JP2020503874A - 関節炎の処置における使用のための、アルカリホスファターゼを含む組成物 - Google Patents

関節炎の処置における使用のための、アルカリホスファターゼを含む組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、関節炎の処置における使用のための組成物に関する。アルカリホスファターゼ(AP)である作用の抗炎症性バリア保護機構を有するエクトホスファターゼは、関節炎に対するラットモデルにおいて、強力な抗関節リウマチ(抗RA)有効性を示す。本モデルにおいて、RAは、メチル化ウシ血清アルブミン(mBSA)、CFA(完全フロイントアジュバント抗原)、及びCBP(カスタム百日咳菌抗原)の混合物での皮下免疫化、並びにmBSAの関節内注射により導入された。結果は、RAの処置に対する薬物参照化合物であるMTXで得られるものに匹敵した。経時的な膝の腫脹及び侵入マクロファージの数の両方が、予防的処置及び治療的処置のいずれかが施された、AP処置で減少し、MTX効果に匹敵することが見出された。APは、予防的介入、及び治療介入の両方として効果的であることが見出された。したがって、APによるエクトホスファターゼ介入は、異なり、更にMTXとの相乗的な作用様式を組み合わせることにより、RA処置における新規且つ未解決な隙間を満たす。

Description

本発明は、関節炎(arthritides)(本明細書では関節炎(arthritis)とも呼ぶ)の処置における使用のための組成物に関する。
関節炎は、筋骨格系の痛みやこわばりを伴って関節が損傷する、100を超える種類の炎症性又は変性疾患の一群である。関節炎は、1つ又は複数の関節の炎症である。最も一般的な種類は、変形性関節症、及び、関節リウマチ(RA)、痛風、強直性脊椎炎であるが、感染関節炎、全身性エリテマトーデスのような他の疾患に続いても起こりうる。(急性形態ではない)関節炎の例として、変形性関節症、関節リウマチ、及び痛風性関節炎が挙げられる。急性形態は、通常、細菌の侵襲により起こる。
病因は未知であるが、RAは、多数の関節における慢性炎症で特徴付けられ、辺縁骨及び軟骨の侵食、関節近傍の骨量減少、並びに骨量の全身的な減少に発展する。炎症性細胞、とりわけリンパ球及びマクロファージが、RAの病因において決定的なプレーヤーであること、並びに、腫瘍壊死因子α(TNFα)、インターロイキン1(IL-1)、IL-6及びIL-8等のサイトカインもまた関与することは、広く受け入れられている。加えて、最近の発見により、破骨細胞が、骨芽細胞活性とのバランスを保たずに(即ち、骨破壊性活性/骨芽細胞活性>1)、RAにおける関節の破壊及び骨粗鬆症に重要な役割を果たすことが示されている。RAは関節の疾患としてそれ自身現れるが、RAの根本は、全身的に始まる可能性がある。RA患者は、炎症促進の状態の生理学的条件を示す、(増悪又は慢性疾患発現の間)血漿レベルIL-1、IL-6、及びTNFαのレベルの増加を示す。
関節リウマチ(RA)は、主要な全身性自己免疫疾患であり、高い罹患率及び死亡率に関連し、RA患者の50%は、体が不自由なため発症後10年で働くことができず、3〜18年寿命が短くなる。RAは、著しく高い医療費と就労時間の損失に関連する。
RAを導く因果の要因又は機構がいまだに知られていないにもかかわらず、RAの悪化又は誘導において炎症の全身的な誘発の役割が提案されている。例えば、腸疾患の活動性及び程度と関節炎の重症度との間に相関があるように思える。小腸の細菌異常増殖が、RAを誘導し、組換え殺菌性/浸透性促進タンパク質、エンドトキシンを中和する薬剤、及び嫌気性細菌に対して活性であるメトロニダゾールは、関節炎の誘導を防止した。グラム陰性細菌性毒素(例えば、リポ多糖類)の次に、グラム陽性細菌性毒素(例えば、リポタイコ酸)も関節炎を誘導しうる。細菌性毒素の次に、腸管内において細菌由来の過剰なレベルのATP/ADPも、炎症促進の状態を引き起こし得る。また、コラーゲン誘導性RA動物モデルには、動物が敗血症の状態の下で成長した場合、RA誘発は失敗したことが記載されている。これは、共生性及び病原性の株由来の細菌性成分が、局所及び全身の生体恒常性及び免疫応答に影響を与えうることを示す。
関節リウマチの治療法はないので、薬理学的管理の目標は、症状の軽減、関節損傷の防止、及び疾患の寛解である。RAの処置で使用される「ゴールデンスタンダード」の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)は、メトトレキセート(MTX)である。MTXは、第一薬剤として炎症反応を明確に制御することが示されている。その長期的な有効性は、よく記載されているが、真の/完全寛解に至るのは稀である。MTXでの単独療法が持続性の疾患の寛解に関連することは多くない。MTXの大きな欠点は、細胞毒性及び腎毒性、並びに長期間にわたって処置される患者への悪影響である。その毒性のために、5年後もMTXを続けている患者は50%のみである。別の不利なことは、MTXに対する耐性が誘導されることが知られており、したがってMTXは他の薬剤と組み合わせて使用されることが多いことである。
RAの処置に使用される他の疾患修飾性薬剤は、抗腫瘍壊死因子(TNF)薬(例えば、エタネルセプト又はインフリキシマブ)、いわゆるTNFαブロッカーである。これらの種類の薬物に対して、疾患活動性の低減、関節の痛み及び腫脹における迅速な改善、並びに示されるRAに罹患した患者の関節損傷の低減が示されている。TNFαは、多くの炎症促進効果に関与し、関節リウマチ等の炎症性疾患で主要な役割を果たし、その病因において重要な要素である、重要なサイトカインである。現在の抗TNFα薬は、TNFαをブロックし、それにより炎症反応を低減し、潜在的に関節損傷を防止又は軽減するために使用される。抗TNFα薬は、独立型療法として、又は、例えばMTXとの併用療法のいずれかで使用される。
しかし、現在、市販の生物学的TNFαブロッカーは、いくつかの副作用を示す。主要な作用の1つは、それらの薬剤の非天然の性質のために、抗体薬に対する免疫寛容が破壊することである。これは、不活性化する抗体の形成をもたらし、投薬の効果が小さくなる。この結果、患者は、化合物の有益な効果にこれ以上応答しない。次いで、患者は、患者固有の期間にわたって主要な有害な影響を有する、コルチコステロイドのような他の医薬品に再導入される。また、抗TNF抗体の使用により、重篤な感染症、特に結核のリスクが増加しうる。
上記を考慮すると、当技術分野において、関節炎の処置に対する新たな戦略が必要である。更に、当技術分野において、患者に処置の間の有害作用がほとんどなく、現在利用できる処置より効果的である処置が必要である。
特に、本発明の目的は、当技術分野における上記の必要性に取り組むことである。特に、本発明のこの目的は、添付の特許請求の範囲において概説されるように本発明により満たされる。
具体的には、特に、上記の目的は、第一の態様によると、関節炎に罹患した哺乳動物の処置における使用のための疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)と併用されるエクトホスファターゼによって本発明により満たされる。関節炎として、例えば変形性関節症、関節リウマチ(RA)、及び痛風性関節炎が挙げられる。炎症促進性の傷害の間、先天性免疫系の不正確な全身性反応により、疾患は更に進行する。結果的に、それらの突発(増悪)性全身性炎症反応(例えば、サイトカインストーム)を減弱することが有益であることを立証できる。アルカリホスファターゼ(AP)がこの機能を満たし、ゆえに日常的な治療化合物として投与できる。
