JP2020197513A - トリチウムの検出素子及び検出方法 - Google Patents

トリチウムの検出素子及び検出方法 Download PDF

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容子 丸尾
光吾 浅沼
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光吾 浅沼
透 丸野
Toru Maruno
透 丸野
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Hitoshi Goto
仁 後藤
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Abstract

【課題】トリチウムの検出において、より安価に作製することができ、透明性を持たせることで溶液に漬けて精度良く放射線の検出が可能で、且つ繰り返し使用できるため廃棄物を少なくできるトリチウムの検出素子及び検出方法を提供する。【解決手段】平均孔径が3から50nmである多孔質ガラスの孔内に、放射線を吸収して発光する固体のシンチレータ分子を含浸した後、乾燥して固定化することにより作製したことを特徴とするトリチウムの検出素子及びこの検出素子を用いたトリチウムの検出方法。【選択図】図1

Description

本発明は、トリチウムの検出素子及び検出方法に関するものである。
低エネルギーの放射線を放出する放射性物質の代表例としてトリチウムが挙げられる。トリチウムの放出するベータ線はエネルギーが低く(18keV)、プラスチックフィルムなどで簡単に遮蔽されてしまうため、シンチレータと呼ばれる放射線を受けて発光する物質をトリチウムの近くに配置する必要がある。そのためトリチウムの検出には液体シンチレーションカウンターが頻繁に使われている。
液体シンチレーションカウンターでの測定では、バイアル瓶と呼ばれる容器に有機シンチレータ、有機溶剤、界面活性剤、及びトリチウムを含む水を入れ混合して計測する方法が知られている(非特許文献1参照)。または樹脂材料の多孔質膜に無機シンチレータ粒子を固定化した検出体にトリチウムが含まれる水を接触させて測定する方法が知られている(特許文献1参照)。または棒状のファイバ状のプラスチックシンチレータを複数本まとめ、トリチウムが含まれる水に接触させて測定する方法が知られている(特許文献2参照)。また固体のシンチレータとしてケイ酸粒子にシンチレータを固定化された放射線検出材が報告されている(特許文献3参照)。
特開2018−87744 特開2002−6045 特開2016−204579
柿内秀樹、赤田尚史、原子力関連施設周辺での環境トリチウムモニタリングの実際、J.Plasma Fusion Res.189(10),645−651(2013).
トリチウムから放出されるベータ線は水中での平均自由行程が0.6μmと短い。そのため液体シンチレータ法が用いられている。しかしながらこの方法では測定ごとに新たにバイアル瓶の中に溶液を調整する必要があり、放射性物質を含んだ廃液が膨大に生じることが問題となる。また樹脂材料の多孔質膜にシンチレータ粒子を固定化した検出体では多孔質の孔径がサブミクロン単位で大きいため透明性が劣り内部での発光の透過率が低いという問題があった。ファイバーシンチレータ法では廃液に含まれるトリチウムの大半がベータ線の届く距離に存在しないため、検出感度が低いことが問題となる。またシンチレータを固定したケイ酸粒子では廃棄物として有機溶液を排出しないが、繰り返し使用に問題があり、また透明で無いために、シンチレータ内部で発光した光の検出が出来ないという問題点がある。
そのため安価に作製することができ、透明性があることで溶液に漬けて精度良く放射線の検出が可能で、且つ繰り返し使用できることで廃棄物が少なくなるトリチウムの検出素子及び検出方法が求められていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、透明かつ測定精度に優れ、安価に製造できて繰り返し使用可能な検出素子を提供することを目的とする。また、精度よく繰り返し検出可能であり、廃棄物が少ないトリチウムの検出方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の第一の形態は、試料水に含まれるトリチウムを検出する検出素子であって、ガラスからなる多孔体である多孔質ガラスの孔内や表面に放射線を吸収して発光するシンチレータを設置することを特徴とする。本発明の形態において、多孔質ガラスの孔径が50nm以下である構成としてもよい。
また、本発明の第二の形態は、上記の検出素子と、前記検出素子を収容し、光透過性を有する容器とを備え、前記容器本体にトリチウムを含む試料水を収容し、前記検出素子に前記試料水を含浸させる工程と、前記試料水中のトリチウムから放出されるベータ線に起因して前記検出素子が放出する光を光検知器で受光する工程と、光検知器の信号からトリチウム濃度を算出する工程を有するトリチウムの検出方法を提供する。
本発明の形態においては前記のトリチウム検出後、前記容器に収容された前記試料水を排出するとともに、前記検出素子を乾燥する工程と、乾燥後の前記検出素子を収容した容器にトリチウムを含む第二の試料水を収容し、前記検出素子に第二の試料水を含浸させる工程と第二の試料水中のトリチウムから放出されるベータ線に起因して前記検出素子が放出する光を光検知器で受光する工程と、光検知器の信号からトリチウム濃度を算出する工程を有するトリチウムの検出方法としてもよい。
本発明によれば、透明かつ測定精度に優れ、安価に製造できて繰り返し使用可能なトリチウム検出素子を提供することができる。また、精度よく繰り返し検出可能であり、廃棄物が少ないトリチウムの検出方法を提供することができる。
本発明の実施の形態におけるトリチウム検出素子について説明するための説明図である。 多孔質ガラスの光吸収を表す特性図である。 検出素子の光吸収を表す特性図である。
[実施の形態1]はじめに、本発明の実施の形態1について説明する。
