JP2020125637A - 目地構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブロック材の目地部から排水することのできる目地構造を提供する。【解決手段】縁石ブロック17の隙間17aに充填された多数の硬質球体1によって透水性の目地部19を形成するようにしたので、人工芝10に浸透した雨水を下方への流下だけでなく縁石ブロック17の目地部19を介して外部に排水することができ、集中豪雨等により瞬間的に大量の雨が降った場合でも、人工芝10における雨水の滞留を抑制することができる。この場合、目地部19には、互いに外面を点接触させた硬質球体1間にほぼ一定の大きさの空隙Aが形成されるので、雨水を目地部19に均一に流通させることができ、効率よく排水することができる。また、硬質球体1には角部がないため、例えば砕石を用いた場合のように砕石の角部や砕粒による隙間の閉塞を生ずることがなく、硬質球体1間の空隙率を低下させることがないという利点がある。【選択図】図5
Description
本発明は、例えば縁石ブロック、舗装ブロック等のブロック材の隙間に形成される目地構造に関するものである。
従来、例えば各種運動施設のグランドに敷設される人工芝としては、合成樹脂製のパイルが植設されたシート状の基材をアスファルト等の透水性の下地層の上に設置し、基材上のパイル間に細かい砂や珪砂、またはこれらにゴムチップを混合してなる充填物を充填したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
前記下地層は、砕石や栗石等を敷き詰めた透水構造の基礎地盤の上に、透水性のアスファルトまたは透水性のコンクリートが形成される。このような構造の人工芝グランドでは、雨や散水等の水分が人工芝の基材を通じて下地層から基礎地盤へと浸透して排水されるので、水はけが良く、コンディションの管理が容易となる。
前記人工芝の端縁には横長のコンクリーロブロックからなる縁石ブロックが配置され、縁石ブロックによってグランドとその外部との境界部分が形成されている。縁石ブロックは人工芝の端縁に沿って配列され、縁石ブロック間の目地にはモルタルが充填されている(例えば、特許文献2参照)。
また、歩道や広場等の舗装には、美観に優れたブロック舗装が多く用いられている。このブロック舗装としては、砂等の下地層の上に舗装ブロックを敷き並べるとともに、舗装ブロック間の目地に砂やモルタルを充填したものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
ところで、前記人工芝グランドでは、人工芝から透水性の下地層を介して基礎地盤に排水するようになっているが、近年多発している集中豪雨等のように大量の雨が降ると、下地層から下方への排水だけでは迅速に排水することができず、人工芝に雨水の滞留が生ずる場合がある。このような場合、雨水の滞留により人工芝上での競技に支障を生ずるという問題点があった。
また、前記ブロック舗装では、舗装面の雨水を側溝や排水枡に流して排水するようにしているが、雨量が多いと水溜まりを生ずる場合があり、歩行者が誤って水溜まりに侵入して足や衣服を濡らすという問題点があった。
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ブロック材の目地部から排水することのできる目地構造を提供することにある。
本発明は前記目的を達成するために、互いに隙間をおいて配置されるブロック材の目地構造において、前記ブロック材の隙間に充填された多数の硬質球体によって透水性の目地部を形成していることから、雨水がブロック材の目地部から排水される。この場合、互いに外面を点接触させた硬質球体間にほぼ一定の大きさの空隙が形成されることから、雨水が目地部に均一に流通するとともに、硬質球体には角部がないため、例えば砕石を用いた場合のように砕石の角部や砕粒による隙間の閉塞を生ずることがない。
本発明によれば、雨水をブロック材の目地部から排水することができるので、例えば人工芝グランドにおける縁石ブロックの目地構造や歩道等における舗装ブロックの目地構造に用いた場合、大量の雨が降っても人工芝における雨水の滞留や歩道の水溜まりの発生を抑制することができる。この場合、雨水を目地部に均一に流通させることができるので、効率よく排水することができるとともに、例えば砕石を用いた場合のように砕石の角部や砕粒による隙間の閉塞を生ずることがないので、硬質球体間の空隙率を低下させることがないという利点がある。
図1乃至図5は本発明の第1の実施形態を示すもので、人工芝グランドに設けられた縁石ブロックの目地構造を示すものである。尚、本実施形態の目地構造には、後述する硬質球体1が用いられる。
同図に示す人工芝10は、シート状の基材11と、基材11に植設されたパイル12と、パイル12の間に充填された充填物13とからなり、地盤側に形成された下地層14の上に敷設されている。
基材11は、例えばポリプロピレン製の平織りまたは不織布の基布等によって形成され、排水用の多数の孔(図示せず)が等間隔で設けられた透水性を有するシート状の部材からなる。