本発明の別の態様によると、本発明は、DMARDSが、メトトレキセート(MTX)である、使用のための疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)と併用されるエクトホスファターゼに関する。アルカリホスファターゼとの併用療法により、併用療法を施す場合、低用量のMTXでの効果的な治療計画が可能になる。抗RA療法に対する用量で投与されるMTXにより、細胞由来のATP及びADPのような細胞内ヌクレオチドの流出/放出を招き、続いて、アデノシンへと変換する。アデノシンは、強力な抗炎症効果を有し、RA病変の原因である活性化白血球を非活性化する。ゆえに、推論により、アルカリホスファターゼは、抗炎症性アデノシンに変換できることにより、MTX療法に対して相乗的である。また、RAと関係する患部でのもののような酸化ストレス下で細胞から放出されるヌクレオチドを変換し、それにより、例えば関節での抗炎症性微小環境を生成する。
APは、炎症の状態において、例えばTNFα応答に対する強力な緩和剤であり、臨床前及び臨床試験において、例えば大手術を経験する患者において示されているように、AP活性によりサイトカインストームが著しく減弱する結果となる。具体的に大幅な減少は、TNFα、IL-6及びIL-8のような炎症促進性マーカーに対して観察された一方、IL-10血漿レベルは、あまり影響されなかった。後者は、基本的な炎症促進を誘発する事象が、十分なAPレベルの存在下で、抗炎症性IL10が生成されないという結果として、例えばマクロファージや他の白血球では起こらないことを示唆する。更に、主要なサイトカイン中間体の1つを標的とする現在の抗RA剤と対照的に、APは、先天性免疫防御系におけるゲートキーパーであることが提案されており、多数のサイトカインに影響を及ぼす。
アルカリホスファターゼは、健康な状態において生理学的に効果的で活性な内因性タンパク質であるが、感染のリスクが増し、寛容性又は耐性に対する問題が起きる等の推定上の有害作用を有さない。高い内因性レベルのAPでさえ、妊娠中に観察される母親と発育中の子どもの両方に安全であり、長い時間間隔に対してとても寛容であるという事実を踏まえ、AP療法が進行したリウマチ患者に対して利点となりうることを想定したものである。
酸化ストレス(例えば、虚血性傷害)性ダウンストリーム効果により、患部細胞からATP、ADP及びAMPのようなヌクレオチドが放出される結果となりうる。細胞内のエネルギー供給に関与する、通常細胞内に存在するこれらの部分は、細胞外環境にあると、強力な炎症促進性因子(炎症誘発部分、ITM)である。これらのITMは、AP、CD39及びCD73のようなエクトホスファターゼの活性により、無毒化される。ATP及びADPで作用することにより、アデノシンが生成され、これが拮抗(抗炎症性)効果を有する。ゆえに、APは、単独の抗炎症剤として、ここでは、独立型で効果的な抗RA剤として、又は、更に他の薬剤との併用療法で提案される。後者のアプローチの有利な点は、このような他の薬理化学的又は生物学的な抗RA化合物の必要な用量がより低く、それにより、耐性の誘導又は寛容性への影響の可能性を低減することである。
また別の好ましい実施形態によると、本発明は、関節炎が関節リウマチである、使用のための疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)と併用されるエクトホスファターゼに関する。
本発明によると、関節炎に罹患した哺乳動物は、サル、ウマ、ウシ、齧歯類、ヒト等の任意の脊椎動物、好ましくはヒトでありうる。
別の好ましい実施形態によると、本発明は、アルカリホスファターゼ、CD39、及びCD73からなる群から選択される、使用のための疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)と併用されるエクトホスファターゼに関する。このようなエクトホスファターゼの供給源は多数でありえ、天然の供給源由来、又は、酵母のような単細胞生物、若しくは植物若しくは動物のような多細胞生物でのエクトホスファターゼの発現による組換え技術である。
また別の好ましい実施形態によると、本発明は、組換えアルカリホスファターゼである、使用のための疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)と併用されるエクトホスファターゼに関する。
また別の好ましい実施形態によると、本発明は、組換え哺乳動物アルカリホスファターゼであり、好ましくはヒトアルカリホスファターゼである、使用のための疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)と併用されるエクトホスファターゼに関する。好ましくは、本発明の組合せで使用されるホスファターゼは、組換えヒトアルカリホスファターゼを含む本発明の組成物を使用する、例えばヒトの処置を支援するためである、予測される治療介入に対応する。しかし、また、他の組合せを使用でき、例えば、ウシの腸由来アルカリホスファターゼのような、例えば、非ヒトの天然の、又は非ヒトの組換えの代替アルカリホスファターゼを含む、本発明の組成物を使用するヒトの処置である。
本発明の、使用のための疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)と併用されるエクトホスファターゼは、局所的(例えば、経口、吸入療法)又は非経口投与のいずれかにより、このような投与経路に適用した好適な製剤で投与できる。非経口投与の後のみ、APは標的に直接作用できる。関節リウマチのような慢性炎症性疾患の処置の多くは、頻回で長期間の投与をいまだに必要としており、これは経口投与、筋肉内及び静脈内注射等の従来の経路を利用し、炎症部位の外に薬物の蓄積をもたらし、時に望まない全身性の副作用ももたらす。標的化は、例えばナノ製剤化APを使用することにより特異的にすることができる。
また別の好ましい実施形態によると、本発明は、ナノ粒子と更に組み合わされる、使用のための疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)と併用されるエクトホスファターゼに関する。ナノ粒子に本発明のエクトホスファターゼを配合するか、それ自体RAに対して効果的であることを示すDMARDSと組み合わせることにより、効果的な処置様式を開発できる。本発明の組成物の送達のためにナノ粒子を使用するので、薬物を、具体的には、制御又は持続された方式で炎症部位に放出し、結果的に望まない効果を減らし、患者のコンプライアンスを改善する。
好ましい実施形態によると、本発明は、ナノ粒子が、フラーレン、リポソーム、金、ポリ-乳酸-コ-グリコール酸(PLGA)、及びポリ-L-乳酸(PLA)からなる群から選択される物質からなる、使用のための疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)と併用されるエクトホスファターゼに関する。本発明の組成物をカプセル化するために使用できるナノ粒子は、好ましくは金、ポリ-乳酸-コ-グリコール酸(PLGA)、又はポリ-L-乳酸(PLA)からなり、より好ましくはPLGA又はPLA、最も好ましくはPLGAである。
適切なAPは、好ましくは、血漿滞留時間が長い組換えヒトAPである。こうして、組換えヒトAPは、RAの処置において投与される現在の薬剤に対する、日常的に使用する代替化合物として位置付けることができる。
加えて、組換えヒトAPの使用は、短時間の使用のみのために心臓手術で投与されるウシAP等の(糖)タンパク質のような、非ヒトの長時間の使用に続きうる推定免疫応答を迂回する。血漿滞留時間が長いことが保証された糖タンパク質に典型的なのは、完全複合グリコシル化オリゴ糖鎖である。APの潜在的な供給源の多くは、結合した十分な複合糖鎖を有しておらず、結果的に好ましい治療剤のフラクションである血漿滞留時間を示す。ウシAPのような代替的な非ヒトAPが、これらの滞留時間が短いときでさえ、著しいTNFαブロッカー活性を有するにもかかわらず、慢性的に使用する場合に非常に有効でないと考える。しかし、現在投与されるTNFαブロッカーでの療法からの休薬期間中のRA患者において、短期間の投与計画で、「休止薬(オフ期間薬の使用)」として使用できる。したがって、これらのAPは、本明細書では、「休止薬」として作用するように提案される。一次的な用途に対して、「休止薬」として、APのいくつかの供給源が使用できる。同定され、生体関連のAP活性が確立された供給源は、例えば、酵母、植物、コケ、及び哺乳動物発現モデルにおいて発現する、天然及び組換えAPを含む。
