以下、図面を参照して実施の形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態の鍵管理装置について図1を用いて説明する。図1は、第1の実施形態の鍵管理装置の一例を示す図である。
鍵管理装置10は、1以上の鍵を収納し、収納した鍵を利用可能とする装置である。鍵管理装置10は、係員によって警備され、鍵を用いる目的地へ輸送される。係員が鍵管理装置10を警備して輸送することを、警送とも記載する。係員は、目的地において入出金機や金庫等の扉を鍵で解錠し、入出金機や金庫等から現金を回収した後、扉を鍵で施錠する。目的地とは、入出金機や金庫等が設置された施設であり、たとえば、店舗のバックヤードや、企業の事務室や、金融機関の支店などである。
鍵管理装置10は、位置取得部11、記憶部12、鍵収納部13、蓋部14、錠部15、入力受付部16、制御部17を備える。位置取得部11は、無線通信技術を利用して鍵管理装置10の現在の位置情報(緯度、経度)である現在位置情報を取得するものであり、たとえば、GPS(Global Positioning System)受信機である。
記憶部12は、情報を記憶するものであり、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)や各種メモリ等である。記憶部12には、鍵管理装置10を制御するプログラムや、設定情報20が記憶される。設定情報20は、鍵を利用する目的地の位置情報(緯度、経度)である目的地位置情報を含む情報である。
鍵収納部13は、前面が開口し、鍵を収納する略箱型の容器である。蓋部14は、鍵収納部13に開閉自在に取り付けられ、鍵収納部13の開口を覆い、錠部15を備える。錠部15は、蓋部14を閉じた状態で施錠して蓋部14の開放を不能とし、解錠して蓋部14の開放を可能とする。錠部15は、制御部17からの指示に基づき錠の解錠および施錠を制御する。
入力受付部16は、認証情報の入力を受け付けるものである。たとえば、認証情報が、数字のパスワードである場合、入力受付部16にテンキーが適用される。また、認証情報が、指紋などの生体情報である場合、入力受付部16に生体認証装置が適用される。制御部17は、鍵管理装置10全体を制御するものであり、たとえば、プロセッサ等である。
ここで、係員が鍵管理装置10を警送し、目的地において鍵管理装置10に収納した鍵を用いる方法について説明する。係員は、警送を行う前に警送拠点(警備会社、金融機関等)において、予め設定情報20を記憶部12に記憶させるものとする。係員は、目的地Aおよび目的地Bの位置情報を目的地位置情報として設定情報20に登録するものとする。また、係員は、目的地で用いる鍵を鍵収納部13に収納し、蓋部14を閉じ、錠部15を施錠する。
鍵管理装置10は、鍵収納部13に鍵が収納され、蓋部14が閉じられ、錠部15が施錠された状態で係員によって目的地へ警送される。鍵管理装置10の制御部17は、位置取得部11を介して現在位置情報を取得する。制御部17は、設定情報20に基づき、現在位置情報が目的地位置情報と一致すると判定した場合に認証情報を入力受付部16から受け付ける。制御部17は、認証情報を認証した結果が整合する場合に錠部15を解錠する。
たとえば、鍵管理装置10が目的地Aに警送された場合、位置取得部11は、現在位置情報として目的地Aの位置情報を取得する。制御部17は、設定情報20に登録された目的地Aの目的地位置情報と現在位置情報(目的地Aの位置情報)が一致すると判定し、認証情報を入力受付部16から受け付ける。係員は、予め設定されたパスワードを入力受付部16に入力し、パスワードが整合した場合、錠部15が解錠され蓋部14の開放が可能となり、鍵収納部13に収納された鍵を取り出し用いることができる。鍵管理装置10が、目的地Aから目的地Bに警送された場合についても同様である。
このように、鍵管理装置10は、予め記憶部12に記憶した設定情報20と位置取得部11で取得した現在位置情報に基づいて、蓋部14が備える錠部15の解錠を制御できる。これにより、鍵管理装置10は、鍵が利用される目的地でのみ蓋部14の開放が可能となるため、警送途中における鍵の盗難や紛失を回避できる。
こうして、鍵管理装置10は、鍵を収納し警送する場合において、セキュリティの向上を図ることができる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態として、情報処理システムについて図2を用いて説明する。図2は、第2の実施形態の情報処理システムの一例を示す図である。
情報処理システム400は、サーバ300によって情報を設定された鍵管理装置100がネットワーク410の接続を解除され、鍵200を使用される地点へ警備され輸送されるシステムである。鍵管理装置100は、ネットワーク410を介してサーバ300と情報通信が可能である。
鍵管理装置100は、入出金機や金庫を解錠および施錠するための鍵200を収納し管理する装置である。鍵管理装置100が、サーバ300から情報を設定される施設を警送拠点と記載する。警送拠点は、鍵管理装置100の保管および管理を行い、サーバ300を用いて鍵管理装置100に情報を設定する施設である。警送拠点は、たとえば、警備会社や金融機関等である。また、鍵管理装置100や現金等の貴重品を警備して輸送する行為を、警送と記載する。鍵管理装置100は、1以上の鍵200を収納し、鍵200を使用する目的地(たとえば、店舗A、金融機関B等)に係員によって警送される。鍵管理装置100については、後で図4および図5を用いて説明する。
