JP2020176394A - ドアロック装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストでドアのガタつきを防止することのできるドアロック装置を提供する。【解決手段】ドアロック装置は、ストライカ溝から進入するストライカによって押圧されて回転し、ストライカをハーフラッチ位置で一時的に係合し、さらにモータによって回転することによりフルラッチ位置でストライカを係合するラッチ60と、ラッチ60がハーフラッチ位置から回転してフルラッチ位置に達する前にラッチ60のラッチピン60dに当接して回転方向と逆側に向かって付勢する金属製のトーションスプリング76とを備える。ラッチ60は、フルラッチ位置に向かって回転するときにトーションスプリング76の受動端76cに対して摺動しながら当接する。トーションスプリング76は、係止端76bがハウジングに係止され受動端76cがラッチピン60dに当接する。【選択図】図9

Description

本発明は、車両のドアロック装置に関する。
車両のドアにはドアロック装置が設けられており、該ドアロック装置のラッチが車用本体側のストライカを係合・保持することによってドアが閉状態に維持される。また、バックドアに設けられるドアロック装置では、ラッチがストライカによって押圧されて回転し、該ストライカをハーフラッチ位置で一時的に係合し、さらにモータの駆動力によって回転することによりフルラッチ位置でストライカを係合するタイプのものがある。このようなタイプはクローザー式とも呼ばれる。
バックドアは水平軸を基準として開閉する機構になっており、しかも重量が大きい。したがって、バックドアはドアロック装置によって閉状態に維持されていても走行時の振動によりガタつきが発生する懸念がある。そのため、バックドアの気密性を保つウェザーストリップに対して種々の工夫を施してこのようなガタつきを防止することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭60−229841号公報
ところでウェザーストリップは比較的長い部品であり、その全長に対してドアのガタつき防止のための対策を行うことはコスト高となる。そこで、ドアのガタつき防止の対策をウェザーストリップではなくてドアロック装置で行うことが考えられる。例えば、ドアロック装置のラッチをゴムなどの樹脂弾性体で弾性付勢することにより、係合しているストライカを一方に押し付けておけばドアのガタつきを防止できる。しかしながら、重量の大きいバックドアのガタつきを防止するためにはある程度強い付勢力が必要であり、そのため樹脂弾性体も適度に硬いものが適用される。一般的な樹脂弾性体は低温時に硬化する傾向がある。
一方、バックドアにはクローザー式のドアロック装置が適用されることがあり、ハーフラッチ位置からフルラッチ位置までラッチをモータで駆動するが、低温時に樹脂弾性体が過度に硬くなっていると弾性力に抗してラッチを回転させるためにはモータには大きい駆動力が必要とされ、モータを大型化する必要があり、コスト高となってしまう。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、低コストでドアのガタつきを防止することのできるドアロック装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるドアロック装置は、ストライカ溝から進入するストライカによって押圧されて回転し、該ストライカをハーフラッチ位置で一時的に係合し、さらにモータの駆動力によって回転することによりフルラッチ位置で前記ストライカを係合するラッチと、前記ラッチが前記ハーフラッチ位置から回転してフルラッチ位置に達するときまたは達する前に前記ラッチの一部に当接して弾性変形し、前記ラッチを回転方向と逆側に向かって付勢する金属弾性体と、を備えることを特徴とする。
前記金属弾性体はトーションスプリングであり、一方の係止端が係止部に係止され他方の受動端が前記ラッチの一部に当接することにより前記ラッチを付勢してもよい。
前記ラッチと前記受動端とは当接した後に摺動しながら変位してもよい。
前記トーションスプリングのコイル部と前記受動端との間には屈曲部が形成されていてもよい。
前記ラッチに当接する以前に前記金属弾性体を弾性変形した状態に保持するストッパを有し、前記金属弾性体は前記ラッチの押圧によってさらに弾性変形してもよい。
前記ラッチは前記フルラッチ位置を超えたオーバーストロークの領域まで回転可能であり、前記ラッチが受ける弾性力は、前記オーバーストロークの領域において、前記ラッチの回転にしたがって次第に増加度合が緩やかになってもよい。
前記ラッチおよび前記金属弾性体における互いの当接面の少なくとも一方に緩衝材が設けられていてもよい。
前記のドアロック装置は、水平軸を基準として開閉する車両のバックドアに設けられていてもよい。
本発明にかかるドアロック装置では、ラッチがハーフラッチ位置から回転してフルラッチ位置に達するときまたは達する前にラッチの一部に当接して回転方向と逆側に向かって付勢する金属弾性体を備えており、低温時でも硬化することがなく、ラッチを回転させるモータに掛かる負荷が抑制され、モータを高出力化・大型化させる必要がなく、低コストでドアのガタつきを防止することができる。
