JP2020144975A - 二次電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極前駆体の搬送に供するガイドロールに起因する不都合な現象を減じた二次電池の製造方法の提供。【解決手段】正極および負極の少なくとも一方の電極の作製が、電極集電体となる金属シート材10に電極材層20を形成して電極前駆体30を得た後、電極前駆体30のエッジを少なくとも部分的に切り落とすトリミングを電極前駆体30に施し、電極前駆体30のエッジが波曲状凹凸を成すようにトリミング処理を施す二次電池の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は二次電池の製造方法に関する。特に、正極および負極の少なくとも一方の電極の作製に特徴を有する二次電池の製造方法に関する。
二次電池は、いわゆる“蓄電池”ゆえ充電・放電の繰り返しが可能であり、様々な用途に用いられている。例えば、携帯電話、スマートフォンおよびノートパソコンなどのモバイル機器に二次電池が用いられている。
二次電池は、正極、負極およびそれらの間のセパレータから少なくとも構成されている。正極は正極材層および正極集電体から構成され、負極は負極材層および負極集電体から構成されている。二次電池は、例えばセパレータを挟み込んだ正極および負極から成る電極構成層が互いに積み重なった積層構造を有している。
特表2015−536036号公報 特許3801087号公報 特許2015−536036号公報
本願発明者は、従前の二次電池の製法では克服すべき課題があることに気付き、そのための対策を取る必要性を見出した。具体的には以下の課題があることを本願発明者は見出した。
正極および負極のそれぞれの電極の作製では、電極前駆体を一旦形成し、それに対して切出しを施して電極を得る。図12(a)〜(c)を参照して説明する。図12(a)および(b)に示すように、電極集電体となる金属シート材10に電極活物質を含む電極材層20を形成して電極前駆体30を得る。電極前駆体30に対しては、図12(b)および(c)に示すように所定形状の切出しを行うことによって所望の電極40を得ることができる。切出しに際して、電極材層が設けられていない金属シート材10の領域を切出し形状に含めると、電極40にタブ45を設けることができる。
連続的な製造プロセスにおいては、金属シート材を所定方向に送り出しながら電極前駆体の形成を実施する。具体的には、例えばロール状に巻かれた金属シート材を巻き出しつつ金属シート材を移動させ、かかる金属シート材に電極材原料を供給して電極前駆体30を形成する。金属シート材の移動、すなわち、そのシート材から得られる電極前駆体の搬送のためにはガイドロールが利用され得る。かかる場合、ガイドロールを介して金属シート材を所定方向へと移動/搬送させながら、金属シート材上に電極材層20を形成して電極前駆体30を連続的に得ることになる。
このような連続的な製造プロセスにつき、本願発明者らは、ガイドロールによる搬送が電極前駆体に意外にも不都合な現象をもたらし得ることを見出した。具体的には、搬送中の電極前駆体は、その搬送に供するガイドロールから不都合な影響を受け得ることが分かった。
搬送される電極前駆体に対しては、いわゆる“トリミング”あるいは“プレトリミング”などと称される切除処理(以下では単に「トリミング処理」とも称す)を行う場合があり、タブ設置などを想定して電極前駆体のエッジを少なくとも部分的に切り落としておくことがある。今回、トリミング処理された電極前駆体は、ガイドロールによる搬送中に、そのガイドロールから不都合な影響を受け得ることを見出した。特にトリミング処理された電極前駆体は、ガイドロールから受ける外力に起因して(特に、電極前駆体に撓みをもたらす外力に起因して)、トリミングされた局所箇所を起点に切れ易い/裂け易いことが分かった。
本発明はかかる課題に鑑みて為されたものである。即ち、本発明の主たる目的は、電極前駆体の搬送に供するガイドロールに起因する不都合な現象を減じた二次電池の製造方法を提供することである。
本願発明者は、従来技術の延長線上で対応するのではなく、新たな方向で対処することによって上記課題の解決を試みた。その結果、上記主たる目的が達成された二次電池の製造方法の発明に至った。
本発明に係る二次電池の製造方法は、
正極および負極の少なくとも一方の電極の作製が、
電極集電体となる金属シート材に電極材層を形成して電極前駆体を得ること、および
電極前駆体のエッジを少なくとも部分的に切り落とすトリミングを電極前駆体に施すこと
を含んで成り、
電極前駆体のエッジが波曲状凹凸を成すようにトリミングを行う。
本発明の製造方法では、電極前駆体のエッジに対して波曲状凹凸を成すようにトリミング処理を施すので、電極前駆体の搬送に供するガイドロールに起因した不都合な現象を減じることができる。特に、ガイドロールが使用された連続的な製造プロセスであっても、そのガイドロールから受ける外力で電極前駆体が切れたり裂けたりする現象が減じられる。よって、本発明により所望の電極前駆体を得ることができ、ひいては、所望の電極を得ることができる。
より具体的には、トリミング処理された電極前駆体がガイドロールに起因して撓むように変位しながら搬送される場合であっても、「局所箇所を起点にした電極前駆体の切れ/裂けなどの不都合な現象」が“電極前駆体エッジの波曲状凹凸”によって減じられる。
