JP2020117768A - モータコアの焼鈍装置及びモータコアの焼鈍方法 - Google Patents

モータコアの焼鈍装置及びモータコアの焼鈍方法 Download PDF

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Abstract

【課題】モータコアを構成する電磁鋼板の打ち抜きの際や、かしめやビス止め、溶接等による固着の際に生じたひずみを短時間でより確実に除去する。【解決手段】焼鈍装置1は、被焼鈍モータコアCの内方に当該被焼鈍モータコアCと同心円状に配置され環状に形成された誘導コイル10と、誘導コイル10に交流電流を印加する交流電源20と、水平面内で誘導コイル10と被焼鈍モータコアCとの相対位置を変化させる移動機構と、被焼鈍モータコアCの温度を測定する温度測定機構16と、を有し、移動機構は、温度測定機構16での測定結果に基づく被焼鈍モータコアCの周方向の温度分布に応じて、上記相対位置を変化させる。【選択図】図3

Description

本発明は、無方向性電磁鋼板を素材とするモータコアの打ち抜きやかしめ、溶接等によるひずみを除去するための焼鈍を行う焼鈍装置及び焼鈍方法に関するものである。
モータコア(motor core)には、モータ回転軸(出力軸、出力シャフト)回りに固定されて回転する回転子コア(rotor;ロータ)と、回転子コアと同軸でモータケースに固定され、モータ使用時には回転子の外周と自身の内周との電磁力の相互作用で回転子に回転力を生じさせる固定子コア(stator;ステータ)とがあるが、両者を総称してモータコアという場合もある。
無方向性電磁鋼板から所定形状に打ち抜かれた素材を多数枚積層し、かしめやビス止め、溶接等により固着して製作されるモータコア(鉄心)は、当該鋼板の打ち抜きの際や、かしめやビス止め、溶接等による固着の際に生じるひずみにより鉄損が悪化することから、通常、このひずみを除去するために、連続式またはバッチ式の焼鈍炉により所定の時間加熱される。焼鈍炉においては、例えば電熱ヒータなどからの輻射熱及び雰囲気ガスによる伝導熱により加熱される(特許文献1の背景技術を参照)。
近年、電熱ヒータなど輻射加熱とは異なる焼鈍方法として、例えば特許文献1〜4などに開示されるような、誘導加熱を用いた方法が知られている。なお、特許文献1〜3に開示の方法では、モータコアの内周部に形成された鉄心溝(スロット)周辺のひずみを除去する場合においても、当該モータコアの外側に設けられた誘導コイルにより加熱している。
また、特許文献4には、モータコアの内周部にスロットが設けられている場合において、モータコアの外側及び内側にそれぞれ設けられた環状の誘導コイルを用いて当該被焼鈍モータコアの内周部及び外周部を加熱する方法が開示されている。
特開昭62−272843号公報 特開2003−342637号公報 特開昭58−104125号公報 特開2017−110243号公報
ところで近年、高い生産性が求められるハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)などの駆動モータや発電機のモータコアの生産においては、焼鈍時間を短縮することが求められている。しかしながら、電熱ヒータなどを用いた輻射加熱では、加熱時間の短縮には限界がある。また、輻射加熱による短時間焼鈍では、モータコアの高さ方向や、打ち抜き時のひずみが特に大きなティース(teeth;歯)部の奥と手前とで、温度分布が一様にならないという問題がある。
また、特許文献1〜3に開示される誘導加熱によるモータコアの焼鈍装置は、焼鈍すべきひずみが主に内周側に形成された固定子コアの焼鈍の場合でも、モータコアの外側に誘導コイルを配設していること等により、加熱に時間を要するため、焼鈍の短時間化には限界があった。
特許文献4に開示される、モータコアの外方及び内方にそれぞれ設けられた環状の誘導コイルを用いてモータコアの内周部及び外周部を加熱する焼鈍方法は、焼鈍すべきひずみが内周側にある場合も外周側にある場合も短時間で除去するためのものである。しかし、特許文献4の方法では、本発明者らの調査によれば、後に具体的に説明する通り、短時間でのひずみの除去の確実性に関し改善の余地があることが判明した。
この点は、焼鈍すべきひずみが主に内周側に形成された固定子コアに対し、当該コアの内側に配設された環状の誘導コイルのみで焼鈍を行う場合や、焼鈍すべきひずみが主に外周側に形成された回転子コアに対し、当該コアの外側に配設された環状の誘導コイルのみで焼鈍を行う場合も、同様である。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、モータコアを構成する電磁鋼板の打ち抜きの際や、かしめやビス止め、溶接等による固着の際に生じたひずみを短時間でより確実に除去することを目的としている。
前記の目的を達成するための本発明は、打ち抜き後の電磁鋼板を積層して形成されるモータコアを1個または複数個積層して焼鈍する装置であって、前記1個または複数個積層したモータコア(以下、複数個の場合も含め単に被焼鈍モータコアという。)の外方及び内方の一方または双方に当該被焼鈍モータコアと同心円状に配置され環状に形成された誘導コイルと、前記誘導コイルに交流電流を印加する交流電源と、前記誘導コイルの軸方向且つ前記電磁鋼板の積層方向に垂直な面内で、前記誘導コイルと前記被焼鈍モータコアとの相対位置を変化させる移動機構と、前記被焼鈍モータコアの温度を測定する温度測定機構と、を有し、前記移動機構は、前記温度測定機構での測定結果に基づく前記被焼鈍モータコアの周方向の温度分布に応じて、前記相対位置を変化させることを特徴としている。