図1は、実施の形態にかかるドアロック装置を斜め前方から見た斜視図である。 図2は、実施の形態にかかるドアロック装置を斜め後方から見た斜視図である。 図3は、実施の形態にかかるドアロック装置の分解斜視図である。 図4は、モータユニットの内部を斜め前方から見た斜視図である。 図5は、モータユニットの内部を斜め後方から見た斜視図である。 図6は、レバーアセンブリの斜視図である。 図7は、ラッチユニットの内部の斜視図である。 図8は、ラッチユニットにおける上ケースを内側から見た斜視図である。 図9は、ラッチユニットの内部、レバーアセンブリおよびオープンレバーの斜視図である。 図10は、ラッチがフルラッチ位置になる直前の位置で、ラッチピンがトーションスプリングの受動端に接したときのラッチユニットの断面図である。 図11は、ラッチがフルラッチ位置になったときのラッチユニットの断面図である。 図12は、ラッチがオーバーストローク位置になったときのラッチユニットの断面図である。 図13は、常温時におけるラッチに反発力を付与する5つの手段についてラッチストローク位置との関係を示したグラフである。 図14は、ラッチに反発力を付与する2つの手段について反発力に対する温度変化の影響を示すグラフである。 図15は、ストライカ、ラッチ、ラチェットおよびトーションスプリングの動作を説明する図であり、(a)はフルラッチ手前の説明図であり、(b)はフルラッチ位置の説明図であり、(c)はオーバーストローク位置の説明図である。 図16は、緩衝材を設けたラッチピンおよびトーションスプリングの斜視図である。 図17は、ドアロック装置が設けられる車両における後部の断面側面図である。
以下に、本発明にかかるドアロック装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、実施の形態にかかるドアロック装置10を斜め前方から見た斜視図である。図2は、実施の形態にかかるドアロック装置10を斜め後方から見た斜視図である。図3は、実施の形態にかかるドアロック装置10の分解斜視図である。ドアロック装置10は、例えば車両のバックドアに対してボルトB0によりブッシュbを介して固定されており、車体側に設けられたストライカSを保持することによりバックドアをロックするものである。以下の説明では、図1〜図3において手前側を正面、奥側を裏面とする。
図1〜図3に示すように、ドアロック装置10は、モータユニット12と、ラッチユニット14と、第1金属ブラケット16と、第2金属ブラケット18とを有する。ドアロック装置10は、第1金属ブラケット16が適度な強度を有するベース部材であり、該第1金属ブラケット16に対してモータユニット12やラッチユニット14が取り付けられている。モータユニット12およびラッチユニット14は必ずしも独立的なユニットでなくてもよい。ドアロック装置10はさらに、第1金属ブラケット16と第2金属ブラケット18との間に、レバーアセンブリ20と、オープンレバー22とを有する。
まずモータユニット12について説明する。図3に示すように、モータユニット12は、正面の表ハウジング24と裏ハウジング26とによってハウジングが形成されており、内部の各部品に対する防水および防塵の機能を有する。
裏ハウジング26は側方および下方に5つの係合爪26aを備え、表ハウジング24はこれらに対応した5つの係合突起24aを備えている。裏ハウジング26は、各係合爪26aがそれぞれ係合突起24aに対してスナップフィット形式で係合することによって表ハウジング24に固定される。このように係合突起24aと係合爪26aとの組はハウジング相互固定部を形成している。表ハウジング24と裏ハウジング26とは、さらに6本のボルトB3(図2参照)によって締結されている。表ハウジング24および裏ハウジング26は樹脂製であり、軽量である。
モータユニット12は側方にカプラー28を有しており、該カプラー28にはハーネスコネクタ30が接続される。ハーネスコネクタ30は図示しない制御部につながっている。モータユニット12は、正面側の表ハウジング24における中央よりやや下方部で前方に突出する出力軸32を有する。モータユニット12は制御部の作用下に出力軸32を正転および逆転させる。出力軸32は、後述するレバーアセンブリ20(図6参照)を正転および逆転させる。モータユニット12は、表ハウジング24から正面側に突出する4本のボルトB1がそれぞれ第1金属ブラケット16の4つのネジ孔16bに螺合することによって、該第1金属ブラケット16に固定される。これらの4つのボルトB1のうち下側の2本は、第2金属ブラケット18の孔18aを通って該第2金属ブラケット18を共締めする。つまり第2金属ブラケット18は表ハウジング24と第1金属ブラケット16との間で挟持されて固定される。
図4は、モータユニット12の内部を斜め前方から見た斜視図である。図5は、モータユニット12の内部を斜め後方から見た斜視図である。モータユニット12の内部が視認可能なように、図4では表ハウジング24を省略し、図5では裏ハウジング26を省略している。図5ではラッチユニット14を併せて示している。
図4および図5に示すように、モータユニット12は、出力軸32と、モータ34と、モータ34の回転軸に設けられたスクリュー34aと、中継ギア36と、セクタギア38と、カプラー28と、該カプラー28が固定されたプレートアセンブリ40とを有する。
