JP2020179364A - 排水処理設備及び排水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 固形分生成部への移送時にトラブルを起こしにくい蒸発濃縮水であって、固形分生成部において効率的に析出物を生成できる蒸発濃縮水を得ることができる排水処理設備などを提供することを課題としている。【解決手段】 排水に対して蒸発濃縮処理を施して蒸発濃縮水を得る蒸発濃縮部と、蒸発濃縮水から固形分を生成させる固形分生成部と、を備え、蒸発濃縮部から固形分生成部へ蒸発濃縮水が移送されるように構成され、排水は、濃縮によって析出物となる溶解成分を含み、固形分生成部では、析出物を含む固形分が生成され、蒸発濃縮部では、蒸発濃縮処理が行われている蒸発濃縮水の比重、含水率、又は導電率の少なくとも1つによって蒸発濃縮処理の終了時が決定される、排水処理設備などを提供する。【選択図】 図1

Description

本発明は、排水処理設備、及び、例えば該排水処理設備で実施する排水処理方法に関する。
従来、排水処理設備としては、例えば、有機性廃棄物を嫌気性処理して汚泥を得て、さらに、嫌気性処理を経た排水を逆浸透膜で膜分離し、逆浸透膜によって膜濃縮された排水と汚泥とをともに蒸発濃縮処理するように構成された設備が知られている(特許文献1)。
特許文献1に記載の排水処理設備においては、上記逆浸透膜によって膜濃縮された排水と、上記汚泥とを蒸発濃縮処理した蒸発濃縮水が、リン酸イオン、マグネシウムイオン、又はアンモニウムイオン等の溶解成分を含む。このような溶解成分は、溶解した状態で存在するものの、水分をさらに減少させて濃縮を進行させると、析出して析出物となる。析出物を含む固形分は、肥料等の用途で使用できる有用物となるか、又は、不要物となって廃棄され得る。
特開2015−192953号公報
ところで、特許文献1に記載の排水処理設備において、蒸発濃縮処理が終了した蒸発濃縮水を固形分生成部へ移送して、蒸発濃縮水に含まれる溶解成分を析出させて、析出物を含む固形分を得ることが考えられる。
ここで、単に蒸発濃縮処理を実施した蒸発濃縮水は、濃縮され過ぎたり、濃縮が不十分であったりする。例えば、濃縮され過ぎた蒸発濃縮水は、比較的多量の析出物を含むため、固形分生成部への移送時に析出物が移送経路等を詰まらせる等のトラブルを起こし得る。一方で、濃縮が不十分である蒸発濃縮水は、析出物をあまり含まないため、上記のようなトラブルを移送時にほとんど起こさないものの、蒸発濃縮水に含まれる溶解成分の濃度が低いため、移送された固形分生成部において効率的に析出物を生じさせることができない。
このように、蒸発濃縮処理によって単に濃縮された蒸発濃縮水は、移送されるときの析出物によるトラブルを抑制しつつ、移送後の固形分生成部において析出物を効率的に生じさせることが困難であるという問題がある。
本発明は、上記の問題点等に鑑み、移送時にトラブルを起こしにくい蒸発濃縮水であって、移送後において効率的に析出物を生じる蒸発濃縮水を得ることができる排水処理設備及び排水処理方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係る排水処理設備は、排水に対して蒸発濃縮処理を施して蒸発濃縮水を得る蒸発濃縮部と、
前記蒸発濃縮水から固形分を生成させる固形分生成部と、を備え、
前記蒸発濃縮部から前記固形分生成部へ前記蒸発濃縮水が移送されるように構成され、
前記排水は、濃縮によって析出物となる溶解成分を含み、
前記固形分生成部では、前記析出物を含む前記固形分が生成され、
前記蒸発濃縮部では、前記蒸発濃縮処理が行われている前記蒸発濃縮水の比重、含水率、又は導電率の少なくとも1つによって前記蒸発濃縮処理の終了時が決定される。
上記の排水処理設備においては、蒸発濃縮処理によって水分が減少して濃縮された蒸発濃縮水の比重、含水率、又は導電率の少なくとも1つを指標にして、蒸発濃縮処理の終了時が決定される。斯かる比重、含水率、又は導電率は、事前に実施する実験によって設定できる。蒸発濃縮水において析出物が理論上生じ始める比重、含水率、又は導電率に近い値を、上記の設定値として採用することによって、蒸発濃縮処理が終了した蒸発濃縮水は、析出物を生じ得る状態であるものの、移送されるときの撹拌力によって、析出物が生じることが抑制される。従って、移送時における移送経路の詰まり等のトラブルを起こしにくい。しかも、設定した比重、含水率、又は導電率で蒸発濃縮処理が終了した蒸発濃縮水を、固形分生成部において例えば静置したり冷却したりすることによって、効率的に溶解成分を析出させ、析出物を含む固形分を得ることができる。
従って、上記の排水処理設備においては、固形分生成部への移送時にトラブルを起こしにくい蒸発濃縮水であって、固形分生成部において効率的に析出物を生成できる蒸発濃縮水を得ることができる。
上記の排水処理設備では、前記蒸発濃縮部では、前記蒸発濃縮水において前記析出物が生じるまで前記蒸発濃縮処理が行われてもよい。
これにより、蒸発濃縮処理が終了した蒸発濃縮水は、析出物が生成する状態になっている。このような蒸発濃縮水が固形分生成部に移送されて静置又は冷却等されることによって、より効率的に析出物を生成させることができる。しかも、蒸発濃縮水において析出物が生じることは、上述したように、移送時の撹拌力によって抑制されるため、移送時のトラブルを起こしにくい。
