JP2020172692A - 電子材料用銅合金、電子材料用銅合金の製造方法及び電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子材料に用いて好適な0.2%耐力、導電率を有し、曲げ加工性及び応力緩和特性を向上させた信頼性の高い電子材料用銅合金を提供する。【解決手段】この発明の電子材料用銅合金は、Coを0.5〜3.0質量%含有し、かつSiを質量割合でCo/Siが3.0〜5.0となるように含有し、残部が銅および不可避的不純物からなり、圧延面についてEBSD測定により確認される結晶粒のうち、双晶の存在する結晶粒の数の割合が30%以上であり、かつ、圧延直角方向(TD)との角度θが20°以下である双晶境界の全双晶境界に占める割合が40%以上である電子材料用銅合金である。【選択図】図1

Description

本発明は、電子材料用銅合金、電子材料用銅合金の製造方法及び電子部品に関し、特に、各種電子部品への適用に好適な析出硬化型銅合金であるCu−Co−Si系合金に関する。
コネクタ、スイッチ、リレー、ピン、端子、リードフレーム等の各種電子部品に使用される電子材料用銅合金には、基本特性として高強度及び高導電性(又は熱伝導性)を両立させることが要求される。近年は、スマートフォンやタブレットPCをはじめとした電子機器の小型化に伴い、これらに搭載される基板、コネクタ等も軽薄化、短小化が進んでいる。コネクタ等が小型化した際に端子保持強度を維持し、また複雑な曲げ加工に耐えられるよう、使用される銅合金にも高い強度および曲げ加工性が要求されている。
また、電子機器のバッテリーの大容量化や急速充電ニーズの高まりに伴い、電源端子として用いられる銅合金には発熱抑制の観点から高い導電率が求められる傾向にある。
さらに、電子機器の電気接続用コネクタに求められる特性として、応力緩和特性がある。コネクタ同士は材料の弾性的接触で電気的に接続されているが、高温環境下において接触圧は応力緩和現象により徐々に低下していく。コネクタに応力緩和特性の低い材料を用いた場合、高温環境下では接触不良が生じる可能性があり、また接点部の接触抵抗の上昇に伴いコネクタの発熱量が大きくなる。とりわけ車載用途のコネクタについては、エンジンルームや排気システム等の周辺に装着されるものも増えていることから、より過酷な高温環境下での応力緩和特性が良好な銅合金が希求されている。
高い強度、導電率、曲げ加工性及び良好な応力緩和特性を有する銅合金としてCu−Co−Si合金やCu−Co−Ni−Si合金がある。これらの合金では銅マトリックス中に微細なCo−SiおよびCo−Ni−Si系金属間化合物粒子を析出させ、強度と導電率の向上を図っている。
例えば、特許文献1(特許第5117602号公報)には、NiとCoのいずれか1種または2種を合計で0.5〜5.0mass%、Siを0.2〜1.5mass%含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる合金組成を有し、EBSD(Electron Back Scatter Diffraction:電子後方散乱回折)測定における結晶方位解析において、Cube方位{100}<001>の面積率が5%以上、かつNDRDW方位{012}<221>の面積率が10%以下であることを特徴とする銅合金板材が記載されている。これにより、銅合金板材は圧延方向に対して垂直方向のたわみ係数が低く、曲げ加工性に優れ、優れた強度を有し、またコネクタ等の製造工程における歩留が向上するという効果が得られる。
また、特許文献2(特許第5448763号公報)には、NiまたはCoのどちらか一方または両方の合計で0.5〜5.0質量%、Siを0.2〜1.5質量%、それぞれ含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる銅合金材料であって、Cube方位の結晶粒の面積率が10%以上、かつRDW方位の結晶粒の面積率が10%以上であることを特徴とする高強度で、曲げ加工性に優れた電気電子部品用銅合金材料が記載されている。このようにする理由は、Cube方位やRDW方位を増加させることで、曲げ加工時の割れの原因となる板表面のせん断帯が少なくなるからである。
