JP2020166015A - 反射スクリーン及びそれを用いた投射システム - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性に優れるとともに、スクリーン面に対する光源の入射角度による表示画像の色味の変化を抑制した反射スクリーンを提供する。【解決手段】反射スクリーンであって、前記反射スクリーンは、選択反射層A及び選択反射層Bを有し、前記選択反射層Aに入射角α度で入射した光の分光反射率のバンド幅をLA(nm)、前記選択反射層Aに入射角α度で入射した光の分光反射率のピーク値をPA(%)、前記選択反射層Aの前記ピーク値を示す波長をWA(nm)と定義し、前記選択反射層Bに入射角α度で入射した光の分光反射率のバンド幅をLB(nm)、前記選択反射層Bに入射角α度で入射した光の分光反射率のピーク値をPB(%)、前記選択反射層Bの前記ピーク値を示す波長をWB(nm)と定義した際に、入射角αが5〜60度の範囲内から選択される少なくとも一つの10度幅の領域において所定の関係を満たす。【選択図】図1

Description

本発明は、反射スクリーン及びそれを用いた投射システムに関する。
次世代型スクリーンとして、背景の像の視認性を低下させることなく、視認性の高い像を投影できる透明性の高いスクリーンが期待されている。透明性の高いスクリーンの用途としては、透明パーティション、ショウウインドウ、ウェアラブルディスプレイ及びヘッドアップディスプレイ等が挙げられる。スクリーンは、背面投射を行う透過スクリーンと前面投射を行う反射スクリーンとに大別される。
透明性の高い反射スクリーンとして、コレステリック液晶の選択波長反射を利用した反射スクリーンが提案されている(特許文献1〜2)。
特開2017−161607号公報 特開2006−17930号公報
特許文献1及び2の反射スクリーンは、透明性は良好なものである。しかし、特許文献1及び2の反射スクリーンは、スクリーン面に対する光源の入射角度、及び、人が映像を観察する角度により、表示画像の色味が変化するというという問題があった。
本発明は、透明性に優れるとともに、スクリーン面に対する光源の入射角度等による表示画像の色味の変化を抑制した反射スクリーン、及びこれを用いた投射システムを提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[3]を提供する。
[1]反射スクリーンであって、前記反射スクリーンは、選択反射層A及び選択反射層Bを有し、前記選択反射層Aに入射角α度で入射した光の分光反射率のバンド幅をL(nm)、前記選択反射層Aに入射角α度で入射した光の分光反射率のピーク値をP(%)、前記選択反射層Aの前記ピーク値を示す波長をW(nm)と定義し、前記選択反射層Bに入射角α度で入射した光の分光反射率のバンド幅をL(nm)、前記選択反射層Bに入射角α度で入射した光の分光反射率のピーク値をP(%)、前記選択反射層Bの前記ピーク値を示す波長をW(nm)と定義した際に、入射角αが5〜60度の範囲内から選択される少なくとも一つの10度幅の領域において、下記式(1)〜(4)を満たす、反射スクリーン。
<W (1)
−15nm≦W−W≦L+15nm (2)
−15nm≦W−W≦L+15nm (3)
|P−P|≦5.0% (4)
[2]反射スクリーンであって、前記反射スクリーンは、選択反射層A及び選択反射層Bを有し、前記反射スクリーンに入射角x度で入射した光の反射光と、前記反射スクリーンにx+10度で入射した光の反射光とから算出してなる、L表色系の色差をΔEab(x〜x+10)と定義した際に、
入射角xが5〜60度の範囲から選択される少なくとも何れかの角度において、下記式(11)を満たす、反射スクリーン。
ΔEab(x〜x+10)≦5.0 (11)
[3]光源と、請求項1〜5の何れか1項に記載の反射スクリーンとを備えた、投射システム。
本発明の反射スクリーン及び投射システムは、透明性に優れるとともに、スクリーン面に対する光源の入射角度による表示画像の色味の変化を抑制することができる。
本発明の反射スクリーンの一実施形態を示す断面図である。 実施例1の反射スクリーンの選択反射層Aに入射角50度で入射した光の分光反射率((a)の実線)、実施例1の反射スクリーンの選択反射層Bに入射角50度で入射した光の分光反射率((a)の破線)、実施例1の反射スクリーンの選択反射層Aに入射角60度で入射した光の分光反射率((b)の実線)、実施例1の反射スクリーンの選択反射層Bに入射角60度で入射した光の分光反射率((b)の破線)を示す図である。 比較例1の反射スクリーンの選択反射層Aに入射角50度で入射した光の分光反射率((a)の実線)、比較例1の反射スクリーンの選択反射層Bに入射角50度で入射した光の分光反射率((a)の破線)、比較例1の反射スクリーンの選択反射層Aに入射角60度で入射した光の分光反射率((b)の実線)、比較例1の反射スクリーンの選択反射層Bに入射角60度で入射した光の分光反射率((b)の破線)を示す図である。 実施例1の反射スクリーンに入射角50度で入射した光の分光反射率と、実施例1の反射スクリーンに入射角60度(50+10度)で入射した光の分光反射率を示す図である。 比較例1の反射スクリーンに入射角50度で入射した光の分光反射率と、比較例1の反射スクリーンに入射角60度(50+10度)で入射した光の分光反射率を示す図である。 光源から射出される直線偏光の振動方向と、位相差層の遅相軸とが成す角を説明するための図である。 実施例2の反射スクリーンの選択反射層Aに入射角50度で入射した光の分光反射率((a)の実線)、実施例2の反射スクリーンの選択反射層Bに入射角50度で入射した光の分光反射率((a)の破線)、実施例2の反射スクリーンの選択反射層Aに入射角60度で入射した光の分光反射率((b)の実線)、実施例2の反射スクリーンの選択反射層Bに入射角60度で入射した光の分光反射率((b)の破線)を示す図である。 実施例3の反射スクリーンの選択反射層Aに入射角50度で入射した光の分光反射率((a)の実線)、実施例3の反射スクリーンの選択反射層Bに入射角50度で入射した光の分光反射率((a)の破線)、実施例3の反射スクリーンの選択反射層Aに入射角60度で入射した光の分光反射率((b)の実線)、実施例3の反射スクリーンの選択反射層Bに入射角60度で入射した光の分光反射率((b)の破線)を示す図である。 実施例4の反射スクリーンの選択反射層Aに入射角50度で入射した光の分光反射率((a)の実線)、実施例4の反射スクリーンの選択反射層Bに入射角50度で入射した光の分光反射率((a)の破線)、実施例4の反射スクリーンの選択反射層Aに入射角60度で入射した光の分光反射率((b)の実線)、実施例4の反射スクリーンの選択反射層Bに入射角60度で入射した光の分光反射率((b)の破線)を示す図である。 実施例5の反射スクリーンの選択反射層Aに入射角50度で入射した光の分光反射率((a)の実線)、実施例5の反射スクリーンの選択反射層Bに入射角50度で入射した光の分光反射率((a)の破線)、実施例5の反射スクリーンの選択反射層Aに入射角60度で入射した光の分光反射率((b)の実線)、実施例5の反射スクリーンの選択反射層Bに入射角60度で入射した光の分光反射率((b)の破線)を示す図である。 比較例2の反射スクリーンの選択反射層Aに入射角50度で入射した光の分光反射率((a)の実線)、比較例2の反射スクリーンの選択反射層Bに入射角50度で入射した光の分光反射率((a)の破線)、比較例2の反射スクリーンの選択反射層Aに入射角60度で入射した光の分光反射率((b)の実線)、比較例2の反射スクリーンの選択反射層Bに入射角60度で入射した光の分光反射率((b)の破線)を示す図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
[反射スクリーンi]
本発明の反射スクリーンiは、選択反射層A及び選択反射層Bを有し、
前記選択反射層Aに入射角α度で入射した光の分光反射率のバンド幅をL(nm)、前記選択反射層Aに入射角α度で入射した光の分光反射率のピーク値をP(%)、前記選択反射層Aの前記ピーク値を示す波長をW(nm)と定義し、
前記選択反射層Bに入射角α度で入射した光の分光反射率のバンド幅をL(nm)、前記選択反射層Bに入射角α度で入射した光の分光反射率のピーク値をP(%)、前記選択反射層Bの前記ピーク値を示す波長をW(nm)と定義した際に、
入射角αが5〜60度の範囲内から選択される少なくとも一つの10度幅の領域において、下記式(1)〜(4)を満たす、ものである。
<W (1)
−15nm≦W−W≦L+15nm (2)
−15nm≦W−W≦L+15nm (3)
|P−P|≦5.0% (4)
図1は、本発明の反射スクリーンi及び後述する本発明の反射スクリーンiiの一実施形態を示す断面図である。図1の反射スクリーン(100)は、選択反射層A(11)及び選択反射層B(12)を有している。また、図1の反射スクリーン(100)は、位相差層A(21)と位相差層B(22)との間に、選択反射層A(11)及び選択反射層B(12)を有している。また、図1の反射スクリーン(100)は、透明基材A(31)と透明基材B(32)との間に、選択反射層A(11)及び選択反射層B(12)を有している。また、図1の反射スクリーン(100)は、選択反射層A(11)と選択反射層B(12)との間に接着剤層40を有している。
