図1に示す仮想プリペイドカード発行管理装置(以下、単に「発行管理装置」と称する)10及びユーザ端末11は、本発明の情報処理装置及び端末装置の実施形態の一例である。発行管理装置10は、仮想プリペイドカードの発行及び管理を行う。仮想プリペイドカードは、カードという形や大きさをもった物(有体物)ではなく、プリペイドカードとしての機能が識別情報に化体したもの(無体物)である。プリペイドカードは、経済的な価値をもった例えば通貨などとの引き換えにより発行されるとともに引き換えた経済的価値量がチャージ金額となり、チャージ金額内で物の購入やサービスの提供を受けるための支払処理機能をもつカードである。本例での仮想プリペイドカードは、詳細を後述する通り、発行した後にもチャージ(入金)することができ、これにより残高が増加するようにされている。
本実施形態に係る発行管理装置10は、ユーザが選択したブランド(種類)の仮想プリペイドカードを発行する。ブランドは、例えば、周知の国際ブランドや、日本など特定の国内でのみ通用する国内プリペイドカードなどいずれでもよい。また、BIN(Bank Identification Number)スポンサー契約に基づき発行可能なものであってもよい。
発行管理装置10は、複数のユーザ端末11及び複数の店舗端末12の各々と、通信ネットワーク16を介して接続しており通信可能である。通信ネットワーク16は、既存のネットワークでよく、例えば、インターネット、携帯電話網、無線WAN(Wireless Wide Area Network)、無線LAN(Local Area Network)、イーサネット(登録商標)(Ethernet)などのうちの少なくともひとつで構成されている。
なお、通信ネットワーク16には、他のサーバ装置(以下、外部サーバと称する)が接続していてもよい。本例でも図示は略してあるが、外部サーバとして、SMS(Short Message Service)を提供するSMSサーバが通信ネットワーク16に接続している。接続しているSMSサーバはひとつでも複数でもよい。SMSサーバは、周知の通り、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部、及び、その他種々のハードウェアによって構成されている。
複数のユーザ端末11の各々は、発行管理装置10により提供される仮想プリペイドカード発行管理サービスを利用するためのものであり、さらに店舗端末12での支払いに用いてもよい。また本例のユーザ端末11は、前述のSMSの利用にも用いられている。ユーザ端末11には、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータなど、公知のものを用いることができる。なお、図1においてはユーザ端末11の数を2つとして描いているが、ユーザ端末11の数はこの例に限られない。
複数の店舗端末12の各々は、販売する商品や提供するサービスの対価の支払いに仮想プリペイドカードの利用の申し出があった場合に、仮想プリペイドカードを用いた支払要求を行う。複数の店舗端末12の中には、仮想プリペイドカードの代わりに決済用カードを用いた支払い手続きをするものがあってもよい。決済用カードは、形及び大きさをもった有体物であるカードである。
本実施形態における仮想プリペイドカードに係る概要を説明する。発行管理装置10は、ユーザ端末11からの要求に応じて、情報処理プログラムを備えるアプリケーションソフトウェア(以下、アプリケーションと称する)をデータ送信することによりユーザ端末11に提供する。本例ではユーザ端末11としてスマートフォンを用いており、このユーザ端末11に上記アプリケーションがダウンロード及びインストールされ、アプリケーションの利用登録が行われる。利用登録の際に、ユーザ端末11にはSMS認証が要求され、SMS認証が行われる。利用登録によって、ユーザ端末11を用いるユーザは、発行管理装置10により提供される仮想プリペイドカード発行管理サービスを利用することができるようになっている。なお、ユーザ端末11に対するアプリケーションの提供は、外部サーバが行ってもよい。
利用登録をしたユーザに対して、図2に示すように、複数の仮想プリペイドカードが発行可能とされている。図2においては、仮想プリペイドカードとして「XXカード」と「YYカード」と「ZZカード」との3枚のみ図示してあるが、1枚、2枚、あるいは4枚以上でもよい。仮想プリペイドカードは、アプリケーション上で、ユーザの任意のタイミングで、及び、SMS認証だけで、発行が可能となっている。
図2に示すように各仮想プリペイドカードに対しては、仮想プリペイドカードへのチャージ(入金)が未だなされていない未割当の残高(以下、未割当残高と称する)からチャージ(入金)がなされる。このため、ユーザ端末11では、アプリケーション上で、仮想プリペイドカードへチャージするための未割当残高として、チャージが行われる。未割当残高へのチャージは、例えばクレジットカード、銀行などの金融機関の口座を用いた振込み、コンビニエンスストアなどの実店舗での通貨による現金払など、一般的な手法によって行われる。クレジットカードを用いることができるようにする場合には、クレジットカードの番号が発行管理装置10に予め登録されるようにしてもよい。
個々の仮想プリペイドカードは、アプリケーション上で、利用回数(支払いに用いる回数)や、利用目的(支払いの用途)や、利用期限が設定可能となっている。例えば、ユーザは、複数の仮想プリペイドカードのうちの特定の1枚について、利用回数を1度のみに設定するいわゆるワンタイム設定にすることができる。個々のプリペイドカードは、アプリケーション上で、無効化や削除が可能となっている。無効化や削除がなされた仮想プリペイドカードの残高は、未割当残高に移される。
発行管理装置10は、利用登録、未割当残高へのチャージ、仮想プリペイドカードの発行、仮想プリペイドカードへのチャージ、仮想プリペイドカードの無効化及び削除とこれらに伴う仮想プリペイドカードから未割当残高への残高の移行など、こうしたユーザ端末11からの要求に応じて、これらの各処理を行う。
ユーザは、発行された複数の仮想プリペイドカードの各々に上記のような利用に係る設定ができるから、利用サービス毎に異なる設定の仮想プリペイドカードをもつことができる。また、複数の仮想プリペイドカードに対して互いに異なる識別情報(カードの番号など)したり、各仮想プリペイドカードの無効化ができるから、セキュリティ面でのリスクヘッジになる。
図3に示すように、発行管理装置10は、第1残高情報記憶部21と、第2残高情報記憶部22と、制御部23とを備える。発行管理装置10は、さらにユーザ情報記憶部26と決済用カード情報記憶部27と前述のアプリケーションを記憶するアプリケーション記憶部(図示無し)とを備えることがより好ましく、本例でも備えている。第1残高情報記憶部21と第2残高情報記憶部22とユーザ情報記憶部26と決済用カード情報記憶部27とは、仮想プリペイドカードに係る情報が登録されるカード情報データベース28を構成している。
第1残高情報記憶部21は、ユーザを識別するユーザ識別情報に紐付けられており、かつ、仮想プリペイドカードの識別情報に紐付けられていない第1残高の情報を記憶する。第1残高は、前述の未割当残高である。なお、未割当残高には、ユーザがユーザ端末11を用いてチャージ(入金)した額が加算される。未割当残高へのチャージにおけるユーザの支払いは、例えば実店舗での通貨による現金払、クレジットカード、銀行などの金融機関の口座からの引落し、振込みなど、一般的な手法によって行われる。また、未割当残高には、ユーザは、繰り返しチャージ(入金)が可能とされており、チャージによって第1残高が増額可能である。
