JP2020132444A - ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス原料及びカレットを用いて製造されるガラス基板の不良率を低減し、ガラス基板の生産性を高める。【解決手段】ガラス基板の製造方法は、ガラス原料、及び、前記ガラス基板を破砕したカレット、を熔解して熔融ガラスをつくる熔解工程と、前記熔融ガラスをシートガラスに成形する成形工程と、を備える。前記ガラス原料及び前記カレット全体のクロム含有量を、前記ガラス原料及び前記カレット全体の質量の0.7ppm以下となるよう調整することにより、前記シートガラスのクロム含有量を0.7ppm以下に調整する、ことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス原料及びカレットを熔解した熔融ガラスを用いるガラス基板の製造方法に関する。
ガラス基板は、一般に、ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくり、熔融ガラスをシート状に成形して得られたガラス板(シートガラス)を、例えば所定のサイズに切断することで製造される。また、ガラス原料と一緒にカレットを熔解槽に投入し、熔融ガラスをつくる場合がある(例えば、特許文献1参照)。カレットは、ガラス原料が一度熔解し、ガラス化したものであるため、熔融ガラスをつくるためのエネルギーが小さくて済む。
ガラス原料には、一般に、微量の不純物が含まれており、ガラス原料からつくられたカレットにも不純物が含まれている。このため、ガラス原料及びカレットから製造されたガラス基板には、通常、微量の不純物が含まれている。ガラス原料中の不純物は、意図せずに混入するものであるため、ガラス原料やカレットに不純物が含まれないようにすることは困難である。
特開2014−088306公報
ところで、ガラス基板中に異物が含まれていると、要求されるガラス品質の基準を満たさず、検査工程において不合格品として扱われる場合がある。製造されるガラス基板の中に、不合格品のガラス基板が多く発生すると、ガラス基板の不良率が高くなり、ガラス基板の生産性は低下する。
本発明は、ガラス原料及びカレットを用いて製造されるガラス基板の不良率を低減し、ガラス基板の生産性を高めることができるガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、ガラス基板の製造方法であって、
ガラス原料、及び、前記ガラス基板を破砕したカレット、を熔解して熔融ガラスをつくる熔解工程と、
前記熔融ガラスをシートガラスに成形する成形工程と、を備え、
前記ガラス原料及び前記カレット全体のクロム含有量を、前記ガラス原料及び前記カレット全体の質量の0.7ppm以下となるよう調整することにより、前記シートガラスのクロム含有量を0.7ppm以下に調整する、ことを特徴とする。
前記製造方法は、さらに、前記ガラス基板を、クロムを含有する破砕用刃を用いて破砕し、前記カレットを作製するカレット作製工程と、
前記破砕により前記破砕用刃から刃こぼれした、クロムを含有する刃屑を、前記カレットから除去するクロム除去工程と、を備えることが好ましい。
前記ガラス原料及び前記カレット全体の前記クロム含有量は、前記カレットのクロム含有量より少ないことが好ましい。
前記製造方法は、さらに、熔融ガラスの処理装置内に前記熔融ガラスを供給し、供給された前記熔融ガラスに対し清澄処理及び撹拌処理の少なくとも一方を行う処理工程を備え、
前記熔解工程及び前記処理工程の少なくとも一方において、クロムを含んだガラス成分の少なくとも一部を前記熔融ガラスから分離することが好ましい。
分離される前記ガラス成分の量は、所定期間に作製される前記シートガラスの質量の30〜200ppmであり、
当該ガラス成分の分離を、前記熔解工程及び前記処理工程の前記少なくとも一方において継続して行うことが好ましい。
前記製造方法は、さらに、前記熔解工程の後、前記成形工程の前に、前記熔融ガラスを冷却する冷却工程を備え、
