷される色をゆがめる。
染色された基体の上のインクジェット印刷及び加熱硬化された画像中への染料移行の問題を最小にする試みは、基体を加熱して画像の硬化を実施するときの染料移行を制限する物質での基体の予備処理を含むが、これらの予備処理は、商業的な負荷を課し、使用されうる布帛の範囲を制限し、問題に対して周辺的な解決策を与える。
着色された合成繊維の上に印刷するときに染料移行を阻止する試みは、合成繊維中の染料が移動することを阻止するために活性炭を含有する樹脂層を含む転写紙の活性成分としての活性炭の使用を含んでいた。
低ブリードインクは、染料移動を最小にするように設計されているが、染料が高温で昇華することを停止できるインクは全くない。低ブリードインクは、移動を緩和するように選択される化学ブロッキング剤を含むが、インク中の化学ブロッキング剤に対する昇華される染料の比率が大きすぎるので、染料がその移動をブロックするインクの能力に単純に打ち勝ってしまう。
他の試みは、UV硬化性インクを使用することを含むが、かかるインクは、合成基体の上に印刷するためにあまり適応されておらず、染料の熱移行は、最も顕著である。アジリジン及び/又はイソシアネートのような他の迅速に作用する架橋剤の使用は、安全性、健康、及び安定性の問題のために可能ではない。
低温硬化架橋剤(LTCC)は、インクジェット印刷に使用するために提案されているが、これらの薬剤は、水中でコロイド及びラテックス懸濁液として分散し、約120℃でアルカリ条件下で硬化する能力のために選択されている。
本発明は、印刷されたインクが印刷工程中に布帛中に浸透せず、基体中の染料が硬化工程中に印刷された画像に移行してその色を損なわないように、染色された合成布帛の上にカラー画像をインクジェット印刷するための組成物及び方法を提供する。これらの二つの効果は、布帛に固定化組成物を付与し、それがその低pHのために接触時にインク組成物を凝固させ、同時に低温硬化架橋剤をインク組成物に送り、それが、基体を染料移行温度に加熱するのを回避しながら画像フィルムを基体に付着することによって達成される。
本発明の一部の実施形態の態様によれば、固定化組成物及び少なくとも一種のインク組成物を含むインクセットであって、前記インク組成物が、分散された顔料及び/又は染料、低温硬化自己架橋樹脂、及び水性キャリアを含み、かつ7より高いアルカリ性pHを示すように配合され、前記固定化組成物が、酸及び水性キャリアを含み、かつ7より低い酸性pHを示すように配合され、インクセットが、染色された基体の上に直接カラー画像をデジタルインクジェット印刷するためのものであるインクセットが提供される。
本発明の一部の実施形態では、前記基体が、移動可能な染料である。
本発明の一部の実施形態によれば、前記酸性pHが、6.5より低い。
本発明の一部の実施形態によれば、前記固定化組成物が、架橋剤を本質的に欠いている。
本発明の一部の実施形態によれば、前記インク組成物が、前記低温硬化自己架橋樹脂以外の追加の架橋剤を本質的に欠いている。
本発明の一部の実施形態によれば、前記インク組成物が、前記低温硬化自己架橋樹脂以外の追加のフィルム形成剤及び/又は結合剤を本質的に欠いている。
本発明の一部の実施形態によれば、前記低温硬化自己架橋樹脂が、120℃より低い、又は110℃より低い、又は90℃より低い、又は90℃〜110℃の範囲の温度で架橋反応を開始する。
本発明の一部の実施形態によれば、前記低温硬化自己架橋樹脂が、酸に接触すると架橋反応を開始する。
本発明の一部の実施形態によれば、前記低温硬化自己架橋樹脂が、低Tgの低温硬化自己架橋樹脂である。
本発明の一部の実施形態によれば、前記低温硬化自己架橋樹脂が、pH感受性低温硬化自己架橋樹脂である。
本発明の一部の実施形態によれば、前記低Tgの低温硬化自己架橋樹脂が、低TgのpH感受性低温硬化自己架橋樹脂である。
本発明の一部の実施形態によれば、前記低TgのpH感受性低温硬化自己架橋樹脂が、自己架橋ペンダント基及び/又は自己架橋末端封止基を有するポリウレタン樹脂である。
本発明の一部の実施形態によれば、前記自己架橋ペンダント基及び/又は前記自己架橋末端封止基が、シラノール基を含む。
本発明の一部の実施形態によれば、前記酸が有機酸である。
本発明の一部の実施形態によれば、前記有機酸が、揮発性であり、かつ/又は70℃より高い温度で分解する。
本発明の一部の実施形態によれば、前記酸が、グリコール酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、マレイン酸、及び安息香酸からなる群から選択される。
本発明の一部の実施形態によれば、前記基体が、染色された合成繊維を含む布帛であ。
本発明の一部の実施形態によれば、染色された合成繊維中の染料は、120℃より高い温度で移動する。
本発明の一部の実施形態によれば、前記染色された基体が、未処理基体である。
本発明の一部の実施形態の態様によれば、染色された基体の上に直接カラー画像をデジタルインクジェット印刷するためのインクセットであって、前記インクセットが、固定化組成物及び少なくとも一種のインク組成物を含み、前記固定化組成物が、低温硬化架橋(LTCC)剤及び第一キャリアを含み、かつ7より低いpHを示すように配合され、前記インク組成物が、分散された顔料及び/又は染料、アルカリ可溶性剤、高酸価フィルム形成剤、及び第二キャリアを含むものが提供される。ここに与えられるインクセットは、移動可能な染料で染色されるカラー合成布帛の上にカラー画像をデジタルインクジェット印刷するために特に有用であり、さらに硬化時又はその後に染料が印刷画像に浸透して画像の色を損なうような、デジタルインク組成物を硬化するために一般的に使用される高温で昇華できる移動可能な染料で染色される薄暗い色の合成布帛の上にカラー画像をデジタルインクジェット印刷するために特に有用である。
本発明の一部の実施形態によれば、固定化組成物のpHが、6.5より低い。
本発明の一部の実施形態によれば、前記pHが、4〜6.5の範囲である。
本発明の一部の実施形態によれば、前記固定化組成物及び前記インク組成物の各々が、アジリジン及び/又は小分子イソシアネートを実質的に欠いている。
本発明の一部の実施形態によれば、前記LTCC剤が、90℃〜110℃の範囲の温度で架橋反応を開始する。
本発明の一部の実施形態によれば、前記LTCC剤が、100℃より低い温度で架橋反応を進行する。
本発明の一部の実施形態によれば、前記LTCC剤が、カルボジイミド架橋剤である。
本発明の一部の実施形態によれば、前記LTCC剤が、ポリカルボジイミド架橋剤である。
本発明の一部の実施形態によれば、前記固定化組成物が、酸を含む。
本発明の一部の実施形態によれば、前記酸が、有機酸である。
本発明の一部の実施形態によれば、前記有機酸が、揮発性であり、かつ/又は70℃より高い温度で分解する。
本発明の一部の実施形態によれば、前記酸が、グリコール酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、マレイン酸、及び安息香酸からなる群から選択される。
本発明の一部の実施形態によれば、第一キャリアは、水を含む。
本発明の一部の実施形態によれば、第一キャリアは、水及び水混和性有機溶媒を含む。
本発明の一部の実施形態によれば、前記水と前記有機溶媒の比が、100:1〜1:1の範囲である。
本発明の一部の実施形態によれば、前記水混和性有機溶媒が、グリコールエーテルである。
本発明の一部の実施形態によれば、グリコールエーテルが、ジプロピレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、及びジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルからなる群から選択される。
本発明の一部の実施形態によれば、前記アルカリ可溶性剤が、前記酸に接触すると凝固することができる。
本発明の一部の実施形態によれば、前記アルカリ可溶性剤が、アルカリ可溶性樹脂、アルカリ可溶性ポリマー、アルカリ可溶性分散剤、アルカリ可溶性界面活性剤、アルカリ可溶性凝固剤、及びアルカリ可溶性ゲル化剤からなる群から選択される。
本発明の一部の実施形態によれば、前記アルカリ可溶性剤が、アルカリ可溶性ポリマーである。
本発明の一部の実施形態によれば、前記アルカリ可溶性ポリマーが、アルカリ可溶性アクリルポリマー、アルカリ可溶性コアクリルポリマー、ポリ(スチレン/アクリル酸)ポリマー、乳化ポリウレタン、ポリウレタンポリマー、ポリエーテルポリマー、ポリエステルポリマー、ポリアクリレートポリマー、ポリ塩化ビニルポリマー、ポリ酢酸ビニルポリマー、ポリビニルブチラールポリマー、アミノシリコンポリマー、及びそれらのいずれかの塩、コポリマー、又は組み合わせからなる群から選択される。
本発明の一部の実施形態によれば、前記高酸価フィルム形成剤の酸価が、5,7,10,15,20又は30mgKOH/グラムより大きい。
本発明の一部の実施形態によれば、前記高酸価フィルム形成剤が、複数のカルボキシル基を含む。
本発明の一部の実施形態によれば、前記高酸価フィルム形成剤が、ポリアクリル酸、酸性アルコキシル化ポリマー、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリ(アクリル酸−コマレイン酸)、ポリ(ブタジエン−コマレイン酸)、ポリ(エチレン−コアクリル酸)、ポリマレイン酸、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(4−スチレンスルホン酸−コマレイン酸)、及びそれらのいずれかの塩、それらのいずれかの混合物、それらのコポリマー及び/又は組み合わせからなる群から選択される。
本発明の一部の実施形態によれば、前記第二キャリアは、水性キャリアである。
本発明の一部の実施形態によれば、前記染色された基体が、染色された合成繊維を含む布帛である。
本発明の一部の実施形態によれば、前記合成繊維は、ポリエステル繊維、ポリウレタン繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリベンズイミダゾール繊維、及びそれらのいずれかのコポリマー、ナイロン繊維、ポリアクリロニトリル(モダクリル)繊維、レーヨン繊維、ビニロン繊維、サラン繊維、スパンデックス繊維、ビナロン繊維、アラミド繊維、Modal(登録商標)繊維、Dyneema(登録商標)繊維、及びSpectra(登録商標)繊維、及びセルロース繊維及び/又は動物繊維とそれらの組み合わせ、及び前述のものの組み合わせからなる群から選択される。
本発明の一部の実施形態によれば、前記染色された基体が、昇華可能及び/又は移動可能な染料を含む。
本発明の一部の実施形態によれば、前記昇華可能及び/又は移動可能な染料が、120℃より高い温度で移動する。
本発明の一部の実施形態によれば、前記染色された基体が、未処理の染色された基体である、即ち染料移動を制限するために印刷工程のオフラインで予備処理されていない。
本発明の一部の実施形態によれば、分散された顔料は、白色顔料、黒色顔料、黄色顔料、シアン顔料、マゼンタ顔料、青色顔料、緑色顔料、赤色顔料、及びそれらのいずれかの組み合わせからなる群から選択される。
本発明の一部の実施形態の態様によれば、本明細書で与えられたインクセットを使用して、染色された基体の上に直接カラー画像をデジタルインクジェット印刷するための方法であって、以下のことを含む方法が提供される:
基体の少なくとも一部分を前記固定化組成物と接触すること;
前記基体の少なくとも一部分の上に直接前記インク組成物を印刷すること;及び
基体を110±5℃より低い温度に加熱し、それによって架橋反応を開始し、基体の表面の上にフィルムの形の画像を形成すること。
本発明の一部の実施形態によれば、前記方法は、前記加熱に続いて、1時間〜1週間の範囲の時間期間、100℃より低い温度で前記基体をその上に印刷されたまま維持し、それによって前記架橋反応の進行を実施することをさらに含む。一部の実施形態では、前記時間期間は、1時間より短く、又は1週間より長く、又は0〜7日のいずれかの長さであることができる。
本発明の一部の実施形態によれば、100℃より低い温度は室温である。
本発明の一部の実施形態の態様によれば、硬化されたフィルムの形の画像を上に印刷された染色された基体であって、画像が、基体の表面の上に本明細書で与えられたインクセットをインクジェット印刷することによって与えられる、染色された基体が提供される。
本発明の一部の実施形態の態様によれば、染色された基体の上に付与された硬化されたフィルムの形の画像であって、本明細書で与えられた方法によって与えられる画像が提供される。
本発明の一部の実施形態によれば、染色された基体が、移動可能な染料で染色され、硬化されたフィルムが、前記移動可能な染料を本質的に欠いている。
本発明の一部の実施形態によれば、硬化されたフィルムが、前記pH感受性低温硬化自己架橋樹脂又は前記低温硬化架橋剤以外の架橋剤の残留物を本質的に欠いている。
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的用語および/または科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載される方法および材料と類似または同等である方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、例示的な方法および/または材料が下記に記載される。矛盾する場合には、定義を含めて、本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法および実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。
本明細書では本発明のいくつかの実施形態を単に例示し添付の図面を参照して説明する。特に詳細に図面を参照して、示されている詳細が例示として本発明の実施形態を例示考察することだけを目的としていることを強調するものである。この点について、図面について行う説明によって、本発明の実施形態を実施する方法は当業者には明らかになるであろう。
図1は、本発明の実施形態によるLTCCを含む酸性固定化組成物(ラインNo.1)、中性LTCC組成物(ラインNo.2)、及びアルカリ性(pH>9)LTCC組成物(ラインNo.3)を使用して赤色ポリエステル布帛の上に印刷された白色画像の試料から得られた、可視光範囲の測色波長走査によって測定された反射率の比較プロットを与える。
本発明は、その一部の実施形態によれば、インクジェット印刷技術に関し、特に限定されないが、未処理の染色された合成布帛の上に直接インクジェット印刷するための方法及び組成物に関する。
本発明の原理および操作は、図面および付随する説明を参照してより良く理解されることができる。
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、下記の説明に示される細部、または、実施例によって例示される細部に必ずしも限定されないことを理解しなければならない。本発明は他の実施形態が可能であり、あるいは、様々な方法で実施、または、実行される。
