JP2020120021A - 静止誘導機器 - Google Patents

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Atsushi Otake
大嶽  敦
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Abstract

【課題】タンクの表面に適切な表面粗さを形成することで、伝熱性能を高めた静止誘導機器を提供することを目的とする。【解決手段】静止誘導機器は、鉄心と、前記鉄心に巻回されたコイルと、前記鉄心と前記コイルを覆う絶縁油と、前記絶縁油を収容するタンクとを有し、タンク外部もしくは内部の両方もしくは片方の表面は、表面粗さが20μm以上である。【選択図】 図1

Description

本発明は、変圧器、およびリアクトル等の静止誘導機器に関し、特に、放熱性がよい静止誘導機器に関する。
静止誘導機器に関して、特許文献1に示す技術が知られている。特許文献1では、屋外用電気機器のタンク本体に形成された金属溶射被膜の一部の面またはその一部の面及びその一部の面の内部に常温乾燥型塗料または低温焼き付け塗料による塗装被膜を形成している。
特許文献1では、必要な箇所のみに塗装被膜が形成されているために、それぞれの箇所で油密または気密が保持され、また異種金属との接触面が防錆され、さらに機器の寿命が短くなることなく、かつタンクの寸法が大きくならなくなると記載されている。
また、放熱フィンの上端近傍から下端近傍までのほぼタンク本体の全周面に塗装被膜を形成する場合には、塗料の粘度を低下させる必要がないため、タンク表面の熱輻射率が改善され、十分に放熱効果が得られると記載されている。
特開2000−348946号
容量や耐圧が比較的低い静止誘導機器で絶縁材を封入したタンクを用いる機器は、内部に封入した絶縁液体や外部の空気を強制的に循環させることなく、自然対流によって冷却する例が多い。また、コストの面から、機器内部に入れる流体も液性を積極的に制御する手段を持たないことがある。
このため、外部状況や内部に封入する流体によっては放熱が促進されにくい、あるいは液体を封入するタンクの内部や外部が腐食するといった問題があった。
特許文献1の段落番号0005では、「金属溶射被膜を形成した配電用油入変圧器タンクでは、タンク表面の熱輻射率が低く、内部の温度上昇値が大きくなるので、機器の寿命が短くなるという問題が生じる。」と説明されており、特許文献1は、粘度の高い塗装被膜を金属溶射膜の表面に塗布することで、タンク表面の熱輻射率が改善されることを示唆している。このことから、金属溶射被膜の表面に塗装被膜を塗布して、タンク表面を平坦化することで変圧器のタンク表面の輻射熱率を向上するようにしたと考えられる。
一方、本発明の発明者らが、検討した結果、静止誘導機器の伝熱性能を高めるのは、タンクの微小な表面の粗さが寄与することを、見出した。
本発明は、タンクの表面に適切な表面粗さを形成することで、伝熱性能を高めた静止誘導機器を提供することを目的とする。
本発明の好ましい一例は、鉄心と、前記鉄心に巻回されたコイルと、前記鉄心と前記コイルを覆う絶縁油と、前記絶縁油を収容するタンクと、を有する静止誘導機器であって、
タンク外部もしくは内部の両方もしくは片方の表面は、表面粗さが20μm以上である静止誘導機器である。
本発明によれば、伝熱性能を高めた静止誘導機器を実現できる。
アモルファス鋼を鉄心に用いた変圧器を示す図である。 タンク付近の温度分布を示した図である。 タンク壁の油側に配置した凹凸パターンを示す図である。 実施例2の反応式を説明する図である。 エステルの加水分解反応を示す図である。 タンク表面の顕微鏡写真の図である。 実施例4の実測された伝熱係数と算術平均粗さの関係を示した図である。 実施例9を説明するための図である。 実施例10を説明するための図である。 表1を示す図である。 表2を示す図である。 実測された伝熱係数と算術平均粗さの関係を示した図である。 実施例13の油入変圧器を示す図である。 実施例14の油入変圧器を示す図である。 実施例15の油入変圧器を示す図である。 実施例16のタンクを示す図である。 実施例の適用対象である油入変圧器を示す図である。 実施例の適用対象である柱状変圧器を示す図である。
最初に実施例の全体的概要について以下に述べる。まず、鉄心と、鉄心に巻回されたコイルと、鉄心とコイルを覆う絶縁油と、絶縁油を収容するタンクとを有する静止誘導機器において、タンク内の温度上昇を抑制するためにタンク内側もしくは外側の両方もしくは、片方の表面に、微細な表面粗さである凹凸形状が形成される。これはタンクと異なる材質であっても良い。この微細な凹凸形状により、タンクの内部の場合には液体とタンクの間にできる境界層厚さを薄くすることができる。凹凸形状とは、主面とは異なる高さの面を有する形状である。例えば、エンボス加工やハニカム状に押出等の加工をされたものが代表的である。また、主面に対して、物体を接続または設合した場合も凹凸形状に含まれる。