本発明の製造方法におけるプロセス態様を模式的に示した平面図 ガイドロールを利用した連続的な製造プロセス態様を示した模式図 波形凹と波形凸との双方を含む波曲状凹凸の態様を模式的に示した平面図 波曲状凹凸の互いに隣接する波形凹と波形凸とがそれぞれ一部を互いに共有する態様を模式的に示した平面図 トリミングのある好適な態様を模式的に示した平面図(図5(A):極材非形成領域のみを切り落とす好適態様A、図5(B):極材非形成領域のみならず、極材形成領域を部分的に含むように切り落とす好適態様B) 電極前駆体のエッジ輪郭が幾何学的特異点を有する態様を説明するための模式的な説明図(図6(A):先点(尖点)、図6(B):跳躍点、図6(C):角点) 電極前駆体のエッジ輪郭が幾何学的特異点を有する態様を説明するための模式的な説明図(図7(A):孤立点、図7(B):2重点、図7(C):自己接触点、図7(D):3重点) 三角関数を基底関数とする輪郭曲線を説明するための模式図 式1を満たす輪郭曲線を説明するための模式図 波曲状凹凸を電極タブ形成に利用する態様を説明するための模式的平面図 波曲状凹凸の変更態様を示した模式的平面図(図11(A):振幅非一定、図11(B):波長非一定) 対比例となるプロセス態様を模式的に示した平面図
以下では、本発明の一実施形態に係る二次電池の製造方法をより詳細に説明する。必要に応じて図面を参照して説明を行うものの、図面における各種の要素は、本発明の理解のために模式的かつ例示的に示したにすぎず、外観や寸法比などは実物と異なり得る。
本明細書で直接的または間接的に説明される「平面視(または平面視形状)」(例えば、電極前駆体またはそのエッジもしくはエッジ輪郭の平面視形状)は、金属シート材または電極材の厚み方向に沿って上側または下側から捉えた場合の見取図に基づいている。ここで、金属シート材・電極材の厚み方向は、二次電池における電極(正極・負極)の積層方向に相当する。
また、本明細書で直接的または間接的に用いる“上下方向”および“左右方向”は、それぞれ図中における上下方向および左右方向に相当する。特記しない限り、同じ符号または記号は、同じ部材または同じ意味内容を示すものとする。
[本発明で製造される二次電池の構成]
本発明の製造方法では二次電池が得られる。本明細書でいう「二次電池」とは、充電・放電の繰り返しが可能な電池のことを指している。従って、本発明の製造方法で得られる二次電池は、その名称に過度に拘泥されるものでなく、例えば“蓄電デバイス”なども対象に含まれ得る。また、本明細書でいう「電極前駆体」とは、広義には、電極集電体となる金属シート材に電極材層が形成されたものであって、負極または正極の電極の形成に資するものを指している。特に狭義には、本発明における「電極前駆体」は、電極形状を得るためのいわゆる“打ち抜き”が為される前の時点における電極体を指している。
本発明の製造方法で得られる二次電池は、正極、負極およびセパレータを含む電極構成層が積層した電極組立体を有して成る。正極と負極とはセパレータを介して積み重なって電極構成層を成しており、かかる電極構成層が少なくとも1つ以上積層した電極組立体が電解質と共に外装体に封入されている。
正極は、少なくとも正極材層および正極集電体から構成されている。正極では正極集電体の少なくとも片面に正極材層が設けられており、正極材層には電極活物質として正極活物質が含まれている。例えば、電極組立体における複数の正極は、それぞれ、正極集電体の両面に正極材層が設けられていてよいし、あるいは、正極集電体の片面にのみ正極材層が設けられていてよい。二次電池のさらなる高容量化の観点でいえば正極は正極集電体の両面に正極材層が設けられていることが好ましい。
負極は、少なくとも負極材層および負極集電体から構成されている。負極では負極集電体の少なくとも片面に負極材層が設けられており、負極材層には電極活物質として負極活物質が含まれている。例えば、電極組立体における複数の負極は、それぞれ、負極集電体の両面に負極材層が設けられていてよいし、あるいは、負極集電体の片面にのみ負極材層が設けられていてよい。二次電池のさらなる高容量化の観点でいえば負極は負極集電体の両面に負極材層が設けられていることが好ましい。
正極および負極に含まれる電極活物質、即ち、正極活物質および負極活物質は、二次電池において電子の受け渡しに直接関与する物質であり、充放電、すなわち電池反応を担う正負極の主物質である。より具体的には、「正極材層に含まれる正極活物質」および「負極材層に含まれる負極活物質」に起因して電解質にイオンがもたらされ、かかるイオンが正極と負極との間で移動して電子の受け渡しが行われて充放電がなされる。正極材層および負極材層は特にリチウムイオンを吸蔵放出可能な層であることが好ましい。つまり、非水電解質を介してリチウムイオンが正極と負極との間で移動して電池の充放電が行われる非水電解質二次電池となっていることが好ましい。充放電にリチウムイオンが関与する場合、本発明の製造方法で得られる二次電池は、いわゆる“リチウムイオン電池”に相当し、正極および負極がリチウムイオンを吸蔵放出可能な層を有している。
正極材層の正極活物質は例えば粒状体から成るところ、粒子同士の十分な接触と形状保持のためにバインダー(“結着材”とも称される)が正極材層に含まれていることが好ましい。更には、電池反応を推進する電子の伝達を円滑にするために導電助剤が正極材層に含まれていてもよい。同様にして、負極材層の負極活物質は例えば粒状体から成るところ、粒子同士の十分な接触と形状保持のためにバインダーが含まれることが好ましく、電池反応を推進する電子の伝達を円滑にするために導電助剤が負極材層に含まれていてもよい。このように、複数の成分が含有されて成る形態ゆえ、正極材層および負極材層はそれぞれ“正極合材層”および“負極合材層”などと称すこともできる。
正極活物質は、リチウムイオンの吸蔵放出に資する物質であることが好ましい。かかる観点でいえば、正極活物質は例えばリチウム含有複合酸化物であることが好ましい。より具体的には、正極活物質は、リチウムと、コバルト、ニッケル、マンガンおよび鉄から成る群から選択される少なくとも1種の遷移金属とを含むリチウム遷移金属複合酸化物であることが好ましい。つまり、本発明の製造方法で得られる二次電池の正極材層においては、そのようなリチウム遷移金属複合酸化物が正極活物質として好ましくは含まれている。例えば、正極活物質はコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウム、または、それらの遷移金属の一部を別の金属で置き換えたものであってよい。このような正極活物質は、単独種として含まれてよいものの、二種以上が組み合わされて含まれていてもよい。あくまでも例示にすぎないが、本発明の製造方法で得られる二次電池では、正極材層に含まれる正極活物質がコバルト酸リチウムとなっていてよい。