鍵200は、入出金機や金庫を解錠および施錠するために用いられるものである。鍵200には、個々にタグ201が備えられる。タグ201は、無線通信によって情報の読み出しや書き込みが可能であり、鍵200を識別する鍵識別情報を記憶し、タグリーダによって識別情報を読み出されるものである。タグ201は、たとえば、RFID(Radio Frequency IDentifier)タグである。鍵管理装置100に収納される鍵200は、それぞれタグ201を備えている。また、図示された複数の鍵200は、異なる鍵200であり、それぞれの鍵200が異なるタグ201を備えるが、説明においては、鍵200およびタグ201と記載する。また、タグ201は、鍵200ごとに異なる鍵識別情報を記憶しているものとする。
サーバ300は、鍵管理装置100と情報通信を行う機能を備えるコンピュータである。サーバ300については、後で図3を用いて説明する。
なお、情報処理システム400においては、警送拠点と鍵200を使用する目的地(店舗A、金融機関B、…)を個別の施設として図示したが、警送拠点と目的地とは同一の施設内に存在してもよいし、その他の構成であってもよい。
ここで、情報処理システム400における鍵管理装置100の警送について説明する。まず、鍵管理装置100は、警送拠点において、サーバ300によって情報を設定される。鍵管理装置100に設定される情報については、後で図6を用いて説明する。また、警送拠点において、係員が鍵管理装置100に鍵200を収納する。
係員は、鍵管理装置100を最初の目的地である店舗Aに警送する。係員は、入出金機の錠で用いる鍵200を鍵管理装置100から取り出し、鍵200で店舗Aに設置された入出金機を解錠し、入出金機から現金を回収し、入出金機を施錠し、使用した鍵200を鍵管理装置100に収納する。係員は、鍵管理装置100を次の目的地である金融機関Bに警送する。係員は、鍵管理装置100から鍵200を取り出し、鍵200で金融機関Bに設置された金庫を解錠し、金庫から現金を回収し、金庫を施錠し、使用した鍵200を鍵管理装置100に収納する。このように、係員は、鍵管理装置100を警送し、目的地を巡り現金を回収し、最終目的地で現金を回収し施錠を行った後に、警送拠点に帰還する。
次に、第2の実施形態のサーバのハードウェア構成について図3を用いて説明する。図3は、第2の実施形態のサーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
サーバ300は、サーバ制御部310を含む。サーバ制御部310は、プロセッサ311、RAM(Random Access Memory)312、HDD313、画像信号処理部314、入力信号処理部315、媒体リーダ316、通信インタフェース317を含む。サーバ300は、プロセッサ311によって装置全体が制御されている。プロセッサ311には、バス318を介してRAM312と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ311は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ311は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはPLD(Programmable Logic Device)である。また、プロセッサ311は、CPU、MPU、DSP、ASIC、PLDのうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。
RAM312は、サーバ300の主記憶装置として使用される。RAM312には、プロセッサ311に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に記憶される。また、RAM312には、プロセッサ311による処理に必要な各種データが記憶される。
バス318に接続されている周辺機器としては、HDD313、画像信号処理部314、入力信号処理部315、媒体リーダ316および通信インタフェース317がある。
HDD313は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD313は、サーバ300の補助記憶装置として使用される。HDD313には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが記憶される。なお、HDD313に限らず、SSD(Solid State Drive)を使用することもできる。なお、補助記憶装置としては、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置を使用することもできる。
画像信号処理部314は、プロセッサ311からの命令に従って、サーバ300に接続されたディスプレイ314aに画像を出力する。ディスプレイ314aとしては、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイ、有機EL(OEL:Organic Electro-Luminescence)ディスプレイ等、任意の種類のディスプレイを用いることができる。
入力信号処理部315は、サーバ300に接続された入力デバイス315aから入力信号を取得し、プロセッサ311に出力する。入力デバイス315aとしては、マウス、タッチパネル、タッチパッド、トラックボール、キーボード、リモートコントローラ、ボタンスイッチ等、任意の種類の入力デバイスを用いることができる。また、サーバ300に、複数の種類の入力デバイスが接続されていてもよい。
