JP2020122683A - Gnss受信機及び電離層遅延量計算方法 - Google Patents

Gnss受信機及び電離層遅延量計算方法 Download PDF

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Abstract

【課題】1周波数帯しか利用できない衛星について、電離層遅延量を高精度に且つ迅速に求めて、高精度測位に利用できるようにする。【解決手段】電離層遅延係数推定部51が、L1とL2の2周波数を利用できる衛星から電離層遅延量を求めて、電離層遅延量モデルのパラメータを用いて、観測できるすべての衛星からの信号に共通する電離層遅延係数Kを求めて、電離層遅延量演算部52が電離層遅延係数Kを用いて、L1の1周波数帯しか利用できない衛星からの信号の電離層遅延量を高い精度で、且つ早く電離層遅延量を求めることができることで、1周波数帯しか利用できない衛星からの信号を高精度測位に利用することを可能とする。【選択図】図1

Description

本発明は、GNSS受信機における電離層遅延量計算方法に関する。
GNSSの衛星測位において、測位精度はさまざまな誤差要因をいかに推定し低減できるかにかかっている。衛星測位には誤差要因となるものがいくつかあり、代表的なものに衛星の時計誤差、衛星の位置誤差、電離層遅延量、対流圏遅延量、マルチパス、受信機ノイズがあり、その中でも電離層遅延量の誤差を補正することは、高精度測位において重要な課題となっている。
電離層は地球上の約50kmから約1000kmまでの高さに広がる電離された気体、すなわち自由電子とイオンがある領域であって、電離層の状態は太陽活動に大きく依存し、昼と夜とでは大きく変化する。一般に太陽が昇ってくると、電子密度が上昇し、14時ころにピークを迎える。その後は減少し、夜間は電離がほとんど起きなくなり、電子密度が減少する。
電離層を通過する電波の伝搬速度は、その経路における総電子量に依存しており、電波が電離層を通過するとき、電波の速度は、電子密度に比例し、電波の周波数に反比例する量だけ遅くなる。GPS衛星の電波として使われるL帯マイクロ波において電離層遅延Iは以下の式で表すことができる。
I=(40.3/f)TEC
ここで、fは電波の周波数(Hz)であり、TECは受信機と衛星とを結ぶ線上にある自由電子の総数(総電子量)である。
衛星による測位において、この衛星から送信される電波が電離層を通過するときに発生する伝播時間の遅れ、いわゆる電離層遅延によって測位精度が低下することが問題となる。
そこで、従来の衛星測位用の受信機では、受信機内のソフトウェアに電離層の遅延量のモデル式が組み込まれていて、衛星の仰角等に応じた遅延量を予測することで電離層遅延量を推定していた。
代表的な電離層遅延量のモデル式にKlobucharモデルと呼ばれる電離層遅延量補正モデルがあり、GPS衛星から送信されている、Klobucharモデルのパラメータを使って電離層遅延量を補正していた。すなわち受信機は複数の衛星とのコード疑似距離を測定して,その時刻の受信機の位置と時刻誤差を推定して、電離層遅延量は衛星から送られてくるKlobucharモデルから与えられるパラメータで補正していた(非特許文献1参照)。
また、より高精度の電離層遅延補正を行う方法として、電離層フリー線形結合方式による電離層遅延補正方法が知られている。電離層遅延は、ほぼ搬送波周波数fの2乗に反比例することから、2周波の搬送波位相にある係数を掛けて加算することにより、その影響の大部分を消去することができる。このことを利用してL1とL2の2つの周波数を受信できるGNSS受信機では、電離層フリー線形結合方式を用いて、衛星から送信されるL1とL2の二つの周波数によって電離層遅延量を打ち消していた(非特許文献2参照)。