好ましい実施形態によると、本発明は、処置が、前記組成物の非経口又は経口投与を含む、使用のための疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)と併用されるエクトホスファターゼに関する。治療介入は、局所的(例えば、経口、吸入療法)又は非経口投与のいずれかにより、このような投与経路に適用した好適な製剤で投与できる。
また別の好ましい実施形態によると、本発明は、処置が、関節炎の予防、又は発症の遅延、又は進行の減弱を含む、使用のための疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)と併用されるエクトホスファターゼに関する。したがって、本発明の、使用のための疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)と併用されるエクトホスファターゼは、疾患の更なる進行の減弱をもたらす炎症促進性の傷害の間、炎症反応を防止又は低減するための予防として使用できる。APはまた、関節炎に罹患した哺乳動物の処置のために、治療的に使用できる。
別の好ましい実施形態によると、本発明は、前記処置が、関節炎に罹患した哺乳動物の炎症反応の減弱を含む、使用のための疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)と併用されるエクトホスファターゼに関する。炎症反応の減弱はまた、関節炎に罹患した患者の増悪の処置を含みうる。
また別の好ましい実施形態によると、本発明は、組織特異的エクトホスファターゼであり、処置が慢性関節炎疾患の処置である、使用のための疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)と併用されるエクトホスファターゼに関する。
好ましい実施形態によると、本発明は、組織特異的エクトホスファターゼが、腸AP(IAP)、胎盤ALP(PALP)、及び肝臓AP(LAP)からなる群から選択され、好ましくは胎盤ALP(PALP)である、使用のための疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)と併用されるエクトホスファターゼに関する。組織非特異的アルカリホスファターゼ(TNSALP)、及び、腸AP(IAP)cq胎盤ALP(PALP)のような組織特異的APの両方が、研究室で実施したin vitro及びin vivo研究の両方により示されたように、ヌクレオチドに対する活性を共有するにもかかわらず、片側のTNSALP及び他方側のIAP又はPALPの間で、分子構造において著しい差異が見出される。TNSALPアイソザイムにおいて骨型APに対するRGD結合部位を包含する、いわゆるクラウンドメインは、組織特異的IAP及びPLAPにおいて欠けている。本明細書では、このクラウンドメインが、TNSALPに対するホーミング部分であることを提案するが、これは、例えば腸ALPが、RA患者で比較的増加しているにもかかわらず、骨形成ではなく、ヌクレオチド毒性に対して部分的に補償しうることが説明できる。好ましくは、代わりに胎盤ALPをRA患者に使用できる。妊娠中に正常レベルの最大30倍まで血漿レベルの上昇が見られるので、胎盤APの長期投与の安全性は保証される。おそらく内因性の組織特異的な(骨、肝臓、腎臓AP)補給の必要性が軽減するため、血漿レベルの増加は、妊娠中のRA患者において、臨床RA症状の軽減と更に相互に関係がある。妊娠中の女性において、胎盤ALPは、妊娠の第二期、及び後期の間、著しく上方調節されており、7日の半減期(T1/2)での循環から除去されることが知られている。RA患者の慢性疾患の処置として、ヒト胎盤ALPの投与が好都合である。また、多くの自己免疫疾患の臨床的表現型が、これらの妊娠期の間に改善されるが、胎盤APのクリアランスとして同じ動態での妊娠の後、再び現れることが記載されている。ヒト胎盤ALPは、完全にグリコシル化され、オリゴ糖側鎖上の末端シアル酸に曝露する酵素であるので、肝臓アシアロ糖タンパク質受容体の循環から急速な除去はしない。
原則として、腸APアイソザイムもまた、胎盤型アルカリホスファターゼと非常に類似するために使用できるが、約6〜7日間という好都合な血漿滞留時間のために腸型ではなくむしろ胎盤型を使用することを提案し、これにより、慢性疾患処置のための許容される処置計画に対応する。胎盤アイソザイムと比較して、腸アイソザイムは、短い血漿滞留時間を有し、腸酵素を、虚血性傷害に媒介される合併症と対抗する大手術のような、特定の急性治療介入での投与で好適とする。
別の好ましい実施形態によると、本発明は、組織特異的エクトホスファターゼが、腸AP(IAP)、胎盤ALP(PALP)、及び肝臓AP(LAP)からなる群から選択され、好ましくはIAPであり、より好ましくはPALPであるか、それらの組合せである、使用のための疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)と併用されるエクトホスファターゼに関する。
また別の好ましい実施形態によると、本発明は、エクトホスファターゼが、組織非特異的エクトホスファターゼであり、前記処置が非慢性関節炎疾患の処置である、組成物に関する。
好ましい実施形態によると、本発明は、少なくとも1カ月に1回、好ましくは少なくとも1カ月に2回、より好ましくは少なくとも1カ月に3回、更により好ましくは少なくとも1カ月に4回、最も好ましくは少なくとも1カ月に5回投与される、使用のための疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)と併用されるエクトホスファターゼに関する。更に、本発明は、組合せが、少なくとも1週間に1回、より好ましくは1カ月に2回、好ましくは少なくとも1週間に3回、より好ましくは毎月少なくとも1回、最も好ましくは1カ月周期を超える期間で投与される、組成物に関する。更に、本発明の組合せは、2か月ごとに少なくとも1回、好ましくは3か月ごとに少なくとも1回、より好ましくは4か月ごとに少なくとも1回、最も好ましくは5か月ごとに少なくとも1回投与できる。本発明の組合せは、1週間に少なくとも1回投与されうる。
上述のように、腸及び骨の両方、肝臓又は腎臓のアイソザイムの補充にわたる、胎盤AP(例えば、天然胎盤AP又は組換えヒトアルカリホスファターゼ(hRESCAP))の有利な点は、6〜7日間という極端な血漿滞留時間である。このT1/2のため、1カ月に2回の許容される非経口投与が可能となる一方、例えば腸APは、毎日投与する必要があり、慢性疾患の投薬スケジュールには好ましくない。
本発明は、以下の実施例に更に詳述し、実施例は図に関する。
