JP2020175935A - 内容物入りブリスターパック - Google Patents

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直美 関谷
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篤史 安田
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Shu Kato
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Abstract

【課題】外部から内容物を視認でき、かつ十分な水蒸気バリア性を確保できる、ブリスターパックを提供する必要性が存在する。【解決手段】本発明の内容物入りブリスターパック400は、内容物300、ブリスター容器200、及び透明蓋材100を有し、ブリスター容器200が、ポケット202を有しており、透明蓋材100が、ブリスター容器200に融着され、それによって、ポケット202内に内容物300が密封されている。【選択図】図1

Description

本発明は、内容物入りブリスターパックに関する。
従来、例えば錠剤等の固形製剤や薬剤の入ったカプセルのための包装容器として、ブリスターパックが用いられている。このブリスターパックは、樹脂シート等で構成されているブリスター容器用シートに、ポケットとよばれる凹部を形成してブリスター容器を形成し、ポケット内に内容物を入れ、そして蓋材をヒートシール等によって接合させることにより形成することができる。
ブリスター容器は、ポケットの内側に製剤等を収容した状態で、その周囲に拡がった裾の部分に蓋材をヒートシールすることにより、製剤等が封入された内容物入りブリスターパックとなる。
ブリスターパックの一例として、特許文献1には、接着剤層を介して、アルミニウム箔の一面に延伸されたポリアミド系樹脂層を積層し、他面に熱接着層を積層した成形用積層体、この積層体の少なくとも一部を成形して内容物の収納凹所を形成した容器、及びこの容器の成形部に収納物を充填した後、少なくともアルミニウム箔を含む蓋材をヒートシールした包装体が開示されている。
また、特許文献2には、極めて高い透明性を有しており、有機ELの封止用フィルム等に有用なフィルムが記載されている。
なお、ナノ粒径のゼオライトの製造方法が特許文献3及び4に記載されている。
特開2004−58515号公報 特開2018−100390号公報 特開2011−246292号公報 特開2013−49602号公報
特許文献1に記載の包装体を用いた場合、内容物が封入されているか否か、または内容物の劣化や破損の有無、印字や印刷等の表示等の状態を外部から確認することができない。
したがって、外部から内容物を視認できる、ブリスターパックを提供する必要性が存在する。
本発明者らは、鋭意検討したところ、以下の手段により上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記のとおりである:
〈態様1〉内容物、ブリスター容器、及び透明蓋材を有し、
前記ブリスター容器が、ポケットを有しており、かつ
前記透明蓋材が、前記ブリスター容器に接着され、それによって、前記ポケット内に内容物が密封されている、
内容物入りブリスターパック。
〈態様2〉前記ブリスター容器が、不透明バリア層を有する、態様1に記載の内容物入りブリスターパック。
〈態様3〉前記不透明バリア層が、金属箔層である、態様2に記載の内容物入りブリスターパック。
〈態様4〉前記透明蓋材が、透明バリア性基材層を有する、態様1〜3のいずれか一項に記載の内容物入りブリスターパック。
〈態様5〉前記透明蓋材が、前記透明バリア性基材層よりも前記内容物の側に、透明機能層を有する、態様4に記載の内容物入りブリスターパック。
〈態様6〉前記透明機能層が、吸収剤を含有している透明吸収層である、態様5に記載の内容物入りブリスターパック。
〈態様7〉前記透明吸収層が、熱可塑性樹脂、及び吸湿剤を含有している透明吸湿層である、態様6に記載の内容物入りブリスターパック。
〈態様8〉前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂である、態様7に記載の内容物入りブリスターパック。
〈態様9〉前記吸湿剤が、ゼオライトである、態様7又は8に記載の内容物入りブリスターパック。
〈態様10〉前記透明吸湿層の前記ゼオライトの平均粒子径D50が、300nm以下である、態様9に記載の内容物入りブリスターパック。
〈態様11〉前記透明機能層の片側又は両側に、スキン層を有する、態様5〜10のいずれか一項に記載の内容物入りブリスターパック。
〈態様12〉前記透明蓋材が、前記ブリスター容器に融着されている透明易剥離性層を更に有する、態様1〜11のいずれか一項に記載の内容物入りブリスターパック。
〈態様13〉前記透明易剥離性層が、アクリル変性ポリオレフィンを含有している、態様12に記載の内容物入りブリスターパック。
〈態様14〉前記ブリスター容器が、前記透明蓋材の前記透明易剥離性層に融着されているポリ塩化ビニル層を具備している、態様13に記載の内容物入りブリスターパック。
本発明によれば、外部から内容物を視認でき、かつ好ましくは十分な水蒸気バリア性を確保できる、ブリスターパックを提供することができる。
図1は、本発明のブリスターパックの一実施態様の層構成を示す図である。 図2は、本発明のブリスターパックの一実施態様の開封機構を示す図である。 図3は、本発明のブリスターパックの下記の(ii)の好ましい実施態様の開封機構を示す図である。
《内容物入りブリスターパック》
図1に示すように、本発明の内容物入りブリスターパック400は、
内容物300、ブリスター容器200、及び透明蓋材100を有し、
ブリスター容器200が、ポケット202を有しており、
透明蓋材100が、ブリスター容器200に接着され、それによって、ポケット202内に内容物300が密封されている。
上記の構成によれば、ブリスターパックのポケット内の内容物を、少なくとも透明蓋材を通して外部から視認することができる。
