JP2020139033A - 赤色蛍光体およびそれを使用した発光装置 - Google Patents

赤色蛍光体およびそれを使用した発光装置 Download PDF

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Riho Kayama
莉穂 香山
真之介 秋山
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真之介 秋山
慶 豊田
Kei Toyoda
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Abstract

【課題】赤色領域の発光特性に優れ、Ceを賦活した赤色蛍光体を提供する。【解決手段】赤色蛍光体は、Ca(3−x)Li(5−y)MyO12:Cexの化学式で表され、Mは、ZnおよびAlからなる群より選ばれる一種の元素であり、MがZnである場合、xの値の範囲が0<x<0.6、yの値の範囲が0≦y≦5であり、MがAlである場合、xの値の範囲が0<x<0.6、yの値の範囲が0≦y<3.5である。【選択図】なし

Description

本発明は、青色系の励起光を吸収し、赤色の蛍光を発する赤色蛍光体、およびこの赤色蛍光体を用いた発光装置に関する。
発光ダイオード(LED)等の半導体発光素子は、小型で消費電力が少なく、高輝度の発光を安定に行うことができるという利点を有しており、近年白熱灯等の照明器具を、白色光を発するLEDからなる発光装置を用いた照明器具に置き換える動きが進んでいる。白色光を発するLEDとしては、例えば、青色LEDと(Y,Gd)(Al,Ga)12:Ceの組成式で示されるCe賦活YAG系蛍光体とを組み合わせたものがある。
上記構成の発光装置では、LEDの青色光とCe賦活YAG蛍光体とから発せられる黄色光との混色により白色光を実現している。この構成では、Ce賦活YAG蛍光体の発光特性に起因して青白い白色なっており、店頭のディスプレイ用照明や、医療現場用照明等においては、やや赤みを帯びた暖色系の白色が強く求められており、温かみのある白色光を発することには不向きである。
そこで、青色LEDとCe賦活YAG系蛍光体とに加えてCaSi:Euの組成式で示されるEu賦活の窒化物系赤色蛍光体を更に組み合わせることにより、赤みを帯びた暖色系の白色を発することが実現可能な発光装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に示される構成により、3,250K以下の電球色領域の色温度において、高い演色性評価指数(Ra)を示し、特に赤色の見え方を示す特殊演色評価数(R9)が優れた値を示す白色光を発する発光装置が可能となることが開示されている。
特開2003−321675号公報
しかしながら、たとえば励起光源として青色レーザー等の高出力励起光源を適用し、高輝度、高演色光源を実現しようとする場合、上記特許文献1に記載の赤色蛍光体では、発光中心として発光寿命の長いEuを賦活しているため、高出力光源下では輝度飽和により発光輝度が低下してしまい、対応が困難である。今後、光源やプロジェクター等の更なる高輝度化、および高演色性が求められるといった市場ニーズにより、高出力光源に対応可能な発光輝度を有する赤色蛍光体が求められていく。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、発光ピーク波長が600nm以上700nm以下で、発光中心としてCeを賦活した赤色蛍光体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る赤色蛍光体は、
Ca(3−x)Li(5−y)12:Ceの化学式で表され、
Mは、ZnまたはAlであり、
MがZnである場合は、
xの値の範囲が0<x<0.6、yの値の範囲が0≦y≦5であり、
MがAlである場合は、
xの値の範囲が0<x<0.6、yの値の範囲が0≦y<3.5であることを特徴とする。
また、本発明に係る発光装置は、
上記赤色蛍光体と、