媒体リーダ316は、記録媒体319に記録されたプログラムやデータを読み取る読み取り装置である。記録媒体319として、たとえば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク(MO:Magneto-Optical disk)、半導体メモリ等を使用できる。磁気ディスクには、フレキシブルディスク(FD:Flexible Disk)やHDDが含まれる。光ディスクには、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)が含まれる。
媒体リーダ316は、たとえば、記録媒体319から読み取ったプログラムやデータを、RAM312やHDD313等の他の記録媒体にコピーする。読み取られたプログラムは、たとえば、プロセッサ311によって実行される。なお、記録媒体319は可搬型記録媒体であってもよく、プログラムやデータの配布に用いられることがある。また、記録媒体319やHDD313を、コンピュータ読み取り可能な記録媒体と言うことがある。
通信インタフェース317は、ネットワーク410に接続されている。通信インタフェース317は、他のコンピュータ、記憶装置、または通信機器との間でデータの送受信を行う。
以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施形態のサーバ300の処理機能を実現することができる。なお、上記の構成は一例であり、構成部の組み合わせは適宜決定できる。たとえば、上記構成のうち必要のないものを削除するとしてもよい。
サーバ300は、たとえばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施形態の処理機能を実現する。サーバ300に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録することができる。たとえば、サーバ300に実行させるプログラムをHDD313に記憶することができる。プロセッサ311は、HDD313内のプログラムの少なくとも一部をRAM312にロードし、プログラムを実行する。また、サーバ300に実行させるプログラムを、光ディスク、メモリ装置、メモリカード等の可搬型記録媒体に記録することもできる。可搬型記録媒体に記憶されたプログラムは、たとえばプロセッサ311からの制御により、HDD313にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ311が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
次に、第2の実施形態の鍵管理装置のハードウェア構成について図4を用いて説明する。図4は、第2の実施形態の鍵管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
鍵管理装置100は、鍵管理制御部110、蓋錠部121、タグリーダ122、鍵係止部123、GPS124、表示部125、入力部126、スピーカー127を含む。鍵管理装置100に含まれる各構成要素は、通信可能に接続されている。
鍵管理制御部110は、プロセッサ111、RAM112、HDD113、通信インタフェース114を含む。鍵管理装置100は、プロセッサ111によって装置全体が制御されている。
RAM112は、鍵管理装置100の主記憶装置として使用される。RAM112には、プロセッサ111に実行させるOSのプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に記憶される。また、RAM112には、プロセッサ111による処理に必要な各種データが記憶される。
HDD113は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD113は、鍵管理装置100の補助記憶装置として使用される。HDD113には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが記憶される。HDD113は、サーバ300から設定された情報を記憶する。通信インタフェース114は、ネットワーク410に接続する機能を備える。通信インタフェース114は、サーバ300や記憶装置との間でデータの送受信を行う。
蓋錠部121は、鍵管理装置100を覆う蓋の錠の機構部であり、プロセッサ111からの指示に基づき錠の解錠および施錠を制御する。タグリーダ122は、鍵200に備えられたタグ201の情報を読み込む機能を備える。タグリーダ122は、たとえば、RFIDタグ対応の読取機能を備える。タグリーダ122を、タグ読取部とも記載する。
鍵係止部123は、鍵管理装置100に収納された鍵200を略環状のキーホルダーで保持し、プロセッサ111からの指示に基づきキーホルダーの解錠および施錠を行う。鍵係止部123で保持された鍵200は、キーホルダーが解錠された際に収納および取り出しが可能となる。また、キーホルダーによって保持された鍵200は、施錠された際に収納および取り出しが不可となる。
GPS124は、GPS受信機であり、GPS衛星からの電波を受信し、現在の位置情報(緯度、経度)を検出する機能を備える。GPS124は、検出した位置情報をプロセッサ111に通知する。なお、GPS124は、現在の位置情報を取得する機能の一例であり、その他の無線通信の技術を用いて鍵管理装置100の位置情報を取得してもよい。