このように、第1残高情報記憶部21は、ユーザ識別情報と第1残高の情報とを紐付けて記憶する。例えば、第1残高情報記憶部21は、ユーザ識別情報Aと第1残高の情報BAを紐付けて記憶する。図4においてはユーザ識別情報Aと第1残高を50000円として、これらの紐付け態様を示している。同様に、ユーザ識別情報B,C,D,・・・と、各第1残高の情報BB,BC,BD,・・・とを紐付けて記憶する。図4においては、ユーザ識別情報B,C,D,・・・にそれぞれ対応する第1残高を3000円,20000円,2000円としている。
第1残高情報記憶部21は、さらに、第1残高の上限額(以下、第1残高上限と称する)の情報を、ユーザ識別情報に紐づけて記憶してもよく、本例でもそのようにしている。第1残高上限は、ユーザ毎に設定される限度額であり、この第1残高上限以下の金額で、ユーザは未割当残高へチャージすることができる。第1残高上限は、制御部23により設定され、第1残高情報記憶部21に記憶される。
より具体的には、ユーザ識別情報Aのユーザに設定された第1残高上限の情報をLAとするときに、第1残高情報記憶部21は、ユーザ識別情報Aと第1残高上限の情報LAとを紐付けて記憶する。なお、図4においては第1残高上限を100000円としている。同様に、ユーザ識別情報B,C,D,・・・のユーザに設定された第1残高上限の情報をLB,LC,LD,・・・とするときに、第1残高情報記憶部21は、ユーザ識別情報B,C,D,・・・と第1残高上限の情報LB,LC,LD,・・・とを紐付けて記憶する。なお、図4においてはユーザ識別情報B,C,D,・・にそれぞれ対応する第1残高上限を、30000円、100000円、50000円としている。以上のように、第1残高情報記憶部21には、ユーザ識別情報Aと第1残高上限の情報LAとは紐付けられて記憶され、ユーザ識別情報Bと第1残高上限の情報LBとは紐付けられて記憶され、同様に、ユーザ識別情報Cと第1残高上限の情報LC、ユーザ識別情報Dと第1残高上限の情報LC、・・・・の各々も紐付けられて記憶される。
第2残高情報記憶部22は、仮想プリペイドカードの識別情報(以下、仮想プリペイドカード識別情報と称する)に紐付けられた第2残高の情報を記憶する。第2残高は、仮想プリペイドカードの残高であり、未割当残高の第1残高から割り当てら(チャージさ)れる毎に生成される。ひとつの未割当残高の第1残高から複数の仮想プリペイドカードに対して割り当ててもよい。この場合には、複数の仮想プリペイドカードのそれぞれに第2残高が観念できるから、第2残高情報記憶部22は、これら複数の仮想プリペイドカードの第2残高の情報のそれぞれの情報を仮想プリペイドカード識別情報と一対一対応で紐付けて記憶する。なお、本例では、第2残高が0円であっても、仮想プリペイドカード識別情報が第2残高情報記憶部22へ記憶されたことをもって、仮想プリペイドカードの発行としている。したがって、未割当残高からまだ一度もチャージされておらず第2残高が0円との情報が紐付けられている仮想プリペイドカード識別情報が第2残高情報記憶部22に記憶されている場合には、当該仮想プリペイドカードは発行されているものとみなす。
例えば、ユーザ識別情報Aに対して3つの仮想プリペイドカードを発行している場合には、第2残高情報記憶部22は、各仮想プリペイドカード識別情報a1,a2,a3と、これら各々の第2残高の情報Ba1,Ba2,Ba3とを紐付けて記憶している。すなわち、第2残高情報記憶部22は、仮想プリペイドカード識別情報a1と第2残高の情報Ba1とを紐付けて記憶し、仮想プリペイドカード識別情報a2と第2残高の情報Ba2とを紐付けて記憶し、同様に、仮想プリペイドカード識別情報a3と第2残高の情報Ba3も同様に紐付けて記憶する。図5においては、仮想プリペイドカード識別情報a1,a2,a3に対応する第2残高を15000円、800円、12000円としている。
ユーザ識別情報Bに対して仮想プリペイドカードが発行された場合の仮想プリペイドカード識別情報をb1,b2,b3,・・・とし、これらの各第2残高の情報をBb1,Bb2,Bb3,・・・とするときにも同様に、第2残高情報記憶部22は、仮想プリペイドカード識別情報b1,b2,b3,・・・と第2残高の情報Bb1,Bb2、Bb3,・・・とを紐づけて記憶する。ユーザ識別情報C及びDに対して仮想プリペイドカードが発行された場合の仮想プリペイドカード識別情報c1,c2,c3,・・・,d1,d2,d3,・・・と、これらの各第2残高の情報Bc1,Bc2,Bc3,・・・,Bd1,Bd2,Bd3,・・・についても同様である。図5においては、仮想プリペイドカード識別情報b1,c1,c2,d1,d2に対応する第2残高を15000円,800円、12000円,800円,800円としている。
第2残高情報記憶部22は、さらに、第2残高の上限額(以下、第2残高上限と称する)の情報を、仮想プリペイドカード識別情報に紐づけて記憶してもよく、本例でもそのようにしている。第2残高上限は、仮想プリペイドカード毎に設定される限度額であり、ユーザ毎に個別に設定されてもよい。この第2残高上限以下の金額で、ユーザは仮想プリペイドカードへチャージすることができる。第2残高上限は、制御部23により設定され、第2残高情報記憶部22に記憶される。
より具体的には、仮想プリペイドカード識別情報a1,a2,a3にそれぞれ設定された第2残高上限の情報をLa1,La2,La3とするときに、第2残高情報記憶部22は、仮想プリペイドカード識別情報a1,a2,a3と第2残高上限の情報La1,La2,La3とを紐付けて記憶する。すなわち、第2残高情報記憶部22は、仮想プリペイドカード識別情報a1と第2残高上限の情報La1とを紐付けて記憶し、仮想プリペイドカード識別情報a2と第2残高上限の情報La2とを紐付けて記憶し、仮想プリペイドカード識別情報a3と第2残高上限の情報La3とを紐付けて記憶する。なお、図5においてはこれらの第2残高上限をいずれも20000円としている。同様に、仮想プリペイドカード識別情報b1,b2,・・・,c1,c2,・・・,d1,d2,・・・のそれぞれに設定された第2残高上限の情報をLb1,Lb2,・・・,Lc1,Lc2,・・・,Ld1,Ld2,・・・とするときに、第2残高情報記憶部22は、図5に示すように、仮想プリペイドカード識別情報b1,b2,・・・,c1,c2,・・・,d1,d2,・・・と第2残高上限の情報Lb1,Lb2,・・・,Lc1,Lc2,・・・,Ld1,Ld2,・・・とを紐付けて記憶する。なお、図5においては仮想プリペイドカード識別情報b1,c1,c2,d1,d2のそれぞれに対応する第2残高上限を、15000円、10000円、10000円、10000円、10000円としている。
この例では、第1残高上限の情報を第1残高情報記憶部21が記憶させている。しかし、第1残高上限の情報は、第1残高情報記憶部21と異なる記憶部(図示無し)に記憶してもよい。第2残高上限の情報についても同様に、第2残高情報記憶部22と異なる記憶部(図示無し)に記憶してもよい。また、第1残高上限の情報と第2残高上限の情報とをひとつの記憶部に記憶してもよい。
第2残高情報記憶部22は、仮想プリペイドカード識別情報とユーザ識別情報とを紐付けて記憶することが好ましく、本例でもそのようにしている。なお、第2残高情報記憶部22に加えてまたは代わりに、第1残高情報記憶部21が仮想プリペイドカード識別情報とユーザ識別情報とを紐付けて記憶してもよい。
ユーザ情報記憶部26は、ユーザ識別情報に紐付けられたユーザの情報を記憶する。具体的には、ユーザ情報記憶部は、ユーザ識別情報Aと、ユーザ識別情報Aが付与されたユーザの情報PA1,PA2,PA3,・・・とを紐付けて記憶し、ユーザ識別情報Bと、ユーザ識別情報Bをもつユーザの情報PB1,PB2,PB3,・・・とを紐付けて記憶する。すなわち、ユーザ識別情報Aは、情報PA1,PA2,PA3,・・・の各々と紐付けられて記憶されており、ユーザ識別情報Bは情報PB1,PB2,PB3,・・・の各々と紐付けられて記憶されている。ユーザ識別情報Cとユーザ識別情報Cが付与されたユーザの情報PC1,PC2,PC3,・・・とについても同様に、ユーザ情報記憶部26は、互いに紐付けて記憶する。