また、タンクの外部の場合にはタンクと空気の間にできる境界層厚さも薄くすることができる。自然対流の場合に伝熱性を表す無次元数としてヌッセルト数、プラントル数、グラスホフ数が知られ、凹凸を設けることによりこれらの無次元数は増大し、総括伝熱係数を向上させることができる。
また、第二として、タンク内部もしくは外部にタンク素材である鉄系合金の上に防錆効果を持つ素材を塗布し、凹凸を設けると同時に防食効果が期待できる。第三としてタンク外部に関しては、上記伝熱と凹凸を設けたことに輻射伝熱の効果により放熱特性の向上が期待できる。
実施形態の概要は上記の通りであるが、通常のタンクは鉄あるいはアルミニウム合金であることを前提に、付着させるべき物質について述べる。付着させるべき物質は次の観点から選定される。(1)防食性がある、(2)付着させるコストが安い、(3)タンクを腐食から守る。これらのうち一つでも満たしておれば、どれを選んでも良く、例えば亜鉛を選んだ場合には鉄よりもイオン化傾向が高いために犠牲酸化による防錆効果がある。また、低融点で溶射、溶着、その他の手段による加工を容易にできる。
また、アルミニウムは比較的に廉価であり、また融点が低く、酸化腐食をおこした際に安定な酸化アルミニウムとなって強固な被膜を形成する。また、ガラスビーズ被膜を用いた場合、適度な柔軟化加工によって割れることを防ぐことができる。また、腐食を起こさない凹凸膜を形成できる。ガラスビーズを低温で付着させるには、熱硬化性の樹脂を用いて塗布し、硬化処理することでより容易に表面に凹凸を形成できる。
次に凹凸を形成する手段を述べるが、いずれかのプロセスを用いて実現してもよいし、また、プロセスの如何に問わず実施例は、上記効果を主張するものである。ここでは(イ)溶射、(ロ)スパッタリング、(ハ)めっき、(ニ)ブラスト処理、(ホ)エッチング、(ヘ)塗装について概要を述べる。
(イ)溶射は、金属粒子を高温化で吹き飛ばし、付着させたい面に吹き付ける手段である。これにより、目的とする金属粒子を付着させることができ、溶着時の温度、粒子サイズの制御により凹凸の大きさも制御可能である。
(ロ)スパッタリングは、付着させたい物質を高温もしくはプラズマで蒸気とし、それを付着面に積層する手段である。プロセスコストは高いが、化学結合性にとんだ緻密な膜を形成できるのが特徴である。リアクティブスパッタ処理を用いれば、化合物を表面に形成可能であり、コストは非常に高くなるが極めて安定性の高い、窒化チタンなどの物質を積層できる。
(ハ)めっきは、使う金属にもよるが、中〜低コストで比較的緻密で化学結合性にとんだ膜を形成できる。めっき面は平滑になるのがふつうであるが、面を粗くするための下地処理(たとえばサンドブラスト)を使うことも可能であるし、めっき技術自体が進歩して粗化面を形成することも可能になっている。
(ニ)ブラスト処理は、非常に安価に実現できるプロセスであり、圧縮空気に固い砂状物質を混ぜて対象とする面に吹き付け、削り跡をつけて表面に凹凸をつける手段である。
(ホ)エッチングは、液相エッチングから、気相エッチングまで種類もコストも豊富であるが、主に、金属面を腐食する酸などを用いて凹凸を形成し、そのあとに表面を洗い流すものである。
(ヘ)塗装は、もっとも一般的な手法であるが、凹凸を形成させるためのフィラーを含有した樹脂を、凹凸を設けたい表面に塗り、乾燥、硬化処理などして化学的もしくは物理的に表面に凹凸を付着させる手段である。
タンク内側すなわち、絶縁液体が満たされた側においては主たる絶縁液体である油脂が数十度から高い場合には100℃近くまで熱せられている。伝熱は、次のような過程でおきる。
I.鉄心や巻線など発熱部品から絶縁液体への熱伝導、II.絶縁液体の対流伝熱、III.絶縁液体からタンク境界層までの熱伝導、IV.タンク境界面での熱伝達、V.タンク内の熱伝導、VI.タンクから空気側境界層への熱伝達、V.空気側境界層から空気への熱伝導、VI.空気の対流伝熱。
また、これに加え、空気側では放射伝熱による冷却も発生する。以上までに述べたうち、最も伝熱の上で律速となっているのは、絶縁液体とタンクの間に発生する境界層における熱伝達である。この熱伝達はヌッセルト数、Nuによって規定されており、ヌッセルト数が大きいほど、熱輸送が活発になる。また、関係する指数としてプラントル数Pr、およびグラスホフ数Grが挙げられる。自然対流伝熱であっても乱流伝熱であっても、これらの関係は次のようにあらわされる。
Figure 2020120021
ここで、a、x、yは係数であり、流れの状況に応じて様々な実験式が提案されている。たとえば垂直平板上の自然対流伝熱(層流)の場合には次の式が提案されている。
Figure 2020120021