本発明の排水処理方法は、排水に対して蒸発濃縮処理を施して蒸発濃縮水を得る蒸発濃縮工程と、
前記蒸発濃縮水から固形分を生成させる固形分生成工程と、を備え、
前記蒸発濃縮工程を経た前記蒸発濃縮水を移送して前記固形分生成工程を実施し、
前記排水は、濃縮によって析出物となる溶解成分を含み、
前記固形分生成工程では、前記析出物を含む前記固形分が生成され、
前記蒸発濃縮工程では、前記蒸発濃縮処理が行われている前記蒸発濃縮水の比重、含水率、又は導電率の少なくとも1つによって前記蒸発濃縮処理の終了時を決定する。
本発明の排水処理方法及び排水処理設備は、固形分生成部への移送時にトラブルを起こしにくい蒸発濃縮水であって、移送された固形分生成部において効率的に析出物を生成できる蒸発濃縮水を得ることができるという効果を奏する。
本実施形態の排水処理設備の概略を表す概略図。
以下、本発明に係る排水処理設備の一実施形態について、図面を参照しつつ詳しく説明する。
本実施形態の排水処理設備1は、例えば図1に示すように、水分減少に伴って析出物となる溶解成分を含む排水Aに対して蒸発濃縮処理を施して蒸発濃縮水Bを得る蒸発濃縮部10を備える。
本実施形態の排水処理設備1は、蒸発濃縮処理によって濃縮された蒸発濃縮水Bから、析出物を含む固形分Cを生成させる固形分生成部20をさらに備える。
本実施形態の排水処理設備1は、蒸発濃縮処理が終了した蒸発濃縮水Bを蒸発濃縮部10から固形分生成部20へ移送するように構成されている。
本実施形態の排水処理設備1の蒸発濃縮部10は、蒸発濃縮処理が行われている蒸発濃縮水Bの比重、含水率、又は導電率の少なくとも1つによって蒸発濃縮処理の終了時が決定される構成を有する。
本実施形態の排水処理設備1は、排水Aを蒸発濃縮部10へ供給する排水供給経路30を有する。また、蒸発濃縮部10で水分が減った蒸発濃縮水Bを固形分生成部20へ送る蒸発濃縮水移送経路40を備える。
また、本実施形態の排水処理設備1は、固形分生成部20において生成した固形分Cを取り出せる構成を有する。また、本実施形態の排水処理設備1は、貯まった固形分Cと分離した液分Dを、固形分生成部20から取り出す液分取り出し経路50を有する。
また、本実施形態の排水処理設備1は、蒸発濃縮部10において蒸発濃縮処理されている蒸発濃縮水Bの比重を断続的に測定する比重計70を備える。また、蒸発濃縮部10において蒸発濃縮処理されている蒸発濃縮水Bの含水率を断続的に測定する含水率計80を備える。蒸発濃縮部10において蒸発濃縮処理されている蒸発濃縮水Bの導電率を断続的に測定する導電率計(図示せず)を備えてもよい。
本実施形態の排水処理設備1は、蒸発濃縮部10において蒸発した水分を凝縮させる構成を有する。凝縮された水分は、凝縮水Eとなる。
本実施形態の排水処理設備1は、排水Aを蒸発濃縮部10へ供給するための第1ポンプ61と、蒸発濃縮部10の蒸発濃縮水Bを固形分生成部20へ送るための第2ポンプ62と、固形分生成部20の液分Dを固形分生成部20から取り出すための第3ポンプ63とを有する。これらポンプとしては、市販されている製品を使用できる。
本実施形態の排水処理設備1は、蒸発濃縮部10における蒸発濃縮処理が終了した蒸発濃縮水Bの少なくとも一部を固形分生成部20へ移送して、固形分生成部20において固形分Cを沈殿させる回分式(バッチ式)の設備であってもよい。
一方、本実施形態の排水処理設備1は、蒸発濃縮部10において蒸発濃縮処理を行いつつ間欠的に蒸発濃縮部10の蒸発濃縮水Bを固形分生成部20へ移送する半回分式(半連続式)の設備であってもよい。
また、本実施形態の排水処理設備1は、蒸発濃縮部10において蒸発濃縮処理を行いつつ連続的に蒸発濃縮部10の蒸発濃縮水Bを固形分生成部20へ移送する連続式の設備であってもよい。
蒸発濃縮部10へ供給される排水Aとしては、特に限定されず、例えば、無機酸又は無機アルカリを含む無機系排水、有機物を比較的多く含む有機系排水などが採用される。具体的には、液晶パネルなどを製造する電子部品製造工場などから排出される工場排水などが採用される。
斯かる排水Aは、例えば、活性汚泥法やメタン発酵処理などの生物処理を経た排水であってもよい。その後、さらに逆浸透膜による膜分離によって膜濃縮された排水(膜分離濃縮排水)であってもよい。
蒸発濃縮部10へ供給される排水Aは、様々な溶解成分を含む。溶解成分は、排水Aにおいて溶解した状態であるが、水分の減少に伴って溶解状態を維持できなくなって析出し得る成分である。溶解成分は、温度の変化、流動停止なども原因となって析出し、析出物となり得る。
溶解成分としては、無機イオン、又は、水溶性有機物などが挙げられる。
無機イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、アンモニウムイオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、塩化物イオン、フッ素イオン、又は、ホウ酸イオンなどが挙げられる。
水溶性有機物としては、イソプロピルアルコール(IPA)、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