モータ34は、最も上方で回転軸が横向きとなるように配置されている。モータ34の一対の端子34bはカプラー28とモータ導線41でつながっており、制御部の作用下に印加極性が反転し、回転軸が正転および反転する。
中継ギア36はモータ34の回転軸の下方に設けられており、歯数の多い大径歯36aと歯数の少ない小径歯36bとを有する。大径歯36aは図示を簡略化している。中継ギア36の中心軸は表ハウジング24と裏ハウジング26とによって軸支されている。大径歯36aがスクリュー34aに噛合していることにより中継ギア36はスクリュー34aの回転作用下に減速して駆動される。
セクタギア38は、中継ギア36の斜め下方に設けられており、外周歯38aを有し、その回転中心は、出力軸32に対してスプライン歯32b(図5参照)によって相対回転不能に設けられている。外周歯38aは図示を簡略化している。出力軸32は、裏ハウジング26の補強軸支孔26b(図2参照)と表ハウジング24の補強軸支孔24d(図3参照)とによって軸支されている。出力軸32はさらに第1金属ブラケット16および第2金属ブラケット18によっても軸支されており、安定している。
セクタギア38の外周歯38aは中継ギア36の小径歯36bに噛合しており、セクタギア38および出力軸32は中継ギア36の回転作用下に減速して駆動される。中継ギア36およびセクタギア38はモータユニット12内で比較的大きい部品であるが、それぞれ樹脂で形成されており、軽量である。ただし、中継ギア36およびセクタギア38は一部が金属であってもよい。中継ギア36については、少なくとも大径歯36aおよび該大径歯36aを支持する円盤36cが樹脂で形成されていると軽量化を図ることができる。セクタギア38については、少なくとも外周歯38aおよび該外周歯38aを支持する扇板38bが樹脂で形成されていると軽量化を図ることができる。ドアロック装置10では、初段ギアのスクリュー34aの回転を減速して出力軸32に伝達する中継ギア36とセクタギア38とが2段の減速ギアとなっている。これらの減速ギアのうち、少なくとも1つを樹脂製とすれば軽量化を図ることができる。
カプラー28はレセプタクル型であって、カプラー壁28aの内部に複数の雄ピン28bが設けられている。カプラー壁28aは嵌合方向からみて矩形である。カプラー壁28aの開口28cは斜め下方を指向している。カプラー壁28aにおける前方面にはゴム突起28dが固定(例えば接着)されている。
表ハウジング24の一部は、カプラー28の上下面および前面を囲うカバーを形成している。表ハウジング24の下部における左右両端には孔付台座24cが形成されている。裏ハウジング26の一部は、カプラー壁28aの裏面を囲うカバー26dを形成している。カバー24bとカバー26dとはカプラー28の四方を覆うカプラーカバー39(図1参照)を形成している。このようにカプラーカバー39は表ハウジング24および裏ハウジング26の一部として形成されていることから、カプラー28を覆うための専用部品は不要である。
裏ハウジング26の全周には低い周壁26cが設けられており、該周壁26cは表ハウジング24の全周を覆う。カプラー28はプレートアセンブリ40の一部となっている。
プレートアセンブリ40は、ベース部材となるプレート44と、カプラー28と、2つのリミットスイッチ46a,46bと、5本のピン48と、複数のターミナル50とを有する。リミットスイッチ46a,46bは、セクタギア38および出力軸32の回転角度に応じてカム体42の大小2つのカムによって操作される。
図6は、レバーアセンブリ20の斜視図である。レバーアセンブリ20は、エマージェンシーレバー52と、出力レバー54と、これらを接続するボルトB2とを有する。エマージェンシーレバー52は出力レバー54の手前側に設けられている。エマージェンシーレバー52と出力レバー54とはほとんど隙間なく配置されている。
エマージェンシーレバー52は、スプライン52aと、上方に延在しているアーム52bと、下方の小レバー52cとを有する。アーム52bの先端近傍にはボルトB2が挿通する孔が設けられている。エマージェンシーレバー52は、スプライン52aが出力軸32における先端近傍のスプライン歯32a(図4参照)に噛合することにより、該出力軸32に対して回転不能に接続される。
出力レバー54は、スプライン52aと同軸の孔54aと、上方に延在するアーム54bと、下方のレバー54cと、アーム54bの頂部から突出する小突起54dとを有する。アーム54bの上部にはボルトB2が螺合するネジ孔が設けられている。レバー54cは、ラッチユニット14に対する操作部であって、手前側に90°屈曲した先端作用部54eを備えている。
アーム52bの孔を通ったボルトB2は、アーム54bのネジ孔に螺合することにより、エマージェンシーレバー52と出力レバー54とが締結される。孔54aは嵌合される出力軸32よりもわずかに大径となっている。したがって、出力レバー54は出力軸32から直接に駆動力を受けるのではなく、エマージェンシーレバー52およびボルトB2を介して回転不能に接続されている。これにより、何らかの理由(例えば、電源喪失)によりモータ34が動かなくなった場合に、ボルトB2を外せばエマージェンシー操作として出力レバー54を手動で動かすことができる。出力レバー54は、上端の小突起54dを人手で動かすことにより搖動可能となる。図1に示すように、小突起54dは露呈されており、前方から操作しやすい位置にある。