関節炎のラットにおけるED1+滑膜マクロファージでの予防的なAP処置(関節内の抗体注射の前に2×AP)の効果を示す図である。活性化マクロファージ(ED1+)の多くの浸潤は、メチル化BSA(mBSA)での免疫化及び関節内追加免疫の後、ラットの炎症を起こした膝(「関節リウマチ」)において観察される。効果は、それぞれ10(図1A)及び20(図1B)の細胞層の深さである、ライニング及びサブライニングの両方で観察される。対照の膝では、軽度のマクロファージ浸潤のみを示すことは留意されたい。同様の軽度の浸潤は、各々のラットの対照の膝ではほとんど反応しない、AP処置(「hRESCAP予防的処置」)後に観察される。 関節炎のラットにおけるED1+滑膜マクロファージでのAP治療的処置(最初のi.a.の後及び追加抗体の間に4×AP)の効果を示す図である。AP治療的処置は、MTX処置と比較する。ラットは、右膝へのmBSAの刺激の後、ED1+マクロファージの増加を示すことにより、有効な効果を示す一方、AP処置のラットは、この活性を示さない。効果は、それぞれ10(図2A)及び20(図2B)の細胞層の深さである、ライニング及びサブライニングの両方で観察される。関節内のmBSA注射の後に得られるAP処置により、ED1+浸潤を減少することは留意されたい。しかし、MTX処置は、マクロファージED1+の計数が更により一層減少する結果となるが、陰性の対照の膝での計数は、AP処置のラットより高くなるように見える。 関節炎のラットにおけるED2+滑膜マクロファージでのAP処置(関節内の抗体注射の前に2×AP)の効果を示す図である。右膝へのmBSAの刺激の後、ED1+マクロファージの増加を示すことにより、有効な効果を示すラットはまた、ED2+活性の反応を示す一方、AP処置のラットは、この活性を示さない。これは、炎症促進の事象となった後でのみ、抗炎症反応を誘導するという一般概念と一致する。効果は、それぞれ10(図3A)及び20(図3B)の細胞層の深さである、ライニング及びサブライニングの両方で観察される。これから、AP処置時でさえ炎症促進の事象がないことで、減少したED2+マクロファージの免疫組織化学の読出しで見られるような、抗炎症反応が続かないことが明らかである。 関節炎のラットにおけるED2+滑膜マクロファージでのAP処置(最初のi.a.の後及び追加抗体の間に4×AP)の効果を示す図である。右膝へのmBSAの刺激の後、ED1+マクロファージの増加を示すことにより、陽性対照効果を示すラットはまた、ED2+活性の反応を示す一方、AP処置のラットは、この活性を示さない。これは、炎症促進の事象となった後でのみ、抗炎症反応を誘導するという一般概念と一致する。これから、APの治療的処置時に、mBSAでの関節内注射の後にも、炎症促進の事象がないことで、減少したED2+マクロファージの免疫組織化学の読出しで見られるような、抗炎症反応が続かないことが明らかである。AP処置で、mBSAの関節内注射の後にも、効果が非常に下がり、MTX処置で得られる効果と非常に類似することは留意されたい。効果は、それぞれ10(図4A)及び20(図4B)の細胞層の深さである、ライニング及びサブライニングの両方で観察される。 ラットの膝(ミリメートル(mm))の腫脹を示す: 関節内注射で4回、治療的処置のラットの群での試験を示す図である。白三角を通した黒線は、陽性対照を指す。これらのラットの未処置の左膝の腫脹は、軽度である(図5A)。処置の右膝の腫脹は、明白である(図5B)。右膝へのmBSAの関節内注射時の、予防的及び治療的AP処置又はMTX処置の両方の後で腫脹の軽減が観察される。未処理の左膝でのAP及びMTXの両方の有益な効果がまた、正の対照処置と比較する場合、腫脹が低減することから明らかであることは留意されたい。 未処理の、AP(即ち、hRESCAP)で予防的処置若しくは治療的処置の、又は、MTXで治療的処置のいずれかのラットの群の関節リウマチの膝の滑膜組織におけるED1+マクロファージの免疫組織化学的局在化及び定量化を示す図である。未処理の関節リウマチの膝は、多数のED1+陽性マクロファージを含有するが、これは、対照の膝ではほとんど存在しない。関節炎の膝でのED1+マクロファージの量は、予防的及び治療的AP処置又はMTX処置の両方の後で、非常に大幅に減少する。 健康なラット及び関節炎のラットでのAP血漿の薬物動態を示す図である。(A)は、処置スケジュール及び薬物動態測定の時間を示す。健康なラット及び関節炎のラットに700U/kgのヒト組換えAPを投与し、(対照として)関節炎のラットは、PBSの注射を受けた。(B)血液サンプルを、ベースライン、並びにAP注射後15分、60分、120分、及び240分で抜き出したが、その後、血漿サンプルを、AP酵素活性分析用に加工した。結果を、群ごとに2匹のラットに対して平均±SDとして表し、アッセイは2回行った。 予防的処置としてAP(2×)を受けるラットの膝の切片でのED1及びED2陽性マクロファージの代表的な画像及び定量化を示す図である。(A)は、ラットにおける関節炎の誘導及びアルカリホスファターゼの予防的介入の時間軸を示す。第7日及び第14日に、1回目及び2回目のmBSAでの免疫化(Im1及びIm2)を行い、第21日に、関節内(i.a)注射を施した。AP又はPBSでの予防的処置を、第16日及び第19日に施した。(B)は、未処理及び2×AP処理のラットの関節炎の膝及び反対側の膝のED1画像を示す。(C)未処理及び2×AP処理のラットのED1+マクロファージの定量化。(D)未処理及び2×AP処理のラットの関節炎の膝及び反対側の膝のED2画像。(E)未処理及び2×AP処理のラットの関節炎の膝及び反対側の膝のED2+マクロファージの定量化。誤差バーはSDを示す。 AP、MTX、及びAP/MTX併用療法を受ける関節炎のラットの膝の切片でのED1陽性マクロファージの代表的な画像及び定量化を示す図である。(A)処置スケジュール。第7日及び第14日に、1回目及び2回目のmBSAでの免疫化(Im1及びIm2)を行い、第21日、第26日、第30日、及び第34日に、mBSAの関節内(i.a)注射を施した。AP(700U/kg)、MTX(0.3mg/kg若しくは1.0mg/kg)、又はAP/MTXの併用で、介入を行った。対照として、未処理の関節炎のラットは、PBSの注射を受けた。(B)PBS、MTX(1.0mg/kg)、AP(700U/kg)、及びAP+MTX(1)で処理されたラットの健康な膝、関節炎の膝及び反対側の膝のED1画像。(C)PBS、MTX、AP、及びAP+MTXで処理されたラットの健康な膝、関節炎の膝及び反対側の膝のED1+マクロファージの定量化。MTXを2つの用量、即ち0.3mg/kg及び1.0mg/kgで試験した。両方の用量は、関節炎の膝のED1マクロファージの数に対して同一の効果を有したので、これらの2つの実験群の結果をグループ化した。群のサイズ: PBS: n=4、MTX: n=8、AP: n=4、及び、MTX+AP: n=8。AP及びMTXの組み合わせた効果は、MTX又はAP単独の群と著しく異なった(**p<0.01)。 (B)PBS及び(C)4×AP処理のラットの関節炎の膝における、[18F]フルオロ-PEG-フォレートの代表的な冠状PET-CTスキャンを示す図である。[18F]フルオロ-PEG-フォレートは、マクロファージに比較的特異的に結合するPETトレーサーである。(A)処置スケジュール。(D、E)最小0〜最大1の標準取込値(SUV)のスケールバーは、トレーサーの取込みを表す。[18F]フルオロ-PEG-フォレート取込みの時間活動性曲線は、(D)未処置の(PBSのみ)、及び(E)4×AP処理のラットの関節炎の膝及び反対側の膝における、SUVとして表現される。PETスキャンは、実験の第40日に作製された。 健康なラット、PBS処置(対照)の関節炎のラット、及び、AP処置の関節炎のラットの肝臓の切片でのED1+及びED2+マクロファージの代表的な免疫組織化学的(HE)画像を示す図である。(A、B)それぞれ、PBS処置及びAP処置の関節炎のラットの肝臓におけるED1+マクロファージ。(C、D)それぞれ、PBS処置及びAP処置の関節炎のラットのアイソタイプ対照染色された肝臓の切片。(E、F)それぞれ、PBS処置及びAP処置の関節炎のラットの肝臓におけるED2+マクロファージ。(G、H)それぞれ、PBS処置及びAP処置のラットのアイソタイプ対照染色された肝臓の切片。(I、J)健康、PBS処置及びAP処置の関節炎のラットの肝臓におけるED1+及びED2+マクロファージの定量化。値は、肝臓の予め規定された領域で計数されたマクロファージの平均数を示す。誤差バーはSDを示す。**: p<0.01、***: p<0.001。 健康なラット、PBS処置(対照)の関節炎のラット、及び、AP処置の関節炎のラットの脾臓の切片でのED1+及びED2+マクロファージの代表的な免疫組織化学的(HE)画像を示す図である。(A、B)それぞれ、PBS処置及びAP処置のラットの脾臓におけるED1+マクロファージ。(C、D)それぞれ、PBS処置及びAP処置のラットのアイソタイプ対照染色された脾臓の切片。(E、F)それぞれ、PBS処置及びAP処置のラットの脾臓におけるED2+マクロファージ。(G、H)それぞれ、PBS処置及びAP処置のラットのアイソタイプ対照染色された脾臓の切片。(I、J)健康、生理食塩水処置及びAP処置のラットの脾臓におけるED1+及びED2+マクロファージの定量化。値は、脾臓の予め規定された領域で計数されたマクロファージの平均数を示す。誤差バーはSDを示す。***: p<0.001。
