JP2020145450A - 基板を保持するための保持構成、基板を支持するためのキャリア、真空処理システム、基板を保持するための方法、及び基板を解放するための方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】堆積プロセス中のより大きな更により薄い基板に対してくわえられる応力による基板の***を低減させ、かつ損傷や破壊なしに、より大きく、より薄い基板を支持することのできる基板保持構成、基板支持キャリア、基板保持方法、基板開放方法を提供する。【解決手段】基板を保持するための保持構成(100)は、第1のサイド(112)を有する本体部分(110)、本体部分(110)の第1のサイド(112)に設けられた乾燥接着剤(120)、乾燥接着剤(120)を取り囲み且つ第1のサイド(112)に真空領域を設けるように構成され、乾燥接着剤(120)が真空領域内に設けられているシール(130)及び真空領域を排気する導管(140)を備える。【選択図】図2
Description
本開示の実施形態は、基板を保持するための保持構成、基板を支持するためのキャリア、真空処理システム、基板を保持するための方法、及び基板を解放するための方法に関する。本開示の実施形態は、特に、真空処理チャンバ内で基板処理中に基板を保持するための保持構成、真空処理チャンバ内で基板を支持するためのキャリア、真空処理チャンバを含む真空処理システム、真空処理チャンバ内で基板処理中に基板を保持するための方法、及び真空処理チャンバ内で基板処理後に基板を解放するための方法に関する。特に、基板処理は、スパッタ堆積プロセスなどの堆積プロセスを含み得る。
基板上での層堆積のための技術は、例えば、熱蒸散(thermal evaporation)、化学気相堆積(CVD)、及びスパッタ堆積などの物理的気相堆積(PVD)を含む。スパッタ堆積プロセスは、基板上に絶縁材料の層などの材料層を堆積させるために使用され得る。スパッタ堆積プロセス中に、基板上に堆積されるべきターゲット材料を有するターゲットは、プラズマ領域で生成されたイオンが衝突して、ターゲットの表面からターゲット材料の原子が除去される。除去された原子が、基板上で材料層を形成し得る。反応性スパッタ堆積プロセスでは、除去された原子が、プラズマ領域内のガス、例えば、窒素又は酸素と反応して、基板上にターゲット材料の酸化物、窒化物、又は酸窒化物を生成することができる。
被覆された材料は、幾つかの用途や幾つかの技術分野で使用することができる。例えば、被覆された材料は、半導体デバイス製造などのマイクロエレクトロニクス分野で使用され得る。ディスプレイ用基板も、PVDプロセスを使用して被覆され得る。更なる用途には、絶縁パネル、有機発光ダイオード(OLED)パネル、薄膜トランジスタ(TFT)を有する基板、カラーフィルタなどが含まれる。
より大きな更により薄い基板に向かう傾向は、例えば、堆積プロセス中の基板に加えられる応力による基板の***をもたらし得る。堆積プロセス中に基板を保持する支持システムは、例えば、基板の端部を基板の中心に向けて押す力による基板の***を導入する。***は、次に、破損の可能性を高めることによる問題をもたらし得る。したがって、***を低減させること、及び損傷や破壊なしにより大きくより薄い基板を支持することが必要である。
上述の観点から、当該技術分野における問題のうちの少なくとも幾つかを克服する、真空処理チャンバ内で基板処理中に基板を保持するための新しい保持構成、真空処理チャンバ内で基板を支持するための新しいキャリア、新しい真空処理システム、基板を保持するための新しい方法、及び基板を解放するための新しい方法が有益である。
上述のことに照らしてみると、基板を保持するための保持構成、基板を支持するためのキャリア、真空処理システム、基板を保持するための方法、及び基板を解放するための方法が提供される。本開示の更なる態様、利点、及び特徴は、特許請求の範囲、明細書の説明、及び添付図面から明らかになる。
本開示の一態様によれば、特に、真空処理チャンバ内で基板処理中に基板を保持するための保持構成が提供される。保持構成は、第1のサイドを有する本体部分、本体部分の第1のサイドに設けられた乾燥接着剤、接着剤を取り囲み且つ第1のサイドに真空領域を設けるように構成されたシールであって、乾燥接着剤が真空領域内に設けられている、シール、及び真空領域を排気する導管を含む。
本開示の更なる一態様によれば、真空処理チャンバ内で基板処理中に基板を保持するための保持構成が提供される。保持構成は、第1のサイドを有する本体部分、本体部分の第1のサイドに設けられ且つ複数のフィラメントを備えた乾燥接着剤、接着剤を取り囲み且つ第1のサイドに真空領域を設けるように構成されたシールであって、乾燥接着剤が真空領域内に設けられている、シール、及び真空領域を排気する導管を含み、導管は、真空領域に第1の負圧を加えて基板を取り付けるように構成され、導管は、真空領域に第2の負圧を加えて基板を本体部分のより近くに移動させ、複数のフィラメントを曲げて(buckle)、基板を解放するように構成されている。
本開示の別の一態様によれば、特に、真空処理チャンバ内で基板を支持するためのキャリアが提供される。キャリアは、キャリア本体、及び1以上の保持構成を含み、1以上の保持構成は、キャリア本体に取り付けられている。保持構成は、第1のサイドを有する本体部分、本体部分の第1のサイドに設けられた乾燥接着剤、接着剤を取り囲み且つ第1のサイドに真空領域を設けるように構成されたシールであって、乾燥接着剤が真空領域内に設けられている、シール、及び真空領域を排気する導管を含む。
本開示の更なる一態様によれば、真空処理システムが提供される。真空処理システムは、キャリアを含む。キャリアは、キャリア本体、及び1以上の保持構成を含み、1以上の保持構成は、キャリア本体に取り付けられている。保持構成は、第1のサイドを有する本体部分、本体部分の第1のサイドに設けられた乾燥接着剤、接着剤を取り囲み且つ第1のサイドに真空領域を設けるように構成されたシールであって、乾燥接着剤が真空領域内に設けられている、シール、及び真空領域を排気する導管を含む。