上で述べられているように、現在使用されているインクジェット印刷技術は、基体の上及びその中への噴射されたインク滴の浸透、ブリーディング、及び分散、フィルム形成前のインクの続くフェザリング、及び印刷プロセスの熱駆動硬化工程時のフィルム(印刷画像)中への基体の染料の移行のため、未処理の染色された合成布帛の上、特に薄黒く染色されたポリエステル布帛のような染色された吸収性基体の上の直接インクジェット印刷のために適していない。
上述の従来技術は、インクジェット印刷における適度に低い温度で硬化する架橋剤の使用を教示するが、特に従来技術は紙印刷の解決策に向けられているので、及び/又は硬化のために要求される相対的に高い温度及び/又はインクブリーディングなし、染料移行なし、及び強い基体接着の組み合わせた結果を達成することが不可能なため、従来技術は、上述の問題の根本的な解決策を与えることができていない。
本発明者は、薄黒く染色された未処理布帛の上に直接カラー画像をインクジェット印刷するための根本的解決策を考えた。それは、幾つかの特性を組み合わせる低温硬化架橋剤(LTCC)の使用を伴ない、その一部は、互いに反する。例えば、架橋剤は、インク組成物のフィルム形成剤中のカルボキシル基と化学的に相互作用する能力を持つべきであり、染料移行温度より低い温度で基体は、酸性水性媒体においてカルボキシル基と化学的に相互作用せずに酸性水性媒体中で十分に可溶性であり、かつ安定である(作用可能なポットライフを持つ)べきであり、インクジェット機械及び作業環境のために好適であるべきである。さらに、インク組成物のフィルム形成剤の反応性は、LTCCの反応性に適合すべきであり、この効果は、取るに足らないものではない。なぜなら反応性は、増加したpHで減少するが、かかるフィルム形成剤の溶解性は、減少したpHで減少するからである。即ち、希望の溶解性は、アルカリpHを要求するが、希望の反応は、酸性pHを要求するからである。
組成物及び成分の好適なシステムをサーチしているとき、本発明者は、酸性水性媒体においてポリカルボジイミド架橋剤を使用するとき、これらの低温硬化架橋剤は、それが溶解される固定化組成物中の酸のインク固定化活性を減少しないと同時に、固定化組成物中の酸性条件は、フィルム形成剤及び基体に対する架橋剤の低温反応性を減少しないことが驚くべきことに見出された。
また、中性又はアルカリ性のインク組成物中のフィルム形成剤の反応性は、たぶんそれが送出される酸性媒体のため、架橋剤に対して十分に高いことが驚くべきことに見出された。本発明者は、インク組成物中のフィルム形成剤が、例えばアクリレートポリマー又はウレタンポリマー及び樹脂で見出されるように十分な数のカルボキシル官能基を含有するべきであることを見出した。かかるフィルム形成剤は、低温硬化カルボジイミド架橋剤、アクリル/ポリウレタンベースのフィルム形成剤、及び基体の間で効率的な架橋反応が起こりうるようにポリマー/樹脂の酸価に従って選択されることができる。
本発明を実践しようとしているとき、カラー画像がインクジェットによって未処理の薄黒いポリエステル/ポリエステルブレンド布帛の上に直接印刷され、それは、硬化され、洗浄された。得られた印刷物は、染料移行の目に見える兆候を全く見せず、繰り返し洗濯堅牢性試験時も安定していた。
染色された合成布帛の上のカラー印刷のために設計されたインクセット:
本発明の実施形態の態様によれば、固定化組成物及び少なくとも一種のカラーインク組成物を含むインクセットが提供される。本発明の一部の実施形態では、固定化組成物は、無色であり、かつ本質的に透明であり、印刷工程が終了した後に基体の上にマークを残すことは意図されない。一部の実施形態では、固定化組成物は、低温硬化架橋剤(LTCC)及び第一キャリアを含み、固定化組成物のpHは、7より低いように配合される。即ち、固定化組成物は、酸性である。
固定化組成物のpHは、本発明の一部の実施形態によれば、6.5より低い、6より低い、5.5より低い、5より低い、又は4.5より低いように配合されるLTCC剤を含む。一部の実施形態では、本明細書で与えられる固定化組成物のpHは、4〜6.5の範囲である。
インク組成物は、基体に着色剤を運ぶことを意図されるインクセットの部分であり、従ってそれは、分散された着色剤、アルカリ可溶性剤、高酸価フィルム形成剤、及び第二キャリアを含む。インク組成物は、一つの色を基体に運び、従って本発明の一部の実施形態によれば、一種より多いインク組成物がインクセットに存在することができ、各々は、基体に一つの色を付与するためのものであり、分散された着色剤に由来する色は、白、黒、赤、青、緑、シアン、黄、マゼンタ、及びこれらの基本色のいずれかの組み合わせのようないずれかの色のいずれかの色相であることができる。
インクセットは、特に合成繊維を含む染色された基体の上にカラー画像を印刷するために設計され、それは、一般に布帛の吸収性の性質、及び合成繊維中の染料が高温で自由になり、移動する傾向に由来する挑戦を与え、それは、一般に基体の表面の上に十分に接着された顔料フィルムを形成するように印刷後に顔料ベースのインク組成物を硬化するために使用される。それゆえ、本発明の固定化組成物は、以下の二つの方法で機能するように配合される:
(i)液体及び流体であるインク組成物(これは、それがインクジェット機械のために好適であるようにしなければならないからである)が、基体の表面の上でそれと接触して定着するようにすること;及び
(ii)硬化時にインク組成物中のフィルム形成剤と反応しうる基体の表面に架橋剤を送出し、それによって基体に付着されるフィルムを形成し、このフィルムが、印刷された画像を構成すること。
低温硬化架橋剤:
本発明の実施形態の文脈では、架橋剤は、インク組成物の成分に存在する官能基(一緒に本明細書ではフィルム形成剤として言及される)並びに基体中の要素によって示される官能基と反応し、それらと結合を形成するように選択され、さらに基体中の染料が自由に動く温度より低い硬化温度でこの反応性を示すように選択される。
インク硬化工程時に染料移行を避けるためには、LTCCは、それが90℃〜110℃、又は80℃〜120℃、又は90℃〜120℃の範囲の温度で架橋反応を開始できるように選択される。一部の実施形態では、架橋反応の開始温度は、組成物が(貯蔵寿命及びポットライフを延ばすために)まだ使用されていないとき又は(詰まりを防止するために)印刷機械にあるときには偶然に達成されないことが好ましい。一部の実施形態では、LTCCは、それが120℃より低い、110℃より低い、又は100℃より低い温度で架橋反応を伝播する(開始後に継続する)ことができるように選択される。いったん印刷法の硬化工程で意図的に開始されたら、架橋反応は、基体の表面の上でフィルム中で迅速に又はゆっくりと継続することができる。
本発明の実施形態の文脈では、架橋剤が以下の特性に基づいて規定され、かつ選択されることができる:基体及びインクの成分との化学的適合性(架橋を形成する能力);貯蔵時の安定性及び予備硬化印刷温度;染料移行温度より低い温度で、限定されないが、例えば約120℃より低い温度での、初期反応性及び任意選択的に開始後の継続反応性。
一部の実施形態では、架橋剤は、樹脂の主鎖中のコモノマーとして樹脂ポリマー中に埋め込まれ、その結果、ポリマーは、自己架橋樹脂として見なされ、それは、反応のための条件が合致することを条件として、コモノマーの反応性ペンダント基によって架橋されるだろう。例えば、ポリウレタン樹脂は、主鎖ポリマーに沿ってある頻度でシラントリオール基を含むことができ、それらのうち二つは、溶媒としての水を除去すると(即ち、乾燥すると)、架橋して二つのポリウレタン鎖を架橋するシロキサン結合を形成することができる。
低温硬化架橋剤の上述の規定には、カルボジイミド架橋剤、及びある種の低Tgの自己架橋水性樹脂のような幾つかのファミリーの架橋剤が入るが、本発明の範囲は、これらに限定されない。
本発明の一部の実施形態によれば、LTCCは、カルボジイミド架橋剤、又は「カルボジイミド基含有成分」を有する架橋剤である。用語「カルボジイミド基含有成分」は、一種以上のモノマー、オリゴマー、又はポリマー分子の組成物、又はそれらの一つ以上の混合物を示し、一分子あたり平均して少なくとも二つのカルボジイミド基を含む。本発明の一部の実施形態では、LTCCは、二つ以上のカルボジイミド基を含む分子のファミリーであり、それらは、本明細書では、「ポリカルボジイミド」、略して「pCDI」として言及される。
用語「カルボジイミド」は、線状三原子−N=C=N−基を示す。本発明の実施形態の文脈では、カルボジイミド基中の窒素原子の少なくとも一つは、主鎖又は他の架橋基に結合されるか又はそれらの中に含まれ、少なくとも二つのカルボジイミド基を有する分子をもたらす。
一つの実施形態では、pCDIは、一般配置R−(N=C=N−R−)−N=C=N−R(式中、xは、正の整数であり、R及びRは、各々独立してアルキレン又はアリーレンであり、好ましくは1〜24個の炭素原子を有する)の少なくとも二つの単位を含む。
前述のポリカルボジイミドは、米国特許第4977219号及びEP−A−0277361に開示され、その内容は、完全に述べられているように本明細書に参考として全ての目的のために組み入れられる。例えば、Rがブチル、Rがイソホロン、xが3(中央値)であるpCDIは、エステル溶媒中のブチルイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートを触媒としてのホスホレンオキサイドと反応させることによって作られることができる。鎖長は、単官能イソシアネートと二官能イソシアネートの比率によって制御されることができるが、中央値xのまわりに常にいくらかの分布がある。
EP−A−0628582(その開示は、完全に述べられているように本明細書に参考として全ての目的のために組み入れられる)は、R及びRがともに芳香族であるpCDIを教示する。例えば、Rは、フェニルであり、Rは、トリルである。前に組み入れたEP−A−0277361は、混合された脂肪族及び芳香族のポリカルボジイミド架橋剤を開示し、そこでは各分子は、幾つかの脂肪族のカルボジイミド及び幾つかの芳香族のカルボジイミドを含む。
商業的に入手可能なpCDIの例(それらの一部は、LTCCとして使用するために好適である)は、本発明の実施形態によれば、Ucarlnk(登録商標)XL−29SE(Union Carbide)及びEX−5558(Stahl Holland bv)を含む。pCDIのさらなる例は、米国特許第5081173号,第5047588号,第5136006号,第5373080号,第5258481号,第4487964号,EP−A−0241805,EP−A−0259511,EP−A−0274402、及びEP−A−0277361に記載されており、それらの開示は、完全に述べられているように本明細書に参考として全ての目的のために組み入れられる。
LTCCポリカルボジイミドは、ポリマー主鎖に付加された複数のカルボジイミド基を有するポリマーであることができる。例えば、米国特許第5352400号(その開示は、完全に述べられているように本明細書に参考として全ての目的のために組み入れられる)は、アルファ−メチルスチリルイソシアネートから誘導されたポリマー及びコポリマーを開示する。LTCCポリカルボジイミドは、Technology for Waterborne Coatings,E.J.Glass Ed.,ACS Symposium 663,1997の第8章及びJ.W.Taylor及びD.R.Bassettによるコーティングへのカルボジイミドの適用(それらの開示は、完全に述べられているように本明細書に参考として全ての目的のために組み入れられる)に記載されるように枝分かれ構造を有することができる。これらの枝分かれ構造は、多官能枝分かれアミンをアルキル又はアリールイソシアネートと反応させ、次いで得られたウレア化合物をカルボジイミドに脱水することによって作られる。枝分かれアミンは、また、デンドリマーポリカルボジイミドに導く、三つより多いアミノ基を含有するデンドリマーアミンであることができる。このタイプの構造の利点は、pCDI種中のカルボジイミド基の数の分布が前述の種のものより狭いことである。
水系用途のために好適なLTCCポリカルボジイミド種は、それらを水溶解性又は水分散性にさせる親水性基を含む。これらの材料は、脂肪族又は芳香族ジイソシアネートを縮合し、次いで線状カルボジイミドポリマーの末端イソシアネート基を親水性種、例えばアルキル封止されたポリエチレンオキサイドと反応することによって作られることができる。水相溶性pCDI種は、脂肪族又は芳香族イソシアネートから出発して米国特許第6121406号に示されたもののような種を生成することによって作られることができ、その開示は、完全に述べられているように本明細書に参考として全ての目的のために組み入れられ、それは、親水性pCDI種を記載し、そこではプリカーサーのイソシアネート末端基は、異なる親水性のモノヒドロキシ化合物の混合物、例えばポリエチレンオキサイドモノアルキルエーテルとポリプロピレンオキサイドモノアルキルエーテルの混合物と反応される。
米国特許第5929188号(その開示は、完全に述べられているように本明細書に参考として全ての目的のために組み入れられる)は、主鎖に独立して結合された少なくとも四つの分子鎖を含むpCDI種を記載する。分子鎖の各々は、少なくとも一つのカルボジイミド基を含む。多官能カルボジイミド種は、(a)少なくとも一つのカルボジイミド基及び少なくとも一つのイソシアネート基を有するイソシアネート化合物を、(b)分子中に少なくとも四つのヒドロキシル、第一級アミノ及び/又は第二級アミノ基を有するアミノアルコール、ポリアミン及び/又はポリオールと反応させることによって製造されることができる。
米国特許第6248819号(その開示は、完全に述べられているように本明細書に参考として全ての目的のために組み入れられる)は、親水性のために変性されたポリカルボジイミド化合物を記載し、それは、カルボジイミド単位及びポリオール単位がウレタン結合を介して交互に生じ、親水性単位が両分子末端で生じ、ウレタン結合を介してかかるカルボジイミド単位に結合されるような構造を有する。カルボジイミド単位及びポリオール単位の繰り返し数は、1〜10が好ましい。
例示的な商業的に入手可能な溶媒系ポリカルボジイミド種は、UCARLNK(登録商標)Crosslinker XL−29SEである。商業的に入手可能な水系ポリカルボジイミドの一例は、Nisshinbo Industriesによって製造される多官能カルボジイミドのCarbodilite(登録商標)Vシリーズである。商業的に入手可能な水分散性ポリカルボジイミドの一例は、Carbodilite(登録商標)E−02(Nisshinbo Industries)である。
