JP2020165484A - 磁気軸受装置およびターボ圧縮機 - Google Patents

磁気軸受装置およびターボ圧縮機 Download PDF

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昌平 山裾
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昌平 山裾
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勇二 中澤
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Abstract

【課題】磁気軸受装置のコストを低減する。【解決手段】第1電磁石(101)のコイル(101a)には、第1電流(i1)が供給される。第2電磁石(102)のコイル(102a)には、第2電流(i2)が供給される。第3電磁石(103)の制御コイル(103c)と第4電磁石(104)の制御コイル(104c)には、第3電流(i3)が供給される。第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)と第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)には、第1電流(i1)および第2電流(i2)の一方が供給される。【選択図】図4

Description

本開示は、磁気軸受装置およびターボ圧縮機に関する。
特許文献1には、磁気軸受が開示されている。この磁気軸受は、複数の鉄心と、それぞれの鉄心に巻回された制御電流用コイルと、それぞれの鉄心に巻回されたバイアス電流用コイルとを備えている。また、制御電流用コイルには、制御電流供給装置から供給された制御電流が流れる。バイアス電流用コイルには、バイアス電流供給装置から供給されたバイアス電流(直流)が流れる。
特開2013−137067号公報
特許文献1の磁気軸受では、バイアス電流用コイルのみに流れるバイアス電流を供給する専用のバイアス電流供給装置を削減することができないので、磁気軸受のコストを低減することが困難である。
本開示の第1の態様は、被支持体(14)を非接触で支持する磁気軸受装置に関し、この磁気軸受装置は、前記被支持体(14)を間において互いに対向する第1電磁石(101)および第2電磁石(102)と、前記被支持体(14)を間において互いに対向する第3電磁石(103)および第4電磁石(104)とを備え、前記第1電磁石(101)は、コイル(101a)を有し、前記第2電磁石(102)は、コイル(102a)を有し、前記第3電磁石(103)は、制御コイル(103c)とバイアスコイル(103b)とを有し、前記第4電磁石(104)は、制御コイル(104c)とバイアスコイル(104b)とを有し、前記第1電磁石(101)のコイル(101a)には、第1電流(i1)が供給され、前記第2電磁石(102)のコイル(102a)には、第2電流(i2)が供給され、前記第3電磁石(103)の制御コイル(103c)と前記第4電磁石(104)の制御コイル(104c)には、第3電流(i3)が供給され、前記第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)と前記第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)には、前記第1電流(i1)および前記第2電流(i2)の一方が供給される。
第1の態様では、第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)と第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)に対してバイアス電流を供給する専用のバイアス電流供給装置を設けなくてもよいので、磁気軸受装置(20)の部品点数を削減することができる。これにより、磁気軸受装置(20)のコストを低減することができる。
本開示の第2の態様は、第1の態様において、前記第1電磁石(101)と前記第2電磁石(102)との対向方向は、前記被支持体(14)のスラスト方向に沿う方向であり、前記第3電磁石(103)と前記第4電磁石(104)との対向方向は、前記被支持体(14)のラジアル方向に沿う方向であることを特徴とする磁気軸受装置である。
第2の態様では、第1電流(i1)および第2電流(i2)を制御することにより、被支持体(14)のスラスト方向における位置を制御することができる。また、第3電流(i3)を制御することにより、被支持体(14)のラジアル方向における位置を制御することができる。そして、第1電流(i1)および第2電流(i2)の一方を第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)と第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)に供給することにより、第3電磁石(103)と第4電磁石(104)における合成電磁力と第3電流(i3)との線形性を調節することができる。
本開示の第3の態様は、第1の態様において、前記第1電磁石(101)と前記第2電磁石(102)との対向方向は、前記被支持体(14)のラジアル方向に沿う方向であり、前記第3電磁石(103)と前記第4電磁石(104)との対向方向は、前記被支持体(14)のスラスト方向に沿う方向であることを特徴とする磁気軸受装置である。
第3の態様では、第1電流(i1)および第2電流(i2)を制御することにより、被支持体(14)のラジアル方向における位置を制御することができる。また、第3電流(i3)を制御することにより、被支持体(14)のスラスト方向における位置を制御することができる。そして、第1電流(i1)および第2電流(i2)の一方を第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)と第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)に供給することにより、第3電磁石(103)と第4電磁石(104)における合成電磁力と第3電流(i3)との線形性を調節することができる。
本開示の第4の態様は、第1の態様において、前記第1電磁石(101)と前記第2電磁石(102)との対向方向は、前記被支持体(14)のラジアル方向に沿う方向であり、前記第3電磁石(103)と前記第4電磁石(104)との対向方向は、前記被支持体(14)のラジアル方向に沿う方向であることを特徴とする磁気軸受装置である。
第4の態様では、第1電流(i1)および第2電流(i2)を制御することにより、被支持体(14)のラジアル方向における位置を制御することができる。また、第3電流(i3)を制御することにより、被支持体(14)のラジアル方向における位置を制御することができる。そして、第1電流(i1)および第2電流(i2)の一方を第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)と第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)に供給することにより、第3電磁石(103)と第4電磁石(104)における合成電磁力と第3電流(i3)との線形性を調節することができる。
本開示の第5の態様は、第4の態様において、前記第3電磁石(103)と前記第4電磁石(104)との対向方向は、前記第1電磁石(101)と前記第2電磁石(102)との対向方向と交差する方向であり、前記第1電磁石(101)と前記第2電磁石(102)と前記第3電磁石(103)と前記第4電磁石(104)は、1つのラジアル磁気軸受(41)に設けられることを特徴とする磁気軸受装置である。
第5の態様では、第1電流(i1)および第2電流(i2)を制御することにより、ラジアル磁気軸受(41)において被支持体(14)のラジアル方向(例えばX軸方向)における位置を制御することができる。また、第3電流(i3)を制御することにより、ラジアル磁気軸受(41)において被支持体(14)の別のラジアル方向(例えばY軸方向)における位置を制御することができる。
本開示の第6の態様は、第4の態様において、前記第1電磁石(101)と前記第2電磁石(102)は、第1ラジアル磁気軸受(41)に設けられ、前記第3電磁石(103)と前記第4電磁石(104)は、第2ラジアル磁気軸受(42)に設けられることを特徴とする磁気軸受装置である。
第6の態様では、第1電流(i1)および第2電流(i2)を制御することにより、第1ラジアル磁気軸受(41)において被支持体(14)のラジアル方向における位置を制御することができる。また、第3電流(i3)を制御することにより、第2ラジアル磁気軸受(42)において被支持体(14)のラジアル方向における位置を制御することができる。これにより、被支持体(14)のチルト方向における位置を制御することができる。
本開示の第7の態様は、第1の態様において、前記被支持体(14)を間において互いに対向する第5電磁石(105)および第6電磁石(106)を備え、前記第5電磁石(105)は、制御コイル(105c)とバイアスコイル(105b)とを有し、前記第6電磁石(106)は、制御コイル(106c)とバイアスコイル(106b)とを有し、前記第5電磁石(105)の制御コイル(105c)と前記第6電磁石(106)の制御コイル(106c)には、第4電流(i4)が供給され、前記第5電磁石(105)のバイアスコイル(105b)と前記第6電磁石(106)のバイアスコイル(106b)には、前記第1電流(i1)および前記第2電流(i2)の他方が供給されることを特徴とする磁気軸受装置である。
第7の態様では、第5電磁石(105)のバイアスコイル(105b)と第6電磁石(106)のバイアスコイル(106b)に対してバイアス電流を供給する専用のバイアス電流供給装置を設けなくてもよいので、磁気軸受装置(20)の部品点数を削減することができる。これにより、磁気軸受装置(20)のコストを低減することができる。
本開示の第8の態様は、第7の態様において、前記第1電磁石(101)と前記第2電磁石(102)との対向方向は、前記被支持体(14)のスラスト方向に沿う方向であり、前記第3電磁石(103)と前記第4電磁石(104)との対向方向は、前記被支持体(14)のラジアル方向に沿う方向であり、前記第5電磁石(105)と前記第6電磁石(106)との対向方向は、前記被支持体(14)のラジアル方向に沿う方向であることを特徴とする磁気軸受装置である。
第8の態様では、第1電流(i1)および第2電流(i2)を制御することにより、被支持体(14)のスラスト方向における位置を制御することができる。また、第3電流(i3)を制御することにより、被支持体(14)のラジアル方向における位置を制御することができる。また、第4電流(i4)を制御することにより、被支持体(14)のラジアル方向における位置を制御することができる。そして、第1電流(i1)および第2電流(i2)の一方を第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)と第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)に供給することにより、第3電磁石(103)と第4電磁石(104)における合成電磁力と第3電流(i3)との線形性を調節することができる。また、第1電流(i1)および第2電流(i2)の他方を第5電磁石(105)のバイアスコイル(105b)と第6電磁石(106)のバイアスコイル(106b)に供給することにより、第5電磁石(105)と第6電磁石(106)における合成電磁力と第4電流(i4)との線形性を調節することができる。
本開示の第9の態様は、第8の態様において、前記第5電磁石(105)と前記第6電磁石(106)との対向方向は、前記第3電磁石(103)と前記第4電磁石(104)との対向方向と交差する方向であり、前記第3電磁石(103)と前記第4電磁石(104)と前記第5電磁石(105)と前記第6電磁石(106)は、1つのラジアル磁気軸受(41)に設けられることを特徴とする磁気軸受装置である。
第9の態様では、第3電流(i3)を制御することにより、ラジアル磁気軸受(41)において被支持体(14)のラジアル方向(例えばX軸方向)における位置を制御することができる。また、第4電流(i4)を制御することにより、ラジアル磁気軸受(41)において被支持体(14)の別のラジアル方向(例えばY軸方向)における位置を制御することができる。なお、第1電流(i1)および第2電流(i2)を制御することにより、被支持体(14)のスラスト方向における位置を制御することができる。以上により、被支持体(14)の位置を三次元的に制御することができる。
本開示の第10の態様は、第1の態様において、前記第3電磁石(103)は、補助バイアスコイル(103d)を有し、前記第4電磁石(104)は、補助バイアスコイル(104d)を有し、前記第3電磁石(103)の補助バイアスコイル(103d)と前記第4電磁石(104)の補助バイアスコイル(104d)には、前記第1電流(i1)および前記第2電流(i2)の他方が供給されることを特徴とする磁気軸受装置である。
第10の態様では、第3電磁石(103)の補助バイアスコイル(103d)と第4電磁石(104)の補助バイアスコイル(104d)に対してバイアス電流を供給する専用のバイアス電流供給装置を設けなくてもよいので、磁気軸受装置(20)の部品点数を削減することができる。これにより、磁気軸受装置(20)のコストを低減することができる。
本開示の第11の態様は、ターボ圧縮機に関し、このターボ圧縮機は、インペラ(12)と、前記インペラ(12)が取り付けられるシャフト(14)と、前記シャフト(14)を回転駆動させるモータ(13)と、前記シャフト(14)を非接触で支持する磁気軸受装置(20)とを備え、前記磁気軸受装置(20)は、第1〜第10の態様のいずれか1つである磁気軸受装置である。