本開示の一態様によれば、乾燥接着剤を含む少なくとも1つの保持構成を用いて基板を保持するための方法が提供される。該方法は、基板を少なくとも1つの保持構成に取り付けるために少なくとも1つの保持構成の真空領域に第1の負圧を加えること、真空処理チャンバを通して基板を移動させること、及び基板を少なくとも1つの保持構成から解放するために少なくとも1つの保持構成の真空領域に第2の負圧を加えることを含む。
本開示の別の一態様によれば、基板を少なくとも1つの保持構成から解放するための方法が提供される。該方法は、基板を解放するために、基板を乾燥接着剤に押し付ける力を増加させるように、少なくとも1つの保持構成の真空領域内の真空レベルを高めることを含む。特に、真空領域内の真空レベルを高めることは、真空領域内の圧力を低減させることと理解され得る。
実施形態は、本開示の方法を実行するための装置も対象としており、各説明される方法態様を実行するための装置部分を含む。これらの方法態様は、ハードウェア構成要素を用いて、適切なソフトウェアによってプログラミングされたコンピュータを用いて、これらの2つの任意の組合せによって、又はそれ以外の任意のやり方で実行され得る。更に、本開示による実施形態は、説明される装置を操作するための方法も対象とする。説明される装置を操作するための方法は、装置のあらゆる機能を実施するための方法態様を含む。
本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、実施形態を参照することによって、上で簡単に概説した本開示のより具体的な説明を得ることができる。添付の図面は本開示の実施形態に関連し、以下の記述において説明される。
ここから、本開示の種々の実施形態が詳細に参照されることになり、そのうちの1以上の例が図示される。図面に関する以下の説明の中で、同じ参照番号は同じ構成要素を指している。概して、個々の実施形態に対する相違のみが説明される。本開示の説明として各実施例が与えられているが、これは本開示を限定することを意図しているわけではない。更に、一実施形態の部分として図示且つ説明されている特徴を、他の実施形態で用いてもよく、或いは他の実施形態と併用してもよい。それにより、更に別の実施形態が生み出される。本説明には、このような修正例及び変形例が含まれることが意図されている。
より大きな更により薄い基板に向かう傾向は、例えば、堆積プロセス中の基板に加えられる応力による基板の***をもたらし得る。堆積プロセス中に基板を保持するクランプなどの支持システムは、例えば、基板の端部を基板の中心に向けて押す力による基板の***を導入する。***は、次に、破損の可能性を高めることによる問題をもたらし得る。
更に、クランプは、通常、基板を覆い、すなわち、基板の2つの表面の両側で基板と接触する。例えば、堆積プロセス中に、これらの2つの表面のうちの一方の上に層が堆積される。クランプが基板の一部分をカバーするので、基板のその部分には層が堆積されない。更に、クランプは、機械的接触によって基板表面に損傷を与え得る。例えば、機械的接触によって粒子が生成され得る。堆積プロセス中にクランプが使用されない場合でさえも、堆積プロセス後の堆積した層の機械的接触は、基板に損傷を与え得る。したがって、特に、堆積プロセスにおいて、基板の1つの表面、特に、処理される基板の表面と機械的に接触することは避けることが有益であり得る。本明細書で説明される一部の実施形態を実施するときに、生成される粒子は低減され得る。
本開示は、基板を乾燥接着剤に向けて引っ張る第1の吸引力を生成するために、第1の負圧又は第1の真空レベルを使用することができる。一旦、基板と乾燥接着剤との間で接触がなされると、基板は、乾燥接着剤の接着力によって乾燥接着剤上に保持され得る。特に、基板と乾燥接着剤との間で接着が確立されてしまったときに、第1の負圧はオフにされ得る。基板を解放するために、基板を乾燥接着剤に向けて引っ張る第2の吸引力を生成するように、第2の負圧又は第2の真空レベルが使用され得る。第2の吸引力は、第1の吸引力よりも高くなり得る。特に、基板は、乾燥接着剤のより近くへ押し付けられ得る。それは、乾燥接着剤の曲がりをもたらし得る。乾燥接着剤の接着力は、乾燥接着剤が曲げられたときにより低くなり得る。そして、基板は解放され得る。基板は、低減された機械的応力を伴って乾燥接着剤から解放され得る。基板の損傷又は破壊が、妨げられ得る。更に、乾燥接着剤は、基板を保持するときの***、例えば、基板の端部を基板の中心に向けて押し得る力による***を、低減させ又は避けることさえできる。更に、吸引力により乾燥接着剤に向けて基板を引っ張ることによって、反対側の基板の表面が乾燥接着剤に接触することを避けることができる。特に、本開示の実施形態は、損傷又は破壊なしに、より大きくより薄い基板を保持することができる。
本明細書で説明される実施形態は、例えば、ディスプレイ製造のための大面積基板上への蒸着用に利用することができる。具体的には、そのために本明細書で説明される実施形態に従って構造及び方法が提供されるところの基板又はキャリアが、大面積基板である。例えば、大面積基板又はキャリアは、約0.67m2の基板(0.73×0.92m)に対応するGEN4.5、約1.4m2の基板(1.1m×1.3m)に対応するGEN5、約4.29m2の基板(1.95m×2.2m)に対応するGEN7.5、約5.7m2の基板(2.2m×2.5m)に対応するGEN8.5、又は約8.7m2の基板(2.85m×3.05m)に対応するGEN10とさえすることができる。GEN11及びGEN12のような更に大きな世代、並びにそれに相当する基板面積を同様に実装してもよい。
本明細書で使用される際に「基板」という用語は、フレキシブルでない基板、例えば、プレート、及び、ウェブ又はフォイルなどのフレキシブル基板を包含し得る。一実施例として、基板は、1mm未満、特に、0.7mm未満、及び、更に特に、50μm未満の厚さを有し得る。一実施例として、基板は、0.3mmから0.7mmの範囲内の厚さを有し得る。ある実施形態によれば、基板は、材料堆積のために適切な任意の材料から作られ得る。例えば、基板は、堆積プロセスによって被覆できる、ガラス(例えば、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラスなど)、金属、ポリマー、セラミック、複合材料、炭素繊維材料、マイカ、若しくは任意の他の材料、又は材料の組合せから成る群から選択された材料から作られてもよい。
