JP2020158942A - 織機における製織関連装置の異常診断装置 - Google Patents

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泰毅 恒川
Yasutake Tsunekawa
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Abstract

【課題】織機上に設けられる製織関連装置であって駆動手段によって駆動される被駆動部材を含む製織関連装置の異常を診断するための異常診断装置において、製織関連装置における劣化部品の劣化状態を把握可能とし、それによって劣化部品の修復時期を管理することを可能とする構成を提供する。【解決手段】異常診断装置が、織機上に設けられて製織関連装置の振動を測定する振動センサと、該振動センサからの振動信号に基づいて製織関連装置の異常状態を検出する異常検出装置とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、織機上に設けられる製織関連装置であって駆動手段によって駆動される被駆動部材を含む製織関連装置の異常を診断するための異常診断装置に関する。
織機上に設けられる緯糸係止装置等の製織関連装置は、アクチュエータ等の駆動手段によって駆動される係止ピン等の被駆動部材を含んでいる。また、各製織関連装置は、その被駆動部材と関わり合う部品であって被駆動部材の動作に伴って長期的に見て劣化、損耗する部品(以下、「劣化部品」と言う。)も含んでいる。なお、織機(製織関連装置)においては、その劣化部品が劣化あるいは損耗した場合には、その劣化部品の交換あるいは調整といった修復が必要となる。
ところで、その劣化部品の交換や調整を行う時期(以下、「修復時期」と言う。)について、一般的には、その劣化部品の劣化等の状態(劣化状態)を、織機の稼働時間(製織関連装置の作動時間)や製織関連装置(被駆動部材)の作動回数によって代替するかたちで把握する、といったかたちでその修復時期の管理が行われている。
しかし、同じ製織関連装置であっても、その劣化部品自体の若干の品質のばらつきや織機の稼働状態(連続的な運転時間、停台回数等)により、その劣化部品の劣化状態が作動時間や作動回数に対してばらつく場合がある。そのため、前記のような修復時期の管理では、例えば、劣化部品の劣化状態が修復を必要とする状態となっているにもかかわらずその修復が行われない場合もあり、その場合には、その劣化部品の劣化状態に起因して製織関連装置や製織に悪影響が出る虞がある。
一方で、前記のような一般的な修復時期の管理方法とは別に、劣化部品自体の状態を検出して修復時期の管理に用いる従来技術が特許文献1に開示されている。具体的には、その特許文献1に開示された従来技術では、温度センサによって劣化部品の表面温度を測定することでその劣化部品の状態を監視し、その測定した温度と予め定められた設定値とを比較することで劣化部品の修復時期を管理するということが行われている。
特開平5−156548号公報
前記従来技術は、劣化部品の劣化状態に応じてその劣化部品の温度が変化する(劣化状態と温度との間に相関関係がある)ということを前提として成されたものである。しかし、そのような前記従来技術では、その劣化部品によっては、劣化部品の劣化状態が把握できず、修復時期を管理することができない場合がある。例えば、緯糸係止装置の場合では、被駆動部材である係止ピンの進退動作に伴う衝撃を吸収する緩衝材が劣化部品に相当する。しかし、その緩衝材の劣化状態と温度変化との間に明確な相関関係がないため、温度では緩衝材(劣化部品)の劣化状態を把握することができない。したがって、その場合には、前記従来技術では劣化部品の修復時期を管理することができない。
また、前記従来技術では、劣化部品の温度を直接的に測定する必要がある。しかし、製織関連装置によっては、それに含まれる劣化部品の温度を直接的に測定するようなかたちでは温度センサを配置し難い、あるいは配置できない場合がある。したがって、前記従来技術は、そのような製織関連装置にも対応できない。
そこで、本発明は、製織関連装置(被駆動部材)の作動時における劣化部品の劣化状態以外の状態や製織関連装置自体の構成に拠ることなく劣化状態を把握可能とし、それによって劣化部品の修復時期を管理することを可能とする、製織関連装置の異常診断装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明は、前述のような異常診断装置が、織機上に設けられて製織関連装置の振動を測定する振動センサと、該振動センサからの振動信号に基づいて製織関連装置の異常状態を検出する異常検出装置とを備えることを特徴とする。
なお、ここで言う「異常状態」とは、製織関連装置において、劣化部品が劣化あるいは損耗してその劣化部品の交換や調整といった修復が必要となった状態を言う。
また、そのような本発明による異常検出装置は、振動に関する診断要素についての診断基準を記憶する記憶器と、振動信号に基づいて求められる診断要素についての実データと診断基準とを比較して製織関連装置が異常状態かどうかを判断する判断器とを備えるように構成されていても良い。
本発明による異常診断装置によれば、製織関連装置の異常状態の検出が、製織関連装置の振動を測定する振動センサからの振動信号に基づいて行われる。それにより、劣化部品の修復時期の管理を正確に行うことができる。
