JP2020118866A - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像欠陥の発生を抑制した表面層を形成するための表面層用塗布液を用いた電子写真感光体の製造方法を提供する。【解決手段】支持体と、表面層とを有する電子写真感光体の製造方法であって、該表面層を形成するために表面層用塗布液を塗布する工程を有し、該表面層用塗布液が表面に無機粒子(α)を有する樹脂粒子(β)を含有し、該無機粒子(α)の平均粒径(Lα)が5nm以上50nm以下であり、該樹脂粒子(β)の平均粒径(Lβ)が0.1μm以上5.0μm以下であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体の製造方法に関する。
近年、電子写真装置ユーザーの多様化が進み、出力される画像には従来のものよりも高画質、高安定性が求められている。
画像品質を安定的に維持するためには、電子写真感光体の表面が機械的耐久性に優れ、長期にわたる繰り返し印刷を行っても電子写真感光体の表面が摩耗したり、傷が形成されたりしないことが重要である。電子写真感光体の表面の機械的耐久性を向上させるためには、電子写真感光体の表面層として硬質な樹脂を含有する保護層を設けること、表面層に機械的耐久性の高い樹脂を用いること、表面層にフィラーを分散すること等の技術が一般的に用いられる。
また、電子写真感光体の各層を形成するための塗布液に求められる特性としては、以下のものが挙げられる。溶質を良好に溶解させること、保管によって性質が変化しないこと、および、既に形成された下層を著しく侵さないことなど。特に微粒子を分散させている塗料においては、塗布性が良好であり、粒子の凝集などにより塗膜の不良を発生させないことが重要となる。
特許文献1には、電子写真感光体の表面の耐摩耗性を向上させるための技術として、電荷輸送物質と、高い体積抵抗率を有する表面処理された無機粒子と、有機微粒子とを含有する表面層を有する電子写真感光体に関する技術が開示されている。
また、特許文献2には、電子写真感光体の表面について、良好なクリーニング性を維持し、耐久性を向上させるための以下の技術が開示されている。すなわち、電子写真感光体の表面層としての保護層中に分散される金属酸化物微粒子を、2種類の表面処理剤で処理する。さらに、これら2種類の表面処理剤を有する金属酸化物微粒子の一部をフッ素樹脂微粒子の表面に保持させる。これにより、保護層中でのフッ素樹脂微粒子の凝集を抑制して分散性を改善している。さらに、フッ素樹脂微粒子を、金属酸化物微粒子を介して結着樹脂に固定することで、フッ素樹脂微粒子を保護層から外れにくくしている。
特開2017−58524号公報 特開2017−125946号公報
上述のように、使用期間中に画像品質を安定的に維持するためには、電子写真感光体の表面における摩耗を低減することは重要である。
しかし、本発明者らの検討によると、電子写真感光体の表面における摩耗を低減させるために、特許文献1および2に記載の電子写真感光体を用いた場合では、樹脂粒子の凝集により、画像欠陥を生じる場合があることがわかった。
したがって本発明の目的は、画像欠陥の発生を抑制した表面層を形成するための表面層用塗布液を用いた電子写真感光体の製造方法を提供することにある。
本発明に係る電子写真感光体の製造方法は、支持体と、表面層とを有する電子写真感光体の製造方法であって、該表面層を形成するために表面層用塗布液を塗布する工程を有し、該表面層用塗布液が表面に無機粒子(α)を有する樹脂粒子(β)を含有し、該無機粒子(α)の平均粒径(Lα)が5nm以上50nm以下であり、該樹脂粒子(β)の平均粒径(Lβ)が0.1μm以上5.0μm以下であることを特徴とする。
本発明によれば、画像欠陥の発生を抑制した表面層を形成するための表面層用塗布液を用いた電子写真感光体の製造方法を提供することができる。
本発明に係る電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る電子写真感光体の製造方法は、支持体と、表面層とを有する電子写真感光体の製造方法であって、該表面層を形成するために表面層用塗布液を塗布する工程を有し、該表面層用塗布液が表面に無機粒子(α)を有する樹脂粒子(β)を含有し、該無機粒子(α)の平均粒径(Lα)が5nm以上50nm以下であり、該樹脂粒子(β)の平均粒径(Lβ)が0.1μm以上5.0μm以下であることを特徴とする。
本発明者らの検討によれば、特許文献1または2の構成では、表面層用の塗布液中に樹脂粒子と無機粒子がそれぞれ互いに独立して存在するため、樹脂粒子の凝集が起こり、塗膜の欠陥として画像不良を生じることがあることが分かった。
上記従来技術で発生していた課題を解決するために本発明者らは、塗布液中の樹脂粒子と無機粒子の関係に着目し、検討を行った。その結果、平均粒径(Lα)が5nm以上50nm以下の無機粒子(α)を表面に有する平均粒径(Lβ)が0.1μm以上5.0μm以下の樹脂粒子(β)を塗布液中に含有させることにより従来技術で発生していた課題を低減できることが分かった。
本発明の構成により、従来技術の課題を低減することができるメカニズムを以下のように考えている。