図1は、本明細書で説明される実施形態による、特に、真空処理チャンバ内で基板処理中に基板を保持するための保持構成100の概略図を示している。
保持構成100は、第1のサイド112を有する本体部分110を含み得る。乾燥接着剤120が、本体部分110の第1のサイド112に設けられ得る。シール130が、乾燥接着剤120を取り囲み、第1のサイド112に真空領域を設けるように構成され得る。乾燥接着剤120は、真空領域内に設けられ得る。更に、真空領域を排気するために、導管140(図2参照)が設けられ得る。
特に、導管140は、開口部142を有し得る。開口部142は、真空領域内に配置され得る。例えば、開口部142は、真空領域の中心に配置され得る。更に、2以上の開口部142が設けられ得る。例えば、2以上の開口部は、真空領域にわたりランダムに又は規則的に分配され得る。本明細書で説明される一部の実施形態によれば、導管140は、真空領域に負圧を加えるための吸引ポートと連結されるように構成され得る。導管140は、本体部分110を貫通するように構成され得る。特に、導管140は、第1のサイド112に設けられた真空領域と本体部分110の別の1つのサイドとの間に流体連通を提供するように構成され得る。別の1つのサイドは、第1のサイド112の反対側の本体部分110のサイド(例えば、図2参照)、又は第1のサイド112に繋がっている本体部分110のサイドなどである。
典型的に、「圧力」は、単位面積当たりの力として定義され、通常、均一な表面への空気又は水などの流体によって加えられる力として理解され得る。したがって、圧力は正である。したがって、本明細書で使用される「負圧」に対する値は、ゼロバールを指すものであり得る。しかし、本開示の文脈で使用される際に、「負圧」の用語は、真空領域などの閉じた容積が、周りよりも低い圧力を有する状況を指し得る。このエリア(真空領域)とその真空領域の周りのより高圧力のエリアとの間の分割における任意の妥協は、物質が内部に流れることをもたらし得る。したがって、真空領域の周りのより高圧力のエリア内に配置された物体は、負圧により生成され得る吸引力によって真空領域の中へ引き込まれ得る。本開示の文脈において、「吸引力」の値に言及するときに、それは、物質10などの物体に作用する「吸引力」の値を意味し得る。特に、それらの値によって2以上の「吸引力」を比較するときに、その比較は、基板をある方向へ移動させる、特に、引っ張るために、基板10などの物体に作用する力に関するものとして理解され得る。この文脈では、「第2の吸引力が第1の吸引力よりも大きい」というようなフレーズが、第2の吸引力は、第1の吸引力よりも、基板10などの物体に、より強い引っ張る力を用いることができる、というように理解され得る。真空の特定のレベルを有する真空領域の文脈では、負圧によって生成された「吸引力」が、周りのものが物体を真空領域に向けて押す押圧力としても理解され得る。すなわち、「吸引力」という用語は、本出願書類全体を通じて使用されているが、当業者は、周りのものによって物体に加えられる押圧力を意味し得ることを理解するだろう。したがって、「負圧」は、「周囲領域内の圧力より下の真空領域内の圧力」、例えば、「大気圧よりも小さい真空領域内の圧力」を指し得る。
更に、「真空レベル」と言う用語は、負圧によって生成される真空のレベルとして理解され得る。この文脈では、より小さい負圧が、より高い「真空レベル」をもたらし得る。そして、より高い「真空レベル」が、より小さい負圧をもたらし得る。すなわち、「第2の負圧が第1の負圧よりも小さい」という関係は、対応する第1の真空レベルよりも高い対応する第2の真空レベルを有するとして理解され得る。特に、より高い真空レベルが加えられたときに、真空領域内の圧力は、より低くなり得る。
図2は、基板10に対面する、本明細書で説明される実施形態による、保持構成100の概略的な断面図を示している。
図2で示されるように、基板10に対面する保持構成100が提供され得る。特に、保持構成100は、本体部分110の第1のサイド112が基板10に対面するやり方で提供され得る。特に、基板10に対面する乾燥接着剤120を有する保持構成100が配置され得る。
本明細書で説明される一部の実施形態によれば、乾燥接着剤120は、ヤモリ(gecko)テープ又はヤモリ要素などの、ヤモリ接着剤であり得る。本開示の文脈では、「ヤモリ接着剤」が、例えば、垂直表面などの表面に接着するヤモリの脚の能力を模倣した接着剤として理解され得る。特に、乾燥接着剤120は、乾燥接着剤120と基板10の表面との間のファンデルワールス力によって基板10と接着するように構成され得る。しかし、本開示は、それに限定されることなく、基板10を保持するために適切な他の接着剤が使用されてもよい。
本明細書で説明される一部の実施形態によれば、乾燥接着剤120が、合成剛毛材料であり得る。特に、合成剛毛材料の乾燥接着剤120の接着機能は、ヤモリの脚の接着特性に関連するものであり得る。ヤモリの脚の天然の接着機能は、その動物がほとんどの条件下で多くの種類の表面に接着することを可能にする。ヤモリの脚の接着機能は、ヤモリの脚の剛毛と呼ばれる数多くの毛の種類のエクステンションによって提供される。ここで、「合成剛毛材料」という用語は、ヤモリの脚の天然の接着機能を模倣し且つヤモリの脚と類似する接着機能を含む、合成材料として理解され得ることに注意されたい。更に、「合成剛毛材料」という用語は、「合成ヤモリ剛毛材料」又は「ヤモリテープ材料」といった用語と同義に使用され得る。しかし、本開示は、それらに限定されることなく、基板10を保持するために適切な他の乾燥接着剤が使用されてもよい。
乾燥接着剤120、例えば、合成剛毛材料は、無機であり得る。本明細書で説明される一部の実施形態によれば、乾燥接着剤120は、実質的に100%無機であり得る。更に、乾燥接着剤120の微細構造は、ナノチューブを含み得る。本明細書で説明される一部の実施形態によれば、乾燥接着剤120の微細構造は、カーボンナノチューブを含む。
図2で示されているように、乾燥接着剤は、複数のフィラメント122を含み得る(図2では、例示目的のみで、1つのフィラメントだけが参照符号122によって指定されている)。例えば、フィラメント122は、ナノチューブ又はカーボンナノチューブであり得る。複数のフィラメント122の各々は、実質的に長手方向部材であり得る。特に、複数のフィラメント122の各々は、残りの2次元の寸法よりも大きい又は実質的に大きい1次元の寸法を有し得る。参照のために、フィラメント122の最も長い寸法が、フィラメントの長さであり得る。すなわち、フィラメントは、長さ方向に沿って細長くなり得る。