本発明によれば、積層され、かしめやビス止め、溶接等により固着されてモータコア状となった打ち抜き後の電磁鋼板を、その用途に応じて、誘導加熱により加熱し、モータコア用電磁鋼板の打ち抜きの際や、かしめやビス止め、溶接等による固着の際に生じたひずみを、短時間で除去することができる。また、誘導加熱時の被焼鈍モータコアの周方向の温度分布に応じて、電磁鋼板の積層方向に垂直な面内での、誘導コイルと被焼鈍モータコアとの相対位置を変化させるため、より確実に上記ひずみを除去することができる。なお、本発明が対象とするモータコアは、固定子コア(ステータ)、回転子コア(ロータ)のいずれも含むものである。
さらに、例えば印加する交流電流の周波数を調整することで、表皮効果により渦電流の浸透深さを調整したり、誘導コイルにより発生する磁束を制御することで、加熱する部位を調整することができるので、例えばティース部(図5等参照)の奥と手前といった、輻射加熱では温度分布の制御が困難な箇所についても、最適な条件で焼鈍を行うことができる。
前記移動機構は、前記被焼鈍モータコアの高温部が前記誘導コイルから遠ざかるように、及び/または、前記被焼鈍モータコアの低温部が前記誘導コイルに近付くように、前記相対位置を変化させてもよい。
前記被焼鈍モータコアと前記誘導コイルとを、当該誘導コイルの軸方向且つ前記電磁鋼板の積層方向に延在する軸を中心に、相対的に回転させる回転駆動機構をさらに有してもよい。
前記交流電源により印加される交流電流の周波数は、10kHz以上であってもよい。
前記被焼鈍モータコアを内部に収容する焼鈍雰囲気調整用の隔壁と、前記隔壁の外方または内方を覆う断熱材と、をさらに有してもよい。
前記誘導コイルにより加熱された被焼鈍モータコアの加熱部を冷却する冷却装置をさらに有してもよい。
別な観点による本発明は、上記モータコアの焼鈍装置を用いてを用いて前記被焼鈍モータコアの外周面及び/または内周面に導入されているひずみを除去するモータコアの焼鈍方法であって、前記ひずみの導入深さに応じた下記式(1)における浸透深さδとなるように決定された交流電源の周波数fの交流電流により、前記被焼鈍モータコアを誘導加熱し、前記被焼鈍モータコアの外周面及び/または内周面を750〜850℃になるまで昇温させることを特徴としている。
δ=503×(ρ/(μ・f))1/2 …(1)
ここで、
δ:誘導加熱を生じさせる渦電流の浸透深さ
ρ:前記被焼鈍モータコアの体積抵抗率
μ:前記被焼鈍モータコアの透磁率
f:前記交流電源により印加される交流電流の周波数
前記被焼鈍モータコアの内部の温度を500℃以下に抑えながら前記外周面及び/または内周面を750〜850℃になるまで昇温させてもよい。
本発明によれば、モータコアを構成する電磁鋼板の打ち抜きの際や、かしめやビス止め、溶接等による固着の際に生じたひずみを、短時間でより確実に除去することができる。
ひずみを短時間で確実に除去することができない理由を検討するために行った実験の結果を示す図である。 モータコアにおいて誘導加熱による昇温が不十分な領域が存在する原因を説明する図である。 本発明の第1実施形態にかかる焼鈍装置の構成の概略を示す図であり、上記焼鈍装置の一部を縦断面で示している。 誘導コイルに対し被焼鈍モータコアを配置した状態を示す斜視図である。 モータコアを貫通孔方向から見た上面図で、周方向の一部を切り出した部分上面図である。 本発明の第2実施形態にかかる焼鈍装置の構成の概略を示す図であり、上記焼鈍装置の一部を縦断面で示している。 本発明の第3実施形態にかかる焼鈍装置の構成の概略を示す図であり、上記焼鈍装置の一部を縦断面で示している。 第3実施形態にかかる焼鈍装置を用いた焼鈍処理を説明するためのものであって、焼鈍装置の隔壁内の様子を示す図である。 本発明の第1実施形態にかかる焼鈍装置の構成の概略を示す図であり、上記焼鈍装置の一部を縦断面で示している。
まず、本発明を完成するに至った経緯について説明する。
前述のように、本発明者らの調査により、モータコアの外方及び内方の一方または双方にそれぞれ設けられた環状の誘導コイルを用いて被焼鈍モータコアを加熱する焼鈍方法では、短時間でのひずみの除去の確実性に関し改善の余地があることが判明した。具体的には、この焼鈍方法では、ひずみを除去するために十分と考えられる設定温度で設定時間に亘って焼鈍を行った場合に、目的の鉄損値が得られないこと、すなわち、ひずみを除去し切れないことがあった。
この理由としては、モータコアにおいて誘導加熱による昇温が不十分な領域が存在することが推察されるため、本発明者らは以下のような実験を行った。
すなわち、焼鈍すべきひずみが主に内周側に形成された固定子コアの内方に環状の誘導コイルを設け、固定子コアを回転させながら誘導加熱した場合において、固定子コアの内周部の先端面の温度の時間変化を観測する試験を行った。図1にその試験結果を示す。なお、この試験においては、固定子コアの温度の測定位置を当該固定子コアの回転によらず固定とし、誘導コイルに供給される交流電流を、周波数50kHz、1200Aとし、固定子コアの回転速度を30rpmとし、固定子コアは、厚さ10mm、外径210mm、内径134mmとした。また、温度は熱画像に基づいて算出した。
図1(A)及び図1(B)に示すように、誘導コイルによる加熱を開始すると、固定子コアの温度は、経時的に単純増加するのではなく増減を繰り返し、平均値としては徐々に増加し設定温度付近の750℃で略一定になっていた。しかし、固定子コアの平均温度が設定温度付近に到達した直後において、当該固定子コアが一回転する2秒の間に、当該固定子コアの温度は増減し、具体的には、設定温度から±30℃程度増減していた。つまり、本発明者らが推察したとおり、モータコアにおいて設定温度に到達していない領域、すなわち、モータコアにおいて誘導加熱による昇温が不十分な領域が存在していた。