樹脂粒子および無機粒子を含有する塗布液は、時間の経過および保管環境等により粒子の凝集を生じることがある。これにより、塗膜を形成する際に電子写真感光体の表面に凝集した粒子が付着し、画像欠陥を生じる。
本発明の構成によれば、予め無機粒子を樹脂粒子の表面に担持して塗布液中に含有させることにより、樹脂粒子間の凝集を抑制してより安定な塗布液を形成する。これにより塗膜を形成する際に電子写真感光体の表面に凝集した粒子が付着することを防ぎ、画像欠陥の発生を抑制することができる。
<無機粒子(α)>
無機粒子(α)としては、酸化ケイ素(シリカ、SiO)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化アルミニウム(アルミナ、Al)、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン(チタニア)、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化バナジウム等から選ばれる化合物の粒子が挙げられる。中でも、硬度、絶縁性、光透過性の観点から、酸化ケイ素(シリカ、SiO)および酸化アルミニウム(アルミナ、Al)から選ばれる化合物の粒子が好ましい。
無機粒子(α)の平均粒径(Lα)は5nm以上50nm以下である。
無機粒子の表面はシリコーンオイルまたは構造式(1)および構造式(2)で示される化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物により処理されていることが樹脂粒子との親和性の観点から好ましい。
Figure 2020118866
式(1)および(2)中、R〜Rは、それぞれ独立に、アルコキシ基またはアルキル基を示し、R〜Rの少なくとも2つはアルコキシ基である。また、Rは、ビニル基、1−メチルビニル基、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基である。Rはアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を示し、nは1以上6以下の整数である。
構造式(1)および構造式(2)で示される化合物の具体例としては、例えば下記構造式(P−1)〜(P−21)で示すものが挙げられる。
Figure 2020118866
<樹脂粒子(β)>
樹脂粒子(β)としては、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、メラミン−ホルムアルデヒド縮合樹脂およびメラミン−ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合樹脂等のメラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、スチレンアクリル樹脂、シリコーン樹脂およびフッ素樹脂から選ばれる樹脂の粒子を用いることができる。これらの樹脂は、単独で粒子を構成していてもよく、また2種類以上が混合されて粒子を構成していてもよい。樹脂粒子(β)としては、PMMA、メラミン−ホルムアルデヒド縮合樹脂およびフッ素樹脂から選ばれる樹脂の粒子を用いることが好ましい。
樹脂粒子(β)の平均粒径(Lβ)は0.1μm以上5.0μm以下である。樹脂粒子(β)の平均粒径(Lβ)は、より好ましくは0.1μm以上1.5μm以下である。
<表面に無機粒子(α)を有する樹脂粒子(β)>
樹脂粒子(β)の表面に無機粒子(α)を付着させる方法は、たとえば樹脂粒子(β)と無機粒子(α)を混合し、ヘンシェルミキサーのような粉体混合機を用いてもよいし、コーヒーミルのようなものを用いても構わない。また、樹脂粒子(β)および無機粒子(α)それぞれの表面に重合性官能基を付与し、それぞれの粒子表面に付与した重合性官能基同士を反応させることにより、互いの粒子を付着させても構わない。
ヘンシェルミキサーのような粉体混合機や、コーヒーミルのような物理的な衝撃によって無機粒子と樹脂粒子を付着させる方法は、樹脂粒子の表面に確実に無機粒子を担持できるため、本発明の効果を効率的に得るために好ましい。
それぞれの粒子表面に付与した重合性官能基同士を反応させることにより、互いの粒子を付着させる場合には、上記のように、物理的な衝撃によって互いの粒子を付着させた後に重合性官能基を反応させることが好ましい。
本達明の効果をより高く得るためには、無機粒子(α)、または表面処理した無機粒子(α)を直接樹脂粒子(β)が担持していることが好ましい。
また、無機粒子(α)による樹脂粒子(β)の被覆率は40%以上であることが好ましい。
[電子写真感光体]
本発明に係る製造方法により製造される電子写真感光体は、支持体と、表面層とを有することを特徴とする。
本発明の電子写真感光体を製造する方法としては、後述する各層の塗布液を調製し、所望の層の順番に塗布して、乾燥させる方法が挙げられる。このとき、塗布液の塗布方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、インクジェット塗布、ロール塗布、ダイ塗布、ブレード塗布、カーテン塗布、ワイヤーバー塗布、リング塗布などが挙げられる。これらの中でも、効率性および生産性の観点から、浸漬塗布が好ましい。