第11の態様では、磁気軸受装置(20)のコストを低減することができるので、それを備えるターボ圧縮機(10)のコストを削減することができる。
図1は、実施形態1のターボ圧縮機の構成を例示する縦断面図である。 図2は、実施形態1のスラスト磁気軸受の構成を例示する縦断面図である。 図3は、実施形態1のラジアル磁気軸受の構成を例示する横断面図である。 図4は、実施形態1の磁気軸受装置におけるコイルの配線状態を例示する配線図である。 図5は、実施形態1の変形例1の磁気軸受装置におけるスラスト磁気軸受の構成を例示する縦断面図である。 図6は、実施形態1の変形例2の磁気軸受装置におけるラジアル磁気軸受の構成を例示する横断面図である。 図7は、実施形態1の変形例2の磁気軸受装置におけるコイルの配線状態を例示する配線図である。 図8は、実施形態1の変形例3の磁気軸受装置におけるラジアル磁気軸受の構成を例示する横断面図である。 図9は、実施形態1の変形例3の磁気軸受装置におけるコイルの配線状態を例示する配線図である。 図10は、実施形態1の変形例4の磁気軸受装置におけるラジアル磁気軸受の構成を例示する横断面図である。 図11は、実施形態1の変形例4の磁気軸受装置におけるコイルの配線状態を例示する配線図である。 図12は、実施形態2の磁気軸受装置におけるスラスト磁気軸受の構成を例示する縦断面図である。 図13は、実施形態2の磁気軸受装置におけるラジアル磁気軸受の構成を例示する横断面図である。 図14は、実施形態2の磁気軸受装置におけるコイルの配線状態を例示する配線図である。 図15は、その他の実施形態の磁気軸受装置におけるコイルの配線状態を例示する配線図である。
以下、実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1のターボ圧縮機(10)の構成を例示する。ターボ圧縮機(10)は、ケーシング(11)と、インペラ(12)と、モータ(13)と、シャフト(14)と、タッチダウン軸受(15)と、磁気軸受装置(20)と、制御部(21)と、電源部(22)とを備える。
〔ケーシング〕
ケーシング(11)は、両端が閉塞された円筒状に形成され、円筒軸線が水平向きとなるように配置される。ケーシング(11)内の空間は、壁部(11a)により区画され、壁部(11a)よりも前側の空間がインペラ(12)を収容するインペラ空間(S1)を構成し、壁部(11a)よりも後側の空間がモータ(13)と磁気軸受装置(20)とタッチダウン軸受(15)を収容する駆動機構空間(S2)を構成する。シャフト(14)は、インペラ空間(S1)内のインペラ(12)と駆動機構空間(S2)内のモータ(13)とを連結する。
以下の説明において、「スラスト方向」とは、回転軸方向のことであり、シャフト(14)の軸心(O)の方向のことである。「ラジアル方向」とは、シャフト(14)の軸方向と直交する方向のことである。また、「外周側」とは、シャフト(14)の軸心(O)からより遠い側のことであり、「内周側」とは、シャフト(14)の軸心(O)により近い側のことである。
〔インペラ〕
インペラ(12)は、複数の羽根によって外形が略円錐形状となるように形成される。インペラ(12)は、シャフト(14)の一端部に固定された状態で、インペラ空間(S1)に収容される。インペラ空間(S1)には、吸入管(12a)と吐出管(12b)とが接続され、インペラ空間(S1)の外周部には、圧縮空間(S12)が形成される。インペラ(12)が回転すると、吸入管(12a)を通じて流体が外部からインペラ空間(S1)内に導かれ、インペラ空間(S1)内に導かれた流体が圧縮空間(S12)において圧縮され、圧縮空間(S12)の高圧の流体が吐出管(12b)を通じて外部に戻される。
〔モータ〕
モータ(13)は、シャフト(14)を回転駆動する。モータ(13)は、ステータ(13a)とロータ(13b)を有する。ステータ(13a)は、円筒状に形成されてケーシング(11)内に固定される。ロータ(13b)は、シャフト(14)と同軸状となるようにシャフト(14)に固定される。ロータ(13b)は、ロータ(13b)の外周面がステータ(13a)の内周面と所定のギャップをおいて対向するように、ステータ(13a)内に配置される。
〔タッチダウン軸受〕
タッチダウン軸受(15)は、後述する磁気軸受装置(20)が駆動しておらずシャフト(14)が浮上していない場合に、シャフト(14)に接触してシャフト(14)を支持する。
〔磁気軸受装置〕
磁気軸受装置(20)は、複数の電磁石を備え、複数の電磁石の合成電磁力によりシャフト(14)(被支持体の一例)を非接触で支持する。この例では、磁気軸受装置(20)は、第1〜第10電磁石(101〜110)を備える。具体的には、磁気軸受装置(20)は、第1スラスト磁気軸受(31)と、第2スラスト磁気軸受(32)と、第1ラジアル磁気軸受(41)と、第2ラジアル磁気軸受(42)とを備える。第1電磁石(101)は、第1スラスト磁気軸受(31)に設けられ、第2電磁石(102)は、第2スラスト磁気軸受(32)に設けられる。第3〜第6電磁石(103〜106)は、第1ラジアル磁気軸受(41)に設けられ、第7〜第10電磁石(107〜110)は、第2ラジアル磁気軸受(42)に設けられる。なお、第1〜第10電磁石(101〜110)については、後で詳しく説明する。
〈スラスト磁気軸受〉
第1および第2スラスト磁気軸受(31,32)は、電磁力によりシャフト(14)のスラスト方向における位置を非接触で制御する。第1および第2スラスト磁気軸受(31,32)の各々は、ステータ(35)とロータ(36)とを有する。ステータ(35)は、円環状に形成され、ケーシング(11)の内周壁に固定される。ロータ(36)は、円環状に形成され、シャフト(14)に固定される。ロータ(36)は、シャフト(14)のスラスト方向においてステータ(35)と所定のギャップをおいて対向するように配置される。この例では、第1スラスト磁気軸受(31)は、シャフト(14)の他端側(インペラ(12)側の反対側)に設けられ、第2スラスト磁気軸受(32)は、シャフト(14)の一端側に設けられる。
〈ラジアル磁気軸受〉
第1および第2ラジアル磁気軸受(41,42)は、電磁力によりシャフト(14)のラジアル方向における位置を非接触で制御する。第1および第2ラジアル磁気軸受(41,42)の各々は、ステータ(45)とロータ(46)とを有する。ステータ(45)は、円筒状に形成され、ケーシング(11)の内周壁に固定される。ロータ(46)は、円筒状に形成され、シャフト(14)に固定される。ロータ(46)は、シャフト(14)のラジアル方向においてステータ(35)と所定のギャップをおいて対向するように、ステータ(45)の内側に配置される。この例では、第1および第2ラジアル磁気軸受(41,42)は、シャフト(14)のスラスト方向において第1スラスト磁気軸受(31)と第2スラスト磁気軸受(32)との間に配置される。第1ラジアル磁気軸受(41)と第2ラジアル磁気軸受(42)との間には、モータ(13)が配置される。なお、第1ラジアル磁気軸受(41)は、シャフト(14)の他端側(インペラ(12)側の反対側)に設けられ、第2ラジアル磁気軸受(42)は、シャフト(14)の一端側に設けられる。
〈非磁性リング〉
また、この例では、第1スラスト磁気軸受(31)のロータ(36)と第1ラジアル磁気軸受(41)のロータ(46)との間には、非磁性リング(14a)が設けられる。第2スラスト磁気軸受(32)のロータ(36)と第2ラジアル磁気軸受(42)のロータ(46)との間にも、非磁性リング(14a)が設けられる。
〔各種センサ〕
磁気軸受装置(20)には、ギャップセンサなどの各種センサ(図示を省略)が設けられる。例えば、第1および第2スラスト磁気軸受(31,32)の各々には、スラスト方向におけるステータ(35)とロータ(36)との間のギャップを検出するスラストギャップセンサ(図示を省略)が設けられ、第1および第2ラジアル磁気軸受(41,42)の各々には、ラジアル方向の一例であるX軸方向におけるステータ(45)とロータ(46)との間のギャップを検出するラジアルギャップセンサ(図示を省略)と、ラジアル方向の一例であるY軸方向におけるステータ(45)とロータ(46)との間のギャップを検出するラジアルギャップセンサ(図示を省略)とが設けられる。これらの各種センサの検出信号(検出結果)は、制御部(21)に送信される。
〔制御部〕
制御部(21)は、シャフト(14)の位置が所望の位置となるように、磁気軸受装置(20)に設けられた各種センサ(例えばスラストギャップセンサやラジアルギャップセンサなど)の検出信号に基づいて、第1および第2スラスト磁気軸受(31,32)と第1および第2ラジアル磁気軸受(41,42)の各々に供給される電流を制御するための指令値を出力する。例えば、制御部(21)は、プロセッサと、プロセッサと電気的に接続されてプロセッサを動作させるためのプログラムや情報を記憶するメモリとにより構成される。
〔電源部〕
電源部(22)は、制御部(21)から出力された指令値に基づいて、第1および第2スラスト磁気軸受(31,32)と第1および第2ラジアル磁気軸受(41,42)の各々に電流を供給する。この例では、電源部(22)は、後述する第1〜第6電流(i1〜i6)をそれぞれ供給する第1〜第6電源部を有する。例えば、電源部(22)は、PWMアンプにより構成される。
〔スラスト磁気軸受の構成〕
図2は、実施形態1のスラスト磁気軸受(第1および第2スラスト磁気軸受(31,32))の構成を例示する。第1スラスト磁気軸受(31)は、ステータ(35)と、ロータ(36)とを有する。ステータ(35)は、ステータコア(37)と、コイル(50a)とを有する。ステータコア(37)は、円環状に形成される。ステータコア(37)は、例えば、積層された複数の電磁鋼板で構成されてもよいし、圧粉磁心で構成されてもよいし、その他の磁性材料で構成されてもよい。ステータコア(37)には、円周溝が設けられる。コイル(50a)は、ステータコア(37)の円周溝に収容される。
実施形態1の第1スラスト磁気軸受(31)では、ステータコア(37)と、そのステータコア(37)の円周溝に収容されたコイル(50a)とが電磁石(50)を構成する。電磁石(50)は、シャフト(14)のスラスト方向においてロータ(36)と対向する。
また、実施形態1の第1スラスト磁気軸受(31)では、コイル(50a)の巻回方向およびコイル(50a)に流れる電流の向きは、図2に示した矢印の方向に後述する磁束(M)が発生するように設定される。
なお、第2スラスト磁気軸受(32)の構成は、図2に示した第1スラスト磁気軸受(31)の構成と同様である。
〔ラジアル磁気軸受の構成〕
図3は、実施形態1のラジアル磁気軸受(第1および第2ラジアル磁気軸受(41,42))の構成を例示する。
第1ラジアル磁気軸受(41)は、ステータ(45)と、ロータ(46)とを有する。ステータ(45)は、バックヨーク(47)と、複数のティース(48)と、複数の制御コイル(60c)と、複数のバイアスコイル(60b)とを有する。バックヨーク(47)と複数のティース(48)は、ステータコアを構成する。ステータコアは、例えば、積層された複数の電磁鋼板で構成されてもよいし、圧粉磁心で構成されてもよいし、その他の磁性材料で構成されてもよい。バックヨーク(47)は、円筒状に形成される。複数のティース(48)は、バックヨーク(47)の周方向に沿うように配列される。複数のティース(48)の各々は、バックヨーク(47)の内周面からシャフト(14)のラジアル方向内方へ向けて突出し、その内周面(突端面)がシャフト(14)のラジアル方向においてロータ(46)と所定のギャップをおいて対向する。複数の制御コイル(60c)は、複数のティース(48)にそれぞれ巻回される。複数のバイアスコイル(60b)は、複数のティース(48)にそれぞれ巻回される。
実施形態1の第1ラジアル磁気軸受(41)では、1つのティース(48)と、そのティース(48)に巻回された制御コイル(60c)と、そのティース(48)に巻回されたバイアスコイル(60b)とが電磁石(60)を構成する。具体的には、この例では、4つのティース(48)と、4つのティース(48)にそれぞれ巻回される4つの制御コイル(60c)と、4つのティース(48)にそれぞれ巻回される4つのバイアスコイル(60b)とが、4つの電磁石(60)を構成する。なお、4つのティース(48)は、バックヨーク(47)の周方向に沿うように所定の間隔(この例では90°間隔)で配列される。言い換えると、4つのティース(48)のうち2つのティース(48)は、ラジアル方向の一例であるX軸方向において互いに対向し、4つのティース(48)のうち残りの2つのティース(48)は、ラジアル方向の一例であるY軸方向(X軸方向と直交する方向)において互いに対向する。そして、4つの電磁石(60)のうち2つの電磁石(60)は、X軸方向において互いに対向し、4つの電磁石(60)のうち残りの2つの電磁石(60)は、Y軸方向において互いに対向する。
以下では、第1ラジアル磁気軸受(41)の4つの電磁石(60)のうちX軸方向において互いに対向する2つの電磁石(60)の一方を「電磁石(61)」と記載し、他方を「電磁石(62)」と記載する。第1ラジアル磁気軸受(41)の4つの電磁石(60)のうちY軸方向において互いに対向する2つの電磁石(60)の一方を「電磁石(63)」と記載して他方を「電磁石(64)」と記載する。
実施形態1の第1ラジアル磁気軸受(41)では、制御コイル(60c)の巻回方向および制御コイル(60c)に流れる電流の向きは、図3に示した矢印の方向に後述する制御磁束(MC)が発生するように設定される。なお、図3では、Y軸方向の制御磁束(MC)の図示を省略している。また、バイアスコイル(60b)の巻回方向およびバイアスコイル(60b)に流れる電流の向きは、図3に示した矢印の方向に後述するバイアス磁束(MB)が発生するように設定される。
