JP2020173348A - 光導波路部品及びその製造方法 - Google Patents

光導波路部品及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ハイブリッド集積に際して、光素子の高効率な光結合を実現し、且つチャネル間クロストークを抑制し得る光導波路部品を提供する。【解決手段】オフセット構造を採用した光導波路部品の平面光波回路は、光素子が搭載される光路変換部40の傾斜溝40aにおけるコア30の側の傾斜面S1の局部をミラー面Mとする入出力部IOを備える。傾斜溝40aは、コア30における光信号の出射方向と交わり、基板の水平方向と垂直な方向に対してコア30よりも深く形成されている。傾斜溝40aには、傾斜面S1の局部のミラー面Mと対向する対向傾斜面S2の側に基板の水平方向におけるオフセット部40bが傾斜溝40aに連通するように設けられる。オフセット部40bを通してミラー面Mに反射膜7を被着させると、反射膜7を精度良く簡便に形成できる。【選択図】図3

Description

本発明は、平面光波回路(Planar Lightwave Circuit:以下、PLCと表記する)等を用いた光導波路部品に関し、詳しくは、光素子の実装に好適な光路変換部を備え、光通信システムに応用可能な光導波路部品及びその製造方法に関する。
近年、光ファイバ伝送技術の普及に伴い、多数の光素子を高密度に集積する技術が求められている。その一つとして、光導波路部品としての石英系のPLCが知られている。PLCは、低損失、高信頼性、高い設計自由度といった優れた特徴を有する導波路型光デバイスである。実際に、光通信伝送端における伝送装置には、合分波器、分岐・結合器等の機能を集積したPLCが搭載されている。
また、伝送装置内には、PLC以外の光デバイスとして、光と電気信号とを変換するフォトダイオード(Photo Diode:以下、PDと表記する)、レーザーダイオード(Laser Diode:以下、LDと表記する)等の光素子も搭載されている。さらに、通信容量の拡大に向けて、光信号の処理を行うPLC等の光導波路と、光電変換を行うPD等の光デバイスと、を集積した高機能な光電子集積型デバイスが求められている。
このような光電子集積型デバイスのプラットフォームとして、PLCは有望である。その周知技術には、PD及びPLCのチップをハイブリッドに集積した「光導波路部品およびその作製方法」(特許文献1参照)が挙げられる。
特開2005−70365号公報
この特許文献1では、光導波路の一部の領域に光路変換部としての45度ミラーを設け、その光導波路上にPDを実装している。これにより、光導波路を伝搬する光を45度ミラーで垂直に光路変換し、PDとの光結合を行う技術を開示している。
こうしたPLC上に光結合用の光路変換部、PD等の光素子を実装する光電子集積型デバイスでは、小型化、回路設計の自由度の面で利点がある。さらに、近年では、通信容量を一層拡大させるため、光信号の合分波機能を持たせたPLCにおいて、アレイ化した複数の光素子を低損失となるように結合し、多チャネル(ch)化し得る機能が光電子集積型デバイスに求められている。
上述した特許文献1の光電子集積型デバイスとなる光導波路部品において、例えばPLCから光路変換部で光路変換した光を出射する場合を仮定する。この場合、光の通り路となるコアから漏れてクラッドを伝搬する光がチャネル間クロストークを引き起こす。こうした光(以下、迷光と表記する)は、基本的に光路変換部で光路変換されることを避ける必要がある。
そこで、迷光を対策するための技術も考慮されている。例えば、光路変換部付近のPLCにおける光導波路の表面に信号光以外の反射光を妨げる遮光板を設ける場合が挙げられる。また、図1は、周知の光電子集積型デバイスとなる光導波路部品としての迷光対策構造を採用したPLC10Aを例示した斜視図(公然周知に係る発明でないが、当業者が容易に着想し得る構造)である。
図1を参照すれば、PLC10Aは、シリコン、二酸化シリコン等による基板(ウェハ)1の上面を、二酸化シリコン等による薄膜で覆って光導波路2を形成して構成される。光導波路2は、基板1の表面上にアンダークラッド2a、コア3、及びオーバークラッド2bの薄膜を、この順で堆積して形成される。光導波路2において、アンダークラッド2a及びオーバークラッド2bは、合わせてコア3を覆うクラッドとみなすことができる。汎用例として、アンダークラッド2a及びオーバークラッド2bの膜厚を約20μmとした場合、それらの間のコア3の膜厚は、約3〜10μmの範囲で選定する。
このPLC10Aでは、さらに、迷光対策構造として、光路変換部4付近における略S字型のコア3の直線状に延びる部分の周囲に対し、複数(図1中では総計5個)の遮光部5を並設している。これらの遮光部5は、複数の遮光溝を光導波路2のオーバークラッド2bに対して形成した後、各遮光溝内に遮光材を充填して形成される。図1に示すPLC10Aでは、手前側に示される短辺の端面をコア3の光入力用とした場合、光導波路2のコア3の出射側に光路変換部4が形成される。
細部構成を説明すれば、図1の迷光対策構造の場合には、各遮光部5は、4チャネル分のコア3の上述した直線状に延びる部分の両側にそれぞれ配置されている。このような配置により、コア3を伝播する光が光路変換部4で反射されて光路変換される際の信号光以外の反射光を妨げることができる。因みに、光路変換部4は、光導波路2に形成された専用の傾斜溝の傾斜面におけるミラー面とする箇所に対し、アルミニウム膜等の金属の反射膜を被着することによって、形成される。
ところが、このような迷光対策構造の場合、遮光部5を作成するためには、別途に専用の遮光溝を設け、遮光溝に遮光材を充填する必要がある。このため、製造プロセス上、煩雑な工程になることを回避できない上、そのためのスペース確保が必要となってしまう。こうした構成によれば、光電子集積型デバイスに要求される小型化、実装の簡便化を困難にしてしまう。