パイル12は、ナイロン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン等の合成樹脂からなるパイル糸を、タフティング等により基布11に植毛したものが用いられる。この場合、例えば長さ10mm〜30mmのパイル糸を複数本ずつ等間隔で配置することにより芝面が形成されている。
充填物13は、細かい砂や珪砂、またはこれらにゴムチップを混合してなり、例えば長さ10mm〜30mmのパイルに対して9割程度の高さまで充填される。
下地層14は、砕石や栗石等を敷き詰めた透水構造の基礎地盤15の上に、透水性のアスファルトを上面が平坦となるように施工することにより形成される。
以上の構成からなる人工芝を敷設する場合は、パイル12が植設された基材11を下地層14の表面に設置し、基材11上のパイル12の間に充填物13を充填する。この場合、充填物13の重量により、下地層14上に置敷き施工が可能である。
また、前記人工芝10の外部は透水性のアスファルトからなる舗装路面層16が基礎地盤15の上に形成されており、舗装路面層16と人工芝10との境界部分には縁石ブロック17が設けられている。
縁石ブロック17は横長の直方体状に形成された周知のコンクリート製のブロック材からなり、舗装路面層16と人工芝10との境界部分に沿って長手方向に配列されている。縁石ブロック17の長手方向の端面間には隙間17aが設けられており、隙間17aの大きさS1 は、例えば3mm以上30mm以下が好ましい。また、縁石ブロック17は、基礎地盤15に打設されたモルタルからなる基礎部18によって下端側を支持されるように固定され、その上面が人工芝10の上面とほぼ同等の高さになるように配置されている。更に、縁石ブロック17の両側面には下地層14と舗装路面層16の端面がほぼ同等の高さ位置で配置されている。
縁石ブロック17の隙間17aは目地部19によって閉塞されており、目地部19は隙間17aに充填された多数の硬質球体1を互いに固結剤によって固結させることにより形成されている。硬質球体1には、表面に焼き付け塗装が施された直径0.8mm以上1.2mm以下の真球に近い球形の人工珪砂が用いられ、このような球形の人工珪砂は、例えば特開2006−334612号公報、特許第3253579号公報等に記載された加工技術を用いて製造することができる。硬質球体1としては、砕石や珪砂等の天然石よりも硬度の高いものが好ましい。
目地部19は、液状の固結剤と混合された硬質球体1を縁石ブロック17の隙間17aに充填し、固結剤を硬化させることによって形成され、固結剤としては、例えば周知のバインダー樹脂等の固結剤が用いられる。
前述のようにして形成された目地部19には、互いに外面を点接触する硬質球体1間にほぼ一定の大きさの空隙Aが形成される。即ち、同一径の球体を敷き詰めたときの最密充填は、いわゆる六方最密充填構造となり、立方体における球体の充填率φは74%(=√2π/6)となる。これにより、立方体における空隙率ε(100−φ)は26%となり、目地部19では26%の空隙Aが確保される。
以上のように構成された人工芝グランドにおいては、図5に示すように降雨により雨水が人工芝10に浸透すると、図中実線矢印で示すように雨水が人工芝10の基材11を通じて下地層14から基礎地盤15へと下方に流下して排水される。また、集中豪雨等により瞬間的な雨量が著しく多い場合には、雨水は下方への流下だけでなく縁石ブロック17の目地部19を介して外部の舗装路面層16側に排水される。その際、目地部19の雨水は硬質球体1間の空隙Aを流通する。
このように、本実施形態によれば、縁石ブロック17の隙間17aに充填された多数の硬質球体1によって透水性の目地部19を形成するようにしたので、人工芝10に浸透した雨水を下方への流下だけでなく縁石ブロック17の目地部19を介して外部に排水することができ、集中豪雨等により瞬間的に大量の雨が降った場合でも、人工芝10における雨水の滞留を抑制することができる。これにより、降雨の中でも雨水の滞留による競技への支障を少なくすることができるとともに、雨水の滞留により競技が中断した場合でも、雨水の滞留を速やかに解消して競技再開までの時間を短縮することができる。
また、目地部19には、互いに外面を点接触させた硬質球体1間にほぼ一定の大きさの空隙Aが形成されるので、雨水を目地部19に均一に流通させることができ、効率よく排水することができる。この場合、硬質球体1には角部がないため、例えば砕石を用いた場合のように砕石の角部や砕粒による隙間の閉塞を生ずることがなく、硬質球体1間の空隙率を低下させることがないという利点がある。
更に、液状の固結剤と混合された硬質球体1を縁石ブロック17の隙間に充填し、固結剤を硬化させることによって目地部19を形成するようにしたので、従来のモルタルと同様の充填作業により目地部19を形成することができ、施工時の作業性を低下させることがないという利点がある。
また、硬質球体1に直径0.8mm以上1.2mm以下の硬質球体を用いたので、透水性を確保しつつ施工を容易に行うことができる。即ち、硬質球体1の直径が0.8mmよりも小さいと、空隙Aに目詰まりを生じやすくなるため、硬質球体1の直径を0.8mm以上とすることにより、目詰まりを防止して硬質球体1間に十分な空隙Aを確保することができる。また、硬質球体1の直径が1.2mmよりも大きいと、硬質球体1同士の接点が少なくなって固結強度が不十分になるとともに、空隙Aに異物が侵入しやすくなるため、硬質球体1の直径を1.2mm以上とすることにより、硬質球体1の固結強度を十分に確保し、空隙Aへの異物の侵入を防止することもできる。