なお、第2ラジアル磁気軸受(42)の構成は、図3に示した第1ラジアル磁気軸受(41)の構成と同様である。
〔コイルの配線状態〕
図4は、実施形態1の磁気軸受装置(20)におけるコイルの配線状態を例示する。実施形態1の磁気軸受装置(20)における「第1〜第10電磁石(101〜110)」と「第1および第2スラスト磁気軸受(31,32)の電磁石(50)と第1および第2ラジアル磁気軸受(41,42)の電磁石(61〜64)」との対応関係は、以下のとおりである。
第1電磁石(101):第1スラスト磁気軸受(31)の電磁石(50)
第2電磁石(102):第2スラスト磁気軸受(32)の電磁石(50)
第3電磁石(103):第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(61)
第4電磁石(104):第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(62)
第5電磁石(105):第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(63)
第6電磁石(106):第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(64)
第7電磁石(107):第2ラジアル磁気軸受(42)の電磁石(61)
第8電磁石(108):第2ラジアル磁気軸受(42)の電磁石(62)
第9電磁石(109):第2ラジアル磁気軸受(42)の電磁石(63)
第10電磁石(110):第2ラジアル磁気軸受(42)の電磁石(64)
第1電磁石(101)は、コイル(101a)を有する。第2電磁石(102)は、コイル(102a)を有する。第3〜第10電磁石(103〜110)は、制御コイル(103c〜110c)と、バイアスコイル(103b〜110b)とを有する。
第1電磁石(101)と第2電磁石(102)は、シャフト(14)を間において互いに対向する。第3電磁石(103)と第4電磁石(104)は、シャフト(14)を間において互いに対向する。第5電磁石(105)と第6電磁石(106)は、シャフト(14)を間において互いに対向する。第7電磁石(107)と第8電磁石(108)は、シャフト(14)を間において互いに対向する。第9電磁石(109)と第10電磁石(110)は、シャフト(14)を間において互いに対向する。
実施形態1では、第1電磁石(101)と第2電磁石(102)との対向方向は、シャフト(14)のスラスト方向に沿う方向である。
また、実施形態1では、第3電磁石(103)と第4電磁石(104)との対向方向は、シャフト(14)のラジアル方向に沿う方向である。第5電磁石(105)と第6電磁石(106)との対向方向は、シャフト(14)のラジアル方向に沿う方向である。第5電磁石(105)と第6電磁石(106)との対向方向は、第3電磁石(103)と第4電磁石(104)との対向方向と交差する方向である。具体的には、第3電磁石(103)と第4電磁石(104)との対向方向は、X軸方向である。第5電磁石(105)と第6電磁石(106)との対向方向は、Y軸方向である。そして、第3電磁石(103)と第4電磁石(104)と第5電磁石(105)と第6電磁石(106)は、1つのラジアル磁気軸受(第1ラジアル磁気軸受(41))に設けられる。
また、実施形態1では、第7電磁石(107)と第8電磁石(108)との対向方向は、シャフト(14)のラジアル方向に沿う方向である。第9電磁石(109)と第10電磁石(110)との対向方向は、シャフト(14)のラジアル方向に沿う方向である。第9電磁石(109)と第10電磁石(110)との対向方向は、第7電磁石(107)と第8電磁石(108)との対向方向と交差する方向である。具体的には、第7電磁石(107)と第8電磁石(108)との対向方向は、X軸方向である。第9電磁石(109)と第10電磁石(110)との対向方向は、Y軸方向である。そして、第7電磁石(107)と第8電磁石(108)と第9電磁石(109)と第10電磁石(110)は、1つのラジアル磁気軸受(第2ラジアル磁気軸受(42))に設けられる。
〈第1および第2電磁石のコイルの配線状態〉
第1スラスト磁気軸受(31)の電磁石(50)である第1電磁石(101)のコイル(101a)には、第1電流(i1)が供給される。具体的には、第1電磁石(101)のコイル(101a)には、第1電流(i1)を供給する第1電源部(電源部(22)の一部、図示を省略)が電気的に接続される。
第2スラスト磁気軸受(32)の電磁石(50)である第2電磁石(102)のコイル(102a)には、第2電流(i2)が供給される。具体的には、第2電磁石(102)のコイル(102a)は、第2電流(i2)を供給する第2電源部(電源部(22)の一部、図示を省略)に電気的に接続される。
第1電流(i1)は、第1電磁石(101)のコイル(101a)に磁束(M)(図2参照)を発生させる電流であり、制御電流の成分とバイアス電流の成分とを含む。制御電流は、第1および第2電磁石(101,102)の対向方向(この例ではスラスト方向)におけるシャフト(14)の位置の変化に応じて変化する電流である。バイアス電流は、制御電流と第1および第2電磁石(101,102)の合成電磁力との線形性を調節するための電流であり、ゼロよりも大きい電流である。第1電流(i1)は、常に正の値となる電流(一方向のみに流れる電流)である。
第2電流(i2)は、第2電磁石(102)のコイル(102a)に磁束(M)を発生させる電流であり、制御電流の成分とバイアス電流の成分とを含む。第1電流(i1)が増加すると、第2電流(i2)が減少する。第2電流(i2)は、常に正の値となる電流(一方向のみに流れる電流)である。例えば、制御電流を“ic”とし、バイアス電流を“ib”とすると、第1電流(i1)は、“ib+ic”となり、第2電流(i2)は、“ib-ic”となる。
第1電磁石(101)のコイル(101a)に第1電流(i1)が供給されると、第1電磁石(101)のコイル(101a)に磁束(M)が発生する。第2電磁石(102)のコイル(102a)に第2電流(i2)が供給されると、第2電磁石(102)のコイル(102a)に磁束(M)が発生する。この磁束(M)は、第1および第2電磁石(101,102)の対向方向(この例ではスラスト方向)におけるシャフト(14)の位置を制御するための磁束である。なお、第2電磁石(102)のコイル(102a)に発生する磁束(M)の向きは、第1電磁石(101)のコイル(101a)に発生する磁束(M)の向きと同じである。
そして、第1および第2電磁石(101,102)のコイル(101a,102a)に供給される第1および第2電流(i1,i2)を制御することにより、第1および第2電磁石(101,102)のコイル(101a,102a)の各々に発生する磁束(M)を変化させることができる。これにより、第1および第2電磁石(101,102)の合成電磁力(シャフト(14)に作用する電磁力)を変化させて第1および第2電磁石(101,102)の対向方向(この例ではスラスト方向)におけるシャフト(14)の位置を制御することができる。
〈第3および第4電磁石の制御コイルの配線状態〉
第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(61)である第3電磁石(103)の制御コイル(103c)と、第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(62)である第4電磁石(104)の制御コイル(104c)には、第3電流(i3)が供給される。具体的には、第3および第4電磁石(103,104)の制御コイル(103c,104c)は、互いに電気的に接続(この例では直列接続)され、第3電流(i3)を供給する第3電源部(電源部(22)の一部、図示を省略)に電気的に接続される。
第3電流(i3)は、第3および第4電磁石(103,104)の制御コイル(103c,104c)の各々に制御磁束(MC)(図3参照)を発生させる電流であり、第3および第4電磁石(103,104)の対向方向(この例ではX軸方向)におけるシャフト(14)の位置の変化に応じて変化する。なお、第3電流(i3)は、正の値と負の値とに変化する電流(双方向に流れる電流)である。
第3および第4電磁石(103,104)の制御コイル(103c,104c)に第3電流(i3)が供給されると、第3および第4電磁石(103,104)の制御コイル(103c,104c)の各々に制御磁束(MC)が発生する。この制御磁束(MC)は、第3および第4電磁石(103,104)の対向方向(この例ではX軸方向)におけるシャフト(14)の位置を制御するための磁束である。なお、第4電磁石(104)の制御コイル(104c)に発生する制御磁束(MC)の向きは、第3電磁石(103)の制御コイル(103c)に発生する制御磁束(MC)の向きと同じである。
そして、第3および第4電磁石(103,104)の制御コイル(103c,104c)に供給される第3電流(i3)を制御することにより、第3および第4電磁石(103,104)の制御コイル(103c,104c)の各々に発生する制御磁束(MC)を変化させることができる。これにより、第3および第4電磁石(103,104)の合成電磁力を変化させて第3および第4電磁石(103,104)の対向方向(この例ではX軸方向)におけるシャフト(14)の位置を制御することができる。
〈第5および第6電磁石の制御コイルの配線状態〉
第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(63)である第5電磁石(105)の制御コイル(105c)と、第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(64)である第6電磁石(106)の制御コイル(106c)には、第4電流(i4)が供給される。具体的には、第5および第6電磁石(105,106)の制御コイル(105c,106c)は、互いに電気的に接続(この例では直列接続)され、第4電流(i4)を供給する第4電源部(電源部(22)の一部、図示を省略)に電気的に接続される。
第4電流(i4)は、第5および第6電磁石(105,106)の制御コイル(105c,106c)の各々に制御磁束(MC)を発生させる電流であり、第5および第6電磁石(105,106)の対向方向(この例ではY軸方向)におけるシャフト(14)の位置の変化に応じて変化する。なお、第4電流(i4)は、正の値と負の値とに変化する電流(双方向に流れる電流)である。
第5および第6電磁石(105,106)の制御コイル(105c,106c)に第4電流(i4)が供給されると、第5および第6電磁石(105,106)の制御コイル(105c,106c)の各々に制御磁束(MC)が発生する。この制御磁束(MC)は、第5および第6電磁石(105,106)の対向方向(この例ではY軸方向)におけるシャフト(14)の位置を制御するための磁束である。なお、第6電磁石(106)の制御コイル(106c)に発生する制御磁束(MC)の向きは、第5電磁石(105)の制御コイル(105c)に発生する制御磁束(MC)の向きと同じである。
そして、第5および第6電磁石(105,106)の制御コイル(105c,106c)に供給される第4電流(i4)を制御することにより、第5および第6電磁石(105,106)の制御コイル(105c,106c)の各々に発生する制御磁束(MC)を変化させることができる。これにより、第5および第6電磁石(105,106)の合成電磁力を変化させて第5および第6電磁石(105,106)の対向方向(この例ではY軸方向)におけるシャフト(14)の位置を制御することができる。
〈第7および第8電磁石の制御コイルの配線状態〉
第2ラジアル磁気軸受(42)の電磁石(61)である第7電磁石(107)の制御コイル(107c)と、第2ラジアル磁気軸受(42)の電磁石(62)である第8電磁石(108)の制御コイル(108c)には、第5電流(i5)が供給される。具体的には、第7および第8電磁石(107,108)の制御コイル(107c,108c)は、互いに電気的に接続(この例では直列接続)され、第5電流(i5)を供給する第5電源部(電源部(22)の一部、図示を省略)に電気的に接続される。
第5電流(i5)は、第7および第8電磁石(107,108)の制御コイル(107c,108c)の各々に制御磁束(MC)(図3参照)を発生させる電流であり、第7および第8電磁石(107,108)の対向方向(この例ではX軸方向)におけるシャフト(14)の位置の変化に応じて変化する。なお、第5電流(i5)は、正の値と負の値とに変化する電流(双方向に流れる電流)である。
第7および第8電磁石(107,108)の制御コイル(107c,108c)に第5電流(i5)が供給されると、第7および第8電磁石(107,108)の制御コイル(107c,108c)の各々に制御磁束(MC)が発生する。この制御磁束(MC)は、第7および第8電磁石(107,108)の対向方向(この例ではX軸方向)におけるシャフト(14)の位置を制御するための磁束である。なお、第8電磁石(108)の制御コイル(108c)に発生する制御磁束(MC)の向きは、第7電磁石(107)の制御コイル(107c)に発生する制御磁束(MC)の向きと同じである。
そして、第7および第8電磁石(107,108)の制御コイル(107c,108c)に供給される第5電流(i5)を制御することにより、第7および第8電磁石(107,108)の制御コイル(107c,108c)の各々に発生する制御磁束(MC)を変化させることができる。これにより、第7および第8電磁石(107,108)の合成電磁力を変化させて第7および第8電磁石(107,108)の対向方向(この例ではX軸方向)におけるシャフト(14)の位置を制御することができる。