400nm以上500nm以下に発光ピーク波長を有する光源と、
を備えていることを特徴とする。
以上のように、本発明に係る赤色蛍光体によれば、その発光ピーク波長は600nm以上700nm以下であり、可視光領域内の長波長領域において高い演色性を示し、高出力光源を照射下での発光輝度低下が少ない。従って、本発明に係る赤色蛍光体と、例えば450nmを発光ピーク波長とする青色発光の光源との組み合わせにおいて、高輝度および高演色な発光装置を得ることができる。
実施の形態2に係るLED発光装置の模式的な断面図である。 実施の形態3に係るLD発光装置の模式的な断面図である。 実施例1−9及び比較例1の配合量と、M元素及びx、yの値を示す表1である。 実施例1、10、11及び比較例2の配合量と、M元素及びx、yの値を示す表2である。 実施例1、2、7および比較例3の1/e発光寿命を示す表3である。
第1の態様に係る赤色蛍光体は、
Ca(3−x)Li(5−y)12:Ceの化学式で表され、
Mは、ZnまたはAlであり、
MがZnである場合は、
xの値の範囲が0<x<0.6、yの値の範囲が0≦y≦5であり、
MがAlである場合は、
xの値の範囲が0<x<0.6、yの値の範囲が0≦y<3.5である。
第2の態様に係る発光装置は、
上記赤色蛍光体と、
400nm以上500nm以下に発光ピーク波長を有する光源と、
を備えている。
以下、実施の形態に係る赤色蛍光体及び発光装置について、添付図面を用いて説明する。なお、図面において実質的に同一の部材については同一の符号を付している。
(実施の形態1)
実施の形態1に係る赤色蛍光体は、Ca(3−x)Li(5−y)12:Ceの化学組成式で表される。この蛍光体は、ガーネット構造を有するCaLi12を母結晶とし、Liの一部を置換する金属元素としてZn又はAlを含み、Caの一部を置換する発光中心元素としてCeを含む。上記化学式において、Mは、ZnまたはAlである。MがZnである場合は、xの値の範囲が0<x<0.6、yの値の範囲が0≦y≦5である。MがAlである場合は、xの値の範囲が0<x<0.6、yの値の範囲が0≦y<3.5である。
上記化学式において、発光を得るためにCeを含む必要があるため、xの値は0より大きい。xの値は、発光強度増大の観点から、望ましくは0.0003以上、より望ましくは0.015以上である。赤色蛍光体が発光し得る限りxの値の最大値に特に制限はない。しかし、xの値が大きくなりすぎる場合には、濃度消光により発光強度が低下する。そのため、xの値を0.6未満とすることにより、発光強度の低下を制御できる。また、xの値は発光強度増大の観点から、望ましくは0.3以下、より望ましくは0.15以下である。
ZnおよびAlは、Liとイオン半径が近いため、Mサイトに入ることができる。MサイトにZnが入る場合、yの値の範囲が0≦y≦5である。LiをすべてZnに置換した場合でも、波長600nm以上700nm以下に蛍光スペクトルの最大ピークを有する。MサイトにAlが入る場合、0≦y<3.5である。yの値が3.5以上になるとAlのイオン半径の観点から結晶構造が変わり、蛍光スペクトルが短波長シフトしてしまう。このため、yの値を3.5よりも小さくすることによって、長波長領域に蛍光スペクトルの最大ピークを有する構造とすることができる。また、MサイトにZnまたはAlが入らない場合、すなわちLiが何れにも置換されない場合、波長600nm以上700nm以下に蛍光スペクトルの最大ピークを有する。ここで、最大ピークとは、スペクトル全体における最大値を有するピークである。上記の発光スペクトルのピークは、波長450nmで励起した場合に表れる。
また、実施の形態1に係る赤色蛍光体の1/e発光寿命は、100ns以下の値を示してもよい。発光寿命は、輝度飽和特性に影響する。従来の赤色蛍光体であるCASN:Euなど、Euを含む赤色蛍光体は、Ceを含む赤色蛍光体と比較して発光寿命が長い。そのため、Euを含む赤色蛍光体は、高出力励起時に量子効率が低下することで輝度飽和しやすい。したがって、発光中心としてCeを賦活している実施の形態1に係る赤色蛍光体は、従来の赤色蛍光体と比較して、高出力時でも量子効率が高い赤色蛍光体として有望である。