さらに、別例として、迷光除去用の専用のミラーを設けて迷光を空間に出射するようにし、迷光をPLCにおける光導波路の面内から除去する構成も考えられる。
しかしながら、係る構成を適用すると、空間に出射された迷光が信号光に混合する可能性があるため、基本的にクロストークの発生を回避するための好適な手法とは云えない。
要するに、周知の光導波路部品において、PLCをプラットフォームとした光素子とのハイブリッド集積を行う場合、現状では、要求される事項の具現化が困難になっている。その要求される事項とは、実装される光素子の高効率な光結合を実現し、且つチャネル間クロストークを抑制できる機能である。
本発明は、このような問題点を解決すべくなされたものである。その技術的課題は、ハイブリッド集積に際して、光素子の高効率な光結合を実現し、且つチャネル間クロストークを抑制し得る光導波路部品及びその精度良く簡便な製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一実施態様は、基板の上面に設けられ、コア及び当該コアを覆うクラッドを含む光導波路と、光導波路の一部に形成され、実装される光素子との間で光信号を光路変換して入出力する光路変換部と、を備える光導波路部品であって、光路変換部は、コアにおける光信号の出射方向と交わり、基板の水平方向と垂直な方向に対して当該コアよりも深く形成された傾斜溝における当該コアの側の傾斜面の局部をミラー面とする入出力部を備え、傾斜溝には、ミラー面と対向する対向傾斜面の側に基板の水平方向におけるオフセット部が傾斜溝に連通するように設けられ、オフセット部は、ミラー面と交わるコアの延長線上の対向傾斜面を超える領域と当該ミラー面との距離が、当該対向傾斜面を超える領域以外の領域と当該ミラー面との距離よりも長くなるように形成されたことを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明の他の実施態様は、基板の上面に設けられ、コア及び当該コアを覆うクラッドを含む光導波路と、光導波路の一部に形成され、実装される光素子との間で光信号を光路変換して入出力する光路変換部と、を備える光導波路部品の製造方法であって、光導波路に対し、コアにおける光信号の出射方向と交わり、基板の水平方向と垂直な方向に対して当該コアよりも深く傾斜溝を形成し、当該傾斜溝における当該コアの側の傾斜面の局部をミラー面とする入出力部を備えるように、光路変換部を形成する光路変換部形成工程と、光導波路に対し、傾斜溝のミラー面と対向する対向傾斜面の側に溝を設け、基板の水平方向におけるオフセット部を当該傾斜溝に連通するように形成するオフセット部形成工程と、を有し、オフセット部形成工程では、ミラー面と交わるコアの延長線上の対向傾斜面を超える領域と当該ミラー面との距離が、当該対向傾斜面を超える領域以外の領域と当該ミラー面との距離よりも長くなるように、当該オフセット部を形成することを特徴とする。
本発明によれば、上記構成により、ハイブリッド集積に際して、光素子の高効率な光結合を実現し、且つチャネル間クロストークを抑制し得る光導波路部品が得られる。また、上記方法のプロセスにより、係る光導波路部品が精度良く簡便に作製される。
周知の光電子集積型デバイスとなる光導波路部品としての迷光対策構造を採用したPLCを例示した斜視図である。 本発明の実施形態1に係る光電子集積型デバイスとなる光導波路部品としてのオフセット構造を採用したPLCを、実装される光素子のPDを含めて示す斜視図である。 図2に示すPLCに備えられる光路変換部の基本構造を一部破断・透視して示す拡大斜視図である。 実施形態1に係るPLCを製造する工程を段階別に示したフローチャートである。 図4中の反射膜形成工程の後のPLCの要部となる光路変換部の様子を一部破断・透視して示した拡大斜視図である。 実施形態1に係るPLCの光導波路のコアの特定のチャネルにのみ、光を入力した際のPDの受光強度をチャネル毎に測定した結果を示す特性図である。 比較例に係るPLCの光導波路のコアの特定のチャネルにのみ、光を入力した際のPDの受光強度をチャネル毎に測定した結果を示す特性図である。 本発明の実施形態2に係る光電子集積型デバイスとなる光導波路部品としてのオフセット構造を採用したPLCを、実装される光素子のPDを含めて示す斜視図である。 実施形態2に係るPLCを製造する工程を段階別に示したフローチャートである。 図9中の反射膜形成工程の後のPLCの要部となる光路変換部の様子を一部破断・透視して示した拡大斜視図である。 実施形態2に係るPLCの光導波路のコアの特定のチャネルにのみ、光を入力した際のPDの受光強度をチャネル毎に測定した結果を示す特性図である。
以下、本発明の光導波路部品及びその製造方法について、幾つかの実施形態を挙げ、図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1)
図2は、本発明の実施形態1に係る光電子集積型デバイスとなる光導波路部品としてのオフセット構造を採用したPLC10Bを、実装される光素子のPD6を含めて示す斜視図である。また、図3は、このPLC10Bに備えられる光路変換部40の基本構造を一部破断・透視して示す拡大斜視図である。
図2を参照すれば、このPLC10Bは、図1に示したPLC10Aと比べ、コア30を8チャネル分として増設した点と、光導波路20の一部に形成される光路変換部40にオフセット構造を採用した点と、が相違している。この上で、複数の受光部Rが並設された光素子である複数チャネルの面型の高速PD6が光導波路20の光路変換部40に搭載され、光電子集積型デバイスとして構成される。