〈第9および第10電磁石の制御コイルの配線状態〉
第2ラジアル磁気軸受(42)の電磁石(63)である第9電磁石(109)の制御コイル(109c)と、第2ラジアル磁気軸受(42)の電磁石(64)である第10電磁石(110)の制御コイル(110c)には、第6電流(i6)が供給される。具体的には、第9および第10電磁石(109,110)の制御コイル(109c,110c)は、互いに電気的に接続(この例では直列接続)され、第6電流(i6)を供給する第6電源部(電源部(22)の一部、図示を省略)に電気的に接続される。
第6電流(i6)は、第9および第10電磁石(109,110)の制御コイル(109c,110c)の各々に制御磁束(MC)を発生させる電流であり、第9および第10電磁石(109,110)の対向方向(この例ではY軸方向)におけるシャフト(14)の位置の変化に応じて変化する。なお、第6電流(i6)は、正の値と負の値とに変化する電流(双方向に流れる電流)である。
第9および第10電磁石(109,110)の制御コイル(109c,110c)に第6電流(i6)が供給されると、第9および第10電磁石(109,110)の制御コイル(109c,110c)の各々に制御磁束(MC)が発生する。この制御磁束(MC)は、第9および第10電磁石(109,110)の対向方向(この例ではY軸方向)におけるシャフト(14)の位置を制御するための磁束である。なお、第10電磁石(110)の制御コイル(110c)に発生する制御磁束(MC)の向きは、第9電磁石(109)の制御コイル(109c)に発生する制御磁束(MC)の向きと同じである。
そして、第9および第10電磁石(109,110)の制御コイル(109c,110c)に供給される第6電流(i6)を制御することにより、第9および第10電磁石(109,110)の制御コイル(109c,110c)の各々に発生する制御磁束(MC)を変化させることができる。これにより、第9および第10電磁石(109,110)の合成電磁力を変化させて第9および第10電磁石(109,110)の対向方向(この例ではY軸方向)におけるシャフト(14)の位置を制御することができる。
〈バイアスコイルの配線状態(第1電流の経路)〉
第3,第4,第7,第8電磁石(103,104,107,108)のバイアスコイル(103b,104b,107b,108b)には、第1電流(i1)および第2電流(i2)の一方(この例では第1電流(i1))が供給される。具体的には、第3,第4,第7,第8電磁石(103,104,107,108)のバイアスコイル(103b,104b,107b,108b)は、互いに電気的に接続(この例では直列に接続)され、第1電磁石(101)のコイル(101a)と電気的に直列接続される。
第3および第4電磁石(103,104)のバイアスコイル(103b,104b)に第1電流(i1)が供給されると、第3および第4電磁石(103,104)のバイアスコイル(103b,104b)の各々にバイアス磁束(MB)(図3参照)が発生する。このバイアス磁束(MB)は、第3および第4電磁石(103,104)の合成電磁力と、第3および第4電磁石(103,104)の制御コイル(103c,104c)に供給される第3電流(i3)との線形性を調節するための磁束である。なお、第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)に発生するバイアス磁束(MB)の向きは、第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)に発生するバイアス磁束(MB)の向きと逆である。
第7および第8電磁石(107,108)のバイアスコイル(107b,108b)に第1電流(i1)が供給されると、第7および第8電磁石(107,108)のバイアスコイル(107b,108b)の各々にバイアス磁束(MB)(図3参照)が発生する。このバイアス磁束(MB)は、第7および第8電磁石(107,108)の合成電磁力と、第7および第8電磁石(107,108)の制御コイル(107c,108c)に供給される第5電流(i5)との線形性を調節するための磁束である。なお、第8電磁石(108)のバイアスコイル(108b)に発生するバイアス磁束(MB)の向きは、第7電磁石(107)のバイアスコイル(107b)に発生するバイアス磁束(MB)の向きと逆である。
〈バイアスコイルの配線状態(第2電流の経路)〉
第5,第6,第9,第10電磁石(105,106,109,110)のバイアスコイル(105b,106b,109b,110b)には、第1電流(i1)および第2電流(i2)の他方(この例では第2電流(i2))が供給される。具体的には、第5,第6,第9,第10電磁石(105,106,109,110)のバイアスコイル(105b,106b,109b,110b)は、互いに電気的に接続(この例では直列接続)され、第2電磁石(102)のコイル(102a)と電気的に直列接続される。
第5および第6電磁石(105,106)のバイアスコイル(105b,106b)に第2電流(i2)が供給されると、第5および第6電磁石(105,106)のバイアスコイル(105b,106b)の各々にバイアス磁束(MB)(図3参照)が発生する。このバイアス磁束(MB)は、第5および第6電磁石(105,106)の合成電磁力と、第5および第6電磁石(105,106)の制御コイル(105c,106c)に供給される第4電流(i4)との線形性を調節するための磁束である。なお、第6電磁石(106)のバイアスコイル(106b)に発生するバイアス磁束(MB)の向きは、第5電磁石(105)のバイアスコイル(105b)に発生するバイアス磁束(MB)の向きと逆である。
第9および第10電磁石(109,110)のバイアスコイル(109b,110b)に第2電流(i2)が供給されると、第9および第10電磁石(109,110)のバイアスコイル(109b,110b)の各々にバイアス磁束(MB)(図3参照)が発生する。このバイアス磁束(MB)は、第9および第10電磁石(109,110)の合成電磁力と、第9および第10電磁石(109,110)の制御コイル(109c,110c)に供給される第6電流(i6)との線形性を調節するための磁束である。なお、第10電磁石(110)のバイアスコイル(110b)に発生するバイアス磁束(MB)の向きは、第9電磁石(109)のバイアスコイル(109b)に発生するバイアス磁束(MB)の向きと逆である。
〔実施形態1の特徴(1)〕
以上のように、実施形態1の磁気軸受装置(20)は、被支持体(14)を非接触で支持する。実施形態1の磁気軸受装置(20)は、被支持体(14)を間において互いに対向する第1電磁石(101)および第2電磁石(102)と、被支持体(14)を間において互いに対向する第3電磁石(103)および第4電磁石(104)とを備える。第1電磁石(101)は、コイル(101a)を有する。第2電磁石(102)は、コイル(102a)を有する。第3電磁石(103)は、制御コイル(103c)と、バイアスコイル(103b)とを有する。第4電磁石(104)は、制御コイル(104c)と、バイアスコイル(104b)とを有する。第1電磁石(101)のコイル(101a)には、第1電流(i1)が供給される。第2電磁石(102)のコイル(102a)には、第2電流(i2)が供給される。第3電磁石(103)の制御コイル(103c)と第4電磁石(104)の制御コイル(104c)には、第3電流(i3)が供給される。第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)と第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)には、第1電流(i1)および第2電流(i2)の一方が供給される。
実施形態1では、第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)と第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)に対してバイアス電流を供給する専用のバイアス電流供給装置を設けなくてもよいので、磁気軸受装置(20)の部品点数を削減することができる。これにより、磁気軸受装置(20)のコストを低減することができる。
〔実施形態1の特徴(2)〕
また、実施形態1の磁気軸受装置(20)では、第1電磁石(101)と第2電磁石(102)との対向方向は、被支持体(14)のスラスト方向に沿う方向である。第3電磁石(103)と第4電磁石(104)との対向方向は、被支持体(14)のラジアル方向に沿う方向である。
実施形態1では、第1電流(i1)および第2電流(i2)を制御することにより、被支持体(14)のスラスト方向における位置を制御することができる。また、第3電流(i3)を制御することにより、被支持体(14)のラジアル方向における位置を制御することができる。そして、第1電流(i1)および第2電流(i2)の一方を第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)と第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)に供給することにより、第3電磁石(103)と第4電磁石(104)における合成電磁力と第3電流(i3)との線形性を調節することができる。
〔実施形態1の特徴(3)〕
また、実施形態1の磁気軸受装置(20)は、被支持体(14)を間において互いに対向する第5電磁石(105)および第6電磁石(106)を備える。第5電磁石(105)は、制御コイル(105c)と、バイアスコイル(105b)とを有する。第6電磁石(106)は、制御コイル(106c)と、バイアスコイル(106b)とを有する。第5電磁石(105)の制御コイル(105c)と第6電磁石(106)の制御コイル(106c)には、第4電流(i4)が供給される。第5電磁石(105)のバイアスコイル(105b)と第6電磁石(106)のバイアスコイル(106b)には、第1電流(i1)および第2電流(i2)の他方が供給される。
実施形態1では、第5電磁石(105)のバイアスコイル(105b)と第6電磁石(106)のバイアスコイル(106b)に対してバイアス電流を供給する専用のバイアス電流供給装置を設けなくてもよいので、磁気軸受装置(20)の部品点数を削減することができる。これにより、磁気軸受装置(20)のコストを低減することができる。
〔実施形態1の特徴(4)〕
また、実施形態1の磁気軸受装置(20)では、第1電磁石(101)と第2電磁石(102)との対向方向は、被支持体(14)のスラスト方向に沿う方向である。第3電磁石(103)と第4電磁石(104)との対向方向は、被支持体(14)のラジアル方向に沿う方向である。第5電磁石(105)と第6電磁石(106)との対向方向は、被支持体(14)のラジアル方向に沿う方向である。
実施形態1では、第1電流(i1)および第2電流(i2)を制御することにより、被支持体(14)のスラスト方向における位置を制御することができる。また、第3電流(i3)を制御することにより、被支持体(14)のラジアル方向における位置を制御することができる。また、第4電流(i4)を制御することにより、被支持体(14)のラジアル方向における位置を制御することができる。そして、第1電流(i1)および第2電流(i2)の一方を第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)と第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)に供給することにより、第3電磁石(103)と第4電磁石(104)における合成電磁力と第3電流(i3)との線形性を調節することができる。また、第1電流(i1)および第2電流(i2)の他方を第5電磁石(105)のバイアスコイル(105b)と第6電磁石(106)のバイアスコイル(106b)に供給することにより、第5電磁石(105)と第6電磁石(106)における合成電磁力と第4電流(i4)との線形性を調節することができる。
〔実施形態1の特徴(5)〕
また、実施形態1の磁気軸受装置(20)では、第5電磁石(105)と第6電磁石(106)との対向方向は、第3電磁石(103)と第4電磁石(104)との対向方向と交差する方向である。第3電磁石(103)と第4電磁石(104)と第5電磁石(105)と第6電磁石(106)は、1つのラジアル磁気軸受(41)に設けられる。
実施形態1では、第3電流(i3)を制御することにより、ラジアル磁気軸受(41)において被支持体(14)のラジアル方向(例えばX軸方向)における位置を制御することができる。また、第4電流(i4)を制御することにより、ラジアル磁気軸受(41)において被支持体(14)の別のラジアル方向(例えばY軸方向)における位置を制御することができる。なお、第1電流(i1)および第2電流(i2)を制御することにより、被支持体(14)のスラスト方向における位置を制御することができる。以上により、被支持体(14)の位置を三次元的に制御することができる。
また、実施形態1では、第3および第4電磁石(103,104)と第5および第6電磁石(105,106)とを1つのラジアル磁気軸受(41)に設け、互いに相補的に変化する第1電流(i1)および第2電流(i2)の一方を第3および第4電磁石(103,104)のバイアスコイル(103b,104b)に供給し、第1電流(i1)および第2電流(i2)の他方を第5および第6電磁石(105,106)のバイアスコイル(105b,106b)に供給することにより、第3および第4電磁石(103,104)のバイアスコイル(103b,104b)に発生するバイアス磁束(MB)と第5および第6電磁石(105,106)のバイアスコイル(105b,106b)に発生するバイアス磁束(MB)との総和を一定にすることができる。これにより、バイアス磁束(MB)の総和が変動する場合よりも、第3および第4電磁石(103,104)の制御コイル(103c,104c)に流れる第3電流(i3)の最大値および第5および第6電磁石(105,106)の制御コイル(105c,106c)に流れる第4電流(i4)の最大値を低減することができる。