この場合、硬質球体1に人工珪砂からなる硬質球体を用いることにより、真球に近い微小球体を容易に得ることができるので、目地部19を低コストに形成することができる。
図6乃至図9は本発明の第2の実施形態を示すもので、歩道等に用いられる舗装ブロックの目地構造を示すものである。尚、本実施形態の目地構造には、前記実施形態と同等の硬質球体1が用いられる。
同図に示すブロック舗装20は、砕石や栗石等を敷き詰めた透水構造の基礎地盤21の上に、砂等の透水性の下地層22を形成し、下地層22の上に舗装ブロック23を敷き並べることにより形成されている。
舗装ブロック23は直方体状に形成された周知のコンクリート製のブロック材からなり、互いに隙間23aをおいて水平方向に並べて配置されている。この場合、隙間23aの大きさS2 は、例えば3mm以上30mm以下が好ましい。舗装ブロック23の隙間23aは目地部24によって閉塞されており、前記実施形態と同様、目地部24は隙間23aに充填された多数の硬質球体1を互いに固結剤によって固結させることにより形成されている。尚、硬質球体1の大きさ及び材質は前記実施形態と同様であり、硬質球体1間には前記実施形態と同様の空隙Aが形成される。
目地部24は、前記実施形態と同様、液状の固結剤と混合された硬質球体1を舗装ブロック23の隙間23aに充填した後、固結剤を硬化させることによって形成するようにしてもよいが、舗装ブロック23の隙間23aに充填された硬質球体1に液状の固結剤を注入し、固結剤を硬化させることによって形成するようにすれば、硬質球体1の充填作業と固結剤の注入作業とをそれぞれ別工程で行うことができる。固結剤としては、例えば周知のバインダー樹脂等の固結剤が用いられる。
以上のように構成されたブロック舗装においては、図9に示すように降雨により雨水がブロック舗装20に落下すると、図中実線矢印で示すように雨水が舗装ブロック23の隙間23aに流入し、目地部24を介して下地層22から基礎地盤21へと排水される。その際、目地部24の雨水は硬質球体1間の空隙Aを流通する。
このように、本実施形態によれば、舗装ブロック23の隙間23aに充填された多数の硬質球体1によって透水性の目地部24を形成するようにしたので、雨水を舗装ブロック23上に滞留させることなく舗装ブロック23の目地部24を介して下方(地中)に速やかに排水することができる。これにより、豪雨や長雨でもブロック舗装20に水溜まりを生ずることがなく、水溜まりへの侵入によって歩行者の足や衣服を濡らすことがないという利点がある。
尚、前記実施形態では、硬質球体1を固結剤によって互いに固結させるようにしたものを示したが、硬質球体1を固結させることなく隙間23aに充填するようにしてもよい。これにより、例えばインターロッキングブロック舗装の目地に充填される砂に代えて硬質球体1を充填することにより、ブロック相互のかみ合わせ効果(荷重分散効果)が得られるとともに、硬質球体1の目地による透水効果を得ることができる。
また、前記実施形態の目地構造は、歩道、広場、公園、建築外構、住居や施設の中庭やエントランス、浴場の床、プールサイド等、ブロック材の目地構造として広く用いることができる。
1…硬質球体、10…人工芝、17…縁石ブロック、17a…隙間、19…目地部、20…ブロック舗装、23…舗装ブロック、23a…隙間、24…目地部。
Claims (8)
- 互いに隙間をおいて配置されるブロック材の目地構造において、
前記ブロック材の隙間に充填された多数の硬質球体によって透水性の目地部を形成した
ことを特徴とする目地構造。 - 前記目地部は、硬質球体を互いに固結させることによって形成される
ことを特徴とする請求項1記載の目地構造。 - 前記目地部は、液状の固結剤と混合された硬質球体をブロック材の隙間に充填し、固結剤を硬化させることによって形成される
ことを特徴とする請求項2記載の目地構造。 - 前記目地部は、ブロック材の隙間に充填された硬質球体に液状の固結剤を注入し、固結剤を硬化させることによって形成される
ことを特徴とする請求項2記載の目地構造。 - 前記硬質球体として、直径0.8mm以上1.2mm以下の硬質球体を用いた
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の目地構造。 - 前記硬質球体を人工珪砂によって形成した
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の目地構造。 - 前記ブロック材は縁石ブロックである
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の目地構造。 - 前記ブロック材は舗装ブロックである
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の目地構造。
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