ユーザの情報は、図6に示すように例えば、氏名、性別、年齢、職業などがあり、他には、年収、所有するクレジットカードなどがある。図6においては、これらの各々がユーザ識別情報に紐付いている。ユーザの情報は、第1残高上限と第2残高上限との少なくともいずれか一方を設定するために用いることができ、本例でもそのようにしている。したがって、ユーザの情報となる内容(項目)は、第1残高上限や第2残高上限の設定に有用とされる任意の内容とすることができる。ユーザの情報の内容は、制御部23により設定され、また、ユーザ情報記憶部26への記憶も制御部23により行われる。
決済用カード情報記憶部27は、仮想プリペイドカード識別情報と決済用カードに付与されたカード識別情報(以下、決済用カード識別情報と称する)とを関連付け(紐付け)て記憶する。なお、決済用カードは、ユーザ識別情報と一対一対応となるように発行される。
この例では、図7に示すように、ユーザ識別情報Aに対して発行した決済用カードの決済用カード識別情報Raを、ユーザ識別情報Aに紐付いた3つの仮想プリペイドカード識別情報a1,a2,a3のうち、仮想プリペイドカード識別情報a2に関連付けている。また、図7は、ユーザ識別情報Bに対して発行した決済用カードの決済用カード識別情報Rbを、ユーザ識別情報Bに紐付いた仮想プリペイドカード識別情報b1に関連付け、ユーザ識別情報Cに対して発行した決済用カードの決済用カード識別情報Rcを、ユーザ識別情報Cに紐付いた複数の仮想プリペイドカード識別情報のうち特定の仮想プリペイドカード識別情報c1に関連付け、ユーザ識別情報Dに対して発行した決済用カードの決済用カード識別情報Rdを、ユーザ識別情報Dに紐付いた複数の仮想プリペイドカード識別情報のうち特定の仮想プリペイドカード識別情報d2に関連付けている状態を示している。
このように、決済用カード情報記憶部27は、決済用カード識別情報と、複数の仮想プリペイドカード識別情報のうちから選択されたいずれかの仮想プリペイドカード識別情報とを関連付けて記憶することが好ましい。決済用カード識別情報と仮想プリペイドカード識別情報との紐付け及び記憶は制御部23により行われる。
カード情報データベース28は、さらに、発行可能な仮想プリペイドカードの識別情報を記憶する発行予定情報記憶部(図示無し)を備えていてもよい。
制御部23は、カード情報データベース28の上記の各記憶部21,22,26,27、及び発行予定情報記憶部、アプリケーション記憶部、ユーザ端末11、店舗端末12と接続しており、仮想プリペイドカードに係る処理を行う。仮想プリペイドカードに係る処理とは、例えば、仮想プリペイドカードの発行、発行された仮想プリペイドカードへのチャージ、発行された仮想プリペイドカードの無効化、カード情報データベース28に登録する情報の生成、アプリケーションのデータ送信などの処理である。具体的には以下である。
制御部23は、ユーザ端末11からのアプリケーションのダウンロードの要求に応じて、アプリケーション記憶部からアプリケーションのデータを読み出してユーザ端末11に送信する。制御部23は、第1残高情報記憶部21と第2残高情報記憶部22とユーザ情報記憶部26と決済用カード情報記憶部27と発行予定情報記憶部に記憶する各情報を生成し、生成した各情報をこれら各記憶部21,22,26,27及び発行予定情報記憶部に記憶させる。また、制御部23は、ユーザ端末11から未割当残高に対するチャージ要求を受け付けて、未割当残高へのチャージ処理を実行する。例えば、未割当残高へチャージするチャージ金額の支払いについて銀行などの金融機関の振込みが指定されている場合には、制御部23は、ユーザ端末11からのチャージ要求を受け付けた場合に、金融機関などの外部サーバからの振込み処理に応答して、ユーザ識別情報と未割当残高の振込み後の第1残高とを紐付けて第1残高情報記憶部21へ記憶する。このようにして、未割当残高へのチャージ処理を実行する。
制御部23は、ユーザ端末11から仮想プリペイドカードの発行要求を受け付けて、以下のように仮想プリペイドカードの発行処理を実行する。仮想プリペイドカードの発行処理とは、前述のように、第2残高情報記憶部22へ仮想プリペイドカード識別情報を記憶する処理である。複数種類の中から選択された種類の新規の仮想プリペイドカードの発行要求を受け付けることもあり、その場合には、当該新規の仮想プリペイドカードの識別情報に紐付けられた第2残高を第2残高情報記憶部22に記憶して当該仮想プリペイドカードを発行する。
また、制御部23は、特定の仮想プリペイドカードの識別情報とチャージ金額を指定したチャージ要求を受け付けた場合に、チャージ金額を第1残高から第2残高にチャージする。チャージ要求は、特定の仮想プリペイドカードに対するチャージを要求するものであり、そのため複数の仮想プリペイドカードとそれら各々の第2残高が第2残高情報記憶部22に記憶されている場合には、チャージ要求に係る上記特定の仮想プリペイドカードに紐付けられた第2残高にチャージする。
制御部23は、さらに、第1残高上限と第2残高上限との少なくともいずれか一方を、ユーザ情報記憶部26に記憶されているユーザの情報に基づいて設定する。本例では、カード情報データベース28に、予め設定した第1残高上限のレベルの一覧情報と第2残高上限のレベルの一覧情報とが記憶されているレベル情報記憶部(図示無し)を設けている。
第1残高上限のレベルの一覧情報は、性別や年齢、職業などの前述のユーザの情報の内容(項目)毎にレベル分けし、レベル毎に予め設定した第1残高上限を一覧にした(リスト化した)情報である。第2残高上限のレベルの一覧情報も同様に、前述のユーザの情報の内容(項目)を、その内容毎に第2残高上限をレベル分けし、レベル毎に予め設定した第2残高上限を一覧にした(リスト化した)情報である。制御部23は、ユーザ情報記憶部26に記憶されているユーザの情報、すなわちユーザ本人による情報の入力レベルと、上記レベル情報記憶部に記憶されている一覧情報とに基づき、第1残高上限と第2残高上限とのそれぞれを設定している。ユーザの情報は、仮想プリペイドカードの発行要求や、仮想プリペイドカードへのチャージ要求などとともに制御部23に入力されてもよいし、SMSにおける認証(SMS認証)のための登録や認証要求などとともに制御部23に入力されてもよい。したがって、SMS認証が出来るか否か、及び認証できた場合に得られる情報を、レベル分けの基準にしてレベル一覧情報に加えてもよい。例えばSMS認証ができる場合にはSMS認証ができない場合よりも第1残高上限や第2残高上限を高く設定するなどのレベル分けがある。なお、制御部23は、ユーザの情報が入力される毎に、ユーザ情報記憶部26のユーザの情報を新たに記憶することにより更新している。
また、制御部23は、第1残高と第2残高との少なくともいずれかの上限額を、ユーザ識別情報に紐付けられたユーザの情報に基づいて設定する処理を、別の実施方法でも実現可能である。本実施例に用いられるアプリケーションがユーザ端末11にダウンロード及びインストールされると、ユーザ端末11には、SMS認証が求められる。SMS認証が完了すると、制御部23は、第1残高と第2残高との少なくともいずれかの第1レベルの上限額を設定する。該アプリケーションを用いて、ユーザの名前、性別や年齢、職業などの前述のユーザの情報の内容(項目)を登録可能である。これらのユーザの情報の内容が登録されると、制御部23は、第1残高と第2残高との少なくともいずれか一方の第2レベルの上限額を設定する。ここで、第1レベルの上限額よりも第2レベルの上限額の方が大きい金額となる。また、制御部23は、登録されたユーザの情報の内容が多いほど、第2レベルの上限額を増やす設定を行ってもよい。