正極材層に含まれる得るバインダーとしては、特に制限されるわけではないが、ポリフッ化ビリニデン、ビリニデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビリニデンフルオライド−テトラフルオロチレン共重合体およびポリテトラフルオロチレンなどから成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。正極材層に含まれる得る導電助剤としては、特に制限されるわけではないが、サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラックおよびアセチレンブラック等のカーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブおよび気相成長炭素繊維等の炭素繊維、銅、ニッケル、アルミニウムおよび銀等の金属粉末、ならびに、ポリフェニレン誘導体などから選択される少なくとも1種を挙げることができる。例えば、正極材層のバインダーはポリフッ化ビニリデンであってよく、また、正極材層の導電助剤はカーボンブラックであってよい。あくまでも例示にすぎないが、正極材層のバインダーおよび導電助剤は、ポリフッ化ビニリデンとカーボンブラックとの組合せとなっていてよい。
負極活物質は、リチウムイオンの吸蔵放出に資する物質であることが好ましい。かかる観点でいえば、負極活物質は例えば各種の炭素材料、酸化物、または、リチウム合金などであることが好ましい。
負極活物質の各種の炭素材料としては、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)、ハードカーボン、ソフトカーボン、ダイヤモンド状炭素などを挙げることができる。特に、黒鉛は電子伝導性が高く、負極集電体との接着性が優れる点などで好ましい。負極活物質の酸化物としては、酸化シリコン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛および酸化リチウムなどから成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。負極活物質のリチウム合金は、リチウムと合金形成され得る金属であればよく、例えば、Al、Si、Pb、Sn、In、Bi、Ag、Ba、Ca、Hg、Pd、Pt、Te、Zn、Laなどの金属とリチウムとの2元、3元またはそれ以上の合金であってよい。このような酸化物は、その構造形態としてアモルファスとなっていることが好ましい。結晶粒界または欠陥といった不均一性に起因する劣化が引き起こされにくくなるからである。あくまでも例示にすぎないが、本発明の製造方法で得られる二次電池では、負極材層の負極活物質が人造黒鉛となっていてよい。
負極材層に含まれる得るバインダーとしては、特に制限されるわけではないが、スチレンブタジエンゴム、ポリアクリル酸、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド系樹脂およびポリアミドイミド系樹脂から成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。例えば、負極材層に含まれるバインダーはスチレンブタジエンゴムとなっていてよい。負極材層に含まれる得る導電助剤としては、特に制限されるわけではないが、サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラックおよびアセチレンブラック等のカーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブおよび気相成長炭素繊維等の炭素繊維、銅、ニッケル、アルミニウムおよび銀等の金属粉末、ならびに、ポリフェニレン誘導体などから選択される少なくとも1種を挙げることができる。なお、負極材層には、電池製造時に使用された増粘剤成分(例えばカルボキシルメチルセルロース)に起因する成分が含まれていてもよい。
あくまでも例示にすぎないが、負極材層における負極活物質およびバインダーは人造黒鉛とスチレンブタジエンゴムとの組合せになっていてよい。
正極および負極に用いられる正極集電体および負極集電体は電池反応に起因して活物質で発生した電子を集めたり供給したりするのに資する部材である。このような集電体は、シート状の金属部材であってよく、多孔または穿孔の形態を有していてよい。例えば、集電体は金属箔、パンチングメタル、網またはエキスパンドメタル等であってよい。正極に用いられる正極集電体は、アルミニウム、ステンレスおよびニッケル等から成る群から選択される少なくとも1種を含んだ金属箔から成るものが好ましく、例えばアルミニウム箔であってよい。一方、負極に用いられる負極集電体は、銅、ステンレスおよびニッケル等から成る群から選択される少なくとも1種を含んだ金属箔から成るものが好ましく、例えば銅箔であってよい。
正極および負極に用いられるセパレータは、正負極の接触による短絡防止および電解質保持などの観点から設けられる部材である。換言すれば、セパレータは、正極と負極と間の電子的接触を防止しつつイオンを通過させる部材であるといえる。好ましくは、セパレータは多孔性または微多孔性の絶縁性部材であり、その小さい厚みに起因して膜形態を有している。あくまでも例示にすぎないが、ポリオレフィン製の微多孔膜がセパレータとして用いられてよい。この点、セパレータとして用いられる微多孔膜は、例えば、ポリオレフィンとしてポリエチレン(PE)のみ又はポリプロピレン(PP)のみを含んだものであってよい。更にいえば、セパレータは、“PE製の微多孔膜”と“PP製の微多孔膜”とから構成される積層体であってもよい。セパレータの表面が無機粒子コート層や接着層等により覆われていてもよい。セパレータの表面が接着性を有していてもよい。なお、本発明において、セパレータは、その名称によって特に拘泥されるべきでなく、同様の機能を有する固体電解質、ゲル状電解質、絶縁性の無機粒子などであってもよい。