カチオン性ポリカルボジイミドは、本発明の特定の実施形態のために有利でありうる。かかる種は、前に組み入れた米国特許第6248819号及び第6121406号に記載されたもののように、第4級アミノアルコール又はアミンを反応させることによって製造されることができる。ビスイソシアネート末端化pCDIは、さらに第4級ジオールで鎖延長されることができる。商業的に入手可能なビスイソシアネート末端化pCDIの一例は、Nisshinbo Industriesによって製造されるCarbodilite(登録商標)V−05である。
追加の第4級基は、末端官能化オリゴマーを反応させることによってビスイソシアネート末端化pCDIの端に結合されることができる。この種のオリゴマーは、シランブロックされたヒドロキシ官能開始剤で開始されるジメチルアミノメタクリレートの官能基移動重合によって作られることができる。いったんオリゴマーが作られると、第三級アミン基は、メチル又はベンジル基で4級化されることができ、シラン保護ヒドロキシ基は脱保護されることができる。
本発明の一部の実施形態による固定化組成物に含めるために好適な商業的に入手可能なLTCCポリカルボジイミド種は、限定されないが、Carbodelite(登録商標)V−10,Carbodelite(登録商標)SW−12G,Carbodelite(登録商標)E−05,Picassian(登録商標)XL−701,Picassian(登録商標)XL−702,Picassian(登録商標)XL−725及びPicassian(登録商標)XL−732,Carbodelite(登録商標)E−02,Carbodilite(登録商標)V−05及びCarbodelite(登録商標)V−02−L2が挙げられる。本発明の一部の実施形態では、Carbodelite(登録商標)E−02,Carbodilite(登録商標)V−05及びCarbodelite(登録商標)V−02−L2が本発明の範囲から除外される。一部の市販のLTCCpCDI製品は、印刷ヘッド噴射条件に対する不適合、固定化組成物中の酸性条件との不適合、及び実際の工業的な印刷条件に対して短すぎる貯蔵寿命及びポットライフのため、本発明の一部の実施形態の文脈では適用のためにあまり好適でないことが注意される。
本発明の一部の実施形態では、LTCCは、得られるフィルムに十分な可撓性を与える相対的に低いTgを有する、自己架橋ウレタン/アクリルベース樹脂、又は自己架橋ポリウレタン及び/又はポリアクリレート樹脂(純粋品、混合物及び/又はそれらのコポリマー)である。一つの例は、ポリマーの鎖の一部を形成するシラントリオール基を有する低Tgポリウレタン樹脂である。特に、LTCCは、120℃以下の温度であっても水から乾燥されるときにシラノール基で見い出されるような、その中の−OH官能基の分子内反応性によって硬化を受ける水系樹脂(水中で乳化、懸濁又は分散される樹脂)である。かかる低温硬化自己架橋水系樹脂は、限定されないが、低Tgの自己架橋脂肪族ポリウレタン及び/又はポリアクリル分散液を含む。例示的な低温硬化自己架橋樹脂は、例えば米国特許第3442843号及び米国特許出願公開第20070004856号に記載されている。
低温硬化自己架橋樹脂を使用するとき、追加の架橋剤は、インク組成物には余分でありうる。従って、本発明の一部の実施形態では、インク組成物は、低温硬化自己架橋樹脂ではない追加の架橋剤を本質的に欠いている。さらに、自己架橋樹脂は、少なくともある程度、インク組成物において他の樹脂、接着促進剤、及び/又はフィルム形成剤を置き換えることができる。一部の実施形態では、自己架橋樹脂は、インク組成物又は固定化組成物の一部を形成することができる。
LTCCとして低TgのpH感受性低温自己架橋樹脂を使用するとき、樹脂はまた、pH感受性剤として作用し、同様にアルカリ可溶性剤の添加を余分なものにする。
インクジェット印刷及び本発明の文脈において使用するために好適である商業的に入手可能な低TgのpH感受性低温自己架橋水系樹脂は、限定されないが、TAKELAC(商標)WS−6021のようなTAKELAC(商標)WSシリーズのメンバーがある。
本発明の実施形態によれば、低温硬化架橋剤を含有する固定化組成物(LTCC含有固定化組成物)は、分散された着色剤、アルカリ可溶性剤、高酸価フィルム形成剤、及びキャリアを含むインク組成物の固定化に導くインク組成物中の変化を起こすことができ、一方インク滴の固定化は、以下に詳細に述べられるように、二種の組成物に接触すると実施される。
簡単に述べると、インク組成物の固定化は、一般的に、特に織物のような吸収性基体の上にインク組成物をインクジェット印刷するとき、基体の表面の中/上のインク組成物のインク間混合(一つより多い色が印刷のために使用される)、浸漬、分散及びフェザリング(これらは、本明細書においてまとめてブリーディングとして言及される)を制限又は阻止する目的を伴なって基体の表面の少なくとも一部分の上で実施される。インク組成物の固定化は、さらに基体の表面の上にフィルムを形成することを助け、それによって改良された色解像度及び洗濯堅牢性を有する完成した硬化印刷画像を与える。本発明の一部の実施形態によれば、基体は、織布又は不織布、布、衣料、及び/又は衣類片のような繊維基体である。
定量的に、本発明の実施形態の文脈における「固定化」は、色が付いたインク組成物の粘度を10倍、50倍、100倍、500倍、1000倍、又は2000倍、及びそれより多く高めるものとして規定される。例えば、与えられた色が付いたインク組成物が10〜13cpの粘度を有することによって特徴づけられるとき、それは、その粘度が凝固の結果として約2000cp又はそれより高くに高められるときに固定化されたとして規定される。一部の実施形態では、用語「固定化」は、液体の滴が流れたり、浸漬したり、にじんだり、分散したり、フェザリングしたりする傾向が少ないように、液体の粘度の大幅増加を示すために使用される。
従って、本発明の一部実施形態による、液体インク組成物の滴に影響する化学的及び/又は物理的変化は、一般的に、「固定化」として言及される。本発明の一部の実施形態による、インク組成物中に起こる化学的及び機械的変化の文脈では、本明細書で使用される用語「固定化」は、用語「凝固(coagulation)」、「凝固(congelation)」、「凝結(flocculation)」、「沈殿(precipitation)」、「増粘(thickening)」、又は「ゲル化(gelation)」と交換可能であり、その逆も可能であり、以前は流動性であった液体の流動性の大幅な減少を示す。凝固は、組成物中の可溶性成分の沈降、沈殿、部分凝固、及び部分重合によっても実施されることができる。本明細書で使用される用語「沈降」は、顔料粒子のような懸濁コロイド又は乳化物質の不安定化を示す。本明細書で使用される用語「凝結」は、ポリマー鎖による粒子間の架橋を示し、それは、それらが沈降又は沈殿するかもしれない凝集粒子又はより大きな凝集体を形成させる。
本発明の一部の実施形態によれば、LTCC含有固定化組成物は、LTCC剤を担持して基体に送出し、基体の表面を酸性環境にするために配合される。LTCC含有固定化組成物は、着色剤を含有せず、従って実質的に透明でかつ無色であり、基体の上に目立つ印を残さないように意図される。従って、本発明の一部の実施形態によれば、LTCC含有固定化組成物は、着色剤を本質的に欠いている。
本発明の一部の実施形態によれば、固定化組成物のpHは、その中の酸の存在のために酸性である。かかる実施形態では、固定化組成物のpHは、6.5より低く、約2〜6.5又は約3〜5又は約2〜4の範囲である。任意選択的に、固定化組成物のpHは、約3〜6.5,4〜6.5,又は5〜6.5の範囲、又はそれらの間のいずれかの値である。固定化組成物は、緩衝剤を含んでも含まなくてもよい。一部の実施形態によれば、固定化組成物は、基体の上に望ましくない痕跡を残さずに希望のpH範囲を確実にするためにアンモニア/アンモニウム塩基又は別の揮発性アミンのような好適な塩又は弱塩基によって緩衝されることができる。緩衝は、トリス(ヒドロキシメチルアミノメタン)(Tris又はTHAMとしても言及される)のような弱アミンのような、限定されない緩衝剤によって達成されることができる。
小さい分子酸、有機酸、又はポリマー酸も、pH感受性アルカリ可溶性剤を含むインク組成物を凝固/凝結させることができ、一部の酸は、一部の実施形態及び印刷条件及びタスクにおいて使用するために好ましいかもしれない。好ましさに劣る酸は、顕著な臭いを付与する酸を含むか、又は基体を焼き尽くしたり、又は基体にしみを残したり、又はインク組成物又は基体中の染料を移行させるかもしくはそうでなければ消失させるかもしれない。本発明の実施形態によれば、好適な酸は、グリコール酸(揮発性)、酢酸(幾らかの酢臭を伴なって揮発性)、乳酸(高温で二量体化)、リンゴ酸、アスコルビン酸、マレイン酸、安息香酸、及び幾つかのポリマー酸(酸性ポリマー)、及びそれらのいずれかの組み合わせを含む。
本発明の一部の実施形態では、LTCC含有固定化組成物は、固定化組成物の全重量の約0.1%〜約20%の範囲の全量で、又は固定化組成物の全重量の0.5〜15%もしくは0.5〜10%、0.1〜5%もしくは0.5〜4%もしくは0.5〜3%もしくは1〜5%もしくは1〜4%もしくは1〜3%もしくは1〜2%の範囲の全量で一種以上の酸性剤(酸)を含むことができる。もし一種以上の酸が利用されるなら、各酸は、固定化組成物中の酸の全量が望ましい範囲内である限り、酸のブレンドを含む0〜100%の間の任意の割合で存在させてもよい。
本発明の一部の実施形態によれば、固定化組成物は、水性であり、即ち第一キャリアは、水を含む。一部の実施形態では、水性キャリアは、水混和性有機溶媒をさらに含む。水対水混和性有機溶媒の比は、100:1〜1:1の範囲である。水混和性有機溶媒の例示的なファミリーは、グリコールエーテルを含み、それは、限定されないが、ジプロピレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、及びジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルを含む。
本発明の一部の実施形態によれば、水性キャリアは、界面活性剤又は浸透剤、例えばグリコールエーテル及び1,2−アルカンジオール、例えばエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−イソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、及びジプロピレングリコールモノ−イソプロピルエーテルを含めることによって速い浸透(迅速乾燥)をなすことができる。1,2−アルカンジオールは、好ましくは1,2−C4−6アルカンジオール、最も好ましくは1,2−ヘキサンジオールである。好適な界面活性剤は、エトキシル化アセチレンジオール(例えばAir ProductsからのSurfynols(登録商標)シリーズ)、エトキシル化第一級(例えばShellからのNeodol(登録商標)シリーズ)及び第二級(例えばUnion CarbideからのTergitol(登録商標)シリーズ)アルコール、スルホスクシネート(例えばCytecからのAerosol(登録商標)シリーズ)、オルガノシリコーン(例えばWitcoからのSilwet(登録商標)シリーズ)、及びフルオロ界面活性剤(例えばDuPontからのZonyl(登録商標)シリーズ)を含む。
添加されるグリコールエーテル及び1,2−アルカンジオールの量は、適切に決定されなければならないが、インクの全重量に基づいて、一般的には約1〜約15重量%、より一般的には約2〜約10重量%の範囲である。界面活性剤は、インクの全重量に基づいて、一般的には約0.01〜約5重量%、好ましくは約0.2〜2重量%の量で使用されることができる。
本明細書で与えられるLTCC含有固定化組成物は、インクジェット印刷工程のインラインでのその付与のために好適であるように配合される。換言すれば、固定化組成物は、印刷工程の前の予備処理工程よりむしろ印刷工程の一部として基体の上に直接付与されるように設計され、それはインクジェット印刷工程のオフラインを起こしうる。かかる配合は、特に組成物がインクジェット機構の一部、特に直接インクジェット印刷に関係する部分を形成するインクジェットアプリケーターのために好適であることが要求されるという意味において、固定化組成物の幾らかの制限を受ける。
本明細書で与えられるLTCC含有固定化組成物の機械的特性は、少なくともある程度、基体の上に組成物を付与するために使用される液体アプリケーターの特性と相関している。好適なアプリケーターは、一般的に相対的に低い解像度で基体の相対的に大きい領域をカバーするために使用される高出力容量スプレーノズル、及びインクジェット印刷ヘッドを含み、インクジェット印刷ヘッドは、より専用品で複雑であり、相対的に低い出力容量で正確な滴配置(高解像度)のために使用される。簡単のため、用語「ノズル」は、本明細書では、高出力低解像度液体アプリケーターを示すために使用され、用語「印刷ヘッド」は、低出力高解像度液体アプリケーターを示すために使用される。出力容量はまた、相対スピード(アプリケーターが、印刷プロセス時に基体の上を移動するスピード(又は基体が、印刷プロセス時にアプリケーターの下を移動するスピード))によって影響されることがあるが、出力容量は、単位時間あたり単位面積に送出される液体の全量を報告することによって相対移動を考慮しながら決定される。一般的な印刷ヘッドは、任意の与えられた画像セグメント(「ピクセル」)、パレット移動、及び印刷ヘッド周波数で変動デジタルカラー条件に従ってインクを送出し、一方、一般的なスプレーノズルは、パレット移動によって変動される経過時間あたりの液体の一定圧力下で一定量を送出する。例示的な比較のため、ノズルのスプレー出力容量は、約1.5barの圧力で平方インチあたり約4〜5グラムの範囲であるが、印刷ヘッドの噴射出力容量は、平方インチあたり約0.02〜0.05グラムの範囲である。
一部の実施形態によれば、LTCC含有固定化組成物がノズルによって付与(噴射)されるように設計されるとき、その成分は、組成物が以下の条件の少なくとも一つを示す(によって特徴づけられる)ように選択及び/又は処理される:
10,15又は20ミクロン未満の最大粒子サイズ;
2〜4(N・S)/mの範囲の剪断動粘度;
3センチポアズ未満の室温ブルックフィールド粘度;
24〜26N/mの範囲の表面張力;及び
50〜2000オーム/センチメートルの電気抵抗。
一部の実施形態によれば、LTCC含有固定化組成物が印刷ヘッドによって付与(噴射)されるように設計されるとき、その成分は、組成物が以下の条件の少なくとも一つを示す(によって特徴づけられる)ように選択及び/又は処理される:
1,5又は10ミクロン未満の最大粒子サイズ;
8〜20(N・S)/mの範囲の剪断動粘度;
25センチポアズ未満の室温ブルックフィールド粘度;
24〜32N/mの範囲の表面張力;及び
50〜2000オーム/センチメートルの電気抵抗。