制御部23は、さらに、発行してある仮想プリペイドカードを無効化する無効化要求に応じて無効化したり、削除する削除要求に応じて削除する。無効化とは、仮想プリペイドカードへのチャージ及び仮想プリペイドカードによる支払いができない状態に仮想プリペイドカード識別情報に対して設定することを意味する。また、削除とは、仮想プリペイドカードが存在しない状態に、仮想プリペイドカード識別情報を消滅させることを意味し、第2残高情報記憶部22から当該仮想プリペイドカード識別情報を削除する。そして、制御部23は、無効化または削除した仮想プリペイドカードの識別情報に紐付けられた第2残高を、未割当残高に移す逆チャージを行う。
制御部23は、決済用カード識別情報に係る支払要求を、決済用カード識別情報に関連付けて決済用カード情報記憶部27に記憶される仮想プリペイドカード識別情報に紐付けられた第2残高に基づいて処理する。すなわち、決済用カード識別情報による支払要求を受け付けた場合に、当該決済用カード識別情報に関連付けられている仮想プリペイドカード識別情報を、決済用カード情報記憶部27から読み出し、読み出した仮想プリペイドカード識別情報に紐付けられた第2残高から支払要求の金額分を減額して、第2残高情報記憶部22に減額後の第2残高の情報を記憶する。このように、本例では、減額後の第2残高の情報を第2残高情報記憶部22に記憶することをもって、決済用カード識別情報に係る決済要求の処理としている。なお本例では、決済用カード情報記憶部27を設け、これによって、決済用カード識別情報と仮想プリペイドカード識別情報とを関連付けている。しかし、決済用カード情報記憶部27を設けなくてもよい。例えば、第1残高情報記憶部21にユーザ識別情報と決済用カード識別情報とを紐付けて記憶することにより、決済用カード識別情報と仮想プリペイドカード識別情報とを、ユーザ識別情報を介して間接的に関連付けることができる。
発行管理装置10に通信ネットワーク16(図1参照)を介して接続するユーザ端末11は、表示制御部41と、表示部42と、要求部43とを備える。表示制御部41は、表示部42に表示する画像を生成して表示部42に表示させる。例えば、第1残高と第2残高との各情報を表示部42に表示させる。このように、表示部42は、表示制御部41の制御のもと、仮想プリペイドカードに係る情報を表示する。ユーザ端末11としては、NFC(Near Field Communication、近距離無線通信)機能を備える装置が好ましく、本例でも用いている。NFC(Near Field Communication)は、13.56MHzの周波数を利用し、通信距離が10cm程度の近距離無線通信である。ユーザ端末11のNFC機能は、仮想プリペイドカードでの支払いに用いるためのものである。
要求部43は、仮想プリペイドカードに係る上記のような処理の実行を発行管理装置10に要求する。例えば、仮想プリペイドカードへチャージするチャージ要求を、仮想プリペイドカード識別情報とともに発行管理装置10へ送り、チャージ金額を第1残高から第2残高にチャージするチャージ処理を発行管理装置10へ要求する。
この例の店舗端末12は、処理部46と支払表示部47とを備える。処理部46は、仮想プリペイドカードでの支払いを発行管理装置10に要求する。例えば、処理部46は、所定の支払額の支払要求を仮想プリペイドカード識別情報とともに発行管理装置10へ送る。また、処理部46は、発行管理装置10から支払いが完了した支払完了報告を受け取ると、支払完了報告を支払表示部47に表示させる。発行管理装置10から支払い不可の支払不可報告を受け取った場合も同様に、支払不可報告を支払表示部47に表示させる。なお、店舗と発行管理装置10を用いたサービスを運用する側との間との取り決めなどにより実際の支払い(送金など)が、後のタイミング(例えば数時間後や後日など)に設定される場合がある。このような場合には、支払いの手続きの完了を上記支払完了報告として送ってもよい。
処理部46には、入力部48が接続されている。この入力部48は、ユーザ端末11の種類及び機能等に応じて、各種のものを用いることができる。例えば、NFC機能をもつユーザ端末11に内蔵されたIC(integrated circuit)と通信可能なように、NFC機能を備えたいわゆるICチップリーダを入力部48として用いることができ、本例でも用いている。入力部48は、また、例えばバーコード(一次元バーコード及び/または二次元コード)を読み取るスキャナ(リーダ)であってもよい。このスキャナは、表示部42に仮想プリペイドカード識別情報としてのバーコードが表示されている場合に、表示部42のバーコードをスキャニングし(読み取り)、仮想プリペイドカード識別情報を処理部46へ送る。これにより処理部46は、仮想プリペイドカード識別情報を支払要求とともに発行管理装置10へ送る。
発行管理装置10の電気的構成の一例は、図8に示すように、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)を含む制御処理装置51と、RAM(Random Access Memory)を含む主記憶装置52と、HDD(Hard Disc Drive)を含む補助記憶装置53と、マウスやキーボードを含む入力装置54と、ディスプレイやスピーカを含む出力装置55と、ネットワークカード(Network Interface Card)を含む通信制御装置56と、を有する。なお、CPUの代わりにMPU(Micro−Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等の装置を用いてもよい。
主記憶装置52、補助記憶装置53、入力装置54、出力装置55及び通信制御装置56は、バスラインを介して制御処理装置51とそれぞれ接続される。制御処理装置51は、(1)補助記憶装置53に記憶されたプログラムを主記憶装置52上に読み込み、(2)プログラムの指示に従って入力装置54と補助記憶装置53と通信制御装置56との少なくともいずれかからデータを取得し、(3)取得したデータをプログラムに規定される手順で演算・加工した上で、(4)演算済み・加工済みのデータを補助記憶装置53と出力装置55と通信制御装置56との少なくともいずれかに提供する。
前述の制御部23は、制御処理装置51と通信制御装置56とを含んで構成される。第1残高情報記憶部21と第2残高情報記憶部22とユーザ情報記憶部26と決済用カード情報記憶部27とはそれぞれ、補助記憶装置53と主記憶装置52とを含んで構成されている。
ユーザ端末11と店舗端末12との電気的構成の一例は、図9に示すように、制御処理部を構成するDSP61と、主記憶部を構成するRAM62と、補助記憶部を構成するROM63及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)64と、入力部及び表示部を構成するタッチパネルディスプレイ67と、音声出力部を構成するスピーカ68と、通信制御部を構成するNIC(Network Interface Controller)71及び無線LAN(Local Area Network)チップ72と、を少なくとも有する。なお、DSPの代わりにMPU(Micro−Processing Unit)等の装置を用いてもよい。
RAM62、ROM63、EEPROM64、タッチパネルディスプレイ67、スピーカ68、NIC71、無線LANチップ72は、バスラインを介してDSP61とそれぞれ接続される。DSP61は、(1)ROM63又はEEPROM64に記憶されたプログラム(情報処理プログラム)をRAM62上に読み込み、(2)プログラム(情報処理プログラム)の指示に従ってタッチパネルディスプレイ67とEEPROM64とNIC71と無線LANチップ72との少なくともいずれかからデータを取得し、(3)取得したデータをプログラム(情報処理プログラム)に規定される手順で演算・加工した上で、(4)演算済み・加工済みのデータをEEPROM64とタッチパネルディスプレイ67とスピーカ68とNIC71と無線LANチップ72との少なくともいずれかに提供する。