〔実施形態1の特徴(6)〕
また、実施形態1のターボ圧縮機(10)は、インペラ(12)と、インペラ(12)が取り付けられるシャフト(14)と、シャフト(14)を回転駆動させるモータ(13)と、シャフト(14)を非接触で支持する上記の磁気軸受装置(20)とを備える。
実施形態1では、磁気軸受装置(20)のコストを低減することができるので、それを備えるターボ圧縮機(10)のコストを削減することができる。
〔実施形態1の特徴(7)〕
また、実施形態1の磁気軸受装置(20)では、第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)および第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)は、互いに電気的に直列接続される。
実施形態1では、第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)と第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)とを互いに電気的に直列接続することにより、第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)に流れる電流と第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)の各々に流れる電流とを同一にすることができる。これにより、第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)に発生するバイアス磁束(MB)と第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)に発生するバイアス磁束(MB)との差を低減することができるので、第3および第4電磁石(103,104)の合成電磁力と第3および第4電磁石(103,104)の制御コイル(103c,104c)に流れる第3電流(i3)との線形性を適切に調節することができる。なお、第5〜第10電磁石(105〜110)のバイアスコイル(105b〜110b)についても同様である。
(実施形態1の変形例1)
実施形態1の変形例1の磁気軸受装置(20)は、図1および図2に示した第1および第2スラスト磁気軸受(31,32)に代えて、図5に示すスラスト磁気軸受(30)を備える。実施形態1の変形例2の磁気軸受装置(20)のその他の構成は、実施形態1の磁気軸受装置(20)の構成と同様である。
〔スラスト磁気軸受の構成〕
図5に示すように、実施形態1の変形例1のスラスト磁気軸受(30)は、2つのステータコア(37)と、2つのコイル(50a)とを有する。図5に示したスラスト磁気軸受(30)では、2つのステータコア(37)と、その2つのステータコア(37)の円周溝にそれぞれ収容された2つのコイル(50a)とが2つの電磁石(50)を構成する。2つの電磁石(50)は、シャフト(14)のスラスト方向においてロータ(36)を間において互いに対向する。
実施形態1の変形例1のスラスト磁気軸受(30)では、コイル(50a)の巻回方向およびコイル(50a)に流れる電流の向きは、図5に示した矢印の方向に磁束(M)が発生するように設定される。
〔コイルの配線状態〕
実施形態1の変形例1の磁気軸受装置(20)では、第1電磁石(101)は、スラスト磁気軸受(30)の2つの電磁石(50)の一方である。第2電磁石(102)は、スラスト磁気軸受(30)の2つの電磁石(50)の他方である。スラスト磁気軸受(30)の2つの電磁石(50)の一方である第1電磁石(101)には、第1電流(i1)が供給される。スラスト磁気軸受(30)の2つの電磁石(50)の他方である第2電磁石(102)には、第2電流(i2)が供給される。なお、実施形態1の変形例1の磁気軸受装置(20)における「第3〜第10電磁石(103〜110)」と「第1および第2ラジアル磁気軸受(41,42)の電磁石(61〜64)」との対応関係は、実施形態1の磁気軸受装置(20)における対応関係と同様である。
〔実施形態1の変形例1の特徴〕
実施形態1の変形例1の磁気軸受装置(20)では、シャフト(14)のスラスト方向において互いに対向する第1電磁石(101)と第2電磁石(101,102)は、1つのスラスト磁気軸受(30)に設けられている。
(実施形態1の変形例2)
実施形態1の変形例2の磁気軸受装置(20)は、第1および第2ラジアル磁気軸受(41,42)の構成が実施形態1の磁気軸受装置(20)と異なる。実施形態1の変形例2の磁気軸受装置(20)のその他の構成は、実施形態1の磁気軸受装置(20)の構成と同様である。
〔ラジアル磁気軸受の構成〕
図6に示すように、実施形態1の変形例2の第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(61,62)の各々は、制御コイル(60c)とバイアスコイル(60b)に加えて、補助バイアスコイル(60d)を有する。補助バイアスコイル(60d)は、制御コイル(60c)およびバイアスコイル(60b)とともにティース(48)に巻回される。
また、第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(63,64)の各々は、制御コイル(60c)を有する。言い換えると、実施形態1の変形例2では、電磁石(63,64)の各々から図3に示したバイアスコイル(60b)が省略されている。
実施形態1の変形例2の第1ラジアル磁気軸受(41)では、補助バイアスコイル(60d)の巻回方向および補助バイアスコイル(60d)に流れる電流の向きは、図6に示した矢印の方向にバイアス磁束(MB)が発生するように設定される。
なお、実施形態1の変形例2の第2ラジアル磁気軸受(42)の構成は、図6に示した第1ラジアル磁気軸受(41)の構成と同様である。
〔コイルの配線状態〕
図7は、実施形態1の変形例2の磁気軸受装置(20)におけるコイルの配線状態を例示する。実施形態1の磁気軸受装置(20)における「第1〜第10電磁石(101〜110)」と「第1および第2スラスト磁気軸受(31,32)の電磁石(50)と第1および第2ラジアル磁気軸受(41,42)の電磁石(61〜64)」との対応関係は、実施形態1の磁気軸受装置(20)における対応関係と同様である。
実施形態1の変形例2では、第3電磁石(103)は、制御コイル(103c)とバイアスコイル(103b)に加えて、補助バイアスコイル(103d)を有する。第4電磁石(103)は、制御コイル(104c)とバイアスコイル(104b)に加えて、補助バイアスコイル(104d)を有する。第5電磁石(105)は、制御コイル(105c)を有し、図4に示したバイアスコイル(105b)を有さない。第6電磁石(106)は、制御コイル(106c)を有し、図4に示したバイアスコイル(106b)を有さない。これと同様に、第7および第8電磁石(107,108)は、制御コイル(107c,108c)とバイアスコイル(107b,108b)に加えて、補助バイアスコイル(107d,108d)を有する。第9および第10電磁石(109,110)は、制御コイル(109c,110c)を有し、図4に示したバイアスコイル(109b,110b)を有さない。
〈補助バイアスコイルの配線状態〉
第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(61,62)である第3および第4電磁石(103,104)の補助バイアスコイル(103d,104d)と、第2ラジアル磁気軸受(42)の電磁石(61,62)である第7および第8電磁石(107,108)の補助バイアスコイル(107d,108d)には、第1電流(i1)および第2電流(i2)の他方(この例では第2電流(i2))が供給される。具体的には、第3,第4,第7,第8電磁石(103,104,107,108)の補助バイアスコイル(103d,104d,107d,108d)は、互いに電気的に接続(この例では直列接続)され、第2電磁石(102)のコイル(102a)と電気的に接続される。
第3および第4電磁石(103,104)の補助バイアスコイル(103d,104d)に第2電流(i2)が供給されると、第3および第4電磁石(103,104)の補助バイアスコイル(103d,104d)の各々にバイアス磁束(MB)(図6参照)が発生する。このバイアス磁束(MB)は、第5および第6電磁石(105,106)の合成電磁力と、第5および第6電磁石(105,106)の制御コイル(105c,106c)に供給される第4電流(i4)との線形性を調節するための磁束である。なお、第4電磁石(104)の補助バイアスコイル(104d)に発生するバイアス磁束(MB)の向きは、第3電磁石(103)の補助バイアスコイル(103d)に発生するバイアス磁束(MB)の向きと逆である。
第7および第8電磁石(107,108)の補助バイアスコイル(107d,108d)に第2電流(i2)が供給されると、第7および第8電磁石(107,108)の補助バイアスコイル(107d,108d)の各々にバイアス磁束(MB)(図6参照)が発生する。このバイアス磁束(MB)は、第9および第10電磁石(109,110)の合成電磁力と、第9および第10電磁石(109,110)の制御コイル(109c,110c)に供給される第6電流(i6)との線形性を調節するための磁束である。なお、第8電磁石(108)の補助バイアスコイル(108d)に発生するバイアス磁束(MB)の向きは、第7電磁石(107)の補助バイアスコイル(107d)に発生するバイアス磁束(MB)の向きと逆である。
〔実施形態1の変形例2の特徴〕
以上のように、実施形態1の変形例2の磁気軸受装置(20)では、第3電磁石(103)は、補助バイアスコイル(103d)を有し、第4電磁石(104)は、補助バイアスコイル(104d)を有する。第3電磁石(103)の補助バイアスコイル(103d)と第4電磁石(104)の補助バイアスコイル(104d)には、第1電流(i1)および第2電流(i2)の他方が供給される。
実施形態1の変形例2では、第3電磁石(103)の補助バイアスコイル(103d)と第4電磁石(104)の補助バイアスコイル(104d)に対してバイアス電流を供給する専用のバイアス電流供給装置を設けなくてもよいので、磁気軸受装置(20)の部品点数を削減することができる。これにより、磁気軸受装置(20)のコストを低減することができる。
(実施形態1の変形例3)
実施形態1の変形例3の磁気軸受装置(20)は、第1および第2ラジアル磁気軸受(41,42)の構成が実施形態1の磁気軸受装置(20)と異なる。実施形態1の変形例3の磁気軸受装置(20)のその他の構成は、実施形態1の磁気軸受装置(20)の構成と同様である。
〔ラジアル磁気軸受の構成〕
図8に示すように、実施形態1の変形例3の第1ラジアル磁気軸受(41)では、8つのティース(48)と、8つのティース(48)にそれぞれ巻回される8つの制御コイル(60c)と、8つのティース(48)にそれぞれ巻回される8つのバイアスコイル(60b)とが、8つの電磁石(60)を構成する。
8つの電磁石(60)は、X軸方向に属する4つの電磁石(60)と、Y軸方向に属する4つの電磁石(60)とに分類される。X軸方向に属する4つの電磁石(60)のうち2つの電磁石(60)がX軸方向において互いに対向し、残りの2つの電磁石(60)もX軸方向において互いに対向する。Y軸方向に属する4つの電磁石(60)のうち2つの電磁石(60)がY軸方向において互いに対向し、残りの2つの電磁石(60)もY軸方向において互いに対向する。
以下では、第1ラジアル磁気軸受(41)の8つの電磁石(60)のうちX軸方向に属する4つの電磁石(60)を「電磁石(61〜64)」と記載し、Y軸方向に属する4つの電磁石(60)を「電磁石(65〜68)」と記載する。電磁石(61)と電磁石(62)とがX軸方向において互いに対向し、電磁石(63)と電磁石(64)とがX軸方向において互いに対向し、電磁石(61)と電磁石(63)とが並んで配置される。電磁石(65)と電磁石(66)とがY軸方向において互いに対向し、電磁石(67)と電磁石(68)とがY軸方向において互いに対向し、電磁石(65)と電磁石(67)とが並んで配置される。
実施形態1の変形例3の第1ラジアル磁気軸受(41)では、制御コイル(60c)の巻回方向および制御コイル(60c)に流れる電流の向きは、図8に示した矢印の方向に制御磁束(MC)が発生するように設定される。なお、図8では、Y軸方向の制御磁束(MC)の図示を省略している。また、バイアスコイル(60b)の巻回方向およびバイアスコイル(60b)に流れる電流の向きは、図8に示した矢印の方向にバイアス磁束(MB)が発生するように設定される。
なお、実施形態1の変形例3の第2ラジアル磁気軸受(42)の構成は、図8に示した第1ラジアル磁気軸受(41)の構成と同様である。
〔コイルの配線状態〕
図9は、実施形態1の変形例3の磁気軸受装置(20)におけるコイルの配線状態を例示する。図9では、第2ラジアル磁気軸受(42)の図示を省略している。実施形態1の変形例3の磁気軸受装置(20)における「第1〜第10電磁石(101〜110)」と「第1および第2スラスト磁気軸受(31,32)の電磁石(50)と第1ラジアル磁気軸受(41,42)の電磁石(61〜68)」との対応関係は、以下のとおりである。
第1電磁石(101):第1スラスト磁気軸受(31)の電磁石(50)
第2電磁石(102):第2スラスト磁気軸受(32)の電磁石(50)
