JP2020163453A - 学習済モデルの生成方法、コンピュータプログラム、溶接電源装置及び学習済モデル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶接中に発生するアーク音をマイクで採取して得られるアーク音データを取得し、溶接後に溶接部位を撮像し又は検出光にて溶接部位を走査することによって、溶接部位の状態を検出して得られる検出データを取得し、取得した検出データに基づいて、溶接状態の良否を判定し、取得したアーク音データ及び溶接状態の良否を示す良否データを対応付けた学習用データを記憶部に蓄積し、記憶部に蓄積された学習用データに基づいて、アーク音データが入力された場合に、アーク音データに対応する良否データを出力する学習済モデルを機械学習にて生成する。
【選択図】図4
Description
かかる問題を解決するために、アーク音に対する溶接状態の良否を示すデータを大量に解析することが考えられるが、一般的にかかるデータを効率的に準備することは困難である。
学習用データは、溶接中に発生するアーク音をマイクで採取することによって得られる。しかし、当該アーク音が発生しているときの溶接状態の良否は直ちに分かるものではない。
そこで、溶接後に溶接部位を撮像することによって、当該溶接部位の状態を検出して得られる検出データを取得する。また、検出光にて溶接部位を走査することによって、当該溶接部位の状態を検出して得られる検出データを取得しても良い。そして、検出データに基づいて、溶接状態の良否を判定することによって、良否データを得る。溶接部位に係る検出データから溶接状態の良否を判定することは比較的容易であり、自動的に良否データを得ることが可能である。
このようにして得られたアーク音データと、良否データとを対応付け、学習用データとして記憶部に蓄積する。次いで、記憶部に蓄積された学習用データを用いて、アーク音から溶接状態の良否を判定するための学習済モデルを生成する。学習済モデルは、学習前のニューラルネットワークを機械学習させることによって生成することができる。生成された学習済モデルにアーク音データを入力すると、溶接状態の良否を示す良否データが出力されるため、アーク音から溶接状態の良否を判定することが可能となる。
図1は実施形態1に係る溶接電源装置を示す模式図である。消耗電極式の溶接電源装置は、溶接電源1、ワイヤ送給装置2及び溶接トーチ3を備える。当該溶接電源装置は半自動式である。
また、トーチケーブル39の内部には、第1パワーケーブル41、ガス配管7、ライナ、電力伝送線5及び信号線8が配されている。溶接電源1からワイヤ送給装置2に供給された駆動制御用の電力は、トーチケーブル39の内部に配された電力伝送線5を通じて溶接トーチ3にも供給される。ワイヤ送給装置2は信号線8を通じて、溶接電源1及び溶接トーチ3と通信を行うことができる。同様に、溶接電源1及び溶接トーチ3は、ワイヤ送給装置2を介して、通信を行うことができる。
また、溶接トーチ3は、コンタクトチップを囲繞する中空円筒形状をなし、先端の開口からワークWへシールドガスを噴射するノズルを有する。シールドガスは、アークによって溶融したワークW及び溶接ワイヤの酸化を防止するためのものである。シールドガスは、例えば炭酸ガス、炭酸ガス及びアルゴンガスの混合ガス、アルゴン等の不活性ガス等である。
図2は実施形態1に係る溶接トーチ3の構成例を示すブロック図である。溶接トーチ3は、通信部31、表示部32、操作部33、記憶部34、センサ35、制御部36、マイク37及び報知部38を備える。
また、センサ35は、溶接部位をレーザ(検出光)にて走査することによって溶接部位の状態を検出する検査装置であっても良い。検査装置は、レーザ走査によって溶接部位の状態を検出し、検出結果を示す検出データを制御部36に出力する。
更に、制御部36は溶接条件、記憶部34から読み出した情報等を、適宜、表示部32に表示させる制御を行うこともできる。また、溶接電源1は後述するようにアーク音データに基づいて溶接状態の良否を判定しており、制御部36は溶接電源1から送信された溶接状態の良否を示す良否データを、通信部31を介して受信し、溶接状態の良否を報知部38に報知させる制御を行う。
図3は実施形態1に係る溶接電源1の構成例を示すブロック図である。溶接電源1は、主制御部11、電源部12、通信部13、記憶部14、学習部15を備える。
十分な学習用データが蓄積されると、学習部15は、記憶部14に蓄積した学習用データに基づいて、アーク音から溶接状態の良否を判定するための学習済モデル154を生成する処理を実行する。
学習済モデル154の生成後、学習部15は学習済モデル154を用いて、溶接状態の良否を判定する処理を実行する。主制御部11は学習済モデル154を用いて判定された溶接状態の良否を示す良否データを、通信部13を介して溶接トーチ3へ送信し、溶接状態の良否を溶接工に報知する。