ユーザ端末11(図3参照)の表示制御部41は、DSP61と無線LANチップ72とを含んで構成される。表示部42は、タッチパネルディスプレイ67を含んで構成される。要求部43は、NIC71または無線LANチップ72と、DSP61と、タッチパネルディスプレイ67とを含んで構成される。なお、NFC機能を備えたユーザ端末11の場合には、店舗端末12とNFCにより送受信を行う通信部がICチップを有する構成で備えられている。このようなユーザ端末11は、図9において図示を略してあるが、通信部の電気的構成としてNFCチップ及びアンテナを備える。
店舗端末12(図3参照)の処理部46は、NIC71または無線LANチップ72と、DSP61とを含んで構成される。支払表示部47は、タッチパネルディスプレイ67を含んで構成される。なお、NFC機能を備えた店舗端末12の場合には、図9において図示を略してあるが、電気的構成として、ユーザ端末11のNFCチップと送受信可能に信号処理するNFCチップリーダ及びアンテナを備える。
上記構成の作用を説明する。発行管理装置10の制御部23は、前述の情報処理プログラムを備えるアプリケーションのダウンロードをユーザ端末11から要求されると、アプリケーション記憶部からアプリケーションのデータを読み出して、ユーザ端末11に送信する。ユーザ端末11にはアプリケーションのデータがダウンロード及びインストールされ、利用登録が行われる。利用登録においては、発行管理装置10の制御部23からユーザ端末11にSMS認証が要求され、表示部42に表示される。発行管理装置10の制御部23はSMS認証のための宛先情報(ここでは、利用登録をしようとするユーザが指定する電話番号)をユーザ端末11の要求部43から受け取ると、当該電話番号宛に認証情報(例えば、認証番号、その他の認証コード)を含むSMSを送信する。その後、発行管理装置10は、ユーザ端末11からの情報の入力を待機し、当該認証情報がユーザ端末11から入力されたことを以て認証を完了する。発行管理装置10は、認証された場合には仮想プリペイドカードの発行及び管理に係るサービス提供の要求をユーザ端末11から受け付けるが、認証されなかった場合には当該要求を受け付けない。
アプリケーションを起動して情報処理プログラムを実行することにより、仮想プリペイドカードに係る手続きを申し込むための初期画像である第1画像G11が、表示制御部41により生成されて、表示部42に表示される。例えば、図10に示すように、新規の仮想プリペイドカードの発行要求をする手続きと、発行済の仮想プリペイドカードに関する手続きと、発行済の仮想プリペイドカードでの支払いの手続きを選択できるような第1画像G11がユーザ端末11の表示部42に表示される。この例では、上記のそれぞれの手続きに順次対応して「新規プリペイドカードの発行を申し込む」と「発行済のプリペイドカードに関する手続きをする」と「プリペイドカードで支払う」との各文字列の表示部分に触れることによりいずれかひとつがアプリケーション上で指定される。なお、文字列の表示部分に触れることによる選択の代わりに、例えば、各文字列の横に、択一的に選択して指定する選択ボタンを表示して、この選択ボタンを触れることによりいずれかひとつをアプリケーション上で指定してもよい。以降の説明における選択手法についても同様である。
新規の仮想プリペイドカードの発行要求の手続きを指定した場合には、既に未割当残高が有るか否かを択一的に選択するように表示され、いずれか一方の表示部分を触れることにより選ぶ。なお、以降の説明において表示部42に表示される画像は表示制御部41により生成され、表示制御部41により表示部42に表示される。
仮想プリペイドカードの発行要求を選択すると、ユーザの情報を入力して登録するための第2画像G12が表示部42に表示される。例えば、本例では、図11に示すように、氏名、性別、年齢及び生年月日、職業、メールアドレスなどを入力する入力欄が、第2画像G12内に設けられている。入力は、文字入力であってもよいし、図11の性別欄及び職業欄の「▽」のようないわゆるプルダウン方式に示された選択肢の中のひとつに触れることにより選択する選択入力であってもよい。プルダウン方式の場合には、表示された選択肢の中に、その項目(内容)について入力しないことを意味する例えば「未選択」が含まれることが好ましく、本例でもそのようにしている。例えば図11は、性別が未選択とされることにより未入力となっている状態の第2画像G12を示している。入力が終わったら、例えば図11の右下に示す登録ボタン81により、要求部43は、発行管理装置10の制御部23に、ユーザの情報をユーザ識別情報とともに送る。なお、ユーザの情報の入力は、仮想プリペイドカードの発行要求を選択した後でなくてもよい。例えば、アプリケーションのインストール後のSNS認証の際に、第2画像G12のような画像を表示部42に表示してユーザの情報の入力が行われてもよい。
制御部23は、ユーザ識別情報とユーザの情報とが送られてくると、ユーザ情報記憶部26を読み込み、当該ユーザ識別情報とこのユーザ識別情報に紐付けられたユーザの情報とが記憶されていない場合には、ユーザ識別情報とユーザの情報とを紐付けてユーザ情報記憶部26に記憶する。ユーザの情報が記憶されていないユーザ識別情報が記憶されていた場合も同様に、制御部23はユーザ識別情報とユーザの情報とを紐付けてユーザ情報記憶部26に記憶する。ユーザ識別情報及びユーザの情報が記憶されていた場合には、送られてきたユーザ識別情報とユーザの情報とに更新する。なお、未割当残高へのチャージをクレジットカードで行う場合のために、例えば第2画像G12や第1画像G11などにおいて、クレジットカードの番号を入力する入力欄を表示させ、この入力欄に入力された内容をユーザ情報記憶部26に記憶させてもよい。
ユーザ情報記憶部26にユーザの情報が記憶されていない場合の第2画像G12は全欄が空欄として表示されるが、ユーザ情報記憶部26にユーザの情報が記憶されている場合の第2画像G12は、既に登録済の入力項目の欄は入力済みの状態として表示される。このように、ユーザ情報記憶部26にユーザの情報が記憶されている場合には、第2画像G12の全欄のうち少なくともいずれかひとつが入力された状態で表示されることにより、ユーザにとって仮想プリペイドカードの管理の利便性が向上し、好ましい。
次に、未割当残高へのチャージ(新規のチャージを含む)を要求するための第3画像G13が、表示部42へ表示される。例えば図12に示す第3画像G13の一例では、現在の未割当残高と、チャージするチャージ金額(図12における「今回のチャージ」)と、チャージ後の残高の各欄が表示されている。この例では、チャージするチャージ金額の欄に入力することにより、表示制御部41は現在の未割当残高の第1残高に加算して、チャージ後の残高を当該欄に表示している。その後、第3画像G13内に設けられた確定ボタン83の選択に応答して、要求部43は、制御部23へ未割当残高のチャージ要求をユーザ識別情報とともに送る。
制御部23は要求部43から未割当残高に対するチャージ要求を受け付けた場合に、例えば、チャージ金額の支払いについて銀行などの金融機関の振込みが指定されている場合には、金融機関などの外部サーバからの振込み処理に応答して、第1残高情報記憶部21から当該未割当残高の第1残高を読み出す。そして、読み出した第1残高にチャージされたチャージ額を加算し、加算後の第1残高を、加算前の第1残高が紐付いていたユーザ識別情報に紐付けて第1残高情報記憶部21へ記憶する。このようにして、未割当残高へのチャージ処理が実行される。