詳しくは、織機においては、製織関連装置における被駆動部材の動作に伴い、その装置自体に振動が発生する。また、その振動は、その製織関連装置の周辺部分にも波及するため、その周辺部分も製織関連装置の振動に応じて振動する。その上で、本発明の発明者らによる鋭意研究の結果、被駆動部材の動作に伴って発生する前記振動と劣化部品の劣化状態との間に相関関係があることが見いだされた。そこで、前記振動と劣化部品の劣化状態との相関関係を予め把握すると共に、製織中において振動センサにより前記振動の測定を行うことで、その予め把握した前記相関関係と振動センサから出力される振動信号とにより、劣化部品の劣化状態を把握可能とした。それにより、前述のような作動時間や作動回数を用いる場合と比べ、より正確に修復時期の管理を行うことができる。
しかも、前記振動は、劣化部品ではなく、製織関連装置自体に発生するものである。そして、その前記振動は、製織関連装置自体の振動を測定することで求められるが、それに限らず、前記のように周辺部分もその製織関連装置の振動に応じて振動することから、その周辺部分の振動を測定することで代替することも可能である。したがって、前記振動を測定する振動センサを設ける位置は、製織関連装置の外側部やその製織関連装置が設置される箇所等の周辺部分で良い。それにより、そのように前記振動の測定に基づいて劣化部品の劣化状態を把握するような構成では、前記した従来技術と比べ、劣化部品を含む製織関連装置自体の構成によってセンサを配置できないといった問題が発生しない。
本発明に係る一実施形態における緯糸係止装置に対する振動センサの配置図である。 本発明に係る一実施形態における緯糸係止装置の断面図である。 本発明に係る一実施形態における異常診断装置のブロック図である。
以下では、図1〜3に基づき、本発明が適用された織機における製織関連装置の異常診断装置の一実施形態(実施例)について説明する。
図1、2に示すように、織機1は、製織関連装置としての緯糸係止装置10を含む緯糸測長貯留装置3を備えている。詳しくは、その緯糸測長貯留装置3は、貯留ドラム20と、貯留ドラム20上に緯糸Yを巻き付ける回転ヤーンガイド30を回転駆動するための駆動モータ40と、貯留ドラム20上への緯糸Yの貯留及び貯留ドラム20からの緯糸Yの解舒を制御するための緯糸係止装置10とを備えている。
また、緯糸係止装置10は、被駆動部材としての係止ピン12及び係止ピン12を進退駆動する駆動手段としてのソレノイド14を備え、それらがソレノイドケース11のホルダ11a内に収容された構成となっている。なお、ソレノイド14は、係止ピン12を進出駆動するための係止用ソレノイド14aと、係止ピン12を後退駆動するための解舒用ソレノイド14bとを含んでいる。そして、係止用及び解舒用の各ソレノイド14a、14bは、ボビン形状のソレノイドホルダ13、13に巻着されたかたちで設けられており、ホルダ11内においてリング状のスペーサ15を挟んで互いに離間するかたちで縦列配置されている。なお、そのスペーサ15には、ソレノイドホルダ13、13に形成された貫通孔の孔径よりも大きい孔径の貫通孔が形成されている。
そして、係止ピン12は、その両ソレノイドホルダ13、13及びスペーサ15に形成された貫通孔に挿通されるかたちで設けられている。また、係止ピン12は、その軸線方向における中央部分にリング状のストッパ12aを有している。但し、そのストッパ12aは、厚さがスペーサ15の厚さよりも薄く、外径がソレノイドホルダ13に形成された貫通孔の孔径よりも大きく且つスペーサ15の孔径よりも小さいものとして形成されている。その上で、係止ピン12は、そのストッパ12aが両ソレノイドホルダ13、13(スペーサ15の貫通孔内)間に位置するように設けられており、軸線方向に変位可能となっている。そして、係止ピン12は、ソレノイド14a、14bによって進退駆動されることにより、その先端部でソレノイドケース11の底面に開口する貫通孔11bに対して進出・後退する。
なお、前記のような進退駆動時の前記軸線方向における係止ピン12の位置は、ストッパ12aが各ソレノイドホルダ13に当接することによって規制される。すなわり、係止ピン12は、前記のような進退駆動に伴ってストッパ12aにおいてソレノイドホルダ13に対し衝突する。そこで、各ソレノイドホルダ13には、そのような衝突時の衝撃を緩和するために、例えばゴム材等から成る緩衝材16がスペーサ15側の端面に取り付けられている。
そして、緯糸測長貯留装置3においては、係止ピン12が貯留ドラム20に対し進出した状態で回転ヤーンガイド30が回転駆動されることにより、給糸体7から引き出された緯糸Yが貯留ドラム20上に巻き付けられて貯留される。また、係止ピン12が後退駆動されると共に緯入れノズル5から緯入れ用の圧縮流体が噴射されることにより、貯留ドラム20上から緯糸Yが解舒され、その緯糸Yが経糸開口中へ緯入れされる。
そして、本発明による異常診断装置は、前記のような織機1における製織関連装置の異常を診断するための装置であって、診断対象とされる製織関連装置の振動を測定する振動センサと、振動センサからの振動信号に基づいて製織関連装置の状態が異常な状態(異常状態)となったことを検出する異常検出装置とを含んで構成される。但し、ここで言う異常状態とは、劣化部品が劣化あるいは損耗してその劣化部品の交換や調整といった修復が必要となった状態を示す。