透明蓋材100は、接着層を介してブリスター容器200に接着されていてもよく、又はブリスター容器200に融着されていてもよい。
以下では、本発明の各構成要素について説明する。
〈内容物〉
内容物は、ブリスター容器のポケット内に密封されている内容物である。かかる内容物としては、外気との接触によって劣化しうる物であれば限定されるものではなく、薬剤の他、食品、化粧品、衛生用品、医療機器、医療器具、電子部品等を挙げることができる。また、薬剤としては、医薬品製剤の他、洗浄剤、農薬、試薬等を含む。
特に、内容物が、視認されることが好ましい内容物、例えば服用期限等の文字情報が付されている医薬品製剤等である場合には、本発明の構成がより有益となる。
〈ブリスター容器〉
ブリスター容器としては、ポケットを有するブリスター容器を用いることができる。
ブリスター容器は、例えばブリスター容器用シートに、内容物を入れるためのポケットを形成することにより製造することができる。ポケットを成形する際の成形方法としては、平板式空圧成形法、プラグアシスト圧空成形法、ドラム式真空成型法、プラグ成形法等が挙げられる。この中でも、粘度平均分子量100万以上の超高分子量ポリエチレン樹脂製の先端部が丸い円柱状の棒(プラグ材)を用いたプラグ成形法が、ポケットを形成するためには好ましい。
ブリスター容器としては、単層のブリスター容器用シート、又は複数の層を積層させた複層のブリスター容器用シートを用いることができる。単層のブリスター容器用シートは、適度なバリア性及び成形性を与える樹脂で構成されていてよく、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン系樹脂、飽和ポリエステル、ポリアミド(例えば、ナイロン(登録商標)、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロンMXD6)、環状ポリオレフィン(COP、COC)、及びフッ素系樹脂(例えば、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン)等、並びにこれらの混合物を用いることができる。
複層のブリスター容器用シートは、基材層と最内樹脂層を有していてもよい。また、基材層と最内樹脂層の間には、任意にバリア層、補強層、機能層等を設けてもよく、例えば基材層、バリア層、補強層、機能層、及び最内樹脂層をこの順に有する。隣り合う各層を貼り合わせる方法としては、ドライラミネート法、サンドラミネート法等が挙げられる。
ブリスター容器用シートの厚さは、ブリスター容器としての適切な強度、コシ、バリア性等の観点から、例えば500μm以下、400μm以下、300μm以下、200μm以下、150μm以下、又は100μm以下とすることができ、また50μm以上、60μm、又は70μm以上とすることができる。
(ブリスター容器用最内樹脂層)
ブリスター容器用最内樹脂層は、ブリスター容器を作製したときに、内容物側に配置されることとなる層である。この層を介して、ブリスター容器を本発明のブリスターパック用蓋材と融着させることができる。最内樹脂層としては、例えば単層のブリスター容器用シートに関して挙げた樹脂を用いることができる。
最内樹脂層の厚みは、ブリスター容器用シートに適度な成形性を与える観点から、300μm以下、200μm以下、150μm以下、130μm以下、又は100μm以下であってよく、また10μm以上、20μm以上、30μm以上、40μm、又は50μm以上であってよい。
(ブリスター容器用基材層)
ブリスター容器用基材層に用いられる樹脂としては、ブリスター容器用シートに適度なバリア性及び成形性を与える樹脂であれば特に制限されない。例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン系樹脂、飽和ポリエステル、ポリアミド(例えば、ナイロン(登録商標)、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロンMXD6)、環状ポリオレフィン(COP、COC)、及びフッ素系樹脂(例えば、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン)等、並びにこれらの混合物が挙げられる。これらは単層で用いても良いし、2層以上を積層して用いても良い。好ましくは、外部からの水分の浸入を防ぎ、防湿性に優れているものがよく、特にポリプロピレン系樹脂、ポリアミド及び飽和ポリエステルが挙げられる。
基材層の厚みは、バリア性を維持し、かつブリスターパック全体に強度等を与える観点から、10μm以上、20μm以上、又は30μm以上であってよく、また300μm以下、200μm以下、又は100μm以下であってよい。
(ブリスター容器用バリア層)
ブリスター容器用バリア層に用いられる材料としては、銅箔、アルミニウム箔等の金属箔層、環状オレフィンポリマー、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のバリア性樹脂層、シリカ蒸着膜、アルミニウム蒸着膜、アルミナ蒸着膜、シリカ・アルミナ蒸着膜等の無機物蒸着膜、塩化ビニリデンコーティング膜、ポリクロロトリフルオロエチレンコーティング膜、ポリフッ化ビニリデンコーティング膜等の有機物コーティング膜、及びこれらの組合せを挙げることができる。
バリア層として無機物蒸着膜又は有機物コーティング膜を用いる場合、バリア層の厚みは、ブリスター容器用シートに適切な成形性とバリア性を与えるために、100nm以上、200nm以上、300nm以上、500nm以上、700nm以上、又は1μm以上であってよく、また5μm以下、4μm以下、3μm以下、又は2μm以下であってよい。
バリア層として金属箔層又はバリア性樹脂層又は有機物コーティング膜を用いる場合、バリア層の厚みは、ブリスター容器用シートに適切な成形性とバリア性を与えるために、7μm以上、10μm以上、又は20μm以上であってよく、また100μm以下、80μm以下、60μm以下、50μm以下、又は40μm以下であってよい。
