JP2020153022A - 合成皮革用工程紙および合成皮革の製造方法 - Google Patents

合成皮革用工程紙および合成皮革の製造方法 Download PDF

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【課題】成皮革の製造に際して繰り返して使用しても、合成皮革の製造効率が低下することがない合成皮革用工程紙を提供すること。【解決手段】基材と、基材上に形成された剥離剤層とを備えた合成皮革用工程紙において、剥離剤層は、シリコーン変性アクリル樹脂とメラミン樹脂、またはシリコーン変性アルキド樹脂とメラミン樹脂のいずれかからなり、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)により剥離剤層の表面を測定したときに、Si元素比率が12%以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、合成皮革用工程紙および合成皮革の製造方法に関する。
合成皮革は、紙などの基材上に、剥離剤樹脂組成物からなる剥離剤層を有する工程紙を用いて、剥離剤層上にウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂などの合成樹脂を主成分とする塗工液を塗布し乾燥した後、必要に応じてさらにその上に基布を、接着剤を介して貼合し、最終的に合成皮革を工程紙から剥離することにより製造されている。
工程紙の剥離剤層を構成する剥離剤樹脂組成物として、たとえば、特許文献1には、シリコーン変性アルキド樹脂にアミノ樹脂およびアルキド樹脂を含有させたものが開示されている。
また、特許文献2には、剥離剤樹脂組成物として、メラミン樹脂およびシリコーン変性アルキド樹脂からなるものが開示されている。
特開昭61−36117号公報 特開2017−177434号公報
しかしながら、前記特許文献1および特許文献2に開示された剥離材樹脂組成物を用いた合成皮革用工程紙を用いて合成皮革を製造した場合、合成皮革用工程紙の繰り返しの使用により、合成皮革の剥離時に剥離力が増大し、合成皮革の製造効率が低下をしてしまうという課題がある。
本発明の目的は、合成皮革の製造に際して繰り返して使用しても、合成皮革の製造効率が低下することがない合成皮革用工程紙および合成皮革の製造方法を提供することにある。
本発明の合成皮革用工程紙は、基材と、前記基材上に形成された剥離剤層とを備えた合成皮革用工程紙であって、前記剥離剤層は、シリコーン変性アクリル樹脂とメラミン樹脂、またはシリコーン変性アルキド樹脂とメラミン樹脂のいずれかからなり、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)により前記剥離剤層の表面を測定したときに、Si元素比率が12%以上である。
この発明によれば、剥離樹脂層の表面のSi元素比率が12%以上であることにより、剥離剤層と合成皮革用樹脂の剥離力が増大しにくくなるため、合成皮革用工程紙を繰り返して使用しても合成皮革の製造効率が低下することがない。
本発明では、前記剥離剤層には、さらに不定形粒子からなる充填剤層が0質量%を超え、12質量%以下含有するのが好ましい。
剥離剤層に充填剤が添加されることにより、表面平滑なエナメル調合成皮革だけでなくマット調、セミマット調など様々な質感の合成皮革を製造することができる。
充填剤の上限を12質量%以下としたのは、充填剤が12質量%を超えると、合成皮革の製造工程で充填剤が剥離剤層から脱落しやすくなり、繰り返し使用した場合の合成皮革の質感の変化を招いたり、合成皮革を汚染する可能性がある。
本発明では、前記不定形粒子は、不定形シリカ粒子であるのが好ましい。
この発明によれば、不定形粒子が無機材料から構成されることにより、合成皮革製造中の加熱によっても、変形、溶融することがないので、所望の質感の合成皮革を製造することができる。