ところで衛星によるGNSS測位で、精度を高める手法として、近接の基準局の精密位置と観測データを得ることで精度を向上させ、基準局と移動局までの3次元のベクトルを求めて移動局の位置を求める相対測位が知られている。その相対測位法に、RTK(Real−Time−Kinematic)−GNSSがある。これは、図6で示すように、基準局Rと移動局rがあり、それぞれ複数の衛星Sから電波を受信し、移動局rが、基準局Rが観測した疑似距離と搬送波位相の両方の観測データを基準局Rから得て、ユーザ側移動局rの観測データとあわせて新たな観測値を生成し、1cm程度の精度で移動局rの位置を求めるものである。このRTK測位は搬送波位相によって位置を測位するため、搬送波位相のあいまいさである搬送波位相の整数値バイアスを正しく解く必要がある。すなわち、搬送波位相による受信機の位置の測位には、衛星と受信機の間で正弦波が幾つ含まれているかという整数値バイアスを求めなければならない。整数値バイアスを求めるためには疑似距離の情報から受信アンテナの大まかな位置を知る必要があり、疑似距離の精度が高ければ整数値バイアスの候補を絞り込むことができる。そして搬送波位相に数cmの誤差があると、整数値バイアスが正しく求めることができないため、電離層遅延による誤差も1cm以内の高い精度が求められる。
劉 秀、"一周波の擬似距離単独測位を用いた電離層モデルに関する研究 "、[online]、[平成30年12月21日検索]、インターネット<URL:http://www.denshi.e.kaiyodai.ac.jp/jp/assets/files/pdf/content1/2012ryu_m.pdf> 高須知二、"搬送波位相測定値による精密測位の理論及び解析処理 "、[online]、[平成30年12月21日検索]、インターネット〈URL:http://gpspp.sakura.ne.jp/tutorial/html/gps_symp_2005_2.htm〉
しかしながら、Klobucharモデルによる補正では電離層を高度350kmだけに存在する単一層と仮定し、夜間の電離層遅延量は一定フラットに,昼間は現地時刻14時を最大値とする半波コサインカーブで表した近似モデルであるため(図5参照)、50%程度の精度しか得られず、RTK測位のような高精度測位に耐え得るものではなかった。
電離層遅延はGNSS測量に大きな影響を与える誤差要因であるため、電離層遅延量を高い精度で迅速に求めることが、RTK測位に代表される高精度測位に求められ、そのために従来では、測位用のGNSS受信機ではL1、L2信号の信号を同時に受信できるGPS衛星を用いて衛星ごとの電離層遅延量を電離層フリー線形結合方式によって打ち消すことによって測位を行っていた。
しかしながら、電離層フリー線形結合方式による電離層遅延量補正方法は、衛星からのL1とL2の2つの周波数を受信できていなければ行えないという問題があり、測位に利用できる衛星の数が限られている。また、多くの衛星からのデータを利用できれば整数値バイアスの決定がしやすくなるが、少ない衛星からのデータでは整数値バイアスの決定に時間がかかり、高精度測位の障害となっていた。加えて、搬送波位相バイアスが整数とならないため、整数値バイアス決定が直接行えないことも、RTK測位演算に時間を要する要因となっていた。
また、現在も開発がすすめられている高精度測位補正技術のMADOCA(Multi−GNSS Advanced Demonstration tool for Orbit and Clock Analysis)方式の補正データは、基本的に衛星側の補正情報のみであるので、高精度測位のためにGNSS受信機側での高精度の誤差補正が課題となっている。
そこで本願発明は、観測地点での全ての衛星からの信号に共通する電離層遅延係数Kを求めて、1つの周波数帯しか利用できない衛星について、電離層遅延係数Kを用いて電離層遅延量を計算し、高い精度で、且つ早く電離層遅延量を求めることができるGNSS受信機及び電離層遅延量計算方法の提供を目的とする。