なお、第1残高が十分な金額になっている場合など、未割当残高のチャージが不要とされる場合もある。そのような場合のために、例えば図12に示すように第3画像G13においてチャージをしないことを指定する指定ボタン(例えばこの例では「スキップする」のボタン)85を設けてもよい。これにより、要求部43及び制御部23による第1残高情報記憶部21への上記記憶処理が省かれる。
図13に示す第4画像G14は、仮想プリペイドカードの発行、発行された仮想プリペイカードへのチャージや発行された仮想プリペイドカードの無効化などの変更、発行された仮想プリペイドカードの削除を要求するための画像の一例である。これらの要求は、択一的に選択するように表示されており、図13の第4画像G14は、発行が選択された状態となっている。
発行が選択されると、要求部43は、制御部23に、仮想プリペイドカードの発行要求をユーザ識別情報とともに送る。制御部23は、ユーザ識別情報と仮想プリペイドカードの発行要求とが送られてきて、発行要求を受け付けた場合に、発行予定情報記憶部から発行可能な仮想プリペイドカードの識別情報を読み出し、ユーザ端末11の表示制御部41へ出力する。読み出した仮想プリペイドカード識別情報が複数種類ある場合には、これら複数種類の各仮想プリペイドカード識別情報を表示制御部41へ出力する。
表示制御部41は、入力された仮想プリペイドカード識別情報が付与されている仮想プリペイドカードの例えば一覧を生成し、表示部42の例えば第4画像G14内に表示する。この際、表示制御部41は、複数種類の仮想プリペイドカードがある場合にこれらの中から選択可能に一覧を表示することが、ユーザにとっての仮想プリペイドカードの管理の利便性を向上するから好ましい。例えば図13は、「XXカード」、「YYカード」、「ZZカード」の3種類の仮想プリペイドカードが発行できるカードの候補として表示されている状態を示している。
複数種類のうち、いずれか一種類の仮想プリペイドカードが選択され、チャージ金額の指定がなされると、選択された仮想プリペイドカード識別情報とチャージ金額とを指定したチャージ要求が、要求部43から制御部23へ送られる。例えば図13には、3種類の仮想プリペイドカードからYYカードが、その表示部分を触れられることにより選択され、チャージ金額が5000円として入力された状態を示してあり、確定ボタン83により、制御部23へチャージ要求が送られる。
ユーザ端末11から、例えば複数種類の中から選択された種類の新規の仮想プリペイドカードの発行要求を受け付けた場合に、制御部23は、送られてきたユーザ識別情報に紐付けられた第1残高の情報を第1残高情報記憶部21から読み出す。そして制御部23は、この第1残高から指定されたチャージ金額を減算して新たな第1残高として第1残高情報記憶部21に記憶する。この記憶とともに、制御部23はまた、送られてきた仮想プリペイドカード識別情報と第2残高の情報とを紐付けて第2残高情報記憶部22に記憶し、発行予定情報記憶部から当該仮想プリペイドカードの識別情報を削除する。このようにして、第1残高から第2残高へチャージされる。
例えば、図5におけるユーザ識別情報Aと上記の3種類の仮想プリペイドカードのうちのYYカードの発行要求が、5000円のチャージ金額の指定で制御部23に送られ、その発行要求が4枚目の仮想プリペイドカードの発行要求である場合には、制御部23は、図4に示すユーザ識別情報Aに紐付けられた第1残高50000円を、チャージ金額5000円分だけ減算する。そして、その演算結果である45000円を新たな第1残高として、その情報をユーザ識別情報Aに紐付けて第1残高情報記憶部21に記憶する。そして、仮想プリペイドカード識別情報a4と5000円の第2残高情報とが紐付けられて、第2残高情報記憶部22に記憶される情報(図5参照)に新たに加えられる。
既に発行済の仮想プリペイドカードにチャージする場合には、チャージ要求する画像が表示部42に表示される。前述の第4画像G14がこの表示画像の一例であり、図14にはチャージ要求をする場合の「チャージ等の変更」が選択された状態の画像を第5画像G15として示している。「チャージ等の変更」が選択されると、要求部43は制御部23に対して、チャージ可能な仮想プリペイドカードを特定させる特定要求を、ユーザ識別情報とともに送る。制御部23は、この特定要求を受け付けた場合に、送られてきたユーザ識別情報に紐付けられた仮想プリペイドカード識別情報を第2残高情報記憶部22から読み出して、表示制御部41へ出力する。第2残高情報記憶部22に代えて第1残高情報記憶部21がユーザ識別情報と仮想プリペイドカード識別情報とを紐付けた状態で記憶している場合には、制御部23は、送られてきたユーザ識別情報に紐付けられた仮想プリペイドカード識別情報を第1残高情報記憶部21から読み出して、表示制御部41へ出力する。
これにより表示部42に、チャージ可能な仮想プリペイドカードが一覧表示されるとともに、チャージ金額を指定するための入力欄とが表示される。この例では、一覧表示された仮想プリペイドカードのひとつの表示部分に触れることで、択一的にひとつを選択できるようにしてある。図14には一例として、チャージできる仮想プリペイドカードとして「XXカード」と「YYカード」とが一覧表示されており、変更内容のひとつとしてチャージが選択され、チャージ金額の入力欄が表示されている第5画像G15を示している。なお、この例では、各仮想プリペイドカードについて第2残高を表示するよう構成されており、図14の第5画像G15ではXXカードの第2残高が0円、YYカードの第2残高が500円として、それぞれ表示されている。これによりユーザはチャージの要求をするか否かの判断や、チャージする場合のチャージ金額の設定がよりしやすく、ユーザにとっての仮想プリペイドカードの管理の利便性がより向上している。
仮想プリペイドカードの選択とチャージ金額の入力とが表示部42において入力されると、要求部43は、指定された仮想プリペイドカードの仮想プリペイドカード識別情報と、これに紐付けられたユーザ識別情報と、第2残高の情報とを第2残高情報記憶部22から読み出す。そして、読み出したユーザ識別情報に紐付けられた第1残高の情報を第1残高情報記憶部21から読み出し、指定されたチャージ金額をこの第1残高から減算して新たな第1残高とし、第1残高情報記憶部21にユーザ識別情報と紐付けて記憶する。この記憶とともに、制御部23はまた、読み出した第2残高の情報に、指定されたチャージ金額を加算して新たな第2残高とし、この第2残高の情報と仮想プリペイドカード識別情報とを紐付けて第2残高情報記憶部22に記憶する。これにより、第1残高から第2残高へ、指定されたチャージ金額がチャージされる。
例えば図14の第5画像G15には、YYカードへのチャージ金額が5000円と入力され、この入力に応答して、表示制御部41はYYカードの現在の第2残高である500円にチャージ金額を加算して、チャージ後の残高である5500円を当該欄に表示している。その後、第5画像G15内に設けられた確定ボタン83の選択に応答して、要求部43は、制御部23へ、第1残高から第2残高へのチャージ要求をユーザ識別情報とともに送る。制御部23がこのチャージ要求を受け付けた場合に、上記のように第1残高から第2残高へチャージがなされる。
