JP2020128486A - コーティング組成物、及びこれを用いた化粧シート - Google Patents
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Abstract
Description
建材内装分野では、家具、壁、天井、床に至るまで、化粧シートの高い意匠性、加工性の良さ、コスト安・小ロット対応可能による経済性の観点から、いわゆる塗装からシート化へ置き換えらが進んでおり、更に今後は内装分野に留まらず、外装分野においてもシート化へ置き換えが進む事が想定される。
有機系の耐候剤として、トリアゾール系の紫外線吸収剤(例えば特許文献1参照)や、特定の位置にアルコキシ基及びヒドロキシ基を有するトリスアリール−S−トリアジンからなる紫外線吸収剤(例えば特許文献2参照)が挙げられるが、これらの有機系の耐候剤の添加量の増加はブリード発生等の問題があり、性能面で限界がある。
他方でブリード発生の問題の解決策として無機系の耐候添加剤を用いる方法が挙げられる。無機系の耐候添加剤として紫外線遮断ガラス等に使用される酸化亜鉛微粉末(例えば特許文献3参照)は高い紫外線遮蔽性を持つことが知られており、樹脂中に微分散させることによって、高い耐候性と透明性の両立が可能になる。
しかし、酸化亜鉛は高い紫外線遮蔽性を有する一方で、光触媒作用を有しており、通常の有機バインダー樹脂では酸化亜鉛の酸化分解作用により塗膜が劣化してしまう問題を持ち合わせている。
従って、塗膜の透明性を保持しつつ、酸化亜鉛の酸化分解作用によって塗膜が劣化する事なく、ブリード発生も抑制できる有機バインダー樹脂の選択・組み合わせによる化粧シート用コーティング組成物の開発が望まれる。
本発明で使用する複合樹脂(A)は、前記一般式(1)及び/または前記一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基及び/または加水分解性シリル基と、エポキシ基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)(以下単にポリシロキサンセグメント(a1)と称す)と、アルコール性水酸基を有するビニル系重合体セグメント(a2)(以下単にビニル系重合体セグメント(a2)と称す)とが、前記一般式(3)で表される結合により結合した複合樹脂である。
複合樹脂(A)の形態は、例えば、前記ポリシロキサンセグメント(a1)が前記重合体セグメント(a2)の側鎖として化学的に結合したグラフト構造を有する複合樹脂や、前記重合体セグメント(a2)と前記ポリシロキサンセグメント(a1)とが化学的に結合したブロック構造を有する複合樹脂等が挙げられる。
本発明におけるポリシロキサンセグメント(a1)は、前記一般式(1)及び/または前記一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基及び/または加水分解性シリル基と、エポキシ基とを有すセグメントである。
具体的には、前記一般式(1)及び(2)におけるR1、R2及びR3は、それぞれ独立して、−R4−CH=CH2、−R4−C(CH3)=CH2、−R4−O−CO−C(CH3)=CH2、及びR4−O−CO−CH=CH2からなる群から選ばれる1つの重合性二重結合を有する基(但しR4は単結合または炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す。)、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子が3〜8のシクロアルキル基、アリール基または炭素原子が7〜12のアラルキル基を表す。
また、前記炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
また、前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基等が挙げられる。
また、前記炭素原子数が7〜12のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
前記重合性二重結合を有する基は、ポリシロキサンセグメント(a1)中に2つ以上存在することが好ましく、3〜200個存在することがより好ましく、3〜50個存在することが更に好ましく、より耐擦り傷性に優れた塗膜を得ることができる。具体的には、前記ポリシロキサンセグメント(a1)中の重合性二重結合の含有率が3〜35質量%であれば、所望の耐擦り傷性を得ることができる。尚、ここでいう重合性二重結合とは、ビニル基、ビニリデン基もしくはビニレン基のうち、フリーラジカルによる生長反応を行うことができる基の総称である。また、重合性二重結合の含有率とは、当該ビニル基、ビニリデン基もしくはビニレン基のポリシロキサンセグメント中における質量%を示すものである。
重合性二重結合を有する基としては、当該ビニル基、ビニリデン基、ビニレン基を含有してなる公知の全ての官能基を使用することができるが、中でも−R4−C(CH3)=CH2や−R4−O−CO−C(CH3)=CH2で表される(メタ)アクリロイル基は、紫外線硬化の際の反応性に富むことや、後述のビニル系重合体セグメント(a2)との相溶性が良好となる。