本明細書において、L(nm)、P(%)及びW(nm)は、選択反射層A単層での値を意味するものとする。また、本明細書において、L(nm)、P(%)及びW(nm)は、選択反射層B単層での値を意味するものとする。
また、本明細書において、「XXに入射角YY度で入射した光」とは、「XXの法線方向からYY度ずれた方向から入射した光」を意味するものとする。
また、本明細書において、L(nm)、P(%)、W(nm)、L(nm)、P(%)及びW(nm)を測定又はシミュレーションする際の光源は、非偏光の平行光線とする。また、分光反射率は、正反射及び拡散反射を含むものとする。
また、本明細書において、「10度幅の領域」とは、基準となる角度をx度とした際に、「x〜x+10度」の領域のことを意味する。
また、本明細書において、「入射角αが5〜60度の範囲内から選択される少なくとも一つの10度幅の領域において、『xxx』を満たす。」とは、入射角αが5〜60度の範囲内の、少なくとも一つの10度幅の領域で『xxx』を満たせば条件を満たし、それ以外の10度幅の領域では『xxx』を満たすことを要さないことを意味する。例えば、入射角50〜60度の10度幅で式(z)を満たせば、入射角45〜55度の10度幅で『xxx』を満たすことは要さないことを意味する。但し、選択反射層Aと選択反射層Bとのパラメータを対比する際は、10度幅の領域の同じ入射角で対比するものとする。例えば10度幅が50〜60度の場合、該領域内の同じ入射角である、50度同士、51度同士、・・・、59度同士、60度同士で対比する。なお、『xxx』とは、入射角αに関連する本明細書中の式(1)〜(4)等の各種の条件を意味する。
なお、式(1)〜(4)において、αを「5〜60度の範囲」と規定しているのは、反射スクリーン内の選択反射層に対する光源の一般的な入射角度を規定したものである。また、式(1)〜(4)において、「少なくとも一つの10度幅」と規定しているのは、人の目線の高さの違いに基づく観察角度の差が概ね10度以内であることを考慮したものである。すなわち、式(1)〜(4)を満たす反射スクリーンは、人の目線の高さの違い(10度)を考慮した条件を、一般的な光源の入射角度の範囲内で調整し得ることを意味している。
<式(1)〜(4)>
本発明の反射スクリーンiは、式(1)〜(4)を満たすことにより、スクリーン面に対する光源の入射角度、及び/又は、人が映像を観察する角度が異なる場合において、表示画像の色味が変化することを抑制することができる。
以下、式(1)〜(4)の技術的意義について説明する。
<<式(1)>>
式(1)は、選択反射層Aの分光反射率のピーク値を示す波長である「W(nm)」と、選択反射層Bの分光反射率のピーク値を示す波長である「W(nm)」とが異なることを規定している。要するに、式(1)は、入射角αが5〜60度の範囲内から選択される少なくとも一つの10度幅の領域において、選択反射層Aと選択反射層Bとが、それぞれ異なる波長域の光を選択反射することを規定している。
及びWの波長範囲は、反射スクリーンが有する選択反射層の数によって異なるため一概には言えない。選択反射層の数が2の場合(選択反射層A及び選択反射層B)は、入射角αが5〜60度の範囲において、Wは600〜800nmであることが好ましく、600〜750nmであることがより好ましく、600〜700nmであることがさらに好ましい。同様に、選択反射層の数が2の場合(選択反射層A及び選択反射層B)、入射角αが5〜60度の範囲において、Wは400〜600nmであることが好ましく、400〜550nmであることがより好ましく、400〜500nmであることがさらに好ましい。
<<式(2)〜式(4)>>
まず、式(2)で用いられている「L」は、選択反射層Aに入射角α度で入射した光の分光反射率のバンド幅を示し、式(3)で用いられている「L」は、選択反射層Bに入射角α度で入射した光の分光反射率のバンド幅を示している。
本明細書において、「バンド幅」は、後述する式(24)のΔλを意味する。
図2(a)は実施例1の反射スクリーンの選択反射層A及び選択反射層Bに、入射角50度で入射した光の分光反射率である。図2(a)において、実線は実施例1の選択反射層Aの分光反射率、破線は実施例1の選択反射層Bの分光反射率を示している。
また、図3(a)は比較例1の反射スクリーンの選択反射層A及び選択反射層Bに、入射角50度で入射した光の分光反射率である。図3(a)において、実線は比較例1の選択反射層Aの分光反射率、破線は比較例1の選択反射層Bの分光反射率を示している。
なお、図2(a)及び図3(a)は、後述の式(21)〜(24)を用いたシミュレーションにより得られた選択反射中心波長(ピーク値を示す波長)及びバンド幅を通るサインカーブとして作成したものである。また、図2(a)及び図3(a)では、分光反射率のピーク値は、屈折率1.51のソ−ダガラス上に選択反射層を有する積層体のソーダ石灰ガラス側から光を入射した際の分光反射率のピーク値の実測値V1と、屈折率1.51のソ−ダ石灰ガラス単体の分光反射率のピーク値の実測値V2との差分(V1−V2)から算出した。
また、式(2)及び式(3)において、W−Wは、選択反射層A及び選択反射層Bの分光反射率のピーク値を示す波長の間隔を示している。
したがって、式(2)及び式(3)を満たすことは、選択反射層A及び選択反射層Bの分光反射率のピーク値を示す波長の間隔に比べて、選択反射層Aのバンド幅L及び選択反射層Bのバンド幅Lが狭すぎずかつ広すぎないことを示している。
そして、式(4)を満たすことは、選択反射層A及び選択反射層Bの分光反射率が同程度であることを示している。
よって、式(2)〜(4)を満たすことにより、選択反射層A及び選択反射層Bを積層した際の分光反射率分布を図4のような形状とすることができる。図4(a)は、実施例1の反射スクリーンに入射角50度で入射した光の分光反射率を示す図であり、図4(b)は、実施例1の反射スクリーンに入射角60度(50+10度)で入射した光の分光反射率を示す図である。図4(a)と図4(b)との比較から、式(2)〜(4)を満たす場合、入射角をずらしても分光反射率の分布形状がほとんど変化しないこと、言い換えると、入射角をずらしても色味の変化を抑制できることが分かる。
一方、式(2)〜(4)の何れかを満たさない場合、入射角をずらした際の分光反射率の分布形状の変化が大きくなり、色味の変化を抑制することができない。
図5(a)は、比較例1の反射スクリーンに入射角50度で入射した光の分光反射率を示す図であり、図5(b)は、比較例1の反射スクリーンに入射角60度(50+10度)で入射した光の分光反射率を示す図である。比較例1の反射スクリーンは、W−Wに比べて、L及びLが狭すぎて、式(2)及び(3)を満たさないものである。図5(a)と図5(b)との比較から、式(2)〜(3)を満たさない場合、入射角をずらした際の分光反射率の分の形状の変化が大きいこと、言い換えると、入射角をずらした際の色味の変化を抑制できないことが分かる。
また、式(2)及び(3)を満たしても、式(4)を満たさない場合、W(nm)又はW(nm)近傍の分光反射率分布が図4のように平坦にならず、W(nm)又はW(nm)近傍にピークを備えた形状となる。このため、入射角をずらした際に、分光反射率の分布形状が変化し、色味の変化を抑制できない。
また、L及びLに比べてW−Wが小さすぎて式(2)及び(3)を満たさない場合は、分光反射率分布が図4のように平坦にならず、W(nm)とW(nm)との中間付近の波長にピークを備えた形状となるため、入射角をずらした際の色味の変化を抑制できない。また、L及びLに比べてW−Wが大きすぎて式(2)及び(3)を満たさない場合は、分光反射率分布が図4のように平坦にならず、W(nm)とW(nm)との中間付近の波長が凹んだ形状となるため、入射角をずらした際の色味の変化を抑制できない。
本発明の反射スクリーンiの一実施形態は、入射角αが40〜60度の範囲内から選択される全ての10度幅の領域において上記式(1)〜(4)を満たすことが好ましく、入射角αが45〜60度の範囲内から選択される全ての10度幅の領域において上記式(1)〜(4)を満たすことがより好ましい。入射角αに関連する本明細書中のその他の条件(例えば、後述する式(2−1)等の各式)も同様である。なお、前述した好適な実施形態における入射角αの範囲は、光源と反射スクリーンとの好適な配置関係を考慮したものである。
本発明の反射スクリーンiの一実施形態は、下記式(2−1)を満たすことが好ましく、下記式(2−2)を満たすことがより好ましい。
−10nm≦W−W≦L+10nm (2−1)
−7nm≦W−W≦L+7nm (2−2)
本発明の反射スクリーンiの一実施形態は、下記式(3−1)を満たすことが好ましく、下記式(3−2)を満たすことがより好ましい。
−10nm≦W−W≦L+10nm (3−1)
−7nm≦W−W≦L+7nm (3−2)
本発明の反射スクリーンiの一実施形態は、下記式(4−1)を満たすことが好ましく、下記式(4−2)を満たすことがより好ましい。
|P−P|≦3.0% (4−1)
|P−P|≦2.0% (4−2)
とWとの差(W−W)の好適な範囲は、反射スクリーンが有する選択反射層の数によって異なるため一概には言えない。
選択反射層の数が2の場合(選択反射層A及び選択反射層B)は、入射角αが5〜60度の範囲内から選択される少なくとも一つの10度幅の領域において、WとWとの差は、下記式(5−1)を満たすことが好ましく、下記式(5−2)を満たすことがより好ましく、下記式(5−3)を満たすことがさらに好ましい。