表示部125は、鍵管理装置100に設定された情報を表示する機能と、鍵200の収納状態を表示する機能とを備える。表示部125は、液晶ディスプレイとLED(Light Emitting Diode)とを備え、プロセッサ111からの指示に基づき情報を表示しLEDを点灯する。入力部126は、情報の入力を受け付ける機能を備えており、たとえば、テンキーやタッチパッド等である。入力部126は、鍵ボックス蓋131の施錠を解除するための認証情報(パスワード、指紋等の生体情報)の入力を受け付ける。入力部126は、入力された認証情報を受け付け、プロセッサ111に通知する。また、入力部126は、鍵ボックス蓋131の施錠を解除するための認証処理がパスワード認証である場合、入力デバイスにテンキーを適用し、入力されたパスワードを表示する機能を備えることもできる。また、入力部126は、鍵ボックス蓋131の施錠を解除するための認証処理が、指紋認証である場合、入力部126に指紋認証装置や生体認証装置を適用できる。スピーカー127は、音声を出力する機能を備え、プロセッサ111からの指示に基づき音声を出力する。
次に、第2の実施形態の鍵管理装置の外観について図5を用いて説明する。図5は、第2の実施形態の鍵管理装置の外観の一例を示す図である。
鍵管理装置100は、鍵ボックス本体130、鍵ボックス蓋131、鍵ボックス取っ手132を備えている。鍵ボックス本体130は、鍵200および鍵管理装置100の主要部を収納する容器であり、鍵ボックス本体130に鍵ボックス蓋131が閉じられた状態で施錠されることにより、鍵収納部150に収納された鍵200が外部に放出されないように収納できる。
鍵ボックス蓋131は、鍵ボックス本体130に開閉可能に蝶番等で取り付けられている。鍵ボックス蓋131は、閉じた状態で鍵収納部150を覆う。鍵ボックス蓋131は、蓋錠部121を備えている。蓋錠部121は、鍵ボックス蓋131を鍵ボックス本体130に固定するための錠前であり、プロセッサ111の制御により解錠および施錠が可能である。蓋錠部121は、機械式ロックでもよいし、電磁式ロックでもよいし、その他のものでもよい。なお、蓋錠部121は、鍵ボックス蓋131の開閉状態を検知する機能も備えており、検知した開閉状態をプロセッサ111に通知する。
鍵ボックス取っ手132は、鍵ボックス本体130に備えられ、鍵管理装置100を持ち上げるために用いるハンドルである。係員は、鍵ボックス取っ手132を手で把持することにより、鍵管理装置100を持ち運ぶことができる。
鍵ボックス本体130は、表示部125、入力部126、GPS124、スピーカー127、通信インタフェース114、鍵ボックス蓋131を備えている。表示部125および入力部126は、鍵ボックス本体130の外面に露出した状態で取り付けられている。鍵ボックス本体130は、略箱型をした容器であるが、これは一例に過ぎず、他の形状であってもよい。
また、鍵ボックス本体130は、鍵ボックス蓋131の内側に鍵200を収納する鍵収納部150を備えている。鍵ボックス蓋131が開放された場合、鍵収納部150および収納されている鍵200が露出した状態となる。鍵ボックス蓋131が閉鎖された場合、鍵収納部150および収納されている鍵200が遮蔽した状態となる。図5においては、鍵ボックス蓋131が開放され、鍵収納部150および収納されている鍵200が露出した状態を図示している。また、図5においては、鍵管理装置100に収納される鍵200は8本であるが、これは一例に過ぎず、収納する鍵200の個数は適宜変更できる。
鍵ボックス蓋131は、鍵ボックス本体130の側面の少なくとも一部を構成する開閉自在な蓋である。鍵ボックス蓋131が、閉じられて鍵収納部150を覆うことにより、鍵収納部150に収納された鍵200が内封される。鍵ボックス蓋131は、蓋錠部121を備えており、鍵ボックス蓋131が閉じられた状態で蓋錠部121を施錠することにより、開放を不能とする。鍵ボックス蓋131は、蓋錠部121を解錠することにより、開放を可能とする。
鍵収納部150は、前面が開口しており、鍵ボックス蓋131が開口部分を開閉し、鍵200を収納する収容箱である。鍵収納部150は、収納番号表記部140a,140b,140c,140d,140e,140f,140g,140hと、鍵係止部123a,123b,123c,123d,123e,123f,123g,123hと、タグリーダ122a,122b,122c,122d,122e,122f,122g,122hとを収容箱の内部に備える。収納番号表記部140a,140b,140c,140d,140e,140f,140g,140hは、特に特定して説明する場合を除き収納番号表記部140と記載する。また、鍵係止部123a,123b,123c,123d,123e,123f,123g,123hは、特に特定して説明する場合を除き鍵係止部123と記載する。また、タグリーダ122a,122b,122c,122d,122e,122f,122g,122hは、特に特定して説明する場合を除きタグリーダ122と記載する。
収納番号表記部140は、鍵収納部150に収納された鍵200の収納番号が表記される部分であり、数字や記号が表記される。収納番号表記部140は、鍵係止部123およびタグリーダ122と対応する位置に数字や記号が印刷されたラベルが貼付された領域である。鍵係止部123が備えるキーホルダーで、鍵管理装置100に収納された鍵200が保持される。タグリーダ122は、鍵200が備えるタグ201を読み取り、プロセッサ111に通知する。プロセッサ111は、タグリーダ122aが読み取ったタグ201の情報を収納番号「1」に対応するタグ201の情報(鍵識別情報)として認識する。プロセッサ111は、タグリーダ122bが読み取ったタグ201の情報を収納番号「2」に対応するタグ201の情報(鍵識別情報)として認識する。以降についても同様に、プロセッサ111は、タグリーダ122hが読み取ったタグ201の情報を収納番号「8」に対応するタグ201の情報(鍵識別情報)として認識する。