前記冷却工程において、前記熔融ガラスの温度が1100〜1200℃の範囲内となる時間は50分以内であることが好ましい。
本発明によれば、ガラス原料及びカレットを熔解してつくった熔融ガラスを用いてガラス基板を製造する場合において、ガラス基板の不良率を低減し、ガラス基板の生産性を高めることができる。
本実施形態であるガラス基板の製造方法のフローを示す図である。 本実施形態の熔解工程から切断工程までの各工程を行う装置を模式的に示す図である。 破砕用刃を示す図である。
以下、本実施形態のガラス基板の製造方法について説明する。
(ガラス基板の製造方法の全体概要)
図1は、本実施形態のガラス基板の製造方法の工程の一例を示す図である。本実施形態には、後述する種々の実施形態が含まれる。
ガラス基板の製造方法は、熔解工程(ST1)と、清澄工程(ST2)と、均質化工程(ST3)と、冷却工程(ST4)と、成形工程(ST5)と、徐冷工程(ST6)と、切断工程(ST7)と、を主に有する。この他に、研削工程、研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有し、梱包工程で積層された複数のガラス基板は、納入先の業者に搬送される。
熔解工程(ST1)は熔解槽で行われる。熔解工程(ST1)では、ガラス原料及びカレットを熔解して熔融ガラスを作る。なお、ガラス原料には清澄剤が添加されることが好ましい。清澄剤については、環境負荷低減の点から、酸化錫が好適に用いられる。
清澄工程(ST2)は、清澄槽内で熔融ガラスの清澄を行う。清澄工程(ST2)では、清澄槽内の熔融ガラスが例えば1660〜1750℃に昇温される。この過程で、清澄剤は、還元反応により酸素を放出し、後に還元剤として作用する物質となる。熔融ガラス中に含まれるO、COあるいはSOを含んだ泡は、清澄剤の還元反応により生じたOと合体して体積が大きくなり、熔融ガラスの液面に浮上して破泡し消滅する。
その後、清澄工程(ST2)では、熔融ガラスの温度を低下させる。この過程で、清澄剤の還元反応により得られた還元剤が酸化反応をする。これにより、熔融ガラスに残存する泡中のO等のガス成分が熔融ガラス中に溶け込むことで、泡が消滅する。
均質化工程(ST3)では、清澄槽から延びる配管を通って供給された攪拌槽内の熔融ガラスを、スターラを用いて攪拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。
冷却工程(ST4)では、撹拌槽から延びる配管を通って成形体に供給される熔融ガラスの冷却を行う。冷却工程(ST4)では、成形工程(ST5)において成形を行うのに適した温度及び粘度となるよう、熔融ガラスの冷却を行う。
成形工程(ST5)では、熔融ガラスをシート状に成形し、シートガラスG(図2参照)の流れを作る。成形には、オーバーフローダウンドロー法あるいはフロート法を用いることができる。後で参照する図2には、オーバーフローダウンドロー法を用いて成形を行う成形装置が示されている。
徐冷工程(ST6)では、成形されて流れるシートガラスGが所望の厚さになり、内部歪が生じないように、さらに、反りが生じないように冷却される。
切断工程(ST7)では、切断装置において、成形装置から搬送されたシートガラスGを所定の長さに切断する。切断されたシートガラスGはさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス基板が作られる。
熔解工程(ST1)から切断工程(ST7)までの各工程は、例えば、図2に示す装置によって行われる。図2は、本実施形態の製造方法を行う装置を模式的に示す図である。当該装置は、主に、熔解装置100と、成形装置200と、切断装置300とを有する。熔解装置100は、熔解槽101と、清澄槽102と、攪拌槽103と、ガラス供給管104、105、106と、を有する。成形装置200は、熔融ガラスをオーバーフローさせて板状に成形するための成形体201を備えている。