また、特許文献3(特許第5534610号公報)には、0.7〜3.0質量%のCo、0.1〜1.0質量%のSiを含有し、残部が銅及び不可避不純物から成り、双晶境界頻度が40〜70%であり、圧延直角方向の結晶粒径のアスペクト比が0.45〜0.88であるCu−Co−Si系合金条が記載されている。双晶境界頻度を40〜70%とする理由は、境界間の原子の整合性が良い双晶境界を所定の割合に制御することで、境界近傍において不均一変形が起こりにくくなり、曲げ変形時、境界近傍を基点とする割れやしわが発生しにくくなるからである。
また、特許文献4(特許第4875768号公報)には、NiとCoのいずれか1種または2種を合計で0.5〜5.0mass%、Siを0.3〜1.5mass%含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる組成を有し、0.2%耐力が600MPa以上であり、導電率が35%IACS以上であり、板厚と同じ内側曲げ半径で、圧延方向に対して平行及び垂直な方向に90°W曲げを行った場合に、割れが生じず、耐力の80%の応力を負荷して150℃に1000時間保持した後の応力緩和率が30%以内であり、EBSD測定における結晶方位解析において、Cube方位{001}<100>の面積率が7〜47%であることを特徴とする銅合金板材が記載されている。このようにする理由は、塑性変形が局所的に発達して剪断変形帯を形成し、局所的な加工硬化によってマイクロボイドの生成と連結が起こり、成形限界に達することがクラックの原因であり、その対策として、曲げ変形において加工硬化が起きにくい結晶方位の割合を高めることが有効であるからである。
特許第5117602号公報 特許第5448763号公報 特許第5534610号公報 特許第4875768号公報
しかしながら、電子部品の軽薄化、短小化が進んでおり、それに伴い電子材料用金属部品に求められる0.2%耐力、導電性及び曲げ加工性も上昇傾向にある。また、応力緩和特性に対する要求も高まると予想される。
特許文献1〜3に記載された発明は、強度及び曲げ加工性の改善がみられるが、より高度の強度と曲げ加工性の両立が求められる場合、十分に対応できないと思われる。また、応力緩和特性に関しては検討していない。
特許文献4に記載された発明においては、応力緩和特性が課題とされていたものの、その解決手段は、Mg、Sn、Znという副添加元素を添加することであり、効果が限定的であるうえ、銅合金材料に対する制約がある場合には十分に対応できないと考えられる。
本開示は、上記課題を解決するものであり、電子材料用途として好適な0.2%耐力、導電率を有し、曲げ加工性及び応力緩和特性を向上させた、信頼性の高い電子材料用銅合金を提供することを課題とする。
発明者は鋭意検討の結果、0.5〜3.0質量%のCoを含有し、かつSiを質量割合でCo/Siが3.0〜5.0となるように含有し、残部が銅および不可避的不純物からなる電子材料用銅合金において、圧延面についてEBSD測定により確認される結晶粒のうち、双晶の存在する結晶粒の数の割合を30%以上とし、かつ、圧延直角方向(TD)との角度θが20°以下である双晶境界の全双晶境界に占める割合を40%以上とすることで、0.2%耐力及び導電率を高いレベルに維持しつつ、曲げ加工性及び応力緩和特性を向上させた信頼性の高い電子材料用銅合金が得られることができることを見出した。そして、このような電子材料用銅合金は、製造過程の特定の段階でテンションレベラーにより予歪みの付加を行うことで得ることができるとの新たな知見を得た。
本発明の実施の形態に係る電子材料用銅合金、電子部品及び電子材料用銅合金の製造方法は、以下のように特定される。
(1)Coを0.5〜3.0質量%含有し、かつSiを質量割合でCo/Siが3.0〜5.0となるように含有し、残部が銅および不可避的不純物からなり、圧延面についてEBSD測定により確認される結晶粒のうち、双晶の存在する結晶粒の数の割合が30%以上であり、かつ、圧延直角方向(TD)との角度θが20°以下である双晶境界の全双晶境界に占める割合が40%以上である電子材料用銅合金。