本発明では、前記剥離剤層の膜厚は、3.0μm以上、12μm以下であるのが好ましい。
膜厚が3.0μm未満では、剥離剤層から露出する充填剤が多くなりすぎることでマット感が強くなってしまい、所望の質感を有する合成皮革を製造することができない。また充填剤が剥離剤層に固定されにくくなり、充填剤が剥離剤層から脱落してしまい、所望の質感を有する合成皮革を製造することができない。
さらに、膜厚が3μm未満では、剥離剤層中のシリコーン変性アクリル樹脂またはシリコーン変性アルキド樹脂の絶対量が少なくなり、剥離剤層の表面のSi元素比率が12%以上を維持するのが困難となる。
一方、膜厚が12μmを超えると、充填剤が剥離剤層中に埋没し、剥離剤層から露出する充填剤が少なくなることで光沢感が強調されてしまい、所望の質感を有する合成皮革を製造することができない。
なお、膜厚との関係では、前記不定形粒子の平均粒子径D50は、0.5μm以上、5.0μm以下であるのが好ましい。
本発明の合成皮革の製造方法は、前述した合成皮革用工程紙の剥離剤層上に、合成樹脂を含む塗工液を塗布する工程と、塗布された前記塗工液を乾燥して合成皮革を形成する工程と、乾燥後、前記合成皮革用工程紙を前記合成皮革から剥離する工程と、を含む。
この発明によれば、剥離剤層と合成皮革用樹脂の剥離力が増大しにくくなり、合成皮革用工程紙を繰り返し使用して合成皮革を製造できるので、合成皮革の製造効率が低下することがない。
以下、本発明の実施の形態に係る合成皮革用工程紙は、基材および剥離剤層を備える。
[1]基材
合成皮革用工程紙の基材としては、後述の剥離剤層を支持できるものであれば適宜選択でき、紙基材、樹脂フィルム等が挙げられる。
紙基材としては、たとえば、上質紙、中質紙、グラシン紙、アート紙、コート紙およびキャストコート紙等の紙基材が挙げられ、また、これらの紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙も挙げられる。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィンからなるフィルムなどが挙げられる。
また、これらは単層であってもよいし、同種または異種の2層以上の多層であってもよい。
基材の厚さは、特に限定されないが、5〜300μmであることが好ましく、10〜200μmであることがより好ましい。
これらの基材の中でも、強度および入手が容易である観点から、紙基材が好ましく、キャストコート紙がより好ましい。キャストコート紙を用いることにより、平滑性、耐熱性、バリア性を確保することができる。
キャストコート紙(高光沢紙)としては、たとえば、直接法、リウェット法、凝固法で製造されたものが挙げられるが、市販品としては、日本製紙(株)製のエスプリシリーズ、王子製紙(株)製のミラーコートシリーズ等が挙げられる。
[2]剥離剤層
剥離剤層は、剥離剤組成物から構成される。剥離剤組成物は、シリコーン変性アクリル樹脂とメラミン樹脂、またはシリコーン変性アルキド樹脂とメラミン樹脂のいずれかから構成される。
剥離剤組成物としては、シリコーン変性アクリル樹脂とメラミン樹脂の混合液を使用することができ、たとえば信越化学工業社製X-62-9088、KS-892、日立化成社製TA31-291Fなどを好適に用いることができる。
また、剥離剤組成物としては、シリコーン変性アルキド樹脂とメラミン樹脂の混合液を使用することができ、たとえば信越化学工業社製X-62-9094、X-62-9095、日立化成社製、TA31-209E、TF-309などを好適に用いることができる。
これらのようなシリコーン変性された樹脂を採用することにより、合成皮革を繰り返し製膜しても変性成分が剥離剤層表面にとどまるため剥離性が維持できる。
また、剥離剤組成物の硬化剤成分としてメラミン樹脂を用いることから、剥離剤層が硬化し、剥離性が向上する。
剥離剤層は、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)により前記剥離剤層の表面を測定したときに、Si元素比率が12%以上である。