既に発行済の仮想プリペイドカードを無効化する場合には、無効化要求する画像が表示部42に表示される。この例では図14に示すように、無効化要求できる仮想プリペイドカードの一覧表示、及び一覧表示された仮想プリペイドカードから択一的に選択できるように表示するまでは、既に発行済の仮想プリペイドカードにチャージする場合と同様である。本例では、変更内容のひとつとして無効化が指定できる表示がなされており、この選択と、確定ボタン83とによって、指定した仮想プリペイドカードの無効化要求が、指定した仮想プリペイドカードの仮想プリペイドカード識別情報とともに、要求部43から制御部23へ送られる。制御部23は無効化要求を受け付けて、無効化要求された仮想プリペイドカードを無効化する。この例では、第2残高情報記憶部22に記憶されている、無効化要求された仮想プリペイドカードの仮想プリペイドカード識別情報に、無効化の識別情報を紐付けて記憶することにより、当該仮想プリペイドカードが支払の際に選択できないようにしている。また、図14に示すように、無効化されている仮想プリペイドカードを有効化するように構成してもよい。
制御部23は、仮想プリペイドカードを無効化するとともに、無効化された仮想プリペイドカードの仮想プリペイドカード識別情報とこれに紐付けられている第2残高の情報及びユーザ識別情報を第2残高情報記憶部22から読み出して、第2残高を0(ゼロ)にしてこの第2残高の情報を新たな第2残高の情報として第2残高情報記憶部22に記憶する。この第2残高情報の記憶とともに、制御部23は、読み出したユーザ識別情報に紐付けられた第1残高の情報を、第1残高情報記憶部21から読み出し、無効化した際の第2残高分の金額を第1残高に加算し、加算後の第1残高の情報を新たな第1残高の情報として第1残高情報記憶部21に記憶する。こうして、無効化した仮想プリペイドカードの第2残高が第1残高に移される逆チャージがなされる。
無効化された仮想プリペイドカードは、第5画像G15においてチャージ可能な仮想プリペイドカードの一覧表示の中には表示されないが、一覧表示されても選択することができないようにしてもよい。
既に発行済の仮想プリペイドカードを削除する場合には、無効化する場合と同様に、削除要求する画像が表示部42に表示される。図15には、削除要求する仮想プリペイドカードとしてYYカードが選択された状態の第6画像G16を示している。削除を要求する選択がなされた場合において、削除要求できる仮想プリペイドカードの一覧表示、及び一覧表示された仮想プリペイドカードからの択一的選択の表示までは、既に発行済の仮想プリペイドカードにチャージする場合と同様である。本例では、削除を指定する仮想プリペイドカードがその表示部分を触れられることにより選択され、確定ボタン83によって、指定した仮想プリペイドカードの削除要求が、指定した仮想プリペイドカードの仮想プリペイドカード識別情報とともに、要求部43から制御部23へ送られる。制御部23は削除要求を受け付けて、削除要求された仮想プリペイドカードを削除する。
この例では、第2残高情報記憶部22から、削除要求された仮想プリペイドカードの仮想プリペイドカード識別情報とこの仮想プリペイドカードに紐付けられている第2残高の情報を削除し、当該仮想プリペイドカードを消滅させている。ただし、削除の手法は、第2残高情報記憶部22からの当該プリペイドカード識別情報とこれに紐付けられている第2残高の情報との削除に限られず、当該仮想プリペイドカードが再び使用可能になることが防がれる状態に設定される手法であればよい。例えば、削除の識別情報を当該プリペイドカード識別情報に紐付けて第2残高情報記憶部22に記憶するなどの手法でもよい。
制御部23は、第2残高情報記憶部22からの仮想プリペイドカード識別情報などの情報を削除するとともに、無効化の場合と同様に、削除した仮想プリペイドカード識別情報に紐付けられていた第2残高を第1残高に移して逆チャージがなされる。
無効化または削除された仮想プリペイドカードの第2残高が第1残高に移されるから、第1残高が増額し、新たな仮想プリペイドカードの発行や、既に発行済の仮想プリペイドカードへのチャージに供する金額が、より多く確保される。したがって、ユーザにとっての仮想プリペイドカードの管理の利便性が向上する。
また、ユーザ情報記憶部26に記憶されているユーザの情報に基づき、制御部23は、そのユーザの情報に紐付けられているユーザ識別情報に対して、第1残高の上限を設定して、第1残高情報記憶部21に記憶する。より具体的には、制御部23は、まず、レベル情報記憶部(図示無し)から第1残高上限のレベルの一覧情報を読み出す。そして、ユーザ情報記憶部26から、第1残高上限を設定する対象であるユーザ識別情報に紐付けられたユーザの情報を読み出し、第1残高上限のレベルの一覧情報と対照させることにより第1残高上限を設定する。例えば、読み出したユーザの情報の各々を、第1残高上限のレベルの一覧情報中の該当するレベルに対応させ、対応したレベルのうち最も低いレベルを特定し、特定したレベルを第1残高上限として設定する。
制御部23は、同様の手法により、ユーザ情報記憶部26に記憶されているユーザの情報に基づき、第2残高上限を設定して、第2残高情報記憶部22に記憶する。ただし、第1残高上限及び第2残高上限の設定手法はこれに限られない。例えば、上記の「最も低いレベル」を「最も高いレベル」に代えてもよい。また、この例では、第1残高と第2残高との両方に上限を設定しているが、少なくとも一方のみに上限を設定する態様でもよい。
制御部23は、ユーザの情報が入力される毎に、ユーザ情報記憶部26のユーザの情報を更新している。そして、制御部23は、ユーザの情報を更新すると、更新したユーザの情報とレベル情報記憶部に記憶されている一覧情報とに基づき、第1残高上限と第2残高上限との少なくとも一方を再設定する。例えば、ユーザの情報が追加される毎に、第1残高上限と第2残高上限との少なくともいずれか一方を段階的に上昇させて設定するなどである。これにより、ユーザの状況の変化に応じて、より好適に未割当残高へのチャージや、仮想プリペイドカードの発行、変更などが行われる。また、記憶されているユーザの情報が少ない場合には、多い場合に比べて、第1残高上限や第2残高上限を低めに設定しておくことで、ユーザにより多くの情報の入力を促すことができる。これにより、発行管理装置10を用いたサービスを運用する側には、ユーザに関してより多くの情報を得ることができるという利点がある。一方、ユーザには、設定される第1残高上限や第2残高上限の自由度が広がる。
仮想プリペイドカードによって支払いを行う場合には、表示部42に支払いのための画像を表示し、支払いの実行を指定する。本例では、表示された第1画像G11(図10参照)の「プリペイドカードで支払う」を選択することにより、支払いの実行を指定している。
支払いの実行を指定すると、要求部43は、制御部23に、使用可能な仮想プリペイドカードを特定させる特定要求を、ユーザ識別情報とともに送る。制御部23は、この特定要求を受け付けた場合に、送られてきたユーザ識別情報に紐付けられた仮想プリペイドカード識別情報を第2残高情報記憶部22から読み出して、表示制御部41へ出力する。これにより表示部42に、支払いに使用可能な仮想プリペイドカードが例えば図16に示すように一覧表示される。本例では、各仮想プリペイドカードの第2残高も併せて表示させている。図16に示す第7画像G17は、第2残高が500円であるYYカードを、支払いに用いる仮想プリペイドカードとして選択した状態を示しており、YYカードの表示部分に触れることにより、YYカードが支払に用いるカードとして指定されている。
例えばYYカードが指定されると、表示部42には、例えばYYカードの仮想プリペイドカードが表示される。図17は、NFC機能を備えるユーザ端末11の表示部42に表示された例として、YYカードが表示された第8画像G18を示している。この場合には、店舗端末12に接続された入力部48としてNFC機能を備えるものが用いられ、この入力部48にユーザ端末11が近接されることで、入力部48へ、YYカードが仮想プリペイドカードとして入力され、店舗端末12の処理部46へ送信される。処理部46は、支払いを要求する金額情報が入力されると、制御部23へ、支払要求を仮想プリペイドカード識別情報とともに送る。