(2)さらにCr、Mn、Sn、P、B、Zr、Ti、Mg、Al、Fe及びZnから選択される少なくとも一種類以上の合計が1.0質量%以下である(1)に記載の電子材料用銅合金。
(3)さらにNiを0.1質量%未満で含有する(1)又は(2)に記載の電子材料用銅合金。
(3)(1)〜(3)いずれか一項に記載の電子材料用銅合金を備えた電子部品。
(4)Coを0.5〜3.0質量%含有し、かつSiを質量割合でCo/Siが3.0〜5.0となるように含有し、残部が銅および不可避的不純物からなる銅合金のインゴットを熱間圧延した後、冷間圧延工程及びその後の溶体化処理工程を行う電子材料用銅合金の製造方法であって、溶体化処理工程において、溶体化処理を第1溶体化処理と第2溶体化処理に分けて行い、第1溶体化処理における処理温度を750〜900℃、冷却速度を20℃/sec以上とし、第2溶体化処理における処理温度を850〜1000℃とし、炉内張力の値を5〜10MPaとし、第1溶体化処理と第2溶体化処理との間に、テンションレベラーにより1.5〜3.0%の予歪みの付加を行うことを特徴とする電子材料用銅合金の製造方法。
本開示によれば、電子材料用途として好適な0.2%耐力、導電率を有し、曲げ加工性及び応力緩和特性を向上させた信頼性の高い電子材料用銅合金が得られる。
図1は、結晶粒と双晶界面の模式図を示すものである。
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
この発明の一の実施形態の電子材料用銅合金は、Coを0.5〜3.0質量%含有し、かつSiを質量割合でCo/Siが3.0〜5.0となるように含有し、残部が銅および不可避的不純物からなり、圧延面についてEBSD測定により確認される結晶粒のうち、双晶の存在する結晶粒の数の割合が30%以上であり、かつ、圧延直角方向(TD)との角度θが20°以下である双晶境界の全双晶境界に占める割合が40%以上である。
(Coの添加量)
Co及びSiは、適当な熱処理を施すことによりCo2Siとして母相中に析出し、導電率を劣化させずに高強度化が図れる。ただし、Co濃度が0.5%未満の場合は析出硬化が不十分となり、他方の成分を添加しても所望とする強度が得られない。また、Co濃度が3.0質量%を超える場合は十分な強度が得られるものの、導電性や曲げ加工性、熱間加工性が低下する。
(Siの添加量)
Siは質量割合でCo/Siが3.0〜5.0となるように調整する。上記割合とすれば、析出硬化後の強度と導電率を共に向上させることができる。上記割合が5.0を超えると、時効処理でのCo2Siの析出が不十分になり、強度が低下する。上記割合が3.0未満であると、Co2Siとして析出しないSiが母相中に固溶し、導電率が低下する。
(双晶境界頻度及び双晶粒界の角度)
銅合金の圧延面についてEBSD測定により確認される結晶粒のうち、双晶の存在する結晶粒の数の割合が30%以上であることが必要である。好ましくは35%以上、さらに好ましくは40%以上とする。同時に、圧延直角方向(TD)との角度θが20°以下である双晶境界の全双晶境界に占める割合を40%以上とする。好ましくは45%以上、さらに好ましくは50%以上とする。
結晶粒界は隣接結晶粒間の方位差により大角粒界と小角粒界に分類される。一般に方位差15°以上の結晶粒界は大角粒界、方位差15°未満の結晶粒界は小角粒界と呼ばれる。大角粒界の中でも非常に整合性の高い粒界は対応粒界と呼ばれ、その整合性を示す指標としてΣ値が用いられる。このΣ値は結晶の単位胞に対する対応格子の単位胞の体積の割合の逆数であり、Σ値が低い粒界は粒界エネルギーが低く安定な粒界である。このうちΣ3粒界は双晶粒界であり、Cu−Co−Si合金に対し溶体化処理を行った際に生じる焼鈍双晶がこれに当たる。
図1に結晶粒と双晶界面の模式図が示されている。実線で示される一つの結晶粒内に、点線で示されるように双晶粒界が生じる。ここで圧延直角方向(TD)と双晶粒界がなす角度をθと定義する。このような原子の整合性が高い低エネルギー粒界である双晶粒界が存在する結晶粒の割合を増やすことで、曲げ加工性および高温クリープ特性が上昇する。さらに圧延直角方向(TD)と双晶粒界がなす角度θが20°以下であるような双晶境界を増やすことで、従来の銅合金よりも高いレベルで強度、曲げ加工性及び応力緩和特性を両立させることができる。