その上で、本実施例は、その診断対象である製織関連装置を前記した緯糸測長貯留装置3における緯糸係止装置10とし、劣化部品である緩衝材16の劣化に伴う前記異常状態を検出する例である。なお、本実施例は、その異常検出装置が、織機を設置している製織工場では無く、その織機のメーカのサービスセンタ等(以下、単に「メーカ」と言う。)に設けられ、製織工場とメーカとが通信回線で繋がれた例とする。また、本発明においては、異常検出装置による製織関連装置の前記異常状態の検出が振動に関する診断要素に基づいて行われるものであり、本実施例では、その診断要素を振動の加速度とする。以下に、その本実施例の異常診断装置について、図3等に基づいて説明する。
先ず、振動センサ50について、振動センサ50は、本実施例では、製織関連装置としての緯糸係止装置10自体にではなく、その周辺部分に設けられている。但し、その周辺部分は、緯糸係止装置10の作動に伴って発生する振動を測定可能な位置である必要がある。そこで、本実施例では、振動センサ50は、図1に示すように、緯糸測長貯留装置3における駆動モータ40のモータケース40aに対して取り付けられている。また、その振動センサ50は、検出対象における振動の加速度の大きさを測定してその測定値に応じた信号を出力する所謂加速度センサである。
そして、織機1は、その振動センサ50から出力される振動に関する前記信号(振動信号)が、織機1の主制御装置である織機制御装置60に入力されるように構成されている。なお、製織工場においては、周知のように多数台の織機1が設置されていると共に、各織機1の稼働状態等を管理するためのホストコンピュータ70が設置されており、各織機1がそのホストコンピュータ70と接続されている。その上で、織機制御装置60は、前記のように振動センサ50から出力された振動信号を、ホストコンピュータ70に対し伝送するように構成されている。
ホストコンピュータ70は、織機制御装置60に接続された記憶器としてのメモリ70aを備え、前記のように織機制御装置60から伝送される振動信号を受け、その振動信号で示される振動の加速度の大きさを振動データとして順次記憶するように構成されている。また、ホストコンピュータ70は、中央処理装置(CPU)70bを備え、メモリ70aは、そのCPU70bに接続されている。さらに、ホストコンピュータ70は表示器70cを備え、その表示器70cもCPU70bに接続されている。なお、その表示器70cは、入力器としての機能も備えており、データの読み出しや設定値の入力等を可能とするように構成されている。
また、そのホストコンピュータ70において、CPU70bは、異常診断装置の一部として機能する変換器70b1を含んでいる。その変換器70b1は、測定値としてメモリ70aに記憶された振動データを変換し、前記診断要素(加速度)についての実データを求める変換処理を実行するものである。
その変換器70b1について、詳しくは、変換器70b1は、予め設定された期間(例えば、24時間)毎に前記変換処理を実行する。なお、その期間は、表示器70cによりCPU70bに対し設定される。そして、CPU70bにおいては、その期間ごとに変換器70b1に前記変換処理を実行させる変換指令が発生する。変換器70b1は、その変換指令が発生すると、メモリ70aに記憶された振動データを読み出し、その振動データを周波数解析(例えば、FFT解析等)によって周波数毎の加速度データ(実データ)に変換する処理を実行する。また、CPU70bは、変換器70b1がメモリ70aから振動データを読み出した時点で、メモリ70aに記憶されたその振動データをリセットする処理を実行する。
なお、本実施例では、前述のように異常検出装置90がメーカに設置されており、製織工場は、そのホストコンピュータ70において、サーバ80を介し、メーカ側の異常検出装置90と接続されている。その上で、CPU70bは、変換器70b1において前記変換処理が完了した時点で、振動データから求めた前記実データを、サーバ80を介してメーカ側の異常検出装置90へと出力する。
異常検出装置90は、ホストコンピュータ70のCPU70bに接続された判断器90aと、判断器90aに接続された記憶器90bと、記憶器90bに接続された設定器90cとを有している。その異常検出装置90の具体的な構成について、詳しくは以下の通りである。
先ず、判断器90aは、前記のようにCPU70bに接続されており、CPU70bから伝送される前記実データが入力されるものとなっている。そして、判断器90aは、CPU70bから前記実データが入力された時点で、緯糸係止装置10が前記異常状態かを判断する処理(判断処理)を実行するように構成されている。また、判断器90aは、前記判断処理の処理結果に応じてCPU70bに対し信号を出力するようにも構成されている。なお、前記判断処理は、判断器90aに接続された記憶器90bに記憶された設定値を用いて実行される。
その設定値は、記憶器90bに接続された設定器90cにより設定される。なお、設定器90cは、入力機能等を備えており、その設定値を入力設定できると共に、記憶器90bに対しその設定値を設定するように構成されている。その設定値について、詳しくは以下の通りである。