特に、ブリスター容器用バリア層は、透明バリア層である蒸着フィルム等ではなく、不透明バリア層である金属箔層であることが、ポケットを形成した後においても十分なバリア性を維持する観点から好ましい。
(ブリスター容器用補強層)
ブリスター容器用補強層は、ブリスター容器用シートの成形性を向上させるために用いられる。補強層に用いられる樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド(例えば、ナイロン(登録商標)、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロンMXD6)等、並びにこれらの混合物が挙げられる。補強層の厚みは、例えば10μm以上、15μm以上、又は25μm以上であってよく、また60μm以下、又は50μm以下であってよい。
(他の層)
複層のブリスター容器用シートは、随意の他の層を有していてよい。他の層としては、例えば機能層、機能層上のスキン層、各層を接着させる接着層等が挙げられる。なお、透明蓋材の透明機能層と、ブリスター容器用シートの機能層とは、同じものを用いても良いし、層の厚さや、吸収剤又は樹脂の種類又は含有量等が異なるものを用いてもよい。
〈透明蓋材〉
透明蓋材は、蓋材全体として透明性を有する蓋材である。ここで、本発明において、「透明」とは、内容物の文字を視認するのに十分に透明であることを意味するものであり、例えば全光線透過率が、50%以上、60%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、又は100%であり、かつヘイズ値が90%以下、85%以下、80%以下、70%以下、60%以下、又は50%以下であることを意味する。
ここで、全光線透過率は、JIS K 7361に準拠して測定できる。また、ヘイズ値は、JIS K7136に準拠して測定できる。
図1に示すように、透明蓋材100は、透明バリア性基材層108を有していることが、透明性に加えてバリア性を確保する観点から好ましい。また、透明蓋材100は、透明バリア性基材層108よりも内容物300の側に、透明機能層102を有していてよい。また、透明蓋材100は、透明機能層102の片側又は両側に、透明スキン層106、106’を有していてよい。
また、透明蓋材100は、ブリスター容器200に融着されている透明易剥離性層104を更に有することが、易剥離性を確保する観点から好ましい。
(透明バリア性基材層)
透明バリア性基材層は、透明性及びバリア性を有する基材である。
透明バリア性基材層としては、例えばバリア性樹脂層を用いることができる。バリア性樹脂層を構成する樹脂としては、例えば環状オレフィンポリマー、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン等を用いることができる。
また、図1に示すように、透明バリア性基材層108は、透明バリア層108a及び透明基材樹脂層108bを有する層であってもよい。この場合、透明バリア層と透明基材樹脂層との間には、接着層が存在していてもよい。
(透明バリア性基材層:透明バリア層)
透明バリア層としては、透明であり、かつ外部からの水分や有機ガス及び無機ガスが機能層へと透過することを抑制することができる材料を用いることができる。かかる透明バリア層としては、例えばシリカ蒸着膜、アルミナ蒸着膜、若しくはシリカ・アルミナ二元蒸着膜等の無機物蒸着膜、又はポリ塩化ビニリデンコーティング膜、ポリクロロトリフルオロエチレンコーティング膜、若しくはポリフッ化ビニリデンコーティング膜等の有機物コーティング膜を用いることができる。また、上記のバリア性樹脂層を、透明バリア層として用いることもできる。
透明バリア層として無機物蒸着膜又は有機物コーティング膜を用いる場合、透明バリア層の厚さは、100nm以上、200nm以上、300nm以上、500nm以上、700nm以上、又は1μm以上であることが、強度及びバリア性を確保する観点から好ましく、また5μm以下、4μm以下、3μm以下、又は2μm以下であることが、蓋材としての取り扱い性を向上させる観点から好ましい。
透明バリア層としてバリア性樹脂層又は有機物コーティング膜を用いる場合、透明バリア層の厚さは、7μm以上、10μm以上、又は15μm以上であることが、強度及びバリア性を確保する観点から好ましく、また100μm以下、80μm以下、60μm以下、55μm以下、50μm以下、45μm以下、40μm以下、又は35μm以下であることが、蓋材としての取り扱い性を向上させる観点から好ましい。
(透明バリア性基材層:透明基材樹脂層)
透明基材樹脂層としては、耐衝撃性、耐摩耗性等に優れた熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系ポリマー、ポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性樹脂を単独で、又は2種類以上組み合わせて複層で使用することができる。この樹脂層は、延伸フィルムであっても、無延伸フィルムであってもよい。また、この樹脂層は、透明バリア層の片面又は両面に存在していても良い。この樹脂層により、透明バリア層を保護することができる。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。
なお、本明細書において、ポリエチレン系樹脂とは、ポリマーの主鎖にエチレン基の繰返し単位を、50mol%超、60mol%以上、70mol%以上、又は80mol%以上含む樹脂であり、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物からなる群より選択される。
本明細書において、ポリプロピレン系樹脂とは、ポリマーの主鎖にプロピレン基の繰返し単位を、50mol%超、60mol%以上、70mol%以上、又は80mol%以上含む樹脂であり、例えば、ポリプロピレン(PP)ホモポリマー、ランダムポリプロピレン(ランダムPP)、ブロックポリプロピレン(ブロックPP)、塩素化ポリプロピレン、酸変性ポリプロピレン、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