関節リウマチの膝
関節炎のラットにおける滑膜マクロファージ浸潤でのhRESCAP(AP処置)の影響
Chandruputlaら(BioMed Int、2015)により刊行されたようなRAに対するラットモデルを使用して実験を行って、RAでの組換えヒトアルカリホスファターゼ(hRESCAP)の効果を示した。hRESCAPを、陽性対照として使用するMTXと比較した。抗原誘導性ラットモデルは、メチル化ウシ血清アルブミン(mBSA)、CFA(完全フロイントアジュバント抗原)、及びCBP(カスタム百日咳菌(Bordetella pertussis)抗原)の混合物、並びに、片方の膝にmBSA、反対側の膝に生理食塩水(陰性対照)の関節内注射での2つの皮下免疫化を使用する。免疫組織化学(IHC)分析は、具体的には、マクロファージでの浸潤に焦点を絞り、MTX又はhRESCAPでの治療的処置の後、膝の腫脹を経時的に追跡する。
ラットモデルにおいて、RAを右膝に誘導し(RA膝)、反対側の左膝は内部対照として機能する(対照の膝)。モデルにより、関節内注射の前、又はmBSAでの追加抗体注射の間のいずれかで、治療介入に対して様々な選択肢が可能となる。hRESCAP(700U/kg、i.p.)の投薬を、図に示した通り、異なるスケジュールで投与した。AP投与の2時間前に、ラットには、レバミゾールの用量(50mg/kg、s.c.)を与えた。比較のために、関節炎のラットは、メトトレキセート(1mg/kg、i.p.)での処置を受けた。
実験の終わりに、ラットを殺処分し、膝を脱灰し、2つのラットマクロファージ抗体、ED1(ヒトCD68のホモログ)、及びED2(ヒトCD163のホモログ、ヒトM2抗炎症性マクロファージ用に提案されるマーカー)を含む、滑膜マクロファージ浸潤のIHC分析用に加工した。ED1及びED2マクロファージのIHC分析を、Chandruputlaら(BioMed Int、2015)により記載されたような、滑膜組織の多数の象限において行った。マクロファージ計数には、滑膜ライニング層(SL1-10)及び滑膜サブライニング層(SL1-20)を含んだ。
動物
3〜6匹のウイスターラットの群(雄、150〜200グラム、Charles River International Inc社、Sulzfeld、Germany)に、標準的な食餌、水(適宜)、及び条件を提供する。行った動物実験は、研究機関の動物管理に対する欧州共同体理事会指令2010/63/EU、及び、動物実験についてのオランダ法の基準を満たした。実験プロトコルを有効にし、VU大学メディカルセンターの動物実験についての地域委員会により承認された(DEC PET13-07)。
関節炎の誘導及び治療介入
全てのラット(健康を除く)を免疫化し、関節炎を1×又は4×関節内(i.a)mBSA注射を介して、4又は5日空けて、関節炎の(右)膝、対照の膝としての反対側(左、非関節炎)の膝に導入する。治療介入に対して、AP(ヒト組換え胎盤AP、TNO社、Zeist、The Netherlands)を、700U/kg(≒200μg)の用量で皮下(s.c.)投与し、MTX(VU大学メディカルセンターの薬局)を、2つの投与量: 0.3mg/kg(低用量)及び1.0mg/kg(高用量)で腹腔内(i.p.)投与した。ラットを、異なる処置及び処置スケジュールに基づいて、8群に分けた。予防設定において、2匹のラットは、関節内(i.a.)関節炎導入の前に2回APを受け、4匹のラットは、関節内の前に2回AP、及びi.a.注射の間に、4×PBSを受けた。処置群において、関節炎のラットに、独立型療法として、又は低用量若しくは高用量のMTXとの併用のいずれかで、関節炎誘導の後に、2回又は4×、APを投与した。対照のラットは、500μLのPBS(i.p.)を受けた。健康なラットは、関節炎導入又はいかなる処置も受けなかった。試験の終わりに、全てのラットを殺処分し、組織を更なる加工や様々な分析用に切除した。
アルカリホスファターゼ活性
酵素アッセイを使用して、健康なラット及び関節炎のラットに700U/kgの用量のAPでの、投与前及び投与0〜4時間後のアルカリホスファターゼの血漿濃度を決定した(図7)。AP投与後の0分、15分、60分、120分、及び240分の時点で、血液サンプルをラットの尾静脈から抜き出し、抗凝固剤としてヘパリン(454081、Greiner bio-one社、Charlotte、USA)を含有する1mlのEppendorfマイクロチューブに移した。対照として、t=0に500μlのPBSを注射した関節炎のラットから同じ時点で、血液を抜き出した。Eppendorfチューブを40℃で5分間、3,000×gで遠心分離し、その後、血漿を収集し、使用するまで-80℃で保管した。
APに対する酵素アッセイは、基質パラニトロフェノールホスフェート(PNP、104105、Sigma-Aldrich社、Zwijdrecht、the Netherlands)を、405nm、25℃で分光光度的に測定したパラニトロフェノールに転換することに基づく。3mlの反応キュベットに、2.9mlの基質溶液(NaOHでpH9.6に調節した、25mMのグリシン、10mMのMgCl2、3mMのPNPの最終濃度を含有する)を添加した。反応は、酵素希釈緩衝液(NaOHでpH9.6に調節した、25mMのグリシン、1mMのMgCl2、0.1mMのZnCl2、10%(v/v)グリセロール)中に1:1希釈した、30μlの血漿サンプルを添加することにより開始した。並行して、参照キュベットを、基質なしにアッセイした。反応は、(10037-434、VWR社、Radnor、PA<USA)分光光度計を使用して405nmでの吸光度の増加を継続的にモニタリングしながら、25℃で5分間、オンラインし続けた。A405増加の線形位相から、血漿サンプル(U/L)でのAP活性を、ヒト組換え胎盤AP原液の連続希釈での標準曲線から計算した。活性の1単位を、25℃で1分あたり1μmolのPNPを分解する酵素の量として定義する。
組織病理学及び免疫組織化学
全てのラット由来の関節炎の膝及び反対側の膝を全部切開し、10%の新鮮なパラホルムアルデヒドの2%スクロースを伴うPBS(pH=7.3)中に4℃で7日間固定した後、オステオソフト(101728、Merck、Germany)中に室温でおよそ2.5週間脱灰した。その後、膝をパラフィン中に組み込んだ。5μmの切片を、長手方向に関節の中心で切断し、ヘマトキシリン及びエオシン(HE)で染色して、滑膜組織の炎症の程度を評価した。全てのラットから肝臓及び脾臓の切片を切開し、4%パラホルムアルデヒドに24時間固定した後、パラフィンに組み込んだ。5μmの切片を切断し、最初にHEで染色して、次いでマクロファージのために染色した。ED1(ヒトCD68に対する相同性)及びED2(ヒトCD163に対する相同性、M2抗炎症性マクロファージ用のマーカー)でマクロファージのために、又は、アイソタイプ対照抗体のために染色した。画像をLeica 4000B顕微鏡及びLeicaデジタルカメラDC500(Microsystems B.V.社、Rijswijk、The Netherlands)を使用して撮影した。