先ず、前述のように緯糸係止装置10においては、係止ピン12の進退動作が、ソレノイドホルダ13に設けられた緩衝材16によって受けられる。この緩衝材16は劣化部品であるが、劣化していない状態では、係止ピン12とソレノイドホルダ13(緩衝材16)との衝突に伴う衝撃を吸収し得るものとなっている。したがって、その状態では、その衝突に伴って緯糸係止装置10自体に発生する振動は非常に小さい。しかし、緩衝材16は、緯糸係止装置10の作動に伴い、次第に劣化する。そして、緩衝材16が劣化すると、劣化していないときと比べ前記衝撃の吸収度合いが小さくなるため、緯糸係止装置10において、ソレノイドホルダ13と係止ピン12との衝突に起因する振動(以下、「異常振動」と言う。)が発生する。
なお、その異常振動は、前記のように、ソレノイドホルダ13と係止ピン12との衝突に起因して発生するものであって、緩衝材16が劣化していない状態ではほとんど発生しないものである。したがって、前記異常振動は、緩衝材16が劣化していない状態で緯糸係止装置10に発生している他の振動とは異なる発生原因によるものであり、異なる周波数の振動として発生する。
より詳しくは、振動センサ50が設けられる緯糸測長貯留装置3におけるモータケース40aにおいて発生する振動は、緯糸係止装置10の作動によって発生する振動だけでなく、駆動モータ40の作動に伴う振動等、複数の発生原因による振動が合成された振動となっている。したがって、振動センサ50による振動の測定値としてメモリ70aに記憶された振動データは、発生原因の異なる複数の振動の全てについてのデータを含んでいる。但し、各振動は、基本的にはその発生原因に応じた周波数の振動となっている。言い換えれば、緯糸係止装置10において発生する前記異常振動は、それに応じた周波数域に含まれる振動となっている。
そこで、前記異常振動がどのような周波数域に含まれる振動かを予め求め、その周波数域を前記した設定値として設定する。それにより、前記実データのうちの前記異常振動に相当する部分であって前記異常状態の判断の対象とすべき部分を特定することが可能となるため、その設定値が前記判断処理において用いられる。なお、その特定される部分は、前記実データの一部であり、それ自体も実データであると言える。
また、前記異常振動は、前記のように緩衝材16の劣化に起因するものであることから、その振動の加速度は、緩衝材16の劣化の進行に伴って次第に大きくなる。したがって、緩衝材16の劣化の度合いを、その振動の加速度で判別することができる。
そこで、前記異常状態(緩衝材16の劣化が許容できない程度となって交換が必要となった状態)を検出するために、前記異常状態と見なされる程度まで緩衝材16が劣化した状態で、前記異常振動の加速度がどの程度の大きさであるかを予め求める。その上で、その求められた加速度の大きさに基づき、加速度の許容値(閾値)を定め、それも前記した設定値として設定する。
なお、前記異常振動が含まれる周波数域や、前記異常状態と見なされる加速度がどの程度の大きさかは、例えば、その織機(もしくは同じ仕様の織機)による試験等によって求めることが可能である。また、前記した設定値における加速度の閾値が、本発明で言う診断基準に相当する。
そして、異常検出装置90の判断器90aにおいて、CPU70bからの前記実データと前記のように設定された設定値(周波数域、加速度の閾値)とを用いて前記判断処理が実行される。その前記判断処理について、詳しくは、判断器90aは、ホストコンピュータ70のCPU70bからサーバ80を介して前記実データが入力された時点で、記憶器90bに記憶された設定値(異常振動が含まれる周波数域及び加速度の閾値)を読み出す。そして、判断器90aは、前記実データに含まれる複数の周波数域の加速度データのうちの前記した設定値における周波数域の加速度データにおける加速度の最大値と、加速度の閾値(判断基準)との比較を行う。
その比較の結果、前記した加速度の最大値が閾値を超えていない場合には、判断器90aは、緯糸係止装置10が前記異常状態ではないものと判断し、前記判断処理を終了する。一方、加速度の最大値が閾値を超えている場合には、判断器90aは、緯糸係止装置10が前記異常状態であるものと判断し、CPU70bに対して緯糸係止装置10が前記異常状態であることを知らせる信号(修復信号)を出力する。そして、判断器90aは、その修復信号の出力に伴い、前記判断処理を終了する。
CPU70bは、その修復信号が入力されると、緯糸係止装置10(緩衝材16)の修復を促すメッセージをホストコンピュータ70の表示器70cの画面上に表示させる。それにより、作業者は、その表示器70cの画面に表示されたメッセージを確認することで、その緯糸係止装置10が前記異常状態となったこと、すなわち、緯糸係止装置10における緩衝材16が交換すべき状態となったことを把握することができる。
このように、本実施例の異常診断装置100によれば、振動センサ50からの振動信号に基づいて緯糸係止装置10の前記異常状態の検出が行われる。したがって、その異常診断装置100によれば、従来のような作動時間や作動回数を用いて前記異常状態であることを判断する場合と比べ、より正確に劣化部品(緩衝材16)の交換時期の管理を行うことができる。