剥離剤層の表面のSi元素比率が12%以上であれば、10回使用後の剥離剤層の表面のSi元素比率を10%以上に維持することができるため、剥離力が増加することなく、
合成皮革の製造効率が低下することもない。
剥離剤層の表面のSi元素比率を12%以上とするには、基材上に剥離剤組成物を塗布した後、初期の乾燥工程を、通常の剥離剤層の乾燥条件よりも緩やかな条件で行うことにより、シリコーンを含む成分を剥離剤層の表面に偏析させる方法が考えられる。
合成皮革用工程紙において、硬化後の剥離剤層の膜厚は、特に限定されないが、3μm以上、12μm以下が好ましく、3μm以上、8μm以下がより好ましい。
後述する充填剤との関係もあるが、剥離剤層の膜厚が3μm未満であると、剥離剤組成物中のシリコーン変性された樹脂の配合量によっては、剥離剤の表面に偏析するシリコーン変性された樹脂の絶対量が少なくなり、剥離剤層の表面のSi元素化率が12%未満となる。
膜厚の上限については、特に制限はないが、材料コストの関係、後述する充填剤の剥離剤層の表面への露出状態を考えれば、12μm以下とするのが好ましい。
[3]充填剤
剥離剤組成物には、さらに充填剤を添加してもよい。充填剤としては、不定形のシリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、クレー等が挙げられ、耐熱性の観点から、不定形シリカ粒子、不定形アルミナ粒子が好ましく、経済的な観点から 不定形シリカを採用することがより好ましい。
また、これらの充填剤は分散性を向上させやすくなることや、剥離剤組成物を構成する剥離主剤との反応性が付与できるようになることを目的として、粒子表面が有機基や官能基などで修飾されていてもよい。
剥離剤組成物中に充填剤が添加される場合は、充填剤が0質量%を超え、12質量%未満の不定形粒子からなる充填剤が添加されていることが好ましい。充填剤の配合比率は、1質量%を超え、10質量%未満がより好ましい。この範囲とすることで剥離剤層に合成皮革用の樹脂の剥離性を確保しつつ、剥離剤層の耐屈曲性も確保できる所望の鏡面光沢度を有し、かつ適度な剥離力を得ることができる。
不定形粒子の平均粒子径D50は、0.5μm以上、5.0μm以下であるのが好ましい。平均粒子径D50がこの下限値より小さくなると、充填剤が剥離剤層から露出しにくくなることで光沢感が強くなってしまう恐れがある。また、平均粒子径D50がこの上限値より大きくなると、充填剤が剥離剤層から露出しすぎることでマット感が強くなってしまう恐れがある。なお、平均粒子径D50は、充填剤が配合された剥離剤組成物を計測対象として、レーザー回折式粒度分布計により測定することができる。
充填剤に用いる不定形粒子は、シリカ、アルミナ等の原材料の塊状体を破砕、粉砕した状態のものであってもよく、沈降法やゲル法などの湿式法による一次粒子の二次凝集により形成されたものであってもよい。
充填剤の比表面積は、10m/g以上、好ましくは20m/g以上1000m/g以下、より好ましくは50m/g以上500m/g以下であるのが好ましい。
剥離剤組成物は、有機溶剤を含む溶液や水を分散媒とする分散液の形態で用いることが好ましい。
有機溶剤としては、たとえば、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
剥離剤組成物の溶液の不揮発分濃度は、塗工適性および乾燥性の観点より、5質量%以上、60質量%以下が好ましく、10質量%以上、50質量%以下がより好ましく、20質量%以上、40質量%以下がさらに好ましい。
[4]合成皮革用工程紙の製造方法
合成皮革用工程紙は、基材と、該基材上に形成された剥離剤層を有する。合成皮革用工程紙の製造方法は、剥離剤層を構成する剥離剤組成物に、必要に応じて充填剤を添加して混合する。
次に、剥離剤組成物を基材上に塗布した後、加熱して有機溶剤を蒸発させて塗膜を形成して剥離剤層を得る。