以下、各層について説明する。
<支持体>
本発明において、電子写真感光体は、支持体を有する。本発明において、支持体は導電性を有する導電性支持体であることが好ましい。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状などが挙げられる。中でも、円筒状支持体であることが好ましい。また、支持体の表面に、陽極酸化などの電気化学的な処理や、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。
支持体の材質としては、金属、樹脂、ガラスなどが好ましい。
金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレスや、これらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウムを用いたアルミニウム製支持体であることが好ましい。
また、樹脂やガラスには、導電性材料を混合または被覆するなどの処理によって、導電性を付与してもよい。
<導電層>
本発明において、支持体の上に、導電層を設けてもよい。導電層を設けることで、支持体表面の傷や凹凸を隠蔽することや、支持体表面における光の反射を制御することができる。
導電層は、導電性粒子と、樹脂と、を含有することが好ましい。
導電性粒子の材質としては、金属酸化物、金属、カーボンブラックなどが挙げられる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマスなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などが挙げられる。
これらの中でも、導電性粒子として、金属酸化物を用いることが好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、金属酸化物の表面をシランカップリング剤などで処理したり、金属酸化物にリンやアルミニウムなど元素やその酸化物をドーピングしたりしてもよい。
また、導電性粒子は、芯材粒子と、その粒子を被覆する被覆層とを有する積層構成としてもよい。芯材粒子としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛などが挙げられる。被覆層としては、酸化スズなどの金属酸化物が挙げられる。
また、導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、その体積平均粒径が、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
また、導電層は、シリコーンオイル、樹脂粒子、酸化チタンなどの隠蔽剤などをさらに含有してもよい。
導電層の平均膜厚は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、3μm以上40μm以下であることが特に好ましい。
導電層は、上述の各材料および溶剤を含有する導電層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。導電層用塗布液中で導電性粒子を分散させるための分散方法としては、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
<下引き層>
本発明において、支持体または導電層の上に、下引き層を設けてもよい。下引き層を設けることで、層間の接着機能が高まり、電荷注入阻止機能を付与することができる。
下引き層は、樹脂を含有することが好ましい。また、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として下引き層を形成してもよい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。
重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、メチロール基、アルキル化メチロール基、エポキシ基、金属アルコキシド基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、カルボン酸無水物基、炭素−炭素二重結合基などが挙げられる。
また、下引き層は、電気特性を高める目的で、電子輸送物質、金属酸化物、金属、導電性高分子などをさらに含有してもよい。これらの中でも、電子輸送物質、金属酸化物を用いることが好ましい。
電子輸送物質としては、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物、フルオレノン化合物、キサントン化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノビニル化合物、ハロゲン化アリール化合物、シロール化合物、含ホウ素化合物などが挙げられる。電子輸送物質として、重合性官能基を有する電子輸送物質を用い、上述の重合性官能基を有するモノマーと共重合させることで、硬化膜として下引き層を形成してもよい。
金属酸化物としては、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素などが挙げられる。金属としては、金、銀、アルミなどが挙げられる。