本発明における複合樹脂(A)を構成する前記ポリシロキサンセグメント(a1)はエポキシ基を有し、複合樹脂(A)の固形分のエポキシ当量は900〜17000g/eqである。2500〜6000g/eqであると、長期保存安定性に優れるため、特に好ましい。固形分のエポキシ当量が17000g/eqより大きい場合、複合樹脂(A)はゲル化しやすくなり、長期に保存できない。また、900g/eqより小さい場合、表面処理剤として硬化性に劣る。
本発明においてシラノール基とは、ケイ素原子に直接結合した水酸基を有するケイ素含有基である。該シラノール基は具体的には、前記一般式(1)及び/または前記一般式(2)で表される構造単位の、結合手を有する酸素原子が水素原子と結合して生じたシラノール基であることが好ましい。
また、アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基等が挙げられる。
また、アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
また、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ブトキシ基等が挙げられる。
また、アシロキシ基としては、例えば、ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、フェニルアセトキシ基、アセトアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基、ナフトイルオキシ基等が挙げられる。
また、アリールオキシ基としては、例えば、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
また、アルケニルオキシ基としては、例えば、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、1−プロペニルオキシ基、イソプロペニルオキシ基、2−ブテニルオキシ基、3−ブテニルオキシ基、2−ペテニルオキシ基、3−メチル−3−ブテニルオキシ基、2−ヘキセニルオキシ基等が挙げられる。
また前記加水分解性シリル基は具体的には、前記一般式(1)及び/または前記一般式(2)で表される構造単位の、結合手を有する酸素原子が前記加水分解性基と結合もしくは置換されている加水分解性シリル基であることが好ましい。
また、前記シラノール基や前記加水分解性シリル基を含むポリシロキサンセグメント(a1)と後述のビニル系重合体セグメント(a2)とを、前記一般式(3)で表される結合を介して結合させる際に使用する。
本発明におけるビニル系重合体セグメント(a2)は、アクリル系重合体、フルオロオレフィン系重合体、ビニルエステル系重合体、芳香族系ビニル系重合体、ポリオレフィン系重合体等のビニル重合体セグメントである。
炭素原子に直接結合したシラノール基及び/または加水分解性シリル基を有するビニル系モノマーとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリクロロシラン等が挙げられる。中でも、加水分解反応が容易に進行し、また反応後の副生成物を容易に除去できることからビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
複合樹脂(A)とポリイソシアネート(B)とを含有する硬化性樹脂組成物を硬化させるため、前記ビニル系重合体セグメント(a2)はアルコール性水酸基を有する。前記ビニル系重合体セグメント(a2)の水酸基価が50〜200mgKOH/gであることがポリイソシアネート(B)と反応して常温硬化するため重要であり、好ましくは90〜200mgKOH/gの範囲である。水酸基価が50mgKOH/gより少ない場合、ポリイソシアネート(B)と反応しにくくなるため常温硬化せず、水酸基価が200mgKOH/gより多い場合は、複合樹脂(A)の合成時にゲル化してしまうため、好ましくない。
本発明で用いる複合樹脂(A)は、具体的には下記(方法1)〜(方法3)に示す方法で製造する。
該方法においては、シラン化合物のシラノール基あるいは加水分解性シリル基と、炭素原子に直接結合したシラノール基及び/または加水分解性シリル基を有するビニル系重合体セグメント(a2)が有するシラノール基及び/または加水分解性シリル基とが加水分解縮合反応し、前記エポキシ基を有するポリシロキサンセグメント(a1)が形成されると共に、前記エポキシ基を有するポリシロキサンセグメント(a1)と、ビニル系重合体セグメント(a2)とが前記一般式(3)で表される結合により複合化された複合樹脂(A)が得られる。
これらの触媒及び水は、一括供給でも逐次供給であってもよく、触媒と水とを予め混合したものを供給しても良い。
本発明における金属用表面処理剤は、前記複合樹脂(A)とポリイソシアネート(B)を含有する。このとき、前記複合樹脂(A)を構成する前記ビニル系重合体セグメント(a2)の水酸基価は50〜200mgKOH/gであることが重要である。また、ポリイソシアネート(B)の質量割合は、本発明のコーティング組成物の全固形分中の5〜50質量%であることが重要である。ポリイソシアネートを該範囲含有させることで、優れた、耐久性、加工性を発現させることができる。