第3電磁石(103):第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(61)
第4電磁石(104):第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(62)
第5電磁石(105):第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(65)
第6電磁石(106):第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(66)
第7電磁石(107):第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(63)
第8電磁石(108):第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(64)
第9電磁石(109):第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(67)
第10電磁石(110):第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(68)
第1電磁石(101)は、コイル(101a)を有する。第2電磁石(102)は、コイル(102a)を有する。第3〜第10電磁石(103〜110)は、制御コイル(103c〜110c)と、バイアスコイル(103b〜110b)とを有する。
実施形態1の変形例3では、第7電磁石(107)と第8電磁石(108)との対向方向は、第3電磁石(103)と第4電磁石(104)との対向方向に沿う方向である。第9電磁石(109)と第10電磁石(110)との対向方向は、第5電磁石(105)と第6電磁石(106)との対向方向と沿う方向である。そして、第7電磁石(107)と第8電磁石(108)との対向方向(または第9電磁石(109)と第10電磁石(110)との対向方向)は、第3電磁石(103)と第4電磁石(104)との対向方向(または第5電磁石(105)と第6電磁石(106)との対向方向)と交差する方向である。具体的には、第3電磁石(103)と第4電磁石(104)との対向方向は、X軸方向であり、第7電磁石(107)と第8電磁石(108)との対向方向も、X軸方向である。第5電磁石(105)と第6電磁石(106)との対向方向は、Y軸方向であり、第9電磁石(109)と第10電磁石(110)との対向方向も、Y軸方向である。
〈第3,第4,第7,第8電磁石の制御コイルの配線状態〉
第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(61〜64)である第3,第4,第7,第8電磁石(103,104,107,108)の制御コイル(103c,104c,107c,108c)には、第3電流(i3)が供給される。第3電流(i3)は、第3,第4,第7,第8電磁石(103,104,107,108)の制御コイル(103c,104c,107c,108c)の各々に制御磁束(MC)を発生させる電流であり、第3,第4,第7,第8電磁石(103,104,107,108)の対向方向(この例ではX軸方向)におけるシャフト(14)の位置の変化に応じて変化する。第3電流(i3)は、正の値と負の値とに変化する電流(双方向に流れる電流)である。
第3,第4,第7,第8電磁石(103,104,107,108)の制御コイル(103c,104c,107c,108c)に第3電流(i3)が供給されると、第3,第4,第7,第8電磁石(103,104,107,108)の制御コイル(103c,104c,107c,108c)の各々に制御磁束(MC)(図8参照)が発生する。この制御磁束(MC)は、第3,第4,第7,第8電磁石(103,104,107,108)の対向方向(この例ではX軸方向)におけるシャフト(14)の位置を制御するための磁束である。なお、第4電磁石(104)の制御コイル(104c)に発生する制御磁束(MC)の向きは、第3電磁石(103)の制御コイル(103c)に発生する制御磁束(MC)の向きと同じである。第8電磁石(108)の制御コイル(108c)に発生する制御磁束(MC)の向きは、第7電磁石(107)の制御コイル(107c)に発生する制御磁束(MC)の向きと同じである。
〈第5,第6,第9,第10電磁石の制御コイルの配線状態〉
第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(65〜68)である第5,第6,第9,第10電磁石(105,106,109,110)の制御コイル(105c,106c,109c,110c)には、第4電流(i4)が供給される。第4電流(i4)は、第5,第6,第9,第10電磁石(105,106,109,110)の制御コイル(105c,106c,109c,110c)の各々に制御磁束(MC)を発生させる電流であり、第5,第6,第9,第10電磁石(105,106,109,110)の対向方向(この例ではY軸方向)におけるシャフト(14)の位置の変化に応じて変化する。第4電流(i4)は、正の値と負の値とに変化する電流(双方向に流れる電流)である。
第5,第6,第9,第10電磁石(105,106,109,110)の制御コイル(105c,106c,109c,110c)に第4電流(i4)が供給されると、第5,第6,第9,第10電磁石(105,106,109,110)の制御コイル(105c,106c,109c,110c)の各々に制御磁束(MC)が発生する。この制御磁束(MC)は、第5,第6,第9,第10電磁石(105,106,109,110)の対向方向(この例ではY軸方向)におけるシャフト(14)の位置を制御するための磁束である。なお、第6電磁石(106)の制御コイル(106c)に発生する制御磁束(MC)の向きは、第5電磁石(105)の制御コイル(105c)に発生する制御磁束(MC)の向きと同じである。第10電磁石(110)の制御コイル(110c)に発生する制御磁束(MC)の向きは、第9電磁石(109)の制御コイル(109c)に発生する制御磁束(MC)の向きと同じである。
〈第3〜第10電磁石のバイアスコイルの配線状態〉
実施形態1の変形例3の第3〜第10電磁石(103〜110)のバイアスコイル(103b〜110b)の配線状態は、図4に示した実施形態1の第3〜第10電磁石(103〜110)のバイアスコイル(103b〜110b)の配線状態と同様である。
第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(61〜64)である第3,第4,第7,第8電磁石(103,104,107,108)のバイアスコイル(103b,104b,107b,108b)に第1電流(i1)が供給されると、第3,第4,第7,第8電磁石(103,104,107,108)のバイアスコイル(103b,104b,107b,108b)の各々にバイアス磁束(MB)(図8参照)が発生する。このバイアス磁束(MB)は、第3,第4,第7,第8電磁石(103,104,107,108)の合成電磁力と、第3,第4,第7,第8電磁石(103,104,107,108)の制御コイル(103c,104c,107c,108c)に供給される第3電流(i3)との線形性を調節するための磁束である。
第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(65〜68)である第5,第6,第9,第10電磁石(105,106,109,110)のバイアスコイル(105b,106b,109b,110b)に第2電流(i2)が供給されると、第5,第6,第9,第10電磁石(105,106,109,110)のバイアスコイル(105b,106b,109b,110b)の各々にバイアス磁束(MB)(図8参照)が発生する。このバイアス磁束(MB)は、第5,第6,第9,第10電磁石(105,106,109,110)の合成電磁力と、第5,第6,第9,第10電磁石(105,106,109,110)の制御コイル(105c,106c,109c,110c)に供給される第4電流(i4)との線形性を調節するための磁束である。
(実施形態1の変形例4)
実施形態1の変形例4の磁気軸受装置(20)は、制御磁束(MC)およびバイアス磁束(MB)が実施形態1の変形例3の磁気軸受装置(20)と異なる。実施形態1の変形例4の磁気軸受装置(20)のその他の構成は、実施形態1の変形例3の磁気軸受装置(20)の構成と同様である。
〔ラジアル磁気軸受〕
図10に示すように、実施形態1の変形例4の第1ラジアル磁気軸受(41)の構成は、図8に示した実施形態1の変形例3の第1ラジアル磁気軸受(41)の構成と同様である。実施形態1の変形例4の第1ラジアル磁気軸受(41)は、制御コイル(60c)の巻回方向および制御コイル(60c)に流れる電流の向きとバイアスコイル(60b)の巻回方向およびバイアスコイル(60b)に流れる電流の向きが実施形態1の変形例3の第1ラジアル磁気軸受(41)と異なる。
実施形態1の変形例4の第1ラジアル磁気軸受(41)では、制御コイル(60c)の巻回方向および制御コイル(60c)に流れる電流の向きは、図10に示した矢印の方向に制御磁束(MC)が発生するように設定される。また、バイアスコイル(60b)の巻回方向およびバイアスコイル(60b)に流れる電流の向きは、図10に示した矢印の方向にバイアス磁束(MB)が発生するように設定される。また、実施形態1の変形例4の第2ラジアル磁気軸受(42)の構成は、図10に示した第1ラジアル磁気軸受(41)の構成と同様である。
〔コイルの配線状態〕
図11は、実施形態1の変形例4の磁気軸受装置(20)におけるコイルの配線状態を例示する。図11では、第2ラジアル磁気軸受(42)の図示を省略している。実施形態1の変形例4の磁気軸受装置(20)における「第1〜第10電磁石(101〜110)」と「第1および第2スラスト磁気軸受(31,32)の電磁石(50)と第1ラジアル磁気軸受(41,42)の電磁石(61〜68)」との対応関係は、実施形態1の変形例4の磁気軸受装置(20)における対応関係と同様である。
実施形態1の変形例4の磁気軸受装置(20)におけるコイルの配線状態は、バイアスコイルの配線状態が実施形態1の変形例3の磁気軸受装置(20)におけるコイルの配線状態と異なる。
〈バイアスコイルの配線状態〉
実施形態1の変形例4では、第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(61,62,65,66)である第3〜第6電磁石(103〜106)のバイアスコイル(103b〜106b)に、第1電流(i1)が供給される。また、第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(63,64,67,68)である第7〜第10電磁石(107〜110)のバイアスコイル(107b〜110b)に、第2電流(i2)が供給される。
第3〜第6電磁石(103〜106)のバイアスコイル(103b〜106b)に第1電流(i1)が供給されると、第3〜第6電磁石(103〜106)のバイアスコイル(103b〜106b)の各々にバイアス磁束(MB)(図10参照)が発生する。第7〜第10電磁石(107〜110)のバイアスコイル(107b〜110b)に第2電流(i2)が供給されると、第7〜第10電磁石(107〜110)のバイアスコイル(107b〜110b)の各々にバイアス磁束(MB)(図10参照)が発生する。
第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(61〜64)である第3,第4,第7,第8電磁石(103,104,107,108)のバイアスコイル(103b,104b,107b,108b)の各々に発生するバイアス磁束(MB)は、第3,第4,第7,第8電磁石(103,104,107,108)の合成電磁力と、第3,第4,第7,第8電磁石(103,104,107,108)の制御コイル(103c,104c,107c,108c)に供給される第3電流(i3)との線形性を調節するための磁束である。
第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(65〜68)である第5,第6,第9,第10電磁石(105,106,109,110)のバイアスコイル(105b,106b,109b,110b)の各々に発生するバイアス磁束(MB)は、第5,第6,第9,第10電磁石(105,106,109,110)の合成電磁力と、第5,第6,第9,第10電磁石(105,106,109,110)の制御コイル(105c,106c,109c,110c)に供給される第4電流(i4)との線形性を調節するための磁束である。
(実施形態2)
実施形態2の磁気軸受装置(20)は、第1および第2スラスト磁気軸受(31,32)と第1ラジアル磁気軸受(41)の構成が実施形態1の磁気軸受装置(20)と異なる。実施形態2の磁気軸受装置(20)のその他の構成は、実施形態1の磁気軸受装置(20)の構成と同様である。
〔スラスト磁気軸受の構成〕
図12に示すように、実施形態2のスラスト磁気軸受(31)のステータ(35)は、図2に示したコイル(50a)に代えて、制御コイル(50c)と、バイアスコイル(50b)と、補助バイアスコイル(50d)とを有する。実施形態2の第1スラスト磁気軸受(31)では、ステータコア(37)と、そのステータコア(37)の円周溝に収容された制御コイル(50c)とバイアスコイル(50b)と補助バイアスコイル(50d)とが電磁石(50)を構成する。