また、下引き層は、添加剤をさらに含有してもよい。
下引き層の平均膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.2μm以上40μm以下であることがより好ましく、0.3μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
下引き層は、上述の各材料および溶剤を含有する下引き層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥および/または硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
<感光層>
電子写真感光体の感光層は、主に、(1)積層型感光層と、(2)単層型感光層とに分類される。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と、を有する。(2)単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を共に含有する感光層を有する。
電子写真感光体が後述の保護層を有さない場合、(1)積層型感光層では電荷輸送層が本発明における表面層であり、(2)単層型感光層では感光層が本発明における表面層である。
(1)積層型感光層
積層型感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層と、を有する。
(1−1)電荷発生層
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して、40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリビニルブチラール樹脂がより好ましい。
また、電荷発生層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤をさらに含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、などが挙げられる。
電荷発生層の平均膜厚は、0.1μm以上1μm以下であることが好ましく、0.15μm以上0.4μm以下であることがより好ましい。
電荷発生層は、上述の各材料および溶剤を含有する電荷発生層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
(1−2)電荷輸送層
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して、25質量%以上70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上55質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂としては、特にポリアリレート樹脂が好ましい。
電荷輸送物質と樹脂との含有量比(質量比)は、4:10〜20:10が好ましく、5:10〜12:10がより好ましい。
また、電荷輸送層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
電荷輸送層の平均膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、8μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
電荷輸送層は、上述の各材料および溶剤を含有する電荷輸送層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。これらの溶剤の中でも、エーテル系溶剤または芳香族炭化水素系溶剤が好ましい。
電荷輸送層が本発明における表面層である場合は、先に述べたように電荷輸送層用塗布液はすなわち本発明における表面層用塗布液であり、表面に無機粒子(α)を有する樹脂粒子(β)を含有する。
(2)単層型感光層
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、結着樹脂および溶剤を含有する感光層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。電荷発生物質、電荷輸送物質、結着樹脂としては、上記「(1)積層型感光層」における材料の例示と同様である。
感光層が本発明における表面層である場合は、先に述べたように感光層用塗布液はすなわち本発明における表面層用塗布液であり、表面に無機粒子(α)を有する樹脂粒子(β)を含有する。
<保護層>
本発明において、電子写真感光体は、感光層の上に、保護層を設けてもよい。保護層を設けることで、耐久性を向上することができる。
電子写真感光体が保護層を有するとき、保護層は本発明における表面層である。すなわち、保護層は、表面に無機粒子(α)を有する樹脂粒子(β)を含有する。
また、保護層は、導電性粒子および/または電荷輸送物質と、樹脂とを含有することが好ましい。
導電性粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物の粒子が挙げられる。