まず、検出素子の作製について説明する。図1Aに示すように、シンチレータ混合物として安息香酸9.71mmol/L、2,5−ジフェニルオキサゾール(PPO)19.0mmol/L、1,4−ビス(5−フェニル−2−オキサゾリル)ベンゼン(POPOP)0.26mmol/Lの混合トルエン溶液101を容器102中に作製する。次に、図1Bに示すように、混合トルエン溶液101に、平均孔径4nmの多孔質ガラスである多孔体103を浸漬する。多孔体103は、例えば8(mm)×8(mm)で厚さ1(mm)のチップサイズである。なお、多孔体103は平均孔径が50nm以下であるとより良い特性となる。また、ここでは多孔体を板状としたが、これに限るものではなく、ファイバ状に形成してもよい。
多孔体103をガラス(硼珪酸ガラス)から構成した場合、この平均孔径を50nm以下とすることで、シンチレータの蛍光の波長領域の可視領域(400から800nm)では光が透過する。しかし、平均孔径が50nmを越えて大きくなると、図2に示すように可視領域で急激な透過率の減少が観測される。このことにより、多孔体は平均孔径が50nm以下とした方が良い。なお、本実施の形態における多孔体103の比表面積は1g当たり100m以上である。
上述した多孔体103を混合トルエン溶液101に24時間浸漬し、多孔体103の孔内にシンチレータを含浸させた後、シンチレータが含浸した多孔体を風乾し、図1Cに示すように、窒素ガス気流中に24時間放置して乾燥し、検出素子103aを作製する。この検出素子は厚さが1mmであったが、シンチレータの蛍光の波長である470から480nmにおいて透過率は99%以上であり、透明性が高かった。
またこのようにして含浸された検出素子に水溶液を含浸させ、その後最大で14時間静置した時の、静置時間とPOPOPの吸収である430nmの吸光度の関係を示したものが図3である。吸光度は最初の6時間で減少するがその後は一定であり、これによりシンチレータであるPOPOPは水につけることである程度は溶出するが、一定量溶出後は溶出せず多孔質ガラス表面上にとどまっていると考えられることが示された。また、同時に入れたPPO、安息香酸においても他の分析方法で確認したところ同様にとどまっていることが明らかになった。
次に、検出素子103aを用いたトリチウムの測定方法について説明する。作製した検出素子103aを前処理として純水に6時間含浸しその後乾燥窒素気流中で乾燥させる。その後測定対象のトリチウムを含む試料水(104)を液体シンチレーションカウンター用のバイアル瓶(105)に2ml入れる。その後図1Dに示すように検出素子103aをバイアル瓶に入れて、測定対象の試料水を含浸する。これを図1Eに示すように液体シンチレーションカウンターで測定する。このようにして測定したところトリチウム濃度8kBq/mLの試料水に対して、1分間の計測で100cpmの測定値が得られた。バックグランド値として同じ条件でトリチウムを含まない水を測定したところ3cpmであり、この濃度のトリチウム水を十分に測定できた。
[実施の形態2]次に、本発明の実施の形態2について説明する。
検出素子の作製について説明すると、図1Aに示すように、シンチレータ混合物として安息香酸16.34mmol/L、PPO8.95mmol/L、POPOP0.54mmol/Lの混合トルエン溶液101を容器102中に作製する。次に、図1Bに示すように、混合トルエン溶液101に、平均孔径4nmの多孔質ガラスである多孔体103を浸漬する。多孔体103は、例えば8(mm)×8(mm)で厚さ1(mm)のチップサイズである。なお、多孔体103は平均孔径が50nm以下であるとよい。また、ここでは多孔体を板状としたが、これに限るものではなく、ファイバ状に形成してもよい。
多孔体103をガラス(硼珪酸ガラス)から構成した場合、この平均孔径を50nm以下とすることで、シンチレータの蛍光の波長領域の可視領域(400から800nm)では光が透過する。しかし、平均孔径が50nmを越えて大きくなると、図2に示すように可視領域で急激な透過率の減少が観測される。このことにより、多孔体は平均孔径が50nm以下とした方が良い。なお、本実施の形態における多孔体103の比表面積は1g当たり100m以上である。
上述した多孔体103を混合トルエン溶液101に24時間浸漬し、多孔体103の孔内にシンチレータを含浸させた後、シンチレータが含浸した多孔体を風乾し、図1Cに示すように、窒素ガス気流中に24時間放置して乾燥し、検出素子103aを作製する。この検出素子は厚さが1mmであったが、シンチレータの蛍光の波長である470から480nmにおいて透過率は99%以上であり、透明性が高かった。
次に、検出素子103aを用いたトリチウムの測定方法について説明する。作製した検出素子103aを前処理として純水に6時間含浸しその後乾燥窒素気流中で乾燥させる。その後測定対象のトリチウムを含む試料水(104)を液体シンチレーションカウンター用のバイアル瓶(105)に2ml入れる。その後図1Dに示すように検出素子103aをバイアル瓶に入れて、測定対象の試料水を含浸する。これを図1Eに示すように液体シンチレーションカウンターで測定する。このようにして測定したところトリチウム濃度8kBq/mLの試料水に対して、99cpmの測定値が得られた。バックグランド値として同じ条件でトリチウムを含まない水を測定したところ3cpmであり、この濃度のトリチウム水を十分に測定できた。
その後バイアル瓶より検出素子を取り出し、乾燥させたところ検出素子に含まれていた水は蒸発して、検出素子内の水及びトリチウム水は無くなった。これは多孔質ガラスの水に起因する近赤外領域の吸収での吸光度差が乾燥状態に比較して非常に小さいことで確認した。またこの状態の検出素子にはFT−IR及び蛍光分析によりシンチレータ混合物が含まれていることが明らかになった。そのため、この検出素子に再びトリチウムを含む試料水を含浸させることで、トリチウムの測定が可能である。
101・・・シンチレータ混合トルエン溶液
102・・・容器
103・・・多孔体
103a・・・検出素子
104・・・トルエンを含む試料水
105・・・バイアル瓶