析出物としては、例えば、硫酸ナトリウム、リン酸マグネシウムアンモニウム、ホウ酸ナトリウムなどが挙げられる。
排水Aのナトリウムイオン含有量は、少なくとも0.1質量%であることが好ましい。また、硫酸イオンの含有量は、少なくとも0.05質量%であることが好ましい。これにより、析出物に含まれる硫酸ナトリウムがより多くなり、析出物を有用物として利用できるという利点がある。なお、ナトリウムイオン及び硫酸イオンの含有量は、通常、硫酸ナトリウム換算で5質量%未満である。
また、排水Aのカルシウム含有量は、100mg/L以下であることが好ましい。これにより、析出物を含む固形分Cが硬い岩石状になることを抑制できる。固形分Cが硬い岩石状でなく、例えばスラリー状であることによって、固形分Cの取り扱い性がより良好になることから、析出物を含む固形分Cをより効率的に取り出すことができる。
斯かる理由と同様の理由により、排水Aのマグネシウム含有量は、100mg/L以下であることが好ましい。
排水Aの全有機炭素量(TOC量)は、100mg/L以下であることが好ましい。これにより、固形分Cを再利用する場合に利用する析出物の純度をより高くすることができる。また、有機物由来の固形分Cの着色を抑えることができる。
蒸発濃縮部10は、気化槽11を有する。蒸発濃縮部10では、気化槽11の内部に排水Aを貯めつつ排水A中の水分を蒸発させる。詳しくは、排水Aを槽内で流動させつつ水分を蒸発させる。仮に、蒸発濃縮水Bの比重、含水率、又は導電率が、析出物を析出させ得る比重、含水率、又は導電率に達したとしても、蒸発濃縮水Bが流動しているため、蒸発濃縮部10においては、析出物の析出が抑制される。
本実施形態の排水処理設備1は、蒸発濃縮処理が行われている蒸発濃縮水Bの比重、含水率、又は導電率の少なくとも1つに基づいて、蒸発濃縮処理の終了時を決定するように構成されている。蒸発濃縮処理が行われている蒸発濃縮水Bの比重は、比重計70によって測定できる。蒸発濃縮処理が行われている蒸発濃縮水Bの含水率は、含水率計80によって測定できる。そして、蒸発濃縮処理が終了した蒸発濃縮水Bを、蒸発濃縮部10から固形分生成部20へ移送するように構成されている。
本実施形態の排水処理設備1の蒸発濃縮部10では、蒸発濃縮水Bにおいて析出物が生じるまで蒸発濃縮処理が行われてもよい。
上記の排水処理設備1においては、蒸発濃縮処理の終了時を決定すべく、1つの比重、1つの含水率、又は1つの導電率が設定される。比重、含水率、導電率の2つ以上をそれぞれ設定してもよい。上記の比重、含水率、導電率を設定するときに、蒸発濃縮水Bにおいて析出物が理論上生じ始める比重、含水率、導電率に近い値を、上記の設定値として採用する。これにより、蒸発濃縮処理が終了した蒸発濃縮水Bは、析出物を生じ得る状態であるものの、移送されるときの撹拌力によって、析出物が生じることが抑制される。従って、移送時における移送経路の詰まり等のトラブルを起こしにくい。しかも、設定した比重、含水率、又は導電率で蒸発濃縮処理が終了した蒸発濃縮水Bを、固形分生成部20において例えば静置したり冷却したりすることによって、効率的に溶解成分を析出させ、析出物を含む固形分Cを得ることができる。
従って、上記の排水処理設備1においては、固形分生成部20への移送時にトラブルを起こしにくい蒸発濃縮水Bであって、固形分生成部20において効率的に析出物を生成できる蒸発濃縮水Bを得ることができる。
上記の比重、含水率、導電率の設定値としては、蒸発濃縮水Bにおいて析出物が理論上生じ始める比重、含水率、導電率に近い値を、採用することが好ましく、析出物が理論上わずかに生じる設定値を採用することがより好ましい。斯かる比重、含水率、導電率は、事前に実施する実験によって設定できる。
蒸発濃縮部10は、蒸発濃縮処理が行われている蒸発濃縮水Bの温度を計測する温度計(図示せず)と、蒸発濃縮処理中の圧力を計測する圧力計(図示せず)とを有することが好ましい。これにより、蒸発濃縮処理における圧力と、蒸発濃縮水Bの温度とを計測できる。事前に、温度条件及び圧力条件ごとに上記の各設定値を求めておくことによって、計測された温度及び圧力ごとの各設定値を採用することができる。このようにして各設定値を採用することによって、蒸発濃縮処理を終了させるための設定値の信頼性がより高くなる。
例えば、本実施形態の排水処理設備1は、蒸発濃縮部10において蒸発濃縮水Bの比重が特定の比重設定値となった(特定の比重設定値まで上昇した)ときに、蒸発濃縮処理を終了する構成を有することが好ましい。
比重設定値は、事前に実施する予備実験によって求められる。具体的には、蒸発濃縮部10において実施する蒸発濃縮処理と同条件(排水、温度、圧力等)で蒸発濃縮水Bを濃縮しつつ、析出物が生じたときの比重(理論比重値)を測定する。
上記の比重設定値は、上記の理論比重値の0.9倍以上1.5倍以下の1つの値であることが好ましく、0.9倍以上1.3倍以下の1つの値であることがより好ましく、1.0倍よりも大きく1.2倍以下の1つの値であることがさらに好ましい。
上記の比重設定値が理論比重値の0.9倍以上の1つの値であることによって、固形分生成部20へ移送された蒸発濃縮水Bにおいて、より効率的に析出物を生じさせることができる。
上記の比重設定値が理論比重値の1.5倍以下の1つの値であることによって、固形分生成部20へ移送される蒸発濃縮水Bに含まれ得る析出物が、蒸発濃縮水移送経路40の内部を詰まらせる等のトラブルをより抑制できる。