上記目的の達成のために本願請求項1に記載の発明は、複数の衛星から送信される信号に基づき測位を行うためのGNSS受信機であって、前記衛星から送信される2つの異なる周波数帯の信号を受信し、観測地点での電離層遅延係数を推定する電離層遅延係数推定部と、前記電離層遅延係数を用いて、1周波数しか利用できない衛星から受信した信号の電離層遅延量を演算する電離層遅延量演算部と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、複数の衛星から送信される信号に基づき測位を行うためのGNSS受信機における電離層遅延量計算方法であって、前記衛星から送信される2つの異なる周波数帯の信号を受信し、観測地点での電離層遅延係数を推定する電離層遅延係数推定ステップと、前記電離層遅延係数を用いて、1周波数しか利用できない衛星から受信した信号の電離層遅延量を演算する電離層遅延量演算ステップと、を備えることを特徴とする。
請求項1及び請求項2に記載の発明によれば、2つの異なる周波数帯の信号を受信できている衛星の信号から、観測時点でのすべての衛星に共通する電離層遅延係数を推定し、その推定された電離層遅延係数から、1つの周波数帯しか利用できない衛星についての、現在の電離層遅延量を算出し、電離層遅延量を差し引いた観測値によって測位計算を行うことで、電離層遅延量に関するデータが送られてこない環境下であっても高精度な測位ができ、1つの周波数帯の信号しか利用できない衛星であっても、RTK測位等の高精度測位に利用できる。
さらには、従来の電離層フリー結合方式では搬送波位相バイアスは実数値になってしまうが、本願請求項1並びに請求項2に記載の発明によれば、搬送波位相バイアスを、整数値で扱えることでRTK測位演算等を迅速に行うことができる。
この実施の形態に係るGNSS受信機の概略構成図である。 GNSS受信機の動作を示すフローチャートである。 GNSS受信機の電離層遅延係数推定部の動作を示すフローチャートである。 GNSS受信機の電離層遅延量演算部の動作を示すフローチャートである。 Klobucharモデルの半波コサインカーブを表したグラフである。 RTK測位システムの構成を示す概略図である。
以下この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1はこの発明の実施の形態に係るGNSS受信機1を示す概略構成図である。このGNSS受信機1は、測位計算に必要な観測データを出力する観測データ出力部5に、後述する電離層遅延係数推定部51と、電離層遅延量演算部52とを備える点で従来のGNSS受信機と構成が異なり、その他の構成は従来のGNSS受信機と同等であるため詳細な説明は省略するが、概略以下のような構成となっている。
GNSS受信機1は、衛星からの信号を受信するアンテナ2と、受信信号の周波数をデジタル信号に変換する高周波部3と、衛星からの信号のコードの相関をとり、ドップラ周波数を推定して信号を取り込み、継続して信号を追尾する信号処理部4と、測位計算に必要な観測データを出力する観測データ出力部5と、観測データを用いて位置や速度を計算する測位計算部6とを備える。
また、図示しないが、GNSS受信機1は、RTK測位に必要な、基準局から伝送された搬送波位相データ等を受信するためのアンテナである基準局データ受信アンテナ21と基準局データ受信アンテナ21から受信した、基準局の搬送波位相データ等を復調処理する基準局データ受信部31とを備える。
この実施の形態においては、高周波部3と、信号処理部4と、観測データ出力部5と、測位計算部6と、図示しない基準局データ受信部31とは、一つのモジュールユニットとして構成されていてこのモジュールユニットにアンテナ2と、図示しないアンテナ21が接続されている。
観測データ出力部5には、電離層遅延係数推定部51と、電離層遅延量演算部52とが備えられている。
電離層遅延係数推定部51には、電離層遅延係数推定部51が実行する、電離層遅延係数Kを求めるタスクプログラムが組み込まれている。電離層遅延係数Kとは、各衛星の電離層遅延量を求めるための係数であり、電離層遅延量補正モデルを用いて導き出される。具体的には、電離層遅延係数推定部51は、L1とL2の2つの周波数を利用できる衛星のデータを抽出し、L1の周波数の電離層遅延量を計算する。
すなわちL1とL2の周波数が利用できる衛星については以下の式でL1の電離層遅延量を求めることができる。
IL1_i=(PL1_i−PL2_i)/(1−γ) (1)