図3に戻り、オープンレバー22は、上方の支軸22aと、下方に突出するメインレバー22bと、斜め下に突出している小レバー22cと、支軸22aまわりに設けられたトーションスプリング22dとを有する。トーションスプリング22dはオープンレバー22の全体を反時計方向に弾性付勢する。メインレバー22bは、ラッチユニット14に対する操作部であって、手前側に90°屈曲した先端作用部22eを備えている。支軸22aの先端は第1金属ブラケット16の孔16aに嵌合し、さらに先端部がフランジ状に広がるように加工されて抜止処理がなされ、オープンレバー22の全体を軸支している。
次に、ラッチユニット14について説明する。図7は、ラッチユニット14の内部の斜視図である。ラッチユニット14は第3金属ブラケット56をベースとしてその上方を上ケース58(図1参照)で覆っているが、図7では、内部を視認可能なように上ケース58を省略している。
図7に示すように、第3金属ブラケット56は浅い箱形状であって、前方に開口したストライカ溝56aと、左右に突出した孔付台座56bとを有する。孔付台座56bはボルトB0(図3参照)により第1金属ブラケット16とともに車両に対して共締めされる。ストライカ溝56aは、ストライカS(図1参照)が進入する溝である。
第3金属ブラケット56の内部には、ラッチ60と、ラチェット62と、2つのリミットスイッチ64a,64bとが設けられている。第3金属ブラケット56は金属であって、ラチェット62およびラッチ60を安定して軸支することができるとともに、バックドアに対して孔付台座56bで共締めすることにより締結箇所の数およびスペースを減らすことができて合理的である。
ラッチ60は、ラッチ軸66に軸支されており、該ラッチ軸66回りに設けられたトーションスプリング68によって反時計方向に弾性付勢されている。ラッチ60は、ストライカSを保持する保持切欠60aと、フルラッチ係合凹部60bと、ハーフラッチ係合凹部60cと、カム60eと、ラッチピン60dとを有する。フルラッチ係合凹部60bは、保持切欠60aの開口部付近に設けられている。ハーフラッチ係合凹部60cは、フルラッチ係合凹部60bよりもやや時計方向よりの位置に形成されている。カム60eはハーフラッチ係合凹部60cよりもさらに時計方向よりの位置に形成されている。ラッチピン60dは円柱形状であって、カム60eの根元部で上方に向けて立設されている。ラッチピン60dは、例えば金属製である。ラッチピン60dはラッチ60に固定されており、該ラッチ60の一部とみなすことができる。
ラチェット62は、ラチェット軸70に軸支されており、該ラチェット軸70回りに設けられたトーションスプリング72によって時計方向に弾性付勢されている。ラチェット62は、ストライカ溝56aよりも後側に位置する係合爪62aと、ラチェット軸70と係合爪62aとの間に設けられ上方に向けて立設されたラチェットピン62bとを有する。
リミットスイッチ64a,64bは第3金属ブラケット56内部で最も後側の領域に並んで設けられている。リミットスイッチ64aは、ラッチ60がハーフラッチ位置となったときにカム60eによって操作される。リミットスイッチ64bは、ラッチ60がフルラッチ位置(図7、図11に示す位置)となったときにカム60eによって操作される。リミットスイッチ64a,64bはハーネス74(図2参照)によってターミナル50(図4参照)と接続されている。リミットスイッチ64a,64bおよびハーネス74は、ドアロック装置10の裏面から配設可能である(図2参照)。ハーネス74は、複数のハーネス留26eによってドアロック装置10の側面に沿って配索されている。ラッチユニット14には、さらにトーションスプリング(金属弾性体)76およびバンパーラバー78が設けられている。トーションスプリング76は金属製であり、例えばステンレス、ピアノ線、ばね鋼で構成されている。トーションスプリング76はドアの閉扉の際、ラッチ60がフルラッチ位置になる直前から所定のオーバーストローク位置までラッチピン60dに当接し、ラッチ60に対してオープン位置の方向に向かって弾性力を付与するための部品である。
図8は、ラッチユニット14における上ケース58を内側から見た斜視図である。図8に示すように、上ケース58には、トーションスプリング68,72,76およびバンパーラバー78が取り付けられている。トーションスプリング68はラッチ軸66のまわりに取り付けられ、トーションスプリング72はラチェット軸70のまわりに取り付けられている。
バンパーラバー78は変則U字形状であって、ストライカ溝58aの一方の側面を形成する突出部58aaが変則U字形状の中央部に嵌りこんで固定されている。バンパーラバー78の当接端部78aはストライカ溝58aの奥に露呈されており、進入するストライカSによる衝撃を緩和する。