電荷輸送物質としては、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
また、保護層は、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として形成してもよい。その際の反応としては、熱重合反応、光重合反応、放射線重合反応などが挙げられる。重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。重合性官能基を有するモノマーとして、電荷輸送能を有する材料を用いてもよい。
保護層は、本発明にかかわる無機粒子、樹脂粒子の他に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤、などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
保護層の平均膜厚は、0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上7μm以下であることが好ましい。
保護層は、上述の各材料および溶剤を含有する保護層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥および/または硬化させることで形成することができる。また、保護層用塗布液はすなわち本発明における表面層用塗布液であり、先に述べたように表面に無機粒子(α)を有する樹脂粒子(β)を含有する。
塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、スルホキシド系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
[プロセスカートリッジ、電子写真装置]
本発明に係る製造方法により製造される電子写真感光体を有するプロセスカートリッジは、以下を特徴とする。すなわち、プロセスカートリッジは、これまで述べてきた電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在である。
また、本発明の電子写真装置は、これまで述べてきた電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする。
図1に、電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の一例を示す。
1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、帯電手段3により、正または負の所定電位に帯電される。なお、図においては、ローラ型帯電部材によるローラ帯電方式を示しているが、コロナ帯電方式、近接帯電方式、注入帯電方式などの帯電方式を採用してもよい。帯電された電子写真感光体1の表面には、露光手段(不図示)から露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容されたトナーで現像され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写される。トナー像が転写された転写材7は、定着手段8へ搬送され、トナー像の定着処理を受け、電子写真装置の外へプリントアウトされる。電子写真装置は、転写後の電子写真感光体1の表面に残ったトナーなどの付着物を除去するための、クリーニング手段9を有していてもよい。また、クリーニング手段9を別途設けず、上記付着物を現像手段などで除去する、所謂、クリーナーレスシステムを用いてもよい。電子写真装置は、電子写真感光体1の表面を、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理する除電機構を有していてもよい。また、プロセスカートリッジ11を電子写真装置本体に着脱するために、レールなどの案内手段12を設けてもよい。
本発明の電子写真感光体は、レーザービームプリンター、LEDプリンター、複写機、ファクシミリ、および、これらの複合機などに用いることができる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
(粒子S1の製造例)
2Lの撹拌機付きオートクレーブに、平均粒径40nmを有する未処理のシリカ100質量部を入れ、撹拌によって流動化させながら200℃に加熱した。流動化状態を維持しながら、オートクレーブ内部を窒素ガスで置換して反応器を密閉した。その後、シリカを撹拌しながら、ジメチルシリコーンオイル(粘度=50mm/s)を噴霧し、30分間撹拌を続けた。噴霧するジメチルシリコーンオイル(粘度=50mm/s)の量は、処理後のシリカが有する量が20質量部となるように調整した。その後、撹拌しながら300℃まで昇温させ、さらに2時間撹拌した。オートクレーブからシリカを取り出し、無機粒子(α)として粒子S1を得た。粒子S1の詳細を表1に示す。
(粒子S2の製造例)
表1に示すようにシリカ、シリコーンオイルの量を変更した以外は粒子S1の製造例と同様にして無機粒子(α)としての粒子を作製した。得られた粒子を「S2」とした。詳細を表1に示す。
(粒子S3の製造例)