FRβ免疫蛍光法及び顕微鏡法
試験の終わりに収集した肝臓及び脾臓組織を、液体窒素で急速冷凍し、-80℃で保管した。組織を適切な培地(OCT; SKU4583、Tissue-Tek、Netherlands)に組み込み、クリオトームクリオスタット(cryotome cryostat)(-20℃)(Leica、The Netherlands)を使用して切断し、免疫蛍光(IF)染色のためにSuperfrost(4951PLUS4、ThermoFisher社、The Netherlands)スライドガラスに置いた。8μmの切片を切断し、ヘマトキシリン及びエオシンで染色した。FRβの免疫染色を、マウス抗ラットFRβ抗体又はアイソタイプ対照抗体で行った。具体的には、肝臓及び脾臓の組織切片を、まず30分間、室温(RT)にし、アセトン(439126、Sigma-Aldrich社、Netherlands)中に10分間(-20℃)で固定し、10分間(RT)空気乾燥した。DAKOペンを使用して、切片をマークしたが(S2002、DAKO社、Santa Carla、CA、USA)、これを、続いて、振とう機で、PBSで3回洗浄した。その後、切片を100%ウシ胎児血清(FBS)で30分間(RT)インキュベートして非特異的結合をブロックし、再びPBSで洗浄した(3×5分)。その後、切片を、10%FBS/PBS中の抗ラットFRβ(1:50)で、又は、10%FBS/PBSで、4℃で24時間インキュベートした。洗浄後(振とう機でPBS中、3×5分)、切片を、10%FBS/PBS中の二次抗体ヤギ抗マウスAlexa 488(1:500)(R37120、ThermoFisher Scientific社、Netherlands)で、RTで1時間インキュベートし、空気乾燥し、2μlのMOWIOLマウンティング培地(81381、Merck社、Zwijndrecht、The Netherlands)をマウントした。2D IFスライドを、Zeiss Axiovert 200M Marianas(商標)倒立顕微鏡(40倍油浸レンズ)で撮影した。顕微鏡、カメラ、及びデータ加工を、SlideBook(商標)ソフトウェア(SlideBook(商標)バージョン6(Intelligent Imaging Innovations社、Denver、CO))により制御した。
膝の切片、肝臓、及び脾臓における定量化マクロファージ
全ての染色したスライドを盲検とし、ED1及びED2陽性の滑膜マクロファージに対して2人の独立した観察者が計数した。このために、膝の切片を4つの象限(Q1〜Q4)に分け、各々が、骨の近位側及び遠位側のいずれかの側での滑膜組織ライニングを有する関節包を表した。400倍の倍率での顕微鏡(Leica)で、各々の象限の2〜3の領域で、滑膜のライニング及びサブライニング(1〜10層)でのマクロファージを計数した。全ての4つの象限からの1領域ごとのマクロファージの平均数を合わせ、ED1又はED2マクロファージの総数(±SD)として示した。
関節炎のラット及びAP処理の関節炎のラットの肝臓及び脾臓の切片の染色したスライドを盲検とし、FRβ、ED1及びED2陽性の滑膜マクロファージに対して2人の独立した観察者が計数した。定量化のために、肝臓及び脾臓の切片の代表的な領域を4つの領域に分け、各々が、それぞれ中心の髄及び静脈を表した。FRβ、ED1及びED2陽性のマクロファージを、上述のように400倍の倍率で計数した。全ての4つの領域からの1領域ごとのマクロファージの平均数を合わせ、FRβ、ED1又はED2マクロファージの総数として示した。参照として、健康なラットの肝臓及び脾臓の切片を対照として分析した。
[18F]フルオロ-PEG-フォレート及びPET-CT
96.5%超の放射化学純度及び27.6±3.5GBq/μmolの平均比活性で、マクロファージPETトレーサーである[18F]フルオロ-PEG-フォレートを合成した。未処理及び4×AP処理の関節炎のラットを、吸入麻酔剤(イソフルラン2〜2.5%及び酸素0.45体積%)を使用して麻酔した。ポリウレタン3フレンチカニューレ(0.7mm×19mm、BD Angiocath、Breda、The Netherlands)で、尾静脈をカニューレ処置した。PET-CT(Mediso nanoPET-CT、Budapest、Hungary)の間、呼吸機能をモニタリングしながら、ラットを一体型加熱床(およそ35℃)に置いた。コンピュータ断層撮影(CT)スキャンを5分間行い、その後、60分間のダイナミックPETスキャンの開始時にトレーサーを投与した(10.7±1.8MBq)。PETデータを正規化し、飛散、無作為性、減弱、崩壊、及びデッドタイムに対して補正した。リストモードのPETデータを、19の連続フレーム(4×5、4×10、2×30、3×60、2×300、3×600、及び1×900秒)においてリビニングしたが、これを、4反復及び6サブセットを用いて、3Dポアソンの順番付けられたサブセットの反復期待値最大化アルゴリズムを使用して、再構築した。得られる画像は、0.4×0.4×0.46mm3の寸法の、225×225×236ボクセルのマトリックスサイズを有する。画像をAMIDEソフトウェア(A Medical Image Data Examiner、バージョン0.9.2)を使用して解析し、標準取込値(SUV)として表した。目的の領域(ROI)を描写するために、CT及びPET画像を重ね合わせた。サイズを固定した最終フレームを使用することで、楕円形状のROI(寸法:7×4×8mm3)を関節炎の膝及び反対側の膝の両方の領域にわたって手書きした。動画シーケンス上にROIを投影することにより、時間活動性曲線(TAC)を抽出した。TACは、標準取込値(SUV)、即ち、注射された用量及び体重に正規化された平均ROI放射能濃度として表した。
ex vivo組織分布試験
処置期間の終わりに、4×AP、4×AP/低用量MTX、4×AP/高用量MTX処置を受けた関節炎のラット、及び未処置のラットに[18F]フルオロ-PEG-フォレートトレーサーを投与した。トレーサー投与の60分後、ラットを殺処分した。低用量及び高用量のMTX処置の関節炎のラットを、トレーサー投与せずに殺処分した。殺処分時、全てのラットを切除し、膝、血液、及び様々な内臓を収集し、すすぎ、浸漬乾燥し、計量し、LKB 1282 Compugamma CSガンマカウンター(LKB、Wallac社、Turku、Finland)を使用して放射能の量を決定した。様々な組織でのトレーサー取込みの結果を、組織1グラムあたりの注射した用量の百分率として表した(%ID/g)。
統計的解析
Windows用のSPSS(バージョン15)(SPSS INc社、Chicago、IL、USA)を使用して、統計的解析を行った。Wilcoxon符号付順位(正確)検定を使用して、関節炎の膝対反対側の膝におけるマクロファージ浸潤等の一対の観察において差異を決定した。Mann-Whitney(正確)検定を行って、関節炎の膝対PBS処置の膝という群においてマクロファージ浸潤における差異を分析した。0.05未満のp値を統計的に有意とみなした。全ての結果を、平均±標準偏差(SD)として表した。
結果
関節炎の誘導及びAP/MTX治療介入
ラットでの関節炎の誘導は、反対側の対照の膝と比較して、関節炎の膝の巨視的な肥大に関連していた(データは示さず)。AP、MTX、又はその併用での治療介入は、とても寛容であり、いかなる有害作用とも関連しておらず、体重の著しい変化も観察されなかった。
アルカリホスファターゼ薬物動態