100nm≦W−W≦350nm (5−1)
100nm≦W−W≦300nm (5−2)
150nm≦W−W≦250nm (5−3)
及びLの範囲は、反射スクリーンが有する選択反射層の数によって異なるため一概には言えない。選択反射層の数が2の場合(選択反射層A及び選択反射層B)は、入射角αが5〜60度の範囲において、Lは100nm以上であることが好ましく、150nm以上であることがより好ましく、200nm以上であることがさらに好ましい。同様に、選択反射層の数が2の場合(選択反射層A及び選択反射層B)、入射角αが5〜60度の範囲において、Lは100nm以上であることが好ましく、150nm以上であることがより好ましく、200nm以上であることがさらに好ましい。
なお、入射角αが5〜60度の範囲内から選択される少なくとも一つの10度幅の領域において、LとLとの差の絶対値は40nm以下であることが好ましい。
本発明の反射スクリーンiの一実施形態は、入射角αが5〜60度の範囲内から選択される少なくとも一つの10度幅の領域において、P及びPの範囲が、それぞれ、10%以上であることが好ましく、15%以上であることがより好ましく、20%以上であることがさらに好ましい。P及びPを10%以上とすることにより、光源から投射される画像等の情報の視認性を良好にすることができる。
なお、P及びPの理論値限界は50%である。また、P及びPは、透明性を良好にする観点から45%以下であることが好ましく、35%以下であることがより好ましく、30%以下であることがさらに好ましい。
本発明の反射スクリーンiの一実施形態は、入射角αが5〜60度の範囲内から選択される少なくとも一つの10度幅の領域において、バンド幅Lの波長領域内における分光反射率の平均(以下、「選択反射層Aの分光反射率の平均」と称する。)が5〜30%あることが好ましく、10〜25%であることがより好ましく、15〜20%であることがさらに好ましい。
選択反射層Aの分光反射率の平均を5%以上とすることにより、光源から投射される画像等の情報の視認性を良好にすることができる。また、選択反射層Aの分光反射率の平均を30%以下とすることにより、反射スクリーンの透明性を良好にしやすくできる。
本発明の反射スクリーンiの一実施形態は、入射角αが5〜60度の範囲内から選択される少なくとも一つの10度幅の領域において、バンド幅Lの波長領域内における分光反射率の平均(以下、「選択反射層Bの分光反射率の平均」と称する。)が5〜30%あることが好ましく、10〜25%であることがより好ましく、15〜20%であることがさらに好ましい。
選択反射層Bの分光反射率の平均を5%以上とすることにより、光源から投射される画像等の情報の視認性を良好にすることができる。また、選択反射層Bの分光反射率の平均を30%以下とすることにより、反射スクリーンの透明性を良好にしやすくできる。
本発明の反射スクリーンiの一実施形態は、入射角αが5〜60度の範囲内から選択される少なくとも一つの10度幅の領域において、選択反射層Aの分光反射率の平均と選択反射層Bの分光反射率の平均との比(選択反射層Aの分光反射率の平均/選択反射層Bの分光反射率の平均)が、下記式(6−1)を満たすことが好ましく、下記式(6−2)を満たすことがより好ましく、下記式(6−3)を満たすことがさらに好ましい。下記式(6−1)等を満たすことにより、入射角をずらした際の色味の変化をより抑制しやすくできる。
|選択反射層Aの分光反射率の平均−選択反射層Bの分光反射率の平均|≦5% (6−1)
|選択反射層Aの分光反射率の平均−選択反射層Bの分光反射率の平均|≦4% (6−2)
|選択反射層Aの分光反射率の平均−選択反射層Bの分光反射率の平均|≦3% (6−3)
(nm)、W(nm)、L(nm)及びW(nm)は、例えば、後述するように、コレステリック液晶層の屈折率、複屈折率及びヘリカルピッチにより調整できる。また、P(%)及びP(%)は、選択反射層A及び選択反射層Bの厚みにより調整できる(厚みが薄いと反射率は低くなり、厚みが厚いと反射率が高くなる傾向がある。)。
<選択反射層>
選択反射層は、特定の波長域の特定の偏光を反射し、それ以外の光を透過するものである。かかる性質を備える選択反射層としては、下記(i)及び(ii)が挙げられる。
(i)特定の波長域の右円偏光又は左円偏光を反射し、それ以外の光を透過するコレステリック液晶層(本明細書において、「CLC層」と称する場合がある。)。
(ii)特定の波長域のp波又はs波を反射し、他方を透過する反射性偏光層(本明細書において、「DBEF層」と称する場合がある。)。
本発明の反射スクリーンは、選択反射層として、選択反射層A及び選択反射層Bを有する。なお、本発明の反射スクリーンは、選択反射層として、選択反射層A及び選択反射層B以外の選択反射層を有していてもよいが、薄膜化及びコストの観点から、選択反射層は、選択反射層A及び選択反射層Bの2層であることが好ましい。また、選択反射層A及び選択反射層BはCLC層であることが好ましい。
<<CLC層>>
本明細書においてCLC層とは、コレステリック規則性を呈する液晶性分子からなる層をいう。コレステリック規則性とは、一平面上では分子軸が一定の方向に並んでいるが、それに重なる次の平面では分子軸の方向が少し角度をなしてずれ、更に次の平面では更に角度がずれるというように、重なって配列している平面を順次透過して進むに従って当該平面中の分子軸の角度がずれて(ねじれて)いく構造である。このように分子軸の方向がねじれてゆく構造はカイラルな構造となる。
CLC層は、一般的に、フィジカルな分子配列に基づいて、一方向の旋光成分とこれと逆回りの旋光成分とを分離する旋光選択特性を有する。このような液晶層に対して、液晶のプレーナー配列のヘリカル軸に沿って入射した光は、右旋及び左旋の2つの円偏光に別れ、一方が透過し、他方が反射する。この現象は、円偏光2色性として知られ、液晶分子の螺旋構造における旋回方向を適宜選択することにより、該旋回方向と同一の旋光方向を持つ円偏光を選択的に反射させることができる。
この場合の最大旋光偏光光反射は、下記式(21)の波長λで生じる。すなわち、λは、分光反射率のピーク値を示す波長(本明細書において、「選択反射中心波長」と称する場合もある。)を意味する。
λ=nav・p (21)
ここで、pは液晶分子の螺旋構造におけるヘリカルピッチ、navはヘリカル軸に直交する平面内の平均屈折率である。
入射角が変化した場合、平均屈折率はスネルの法則の影響を受ける。
空気中(屈折率P1=1.0)から角度θ1で入射した場合、CLC層における入射角度θ2は下記式(22)となる。
sin(θ2)=sin(θ1) /nav (22)
したがって、入射角0度の時のλに対して入射角θ1の場合の選択反射中心波長λθは、下記式(23)で計算される。

またCLC液晶の場合、平均屈折率はピーク波長によって波長分散の影響を受けることも留意する必要がある。(正分散液晶の場合、長波長側の平均屈折率は低くなることに留意する。)
また、このときの反射光の波長バンド幅Δλは下記式(24)で示される。
Δλ=Δn・p (24)
ここで、Δnは液晶材料の複屈折値である。
CLC層単独での偏光分離作用について説明する。
まず、無偏光がCLC層に入射した場合、前記波長λを中心とした波長バンド幅Δλの範囲の光の右旋又は左旋の円偏光成分の一方が反射し、他方の円偏光成分及び他の波長域の光(無偏光)が透過する。なお、反射した右旋又は左旋円偏光は、通常の反射と異なり、位相が反転されることなくそのまま反射する。
また、円偏光がCLC層に入射した場合において、該円偏光の旋回方向と、CLC層の液晶分子の螺旋構造の旋回方向とが一致する場合には、波長λを中心とした波長バンド幅Δλの範囲の円偏光が反射し、他の波長域の円偏光は透過する。なお、反射した右旋又は左旋円偏光は、通常の反射と異なり、位相が反転されることなくそのまま反射する。
反射効率を高め、反射スクリーンの視認性を良好にする観点からは、円偏光をCLC層に入射するように設計することが好ましい。より詳しくは、円偏光の旋回方向と、CLC層の液晶分子の螺旋構造の旋回方向とが一致するように設計することが好ましい。
CLC層としては、重合性基を有する液晶性モノマー又はオリゴマーを含む硬化性組成物の硬化物や、ガラス状態にした液晶性ポリマーからなるものが挙げられる。
上記の中でも、CLC層は重合性基を有する液晶性モノマー又はオリゴマーを含む硬化性組成物の硬化物であることが好ましい。CLC層が上記硬化性組成物の硬化物であると、液晶分子をコレステリック液晶状態のままで光学的に固定化することができ、取り扱い性も向上するためである。
上記硬化性組成物は電離放射線硬化性、熱硬化性のいずれでもよいが、前述した固定化の観点からは電離放射線硬化性組成物であることが好ましい。本明細書において電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
重合性基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。重合性の観点からは(メタ)アクリロイル基又はビニル基が好ましく、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。
重合性基を有する液晶性モノマー又はオリゴマーは、上記重合性基を少なくとも1つ有していればよいが、三次元架橋により液晶性分子が光学的に固定されたCLC層を得る観点からは、重合性基を2つ以上有することが好ましく、両末端に重合性基を有する、2官能の液晶性モノマー又はオリゴマーがより好ましい。