ここで、Iは電離層遅延量であり、Pは疑似距離観測値であり、L1、L2は周波数を表し、iはその信号を送信している衛星を表す。また、MADOCAなどによる補強情報から衛星iのコードバイアス補正値cbias_L1i、cbias_L2iが得られている場合、上記(1)式は衛星iのコードバイアス補正値を考慮した以下の(1´)式としてもよい。
IL1_i=( (PL1_i+cbias_L1i) − (PL2_i+cbias_L2i) )/(1−γ) (1´)
次に電離層遅延量補正モデルを用いて電離層遅延係数Kを求める。この実施の形態では電離層遅延量補正モデルにGPS衛星の航法メッセージにパラメータが含まれているKlobucharモデルを採用している。
Klobucharモデルに関して、全衛星共通の電離層遅延係数Kを衛星からの電離層遅延幅Aiに対する補正係数として定義すると以下の式となる。
IL1_i=(A+K×Ai×Ci)×Si (2)
Ci=cos(2π(ti−T)/Tn) (3)
Si=(1.0+16.0(0.53−elevi/π)) (4)
ここで、Aは深夜帯での電離層遅延値であり、Aiは衛星iの電離層遅延振幅(衛星から放送されている係数で計算)であり、tiは衛星iの電離層を横切る時刻であり、Tは14時の最大振幅を示した時間であり、Tnは深夜帯でない時間幅(衛星から放送されている係数で計算)であり、eleviは衛星iの仰角である。
したがって、次式で電離層遅延係数Kが求められる。
K=((IL1_i/Si)−A)/Ai×Ci) (5)
このようにL1の電離層遅延量がわかれば、観測値や衛星から送られてくるパラメータによって、電離層遅延係数Kを求めることができる。
また、KをAiに対する補正係数とすると深夜時に補正できず、深夜に近い時間帯でのKの値が異常になりやすい場合もあるため、測位環境の状態に応じて上記(2)式を以下の(2´)式としてもよい。
IL1_i= K×(A+Ai×Ci) × Si (2´)
上記(2´)式の電離層遅延係数Kは以下の式となる。
K=IL1_i/((A+Ai×Ci) × Si) (5´)
すなわち、電離層遅延係数推定部51は、L1、L2が観測できた衛星のL1の電離層遅延量から、GPS衛星の航法メッセージに含まれているKlobucharモデルのパラメータを使って、上記(5)式または(5´)式によって、電離層遅延係数Kを求める。
電離層遅延量は衛星毎に異なるが、電離層遅延係数Kは観測地点で観測できる衛星からの信号すべてに共通する係数であり、この電離層遅延係数Kがわかれば、L2を受信していない、つまりL1の周波数しか利用できない衛星の電離層遅延量も(2)式または(2´)式で求めることができる。
電離層遅延量演算部52には、電離層遅延量演算部52が実行する、電離層遅延係数推定部51が求めた電離層遅延係数Kを用いて各衛星からの信号の電離層遅延量を求めるタスクプログラムが組み込まれている。
つまり、電離層遅延量演算部52はL1の周波数しか利用できない衛星の電離層遅延量を、電離層遅延係数Kを用いて上記(2)式または(2´)式でL1の電離層遅延量を求める。
このように、観測できるすべての衛星に共通する電離層遅延係数Kを求めて、L1信号しか利用できない衛星について、電離層遅延量を求め、測位に必要な観測データを出力する点において従来のGNSS受信機と異なる。
次に、このGNSS受信機1の動作について図2のフローチャートに沿って説明する。
GNSS受信機1が起動されると、複数の衛星からの信号をアンテナ2で受信する。(ステップS1)。アンテナ2で受信した信号は高周波部3で信号処理しやすい所定のデジタルデータに変換され、信号処理部4に送られる。信号処理部4は信号の補足と追尾を行う。信号の補足と追尾ができると、得られた信号は、観測データ出力部5に送られる。なお、この流れは従来技術のGNSS受信機と同様である。
複数の衛星から信号を得られると観測データ出力部5の電離層遅延係数推定部51のタスクプログラムが起動し、L1とL2を受信できる周波数を利用できる衛星を抽出し電離層遅延係数Kを求める(ステップS2)。