より具体的には、比重設定値としては、例えば1.05g/cm以上1.50g/cm以下、好ましくは1.175g/cm以上1.375g/cm以下の範囲における1数値を採用することができる。
例えば、本実施形態の排水処理設備1は、蒸発濃縮処理が行われている蒸発濃縮水Bの導電率に基づいて、蒸発濃縮処理の終了時を決定するように構成されている。蒸発濃縮処理が行われている蒸発濃縮水Bの導電率は、導電率計(図示せず)によって測定できる。
本実施形態の排水処理設備1は、蒸発濃縮部10において蒸発濃縮水Bの導電率が特定の導電率設定値となった(特定の導電率設定値まで上昇した)ときに、蒸発濃縮処理を終了する構成を有してもよい。この場合、導電率設定値は、上記の比重設定値と同様にして求めることができ、導電率設定値は、理論導電率値に基づいた値(上述した理論比重値に対する倍数値と同様の値)であることが好ましい。
また、例えば、本実施形態の排水処理設備1は、蒸発濃縮部10において蒸発濃縮水Bの含水率が特定の含水率設定値となった(特定の含水率設定値まで低下した)ときに、蒸発濃縮処理を終了する構成を有することが好ましい。
含水率設定値は、事前に実施する予備実験によって求められる。具体的には、蒸発濃縮部10において実施する蒸発濃縮処理と同条件(排水、温度、圧力等)で蒸発濃縮水Bを濃縮しつつ、析出物が生じたときの含水率(理論含水率値)を測定する。
上記の含水率設定値は、上記の理論含水率値の0.7倍以上1.3倍以下の1つの値であることが好ましく、0.8倍以上1.2倍以下の1つの値であることがより好ましく、0.9倍以上1.0倍未満の1つの値であることがさらに好ましい。
上記の含水率設定値が理論含水率値の0.9倍以上の1つの値であることによって、固形分生成部20へ移送される蒸発濃縮水Bに含まれ得る析出物が、蒸発濃縮水移送経路40の内部を詰まらせる等のトラブルをより抑制できる。
上記の含水率設定値が理論含水率値の1.5倍以下の1つの値であることによって、固形分生成部20へ移送された蒸発濃縮水Bにおいて、より効率的に析出物を生じさせることができる。
より具体的には、含水率設定値としては、例えば30%以上95%以下の範囲における1数値を採用することができる。
蒸発濃縮部10は、内部の蒸発濃縮水Bを循環させつつ水分を蒸発させる構成を有する。詳しくは、蒸発濃縮部10は、内部の蒸発濃縮水Bを循環させる循環経路12を有し、該循環経路12によって蒸発濃縮水Bを気化槽11内で循環させつつ、水分を蒸発させる。
蒸発濃縮部10は、例えば、排水A(蒸発濃縮水B)を減圧下で所定の処理温度に加熱することによって水分を蒸発させる。減圧条件は、例えば20hPa以上45hPa以下であり、処理温度は、例えば50℃以上85℃以下である。
なお、排水Aにスケール防止剤を添加することによって、蒸発濃縮部10において固形分Cが過剰に生成することを抑制してもよい。
蒸発濃縮部10において蒸発していったん気体となった水分は、大気圧条件下において室温で凝縮して、凝縮水Eとなる。凝縮水Eは、例えば、工場内で設備用水として使用される。
蒸発濃縮水移送経路40は、蒸発濃縮部10から固形分生成部20へ蒸発濃縮水Bを移送する経路である。蒸発濃縮水移送経路40は、例えば図1に示すように、蒸発濃縮部10における蒸発濃縮水Bの取り出し口から分岐まで上記の循環経路12の一部と経路を共有している。蒸発濃縮水移送経路40は、通常、配管によって構成される。
蒸発濃縮水移送経路40では、蒸発濃縮水Bは、移送されるときに撹拌力を受ける。従って、移送時の温度が蒸発濃縮処理時の温度よりも低かったとしても、また、移送される蒸発濃縮水Bの比重、含水率、又は導電率が、理論上析出物が生じる上記のような理論値であったとしても、析出物が生じることは撹拌力によって抑制される。
本実施形態の排水処理設備1は、蒸発濃縮水移送経路40及び上記の循環経路12の共有部分に配置された第2ポンプ62を有する。斯かる第2ポンプ62と上記の循環経路12とによって、蒸発濃縮部10の蒸発濃縮水Bを循環させることができる。また、斯かる第2ポンプ62と蒸発濃縮水移送経路40とによって、蒸発濃縮水Bを固形分生成部20へ移送することができる。
本実施形態の排水処理設備1は、上記の循環経路12及び上記の蒸発濃縮水移送経路40の分岐よりも下流側にそれぞれ取り付けられた弁を有し、これら複数の弁の各操作によって、蒸発濃縮部10の排水Aを循環させたり、蒸発濃縮部10からの蒸発濃縮水Bを固形分生成部20へ移送させたりすることができる構成を有する。なお、第2ポンプ62は、各弁よりも上流側(経路を共有している部分)に取り付けられている。
固形分生成部20は、析出沈殿槽21を有する。固形分生成部20は、析出沈殿槽21の槽内において、生成した固形分Cを沈殿させる構成を有する。
固形分生成部20では、蒸発濃縮部10から移送された蒸発濃縮水Bを静置する。蒸発濃縮水Bが静置されることによって、析出物を含む固形分Cが、沈殿して析出沈殿槽21の底部に貯まる。
固形分生成部20における蒸発濃縮水Bの温度条件は、蒸発濃縮部10における蒸発濃縮水Bの温度条件よりも、10℃以上低いことが好ましい。斯かる温度条件が10℃以上低く設定されることによって、析出物が生じることがさらに促進され、固形分Cの沈殿をさらに促進させることができる。斯かる温度条件の差は、通常、80℃以下である。