重合性基を有する液晶性モノマーとしては、例えば、特開平7−258638号公報や特表平10−508882号公報で開示されている液晶性モノマーが挙げられる。重合性基を有する液晶性オリゴマーとしては、例えば、特開昭57−165480号公報で開示されているようなコレステリック相を有する環式オルガノポリシロキサン化合物が挙げられる。
重合性基を有する液晶性モノマーの具体例としては、例えば下記構造式(I)で表される、両末端にアクリロイル基を有する液晶性モノマーが挙げられる。
CLC層は、重合性基を有する液晶性モノマー又はオリゴマーと、カイラル剤とを含む硬化性組成物の硬化物であることがより好ましい。前記液晶性モノマー又はオリゴマーを所定の温度で液晶層にした場合にはネマチック状態になるが、ここにカイラル剤を添加すれば、カイラルネマチック液晶(すなわち、コレステリック液晶)となる。また、使用するカイラル剤の種類を変えてカイラルパワーを変えるか、又はカイラル剤の配合量を変化させることによって、CLC層に含まれる液晶分子の螺旋構造におけるヘリカルピッチを調整することができ、これによりCLC層の選択反射波長域を調整することができる。
CLC液晶層は、ディスコティック液晶により作製してもよい。なお、CLC液晶層は、例えば、特開2000−086591号公報等に記載されているようなカイラルディスコティック化合物を使用してもよく、また、特開2000−111734号公報、特開2000−171637号公報、特開2000−347039号公報等に記載されているような、非カイラル性ディスコティック液晶性化合物と、重合性基を有するカイラルディスコティック化合物との共重合体を使用してもよい。
三次元架橋により液晶性分子が光学的に固定されたCLC層を得る観点からは、CLC層は、重合性基を有する液晶性モノマー又はオリゴマーと、重合性基を有するカイラル剤とを含む硬化性組成物の硬化物であることが更に好ましい。
重合性基を有するカイラル剤としては、三次元架橋により液晶性分子が光学的に固定されたCLC層を得る観点から、重合性基を2つ以上有するカイラル剤であることが好ましく、両末端に重合性基を有する、2官能のカイラル剤であることがより好ましい。重合性基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。重合性の観点からは(メタ)アクリロイル基又はビニル基が好ましく、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。
カイラル剤としては、例えば、特開平7−258638号公報や特表平10−508882号公報で開示されているキラル化合物が挙げられる。
カイラル剤の市販品としては、両末端に重合性基としてアクリロイル基を有するカイラル剤「Paliocolor(登録商標)LC756」(BASF社製)等が挙げられる。
CLC層中のカイラル剤の量は、所望の波長選択性が得られる量であれば特に制限はないが、CLC層の形成に用いる硬化性組成物中の液晶性モノマー、液晶性オリゴマー、及びカイラル剤の合計量を100質量部とした時のカイラル剤の配合量として、通常0.5〜20質量部、好ましくは1〜15質量部、より好ましくは2〜10質量部である。
CLC層の形成に用いる硬化性組成物は、前述した電離放射線の照射により硬化するものであることが好ましい。電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる材料や層の厚さに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で硬化させることが好ましい。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、通常波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯等が用いられる。
CLC層の形成に用いる硬化性組成物が紫外線硬化性組成物の場合、更に光重合開始剤を含むことが好ましい。硬化性組成物中の重合性基を有する液晶性モノマー又はオリゴマー、並びに重合性基を有するカイラル剤を紫外線照射により硬化させることが可能になるためである。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーズケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサントン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
上記光重合開始剤は1種を単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
前記硬化性組成物中の光重合開始剤の量は、液晶性モノマー、液晶性オリゴマー、及びカイラル剤の合計量を100質量部とした時の光重合開始剤の配合量として、1〜10質量部であることが好ましく、2〜8質量部であることがより好ましい。
CLC層の形成に用いる硬化性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、更に光重合促進剤、滑剤、可塑剤、充填剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、架橋剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、導電剤、屈折率調整剤、溶剤等のその他の成分を含有してもよい。
CLC層を構成する材料が液晶性ポリマーである場合、その具体例としては、液晶性を呈するメソゲン基を主鎖、側鎖、あるいは主鎖及び側鎖の位置に導入したポリマー、コレステリル基を側鎖に導入した高分子コレステリック液晶、例えば、特開平9−133810号公報で開示されている液晶性ポリマー、特開平11−293252号公報で開示されている液晶性ポリマー等が挙げられる。
液晶性ポリマーとしては、液晶性ポリマーそれ自体にカイラル能を有しているコレステリック液晶性ポリマーそのものを用いてもよいし、ネマチック液晶性ポリマーとコレステリック液晶性ポリマーの混合物を用いてもよい。このような液晶性ポリマーは、温度によって状態が変わり、例えばガラス転移温度が90℃、アイソトロピック転移温度が200℃である場合は、90〜200℃の間でコレステリック液晶状態を呈し、これを室温まで冷却すれば、コレステリック構造を有したままガラス状態で固化させることができる。
液晶性ポリマーのように、CLC層を構成する液晶材料がガラス転移温度を有するものである場合、温度を変化させることにより液晶のON/OFF制御を行うことも可能である。
液晶性ポリマーのコレステリック構造に起因する入射光の選択反射波長域を調整するには、公知の方法で液晶性ポリマー分子中のカイラルパワーを調整すればよい。また、ネマチック液晶性ポリマーとコレステリック液晶性ポリマーの混合物を用いる場合は、その混合比を調整する。
CLC層の厚さは、使用する液晶性モノマー又はオリゴマー、ポリマーやカイラル剤の種類、並びに所望するCLC層の選択反射波長域によっても最適な範囲が異なるが、入射光の反射率を高める観点からは、好ましくは0.2μm以上、より好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは1μm以上である。
また、反射スクリーンの薄型化の観点からは、CLC層の厚さは、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、更に好ましくは50μm以下、より更に好ましくは30μm以下、より更に好ましくは20μm以下、より更に好ましくは10μm以下である。なお、上記CLC層の厚さは、個々の選択反射層の厚さである。
CLC層の厚さは、例えば、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いて撮影した断面の画像から10箇所の厚みを測定し、10箇所の値の平均値から算出できる。STEMの加速電圧は10kV〜30kVとすることが好ましい。STEMの倍率は、測定膜厚がミクロンオーダーの場合は1,000〜7,000倍とすることが好ましく、測定膜厚がナノオーダーの場合は5万〜30万倍とすることが好ましい。
CLC層の形成方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。以下、CLC層が、前述した液晶性モノマー又はオリゴマーを含む電離放射線硬化性組成物の硬化物である場合を例として説明する。
まず、ガラス基板等の基材上に配向膜を形成し、その上に、液晶性モノマー又はオリゴマー、カイラル剤、並びに光重合開始剤、溶剤等のその他成分を含むCLC層形成用の電離放射線硬化性組成物を塗布し、配向膜の配向規制力によって液晶性分子(液晶性モノマー及びオリゴマー)を配向させる。次に、この配向状態のままで電離放射線を照射して液晶性モノマー又はオリゴマーを三次元架橋させ、前記硬化性組成物の硬化物であるCLC層を得ることができる。
前記硬化性組成物を塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ダイコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ビードコーター法等の公知の各種方法を挙げることができる。
前記硬化性組成物が溶剤を含有する場合、該硬化性組成物を塗布した後に、例えば30〜120℃で10〜120秒間乾燥を行うことが好ましい。