PLC10B自体は、シリコン、二酸化シリコン等による基板(ウェハ)1の上面を、アンダークラッド20a、コア30、及びオーバークラッド20bの薄膜で覆い、光導波路20を形成して構成される。図2に示すPLC10Bについても、手前側の短辺の端面をコア30の光の入力用とした場合、光導波路20のコア30の出射側に光路変換部40が形成される。尚、以下はPLC10Bの各部について、基板1の水平方向において、長辺の方向を長さ、短辺の方向を幅として説明する。
さらに、図3を参照すれば、光導波路20には、光路変換部40の形成用に傾斜溝40aが形成されている。光路変換部40は、傾斜溝40aにおけるコア30の側の傾斜面S1の局部をミラー面Mとする入出力部IOを備える。ここで、傾斜溝40aは、コア30における光信号の出射方向と交わり、基板1の水平方向と垂直な方向に対してコア30よりも深く形成されている。また、傾斜溝40aには、傾斜面S1の局部のミラー面Mと対向する対向傾斜面S2の側に基板1の水平方向におけるオフセット部40bが傾斜溝40aに連通するように設けられている。このオフセット部40bは、コア30の8チャネル分に対応して8個分設けられる。
即ち、PLC10Bでは、基板1の水平方向を基準として、光路変換部40の形成用の傾斜溝40aが予め設定された角度の傾斜面S1と、これに対向する同角度の対向傾斜面S2と、を有する。ここで設定される角度は、通常30〜60度の範囲から選定される。傾斜溝40aのコア30における光信号の出射方向と交わる傾斜面S1のコア30の側の局部をミラー面Mとし、このミラー面Mに形成された反射膜7で光路変換を行う。係る構成は、光導波路20に形成される光路変換部40の入出力部IOにおいて、入出力光を反射する傾斜面S1の局部の領域にのみ、反射膜7が設けられることを示す。また、ミラー面Mと対向する対向傾斜面S2の側には、オフセット部40bが傾斜溝40aと連通して形成されている。
オフセット部40bは、ミラー面Mと交わるコア30の延長線上の対向傾斜面S2を超える領域とミラー面Mとの距離が、対向傾斜面S2を超える領域以外の領域とミラー面Mとの距離よりも長くなるように形成されている。この規定は、後文で説明するように、オフセット部40bの形成により、反射膜7の形成を精度良く簡便に可能とするためである。因みに、オフセット部40bのミラー面Mと交わるコア30の延長線と直交する方向の溝幅Wbは、ミラー面Mに投影されるコア30を伝搬する光のモードフィールドの2倍以上とされる。
加えて、ミラー面Mに形成される反射膜7は、ミラー面Mに投影されるコア30を伝搬する光の、基板1の水平方向及び水平方向と垂直な方向のモードフィールドの2倍以上の幅及び高さを有する。このような構成上の設定を満たした上、傾斜溝40aには、赤外領域で透明な樹脂が充填される。オフセット部40bの形成用に規定される距離、オフセット部40bの溝幅Wb、反射膜7のサイズ、及び傾斜溝40aに充填される樹脂は、反射膜7の形成を精度良く容易にし、且つ迷光対策を充分とするために有効となる。
係る構成の光導波路部品としてのPLC10Bでは、コア30に入力された光信号が光路変換部40における入出力部IOのミラー面Mの反射膜7で跳ね上げられた後、PD6に入射される。そこで、PD6において、受光強度の検出結果に基づいて、チャネル間のクロストークを求めれば、オフセット構造による迷光対策の性能を評価できる。評価結果は、PLC10Bの場合、光信号の入出力を行うことで、迷光がミラー面Mの反射膜7で反射されることなく、光信号のみがミラー面Mの反射膜7で反射され、迷光によるクロストークを抑制できることを示した。この具体例は、後文で説明する。
一例として、PLC10Bの基板1の上面の光導波路20に対し、基板1の水平方向と垂直な方向に光路変換部40で光路変換する角度45度のミラー面Mを形成し、光導波路20を伝搬する光をミラー面Mで跳ね上げたと想定する。この場合、オーバークラッド20bの基板1の水平方向と垂直な方向におけるビーム中心とミラー面Mの端との距離が丁度20μmとなる。このビームを効率的に反射させるため、ミラー面Mに反射膜7を形成するための光導波路20の断面方向から見たサイズについて、その際のビーム径に着目する。このビーム径は、ガウシアンビームを想定した際、ビーム強度分布の1/e2の強度となる全幅を示す。そこで、係るビーム径に対し、反射膜7のサイズとして、基板1の水平方向及び水平方向と垂直な方向でその2倍以上の幅及び高さとすることが望ましい。
一般に、ビーム径は10μm程度であるから、反射膜7の幅及び高さの目安は20μm以上となる。このビーム径は、上述したコア30を伝搬する光の基板1の水平方向とそれと垂直な方向とにおけるモードフィールドを示すことに他ならない。通常、傾斜溝40aのミラー面Mに反射膜7を形成するためには、傾斜溝40aのミラー面Mを有する傾斜面S1に対して、斜めに蒸着、スパッタリング等を適用する手法が挙げられる。
さらに、反射領域のみに反射膜7を設けるためには、蒸着、スパッタリング等を適用する際に、不要な領域をカバーする遮蔽マスクを設置した上で、反射膜7を形成する必要がある。反射膜7が必要な領域は、上述したように数10μmの領域であるが、遮蔽マスクを搭載する作業の誤差も10μm程度を見込む必要がある。このため、遮蔽マスクの透過領域を大きくする必要があり、その結果として、反射領域が広くなることにより、迷光が反射膜7で反射され易くなってしまう。こうした場合には、クロストークが発生する。
また、遮蔽マスクを設置する作業自体も煩雑であり、PLC作製効率を劣化させてしまう。因みに、図1を参照して説明した遮光部5を設ける迷光対策構造では、遮光材が充填される遮光溝の境界面での反射によりPLC10Aにおける光導波路2の面内に迷光が残ってしまう問題があった。また、光路変換部4のミラー面の手前に遮光溝を設けるための追加のスペースが必要となってしまうという問題等もあった。