そして、この試験では、図1(B)に示すように、固定子コアの温度の増減の周期が、固定子コアが1回転する時間と略一致していた。
このことから、固定子コアにおいて誘導加熱による昇温が不十分な領域が存在する原因としては、図2(A)に示すように、誘導コイルXの中心軸P1、固定子コアYの中心軸P2とのずれ、より具体的には、誘導コイルXの中心軸P1と略一致する固定子コアYの回転軸P3と、固定子コアYの中心軸P2とのずれが考えられる。なぜならば、誘導コイルXの中心軸P1と略一致する固定子コアYの回転軸P3と、固定子コアYの中心軸P2とがずれている場合、図2(A)に示すように固定子コアYにおいて誘導コイルXに近接し他の領域に比べて過剰に加熱される領域R1は、図2(B)に示すように、固定子コアYが回転しても誘導コイルXに近接したままであり過剰に加熱されるからである。
また、上記試験とは異なり、モータコアが回転子コアである場合や、誘導コイルがモータコアの外方や外方及び内方の双方に設けられている場合も、誘導コイルの中心軸とモータコアの中心軸とがずれていると、モータコアにおいて誘導加熱による昇温が不十分な領域が生じると考えられる。
このような、モータコアにおける、誘導加熱による昇温が不十分な領域も、時間経過と共に、他の領域からの伝熱などにより昇温し設定温度に達すると考えられる。しかし、このような設定温度に達するまでのタイムラグは、短時間の焼鈍に対し大きな影響があり、具体的には、例えば、焼鈍の設定時間が短い場合、熱処理が不十分となりひずみが除去し切れないという結果を招く。
以下に説明する本発明の実施形態は上記の点を踏まえたものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。図3は、本実施形態にかかる焼鈍装置の構成の概略を示す図であり、焼鈍装置の一部を断面で示している。図4は、焼鈍装置の誘導コイルに対し被焼鈍モータコア(焼鈍対象のモータコアを1個または複数個軸方向にならべたモータコアの集合体をいう場合と、被焼鈍モータコアが占める領域であり、装置の説明の便宜上、その領域にあたかも被焼鈍モータコアが存在するものとして扱う場合とがある。)を配置した状態を示す概略斜視図である。図5は一般的なモータコア(固定子コア)の一部を部分上面図で模式的に示す図である。なお、モータコアには、モータ回転軸側の回転子コアとその外側の固定子コアがあり、以下の説明では主に固定子コアの焼鈍を例にして説明するが、本発明は回転子コアの焼鈍にも適用できることから両者を区別する必要はなく、両者を総称するモータコアの用語を用いている。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図3の焼鈍装置1は、無方向性電磁鋼板から所定形状に打ち抜かれた素材を複数枚積層し、かしめやビス止め、溶接等により固着して製作された被焼鈍モータコアCの焼鈍を行い、打ち抜きの際や、かしめやビス止め、溶接等による固着の際に生じたひずみ(以下、「打ち抜き等によるひずみ」という場合がある。)を除去するものである。この焼鈍装置1は、焼鈍用誘導コイルとしての誘導コイル10と、隔壁11と、断熱材12を有している。
隔壁11は、被焼鈍モータコアCを内部に収容する焼鈍雰囲気調整のためのものであり、例えば下面が開口した略円筒形状の蓋部11aと、上面が開口した有底の容器部11bを有しており、例えば水封により隔壁11の内部を気密に維持することができる。蓋部11aには、隔壁11の内部に例えば窒素などの雰囲気ガスを供給するガス供給管13が接続されている。
また、容器部11bには、後述のコイル載置台14と、コア載置台15とが設けられている。
断熱材12は、隔壁11の外方を覆うものであり、配設すればモータコアの焼鈍装置の熱効率を高めることができ好ましい。なお、断熱材12の材質や形態等は特に限定されるものではなく、例えば公知の珪酸カルシウムやアルミナ等の無機系材料等の素材を綿状、布状、板状、発泡体状等の様々な形態に加工したものを用いることができる。また、図3では、断熱材12の設置位置として隔壁11の外方を囲うように配設されている例を示しているが、これに限らず、被焼鈍モータコアC、誘導コイル10及び隔壁11等と干渉しない位置であれば、隔壁11の内方を覆うように配設されていてもよい。
誘導コイル10は、例えば図4に示すように、被焼鈍モータコアCの内方に、当該被焼鈍モータコアCと同心円状に配置された環状の部材である。ところで、ここでの被焼鈍モータコアCは、固定子コアであり円筒状に形成され、図5に示すように、当該被焼鈍モータコアCの内周部に等間隔で形成されたスロット(slot;鉄心溝)Ccを有している。したがって、誘導コイル10は、被焼鈍モータコアCの外周側と内周側のうち、スロットCcが形成された側と対向する内周側に設けられている、と説明することができる。
なお、被焼鈍モータコアCは、上記スロットCcに加えて、スロットCc間に設けられた隔壁であるティース(teeth;歯)部Caと、ティース部Caの外周端を連結するバックヨーク(back
yoke;後ヨーク、後継鉄)部Cbとを有する。また、スロットCcは、モータコアCにおける軸方向(図4のZ方向)の全長にわたって形成されている。
誘導コイル10の説明に戻る。
誘導コイル10は、図3及び図4に示すように、軸方向の厚さが被焼鈍モータコアCと略同じになるように形成されている。
また、誘導コイル10には、交流電流を印加する交流電源20が接続されている。さらに、誘導コイル10は、交流電流を印加することで、被焼鈍モータコアCの軸方向(図4のZ方向)に沿って磁束が発生するように構成されている。
交流電源20は、例えば周波数可変に構成されており、本実施形態では、例えば周波数10kHzの交流電流を印加するように設定されている。なお、電源周波数可変の作用効果については後述する。