各フィラメント122は、一端が、本体部分110の第1のサイド112に取り付けられ得る。特に、各フィラメント122は、長さ方向に沿って延在するように、一端が、本体部分110の第1のサイド112に取り付けられ得る。各フィラメント122は、本体部分110の第1のサイド112から延在し得る。特に、各フィラメント122は、長さ方向に沿って、本体部分110の第1のサイド112から延在し得る。すなわち、各フィラメント122は、本体部分に対する、特に、本体部分の第1のサイド112に対する取り付けから自由な第2のサイドを有し得る。各フィラメント122の第2のサイドは、本体部分110から、特に、本体部分110の第1のサイド112から離れるように延在し得る。各フィラメント122の第2のサイドは、特に、長さ方向に沿って、それぞれのフィラメント122の第1のサイドとは反対側にあり得る。
本明細書で開示される一部の実施形態によれば、各フィラメント122の第2のサイドは、基板10と取り付け可能に構成され得る。特に、各フィラメント122の第2のサイドは、本明細書で概説されるように、ファンデルワールス力によって基板10と接着するように構成され得る。
図2で更に示されるように、シール130が、本体部分110、特に、本体部分の第1のサイド112の円周に沿って配置され得る。シール130は、シール130の第1のサイドを用いて本体部分110に取り付けられ得る。シール130の第2のサイドは、特に、フィラメント122の長さ方向に沿って、本体部分110から離れるように延在し得る。本明細書で説明される一部の実施形態によれば、シール130は、フィラメント122の長さに相当する又は実質的に相当する高さを有し得る。
図1及び図2で示されているシール130は、乾燥接着剤120を取り囲むようになっているが、乾燥接着剤120は、シール130によって取り囲まれていないエリア内にも設けられ得る。例えば、乾燥接着剤120の第1の部分は、シール130によって範囲を定められたエリア内に配置され得る。そして、乾燥接着剤120の第2の部分は、シール130によって範囲を定められたエリアの外側に配置され得る。特に、シール130は、真空領域の範囲を定め得る。本明細書で説明される一部の実施形態によれば、シール130は、特に、シールが基板10と接触しているときに、周囲環境から真空領域を密封することができる。
本明細書で説明される実施形態によれば、シール130は、乾燥接着剤120と同じ材料を含み得る。更に、シール130は、乾燥接着剤120とは異なる材料から作られ得る。例えば、シール130は、シリコーン、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、及び/又は任意の他の適切な材料を含み、且つ/又は、それらから作られ得る。
図3Aは、基板10が保持構成100に取り付けられた場合の、本明細書で説明される実施形態による、基板10を保持するための保持構成100の概略図を示している。
特に、基板10及び/又は保持構成100は、互いに対して可動に構成され得る。特に、基板10及び/又は保持構成100は、互いに対して非常に接近し得る。本明細書で説明される実施形態によれば、第1の負圧p1を真空領域に加えた条件下で、乾燥接着剤120は、基板10を本体部分110に取り付けるように構成され得る。第1の負圧p1を真空領域に加えることによって、第1の真空レベルが、真空領域内で生成し得る。特に、第1の負圧p1は、1バール以下であり得る。
本明細書で説明される実施形態によれば、第1の負圧p1は、第1の吸引力F1を生成することができる。第1の吸引力F1は、基板10を保持構成100に向けて引っ張ることができる。特に、第1の吸引力F1は、基板10を保持構成100に向けて引っ張り、基板10を乾燥接着剤120と接触するように運ぶことができる。基板10が、乾燥接着剤120と接触したときに、基板10は、乾燥接着剤120の接着力によって保持構成100に取り付けられ得る。すなわち、第1の負圧p1が使用されて、基板10及び/又は保持構成100を、基板10と保持構成100とのうちの他方の方向へ引っ張るための第1の吸引力F1を生成し、それによって、乾燥接着剤120が基板に取り付けられ得る。
本明細書で説明される実施形態によれば、第1の負圧p1及び/又は第1の吸引力F1は、基板10と保持構成100との取り付けが確立されてしまったとき又は一旦確立されてしまうと、オフにされ得る。本明細書で説明される実施形態によれば、乾燥接着剤120によって提供される接着力は、基板10を保持するために十分であり得る。特に、例えば、ポリマー材料を水平に保持するために、乾燥接着剤120によって提供される接着力は、例えば、約5N/cm2であり得る。基板10を保持構成100と実質的に取り付けてしまったら、基板10の処理が実行され得る。例えば、基板10は、真空処理チャンバを通って移動し得る。
本明細書で概説されるように、シール130は、本体部分110の第1のサイド112に真空領域を設けるように構成され得る。特に、シール130は、第1の負圧p1によって排気される領域、すなわち、真空領域の範囲を定めることができる。更に、真空領域のサイズ及び/又は真空領域に加えられる負圧のサイズは、吸引力を生成するために所定の値に適合され且つ/又は設定され得る。特に、真空領域がより大きくなると、同じ吸引力を生成するために、負圧がより高くなるはずである。そして、負圧がより高くなると、同じ吸引力を生成するのに、より大きな真空領域を設けることが必要である。
本明細書で説明される実施形態によれば、本明細書で概説されるように、基板10と保持構成100の取り付けは、非真空条件下で実行され得る。本明細書で使用される際に、「非真空条件」は、真空レベルから区別される特定の圧力を有する任意の環境条件として理解され得る。例えば、「非真空条件」は、大気圧などの大気条件、又は実質的に大気圧などの実質的に大気条件として理解される。更に、「非真空条件」は、「真空条件」から区別されるように理解される。それは、「非真空条件」下では、「真空条件」下よりも高い圧力が存在することを意味する。