ここで、上述したガラス原料及びカレットについて説明する。
ガラス原料は、具体的に、SiO2を主成分(98質量%以上の成分)とするシリカのほか、Al23を主成分(98質量%以上の成分)とするアルミナ、CaCO3を主成分(90質量%以上の成分)とする石灰石等の原料を含む。これらの原料には、微量の不純物が含まれる。不純物とは、意図して含有される成分ではなく、原料に対して意図されず0.5質量%以下含有している成分をいう。不純物は、例えば、クロム、鉄等である。
カレットは、ガラス基板を破砕して作られる。このようなカレットを、ガラス原料とともに用いるのは、ガラス原料及びカレットを熔解するためのエネルギーを小さくし、これによりガラス基板の生産コストを低減するためである。カレットは、ガラス原料が熔融してガラス化されたものであるため、ガラス原料を熔解する場合に比べ、少ないエネルギーで熔解できる。
本発明者の検討によれば、シートガラスに一定割合以上のクロムが含まれていると、ガラス基板の不良率が増加する場合があることがわかった。具体的には、一定割合以上のクロムを含んだシートガラスには、製造される過程で、クロムを含んだ微粒子(以降、クロム微粒子ともいう)が析出する場合があり、ガラス基板中に異物として残存する場合があることがわかった。クロム微粒子の大きさは、例えば、最大長さが1〜100μmである。その結果、要求されるガラス品質の基準を満たさず、検査工程において不合格品として扱われ、ガラス基板の不良率が増加する場合があることがわかった。さらに本発明者が検討したところ、シートガラスのクロム含有量が0.7ppm以下になるよう、ガラス原料及びカレット全体のクロム含有量を、ガラス原料及びカレット全体の質量の0.7ppm以下に調整することで、要求される品質を満たさないガラス基板が発生することを抑制できることがわかった。本実施形態では、このようにガラス原料及びカレット全体のクロム量を調整することで、要求される品質を満たさないガラス基板の発生を抑制し、ガラス基板の不良率を低減している。なお、不良率とは、所定期間に製造されたガラス基板の質量に対する、要求される品質を満たさないガラス基板の質量の割合を意味する。
ガラス原料及びカレット全体とは、所定の組成のガラス基板を製造するために調合されたガラス原料及びカレットの全体を意味する。クロム含有量は、例えば、調整されたバッチ原料ごとに測定される。
ガラス原料及びカレット全体のクロム含有量は、具体的に、下記の式を用いて計算される。
(ガラス原料及びカレット全体のクロム含有量)={(ガラス原料のクロム含有量)×(ガラス原料の質量)+(カレットのクロム含有量)×(カレットの質量)}/{(ガラス原料の質量)+(カレットの質量)}
上記式において、「ガラス原料のクロム含有量」は、ガラス原料に含まれる各原料の数をi(iは2以上の自然数)とし、各原料のクロム含有量をa1,a2,・・・,aiとし、ガラス原料中の各原料の質量をb1,b2,・・・,biとしたとき、下記の式を用いて計算される。
(ガラス原料のクロム含有量)=(a11+a22+・・・aii)/(b1+b2+・・・+bi
ガラス原料の各原料、カレット、及びシートガラスのクロム含有量は、例えば、ICP(Inductively Coupled Plasma)質量分析法、レーザラマン分光法を用いて測定される。例えば、ICP質量分析法では、ガラス原料の各原料にプラズマのエネルギーを外部から与えると、当該原料に含有されている成分元素(原子)が励起され、励起された原子が低いエネルギー準位に戻るときに放出される発光線(スペクトル線)を測定する。発光線の位置(波長)から成分元素の種類を判定し、その強度からクロムの含有量を求める。また、レーザラマン分光法では、ガラス原料の各原料のクロム含有量を測定する場合、具体的に、当該原料の一部を熔解し、作製した板状のガラスにレーザ光を照射し、発生したラマン散乱光から、板状のガラス中のクロム成分を検出し、ピークの強度から濃度を計算する。