上述のように、誘導コイル10及び交流電源20により被焼鈍モータコアCの軸方向(図4のZ方向)に沿って磁束が発生するため、被焼鈍モータコアCに誘導電流が生じ、該誘導電流により被焼鈍モータコアCを加熱することができる。特に、本実施の形態によれば、上述の磁束を打ち消すべく、被焼鈍モータコアCの内周部の外表面の全域に、すなわち、被焼鈍モータコアCのティース部Caの表面(バックヨーク部Cbの内周面を含む)の全域に、誘導電流が流れるため、被焼鈍モータコアCの内周部における、誘導電流の浸透深さ(後述の式(1)参照。)に応じた表層域を、誘導加熱することができる。したがって、モータコアの鉄損の要因となる、被焼鈍モータコアCの内周部の表層に局在しているひずみ、より具体的には、固定子コアのティース部Caの表層およびバックヨーク部Cbの内周面の表層に局在しているひずみを、焼鈍することができる。
続いて、コイル載置台14、コア載置台15について説明する。
コイル載置台14は、載置板14aと脚部14bとを有する。
載置板14aは、誘導コイル10が載置される板状部材である。
脚部14bは、載置板14aを支持する部材である。
コア載置台15は、移動機構としての載置板15aと、回転駆動機構としての回転板15bと、脚部15cとを有する。
載置板15aは、被焼鈍モータコアCが載置される環状且つ板状の部材であり、被焼鈍モータコアCの軸方向(図3のZ方向。被焼鈍モータコアCの電磁鋼板の積層方向に一致。)に垂直な面内(図3のXY平面内。以下、「水平面内」ということがある。)で移動自在に構成されている。この載置板15aは、当該載置板15a自体が移動することにより、当該載置板15aに載置された被焼鈍モータコアCを水平面内で移動させる。
回転板15bは、回転自在に構成された、環状且つ板状の部材であり、その回転の中心軸が、被焼鈍モータコアCの軸方向(図3のZ方向)と同方向に延在するように設けられている。回転板15bは、載置板15aと脚部15cとの間に設けられており、当該回転板15b自体が回転することにより、当該回転板15bに載置板15aを介して載置された被焼鈍モータコアCを回転させる、回転板15bの中心軸は、上述のように被焼鈍モータコアCの軸方向と同方向に延在するように設けられている他、誘導コイル10の中心軸方向と同方向に延在するように設けられている。また、回転板15bは、エンコーダ(図示せず)を内蔵しており、当該エンコーダから、回転板15bの回転角度すなわち回転板15bの向きを示すエンコーダ信号が後述の制御部30に出力される。
脚部15cは、回転板15bを介して載置板15aを支持する部材である。
さらに、焼鈍装置1は、図3に示すように、温度測定機構16及び制御部30を有する。
温度測定機構16は、誘導加熱されている被焼鈍モータコアCの温度を測定する。具体的には、温度測定機構16は、被焼鈍モータコアCの内周部の先端面の温度を測定し、より具体的には、ティース部Caの先端面に相当する位置の温度を測定する。なお、温度測定機構16は固定されており、当該温度測定機構16による被焼鈍モータコアCの温度測定位置は、当該被焼鈍モータコアCの回転角度によらず一定である。
この温度測定機構16は、例えば放射温度計から構成され、被焼鈍モータコアCの被測定対象部分からの可視光または赤外光を受光する受光ヘッド16aと、受光ヘッド16aで受光した可視光または赤外光の強度から被測定対象部分の温度を算出する本体部16bと、受光ヘッド16aで受光された光を本体部16bに導光する光ファイバケーブル16cとを有する。例えば、本体部16bは、隔壁11の外側に設けられる。また、隔壁11の外側に設けられた本体部16bと、隔壁11内に配設された受光ヘッド16aとを接続するため、光ファイバケーブル16cは、例えば隔壁11の蓋部11aを貫通するように設けられる。光ファイバケーブル16cは、断熱材12を貫通するように設けられることもある。
なお、少なくとも、受光ヘッド16aと光ファイバケーブル16cの最外周部を構成する被覆部とは、耐熱性の高い材料であり誘導コイル10からの誘導加熱の影響を受けない非金属材料、で形成される。
制御部30は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、焼鈍装置1における処理を制御するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、交流電源20や載置板15a、回転板15bなどの動作を制御して、焼鈍装置1における熱処理を実現させるためのプログラムも格納されている。なお、上記プログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、当該記憶媒体から制御部30にインストールされたものであってもよい。
この制御部30は、回転板15bのエンコーダからの出力と、温度測定機構16による被焼鈍モータコアCの温度測定結果に基づいて、被焼鈍モータコアCの周方向の温度分布、より具体的には、被焼鈍モータコアCの内周部の周方向の温度分布を取得する。そして、制御部30は、この取得した被焼鈍モータコアCの内周部の周方向の温度分布に基づいて、載置板15aを制御し、載置板15aにより、被焼鈍モータコアCを水平面内で移動させる。具体的には、制御部30は、被焼鈍モータコアCの周方向の温度分布に基づいて、被焼鈍モータコアの高温部を特定し、当該高温部が誘導コイル10から遠ざかるように、載置板15aを制御する。より具体的には、制御部30は、被焼鈍モータコアCの周方向の温度分布に基づいて、被焼鈍モータコアCの内周部で最も温度が高い領域を特定し、特定された領域が誘導コイル10から遠ざかるように、載置板15aを制御する。