固形分生成部20において沈殿した固形分Cは、結晶状の固体になり得る。また、ペースト状にもなり得る。
析出沈殿槽21の底部に貯まった固形分Cは、例えば、液分Dを槽外に取り出した後、作業者(人力)によって槽外に取り出される。液分Dは、例えば吸入ポンプを備えたタンクローリ車によって槽外へ取り出される。
本実施形態の排水処理設備1においては、蒸発濃縮部10において蒸発濃縮処理が終了した蒸発濃縮水Bを固形分生成部20において静置することによって、析出物を含む固形分Cを沈殿させる。又は、固形分生成部20における蒸発濃縮水Bの温度条件を、蒸発濃縮部10における蒸発濃縮処理の温度条件よりも下げることによって、析出物を含む固形分Cを沈殿させる。これにより、各種用途において有用物となるか、又は、不要物として廃棄される析出物を含む固形分Cを、効率的に得ることができる。斯かる固形分Cは、液分Dと分離して下に貯まるため、簡便に採取することができる。
本実施形態の排水処理設備1は、蒸発濃縮水移送経路40を経た蒸発濃縮水Bが、固形分生成部20の析出沈殿槽21の上部において、固形分生成部20(析出沈殿槽21)に流入する構成を有することが好ましい。また、蒸発濃縮水移送経路40を経た蒸発濃縮水Bが、析出沈殿槽21における液面よりも上方から、固形分生成部20(析出沈殿槽21)に流入する構成を有することがより好ましい。
斯かる構成によって、流入する蒸発濃縮水Bの水流によって、下に貯まった固形分Cが液分D中に分散されてしまうことを抑制できる。
本実施形態の排水処理設備1は、蒸発濃縮水移送経路40を逆洗できる構成を有する。詳しくは、蒸発濃縮水移送経路40の途中(図1においてGで示す)から、加圧水を逆向きで供給し、供給部分よりも上流側(蒸発濃縮部10側)に配置された排出用配管を経由させて外部へ排出する(図1においてHで示す)。斯かる構成によって、蒸発濃縮水移送経路40の配管内部に付着した汚れ等を洗い流すことができる。配管内部に付着した汚れとしては、例えば、蒸発濃縮水Bにおいて生じた少量の析出物などが挙げられる。
固形分生成部20は、固形分Cが沈殿した後の液分Dを撹拌するための撹拌用経路22を有する。撹拌用経路22は、析出沈殿槽21の外部に配置されている。撹拌用経路22は、固形分生成部20から取り出した液分Dを上方へ上げて、取り出し位置よりも高い位置から、析出沈殿槽21の槽内に液分Dを供給する構成を有する。撹拌用経路22は、通常、配管で構成されている。
斯かる構成の撹拌用経路22によって析出沈殿槽21における液分Dを循環させつつ撹拌することができる。これにより、液分Dを均一な液に近づけることができる。そして、均一な液に近づいた液分Dを、上記の液分取り出し経路50によって、固形分生成部20から取り出すことができる。
固形分生成部20は、撹拌用経路22を経た液分Dが、水平方向又は水平よりも上向き方向で、固形分生成部20の内部に流入する構成を有することが好ましい。
斯かる構成によって、下に貯まった固形分Cが、流入する液分Dの液流によって液分D中に分散されてしまうことを抑制できる。
図1に示すように、本実施形態の排水処理設備1において、液分取り出し経路50は、固形分生成部20における蒸発濃縮水Bの取り出し口から分岐まで、撹拌用経路22の一部と経路を共有している。分岐よりも下流側において、撹拌用経路22と液分取り出し経路50とに弁がそれぞれ取り付けられている。これら複数の弁の各操作によって、析出沈殿槽21における液分Dの撹拌操作と、析出沈殿槽21からの液分Dの排出操作とを切り替えることができる。なお、液分Dを固形分生成部20から取り出すための第3ポンプ63が、各弁よりも上流側(経路を共有している部分)に取り付けられている。
固形分生成部20では、撹拌用経路22における液分Dを取り出す位置は、固形分生成部20において沈殿した固形分Cの最高位置よりも高い(上方である)。
斯かる構成によって、固形分Cが撹拌用経路22に誤って入り込むことを抑制できる。固形分Cが入り込むと、撹拌用経路22の詰まりの原因となるが、斯かる詰まりを抑制することができる。
本実施形態の排水処理設備1において、撹拌用経路22及び液分取り出し経路50の途中に取り付けられた第3ポンプ63としては、渦巻ポンプ等のターボ形ポンプ、ダイヤフラムポンプ等の往復ポンプなどを使用できる。
第3ポンプ63は、マグネットポンプ等よりも外部注水式シール方式の渦巻ポンプであることが好ましい。斯かるポンプは、注水構造を有することから、液分Dに含まれる微細な固形物質によって故障することがほとんどない。
固形分生成部20の析出沈殿槽21は、例えば、作業者が立位で内部に入れる内部空間高さを有する。また、析出沈殿槽21は、例えば、作業者が立位で内部に入れる内容積を有する。
上記のごとく液分Dのほとんどが排出された析出沈殿槽21において、作業者が内部空間に入り込み、沈殿した底部の固形分Cを砕いて小さくし、砕かれた固形分Cを作業者が析出沈殿槽21の外へ運び出すことができる。
沈殿した上記の固形分Cは、溶解成分が析出した析出物を含有する。析出物が硫酸ナトリウムであれば、析出物は、例えば浴用剤、乾燥剤、ガラス製造、パルプ製造、洗剤の助剤などの用途における有用物として使用され得る。なお、上記の固形分Cは、精製処理された後に使用されることが好ましい。