さらに、伝熱係数hcとヌッセルト数の間には正の相関、hc∝Nuが成り立つため、ヌッセルト数が大きいほど、伝熱係数は大きくなる。乱流の場合にはレイノルズ数、つまり乱流の発達度合いが大きな役割を果たすのと異なっている。
ヌッセルト数を、式(1)の定義式と実験、解析結果により分解すると、式(3)のようにあらわすことができる。
Figure 2020120021
ここで、g:重力加速度、β:体膨張係数、ν:動粘度、α:熱拡散率、T:流体の温度、Ts:物体の表面温度、x:代表長さ、具体的には伝熱面の長さである。
また、ヌッセルト数の定義式は式(4)であらわされる。
Figure 2020120021
ここで、λ:流体の熱伝導率、ε:流体の熱伝達率である。
式(3)、(4)から伝熱面の長さxが非常に重要であり、伝熱面長さの一乗から数乗の間で伝熱係数hcが決まることから、支配要素として着目すべきことがわかる。伝熱長さは伝熱面の広さに従って決まり、ゆえに表面に凹凸を形成することで表面積が拡大される。これによって伝熱係数が増大する。主な理論的説明は以上であるが、従来では表面の凹凸が伝熱のうち、輻射もしくは流動伝熱によるものか切り分けが困難であったが、いずれにしても伝熱性は向上する。
また、近年の研究によれば、自然対流伝熱が油入変圧器の放熱に効いていると述べる研究が増えている。以上のことから、タンク内外に凹凸をつけることで静止誘導機器の放熱性を向上させることができる。
また、実施例によれば、微細な凹凸がタンク部材もしくはタンク部材以外の材料によって形成されている静止誘導機器が提供される。
タンク部材以外の材料からできていることにより、タンクにはない放熱もしくは防食といった独自の機能を放熱以外にも付加することができる。これにより、放熱促進と付加器能による効果を得ることができる。
また、実施例によれば、上記におけるタンク上に形成された凹凸表面の表面積が凹凸を形成する前のタンクの表面積合計に対し、二倍以上であることを特徴とし、なおかつ凹凸が形成された表面全体を表面粗さ計で測定した時の算術平均粗さが20μm以上であることを特徴とする静止誘導機器が提供される。
タンクの表面全体の表面粗さの測定でなくとも、一部の領域を測定し算術平均粗さが20μm以上であれば実施できる。曲面部の表面積に比べて平面部は表面粗さの特定が容易であるため、例えば、タンクの平面部の一部領域が算術平均粗さを20μm以上の表面粗さを有する領域を設けることで、放熱特性を向上させることができる。
1970年代には面の粗さが自然対流伝熱に効く効果は小さいと言われてきたが最近では、高発熱密度の自然対流伝熱機器、とくにモバイルデバイスの普及により表面粗さが重要であることが判明している。
また、小さな粗さが効く限界値として、境界層厚さ程度以上であるべきとして、数十μm程度以上が有効であるとされており、上記の凹凸を設けることにより伝熱係数を向上させることができる。また、低温となるタンクの外、すなわち空気側に対しては、対流伝熱を加速させると同時に、放射伝熱効果を向上させる効果も期待できる。なぜなら、放射伝熱においては、表面積に比例して伝熱速度が高くなることが知られているからである。
また、さらに実施例ではタンクの凹凸表面において、表面から凸部として観測される形状が、タンク平均高さより10mm以内であることも特徴のひとつである。
タンク表面に形成した凹凸は、あまりにそのサイズが大きくなると流れを阻害する邪魔板として作用する。この結果、タンク内面液体の流れが遅くなり、ヌッセルト数をはじめとした各種無次元数が小さくなって、一般的な鉱油では5mm以上、植物性エステル油などの高粘度油では、算術平均粗さが10mmより大きくなると実施はできるものの、放熱特性が算術平均粗さを20μm以上とした場合の方が放熱特性が良い。
さらに、実施例では、上記で述べた凹凸を形成する物質が、金属もしくは金属酸化物であり、なおかつタンクと同じ物質であってもかまわない。また部材の異なる物質が含まれていてもかまわず、また凹凸をなす物質同士もしく凹凸をなす物質とタンクがすべて、もしくは一部で、化学結合で結合されていてもよい。
単純に表面に凹凸をつける手段としては、タンク面を、粗し加工することであり、よけいな部材も必要とせず、低コストに実現が可能である。この場合は粗し加工であるため、タンク主面と凹凸形状とが同一の部材である。
ただし、付加的な機能が必要な場合には金属酸化物あるいはほかの物質が含まれていてもよい。たとえば、金属酸化物の中ではアルミナ、シリカなどの金属酸化物の伝熱係数が高いことが知られている。また、アルミナ、シリカ粒子を混在させた有機化合物の凹凸被膜であってもよい。これらが、化学的に結合していることにより、熱振動がより効率よくタンク壁面に伝わるためさらに効果は高くなる。
さらに、実施例では上記までに述べた凹凸を形成する物質に、有機物が含まれていることも特徴のひとつである。つまり、タンク主面は無機材料の部材であるが、凹凸形状は有機物を含む部材である。