シリカ(平均一次粒径:40nm)100部をトルエン500部と攪拌混合し、オクチルトリエトキシシラン(商品名:KBE3083、信越化学工業(株)製)0.8部を添加し、6時間攪拌した。
その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、140℃で6時間加熱乾燥し、表面処理することで無機粒子(α)としての粒子S3を得た。詳細を表1に示す。
(粒子S4および粒子S5の製造例)
表1に示すようにシリカ、表面処理剤の種類および量を変更した以外は粒子S3の製造例と同様にして粒子を作製した。得られた無機粒子(α)としての粒子を「粒子S4および粒子S5」とした。詳細を表1に示す。
なお、粒子S5の製造に用いた表面処理剤の化合物P−10は、上記の構造式(P−10)で示される化合物である。
(粒子A1の製造例)
酸化アルミニウム粒子(平均一次粒径:10nm、比表面積:150m/g)100部をトルエン500部と攪拌混合し、シリコーンオイル(商品名:KBE3083、信越化学工業(株)製)1部を添加し、6時間攪拌した。
その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、140℃で6時間加熱乾燥し、表面処理された酸化アルミニウム粒子A1を得た。詳細を表1に示す。
(粒子A2の製造例)
酸化アルミニウム粒子(平均一次粒径:18nm、比表面積:65m/g)100部をトルエン500部と攪拌混合し、オクチルトリエトキシシラン(商品名:KBE3083、信越化学工業(株)製)0.8部を添加し、6時間攪拌した。
その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、140℃で6時間加熱乾燥し、表面処理することで無機粒子(α)としての粒子A2を得た。詳細を表1に示す。
(粒子A3の製造例)
酸化アルミニウム粒子(平均一次粒径:18nm、比表面積:65m/g)100部をトルエン500部と攪拌混合し、オクチルトリエトキシシラン(商品名:KBE3083、信越化学工業(株)製)1.1部を添加し、6時間攪拌した。
その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、140℃で6時間加熱乾燥し、表面処理することで無機粒子(α)としての粒子A3を得た。詳細を表1に示す。
(粒子A4の製造例)
酸化アルミニウム粒子(平均一次粒径:18nm、比表面積:65m/g)100部をトルエン500部と攪拌混合し、化合物P−10を1.03部添加し、6時間攪拌した。
その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、140℃で6時間加熱乾燥し、表面処理することで無機粒子(α)としての粒子A4を得た。詳細を表1に示す。
Figure 2020118866
(複合粒子H1の製造例)
粒子S1を200部と平均粒径0.4μmのメラミン・ホルムアルデヒド縮合樹脂粒子(商品名:エポスターS6、(株)日本触媒社製)100部を混合し、コーヒーミルで10秒間攪拌することを10回繰り返すことで複合粒子H1を得た。
得られた複合粒子H1における被覆率を次のようにして求めた。まず、樹脂粒子H1の重量、比重および平均粒径から樹脂粒子H1の総表面積を算出した。また、無機粒子の重量、比重および平均粒径から無機粒子1個当たりの被覆面積を算出し、無機粒子1個当たりの被覆面積と、無機粒子の総個数とから無機粒子の総被覆面積を求めた。得られた樹脂粒子H1の総表面積および無機粒子の総被覆面積から(無機粒子の総被覆面積/樹脂粒子の総表面積)×100を算出し、複合粒子H1の被覆率とした。
(複合粒子H2〜複合粒子H33の製造例)
用いた表面処理後の無機粒子の種類および量、用いた樹脂粒子の種類および量、および表面処理後の無機粒子と樹脂粒子とを混合するための合計処理時間をそれぞれ表2に示す条件に変更した。それ以外はすべて複合粒子H1の製造例と同様にして複合粒子を得た。得られた複合粒子を「複合粒子H2〜複合粒子H33」とした。得られた複合粒子H2〜複合粒子H33について、複合粒子H1と同様にして被覆率を求めた。
Figure 2020118866
(保護層用塗布液1の製造例)
下記構造式(3)で示される正孔輸送性化合物70部、粒子H1を5部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン30部および1−プロパノール30部を混合し、保護層用塗布液とした。得られた保護層用塗布液を「保護層用塗布液1」とした。保護層用塗布液1の調製に用いた複合粒子の種類および量を表3に示す。
Figure 2020118866
(保護層用塗布液2〜保護層用塗布液33の製造例)
用いた複合粒子の種類および量を表3に示す条件に変更した。それ以外はすべて保護層用塗布液1の製造例と同様にして保護層用塗布液を得た。得られた保護層用塗布液を「保護層用塗布液2〜保護層用塗布液33」とした。
(保護層用塗布液101の製造例)
以下の材料を用意した。
・構造式(3)で示される正孔輸送性化合物70部
・粒子S1を10.5部
・平均粒径0.4μmのメラミン・ホルムアルデヒド縮合粒子(商品名:エポスターS6、(株)日本触媒社製)21部