表示部125は、収納番号表示部125a、行先表示部125b、鍵状態表示部125cを備える。収納番号表示部125aは、収納番号表記部140に表記された数字等を表示する領域である。収納番号表示部125aは、プロセッサ111からの指示に基づき、数字等を表示する。収納番号表示部125aは、液晶パネル等で構成される。
行先表示部125bは、目的地を表示する領域である。行先表示部125bは、プロセッサ111からの指示に基づき、目的地(店舗名、施設名、地名等)を表示する。行先表示部125bは、液晶パネル等で構成される。
図5においては、収納番号表示部125aのうち「1」が表示された領域と、行先表示部125bのうち「店舗A」が表示された領域とを、他の領域とは異なる態様で強調表示した例を示している。強調表示とは、他の領域(通常表示)とは異なる文字フォントや、異なる文字色や下地色や枠色で表示する態様であり、鍵管理装置100を用いる係員に対して注意喚起を行うための表示態様である。たとえば通常表示の下地色が白色で文字が黒色である場合、強調表示は下地色を黄色にするように通常表示よりも目立つ色合いに表示する。また、鍵管理装置100は、色を変更せずに、通常表示で表示した文字を点滅させて強調することで強調表示を行うこともできる。
鍵状態表示部125cは、収納番号に対応する鍵係止部123に鍵200が収納された状態(鍵状態)を表示する。たとえば、タグリーダ122が読み取った鍵識別情報が、収納番号に収納されるべき鍵200の鍵識別情報である場合(鍵200が正しく収納されている場合)、鍵状態表示部125cは緑色に点灯する。タグリーダ122が読み取った鍵識別情報が、収納番号に収納されるべき鍵200の鍵識別情報でない場合(鍵200が正しく収納されていない場合)、鍵状態表示部125cは赤色に点灯する。タグリーダ122が鍵識別情報を読み取れない場合(鍵200が収納されていない場合)、鍵状態表示部125cは消灯する。
表示部125において、収納番号と、行先と、鍵状態とは対応づけて表示される。たとえば、表示部125において、収納番号「1」、行先「店舗A」、鍵状態が緑色に表示された場合、行先「店舗A」において用いられる鍵200が、収納番号「1」に対応する鍵係止部123aに正常に収納されていることを示す。
通信インタフェース114は、情報通信のインタフェースを備えるものであればよく、たとえば、ネットワークケーブルの挿入口や、無線通信の送受信機能部等である。通信インタフェース114、GPS124、スピーカー127は、鍵ボックス本体130に向かって右側側面に配置されているが、これは一例に過ぎず、その他の位置であってもよい。
なお、プロセッサ111、RAM112、HDD113等は、鍵ボックス本体130の内部に備える制御基盤で実現されるが、図示を省略する。
次に、第2の実施形態の設定情報について図6を用いて説明する。図6は、第2の実施形態の設定情報の一例を示す図である。
設定情報600は、鍵200の収納番号、鍵200が用いられる目的地(行先)の位置情報等を鍵管理装置100に設定するための情報である。設定情報600は、サーバ300で係員から入力され、サーバ300のHDD313等の記憶部に記憶された後、鍵管理装置100のHDD113等の記憶部に記憶される情報である。係員は、鍵管理装置100を警送する目的地の順序を収納番号として入力する。また、係員は、警送の目的地順(収納番号)に合致する目的地を行先として入力し、目的地で利用する鍵200の鍵識別情報を対応づけて入力するものとする。
鍵管理装置100は、設定情報600に基づいて収納番号表示部125aおよび行先表示部125bを表示する。また、鍵管理装置100は、設定情報600に基づいてタグリーダ122で読み取った鍵識別情報を判別し、鍵状態表示部125cを点灯する。
設定情報600は、収納番号、行先、鍵識別情報、位置情報の項目を含む。収納番号の項目には、鍵200の収納番号が登録される。収納番号は、鍵管理装置100の警送ルートの行先の順序であるとともに、行先(目的地)において用いられる鍵200の順番でもある。たとえば、最初に用いられる鍵200の鍵識別情報と収納番号「1」が対応づけられて設定情報600に記憶される。行先の項目には、鍵管理装置100の警送ルートの行先(目的地)の名称が登録される。鍵識別情報の項目には、行先で用いられる鍵200の鍵識別情報が登録される。位置情報の項目には、緯度と経度の項目を含む。緯度の項目には、行先の緯度が登録される。経度の項目には、行先の経度が登録される。
ここで、設定情報600に含まれるエントリについて説明する。たとえば、設定情報600には、収納番号に「1」、行先に「店舗A」、鍵識別情報に「H023」、位置情報の緯度に「35.6812」、経度に「139.7671」という情報が登録される。これは、1番に行く行先(収納番号「1」)について、行先の名称が「店舗A」であり、店舗Aで用いられる鍵200の鍵識別情報が「H023」であることを示す。また、行先である店舗Aが緯度「35.6812」、経度「139.7671」に位置する施設であることを示す。