これに対し、実施形態1に係るPLC10Bの場合には、光変換部40を工夫し、オフセット構造を持たせている。即ち、この光変換部40では、傾斜溝40aの傾斜面S1のコア30の側の局部をミラー面Mとし、このミラー面Mにのみ、反射膜7を形成している。また、ミラー面Mと対向する対向傾斜面S2の側に傾斜溝40aと連通するオフセット部40bを形成している。このように、傾斜溝40aと連通するオフセット部40bが存在すれば、反射膜7を形成し易くなる。
具体的に云えば、オフセット部40が形成される対向傾斜面S2の方が、ミラー面Mが形成される傾斜面S1と比べ、蒸着、スパッタリング等を行う方向へ、斜めにターゲットを設置した際の開口部が広くなる。このため、設置角度的に傾斜面S1に対して反射膜7を形成し易くなり、主にその上部領域を対象として反射膜7が形成されることになる。オフセット部40bの存在する対向傾斜面S2では、反射膜7を被着させるときにオフセット部40bが金属のガスの抜け路となり、反射膜7が形成され難くなる。
この後、基板1の水平方向と垂直な上面方向からミリング、エッチング等で、傾斜面S1及び対向傾斜面S2の領域に付着した余分な反射膜7を除去する際、傾斜面S1の上部領域に付着した部分の深さまでエッチングする。これにより、オフセット部40bに対向するミラー面Mにのみ、反射膜7を形成できる。但し、傾斜面S1のミラー面Mへの反射膜7の形成に際して、対向傾斜面S2には、殆ど反射膜7が形成されない。
ところで、余分な反射膜7をPLC10Bの基板1の上面方向からミリング、エッチング等により落とす工程は、斜めに蒸着する際には元来存在する工程であるため、追加工程にはならない。このようなPLC10Bの作製手順を採用することにより、遮蔽マスクを設置するといった煩雑な工程を要することなく、必要な領域にのみ、高精度に反射膜7を形成することができる。
尚、PLC10Bの作製において、エッチングにより、コア30よりも深い傾斜溝40aを形成する際、エッチング時の開口が小さいとエッチングレートが下がり、効率的な加工が難しくなる。この点については、仮にオフセット部40bの溝のみを形成した構造を想定した場合についても同様である。エッチングレートの効率を考慮すれば、或る程度の開口を有する設計が必要となる。
そこで、PLC10Bのように、傾斜溝40a及びオフセット部40bのための専用の溝の両方を光導波路20に設ければ、エッチングレートの効率が高められる。これにより、傾斜面S1の局部のミラー面Mに反射膜7を精度良く形成することができる。オフセット部40bの溝幅Wbは、反射膜7の幅以上であって、上述したようにミラー面Mに投影されるコア30を伝搬する光のモードフィールドの2倍以上であることが望ましい。
また、基板1の水平方向と垂直な方向の傾斜溝40aの深さとオフセット部40bの溝の深さDとは、ほぼ同じにして良く、設定した反射膜7の高さ以上とすることが望ましい。さらに、傾斜溝40aの溝幅Waは、基板1の水平方向と垂直な方向のミラー面Mの深さより大きくすることが望ましい。尚、図3中に示されるオフセット部40bの溝長Lbの具体例については、傾斜溝40aの溝長Laと共に、後文で説明する。
このように、PLC10Bでは、傾斜溝40aのミラー面Mと対向する対向傾斜面S2の側に設けたオフセット部40bを用いることにより、ミラー面Mへの反射膜7を形成する領域を簡易に精度良く限定することが可能となる。この結果、係る反射膜7を有する光路変換部40を備えた光導波路20に光素子をハイブリッド集積した際、PLC10B及び光素子間の光信号の入出力を低クロストークで光結合可能となる。
以下は、PLC10Bの製造方法について、石英系のPLC10Bのシリコンによる基板1の上面に形成された光導波路20を改良した場合についての具体例を説明する。前提事項として、光導波路20は、サイズが溝幅Wa、Wbの方向を示す縦5mm、溝長Lbの方向を示す横10mmで、コア30の径が3.5μmとする。また、コア30の光導波路20の上面からみたオーバークラッド20bの膜厚が16.5μm、コア30の下面のアンダークラッド20aの膜厚が20μmとする。さらに、コア30とアンダークラッド20a、オーバークラッド20bとの屈折率差を2.5%とする。尚、PLC10Bの製造工程に依らず、適宜全体をチップと呼ぶ。
その他、PLC10Bの光入力は、チップの一短辺側となる光導波路20の端面のコア30から行い、光路変換部40をチップの対向する他の短辺側となる光導波路20の端面に近い位置に形成する。コア30は、8チャネル用として、250μmピッチで設けられ、それぞれ光入力部から光路変換部40に至るまでの間に略S字型の導波路構造となっている。因みに、コア30の光路変換部40付近は、直線状に延びる部分となっている。
PLC10Bの製造工程について、基板1の上面に光導波路20を形成する迄の工程は、周知技術を種々適用することができる上、本発明の特徴箇所でないため、説明を省略する。
図4は、実施形態1に係るPLC10Bを製造する工程を段階別に示したフローチャートである。
図4を参照すれば、PLC10Bの製造工程では、まず、光路変換部・オフセット部の設計工程(ステップS401)を実施する。この工程では、光路変換部40の傾斜溝40bをミラーとして機能させるための光のモードフィールド、ミラー角度、溝長La、溝幅Wa等を設定する他、ミラー面Mに反射膜7を形成する際の傾斜設置角を確定する。また、合わせて、オフセット部40bの形成に際しての溝幅Wb、溝長Lb、深さD等を確定する。