本発明の製造方法で得られる二次電池では、正極、負極およびセパレータを含む電極構成層から成る電極組立体が電解質と共に外装に封入されている。正極および負極がリチウムイオンを吸蔵放出可能な層を有する場合、電解質は有機電解質・有機溶媒などの“非水系”の電解質であることが好ましい(すなわち、電解質が非水電解質となっていることが好ましい)。電解質では電極(正極・負極)から放出された金属イオンが存在することになり、それゆえ、電解質は電池反応における金属イオンの移動を助力することになる。
非水電解質は、溶媒と溶質とを含む電解質である。具体的な非水電解質の溶媒としては、少なくともカーボネートを含んで成るものが好ましい。かかるカーボネートは、環状カーボネート類および/または鎖状カーボネート類であってもよい。特に制限されるわけではないが、環状カーボネート類としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)およびビニレンカーボネート(VC)から成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。鎖状カーボネート類としては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)およびジプロピルカーボネート(DPC)から成る群から選択される少なくも1種を挙げることができる。あくまでも例示にすぎないが、非水電解質として環状カーボネート類と鎖状カーボネート類との組合せが用いられてよく、例えばエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合物が用いられる。また、具体的な非水電解質の溶質としては、例えば、LiPFおよび/またはLiBFなどのLi塩が好ましく用いられる。
二次電池の外装体は、正極、負極及びセパレータを含む電極構成層が積層した電極組立体を包み込むものであるが、ハードケースの形態であってよく、あるいは、ソフトケースの形態であってもよい。具体的には、外装体は、いわゆる“金属缶”に相当するハードケース型であってもよく、あるいは、いわゆるラミネートフィルムから成る“パウチ”に相当するソフトケース型であってもよい。
[本発明の製造方法の特徴]
本発明の製造方法は、電極の作製法に特徴を有している。特に、電極の元になる電極前駆体のトリミングに特徴を有している。具体的には、正極および負極の少なくとも一方の電極の作製が、図1に示すように、電極集電体となる金属シート材10に電極材層20を形成して電極前駆体30を得ること、および、得られる電極前駆体30のエッジ35を少なくとも部分的に切り落とすトリミングを電極前駆体30に施すことを含んで成り、トリミングにおいては電極前駆体30のエッジ35が波曲状凹凸を成すように電極前駆体30の切断処理を行う。
図示する態様から分かるように、本発明の製造方法では、電極前駆体エッジを単に凹凸にトリミング処理するのではなく、あくまでも、“波曲状”の凹凸を電極前駆体エッジが有するようにトリミング処理する。かかる波曲状凹凸は“複数の凹部”と“複数の凸”とから構成されており、それゆえ電極前駆体のエッジ輪郭が全体として曲線状または湾曲状となる。
本発明に従ってトリミング処理される電極前駆体は、連続的な製造プロセスに適している。特に、本発明に従って波曲凹凸状のエッジを備える電極前駆体は、その搬送に供するガイドロールから受ける外力で電極前駆体が切れたり裂けたりすることに対して耐性を有し得る。ガイドロールによる搬送がなされる電極前駆体は、そのガイドロールからもたらされる影響によって切れたり裂けたりする虞があるものの、本発明ではそのような虞が減じられている。好ましくは、本発明の製造方法は、かかる“切れる虞”および/または“裂ける虞”が生じないようになっている。よって、本発明に従えば、意図した電極前駆体を好適に得ることができ、ひいては、所望の電極を得ることができる。
これは、特定の理論に拘束されるわけではないが、電極前駆体のエッジにおいて応力分散効果が好適に奏されるからであると考えられる。つまり、本発明では電極前駆体は、その端部輪郭(特に電極前駆体における“長手方向端部”または“搬送方向に沿った端部”)が“滑らかに変化する形状”を有することになるところ、その“滑らかな変化”に起因して電極前駆体に生じ得る不都合な応力を分散する効果が効果的になるからであると推測される。
本発明の製造方法は、電極前駆体のトリミング処理に特徴を有するが、まず前提となる二次電池の一般的な製法について以下で詳述しておく。
二次電池の製法では、正極、負極、電解液およびセパレータをそれぞれに作製・調製した後(必要に応じて市販品から調達してもよい)、それらを一体化して組み合わせることで二次電池を得ることができる。
(正極の作製)
正極の作製のためには、正極材スラリーが用いられる。正極材スラリーは、正極活物質およびバインダーを少なくとも含む電極材層原料である。かかる正極材スラリーを正極集電体としての金属シート材(例えば、アルミニウム箔)に塗布することで正極前駆体、すなわち、電極前駆体が得られる。必要に応じて、正極前駆体は、ロールプレス機で圧延またはプレス処理に付してもよい。正極集電体として用いられる金属シート材は、帯状に長い形状を有していることが好ましく、そのような長尺状の金属シートに対して正極材スラリーを塗布する。塗布するエリアは、長尺状の金属シートの主面全域ではなく、金属シート材の両幅方向の周縁部分などには塗布しないことが好ましい。ある1つの好適な態様では、長尺状の金属シート材よりもひとまわり小さくなるように正極材スラリーを同様の長尺状に塗布する(特に金属シート材のエッジ領域以外に塗布する)ことが好ましい。