ビニル系ポリマーとしては、例えばポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル(PAN)等が挙げられる。
ポリエステルとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
ポリアミドとしては、例えばナイロン(登録商標)6、ナイロンMXD6等のナイロン等が挙げられる。
透明基材樹脂層の厚さは、7μm以上、10μm以上、又は15μm以上であることが、バリア層を良好に保護する観点から好ましく、また55μm以下、50μm以下、又は45μm以下であることが、蓋材としての取り扱い性を向上させる観点から好ましい。
(透明機能層)
透明機能層は、ブリスターパック用蓋材に特定の機能を付与する透明な層であってよい。透明機能層は、熱可塑性樹脂を基礎材料とする層であってよい。かかる透明機能層としては、例えば透明吸収層、透明徐放性層、透明抗菌層等が挙げられる。
透明機能層は、透明機能層を構成する樹脂組成物を、例えばニーダー、バンバリーミキサー、ミキシングロールコニカルミキサー等のバッチ式混練機や、2軸混練機等の連続混練機等を用いて混錬し、次いで混練した樹脂を、インフレーション法、Tダイ法等の押出成形法によりフィルム状に成型することにより製造することができる。透明機能層の片側又は両側に透明スキン層が存在する場合には、多層インフレーション法、又は多層Tダイ法等の共押出法により、製膜と共に透明スキン層との積層をしてもよい。
(透明機能層:透明吸収層)
透明吸収層は、熱可塑性樹脂、及び吸収剤を含有している。この場合、吸収剤は、熱可塑性樹脂中に分散していてよい。この熱可塑性樹脂としては、透明基材樹脂層に関して挙げた熱可塑性樹脂を用いることができ、中でもポリオレフィン系樹脂、特にポリエチレン系樹脂を用いることが、加工性等の観点から好ましい。
透明吸収層は、熱可塑性樹脂、及び吸湿剤を含有している透明吸湿層であってもよく、又は熱可塑性樹脂、及びガス吸収剤を含有している透明ガス吸収層であってもよい。
透明吸湿層を構成する樹脂組成物の、温度190℃かつ荷重21.18Nの条件の下でJIS K7210に準拠して測定した場合のメルトフローレートは、0.3g/10min以上30g/10min以下であることが、Tダイ法又はインフレーション法によるフィルムへの成形が比較的容易とし、それによって、透明蓋材の製造を容易にする観点から好ましい。このメルトフローレートは、0.5g/10min以上、1.0g/10min以上、3.0g/10min以上、又は5.0g/10min以上であってもよく、20g/10min以下、又は15g/10min以下、10g/10min以下、8.0g/10min以下、又は5.0g/10min以下であってもよい。例えば、このメルトフローレートは、0.5g/10min以上10g/10min以下であってもよい。
透明吸湿層を構成する樹脂組成物の、JIS K7136に準拠して吸湿前の100μmの厚みのフィルムにして測定したときのヘイズは、50%以下であることが好ましく、40%以下、30%以下、20%以下、又は15%以下であってもよい。例えば、ヘイズは、3%以上25%以下、又は5%以上20%以下であってもよい。
吸湿剤としては、親水性ゼオライト、シリカゲル等の物理吸湿剤、酸化カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム等の化学吸湿剤等を用いることができる。中でも、親水性ゼオライトを用いることが好ましい。
親水性ゼオライトとしては、例えばA型、X型、又はLSX型のゼオライトを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、また組み合わせて用いてもよい。
吸湿剤として親水性ゼオライトを用いる場合、ゼオライトの平均粒子径D50は、300nm以下であることが、組成物に適度な透明性を与える観点から好ましい。ここで、ゼオライトの平均粒子径D50とは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、無作為に選択した100個の粒子の長軸を測定し、その個数基準の粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。ゼオライトの平均粒子径D50は、250nm以下、200nm以下、150nm以下、又は100nm以下であってよい。ゼオライトの平均粒子径D50は、10nm以上、30nm以上、50nm以上、又は100nm以上であってよい。例えば、ゼオライトの平均粒子径D50は、10nm以上300nm以下、又は100nm超250nm以下であってもよい。
吸湿剤として親水性ゼオライトを用いる場合、ゼオライトの細孔(吸収口)径は、0.3nm以上1nm以下であってよく、0.3nm以上0.5nm以下であってよい。
吸湿剤として親水性ゼオライトを用いる場合、ゼオライト中のSiとAlとの原子比(Si/Al)の値は任意であり、例えば、1以上、2以上、3以上、5以上、10以上、又は15以上であってよく、例えば、80以下、60以下、50以下、40以下、又は30以下であってよい。
本発明で用いられるゼオライトとしては、吸湿性の観点から、親水性であることが好ましく、特にNa−A型ゼオライトを使用することが好ましい。
本発明で用いられるゼオライトは、例えば、特許文献3及び4に記載のような方法によって製造することができる。そのようなゼオライトを、特許文献2に記載のように、かさ密度を調整して用いてもよい。
吸湿剤の含有率は、良好な吸収能力を確保する観点から、吸収層全体の質量を基準として、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、7質量%以上、又は10質量%以上であることが好ましく、また良好な透明性及び製膜性を確保する観点から、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下、又は30質量%以下であることが好ましい。