・1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン30部
・1−プロパノール30部
これらを混合し、保護層用塗布液とした。得られた保護層用塗布液を「保護層用塗布液101」とした。
(保護層用塗布液102の製造例)
以下の材料を用意した。
・構造式(3)で示される正孔輸送性化合物70部
・粒子S1を1.6部
・平均粒径0.4μmのメラミン・ホルムアルデヒド縮合粒子(商品名:エポスターS6、(株)日本触媒社製)3.5部
・1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン30部
・1−プロパノール30部
これらを混合し、保護層用塗布液とした。得られた保護層用塗布液を「保護層用塗布液102」とした。
(保護層用塗布液103の製造例)
原料無機粒子として、アンチモンドープ酸化錫(以下、ATOという)微粒子(平均粒径:10nm〜15nm、商品名:T−1、三菱マテリアル電子化成株式会社製)を用いた。
以下の材料を、ATO微粒子に対する混合割合が以下に示す値となる量で用意した。
・フッ素系シランカップリング剤である1H,1H,2H,2H−ナノフルオロヘキシルトリメトキシシラン(商品名:T2918、東京化成工業株式会社製) 10質量%
・重合性シランカップリング剤であるオクテニルトリメトキシシラン(商品名:KBM1083、信越シリコーン株式会社製) 4質量%
また、分散溶媒として、IPA(イソプロピルアルコール特級試薬99.5%、キシダ化学株式会社製)200質量%を用いた。これらの材料を混合し、ビーズミルを使用して分散してATO微粒子分散液を調製した。分散時間は90時間とした。
続いて、以下の材料を用意した。
・重合開始剤として、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名:Irgacure907、BASFジャパン株式会社製)10質量部
・光硬化性樹脂として、多官能フッ素変性アクリル樹脂(商品名:ACU−3、関東電化工業株式会社製)100質量部
・分散溶媒として、イソプロピルアルコール(IPA:特級試薬99.5%、キシダ化学株式会社製)150質量部
・フッ素樹脂微粒子として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)微粒子(平均粒径:2.3μm、最大粒径:4.62μm、商品名:KTL1N、株式会社喜多村製)30質量部
PTFE微粒子の光硬化性樹脂に対する混合割合を30質量%とした。これらの材料を混合し、上記のATO微粒子分散液100質量部に添加した。その後、遮光下で混合撹拌し、この混合液に対し、超音波発振器(発振周波数:40kHz、超音波出力:50W)から発振した超音波を5分間、照射しながら、混合液中の成分を分散溶媒中に分散させ、保護層塗布液103を調製した。
<電子写真感光体の製造>
・電子写真感光体(以下、単に感光体とも記す)の製造例
(感光体1の製造例)
直径30mm、長さ357.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体(円筒状支持体)とした。
次に、以下の材料を用意した。
・酸化スズで被覆されている硫酸バリウム粒子(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)60部
・酸化チタン粒子(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)15部
・レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、DIC(株)製、固形分70質量%)43部
・シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)製)0.015部
・シリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)3.6部
・2−メトキシ−1−プロパノール50部
・メタノール50部
これらを、ボールミルに入れ、20時間分散処理することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を1時間140℃で加熱し、硬化させることによって、膜厚15μmの導電層を形成した。
次に、以下の材料を用意した。
・共重合ナイロン(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)10部
・メトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)30部
これらを、メタノール400部/n−ブタノール200部の混合溶剤に溶解させることによって、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚0.45μmの下引き層を形成した。
次に、以下の材料を用意した。
・CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.2°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)20部