図4は実施形態1に係る学習部15の構成例を示すブロック図、図5は学習用データの一例を示す概念図である。学習部15は、判定器151、アーク音変換部152、学習処理部153、学習済モデル154を備える。
判定器151は、例えば良否判定用学習済モデル151aを備える。良否判定用学習済モデル151aは、学習済みのディープニューラルネットワークであり、入力層、中間層及び出力層を有する。検出データが入力層に入力された場合、溶接状態の良否を示す良否データが出力層から出力される。なお、ニューラルネットワークの構成及び種類は、特に限定されるものでは無く、畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network)、再帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network)、LSTM(Long Short-Term Memory)等のディープニューラルネットワーク、又はこれらを組み合わせたディープニューラルネットワークであってもよい。検出データが、画像データである場合、畳み込みニューラルネットワークを利用し、検出データが時系列データである場合、再帰型ニューラルネットワーク等を利用すると良い。
溶接状態の良否に対応付けられた溶接部位の画像データは、比較的、多く蓄積されているため、良否判定用学習済モデル151aを生成するための学習用データを準備することは比較的容易である。
なお、判定器151は、溶接中の溶接電流又は溶接電圧を示すモニタデータを取得し、モニタデータに基づいて、溶接状態の良否を判定しても良い。また、ニューラルネットワークの教師あり学習によって判定器151を生成する例を説明したが、ロジスティック回帰、サポートベクタマシン等、その他の公知の方法で機械学習させた判定器151を備えても良い。
溶接音学習モードにおいて、十分な学習用データが蓄積されると、学習処理部153は、記憶部14から蓄積された学習用データを読み出し、読み出された学習用データに基づいて、アーク音から溶接状態の良否を判定する学習済モデル154を生成する。
更に、学習済モデル154を用いた溶接状態の良否判定を行う溶接モードにおいては、学習処理部153は、記憶部14が記憶する複数の学習済モデル154の中から溶接条件に対応する学習済モデル154を選択し、記憶部14から読み出す選択部153aを備える。
図6は学習済モデル154の生成方法を示すフローチャートである。溶接電源装置は、溶接工による操作を操作部33にて監視しており、溶接条件を受け付ける(ステップS11)。溶接トーチ3に入力された溶接条件データは、溶接トーチ3から溶接電源1へ送信される。なお、溶接電源1が溶接条件を受け付けても良い。
学習部15は、ステップS17において、複数の溶接条件毎に異なる学習済モデル154を生成する。例えば、学習部15は、溶接条件αの学習用データを用いて、溶接条件α用の学習用データを生成し、溶接条件βの学習用データを用いて、溶接条件β用の学習用データを生成する。生成された学習済モデル154は記憶部14に記憶される。なお、学習済モデル154の生成は、十分な学習済モデル154が蓄積されたか否かを溶接条件毎に判定し、学習用データが準備できたものから学習済モデル154を生成すれば良い。
入力層には、アーク音を表したアーク音データが入力される。アーク音データはアーク音の音圧波形を表した画像データであってもよいし、時系列データであってもよい。なお、画像の情報は、図示しない畳み込み層、コンボリューション層を介して入力層に入力される。
出力層は、一又は複数のニューロンを有する。出力層は、例えば、溶接状態が良である確率を示すニューロンと、溶接状態が不良である確率を示すニューロンとを備える。
また、ニューラルネットワークの教師あり学習によって学習済モデル154を作成する例を説明したが、アーク音データ及び良否データに基づいて、溶接状態の良否を判定する良否判定器を、ロジスティック回帰、サポートベクタマシン等、その他の公知の方法で機械学習させて生成しても良い。
図7は溶接状態の良否判定及び報知方法を示すフローチャートである。溶接電源装置は、溶接工による操作を操作部33にて監視しており、溶接条件を受け付ける(ステップS31)。溶接トーチ3に入力された溶接条件データは、溶接トーチ3から溶接電源1へ送信される。
図8は実施形態2に係る学習システムを示す模式図である。実施形態2に係る溶接電源装置Aは、サーバで学習済モデル154を生成する点が実施形態1と異なるため、以下では主に上記相違点を説明する。その他の構成及び作用効果は実施形態と同様であるため、対応する箇所には同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