本発明の一部の実施形態によれば、LTCC含有固定化組成物は、水ベースの組成物であり、固定化組成物のキャリア、即ち第一キャリアは、水性キャリア又は水である。
一部の実施形態によれば、固定化組成物及び/又はインク組成物は、アジリジン及び/又は小分子イソシアネートを実質的に欠いている。
一部の実施形態によれば、固定化組成物は、高酸価ポリマーを実質的に欠いている。
カラーインク組成物:
一部の実施形態では、カラーインク組成物は、低温硬化自己架橋樹脂を含み、それは、インク組成物の主なキャリア中で分散又は乳化され、即ち低温硬化自己架橋樹脂は、水系であり、従って水ベースのインクジェットインク組成物の文脈において使用するために好適である。本発明の実施形態の文脈では、低温架橋剤として作用する以外は、低温硬化自己架橋樹脂はまた、次のインク組成物要素:フィルム形成剤、接着促進剤、及び結合剤の少なくとも一つとして作用することができる。
一部の実施形態では、低温自己架橋樹脂はまた、pH感受性剤として、特に酸感受性低温自己架橋樹脂として作用し、それは、本明細書では、共有結合を与えるようにそれらの間で化学反応を受けることができるペンダント基及び/又は末端封止基を有するポリマーとして規定され、その反応は、酸(例えばHイオン)の存在によって開始及び/又は触媒される。
一部の実施形態では、pH感受性低温自己架橋樹脂はまた、低いガラス転移温度(Tg)によって特徴づけられる。本発明の実施形態の文脈において、低Tgポリマー/樹脂は、0℃以下のTg、又は−60℃〜0℃の範囲のTgによって特徴づけられるポリマーであり、この物理的特性は、限定されない例のために、24時間加熱及び/又は乾燥によって硬化された純粋なポリマーから作られた約50〜100μmの薄膜で測定される。ポリマーのTgを決定するために他の手段があることが理解され、本実施形態は、同様にこれらの他のTg測定方法を包含することを意図される。
一部の実施形態では、低TgのpH感受性低温自己架橋樹脂は、シラノールペンダント及び/又は末端封止基を有するウレタン/アクリルコポリマー/樹脂又はポリアクリルポリマー/樹脂又はポリウレタンポリマー/樹脂である。シラノールは、本発明の一部の実施形態によれば、−Si(R)(R′)−OH基であり、式中、R及びR′は、各々独立して低級アルキル又はヒドロキシル基である。例えば、−Si(R)(OH)基は、シランジオール基であり、−Si(OH)基は、シラントリオール基である。ポリマー中でペンダント/末端封止基として存在するとき、シラノールは、シロキサン(−Si−O−Si−)結合を形成することができ、その形成は、乾燥(水の除去)、及び/又は加熱(120℃より低い又は100℃より低い温度)、及び/又は酸性条件(酸/Hイオンの存在)によって増強される。シラノール基の相対量は、ポリマーの特性に対して効果を持ち、従って本発明の一部の実施形態によれば、低TgのpH感受性低温自己架橋樹脂は、上記の特性(インクジェット適合性、水系、低温自己架橋基、pH感受性反応性、及び低Tgを含む)に従うように選択される。
以下の実施例の部分で示されるように、インクセットは、固定化組成物及びカラーインク組成物を含み、カラーインク組成物は、LTCCとして低TgのpH感受性低温自己架橋樹脂を含み、染色された合成布帛の上にカラー画像を形成するために使用されるときに優れた耐擦性及び洗濯堅牢性並びに優れた色安定性を示した。インク組成物は、追加のフィルム形成剤又は接着促進剤又は結合剤を加えることなしにこれらの結果を与えることができ、このカラーインク組成物を使用した固定化組成物は、何ら追加の架橋剤の使用なしにこれらの好ましい結果を与えることができた。
一部の実施形態では、現在与えられるインクセットのカラーインク組成物は、分散顔料(水系顔料)、低TgのpH感受性低温自己架橋樹脂及び水、並びに保湿剤/湿潤剤(種々のグリコール)、抗菌剤、消泡剤、耐腐食剤、pH調整及び緩衝剤(7より高い又は8より高いpH)のような幾つかの任意の成分を含み、現在与えられるインクセットの固定化組成物は、酸及び水、並びに保湿剤/湿潤剤(種々のグリコール)、抗菌剤、消泡剤、耐腐食剤、pH調整及び緩衝剤(7より高い又は8より高いpH)のような幾つかの任意の成分を含む。本発明の一部の実施形態では、染色された合成布帛の上にカラー画像を印刷するために本明細書で与えられたインクセットは、低TgのpH感受性低温自己架橋樹脂以外の接着促進剤、フィルム形成剤、又は結合剤を本質的に欠くカラーインク組成物であり、固定化組成物は、LTCCのような架橋剤を本質的に欠いている。
カラーインク組成物中のpH感受性低温自己架橋樹脂の量は、組成物中の樹脂の乾燥重量に基づいて5〜15重量%、又は5〜20重量%、7〜25重量%、又は10〜30重量%の範囲であることができる。
本明細書で与えられるLTCC含有固定化組成物は、好適なカラーインク組成物(ここでは短く「インク組成物」として言及される)と、即ち基体の表面に着色剤を担持する液体配合物と相互作用し、それによって印刷された画像又はデザインをその上に形成するように設計される。
インク組成物は、着色剤(一般的には分散された顔料)、アルカリ可溶性剤、高酸価フィルム形成剤、及びキャリアを含む。インク組成物は、追加の樹脂結合剤、追加のフィルム形成剤、追加の接着促進剤、及び追加の分散剤のような他の成分をさらに含むことができる。
本明細書で使用される用語「着色剤」は、印刷された画像に希望の色を付与する物質を記載する。着色剤は、顔料又は染料であることができる。顔料は、一般的に分散された粒子としてインク組成物のキャリア中で懸濁される固体着色剤であり、染料は、インク組成物のキャリア中で溶解される着色剤である。一部の染料は、キャリアと乳剤を形成する不溶解液であることができる。本発明の実施形態によれば、着色剤は、分散された顔料である。
一部の実施形態によれば、アルカリ可溶性剤は、分散剤及び/又は乳化剤の形である。かかる実施形態では、酸性固定化組成物の存在は、アルカリ可溶性分散剤及び/又はアルカリ可溶性乳化剤をその分散及び/又は乳化された状態から抜け出させ、凝固によってインクの固定を起こさせ、分散された顔料は、沈殿し、粘稠すぎて流れなくなり、従ってその基体浸透及び浸漬及びインク間混合が本質的に防止される。
一部の実施形態では、酸と接触するか、又はそうでなければ酸性環境にあるときに凝固する能力について選択されたアルカリ可溶性剤は、樹脂結合剤、分散剤、接着促進剤、及びフィルム形成剤からなる群の少なくとも一つである。一部の実施形態では、アルカリ可溶性剤は、分散顔料のために使用されるような分散剤である。一部の実施形態では、アルカリ可溶性剤は、フィルムの凝集を改良するために使用されるような樹脂結合剤である。一部の実施形態では、アルカリ可溶性剤は、基体に対するフィルムの接着性を改良するために使用されるような接着促進剤である。一部の実施形態では、アルカリ可溶性剤は、フィルム形成剤である。
一部の実施形態では、アルカリ可溶性剤は、アルカリ可溶性樹脂、アルカリ可溶性ポリマー、アルカリ可溶性分散剤、アルカリ可溶性界面活性剤、アルカリ可溶性凝固剤、及びアルカリ可溶性ゲル化剤からなる群から選択される。
アルカリ可溶性剤の化学的特性は、中性又はアルカリ条件下で帯電され、酸性条件で中性になる複数の官能基を含む。例えば、中性又はアルカリ条件で負に帯電されるカルボキシレート基(−C(=O)−O)は、酸性条件で中性になり(−C(=O)−OH)、それによってそれが結合される分子を水溶解性に劣るようにさせる。一部の実施形態では、アルカリ可溶性剤は、アクリレートポリマー、乳化ポリウレタン、ポリウレタンポリマー、ポリエーテルポリマー、ポリエステルポリマー、ポリアクリレートポリマー、ポリ塩化ビニルポリマー、ポリ酢酸ビニルポリマー、ポリビニルブチラールポリマー、アミノシリコンポリマー、及びそれらのいずれかの塩又は組み合わせからなる群から選択される。
上記の樹脂結合剤、分散剤、接着促進剤、及びフィルム形成剤、及びインク組成物の他の任意及び/又は追加の成分のいずれか一つはまた、得られた画像にストレッチ性を与えることができる。かかる剤は、一般に、本明細書では、弾性ストレッチ性を付与する原弾性(proto−elastomeric)フィルム形成剤として言及される。一部の実施形態では、原弾性フィルム形成剤はまた、アルカリ可溶性剤であり、一部の実施形態では、原弾性フィルム形成剤は、アルカリ可溶性剤ではない。一般に、原弾性フィルム形成剤が共重合、架橋及び硬化し、それによって基体に付着するとき、柔らかい、可撓性の、ストレッチ可能な弾性フィルムが形成され、それは、相対的に低いTgによって特徴づけられる。
本発明の一部の実施形態によれば、インク組成物は、水ベースのインクジェットインク組成物であり、従ってインク組成物のキャリアは、水性キャリア又は水である。
本発明の範囲内で考えられるインク組成物は、透明又は半透明着色剤を担持してもよい。インクジェットインク組成物中の基本的な着色剤は、透明又は不透明であることが要求される。なぜなら少数(一般的には3〜8)の基本色が使用され、色及び色合いのフルスペクトルは、これらの基本色が基体の上で様々な組み合わせで混合されたものとして目によって知覚されるときに達成されるからである。しかしながら、いずれかの表面の上に透明インクを使用する多色画像の直接印刷は、画像の背景である表面が白色又は少なくとも軽くしか着色されていないことを要求する。なぜならその固有色は、その上に付与されるインク中の着色剤とともに最終的に知覚された色の形成に関係するからである。暗く着色された又は白色でない基体の表面は、原色インク滴を区別不可能にするか又は実質的に色斜行化させる傾向を持つ。なぜなら原色のいずれかの組み合わせを由来とする最終的に知覚される色は、白色からの又は少なくとも明るい光の色からのその特定の組み合わせの引き算であるからである。それゆえ、表面の上に直接発生される画像の背景は、明るい光の色又は白色であることが物理的に要求される。
白色でない基体の上の印刷の問題を克服するために、不透明白色アンダーベース層は、半透明カラーインク組成物が印刷される前に基体の上に印刷されることができる。この不透明アンダーベース層は、本発明の一部の実施形態によれば、不透明インク組成物によって与えられる。本発明の一部の実施形態による不透明インク組成物はまた、アルカリ可溶性剤を含んでもよく、従って本明細書で与えられるLTCC含有固定化組成物に接触すると凝結するように設計されてもよい。
一部の実施形態によれば、不透明インク組成物は、本質的に白色であり、それは、暗く着色された又は白色でない表面の上に噴射されるときに不透明白色層を与える。一部の実施形態によれば、白色不透明顔料は、例えばチタニア(二酸化チタン又はルチル)のような金属酸化物の好適なサイズの粒子である。
一部の実施形態によれば、ストレッチ可能な可撓性画像のためのアンダーベースとして役立つためには、不透明アンダーベースは、基体と共にストレッチされるとき、(着色された)基体をそれを通して見ることがないように、かつ物理的引張や引きの下でアンダーベース又は画像のクラックがないように、その上に印刷された画像がその背景を維持することを可能にするような高い伸長率でストレッチ可能であるべきである。
不透明インク組成物は、本発明の一部の実施形態によれば、「スポット」着色剤のインクジェット印刷のために好適であり、それは、実質的に不透明な色のインクである。スポット着色剤は、いずれかの他の透明着色剤のように噴射されることができ、ハイライトを与え、通常予め規定された色で画像上を強調するために特別な効果を発生するために使用されることが一般的である。
一般的に、本明細書になされたインク組成物に対するいずれの言及も、特記しない限り、いずれかの色のいずれかの半透明インク組成物、及び白色又はいずれかの他のスポット色のいずれかの不透明インク組成物を言及するものとしてとられるべきである。
一部の実施形態によれば、本明細書に与えられるインクセットは、LTCC剤及び第一キャリアを含み、かつ7より低いpHを示すように配合された固定化組成物、及び分散された白色顔料、アルカリ可溶性剤、高酸価フィルム形成剤、及び第二キャリアを含む少なくとも不透明白色インク組成物を含む。一部の実施形態によれば、第一及び第二キャリアは、水性キャリアである。
共反応性フィルム形成剤:
LTCCポリカルボジイミド剤は、基体中、及びインク組成物中の様々な樹脂及びポリマーで見い出されるカルボキシル基と架橋結合を形成しやすい。硬化工程をより効率的にし、それによって基体の表面に対するフィルム(画像)の接着性を改良するためには、インク組成物において高酸価剤を使用することが好ましい。
フィルムの改良された接着性は、最終の印刷された製品に良好な耐久性又は堅牢性を与える。本明細書では、「耐久性」又は「堅牢性」は、一般的に例えば耐擦性(指こすり)、水堅牢性(水滴)、洗濯堅牢性(洗濯)、スミア(smear)堅牢性(蛍光ペンストローク)又は織物の上のクロック(crock)堅牢性のような色除去に対する印刷された画像の抵抗性を意味する。
本発明の実施形態の文脈において、共反応性種は、好ましくはカルボジイミド基と反応する複数の官能基(一つ以上のタイプの部分)から構成される剤である。共反応性種は、もし一つの組成物中でポリカルボジイミド種とともに混合されるなら不安定でありうる。従って、共反応性種とポリカルボジイミド種の組み合わせは、別個の組成物として基体の表面の上に付与され、混合は、印刷された基体の上で達成される。
カルボジイミド反応性基は、カルボキシル、ヒドロキシル、フェノール、ベータ−ジケトン、チオール、及び第一級及び第二級アミンのような活性水素を有する基を含む。スルホネート及びホスホネート基はまた、水をほとんど含まない凝縮フィルム中でカルボジイミドと反応するが、反応は遅くなる傾向を持つ。
好ましくは、共反応性種は、共反応性種とpCDI種の反応が高い耐久性によって特徴づけられる架橋印刷層を生じるようにカルボジイミド基と反応する一つより多い部分を含む。共反応性種は、多官能分子、オリゴマー又はポリマーであることができ、別個の相として分散されるか(例えばラテックス、乳剤、又はヒドロゾル)又はインク組成物のキャリア中で溶解可能であることができる。オリゴマー又はポリマーは、アクリル、ウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニル、ポリエーテル、ポリアミン及びセルロース構造に基づくことができ、ポリマー又はオリゴマー構造は、ランダム、ブロック、枝分かれ、星状又は樹状構造を含むことができる。ラテックス又は分散粒子は、均質又は芯鞘構造を持つことができる。
共反応性種は、様々な機能のための一つ以上の異なる能力でインク中に存在させることができる。例えば、共反応性種は、不溶解性着色剤(例えば顔料)又は他の不溶解性インク成分のためのポリマー分散剤として存在させることができる。共反応性種はまた、多数のペンダント共反応性基を有する自己分散顔料粒子として存在させることができる。共反応性種はまた、フィルム形成剤及び/又は界面活性剤及び/又は結合剤のような「添加剤」として存在させることができる。