上記配向膜は従来知られている方法で作製することができる。例えば、ガラス基板等の基材上にポリイミドを成膜し、ラビングする方法;ガラス基板上に光配向膜となる高分子化合物を成膜し、偏光UV(紫外線)を照射する方法;延伸したPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用いる方法;マスクを用いてパターニングする方法;等が挙げられる。
CLC層が前述した液晶性ポリマーからなるものである場合も、上記と同様にガラス基板等の基材上に配向膜を形成し、当該配向膜上に液晶性ポリマーを含む組成物を前記方法で塗布して、配向膜の配向規制力によってポリマーを配向させる。必要に応じて乾燥を行った後、冷却して液晶性ポリマーをガラス状態に固定させればCLC層を得ることができる。
また、基材上にCLC層を形成してなる積層体を複数準備し、これらの積層体を粘着剤等を介して貼り合わせることにより、複数のCLC層を有する反射スクリーンを得ることができる。
CLC層は、正分散性を示すものでもよいし、逆分散性を示すものでもよい。
「正分散性」とは、波長が長くなるに従って透過光に与える面内位相差が減少する特性であり、具体的には、波長450nmにおける面内位相差(Re450)と、波長550nmにおける面内位相差(Re550)との関係が、Re450>Re550となる特性である。これに対して、「逆分散性」は、Re450<Re550となる特性である。
本明細書において、面内位相差(Re)は、面内における遅相軸方向の屈折率をnx、面内においてnxに直交する方向の屈折率をny、膜厚をd(nm)とした際に、下記式で表すことができる。
面内位相差(Re)=(nx−ny)×d
CLC層の面内位相差(Re550)は20nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。
選択反射層の一例であるCLC層のうち、上記に例示した液晶化合物は概ね正分散性を示すものである。
CLC層のうち、逆分散性を示すものは、逆分散波長特性を示す液晶材料や、シクロヘキサン構造を有する液晶材料を適用することで得られる。
逆分散性を示す液晶材料としては、例えば、特表2010−522892号公報、特開2006−243470号公報、特開2007−243470号公報、特開2009−75494号公報、特開2009−62508号公報、特開2009−179563号公報、特開2009−242717号公報、特開2009−242718号公報、特許第4222360号公報、特許第4186981号公報、などに記載されている液晶化合物が例示できる。
また、シクロヘキサン構造を有する液晶材料としては、例えば特開2001−163833、特開2007−91612、特開2007−91796、特開2006−241403、特開2006−70080、特開2006−37005、特開2006−8928に記載された液晶材料の分子末端にアクリレート基などの重合性基を付与することにより作製したものもしくは特開2008−274204に記載された材料を適用することができる。
<<DBEF層>>
DBEF層としては、多層光学フィルム反射性偏光子が例示され、例えば、米国特許第5,882,774号公報に記載されている反射性偏光子や、3M Companyから入手可能なDBEF−D2−400、DBEF−D4−400等が例示される。
DBEF層は、単一偏光状態を有する光を透過し、残りの光を反射する。DBEF層は、p波(p偏光ともいう、入射面内で電界が振動する偏光)又はs波(s偏光ともいう、入射面に垂直に電界が振動する偏光)の一方を透過し、他方を反射する。また、後述するように反射する偏光成分の波長を選択することも可能である。なお、偏光サングラスは、通常、s波を吸収するように設計されているため、DBEF層を有する反射スクリーンは、p波を反射するように配置することが好ましい。
具体的には、DBEF層は、複屈折性を有する層Aと複屈折性を実質的に有さない層Bとが交互に積層された多層積層体であることが好ましい。例えば、このような多層積層体の層の総数は、50〜1,000であり得る。A層のx軸方向の屈折率nxがy軸方向の屈折率nyより大きく(nx>ny)、B層のx軸方向の屈折率nxとy軸方向の屈折率nyとは実質的に同一である(nx≒ny)。従って、A層とB層との屈折率差は、x軸方向において大きく、y軸方向においては実質的にゼロである。その結果、x軸方向が反射軸となり、y軸方向が透過軸となる。A層とB層とのx軸方向における屈折率差は、好ましくは0.1〜0.4、より好ましくは0.2〜0.3である。なお、x軸方向は、DBEF層の製造方法におけるDBEF層の延伸方向に対応する。A層とB層とのx軸方向における屈折率差が大きいと、反射率が上がるため、層数を減らすことが可能である。一方、屈折率差を高くするためには、より強い延伸が必要となるため、材料選定やプロセスの適正化が必要であり、更に、ボーイング現象が発生しやすく、生産性が低下しやすいと考えられる。
上記A層は、好ましくは、延伸により複屈折性を発現する材料で構成される。このような材料の代表例としては、ナフタレンジカルボン酸ポリエステル(例えば、ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネートおよびアクリル系樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート)が挙げられる。これらの中でもポリエチレンナフタレートが好ましい。上記B層は、好ましくは、延伸しても複屈折性を実質的に発現しない材料で構成される。このような材料の代表例としては、ナフタレンジカルボン酸とテレフタル酸とのコポリエステルが挙げられる。
DBEF層は、A層とB層との界面において、p波とs波との僅かな反射率の違いを多層構造とすることで繰り返し利用することで、p波とs波を完全に分離して、一方を透過し、他方を反射する。
また、DBEF層は、各層の屈折率及び積層数を調整することにより、反射される偏光成分の分光反射率のピーク値を示す波長及びバンド幅を調整することができる。
DBEF層の全体厚みは、DBEF層に含まれる層の合計数等に応じて適宜設定され、通常は、10μm〜150μm程度である。
DBEF層単独での偏光分離作用について説明する。
まず、無偏光がDBEF層に入射した場合、p波又はs波の一方の偏光成分であって、かつ、上記の手段によって選択した波長の光が反射され、その他の光が透過する。
また、直線偏光がDBEF層に入射した場合において、直線偏光の振動方向と、上記x軸(反射軸)の方向とが一致する場合には、上記の手段によって選択した波長の光が反射され、残りの波長の光が透過する。
反射効率を高め、反射スクリーンの視認性を良好にする観点からは、直線偏光をDBEF層に入射するように設計することが好ましい。より詳しくは、直線偏光の振動方向と、DBEF層のx軸(反射軸)の方向とが一致するように設計することが好ましい。
DBEF層は、代表的には、共押出と横延伸とを組み合わせて作製され得る。共押出は、任意の適切な方式で行われ得る。例えば、フィードブロック方式であってもよく、マルチマニホールド方式であってもよい。例えば、フィードブロック中でA層を構成する材料とB層を構成する材料とを押出し、次いで、マルチプライヤーを用いて多層化する。なお、このような多層化装置は当業者に公知である。次いで、得られた長尺状の多層積層体を代表的には搬送方向に直交する方向(TD)に延伸する。A層を構成する材料(例えば、ポリエチレンナフタレート)は、当該横延伸により延伸方向においてのみ屈折率が増大し、結果として複屈折性を発現する。B層を構成する材料(例えば、ナフタレンジカルボン酸とテレフタル酸とのコポリエステル)は、当該横延伸によってもいずれの方向にも屈折率は増大しない。結果として、延伸方向(TD)に反射軸を有し、搬送方向(MD)に透過軸を有する反射型偏光子が得られ得る。なお、延伸操作は、任意の適切な装置を用いて行われ得る。
<透明基材>
本発明の反射スクリーンiの一実施形態は、透明基材を有することが好ましい。透明基材は、選択反射層等を形成する際の支持体としての役割、あるいは、選択反射層等を保護する役割等を有する。
本発明の反射スクリーンiの一実施形態は、選択反射層Aの選択反射層Bとは反対側、及び、選択反射層Bの選択反射層Aとは反対側の少なくとも何れかに透明基材を有することが好ましく、選択反射層Aの選択反射層Bとは反対側、及び、選択反射層Bの選択反射層Aとは反対側に透明基材を有することがより好ましい。
また、選択反射層Aの選択反射層Bとは反対側、及び、選択反射層Bの選択反射層Aとは反対側に配置する透明基材は、それぞれ複数であってもよい。
透明基材は、ポリマーから形成したものでもよいし、ガラスから形成したものであってもよい。ポリマーとしては、セルロースアシレート、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー等を利用することができる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、又はこれらポリマーの混合物等が挙げられる。
透明基材の厚みは、ポリマーから形成した透明基材の場合は、通常25〜125μm程度であり、ガラスから形成した透明基材の場合は、通常100μm〜5mm程度である。
<位相差層>