実施形態2の第1スラスト磁気軸受(31)では、制御コイル(50c)の巻回方向および制御コイル(50c)に流れる電流の向きは、図12に示した矢印の方向に制御磁束(MC)が発生するように設定される。また、バイアスコイル(50b)の巻回方向およびバイアスコイル(50b)に流れる電流の向きと補助バイアスコイル(50d)の巻回方向および補助バイアスコイル(50d)に流れる電流の向きは、所定の方向にバイアス磁束(MB)が発生するように設定される。なお、図12では、バイアス磁束(MB)の図示を省略している。
また、実施形態2の第2スラスト磁気軸受(32)の構成は、図12に示した第1スラスト磁気軸受(31)の構成と同様である。
〔ラジアル磁気軸受の構成〕
図13に示すように、実施形態2の第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(61)および電磁石(62)の各々は、図3に示した制御コイル(60c)とバイアスコイル(60b)に代えて、コイル(60a)を有する。実施形態2の第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(61)および電磁石(62)の各々は、ティース(48)と、そのティース(48)に巻回されたコイル(60a)とにより構成される。
実施形態2の第1ラジアル磁気軸受(41)では、コイル(60a)の巻回方向およびコイル(60a)に流れる電流の向きは、図13に示した矢印の方向に磁束(M)が発生するように設定される。なお、図13では、Y軸方向の制御磁束(MC)の図示を省略している。
また、実施形態2の第2ラジアル磁気軸受(42)の構成は、図3に示した実施形態1の第2ラジアル磁気軸受(42)の構成と同様である。
〔コイルの配線状態〕
図14は、実施形態2の磁気軸受装置(20)におけるコイルの配線状態を例示する。実施形態2の磁気軸受装置(20)における「第1〜第10電磁石(101〜110)」と「第1および第2スラスト磁気軸受(31,32)の電磁石(50)と第1および第2ラジアル磁気軸受(41,42)の電磁石(61〜64)」との対応関係は、以下のとおりである。
第1電磁石(101):第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(61)
第2電磁石(102):第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(62)
第3電磁石(103):第1スラスト磁気軸受(31)の電磁石(50)
第4電磁石(104):第2スラスト磁気軸受(32)の電磁石(50)
第5電磁石(105):第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(63)
第6電磁石(106):第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(64)
第7電磁石(107):第2ラジアル磁気軸受(42)の電磁石(61)
第8電磁石(108):第2ラジアル磁気軸受(42)の電磁石(62)
第9電磁石(109):第2ラジアル磁気軸受(42)の電磁石(63)
第10電磁石(110):第2ラジアル磁気軸受(42)の電磁石(64)
第1電磁石(101)は、コイル(101a)を有する。第2電磁石(102)は、コイル(102a)を有する。第3電磁石(103)は、制御コイル(103c)と、バイアスコイル(103b)と、補助バイアスコイル(103d)とを有する。第4電磁石(104)は、制御コイル(104c)と、バイアスコイル(104b)と、補助バイアスコイル(104d)とを有する。第5〜第10電磁石(105〜110)は、制御コイル(105c〜110c)と、バイアスコイル(105b〜110b)とを有する。
実施形態2では、第1電磁石(101)と第2電磁石(102)との対向方向は、シャフト(14)のラジアル方向に沿う方向である。第5電磁石(105)と第6電磁石(106)との対向方向は、シャフト(14)のラジアル方向に沿う方向である。第5電磁石(105)と第6電磁石(106)との対向方向は、第1電磁石(101)と第2電磁石(102)との対向方向と交差する方向である。具体的には、第1電磁石(101)と第2電磁石(102)との対向方向は、X軸方向である。第5電磁石(105)と第6電磁石(106)との対向方向は、Y軸方向(X軸方向と直交する方向)である。そして、第1電磁石(101)と第2電磁石(102)と第5電磁石(105)と第6電磁石(106)は、1つのラジアル磁気軸受(第1ラジアル磁気軸受(41))に設けられる。
また、実施形態2では、第3電磁石(103)と第4電磁石(104)との対向方向は、シャフト(14)のスラスト方向に沿う方向である。
また、実施形態2では、第7電磁石(107)と第8電磁石(108)との対向方向は、シャフト(14)のラジアル方向に沿う方向である。第9電磁石(109)と第10電磁石(110)との対向方向は、シャフト(14)のラジアル方向に沿う方向である。第9電磁石(109)と第10電磁石(110)との対向方向は、第7電磁石(107)と第8電磁石(108)との対向方向と交差する方向である。具体的には、第7電磁石(107)と第8電磁石(108)との対向方向は、X軸方向である。第9電磁石(109)と第10電磁石(110)との対向方向は、Y軸方向である。そして、第7電磁石(107)と第8電磁石(108)と第9電磁石(109)と第10電磁石(110)は、1つのラジアル磁気軸受(第2ラジアル磁気軸受(42))に設けられる。
〈第1および第2電磁石のコイルの配線状態〉
第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(61)である第1電磁石(101)のコイル(101a)には、第1電流(i1)が供給される。第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(62)である第2電磁石(102)のコイル(102a)には、第2電流(i2)が供給される。第1および第2電磁石(101,102)のコイル(101a,102a)に供給される第1および第2電流(i1,i2)を制御することにより、第1および第2電磁石(101,102)のコイル(101a,102a)の各々に発生する磁束(M)(図13参照)を変化させることができる。これにより、第1および第2電磁石(101,102)の合成電磁力を変化させて第1および第2電磁石(101,102)の対向方向(この例ではX軸方向)におけるシャフト(14)の位置を制御することができる。
〈第3および第4電磁石の制御コイルの配線状態〉
第1スラスト磁気軸受(31)の電磁石(50)である第3電磁石(103)の制御コイル(103c)と、第2スラスト磁気軸受(32)の電磁石(50)である第4電磁石(104)の制御コイル(104c)には、第3電流(i3)が供給される。第3および第4電磁石(103,104)の制御コイル(103c,104c)に供給される第3電流(i3)を制御することにより、第3および第4電磁石(103,104)の制御コイル(103c,104c)の各々に発生する制御磁束(MC)(図12参照)を変化させることができる。これにより、第3および第4電磁石(103,104)の合成電磁力を変化させて第3および第4電磁石(103,104)の対向方向(この例ではスラスト方向)におけるシャフト(14)の位置を制御することができる。
〈第5および第6電磁石の制御コイルの配線状態〉
実施形態2の第5および第6電磁石(105,106)の制御コイル(105c,106c)の配線状態は、実施形態1の第5および第6電磁石(105,106)の制御コイル(105c,106c)の配線状態と同様である。
〈第7〜第10電磁石の制御コイルの配線状態〉
実施形態2の第7〜第10電磁石(107〜110)の制御コイル(107c〜110c)の配線状態は、実施形態1の第7〜第10電磁石(107〜110)の制御コイル(107c〜110c)の配線状態と同様である。
〈バイアスコイルの配線状態〉
第1および第2スラスト磁気軸受(31,32)の電磁石(50)である第3および第4電磁石(103,104)のバイアスコイル(103b,104b)と、第2ラジアル磁気軸受(42)の電磁石(61,62)である第7および第8電磁石(107,108)のバイアスコイル(107b,108b)には、第1電流(i1)および第2電流(i2)の一方(この例では第1電流(i1))が供給される。
第3および第4電磁石(103,104)のバイアスコイル(103b,104b)に第1電流(i1)が供給されると、第3および第4電磁石(103,104)のバイアスコイル(103b,104b)の各々にバイアス磁束(MB)が発生する。このバイアス磁束(MB)は、第3および第4電磁石(103,104)の合成電磁力と、第3および第4電磁石(103,104)の制御コイル(103c,104c)に供給される第3電流(i3)との線形性を調節するための磁束である。なお、第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)に発生するバイアス磁束(MB)の向きは、第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)に発生するバイアス磁束(MB)の向きと逆である。
第7および第8電磁石(107,108)のバイアスコイル(107b,108b)に第1電流(i1)が供給されると、第7および第8電磁石(107,108)のバイアスコイル(107b,108b)の各々にバイアス磁束(MB)(図3参照)が発生する。このバイアス磁束(MB)は、第7および第8電磁石(107,108)の合成電磁力と、第7および第8電磁石(107,108)の制御コイル(107c,108c)に供給される第5電流(i5)との線形性を調節するための磁束である。なお、第8電磁石(108)のバイアスコイル(108b)に発生するバイアス磁束(MB)の向きは、第7電磁石(107)のバイアスコイル(107b)に発生するバイアス磁束(MB)の向きと逆である。
〔実施形態2の特徴〕
以上のように、実施形態2の磁気軸受装置(20)では、第1電磁石(101)と第2電磁石(102)との対向方向は、被支持体(14)のラジアル方向に沿う方向であり、第3電磁石(103)と第4電磁石(104)との対向方向は、被支持体(14)のスラスト方向に沿う方向である。
実施形態2では、第1電流(i1)および第2電流(i2)を制御することにより、被支持体(14)のラジアル方向における位置を制御することができる。また、第3電流(i3)を制御することにより、被支持体(14)のスラスト方向における位置を制御することができる。そして、第1電流(i1)および第2電流(i2)の一方を第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)と第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)に供給することにより、第3電磁石(103)と第4電磁石(104)における合成電磁力と第3電流(i3)との線形性を調節することができる。
(実施形態2の変形例1)
実施形態2の変形例1の磁気軸受装置(20)は、第3電磁石(103)および第4電磁石(104)が実施形態2の磁気軸受装置(20)と異なる。
実施形態2の変形例1では、第3電磁石(103)と第4電磁石(104)との対向方向は、シャフト(14)のラジアル方向である。また、第3電磁石(103)と第4電磁石(104)との対向方向は、第1電磁石(101)と第2電磁石(102)との対向方向と交差する方向である。そして、第1電磁石(101)と第2電磁石(102)と第3電磁石(103)と第4電磁石(104)は、1つのラジアル磁気軸受(第1ラジアル磁気軸受(41))に設けられる。
具体的には、実施形態2の変形例1では、第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(63,64)のバイアスコイル(60b)には、第1電流(i1)が供給される。例えば、第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(63,64)のバイアスコイル(60b)は、第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(61)のコイル(60a)に電気的に直列接続される。第3および第4電磁石(103,104)は、第1ラジアル磁気軸受(41)の電磁石(63,64)である。
〔実施形態2の変形例1の特徴(1)〕
以上のように、実施形態2の変形例1の磁気軸受装置(20)では、第1電磁石(101)と第2電磁石(102)との対向方向は、被支持体(14)のラジアル方向に沿う方向であり、第3電磁石(103)と第4電磁石(104)との対向方向は、被支持体(14)のラジアル方向に沿う方向である。
実施形態2の変形例1では、第1電流(i1)および第2電流(i2)を制御することにより、被支持体(14)のラジアル方向における位置を制御することができる。また、第3電流(i3)を制御することにより、被支持体(14)のラジアル方向における位置を制御することができる。そして、第1電流(i1)および第2電流(i2)の一方を第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)と第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)に供給することにより、第3電磁石(103)と第4電磁石(104)における合成電磁力と第3電流(i3)との線形性を調節することができる。
〔実施形態2の変形例1の特徴(2)〕
また、実施形態2の変形例1の磁気軸受装置(20)では、第3電磁石(103)と第4電磁石(104)との対向方向は、第1電磁石(101)と第2電磁石(102)との対向方向と交差する方向である。第1電磁石(101)と第2電磁石(102)と第3電磁石(103)と第4電磁石(104)は、1つのラジアル磁気軸受(41)に設けられる。