共反応性種は、単一タイプの共反応性部分、又は二つ以上の異なるタイプの共反応性部分の組み合わせであることができる。カルボン酸は、極性環境で又は第三級アミンの存在下で、室温で1,3−カルボジイミド基と反応して、アクリルウレア結合を形成する。アミンは、カルボキシレートより遅い速度であっても1,3−カルボジイミド基と反応して、グアニジンを生成する。他の活性水素基はまた、ヒドロキシル、フェノール、ベータ−ケト構造、及びメルカプタンを含む1,3−カルボジイミド基と反応することが知られている。1,3−カルボジイミド化学の検討は、Chemical Reviews,81,589−636,1981においてWilliams及びIbrahimによって書かれている(その開示は、完全に述べられているかのように全ての目的のためにここに参照として組み入れられる)。
所定のpCDI種が活性水素化合物と反応する速度は、多数の要因に依存する。脂肪族pCDIは、芳香族のものより反応性が強く(50倍くらい)、反応速度は、もし望むならCDI基の近くに立体障害を加えることによってさらに減少されることができる。pCDIは、カルボキシレートよりずっと遅い速度でスルホネート及びホスホネートと反応する。pCDIとこれらの酸基のいずれかとの反応は、水の存在下ではずっと遅い。
カルボキシル化樹脂とpCDIの速い反応は、弱酸から中性のpHで起こり、アルカリ条件下では少し遅い。もしカルボキシレート種が中性化されるなら、第三級アミンが好ましい。アンモニアもまた、使用されることができるが、過剰は、pCDIの架橋能力の損失に導きうる。pCDI種及び共反応性種が反応する希望の速度は、印刷されるアイテムの条件に依存しうる。ある例では、極めて速い架橋が望ましい。例えば、印刷されるアイテムは、印刷直後の水堅牢性又はスメア堅牢性を持つことが必要である。この場合において、ある程度の加熱によって加速される速い反応が有益であるだろう。しかしながら、もし共反応性種を含有するインクが反応性基を有するポリマーラテックス又は分散液を含有するなら、実質的に架橋された連続印刷層がむしろ弱く接着された架橋粒子の層よりも得られるような程度に架橋が進む前にこれらの成分を融合することが望ましい。
共反応性種として好適なモノマーポリアミンは、基NH(CHNHから選択される要素であり、式中nは、2〜8の整数であり、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、及びオクタメチレンジアミンである。また、基HNCHCH(NHCHCHNHから選択される要素も含められ、式中nは、1〜4の整数であり、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、及びテトラエチレンペンタミンがある。
共反応性種として有用な代表的なポリマーポリアミンは、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、ポリ(ビニルアミン−コ−ビニルアルコール)、及びポリアルキレンポリアミンと脂肪族ジカルボン酸との反応によって作られるポリアミノアミドを含む。最後の例は、ジエチレントリアミンとアジピン酸の反応によって作られるポリアミノアミドである。
他の有用なポリアミンは、ポリオールのアミン誘導体:ポリエチレンオキサイド、及び末端アミノ基を有するグリセリンを含み、それは、米国特許第6503307号(その開示は、あたかも完全に述べられているように全ての目的のためにここに参考として組み入れられる)に記載されかつ示された構造式B−1及びB−2によって表わされる化合物を含む。また、エチレンイミンのポリマーが有用であり、それは、前に組み入れられた米国特許第6503307号に記載されかつ示された構造式B−3によって表わされる化合物を含む。これらの材料に対応する商業的製品は、例えばBASF Co.からのLupasol(登録商標)FG,Lupasol(登録商標)G20水なし,Lupasol(登録商標)G20,Lupasol(登録商標)G35及びLupasol(登録商標)WF;及びNippon Shokubai Kagaku K.K.からのEpomin(登録商標)SP−006,Epomin(登録商標)SP−012,Epomin(登録商標)SP−018,Epomin(登録商標)SP−200,Epomin(登録商標)PP−061,Epomin(登録商標)PP−1000を含む。
他の有用なポリアミンはまた、グルコサミン;グルコサミンのダイマー;グルコサミンの3〜10merのアミノ糖;及び糖構造のオリゴマー、例えば分子中に複数の第一級アミノ基を有する部分アセチル化を含むことができる。これらの化合物は、変性された化合物が水溶解性であることを条件として、構造中で変性されてもよい。特定の例は、前に組み入れられた米国特許第6503307号に記載されかつ与えられた構造式B−4〜B−7によって示される。
ポリベータ−ジケトン共反応性種の例は、EP−A−0900831(その開示は、あたかも全体が述べられているかのように全ての目的のためにここに参考として組み入れられる)に記載されるように、スチレン中に組み入れられたペンダントベータ−ケト基を有するラテックス粒子、ラウリルメタクリレート、重合へのメタクリロイルアセトンの添加を有するメタクリル酸乳剤ラテックスを含む。別の例は、米国特許第6040358号(その開示は、あたかも全体が述べられているかのように全ての目的のためにここに参考として組み入れられる)に記載されるように、5〜40重量%の重合可能なベータ−ジケトン及び中和によりポリマーを可溶性にする5〜50重量%の別の重合された部分を有する水分散性のベータ−ジケトンアクリルコポリマーを含む。好ましいベータ−ジケトンモノマーは、アセトアセトキシエチルメタクリレート、アセトアセタミドエチルメタクリレート、及びメタクリロイルアセトンを含むだろう。
ポリチオール共反応性種の例は、前に組み入れられた米国特許第6503307号(参考としてその全体をここに組み入れられる)に記載されかつ示された構造式B−8〜B−17によって示されるように有用な水溶解性ポリチオール化合物を含む。
最も有用なものは、高酸価を有するポリマーである。酸価は、インク組成物中の共反応性種のような化学化合物中又は化合物の混合物中のカルボン酸基の量の尺度である。高酸価は、多数のカルボン酸基を意味する。本明細書で使用される用語「酸価(acid number,acid value,neutralization number)は、化学構造の1グラムを中和するために要求される水酸化カリウム(KOH)の質量(ミリグラム)を示す。
本発明の一部の実施形態の文脈において、本明細書に開示されるインク組成物のために有用な高酸価フィルム形成剤の酸価は、8,10,15,20,25,30,35,40,45,50,55,60,65,70,75,80,85又は90mgKOH/グラムより大きい。
例示的な高酸価剤は、限定されないが、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリルコポリマー、カリウムアクリレート−アクリロニトリルコポリマー、酢酸ビニル−アクリレートエステルコポリマー、及びアクリル酸−アクリレートエステルコポリマーのようなアクリル樹脂;スチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−メタクリル酸コポリマー、スチレン−メタクリル酸−アクリレートエステルコポリマー、スチレン−アルファ−メチルスチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−アルファ−メチルスチレン−アクリル酸−アクリレートエステルコポリマーのようなスチレン−アクリル樹脂;スチレン−マレイン酸コポリマー、スチレン−無水マレイン酸コポリマー、ビニルナフタレン−アクリル酸コポリマー、ビニルナフタレン−マレイン酸コポリマー;酢酸ビニル−エチレンコポリマー、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレンコポリマー、酢酸ビニル−マレイン酸エステルコポリマー、酢酸ビニル−クロトン酸コポリマー、及び酢酸ビニル−アクリル酸コポリマーのような酢酸ビニルコポリマー;イソブチレンマレイン酸樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、アルギン酸誘導体、カルボキシメチルセルロース又はカルボキシメチルスターチ、カルボキシル化ポリエステル、カルボキシル化セルロースアセテートブチレート、及びそれらのいずれかの塩、コポリマー、及び/又は組み合わせを含む。
本発明の一部の実施形態によれば、例示的な高酸価フィルム形成剤は、限定されないが、ポリアクリル酸、酸性アルコキシル化ポリマー、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリ(アクリル酸コマレイン酸)、ポリ(ブタジエンコマレイン酸)、ポリ(エチレンコアクリル酸)、ポリマレイン酸、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(4−スチレンスルホン酸コマレイン酸)、及びそれらのいずれかの塩、それらのいずれかの混合物、それらのコポリマー及び/又は組み合わせを含む。
商業的に入手可能な共反応性高酸価フィルム形成剤は、限定されないが、Joncryl(登録商標)538,Econext(登録商標)230,Takelac W−5661(35%),Takelac W−6110(32%),Takelac W−6355(34−36%),Takelac W−6061(30%),Takelac W−6021,Joncryl flx 5010(40%),Joncryl flx 5026(40%),Picassian AC−049,Picassian AC−122,Picassian AC−169,Picassian AC−213,Picassian AC−246,Picassian AC−111,PU dispersions,Relca PU−415及びRelca PU−426を含む。
本明細書では、一部の共反応性高酸価フィルム形成剤はまた、アルカリ可溶性剤として作用することができ、一部のアルカリ可溶性剤はまた、高酸価フィルム形成剤として作用することができ、本発明は、アルカリ可溶性剤でもある高酸価フィルム形成剤を含有するか、その逆もある本明細書に与えられたインクセットの組成物、及びアルカリ可溶性剤と高酸価フィルム形成剤のいずれかの組み合わせを含む組成物を、組成物が高酸価フィルム形成剤である少なくとも一つの成分、及びアルカリ可溶性剤である少なくとも一つの成分(それらは、同じ成分又は一つより多い成分であることができる)を含む限り、考慮していることが注意される。
染色された合成布帛基体:
一般に、インクセットは、デジタルインクジェット印刷機に使用するために配合され、それは、印刷機によってデジタル的に実施される予め決められたパターンに従って基体の上に直接様々な組成物を付与する。好ましくは、本発明で与えられるインクセットは、染色された基体の上にカラー画像をデジタル的に印刷するためのものである。画像は、着色剤(一般的に分散された顔料)をカプセル封入し、着色剤を基体の表面に付けるフィルムとして形成される。
一部の実施形態によれば、染色された基体は、高温(約110〜120℃より上)で自由になる着色剤によって染色される、少なくとも一部を染色された合成繊維を含む布帛である。糸及びそれ以外として布帛の製造に一般的に使用される合成繊維は、ポリエステル繊維、ポリウレタン繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリベンズイミダゾール繊維、及びそれらのいずれかのコポリマー、ナイロン繊維、ポリアクリロニトリル(モダクリル)繊維、レーヨン繊維、ビニロン繊維、サラン繊維、スパンデックス繊維、ビナロン繊維、アラミド繊維、Modal(登録商標)繊維、Dyneema(登録商標)繊維、及びSpectra(登録商標)繊維、及びそれらとセルロース繊維及び/又は動物繊維の組み合わせ、及び前述のものの組み合わせを含む。
本発明の実施形態の文脈において、基体、又はその中の一部の繊維は、移動可能な染料で染色される。移動可能な染料は、高温で昇華し、インク層中に移動し、その結果、硬化された印刷画像(フィルム)のブリード及び脱色を生じる。かかる熱固化移動可能染料は、ポリエステル及び他の合成繊維を含む布帛で使用され、これらの染色された布帛がそれらの染料の昇華温度に加熱されるとき、染料は、気体に変換する。この昇華工程が顔料−結合剤フィルムの場合のようにインク層の存在下で起こるとき、昇華された染料は、フィルム中に移動する。染料移動の結果が表われるまでは、数日かかり、印刷後、ときには布帛/衣料が包装され、顧客に送られた後に表われる。
本発明の実施形態によれば、移動可能な染料は、180〜215℃の範囲の温度で昇華し、一方顔料−結合剤フィルムの硬化は、一般的に160℃で実施される。しかしながら、ほとんどの硬化装置は、設定されたような平均硬化温度を維持するための熱損失を補償し、それによって設定硬化温度より高い温度に到達する。さらに、染料移動はまた、染料昇華温度より低い、しかしそれに近い温度で起こりうる。従って、本明細書で使用される用語「移動(移行)可能な染料」は、120℃より高い、又は130℃より高い、又は140℃より高い、又は150℃より高い、又は160℃より高い温度で移動(移行)する染料を示し、一方、用語「移動(移行)」は、昇華又は他の現象によって基体からその上に印刷された画像のフィルム中に染料が分散する熱駆動工程を示す。
本明細書に与えられるインクセット、組成物、及び方法は、本明細書で述べたように、印刷工程の前に予備処理されなかった染色された合成布帛基体の上にカラー画像をインクジェット印刷するために特に有用である。換言すれば、本発明が有用である基体は、未処理の染色された基体を含む。本明細書で使用される用語「未処理(処理されていない)」は、本明細書で述べられた印刷工程の前及び/又はそのオフラインに染料移動の防止又は制限のために処理されなかったいかなる染色された基体も示す。本明細書で与えられるインクセットは、染色された合成基体が予備処理される必要性なしで、染料移動を被らずに、染色された合成基体の上にカラー画像を印刷することを可能にする。業界で知られた染料移動のための予備処理は、限定されないが、印刷される表面を、昇華性染料の移動を阻止又は制限する物質及び/又は昇華性染料を捕捉し、脱色する物質で被覆することを含む。
染色された合成布帛のための印刷工程:
本発明の実施形態の文脈では、固定化組成物及びインク組成物は、基体の上に付随して又は実質的に同時に付与されることができる。あるいは、固定化組成物及びインク組成物は、互いの後に基体の上に付与されることができ、それらの間に幾らかの遅れ(秒で測定される時間の短い期間)を有し、それは、0.01秒〜120秒、又は0.01〜90,0.01〜60,0.01〜45,0.01〜30,0.01〜20,0.01〜10,0.01〜5又は0.01〜1秒の範囲であることができる。