次に、光路変換部・オフセット部の形成工程(ステップS402)を実施する。この工程では、設計内容に従って、光導波路20に対し、光路変換部40を形成するための傾斜溝40aを形成する。即ち、光路変換部40の形成に際しては、コア30における光信号の出射方向と交わり、基板1の水平方向と垂直な方向に対してコア30よりも深くなるように、傾斜面S1及び対向傾斜面S2を有する傾斜溝40aを形成する。そして、傾斜溝40aにおけるコア30の側の傾斜面S1の局部をミラー面Mとする入出力部IOを光路変換部40が備えるようにする。このとき、基板1の水平方向で規定される水平面に対する傾斜面S1の角度をミラー角度とすれば良く、ここでは角度45度のミラー面Mを形成する。
例えば、傾斜面S1及び対向傾斜面S2を有する傾斜溝40aの形成には、特開2012−42515号公報に開示された技術を適用し、ドライエッチングにより深さがコア30よりも深くなるようにする。因みに、傾斜溝40aの傾斜面S1及び対向傾斜面S2の形成は、本発明の作用効果に直接寄与するものではないが、ドライエッチングにより作製すれば、高精度且つ自由度の高いミラーレイアウトが可能となる。傾斜溝40aが溝幅Waを有することは、上記した通りである。
同時に、光導波路20に対し、傾斜溝40aに連通するようにオフセット部40bを形成する。オフセット部40bの形成に際しては、傾斜溝40aのミラー面Mと対向する対向傾斜面S2の側に専用の溝を設け、この溝が基板1の水平方向におけるオフセット部40bとなるようにする。オフセット部40bの溝は、コア30の延長線上の領域で溝長Lbが溝幅Wbよりも大となるように設けられる。
オフセット部40bは、上述した通り、ミラー面Mと交わるコア30の延長線上の対向傾斜面S2を超える領域とミラー面Mとの距離が、対向傾斜面S2を超える領域以外の領域とミラー面Mとの距離よりも長くなるように形成する。そして、オフセット部40bのミラー面Mと交わるコア30の延長線と直交する方向における溝幅Wbは、ミラー面Mに投影されるコア30を伝搬する光のモードフィールドの2倍以上とする。
傾斜溝40a及びオフセット部40bのサイズについて、傾斜溝40aの溝幅Waを2000μmとし、同じ方向のオフセット部40bの溝幅Wbを25μmとした。また、コア30の延長線上のオフセット部40bの溝長Lbを250μmとし、同じ方向の傾斜溝40aの溝長Laを50μmとした。光路変換部40a及びオフセット部40bの形成は、同時に行うのが一般的であるが、別々に行うことも可能である。
さらに、反射膜形成工程(ステップS403)を実施する。この工程では、ミラー面Mに交わるコア30の入出力部IOにおける光信号の入出力方向と、基板1の水平方向で規定される水平面とが成す角度を基準とする。そして、その角度からオフセット部40bを通して、ミラー面Mを標的として傾斜面S1に対して反射膜7を形成する。このとき、係る角度にチップを傾けた状態とし、その傾斜設置角を保持し、オフセット部40bを通して傾斜面S1に対して反射膜7を形成すれば良い。
このように、設定した角度の方向からオフセット部40bを通して傾斜面S1に対し、蒸着、スパッタリング等により、金、アルミニウム等の金属を被着させ、ミラー面Mに反射膜7を形成する。この反射膜7は、コア30の傾斜面S1の側の入出力部IOにおいて入出射されるビームを光路変換するためのミラーとして機能させるために形成する。ここでは、角度45度の傾斜面S1に対して反射膜7が形成されるものとする。
具体的に云えば、蒸着源又はスパッタリングターゲットに対して、チップを基板1の水平面に対し、それと垂直な方向である溝の深さD方向へ角度8度で傾斜させる設定を例示できる。この設定において、チップの短辺側の傾斜された角度8度の方向からオフセット部4bを通して傾斜面S1に反射膜7を形成すると、それ以外の領域にはコア30より浅い深さにのみ、反射膜7が形成される。そして、チップを基板1の水平方向と垂直な上面の方向からArビームによるミリングを行うことで光導波路20の表面を削り、傾斜溝40aの傾斜面S1及び対向傾斜面S2の領域に形成された反射膜7の余分箇所を除去する。
図5は、図4中の反射膜形成工程(ステップS403)の後のPLC10Bの要部となる光路変換部40の様子を一部破断・透視して示した拡大斜視図である。図5を参照すれば、ここでは、反射膜形成工程(ステップS403)の後、傾斜面S1の上部領域に反射膜7の余分箇所が残っている様子を示している。
そこで、傾斜面S1の上部領域に形成された反射膜7の余分箇所について、チップへの基板1の水平方向と垂直な上面の方向からミリングにより、その部分の深さまで除去する。これにより、オフセット部40bに対向するミラー面Mにのみ、反射膜7が形成されることになる。尚、図5中には、反射膜形成工程(ステップS403)で設定するチップを傾斜させる角度θ=8°を示している。この角度θは、上述した傾斜設置角であるが、反射膜7の被着方向Vを示すものとみなせる。因みに、反射膜7の形成に際して、対向傾斜面S2にも成膜される可能性はあるが、実際には殆ど形成されない。仮に薄膜程度が成膜されたとしても、後述する仕上げ工程を実施することによって、余分箇所は十分に除去することができる。
要するに、反射膜形成工程(ステップS403)では、傾斜溝40aの傾斜面S1への反射膜7の形成後に、仕上げ工程を実施する。この仕上げ工程では、チップの上面の方向から光導波路20の表面を削り、傾斜溝40aの表面に形成された反射膜7の余分箇所を除去する。但し、実施形態1の場合には、反射膜7の余分箇所の殆どが傾斜面S1の上部領域に存在することになる。これにより、ミラー面Mに投影されるコア30を伝搬する光の、基板1の水平方向及び水平方向と垂直な方向のモードフィールドの2倍以上の幅及び高さを有するように、反射膜7を形成する。
最後に、樹脂充填工程(ステップS404)では、反射膜7の形成後の傾斜溝40aに対し、赤外領域で透明な樹脂を充填する。