図3Bは、基板10が保持構成100から解放される場合の、本明細書で説明される実施形態による、基板10を保持するための保持構成100の概略図を示している。
乾燥接着剤120の接着力によって基板10が保持構成100に取り付けられると、基板10は、特に、基板10の処理後に、保持構成100から解放され得る。例えば、保持構成100から離れるように基板10を押すための可動部材が設けられ得る。しかし、そのような可動部材は、更なる要素と費用を含む。更に、そのような可動部材により保持構成100から離れるように基板を押すことによって、基板10内に機械的応力が誘起され得る。
本明細書で説明される実施形態によれば、第2の負圧p2を真空領域に加えた条件下で、乾燥接着剤120は、基板10を本体部分110から解放するように構成され得る。第2の負圧p2を真空領域に加えることによって、第2の真空レベルが、真空領域内で生成し得る。特に、基板を乾燥接着剤120に押し付ける力が、増加され得る。すなわち、乾燥接着剤120の接着力に対して、第2の負圧p2によって生成され得る第2の吸引力F2を加えることによって、基板10は、保持構成100から解放され得る。基板10は、低減された機械的応力を伴って、保持構成100、特に、乾燥接着剤120から解放され得る。本明細書で説明される一部の実施形態を実施するときに、基板の損傷又は破壊が妨げられ得る。更に、基板を保持構成から解放するために更なる部品が必要とされない。特に、第2の負圧p2は、第1の負圧p1以下であり、且つ/又はゼロバール以上であり得る。
本明細書で説明される実施形態によれば、第2の負圧p2は、基板10を乾燥接着剤120に押し付ける力を増加させるために加えられ得る。本明細書で説明される実施態様によれば、第2の負圧p2は、第1の負圧p1よりも小さくなり得る。すなわち、第2の負圧p2の値は、第1の負圧p1の値よりもゼロに近くなり得る。特に、1バール>p1>p2>0バールという関係が、事実に合致し得る。特に、第2の吸引力F2は、第1の吸引力F1よりも大きくなり得る。基板10は、特に、第2の負圧p2によって、保持構成100に向けて、特に、本体部分110に向けて移動され得る。例えば、基板10は、第2の吸引力F2によって、本体部分110に向けて引っ張られ得る。第2の吸引力F2は、第2の負圧p2によって生成され得る。
本明細書で説明される実施形態によれば、乾燥接着剤120は、基板10を本体部分110の方向へ移動させることによって、基板10を本体部分110から解放するように構成され得る。特に、乾燥接着剤120は、基板10を本体部分110に向けて移動させることによって、基板10を本体部分110から解放するように構成され得る。図3Bで示されているように、基板10を本体部分110に向けて、すなわち、本体部分110のより近くへ移動させることによって、乾燥接着剤120内に構造変化(conformational change)が誘起され得る。特に、乾燥接着剤120は、乾燥接着剤120の幾何学的形状を変化させるように強いられ得る。例えば、乾燥接着剤120のフィラメント122は、曲げられ得る。特に、乾燥接着剤120のフィラメント122を曲げることにより、乾燥接着剤120の幾何学的形状を変化させることによって、乾燥接着剤120の接着力が変化し得る。例えば、基板に作用する乾燥接着剤120の接着力が、変化し得る。特に、基板に作用する乾燥接着剤120の接着力が、減少し得る。
本開示の文脈では、「構造変化」という用語が、高分子(macromolecule)の形状における変化として理解され得る。例えば、「構造変化」という用語は、乾燥接着剤120のフィラメントの形状における変化として理解され得る。
基板10を本体部分のより近くへ移動させたときに、シール130は圧縮され得る。本明細書で説明される実施形態によれば、シール130はフレキシブルであり得る。本明細書で説明される実施形態を実施したときに、シール130は、第2の負圧、すなわち、第2の吸引力F2を加えられて波形になり、シール130の弾性力を生成し得る。シール130の弾性力は、第2の吸引力F2とは反対の方向へ作用し得る。すなわち、第2の吸引力F2は、シール130の弾性力に打ち勝つのに十分な大きさであり得る。更に、本明細書で説明される実施形態を実施するときに、シール130の弾性力は、第1の吸引力F1に対する許容範囲を提供し得る。特に、シール130の弾性力は、基板10を保持構成100に取り付けるときに、第1の吸引力F1に対抗するように働き得る。それによって、基板10は、本体部分110に近付き過ぎることがない。本明細書で説明される実施形態を実施するときに、基板の取り付け中に乾燥接着剤120の構造変化を誘起することは、妨げられ得る。
本明細書で説明される実施形態によれば、本明細書で概説されるように、基板10の保持構成100からの解放は、非真空条件下で実行され得る。更に、基板10を保持構成100に取り付けてしまったら、シール130は、環境からの十分な孤立を提供することができる。それによって、真空領域内で十分な吸引力が生成され、非真空条件下で基板10の保持構成100からの解放を可能にする。
図4及び図5は、それぞれ、本明細書で説明される実施形態による、基板10を支持するためのキャリア200の概略的な上面詳細図と概略的な断面詳細図を示している。図6及び図7は、それぞれ、本明細書で説明される実施形態による、基板10を支持するためのキャリア200の概略的な上面図と概略的な側面図を示している。特に、図4及び図5は、図6における破線の円によって示されているキャリア200の部分の概略的な詳細図を示している。
キャリア200は、キャリア本体210と1以上の保持構成を含み得る。特に、本明細書で説明されるように、1以上の保持構成は、保持構成100であり得る。1以上の保持構成100は、キャリア本体210に取り付けられ得る。例えば、1以上の保持構成100の各々が、支持構造体220に連結され、特に、取り付けられ得る。支持構造体220は、キャリア本体210に連結され、特に、取り付けられ得る。1以上の保持構成100は、基板10をキャリア本体210に保持するように構成され得る。特に、1以上の保持構成100は、保持力を使用して、基板10を保持することができる。保持力は、特に、基板10が実質的に垂直配向にあるときに、基板10の表面と実質的に平行であり得る。保持力は、保持構成100の乾燥接着剤120によって提供され得る。