順序及びタイミングは、付与の必要性に依存するだろう。例えば、多孔質基体の上では、最初に固定化組成物を付与し、続いてカラーインク組成物の基体中への浸透を制限するためにカラーインク組成物を付与することに利益があるかもしれず、特にインク組成物がカチオンイオン性であるか、又は多価カチオンを含むときにそうである。これは、ブリードを制限し、彩度強化並びに耐久性のある架橋層を与えることができるだろう。あるいは、カラーインク組成物は、まず噴射された後、固定化組成物が噴射され、印刷された層の上に最大の耐久性を与える。もし二つの組成物が付随して又は実質的に同時に付与されるなら、そのとき二つの組成物の混合は、最大化され、層全体は、より均一な架橋を持つだろう。
いったん画像が本発明の一部の実施形態によるインクセットを使用して基体の上に印刷されたら、方法は、相対的に低い温度で画像を硬化することをさらに含み、それは、架橋反応を開始するが、基体中の昇華性染料を、その上に印刷されかつ硬化された新しく形成されたフィルムに移動させたり、それを汚さないようにさせる。
従って、本発明の一部の実施形態の態様によれば、本明細書に記載されたインクセットを使用して、染色された基体の上に直接カラー画像をデジタルインクジェット印刷するための方法が提供される。その方法は、以下の工程を含む:
印刷ヘッド(画像が印刷される基体の領域に対して少量)又はスプレーノズル(低い解像度を要求する大きい領域に対して多量)を使用して基体の少なくとも一部の上に本明細書で記載された酸性LTCC含有固定化組成物を付与すること、又は印刷ヘッド(画像が印刷される基体の領域に対して少量)又はスプレーノズル(低い解像度を要求する大きい領域に対して多量)を使用して基体の少なくとも一部の上に本明細書で記載された、LTCCを欠いた酸性固定化組成物を付与すること;
共反応性フィルム形成剤を含むか、又は低TgのpH感受性低温自己架橋樹脂を含む、本明細書に記載されたインク組成物を、基体の前述の部分の上に直接印刷すること;及び
基体を110±5℃より低い温度に加熱及び/又は乾燥することによって架橋反応を開始し、それによって基体の表面の上に画像(フィルム)を硬化して形成すること。
本発明の文脈では、用語「硬化」は、新しく印刷された画像の成分が架橋を受けて基体の表面の上に硬化されたフィルムを形成する印刷法のいずれかの工程を包含する。従って、硬化は、架橋が開始、進展及び/又は完了するまでに乾燥、加熱及び/又は時間を経過させることを含む。
本出願から成熟する特許の存続期間の期間中には、多くの関連する方法、使用、及び組成が開発されることが予想され、方法、使用、組成物、及びポリマーの用語の範囲は、すべてのそのような新しい技術を先験的に包含することが意図される。
本明細書中で使用される用語「約」は、±10%を示す。
用語「含む/備える(comprises、comprising、includes、including)」、「有する(having)」、およびそれらの同根語は、「含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」ことを意味する。
用語「からなる(consisting of)」は、「含み、それらに限定される(including and limited to)」ことを意味する。
表現「から本質的になる(consisting essentially of)」は、さらなる成分、工程および/または部分が、主張される組成物、方法または構造の基本的かつ新規な特徴を実質的に変化させない場合にだけ、組成物、方法または構造がさらなる成分、工程および/または部分を含み得ることを意味する。
本明細書で使用される特定の物質の文脈における句「実質的に欠いている」及び/又は「本質的に欠いている」は、この物質を完全に欠いているか、又は組成物の全重量又は体積に基づいて約5,1,0.5もしくは0.1%より少ない量でこの物質を含む組成物に関する。あるいは、この工程、方法、特性、又は特徴の文脈における句「実質的に欠いている」及び/又は「本質的に欠いている」は、ある工程/方法工程、もしくはある特性、もしくはある特徴を完全に欠いている工程、組成物、構造、もしくは物品、又はある工程/方法が所定の標準的な工程/方法と比較して約5,1,0.5もしくは0.1%より少なく実施される工程/方法、又は所定の標準と比較して約5,1,0.5もしくは0.1%より少ない特性又は特徴によって特徴付けられる特性もしくは特徴に関する。
本明細書で使用される用語「例示的」は、「例(example,instance又はillustration)として作用する」ことを意味するために使用される。「例示的」として記載されたいかなる実施形態も必ずしも他の実施形態に対して好ましいもしくは有利なものとして解釈されたりかつ/または他の実施形態からの特徴の組み入れを除外するものではない。
本明細書で使用される用語「任意選択的」又は「代替的」は、「一部の実施形態に与えられるが、他の実施形態には与えられない」ことを意味するために使用される。本発明のいかなる特定の実施形態も対立しない限り複数の「任意選択的」な特徴を含むことができる。
本明細書中で使用される場合、単数形態(「a」、「an」および「the」)は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数の参照物を包含する。例えば、用語「化合物(a compound)」または用語「少なくとも1種の化合物」は、その混合物を含めて、複数種の化合物を包含し得る。
本出願を通して、本発明の様々な実施形態が範囲形式で提示されることができる。範囲形式での記載は単に便宜上および簡潔化のためであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈すべきでないことを理解しなければならない。従って、範囲の記載は、具体的に開示された可能なすべての部分範囲、ならびに、その範囲に含まれる個々の数値を有すると見なさなければならない。例えば、1〜6などの範囲の記載は、具体的に開示された部分範囲(例えば、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6など)、ならびに、その範囲に含まれる個々の数値(例えば、1、2、3、4、5および6)を有すると見なさなければならない。このことは、範囲の広さにかかわらず、適用される。
数値範囲が本明細書中で示される場合には常に、示された範囲に含まれる任意の言及された数字(分数または整数)を含むことが意味される。第1の示された数字および第2の示された数字「の範囲である/の間の範囲」という表現、および、第1の示された数字「から」第2の示された数「まで及ぶ/までの範囲」という表現は、本明細書では交換可能に使用され、第1の示された数字と、第2の示された数字と、その間のすべての分数および整数とを含むことが意味される。
本明細書中で使用される用語「方法(method)」は、与えられた課題を達成するための様式、手段、技術および手順を示し、これには、化学、薬理学、生物学、生化学および医学の技術分野の実施者に知られているそのような様式、手段、技術および手順、または、知られている様式、手段、技術および手順から、化学、薬理学、生物学、生化学および医学の技術分野の実施者によって容易に開発されるそのような様式、手段、技術および手順が含まれるが、それらに限定されない。
明確にするため別個の実施形態の文脈で記載されている本発明の特定の特徴が、単一の実施形態に組み合わせて提供されることもできることは分かるであろう。逆に、簡潔にするため単一の実施形態の文脈で記載されている本発明の各種の特徴は、別個にまたは適切なサブコンビネーションで、あるいは本発明の他の記載される実施形態において好適であるように提供されることもできる。種々の実施形態の文脈において記載される特定の特徴は、その実施形態がそれらの要素なしに動作不能である場合を除いては、それらの実施形態の不可欠な特徴であると見なされるべきではない。
本明細書中上記に描かれるような、および、下記の請求項の部分において請求されるような本発明の様々な実施形態および態様のそれぞれは、実験的裏付けが下記の実施例において見出される。
次に下記の実施例が参照されるが、下記の実施例は、上記の説明と一緒に、本発明の一部の実施形態を非限定様式で例示する。
実施例1
カラーインク組成物
カラーインク組成物は、印刷機、LTCC含有固定化組成物、低温硬化架橋剤(LTCC)及び基体と適合するように配合される。
本発明の一部の実施形態によれば、アルカリ可溶性剤は、例えばJoncryl(登録商標)HPD−96,Joncryl(登録商標)96,Joncryl(登録商標)586,Joncryl(登録商標)678,Joncryl(登録商標)296及びJoncryl(登録商標)538のような商業的に入手可能な製品から選択されることができる。
本発明の一部の実施形態によれば、高酸価フィルム形成剤は、例えばJoncryl(登録商標)538,Econext(登録商標)230,Takelac W−5661(35%),Takelac W−6110(32%),Takelac W−6355(34−36%),Takelac W−6061(30%),Takelac W−6021,Joncryl flx 5010(40%),Joncryl flx 5026(40%),Picassian AC−049,Picassian AC−122,Picassian AC−169,Picassian AC−213,Picassian AC−246,Picassian AC−111,PU dispersions,Relca PU−415及びRelca PU−426のような商業的に入手可能な製品から選択されることができる。
本発明の一部の実施形態によれば、典型的なインク組成物は、以下のものを含む:
エチレングリコール及び/又はグリセリンのような湿潤剤(20〜40重量%);
プロピレングリコール(PG)及び/又は1−((3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルペンタン−2−イル)オキシ)−3−メチルブタン−2−オン(Texanol)のような融合助剤(5〜10重量%);
黄、シアン、黒、マゼンタ、又は白色TiO顔料60%濃縮物のような顔料濃縮物(15〜20重量%);
ポリマー非イオン、ポリマーアニオン及び/又はポリマーカチオン分散剤のような酸感受性顔料分散剤;
約10より大きい酸価を有するアクリル及び/又はポリウレタン樹脂の水ベースの乳剤、分散液又は溶液の混合物又は正味のようなポリカルボジイミド架橋剤と反応するための結合剤樹脂(25〜45重量%);
Acticide(登録商標)MBSのような抗菌剤(0.2〜0.3重量%);
水適量;
7.5〜8.5のpH;及び
10〜20cpsの32℃の作用温度での粘度。
好適な結合剤樹脂の例は、ポリウレタン分散液(PUD)、アクリル乳剤(AE)、水分散性ポリエステル(WDP)、及びカルボン酸変性樹脂、例えばスチレン−ブタジエンゴム(SBR)及びアクリロニトリル−ブタジエンコポリマー(NBR)ラテックスを含む。
例示的なPUD及びAE樹脂は、一般的に10〜40の範囲の酸価(mgKOH/g酸)を示す。本発明の実施形態によれば、各々又は合わせて10より大きい酸価を有する、二種以上の結合剤の組み合わせを使用することが可能である。
印刷試験に使用される例示的なカラーインク組成物は、以下の表に与えられる。
一部の実験組成物では、以下のものを使用することによって良好な結果が得られた:
純粋なアクリル乳剤として使用される、高酸価を有するJONCRYL(登録商標)538;
Stahl(登録商標)のAC−170アクリル乳剤のような低酸価アクリル結合剤と組み合わせたJONCRYL(登録商標)538;及び
30〜50%で主結合剤として使用されたPrimal ECONEXT(商品名)230アクリルスチレン乳剤と組み合わせた3〜6%のJONCRYL(登録商標)538。
実施例2
固定化組成物
低温での硬化を達成し、染料移動を避けるために、ポリカルボジイミドLTCCが使用され、それは、相溶配合されたインク組成物のアクリル結合剤、並びにポリエステル布帛に見い出されるカルボキシル基と反応する。本発明の実施形態の文脈において、架橋剤は、インク組成物中よりむしろ固定化組成物中に置かれ、印刷前のインク組成物中の樹脂の未成熟な架橋及び硬化を避ける。低温硬化剤は、インク溜め及び/又は印刷ヘッド中にありながらインク組成物中で種と反応しうる。
本発明の一部の実施形態によれば、ポリカルボジイミドは、例えばCarbodelite(登録商標)V−10,Carbodelite(登録商標)SW−12G,Carbodelite(登録商標)E−05,Picassian(登録商標)XL−701,Picassian(登録商標)XL−702,Picassian(登録商標)XL−725及びPicassian(登録商標)XL−732,Carbodelite(登録商標)E−02,Carbodilite(登録商標)V−05及びCarbodelite(登録商標)V−02−L2のような商業的に入手可能な製品から選択されることができる。本発明の一部の実施形態によれば、LTCC剤は、ポリカルボジイミド架橋剤である。但し、ポリカルボジイミドは、Carbodelite(登録商標)E−02,Carbodilite(登録商標)V−05又はCarbodelite(登録商標)V−02−L2ではないことが条件である。
固定化組成物は、本発明の実施形態によれば、トランジトリー酸(transitory acid)、即ち揮発性であるか又は加熱により良性の副産物に分解しやすい酸をさらに含む。一般的には、酸は、酢酸のように揮発性の酸、又はラクチドを形成するために脱水条件下で自己反応する傾向を持つ乳酸、乳酸の環式ジエステル、又は硬化工程で分解するグリコール酸である。酸はまた、LTCCと反応しないように選択される。
固定化組成物は、印刷タスク又は機械構成に依存して、スプレーノズル又は印刷ヘッドによって付与されることができる。固定化組成物のスプレーモード付与は、画像が続いて印刷される領域を含み、それを越えて延びる領域にわたって液体をスプレーすることによって実施された。以下の表3は、スプレーノズル付与のために好適な、本発明の一部の実施形態による一般的な固定化組成物を与える。固定化組成物の印刷ヘッドモード付与は、続いて印刷される画像の同一広がり領域の上に液体をデジタル印刷することによって実施される。以下の表4は、印刷ヘッド付与のために好適な、本発明の一部の実施形態による一般的な固定化組成物を与える。
実施例3
染色されたポリエステル布帛の印刷
本発明の実施形態によれば、約90〜110℃での低温架橋は、赤、青、緑、又は黒色に染色されたポリエステル基体の上に印刷された白色不透明フィルムの硬化を実施するために利用された。低温硬化工程は、染料移動を起こさなかったが、洗濯堅牢性を達成した。白色インクの酸誘導凝固は、基体の上にフィルムを形成することを助け、布帛中へのインクの浸透(浸漬)を最小にした。