<赤色蛍光体の製造方法>
以下、実施の形態1に係る赤色蛍光体の製造方法の各工程について説明する。
(1)原材料としては、母結晶を構成する元素である、カルシウム(Ca)、リチウム(Li)、亜鉛(Zn)、およびアルミニウム(Al)の、例えば、酸化物を用いることができる。原材料の酸化物として、酸化カルシウム、酸化リチウム、酸化亜鉛、および酸化アルミニウムを準備する。また、賦活材であるセリウム(Ce)の原材料として、酸化セリウムを準備する。尚、酸化亜鉛、酸化アルミニウムに関してはどちらか一方を準備すればよい。また、原材料は、これら酸化物でなくとも、炭酸塩などを始めとする金属塩化合物とすることも可能である。
(2)上記原材料の粉末を所定量計量し、十分に混合する。混合方法は、溶液中での湿式混合でも、乾燥粉末の乾式混合でもよい。また、混合には、工業的に用いられるボールミル、媒体攪拌ミル、遊星ミル、振動ミル、ジェットミル、攪拌機等を用いることができる。また手作業で乳鉢などを使用した混合とすることもできる。前記混合粉末の0.1重量%から10重量%相当、フラックスとしてフッ化バリウム(BaF)やフッ化ストロンチウム(SrF)を混合することもできる。
(3)次に、上記のようにして準備した混合粉末を焼成する。焼成には、例えば電気炉を使用することができる。例えばアルミナ製の坩堝中に混合粉末を入れて、アルミナ坩堝ごと1200℃以上1600℃以下で約3時間以上12時間以下の時間で加熱し焼成する。
(4)焼成後は冷却し、解砕、必要な場合には酸によるフラックス洗浄などの工程を経て、赤色蛍光体粉末を得ることができる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、本開示の発光装置の一例として、実施の形態1に係る赤色蛍光体と、光源としてLEDチップを備えたLED発光装置について説明する。図1は、実施の形態2のLED発光装置の一実施形態を示す模式的な断面図である。図1に示すように、LED発光装置1は、LED波長変換部材2と、LEDチップ4と、を備える。また、支持体8を備えてもよい。支持体8は、LEDチップ4を支持する。本実施の形態2では、LED発光装置1は、面実装が可能な構造を備えているため、支持体8は基板である。LED波長変換部材2は、少なくとも赤色蛍光体11とLED封止体3を含む。
このLED発光装置1によれば、実施の形態1に係る赤色蛍光体を用いている。そこで、例えば450nmを発光ピーク波長とする青色発光の光源との組み合わせにおいて、高輝度および高演色性を得ることができる。
本実施の形態2に係るLED発光装置1は、高輝度LED発光装置に用いることができる。例えば、LEDチップ4で発生した熱を効率的に外部へ放熱することができるよう、支持体8は高い熱伝導率を有している。例えば、アルミナや窒化アルミニウムなどからなるセラミック基板を支持体8として用いることができる。
以下に、このLED発光装置1を構成する部材について説明する。
<LEDチップ>
LEDチップ4には、例えば、紫外から黄色領域で発光するものが用いられ、波長400nm以上500nm以下に発光スペクトルのピークを有するものが用いられる。LEDチップ4として、具体的には、青色LEDチップ等が用いられる。LEDチップ4は、支持体8上において、出射面が支持体8と接する面とならないように、半田6などによって支持体8に固定されている。また、LEDチップ4は、ボンディングワイヤ5によって支持体8に設けられた電極7に電気的に接続されている。LEDチップ4は、LED封止体3で覆われている。
<LED波長変換部材>
LED波長変換部材2は、LED封止体3を用いて構成されている。LED封止体3には、シリコーン樹脂が使用されている。シリコーン樹脂は、例えば、耐変色性が高いジメチルシリコーンを含んでいる。また、耐熱性の高いメチルフェニルシリコーン等もシリコーン樹脂として用いることができる。シリコーン樹脂は、1種類の化学式で規定されるシロキサン結合による主骨格を持つ単独重合体であってもよい。また、2種類以上の化学式で規定されるシロキサン結合を有する構造単位を含む共重合体や2種類以上のシリコーンポリマーのアロイであってもよい。