トーションスプリング76はコイル部76aと、係止端76bと、受動端76cとを備える。受動端76cはコイル部76aに近い箇所の屈曲部76dで屈曲している。つまり、受動端76cの傾斜は屈曲部76dで調整されており、受動端76cの先端は係止端76bと干渉せず、該係止端76bからはやや離間した位置となっている。係止端76bは、上ケース58の側壁(係止部)58dに沿って前方に向けて延在しており、該側壁58dによって係止されている。受動端76cは、コイル部76aの左右略中央から略前方に向けて延在しており、その先端はストッパ80に係合している。受動端76cはストッパ80に係合可能な程度な長さが確保されており、係止端76bよりも長い。ストッパ80は受動端76cに係合し、トーションスプリング76の弾性変形が復帰する方向に対して制限し、弾性変形が増す方向に対してはフリーである。トーションスプリング76は受動端76cがストッパ80に係合していることによって適度に弾性変形した状態に維持されている。コイル部76aの後側略半分は周囲が上ケース58の後壁58eによって覆われており、突出するポスト58fに嵌まり込んでいる。
トーションスプリング76はストッパ80によって弾性変形した状態に保持されており、係止端76bと受動端76cとは離間する方向に弾性力を発生している。それにより、トーションスプリング76はコイル部76aが後方へ向かう力を受け、該コイル部76aの内径部がポスト58fの前端面に当接して安定している。
なお、図8はドアが開扉されている状態を示している。後述するように、ドアが閉扉されている状態ではラッチピン60d(図7参照)が受動端76cを押圧変位させ、該受動端76cはストッパ80から離間する。
図1および図3に戻り、上ケース58は第3金属ブラケット56とともにラッチユニット14のハウジングを形成する樹脂材である。上ケース58はストライカ溝58aと、該ストライカ溝58aを挟んで左右上面に設けられた浅い凹部58b,58cを有する。ストライカ溝58aは上記のストライカ溝56aとともにストライカSが進入する領域を形成している。凹部58b,58cは第1金属ブラケット16の2本の下端突出片17a,17aが嵌まり込む形状となっている。ラッチ軸66およびラチェット軸70の上端部は下端突出片17aに設けられた軸支孔17aa(図3参照)からやや突出し、さらに先端部がフランジ状に広がるように加工され、回転可能な状態で抜止めされている。
図9は、ラッチユニット14の内部、レバーアセンブリ20およびオープンレバー22の斜視図である。図9では煩雑とならないようにリミットスイッチ64a,64bを省略している。
図9に示すように、レバーアセンブリ20は、ラッチ軸66の斜め後ろ上方に配置されており、出力レバー54の先端作用部54e(以下、レバー54eと呼ぶ。)は、ラッチピン60dの左面に作用し得るとともに、メインレバー22bの右面に作用し得る。オープンレバー22はラチェット軸70の斜め後ろ上方に配置されており、オープンレバー22の先端作用部22eはラチェットピン62bの右面に作用し得る。
なお、ラッチピン60dは、左面がレバー54eによって押圧されてラッチ60を回転させる機能を有するとともに、右面が受動端76cを押圧してトーションスプリング76を弾性変形させる機能を有する。このような2つの機能はラッチピン60dで兼用しているが、個別の部品で機能分担してもよい。この場合、レバー54eによって押圧される部品は少なくとも押圧される左面が円柱形状であるとよい。また、受動端76cを押圧する部品は少なくとも押圧する右面が円柱形状であるとよい。
ラッチ60は、バックドアが開状態のときには所定の開位置にあり、保持切欠60aはストライカ溝56aに沿って前方に向けて開口している。バックドアを閉めるに従ってストライカSがストライカ溝56aに進入し、保持切欠60aに入ってラッチ60を時計方向に回動させる。そして、ラッチ60がハーフラッチ位置まで回動すると、ラチェット62の係合爪62aがハーフラッチ係合凹部60cに一時的に係合し、ラッチ60はストライカSを一時的に係合する。ラッチ60は反時計方向の回動が規制されるとともに、カム60eがリミットスイッチ64a(図7参照)を操作する。
制御部は該リミットスイッチ64aがオンになったことを認識し、モータ34を回転駆動して出力軸32を反時計方向に回動させ、仮想線で示すようにレバー54eを右方向へ移動させる。レバー54eはラッチピン60dを押圧して移動させ、ラッチ60は時計方向に回動する。そして、ストライカSは保持切欠60aに保持されたまま奥へ導かれる。
図10は、ラッチ60がフルラッチ位置になる直前の位置で、ラッチピン60dがトーションスプリング76の受動端76cに接したときのラッチユニット14の断面図である。図11は、ラッチ60がフルラッチ位置になったときのラッチユニット14の断面図である。図12は、ラッチ60がオーバーストローク位置になったときのラッチユニット14の断面図である。なお、図10〜図12では、ラチェット62、トーションスプリング68,72などを省略している。
図10に示すように、ラッチ60がフルラッチ位置になる直前にラッチピン60dの側面がトーションスプリング76の受動端76cに接する。そして、この後ラッチ60がフルラッチ位置およびオーバーストローク位置に向かって回動するにしたがってトーションスプリング76はコイル部76aが捩じり圧縮されて、捩じり圧縮量に応じた弾性力をラッチ60に付与する。なお、以下では捩じり圧縮を単に圧縮とも記す。ラッチピン60dは、屈曲部76dよりわずかに先端側に接する。なお、条件によってはラッチ60がフルラッチ位置になるときにラッチピン60dの側面がトーションスプリング76の受動端76cに接するようにしてもよい。