なお、これに代えて、制御部30は、被焼鈍モータコアCの周方向の温度分布に基づいて、被焼鈍モータコアCの低温部や内周部で最も温度が低い領域を特定し、該特定された低温部や領域が誘導コイル10に近付くように、載置板15aを制御するようにしてもよい。
次に、焼鈍装置1を用いた焼鈍方法について説明する。
まず、被焼鈍モータコアCをコア載置台15の載置板15a上に載置する。この際、コア載置台15の回転板15bの中心軸(すなわち被焼鈍モータコアCの回転軸)と被焼鈍モータコアCの中心軸とは必ずしも一致しない。一致するよう位置合わせして載置することは被焼鈍モータコアCの焼鈍の短時間化を妨げることもある。なお、被焼鈍モータコアCをコア載置台15に載置する際、コイル載置台14の載置板14a上には、誘導コイル10が、その中心軸がコア載置台15の回転板の中心軸(すなわち被焼鈍モータコアCの回転軸)と略一致するように載置されている。誘導コイル10は、焼鈍対象の被焼鈍モータコアCを交換する度に交換する必要がなく、多数の焼鈍対象の被焼鈍モータコアCで共通して用いられる。したがって、誘導コイル10の中心軸とコア載置台15の回転板15bの中心軸とを略一致させるための位置合わせは、被焼鈍モータコアCの位置合わせに比べて、被焼鈍モータコアCの焼鈍の短時間化を妨げるものではない。
被焼鈍モータコアCの載置後、交流電源20から誘導コイル10への電力の供給を開始し、被焼鈍モータコアCの加熱を開始する。
この加熱の際に交流電源20が誘導コイル10に供給する交流電流の大きさ及び供給時間は、被焼鈍モータコアCの焼鈍すべきひずみが生じている部分(以下、ひずみ導入部)すなわち内周部の表層の最高到達温度が750〜850℃となり、より具体的には、上記内周部の表層の最高到達温度が750〜850℃で被焼鈍モータコアCの内部の最高到達温度が500℃以下となるものが選択される。
なお、前述のように、交流電源20の周波数が可変であるため、該周波数を調整することで、表皮効果により、被焼鈍モータコアCの誘導加熱を生じさせる渦電流すなわち誘導電流の浸透深さを調整できる。したがって、例えば被焼鈍モータコアCのひずみの態様に応じて交流電源20の周波数を調整して、最適な領域を誘導加熱することができる。そこで、本実施形態にかかる焼鈍方法において、交流電源20の周波数fは、下記式(1)により与えられる渦電流の浸透深さδが、焼鈍により除去すべきひずみの導入深さと同等となるように選択される。
δ=503×(ρ/(μ・f))1/2 …(1)
ここで、
δ:誘導加熱を生じさせる渦電流の浸透深さ
ρ:被焼鈍モータコアCの体積抵抗率
μ:被焼鈍モータコアCの透磁率
f:交流電源20により印加される交流電流の周波数、である。
また、この加熱の際、所定のタイミングで、制御部30が、温度測定機構16による被焼鈍モータコアCの内周部の温度測定結果に基づいて、被焼鈍モータコアCの内周部の周方向の温度分布を取得する。上記「所定のタイミング」とは、例えば、加熱開始後に被焼鈍モータコアCの被測温対象部が初めて設定温度に到達してから所定時間経過した時である。制御部30は、例えば、上記所定時間経過した時から、被焼鈍モータコアCが少なくとも1回転するまでの間、温度測定機構16から温度情報を取得すると共に、被焼鈍モータコアCを回転させている回転板15bのエンコーダから当該回転板15bの回転角度を示すエンコーダ信号を取得する。そして、制御部30は、これらに基づいて、被焼鈍モータコアCの内周部の周方向の温度分布を取得する。
制御部30は、この取得した被焼鈍モータコアCの内周部の周方向の温度分布に基づいて、被焼鈍モータコアCの内周部で最も温度が高い領域を特定する。特定された領域が誘導コイル10の中心軸から所定距離分遠ざかるように、制御部30は載置板15aを制御して被焼鈍モータコアCを水平面内で移動させる。
なお、このように被焼鈍モータコアCを移動させた後でも、被焼鈍モータコアCの中心軸と誘導コイル10の中心軸が一致しないことがあるため、以後、例えば、所定時間経過毎に、上述と同様な、被焼鈍モータコアCの内周部の周方向の温度分布の取得と、周方向の温度分布に基づく被焼鈍モータコアCの水平面内での移動とが、繰り返される。
そして、本焼鈍方法では、例えば、加熱の開始から設定時間経過後、交流電源20からの電力供給を停止する。
その後、被焼鈍モータコアCが所定温度まで冷却されたところで、被焼鈍モータコアCの焼鈍が完了する。
本実施形態では、被焼鈍モータコアCのスロット形成部分すなわち内周部のみを焼鈍すればよい場合において、上述のように被焼鈍モータコアCの内方に配置される誘導コイル10により焼鈍する。そのため、特許文献1〜3のように被焼鈍モータコアの外側に設けられた誘導コイルにより当該被焼鈍モータコアの内周部のひずみを焼鈍する場合に比べて、少ない電力で且つ短時間で焼鈍を行うことができる。なぜならば、特許文献1〜3の誘導加熱装置では、誘導コイルを被焼鈍モータコアの外側に設けているため、内周部のひずみ導入部を加熱するには誘導電流の浸透深さを大きくする必要があり、その結果、バックヨーク部等のひずみ導入部以外も加熱されるのに対して、本実施形態では、被焼鈍モータコアの内側に誘導コイル10を設置し、誘導電流の浸透深さを非常に小さくすることで、スロット形成部分のひずみ導入部のみを狙って加熱できるからである。
それに加えて、本実施形態では、上述のように、被焼鈍モータコアCの内周部の表層の温度分布に基づいて、誘導コイル10に対して被焼鈍モータコアCを移動させる。したがって、被焼鈍モータコアCにおいて誘導加熱による昇温が不十分な領域が生じるのを防ぐことができ、その結果、加熱時間が短くても、打ち抜き等によるひずみをより確実に除去することができる。
また、打ち抜き等によるひずみをより確実に除去する方法として、焼鈍に関する設定温度を大きくしたり設定時間を長くしたりする方法が考えられるが、この方法に比べて、エネルギーの消費量を減らすことができる。