なお、図6において、設定情報600は、収納番号「1」から「8」までのエントリが含まれており、収納番号の末尾の値は「8」であるが、これは一例に過ぎない。係員は、収納番号「1」のエントリを警送ルートの最初の行先に対応する情報として登録し、収納番号の末尾の番号のエントリを警送ルートの最後の行先に対応する情報として登録する。係員は、鍵管理装置100の警送ルートに含まれる行先(目的地)の数に応じて収納番号を決定することができる。図6で示した情報は一例に過ぎず、設定情報600は、収納番号、行先、鍵識別情報、位置情報を対応づけたエントリを1以上含む情報であればよい。
また、設定情報600において、異なる収納番号に対して同一の行先が登録される場合もある。たとえば、支店Dにおいて、金庫が2つあり、異なる鍵200を用いてそれぞれの金庫の解錠および施錠を行う場合について説明する。支店Dの警送の順番が「支店C(収納番号「3」)」の次の順番である場合、収納番号「4」および「5」の行先がともに「支店D」として登録される。また、収納番号「4」および「5」に対応するエントリに異なる鍵識別情報「J429」、「I904」がそれぞれ登録される。また、収納番号「4」および「5」に対応するエントリに同一の位置情報(緯度「35.6809」、経度「139.7729」)が登録される。
次に、第2の実施形態のシーケンスについて図7を用いて説明する。図7は、第2の実施形態のサーバおよび鍵管理装置のシーケンスの一例を示す図である。
サーバ300および鍵管理装置100で実行されるシーケンスについて説明する。なお、サーバ300が実行する処理は、サーバ制御部310(プロセッサ311)が実行する。鍵管理装置100が実行する処理は、鍵管理制御部110(プロセッサ111)が実行する。
サーバ300は、ネットワーク410を介して鍵管理装置100と情報通信可能な状態であり、係員から入力を受け付け、処理を開始する。
[ステップS11]サーバ300は、入力デバイス315aを介して設定情報600の入力を係員から受け付け、HDD313等の記憶部に記憶し、設定情報600を鍵管理装置100に送信する。
[ステップS12]鍵管理装置100は、設定情報600を受信し、HDD113等の記憶部に記憶する。
[ステップS13]鍵管理装置100は、鍵ボックス蓋131を解錠し、鍵係止部123を解錠する。鍵管理装置100は、係員が収納する鍵200を受け入れる。
[ステップS14]鍵管理装置100は、タグリーダ122で鍵200が備えるタグ201から鍵識別情報を読み出す。
[ステップS15]鍵管理装置100は、ステップS14でタグ201から読み出した情報と設定情報600に基づき、表示部125に収納番号、行先、鍵200の収納状態を表示する。
本ステップの処理について、さらに詳しく説明する。まず、鍵管理装置100は、収納番号表示部125aおよび行先表示部125bに、設定情報600に含まれる収納番号および行先を収納番号順に表示する。次に、鍵管理装置100は、タグリーダ122aで読み出した鍵識別情報と、設定情報600の収納番号「1」のエントリの鍵識別情報「H023」とを比較する。鍵管理装置100は、比較結果として鍵識別情報が一致した場合、収納番号「1」を表示した収納番号表示部125aに対応する鍵状態表示部125cを緑色に点灯する。鍵管理装置100は、比較結果として鍵識別情報が不一致である場合、収納番号「1」を表示した収納番号表示部125aに対応する鍵状態表示部125cを赤色に点灯する。鍵管理装置100は、タグリーダ122aで鍵識別情報が読み出せない場合、収納番号「1」を表示した収納番号表示部125aに対応する鍵状態表示部125cを消灯する。
このようにして、鍵管理装置100は、収納番号「2」以降に収納された鍵200も同様に、鍵識別情報が一致する場合「緑色」、不一致である場合「赤色」、鍵識別情報が読み取れない場合「消灯」を行うことで、鍵状態表示部125cに鍵200の収納状態を示す。なお、鍵管理装置100における鍵状態を示す点灯方法は、一例であり、その他の色彩で点灯や点滅を行ってもよい。
係員は、鍵状態表示部125cの点灯状態(緑色の点灯、赤色の点灯、消灯)を目視することで、設定情報600に基づき鍵200が正しく収納されたか否かを確認することができる。
[ステップS16]鍵管理装置100は、収納番号と鍵識別情報が整合するか否かを判定する。言い換えると、鍵管理装置100は、設定情報600に登録された収納番号および鍵識別情報と、タグリーダ122を用いてタグ201から読み出した鍵識別情報とが一致するか否かを判定する。たとえば、鍵管理装置100は、設定情報600の収納番号「1」のエントリの鍵識別情報「H023」と、タグリーダ122aで読み出した鍵識別情報とを比較し、一致するか否かを判定する。鍵管理装置100は、収納番号「2」のエントリの鍵識別情報「K095」と、タグリーダ122bで読み出した鍵識別情報とを比較し、一致するか否かを判定する。鍵管理装置100は、収納番号「3」以降も同様に、設定情報600の鍵識別情報とタグリーダ122c,…で読み出した鍵識別情報とが一致するか否かを判定する。
鍵管理装置100は、鍵識別情報が整合しない場合(ステップS16「No」の場合)は、不整合の収納番号および鍵識別情報をサーバ300に送信し、ステップS13にすすむ。鍵管理装置100は、鍵識別情報が整合する場合(ステップS16「Yes」の場合)、収納完了の旨をサーバ300に送信し、ステップS18にすすむ。