ラッチ60がフルラッチ位置に向かって回転するときに、ラッチピン60dと受動端68cとは摺動しながら当接する。すなわち、ラッチピン60dが最初に受動端76cに接するとき、つまり図10に示す状態では、ラッチピン60dは受動端76cの根元側(屈曲部76eに近い側)に接し、その後ラッチ60の回転にともなって接触位置は受動端76cの先端側に移動する。
ラッチピン60dと受動端68cとの接触位置は摺動にともなって移動し、コイル部68aの中心からは次第に遠ざかることになり、ストライカSの単位変位量またはラッチ60の単位角度あたりの回転による弾性力の増加割合は小さくなり、弾性力が急増することがない。また、この弾性力の増加割合は屈曲部76eの屈曲度合によって調整可能である。これについては図15に基づいてさらに後述する。
図11に示すように、ラッチ60がフルラッチ位置になったときには、ラッチピン60dは受動端68cを押し込み、該受動端68cとストッパ80との間には隙間84が形成される。この時点では隙間84は十分に狭いがトーションスプリング76はストッパ80によって予め弾性変形された状態に保持されており、トーションスプリング76はラッチピン60dの押圧によってさらに弾性変形され、ラッチピン60dにはある程度の大きさの弾性力が付与される。これは後述する図13の端部90で示される。
こうしてバックドアが閉状態となると、ラッチ60は図7に示すフルラッチ位置となり、ラチェット62の係合爪62aがフルラッチ係合凹部60bに係合し、ラッチ60は反時計方向の回動が規制される。
図12に示すように、ラッチ60はフルラッチ位置を超えてオーバーストローク位置まで回動する。クローザー式のドアロック装置10では、車両で長期間使用した場合にもモータ34で確実に閉扉することが要求されている。長期間使用をすると各部のへたり、ガタの増加、変形などが発生することが懸念されるが、初期の引込ストロークを確保するためにはこれらの影響をあらかじめ見込んでフルラッチ位置を超えた所定のオーバーストローク位置までラッチ60を回動させている。そして、カム60eがリミットスイッチ64b(図7参照)を操作する。制御部は該リミットスイッチ64bがオンになったことを認識し、モータ34を逆方向に回転駆動して出力軸32を時計方向に回動させ、出力レバー54を所定の初期位置に戻す。
ラッチ60がオーバーストローク位置まで回転することにともないラッチピン60dはラッチ軸66を中心としてさらに回動して隙間84が大きくなり、トーションスプリング76はさらに圧縮される。また、バンパーラバー78(図8参照)もストライカSによって適度に圧縮される。
そうすると、ストライカSに対しては、受動端76cからラッチピン60dおよびラッチ60を介して開扉方向の弾性力が付与されるとともに、バンパーラバー78からも弾性力が付与される。上記の通り、トーションスプリング76はストッパ80によって予め弾性力変形された状態に保持されており、さらに隙間84が形成されることにより適度に大きい弾性力を発生し、この弾性力はバンパーラバー78による弾性力よりも大きくなるように設定されている。つまり、ストライカSに付与される弾性力は主体的にはトーションスプリング76によるものであり、条件によりバンパーラバー78は省略してもよい。
このようにしてバックドアの閉状態では、ストライカSに対して、主にトーションスプリング76から開扉方向に適度に大きい弾性力が付与されている。バックドアは水平軸を基準として開閉する機構になっており、しかも重量が大きいため走行時の振動の影響を受けやすいが、ストライカSに対して適度に大きい弾性力が付与されていることによりガタつきや異音の発生を防止することができる。このガタつき防止のための機構は、基本的にはトーションスプリング76によって実現されており、小型、軽量、簡便かつ廉価な構成が可能である。
また、トーションスプリング76は金属製であることから温度よる硬さの変化がほとんどなく、低温時においても高温時においてもストライカSに対して付与される弾性力はほぼ一定となる。したがって、ラッチ60を回動させるモータ34に対する負荷は温度に拘わらずほぼ一定であって、閉扉できなくなるということがなく、またモータ34を過度に高出力化・大型化する必要がない。
この後ユーザによってバックドア開のボタン操作がなされると制御部はこれを認識し、モータ34を回転駆動して図9の出力軸32を時計方向に回動させ、レバー54eを図9の左方向へ移動させる。レバー54eはオープンレバー22を介してラチェットピン62bを押圧して移動させ、ラチェット62は反時計方向に回動する。そして、ラチェット62の係合爪62aはフルラッチ係合凹部60bから抜け、バックドアは開扉可能になる。この後、レバー54eは初期位置に戻される。
図13は、常温時におけるラッチ60に反発力を付与する5つの手段について反発力とラッチストローク位置との関係を示したグラフである。図13および後述する図14は、理論、実験および経験等に基づいて推測されるグラフである。図13のG15は、トーションスプリング76を用いた場合のグラフであり、実質的に上記のドアロック装置10の場合に相当する。G11〜G14はG15に対する比較例である。G11は、バンパーラバー78だけでラッチ60に反発力を付与する場合のグラフである。G12は、トーションスプリング76に代えて樹脂弾性体(例えばゴム)のキャッチバンパーR(図7参照)を用いた場合のグラフである。G13は、バンパーラバー78とキャッチバンパーRを用いた場合のグラフである。G14は、位置を調整したバンパーラバー78を用いた場合のグラフである。
