JP2020162563A - 高油脂含有真空凍結乾燥食品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明に係る高油脂含有真空凍結乾燥食品は、乾燥食品中に油脂を高含量する食品であって、具体的には、乾燥食品中に20重量%以上油脂を含むものをいう。なお、本発明に係る高油脂含有真空乾燥食品の油脂含量としては、50重量%以下が好ましい。
本発明に係る高油脂含有真空凍結乾燥食品の原料としては、乳化性のある粉末油脂と、ジェランガムと、水を含む。その他の原料としては、目的とする食品の乾燥粉末や目的とする食品の磨り潰したジュースやペースト、澱粉、デキストリンなどの炭水化物、乳蛋白、大豆蛋白、卵白などの蛋白質、粉末セルロースなどの食物繊維、食塩、醤油などの調味料、アミノ酸、糖類、増粘多糖類、色素、香料、pH調整剤、酸化防止剤などが挙げられる。
本発明に係る乳化性のある粉末油脂とは、水に溶解して乳化する粉末油脂をいい、具体的には、油脂を蛋白や糖類とともにスプレードライして作製された粉末油脂や、油脂をコーンシロップや乳蛋白、乳化剤と共に加熱乾燥して出来たコーヒークリームが挙げられる。スプレードライされた粉末油脂は、粉末油脂中に油脂を約50〜80重量%と多く含むが、コーヒークリームは、粉末油脂中に含まれる油脂は15〜50重量%と低い。ただし、復元性は、コーヒークリームの方が優れているため、求める食品に応じて、組わせて使用したらよい。粉末油脂中の油脂は、糖類や蛋白にコーティングされた状態であるため、保存性の悪い液油を粉末油脂の油脂として使用しても保存性が高く、一度水に乳化して再乾燥しても保存性が高い。また、本発明における粉末油脂に使用する油脂は、融点が高すぎると復元性が悪くなるため、融点としては45℃以下、より好ましくは、40℃以下が好ましい。なお、粉末油脂でも乳化性のないスプレークーリングなどにより作製された融点の高い粉末油脂は本発明に係る粉末油脂には入らない。
本発明に係るジェランガムは、スフィンゴモナス・エロディアが糖を発酵することにより産出された水溶性の増粘多糖であり、脱アシル化されたジェランガムを用いることが好ましい。ジェランガムの添加量としては、また、ジェランガムの添加量としては、ゲル化する食品の水分量に対して、0.4〜1.5重量%添加することが好ましい。0.4重量%よりも少ないとゲル化しにくく、1.5重量%よりも多いとゲル強度が強く、復元しにくくなる。また、乾燥食品中に1.5〜6重量%含まれるように添加することが好ましい。ジェランガムの含量が少ないと復元時に保形性が悪く形状が崩れやすく、多すぎると戻りが悪くなる。
本発明に係る高油脂含有真空凍結乾燥食品の製造方法は、原料混合―加熱―ゲル化―凍結―乾燥の各工程の順に行う。
まず、原料と水を混合し、粉末油脂が乳化した液体物を作製する。原料の添加方法は特に限定はなく、添加した原料が均質に分散又は溶解し、粉末油脂が乳化すればよい。具体例を挙げると、水に目的とする食品の磨り潰したジュースやペースト、色素や水あめなどの液体物を加え良く撹拌した後、粉末油脂、ジェランガム、澱粉、蛋白粉末、食物繊維、食塩、クエン酸などの粉体物を混合したものを加え、さらに良く撹拌して均一に混合分散した液体物を作製する。このとき、水の添加量としては、後述するゲルの水分が50重量%以上となるように添加することが好ましい。水は、後述する真空凍結乾燥において乾燥してなくなるが、水が凍結した氷結晶が昇華により無くなった空洞にお湯が浸透して復元するため、水分含量が少ないと復元しにくい。逆に多すぎると復元性は良くなるが、混合後の液体の固形分が少なくなりすぎるため、スカスカの柔らかいゲル状の食感となる。水の添加量は、求める高油脂含有真空凍結乾燥食品の食感、復元性に合わせてゲルの水分含量が50〜90重量%となるように適宜調整すればよい。また、ジェランガムによるゲル化はpHが4以上7未満が好ましく、クエン酸などのpH調整剤でpHを調整することが好ましい。
原料を混合した液体物を加熱する。加熱はジェランガムが完全に溶解し、殺菌できる程度であればよく、具体的には、液温が80℃に達温後10分間程度維持できる程度の加熱であればよい。加熱温度や時間が高すぎると油脂の乳化が壊れて分離し始めるので100℃以下の温度で油脂が分離しないように注意しながら加熱することが好ましい。また、加熱により水分が減少する場合は、適宜水分を補うことが好ましい。