このような正極前駆体の形成、すなわち、電極前駆体の製作は連続的に行うことができる。つまり、連続的な製造プロセスで電極前駆体を得ることができる。かかる場合、ロール状に巻かれたシート供給源から金属シート材を所定方向に送り出しながら、正極材スラリーを金属シート材に対して塗布する。つまり、金属シート材は、移動・搬送を伴いながら、正極材スラリーの塗布がなされることで電極前駆体の連続的な作製が行われる。金属シート材またはそれから得られる電極前駆体は、乾燥工程および/または圧延工程などを経てよい。金属シート材の搬送、すなわち、電極前駆体の搬送には、ガイドロールが用いられる。かかるガイドロールにより、電極前駆体には張力が加えられた状態となり、その状態で所定方向に電極前駆体の移動が為されることになる。
作製された正極前駆体(特に帯状に長い正極前駆体)は、次工程に供されるまで、必要に応じてロール状に巻かれるなどして保管されたり、適宜運搬などに付されたりする。そして、次工程では、正極前駆体から複数の正極を得るべく切り出しが行われる(ロール状に巻かれていた場合では展開した後で切り出しがなされる)。例えば、正極前駆体を機械的な切断に付すことによって正極前駆体(特に「正極材スラリーが塗布された部分」)から正極の切出しを行う。あくまでも例示にすぎないが、いわゆる“打ち抜き操作”などの切出し処理を行ってよい。ここで、電極材層が設けられていない金属シート材の領域が切出し形状に含まれるように電極前駆体に切出しを行うと、電極にタブを設けることができる。つまり、正極材層が設けられていない金属シート材が露出した領域を切出し形状に含めて正極を得ることによって、“金属シート材から成る正極タブ”を正極に設けることができる。以上の如くの操作を経ることによって、所望の正極を複数得ることができる。
(負極の作製)
負極の作製は、正極の作製と同様である。負極の作製では、負極材スラリーが用いられる。負極材スラリーは、負極活物質およびバインダーを少なくとも含む電極材層原料である。かかる負極材スラリーを負極集電体としての金属シート材(例えば銅箔)に塗布することで負極前駆体、すなわち、電極前駆体が得られる。必要に応じて、負極前駆体は、ロールプレス機で圧延またはプレス処理に付してもよい。負極集電体として用いられる金属シート材は、帯状に長い形状を有していることが好ましく、そのような長尺状の金属シート材に対して負極材スラリーを塗布する。塗布するエリアは、長尺状の金属シート材の主面全域ではなく、金属シート材の両幅方向の周縁部分などには塗布しないことが好ましい。ある1つの好適な態様では、長尺状の金属シート材よりもひとまわり小さくなるように負極材スラリーを同様の長尺状に塗布する(特に金属シート材のエッジ領域以外に塗布する)ことが好ましい。負極前駆体の作製も、正極前駆体と同様、連続的に行うことができる。つまり、ガイドロールを利用した連続的な製造プロセスで電極前駆体としての負極前駆体を得ることができる。得られる負極前駆体(特に帯状に長い負極前駆体)は、次工程に供されるまで、必要に応じてロール状に丸められるなどで保管されたり、適宜運搬などに付されたりする。そして、次工程では、負極前駆体から複数の負極を得るべく切り出しが行われる(ロール状に巻かれていた場合では展開した後で切り出しが行われる)。例えば、負極前駆体を機械的な切断に付すことによって負極前駆体(特に「負極材スラリーが塗布された部分」)から負極の切出しを行う。あくまでも例示にすぎないが、いわゆる“打ち抜き操作”を行ってよい。正極前駆体と同様、負極材層が設けられていない金属シート材の領域が切出し形状に含まれるように電極前駆体に切出しを行うと、電極にタブを設けることができる。つまり、負極材層が設けられていない金属シート材が露出した領域を切出し形状に含めて負極を得ることによって、“金属シート材から成る負極タブ”を負極に設けることができる。以上のような操作を経ることによって、所望の負極を複数得ることができる。
(電解質の調製)
電池使用時にて正極・負極間のイオン移動を担うことになる電解質を調製する(リチウムイオン電池の場合、特に非水電解質を調製することになる)。よって、そのような電解質となる原料を混合して所望の電解質を調製する。本発明の製造方法では、電解質は常套の二次電池に使用される常套的な電解質であってよく、それゆえ、その原料も二次電池の製造に常套的に使用されるものを用いてよい。
(セパレータの準備)
本発明の製造方法において、セパレータは常套的なものであってよく、それゆえ、二次電池として常套的に使用されるものを用いてよい。
二次電池は、以上のように作製・調製された正極、負極、電解液およびセパレータを一体的に組み合わせることによって得ることができる。特に、正極と負極とはセパレータを介して複数積み重ねて電極組立体を形成し、かかる電極組立体を電解質と共に外装体に封入することによって二次電池を得ることができる。なお、セパレータは枚葉にカットしたものを積層してよいし、あるいは、九十九状に積層して余剰分をカットしたものでもよい。更には電極をセパレータで個装したものを積層してもよい。
(本発明の特徴)
本発明は、上述した二次電池の製造において、電極作製に特徴を有しており、電極前駆体のトリミング処理に特徴を有している。より具体的には、正極および負極の少なくとも一方の電極の作製において、電極前駆体30のエッジ35を少なくとも部分的に切り落とすトリミングを電極前駆体30に施すことを含んでおり、そのトリミングは電極前駆体30のエッジ35が波曲状凹凸を成すように行う(図1参照)。ここでいう「少なくとも部分的に切り落とす」とは、エッジの一部分を切り落とす態様(例えば、そのような一部分の切落しを複数回実施するような態様)を意図しているだけでなく、エッジを全体的に切り落とす態様(例えば、エッジ全体に切落し処理を一括的に施すような態様)をも意図している。