図13の縦軸はラッチ60に付与される反発力つまり弾性力である。図13の横軸はストライカSを基準とした変位であって、左側が開扉方向、右側が閉扉方向である。また、「0」がフルラッチ位置である。なお、図13の横軸は近似的にラッチ60の回転角に置き替えることもできる。
ドアロック装置10では、例えば2mm位置までオーバーストロークする。「0」を中心とした範囲Aではバックドアのガタつきや異音防止のために、ストライカSに対して適正な反発力が付与される必要がある。一方、ドアロック装置10では2mmまでオーバーストロークするが、その場合には反発力が過大とならないことが望ましい。
グラフG11、つまりバンパーラバー78だけの場合では、バックドアを支えるほどの反発力が得られない。グラフG12、つまりキャッチバンパーRだけの場合では、キャッチバンパーR(図7参照)とラッチ60の側面とが当接しない範囲では反発力が得られず、逆にオーバーストロークの領域では反発力が過大となってしまう。グラフG13、つまりバンパーラバー78とキャッチバンパーRの場合では、ストライカSがマイナスの領域から反発力が得られるが、オーバーストロークの領域では反発力が急激に上昇してしまう。グラフG14ではバンパーラバー78の当接端部78a(図8参照)を移動・調整して初期の反発力を下げた。この場合は、ほぼ全領域にわたって反発力が過小となってしまい、バンパーラバー78の位置調整だけでは適正な効果が得られない。
一方、グラフG15、つまりトーションスプリング76を用いた場合では範囲Aでは適度な反発力が得られており、しかもオーバーストロークの領域においても反発力が適度に抑制されている。したがって、上記のとおりモータ34に対する負荷も抑制される。グラフG15は、ストッパ80の作用によって開扉側の端部90がステップ状に立ち上がっている。これによりグラフG15の反発力が全体的に増加するようにシフトする作用があり、範囲Aで好適な反発力が得られる。
また、フルラッチ位置である「0」mmを基準としてオーバーストロークの領域(図13で「0」より右側)において、グラフG11〜G14は次第に傾斜(増加度合)が急となる(換言すれば二階微分値がプラスになる。)のに対し、グラフG15は次第に傾斜が緩やかになる傾向(換言すれば二階微分値がマイナスになる。)があって反発力が抑制されている。このようなグラフG15の特性は、上記のとおりラッチピン60dと受動端68cとの接触位置が摺動にともなって移動することによる。また、その特性は屈曲部76eの屈曲度合によってある程度調整可能である。ラッチピン60dは円柱形状であって摺動がスムーズである。
図14は、ラッチ60に反発力を付与する2つの手段について反発力に対する温度変化の影響を示すグラフである。図14のG24は、トーションスプリング76を用いた場合のグラフであり、実質的に上記のドアロック装置10の場合に相当する。G21〜G23はG24に対する比較例である。図14のG21は、キャッチバンパーR(図7参照)を用いた場合の常温時のグラフである。G22は、キャッチバンパーRを用いた場合の低温時のグラフである。G23は、キャッチバンパーRを用いた場合の高温時のグラフである。グラフG21は図13のグラフG12に相当し、グラフG24は図13のグラフG15に相当する。図14の縦軸は反発力であり、横軸はストライカSの変位である。
図14のG21〜G23のように、キャッチバンパーRを用いた場合にはフルラッチ位置、つまり「0」mmの位置では適度な反発力が得られるものの、オーバーストロークの領域では反発力が大きくなってしまう。特に低温時のG22では反発力が過大であり、モータ34に対する負荷が大きい。また、グラフG23のように高温時には反発力が全体的に低くなり、フルラッチ位置において適度な反発力が得られない。一方、トーションスプリング76は金属製であることから温度変化の影響を受けず、グラフG24は低温時〜高温時までほとんど変化がなく、しかも適切な反発力が得られる。
次に、ドアロック装置10においてグラフG15,G24のような特性が得られる理由についてさらに説明する。
図15は、ストライカS、ラッチ60、ラチェット62およびトーションスプリング76の動作を説明する図であり、(a)はフルラッチ直前の説明図であり、(b)はフルラッチ位置の説明図であり、(c)はオーバーストローク位置の説明図である。
ここで、TSはトーションスプリング76がラッチピン60dを押すトルクである。樹脂弾性体のキャッチバンパーR(図7参照)の場合はストロークに対して荷重は比例せず急激な上昇曲線を描くのに対して、トーションスプリング76の特性からTSは捩じり角・捩じり圧縮量に対して比例的に上昇する。接触点Pはラッチピン60dと受動端76cとの接触位置である。RSはコイル部76aの中心から接触点Pまでの距離であり、RLはラッチ軸66から接触点Pまでの距離である。受動端76cがラッチピン60dを押す力FSはFS=TS/RSである。ラッチ60を軸中心に押し戻そうとするトルクTLはTL=FS×RLである。