透明吸湿層は、HLB値が5以下のエステル化合物を更に含有していることが、透明性を良好にする観点から好ましい。ここで、HLB値は、親水性か親油性かを示す指標である。エステル化合物のHLB値が5以下であるということは、該エステル化合物の親油性が高いことを意味し、例えば、消泡剤、又はエマルジョンの乳化剤として使用される領域の数値である。このHLB値は、例えば、4.5以下、4.0以下、又は3.5以下であってよく、例えば、2.0以上、2.5以上、又は3.0以上であってよい。
エステル化合物としては、例えば、多価アルコールと脂肪酸とのモノエステル化合物である。多価アルコールは、例えば、グリセリン、アルキレングリコール等であってよい。脂肪酸は、例えば、炭素数12以上24以下の、飽和又は不飽和の脂肪酸であってよい。
エステル化合物としては、特に、炭素数2以上6以下のアルキレングリコールと炭素数15以上21以下の脂肪酸とのモノエステルであってよい。上記アルキレングリコールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等であってよい。上記と炭素数15以上21以下の脂肪酸は、飽和又は不飽和であってよく、例えば、ステアリン酸、ベヘン酸等であってよい。
エステル化合物は、具体的には例えば、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノベヘネート等であってよい。
透明吸湿層におけるエステル化合物の含有量は、本発明の有利な効果を与えられる範囲であれば特に限定されない。例えば、エステル化合物の含有率は、2.0質量%以上15質量%以下であり、2.5質量%以上、3.0質量%以上、又は5.0質量%以上であってもよく、12質量%以下、10質量%以下、8.0質量%以下、又は6.0質量%以下であってもよい。例えば、エステル化合物の含有量は、2.5質量%以上12質量%以下、又は3.0質量%以上10質量%以下であってもよい。
透明吸湿層は、平均粒子径D50が100nm以下の、Al、Si、Ti、及びZrから選択される1種以上の元素の酸化物(ゼオライトを除く)を含有していてもよく、又は含有していなくてもよい。かかる酸化物の含有率は、例えば5質量%以下、3質量%以下、1質量%以下、又は0質量%であってよい。
(透明易剥離性層)
透明易剥離性層は、ブリスター容器に透明蓋材を接合させた後に、ブリスター容器から界面剥離させること、及び/又は透明易剥離性層を凝集破壊させることによって、透明蓋材の他の層をブリスター容器から分離させて開封することができる層である。
より具体的には、透明易剥離性層は、図2(a)に示すように、ブリスター容器200から透明易剥離性層104を界面剥離させること、及び/又は、図2(b)に示すように、透明易剥離性層104を凝集破壊させることができる層である。透明易剥離性層104は、ブリスター容器200のポケット202に対応するようにして破断される層であってよい。
かかる態様によれば、蓋材の破断による開封が好ましくない形態、例えば内容物に柔らかいゲル状物質の錠剤を封入したブリスターパックを開封する場合、この透明易剥離性層の存在により、蓋材を破断させることなく容易に開封して内容物を取り出すことができる。
透明易剥離性層の好ましい実施態様においては、透明易剥離性層を、ポケットを有するブリスター容器に融着させ、それによってブリスター容器と透明易剥離性層とが接合している接合部、及びブリスター容器のポケットに対応し、かつブリスター容器と透明易剥離性層とが接合していない非接合部を形成し、そして透明蓋材をブリスター容器から剥離させたときに、
(i)図2(a)に関して言及したように、透明易剥離性層からブリスター容器を界面剥離させることができるか、又は
(ii)図2(b)に関して言及したように、透明易剥離性層を凝集剥離させることができる。
特に、上記(ii)の好ましい実施態様においては、接合部において、透明易剥離性層の一部が、ブリスター容器に追従し、かつ非接合部において、透明易剥離性層の全部が蓋材の他の層に追従することができる。この実施態様に関し、図3を参照して説明する。
図3(a)に示すように、ポケット202を有するブリスター容器200を、蓋材100に接合させ、それによってブリスター容器200と易剥離性層104とが接合している接合部104a、及びブリスター容器200のポケット202に対応し、かつブリスター容器200と易剥離性層104とが接合していない非接合部104bを形成し、そして蓋材100を剥離させると、接合部104aに対応する領域において、易剥離性層104が凝集剥離する。
この凝集剥離を実現するために、ブリスター容器と透明易剥離性層との間に更に非接合部104b’を設け、これを剥離きっかけとして用いてもよい。この態様の場合には、剥離面が非接合部104b’と接合部104aとの間の境界に達すると、図3(b)に示すように、透明易剥離性層104に破断部144が形成され、そして接合部104aに対応する領域において、透明易剥離性層104の一部が蓋材100の他の層に追従する一方で、透明易剥離性層104の他の一部がブリスター容器200上に残存するようにして、透明易剥離性層104が凝集剥離する。
透明易剥離性層104を更に凝集剥離させると、やがて剥離面が接合部104aと非接合部104bとの間の境界に達し、そして図3(c)に示すように、透明易剥離性層104に破断部144が形成され、そして非接合部104bにおいて、透明易剥離性層104が蓋材100の他の層に追従して、ブリスターパックを開封することができる。
更に開封を進めると、破断部144がポケット202の反対側の縁に達し、そして図3(d)に示すように、透明易剥離性層104がポケット202に対応して分断される。
特に、蓋材を、ポリ塩化ビニルで構成されている単層のブリスター容器、又は最内樹脂層としてポリ塩化ビニルの層を有するブリスター容器の最内樹脂層と融着させる場合には、透明易剥離性層は、アクリル変性ポリオレフィンを含有していることが、良好な成形性を有するポリ塩化ビニルへの良好な融着性を薄い膜厚により実現させ、その結果、コストダウン及び良好な生産速度をもたらす観点から好ましい。