(Cr、Mn、Sn、P、B、Zr、Ti、Mg、Al、Fe及びZnの添加量)
Cr、Mn、Sn、Zr、Ti、Mg、Al、Fe及びZnは、微量の添加で、導電率を損なわずに強度、応力緩和特性等の製品特性を改善する。Pは脱酸効果を有し、Bは鋳造組織の微細化効果を有し、熱間加工性を向上させる効果を有する。添加の効果は主に母相への固溶により発揮されるが、第二相粒子に含有されることで一層の効果を発揮させることもできる。しかしながら、Cr、Mn、Sn、P、B、Zr、Ti、Mg、Al、Fe及びZnの濃度が合計1.0質量%を超えると曲げ特性及び応力緩和特性が低下するうえ、製造性も損なわれる。
従って、本実施形態では、Cr、Mn、Sn、P、B、Zr、Ti、Mg、Al、Fe及びZnを合計1.0質量%以下添加することが好ましい。また、Cr、Mn、Sn、P、B、Zr、Ti、Mg、Al、Fe及びZnの合計は、0.7質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。但し、Cr、Mn、Sn、P、B、Zr、Ti、Mg、Al、Fe及びZnの合計が0.01質量%未満ではその効果が小さいので、Cr、Mn、Sn、P、B、Zr、Ti、Mg、Al、Fe及びZnの合計は、好ましくは0.01質量%以上である。また、0.05質量%以上がさらに好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましい。
(Niの添加量)
Niは適当な熱処理を施すことでNi2Siとして母相中に析出し、合金の強度を向上させる。ただしNiの濃度が0.1質量%以上になると導電率が損なわれるため、Niの添加量は0.1質量%未満とし、好ましくは0.02〜0.08質量%とする。
(0.2%耐力)
コネクタ等の所定の電子材料で要求される特性を満たすため、圧延平行方向の0.2%耐力は好ましくは575MPa以上、より好ましくは590MPa以上とする。0.2%耐力の上限値は、特に規制されないが、55%IACS以上の導電率となるには、典型的には850MPa以下である。0.2%耐力は、引張試験機を用いてJIS Z2241に準拠して測定する。
(導電率)
導電率は好ましくは55%IACS以上とする。これにより、電子材料として有効に用いることができる。導電率はJIS H0505に準拠して4端子法で測定することができる。導電率は、60%IACS以上であることが好ましい。
(製造方法)
上述したようなCu−Co−Si系合金は、まず大気溶解炉等を用いて電気銅、Co、Si等の原料を溶解し、所望の組成の溶湯を得た後これをインゴットに鋳造する。その後均質化焼鈍、熱間圧延、第1中間冷間圧延、第1溶体化処理、第2中間冷間圧延、テンションレベラー処理、第2溶体化処理、時効処理、最終冷間圧延、歪取焼鈍をこの順に行うことで上述したようなCu−Co−Si系合金を製造することができる。なお熱間圧延後、必要に応じて面削を行うことが可能である。また上記各工程の合間には、表面の酸化スケール除去のための研削、研磨、ショットブラスト酸洗等が適宜行われる。
ここで、溶体化処理工程において、溶体化処理を2回に分けて行い、1回目の溶体化処理と2回目の溶体化処理との間に、テンションレベラーにより予歪みの付加を行うことが肝要である。従来技術では、溶体化処理を1回のみ行うのが通常であり、この段階において、テンションレベラーによる予歪みの付加は行われていなかった。
<インゴット製造>
溶解鋳造は一般的には大気溶解炉で行うが、真空中又は不活性ガス雰囲気中で行うことも可能である。電気銅を溶解した後に、Co、Si等各試料の組成に応じて原料を添加し、撹拌後一定時間保持して、所望の組成の溶湯を得る。そして、この溶湯を1250℃以上に調整した後、インゴットに鋳造する。Co、Si以外、Cr、Mn、Sn、P、B、Zr、Ti、Mg、Al、Fe及びZnから選択される少なくとも一種類以上を合計1.0質量%以下になるように添加することもできる。またNiを0.1質量%未満添加することもできる。