ストライカSを押し戻す反発力FLはFL=TL/RCである。FLは図13および図14の反発力に相当する。RCはストライカSとラッチ軸66との横方向距離である。これらを整理するとFL=(TS×RL)/(RS×RC)=TS×(1/RC)×(RL/RS)となる。RCは図15(a)〜(c)でほぼ一定であり、また、TSは捩じり角に対して比例的に上昇することから、反発力FLを示すグラフG15,G24の傾向は(RL/RS)の変化に依存する。ドアロック装置10では、(RL/RS)がストライカSのストロークにしたがって減少するように設定されており、グラフG15,G24は上記のとおり増加割合が減少する特性となり、FLが過度に大きくなることがない。(RL/RS)は、ラッチピン60dと受動端76cとが摺動して接触点Pの位置が変化することによって変化が得られる。
上記のラッチピン60dおよびトーションスプリング76は両方とも金属製である場合には当接時に金属音が発生する可能性がある。このような金属音を防止するためには、例えば図16に示すように、ラッチピン60dに緩衝材60daを設け、トーションスプリング76の受動端76cに緩衝材76caを設けてもよい。緩衝材76caは屈曲部76dの位置を含んでもよい。緩衝材60da,76caは、例えば薄い筒状のウレタン材である。緩衝材60daおよび緩衝材76caは、ラッチ60とトーションスプリング76との互いの当接面の少なくとも一方に設けられていれば相応の効果が得られる。
図17は、ドアロック装置10が設けられる車両100における後部の断面側面図である。ドアロック装置10は車両100のバックドア102の下端部に設けられており、ラッチユニット14の部分が車両100本体側のストライカSと係合することによりバックドア102を閉状態に保つ。バックドア102は、例えばハッチバック式のハッチやトランクのトランクリッドなどであり、上端の水平軸102aを基準として開閉する。バックドア102が閉のとき、車両100の内部はウェザーストリッパ104によって気密に保たれる。ウェザーストリッパ104はバックドア102の開口部の全周にわたって設けられる。ドアロック装置10は、上記のとおり水平軸102aを基準として開閉するバックドア102のガタつきや異音の発生を防止する。また、ウェザーストリッパ104にはガタつき防止のための措置は不要であって、低廉化が可能である。
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
10 ドアロック装置
12 モータユニット
14 ラッチユニット
20 レバーアセンブリ
22e 先端作用部
34 モータ
54e 先端作用部
56a ストライカ溝
60c ハーフラッチ係合凹部
60b フルラッチ係合凹部
60 ラッチ
60d ラッチピン
60da,76ca 緩衝材
60a 保持切欠
62 ラチェット
62b ラチェットピン
62a 係合爪
66 ラッチ軸
70 ラチェット軸
76 トーションスプリング
76a コイル部
76b 係止端
76c 受動端
76d 屈曲部
78 バンパーラバー
78a 当接端部
80 ストッパ
100 車両
102 バックドア
102a 水平軸
R キャッチバンパー
S ストライカ

Claims (8)

  1. ストライカ溝から進入するストライカによって押圧されて回転し、該ストライカをハーフラッチ位置で一時的に係合し、さらにモータの駆動力によって回転することによりフルラッチ位置で前記ストライカを係合するラッチと、
    前記ラッチが前記ハーフラッチ位置から回転してフルラッチ位置に達するときまたは達する前に前記ラッチの一部に当接して弾性変形し、前記ラッチを回転方向と逆側に向かって付勢する金属弾性体と、
    を備えることを特徴とするドアロック装置。
  2. 前記金属弾性体はトーションスプリングであり、一方の係止端が係止部に係止され他方の受動端が前記ラッチの一部に当接することにより前記ラッチを付勢することを特徴とする請求項1に記載のドアロック装置。
  3. 前記ラッチと前記受動端とは当接した後に摺動しながら変位することを特徴とする請求項2に記載のドアロック装置。
  4. 前記トーションスプリングのコイル部と前記受動端との間には屈曲部が形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載のドアロック装置。
  5. 前記ラッチに当接する以前に前記金属弾性体を弾性変形した状態に保持するストッパを有し、前記金属弾性体は前記ラッチの押圧によってさらに弾性変形することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のドアロック装置。
  6. 前記ラッチは前記フルラッチ位置を超えたオーバーストロークの領域まで回転可能であり、
    前記ラッチが受ける弾性力は、前記オーバーストロークの領域において、前記ラッチの回転にしたがって次第に増加度合が緩やかになることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のドアロック装置。
  7. 前記ラッチおよび前記金属弾性体における互いの当接面の少なくとも一方に緩衝材が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のドアロック装置。
  8. 水平軸を基準として開閉する車両のバックドアに設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のドアロック装置。
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