LED波長変換部材2は、蛍光体を含む。蛍光体は、LEDチップ4からの出射光を、より長波長の光に波長変換する。LED波長変換部材2に含まれる蛍光体は、赤色蛍光体11と、黄色蛍光体12または緑色蛍光体13から少なくとも1種とが混合され構成される。赤色蛍光体11としては、実施の形態1に係る赤色蛍光体が用いられる。黄色蛍光体12としては、例えば、YAl12:Ce3+、α−SiAlON:Eu2+等を用いることができる。また、緑色蛍光体13としては、CaSiOCl:Eu2+、β−SiAlON:Eu2+等を用いることができる。本実施の形態2では、特に、LED波長変換部材2が、赤色蛍光体11、黄色蛍光体12、および緑色蛍光体13の3種を混合して構成された場合を説明する。3種の蛍光体の混合比率は、所望の白色光の色調や、各蛍光体の発光強度などに応じて、適宜調整することが可能である。赤色蛍光体11、黄色蛍光体12、および緑色蛍光体13の3種の蛍光体は、例えば、封止体100重量部に対して、3重量部以上70重量部以下の割合でLED封止体3に含まれている。含有量が3重量部よりも少ない場合、十分な強度の蛍光が得られないため、所望の波長の光を発光するLED発光装置1を実現できなくなる場合がある。3種の蛍光体の重量比は、所望する白色光の色調と、それぞれの蛍光体の発光強度に応じて適宜決定することができる。
尚、赤色蛍光体11と他の色の蛍光体とを組み合わせることによって、LED発光装置を、白色以外の色を発するLED発光装置として構成することもできる。
実施の形態1に係る赤色蛍光体11以外の黄色蛍光体12、および緑色蛍光体13は、公知方法に従って製造することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3では、本開示の発光装置の一例として、実施の形態1に係る赤色蛍光体と、光源としてLD素子を備えた、LD発光装置について説明する。図2は、実施の形態3に係るLD発光装置10の概略構成を示している。LD発光装置10は、LD素子17と、LD波長変換部材15と、を備える。LD波長変換部材15は、少なくとも赤色蛍光体11とバインダ14とを含む。
このLD発光装置10によれば、実施の形態1に係る赤色蛍光体を用いているので、例えば450nmを発光ピーク波長とする青色発光の光源との組み合わせにおいて、高輝度および高演色性を得ることができる。
以下に、このLD発光装置10を構成する部材について説明する。
<LD素子>
LD素子17は、LEDよりも高い光パワー密度の光を出射することができる。よって、LD素子17の使用により高出力のLD発光装置10を構成することができる。
LD素子17の光パワー密度は、LD発光装置10の高出力化の観点から、例えば、0.5W/mm以上である。また、光パワー密度は、2W/mm以上であってもよく、3W/mm以上であってもよく、10W/mm以上であってよい。一方で、光パワー密度が高すぎると、光が照射された蛍光体からの発熱量が増大して、LD発光装置10に悪影響を及ぼすおそれがある。よって、光パワー密度は、150W/mm以下であってもよく、100W/mm以下であってもよく、50W/mm以下であってもよく、20W/mm以下であってもよい。
LD素子17には、例えば、紫外から黄色領域で発光するものが用いられ、波長400nm以上500nm以下に発光スペクトルのピークを有するものが用いられる。例えば、青紫光を出射するLD素子、青色光を出射するLD素子等を使用することができる。本実施の形態では、LD素子17が、青色光を射出する場合について説明する。
<LD波長変換部材>
LD波長変換部材15は、バインダ14を用いて構成されている。バインダ14は、例えば、樹脂、ガラス、または透明結晶などの媒体である。バインダ14は、単一の材質であってもよく、場所により異なる材質であってもよい。