本発明では電極前駆体のエッジが“波曲状”の凹凸にトリミング処理されるので、電極前駆体のエッジ輪郭が全体として曲線状または湾曲状になる。このように波曲凹凸状(または湾曲凹凸状)のエッジを備える電極前駆体は、連続的な製造プロセスにおいて、ガイドロールから受け得る外力に拘わらず、好適に移動送りに付すことができる。つまり、“波曲状凹凸”は、ガイドロールによる送り操作でガイドロールから電極前駆体(特に電極前駆体のエッジ)へともたらされ得る応力を効果的に分散させる効果を奏し、それによって、電極前駆体のエッジからの切れ・裂けがより効果的に防止される。
仮に電極前駆体のエッジが“波曲状凹凸”になっていない場合を想定してみる。例えば、電極前駆体のエッジ輪郭に直線部分が含まれる場合を想定してみる。これには電極前駆体の“長手方向”または“搬送方向”に沿うような直線部分がエッジ輪郭に含まれている場合が考えられたり、あるいは、そのような方向の直交方向に相当する“電極前駆体の短手方向”に沿うように直線部分がエッジ輪郭として含まれている場合が考えられる。このような想定態様のより具体な例としては、トリミング(プレトリミング)のエッジ切断に直線状切断部が含まれる場合があり、あるいは、予めタブ出しされるようなエッジ切断(特に平面視形状が四角形状/矩形状を有するようにタブ切出しを行うエッジ切断)がなされる場合がある。このような場合、ガイドロールから電極前駆体へともたらされる応力を効果的に分散させることが難しく、“直線部分”のエッジから切れ・裂けが生じ易い。特に、図2に示すように、電極前駆体が移動する方向に互いに離隔したガイドロール60(「60A,60B」および/または「60B,60C」)に起因して金属シート材/電極前駆体が撓んだ状態で移動する態様では、金属シート材10/電極前駆体30の幅方向(すなわち、金属シート材/電極前駆体の短手方向)に切れ目・裂け目をもたらすような応力が生じ易く、それゆえ、その方向に沿ってエッジから切れ・裂けが生じ易い。
換言すれば、図2に示すような態様(「離隔した下側設置ガイドロール60Aと上側設置ガイドロール60B」および/または「離隔した上側設置ガイドロール60Bと下側設置ガイドロール60C」とに起因して電極前駆体30が撓んだ状態で移動する態様)では、金属シート材10/電極前駆体30の短手方向に沿うように金属シート材/電極前駆体の直線状のエッジを起点に切れ目・裂け目が生じ易いといえる。これは、“直線状のエッジ”では、互いに離隔したガイドロールに起因して金属シート材/電極前駆体にもたらされる応力が効果的に分散し得ず、ある局所的箇所に応力が集中し易くなるからであると考えられる。この点、本発明では、電極前駆体のエッジが“波曲状凹凸”になっていることに起因して、局所的な応力集中を減じることができ、エッジからの切れ・裂けをより効果的に防止できる。
ここで、本発明において「波曲状凹凸」とは、広義には、電極前駆体のエッジが、“山部”および“谷部”の双方を備える曲線形状または湾曲形状を有することを意味している。狭義には、電極前駆体のエッジ(特に、金属シート材の移動送りの方向に沿ったエッジ)の平面視形状が、“少なくとも1つの湾曲山部”と“少なくとも1つの湾曲谷部”とを備えた曲線状または湾曲状となっていることを意味している。
上記から分かるように、“波曲状凹凸”では波形凹と波形凸とが含まれることが好ましい。つまり、電極前駆体のエッジにおける輪郭形状が、波形凹と波形凸とを少なくとも含む波曲状凹凸となっていることが好ましい。特に、金属シート材の移動送りの方向に沿ったエッジ35(すなわち、電極前駆体の長手方向エッジ)が波形凹と波形凸との双方を含んだ波曲状凹凸となっていることが好ましい(図3参照)。このように電極前駆体のエッジ輪郭が全体的に曲線・湾曲を成していると、搬送に供するガイドロールで金属シート材/電極前駆体へともたらされる応力がより分散され易くなり、エッジからの切れ・裂けがより効果的に防止され得る。
本発明において、“波曲状凹凸”はトリミング処理によって得られる。かかるトリミングは、電極前駆体のエッジに対して行う切断処理に相当する。トリミングでは、電極前駆体のエッジを適当に切り落とす切断処理(すなわち、エッジ切断)を行ってよい。特に、電極前駆体の“搬送方向に沿ったエッジ”、すなわち、典型的には“長手方向エッジ”を切り落とす切断処理をトリミングで行うことが好ましい。これにより、特に移動送り時/搬送時にて不都合な応力を受けやすいエッジに対して応力拡散効果を効果的に供すことができ、そのエッジからの切れ・裂けをより有意に防止できる。
トリミングの実施のために、適当な切断手段を用いてよい。例えば、切断刃などの機械的切断手段を用いてよい。あくまでも例示にすぎないが、ロール形態を有する上刃と下刃とから構成される一対の切断刃(回転駆動型の切断刃)を用いてよい。上刃と下刃との間にシート状の電極前駆体を通すことでトリミング処理がなされることになる。なお、そのような切断刃の態様に限らず、例えばレーザなどの手段を用いることによってもトリミングを行ってもよい。
ある好適な態様に従えば、“波曲状凹凸”において互いに隣接する波形凹と波形凸とはそれぞれ一部を互いに共有する。つまり、トリミング処理された電極前駆体のエッジの輪郭形状は波曲状凹凸を有するところ、「波形凹および波形凸の一方」の一部分が、それらの他方の一部分を構成し得る。図4を参照して説明すると、波形凹の一部が、波形凸の一部を構成し、その逆も同様に波形凸の一部が波形凹の一部を構成する。このような態様では、湾曲凹凸に起因して電極前駆体のエッジ輪郭が、全体として連続的な曲線・湾曲を成し得、それゆえ、エッジを成す方向に沿って一体的に変化する曲線または湾曲線が得られる。よって、ガイドロールから金属シート材/電極前駆体へともたらされる応力がより分散し易くなり、エッジからの切れ・裂けをより効果的に防止できる。
本発明では、電極前駆体の搬送方向におけるエッジの大部分(好ましくはその搬送方向におけるエッジの実質的に全て)がトリミング処理に付されることが好ましい。つまり、電極前駆体の長手方向エッジの大部分(好ましくは、ガイドロールを通過することになるエッジの全て)を“湾曲凹凸”が占めていることが好ましい。これにより、ガイドロールで連続的に搬送される電極前駆体は、その搬送方向エッジに相当する長手方向エッジからの切れ・裂けが効果的に防止された状態となる。