高分子モノマーをはじめとした有機物の多くは、液状の形態で供給されており、適度な加熱や触媒の添加、硬化剤の添加で硬化が開始される。このような有機物を表面に凹凸をつけて塗布し、最終的にタンクの凹凸を形成することができる。
さらに、実施例では、上記までに述べた凹凸を形成する金属が、タンクを構成する金属よりイオン化傾向が高いことも特徴のひとつである。タンクを鉄とした場合には、アルミ、亜鉛、またはマグネシウム等の鉄より大きいイオン化傾向を持つ金属であり、またはこれらの混合物で構成された静止誘導電器が望ましい。つまり、凹凸形状はタンクの部材よりもイオン化傾向が大きい部材である。
特に亜鉛のイオン化傾向は大きく、このために水もしくは酸などによる長年かつ継続的な暴露によって鉄類と同一環境で存在すると、本来鉄が腐食されるような条件であっても、優先的に亜鉛が腐食され、タンク本体である鉄を腐食から守る作用をする。ひいては、変圧器全体の寿命を向上させることができる。
さらに、実施例では、内部に含有する液体の性質として、変圧器が使用される温度帯域で動粘度が30mm/s以上となる液体であることも特徴のひとつである。絶縁液体の動粘度、とくに油類では30mm/s以上とすると、静止誘導電器の冷却性能が大きく向上することが判明している。つまり、本発明で説明したタンク表面の応答形状を設け、絶縁油の動粘度を30mm/sにするとよい。
さらに、実施例では、凹凸領域を設ける場所がタンク内もしくはタンク外の一部であることも特徴のひとつである。また、凹凸領域が幾何学的特徴を持つ規則的な配列パターンではなく不規則なパターンとして塗布されていることも特徴のひとつである。
自然対流冷却では境界層を乱すだけの流れのかく乱が必要である。もし、タンク全域に凹凸を設けるのが困難であるのなら、タンクの上下に五目並べ状のパターンではなく、ランダムに選択された不規則に配置されたパターンであることが望ましい。これによって、流のかく乱が起こりやすくなり、冷却性能を向上させることが可能となる。つまり、所定の凹凸形状の領域を一定間隔ごとに配置するのではなく、複数の所定の凹凸形状を有する領域間の距離を異なる距離とするとよい。また、複数の凹凸形状を有する異なる領域間の距離を一定距離としてもよい。これらを不規則に配置されたパターンと呼ぶ。
さらに、実施例では、凹凸領域を設ける場所がタンク内もしくはタンク外の一部であり、凹凸領域の形状が方形であり、方形がタンク上方に向かって、千鳥状に配置されていることも特徴のひとつである。
五目並べ状にパターンを並べるのではなく、規則性を持たせた方がプロセス上好ましいのであれば、千鳥配置状にパターンを形成することで、伝熱の制御と向上が実施しやすくなる。
さらに、上記について、凹凸領域を設ける場所がタンク内もしくはタンク外の一部であり、凹凸が設けられた形状がなす模様が、点群での記法によりC1系対称群ではなく、また結晶学での記法によるP2群でもない他の対称群に属し、点群での分類では特にD1系対象群に属することも特徴のひとつである。このようなパターンを配置すれば、流れを乱すことができ、伝熱を加速することができる。
凹凸を形成する手段としては、溶射、スパッタリング、めっき、ブラスト処理、エッチング、塗装のうちいずれかの手段を用いてもよいし、それらの手段のうち複数の手段を組み合わせて、凹凸を形成した静止誘導電器であってもよい。これらのプロセスのいずれかによって、凹凸をつけることができるのであれば、使う材料や加工装置のうち、最もやりやすい方法を採用すべきであり、またいずれの加工方法によっても得られる効果は同様である。
本発明の実施例を、以下に図面を用いて、説明する。
実施例1を、図1を使って説明する。
図1は、アモルファス鋼を鉄心3に用いた変圧器を示す図である。巻線4が周囲に巻かれている。なお、図1には記載していないが、絶縁用の素材としては紙とプレスボードを用いている。変圧器タンク1内部には、植物由来油(大豆成分を主とする)である、冷却液体2が封入され、液面は2’の点線の位置まで満たされている。図1の静止誘導機器の定格は22kV、500kVAクラスである。植物由来油に限らず鉱油であっても実施できる。以下、代表して植物由来油を用いた例について説明する。
図2は、図1の変圧器におけるタンク付近の温度分布を示した図である。左側が油の入っているタンク内側、右側が空気の存在するタンク外側である。ここで、斜めの線は温度の高低を表す線である。図2から、タンクの内側深くでは、ほぼ一定の温度となっており、タンクに近づくにしたがって急速に温度が低下していく薄い層が存在する。これが境界層であり、この厚さが厚いほど伝熱抵抗が高くなり熱が伝わりにくくなる。この境界層の厚さは、定義の仕方にもよるが、乱流の場合にはレイノルズ数を使って決定し、層流境界層と呼ばれる。
一方、層流の場合にはこの境界は温度境界層と呼ばれるものとなり、ヌッセルト数によって決まる。実際に解を得るにはエネルギー積分方程式を解く必要がある。