<均質化焼鈍・熱間圧延>
鋳造時の凝固過程では粗大な晶出物が、その冷却過程では粗大な析出物が生成する。均質化焼鈍を適切な温度・時間で行った後に熱間圧延を行うことで、これらの第二相粒子を母相に再固溶させる。均質化焼鈍温度が低すぎる場合は粗大な第二相粒子を母相に再固溶させることができず、製品強度や曲げ加工性が損なわれる。均質化焼鈍温度が高すぎる場合は材料が溶解する可能性があるため好ましくない。具体的には均質化温度は950〜1025℃が、時間は1〜24hが好ましい。
高温で熱間圧延を行うと材料が割れる可能性があるため、960℃以下の温度域で熱間圧延を開始することが好ましい。また熱間圧延後は速やかに冷却することが望ましい。冷却速度が遅い場合、粗大な第二相粒子が析出してしまう。熱間圧延終了後400℃以下まで急冷(=水冷)することにより、この第二相粒子の析出を抑制することができる。具体的には400℃までの冷却速度は10℃/sec以上が好ましい。
<第1中間冷間圧延>
熱間圧延後のインゴットについて中間冷間圧延を行う。ここで、十分な加工ひずみを蓄積するため、第1中間冷間圧延の加工度は95%以上が望ましい。
<第1溶体化処理>
第1溶体化処理において母相にCo、Siを固溶させ合金の積層欠陥エネルギーを低下させる。この第1溶体化処理を所定の条件で行うことにより、続く中間圧延、テンションレベラー処理後の第2溶体化処理における焼鈍双晶の形成が促進される。第1溶体化処理の処理温度は750〜900℃とする。温度が低すぎる場合は、Co、Siの固溶量が不足するため、製品において双晶の存在する結晶粒の比率を所定の範囲に制御することができない。温度が高すぎる場合には、Co、Siの固溶が進みすぎることになり、双晶の存在する結晶粒の比率は大きくなるものの、θ≦20°の双晶境界の割合を所定の割合に制御することができない。
なお第1溶体化処理は、15〜300℃/secにわたって行うことができる。この時間が長すぎる、または短すぎる場合は、製品の双晶の状態の制御が困難となる。
また第二相粒子の析出を防止する観点から、溶体化処理後の冷却速度はできるだけ高い方が好ましく、具体的には第1溶体化処理後の冷却速度は20℃/sec以上とする。このように制御しない場合、製品において双晶の存在する結晶粒の比率が低下する。
<第2中間冷間圧延>
第1溶体化処理後に引き続いて第2の中間冷間圧延を行う。ここで、第2中間冷間圧延の加工度を15〜50%とすることで、製品の双晶の割合、方向を所定の範囲に制御しやすくなる。
<テンションレベラー処理>
テンションレベラーに材料を通板することで、材料に更なる歪が付与され、これがその後の第2溶体化処理で所定の状態の焼鈍双晶を発生させるための駆動力となる。圧延加工によってもテンションレベラー加工と同程度の歪を付与することは可能であるが、この場合は製品において所定の状態の焼鈍双晶を得ることができない。理由は定かではないが、テンションレベラーを用いた場合には材料は繰り返し曲げ、曲げ戻し加工されるため、材料表層部に圧縮歪が集中的に付与され、圧延加工時とは異なる歪分布となっており、この歪分布が焼鈍双晶の形成に好都合と考えられる。
通常形状矯正の目的でテンションレベラーに材料を通板する際の材料の伸び率は0.1〜1.0%程度であるが、本製造方法では伸び率が1.5〜3.0%になるように高張力を付与して通板する。テンションレベラー通板時の伸び率が高すぎる場合、製品における双晶の存在する結晶粒の比率が低下する。また伸び率が低すぎる場合は、製品におけるθ≦20°の双晶境界の割合が低下する。
<第2溶体化処理>
テンションレベラー処理後に、第2の溶体化処理を行う。第2溶体化処理の目的は、母相にCo、Siを固溶させることによる時効硬化能の向上、および焼鈍双晶の形成である。第2溶体化処理の処理温度は850〜1000℃とする。この範囲外の場合には、所定の状態の焼鈍双晶を得ることができない。また温度が低すぎる場合には十分な時効硬化量が得られないため製品強度が不足し、温度が高すぎると析出物による粒界のピン止め効果がなくなり、結晶粒が粗大化して同様に製品強度が低下する。加えて第2溶体化処理時の炉内張力を制御することも重要であり、炉内張力の値を5〜10MPaとすることで、所定の状態の焼鈍双晶を得ることができる。