一方、析出物が有用物でない場合などは、沈殿した固形分Cは、廃棄され得る。
これに対して、固形分生成部20において沈殿した固形分C以外の液分Dは、例えば、廃棄処理されることとなる。あるいは、斯かる液分Dに対して、例えば、生物処理、又は、凝集沈殿処理を施すことができる。なお、液分Dは、沈殿せずに浮遊する微小な固形分Cを含み得る。
固形分生成部20の析出沈殿槽21から、固形分C及び液分Dを取り出した後、槽の内壁に付着した残存する固形分Cを、洗浄処理によって取り除くことができる。洗浄処理としては、高圧水洗浄などを採用できる。
次に、本発明に係る排水処理方法の一実施形態について説明する。
本実施形態の排水処理方法は、
排水に対して蒸発濃縮処理を施して蒸発濃縮水Bを得る蒸発濃縮工程と、
蒸発濃縮水Bから固形分Cを生成させる固形分生成工程と、を備え、
蒸発濃縮工程を経た蒸発濃縮水Bを移送して固形分生成工程を実施し、
排水Aは、濃縮によって析出物となる溶解成分を含み、
固形分生成工程では、析出物を含む固形分Cが生成され、
蒸発濃縮工程では、蒸発濃縮処理が行われている蒸発濃縮水Bの比重、含水率、又は導電率の少なくとも1つによって蒸発濃縮処理の終了時を決定する。
本実施形態の排水処理方法においては、蒸発濃縮処理によって水分が減少して濃縮された蒸発濃縮水Bの比重、含水率、又は導電率の少なくとも1つを指標にして、蒸発濃縮処理の終了時を決定する。斯かる比重、含水率、又は導電率は、事前に実施する実験によって設定できる。蒸発濃縮水Bにおいて析出物が理論上生じ始める比重、含水率、又は導電率に近い値を、上記の設定値として採用することによって、蒸発濃縮処理が終了した蒸発濃縮水Bは、析出物を生じ得る状態であるものの、移送されるときの撹拌力によって、析出物が生じることが抑制される。従って、移送時における移送経路の詰まり等のトラブルを起こしにくい。しかも、設定した比重、含水率、又は導電率で蒸発濃縮処理が終了した蒸発濃縮水Bを、移送後に例えば静置したり冷却したりすることによって、効率的に溶解成分を析出させ、析出物を含む固形分Cを得ることができる。
従って、上記の排水処理方法においては、移送時にトラブルを起こしにくい蒸発濃縮水Bであって、移送後に効率的に析出物を生成できる蒸発濃縮水Bを得ることができる。
詳しくは、本実施形態の排水処理方法は、蒸発濃縮処理を終了させるときの蒸発濃縮水Bの比重、含水率、又は導電率の各設定値を決める設定値決定工程と、上記の蒸発濃縮工程と、蒸発濃縮処理を終了した蒸発濃縮水Bを蒸発濃縮部10から固形分生成部20へ移送する蒸発濃縮水移送工程と、上記の固形分生成工程と、を備える。
本実施形態の排水処理方法は、例えば、上述した排水処理設備1を用いて上記のごとく実施することができる。
本実施形態の排水処理方法において、蒸発濃縮工程を経た蒸発濃縮水Bの少なくとも一部に対して固形分生成工程を実施してもよく、蒸発濃縮工程を経た蒸発濃縮水Bの一部を間欠的に補給しつつ固形分生成工程を実施してもよい。また、蒸発濃縮工程を経た蒸発濃縮水Bの一部を連続的に補給しつつ固形分生成工程を実施してもよい。
なお、蒸発濃縮工程、蒸発濃縮水移送工程、及び固形分生成工程は、同時に実施してもよく、それぞれ別々に(例えば交互に)実施してもよい。
設定値決定工程は、蒸発濃縮工程よりも前に実施することが好ましい。蒸発濃縮水移送工程は、設定値決定工程の後に実施することが好ましい。
設定値決定工程では、蒸発濃縮処理を終了させるときの蒸発濃縮水Bの比重、含水率、又は導電率の設定値として、理論上、析出物が生じる設定値を採用することが好ましく、理論上、析出物がわずかに生じる設定値を採用することがより好ましい。
上記の各設定値は、蒸発濃縮処理において計測される所定温度及び所定圧力のときの設定値であることが好ましい。詳しくは、上記の各設定値は、好ましくは、蒸発濃縮処理の条件下における蒸発濃縮水Bの温度毎及び圧力毎に決められたものであり、事前に、蒸発濃縮水Bの比重、含水率、又は導電率を、温度毎及び圧力毎に測定することによって求められる。
設定値決定工程では、例えば、蒸発濃縮処理を終了するときの蒸発濃縮水Bの比重設定値を決める。
比重設定値は、事前に(蒸発濃縮工程よりも前に)実施する予備実験によって求められる。具体的には、蒸発濃縮部10において実施する蒸発濃縮処理と同条件(排水、温度、圧力等)で蒸発濃縮水Bを濃縮しつつ、析出物が生じたときの比重(理論比重値)を測定する。
上記の比重設定値は、上記の理論比重値の0.9倍以上1.5倍以下の1つの値であることが好ましく、0.9倍以上1.3倍以下の1つの値であることがより好ましく、1.0倍よりも大きく1.2倍以下の1つの値であることがさらに好ましい。
上記の比重設定値が理論比重値の0.9倍以上の1つの値であることによって、固形分生成部20へ移送された蒸発濃縮水Bにおいて、より効率的に析出物を生じさせることができる。
上記の比重設定値が理論比重値の1.5倍以下の1つの値であることによって、固形分生成部20へ移送される蒸発濃縮水Bに含まれ得る析出物が、蒸発濃縮水移送経路40の内部を詰まらせる等のトラブルをより抑制できる。
より具体的には、比重設定値としては、例えば1.175g/cm以上1.375g/cm以下の範囲における1数値を採用することができる。