本発明の実施形態に従って、低温硬化架橋剤(LTCC)を使用し、新しく印刷された画像を100±5℃の低温で10〜12分間硬化するとき、結合剤−架橋剤−ポリエステル布帛ネットワークである安定したフィルムが形成され、染料移行を全く示さなかった。室温での後工程硬化は、3日間継続した。
全ての印刷試験は、Kornit Digital LTD、イスラエルによるAvalanche Hexa(商品名)を使用して実施された。
布帛基体は、Nike(商品名),Proline(商品名)及びPromodoro(商品名)によって販売される、赤、青、緑又は黒色染色の100%ポリエステル布帛からなった。
硬化は、100±5℃又は150±5℃の温度で10〜12分間実施された。一般に、硬化するために120±5℃より低い温度を要求する架橋剤は、本明細書では低温硬化架橋(LTCC)剤として言及され、硬化するために120±5℃より高い温度を要求する架橋剤は、本明細書では高温硬化架橋(HTCC)剤として言及される。
固定化組成物は、スプレーノズルを使用して、約0.05g/cm(0.04〜0.06g/cm)の割合で付与された。LTCC実験については、固定化組成物は、適量の水に10重量%のプロピレングリコール、1.9重量%の酢酸、及び0又は3.5重量%のLTCC(日本のNisshinbo Holdings Inc.によるCarbodelite(登録商標)V−10)を含んでいた。HTCC実験については、固定化組成物は、適量の水に1.9重量%の酢酸を含み、架橋剤を含まなかった。
HTCC実験では、白色インク組成物は、Primal ECONEXT(商品名)230乳剤のような商業的に入手可能で広く使用される自己架橋アクリル樹脂乳剤に含まれる自己架橋剤を約0.5〜2重量%含み、それは、約120℃より高い温度で、最適には約150℃より高い温度で硬化する。
標準的な洗浄試験は、200gの洗剤を入れられ、40℃で、各60分、1000rpmのリンス回転スピードの五回の洗浄サイクルを実施するように設定されたSiemens洗浄機を使用して、全ての試料に対してその上に画像を印刷し、硬化してから72時間後に行なった。
染料移動は、試料が室温で保たれている少なくとも一週間にわたって、測色パラメーターL,a,b(色強度測定)の変化を測定することによって定量的に決定された。定量的な染料移動は、X−Rite、米国によるi1Basic Pro 2測色計を使用し、印刷された布帛の表面の上に手で適用して測定した。簡単に言うと、CIEのL,a,bのカラースケールは、ほぼ均一なカラースケールであり、3次元色空間でプロットされたサンプル点の間の差は、サンプル色の間の視覚的な差に相当する。CIEのL,a,bの色空間は、デカルト座標系で体系づけられ、そこではL軸は、上の+100から下の−100まであり、各々は、完全な拡散反射体を表わし、一方Lについて最小は、ゼロであり、黒を表わす。a及びb軸は、特定の数値制限を持たず、正のaは赤であり、負のaは緑であり、正のbは黄であり、負のbは青である。全色差ΔEは、試料のL,a及びbと標準値の間の差を考慮する単一値であるが、それは、どのパラメーターが許容外であるかを示さない。ΔL,Δa又はΔbのうちの一つ以上が許容外である場合には、ΔEは、まだ許容内でありうる。
例えば、赤色染色ポリエステルの上に不透明白色画像を印刷しながら、a値は、移動性の赤色を測定するために赤色染色されたポリエステルシャツの上に印刷された画像の白色表面の上で測定されたが、この値は、硬化後にできるだけ低くすべきであり(約2〜6単位)、1週間後に変わるべきでない(ΔE≦1単位は、染料移動試験を合格するものとして見なされる)。
表5は、0.018g/cmの割合で、固定化組成物から湿潤した湿潤基体の上に直接印刷され、100±5℃でその上で硬化された、本発明の一部の実施形態による、低温硬化ポリカルボジイミド架橋剤(3.5重量%Carbodelite(登録商標)V−10)を含む、連続白色フィルム(画像)を有する赤、青、緑又は黒色染色されたポリエステル布帛を使用した印刷実験の結果を与える。
表5でわかるように、画像フィルムの硬化は、洗濯堅牢性について重要であり、それゆえ架橋剤を全く含まない(試料3,6,10及び12)又は100℃の低温に加熱されたHTCCを持つ(試料4及び8)印刷試料は、洗濯堅牢性試験を合格しなかった(たった2サイクルの後の標準的な洗濯試験中に完全に剥離した)。表5でさらにわかるように、約120℃より高い温度で硬化された試料は、試料2,7及び13で明らかであるように、どの架橋剤が使用されたかにかかわらず、染料移動を被った。染料移動試験と洗濯堅牢性試験の両方を合格した唯一の試料は、本発明の実施形態によるLTCCを含む固定化組成物を付与することによって形成されかつ約100℃で硬化されたものである。
表6は、上に白色画像を印刷し、室温(RT)、100℃又は150℃で3.5重量%ポリカルボジイミドLTCC(Carbodelite(登録商標)V−10)を使用して硬化した赤色染色されたポリエステル布帛基体を使用する印刷実験の結果である。染料移動は、上で述べたように、画像が印刷され、室温で維持されてから一週間後の染色された基体の上に印刷された白色画像の上側で行なわれた色強度測定によって定量的に測定された。
表6でわかるように、LTCCを使用して赤色染色ポリエステル布帛の上に印刷されかつ室温で硬化された白色画像は、洗濯堅牢性試験の不合格から明らかなように基体と必要な結合を形成せず、100℃又は150℃で硬化された画像は、必要な結合を実際に形成した。表6でさらにわかるように、100℃で硬化された画像は、脱色なしを示し、それは、染料移動が起こらなかったことを示した。一方、150℃で赤色染色されたポリエステル布帛の上で硬化された画像は、染料移動によって起こる、目に見えてかつ測定可能な脱色を示した。
実施例4
インク樹脂効果
本発明の文脈では、フィルム中にインクを硬化する前に印刷されたインク滴の固定化を達成することは、フィルム融合及び形成に寄与し、それは、次に基体へのフィルムの架橋を促進する。いったん基体に接触するとインク組成物と固定化組成物中の酸の間の酸−塩基相互作用から生じる、凝固によるインク滴を固定化する有利な効果は、どこにでも示されている。
染色された合成布帛の上の印刷された画像フィルムの低温硬化のためのLTCCの良好な使用は、カウンターパートの色担持インク組成物、特にアクリレートポリマー及び/又はそのウレタンポリマー乳剤成分の適応を要求する。酸性環境(低pH)は、インク組成物中の成分のカルボキシル基とLTCCの間の反応を、主にそこで乳化された高酸価樹脂で促進することによって速い架橋に寄与する。
この実施例では、洗濯堅牢性に対するインク組成物におけるアクリル乳剤成分の酸価の効果は、染色されたポリエステル布帛試料の上に白色画像を印刷するために低温硬化架橋剤を使用することにおいて研究された。Stahl(登録商標)AC−170アクリル乳剤(7の酸価)、Primal ECONEXT 230(37の酸価)及びJONCRYL(登録商標)538(70の酸価)の限定されない例を含む、酸価値の範囲を有する様々なアクリル樹脂の乳剤が、酢酸(1.9重量%)及びポリカルボジイミドLTCC(3.5重量%Carbodelite(登録商標)V−10)を含む水性固定化組成物を使用して赤色染色ポリエステル布帛基体の上に白色フィルムを印刷及び100±5℃で硬化するために比較して使用された。結果は、表7に与えられる。
表7でわかるように、AC−170のように低い酸価(10未満)を有するアクリル樹脂は、LTCCと100℃で反応/架橋せず、従って得られたフィルムは、基体に付着せず、1の洗濯堅牢性の点数(全ての印刷フィルム試料が剥離した)をもたらした。低い酸価の樹脂AC−170を高い酸価のアクリル樹脂JONCRYL(登録商標)538(70の酸価)に置き換えることによって与えられた、高い酸価を有するアクリル樹脂組成物をそこで乳化したことのみが異なる、本質的に同じインク組成物は、洗濯堅牢性の点数を1から4に改良した。
インク組成物中の様々な樹脂及び接着促進剤の化学特性は、LTCCを含む固定化組成物を基体に付与することと関連して染色ポリエステル布帛の上に白色画像を印刷するために低温硬化で使用されるときに洗濯堅牢性及び染料移動に対するそれらの効果を確立するために研究されることができる。研究は、固定されたセットのインク組成物成分及びインクジェットインク組成物に使用するために好適な一連の商業的に利用可能な樹脂化合物を使用し、酸価、及び反応性ペンダント基、封止(末端)基、枝分かれのタイプと密度のような様々な化学的及び物理的特徴を持って行なわれた。アクリル樹脂及びポリウレタン樹脂及び前述のコポリマー、及びアクリル樹脂とポリウレタン樹脂の混合物、及び低酸価アクリル樹脂及び高酸価アクリル樹脂は、固定化組成物中のLTCC剤のためのカウンターパート反応体としての好適性について試験されることができる。
LTCC剤のためのカウンターパート反応体として好適な樹脂は、限定されないが、Joncryl Flx 5025/5026(40%;酸価6)、Takelac W−5661(35%;ポリウレタン樹脂)、Takelac W−6110(32%;ポリウレタン樹脂)、Takelac W−6355(34〜36%;ポリウレタン樹脂)、Takelac W−6061(30%;ポリウレタン樹脂)、Takelac WS−6021(30%;ポリウレタン樹脂)及びJoncryl Flx 5010(40%;酸価7)を含む。固定されたセットの成分は、Paste 1002/4 b:9283又はVMA(40%)のような23〜26%顔料濃縮物、プロピレングリコール(PG,20〜30%)、モノエチレングリコール(MEG,4〜5%)、BYK 348(0.05〜1%)のような界面活性剤、トリエチルアミン(TEA,0.05〜1%)のようなpH調整剤、ACTICIDE(登録商標)MBS(0.05〜1%)のような殺菌剤/抗菌剤、及び適量の水を含むことができる。試験は、染料移動(ΔE値によって表わされる。)及び洗濯堅牢性(標準洗濯試験)、及び他の業界で知られた標準試験について100±5℃又は150±5℃で10分間の硬化の効果を含むことができる。
高い酸価を有する前述の樹脂を含有するインク組成物は、染料移動及び洗濯堅牢性によって相対的に低い酸価の樹脂を含有する標準的なインク組成物と比較されるだろう。標準的なインク組成物は、一般的に、水酸化カリウムでpH7〜8に中性化された、高分子量メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/エチルトリエチレングリコールメタクリレートブロックコポリマー;又はN−N−ジメチルエタノールアミンによってpH7〜8に中性化された、フェノキシエチルアクリレート−g−エトキシ−トリエチレングリコールメタクリレート−コ−メタクリル酸グラフトコポリマー;又はグラフト化されたカルボキシレート基で変性された表面変性自己分散性顔料;又はアクリルラテックス;又はWitcobond W213カチオン性ポリウレタンなどの反応性樹脂を10%未満含む。
米国特許第7425062号に使用されるもののようなインク組成物は、特にそこで特定される温度で及び100±5℃で硬化されるとき、本発明の一部の実施形態による反応性樹脂を含むインク組成物と比較される。
相対的に低い酸価の樹脂を含有する標準的なインク組成物と比較して、本発明の実施形態による、高酸価を有する前述の樹脂を含むインク組成物は、100±5℃の相対的に低い温度でより効率的な架橋を持ち、より高い洗濯堅牢性を示すこと、そして全てにおいて染料移動の有意な目に見える兆候を示さないことが予想される。
実施例5
ポリカルボジイミド効果
様々なポリカルボジイミド架橋剤の化学特性が、染色されたポリエステル布帛の上に白色画像を印刷するために、本発明の実施形態による固定化組成物中でLTCCとして使用されるとき、洗濯堅牢性及び染料移動についてそれらの効果を確立するために研究された。
様々なポリカルボジイミド架橋剤を表わすために、以下のNisshinbo(登録商標)の水溶解性の水中油乳剤、又は石けん/分散剤で水分散可能なLTCCが商業的に入手可能である:
Carbodelite(登録商標)E−02(米国特許第7134749号)、長いポットライフを有する、石けんを含まない乳剤として与えられる;
Carbodilite(登録商標)V−05(米国特許第7134749号);
Carbodelite(登録商標)V−02−L2(米国特許第7134749号)長いポットライフを有する水性溶液として与えられる;
Carbodelite(登録商標)V−10;
Carbodelite(登録商標)SW−12G、DPMを含む水性溶液で与えられる;
Carbodelite(登録商標)E−05、極めて長いポットライフ及び低反応性を有する分散液(石けんでの)として特徴づけられる;
SV−02水乳剤、高い架橋密度として特徴づけられる;
XL−701(50%固形物)溶媒ベースのMPA;
XL−702(40%)水乳剤;及び
XL−732(40%)水ベース。
これらのLTCCの巨視的な特性は、以下の表8にまとめられ、そこではカルボジイミド(−NCN−)当量は、カルボジイミド基の1molあたりの化学式重量として表わされる反応性を示す。
追加の商業的に入手可能なLTCCは、以下のStahl製品を含む:
Picassian XL−725;
Picassian XL−732;及び
Picassian XL−702。
表9は、商品名Carbodilite(登録商標)の下で販売される幾つかのNisshinbo(登録商標)LTCCを使用した結果を与え、そこではLTCCの各々は、1.7%酢酸(pH4)を含む酸性固定化組成物の一部として、赤色100%ポリエステル基体(Nike(商品名)シャツ)の上に3.5%の濃度で付与された。固定化組成物で湿潤された領域の上に印刷されたインク組成物は、Primal Econext 230(40%;酸価37)及びJoncryl 538(46.5%;酸価70)を含む樹脂混合物、及び7.4〜8.4のpHに調整された白色顔料を含んでいた。印刷された画像フィルムは、続いて100±5℃で10分間硬化され、結果は、前述の染料移動試験(ΔE≦1合格;ΔE>>不合格)及び洗濯堅牢性試験(1〜5;1最悪;5最良)によって与えられる試験点数の形で与えられる。
LTCC Carbodelite(登録商標)SW−12G(グリコールエーテルDPMを含有する水性溶液中で与えられる)は、Carbodelite(登録商標)V−10(正味の水中で与えられる)と比較して速く反応し、高い架橋密度をもたらすことが想定される。この想定は、非吸収性の綿布帛の上に印刷しているときの洗濯堅牢性結果に基づいた。Carbodelite(登録商標)V−10の場合のように、ともにグリコールエーテルなしで与えられる、Carbodelite(登録商標)E−05及びCarbodelite(登録商標)V−02−L2に対する結果は、Carbodelite(登録商標)V−10で得られた結果と極めて類似していた。グリコールエーテルの存在は、LTCCと反応するための樹脂中のカルボキシル基の利用可能性を促進することが想定される。なぜならそれは、樹脂のポリマー鎖を自由にし、そのカルボキシル基をより露出し、従って架橋反応においてより反応性にするからである。