塗布方法としては、たとえば、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ロールナイフコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等が挙げられる。
前記剥離剤組成物溶液を用いる場合には、該溶液を基材上に塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させるとともに熱硬化させることが好ましい。
前記剥離剤組成物溶液の乾燥工程は、初期乾燥工程およびその直後の後乾燥工程の2工程以上の工程数で、段階的に乾燥して合成皮革用工程紙を得る。初期乾燥工程は後乾燥工程よりも緩やかな条件で乾燥を行う。初期乾燥工程で、シリコーン変性アクリル樹脂が剥離剤組成物中の気液界面へ向かって偏析し、後乾燥工程で、塗膜中の残留溶剤を完全に乾燥除去するとともに、剥離剤組成物の熱硬化が行われる。初期乾燥工程で偏析したシリコーン変性アクリル樹脂は後乾燥工程の熱硬化で固定され、剥離剤層表面のSi元素比率が高い状態が維持される。初期乾燥工程が行われずに後乾燥工程のみで塗膜の乾燥及び熱硬化を行った場合は、シリコーン変性アクリル樹脂の気液界面への偏析が不十分なまま固定されるため、剥離剤層表面のSi元素比率が低めとなる。
初期乾燥工程での処理温度は、好ましくは常温〜80℃、より好ましくは常温〜60℃であり、処理時間は、好ましくは15秒間〜5分間、より好ましくは20秒間〜3分間である。塗膜の乾燥を促すように塗膜に直接風を当てることが好ましい。
後乾燥工程での加熱温度は、好ましくは80〜250℃、より好ましくは100〜230℃であり、加熱時間は、好ましくは15秒間〜5分間、より好ましくは20秒間〜3分間である。
合成皮革用工程紙は、前記の方法に代えて次のような製造方法により製造してもよい。まず、剥離剤層に用いるポリマー材料として熱可塑性の樹脂を使用して、基材上に剥離剤組成物を塗布または溶融押出して剥離剤層を形成する。また、所定の形状を施したエンボスロールを用意し、前記の基材上に剥離剤層を形成した積層体の剥離剤層の表面に対してエンボスロールでプレスし、剥離剤層に所定の凹凸形状を転写することにより、所望の合成皮革用工程紙を製造することができる。
[5]合成皮革の製造方法
合成皮革用工程紙は、合成皮革の製造工程で使用される。
合成皮革用工程紙を用いた合成皮革の製造方法としては、合成皮革用工程紙の剥離剤層上にウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂を主成分とする塗工液を塗布し乾燥して樹脂層を形成した後、必要に応じてさらにその上に基布を、接着剤を介して貼合し、乾燥後、合成皮革を合成皮革用工程紙から剥離することにより製造することができる。
上記合成皮革の製造方法において用いる合成樹脂としては、合成皮革としての風合いや耐久性の観点から、ウレタン樹脂が好ましい。
具体的には、本発明の合成皮革用工程紙の剥離剤層上にウレタン樹脂を塗布し、適宜乾燥してウレタン樹脂層を形成した後、さらに接着剤を介して基布を貼合した後熟成させ、最終的に基布とともにウレタン樹脂層を合成皮革用工程紙から剥離して合成皮革を製造することができる。
合成皮革用工程紙は、合成皮革の樹脂層に対する剥離力が、使用開始初期では30〜500mN/30mmであることが好ましく、10回繰り返し使用後の剥離力が1000mN/30mm以下であるのが好ましい。
上記剥離力がこれら上限値以下であると、合成皮革用工程紙を繰り返し使用した後でも合成皮革からの安定した剥離性能が得られ、また、高い光沢度を有する合成皮革を製造することができる。これら下限値以上であると、樹脂層が剥離剤層から不意に剥がれることを防止することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は、実施例に限定されるものではない。
[1]実施例