変圧器内部の菜種由来の植物油は常温から数十度程度まで一般的な鉱油より粘度が高い。また、強制対流冷却構造を持たないため、内部の放熱特性は強制対流型より劣る。
このような冷却に不利な条件であるが、本実施例では、図3を用いてタンク形状について説明する。図3は、タンクの放熱のために、タンク壁の油側に配置した凹凸パターンを示す図である。凹凸パターンは、亜鉛含有の金属で形成した。
まず、この条件で平板タンク上のグラスホフ数を計算した。グラスホフ数は流れの粘性に対する浮力を表す無次元数である。グラスホフ数の計算条件を図10の表1に示す。
次にプラントル数を計算する。プラントル数は動粘性係数と熱拡散係数の比であり、対流セルの大きさに関係している。プラントル数の計算条件は、図11の表2に示した。今回のケースでは、実測と計算の結果、温度境界層厚さは約0.4mmという結果が得られた。
そこで、このタンクの伝熱性を改善するため、平板状のタンク壁に、図3に示すように、直径250μmの半球状表面(以下、セミスフェリカルプレーンとも呼ぶ)とすることで、代表長さは1.57倍となるため、改善後のヌッセルト数は増加した。この結果、熱伝達係数はヌッセルト数に比例するから、油とタンクの界面熱抵抗は約60%減少することになる。実際にこのセミスフェリカルプレーンが効果を発揮するためには、境界層厚さが250μm以下となり、実効的に境界層を破壊する必要がある。また、実際には流れは、固体表面に沿って乱されるため、正確に250μm以上でなければならない必要はないが、計算の結果、境界層厚さは200μm以下となり、効力を発揮することが予測された。
上記の結果を受け、表面加工していない変圧器において、表面温度50度になる負荷条件で変圧器を運転し、さらに同じ負荷条件で表面温度を計測した。この結果、表面温度は46℃となり、実際に効果があることを確認できた。
強制対流装置を持たない変圧器では、自然対流による冷却に頼らざるを得ないが、実施例によれば、総括伝熱係数を約二倍以上にして冷却を加速する効果を持つ。さらに放射伝熱による冷却も加速される。以上の通り、本実施例における表面凹凸のタンク内部への加工は、冷却に効果を奏する。
また、算術平均粗さをさまざまに変え、限界となる表面粗さを見極めることにした。この結果を、図12を使って説明する。図12は、実測された伝熱係数〔p.u.〕と算術平均粗さ〔μm〕の関係を示した図である。図12を見て明らかなとおり、算術平均粗さが20μm以上から伝熱係数が飛躍的に増加することがわかる。このことは、温度境界層がこの系では20μm未満にはできないことを意味する。
以上の通り、本実施例において表面粗さは20μm以上であると良いことが確認された。
図17は、本実施例の適用対象である、変圧器密封金具を備えた油入変圧器を示す概略斜視図である。油入変圧器101は、タンク103を有し、タンク103には鉄心−コイル組立体(本体)を収容し、絶縁油が満たされ、カバー(蓋)102で蓋をされている。そして、密封金具104により、カバー102の複数個所をタンク103の側面部の上部に押し付け、タンク内部を密封している。密封金具104は他の部材に置き換えてタンク103とカバー102とを密閉してもよい。
また、図18は、本実施例の適用対象である、柱状変圧器を示す図である。200は柱上変圧器、201は磁気回路を形成するための巻鉄心、202は電気回路を形成するための励磁用コイルである。
上記実施例1において、ヘミスフェリカルプレーンに代表される半球面状の凹凸をつけることで、温度に関する効果が得られることが分かった。そこで、次に水による腐食効果を試験するため、タンク素材の上に亜鉛膜を張ったうえで、エッチング加工し、図3と同一の形状であるヘミスフェリカルプレーンを形成した。また対象としてヘミスフェリカルプレーンを施していないタンクも用意した。
セルロースは加水分解を起こす一方で、酸素遮断下では炭化、脱水反応をおこし、長期高温にわたっては最大で14.3wt%もの水を発生させることがわかっている。このことは、長期にわたって使用した変圧器タンクから、COやこれに類する含酸素炭化水素化合物が放出されていることからも明らかである。
14.3wt%という値は、セルロースが完全に炭化した場合を想定したものであり、過剰であると思われたため、その25%である3.6%が炭化脱水反応を起こしたと仮定して、水分を油に加え、タンクの油側面の劣化実験を実施した。加速劣化温度は110℃とし、油は大豆系植物油とした。
図4は、実施例2の反応式を説明する図である。これらの植物油はエステル油に属するものであり、図4に示した反応式の左に記した構造をしている。化学の分野ではトリグリセリドと呼ばれる化合物群であり、一般的には植物油として知られている。このトリグリセリドは分子内にカルボキシ酸素(C=O)を持っている。このカルボキシ酸素は負帯電しやすく、一方で、内部で発生した水の水素は正に帯電しやすい。