本発明におけるコーティング組成物は、前記複合樹脂(A)の固形分中の前記ポリシロキサンセグメント(a1)の質量割合が20〜70質量%であり、前記複合樹脂(A)の固形分のエポキシ当量が900〜17000g/eqであり、前記ビニル系重合体セグメント(a2)の水酸基価が50〜200mgKOH/gであり、前記ポリイソシアネート(B)の質量割合が全固形分中の5〜50質量%であるときに、複合樹脂(A)の保存安定性に優れ、コーティング組成物として紫外光から基材およびインキ層を保護する、優れた紫外線遮蔽性を有する硬化塗膜を形成することができる。
平均粒子径250nm以下であればコーティング剤として透明性が保て、例えば化粧シートを例に挙げれば下地の絵柄が不透明になる事なく鮮明性を保つ事ができ好ましい。
市販品の酸化亜鉛は、製造出荷時のスペックである平均一次粒子径が250nm以下であっても、一次粒子同士の凝集による平均粒子径が250nmを上回っている事が確認されている事から、本発明のコーティング組成物では、製造時にペイントシェーカー等を使用し、攪拌条件や混合攪拌時間を調整し、粒度分布測定器等を用いて平均粒子径を実測し製造する事が重要である。
また、前記酸化亜鉛(C)は表面処理の有無を問わず利用することができる。
前記酸化亜鉛(C)の添加量は、組成物の固形分全量の10〜50質量%が好ましい。10質量%以上であれば、高い耐候性を示すことができ、50質量%以下であればコーティング剤としての鮮明性が損なわれる事を抑制でき好ましい。
本発明のコーティング組成物は、分散液の固形分量や粘度を調整する目的として、分散媒を使用してもよい。本発明の効果を損ねることのない液状媒体であればよく、上記の有機溶剤が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂を併用することも可能である。熱硬化性樹脂としては、ビニル系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、エポキシエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、石油樹脂、ケトン樹脂、シリコン樹脂あるいはこれらの変性樹脂等が挙げられる。
化粧シートとは、紙等の基材に対し公知の例えばアクリル系、セルロース系、ビニル系、塩素化ポリオレフィン系、塩化ゴム系、ウレタン系印刷インキや塗料を印刷あるいは塗布することによって絵柄層を形成した上で、この絵柄層を被覆させるトップコート層を設ける構成とするものであり、本発明のコーティング組成物は前記トップコート層を形成するものである。
前記化粧シート向け基材の種類としては、例えば、薄葉紙、普通紙、強化紙、樹脂含浸紙等の紙質シート、チタン紙、ポリエチレンテレフタレートシート、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートシート(PETGシート)、ポリ塩化ビニルシート、ポリエチレンシート、アクリルニトリルブタジエンスチレンシート、ポリプロピレンシート、熱可塑性プラスチックであるポリカーボネート等の樹脂シート、及びこれらの複合シート等を使用できる。
また、木質化粧板の木質基材としては、従来から化粧板や家具、建築部材等の木質基材として使用されている合板、パーティクルボード、ハードボード、MDF等の公知のものが挙げられる。またこれらの公知基材はどのような製法で得られたものであるかは問わない。
更に、基材として使用できる不燃材としては、石膏ボード、石膏板、珪酸カルシウム板等を素材とした開孔ボード建材等を挙げることができる。
尚、絵柄層の印刷インキの印刷方法、及びトップコート層の塗布・印刷方式の具体的な例としては、ロールコート、グラビアコート、カーテンコート、スプレーコート、ダイコート等の塗装方式や、グラビア印刷、フレキソ印刷及びスクリーン印刷、インクジェット印刷等の各種印刷方式を挙げる事ができる。
例えば、金属材表面に直接塗布し硬化させることにより、耐久性、密着性、防錆性、加工性に優れる金属材が容易に得られる。
攪拌機、温度計、滴下ロ−ト、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、メチルトリメトキシシラン(以下、「MTMS」と略記する。) 1417.0質量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(以下、「GPTMS」と略記する) 83.0質量部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、60℃まで昇温した。次いで、「Phoslex A−4」(堺化学(株)製のノルマルブチルアシッドホスフェート) 0.20質量部と脱イオン水 211.1質量部からなる混合物を5分間で滴下した。滴下終了後、反応容器中を80℃まで昇温し、4時間攪拌することにより加水分解縮合反応を行い、反応生成物を得た。得られた反応生成物中に含まれるメタノール及び水を、1〜30キロパスカル(kPa)の減圧下、60℃の条件で除去することにより、数平均分子量が1000で、有効成分が75.2%であるポリシロキサン(a−1)1000質量部を得た。