アクリル成分は、例えば(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチルアクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等、並びにこれらの組合せであってよい。
この場合、透明易剥離性層は、マレイン酸変性ポリオレフィンを含有していることが、透明蓋材の透明易剥離性層を積層させる層、すなわち透明バリア性基材層、透明機能層又は透明スキン層に対する接着性がもたらされ、その結果、透明易剥離性層にこれらの層と透明易剥離性層との層間強度を高め、透明易剥離性層とこれらの層との間での意図しない剥離を抑制する観点から好ましい。マレイン酸変性ポリオレフィンは、一般に、側鎖にマレイン酸がグラフト重合されているポリオレフィンであってよい。
透明易剥離性層は、透明易剥離性層の質量全体を基準として、40質量%以上、45質量%以上、50質量%以上、55質量%以上、60質量%以上、又は65質量%以上であり、かつ90質量%以下、85質量%以下、80質量%以下、又は75質量%以下のアクリル変性ポリオレフィン、及び10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、又は25質量%以上であり、かつ60質量%以下、55質量%以下、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、又は35質量%以下のマレイン酸変性ポリオレフィンを含有していることが、透明蓋材の透明易剥離性層を積層させる層との良好な接着性を実現する観点から好ましい。
また、透明易剥離性層は、上記の蓋材をブリスター容器にヒートシールすることができる随意の材料を用いてもよい。かかる材料は、封止すべき容器の材質によって選択され、例えば、ポリオレフィン系樹脂、酸変性ポリオレフィン、エチレンメタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレンアクリル酸共重合体(EAA)、アイオノマー樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体等の樹脂でよい。これらの樹脂は、例えば、延伸又は無延伸フィルム、押出積層用の溶融樹脂、ホットメルト用の塗料等の形態で与えることができる。
また、透明易剥離性層としては、これらの樹脂で構成されていない、市販のイージーピール樹脂やイージーピールシーラントフィルムを用いてもよい。
透明易剥離性層の厚さは、マレイン酸変性ポリオレフィンを含有していない場合には、例えば5μm以上、7μm以上、10μm以上、15μm以上、20μm以上、30μm以上、又は40μm以上であることができ、また100μm以下、90μm以下、80μm以下、70μm以下、60μm以下、又は50μm以下であることができる。
マレイン酸変性ポリオレフィンを含有している透明易剥離性層の厚さは、0.5μm以上、0.7μm以上、又は1μm以上であることが、製造上の観点から好ましく、また5μm以下、4μm以下、3μm以下、又は2μm以下であることが、透明易剥離性層を破断しやすくする観点から好ましい。
透明易剥離性層は、ドライラミネート法、サンドラミネート法等により、接着層を介して行ってもよく、又はグラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、シルク印刷等の印刷手段により、透明易剥離性層を構成する樹脂組成物を、透明バリア性基材層、透明機能層又は透明スキン層に塗布することにより行ってもよい。
(透明スキン層)
透明スキン層は、透明スキン層用樹脂を含有しており、かつ透明機能層の易剥離性層側の面に存在していることができる層である。透明スキン層は、透明機能層の透明バリア性基材層側の面に更に存在していてもよい。また、透明スキン層は、透明機能層に融着されていてもよい。
特に、透明機能層が特定の物質を含有している場合、透明スキン層は、この特定の物質の脱落や内容物への接触を防止することができる。また、この場合には、透明スキン層は、この特定の物質を含有していない層であってよい。例えば、透明機能層が吸収剤を含有している透明吸収層である場合には、透明スキン層は、吸収剤を含有していない層であってよい。
透明スキン層の厚さは、1μm以上、3μm以上、5μm以上、又は7μm以上であることができ、また50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、又は15μm以下であることができる。透明スキン層が複数存在している場合、各々の透明スキン層の厚さは、同一であっても異なっていてもよい。
(透明スキン層:透明スキン層用樹脂)
透明スキン層用樹脂としては、透明基材樹脂層に関して挙げた熱可塑性樹脂を、単独で又は混合させて用いることができ、中でもポリオレフィン系樹脂、特にポリエチレン系樹脂を用いることが、加工性等の観点から好ましい。透明機能層の両側に透明スキン層が存在している場合、それぞれの透明スキン層を構成する透明スキン層用樹脂は、同一であっても異なっていてもよい。
(他の層)
透明蓋材は、随意の他の層を有していてもよい。他の層としては、例えば各層の間に存在する接着層が挙げられる。
実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
《ブリスターパックの作製》
〈実施例1〉
(透明蓋材の作製)
バリア性透明基材層としての透明シリカ蒸着PETフィルム(GXフィルム、凸版印刷株式会社、厚さ12μm)に、アクリル変性ポリオレフィンを塗布して乾燥させることにより、透明易剥離性層を積層させて、透明蓋材を作製した。
ナイロン(25μm)//アルミニウム箔(40μm)//PVC(60μm)の層構成(ただし、「//」はドライラミネート接着剤を表す)を有するブリスター容器用シートを、プレス機によりこのシートにポケットを形成して、ブリスター容器を作製した。