[実施例1]
シリコーン変性アクリル樹脂およびメラミン樹脂(信越化学工業社製 X-62-9088)を主剤とし、不定形シリカ(富士シリシア化学社製 サイシリア420)を樹脂固形分に対して3.3質量%となるように添加した溶液を、基材(日本製紙社製 エスプリコート E(UT)SW)に塗布し、初期乾燥工程およびその直後に後乾燥工程の2工程で乾燥して、剥離剤層の膜厚が7μmの合成皮革用工程紙を得た。
初期乾燥工程の条件として、ハンドドライヤー(Panasonic社製、品名:ionity(品番:EH5215P))を剥離剤の塗布面に対して30cmの位置に配置し、冷風モードで5秒間塗布面を曝した。
また、後乾燥工程の条件として、防爆密閉型乾燥機(エスペック社製、品名:防爆ベントつき恒温器SPH-201)により200℃、30秒間で、初期乾燥工程後の塗布シートを静置した。
[実施例2]
実施例1の主剤をシリコーン変性アクリル樹脂およびメラミン樹脂(信越化学工業社製 KS-892)に変更し、実施例1と同様の方法で合成皮革用工程紙を得た。
[実施例3]
実施例1の主剤をシリコーン変性アクリル樹脂およびメラミン樹脂(日立化成社製 TA31-291F)に変更し、実施例1と同様の方法で合成皮革用工程紙を得た。
[実施例4]
実施例1の主剤をシリコーン変性アルキド樹脂およびメラミン樹脂(日立化成社製 TF-309)に変更し、実施例1と同様の方法で合成皮革用工程紙を得た。
[実施例5]
実施例1において、初期乾燥工程の条件を、ハンドドライヤー(実施例1と同じもの)を塗布面に対して30cmの位置に配置し、温風モード(1200W)で5秒間塗布面を曝すことに変更した以外は、実施例1と同様にして合成皮革用工程紙を得た。
[実施例6]
実施例1の不定形シリカを6.6質量%に変更し、実施例1と同様の方法で合成皮革用工程紙を得た。
[実施例7]
実施例1の不定形シリカを1.7質量%に変更し、実施例1と同様の方法で合成皮革用工程紙を得た。
[実施例8]
実施例1の不定形シリカを除去し、実施例1と同様の方法で合成皮革用工程紙を得た。
[実施例9]
実施例2の不定形シリカを除去し、実施例2と同様の方法で合成皮革用工程紙を得た。
[実施例10]
実施例1の剥離剤層の膜厚を6μmに変更し、実施例1と同様の方法で合成皮革用工程紙を得た。
[実施例11]
実施例1の剥離剤層の膜厚を5μmに変更し、実施例1と同様の方法で合成皮革用工程紙を得た。
[実施例12]
実施例2の剥離剤層の膜厚を6μmに変更し、実施例2と同様の方法で合成皮革用工程紙を得た。
[実施例13]
実施例2の剥離剤層の膜厚を5μmに変更し、実施例2と同様の方法で合成皮革用工程紙を得た。
[実施例14]
実施例1において、ゾーンを複数有する乾燥炉を備えた塗工装置を用いて、初期乾燥工程および後乾燥工程を行ったこと以外は、実施例1と同様にして合成皮革用工程紙を得た。なお、塗工装置のライン速度を60m/minとし、65℃風速5m/secのゾーンを通過する時間を5秒(初期乾燥工程)、200℃風速12m/minのゾーンを通過する時間を25秒(後乾燥工程)となるようにした。
[2]比較例
[比較例1]
実施例3において、初期乾燥工程を実施例5に同じ温風モードの処理に変更し、実施例3と同様の方法で合成皮革用工程紙を得た。
[比較例2]
実施例4において、初期乾燥工程を実施例5に同じ温風モードの処理に変更し、実施例4と同様の方法で合成皮革用工程紙を得た。
[比較例3]
実施例1の主剤をシリコーン未変性の樹脂(DIC社製A-817)に変更し、実施例1と同様の方法で合成皮革用工程紙を得た。
[比較例4]
実施例1の剥離剤層の膜厚を1.5μmに変更し、実施例1と同様の方法で合成皮革用工程紙を得た。
[3]試験方法
[3-1]剥離力評価