このようにして、作製されたPLC10Bへの受光径50μmの面型PD6の実装時には、光路変換部40から基板1の水平方向と垂直な方向に出射されるビームの中心とPD6との受光中心が一致するように配置される。また、オーバークラッド20bの上面を基準として、5μmの高さがPD6の受光部Rの受光面となるように、PLC10Bの光路変換部40にPD6が搭載される。因みに、樹脂充填工程(ステップS404)で傾斜溝40aに充填される樹脂は、PD6を固定する役割を担う。
そこで、PLC10Bの光導波路20のコア30に対し、波長1.55μの光を光ファイバで入力し、PD6の受光強度をチャネル毎に測定し、プロットした結果を調べた。図6は、PLC10Bの光導波路20のコア30の特定のチャネル5にのみ、光を入力した際のPD6の受光強度をチャネル毎に測定した結果を示す特性図である。
図6を参照すれば、コア30のチャネル5にのみ、波長1.55μmの光を入力した際の受光強度は、それ以外のチャネルの受光強度と比べると、38dBm以上の高い受光強度が確保されていることが判る。これは、実施形態1に係るPLC10Bのように、傾斜面S1の必要な領域にのみ、反射膜7を簡便に形成できた成果であると考察される。係る構成により、光路変換部40の反射膜7で基板1の上面方向に反射される迷光を抑制することができる。
また、傾斜溝40aが透明な樹脂で充填されていることにより、光導波路20の水平方向における面内の迷光は、傾斜溝40aで基板1の上面側に反射されることなく通過する。このような結果として、PLC10B及びPD6間のクロストークを抑制することが可能となる。
これに対し、比較例として、オフセット部40bを持たない直線型ミラーによる光路変換部を有する光導波路部品としてのPLCを作製し、そのPLCの光路変換部にPD6を搭載した。図7は、比較例に係るPLCの光導波路20のコア30の特定のチャネル5にのみ、光を入力した際のPD6の受光強度をチャネル毎に測定した結果を示す特性図である。
図7を参照すれば、コア30のチャネル5にのみ、波長1.55μmの光を入力した際、光を入力していないそれ以外のチャネルの受光強度は、図6の特性と比べると、全体的に増加しており、クロストークの発生が予測される。特にチャネル5に隣接するチャネル4、チャネル6の受光強度が増加し、30dBm程度の受光強度となっていることが判る。これは、迷光が基板1の上面側に反射され、クロストークを引き起こしている結果であると考察される。
以上に説明した図6及び図7の特性対比により、実施形態1に係るPLC10Bにおけるクロストーク向上の効果を確認できた。即ち、実施形態1に係るPLC10Bのようなオフセット構造を採用し、作製した反射膜7を有する光路変換部40を備えた光導波路部品を用いれば、従来に無い低クロストーク特性を有する光デバイスを提供できる。
結果として、実施形態1に係る光導波路部品は、ハイブリッド集積に際して、光素子の高効率な光結合を実現し、且つチャネル間クロストークを抑制し得る。また、その製造方法では、係る性能の光導波路部品を精度良く簡便に作製することができる。
(実施形態2)
図8は、本発明の実施形態2に係る光電子集積型デバイスとなる光導波路部品としてのオフセット構造を採用したPLC10Cを、実装される光素子のPD6´を含めて示す斜視図である。尚、実施形態2に係るPLC10Cにおいて、実施形態1に係るPLC10Bと同様な構成部分には、同じ参照符号を付して説明を簡略し、主に相違する部分について説明する。
図8を参照すれば、実施形態2に係るPLC10Cは、実施形態1に係るPLC10Bと比べ、光路変換部40´の細部構造が相違している。即ち、光路変換部40´のオフセット部40b´は、ミラー面Mと交わるコア30の延長線上の対向傾斜面S2の側で壁面を欠くように形成されている。
このような構成とするため、PLC10Cのチップの光路変換部40´付近の短辺の端面側が切断された切断面Cとなっている。この切断面Cに対向する光導波路20´の短辺の端面に存在するコア30が光の入力用とされる。このため、PLC10Cのチップは、PLC10Bのチップと比べ、長辺方向のサイズが予め切断部分を見込んで若干大きくなっている。
また、図8のPLC10Cにおいても、手前側の短辺の端面をコア30の光の入力用とした場合、光導波路20´のコア30の出射側に光路変換部40´が形成される。さらに、光路変換部40´に搭載されるPD6´は、PD6と比べ、受光径が相違している。それ以外の各部構成、並びにそれらの構成部分への設定要件は、PLC10Bの場合と同様になっている。
図9は、実施形態2に係るPLC10Cを製造する工程を段階別に示したフローチャートである。
図9を参照すれば、PLC10Cの製造工程では、まず、実施形態1の場合と同様に、光路変換部・オフセット部の設計工程(ステップS901)を実施する。ここでも、光路変換部の傾斜溝40bをミラーとして機能させるための各種設定を行う他、オフセット部の形成に際してのサイズを確定する。但し、ミラー面Mに反射膜7を形成する際の傾斜設置角は不要となる。これについては後文で説明する。
次に、光路変換部・オフセット部の形成工程(ステップS902)を実施する。ここでも、設計内容に従って、PLC10Bの場合と同様に、光導波路に対し、光路変換部を形成するための傾斜溝40aを形成する。この光路変換部の形成時の構成的な要件は、PLC10Bの場合と同様であり、ここでも角度45度のミラー面Mを形成するものとする。
同時に、光導波路に対し、傾斜溝40aに連通するようにオフセット部を形成する。オフセット部の形成時の構成的な要件についても、PLC10Bの場合と同様である。
但し、この光路変換部・オフセット部の形成工程(ステップS902)は、オフセット部の形成後のチップを基板の水平方向と垂直な方向に切断する切断工程を含んでいる。この切断工程は、PLC10Cの表面から見てチップを基板の水平方向と垂直な方向でダイシング、劈開等で切断するものである。この切断工程を実施することにより、コア30の延長線上の対向傾斜面S2の側で壁面を欠くようにオフセット部40b´が形成される。図8に示した基板1´、光導波路20´、及びオフセット部40b´が形成された光路変換部40´は、係る切断工程を実施して作製されたものである。