LD波長変換部材15は、蛍光体を含む。蛍光体は、LD素子17からの出射光を、より長波長の光に波長変換する。LD波長変換部材15の蛍光体は、赤色蛍光体11と、黄色蛍光体12または緑色蛍光体13から少なくとも1種とが混合され構成される。赤色蛍光体11としては、実施の形態1に係る赤色蛍光体が用いられる。黄色蛍光体12および緑色蛍光体13としては、実施の形態2で例示したものを使用することができる。本実施の形態では、特に、LD波長変換部材15が、赤色蛍光体11、黄色蛍光体12、および緑色蛍光体13の3種を混合して構成された場合を説明する。3種の蛍光体の混合比率は、所望の白色光の色調や、各蛍光体の発光強度などに応じて、適宜調整することが可能である。
LD素子17から射出された青色光は、入射光学系16を通り、LD波長変換部材15中の赤色蛍光体11、黄色蛍光体12、および緑色蛍光体13により、それぞれ赤色光、黄色光、緑色光に変換される。上記3種の蛍光体で吸収されなかったLD素子17から射出された青色光と、赤色蛍光体11、黄色蛍光体12および緑色蛍光体13によりそれぞれ変換された赤色光、黄色光、緑色光とを混合して、白色光となる。
上述のように、実施の形態2及び3に係る発光装置によれば、実施の形態1に係る赤色蛍光体を用いるため、高出力時において従来よりも量子効率を向上させることができる。さらに、実施の形態2及び3に係る発光装置を白色発光装置として構成した場合には、高い演色性および色再現性を実現できる。
以下、実施例および比較例について具体的に説明する。
(実施例1)
原材料として、酸化カルシウム粉末(CaO)1.00g、酸化セリウム粉末(CeO)0.28g、酸化リチウム粉末(LiO)、フッ化バリウム粉末(BaF)6.40gを一つの容器内に秤量する。フッ化バリウムはフラックスである。これらの原材料を十分混合する。混合にはボールミル等の装置を使用することができる。混合物をアルミナ製の坩堝に投入し、大気圧において電気炉内で1400℃、約3時間焼成することによって、実施例1に係る赤色蛍光体において、Ca2.85Li12:Ce0.15の化学式で表すことができる赤色蛍光体を得ることができる。
(実施例2−11)および(比較例1−2)
図3は、実施例1−9及び比較例1の配合量と、M元素及びx、yの値を示す表1である。図4は、実施例1、10、11及び比較例2の配合量と、M元素及びx、yの値を示す表2である。
原材料として、図3の表1及び図4の表2に示す配合に従って製造した点、およびCa(3−x)Li(5−y)12:Ceの化学式で表すことの出来る赤色蛍光体における、x、yのそれぞれの値とMに入る元素が図3の表1、図4の表2内に示す点を除いて、実施例1と同様である。
<赤色領域(600−700nm)における発光特性の評価>
実施例1−9および比較例1の発光スペクトルを、積分球を使用した分光蛍光光度計を用いて測定した。合成された赤色蛍光体を積分球内の所定の位置に設置し、測定装置に付属の青色LED光源から発せられる青色光を粉末に照射し、蛍光スペクトルを測定した。
(判定基準)
・蛍光スペクトルにおいて、最大ピーク波長が600nm以上700nm以下であるものを、赤色領域における発光特性が優れたものとして○
・蛍光スペクトルにおいて、最大ピーク波長が600nmより小さいものを、赤色領域における発光特性が不十分なものとして×
とした。
実施例1−9および比較例1から次のことがいえる。
Ca(3−x)Li(5−y)12:Ceの化学式で表すことの出来る赤色蛍光体において、MがZnである場合、yの範囲が0≦y≦5であり、またはMがAlである場合、yの範囲が0≦y<3.5の範囲で赤色領域における発光特性が優れた赤色蛍光体であるといえる。
<外部量子効率の評価>
実施例1、10、11および比較例2の外部量子効率を、上記分光蛍光光度計を用いて測定した。方法は上記と同様である。
(判定基準)
実施例1の外部量子効率が最も高い値を示したため、実施例1を外部量子効率の値を基準としたときの相対値を評価した。相対値は、各実施例の外部量子効率の値を実施例1の外部量子効率の値で割り算して算出した。相対値が0.5よりも小さい場合、赤色蛍光体の発光が弱いため、発光装置の光源を赤色蛍光体に照射させると、光源からの発光が強くなり演色性を担保できなくなる。そのため、判定基準を以下に設定した。