なお、無方向性電磁鋼板の種類によっては、温度が高過ぎる環境に長時間曝された場合に、無方向性電磁鋼板内の結晶に問題が生ずることがある。それに対し、本実施形態では、焼鈍に関する設定温度より例えば30℃以上高い領域が生じたとしても、測温結果に基づいて被焼鈍モータコアCを移動させることで当該領域の温度を下げることができるため、上述のような問題を回避することができる。
さらに、本実施形態では、被焼鈍モータコアCにおけるひずみ導入部である内周部の表層の最高到達温度が750〜850℃で、被焼鈍モータコアCの内部の最高到達温度が500℃以下となるように誘導加熱を行う。つまり、本実施形態では、被焼鈍モータコアCにおけるひずみ導入部を局所的に誘導加熱している。したがって、少ない投入熱量で上記ひずみ導入部を焼鈍することができる。言い換えれば、所望の領域のみを効率的に加熱し、焼鈍のための誘導加熱にかかる消費電力を低減することができる。
さらにまた、本実施形態では、上記式(1)における誘導コイル10による誘導電流の浸透深さδが、焼鈍により除去すべきひずみの導入深さ相当であるため、ひずみ導入部分を高効率で局所的に加熱することができる。
また、本実施形態では、誘導コイル10の中心軸方向と同方向に延在する回転板15bの中心軸を中心に被焼鈍モータコアCを回転させているため、以下の効果がある。すなわち、被焼鈍モータコアCを回転させない場合、誘導コイル10の巻き方によっては、誘導コイル10が発生させる磁束が、誘導コイル10の周方向すなわち被焼鈍モータコアCの周方向で不均一となることがある。このとき、上記磁束により被焼鈍モータコアC内に生じる誘導電流が当該被焼鈍モータコアCの周方向で不均一となり、その結果、上記誘導電流により加熱された被焼鈍モータコアCには周方向に温度差が生じることがある。それに対し、回転板15bの中心軸を中心に被焼鈍モータコアCを回転させているため、誘導コイル10の巻き方に起因した被焼鈍モータコアCの周方向の温度差の発生を防ぐことができる。
なお、被焼鈍モータコアCの回転速度は、誘導コイル10による加熱時間の間に少なくとも1回転するような速度であり、好ましくは上記加熱時間の間に10回転するような速度である。
また、被焼鈍モータコアCを上述のように回転させることに代えて、誘導コイル10を同様に回転させることによっても、誘導コイル10の巻き方に起因した被焼鈍モータコアCの周方向の温度差の発生を防ぐことができる。なぜならば、上記温度差の発生の防止には、被焼鈍モータコアCと誘導コイル10とを、当該誘導コイル10の軸方向且つ当該被焼鈍モータコアCの軸方向に延在する軸を中心に、相対的に回転させることが肝要であるからである。
なお、被焼鈍モータコアCではなく誘導コイル10を回転させる場合は、後述の第2実施形態のように、被焼鈍モータコアCの周方向に沿って、温度測定機構16を複数設けておくことで、被焼鈍モータコアCの周方向の温度分布を取得することができる。
(第2実施形態)
図6は、本実施形態にかかる焼鈍装置の構成の概略を示す図であり、焼鈍装置の一部を断面で示している。第1実施形態では、被焼鈍モータコアCと誘導コイル10とを、当該誘導コイル10の軸方向且つ当該被焼鈍モータコアCの軸方向に延在する軸を中心に、相対的に回転させていた。
それに対し、本実施形態にかかる焼鈍装置1は、被焼鈍モータコアCと誘導コイル10とを相対的に回転させるための機構を設けておらず、代わりに、図6に示すように、被焼鈍モータコアCの周方向に沿って、温度測定機構16が複数設けられている。図では、温度測定機構16が2つ示されているが、3以上設けられていることが好ましく、8つ以上であることがより好ましい。
本実施形態において、制御部30は、複数の温度測定機構16での測温結果及び記憶部(図示せず)に記憶された各温度測定機構16の位置情報に基づいて、被焼鈍モータコアCの周方向の温度分布、より具体的には、被焼鈍モータコアCの内周部の周方向の温度分布を取得する。そして、制御部30は、第1実施形態と同様に、この取得した被焼鈍モータコアCの内周部の周方向の温度分布に基づいて、載置板15aを制御し、載置板15aにより、被焼鈍モータコアCを水平面内で移動させる。具体的には、制御部30は、被焼鈍モータコアCの周方向の温度分布に基づいて、被焼鈍モータコアの高温部を特定し、当該高温部が誘導コイル10から遠ざかるように、載置板15aを制御する。
(第3実施形態)
図7は、第3実施形態にかかる焼鈍装置の構成の概略を示す図であり、焼鈍装置の一部を断面で示している。
本実施形態にかかる焼鈍装置1は、図3に例示した第1実施形態にかかる焼鈍装置の構成に加えて、冷却装置40を有する
冷却装置40は、誘導コイル10により加熱された被焼鈍モータコアCの内周面すなわちスロット形成面に冷却媒体を噴き付け、当該被焼鈍モータコアCを冷却するものであり、隔壁11内に設けられている。本例では、冷却装置40は、被焼鈍モータコアCの軸方向に沿って誘導コイル10と並べられており、具体的には誘導コイル10より鉛直方向下方に位置する。
冷却装置40の冷却媒体は、被焼鈍モータコアCに錆が生じるのを防ぐため、窒素ガス等の不活性ガスや水素ガス等の還元性ガスが用いられる。
なお、隔壁11内には、当該隔壁11内を低酸素雰囲気とするために、ガス供給管13を介して、前述のように窒素ガス等の雰囲気ガスが供給されている。そのため、冷却装置40から冷却媒体として冷却ガスを噴き付けると隔壁11内の圧力が高くなってしまうおそれがある。これを防ぐため、隔壁11の蓋部11aには排気管(図示せず)が接続されている。