[ステップS17]サーバ300は、鍵管理装置100から受信した情報と受信した情報に基づく指示をディスプレイ314aに表示する。たとえば、サーバ300は、不整合の収納番号および鍵識別情報を受信した場合、受信した情報とともに「鍵を正しく収納してください。」という指示をディスプレイ314aに表示する。また、サーバ300は、収納完了の旨を受信した場合、受信した情報とともに「鍵の収納が正しく終了しました。鍵ボックス蓋の施錠後、最初の行先の表示を確認の上で、ネットワークから切り離し、警送してください。」という指示をディスプレイ314aに表示する。
[ステップS18]鍵管理装置100は、鍵係止部123を施錠する。
[ステップS19]鍵管理装置100は、鍵ボックス蓋131が閉じられたことを検知し、蓋錠部121を施錠する。
[ステップS20]鍵管理装置100は、最初の行先を強調表示し、処理を終了する。具体的には、鍵管理装置100は、表示部125のうち、収納番号「1」および対応する行先を他の表示とは異なる表示とし、処理を終了する。
次に、第2の実施形態の警送中鍵管理処理について図8を用いて説明する。図8は、第2の実施形態の警送中鍵管理処理のフローチャートの一例を示す図である。
警送中鍵管理処理は、鍵管理装置100が警送中において、設定情報600に基づき鍵ボックス蓋131や鍵係止部123の解錠および施錠や、表示部125の表示を行う処理である。
鍵管理装置100の鍵管理制御部110(プロセッサ311)は、図7で説明したように設定情報600を記憶部に記憶し、鍵200を収納し、鍵係止部123および鍵ボックス蓋131を施錠し、最初の行先を点灯した後、警送中鍵管理処理を実行する。
[ステップS31]鍵管理制御部110は、GPS124を介して現在位置の位置情報を取得し、設定情報600に含まれる現在の行先の位置情報と一致するか否かを判定する。
ここで、現在の行先とは、本ステップを初回に実行する場合、設定情報600に含まれる収納番号「1」と対応する行先である。次に本ステップを実行する場合、現在の行先とは、次の順序である収納番号「2」と対応する行先となる。収納番号「3」以降も同様に、原則として、設定情報600に登録された収納番号の順序に従い現在の行先が定まるものとする。例外として、設定情報600において同一の位置情報が連続する場合は、連続する位置情報の次の位置情報を現在の行先の位置情報として取得する。たとえば、設定情報600において、行先「支店D」(収納番号「4」および「5」)の次の行先は「金融機関E」(収納番号「6」)となる。
また、位置情報の一致の判定は、予め定められた誤差の範囲内(たとえば、+−2%)であれば一致と判定してもよく、設定情報600に含まれる位置情報と完全一致でなくともよい。
[ステップS32]鍵管理制御部110は、蓋錠部121の解錠処理を受け付ける。言い換えると、鍵管理制御部110は、入力部126を介して蓋錠部121の解錠処理を認証するためのパスワードを係員から受け付ける。
[ステップS33]鍵管理制御部110は、解錠処理が適切か否かを判定する。鍵管理制御部110は、予めHDD113等の記憶部に記憶したパスワードと、入力部126から入力されたパスワードとが一致する場合(認証結果が整合した場合)に解錠処理が適切であると判定し、ステップS34にすすむ。鍵管理制御部110は、パスワードが不一致である場合、解錠処理が不適切であると判定し、ステップS32にもどる。
[ステップS34]鍵管理制御部110は、蓋錠部121を解錠する。
[ステップS35]鍵管理制御部110は、現在位置の位置情報と対応する収納番号の鍵係止部123を解錠する。なお、鍵管理制御部110は、現在位置と対応する収納番号が2以上存在する場合、2以上の鍵係止部123を解錠する。たとえば、鍵管理制御部110は、現在位置の位置情報が行先「支店D」の位置情報と一致する場合、収納番号「4」および「5」と対応する鍵係止部123d,123eが備えるキーホルダーをそれぞれ解錠する。
係員は、収納された鍵200を取り出し、目的地(行先)における入出金機や金庫を解錠し、現金回収の作業を行う。係員は、現金回収の作業終了後に使用した鍵200を鍵管理装置100に収納するものとする。
[ステップS36]鍵管理制御部110は、タグリーダ122を介して鍵200が備えるタグ201から鍵識別情報を読み出す。
[ステップS37]鍵管理制御部110は、ステップS36で読み出した鍵識別情報と記憶部に記憶した設定情報600に基づいて鍵状態表示部125cを点灯する。鍵管理制御部110は、設定情報600に登録された収納番号および鍵識別情報と収納番号に対応するタグリーダ122で読み出した鍵識別情報とを比較して一致した場合、収納番号に対応する鍵状態表示部125cを緑色に点灯する。鍵管理制御部110は、設定情報600に登録された収納番号および鍵識別情報とタグリーダ122で読み出した鍵識別情報とを比較して一致しない場合、収納番号に対応する鍵状態表示部125cを赤色に点灯する。鍵管理装置100は、タグリーダ122で鍵識別情報が読み出せない場合、収納番号に対応する鍵状態表示部125cを消灯する。
[ステップS38]鍵管理制御部110は、鍵200が正しく収納されているか否かを判定する。鍵管理制御部110は、設定情報600に登録された収納番号および鍵識別情報と、識別番号に対応するタグリーダ122で読み出した鍵識別情報とを比較して一致した場合、鍵200が正しく収納されていると判定する。鍵管理制御部110は、鍵200が正しく収納されている場合はステップS40にすすみ、正しく収納されていない場合(鍵識別情報が不一致である場合)はステップS39にすすむ。