ここで、電離層遅延係数推定部51の動作を図3のフローチャートに沿って詳しく説明すると、電離層遅延係数推定部51に組み込まれたタスクプログラムは、複数の衛星信号の追尾ができたことで起動し、L1とL2の二つの周波数を利用できる衛星を抽出する(ステップS21)。次にL1とL2を利用できる衛星が複数あるかどうかを判断し(ステップS22)、L1とL2を利用できる衛星が1基しかなければその衛星のL1の電離層遅延量を求め、(ステップS23)、複数ある場合はL1とL2を利用できる衛星それぞれのL1の電離層遅延量を求める(ステップS25)。
ここで、L1とL2を利用できる衛星iについて電離層遅延量を求めるには以下のような原理による。
衛星iとGNSS受信機1のL1とL2の疑似距離残差は以下の式で求められる。
ΔρL1_i =PL1_i ― (Ri+IL1_i+Di+cTi+ct) (6)
ΔρL2_i =PL2_i ― (Ri+IL2_i+Di+cTi+ct) (7)
ここで、ΔρL1_iは衛星iのL1の疑似距離残差であり、ΔρL2_iは衛星iのL2の疑似距離残差であり、Pは疑似距離観測値であり、Rはその衛星とGNSS受信機1との距離であり、Iは電離層遅延であり、Dは対流圏遅延であり、Tは衛星時刻誤差であり、tはユーザ時刻誤差であり、cは光速である。
両者を引くと、
ΔρL1_i−ΔρL2_i=PL1_i-PL2_i-(IL1_i-IL2_i) (8)
となり、
真位置では、ΔρL1_i−ΔρL2_i=0であるから
IL1_i-IL2_i=PL1_i-PL2_i (9)
電離層補正値は、周波数に反比例するので、
IL2_i=IL1_i × γ (10)
γ=fL1/fL2
したがって、
PL1_i−PL2_i=PL1_i(1−γ) (11)
(9)、(11)式より、
IL1_i=(PL1_i−PL2_i)/(1−γ) (12)
となり、L1とL2の周波数が利用できる衛星iでL1とL2の疑似距離の観測値を得ることで、L1の電離層遅延量(IL1_i)を求めることができる。ここで、MADOCAなどによる補強情報から衛星iのコードバイアス補正値cbias_L1i、cbias_L2iが得られている場合、上記(12)式は衛星iのコードバイアス補正値を考慮した以下の(12´)式としてもよい。
IL1_i=( (PL1_i+cbias_L1i) − (PL2_i+cbias_L2i) )/(1−γ) (12´)
次に、電離層遅延係数推定部51は、求めたL1の電離層遅延量(IL1_i)をもとに電離層遅延係数Kを求める(ステップS26)。本実施の形態では、電離層遅延係数Kを求めるための電離層遅延の補正モデルとしてKlobucharモデルを用いる。
電離層遅延係数推定部51は、L1、L2が観測できた衛星iのL1の電離層遅延量(IL1_i)と、GPS衛星の航法メッセージに含まれているKlobucharモデルのパラメータを、前述の(5)式、または(5´)式
K=((IL1_i/Si)−A)/Ai×Ci) (5)
K=IL1_i/((A+Ai×Ci) × Si) (5´)
にあてはめて電離層遅延係数Kを求める。
複数の衛星から電離層遅延係数Kを得られた場合は、得られた電離層遅延係数Kを衛星の仰角などの観測条件によって重みづけや平均化を行い、より精度の高い係数を求める(ステップS27)。そして求められた電離層遅延係数Kが電離層遅延量演算部に伝送される。1基の衛星からしか電離層遅延係数Kを得られなかった場合は、その電離層遅延係数Kが重みづけや平均化されることなく電離層遅延量演算部52に伝送される(ステップS28)。
ここで、電離層遅延量演算部52の動作について、図4のフローチャートに沿って説明する。
電離層遅延量演算部52に組み込まれたタスクプログラムは、電離層遅延係数推定部51から電離層遅延係数Kのデータが伝送されることによって起動する。起動すると、電離層遅延量演算部52は、観測している衛星からL1しか利用できない衛星を抽出する(ステップS31)。電離層遅延量演算部52は、L1しか利用できない衛星の抽出ができると、その衛星の信号から電離層遅延量の計算に必要なデータを取得する(ステップS32)。そして、取得したデータと電離層遅延係数Kをもとに、その衛星のL1の電離層遅延量を求める(ステップS33)。