作製したブリスター容器に、6ポイントのMSゴシック体で「6試験」の文字が付された直径7mm、厚さ3mmの錠剤を入れ、次いで蓋材の透明易剥離性層側とブリスター容器とをヒートシールさせることにより、実施例1の内容物入りブリスターパックを作製した。ヒートシール条件は、ブリスターパック用蓋材側の温度150℃、ブリスター容器用シート側の温度40℃、時間1.5秒、圧力0.2MPaとした。
〈実施例2〉
上記の透明蓋材のバリア性透明基材層と透明易剥離性層との間において、透明吸湿層及び透明スキン層を有する下記で言及する透明吸湿フィルムを、ドライラミネート接着剤を用いて接着させて透明蓋材としたことを除き、実施例1と同様にして、実施例2の内容物入りブリスターパックを作製した。ここで用いる透明吸湿フィルムの製造方法を以下に示す。
Tダイ法による共押出成形にて、透明スキン層、透明吸湿層、及び透明スキン層がこの順で配置されるようにして、2種3層の透明吸湿フィルムを作製した。透明スキン層としては、直鎖状低密度ポリエチレンを用い、吸湿層用樹脂組成物としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA150、三井デュポン・ポリケミカル株式会社)48質量部、Na−A型ゼオライト(平均粒子径D50:50nm)32質量部、及びエステル化合物(HLB値3.0)5質量部を溶融混練して作製した樹脂組成物を用いた。各層の厚さは、透明スキン層10μm、透明吸湿層30μm、透明スキン層10μmとした。
〈比較例1〉
蓋材として、PVCシート対応のPTPアルミニウム箔(株式会社UACJ製箔)を用いたことを除き、実施例1と同様にして、比較例1の内容物入りブリスターパックを作製した。
〈比較例2〉
ブリスター容器用シートとして、GXフィルム(12μm)//PVC(60μm)の層構成を有するブリスター容器用シートを用いたことを除き、比較例1と同様にして、比較例2の内容物入りブリスターパックを作製した。
《評価》
〈視認性〉
内容物入りブリスターパックの外部から、内容物に付された文字を識別できるか否かを評価した。評価基準は以下のとおりである:
〇:内容物に付された文字が識別できた。
×:内容物に付された文字が視認できなかった。
〈バリア性〉
実施例1〜2、及び比較例1〜2で作成したブリスター容器用シートをそれぞれ50mm×50mmにカットし、直径13mmΦのプラグで成形深さ5.25mmのドーム状の成形加工を施し、成形加工した容器内に吸湿剤を入れてそれぞれ蓋材で蓋をしたものを、成形加工後のサンプルとして用意した。
上記のサンプルとは別に、成形加工を施していない実施例1〜2、及び比較例1〜2で作成したブリスター容器用シートと蓋材との間に吸湿剤を挟み込んでシールしたものを、成形加工前のサンプルとして用意した。
成形加工前のサンプル及び成形加工後のサンプルを、温度23℃相対湿度50%RHの環境下に30日間放置し、放置前後の重量変化から透湿度(mあたりに換算)を算出し、これを成形加工前のサンプルと成形加工後のサンプルとで比較し、成形加工前の透湿度に対する成形加工後の透湿度の増加量が50%未満の場合を〇、50%以上の場合を×とした。
実施例及び比較例の構成及び評価結果を表1に示す。
Figure 2020175935
表1から、透明蓋材を有する実施例1及び2の内容物入りブリスターパックは、視認性及びバリア性のいずれも良好であったことが理解できよう。
これに対し、ブリスター容器及び蓋材のいずれも透明ではない比較例1の内容物入りブリスターパックは、視認性が良好ではなかった。また、ブリスター容器に透明バリア性基材層を用いた比較例2の内容物入りブリスターパックは、容器が透明であったことによって、視認性が良好であったものの、バリア性が十分ではなかった。このことは、容器側に透明バリア層を用いると、容器のポケットの形成の際に、バリア層に亀裂が入ること等によって、バリア性が低下したことによると考えられる。
以下では、本発明で用いることができる透明吸湿層及び易剥離性層の例を、参考例を参照して示す。
《参考例A:透明吸湿層の例》
〈製造例〉
熱可塑性樹脂、Na−A型ゼオライト(平均粒子径D50:50nm)、及びエステル化合物(HLB値3.0)を、表2及び表3に記載の配合でバンバリーミキサーを用いて160℃で10分間溶融混練して、各例の樹脂組成物を得た。
〈評価〉
(メルトフローレート)
各例の樹脂組成物を測定可能なサイズにカットした。カットした樹脂組成物について、メルトインデクサ(株式会社テクノ・セブン)を用いて、温度190℃かつ荷重21.18Nの条件の下で、JIS K7210に準拠して、メルトフローレート(MFR)を測定した。
(ヘイズ)
樹脂組成物を所定の重量にカットして、熱プレス成型によって100μmの厚みのフィルムを作製した。ここで、プレスの条件は、温度160℃、圧力40〜60MPa、2分間とした。このようにして得られたフィルムを、50mm四方にカットして、ヘイズ測定器(株式会社村上色彩研究所、HR−100)を用いて、JIS K7105に準拠してヘイズを測定した。なお吸湿後のヘイズについては、上記フィルムを23℃50%の環境下に静置し、吸湿後の重量変化が一定になるまで吸湿させ、その後上記と同じ方法で測定した。
〈結果〉
各例の構成及び評価結果を表2及び表3に示す。
Figure 2020175935
Figure 2020175935
表2を参照すると、ゼオライトの含有量が多くなるに従って、樹脂組成物のメルトフローレートが大きく低下していくことが分かった。この傾向は、参考例A3及びA4でも確認することができる。参考比較例A1では、Tダイ法又はインフレーション法によって成形することが不可能な程度に、メルトフローレートが低下していた。
表3を参照すると、エステル化合物の含有量が少なくなるに従って、樹脂組成物のメルトフローレートが大きく低下し、またヘイズが高くなることが分かった。参考比較例A2では、Tダイ法又はインフレーション法によって成形することが不可能な程度に、メルトフローレートが低下しており、また透明性も低下していた。
《参考例B:易剥離性層の例》
〈ブリスターパック用蓋材の作製〉