しかも、本実施例では、振動センサ50は、緯糸測長貯留装置3におけるモータケース40a上の位置に取り付けられている。また、その取り付け位置は、振動センサ50の取り付け等が困難な位置ではなく、且つ、前述のように緯糸係止装置10の作動に伴って発生する振動を測定可能な位置である。そして、そのような構成とすることで、本実施例の異常診断装置100は、前記のような緯糸係止装置10の前記異常状態の検出を行う上で、振動センサ50等の装置構成が容易に実現できるものとなっている。
以上では、本発明が適用された織機における製織関連装置の異常診断装置の一実施形態(以下、「前記実施例」と言う。)について説明した。しかし、本発明は、前記実施例において説明したものに限定されるものではなく、以下のような別の実施形態(変形例)での実施も可能である。
(1)異常診断装置が診断対象とする織機における製織関連装置について、前記実施例では、緯糸測長貯留装置3における緯糸係止装置10をその製織関連装置とした。しかし、本発明において、異常診断装置が診断対象とする製織関連装置は、それに限定されない。例えば、織機を駆動するための駆動機構や、製織される織布の織端に絡み耳組織を形成する遊星耳組装置等の別の製織関連装置をその診断対象とすることも可能である。また、織機が水噴射式織機の場合には、緯入れノズルへの圧縮流体の供給流路中でその流路を切り替えるための流路切替装置も診断対象の製織関連装置となり得る。詳しくは、以下の通りである。
(1−1)前記で言う駆動機構は、織機の主軸を回転駆動する機構であって、駆動手段としての原動モータと主軸に回転を伝達する伝達機構とがVベルトで連結された構成となっている。なお、その駆動機構においては、原動モータの出力軸に取り付けられて原動モータによって回転駆動される駆動プーリ(被駆動部材)と伝達機構側の従動プーリとの間に前記のVベルトが掛け渡されており、Vベルトの張力を適切な張力に設定することで、回転の伝達が適正に行われるようにしている。なお、Vベルトの張力の調整は、例えば、前記のプーリ間の間隔を調整したり、或いは、プーリ間でVベルトに当接してVベルトに張力を与える張力調整部材の位置を調節する等によって行われる。
ところで、織機の長時間の稼働に伴い、Vベルトに延びが発生し、Vベルトの張力が低下した状態となる場合がある。したがって、駆動機構においては、そのVベルトが劣化部品であり、その延びた状態が劣化した状態(劣化状態)である。そして、そのように張力が低下した状態となると、特に織機の起動時において、ベルトとプーリとの間に滑りが生じ、その製織に対し設定された定常回転数にまで主軸の回転数が上昇するのに掛かる時間が、前記滑りが生じていない場合と比べて長くなる。
なお、近年の織機においては、起動後に主軸の回転数が前記定常回転数に達するまでの期間(過渡期間)は短くなっているが、それでも、その過渡期間は、主軸が1回転する期間よりも長い期間となっている。そして、製織条件等によっては、その過渡期間において緯入れが行われるように設定されている場合もある。その場合、その過渡期間における主軸の回転数が前記定常回転数よりも低いことから、その差によっては、定常運転時の緯入れ条件とは異なる緯入れ条件で緯入れが行われる。
しかし、前記のようにベルトとプーリとの間に滑りが生じて前記過渡期間が時間的に長くなった場合、例えば起動後の最初の緯入れ時においては、主軸の回転数が、前記滑りが生じていないときと比べて低い状態となる。そのため、その緯入れに使用される緯入れ条件を決定する上で想定した回転数よりも回転数が低い状態で緯入れが行われることとなり、場合によっては、緯入れされた緯糸が緩みを生じた状態で織り込まれ、製織される織布の品質の低下を招くという問題が生じる。
そこで、前記のようなVベルト(劣化部品)の劣化状態を把握すべく、本発明の異常診断装置が適用される。そして、その場合には、その駆動機構が診断対象の製織関連装置となり、その駆動機構において振動が測定される。その診断について、詳しくは以下の通りである。
先ず、駆動機構においては、原動モータの作動に伴い、その駆動機構自体に振動が発生する。また、その振動の大きさは、織機の起動直後の加速運転時である前記過渡期間と主軸の回転数が前記定常回転数に略維持された状態で運転が継続される定常運転時とで異なる。そして、その振動は、前記過渡期間中の方が定常運転時よりも大きい。すなわち、織機の起動後、前記過渡期間では駆動機構において大きな振動が発生するが、主軸の回転数が前記定常回転数に達して定常運転状態に移行されると、駆動機構において発生している振動は、前記過渡期間と比べて小さくなる方向に変化する。
そこで、駆動機構に発生する振動を測定し、その振動の変化に基づき、織機の起動後に主軸の回転数が前記定常回転数に達した時点を把握することが可能となる。そして、その時点を把握することで、起動からの前記過渡期間の時間的長さ(過渡期間長)を求めることが可能となる。その上で、前述のようにVベルトの劣化に伴う前記滑りにより前記過渡期間長が長くなり、また、劣化状態が進行するのに伴い、その劣化状態に応じて前記滑りが大きくなる、すなわち、前記過渡期間長が長くなることから、前記滑りが生じていない(Vベルトが劣化していない)ときの前記過渡期間長を基準とすることで、Vベルトの劣化状態を把握することができる。