ポリウレタン樹脂溶液(DIC社製クリスボン5516S)を合成皮革用工程紙上に塗布し、140℃、2分乾燥し、厚み25μmのポリウレタン樹脂層を形成した。その後ポリウレタン樹脂層の表面にポリエステル粘着テープ(日東電工社製31Bテープ)を貼合し、23℃、相対湿度50%の恒温室内に30分間静置し、幅30mmに裁断して試験片とした。引張試験機(エー・アンド・デイ製テンシロン)を用いて、剥離速度1000mm/minで180°方向に引っ張り、剥離した際の力を測定し、これを初期剥離力とした。
初期剥離力測定後、上記手順通り、ポリウレタン樹脂層の形成、および剥離速度1000mm/minで剥離を繰り返し、10回繰り返し使用後の剥離したときの力を測定し、10回剥離力とした。
[3-2]Si元素比率の測定
XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy:X線光電子分光分析)により、剥離剤層の表面のSi元素比率を測定した。
最初の製膜時における剥離剤層の表面のSi元素比率を初期元素比率とし、10回繰り返し使用後における剥離剤層の表面のSi元素比率を10回元素比率とした。
なお、XPSで用いた装置は、島津製作所 ESCA-3400であり、X線アノード(発生源)にはMgを用いた。X線の出力は加速電圧10kV、およびエミッション電流15mAで測定を行った。なお、Siの元素比率は、検出元素をC、O、N、Siの4元素として、4元素の合計量を100%とした場合の、Siが占める比率(%)をSi元素比率とした。
[4]試験結果
試験結果を表1に示す。
実施例1から実施例14を見る限り、Siの初期元素比率が12%以上であれば、10回剥離力を1000mN/30mm未満に抑えることができ、合成皮革用工程紙を10回繰り返し使用しても、剥離性が低下することがないことを確認することができた。
一方、比較例1および比較例2では、初期乾燥速度が速すぎるため、剥離剤層の表面にシリコーン変性アクリル樹脂が偏析せず、剥離剤層の表面のSi元素比率が12%未満となってしまい、10回繰り返し使用後の剥離力が増大し、合成皮革の製造効率が低下してしまうことが確認された。
また、比較例4では、剥離剤層の膜厚が薄すぎて、結果として剥離剤層中のシリコーン変性アクリル樹脂の絶対量が少なくなってしまい、剥離剤層の表面のSi元素比率を12%以上とすることができなかった。

Claims (6)

  1. 基材と、前記基材上に形成された剥離剤層とを備えた合成皮革用工程紙であって、
    前記剥離剤層は、シリコーン変性アクリル樹脂とメラミン樹脂、またはシリコーン変性アルキド樹脂とメラミン樹脂のいずれかからなり、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)により前記剥離剤層の表面を測定したときに、Si元素比率が12%以上である合成皮革用工程紙。
  2. 請求項1に記載の合成皮革用工程紙において、
    前記剥離剤層には、さらに不定形粒子からなる充填剤が0質量%を超え、12質量%以下含有する合成皮革用工程紙。
  3. 請求項2に記載の合成皮革用工程紙において、
    前記不定形粒子の平均粒子径D50は、0.5μm以上、5.0μm以下である合成皮革用工程紙。
  4. 請求項2または請求項3に記載の合成皮革用工程紙において、
    前記不定形粒子は、不定形シリカ粒子である合成皮革用工程紙。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の合成皮革用工程紙において、
    前記剥離剤層の膜厚は、3.0μm以上、12μm以下である合成皮革用工程紙。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の合成皮革用工程紙の剥離剤層上に、合成樹脂を含む塗工液を塗布する工程と、
    塗布された前記塗工液を乾燥して合成皮革を形成する工程と、
    乾燥後、前記合成皮革用工程紙を前記合成皮革から剥離する工程と、
    を含む合成皮革の製造方法。
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