血漿AP薬物動態を、健康なラット、及び700U/kgのヒト組換え胎盤APのi.p.注射後の関節炎のラットについて評価し、治療介入に使用したAPの量を図7A及び図7Bに示した。対照として、血漿APレベルを、PBSを注射した関節炎のラットにおいて決定した。APのベースライン血漿レベルは、関節炎のラット(0.21±0.02U/ml)より、健康なラット(0.27±0.01U/ml)でわずかに高かった(図7B)。AP投与後、血漿APレベルは、1時間にわたって増加して、それぞれ健康なラット及び関節炎のラットのベースラインレベルより最大で1.5〜1.7倍に達した。注目すべきことに、健康なラットでAPレベルの血漿レベルの増加は、最大で4時間継続し、関節炎のラットでは、AP血漿レベルは、確実にベースラインレベルに戻った。PBS注射した関節炎のラットでのAPレベルは、4時間のサンプリング時間フレームにわたって変化しなかった(図7B)。
滑膜マクロファージ浸潤のAP、MTX、及びAP/MTX併用療法の効果
関節炎のラットの膝関節における滑膜マクロファージ浸潤を抑制するAP、MTX、及びAP/MTXの能力を、治療有効性評価のための一次エンドポイントとして使用した。この終わりに、マクロファージ数を、関節炎の膝の切片対関節炎のラットの反対側の膝の切片において、総ED1陽性マクロファージ及びED2陽性マクロファージの存在量の免疫組織化学的評価により、定量化したが、後者は抗炎症性マクロファージの代表的なマーカーである。治療介入の前後の、関節炎の膝及び反対側の膝の切片におけるED1及びED2陽性マクロファージの代表的な画像及び定量化は、図8及び図9に示す。まず、関節内mBSA注射の前にAP投与を2回することで、関節炎の膝におけるED1+(図8B)及びED2+(図8D)マクロファージの両方の浸潤が顕著に減少したことで示されるように、関節炎の誘導が抑制されることにより潜在的な予防活性を誘発した。これは、未処理のラット(1×i.a.)と比較して、AP前処置の関節炎のラットの関節炎の膝におけるED1+マクロファージ(図8C)及びED2+マクロファージ(図8E)で、4分の1(p<0.01)及び8分の1(p<0.01)の定量化により確認できた。これらの低下したレベルは、反対側の膝でのマクロファージ数に匹敵する。2×AP投与(続いて4×PBS)により、ラットの関節炎の膝において滑膜ED1+及びED2+マクロファージ浸潤が2分の1(p<0.01)及び3分の1(p<0.01)に減少した。治療設定において、4×AP投与により、別におよそ8分の1(<0.001)まで関節炎の膝においてこれらのマクロファージ数は更に減少した。次に、MTXと組み合わせたAP処置の滑膜マクロファージ浸潤の効果を試験した。このために、有効量の1mg/kgのMTX及び低用量の0.3mg/kgのMTXのいずれかで試験した。AP/MTXの併用は、とても寛容であり、滑膜マクロファージ数のわずかに増加した更なる減少を、独立型MTX又はAP処置と比較した場合、AP/MTXの併用で観察した(図9)。
[18F]フルオロ-PEG-フォレートマクロファージのPET画像
関節炎のラットで滑膜マクロファージ浸潤の減少を引き起こされたAP処置はまたPET撮像によりモニタリングできるかどうかを試験するために、PETスキャンを4×AP処理のラットの1匹に対してマクロファージトレーサーである[18F]フルオロ-PEG-フォレートで行い、未処理(PBSのみ)の関節炎のラットと比較した(図10)。冠状PET-CT画像は、4×AP処理のラット(図10B)と比較して、未処置の関節炎のラット(図10A)においてトレーサー取込みがより高いことを可視化する。[18F]フルオロ-PEG-フォレートの標準取込値(SUV)を、4×AP処理のラットの関節炎の膝(図10D)と比較して、未処置のラットの関節炎の膝(図10C)において増加した(1.5倍)トレーサー取込みを示す、目的の滑膜領域(彩色した楕円)において定量化した。
ex vivo組織分布試験
他の組織において[18F]フルオロ-PEG-フォレートトレーサー取込みでの独立型AP処置又はMTXと併用の影響を、Table 1(表1)に示す。全ての処置群において、[18F]フルオロ-PEG-フォレートは、血漿から迅速に除去された(Table 1(表1))。なお、AP及びAP/MTX処置はまた、マクロファージが多く存在する臓器、即ち、肺、心臓、肝臓、及び脾臓において、[18F]フルオロ-PEG-フォレート取込みの減少を示した(Table 1(表1))。腎臓及び腸においてフォレート受容器αの高い発現に一致して、トレーサー取込みはこれらの臓器で高くなるが、AP及びAP/MTX処置により影響を受けなかった。
関節炎のラットにおける全身性炎症へのAPの影響
AP処置の関節炎のラットの肝臓及び脾臓でのトレーサー取込みの減少が、これらの臓器でのマクロファージ浸潤の減少と関連しているかどうかを試験するために、参照として健康なラットの肝臓及び脾臓組織と共に、生理食塩水処置対処置の関節炎のラットの肝臓(図11)及び脾臓(図12)の切片で、ED1及びED2免疫組織化学を行った。肝臓及び脾臓の切片におけるED1及びED2陽性マクロファージの代表的な画像を、それぞれ、(図11A〜図11H)及び(図12A〜図12H)に示す。肝臓(図11I/図11J)及び脾臓(図12I/図12J)におけるED1及びED2陽性マクロファージの定量化は、健康なラットのものと比較して、関節炎のラットの臓器の著しく高い(およそ4〜5倍、p<0.01)レベルを示し、全身性の炎症性成分を指した。AP処置に続いて、ED1及びED2陽性浸潤性マクロファージの両方の顕著で著しい減少(およそ50%、p<0.001)が、関節炎のラットの肝臓で観察された(図11I/図11J)。同様に、関節炎のラットの脾臓において、AP処置はまた、ED1及びED2陽性浸潤性マクロファージの両方の著しい減少(およそ30%、0.001)が、関節炎のラットの肝臓で観察されたという結果となった(図11I/図11J。抗体対照染色された肝臓及び脾臓の切片は、ED1及びED2陽性マクロファージの両方に対して明らかに陰性であった(図11C、図11D、図11G、図11H、図12C、図12D、図12G、図12H)。これらの結果は、関節炎のラットの肝臓及び脾臓におけるマクロファージ浸潤を低減することにより全身性の抗炎症性効果を、APが確立していることを強調している。
結論
本明細書で、アルカリホスファターゼ(AP)での介入が、関節内抗原注射の後、関節炎の誘導が抑制されることによりラットの予防的抗関節炎活性を誘発したことを示している。更に、治療設定において、即ち、関節炎の誘導の後に、AP介入もまた、関節炎のラットでの滑膜マクロファージ浸潤の顕著な減少により表される局所的な抗関節炎の効果、並びに、関節炎のラットの肝臓及び脾臓においてより低いマクロファージ浸潤により表される全身性の抗関節炎の効果を伝えた。最後に、APは、MTXと併用の処置において活性を維持する。
4日おきのヒト組換え胎盤AP(hRESCAP)での多数の介入は、関節炎のラットによりとても寛容である。4日ごとに1回のスケジュールは、ラットにおけるhRESCAPの半減期であるおよそ3日間を考慮に入れて設計した。健康なラット及び関節炎のラットにおいて、700U/kgのAPの単回i.p.用量の後のAP血漿薬物動態をモニタリングすることにより、ベースラインの50〜70%上方である1時間後のピーク血漿レベルが示された(図7)。健康なラット以外、補充されたhRESCAPは、4時間にわたって血漿での対象レベルより高く安定していた一方、関節炎のラットの血漿レベルは、4時間以内に基底レベルまで低下した。これらの結果により、RAのような酸化ストレスの条件の間に利用できるAPの消費量に対する先のデータが確認され、ヒトの臨床試験において報告された結果が確認される。その作用の間、APは、ITM基質とコンジュゲートすることにより提案されたように消費され、クッパー細胞により排除される。一貫して、この作用様式はまた、ラットにおける湿し抗原誘導性関節炎の誘導においてAPの予防活性に関与しうる。抗炎症性タンパク質として作用するので、APの正味の効果は、活性化した免疫細胞により生成されるTNFαやIL6のような炎症促進性サイトカインを防止することになり、これにより、炎症性カスケードでの下流効果を防止する。APの同じ作用様式は、確立された関節炎を有し、滑膜のマクロファージ浸潤の減少を反映した、ラットにおけるAPの治療的活性に寄与しうる。ITMの除去により、炎症促進性サイトカインの生成を抑制し、単球/マクロファージ細胞を攻撃する走化性を低減する。加えて、全身性及び局所性の炎症は、血管透過性及び白血球の血管外遊走の増加をもたらす。このとき、APはまた、分極された細胞間の密着結合を復元し、それにより細胞遊走を減弱させることにより、バリア機能障害を改善することに関連付けられている。