(参考例B1)
空冷方式インフレーションによる共押出成形にて、スキン層、機能層としての吸収層、及びスキン層がこの順で配置されるようにして、2種3層の吸収フィルムを作製した。スキン層としては、直鎖状低密度ポリエチレンを用い、吸収層用樹脂としては、親水性ゼオライト及びエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)を溶融混練して作製した樹脂を用いた。各層の厚さは、スキン層10μm、吸収層30μm、スキン層10μmとした。
次いで、作製した吸収フィルムの一方のスキン層の表面の濡れ性を確認し、必要に応じてコロナ処理を施し、そしてこのスキン層側に、基材層としてのPET(12μm)//アルミニウム箔(9μm)の積層体のアルミニウム箔側を、ドライラミネート接着剤を用いて積層させた。
次いで、もう一方のスキン層側に、アクリル変性ポリオレフィン47.8質量部及びマレイン酸変性ポリオレフィン52.2質量部を混合し、これを塗布して乾燥させることにより、易剥離性層を積層させて、参考例B1のブリスターパック用蓋材を作製した。
(参考例B2〜B5及び参考比較例B1)
易剥離性層として、表4に示す構成の易剥離性層を用いたことを除き、参考例B1と同様にして、参考例B2〜B5及び参考比較例B1のブリスターパック用蓋材を作製した。
〈参考比較例B2〉
易剥離性層を積層させなかったことを除き、参考例B1と同様にして、参考比較例B2のブリスターパック用蓋材を作製した。
《評価》
〈剥離試験〉
作製したブリスターパック用蓋材の易剥離性層又はスキン層側を、ナイロン(25μm)//アルミニウム箔(40μm)//PVC(60μm)の層構成を有するブリスター容器用シートのPVC層側にヒートシールさせた。ヒートシール条件は、ブリスターパック用蓋材側の温度150℃、ブリスター容器用シート側の温度40℃、時間3秒、圧力0.2MPaとした。
次いで、ヒートシールさせたブリスターパック用蓋材及びブリスター容器用シートを15mm幅に切り出し、JIS K 6854−3に準拠して、引張試験機を用いて、引張速度300mm/minの条件でT型剥離させ、ヒートシール強さを測定することにより、蓋材の易剥離性を評価した。
〈吸湿試験〉
作製したブリスターパック用蓋材を100mm×100mmに切り出して吸湿試験用サンプルとし、このサンプルの質量を測定した。
上記サンプルを温度60℃、相対湿度100%RHの環境下で6時間暴露した後のサンプルの質量を測定した。
処理前後の質量の差を計算し、得られた質量値を1m当たりの質量に換算した。
評価基準は以下のとおりである:
○:吸湿量が1g/m以上である。
×:吸湿量が1g/m未満である。
結果を表4に示す。
Figure 2020175935
表4から、易剥離性層が、アクリル変性ポリオレフィン及び酸変性ポリオレフィンを含有している参考例B1〜B4のブリスターパック用蓋材は、これらの少なくとも一方を含有していない参考例B5及び参考比較例B1〜B2のブリスターパック用蓋材と比較して、良好なシール強度が得られていることが理解できよう。
同様に表4からは、参考例B1〜B4のブリスターパック用蓋材のいずれも、機能性が損なわれていないことが理解できよう。
100 透明蓋材
102 透明機能層
104 透明易剥離性層
104a 接合部
104b、104b’ 非接合部
106、106’ 透明スキン層
108 透明バリア性基材層
108a 透明バリア層
108b 透明基材樹脂層
144 破断部
200 ブリスター容器
202 ポケット
300 内容物
400 内容物入りブリスターパック

Claims (14)

  1. 内容物、ブリスター容器、及び透明蓋材を有し、
    前記ブリスター容器が、ポケットを有しており、かつ
    前記透明蓋材が、前記ブリスター容器に接着され、それによって、前記ポケット内に内容物が密封されている、
    内容物入りブリスターパック。
  2. 前記ブリスター容器が、不透明バリア層を有する、請求項1に記載の内容物入りブリスターパック。
  3. 前記不透明バリア層が、金属箔層である、請求項2に記載の内容物入りブリスターパック。
  4. 前記透明蓋材が、透明バリア性基材層を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内容物入りブリスターパック。
  5. 前記透明蓋材が、前記透明バリア性基材層よりも前記内容物の側に、透明機能層を有する、請求項4に記載の内容物入りブリスターパック。
  6. 前記透明機能層が、吸収剤を含有している透明吸収層である、請求項5に記載の内容物入りブリスターパック。
  7. 前記透明吸収層が、熱可塑性樹脂、及び吸湿剤を含有している透明吸湿層である、請求項6に記載の内容物入りブリスターパック。
  8. 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂である、請求項7に記載の内容物入りブリスターパック。
  9. 前記吸湿剤が、ゼオライトである、請求項7又は8に記載の内容物入りブリスターパック。
  10. 前記透明吸湿層の前記ゼオライトの平均粒子径D50が、300nm以下である、請求項9に記載の内容物入りブリスターパック。
  11. 前記透明機能層の片側又は両側に、スキン層を有する、請求項5〜10のいずれか一項に記載の内容物入りブリスターパック。
  12. 前記透明蓋材が、前記ブリスター容器に融着されている透明易剥離性層を更に有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の内容物入りブリスターパック。
  13. 前記透明易剥離性層が、アクリル変性ポリオレフィンを含有している、請求項12に記載の内容物入りブリスターパック。
  14. 前記ブリスター容器が、前記透明蓋材の前記透明易剥離性層に融着されているポリ塩化ビニル層を具備している、請求項13に記載の内容物入りブリスターパック。
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