なお、その駆動機構における振動は、その駆動機構における固定的な部分、例えば、原動モータのハウジング部分等において測定可能である。したがって、振動センサは、そのハウジング部分等の原動モータの固定的な部分に取り付ければ良い。
また、振動センサから出力される振動信号は、前記実施例と同様に、織機制御装置60へと入力され、織機制御装置60からホストコンピュータ70へと伝送される。但し、前述のようにVベルトの劣化状態は前記過渡期間長で把握できることから、織機制御装置60からホストコンピュータ70へ伝送される振動信号は、少なくとも前記過渡期間を含む期間の信号であれば良い。そこで、織機制御装置60には、前記過渡期間を含む期間(以下、「設定期間」と言う。)が設定される。但し、その設定期間について、前記過渡期間はVベルトが劣化するにつれて長くなることから、その設定期間は、時間で設定される期間であり、Vベルトの交換が必要な劣化状態に応じた期間を予め試験等で求めた上でその期間よりも長い期間に設定される。
そして、織機制御装置60は、振動センサから出力される振動信号を織機の起動信号が発生した時点から順次記憶し、経過時間が設定期間に達した時点で、そこまでに記憶した振動信号(設定期間分の振動信号)の伝送をホストコンピュータ70に対し行う。そのために、織機制御装置60は、織機の運転釦が操作されることによる起動信号の発生に伴って作動を開始するタイマであって、その計測時間が前記設定期間に達した時点で信号(実行信号)を発生するタイマを備える。また、織機制御装置60は、起動信号が発生した時点から入力される振動信号を記憶する記憶動作を開始すると共に、タイマが前記の実行信号を発生したのに伴ってその記憶動作を終了し、且つ、その時点で前記伝送を実行するように構成されている。なお、織機制御装置60において記憶された振動信号は、前記伝送が完了した時点でリセットされる(織機制御装置60がそのように構成されている)。
織機制御装置60から伝送される振動信号は、前記実施例と同様に、その振動信号で示される振動の加速度の大きさを振動データとしてホストコンピュータ70のメモリ70aに記憶される。そして、ホストコンピュータ70においては、メモリ70aに接続されたCPU70bが、その変換器70b1において、メモリ70aに記憶された振動データを変換して前記診断要素(加速度)についての実データを求める変換処理を実行する。
但し、この例では、Vベルトの劣化状態を前記過渡期間長に基づいて求めるものであり、その前記過渡期間長は、前述のように織機の起動後における振動の変化に基づいて把握できる。そのため、その変換によって求められる前記実データは、前記実施例のような周波数毎の加速度データではなく、予め定められた期間であって前記の設定期間よりも十分に短い期間(経過時間)毎の加速度データとなる。そして、CPU70bは、変換器70b1において前記変換処理が完了した時点で、振動データから求めた前記実データを、サーバ80を介してメーカ側の異常検出装置90へと出力する。なお、CPU70bは、前記実施例と同様に、変換器70b1がメモリ70aから振動データを読み出した時点で、メモリ70aに記憶された振動データをリセットする処理を実行する。
CPU70bから前記実データが伝送されると、異常検出装置90における判断器90aは、前記実データが入力された時点で、駆動機構におけるVベルトの交換が必要な劣化状態であるか否か、すなわち、前記異常状態であるか否かを判断する判断処理を実行する。その判断処理について、詳しくは以下の通りである。
先ず、判断器90aは、前記実データが入力された時点で、その前記実データ(前記期間毎の加速度データ)に基づいて前記過渡期間長を求める。そして、判断器90aは、その前記過渡期間長を求めた後、記憶器90bに記憶された設定値を読み出す。但し、この例での設定値は、時間で設定されるものであり、交換が必要であるとみなされる劣化状態のVベルトを用いて織機を起動させた際の前記過渡期間長を予め試験等で求め、それに基づいて定められる前記過渡期間長の許容値(閾値)である。なお、この例では、その前記過渡期間長の閾値が、本発明で言う診断基準に相当する。
そして、判断器90aは、前記のように前記実データから求めた前記過渡期間長とその設定値(前記過渡期間長の閾値)との比較を行う。その比較の結果、前記実データから求めた前記過渡期間長が閾値を超えていない場合には、判断器90aは、駆動機構が前記異常状態ではないものと判断し、前記判断処理を終了する。一方、前記実データから求めた前記過渡期間長が閾値を超えている場合には、前記実施例と同様に、判断器90aにおいて駆動機構が前記異常状態であると判断され、CPU70bに対して修復信号が出力される。それに伴い、ホストコンピュータ70の表示器70cにおいては、駆動機構(Vベルト)の修復を促すメッセージが表示される。
(1−2)遊星耳組装置は、前記したように織布の織端に絡み耳組織を形成する装置であり、その装置内において回転不能に設けられた太陽ギア、太陽ギアと同軸的に配置されて駆動軸によって回転駆動される円盤状の遊星キャリア、遊星キャリア上でその回転中心に対し対称的に配置された一対の遊星ギアであって支持軸によって遊星キャリアに対し回転自在に支持された遊星ギアを備える。なお、各遊星ギアは、中継ギアを介して太陽ギアに噛合している。また、遊星ギアを指示する各支持軸の他端には、耳糸が巻かれた耳糸ボビンを保持するボビンホルダが取り付けられる。そして、その遊星耳組装置においては、遊星キャリアが回転駆動されることにより、自転しつつ公転する遊星運動をボビンホルダが行う。