キャリア200は、基板処理中に、例えば、スパッタリングプロセスなどの層堆積プロセス中に、基板10を支持するように構成され得る。キャリア本体210は、例えば、プレート又はフレームによって提供される表面を使用して、基板10と接触し且つ/又は基板10を支持するように構成されたプレート若しくはフレームを含み、又はそのようなプレート若しくはフレームであり得る。キャリア本体210は、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、ステンレス鋼などを含み且つ/又はそれらから作ることができる。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る、ある実施形態によれば、キャリア本体210は、上棒、横棒、及び下棒などの2以上の要素を含み得る。2以上の要素は、開口部215を画定し得る。ある実施態様によれば、基板10の1以上の部分をマスクするために、マスキングデバイスがキャリア200に設けられ得る。一実施例として、マスキングデバイスは、端部除外マスクであってもよい。
基板10は、第1の表面と第2表面を有し得る。第1の表面と第2の表面は、基板の両側の表面であり得る。第1の表面は、基板10の裏側表面であり得る。一実施例として、第1の表面は、1以上の保持構成に向けて対面するように構成され得る。第2の表面は、基板10の前側表面であり得る第2の表面は、真空処理チャンバ内で処理される側の基板10の表面であり得る。一実施例として、第2の表面は、第2の表面上での層堆積のために構成され得る。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わされ得る、ある実施形態によれば、乾燥接着剤120は、基板10の第1の表面と接触するように構成され得る。本明細書で説明される一部の実施形態を実施するときに、第2の表面、例えば、基板10の堆積表面との接触は低減され又は避けられ得る。堆積プロセス中の層の均一性が改良され得る。
本明細書で説明される一部の実施形態によれば、キャリア200は、例えば、層堆積プロセス中に、実質的に垂直配向において基板10を保持又は支持するように構成され得る。一実施例として、1以上の保持構成100は、実質的に垂直配向において基板10を保持するように構成され得る。本開示全体において使用される際に、「実質的に垂直」は、特に基板の配向を指す場合、垂直方向又は配向から±20度以下(例えば、±10度以下)の偏差を許容することであると理解される。例えば、垂直配向からの幾らかの偏差を有する基板支持体が、より安定した基板位置をもたらし得るので、この偏差が提供され得る。やはり、基板配向、例えば、層堆積プロセス中の基板配向は、実質的に垂直であるとみなされ、水平な基板配向とは異なるとみなされ得る。
基板10は、上側11、下側12、及び2つの横側13(例えば、左側と右側)を有し得る。上側11、下側12、及び2つの横側13は、基板10の垂直配向に対して規定され得る。同様に、キャリア200又はキャリア本体210は、上側、下側、及び2つの横側(例えば、左側と右側)を有し得る。
ある実施態様では、1以上の保持構成100が、キャリア本体210に取り付けられ、基板10の上側11、下側12、及び2つの横側のうちの少なくとも1つを保持することができる。例えば、1以上の保持構成100(例えば、2つの保持構成)が設けられて、上側11を保持することができ、且つ/又は、1以上の保持構成100(例えば、2つの保持構成)が設けられて、下側12を保持することができ、且つ/又は、2以上の保持構成100が設けられて、2つの横側13の各側を保持することができる(例えば、左側のために2つの保持構成と右側のために2つの保持構成)。
本明細書で説明される一部の実施形態によれば、1以上の保持構成100は、基板本体210に取り付けられて、基板10をぶら下げた状態で保持することができる。特に、1以上の保持構成100は、基板10の上側11を保持するように構成され得る。ある実施態様では、基板10が、上側11においてのみ保持される。例えば、キャリア200は、キャリア本体210の上側においてのみ1以上の保持構成100(例えば、2つの保持構成)を含むことができる。
本明細書で説明される一部の実施形態によれば、保持構成100は、基板10の1つの表面上においてのみ基板10と接触するように構成され得る。例えば、保持構成100は、基板の裏側、すなわち、処理されない側の基板10の表面上で基板10と接触するように構成され得る。更に、支持構造体220が、1以上の保持構成100の各々とキャリア本体210との間に設けられ、特に、取り付けられ得る。図7で示されているように、開口部215は、基板10の表面積に相当し、又は基板10の表面積よりも大きく、特に、わずかに大きくなり得る。本明細書で説明される一部の実施形態を実施するときに、基板の前側全体が処理され得る。特に、本明細書で説明される一部の実施形態は、デバイスが端部除外を設けることなしに実施され得る。
図8は、本明細書で説明される実施形態による、堆積システム300の概略図を示している。
堆積システム300は、堆積プロセスに適合した堆積チャンバなどの処理チャンバ312、特に、真空処理チャンバ312を含むことができる。堆積プロセスは、PVD又はCVDプロセスであり得る。キャリア200は、キャリア上に位置付けられた基板10を有し得る。キャリア200は、本明細書で説明される実施形態に従って構成され、1以上の保持構成100を有し得る。キャリア200は、基板搬送デバイス340上の支持体内に又はそのような支持体において配置され得る。
堆積材料源330が、処理チャンバ312内に設けられ、処理される(例えば、被覆される)側の基板10に対面し得る。堆積材料源330は、基板10上に堆積される堆積材料335を供給することができる。堆積材料源330は、ターゲット上に堆積材料を有するターゲットであってもよく、又は基板10上での堆積のために材料が放出される任意の他の構成であってもよい。ある実施態様では、堆積材料源330が、回転ターゲットであってもよい。本明細書で説明される一部の実施形態によれば、堆積材料源330は、堆積材料源330を位置付けるため及び/又は交換するために可動式であってもよい。本明細書で説明される他の実施形態によれば、堆積材料源330は平面ターゲットであってもよい。