本発明の反射スクリーンiの一実施形態は、位相差層を有していてもよい。位相差層は、視野角特性を調整する役割、光源から射出される光を変換する役割などを有する。光源から射出される光を変換する例としては、光源から射出される直線偏光を、位相差層(λ/4位相差層の単層、又は、λ/2位相差層及びλ/4位相差層)で円偏光に変換することが挙げられる。
本発明の反射スクリーンiの一実施形態は、下記(1)又は(2)の構成を備えることが好ましく、下記(3)の構成を備えることがより好ましい。なお、下記(1)又は(2)の構成の場合、位相差層を有する側の面を反射スクリーンの光入射面とすることが好ましい。
(1)選択反射層Aの選択反射層Bとは反対側に位相差層Aを有する。
(2)選択反射層Bの選択反射層Aとは反対側に位相差層Bを有する。
(3)選択反射層Aの選択反射層Bとは反対側に位相差層Aを有し、かつ、選択反射層Bの選択反射層Aとは反対側に位相差層Bを有する。
上記(1)及び(3)において、選択反射層Aの選択反射層Bとは反対側に、位相差層A及び透明基材を有する場合、位相差層Aの選択反射層Aとは反対側に透明基材を配置することが好ましい。また、上記(2)及び(3)において、選択反射層Bの選択反射層Aとは反対側に、位相差層B及び透明基材を有する場合、位相差層Bの選択反射層Bとは反対側に透明基材を配置することが好ましい。
選択反射層A及び選択反射層Bがコレステリック液晶層である場合、位相差層A及び位相差層Bは、λ/4位相差層の単層構造、あるいは、λ/4位相差層とλ/2位相差層との積層構造が好ましい。以下、位相差層Aとしてのλ/4位相差層及びλ/2位相差層を、λ/4位相差層A及びλ/2位相差層Aと称し、位相差層Bとしてのλ/4位相差層及びλ/2位相差層を、λ/4位相差層B及びλ/2位相差層Bと称する場合がある。
光源から射出した直線偏光を、前述した好適な実施形態の位相差層(λ/4位相差層の単層構造、あるいは、λ/4位相差層とλ/2位相差層との積層構造)を有する側から反射スクリーンに入射させることにより、光源の直線偏光が円偏光に変換され、特定波長の反射率を高め、視認性を良好にすることができる。この場合、位相差層の遅相軸と、光源から射出される直線偏光の振動方向とが成す角度は、下記(A)〜(D)の何れかとすることが好ましい。
なお、本明細書において、位相差層の遅相軸と、直線偏光の振動方向とが成す角度は、両者がなす鋭角を指し、さらに、直線偏光の振動方向を基準として時計回りの方向に該鋭角が存在する場合には該鋭角をプラスと定義し(図6の場合)、直線偏光の振動方向を基準として反時計回りの方向に該鋭角が存在する場合には該鋭角をマイナスと定義している。
<(A)位相差層が、位相差層A及び位相差層Bの何れか一方であり、該位相差層がλ/4位相差層の単層構造の場合>
この場合、λ/4位相差層の遅相軸と、光源から射出される直線偏光の振動方向との成す角度は、45±10度又は−45±10度であることが好ましく、45±5度又は−45±5度であることがより好ましく、45±3度又は−45±3度であることがさらに好ましく、45±1度又は−45±1度であることがよりさらに好ましい。なお、前述した角度がプラス側の場合は直線偏光が左回りの円偏光に変換され、マイナス側の場合は直線偏光が右回りの円偏光に変換される(下記(B)〜(D)も同様)。
<(B)位相差層が、位相差層A及び位相差層Bの何れか一方であり、該位相差層がλ/4位相差層とλ/2位相差層との積層構造の場合>
この場合、λ/4位相差層の遅相軸と、光源から射出される直線偏光の振動方向との成す角度は、75±10度又は−75±10度であることが好ましく、75±5度又は−75±5度であることがより好ましく、75±3度又は−75±3度であることがさらに好ましく、75±1度又は−75±1度であることがよりさらに好ましい。また、λ/2位相差層の遅相軸と、光源から射出される直線偏光の振動方向との成す角度は、15±10度又は−15±10度であることが好ましく、15±5度又は−15±5度であることがより好ましく、15±3度又は−15±3度であることがさらに好ましく、15±1度又は−15±1度であることがよりさらに好ましい。なお、λ/4位相差層の遅相軸が成す角度と、λ/2位相差層の遅相軸が成す角度とは、プラスマイナスを揃えるものとする(例えば、λ/4位相差層の遅相軸が成す角度が75±10度の場合、λ/2位相差層の遅相軸が成す角度は15±10度)。
<(C)位相差層が、位相差層A及び位相差層Bの両方であり、位相差層A及び位相差層Bがλ/4位相差層の単層構造の場合>
この場合、λ/4位相差層Aの遅相軸と、光源から射出される直線偏光の振動方向との成す角度は、45±10度又は−45±10度であることが好ましく、45±5度又は−45±5度であることがより好ましく、45±3度又は−45±3度であることがさらに好ましく、45±1度又は−45±1度であることがよりさらに好ましい。また、λ/4位相差層Bの遅相軸は、λ/4位相差層Aの遅相軸と略直交するように配置することが好ましい。略直交の範囲は後述する。
<(D)位相差層が、位相差層A及び位相差層Bの両方であり、位相差層A及び位相差層Bがλ/4位相差層とλ/2位相差層との積層構造の場合
この場合、λ/4位相差層Aの遅相軸と、光源から射出される直線偏光の振動方向との成す角度は、75±10度又は−75±10度であることが好ましく、75±5度又は−75±5度であることがより好ましく、75±3度又は−75±3度であることがさらに好ましく、75±1度又は−75±1度であることがよりさらに好ましい。また、λ/2位相差層Aの遅相軸と、光源から射出される直線偏光の振動方向との成す角度は、15±10度又は−15±10度であることが好ましく、15±5度又は−15±5度であることがより好ましく、15±3度又は−15±3度であることがさらに好ましく、15±1度又は−15±1度であることがよりさらに好ましい。なお、λ/4位相差層Aの遅相軸が成す角度と、λ/2位相差層Aの遅相軸が成す角度とは、プラスマイナスを揃えるものとする。また、λ/4位相差層Bの遅相軸は、λ/4位相差層Aの遅相軸と略直交するように配置し、λ/2位相差層Bの遅相軸は、λ/2位相差層Aの遅相軸と略直交するように配置することが好ましい。略直交の範囲は後述する。
λ/4位相差層とλ/2位相差層との積層構造の場合、λ/2位相差層よりもλ/4位相差層が選択反射層側となるように配置することが好ましい。例えば、λ/2位相差層Aよりもλ/4位相差層Aが選択反射層A側となるように配置することが好ましい。また、λ/2位相差層Bよりもλ/4位相差層Bが選択反射層B側となるように配置することが好ましい。
選択反射層A及び選択反射層Bがコレステリック液晶層であり、かつ、上記(C)又は(D)の構成の場合(以下、該構成を「構成x」と称する場合がある。)、互いに対応する位相差層の遅相軸が成す角度が略直交となるように、位相差層A及び位相差層Bを配置することが好ましい。例えば、λ/4位相差層Aの遅相軸とλ/4位相差層Bの遅相軸との成す角度、あるいは、λ/2位相差層Aの遅相軸とλ/2位相差層Bの遅相軸との成す角度が、略直交となるように位相差層A及び位相差層Bを配置することが好ましい。なお、略直交とは、90±10度を意味し、好ましくは90±5度、より好ましくは90±3度、さらに好ましくは90±1度である。
光源から直線偏光を射出して、当該構成xの反射スクリーンに入射させることにより、光入射側の位相差層で円偏光に変換された光が、光出射側の位相差層で直線偏光に再変換することができる。このため、下記(i)又は(ii)の構成とすることにより、反射スクリーンの界面反射(特に空気界面の反射)を抑制し、視認性を向上することができる。なお、偏光サングラスをかけた際の視認性を考慮すると、下記(i)の構成が好ましい(偏光サングラスは、通常、s偏光を吸収するように設計されているため)。
(i)再変換される直線偏光をp偏光とする。(光源から射出する直線偏光をp偏光とすれば、再変換される直線偏光はp偏光となる。)
(ii)光出射側の位相差層よりも光出射側に、再変換される直線偏光を吸収する偏光子を配置する。
λ/4位相差層は、Re550が、好ましくは100〜180nm、より好ましくは110〜160nm、更に好ましくは110〜150nmである。
λ/2位相差層は、Re550が、好ましくは200〜300nm、より好ましくは220〜280nm、更に好ましくは220〜270nmである。
λ/4位相差層及びλ/2位相差層等の位相差層は、正分散性を示すものであってもよいし、逆分散性を示すものであってもよいが、選択反射層において特定の波長域の光を反射する効率を向上する観点から、逆分散性を示すものが好ましい。
λ/4位相差層のRe450と、λ/4位相差層のRe550との比(Re450/Re550))は、好ましくは0.95以下、より好ましくは0.93以下、更に好ましくは0.91以下、より更に好ましくは0.89以下である。また、Re450/Re550は、好ましくは0.78以上、より好ましくは0.80以上、更に好ましくは0.82以上である。
λ/2位相差層のRe450と、λ/2位相差層のRe550との比(Re450/Re550))は、好ましくは0.95以下、より好ましくは0.93以下、更に好ましくは0.91以下、より更に好ましくは0.89以下である。また、Re450/Re550は、好ましくは0.78以上、より好ましくは0.80以上、更に好ましくは0.82以上である。
λ/4位相差層及びλ/2位相差層等の位相差層の厚みは、付与する位相差を考慮して、0.1〜10μmの範囲で適宜調整することができる。