酸を含む固定化組成物で使用される、本発明の実施形態による一連のLTCCの効果は、米国特許第7425062号に記載された第一インク組成物の効果、即ちそこに記載された非酸性化組成物中でpCDI種又はカルボジイミド基含有成分を使用する効果と比較される。これらの組成物の効果は、米国特許第7425062号で特定された温度、及び100±5℃で硬化された染色された合成基体の上に白色画像を印刷するために使用されるときに試験されるだろう。
米国特許第7425062号のpCDI種を含む第一インク組成物と比較すると、本発明の実施形態によるLTCCを含むインク組成物は、100±5℃の比較的低い温度でより効率的な架橋を持ち、より高い洗濯堅牢性を示すこと、そして全てにおいて染料移動の有意な目に見える兆候を示さないことが予想される。
実施例6
酸駆動固定化
本発明の一部の実施形態による、LTCCを含む固定化組成物のpHの効果は、それらのpHレベルを除いて同じ成分を有する対応組成物と比較して試験された。
この試験に対して、三つのLTCC含有組成物が、LTCCとして3.5%Carbodelite(登録商標)V−10を使用して作られ、二重層解像度400×600の白色画像を印刷する前に赤色ポリエステル基体を湿潤するために使用され、それらの内容が、以下の表10に与えられる。表10はまた、白色画像に対する測色測定結果を与え、中性及びアルカリ性LTCC組成物の上に印刷された試料中の白色インク固定化の不足は、赤色ポリエステル基体中へのインク浸透によって、LカラースケールにおけるLパラメーターの低下、及び白色層を通しての背景の見えによるa及びbパラメーターの増加を現わすことが予想される。
表10でわかるように、LTCC含有酸性固定化組成物から湿潤した赤色ポリエステル基体の上に印刷された白色画像は、高いL値を有するシャープな白色画像をもたらし、それは、インク浸漬又は混合による色の損失が観察されないことを示す。対照的に、LTCC含有中性又はアルカリ性組成物から湿潤した赤色ポリエステル基体の上に印刷された白色画像は、低いL値(40)及び高いa(赤)値を示し、それは、インクが赤色基体中に及びその上に浸漬及び分散するときに予想される。
図1は、本発明の実施形態によるLTCCを含む酸性固定化組成物(ラインNo.1)、中性LTCC組成物(ラインNo.2)、及びアルカリ性(pH>9)LTCC組成物(ラインNo.3)を使用して赤色ポリエステル布帛の上に印刷された白色画像の試料から得られた、可視光範囲での測色波長走査によって測定された反射率の比較プロットを与える。
図1でわかるように、酸性LTCC溶液を使用する白色インク表面の色反射率のプロットは、高く(図1のラインNo.1)、それは、インク層の固定化及び架橋が実行でき、中性及び塩基性組成物(図1のラインNo.2及び3のそれぞれ)と比較して効果的かつ効率的に行なわれ、中性又は高pHのLTCC溶液を使用しているとき、インクとポリエステル布帛の間の架橋及びインク層の硬化及び内部架橋が十分でない。なぜならインク中の固定化が起こらず、インク層が内部的にかつ/又は基体を架橋するために十分に安定でないからである。
実施例7
自己架橋樹脂
インク組成物の一部を形成する、LTCCとしての自己架橋樹脂の使用は、以下のように試験され、示された。この試験のために、ウレタンエラストマー分散液TAKELAC(商品名)WS−6021が使用された。一般にコーティング及びペイントのために使用されるこの製品は、100℃以下の低架橋温度及び低Tg、90nmの平均粒子径、高い可撓性及び伸び(低Tg)、無色(透明)、PETに対する良好な接着性、汚れ及び水に対する耐性、及び外部カルボジイミド/ブロック化イソシアネート部分及び架橋剤との高い反応性によって特徴づけられる。
このLTCCは、白色アンダーベースインク組成物及び他のカラーインク組成物、即ち以下に与えられる例示的なPM700シリーズインク組成物で示されるように、シアン、マゼンタ、黄及び黒色インク組成物中に組み入れられた。使用された固定化組成物は、表3及び表4に示されたものと類似するが、そこにはLTCCは含まれていない。
染色された合成布帛の上に印刷されたカラー矩形画像の上で測定された、洗濯堅牢性試験の前後のインク色品質(Lab値)の結果は、以下の表17に与えられる。
表17でわかるように、インクの色値は、基体中の染料が印刷されたフィルムに浸透しなかったこと、そして画像の洗濯堅牢性が自己架橋樹脂によってそこなわれなかったことを示す。
さらに、上記の白色インク組成物を使用する、赤色100%ポリエステル布帛の上に4×100%被覆率の層厚さで印刷され、100℃で硬化された白色画像は、乾燥(硬化)後にL=94,a=5、及びb=0.8を示し、4ヶ月後にL=93.5,a=6、及びb=0.84を示した。それは、高度に移動性の赤色染料が長期間の後であっても白色画像に浸透しなかったことを示す。
本明細書で与えられた結果でわかるように、染色された基体の上に印刷された画像を形成する、硬化されたフィルムは、その中の染色された基体からの染料移動の有意な兆候を本質的に持っていない。
本発明はその特定の実施態様によって記載してきたが、多くの別法、変更および変形があることは当業者には明らかであることは明白である。従って、本発明は、本願の請求項の精神と広い範囲の中に入るこのような別法、変更および変形すべてを包含するものである。
本明細書で挙げた刊行物、特許および特許出願はすべて、個々の刊行物、特許および特許出願が各々あたかも具体的にかつ個々に引用提示されているのと同程度に、全体を本明細書に援用するものである。さらに、本願で引用または確認したことは本発明の先行技術として利用できるという自白とみなすべきではない。節の見出しが使用されている程度まで、それらは必ずしも限定であると解釈されるべきではない。

Claims (49)

  1. 固定化組成物及び少なくとも一種のインク組成物を含むインクセットであって、前記インク組成物が、分散された顔料及び/又は染料、低温硬化自己架橋樹脂、及び水性キャリアを含み、かつ7より高いアルカリ性pHを示すように配合され、前記固定化組成物が、酸及び水性キャリアを含み、かつ7より低い酸性pHを示すように配合され、インクセットが、染色された基体の上に直接カラー画像をデジタルインクジェット印刷するためのものであり、前記低温硬化自己架橋樹脂が、pH感受性低温硬化自己架橋樹脂である、インクセット。
  2. 前記酸性pHが、6.5より低い、請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記固定化組成物が、架橋剤を本質的に欠いている、請求項1に記載のインクセット。
  4. 前記インク組成物が、前記低温硬化自己架橋樹脂以外の追加の架橋剤を本質的に欠いている、請求項1に記載のインクセット。
  5. 前記低温硬化自己架橋樹脂以外の追加の架橋剤を本質的に欠いている、請求項1に記載のインクセット。
  6. 前記インク組成物が、前記低温硬化自己架橋樹脂以外の追加のフィルム形成剤及び/又は結合剤を本質的に欠いている、請求項1に記載のインクセット。
  7. 前記低温硬化自己架橋樹脂が、90℃〜110℃の範囲の温度で架橋反応を開始する、請求項1に記載のインクセット。
  8. 前記低温硬化自己架橋樹脂が、酸に接触すると架橋反応を開始する、請求項1に記載のインクセット。
  9. 前記pH感受性低温硬化自己架橋樹脂が、低TgのpH感受性低温硬化自己架橋樹脂である、請求項1〜8のいずれかに記載のインクセット。
  10. 前記低TgのpH感受性低温硬化自己架橋樹脂が、自己架橋ペンダント基及び/又は自己架橋末端封止基を有するポリウレタン樹脂である、請求項9に記載のインクセット。
  11. 前記自己架橋ペンダント基及び/又は前記自己架橋末端封止基が、シラノール基を含む、請求項10に記載のインクセット。
  12. 前記酸が有機酸である、請求項1〜11のいずれかに記載のインクセット。
  13. 前記有機酸が、揮発性であり、かつ/又は70℃より高い温度で分解する、請求項12に記載のインクセット。
  14. 前記酸が、グリコール酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、マレイン酸、及び安息香酸からなる群から選択される、請求項12に記載のインクセット。
  15. 前記基体が、染色された合成繊維を含む布帛である、請求項1〜14のいずれかに記載のインクセット。
  16. 前記染色された基体が、移動可能な染料で染色されている、請求項1〜15のいずれかに記載のインクセット。
  17. 固定化組成物及び少なくとも一種のインク組成物を含むインクセットであって、前記固定化組成物が、低温硬化架橋剤及び水性キャリアを含み、かつ7より低いpHを示すように配合され、前記インク組成物が、分散された顔料及び/又は染料、アルカリ可溶性剤、高酸価フィルム形成剤、及び水性キャリアを含み、インクセットが、染色された基体の上に直接カラー画像をデジタルインクジェット印刷するためのものである、インクセット。
  18. 前記pHが、6.5より低い、請求項17に記載のインクセット。
  19. 前記pHが、4〜6.5の範囲である、請求項17に記載のインクセット。
  20. 前記固定化組成物及び前記インク組成物の各々が、アジリジン及び/又は小分子イソシアネートを実質的に欠いている、請求項17に記載のインクセット。
  21. 前記低温硬化架橋剤以外の追加の架橋剤を本質的に欠いている、請求項17に記載のインクセット。
  22. 前記低温硬化架橋剤が、90℃〜110℃の範囲の温度で架橋反応を開始する、請求項17に記載のインクセット。
  23. 前記低温硬化架橋剤が、100℃より低い温度で架橋反応を進行する、請求項17〜22のいずれかに記載のインクセット。
  24. 前記低温硬化架橋剤が、カルボジイミド架橋剤である、請求項17〜23のいずれかに記載のインクセット。
  25. 前記低温硬化架橋剤が、ポリカルボジイミド架橋剤である、請求項24に記載のインクセット。
  26. 前記固定化組成物が、酸を含む、請求項17に記載のインクセット。
  27. 前記酸が、有機酸である、請求項26に記載のインクセット。
  28. 前記有機酸が、揮発性であり、かつ/又は70℃より高い温度で分解する、請求項27に記載のインクセット。
  29. 前記酸が、グリコール酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、マレイン酸、及び安息香酸からなる群から選択される、請求項27に記載のインクセット。
  30. 前記水性キャリアが、水混和性有機溶媒を含む、請求項17〜29のいずれかに記載のインクセット。
  31. 前記水と前記有機溶媒の比が、100:1〜1:1の範囲である、請求項30に記載のインクセット。
  32. 前記水混和性有機溶媒が、グリコールエーテルである、請求項31に記載のインクセット。
  33. 前記アルカリ可溶性剤が、前記酸に接触すると凝固することができる、請求項17〜32のいずれかに記載のインクセット。
  34. 前記アルカリ可溶性剤が、アルカリ可溶性樹脂、アルカリ可溶性ポリマー、アルカリ可溶性分散剤、アルカリ可溶性界面活性剤、アルカリ可溶性凝固剤、及びアルカリ可溶性ゲル化剤からなる群から選択される、請求項33に記載のインクセット。
  35. 前記アルカリ可溶性剤が、アルカリ可溶性ポリマーである、請求項34に記載のインクセット。
  36. 前記アルカリ可溶性ポリマーが、アルカリ可溶性アクリルポリマー、アルカリ可溶性コアクリルポリマー、ポリ(スチレン/アクリル酸)ポリマー、乳化ポリウレタン、ポリウレタンポリマー、ポリエーテルポリマー、ポリエステルポリマー、ポリアクリレートポリマー、ポリ塩化ビニルポリマー、ポリ酢酸ビニルポリマー、ポリビニルブチラールポリマー、アミノシリコンポリマー、及びそれらのいずれかの塩、コポリマー、又は組み合わせからなる群から選択される、請求項35に記載のインクセット。
  37. 前記高酸価フィルム形成剤の酸価が、10mgKOH/グラムより大きい、請求項17〜36のいずれかに記載のインクセット。
  38. 前記高酸価フィルム形成剤が、複数のカルボキシル基を含む、請求項37に記載のインクセット。
  39. 前記染色された基体が、染色された合成繊維を含む布帛である、請求項17〜38のいずれかに記載のインクセット。
  40. 前記染色された基体が、移動可能な染料を含む、請求項39に記載のインクセット。
  41. 前記移動可能な染料が、120℃より高い温度で移動する、請求項40に記載のインクセット。
  42. 前記染色された基体が、未処理の染色された基体である、請求項17〜41のいずれかに記載のインクセット。
  43. 請求項1〜42のいずれかに記載のインクセットを使用して、染色された基体の上に直接カラー画像をデジタルインクジェット印刷するための方法であって、以下のことを含む方法:
    基体の少なくとも一部分を前記固定化組成物と接触すること;
    前記基体の少なくとも一部分の上に直接前記インク組成物を印刷すること;及び
    基体を110±5℃より低い温度に加熱し、それによって架橋反応を開始し、基体の表面の上にフィルムの形の画像を形成すること。
  44. 前記加熱に続いて、1時間〜1週間の範囲の時間期間、100℃より低い温度で前記基体をその上に印刷されたまま維持し、それによって前記架橋反応の進行を実施することをさらに含む、請求項43に記載の方法。
  45. 硬化されたフィルムの形の画像を上に印刷された染色された基体であって、画像が、基体の表面の上に請求項1〜42のいずれかに記載のインクセットをインクジェット印刷することによって与えられる、染色された基体。
  46. 染色された基体が、移動可能な染料で染色され、硬化されたフィルムが、前記移動可能な染料を本質的に欠いている、請求項45に記載の染色された基体。
  47. 硬化されたフィルムが、前記pH感受性低温硬化自己架橋樹脂又は前記低温硬化架橋剤以外の架橋剤の残留物を本質的に欠いている、請求項45に記載の染色された基体。
  48. 画像が、請求項43又は44に記載の方法によって与えられる、染色された基体の上に付与された硬化されたフィルムの形の画像。
  49. 染色された基体が、移動可能な染料で染色され、硬化されたフィルムが、前記移動可能な染料を本質的に欠いている、請求項48に記載の画像。
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