ところで、遊星キャリアを回転駆動する駆動軸が織機の主軸(原動モータ)を駆動源とする場合、主軸の回転速度の変動(回転変動)に起因して遊星耳組装置内部において振動が発生する。詳しくは、織機の主軸は、定常運転状態においても常に一定速で回転しているわけではなく、織機の主軸を駆動源とする筬の筬打ち動作や開口装置の開口運動等によって主軸に掛かる負荷により、1回転中において変動している。そのため、その主軸を駆動源とする遊星耳組装置においては、太陽ギア、遊星ギア、中継ギアの各ギア間に存在するバックラッシ(遊び)により、前記のような主軸の回転変動に起因し、遊星キャリアに回転方向の振動(回転振動)が発生する場合がある。
その上で、その遊星耳組装置においては、前記のようなバックラッシの存在や回転振動により、長期間の使用に伴い、噛合するギアの歯面間に摩耗が発生する。そして、そのギアの摩耗に伴って各ギア間のバックラッシが大きくなり、その結果として前記の回転振動が大きくなる。そして、そのように回転振動が大きくなると、ボビンホルダ等の破損が発生する虞がある。また、そのように回転振動が大きくなると、絡み耳組織の形成が適正に行われない耳形成不良が発生する虞もある。したがって、遊星耳組装置においては、そのようなボビンホルダ等の破損や耳形成不良が発生する可能性が高まった状態が異常状態である。そして、その原因となる劣化(摩耗)が生じる部品(劣化部品)が前記した各ギアである。
そこで、そのギア(劣化部品)の劣化状態を把握すべく、本発明の異常診断装置が適用される。詳しくは、前記したようにギアの摩耗が進行するのに伴って回転振動が大きくなることから、そのギアの劣化状態は、その回転振動によって遊星耳組装置自体に発生する振動の大きさに基づいて把握することが可能となる。なお、遊星耳組装置における振動は、その遊星耳組装置における固定的な部分、例えば、各ギアを収容するギアカバー等において測定可能である。したがって、振動センサは、そのギアカバー等の固定的な部分に取り付ければ良い。
また、前記のように劣化状態が振動の大きさ(変化)に基づいて把握されることから、この例での前記診断要素(加速度)についての実データも、前記例と同様に、経過時間毎の加速度データとなる。但し、この例では、ホストコンピュータ70のメモリ70aには、前記例のように起動からの所定期間分の振動データだけが記憶されるのでは無く、前記実施例と同様に、織機制御装置60から随時出力される振動信号による振動データが製織中に亘って順次記憶される。したがって、この例では、ホストコンピュータ70(CPU70b)による前記実データを求める変換処理及び前記実データの異常検出装置90(判断器90a)への伝送は、前記実施例と同様に、予め設定された期間(例えば、24時間)毎に行われる。
その上で、判断器90aにおいて、遊星耳組装置が前記異常状態か否かを判断する判断処理が実行されるが、その判断処理に用いられる設定値は、交換が必要であると見なされる劣化状態のギアを用いて製織を行った際の振動の加速度を予め試験等で求め、それに基づいて定められるその加速度の許容値(閾値)とされる。また、その判断処理は、前記実データに含まれる加速度データにおける加速度の最大値とその設定値(加速度の閾値)とを比較し、加速度の最大値が閾値を超えているか否かを判断することで行われる。そして、超えている場合には、前記異常状態と判断し、判断器90aからCPU70bに対し修復信号が出力される。なお、この例では、前記の加速度の閾値が、本発明で言う診断基準に相当する。
(1−3)前記の流路切替装置は、複数の緯入れノズルで緯糸を選択的に緯入れする多色の水噴射式織機において、緯入れノズルへの圧力水の供給流路中に設けられて、選択された緯入れノズルへ圧力水を供給すべく流路の切り替えを行う装置である。そして、流路切替装置は、そのように流路を切り替える切替弁と、その切替弁を駆動する駆動手段(ロータリソレノイド等)とを備える。その切替弁は、固定的に設けられる弁本体内において摺動回転する弁体を有しており、その弁体が駆動手段によって所定の角度回転されることで、前記のように流路が切り替えられる。
ところで、その流路切替装置においては、前記のような流路の切り替えの度に弁体が弁本体に対し摺動しつつ回転するため、長期間の使用に伴って、その弁体に摩耗が発生する虞がある。そして、そのように摩耗が発生すると、弁体と弁本体との間で圧力水の漏れが生じ、緯入れが適正に行われなくなる等の問題が発生する場合がある。したがって、弁体の摩耗(劣化)を、そのような問題が発生するような劣化状態となる前に検出し、切替弁の交換を行う必要がある。
なお、切替弁において、前記のような摩耗が発生すると、圧力水の供給に伴って弁体が振動して切替弁全体に振動が発生する。また、その振動は、前記した弁体等の摩耗が進行するにつれて大きくなる。そこで、その切替弁の劣化状態を把握すべく、本発明の異常診断装置が適用される。そして、この例の場合、前記のように摩耗(劣化)する弁体(切替弁)が本発明で言う劣化部品であり、交換が必要な程度まで摩耗が進行した状態が異常状態である。