合成例1と同様の反応容器に、フェニルトリメトキシシラン(以下、「PTMS」と略記する。) 23.2質量部、ジメチルジメトキシシラン(以下、「DMDMS」と略記する) 28.0質量部、酢酸n−ブチル 348.8質量部を初期溶剤として投入し、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。次いで、モノマーとして、メチルメタクリレート(以下、「MMA」と略記する。) 125.2質量部、n−ブチルメタクリレート(以下、「BMA」と略記する。) 74.4質量部、n−ブチルアクリレート(以下、「BA」と略記する。) 91.6質量部、メタクリル酸(以下、「MAA」と略記する。) 4.0質量部、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(以下、「MPTMS」と略記する。) 12.0質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、「HEMA」と略記する。) 92.8質量部、酢酸n−ブチル 40.0質量部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(以下、「TBPOEH」と略記する。) 30.0質量部を混合し、上記反応容器に対し、95℃のまま、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「Phoslex A−4」0.064質量部と脱イオン水 14.6質量部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTMSの加水分解縮合反応を進行させ、ビニル系重合体(a−2)884質量部を得た。ビニル系重合体(a−2)を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。
合成例1と同様の反応容器に、合成例2で得られたビニル系重合体(a−2) 512.4質量部、及び、合成例1で得られたポリシロキサン(a−1) 107.0質量部を仕込んで、5分間攪拌したのち、脱イオン水 34.9質量部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、ビニル系重合体(a−2)とポリシロキサン(a−1)の加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、1〜30kPaの減圧下で、60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMAC」と略記する。) 40.5質量部、酢酸n−ブチル 143.3質量部を添加し、不揮発分が55.1%であるポリシロキサンセグメントとビニル重合体セグメントを有する複合樹脂(A−1) 600質量部を得た。
アクリル樹脂にイソシアネートなどの硬膜剤と反応できる複数のOH基を持つアクリル系ポリオール樹脂であるアクリディックA−814(固形分50質量%、溶剤トルエン/酢酸エチル混合液、Tg=90℃、水酸基価17.5mgKOH/g)樹脂溶液をそのまま用いた。
合成例1で得られた複合樹脂(A−1) 3.64質量部(固形分換算で2質量部)、酸化亜鉛MZ−500(平均一次粒子径:25nm、テイカ株式会社製)2質量部、メチルエチルケトン4.36質量部を配合した。
配合した試料を直径0.3mmのジルコニアビーズを70体積%充填した容器に入れ、ペイントシェーカー(東洋精機製)を用い、室温25℃で4時間の攪拌を行った後、日機装株式会社製ナノ粒子粒度分布測定器Nanotrac UPA EX−150を用いて酸化亜鉛の平均粒子径が30nmであることを確認した。これにより固形分比率で酸化亜鉛49.4%含有コーティング組成物(E−1−1)を作製した。
合成例1で得られた複合樹脂(A−1) 90質量部、酸化亜鉛含有コーティング組成物E−1(酸化亜鉛E−1−2 2質量部を含む)10質量部に、ウレタン硬化剤としてポリイソシアネート バーノックDN−980(酢酸エチル含有固形分75%、NCO%=75%、DIC株式会社製)17質量部、及び酢酸ブチル6.8質量部の計123.8部をミキサーで十分攪拌し、これにより固形分比率で酸化亜鉛3.7質量%含有するコーティング組成物(g1)を作製した。
下記表4、5に示した配合に基づき、実施例1と同様の方法にて各々コーティング組成物を実施例1と同様の手順にて調製した。各々固形分比率で酸化亜鉛の固形分比率を算出した。
比較例1〜7については、表に示す複合樹脂(A−1)又はアクリル樹脂(F)を用いて作製し、加えて比較例2、3、5、6については有機系耐候添加剤としてベンゾトリアゾール系添加剤チヌピンP(Phenol,2−(2H−benzotriazol−2−yl)−4−methyl、BASFジャパン(株)社製)、及びチヌピン292(Bis(1,2,2,6,6−pentamethyl−4−piperidinyl)sebacate Methy(l 1,2,2,6,6−pentamethyl−4−piperidinyl)sebacate、BASFジャパン(株)社製)を所定量添加した。
実施例1〜6、比較例1〜7の各コーティング組成物を、バーコーター(#8)を用いてオレフィンシート(ポリプロピレンダブリングシート、厚み140μm)にコーティングした。