ガラス原料の各原料のクロム含有量は、原料のロット間にばらつきがあることを考慮し、ロットごとに測定される。
カレットのクロム含有量は、同じバッチ原料内でばらつきがあること考慮し、例えば、バッチごとに数回(例えば2〜5回)測定し、その平均値を用いることが好ましい。
シートガラス中にクロム微粒子が存在する場合のクロム含有量は、クロム微粒子が熔解するようシートガラスを熔解し、クロム微粒子を析出させないようガラス化させたものを用いて測定される。
ガラス原料及びカレット全体のクロム含有量は、具体的に、クロム含有量が少ない上記各原料のロットを用いることのほか、本実施形態の製造方法により製造されたガラス基板を破砕して得たカレットを用いることにより調整される。なお、ガラス基板のクロム含有量は、同じシートガラスから切り出された物同士でも、シートガラス中に存在するクロム成分の分布に起因してばらつく場合がある。
ガラス原料及びカレット全体のクロム含有量は、ガラス基板の不良率をさらに低減する観点から、好ましくは0.5ppm以下、より好ましくは0.3ppm以下に調整される。また、シートガラス中のクロム含有量は、好ましくは0.5ppm以下、より好ましくは0.3ppm以下に調整される。
一方、上述したように、ガラス原料及びカレット全体のクロム含有量を0.7ppm以下に調整することによって、シートガラスのクロム含有量が0.7ppm以下に調整され、シートガラス中のクロム微粒子の析出が抑制されているため、ガラス原料及びカレット全体のクロム含有量が0.7ppm以下の範囲内であれば、クロム含有量が多くてもよい。この場合、ガラス原料及びカレット全体のクロム含有量を少なくするために、クロム含有量の基準を厳しく制限することなくガラス原料及びカレットを選別できるので、ガラス原料及びカレットのクロム含有量の調整が容易になる。この観点から、ガラス原料及びカレット全体のクロム含有量は、0.1ppm以上、0.2ppm以上であってもよい。また、シートガラス中のクロム含有量は、0.1ppm以上、0.2ppm以上であってもよい。
一実施形態によれば、本実施形態のガラス基板の製造方法は、さらに、カレット作製工程と、クロム除去工程と、を備えることが好ましい。カレット作製工程及びクロム除去工程は、熔解工程(ST1)の前に行われる。
カレット作製工程では、ガラス基板を、クロムを含有する破砕用刃を用いて破砕し、カレットを作製する。図3に、クロムを含有する破砕用刃10の例を示す。図3に示す破砕用刃10は、ガラス基板を破砕する図示されない破砕機に取り付けられている。破砕刃は、互いに平行な複数の軸のそれぞれに、互いに間隔をあけて複数、取り付けられるとともに、1つの軸21の破砕用刃10が、他の1つの軸22の隣り合う破砕用刃10の間の隙間Sに入り込むよう配置されている。これにより、軸21,22が、図3に示す矢印に沿ってそれぞれ回転したときに、軸21,22の上方から投入されたガラス基板は破砕される。このような破砕用刃10は、例えば、鋼等、クロムを含有する材質から構成される。破砕用刃10のクロム含有量は、例えば、11〜30質量%である。
クロム除去工程では、破砕により破砕用刃から刃こぼれした、クロムを含有する刃屑を、カレットから除去する。ガラス基板を破砕しているとき、破砕用刃の刃が欠けて、破砕用刃から離脱した刃屑がカレット中に混入する場合がある。刃屑もクロムを含んでいるため、カレットに混入したまま熔解工程で用いられると、熔融ガラス中に熔解する場合がある。これによって、熔融ガラス中のクロム含有量が多くなり、シートガラス中にクロム微粒子が析出しやすくなる。このため、熔解工程(ST1)の前に、クロム除去工程を行って、予め、刃屑をカレットから除去しておくことが好ましい。刃屑は、例えば、磁石を用いて、また、篩を用いて、カレットから除去することができる。