この例の場合も、前記した遊星耳組装置の例と同様に、その振動の大きさに基づいて切替弁の劣化状態を把握することができる。その上で、切替弁が前記異常状態か否かを判断する判断処理も、前記した遊星耳組装置の例と同様に行われる。但し、その判断処理において用いられる設定値は、交換が必要であると見なされる劣化状態の切替弁を用いて製織を行った際に発生する振動の加速度を予め試験等で求め、それに基づいて定められるその加速度の許容値(閾値)とされる。なお、その振動は、流路切替装置における固定的な部分、例えば、前記した駆動手段が取り付けられるホルダ部分等において測定可能である。したがって、振動センサは、そのホルダ部分等の固定的な部分に取り付ければ良い。
(2)前記実施例は、異常診断装置100が前記診断要素についての実データを求めるための変換処理を行う変換器70b1を備えており、その変換器70b1がホストコンピュータ70のCPU70bに設けられた例となっている。すなわち、前記実施例は、製織関連装置が異常状態であるか否かを判断する判断処理に用いられる実データが、異常検出装置とは別に、製織工場に設置されたホストコンピュータにおいて求められる例となっている。しかし、そのような変換器等の実データを求めるための部分は、異常検出装置に備えられていても良い。
その場合、異常検出装置へと伝送されるデータは、前記実施例のような実データではなく、振動データとなる。そして、異常検出装置においては、前記例のホストコンピュータにおけるCPUと同様に、その振動データに基づいて前記診断要素についての実データが求められる。
(3)前記実施例は、前記の判断処理を行う異常検出装置がメーカに設けられた例となっている。しかし、本発明において、その異常検出装置は、メーカでは無く、製織工場に設けられていても良い。その場合、その異常検出装置は、製織工場におけるホストコンピュータとは独立して設けられていても良いし、ホストコンピュータが備える(ホストコンピュータが異常検出装置の機能を備える)かたちで設けられていても良い。また、異常検出装置がホストコンピュータに備えられる場合には、ホストコンピュータのメモリを異常検出装置における記憶器として兼用することも可能である。さらには、製織工場に設置された各織機が、異常診断装置を備えていても良い。
(4)前記判断処理のための振動に関する診断要素及び診断基準について、以上で説明した例では、その診断要素を振動の加速度とし、診断基準をその加速度の大きさとしている。しかし、本発明においては、その診断要素を振動の振幅としても前記の判断処理を行うことも可能である。そして、その場合には、診断基準は、その振幅の大きさに関する値として設定される。また、その振幅についての実データは、前記実施例の加速度データを用いて演算等によって求めるか、或いは、振動センサとして変位センサを用い、その変位センサからの振動信号に基づいて求めることが可能である。
また、その診断要素は、振動の加速度や振幅等の個別の振動に関するパラメータに限らず、複数の前記パラメータを用いた演算(演算群)等で求められるものとすることも可能である。そして、その場合には、診断基準は、その求められた診断要素に関し、実際の劣化状態でのその演算値等に基づいて求められる。さらに、診断要素及び診断基準をそのように求める場合において、それを、AI(人工知能)を用いて求め、さらには、前記判断処理をもAIが行うようにしても良い。すなわち、異常検出装置を、AIが搭載されたものとしても良い。そして、その場合には、実際の製織から得られて蓄積される情報により、診断要素や診断基準が最適なものに自動的に更新されるようにすることも可能である。
また、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々に変更することが可能である。
1 織機
3 緯糸測長貯留装置
5 緯入れノズル
7 給糸体
10 緯糸係止装置
12 係止ピン
13 ソレノイドホルダ
14a ソレノイド
15 スペーサ
16 緩衝材
20 貯留ドラム
30 回転ヤーンガイド
40 駆動モータ
40a モータケース
50 振動センサ
60 織機制御装置
70 ホストコンピュータ
70a メモリ
70b CPU
70b1 変換器
70c 表示器
80 サーバ
90 異常検出装置
90a 判断器
90b 記憶器
90c 設定器
100 異常診断装置

Claims (2)

  1. 織機上に設けられる製織関連装置であって駆動手段によって駆動される被駆動部材を含む製織関連装置の異常を診断するための異常診断装置において、
    織機上に設けられて前記製織関連装置の振動を測定する振動センサと、
    該振動センサからの振動信号に基づいて前記製織関連装置の異常状態を検出する異常検出装置とを備える
    ことを特徴とする異常診断装置。
  2. 前記異常検出装置が、振動に関する診断要素についての診断基準を記憶する記憶器と、前記振動信号に基づいて求められる前記診断要素についての実データと前記診断基準とを比較して前記製織関連装置が前記異常状態かどうかを判断する判断器とを備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の異常診断装置。
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