実施形態の変形例1では、第1電流(i1)と第2電流(i2)を制御することにより、ラジアル磁気軸受(41)において被支持体(14)のラジアル方向(例えばX軸方向)における位置を制御することができる。また、第3電流(i3)を制御することにより、ラジアル磁気軸受(41)において被支持体(14)の別のラジアル方向(例えばY軸方向)における位置を制御することができる。
(実施形態2の変形例2)
実施形態2の変形例2の磁気軸受装置(20)は、第3電磁石(103)および第4電磁石(104)が実施形態2の磁気軸受装置(20)と異なる。
実施形態2の変形例2では、第3電磁石(103)と第4電磁石(104)との対向方向は、シャフト(14)のラジアル方向である。第1電磁石(101)と第2電磁石(102)は、第1ラジアル磁気軸受(41)に設けられる。第3電磁石(103)と第4電磁石(104)は、第2ラジアル磁気軸受(42)に設けられる。
具体的には、実施形態2の変形例2では、第3および第4電磁石(103,104)は、第2ラジアル磁気軸受(42)の電磁石(61,62)である。なお、第3および第4電磁石(103,104)は、第2ラジアル磁気軸受(42)の電磁石(63,64)であってもよい。この場合、第2ラジアル磁気軸受(42)の電磁石(63,64)のバイアスコイル(60b)には、第1電流(i1)が供給される。
〔実施形態2の変形例2の特徴〕
以上のように、実施形態2の変形例2の磁気軸受装置(20)では、第1電磁石(101)と第2電磁石(102)は、第1ラジアル磁気軸受(41)に設けられる。第3電磁石(103)と第4電磁石(104)は、第2ラジアル磁気軸受(42)に設けられる。
実施形態2の変形例2では、第1電流(i1)および第2電流(i2)を制御することにより、第1ラジアル磁気軸受(41)において被支持体(14)のラジアル方向における位置を制御することができる。また、第3電流(i3)を制御することにより、第2ラジアル磁気軸受(42)において被支持体(14)のラジアル方向における位置を制御することができる。これにより、被支持体(14)のチルト方向における位置を制御することができる。
(その他の実施形態)
以上の説明では、第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)と第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)とが電気的に直列接続される場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、図15に示すように、第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)と第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)は、互いに電気的に並列接続されてもよい。図15の例では、第3,第4,第7,第8電磁石(103,104,107,108)のバイアスコイル(103b,104b,107b,108b)は、互いに電気的に並列接続され、第1電磁石(101)のコイル(101a)に電気的に接続される。
以上のように、第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)と第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)とを互いに電気的に並列接続することにより、第1電流(i1)を供給するために必要となる電圧を低減することができる。なお、第5および第6電磁石(105,106)のバイアスコイル(105b,106b)、第9および第10電磁石(109,110)のバイアスコイル(109b,110b)、第3および第4電磁石(103,104)の補助バイアスコイル(103d,104d)、第7および第8電磁石(107,108)の補助バイアスコイル(107d,108d)についても同様である。
なお、以上の説明において、バイアス磁束(MB)が制御磁束(MC)よりも小さいことが好ましい。
また、以上の説明において、第3電磁石(103)の制御コイル(103c)の最大起磁力と第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)の最大起磁力とが互いに等しいことが好ましい。これと同様に、第4電磁石(104)の制御コイル(104c)の最大起磁力と第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)の最大起磁力とが互いに等しいことが好ましい。このようにすることにより、第3および第4電磁石(103,104)の合成電磁力と第3および第4電磁石(103,104)の制御コイル(103c,104c)に流れる第3電流(i3)との線形性を良好に保つことができる。なお、第5〜第10電磁石(105〜110)についても同様である。
例えば、第3電磁石(103)の制御コイル(103c)を流れる電流の最大値と第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)を流れる電流の最大値とが互いに等しくなっていない場合、第3電磁石(103)の制御コイル(103c)の巻数と第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)の巻数とを調節することにより、第3電磁石(103)の制御コイル(103c)の最大起磁力と第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)の最大起磁力が互いに等しくなるようにすることが好ましい。
また、以上の説明において、第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)の巻数と第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)の巻数とが互いに等しいことが好ましい。このようにすることにより、第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)と第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)とのインダクタンスの差を小さくすることができる。これにより、第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)に発生するバイアス磁束(MB)と第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)に発生するバイアス磁束(MB)との総和の時間変動を低減することができる。なお、第5〜第10電磁石(105〜110)のバイアスコイル(105b〜110b)についても同様である。
また、以上の説明において、第3および第4電磁石(103,104)のバイアスコイル(103b,104b)と同様に、第1電磁石(101)のコイル(101a)の巻数と第2電磁石(102)のコイル(102a)の巻数とが互いに等しいことが好ましい。
また、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり置換したりしてもよい。
以上説明したように、本開示は、磁気軸受装置として有用である。
10 ターボ圧縮機
11 ケーシング
12 インペラ
13 モータ
14 シャフト(被支持体)
15 タッチダウン軸受
20 磁気軸受装置
21 制御部
22 電源部
30 スラスト磁気軸受
31 第1スラスト磁気軸受
32 第2スラスト磁気軸受
41 第1ラジアル磁気軸受
42 第2ラジアル磁気軸受
101〜110 第1〜第10電磁石
101a,102a コイル
103b〜110b バイアスコイル
103c〜110c 制御コイル
103d,104d 補助バイアスコイル

Claims (11)

  1. 被支持体(14)を非接触で支持する磁気軸受装置であって、
    前記被支持体(14)を間において互いに対向する第1電磁石(101)および第2電磁石(102)と、
    前記被支持体(14)を間において互いに対向する第3電磁石(103)および第4電磁石(104)とを備え、
    前記第1電磁石(101)は、コイル(101a)を有し、
    前記第2電磁石(102)は、コイル(102a)を有し、
    前記第3電磁石(103)は、制御コイル(103c)とバイアスコイル(103b)とを有し、
    前記第4電磁石(104)は、制御コイル(104c)とバイアスコイル(104b)とを有し、
    前記第1電磁石(101)のコイル(101a)には、第1電流(i1)が供給され、
    前記第2電磁石(102)のコイル(102a)には、第2電流(i2)が供給され、
    前記第3電磁石(103)の制御コイル(103c)と前記第4電磁石(104)の制御コイル(104c)には、第3電流(i3)が供給され、
    前記第3電磁石(103)のバイアスコイル(103b)と前記第4電磁石(104)のバイアスコイル(104b)には、前記第1電流(i1)および前記第2電流(i2)の一方が供給される
    ことを特徴とする磁気軸受装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1電磁石(101)と前記第2電磁石(102)との対向方向は、前記被支持体(14)のスラスト方向に沿う方向であり、
    前記第3電磁石(103)と前記第4電磁石(104)との対向方向は、前記被支持体(14)のラジアル方向に沿う方向である
    ことを特徴とする磁気軸受装置。
  3. 請求項1において、
    前記第1電磁石(101)と前記第2電磁石(102)との対向方向は、前記被支持体(14)のラジアル方向に沿う方向であり、
    前記第3電磁石(103)と前記第4電磁石(104)との対向方向は、前記被支持体(14)のスラスト方向に沿う方向である
    ことを特徴とする磁気軸受装置。
  4. 請求項1において、
    前記第1電磁石(101)と前記第2電磁石(102)との対向方向は、前記被支持体(14)のラジアル方向に沿う方向であり、
    前記第3電磁石(103)と前記第4電磁石(104)との対向方向は、前記被支持体(14)のラジアル方向に沿う方向である
    ことを特徴とする磁気軸受装置。
  5. 請求項4において、
    前記第3電磁石(103)と前記第4電磁石(104)との対向方向は、前記第1電磁石(101)と前記第2電磁石(102)との対向方向と交差する方向であり、
    前記第1電磁石(101)と前記第2電磁石(102)と前記第3電磁石(103)と前記第4電磁石(104)は、1つのラジアル磁気軸受(41)に設けられる
    ことを特徴とする磁気軸受装置。
  6. 請求項4において、
    前記第1電磁石(101)と前記第2電磁石(102)は、第1ラジアル磁気軸受(41)に設けられ、
    前記第3電磁石(103)と前記第4電磁石(104)は、第2ラジアル磁気軸受(42)に設けられる
    ことを特徴とする磁気軸受装置。
  7. 請求項1において、
    前記被支持体(14)を間において互いに対向する第5電磁石(105)および第6電磁石(106)を備え、
    前記第5電磁石(105)は、制御コイル(105c)とバイアスコイル(105b)とを有し、
    前記第6電磁石(106)は、制御コイル(106c)とバイアスコイル(106b)とを有し、
    前記第5電磁石(105)の制御コイル(105c)と前記第6電磁石(106)の制御コイル(106c)には、第4電流(i4)が供給され、
    前記第5電磁石(105)のバイアスコイル(105b)と前記第6電磁石(106)のバイアスコイル(106b)には、前記第1電流(i1)および前記第2電流(i2)の他方が供給される
    ことを特徴とする磁気軸受装置。
  8. 請求項7において、
    前記第1電磁石(101)と前記第2電磁石(102)との対向方向は、前記被支持体(14)のスラスト方向に沿う方向であり、
    前記第3電磁石(103)と前記第4電磁石(104)との対向方向は、前記被支持体(14)のラジアル方向に沿う方向であり、
    前記第5電磁石(105)と前記第6電磁石(106)との対向方向は、前記被支持体(14)のラジアル方向に沿う方向である
    ことを特徴とする磁気軸受装置。
  9. 請求項8において、
    前記第5電磁石(105)と前記第6電磁石(106)との対向方向は、前記第3電磁石(103)と前記第4電磁石(104)との対向方向と交差する方向であり、
    前記第3電磁石(103)と前記第4電磁石(104)と前記第5電磁石(105)と前記第6電磁石(106)は、1つのラジアル磁気軸受(41)に設けられる
    ことを特徴とする磁気軸受装置。
  10. 請求項1において、
    前記第3電磁石(103)は、補助バイアスコイル(103d)を有し、
    前記第4電磁石(104)は、補助バイアスコイル(104d)を有し、
    前記第3電磁石(103)の補助バイアスコイル(103d)と前記第4電磁石(104)の補助バイアスコイル(104d)には、前記第1電流(i1)および前記第2電流(i2)の他方が供給される
    ことを特徴とする磁気軸受装置。
  11. インペラ(12)と、
    前記インペラ(12)が取り付けられるシャフト(14)と、
    前記シャフト(14)を回転駆動させるモータ(13)と、
    前記シャフト(14)を非接触で支持する磁気軸受装置(20)とを備え、
    前記磁気軸受装置(20)は、請求項1〜10のいずれか1つに記載の磁気軸受装置である
    ことを特徴とするターボ圧縮機。
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