一実施形態によれば、ガラス原料及びカレット全体のクロム含有量は、カレットのクロム含有量より少ないことが好ましい。上述したように、ガラス原料及びカレット全体のクロム含有量が0.7ppm以下に調整されているため、カレットのクロム含有量がガラス原料及びカレット全体のクロム含有量より多くても、シートガラスのクロム含有量を0.7ppm以下にすることができる。すなわち、カレットのクロム含有量が多くても、シートガラスのクロム含有量を0.7ppm以下にすることができる。シートガラスのクロム含有量を0.7ppm以下となる範囲で、ガラス原料とカレットとの配合比を任意に調整できる。
ガラス原料とカレットの配合比は、クロム含有量の調整を容易に行う観点から、5:5〜7:3であることが好ましい。
一実施形態によれば、ガラス基板の製造方法は、熔融ガラスの処理装置内に熔融ガラスを供給し、清澄処理及び撹拌処理の少なくとも一方を行う処理工程を備えることが好ましい。すなわち、上述した清澄工程(ST2)及び均質化工程(ST3)を備えることが好ましい。熔融ガラスの処理装置は、例えば、清澄槽、攪拌槽である。また、熔解工程(ST1)では、上述したように、熔解槽を用いてガラス原料及びカレットを熔解する。
一実施形態によれば、熔解工程(ST1)、清澄工程(ST2)、及び均質化工程(ST3)の少なくともいずれか1つの工程において、クロムを含んだガラス成分(以降、クロム成分ともいう)の少なくとも一部を熔融ガラスから分離することが好ましい。これにより、熔融ガラス中のクロム含有量を少なくし、シートガラス中にクロム微粒子が析出することを確実に抑制することができる。クロム成分は、他のガラス成分と比べ、比重が大きいため、熔融ガラス中、下方に滞留しやすい。このため、クロム成分は、例えば、熔解槽、清澄槽、及び撹拌槽それぞれの底部に設けられた孔を排出口としてクロム成分を排出することができる。
一実施形態によれば、クロム成分の分離は、熔融ガラスが最も高温に加熱される工程以降の工程で行われることが好ましく、清澄工程(ST2)及び均質化工程(ST3)において行われることが好ましい。このうち、均質化工程(ST3)では、清澄済みの熔融ガラスを処理しているため、クロム成分の分離は、均質化工程(ST3)において行うことがより好ましい。
一方、分離されるクロム成分の量が多くなると、シートガラスとなる熔融ガラスの量が減り、ガラス基板の生産性が低下する。このため、一実施形態によれば、分離されるガラス成分の量は、所定期間(例えば1日)に作製されるシートガラスの質量の30〜200ppmであることが好ましく、50〜150ppmであることが好ましい。これにより、シートガラスのクロム含有量を少なくすることと、ガラス基板の生産性の低下を抑制することとを両立できる。また、ガラス成分の分離を断続的に行うと、熔融ガラス中にクロム成分が残りやすくなるため、ガラス成分の分離は、熔解工程(ST1)、清澄工程(ST2)、及び均質化工程(ST3)の少なくとも1つの工程において継続して行うことが好ましい。
一実施形態によれば、ガラス基板の製造方法は、上述した冷却工程(ST4)を備えていることが好ましい。冷却工程(ST4)は、熔解工程(ST1)の後、好ましくは均質化工程(ST3)の後、成形工程(ST5)の前に、熔融ガラスを冷却する工程である。冷却工程(ST4)では、例えば、ガラス供給管106を加熱するヒータや、ガラス供給管106の通電加熱を行う電流量の制御、ガラス供給管106を保温する断熱材の配置の調整を行って、ガラス供給管106内を流れる熔融ガラスの温度を調整する。
一実施形態によれば、冷却工程(ST4)において、熔融ガラスの温度が1000〜1200℃の範囲内となる時間は50分以内であることが好ましい。本発明者の検討によれば、熔融ガラスの温度が上記温度範囲で推移する時間が長いほど、シートガラス中にクロム微粒子が析出しやすくなり、この時間を50分以内、好ましくは40以内、より好ましくは30以内に制限することで、シートガラス中のクロム微粒子の析出を抑制できることが明らかにされた。このように熔融ガラスが推移する時間が制限される温度範囲は、好ましくは1050〜1250℃である。