加熱した液体物をゲル化する。ゲル化はカルシウム塩の水溶液を加えることで行う。カルシウム塩としては、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、硫酸カルシウムなどが挙げられ、カルシウムイオンとして、0.02〜0.20重量%となるようにゲル中に添加すればよく、乳酸カルシウムであれば、1〜5重量%水溶液を作製して添加すればよい。カルシウム塩を添加したら、良く撹拌し混合する。このとき液体物はなるべく高い温度を維持した状態が好ましく、好ましくは60℃以上となるように行うことが好ましい。混合した液体物は型枠に入れて冷却し、ゲル化する。冷却方法は特に限定はないが40℃以下となるように常温放置してもよく、冷風を当てて強制的に冷却しゲル化してもよい。
次いでゲル化物を凍結する。凍結方法は、従来技術を適用することができる。例えば、エアブラスト式のトンネルフリーザー、スパイラルフリーザー、ワゴンフリーザーや凍結庫、ブライン式のフレキシブルフリーザー等が適用できる。復元性を良くするためには、−20℃程度の凍結庫で品温がー15℃以下となるように緩慢凍結することが好ましい。
なお、ゲル化物の状態で所定の大きさにカットし成形しても、凍結物としてから所定の大きさにカットして成形してもよい。
次いで、凍結物を真空凍結乾燥機を用いて減圧下で真空凍結乾燥する。真空凍結乾燥条件は特に限定されず、解凍しない程度の真空度、棚加熱温度で乾燥すればよい。好ましい範囲としては真空度が1.5torr以下、棚加熱温度が80℃以下、乾燥後の水分としては1〜5重量%となるように乾燥すればよい。
(試験例1〜9)
下記表1に記載した配合で、アボガドをミキサーで磨り潰したペースト(油脂含量18.7重量%)に、水、色素を加え良く撹拌した液体物に、クエン酸、粉末油脂、脱アシルジェランガム0等の粉体物を混合したものを加え良く撹拌し、粉末油脂を乳化させ、粉体物を溶解または分散させた液体物を作製した。なお、融点35℃の粉末油脂は、油脂がラード由来の乳化性のあるスプレードライした粉末油脂であり、油脂含量が70重量%であった。また、融点37.5℃の粉末油脂は、油脂がパーム油であるコーヒークリームであり、油脂含量が45重量%であった。また、融点が29℃の粉末油脂は、油脂がごま油由来の乳化性のあるスプレードライした粉末油脂であり、油脂含量が70重量%であった。また、融点が45℃の粉末油脂は、油脂が牛脂由来の乳化性のあるスプレードライした粉末油脂であり、油脂含量が70重量%であった。また、融点が57℃の粉末油脂は、パーム油の極度硬化油脂で、乳化性はなくスプレークーリングによって作製された粉末油脂であり、油脂含量は100重量%であった。
生のアボガドを10mm角にカットし、−20℃の冷蔵庫で品温が−15℃以下となるように1晩かけて凍結後、真空凍結乾燥機(東洋技研株式会社製TFD10LF4)にて0.1torr以下で、棚温が60℃、品温が58℃になるまで乾燥した。
(試験例10〜17)
下記表3に記載した配合で、実験1と同様に高油脂含有真空凍結乾燥食品サンプルを作製した。
下記表5に記載した配合で、水に粉体物を混合して実験1と同様に高油脂含有真空凍結乾燥食品サンプルを作製した。評価については実験2と同様に行った。なお、調理方法については、各試験区のサンプルを10個紙カップに入れ360mlの熱湯を注ぎ、蓋をして8分間静置し、取り出して4℃の冷蔵庫で1時間冷却してから喫食した。
Claims (6)
- 乳化性のある粉末油脂と、ジェランガムを含む高油脂含有真空凍結乾燥食品。
- 前記高油脂含有真空凍結乾燥食品中の
油脂含量が20〜50重量%であり、油脂中の粉末油脂由来の油脂の割合が60重量%以上であり、
ジェランガムの含有量が1.5〜6.0重量%であることを特徴とする請求項1記載の高油脂含有真空凍結乾燥食品。 - 前記乳化性のある粉末油脂の油脂の融点が45℃以下であることを特徴とする請求項1または2記載の高油脂含有真空凍結乾燥食品。
- 乳化性のある粉末油脂と、ジェランガムと、水と、を含む原料を撹拌混合する原料混合工程と、
前記原料混合工程で作製した液体物を加熱し、ジェランガムを溶解させる加熱工程と、
前記加熱工程で加熱した前記液体物にカルシウム水溶液を添加してゲル化させるゲル化工程と、
前記ゲル化工程で作製したゲル化物を凍結する凍結工程と、
前記凍結工程で作製した凍結物を真空凍結乾燥することを特徴とする高油脂含有真空凍結乾燥食品の製造方法。 - 前記高油脂含有真空凍結乾燥食品中の油脂含量が20〜50重量%であり、油脂中の粉末油脂由来の油脂の割合が60%以上であり、ジェランガムの含有量が1.5〜6.0重量%であることを特徴とする請求項4記載の高油脂含有真空凍結乾燥食品の製造方法。
- 前記乳化性のある粉末油脂の油脂の融点が45℃以下であることを特徴とする請求項4または5記載の高油脂含有真空凍結乾燥食品の製造方法。
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