[ステップS39]鍵管理制御部110は、エラー音声をスピーカー127から出力する。たとえば、鍵管理制御部110は、収納番号「1」に収納された鍵200の鍵識別情報が不一致である場合、「収納番号1番の鍵が不一致です。鍵を正しく収納してください。」という音声を出力するようスピーカー127に指示する。
[ステップS40]鍵管理制御部110は、鍵係止部123と鍵ボックス蓋131を施錠する。なお、鍵管理制御部110は、2以上の鍵係止部123を解錠した場合、2以上の鍵係止部123を施錠する。また、鍵管理装置100は、鍵ボックス蓋131が閉じられたことを検知し(鍵ボックス蓋131の閉鎖を検知し)、蓋錠部121を施錠する。
[ステップS41]鍵管理制御部110は、次の行先が存在するか否かを判定する。鍵管理制御部110は、現在の位置情報に対応する収納番号に「1」を加算した値が収納番号の末尾の値よりも小さい場合、次の行先が存在すると判定する。鍵管理制御部110は、現在の位置情報に対応する収納番号に「1」を加算した値が収納番号の末尾の値よりも大きい場合、次の行先が存在しないと判定する。
なお、鍵管理制御部110は、現在の収納番号に対応する位置情報と、次の収納番号に対応する位置情報が同一である場合(設定情報600において同一の位置情報が連続する場合)、異なる位置情報を収納番号の昇順にサーチする。鍵管理制御部110は、設定情報600をサーチし、現在の収納番号以降に、現在の位置情報と異なる位置情報が存在しない場合、次の行先が存在しないと判定する。鍵管理制御部110は、設定情報600をサーチし、現在の収納番号以降に、現在の行先の位置情報と異なる位置情報が存在する場合、次の行先が存在すると判定する。
鍵管理制御部110は、次の行先が存在する場合はステップS42にすすみ、次の行先が存在しない場合は処理を終了する。
なお、処理の終了時において、鍵管理制御部110は、設定情報600を暗号化して記憶部に保存した状態を保つことが可能である。これにより、鍵管理制御部110は、設定情報600に登録された警送ルートを再度用いる場合に備えるとともに、設定情報600のセキュリティを保つことが可能となる。
また、処理の終了時において、鍵管理制御部110は、通信インタフェース114を介してデータ消去の指示を受け付け、設定情報600を記憶部から消去することも可能である。これにより、鍵管理制御部110は、設定情報600に登録された警送ルートを再度用いることが無い場合にデータを消去することにより、設定情報600のセキュリティを保つことが可能となる。
[ステップS42]鍵管理制御部110は、収納番号表示部125aおよび行先表示部125bの次の行先を強調表示し、現在の行先を通常表示し、ステップS31にすすむ。鍵管理制御部110は、次の行先について強調表示を行うことにより、行先についての注意喚起とともに、警送ルートの誤りの低減を図る。
たとえば、現在の行先が「店舗A」であり、収納番号表示部125aおよび行先表示部125bにおいて現在の行先に対応する収納番号「1」および行先「店舗A」が強調表示されているものとする。鍵管理制御部110は、設定情報600に基づき、収納番号表示部125aおよび行先表示部125bに、次の行先「金融機関B」と対応する収納番号「2」および行先「金融機関B」の表示態様について強調表示を行う指示を行う。鍵管理制御部110は、収納番号表示部125aおよび行先表示部125bに、現在の行先「店舗A」と対応する収納番号「1」および行先「店舗A」の表示態様について通常表示を行う指示を行い、ステップS31にすすむ。
このように、鍵管理制御部110は、現在位置に基づいて鍵ボックス蓋131の解錠を受け付けるか否かを判定する。これにより、鍵管理装置100は、目的地以外の場所で鍵200を取り出すことを制限することで、鍵200の盗難や紛失を回避することができる。
また、鍵管理制御部110は、目的地に対応する鍵係止部123のみを解錠し、鍵200が正しく収納されたことを確認後に鍵係止部123と鍵ボックス蓋131を施錠する。これにより、鍵管理装置100は、目的地で使用する鍵200のみを取り出し可能とし、その他の鍵200については取り出しを不可とできる。また、鍵管理装置100は、鍵200が正しく収納されたか否かを示す収納状態を鍵状態表示部125cに表示することで、鍵200を収納する際の取り違えを防止することができる。
こうして、鍵管理装置100は、GPS124を介して取得した現在位置に基づき、鍵ボックス蓋131および鍵係止部123の解錠および施錠を行い、表示部125によって目的地および鍵状態を表示できる。これにより、鍵管理装置100は、係員による鍵200の取り違え等の人為的ミスを回避するとともに、鍵200の収納ミスが生じた場合であっても表示部125によって鍵200の収納状態を報知するため係員に注意を促すことができる。
このように、鍵管理装置100は、鍵200を警送して用いる際におけるセキュリティの向上を図ることができる。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、鍵管理装置10,100、サーバ300が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録することができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、DVD、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO等がある。
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP、ASIC、PLD等の電子回路で実現することもできる。