また、図18は、ユーザ端末11の表示部42にYYカードの仮想プリペイドカード識別情報を表示する第9画像G19を示している。このように、表示部42には、仮想プリペイドカードを表示する第8画像G18の代わりに、仮想プリペイドカード識別情報を表示する第9画像G19が表示されてもよい。この例では、仮想プリペイドカード識別情報が番号と二次元コードとの両方で表示され、図18は、これらの仮想プリペイドカード識別情報がともに表示された状態の第8画像G18を示している。図18において、「XXXXXXXXXX」は番号を意味しており、二点鎖線は二次元コードが設けられている領域RBを示している。この場合の入力部48には、前述のスキャナが用いられ、この入力部48に図18の二点鎖線で示す領域RB内の二次元コードを読み取らせることにより仮想プリペイドカード識別情報が入力される。店舗端末12に接続された入力部48に、仮想プリペイドカード識別情報が入力され、処理部46に支払いを要求する金額情報が入力されると、処理部46は、制御部23へ、支払要求を仮想プリペイドカード識別情報とともに送る。
制御部23は、送られてきた仮想プリペイドカード識別情報とこの仮想プリペイドカードに紐づけられている第2残高の情報とを読み出す。制御部23は、支払を要求された金額と第2残高とを対比し、第2残高の方が高い場合には、当該第2残高から支払を要求された金額を減算して、減算後の第2残高を新たな第2残高とし、この第2残高の情報を仮想プリペイドカードに紐付けて第2残高情報記憶部22に記憶する。この記憶とともに、店舗側へ支払う金額分の送金処理の実行を、送金用サーバ(図示無し)に送る。制御部23は、送金用サーバに送金処理の実行を送るととともに、処理部46に対して支払完了報告を送る。支払完了報告は、支払表示部47に表示される。なお送金用サーバは本例では発行管理装置10に設けてあるが、外部サーバとしてしてもよい。このようにして、ユーザ端末11及び店舗端末12がNFC機能を用いて処理を行い支払完了となる場合には、NFCの規格を用いたいわゆるNFC決済となる。また、ユーザ端末11及び店舗端末12が二次元コードの一例であるQRコード(登録商標)を用いて処理を行い支払完了となる場合には、いわゆるQRコード決済となる。
一方、制御部23は、支払を要求された金額と第2残高とを対比し、第2残高の方が低い場合には、支払不可との支払不可報告を処理部46へ送る。支払不可報告も支払完了報告と同様に支払表示部47に表示される。このような場合には、例えば当該仮想プリペイドカードに対するチャージを第1残高から行って支払を要求された金額よりも高い金額に増額することにより、当該仮想プリペイドカードでの支払いを行うことができる。また、支払いを要求された金額よりも高い金額の第2残高となっている別の仮想プリペイドカードに変えて支払ってもよい。
この例によれば、未割当残高及び第1残高の情報を外部に出すことなく、特定の仮想プリペイドカードの情報のみを外部に出すだけで支払いができるから、セキュリティ面(防犯上)の利点が大きい。また、未割当残高にチャージをしておき、第1残高から仮想プリペイドカードへのチャージを未割当残高から繰り返し行うことができるから、長期に渡る使用もでき、ユーザにとっての仮想プリペイドカードの管理の利便性に優れる。なお、制御部23は、仮想プリペイドカードへのチャージ後や仮想プリペイドカードでの支払い後の新たな第2残高の情報を第2残高情報記憶部22に記憶する際に、それまでの第2残高の履歴、さらにはより具体的なチャージの情報(日時や金額など)、支払の情報(用途や日時など)などを過去の履歴情報として生成して、第2残高情報記憶部22に記憶してもよい。
また仮想プリペイドカードによる支払いを決済用カードを用いて行うことができる。この場合には、図19に示すように、まず、ユーザ端末11により、アプリケーション上で、支払いに用いる仮想プリペイドカードを選択して指定する。この指定を発行管理装置10が受け付けると、指定された仮想プリペイドカードと決済用カード91とが制御部23により関連付けられる。図19には、上下方向に並んで描いた3つの仮想プリペイドカードのうち中央のひとつが関連付けられたものとして描いている。この関連付けにより、決済用カードを店舗端末12での支払いに用いることができるようになる。すなわち、発行管理装置10が提供するサービスに加盟する図19に示す加盟店において、加盟店に備えられた店舗端末12に決済用カードを供すると、店舗端末12からの要求に応じて発行管理装置10が支払いの処理を実行する。なお、店舗端末12と発行管理装置10とは、直接接続していなくてもよい。例えば、イシュアのサーバを前述の外部サーバとして用い、この外部サーバを介して店舗端末12と発行管理装置10とを間接的に接続させてもよい。例としては、図19に示すように、店舗端末12からの例えば与信可否の問合せ及び承認の要求(いわゆるオーソリ(オーソリゼーション))を、イシュアのサーバを介して発行管理装置10に送り、発行管理装置10からの承認(オーソリ承認)をイシュアのサーバを介して店舗端末12に送る態様がある。なお、この場合に、加盟店の管理を行ういわゆるアクワイアラなどのサーバを前述の外部サーバとしてさらに用い、アクワイアラのサーバを介して店舗端末12とイシュアのサーバを接続してもよい。
決済用カードを用いる場合の作用は、以下である。図20に示すように、第7画像G17(図16参照)と同様に、アプリケーション上で支払う仮想プリペイドカードを選択できる第10画像G20を表示部42に表示し、仮想プリペイドカードを選択するようになっている。この第10画像G20は、第7画像G17と同様の表示画像であるが、決済用カードの使用を選択する状態が示されている点で第7画像G17と異なる。そして、確定ボタン83により、特定の仮想プリペイドカード(この例ではYYカード)を支払に用いることが指定され、かつ、決済用カードを用いることが指定される。この指定に応じて、要求部43は、決済用カード91で手続きしてYYカードの仮想カード識別情報で支払う第1支払要求を、制御部23へ送る。制御部23は、この第1支払要求を受け付けると、指定された仮想プリペイドカードの仮想プリペイドカード識別情報と決済用カードとを関連付けて決済用カード情報記憶部27に記憶する。第1支払要求には、支払いを要求する金額情報は含まれていない。そのため、この第1支払要求が制御部23へ送られただけでは制御部23は上記のような支払いの処理は行わない。
そして、店舗端末12の処理部46は、支払いを要求する金額情報を含んだ第2支払要求を決済用カード識別情報とともに発行管理装置10の制御部23へ送る。図21に示すように、この例の決済用カード91は、決済用カード識別情報が磁気記録部92に記憶されている。磁気記録部92は、決済用カード91の一方のカード面にライン状に設けられており、処理部46に設けられた磁気記録読取部(図示無し)によって決済用カード識別情報が読み出され、制御部23へ送られる。制御部23は、第1支払要求と第2支払要求との両方を受け付けた場合に、上記と同様に仮想プリペイドカードによる支払いの処理を行う。なお、決済用カード識別情報は、磁気記録部92に記憶されている態様に限定されず、例えばIC(Integrated Circuit)チップなどに記憶されていてもよい。
このように、本例では、仮想プリペイドカードだけではなく、有体物である決済用カード91でも支払手続を行うことができる。このため、仮想プリペイドカード識別情報を読み取る入力部48がない店舗端末12であっても、従前の例えば磁気記録読取部がある処理部46があれば支払要求を制御部23へ送ることができる。また、決済用カード91で支払手続を行う場合でも支払いは仮想プリペイドカードで行われるから、前述のような仮想プリペイドカードでの支払いと同じ効果がある。