観測データ出力部5は、各衛星との疑似距離残差及び積算位相残差をもとめる(ステップS4)。例えば、RTK測位の際に衛星iの疑似距離残差と積算位相の残差を求めるには以下の式となる。
ΔρL1_i=Pi―(Ri+IL1_i+Di+c × Ti+c × t)
ΔφL1_i=λL1 × Li ― (Ri ―IL1_i +Di +c × Ti+c × t+λL1 × BL1_i )
ΔρL2_i= Pi ― (Ri + γ × IL1_i +Di +c × Ti+c × t)
ΔφL2_i=λL2 × Li ― (Ri ―γ × IL1_i +Di +c×Ti+c × t+λL2 × BL2_i )
ここでΔρL1_iは衛星iのL1の疑似距離の残差であり、ΔφL1_iは衛星iのL1の積算位相の残差であり、ΔρL2_iはL2の疑似距離の残差であり、ΔφL2_iは衛星iのL2の積算位相の残差であり、Piは衛星iの疑似距離観測値であり、Liは衛星iの積算位相であり、Rは衛星受信機間の幾何学距離であり、Iは電離層遅延(電離層遅延量演算部52で求めたIL1_iの値を用いる。ただし積算位相の残差を求める式では、逆符号となる。)であり、Dは対流圏遅延(単独測位と同じモデル式を用いる。)であり、Tは衛星時計誤差(衛星から送信される補正値を用いる。)であり、tはユーザ時計誤差であり、cは光速である。
観測データ出力部5は、このようにして求められた電離層遅延量を使って観測データを計算し出力する(ステップS5)。
測位計算部6は、観測データ出力部5から伝送された観測データを用いて、例えばRTKなどの方式により測位計算を行う(ステップS6)。
測位計算部6が測位計算を終えると、位置情報として出力される(ステップS7)。例えば表示デバイスに表示したり、外部機器に位置情報を伝送したりする。
このような構成のGNSS受信機1及び電離層遅延量計算方法によれば、1つの周波数帯の信号しか利用できない衛星についても高い精度で、且つ早く電離層遅延量を求めることが可能となる。結果として、L1しか受信していない衛星もRTK測位に利用でき、GPS衛星システムでない、例えばガリレオ衛星も測位に利用できる。また、電離層フリー線形結合方式と異なり、従来のRTK測位ルーティンの流れで整数値バイアスが保証され、L1とL2のワイドレーンが使えるので、電離層フリー線形結合方式と比べてより早くRTK測位をすることが可能となる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。上記実施の形態は、電離層遅延量補正モデルとしてKlobucharモデルを用いたが他の電離層遅延量補正モデルを用いて電離層遅延係数Kを求めてもよい。
1 GNSS受信機
2 アンテナ
3 高周波部
4 信号処理部
5 観測データ出力部
51 電離層遅延係数推定部
52 電離層遅延量演算部
6 測位計算部
K 電離層遅延係数

Claims (2)

  1. 複数の衛星から送信される信号に基づき測位を行うためのGNSS受信機であって、
    前記衛星から送信される2つの異なる周波数帯の信号を受信し、観測地点におけるすべての衛星からの信号に共通する電離層遅延係数を推定する電離層遅延係数推定部と、
    前記電離層遅延係数を用いて、1周波数しか利用できない衛星から受信した信号の電離層遅延量を演算する電離層遅延量演算部と、
    を備えることを特徴とするGNSS受信機。
  2. 複数の衛星から送信される信号に基づき測位を行うためのGNSS受信機における電離層遅延量計算方法であって、
    前記衛星から送信される2つの異なる周波数帯の信号を受信し、観測地点におけるすべての衛星からの信号に共通する電離層遅延係数を推定する電離層遅延係数推定ステップと、
    前記電離層遅延係数を用いて、1周波数しか利用できない衛星から受信した信号の電離層遅延量を演算する電離層遅延量演算ステップと、
    を備えることを特徴とする電離層遅延量計算方法。
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