位相差層は、例えば、液晶性化合物を含む組成物から形成したり、ポリマーフィルムを延伸したりすることにより形成することができる。液晶性化合物を含む組成物から形成する位相差層は透明基材上に形成することが好ましい。なお、透明基材上に形成した位相差層は、そのまま用いてもよいし、他の部材(例えば、選択反射層)に転写して用いてもよい。
位相差層の形成に用いられる液晶性化合物の種類については特に限定されない。例えば、低分子液晶性化合物を液晶状態においてネマチック配向に形成後、光架橋や熱架橋によって固定化して得られる位相差層や、高分子液晶性化合物を液晶状態においてネマチック配向に形成後、冷却することによって当該配向を固定化して得られる位相差層を用いてもよい。
なお、位相差層に液晶性化合物が用いられる場合であっても、層となった後は、もはや液晶性を示す必要はない。重合性液晶性化合物は、多官能性重合性液晶性化合物でもよいし、単官能重合性液晶性化合物でもよい。また、液晶性化合物は、ディスコティック液晶性化合物でもよく、棒状液晶性化合物であってもよい。
位相差層は、例えば、位相差層形成用組成物を透明基材上に塗布、乾燥、硬化することにより形成できる。また、位相差層形成用組成物は、配向膜上に塗布することが好ましい。位相差層形成用組成物の塗布は、公知の方法(例、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
<その他の層>
本発明の反射スクリーンiの一実施形態は、その他の層を有していてもよい。
その他の層としては、位相差層を配向させやすくするための配向膜、紫外線吸収層、中間膜及び接着剤層等が挙げられる。中間膜は、反射スクリーンiに耐衝撃性及び飛散防止性等を付与するために形成される層であり、例えば、ポリビニルブチラール等から形成することができる。
<光学物性>
本発明の反射スクリーンiの一実施形態は、JIS K7361−1:1997に準拠して測定される全光線透過率が60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。
また、本発明の反射スクリーンiの一実施形態は、JIS K7136:2000に準拠して測定されるヘイズが2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがより好ましい。
本発明の反射スクリーンiの一実施形態は、反射スクリーンに入射角α度で入射した光の420〜640nmの分光反射率の最大値をR(%)、反射スクリーンに入射角α度で入射した光の420〜640nmの分光反射率の最小値をR(%)と定義した際に、入射角αが5〜60度の範囲内の任意の10度幅の領域において、下記式(7)を満たすことが好ましい。
−R≦5.0% (7)
上記式(7)を満たすことにより、スクリーン面に対する光源の入射角度による表示画像の色味の変化を抑制しやすくできる。
−Rは、下記式(7−1)を満たすことがより好ましく、下記式(7−2)を満たすことがさらに好ましく、下記式(7−3)を満たすことがよりさらに好ましい。
−R≦3.0% (7−1)
−R≦2.0% (7−2)
−R≦1.0% (7−3)
[反射スクリーンii]
本発明の反射スクリーンiiは、選択反射層A及び選択反射層Bを有し、
前記反射スクリーンに入射角x度で入射した光の反射光と、前記反射スクリーンにx+10度で入射した光の反射光とから算出してなる、L表色系の色差をΔEab(x〜x+10)と定義した際に、
入射角xが5〜60度の範囲から選択される少なくとも何れかの角度において、下記式(11)を満たすものである。
ΔEab(x〜x+10)≦5.0 (11)
本発明の反射スクリーンiiは、入射角xが5〜60度の範囲から選択される少なくとも何れかの角度において、上記式(11)を満たすものである。xを5〜60度の範囲と規定しているのは、反射スクリーンに対する光源の一般的な入射角度を規定したものである。また、入射角x度と、入射角x+10度との色差としている理由は、人の目線の高さの違いに基づく観察角度の差が概ね10度以内となるためである。すなわち、式(11)を満たす反射スクリーンは、人の目線の高さの違い(x〜x+10度)を考慮した条件を、一般的な光源の入射角度の範囲内で調整し得ることを意味している。
本発明の反射スクリーンiiの一実施形態は、入射角xが5〜50度の範囲内から選択される全ての角度において上記式(11)を満たすことが好ましく、入射角xが40〜50度の範囲内から選択される全ての角度において上記式(11)を満たすことがより好ましく、入射角xが45〜50度の範囲内から選択される全ての角度において上記式(11)を満たすことがさらに好ましい。後述する式(11−1)及び(11−2)も同様である。なお、前述した好適な実施形態における入射角xの範囲は、光源と反射スクリーンとの好適な配置関係を考慮したものである。
ΔEab(x〜x+10)は、下記式(11−1)を満たすことがより好ましく、下記式(11−2)を満たすことがさらに好ましい。
ΔEab(x〜x+10)≦4.0 (11−1)
ΔEab(x〜x+10)≦3.0 (11−2)
反射スクリーンiiが上記式(11)を満たすようにするためには、反射スクリーンiの必須構成要件である式(1)〜(4)を満たすことが好ましく、反射スクリーンiにおいて好適な実施形態として例示した構成を満たすことがより好ましい。
また、反射スクリーンiiの一実施形態として、透明基材、位相差層及びその他の層を有していてもよい。反射スクリーンiiの一実施形態として有する透明基材、位相差層及びその他の層は、反射スクリーンiの一実施形態として例示したものと同様のものを用いることができる。
本明細書において、色差を測定する際の光源は、非偏光の平行光線とする。また、色差を算出する反射光は、正反射及び拡散反射を含むものとする。
なお、本明細書において、L表色系とは、1976年に国際照明委員会(CIE)により規格化されたものである。L表色系はJIS Z8781−4:2013において採用されている。
<用途>
本発明の反射スクリーンi及びiiは、透明パーティション、ショウウインドウ、ウェアラブルディスプレイ及びヘッドアップディスプレイ等に好適に用いることができる。
[投射システム]
本発明の投射システムは、光源と、上述した本発明の反射スクリーンとを備えてなるものである。
本発明の投射システムを構成する反射スクリーンは、反射スクリーンi及びiiの何れであってもよい。
光源は特に限定されない。光源から投射される光としては、非偏光、直線偏光及び円偏光が挙げられる。
直線偏光を投射可能な光源としては、有機EL等の表示素子上に偏光子を配置したもの、及び、液晶プロジェクタが挙げられる。円偏光を投射可能な光源としては、直線偏光を投射可能な光源に位相差層を付加したものが挙げられる。
直線偏光を投射可能な光源を用いた場合、上述したように、光源から射出される直線偏光の振動方向、選択反射層の種類(CLC層又はDBEF層)、位相差層の有無、及び位相差層の種類(λ/4位相差層の単層、又は、λ/4位相差層とλ/2位相差層の積層)を考慮して、光源と反射スクリーンとを適切に配置することが好ましい。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は特に断りのない限り質量基準とする。
[実施例1]
1.材料の準備及び作製
1−1.配向膜及びλ/4位相差層の形成
透明基材(厚み60μmのトリアセチルセルロースフィルム)上に、光配向膜を塗布、乾燥して、厚み0.2μmの配向膜を形成した。
次いで、配向膜上に、Re450/Re550=0.85の液晶材料を溶剤(トルエン/シクロペンタノン=7/3)で固形分20%に希釈した塗布液を塗布、乾燥してλ/4位相差層を形成し、透明基材、配向膜及びλ/4位相差層をこの順に有する積層体1を得た。なお、λ/4位相差層の厚みは、Re(550)が142nmとなるように調整した。また、積層体1は2つ作製した。
1−2.選択反射層の形成
上記1−1で得た一方の積層体1のλ/4位相差層上に、重合性液晶性モノマー93.25部、両末端にアクリロイルを有するカイラル剤(Paliocolor(登録商標)LC756、BASF社製)6.85質量部、光重合開始剤(IRGACURE(登録商標)907;2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)4質量部、アクリル系レベリング剤(BYK−361N、ビックケミー・ジャパン(株)製)0.1質量部をシクロペンタノンで固形分20%に希釈したものを塗工し、厚み1.0μmのCLC層(選択反射層A)を形成した。これにより、透明基材、配向膜、λ/4位相差層A、及び選択反射層Aをこの順に有する積層体2を得た。
上記1−1で得た他方の積層体1のλ/4位相差層上に、重合性液晶性モノマー93.25部、両末端にアクリロイルを有するカイラル剤(Paliocolor(登録商標)LC756、BASF社製)3.84質量部、光重合開始剤(IRGACURE(登録商標)907;2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)4質量部、アクリル系レベリング剤(BYK−361N、ビックケミー・ジャパン(株)製)0.1質量部をシクロペンタノンで固形分20%に希釈したものを塗工し、厚み1.2μmのCLC層(選択反射層B)を形成した。これにより、透明基材、配向膜、λ/4位相差層B、及び選択反射層Bをこの順に有する積層体3を得た。
1−3.反射スクリーンの作製