また、本実施形態では、コイル載置台41の脚部41aにおける載置板14aの下方に冷却装置40が設けられている。コア載置台15の被焼鈍モータコアの軸方向(図のZ方向)の長さは固定であるのに対し、コイル載置台41の脚部41aは、例えば伸縮自在に構成されているため、その被焼鈍モータコアCの軸方向の長さは可変である。
次に、本実施形態にかかる焼鈍装置1を用いた焼鈍方法について図8を用いて説明する。本実施形態にかかる焼鈍方法は第1実施形態にかかる焼鈍方法と冷却工程のみが異なるため冷却工程のみ説明する。図8は、冷却工程中の隔壁11内の様子を示す図である。
第1実施形態と同様に行われる加熱の終了後、交流電源20から誘導コイル10への電力供給が停止される。
その後、冷却装置40からの冷却媒体の噴出、具体的には、冷却装置40から外側へ向けた冷却媒体の噴出を開始させる。それと共に、図8に示すように、冷却装置40における被焼鈍モータコアCの軸方向の中央部分に被焼鈍モータコアCが対向するように、コイル載置台14の脚部14bを伸ばして、冷却装置40を上記軸方向に沿って移動させる。これにより、誘導コイル10により誘導加熱された被焼鈍モータコアCの加熱部が冷却装置40により冷却されるようにする。そして、被焼鈍モータコアCが所定温度まで冷却されたところで、冷却装置40からの冷却媒体の噴出が停止され、被焼鈍モータコアCの焼鈍が完了する。
本実施形態では、上述のように、誘導コイル10に加えて冷却装置40が設けられているため、被焼鈍モータコアCの加熱された部分の所定温度までの冷却を含めた、被焼鈍モータコアCの焼鈍に要する時間を、大幅に短縮することができる。また、本実施形態では、上述のように、冷却装置40から被焼鈍モータコアCのスロット形成面に冷却媒体を噴き付けているため、上記スロット形成面を急速に冷却することができる。
また、本実施形態では、冷却装置40が、被焼鈍モータコアCの軸方向すなわち誘導コイル10の移動方向に沿って誘導コイル10と並べられて配置されているため、冷却装置40による冷却を、誘導コイル10による加熱に続けて行うことができる。したがって、誘導コイル10と冷却装置40との間の距離、及び、誘導コイル10と冷却装置40との間での被焼鈍モータコアCの移動距離を小さくできるので、焼鈍装置1のサイズを大型化させずに短時間で焼鈍を完了させることができる。
なお、冷却装置40は、所定の位置、例えば、誘導コイル10による加熱が冷却装置40による冷却により阻害されるのを防ぐことができる所定の位置に設けられるのが好ましい。
以上の例では、冷却媒体の噴出開始タイミングは、交流電源20からの電力供給の停止時であったが、この例に限られず、上記電力供給の停止前から冷却媒体の噴出を開始していてもよい。
(第4実施形態)
図9は、第4実施形態にかかる焼鈍装置の構成の概略を示す図であり、焼鈍装置の一部を断面で示している。
本実施形態にかかる焼鈍装置1は、図7に例示した第3実施形態にかかる焼鈍装置と、誘導コイル50が異なる。
第3実施形態において、誘導コイル10は、図7に示したように、軸方向の厚さが被焼鈍モータコアCと略同じであったが、本実施形態において、誘導コイル50は、図9に示すように、軸方向の厚さが被焼鈍モータコアCより小さく形成されており、例えば、その厚さは被焼鈍モータコアCの厚さの1/5である。
次に、本実施形態にかかる焼鈍装置1を用いた焼鈍方法の加熱工程(熱処理工程)について説明する。
本実施形態にかかる焼鈍装置1を用いて被焼鈍モータコアCを加熱する際は、まず、例えば、図9に示すように、被焼鈍モータコアCの下端部と誘導コイル50の下端部との高さが一致している状態で、交流電源20から誘導コイル50への電力供給が開始される。その後、脚部41aが伸長され、誘導コイル50が上方に向かうように、被焼鈍モータコアCの軸方向(図9のZ方向)に沿って誘導コイル50が移動される。これにより、被焼鈍モータコアCの全体が加熱されるようにする。そして、被焼鈍モータコアCの上端部と誘導コイル10の上端部とが一致するまで、脚部41aが伸長されたところで、交流電源20からの電力供給が停止され、被焼鈍モータコアCの加熱が完了する。
なお、説明は省略するが、本実施形態においても、被焼鈍モータコアCの周方向の温度分布に基づく、水平面内での誘導コイルと被焼鈍モータコアとの調芯は行われる。
本実施形態にかかる焼鈍装置1では、誘導コイル50の軸方向の厚さが被焼鈍モータコアCより小さい。したがって、誘導コイル50に電力を供給する交流電源20の電源容量を小さくすることができる。例えば、誘導コイルの軸方向の厚さが被焼鈍モータコアと等しい場合と比べて、誘導コイルの軸方向の厚さが被焼鈍モータコアの1/5である場合は、交流電源20の電源容量も約1/5となる。
(第3及び第4実施形態にかかる変形例)
被焼鈍モータコアCの軸方向に関する冷却装置40及び誘導コイル50と被焼鈍モータコアCとの相対位置を変化させるため、冷却装置40及び誘導コイル50を上記軸方向に沿って移動させていたが、上記相対位置を変化させるために、被焼鈍モータコアCを上記軸方向に沿って移動させるようにしてもよい。なお、被焼鈍モータコアCを上記軸方向に沿って移動させる方法としては、例えば、被焼鈍モータコアCが載置されるコア載置台15の脚部15cの上記軸方向の長さを可変とし、コア載置台15に被焼鈍モータコアCが載置された状態で脚部15cを伸縮させる方法がある。
(第1〜第4実施形態における変形例1)
以上の第1〜第4実施形態の焼鈍装置では、被焼鈍モータコアCの内方に当該被焼鈍モータコアCと同心円状に配置される環状の部材である誘導コイル10、50を有していた。そして、これらの実施形態では、焼鈍対象である被焼鈍モータコアCは、固定子コアであり、その内周部にスロットやティースが形成されていた。