その後、ドライヤー乾燥を行い、オーブンで40℃、1日間エージングを行うことで化粧シートを作製した。
作製した化粧シートに用いて、各コーティング組成物の硬化塗膜について、「透明性」「耐候性」、及び「ブリードの程度」を評価した。
実施例1〜6、比較例1〜7各コーティング組成物を、バーコーター(#8)を用いてポリエステルフィルム(A4300 厚さ100μm 東洋紡製)にコーティング後、ドライヤー乾燥を行い、オーブンで40℃、1日間エージングを行うことで化粧シートを作製した。
作製した化粧シートの硬化塗膜を目視で評価した上、日本電色工業株式会社製 ヘーズメーター NDH7000を用いて、ヘーズ値を測定し透明性を評価した。
目視評価が△以上であり、ヘーズ値20未満であれば実用範囲である。
ヘーズ値は数値が低い程、透明度が高い。
◎:透明である。
○:わずかな曇りが確認される。
△:曇りはあるが実用範囲である。
×:透明性がない。
1)ポリカーボネート(以下PCと略称する)基材
実施例1〜6、比較例1〜7各コーティング組成物を、バーコーター(#8)を用いてPC基材にコーティングし、ドライヤー乾燥を行い、オーブンで40℃、1日間エージングした塗工物を、スーパーUV耐候性促進試験機(アイスーパーUVテスター SUV−W261 岩崎電気製)を用いて、照度60mW 照射温度63℃ 休止温度50℃ 照射湿度50% 休止湿度50% 照射時間20時間 結露時間4時間 休止時間6分 シャワー10秒の設定で紫外線を照射し、PC基材の黄変を目視による観察と、コニカミノルタ株式会社製分光測色計CM-700dを用いて紫外線照射前後の色差(Δb)追跡することで塗膜の紫外線遮蔽性を評価した。色差(Δb)の数値が小さい程、耐光性を有する。
目視評価が△以上である、色差(Δb)の数値が20未満であれば実用範囲である。
◎:黄変が全くなく、色差の値の変化は2未満と殆ど変化がない。
○:黄変が僅かにみられる、色差の値の変化は2以上5未満で僅かな変化が見ら
れる。
△:黄変が確認でき、色差の値の変化が5以上20未満で確認できる。
×:黄変が顕著であり、色差の値の変化が20以上であり変化が大きい。
2)オレフィンシート基材
実施例1〜6、比較例1〜7各コーティング組成物を、バーコーター(#8)を用いてオレフィンシート(ポリプロピレンダブリングシート、厚み140μm)にコーティングし、ドライヤー乾燥を行い、オーブンで40℃、1日間エージングした塗工物を、前記スーパーUV耐候性促進試験機(アイスーパーUVテスター SUV−W261 岩崎電気製)を用いて、同様の照射条件にて耐候性試験を行った。評価は塗膜の表面状態を目視により4段階にて評価した。
△以上であれば、実用範囲である。
◎:塗膜、基材の状態の変化が全くない。
○:塗膜、基材の状態の変化がほとんど無い。
△:塗膜の白化、基材の色落ちが僅かにみられる。
×:塗膜の白化、基材の色落ちが顕著である。
前記耐候性試験で用いたオレフィンシート(ポリプロピレンダブリングシート、厚み140μm)を基材とする化粧シートの塗膜表面のブリードの出方を耐候性試験後、目視により4段階にて評価した。
○以上であれば、実用範囲である。
◎:ブリードがまったく無い。
○:ブリードが僅かに見られる。
△:ブリードが見られる。
×:ブリードが著しく見られる。
Claims (4)
- 一般式(1)及び/または一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基及び/または加水分解性シリル基と、エポキシ基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)と、アルコール性水酸基を有するビニル系重合体セグメント(a2)が、一般式(3)で表される結合により結合した複合樹脂(A)と、ポリイソシアネート(B)と、平均粒子径が、0.5nm〜250nmの範囲の酸化亜鉛(C)を含有するコーティング組成物であって、前記複合樹脂(A)の固形分中の前記ポリシロキサンセグメント(a1)の質量割合が20〜70質量%であり、前記複合樹脂(A)の固形分のエポキシ当量が900〜17000g/eqであり、前記ビニル系重合体セグメント(a2)の水酸基価が50〜200mgKOH/gであり、前記ポリイソシアネート(B)の質量割合が全固形分中の5〜50質量%であることを特徴とするコーティング組成物。
- 前記酸化亜鉛(C)を組成物の固形分全量の0.1〜50質量%含有する請求項1に記載のコーティング組成物。
- 更に、有機溶剤(D)を含有する請求項1又は2に記載のコーティング組成物。
- 請求項1〜3の何れか1つに記載のコーティング組成物をコーティングしたことを特徴とする化粧シート。
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JP (1) | JP2020128486A (ja) |
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- 2019-02-08 JP JP2019021590A patent/JP2020128486A/ja active Pending
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