<時効処理>
適切な大きさの析出物が均一に分布するように第2時効処理を行うことで、所望の強度および導電率が得られる。第2時効処理の温度は、450℃より低いと導電率が低くなり、550℃より高いと強度が低下するので、450〜550℃とすることが好ましい。また時効処理の時間は1〜24hが好ましい。第2時効処理は、酸化被膜の発生を抑制するためにAr、N2、H2等の不活性雰囲気で行うことが好ましい。
<最終冷間圧延>
時効処理後に引き続いて最終の冷間圧延を行うことで、転位を導入し強度上昇をはかる。圧延加工度が高いほど高強度の材料が得られるが、圧延加工度が高すぎる場合には曲げ加工性が損なわれる。強度と曲げ加工性の良好なバランスを得るために、圧延加工度を10〜50%、好ましくは20〜40%とする。
<歪取焼鈍>
最終の冷間圧延の後、電子部品に適用するのに必要な応力緩和特性を得るため、歪取焼鈍を行う。歪取焼鈍の条件は慣用の条件でよいが、具体的には350〜550℃で0.5〜60minとする。
この発明の電子材料用銅合金は種々の伸銅品、例えば板、条、管、棒及び線に加工することができ、更に、この電子材料用銅合金は、リードフレーム、コネクタ、ピン、端子、リレー、スイッチ、二次電池用箔材等の電子部品等に使用することができる。
以下に本発明の実施例を比較例と共に示すが、これらの実施例は本発明及びその利点をよりよく理解するために提供するものであり、発明が限定されることを意図するものではない。
表1に示す成分組成の銅合金を、高周波溶解炉を用いて1300℃で溶製し、厚さ30mmのインゴットに鋳造した。次いで、このインゴットに対し950℃で3h均質化焼鈍を行った後、板厚10mmまで熱間圧延し、速やかに水中冷却を行った。そして、加工度97%第1中間冷間圧延を行った後、表1に示す条件で第1溶体化処理を行い、加工度40%で第2中間冷間圧延を行い、さらに所定の伸び率のテンションレベラー処理を行った後、表1に示すように第2溶体化処理を行い、500℃で12hの条件で時効処理した後、最終冷間圧延により厚さ0.1mmの板とした。最後に、500℃で10minの条件で歪取焼鈍を行った。
このようにして得られた各試験片に対し、以下の特性評価を行った。その結果を表2に示す。
<強度(0.2%耐力)>
引張方向が圧延方向と平行になるようにJIS13B号試験片を作製し、JIS Z 2241に準拠して、引張試験機により圧延方向と平行に引張試験を行い、0.2%耐力を測定した。
<導電率>
試験片の長手方向が圧延方向と平行になるように試験片を採取し、JIS H0505に準拠し、4端子法で導電率(EC:%IACS)を測定した。
<双晶境界頻度及び双晶粒界の角度>
双晶の存在する結晶粒の比率、およびθ≦20°の双晶境界の割合は、EBSD(Electron Back Scatter Diffraction:電子後方散乱回折)測定を用いて算出した。まず試験片を20mm四方に切り出し、圧延面表面をリン酸67%+硫酸10%溶液中において、電圧15Vで60sec電解研磨した。測定には日本電子株式会社製JXA8500Fを用い、試験片の圧延面法線方向(ND:Normal Direction)を入射電子線に対して70°傾け、圧延平行方向(RD:Rolling Direction)を試料ホルダーの傾斜方向に合わせて設置し、その傾斜面にフォーカスした電子線を照射した。加速電圧:20kV、照射電流量:5×10-8A、ワーキングディスタンス25mmとし、観察視野500μm×500μm(ステップ幅1μm)でn=5で測定を行った。ここではEBSDによって得られた隣接する測定点間の方位差が15°以上の領域を結晶粒界と定義し、また各対応粒界のうちΣ3対応粒界を双晶粒界と定義して、双晶の存在する結晶粒の比率およびθ≦20°である双晶境界の全双晶境界に占める割合を求めた。測定プログラムはTSL OIM data collection、解析プログラムはTSL OIM Analysisを用いた。
<応力緩和特性>