焼鈍対象である被焼鈍モータコアが、回転子コアであり、その外周部にスロットやティースが形成されている場合は、被焼鈍モータコアCの外方に当該被焼鈍モータコアCと同心円状に配置される環状の部材である別の誘導コイルが用いられる。なお、上記別の誘導コイルは、被焼鈍モータコアCの外周側と内周側のうち、スロットが形成された側と対向する側である外周側に設けられている、と説明することができる。
この例では、回転子コアである被焼鈍モータコアCのスロット形成部分すなわち外周部のみを焼鈍すればよい場合において、被焼鈍モータコアCの外方に配置される上記別の誘導コイルにより焼鈍する。そのため、この場合においても、少ない電力で且つ短時間で焼鈍を行うことができる。
(第1〜第4実施形態における変形例2)
以上の例では、被焼鈍モータコアCと同心円状に配置される環状の部材である誘導コイルは、被焼鈍モータコアCの内方及び外方のいずれか一方に設けられていたが双方に設けてもよい。
(第1〜第4実施形態における変形例3)
以上の例では、温度測定機構16は、被焼鈍モータコアCの内周部の温度を測定していたが、被焼鈍モータコアCにおける他の部分の温度を測定するようにしてもよい。
また、以上の例では、温度測定機構16は、放射温度計で構成されているものとしたが、焼鈍時の被焼鈍モータコアCの温度を測定するものであれば他であってもよい。例えば、温度測定機構16は、熱画像カメラであってもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、モータコアを構成する電磁鋼板の打ち抜きの際に生じたひずみや、打ち抜かれた複数の電磁鋼板を積層した状態でかしめやビス止め、溶接等により固着してモータコアを形成する際に生じたひずみを除去するために、モータコアを焼鈍する際に有用である。
1 焼鈍装置
10、50 誘導コイル
11 隔壁
11a 蓋部
11b 容器部
12 断熱材
13 ガス供給管
14、41 コイル載置台
14a 載置板
14b、41a 脚部
15 コア載置台
15a 載置板
15b 回転板
15c 脚部
16 温度測定機構
16a 受光ヘッド
16b 本体部
16c 光ファイバケーブル
20 交流電源
30 制御部
40 冷却装置
C モータコア(被焼鈍モータコア)
Ca ティース部
Cb バックヨーク部
Cc スロット

Claims (8)

  1. 打ち抜き後の電磁鋼板を積層して形成されるモータコアを1個または複数個積層して焼鈍する装置であって、
    前記1個または複数個積層したモータコア(以下、複数個の場合も含め単に被焼鈍モータコアという。)の外方及び内方の一方または双方に当該被焼鈍モータコアと同心円状に配置され環状に形成された誘導コイルと、
    前記誘導コイルに交流電流を印加する交流電源と、
    前記誘導コイルの軸方向且つ前記電磁鋼板の積層方向に垂直な面内で、前記誘導コイルと前記被焼鈍モータコアとの相対位置を変化させる移動機構と、
    前記被焼鈍モータコアの温度を測定する温度測定機構と、を有し、
    前記移動機構は、前記温度測定機構での測定結果に基づく前記被焼鈍モータコアの周方向の温度分布に応じて、前記相対位置を変化させることを特徴とする、モータコアの焼鈍装置。
  2. 前記移動機構は、前記被焼鈍モータコアの高温部が前記誘導コイルから遠ざかるように、及び/または、前記被焼鈍モータコアの低温部が前記誘導コイルに近付くように、前記相対位置を変化させることを特徴とする、請求項1に記載のモータコアの焼鈍装置。
  3. 前記被焼鈍モータコアと前記誘導コイルとを、当該誘導コイルの軸方向且つ前記電磁鋼板の積層方向に延在する軸を中心に、相対的に回転させる回転駆動機構を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のモータコアの焼鈍装置。
  4. 前記交流電源により印加される交流電流の周波数は、10kHz以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のモータコアの焼鈍装置。
  5. 前記被焼鈍モータコアを内部に収容する焼鈍雰囲気調整用の隔壁と、
    前記隔壁の外方または内方を覆う断熱材と、をさらに有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータコアの焼鈍装置。
  6. 前記誘導コイルにより加熱された被焼鈍モータコアの加熱部を冷却する冷却装置を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のモータコアの焼鈍装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のモータコアの焼鈍装置を用いて前記被焼鈍モータコアの外周面及び/または内周面に導入されているひずみを除去するモータコアの焼鈍方法であって、
    前記ひずみの導入深さに応じた下記式(1)における浸透深さδとなるように決定された交流電源の周波数fの交流電流により、前記被焼鈍モータコアを誘導加熱し、
    前記被焼鈍モータコアの外周面及び/または内周面を750〜850℃になるまで昇温させることを特徴とする、モータコアの焼鈍方法。
    δ=503×(ρ/(μ・f))1/2 …(1)
    ここで、
    δ:誘導加熱を生じさせる渦電流の浸透深さ
    ρ:前記被焼鈍モータコアの体積抵抗率
    μ:前記被焼鈍モータコアの透磁率
    f:前記交流電源により印加される交流電流の周波数
  8. 前記被焼鈍モータコアの内部の温度を500℃以下に抑えながら前記外周面及び/または内周面を750〜850℃になるまで昇温させることを特徴とする、請求項7に記載のモータコアの焼鈍方法。
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