・実施例1の外部量子効率の値を基準としたときの相対値が0.5以上の場合、外部量子効率が高い範囲として○
・実施例1の外部量子効率の値を基準としたときの相対値が0.5よりも小さい場合、外部量子効率が低い範囲として×
とした。
実施例1、10、11および比較例2から次のことがいえる。
Ca(3−x)Li(5−y)12:Ceで表すことの出来る赤色蛍光体において、xの範囲が0<x<0.6の範囲で外部量子効率の高い赤色蛍光体であるといえる。
(比較例3)
出発原料として、Ca粉末、Si粉末、AlN粉末、EuN粉末を用意した。Ca粉末、Si粉末、AlN粉末、EuN粉末を一般式Ca0.97Eu0.03AlSiNで表される組成となるように秤量し、それらを混合した。混合の方法としては、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、乳鉢を用いた乾式混合を行った。混合した原料粉末を窒化ホウ素製の坩堝に入れた。この原料粉末を窒素雰囲気中で1600℃にて2時間焼成した。焼成後の試料を濃度10%の硝酸溶液中で1時間洗浄した。以上の方法により、CASN:Euで表される、比較例3を作製した。
<発光寿命の評価>
図5は、実施例1、2、7および比較例3の1/e発光寿命を示す表3である。
実施例1、2、7および比較例3の発光寿命を発光寿命測定装置(浜松ホトニクス製)により測定した。図5の表3に、実施例1、2、7および比較例3の1/e発光寿命を示す。
実施例1、2、および7の1/e発光寿命はおよそ50ns程度であり、100ns以下の値を示すことがわかった。Ceの発光寿命は一般的に10ns〜100nsであることが知られている。よって、実施例1、2、および7より得られた発光はCe由来であると考えられる。
一方、比較例3であるCASN:Euの1/e発光寿命は820nsであった。発光寿命は輝度飽和に影響する。Ceを含む赤色蛍光体に比べ、Euを含む赤色蛍光体は高出力励起時に量子効率が低下することで輝度飽和しやすいことが知られている。つまり、実施例1、2、および7のCeを含む赤色蛍光体は、CASN:Euに比べて大幅に発光寿命値が小さいため、輝度飽和しにくいと考えられる、よって、実施例1、2、および7の赤色蛍光体は、高出力の励起光源と組み合わせることで、高出力の発光デバイスを実現できる。
なお、本開示においては、前述した様々な実施の形態及び/又は実施例のうちの任意の実施の形態及び/又は実施例を適宜組み合わせることを含むものであり、それぞれの実施の形態及び/又は実施例が有する効果を奏することができる。
本発明に係る赤色蛍光体は、発光ピーク波長が600nm以上700nm以下の範囲であり、赤色領域の発光量が多く、かつ高出力光源照射下での発光率低下を抑制できる赤色蛍光体である。そこで、この赤色蛍光体を青色発光の光源に適用した場合、高演色に優れた発光装置とすることができ、照明用光源等として好適に使用することができ、産業上の利用価値は高い。
1 LED発光装置
2 LED波長変換部材
3 LED封止体
4 LEDチップ
5 ボンディングワイヤ
6 半田
7 電極
8 支持体
10 LD発光装置
11 赤色蛍光体
12 黄色蛍光体
13 緑色蛍光体
14 バインダ
15 LD波長変換部材
16 入射光学系
17 LD素子

Claims (2)

  1. Ca(3−x)Li(5−y)12:Ceの化学式で表され、
    Mは、ZnまたはAlであり、
    MがZnである場合は、
    xの値の範囲が0<x<0.6、yの値の範囲が0≦y≦5であり、
    MがAlである場合は、
    xの値の範囲が0<x<0.6、yの値の範囲が0≦y<3.5である、
    赤色蛍光体。
  2. 請求項1に記載の前記赤色蛍光体と、
    400nm以上500nm以下に発光ピーク波長を有する光源と、
    を備えている発光装置。
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