Claims (4)

  1. 試料水に含まれるトリチウムを検出する検出素子であって、ガラスからなる多孔体である多孔質ガラスの孔内および表面に、放射線を吸収して発光するシンチレータを配置することを特徴とするトリチウム検出素子。
  2. 請求項1記載のトリチウム検出素子において、多孔質ガラスの孔径が50nm以下であることを特徴とするトリチウム検出素子。
  3. 請求項1または2記載の検出素子と、前記検出素子を収容するための光透過性を有する容器とを備え、前記容器本体にトリチウムを含む試料水を収容して検出素子に前記試料水を含浸させる工程と、前記試料水中のトリチウムから放出されるベータ線に起因して前記検出素子が放出する光を光検知器で受光する工程と、光検知器の信号からトリチウム濃度を算出する工程を有するトリチウムの検出方法。
  4. 請求項3に記載のトリチウム検出後、前記容器に収容された前記試料水を排出するとともに、前記検出素子を乾燥する工程と、乾燥後の前記検出素子を収容した容器に第二のトリチウムを含む試料水を収容し、検出素子に第二の試料水を含浸させる工程と、第二の試料水中のトリチウムから放出されるベータ線に起因して前記検出素子が放出する光を光検知器で受光する工程と、光検知器の信号からトリチウム濃度を算出する工程を有するトリチウムの検出方法。
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