また、設定値決定工程では、例えば、蒸発濃縮処理を終了するときの蒸発濃縮水Bの含水率設定値を決める。
含水率設定値は、事前に(蒸発濃縮工程よりも前に)実施する予備実験によって求められる。具体的には、蒸発濃縮部10において実施する蒸発濃縮処理と同条件(排水、温度、圧力等)で蒸発濃縮水Bを濃縮しつつ、析出物が生じたときの含水率(理論含水率値)を測定する。
上記の含水率設定値は、上記の理論含水率値の0.7倍以上1.3倍以下の1つの値であることが好ましく、0.8倍以上1.2倍以下の1つの値であることがより好ましく、0.9倍以上1.0倍未満の1つの値であることがさらに好ましい。なお、これら倍数の数値は、百分率で表した含水率ではなく、1質量部の蒸発濃縮水Bを基準として表した数値である。
上記の含水率設定値が理論含水率値の0.9倍以上の1つの値であることによって、固形分生成部20へ移送される蒸発濃縮水Bに含まれ得る析出物が、蒸発濃縮水移送経路40の内部を詰まらせる等のトラブルをより抑制できる。
上記の含水率設定値が理論含水率値の1.5倍以下の1つの値であることによって、固形分生成部20へ移送された蒸発濃縮水Bにおいて、より効率的に析出物を生じさせることができる。
より具体的には、含水率設定値としては、例えば30%以上95%以下の範囲における1数値を採用することができる。
設定値決定工程では、蒸発濃縮処理を終了するときの蒸発濃縮水Bの導電率設定値を決めてもよい。この場合、導電率設定値は、理論導電率値を基にして、上記の比重設定値と同様にして設定される。
蒸発濃縮工程では、例えば、上記の循環経路12を使用して、20hPa以上45hPa以下の減圧条件下、及び、50℃以上85℃以下の温度条件下で排水Aを撹拌することによって、水分を蒸発させて減らし、排水Aを濃縮する。
蒸発濃縮工程において、必ずしも加熱及び減圧の両方が必要ではなく、いずれか一方によって水分の蒸発を実施してもよい。
蒸発濃縮工程においては、蒸発濃縮水Bの比重、含水率、又は導電率の少なくとも1つが、上記設定値に達したときに、該工程を終了する。
例えば、蒸発濃縮工程において、時間間隔を空けて蒸発濃縮水Bの比重を比重計70によって測定し、斯かる比重が上記の比重設定値まで上昇する間、該工程を継続してもよい。
例えば、蒸発濃縮工程において、時間間隔を空けて蒸発濃縮水Bの含水率を含水率計80によって測定し、斯かる含水率が上記の含水率設定値まで低下する間、該工程を継続してもよい。
例えば、蒸発濃縮工程において、時間間隔を空けて蒸発濃縮水Bの導電率を導電率計によって測定し、斯かる導電率が上記の導電率設定値まで上昇する間、該工程を継続してもよい。
蒸発濃縮工程では、蒸発濃縮水Bにおいて析出物が生じるまで蒸発濃縮処理が行われることが好ましい。
蒸発濃縮工程は、所定時間が経過したのちに終了してもよい。
蒸発濃縮工程において、水分を蒸発させつつ蒸発濃縮水BのpHを7.0以上12.5以下に調整してもよい。蒸発濃縮水BのpHは、例えば、水酸化カリウムなどのアルカリ剤、塩酸などの酸を添加することによって調整できる。
蒸発濃縮水移送工程では、蒸発濃縮工程を経た蒸発濃縮水Bを、例えば、上記の複数の弁の開閉操作によって、蒸発濃縮水移送経路40へ送り、さらに固形分生成部20へ移送する。
蒸発濃縮水移送工程では、蒸発濃縮水移送経路40を通って移送される蒸発濃縮水Bが、撹拌力を受ける。従って、移送時の温度が蒸発濃縮処理時の温度よりも低かったとしても、また、移送される蒸発濃縮水Bの比重、含水率又は導電率が、理論上析出物が生じる上記のような理論値であったとしても、析出物が生じることが撹拌力によって抑制される。
固形分生成工程では、移送されてきた蒸発濃縮水Bを上記の固形分生成部20において静置する。固形分生成工程において、蒸発濃縮水Bの温度条件を、蒸発濃縮工程における処理温度条件よりも低くすることが好ましく、10℃以上低くすることがより好ましい。斯かる温度条件の差は、通常、80℃以下である。
固形分生成工程において、蒸発濃縮水Bを静置する期間は、例えば1日間以上30日間以下である。
固形分生成工程では、析出沈殿槽21において生じた水蒸気Fを、ベント弁等によって外気へ排出させることが好ましい。
本実施形態の排水処理方法は、固形分生成工程によって沈殿した固形分Cと、固形分以外の液分Dとそれぞれ取り出す取出工程をさらに備える。
取出工程においては、例えば、固形分生成部20から液分Dを取り出した後に、固形分Cを取り出す。
具体的には、まず上記の撹拌用経路22を使用して液分Dを撹拌することによって、液分Dを均一な液に近づける。均一に近づいた液分Dを、液分取り出し経路50を介して固形分生成部20から取り出す。次に、固形分生成部20の析出沈殿槽21内に作業者が入り込み、底部に貯まった固形分Cを必要に応じて砕き、固形分Cを作業者が固形分生成部20から取り出す。例えばこのようにして、固形分Cと液分Dとをそれぞれ取り出す。
取り出された固形分Cは、上述したように、各種の用途で使用されるか、又は、廃棄処分される。液分Dは、上述したように、例えば廃棄処分される。