さらに、反射膜形成工程(ステップS903)において、切断工程でのオフセット部40b´の切断面Cを基準とし、その切断面Cからオフセット部40b´を通してミラー面Mを標的として傾斜面S1に対して反射膜7を形成する。具体的に云えば、切断面Cと垂直な方向からオフセット部40b´を通して傾斜面S1に対し、蒸着、スパッタリング等により金、アルミニウム等の金属を被着させ、ミラー面Mに反射膜7を形成する。ここでは、切断面Cが基板1´の水平面と垂直な方向となっており、オフセット部40b´を露呈させているため、チップを傾斜させる必要がない。この反射膜7についても、コア30の傾斜面S1の側の入出力部IOにおいて入出射されるビームを光路変換するためのミラーとして機能させるために形成する。
図10は、上述した反射膜形成工程(ステップS903)の後のPLC10Cの要部となる光路変換部40´の様子を一部破断・透視して示した拡大斜視図である。図10を参照すれば、ここでは、コア30の延長線上の対向傾斜面S2の側で壁面を欠くオフセット部40b´の溝が形成され、これらのオフセット部40b´を通して反射膜7の被着方向Vで傾斜面S1に金属が被着された様子を示している。この結果、オフセット部40b´と対向する傾斜面S1のみに反射膜7が形成された状態を示している。
この反射膜形成工程(ステップS903)においても、傾斜溝40aの傾斜面S1への反射膜7の形成後に、仕上げ工程を実施することが好ましい。仕上げ工程では、チップの上面の方向から傾斜溝40aの表面に形成された反射膜7の余分箇所を削って除去する。オフセット部40b´の存在する対向傾斜面S2には、コア30の延長線上で壁面を持たないオフセット部40b´が反射膜7の形成用の金属ガスに対する効率高い抜け路となるため、反射膜7が一層形成され難くなる。
このように、実施形態2の場合には、反射膜7の形成時に余分箇所が殆ど存在しなくなるが、若干薄膜が成膜される可能性を完全には排除できない。このため、それを除去するために仕上げ工程の実施が有効となる。これにより、ミラー面Mに投影されるコア30を伝搬する光の、基板1´の水平方向及びこれと垂直な方向のモードフィールドの2倍以上の幅及び高さを有するように、反射膜7を形成する。
最後に、樹脂充填工程(ステップS904)では、反射膜7の形成後の傾斜溝40aに対し、赤外領域で透明な樹脂を充填する。
このようにして、作製されたPLC10Cへの受光径50μmの面型PD6´の実装時には、光路変換部40´から基板1´の垂直方向に出射されるビームの中心とPD6´との受光中心が一致するように配置される。また、オーバークラッド20bの上面を基準として、5μmの高さがPD6´の受光部Rの受光面となるように、PLC10Cの光路変換部40´にPD6´が搭載される。因みに、樹脂充填工程(ステップS904)で傾斜溝40aに充填される樹脂は、PD6´を固定する役割を担う。
そこで、PLC10Cの光導波路20´のコア30に対し、波長1.55μの光を光ファイバで入力し、PD6´の受光強度をチャネル毎に測定し、プロットした結果を調べた。図11は、PLC10Cの光導波路20´のコア30の特定のチャネル5にのみ、光を入力した際のPD6´の受光強度をチャネル毎に測定した結果を示す特性図である。
図11を参照すれば、コア30のチャネル5にのみ、波長1.55μmの光を入力した際の受光強度は、それ以外のチャネルの受光強度と比べると40dBm以上の高い受光強度が確保されていることが判る。これは、実施形態1に係るPLC10Bの場合と同様に、傾斜面S1の必要な領域にのみ、反射膜7を簡便に形成できた成果であると考察される。係る構成により、光路変換部40´の反射膜7で基板1´の上面方向に反射される迷光を抑制することができる。
また、ここでも、傾斜溝40aが透明な樹脂で充填されていることにより、光導波路20´の水平方向における面内の迷光は、傾斜溝40aで基板1´の上面に反射されることなく通過する。このような結果として、PLC10C及びPD6´間のクロストークを抑制することが可能となる。
加えて、実施形態2に係るPLC10Cでは、観察結果から傾斜溝40aの対向傾斜面S2には反射膜7が全く被着されない状態であった。このため、例えば、傾斜面S1の上部領域に反射膜7の余分箇所が僅かに残る可能性のある実施形態1に係るPLC10Bよりも、PLC10Cでは、反射膜7の余分箇所が無くなる分、高いクロストーク抑制の効果があると考察される。即ち、実施形態2に係るPLC10Cのようなオフセット構造を採用し、作製した光路変換部40´を有する光導波路部品を用いれば、従来に無い一層低クロストーク特性を有する光デバイスを提供できる。
結果として、実施形態2に係る光導波路部品についても、ハイブリッド集積に際して、光素子の高効率な光結合を実現し、且つチャネル間クロストークを抑制し得る。また、その製造方法では、係る性能の光導波路部品を精度良く簡便に作製することができる。
因みに、図9の光路変換部・オフセット部の形成工程(ステップS902)は、実施形態1に係る図4の光路変換部・オフセット部の形成工程(ステップS402)に置換することができる。そうした場合、光路変換部・オフセット部の設計工程(ステップS402)では、ミラー面Mに反射膜7を形成する際の傾斜設置角の確定が不要となる。また、反射膜形成工程(ステップS402)では、切断面Cを基準としてオフセット部40b´を通してミラー面Mへ反射膜7を形成することになる。そして、予め長辺方向のサイズが切断部分を見込んで若干大きいサイズのチップを用いることを前提とすれば、実施形態1に係るPLC10Bに代えて、実施形態2に係るPLC10Cを作製することができる。