炎症のRA滑膜は、炎症促進のスペクトル(いわゆるM1型)及び抗炎症性マクロファージ(いわゆるM2型)を覆う、分極されたマクロファージの存在により特徴付けられる。AP介入は、滑膜組織におけるED1及びED2陽性マクロファージ浸潤の両方に影響を及ぼした。ED2は、ヒトCD163のラットホモログを表し、これは、M2型マクロファージに対するマーカーが割り当てられている。ACPA抗体及び複合IgG自己抗体との関節炎滑膜の微小環境におけるM2マクロファージが、炎症促進性サイトカインを生成することが見出されたので、この分類は厳格ではない可能性がある。ゆえに、APは、分極された炎症性マクロファージの滑膜浸潤に影響を及ぼしうる。
RAにおける多くのcDMARD及びbDMARDの処置をMTXと併用するので、関節炎のラットでのAP及びMTXの有効性を試験した。AP/MTX併用は、とても寛容であり、滑膜マクロファージ浸潤が減少する点でより効果的であった。これは、1.0mg/kgのMTX用量に対して先に示しただけでなく、低用量の0.3mg/kgのMTXでも投与されたが、これは、MTX投与量を更に減らして、APとの併用で、最適な有効性のためのスケジュールを特定できることを示す。或いは、免疫適格細胞上のエクトホスファターゼCD39及びCD73の作用によって、炎症促進性AMP、ADP、ATPの抗炎症性アデノシンへの細胞外変換を補完することによるMTXの作用様式で、APは合成する。
マクロファージPETトレーサーである[18F]フルオロ-PEG-フォレートでのex vivo組織分布試験により、AP及びAP/MTXの併用は、滑膜マクロファージ浸潤の減少を超える全身の効果を有することが示される。肝臓及び脾臓でのマクロファージ浸潤が増加することにより示される全身性炎症は、アジュバント誘発関節炎を伴うラットにおいて報告されている。本試験において、関節炎のラットの肝臓及び脾臓はまた、マクロファージの浸潤が増すことを特徴としたが、これは、AP処置時では顕著に減少した(図11、図12)。マクロファージの減少には、活性化マクロファージに対するマーカーを構成するFRβ陽性マクロファージを含んだ。AP処置後のFRβ陽性マクロファージ数がより少ないことが、ex vivo組織分布試験における肝臓及び脾臓でのトレーサー取込みの減少の説明となりうる(Table 1(表1))。これらの結果は、APにより誘発される全身性の抗関節炎効果を指し、これは、炎症性疾患に対する他の動物モデルで観察されるAPの全身活性を強調する。
したがって、APによるエクトホスファターゼ介入は、異なり、更にMTXと他のcDMARD及びbDMARDとの相乗的な作用様式を組み合わせることにより、RA処置における新規で、独特且つ未解決な隙間を満たす。抗炎症性タンパク質としてのAPは、cDMARD(耐性若しくは毒性の発現による)、又は生物学的療法(寛容化による)のいずれかを中止することによる「薬物オフ」期間に位置付けられる。全体で異なる作用様式を考えると、APは、独立型療法として投与できるか、又は、他の処置様式と組み合わせることができ、これにより、処置ウィンドウでの著しい影響力を確立する。内因性タンパク質であるので、APは、抵抗形成又は寛容化効果を欠く。最終的に、APの潜在性は、極端に広い「使用の安全ウィンドウ」により更に支持し、ヒト安全性試験において組換えヒトAPの安全性を証明する。
予防的介入、及び治療介入の両方としてのAPは、関節炎のラットモデルにおいて、好都合な関節及び全身の抗関節炎有効性を示した。これらの試験は、関節炎に対して、新規な推定の治療実体として更なる臨床前及び臨床評価を保証する。

Claims (15)

  1. 関節炎に罹患した哺乳動物の処置における使用のための、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)と併用されるエクトホスファターゼ。
  2. 前記DMARDSが、メトトレキセート(MTX)である、請求項1に記載の使用のためのエクトホスファターゼ。
  3. 関節炎が、関節リウマチである、請求項1又は2に記載の使用のためのエクトホスファターゼ。
  4. アルカリホスファターゼ、CD39、及びCD73からなる群から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用のためのエクトホスファターゼ。
  5. 組換えアルカリホスファターゼである、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用のためのエクトホスファターゼ。
  6. 組換え哺乳動物アルカリホスファターゼであり、好ましくはヒトアルカリホスファターゼである、請求項1から5のいずれか一項に記載の使用のためのエクトホスファターゼ。
  7. 疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)と併用されるエクトホスファターゼが、ナノ粒子と更に組み合わされる、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用のためのエクトホスファターゼ。
  8. 前記ナノ粒子が、フラーレン、リポソーム、金、ポリ-乳酸-コ-グリコール酸(PLGA)、及びポリ-L-乳酸(PLA)からなる群から選択される物質からなる、請求項7に記載の使用のためのエクトホスファターゼ。
  9. 前記処置が、非経口又は経口投与を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の使用のためのエクトホスファターゼ。
  10. 前記処置が、関節炎の予防、又は発症の遅延、又は進行の減弱を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の使用のためのエクトホスファターゼ。
  11. 前記処置が、関節炎に罹患した哺乳動物の炎症反応の減弱を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の使用のためのエクトホスファターゼ。
  12. 組織特異的エクトホスファターゼであり、前記処置が、慢性関節炎疾患の処置である、請求項1から11のいずれか一項に記載の使用のためのエクトホスファターゼ。
  13. 組織特異的エクトホスファターゼが、腸AP(IAP)、胎盤ALP(PALP)、及び肝臓AP(LAP)からなる群から選択され、好ましくは胎盤ALP(PALP)である、請求項12に記載の使用のためのエクトホスファターゼ。
  14. 組織非特異的エクトホスファターゼであり、前記処置が、非慢性関節炎疾患の処置である、請求項1から11のいずれか一項に記載の使用のためのエクトホスファターゼ。
  15. 少なくとも1カ月に1回、好ましくは少なくとも1カ月に2回、より好ましくは少なくとも1カ月に3回、更により好ましくは少なくとも1カ月に4回、最も好ましくは少なくとも1カ月に5回投与される、請求項1から14のいずれか一項に記載の使用のためのエクトホスファターゼ。
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