このために、紙中で発生した水分子が油中に引き抜かれる反応が発生し得る。反応は紙への水吸着との平衡反応となるが、紙に多く含まれるO−H結合より、C=Oと水との結合の方が、結合力が強い。このため、水は紙から油へと輸送され、さらにタンク面に到達する。この時、鉄との接触が起こる。
鉄は、積極的に触媒として商業利用されるほどの活性はないが、d電子を持っているために弱い触媒作用をもっており、図5のようにエステルの加水分解反応を促進する。加水分解されたエステルは鉄を腐食させる作用を持っている。このため、長い運転時間を経た変圧器ではここまでに述べた機構によるタンク腐食の可能性を指摘できる。
実際、紙からの水発生を模擬した上記実験での長期劣化試験の結果、表面を亜鉛で加工していないタンクでは、油液面付近でのタンク腐食現象が発生することを確認した。一方で、亜鉛をヘミスフェリカルプレーンとして結合させたタンクでは腐食が発生せず亜鉛が一部で溶出する現象が確認された。以上のように本実施例により、タンク腐食防止の効果が確認できた。ひいては、変圧器全体の寿命を向上させることができる。
本実施例によれば、表面に形成した物質により、タンクの腐食防止効果が発揮される。特に、長年使用されたエステル系絶縁液体を、絶縁紙としてコイルに巻いたままにしておくと、紙の劣化により、CO、炭化水素などが発生する。紙はC、O、Hからなる化合物であるから、これら炭素系化合物が抜けるにしたがって、元から水分がなかったとしても内部での加熱により水分が発生する。
発生した水分はエステル系油の場合には、含有水量の多さによる絶縁破壊耐性が高いために、しばらくは、問題を起こさないはずであるが、理論上、紙の主媒体であるセルロースは最大で重量の14.8%の水分を発生する。
しかしながら、エステル系油は水を輸送する性質を持っているがためにタンクまで水を輸送する。タンクは鉄を主体とした金属であり、弱い触媒作用を持っているために加水分解を引き起こし、酸の発生を招く。この酸によるタンク内の腐食が懸念されるが、凹凸の素材として使っている物質のイオン化傾向が鉄より高ければ、さきにそちらが酸化されるため、防蝕耐久性が高くなる。
上記実施例では、タンクの表面は半球状となるため、表面積は57%増しにしかならないが、さらに増やした方がより伝熱を加速するために望ましい。本実施例では、表面積を増大する手法について金属の溶射プロセスを用いる例を用いる。
図6は、タンク表面の顕微鏡写真の図である。タンク表面はこの溶射処理により、図6のように粗化される。この時の、平均算術表面粗さは109μmであった。
平均算術表面粗さの規格はJIS規格JIS B 0601:2001により規定されており、これにしたがった。以降の実施例では、本規定によって表面粗さを定義するものとする。
図6の表面は溶射によって実現された表面であり、溶射金属としてはアルミを用いた。この場合の表面積をBET(Brunauer Emett and Teller)法によって測定し、平面に対してどの程度の表面積を持っているか測定したところ、3.25倍であった。
さらに、熱伝導によりどの程度の表面温度の差が表れるか、実施例1に述べた手法によって測定したところ、表面温度50℃に対し42℃となり、約8℃の温度差となる効果が得られた。
また、アルミを溶射したために、実施例2に述べた手法で腐食の検査を実施したところ、アルミ表面は一部溶解されていることがわかった。その一方で加工をしなかったタンクは液面付近が赤く腐食されていることが判明した。さらに厳しい条件ではアルミ表面は不動態化し、溶出もなくなると期待される。
以上のように本実施例により、伝熱の促進と表面の腐食防止効果が確認された。
図12に引き続き、さらに表面粗さを大きくして実験を実施した。図7は、実施例4の実測された伝熱係数〔p.u.〕と算術平均粗さ〔μm〕の関係を示した図である。この結果を図7に示す。本実施例においては、算術平均粗さが10000μm(10mm)を超えると、伝熱係数の大きさが平面と同様になることが分かった。
これは、タンク内部に生成したあまりにも大きな突起により、タンク表面の流れが阻害され、結果的に冷却が阻害されていることを意味する。
以上のように本実施例により、伝熱の促進のためには表面粗さを10mm以下であると良い。
凹凸を形成する素材として、アルミニウム、スズ、亜鉛などの卑金属を用いるか、シリカ、アルミナ、チタニア、セリア等、各種金属酸化物のいずれを用いても、冷却効果に大きな差は現れなかった。タンクの部材とは異なる金属部材の粒子をタンクの表層(内側もしくは外側)に接触させて、タンク表層に表面粗さを形成する。または、金属部材の粒子とタンクの表層の部材とは金属接合させて、タンク表層に表面粗さを形成するようにしてもよい。
卑金属を用いる場合には、鉄タンクの腐食防止効果が確認され、また、金属酸化物においても、酸との反応性が低いために腐食の防止が可能であることを確認した。
以上の通り、本実施例の通り各種金属および酸化物で伝熱の促進と腐食防止の効果を確認できた。