ある好適な態様に従ったトリミングでは、電極材層が設けられていない金属シート材の極材非形成領域のみを切り落とす。つまり、図5(A)示すように、トリミングで除去される切落し部分に電極材層20が含まれないようにする。電極前駆体の形成においては金属シート材の周縁領域以外の中央領域に電極材層20を形成するところ、その周縁領域にのみトリミング処理を施す。かかる態様に従うと、図5(A)に示すように、平面視にて“波曲状凹凸”の波形凹の最内側ポイントが電極材層エッジよりも外側に位置することになる。
“極材非形成領域”にのみトリミングを施す態様では、切落しが金属シート材の単一材に対して行われることになるので、トリミング切断の精度が向上し得る。つまり、かかる態様では、電極前駆体のエッジの輪郭曲線がより精度良い曲線と成り得るので、ガイドロールから金属シート材/電極前駆体へともたらされる応力がより分散し易くなり、エッジからの切れ・裂けがより効果的に防止され得る。
別のある好適な態様に従ったトリミングでは、電極材層20が設けられていない金属シート材の極材非形成領域のみならず、電極材層20が設けられている極材形成領域を部分的に含むように切り落とす。つまり、図5(B)に示すように、トリミングで除去される切落し部分に電極材層20が一部含まれるようにする。電極前駆体の形成においては金属シート材の周縁領域以外の中央領域に電極材層を形成するところ、その周縁領域のみならず、中央領域にも一部かかるようにトリミング処理を施す。かかる態様に従うと、図5(B)に示すように、平面視にて“波曲状凹凸”の波形凹の最内側ポイントが電極材層エッジよりも内側に位置することになる(好ましくは、電極材層エッジよりも僅かに内側に位置することになる)。
“極材非形成領域”のみならず、“極材形成領域”も一部含めてトリミングを施す態様は、最終的に得られるタブ付き電極を「より極材層の割合が多い電極」として得ることができ、電池容量の点でより好適な電池製造に資する。つまり、かかる態様では、電極前駆体のエッジの切れ・裂けを防止できるといった電極作製プロセスの点のみならず、最終的に製造される二次電池の特性の点でも有利な効果が奏され得る。
本発明では、“波曲状凹凸”が周期的な曲線を成すことが好ましい。つまり、電極前駆体のエッジ輪郭が波曲状凹凸の曲線を有するようにトリミング処理するところ、その曲線が規則的な曲線となることが好ましい。例えば、波曲状凹凸に起因するエッジ輪郭の波曲線について、波長寸法が実質的に一定であってよく、および/または、振幅寸法が一定であってもよい。このような態様では、湾曲凹凸に起因して電極前駆体のエッジ輪郭が全体として均等化し得るので、ガイドロールから金属シート材/電極前駆体へともたらされる応力がより分散し易くなり、エッジからの切れ・裂けなどがより効果的に防止され得る。
ある好適な態様では、波曲状凹凸が“幾何学的特異点を含まない曲線”を成している。つまり、電極前駆体のエッジ輪郭が波曲状凹凸に起因して曲線を有するようにトリミング処理するところ、その曲線を表す関数が特異点を有していないことが好ましい。ここでいう「幾何学的特異点」は、広義には、対象となる曲線につき、その曲線一般のところに比べて異常な形態を示し得るところを意味している。換言すれば、「幾何学的特異点」は、対象となる曲線について、パラメーターの滑らかな埋め込みによって与えられていない点を意味している。狭義にいえば、本発明における「幾何学的特異点」は、数学ハンドブック(1994年4月5日第1版第5刷発行、発行所:森北出版株式会社、監修者:矢野健太郎、訳編者:宮本敏雄、発行者:森北肇)の第583頁で説明されている“特異点”を意味している。
「波曲状凹凸が幾何学的特異点を含まない曲線」の態様は、電極前駆体のエッジ輪郭の曲線が全体としてより好適に滑らかになるので、ガイドロールから金属シート材/電極前駆体へともたらされる応力がより分散し易くなり、エッジからの切れ・裂けがより効果的に防止される。
あくまでも例示の範疇にすぎないが、トリミング処理された電極前駆体のエッジの輪郭曲線は、幾何学的特異点となる先点(尖点)、跳躍点、角点、孤立点、2重点、自己接触点および/または3重点を持っていない曲線であってよい。また、このような輪郭曲線は、正則である曲線であってもよい。好ましくは、電極前駆体のエッジの輪郭曲線が、幾何学的特異点となる先点(尖点)、跳躍点、角点、孤立点、2重点、自己接触点および3重点を持っておらず、かつ、正則である曲線となるようにトリミング処理する。ここでいう「先点(尖点)」、「孤立点」、「2重点」、「自己接触点」、「3重点」、「跳躍点」、「角点」および「正則」といった用語は、上記「数学ハンドブック」で説明されているものを実質的に指している。「波曲状凹凸が幾何学的特異点を含まない曲線」の態様の理解のため、電極前駆体のエッジ輪郭が幾何学的特異点を有する模式的態様を図6(A)〜(C)および図7(A)〜(D)に例示しておく。
更に、トリミング処理された電極前駆体のエッジの輪郭曲線について、電極前駆体の“長手方向”または“搬送方向”をx軸、それに直交する方向をy軸とすると、輪郭曲線がy=Sin(nx)+Cos(mx)(−π≦x≦π、0<n、0<m、y/x≦1)を基底関数とする曲線となっていてよい(図8参照)。このように三角関数を基底関数とする輪郭曲線もまた、ガイドロールから金属シート材/電極前駆体へともたらされる応力をより分散する効果を奏し、エッジからの切れ・裂けがより効果的に防止される。更にいえば図9に示すような輪郭曲線であってもよい。つまり、トリミング処理された電極前駆体のエッジの輪郭曲線について、電極前駆体の“長手方向”または“搬送方向”をx軸、それに直交する方向をy軸とすると、輪郭曲線が以下の数式(式1)を満たす曲線となっていてもよい。このような輪郭曲線もまたガイドロールから金属シート材/電極前駆体にもたらされる応力をより分散する効果を奏し得る。
式1
Figure 2020144975