本明細書で説明される一部の実施形態によれば、堆積材料335は、堆積プロセス及び被覆された基板のその後の用途に従って選択され得る。例えば、堆積材料源330の堆積材料335は、アルミニウム、モリブデン、チタン、銅などの金属、シリコン、酸化インジウムスズ、及び他の透明な導電性酸化物からなる群から選択された材料であってよい。そのような材料を含み得る酸化物、窒化物、又は炭化物の層は、堆積材料源330から材料を供給することによって、又は、反応性堆積、すなわち、堆積材料源330からの材料が、処理ガスからの酸素、窒化物、又は炭素のような要素と反応し得ることによって堆積され得る。
本明細書で説明される一部の実施形態によるキャリア200は、定常プロセス又は非定常プロセスに対しても有用であり得る。キャリア200は、実質的に垂直配向において基板10を保持することができる。
本明細書で説明される実施形態によれば、堆積システム300は、真空処理システム内に実装され得る。真空処理システムは、スウィングモジュール(swing module)を含むことができる。基板10を保持構成100に取り付ける前に、キャリアは、スウィングモジュール上に横たえられてもよい。スウィングモジュールからキャリアへ、真空連結(vacuum connection)が提供され得る。特に、スウィングモジュールから保持構成へ、真空連結が提供され得る。例えば、スウィングモジュールから保持構成の吸引ポートへ、真空連結が提供され得る。
その上に基板10が横たえられ得るところのピンアレイが、設けられ得る。基板10は、特に、ピンアレイによって、保持構成100上へ下げられ得る。基板10が保持構成100上に下げられたときに、第1の真空レベルが、保持構成100に、特に、保持構成100の真空領域に加えられ得る。第1の真空レベルは、例えば、第1の負圧p1によって加えられ得る。第1の真空レベルの値及び/又は第1の負圧は、事前に計算され得る。それらは、保持構成100を基板表面に係合させるための力と釣り合う。保持構成100と基板10との間の係合が確立されたときに、第1の真空レベル及び/又は第1の負圧は、スイッチオフされ得る。
保持構成100と基板10との間の安定した連結が確立したならば、キャリア200は、垂直配向へ傾けられ得る。キャリアは、層堆積などの基板処理のために、堆積システム300の中へ挿入され得る。
基板を処理した後で、キャリア200は、堆積システム300から出るように移動し得る。キャリア200は、垂直配向から水平配向へ戻すように傾けられ、スウィングモジュールへ戻るように移動し得る。キャリアがスウィングモジュールへ移動したときに、スウィングモジュールから保持構成への真空連結が、再び確立され得る。保持構成100から基板10を解放するために、基板10は、保持構成100のより近くに押し付けられ得る。基板10を保持構成100のより近くへ移動させることによって、乾燥接着剤120の曲がりが誘起され得る。それによって基板10が保持構成に取り付けられているところの乾燥接着剤120の接着力は低減され、基板10から保持構成100が係合解除される。例えば、基板を保持構成のより近くへ押し付けるためのより高い力は、第2の真空レベル及び/又は第2の負圧p2によって生成され得る。基板10が、保持構成100から解放されたときに、基板10は、ピンアレイによって持ち上げられ得る。更に、処理された基板をこれから処理されるべき基板と交換するために、ロボットハンドが設けられ得る。
図9は、本明細書で説明される実施形態による、基板を保持するための方法400のフローチャートを示している。方法400は、本明細書で説明される一部の実施形態による、保持構成100とキャリア200を利用することができる。同様に、保持構成100とキャリア200は、本明細書で説明される実施形態による方法400を実施するように構成され得る。特に、方法400は、乾燥接着剤120を含む少なくとも1つの保持構成100を実施することができる。
方法400は、ブロック410で、基板10を少なくとも1つの保持構成100に取り付けるために、第1の負圧p1を少なくとも1つの保持構成100の真空領域に加えることを含み得る。第1の負圧p1は、少なくとも1つの保持構成の方向へ基板10を引っ張るための第1の吸引力F1を生成し得る。
更に、方法400は、ブロック420で、基板を処理チャンバを通して移動させることを含み得る。特に、本明細書で概説されるように、処理チャンバ312は、堆積プロセスに適合した堆積チャンバなどの真空処理チャンバ312であり得る。
更に、方法400は、ブロック430で、基板10を少なくとも1つの保持構成100から解放するために、第2の負圧p2を少なくとも1つの保持構成100の真空領域に加えることを含み得る。第2の負圧p2は、少なくとも1つの保持構成100の方向へ基板10を引っ張るための第2の吸引力F2を生成し得る。本明細書で説明される実施形態によれば、第2の吸引力F2は、第1の吸引力F1よりも大きくなり得る。
本明細書で説明される一部の実施形態によれば、基板10は、第2の負圧p2を加えることによって、少なくとも1つの保持構成100に向けて移動され得る。特に、第2の負圧p2は、基板10を乾燥接着剤120に押し付ける力を増加させるために加えられ得る。本明細書で概説されるように、乾燥接着剤120によって基板10に加えられる接着力は、基板10を保持構成100のより近くへ移動させることによって変化し、特に、減少し得る。
図10は、基板10を少なくとも1つの保持構成100から解放する方法500のフローチャートを示している。方法500は、本明細書で説明される一部の実施形態による、保持構成100とキャリア200を利用することができる。同様に、保持構成100とキャリア200は、本明細書で説明される実施形態による方法500を実施するように構成され得る。
方法500は、ブロック510で、基板10を乾燥接着剤に押し付ける力を増加させるために、少なくとも1つの保持構成100の真空領域内の真空レベルを高めることを含む。特に、基板10を乾燥接着剤120に押し付ける力を増加させることによって、基板は、少なくとも1つの保持構成100から解放され得る。