本実施例では、金属や金属酸化物の代わりに、凹凸を形成する素材としてエポキシ樹脂を用いた。エポキシ樹脂はビスフェノールA型の主剤と、酸無水物からなり、触媒としてイミダゾール系触媒を用いて100℃にて1日硬化させた。なお、表面に凹凸を形成するため、粗いスプレー塗装をしたうえ、エポキシ樹脂の中にシリカを20wt%配合し、重ね塗りした。
このように、非金属の粒子とタンクの表面の部材とは化学結合してタンク表層に表面粗さを形成する。
この結果、算術平均粗さは300μm程度まで増加させることができ、伝熱抵抗は図12に示した通り抑制できることがわかり、本実施例の効果を確認できた。また、エポキシ樹脂は吸湿性があることから、さらに好ましくは、より吸湿性の低い(極性の低い)有機化合物を用いることが望ましいが、コストや加工のしやすさではエポキシが有利である。
実施例6では、凹凸を形成する素材として非金属の例を説明したが、金属を用いる場合には、タンクを構成する鉄系よりイオン化傾向が大きい、アルミ、亜鉛、またはマグネシウム等の金属を用いるか、またはこれらの混合物を用いることで同様の効果が得られる。
タンク内部に含有する冷却液体である絶縁油の性質として、鉱油の場合にはきわめて低粘度である。植物油などのエステル系油では、常温付近、もしくは変圧器が使用される温度帯域で30mm2/s以上となる液体が存在する。上記の実施例にて述べたエステル系油もその程度の動粘度を有しており、上記の実施例のように伝熱性能を向上させる効果を得ることができた。
図8は、実施例9を説明するための図である。図8は、タンク内面の展開図80を示す。タンク展開図は油側であるが、空気側に設けても良い。ハッチングした四角形のパターン81が、溶射により粗面化された部分であり、ハッチングしていない部分が粗面化されていない部分である。このように幾何学的な特徴を持たない不規則なパターンでは、タンク表面の流れが乱されやすくなり、規則的なパターンより伝熱性を向上することができる。
上記実施例のように不規則なパターンを、タンクの空気側に設けてもかまわず、こちらは粗面化により、空気の流れを乱しかつ、放射伝熱面積を広げ、伝熱を向上させることができる。
図9は、実施例10を説明するための図である。実施例9と同様の理由により、図9のタンク内面の展開図に示すように、溶射による粗面化されたパターン91は、四角形の形状であり、粗面化パターン91の配置は千鳥状の配置91としている。
千鳥状の配置91とした場合、タンク展開図90の表面を流れる流路92は屈曲し、伝熱抵抗となる境界層を破壊する役割を果たす。このために、伝熱抵抗を抑制することができ、伝熱の向上が可能となる。
図8、図9に示した粗面化された溶射膜のパターン形状は、長方形や正方形などの、規則的な四角形の例で説明しているが、不規則の形状のパターンでもよい。また、タンクの表面の一部、もしくは全体に溶射してもよいが、溶射した部分と溶射していない部分が不規則な位置に混在した配置にしてもよい。
不規則な形状もしくは不規則な配置の粗面化されたパターンを用いる場合は、四角形などの規則的な形状を規則的に配置した場合に比べて、絶縁油の対流が複雑となり伝熱特性をより向上できる。
実施例10のように、凹凸が設けられた形状がなす模様が、千鳥配置の場合には群論でいうところの点群での記法により「C1系対称群ではなく、また結晶学での記法によるP2群でもない他の対称群」であり、点群での分類では「D1系対象群に属する」と表現する。このような対称性を持つ粗面部配置を持つタンクには、実施例10と同様の効果が得られる。
上記の実施例において、凹凸を設ける手段が溶射、スパッタリング、めっき、ブラスト処理、エッチング、塗装のうち、いずれか、もしくは複数の手段を組み合わせて凹凸形状を形成しても、同様の効果を得られる。
図13は、静止誘導機器の一例としての油入変圧器を示す図である。実施例13では、凹部100aと凹部100aの先端に設けられる面である第3の面130aを有する変圧器タンクである。第1のコイルと第2のコイルとの間に第3の面130aと凹部100aが配置されている。第3の面130aは、容器の内側に向かって突き出ている曲面部を有している。
第3の面130aとコイル外形との距離は、絶縁性を担保できる距離とすればよく、これにより絶縁油の使用量を削減することででき環境性能が向上する。
本実施例のタンク表面には、放熱フィンが設けられていないが、そのような構成であっても、コイルとタンク内側の距離が小さくなっているため、放熱特性が向上するからである。タンクに放熱フィンを設けない場合には、変圧器全体の大きさを低減させることができる。
このようなタンクに、上記した実施例の溶射膜を形成することでさらに放熱特性を向上させることができる。
図14は、放熱フィンがタンク外周に設けられた、実施例14の油入変圧器400を示す図である。放熱フィン410aと放熱フィン410bとの間、つまり放熱フィンが設けられていない領域に、第3の面130aと凹部100aが配置されている。