例えば、学習済モデル154は、第1の不良原因による不良状態にある確率を示すデータを出力するノードと、第2の不良原因による不良状態にある確率を示すデータを出力するノードと、良好な状態にある確率を示すノードとを出力層に備えると良い。言うまでも無く、学習用データとしては、第1の不良原因による不良状態、第2の不良原因による不良状態、良好な状態を示す良否データを教師データとして含むようにし、ニューラルネットワークを機械学習させれば良い。
更に、溶接条件が不良である場合、溶接電源装置は、不良原因に応じた助言を報知部38に出力されるように構成しても良い。助言は、溶接方法の修正方法、不良原因、その他、溶接状態を良好な状態にするために必要な情報である。
Claims (7)
- アーク音データが入力された場合に、溶接状態の良否を示す良否データを出力する学習済モデルの生成方法であって、
溶接中に発生するアーク音をマイクで採取して得られるアーク音データを取得し、
溶接後に溶接部位を撮像し又は検出光にて該溶接部位を走査することによって、該溶接部位の状態を検出して得られる検出データを取得し、
取得した前記検出データに基づいて、溶接状態の良否を判定し、
取得した前記アーク音データ及び溶接状態の良否を示す前記良否データを対応付けた学習用データを記憶部に蓄積し、
前記記憶部に蓄積された前記学習用データに基づいて、前記アーク音データが入力された場合に、該アーク音データに対応する前記良否データを出力する学習済モデルを機械学習にて生成する
学習済モデルの生成方法。 - 前記検出データが入力された場合に溶接状態の良否を示すデータを出力する良否判定用学習済モデルに、取得した前記検出データを入力することによって、溶接状態の良否を判定する
請求項1に記載の学習済モデルの生成方法。 - 異なる複数の溶接条件毎に前記学習用データを前記記憶部に蓄積し、
前記記憶部に蓄積された前記複数の溶接条件の前記学習用データに基づいて、前記複数の溶接条件毎に異なる複数の前記学習済モデルを生成する
請求項1又は請求項2に記載の学習済モデルの生成方法。 - コンピュータに、アーク音データが入力された場合に、溶接状態の良否を示す良否データを出力する学習済モデルを生成させるためのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに、
溶接中に発生するアーク音をマイクで採取して得られるアーク音データを取得し、
溶接後に溶接部位を撮像し又は検出光にて該溶接部位を走査することによって、該溶接部位の状態を検出して得られる検出データを取得し、
取得した前記検出データに基づいて、溶接状態の良否を判定し、
取得した前記アーク音データ及び溶接状態の良否を示す前記良否データを対応付けた学習用データを記憶部に蓄積し、
前記記憶部に蓄積された前記学習用データに基づいて、前記アーク音データが入力された場合に、該アーク音データに対応する前記良否データを出力する学習済モデルを機械学習にて生成する
処理を実行させるためのコンピュータプログラム。 - アーク音を採取するマイクと、
アーク音データが入力された場合に、溶接状態の良否を示す良否データを出力する学習済モデルと、
該マイクにて採取して得られるアーク音データを前記学習済モデルに入力させ、前記学習済モデルから出力される前記良否データが示す溶接状態の良否を報知する報知部と
を備える溶接電源装置。 - 前記学習済モデルは複数であり、各学習済モデルは異なる複数の溶接条件毎に機械学習させたものであり、
溶接条件に基づいて、該溶接条件に対応する前記学習済モデルを選択する選択部を備え、
前記報知部は前記選択部によって選択された前記学習済モデルから出力される前記良否データが示す溶接状態の良否を報知する
請求項5に記載の溶接電源装置。 - アーク音データが入力された場合に、溶接状態の良否を示す良否データを出力するように、コンピュータを機能させる学習済モデルであって、
溶接中に発生するアーク音をマイクで採取して得られるアーク音データが入力される入力層と、
該入力層に入力された前記アーク音データに対して学習済みの重み係数に基づく演算を行う中間層と、
前記アーク音データに係る音が発せられるときの溶接状態の良否を示す前記良否データを出力する出力層と
を有し、
溶接中に発生するアーク音をマイクで採取して得られる前記アーク音データと、溶接後に溶接部位を撮像し又は検出光にて該溶接部位を走査することによって、該溶接部位の状態を検出して求められる前記良否データとに基づいて、前記入力層に入力された前記アーク音データと、前記出力層から出力される前記良否データとが対応するように、前記重み係数を学習させてなるニューラルネットワークを備え、
前記コンピュータに、
前記入力層に入力された前記アーク音データ及び前記重み係数に基づく演算を行い、前記良否データを出力させるための学習済モデル。
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