・下記構造式(A)で示されるカリックスアレーン化合物0.2部
Figure 2020118866
・ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)10部
・シクロヘキサノン600部
これらを、直径1mmガラスビーズを用いたサンドミルに入れた。そして、4時間分散処理した後、酢酸エチル700部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を15分間80℃で乾燥させることによって、膜厚0.17μmの電荷発生層を形成した。
次に、以下の材料を用意した。
・下記構造式(B)で示される化合物30部(電荷輸送物質)
・下記構造式(C)で示される化合物60部(電荷輸送物質)
・下記構造式(D)で示される化合物10部(電荷輸送物質)
・ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ビスフェノールZ型のポリカーボネート)100部
・下記構造式(E)で示される2つの構造単位を有するポリカーボネート(粘度平均分子量Mv:20000)0.02部
これらを、o−キシレン271部、安息香酸メチル256部、およびジメトキシメタン(メチラール)272部を混合、溶解し、電荷発生層上に浸漬塗布した。得られた塗膜を120℃で50分乾燥させることによって、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
Figure 2020118866
Figure 2020118866
次に、保護層用塗布液1を上記電荷輸送層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を5分間50℃で乾燥させた。乾燥後、窒素雰囲気下にて、加速電圧60kV、吸収線量8000Gyの条件で1.6秒間電子線を塗膜に照射した。なお、電子線の照射から1分間の加熱処理までの酸素濃度は20ppmであった。その後、窒素雰囲気下にて、25℃から110℃まで10秒かけて昇温させた。次に、大気中において、100℃の乾燥炉で10分加熱処理を行い、膜厚5μmである保護層(表面層)を形成した。得られた感光体を「感光体1」とした。
(感光体2〜感光体33、感光体101〜感光体103の製造例)
用いた保護層用塗布液の種類と保護層の膜厚を表3に示すになるように変更した以外は感光体1の製造例と同様にして感光体を作製した。得られた感光体を「感光体2〜感光体33」、「感光体101〜感光体103」とした。
[評価]
(感光体の評価)
上記で作製した各感光体を、それぞれ評価装置であるキヤノン社製の電子写真装置(複写機)(商品名:imageRUNNER ADVANCE C5560)の改造機のシアンステーションに装着した。続いて、10℃/5%RH環境下で、電子写真感光体の暗部電位(Vd)が−700V、明部電位(Vl)が−200Vになるように帯電装置および画像露光装置の条件を設定し、あらかじめ感光体の初期電位を調整した。
その後、上記条件でA3のハーフトーン画像を3枚出力し、その画像を評価した。評価のランクは以下のように設定した。
A:画像上にポチが存在しない
B:画像上に0.3mm < φ ≦ 0.5mmのポチが2個以内
C:画像上に0.3mm < φ ≦ 0.8mmのポチが3個以内
D:画像に現れるポチが5個以上確認できる
結果を表3に示す。
Figure 2020118866
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段

Claims (5)

  1. 支持体と、表面層とを有する電子写真感光体の製造方法であって、
    該表面層を形成するために表面層用塗布液を塗布する工程を有し、
    該表面層用塗布液が
    表面に無機粒子(α)を有する樹脂粒子(β)を含有し、
    該無機粒子(α)の平均粒径(Lα)が5nm以上50nm以下であり、
    該樹脂粒子(β)の平均粒径(Lβ)が0.1μm以上5.0μm以下である
    ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  2. 前記樹脂粒子(β)の平均粒径(Lβ)が0.1μm以上1.5μm以下である請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 前記樹脂粒子(β)が、PMMA、メラミン−ホルムアルデヒド縮合樹脂粒子およびフッ素樹脂から選ばれる樹脂の粒子である請求項1または2に記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 前記無機粒子(α)がシリカおよびアルミナから選ばれる化合物の粒子であり、シリコーンオイルまたはシランカップリング剤で処理されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  5. 前記無機粒子(α)による前記樹脂粒子(β)の被覆率が40%以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
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