これにより、実施例13よりも油入変圧器のタンクが外気に接触する面積が増えるため、放熱効果が高い。このようなタンクに本発明の溶射膜を形成することでさらに放熱特性を向上させることができる。
このようなタンクに、上記した実施例の溶射膜を形成することでさらに放熱特性を向上させることができる。
図15は、複数のエンボス状の突部510aがタンク外周に設けられた、実施例15の油入変圧器500を示す図である。また、第3の面130aと凹部100aが配置されている。
エンボス状の突部510aは板状部材の主面よりも突き出た形状である。突き出た形状は半球状であるものを代表例として図示する。三角形や六角形形状であってもよく、これらの形状に限らず、板状部材よりも突き出た部分を有することにより表面積を向上する。
また、エンボス状の突部510aはタンク側板の主面からタンク内側に向かって凹む、つまり、タンク内部に向かって突き出る形状であってもよい。この場合は、タンク内側に突き出るため絶縁油の量を減少させることができる。また、タンク外側に向かって突き出ないため、敷設面積を小さくすることができる。このようなタンクに、上記した実施例の溶射膜を形成することでさらに放熱特性を向上させることができる。
実施例15で説明したエンボス状の突部を有し、第3の面を設けない、実施例16のタンク600について、図16を用いて説明する。
実施例15と同様にタンクの高さ方向に2以上のエンボス状の突部610が、タンクの周方向に2以上のエンボス状の突部610が設けられている。第3の面を設けた実施例14に比べて加工が簡素化できるため、コストは削減できる。このようなタンクに、上記した実施例の溶射膜を形成することでさらに放熱特性を向上させることができる。
1 変圧器タンク
2 冷却液体
2’ 冷却液体の液面
3 アモルファス鉄心
4 巻線

Claims (15)

  1. 鉄心と、前記鉄心に巻回されたコイルと、前記鉄心と前記コイルを覆う絶縁油と、前記絶縁油を収容するタンクと、を有する静止誘導機器であって、
    タンク外部もしくは内部の両方もしくは片方の表面は、表面粗さが20μm以上であることを特徴とする静止誘導機器。
  2. 請求項1に記載の静止誘導機器において、
    前記表面粗さは、10mm以内であることを特徴とする静止誘導機器。
  3. 請求項1に記載の静止誘導機器において、
    前記タンクの表層には、前記タンクの表層の部材とは異なる金属部材の粒子が接触されていることを特徴とする静止誘導機器。
  4. 請求項3に記載の静止誘導機器において、
    前記粒子と前記表面の部材とは金属接合されていることを特徴とする静止誘導機器。
  5. 請求項3に記載の静止誘導機器において、
    前記粒子と前記表面の部材とは化学結合されていることを特徴とする静止誘導機器。
  6. 請求項3に記載の静止誘導機器において、
    前記粒子が接触することにより粗面化された前記表層は、
    平均粗さが20μm以上10mm以下であることを特徴とする静止誘導機器。
  7. 請求項3に記載の静止誘導機器において、
    前記表層に接触している前記粒子の平均粒径は、20μm以上10mm以下であることを特徴とする静止誘導機器。
  8. 請求項6に記載の静止誘導機器において、
    前記粒子は金属酸化物であることを特徴とする静止誘導機器。
  9. 請求項1に記載の静止誘導機器において、
    前記表面は、有機物を有することを特徴とする静止誘導電機器。
  10. 請求項1に記載の静止誘導機器において、
    前記表面を形成する金属が、
    前記タンクを構成する金属よりイオン化傾向が大きいことを特徴とする静止誘導機器。
  11. 請求項1に記載の静止誘導機器において、
    前記絶縁油は、動粘度が30mm/s以上であることを特徴とする静止誘導機器。
  12. 請求項1に記載の静止誘導機器において、
    前記表面粗さを有する部分は、
    不規則なパターンとして配置されていることを特徴とする静止誘導機器。
  13. 請求項12に記載の静止誘導機器において、
    前記表面粗さを有する部分は、
    形状が四角形であり、
    前記表面粗さを有する部分がタンク上方に向かって、千鳥状に配置されていることを特徴とする静止誘導機器。
  14. 請求項12に記載の静止誘導機器において、
    前記表面粗さを有する部分は、
    点群での分類では、D1系対象群に属することを特徴とする静止誘導機器。
  15. 請求項1に記載の静止誘導機器において、
    前記表面粗さを有する部分は、
    溶射、スパッタリング、めっき、ブラスト処理、エッチング、塗装のうちいずれかで形成されるか、もしくは複数を組み合わせて形成されたことを特徴とする静止誘導機器。
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