JIS−B2712(2006)に従い応力緩和率を測定した。幅10mm×長さ100mmの試験片を切り出し、標点距離25mmにおいて0.2耐力の80%の値の負荷応力が加わるように試料高さy1を決定した。これを温度150℃および250℃で1000h加熱した後に除荷し、その永久変形量yから応力緩和率を算出した。ここで応力緩和率は以下の式で与えられる。
式中、y0:初期そり(mm)、y1:試料高さ(mm)、y:永久変形量(mm)である。
温度150℃における1000h後の応力緩和率が25%以下であり、かつ250℃における1000h後の応力緩和率が60%以下の時、電子材料として有効に用いることができる。
<曲げ加工性>
JIS H3130(2012)に従いW曲げ試験をBadway(曲げ軸が圧延方向と直交)、R/t=1.0(t=0.1mm)で実施し、この試験片の曲げ部の外周表面を観察した。観察方法はレーザーテック社製コンフォーカル顕微鏡HD100を用いて曲げ部の外周表面を撮影し、付属のソフトウェアを用いて平均粗さRa(JIS−B0601:2013に準拠)を測定し、比較した。なお、曲げ加工前の試料表面はコンフォーカル顕微鏡を用いて観察したところ凹凸は確認できず、平均粗さRaはいずれも0.2μm以下であった。曲げ加工後の表面平均粗さRaが1.0μm以下の場合を○、Raが1.0μmを超える場合を×と評価した。
表1、2に示すように、発明例1〜20はいずれも、所定の条件の第1溶体化処理、テンションレベラー処理及び第2溶体化処理を適切に行ったことにより、好適な0.2%耐力、導電率を有し、曲げ加工性及び応力緩和特性を得ることができた。
比較例1〜3は第1溶体化処理温度あるいは冷却速度が本実施形態に係る製造条件を満たさなかった例、比較例4はテンションレベラー加工を行わなかった例、比較例5、6はテンションレベラー加工での伸び率が本実施形態に係る条件を満たさなかった例、比較例7〜10は第2溶体化処理の処理温度あるいは炉内張力が本実施形態に係る条件を満たさなかった例であり、いずれも0.2%耐力、導電率、曲げ加工性及び応力緩和特性のいずれかが悪化した。
比較例11〜15は、本実施形態に係る銅合金の組成を満たさないので、0.2%耐力、導電率、曲げ加工性及び応力緩和特性のいずれかが悪化した。
このように、本開示によれば、電子材料に用いて好適な0.2%耐力、導電率を有し、曲げ加工性及び応力緩和特性を向上させた信頼性の高い電子材料用銅合金が得られることがわかる。

Claims (5)

  1. Coを0.5〜3.0質量%含有し、かつSiを質量割合でCo/Siが3.0〜5.0となるように含有し、残部が銅および不可避的不純物からなり、圧延面についてEBSD測定により確認される結晶粒のうち、双晶の存在する結晶粒の数の割合が30%以上であり、かつ、圧延直角方向(TD)との角度θが20°以下である双晶境界の全双晶境界に占める割合が40%以上である電子材料用銅合金。
  2. さらにCr、Mn、Sn、P、B、Zr、Ti、Mg、Al、Fe及びZnから選択される少なくとも一種類以上の合計が1.0質量%以下である請求項1に記載の電子材料用銅合金。
  3. さらにNiを0.1質量%未満で含有する請求項1又は2に記載の電子材料用銅合金。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子材料用銅合金を備えた電子部品。
  5. Coを0.5〜3.0質量%含有し、かつSiを質量割合でCo/Siが3.0〜5.0となるように含有し、残部が銅および不可避的不純物からなる銅合金のインゴットを熱間圧延した後、冷間圧延工程及びその後の溶体化処理工程を行う電子材料用銅合金の製造方法であって、
    前記溶体化処理工程において、溶体化処理を第1溶体化処理と第2溶体化処理に分けて行い、前記第1溶体化処理における処理温度を750〜900℃、冷却速度を20℃/sec以上とし、前記第2溶体化処理における処理温度を850〜1000℃とし、炉内張力の値を5〜10MPaとし、前記第1溶体化処理と前記第2溶体化処理との間に、テンションレベラーにより1.5〜3.0%の予歪みの付加を行うことを特徴とする電子材料用銅合金の製造方法。
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