本発明の製造方法では、“波曲状凹凸”を電極タブ形成に利用することができる。より具体的には、トリミング処理された電極前駆体30において、波曲状凹凸の“波形凸”の領域にタブ45が位置付けられるように切出しを行ってよく、それによって「タブが設けられた電極」を好適に得ることができる(図10参照)。つまり、図10に示すように、電極材層20が設けられていない金属シート材10の領域(極材非形成領域)を切出し形状に含めて切出しを行うに際して、その切出し形状40に含まれる極材非形成領域が特に波形凸に位置するようにする。これによって、“波形凸”の少なくとも一部がタブ45を構成することになり、“タブ付き電極”をより好適に得ることができる。このように“波曲状凹凸”を電極タブ形成に利用する態様では、電極前駆体のエッジの切れ・裂けを防止できるといった電極作製プロセスの点のみならず、作製される電極の構成の点でも有利な効果が奏され得るといえる。
なお、本明細書において「タブ」とは、広義には、外部との電気的接続に供する外部端子要素を意味しており、狭義には、正極または負極の集電体の一部であって、特に電極活物質(正極材・負極材)が設けられておらず、電極組立体において正極または負極から突出した形態を有する外部端子要素を意味している。
図10から分かるように、波曲状凹凸を電極タブ形成に利用する態様ではタブの先端の輪郭が“波形凸”と同様の曲線(平面視曲線)を成すように電極切出しを行ってもよい。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、あくまでも典型例を例示したに過ぎない。従って、本発明はこれに限定されず、種々の態様が考えられることを当業者は容易に理解されよう。
例えば、波曲状凹凸に起因するエッジ輪郭の波曲線の振幅が実質的に一定であって、波長も一定である態様について説明してきたが、本発明は特にこれに限定されない。図11(A)に示すように、かかる波曲線の振幅が一定でない態様であってもよい(図示する態様では、振幅の変化が周期的となっている態様を例示している)。また、図11(B)に示すように、波曲状凹凸に起因するエッジ輪郭の波曲線の波長が一定でない態様であってもよい(図示する態様では、波長の変化が周期的となっている態様を例示している)。このような態様であっても、ガイドロールから金属シート材/電極前駆体へともたらされる応力が分散するので、エッジからの切れ・裂けを効果的に防止できる。
本発明の製造方法で得られる二次電池は、蓄電が想定される様々な分野に利用することができる。あくまでも例示にすぎないが、二次電池は、モバイル機器などが使用される電気・情報・通信分野(例えば、携帯電話、スマートウォッチ、スマートフォン、ノートパソコンおよびデジタルカメラなどのモバイル機器分野)、家庭・小型産業用途(例えば、電動工具、ゴルフカート、家庭用・介護用・産業用ロボットの分野)、大型産業用途(例えば、フォークリフト、エレベーター、湾港クレーンの分野)、交通システム分野(例えば、ハイブリッド車、電気自動車、バス、電車、電動アシスト自転車、電動二輪車などの分野)、電力系統用途(例えば、各種発電、ロードコンディショナー、スマートグリッド、一般家庭設置型蓄電システムなどの分野)、ならびに、宇宙・深海用途(例えば、宇宙探査機、潜水調査船などの分野)に利用することができる。
10 金属シート材
20 電極材層
30 電極前駆体
35 電極前駆体のエッジ
40 電極の切出し形状/切出しされる電極(例えば“非矩形状”の電極)
45 タブ

Claims (11)

  1. 二次電池を製造するための方法であって、
    正極および負極の少なくとも一方の電極の作製が、
    電極集電体となる金属シート材に電極材層を形成して電極前駆体を得ること、および
    前記電極前駆体のエッジを少なくとも部分的に切り落とすトリミングを該電極前駆体に施すこと
    を含んで成り、
    前記電極前駆体の前記エッジが波曲状凹凸を成すように前記トリミングを行う、二次電池の製造方法。
  2. 前記波曲状凹凸では波形凹と波形凸との双方が含まれる、請求項1に記載の二次電池の製造方法。
  3. 前記波曲状凹凸にて互いに隣接する波形凹と波形凸とはそれぞれ一部を互いに共有する、請求項1または2に記載の二次電池の製造方法。
  4. 前記波曲状凹凸が周期的な曲線を成す、請求項1〜3のいずれかに記載の二次電池の製造方法。
  5. 前記波曲状凹凸が、幾何学的特異点を含まない曲線を成す、請求項1〜4のいずれかに記載の二次電池の製造方法。
  6. 前記トリミングにおいて、前記電極材層が設けられていない前記金属シート材の極材非形成領域のみを切り落とす、請求項1〜5のいずれかに記載の二次電池の製造方法。
  7. 前記トリミングにおいて、前記電極材層が設けられていない前記金属シート材の極材非形成領域のみならず、前記電極材層が設けられている極材形成領域を部分的に含むように切り落とす、請求項1〜5のいずれかに記載の二次電池の製造方法。
  8. 前記電極前駆体の形成に際してはガイドロールを使用して前記金属シート材を移動させており、
    前記移動の方向に互いに離隔した前記ガイドロールに起因して前記金属シート材が撓んだ状態で前記移動する、請求項1〜7のいずれかに記載の二次電池の製造方法。
  9. 前記電極前駆体からの切出しを行って前記電極を形成することを更に含んで成り、
    前記電極材層が設けられていない前記金属シート材の領域が切出し形状に含まれるように該電極前駆体に切出しを施し、前記電極にタブを設ける、請求項1〜8のいずれかに記載の二次電池の製造方法。
  10. 前記電極前駆体の長手方向エッジに対して前記トリミングを施す、請求項1〜9のいずれかに記載の二次電池の製造方法。
  11. リチウムイオンを吸蔵放出可能な層を前記正極および前記負極が有する、請求項1〜10のいずれかに記載の二次電池の製造方法。
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