析出物が固形分Cに含まれる分、液分Dに含まれる無機イオン等が少なくなっている。固形分Cを各種用途で使用する場合であっても、また、固形分Cを廃棄処分する場合であっても、固形分Cに析出物が生じている分、固形分Cを効率的に利用又は廃棄処分できる。一方、液分Dの無機イオン等が少ない分、廃棄する際の負荷が少なくなり、液分Dを効率的に廃棄処分できる。
上記実施形態の排水処理設備及び排水処理方法は、上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示の排水処理設備及び排水処理方法に限定されるものではない。
また、一般の排水処理設備及び排水処理方法において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
1:排水処理設備、
10:蒸発濃縮部、 11:気化槽、 12:循環経路、
20:固形分生成部、 21:析出沈殿槽、 22:撹拌用経路、
30:排水供給経路、
40:蒸発濃縮水移送経路、
50:液分取り出し経路、
61:第1ポンプ、 62:第2ポンプ、 63:第3ポンプ、
70:比重計、
80:含水率計、
A:排水、 B:蒸発濃縮水、 C:固形分、 D:液分、 E:凝縮水、 F:水蒸気。
また、例えば、本実施形態の排水処理設備1は、蒸発濃縮部10において蒸発濃縮水Bの含水率が特定の含水率設定値となった(特定の含水率設定値まで低下した)ときに、蒸発濃縮処理を終了する構成を有することが好ましい。
含水率設定値は、事前に実施する予備実験によって求められる。具体的には、蒸発濃縮部10において実施する蒸発濃縮処理と同条件(排水、温度、圧力等)で蒸発濃縮水Bを濃縮しつつ、析出物が生じたときの含水率(理論含水率値)を測定する。
上記の含水率設定値は、上記の理論含水率値の0.7倍以上1.3倍以下の1つの値であることが好ましく、0.8倍以上1.2倍以下の1つの値であることがより好ましく、0.9倍以上1.0倍未満の1つの値であることがさらに好ましい。
上記の含水率設定値が理論含水率値の0.7倍以上の1つの値であることによって、固形分生成部20へ移送される蒸発濃縮水Bに含まれ得る析出物が、蒸発濃縮水移送経路40の内部を詰まらせる等のトラブルをより抑制できる。
上記の含水率設定値が理論含水率値の1.3倍以下の1つの値であることによって、固形分生成部20へ移送された蒸発濃縮水Bにおいて、より効率的に析出物を生じさせることができる。
より具体的には、含水率設定値としては、例えば30%以上95%以下の範囲における1数値を採用することができる。
また、設定値決定工程では、例えば、蒸発濃縮処理を終了するときの蒸発濃縮水Bの含水率設定値を決める。
含水率設定値は、事前に(蒸発濃縮工程よりも前に)実施する予備実験によって求められる。具体的には、蒸発濃縮部10において実施する蒸発濃縮処理と同条件(排水、温度、圧力等)で蒸発濃縮水Bを濃縮しつつ、析出物が生じたときの含水率(理論含水率値)を測定する。
上記の含水率設定値は、上記の理論含水率値の0.7倍以上1.3倍以下の1つの値であることが好ましく、0.8倍以上1.2倍以下の1つの値であることがより好ましく、0.9倍以上1.0倍未満の1つの値であることがさらに好ましい。なお、これら倍数の数値は、百分率で表した含水率ではなく、1質量部の蒸発濃縮水Bを基準として表した数値である。
上記の含水率設定値が理論含水率値の0.7倍以上の1つの値であることによって、固形分生成部20へ移送される蒸発濃縮水Bに含まれ得る析出物が、蒸発濃縮水移送経路40の内部を詰まらせる等のトラブルをより抑制できる。
上記の含水率設定値が理論含水率値の1.3倍以下の1つの値であることによって、固形分生成部20へ移送された蒸発濃縮水Bにおいて、より効率的に析出物を生じさせることができる。
より具体的には、含水率設定値としては、例えば30%以上95%以下の範囲における1数値を採用することができる。

Claims (3)

  1. 排水に対して蒸発濃縮処理を施して蒸発濃縮水を得る蒸発濃縮部と、
    前記蒸発濃縮水から固形分を生成させる固形分生成部と、を備え、
    前記蒸発濃縮部から前記固形分生成部へ前記蒸発濃縮水が移送されるように構成され、
    前記排水は、濃縮によって析出物となる溶解成分を含み、
    前記固形分生成部では、前記析出物を含む前記固形分が生成され、
    前記蒸発濃縮部では、前記蒸発濃縮処理が行われている前記蒸発濃縮水の比重、含水率、又は導電率の少なくとも1つによって前記蒸発濃縮処理の終了時が決定される、排水処理設備。
  2. 前記蒸発濃縮部では、前記蒸発濃縮水において前記析出物が生じるまで前記蒸発濃縮処理が行われる、請求項1に記載の排水処理設備。
  3. 排水に対して蒸発濃縮処理を施して蒸発濃縮水を得る蒸発濃縮工程と、
    前記蒸発濃縮水から固形分を生成させる固形分生成工程と、を備え、
    前記蒸発濃縮工程を経た前記蒸発濃縮水を移送して前記固形分生成工程を実施し、
    前記排水は、濃縮によって析出物となる溶解成分を含み、
    前記固形分生成工程では、前記析出物を含む前記固形分が生成され、
    前記蒸発濃縮工程では、前記蒸発濃縮処理が行われている前記蒸発濃縮水の比重、含水率、又は導電率の少なくとも1つによって前記蒸発濃縮処理の終了時を決定する、排水処理方法。
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