尚、本発明は、上述した各実施形態に限定されず、その技術的要旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。上記各実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そうした場合にも、これらは添付した特許請求の範囲に含まれるものである。
1、1´ 基板(ウェハ)
2、20、20´ 光導波路
2a、20a アンダークラッド
2b、20b オーバークラッド
3、30 コア
4、40、40´ 光路変換部
40a 傾斜溝
40b、40b´ オフセット部
5 遮光部
6、6´ PD
7 反射膜
10A、10B、10C PLC
C 切断面
D 深さ
IO 入出力部
La、Lb 溝長
M ミラー面
S1 傾斜面
S2 対向傾斜面
V 被着方向
Wa、Wb 溝幅
θ 角度

Claims (8)

  1. 基板の上面に設けられ、コア及び当該コアを覆うクラッドを含む光導波路と、前記光導波路の一部に形成され、実装される光素子との間で光信号を光路変換して入出力する光路変換部と、を備える光導波路部品であって、
    前記光路変換部は、前記コアにおける前記光信号の出射方向と交わり、前記基板の水平方向と垂直な方向に対して当該コアよりも深く形成された傾斜溝における当該コアの側の傾斜面の局部をミラー面とする入出力部を備え、
    前記傾斜溝には、前記ミラー面と対向する対向傾斜面の側に前記基板の水平方向におけるオフセット部が前記傾斜溝に連通するように設けられ、
    前記オフセット部は、前記ミラー面と交わる前記コアの延長線上の前記対向傾斜面を超える領域と当該ミラー面との距離が、当該対向傾斜面を超える領域以外の領域と当該ミラー面との距離よりも長くなるように形成された
    ことを特徴とする光導波路部品。
  2. 前記オフセット部は、前記ミラー面と交わる前記コアの延長線と直交する方向における溝幅が、当該ミラー面に投影される当該コアを伝搬する光のモードフィールドの2倍以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光導波路部品。
  3. 前記ミラー面に形成され、当該ミラー面に投影される前記コアを伝搬する光の、前記基板の水平方向及び当該水平方向と垂直な方向のモードフィールドの2倍以上の幅及び高さを有する反射膜を備えた
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光導波路部品。
  4. 前記オフセット部は、前記ミラー面と交わる前記コアの延長線上の前記対向傾斜面の側で壁面を欠くように形成された
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光導波路部品。
  5. 基板の上面に設けられ、コア及び当該コアを覆うクラッドを含む光導波路と、前記光導波路の一部に形成され、実装される光素子との間で光信号を光路変換して入出力する光路変換部と、を備える光導波路部品の製造方法であって、
    前記光導波路に対し、前記コアにおける前記光信号の出射方向と交わり、前記基板の水平方向と垂直な方向に対して当該コアよりも深く傾斜溝を形成し、当該傾斜溝における当該コアの側の傾斜面の局部をミラー面とする入出力部を備えるように、前記光路変換部を形成する光路変換部形成工程と、
    前記光導波路に対し、前記傾斜溝の前記ミラー面と対向する対向傾斜面の側に溝を設け、前記基板の水平方向におけるオフセット部を当該傾斜溝に連通するように形成するオフセット部形成工程と、を有し、
    前記オフセット部形成工程では、前記ミラー面と交わる前記コアの延長線上の前記対向傾斜面を超える領域と当該ミラー面との距離が、当該対向傾斜面を超える領域以外の領域と当該ミラー面との距離よりも長くなるように、当該オフセット部を形成する
    ことを特徴とする光導波路部品の製造方法。
  6. 前記オフセット部形成工程では、前記オフセット部の前記ミラー面と交わる前記コアの延長線と直交する方向の溝幅が、当該ミラー面に投影される当該コアを伝搬する光のモードフィールドの2倍以上となるように、当該オフセット部を形成する
    ことを特徴とする請求項5に記載の光導波路部品の製造方法。
  7. 前記ミラー面と交わる前記コアの前記入出力部における前記光信号の入出力方向と、前記基板の水平方向で規定される水平面とが成す角度を基準とし、当該角度から前記オフセット部を通して、当該ミラー面を標的として前記傾斜面に対して反射膜を形成する反射膜形成工程を有し、
    前記反射膜形成工程では、前記基板の水平方向と垂直な上面の方向から前記光導波路の表面を削り、前記傾斜面の上部領域に形成された前記反射膜の余分箇所を除去することにより、前記ミラー面に投影される前記コアを伝搬する光の、当該基板の水平方向及び当該水平方向と垂直な方向のモードフィールドの2倍以上の幅及び高さを有するように、当該反射膜を形成する
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の光導波路部品の製造方法。
  8. 前記オフセット部形成工程では、前記ミラー面と交わる前記コアの延長線上の前記対向傾斜面の側で壁面を欠くようにオフセット部を形成するため、前記オフセット部の形成後の前記光導波路部品を前記基板の水平方向と垂直な方向に切断する切断工程を含み、
    前記反射膜形成工程では、前記切断工程での切断面を基準とし、当該切断面の方向から前記オフセット部を通して前記ミラー面を標的として前記傾斜面に対して前記反射膜を形成する
    ことを特徴とする請求項7に記載の光導波路部品の製造方法。
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