(ガラス組成)
このようなガラス基板として、以下のガラス組成のガラス基板が例示される。したがって、以下のガラス組成をガラス基板が有するようにガラス原料は用いられる。
SiO2:55〜75モル%、
Al23:5〜20モル%、
23:0〜15モル%、
RO:5〜20モル%
(RはMg、Ca、Sr及びBaのうち、ガラス基板に含まれる全元素)、
R’2O:0〜0.8モル%(R’はLi、K、及びNaのうち、ガラス基板に含まれる全元素)。
このガラス組成において、SiO2、Al23、B23、及びRO(Rは、Mg、Ca、Sr及びBaのうち前記ガラス基板に含有される全元素)の少なくともいずれかを含み、モル比((2×SiO2)+Al23)/((2×B23)+RO)は4.0以上であってもよい。
このガラス組成において、クロム、鉄等の不純物の濃度は0.5質量%以下である。
本実施形態で製造されるガラス基板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板を含むディスプレイ用ガラス基板に用いられる。
また、本実施形態で製造されるガラス基板は、IGZO(インジウム、ガリウム、亜鉛、酸素)等の酸化物半導体を使用した酸化物半導体ディスプレイ用ガラス基板及びLTPS(低温度ポリシリコン)半導体を使用したLTPSディスプレイ用ガラス基板に用いられる。
また、本実施形態で製造されるガラス基板は、アルカリ金属酸化物の含有量が極めて少ないことが求められる液晶ディスプレイ用ガラス基板、あるいは、有機ELディスプレイ用ガラス基板に用いられる。
また、本実施形態で製造されるガラス基板は、カバーガラス、磁気ディスク用ガラス、太陽電池用ガラス基板などにも用いられる。
[実験例]
(実施例1)
上記ガラス組成となるようガラス原料及びカレットを配合し、その際、シートガラスのクロム含有量が0.7ppm以下になるよう、ガラス原料及びカレット全体のクロム含有量が0.7ppm以下となるようガラス原料の各原料のロット及びカレットを選別して、上記実施形態の製造方法を行って、2340mm×1350mmのシートガラスを、計120トン製造した(実施例1)。ガラス原料とカレットの配合比は、6:4とした。
なお、実施例1では、カレット作製工程を行う一方で、クロム除去工程を行わなかった。また、処理装置からの熔融ガラスの分離は行わなかった。また、冷却工程において1100〜1200℃の範囲で熔融ガラスを保持した時間を90分とした。
(実施例2)
クロム除去工程を行った点を除いて、実施例1と同じ要領でシートガラスを製造した。
(実施例3)
清澄槽の底部から熔融ガラスの分離を行った点を除いて、実施例1と同じ要領でシートガラスを製造した。清澄槽からの熔融ガラスの排出量は、1日に製造したシートガラスの質量の100ppmとした。排出は、清澄工程の間、継続して行った。
(実施例4)
冷却工程において1100〜1200℃の範囲で熔融ガラスを保持した時間を30分とした点を除いて、実施例1と同じ要領でシートガラスを製造した。
(比較例)
ガラス原料及びカレットのクロム含有量の調整を行わなかった点を除いて、実施例1と同じ要領でシートガラスを製造した。なお、ガラス原料及びカレットのクロム含有量は、1ppmであった。
実施例1〜4及び比較例で用いたガラス原料及びカレット全体、及び製造されたシートガラスのクロム含有量を、ICP質量分析法を用いて測定した。ガラス原料及びカレットのクロム含有量は、上記実施形態で説明した要領で計算した。シートガラスのクロム含有量は、シートガラス10枚ごとに1枚を抜き出して測定したクロム量の平均値とした。なお、測定対象であるシートガラスにクロム微粒子が析出していた場合は、クロム微粒子を析出させないようガラス化させて作製した板状ガラスのクロム含有量を測定した。
また、実施例1〜4及び比較例で作製したシートガラスの全てについて、レーザ顕微鏡を用いて、最大長さが10μm以上のクロム微粒子の有無を検査し、クロム微粒子が1つ以上あった場合を不合格品として、所定の期間あたりの不良率を算出した。結果を表1に示す。不良率が5%以下だった場合を、不良率が低減され、ガラス基板の生産性が向上したと評価した。