上記1−2で得た積層体2の選択反射層A側の面と、上記1−2で得た積層体3の選択反射層B側の面とを、厚み50μmの光学的等方性の透明粘着剤層を介して貼り合わせ、実施例1の反射スクリーンを得た。なお、λ/4位相差層Aの遅相軸とλ/4位相差層Bの遅相軸とは直交させた。
[実施例2]
実施例1の選択反射層Bの選択反射中心波長を640nmから655nmに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の反射スクリーンを得た。
[実施例3]
実施例1の選択反射層Bの選択反射中心波長を640nmから665nmに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の反射スクリーンを得た。
[実施例4]
実施例1の選択反射層Aの選択反射中心波長を460nmから475nm、選択反射層Bの選択反射中心波長を640nmから620nmに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の反射スクリーンを得た。
[実施例5]
実施例1の選択反射層Bの入射角50度における分光反射率のピーク値を25%から30%に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の反射スクリーンを得た。
[比較例1]
実施例1の
選択反射層Aの選択反射中心波長を460nmから450nm、選択反射層Bの選択反射中心波長を640nmから670nmに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の反射スクリーンを得た。
[比較例2]
実施例1の選択反射層Bの入射角50度における分光反射率のピーク値を25%から40%に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の反射スクリーンを得た。
2.シミュレーション等によるバンド幅等の算出
式(21)〜(24)を元に、入射角αが5〜60度の範囲において、L(nm)、W(nm)、L(nm)、W(nm)をシミュレーションにより算出した。また、屈折率1.51のソ−ダガラス上に選択反射層A又は選択反射層Bを有する積層体のソーダ石灰ガラス側から光を入射した際の分光反射率のピーク値の実測値V1と、屈折率1.51のソ−ダ石灰ガラス単体の分光反射率のピーク値の実測値V2との差分(V1−V2)から、P(%)及びP(%)を算出した。そして、特定の10度幅の領域(入射角50〜60度)において、下記式(1)〜(7−3)を満たすか否かを判定し、満たすものを「〇」、満たさないものを「×」とした。結果を表1に示す。
また、上記のシミュレーション等により得られた、分光反射率のピーク値、選択反射中心波長(ピーク値を示す波長)及びバンド幅を通るサインカーブとして作成してなる、入射角50度における実施例及び比較例の選択反射層Aの分光反射率の分布図、並びに、入射角60度における実施例及び比較例の選択反射層Bの分光反射率の分布図を、図2、3、7〜11に示す。
また、入射角αが10〜20度の10度幅の領域において、下記式(1)〜(7−3)を満たすか否かを判定し、満たすものを「〇」、満たさないものを「×」とした。結果を表2に示す。
<W (1)
−15nm≦W−W≦L+15nm (2)
−10nm≦W−W≦L+10nm (2−1)
− 7nm≦W−W≦L+ 7nm (2−2)
−15nm≦W−W≦L+15nm (3)
−10nm≦W−W≦L+10nm (3−1)
− 7nm≦W−W≦L+ 7nm (3−2)
|P−P|≦5.0% (4)
|P−P|≦3.0% (4−1)
|P−P|≦2.0% (4−2)
100nm≦W−W≦350nm (5−1)
100nm≦W−W≦300nm (5−2)
150nm≦W−W≦250nm (5−3)
|選択反射層Aの分光反射率の平均−選択反射層Bの分光反射率の平均|≦5% (6−1)
|選択反射層Aの分光反射率の平均−選択反射層Bの分光反射率の平均|≦4% (6−2)
|選択反射層Aの分光反射率の平均−選択反射層Bの分光反射率の平均|≦3% (6−3)
−R≦5.0% (7)
−R≦3.0% (7−1)
−R≦2.0% (7−2)
3.実測に基づく色差の算出
反射スクリーンに入射角x度で入射した光の反射光から、L表色系のL値、a値、b値を算出した。また、同反射スクリーンに入射角x+10度で入射した光の反射光から、L表色系のL値、a値、b値を算出した。得られた値に基づき、L表色系の色差(ΔEab(x〜x+10))を算出した。xが50度の際に下記式(11)〜(11−2)を満たすか否かを判定し、満たすものを「〇」、満たさないものを「×」とした。結果を表1に示す。また、入射角xが10度の際に下記式(11)〜(11−2)を満たすか否かを判定し、満たすものを「〇」、満たさないものを「×」とした。結果を表2に示す。
測定装置は日本分光社製のV-670として、下記の測定条件とした。
<測定条件>
光源:ランダム光(非偏光)
入射角度:5〜75度まで1度間隔で可変
測定波長範囲:380〜780nm(測定波長間隔1nm)
ΔEab(x〜x+10)≦5.0 (11)
ΔEab(x〜x+10)≦4.0 (11−1)
ΔEab(x〜x+10)≦3.0 (11−2)
4.評価(色味)
実施例及び比較例の反射スクリーンに入射角55度で投射した。投射した画像とサンプルとなる印刷物とを比較して、印刷物の色味が投射した画像で適切に再現されているか否かを評価した。色味が適切に再現されているものを3点、どちらとも言えないものを2点、色味が適切に再現されていないものを1点として、身長が150cm以上160cm未満の男女各5名、身長が160cm以上170cm未満の男女各5名、身長が170cm以上180cm未満の男女各5名の合計30名が、100cmの距離から目視で評価し、平均点を算出した。
その結果、平均点が2.5以上のものを「〇」、平均点が1.5以上2.5未満のものを「B」、平均点が1.5未満のものを「×」とした。結果を表1に示す。
また、入射角を15度として上記と同様の評価を行った結果を表2に示す。
なお、光源は直線偏光を投射可能な液晶プロジェクタを用いた。また、該直線偏光がλ/4位相差層で円偏光となるように、かつ、該円偏光の旋回方向とCLC層の液晶分子の螺旋構造の旋回方向とが一致するような条件で、液晶プロジェクタと反射スクリーンとを配置した。
5.全光線透過率
ヘイズメーター(HM−150、村上色彩技術研究所製)を用いて、実施例及び比較例の反射スクリーンの全光線透過率(JISK7361−1:1997)を測定した。全光線透過率が60%以上のものを「〇」、60%未満のものを「×」とした。

表1及び表2の結果から、実施例1〜5の反射スクリーンは、透明性に優れるとともに、スクリーン面に対する光源の入射角度による表示画像の色味の変化を抑制することができることが確認できる。
なお、色味の評価をする際のプロジェクタとして、非偏光を投射可能なプロジェクタを用いた際にも、同様の評価結果となった。
11:選択反射層A
12:選択反射層B
21:位相差層A
22:位相差層B
31:透明基材A
32:透明基材B
40:接着剤層
100:反射スクリーン

Claims (7)

  1. 反射スクリーンであって、前記反射スクリーンは、選択反射層A及び選択反射層Bを有し、
    前記選択反射層Aに入射角α度で入射した光の分光反射率のバンド幅をL(nm)、前記選択反射層Aに入射角α度で入射した光の分光反射率のピーク値をP(%)、前記選択反射層Aの前記ピーク値を示す波長をW(nm)と定義し、
    前記選択反射層Bに入射角α度で入射した光の分光反射率のバンド幅をL(nm)、前記選択反射層Bに入射角α度で入射した光の分光反射率のピーク値をP(%)、前記選択反射層Bの前記ピーク値を示す波長をW(nm)と定義した際に、
    入射角αが5〜60度の範囲内から選択される少なくとも一つの10度幅の領域において、下記式(1)〜(4)を満たす、反射スクリーン。
    <W (1)
    −15nm≦W−W≦L+15nm (2)
    −15nm≦W−W≦L+15nm (3)
    |P−P|≦5.0% (4)
  2. 前記P及び前記Pがそれぞれ10〜45%である、請求項1に記載の反射スクリーン。
  3. 前記選択反射層A及び前記選択反射層Bがコレステリック液晶層である、請求項1又は2に記載の反射スクリーン。
  4. 選択反射層Aの選択反射層Bとは反対側に位相差層Aを有し、かつ、選択反射層Bの選択反射層Aとは反対側に位相差層Bを有する、請求項1〜3の何れか1項に記載の反射スクリーン。
  5. 反射スクリーンであって、前記反射スクリーンは、選択反射層A及び選択反射層Bを有し、前記反射スクリーンに入射角x度で入射した光の反射光と、前記反射スクリーンにx+10度で入射した光の反射光とから算出してなる、L表色系の色差をΔEab(x〜x+10)と定義した際に、
    入射角xが5〜60度の範囲から選択される少なくとも何れかの角度において、下記式(11)を満たす、反射スクリーン。
    ΔEab(x〜x+10)≦5.0 (11)
  6. 光源と、請求項1〜5の何れか1項に記載の反射スクリーンとを備えた、投射システム。
  7. 前記光源が直線偏光を投射可能な光源である、請求項6に記載の投射システム。
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