本明細書で説明される実施形態によれば、基板を保持するための方法及び/又は基板を解放するための方法は、コンピュータプログラムと、ソフトウェアと、コンピュータソフトウェア製品と、大面積基板を処理するために装置の対応する構成要素と通信可能なCPU、メモリ、ユーザインターフェース、及び入出力手段を有し得る、相互に関連したコントローラとによって、実行され得る。
本開示は、乾燥接着剤を有する保持構成から基板を解放するために、保持構成の方向へ作用する吸引力を使用し得る。特に、負圧が加えられて、保持構成に向けて基板を引っ張るための吸引力を生成し得る。乾燥接着剤は、低減された機械的応力を伴って基板から取り外され得る。本明細書で説明される一部の実施形態を実施するときに、基板の損傷又は破壊が妨げられ得る。特に、粒子の生成が低減され得る。更に、基板を取り付け且つ/又は解放するために異なる真空レベル及び/又は負圧を使用することによって、本明細書で説明される一部の実施形態を実施するときに、時間当たりの高速度又は高いサイクル数が実現され得る。更に、接着剤は、基板を保持するときの***、例えば、基板の端部を基板の中心に向けて押し得る力による***を、低減させ又は妨げることさえできる。特に、本開示の一部の実施形態は、損傷又は破壊なしに、より大きくより薄い基板を保持することができる。
以上の説明は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲を逸脱することなく本開示の他の更なる実施形態を考案することができ、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって定められる。
Claims (15)
- 基板を保持するための保持構成であって、
第1のサイド(112)を有する本体部分(110)、
前記本体部分(110)の前記第1のサイド(112)に設けられた乾燥接着剤(120)、
前記乾燥接着剤(120)を取り囲み且つ前記第1のサイド(112)に真空領域を設けるように構成されたシール(130)であって、前記乾燥接着剤(120)が前記真空領域内に設けられている、シール(130)、及び
前記真空領域を排気する導管(140)を備える、保持構成。 - 第1の負圧(p1)を前記真空領域に加えた条件下で、前記乾燥接着剤(120)が、基板(10)を前記本体部分(110)に取り付けるように構成されている、請求項1に記載の保持構成。
- 前記基板(10)を前記乾燥接着剤(120)に押し付ける力を増加させるために、第2の負圧(p2)を前記真空領域に加えた条件下で、前記乾燥接着剤(120)が、前記基板(10)を前記本体部分(110)から解放するように構成されている、請求項2に記載の保持構成。
- 前記第1の負圧(p1)が、約1バールより小さく、且つ/又は、前記第2の負圧(p2)が、前記第1の負圧(p1)より小さく、且つ/又は、前記第2の負圧(p2)が、0バールより大きい、請求項3に記載の保持構成。
- 基板(10)を前記本体部分(110)に向けて移動させることによって、前記乾燥接着剤(120)が、前記基板(10)を前記本体部分(110)から解放するように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の保持構成。
- 前記乾燥接着剤(120)が、合成剛毛材料及び/又はヤモリ接着剤である、請求項1から5のいずれか一項に記載の保持構成。
- 前記導管(140)が、前記真空領域に負圧を加えるための吸引ポートと連結されるように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の保持構成。
- 真空処理チャンバ内で基板処理中に基板を保持するための保持構成であって、
第1のサイド(112)を有する本体部分(110)、
前記本体部分(110)の前記第1のサイド(112)に設けられ且つ複数のフィラメント(122)を備えた乾燥接着剤(120)、
前記乾燥接着剤(120)を取り囲み且つ前記第1のサイド(112)に真空領域を設けるように構成されたシール(130)であって、前記乾燥接着剤(120)が前記真空領域内に設けられている、シール(130)、及び
前記真空領域を排気する導管(140)を備え、
前記導管(140)が、前記真空領域に第1の負圧(p1)を加えて前記基板(10)を取り付けるように構成され、前記導管(140)が、前記真空領域に第2の負圧(p2)を加えて前記基板(10)を前記本体部分(110)のより近くに移動させ、前記複数のフィラメント(122)を曲げて、前記基板(10)を解放するように構成されている、保持構成。 - 基板を支持するためのキャリアであって、
キャリア本体(210)、及び
請求項1から8のいずれか一項に記載の1以上の保持構成(100)を備え、前記1以上の保持構成(100)が、前記キャリア本体(210)に取り付けられている、キャリア。 - 請求項9に記載のキャリア(200)を備えた、堆積システム。
- 乾燥接着剤(120)を備えた少なくとも1つの保持構成を用いて基板を保持するための方法であって、
基板(10)を前記少なくとも1つの保持構成(100)に取り付けるために前記少なくとも1つの保持構成(100)の真空領域に第1の負圧(p1)を加えること、
処理チャンバ(312)を通して前記基板(10)を移動させること、及び
前記基板(10)を前記少なくとも1つの保持構成(10)から解放するために前記少なくとも1つの保持構成(100)の前記真空領域に第2の負圧(p2)を加えることを含む、方法。 - 前記第2の負圧(p2)を加えることによって、前記基板(10)が、前記少なくとも1つの保持構成(100)に向けて移動する、請求項11に記載の方法。
- 前記基板(10)を取り付けること及び/又は解放することが、非真空条件下で実行される、請求項11又は12に記載の方法。
- 前記基板(10)を前記乾燥接着剤(120)に押し付ける力を増加させるために、前記第2の負圧(p2)が加えられる、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも1つの保持構成から基板を解放するための方法であって、前記基板(10)を解放するために、前記基板(10)を乾燥接着剤(120)に押し付ける力を増加させるように、前記少なくとも1つの保持構成(100)の真空領域内の真空レベルを高めることを含む、方法。
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