表1には、クロム除去工程、クロム成分の分離、及び、冷却工程での上記温度範囲での熔融ガラス温度の50分以内の保持のそれぞれを行ったか否かが、「有」、「無」で示される。
Figure 2020132444
実施例1〜4と比較例との対比から、シートガラスのクロム含有量が0.7ppm以下になるようガラス原料及びカレット全体の含有量を0.7ppm以下にすることで、不良率を低減でき、ガラス基板の生産性を高められることがわかる。
実施例1と実施例2〜4の対比から、ガラス原料及びカレット全体のクロム量を調整することに加え、さらに、クロム除去工程、冷却工程での1100〜1200℃での熔融ガラス温度の50分以内の保持、及び、クロム成分の分離のいずれかを行うことで、不良率を低減でき、この順に、不良率を低減する効果が大きいことがわかる。つまり、クロム微粒子を含有した不合格品を低減させる処理として効果の大きい順が、クロム除去工程、冷却工程、クロム成分の分離、であることがわかった。
以上、本発明のガラス基板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
100 熔解装置
101 熔解槽
102 清澄槽
103 攪拌槽
104、105、106 ガラス供給管
200 成形装置
201 成形体
300 切断装置

Claims (6)

  1. ガラス基板の製造方法であって、
    ガラス原料、及び、前記ガラス基板を破砕したカレット、を熔解して熔融ガラスをつくる熔解工程と、
    前記熔融ガラスをシートガラスに成形する成形工程と、を備え、
    前記ガラス原料及び前記カレット全体のクロム含有量を、前記ガラス原料及び前記カレット全体の質量の0.7ppm以下となるよう調整することにより、前記シートガラスのクロム含有量を0.7ppm以下に調整する、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  2. さらに、前記ガラス基板を、クロムを含有する破砕用刃を用いて破砕し、前記カレットを作製するカレット作製工程と、
    前記破砕により前記破砕用刃から刃こぼれした、クロムを含有する刃屑を、前記カレットから除去するクロム除去工程と、を備える、請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  3. 前記ガラス原料及び前記カレット全体の前記クロム含有量は、前記カレットのクロム含有量より少ない、請求項1又は2に記載のガラス基板の製造方法。
  4. さらに、熔融ガラスの処理装置内に前記熔融ガラスを供給し、供給された前記熔融ガラスに対し清澄処理及び撹拌処理の少なくとも一方を行う処理工程を備え、
    前記熔解工程及び前記処理工程の少なくとも一方において、クロムを含んだガラス成分の少なくとも一部を前記熔融ガラスから分離する、請求項1から3のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
  5. 分離される前記ガラス成分の量は、所定期間に作製される前記シートガラスの質量の30〜200ppmであり、
    当該ガラス成分の分離を、前記熔解工程及び前記処理工程の前記少なくとも一方において継続して行う、請求項4に記載のガラス基板の製造方法。
  6. さらに、前記熔解工程の後、前記成形工程の前に、前記熔融ガラスを冷却する冷却工程を備え、
    前記冷却工程において、前記熔融ガラスの温度が1100〜1200℃の範囲内となる時間は50分以内である、請求項1から5のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
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