JP2020116637A - 接合用ペースト、この接合用ペーストを用いたバンプの形成方法及び接合体の製造方法 - Google Patents

接合用ペースト、この接合用ペーストを用いたバンプの形成方法及び接合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リフロー後又は加熱後のフラックスの残渣が少なく、再溶融しにくく、かつ室温での長期保管性とバンプの形状保持性に優れ、接合強度の高い接合用ペースト、この接合用ペーストを用いたバンプの形成方法及び接合体の製造方法を提供する。【解決手段】接合用粉末とフラックスとを含む接合用ペーストである。接合用粉末は接合用粉末の全体量100質量%に対して錫の含有割合が20質量%〜80質量で銅及び/又はニッケルの含有割合が20質量%〜80質量%である液相焼結用粉末であって、接合用ペーストは酸価値が45mgKOH/g以下であり、熱重量測定において300℃での減少率がフラックスを100質量%としたときに80質量%以上であり、室温における粘度が20Pa・s〜300Pa・sであり、かつ室温におけるタッキング力が800mN以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品等の実装に好適に用いられる接合用ペースト、この接合用ペーストを用いたバンプの形成方法及び接合体の製造方法に関する。更に詳しくは、リフロー後又は加熱後のフラックスの残渣が少なく、再溶融しにくく、かつ室温での長期保管性とバンプの形状保持性に優れ、接合強度の高い接合用ペースト、この接合用ペーストを用いたバンプの形成方法及び接合体の製造方法に関するものである。
接合用ペーストは、携帯電話やパソコン等の情報電子機器や車載等の製造に際し、電子部品の実装、その他部品の接合等に広く使用されている。接合用ペーストに求められる特性は、製造する機器の用途、使用環境等に応じて様々である。例えば、携帯電話等の情報電子機器では携帯性を重視させた薄型化、軽量化が要求されることから、実装部品の小型化とともに、実装に用いられる接合用ペーストについても、接合部品のファインピッチ(狭ピッチ)化や高密度実装に適した特性等が求められる。一方、車載用途等では、実装部品が比較的高温下に晒されることから、実装後のハンダが高温雰囲気で再溶融し、接合強度が低下するのを防止する必要がある。そのため、使用される接合用ペーストには、リフロー(溶融)後のハンダに対して高い耐熱性等を付与する特性が求められる。
このような電子部品の実装等に用いられる接合用ペーストは、接合用粉末とフラックスを混合することによってペースト状に調製される。フラックスには、一般に樹脂成分や溶剤成分の他、活性剤やその他の成分が含まれ、樹脂成分には、電気絶縁性や耐湿性、溶融時のハンダ付性能等に優れたロジンが一般的に広く使用されている。
接合用ペーストを用いた実装では、通常、リフロー後の接合表面に付着する活性成分等を除去するために洗浄を行うが、ロジンを主成分として含むフラックスを用いて調製された接合用ペーストの場合、この洗浄を水だけで行うことはできず、有機溶剤による洗浄が必要となる。しかし、有機溶剤を用いて洗浄を行うと、有機溶剤が大気中に揮発することで火災を引き起こしたり、大気や排水を汚染する原因となることから、実装中の安全衛生面や環境面等で問題があった。
この問題を解決するために、本出願人は、錫を含む母体粉末の表面がギ酸錫層で被覆された錫系接合用粉末とフラックスを含み、このフラックス中、ロジンを0〜2質量%の割合で含む接合用ペーストを提案した(特許文献1参照。請求項1、請求項3、請求項4、段落[0013]、段落[0015]、段落[0055])。この接合用粉末は、母体粉末を被覆している最外殻のギ酸錫層がリフロー時に200℃以上で加熱されると錫にまで還元され、最外殻で覆われていた錫に融合するため、リフロー後に接合用ペースト中のフラックスに起因して残存する酸化物の除去が不要となるか、又はその除去を軽減でき、接合用ペースト中のフラックスに含まれるロジンの使用比率を低減できる。
この接合用粉末が、母体粉末が銅からなるコア(中心核)とこのコアを被覆する錫からなるシェル(被覆層)で構成され、コアとシェルの間に、コアの少なくとも一部を被覆するように銅と錫との金属間化合物からなる中間層が介在する粉末である場合、最外殻のギ酸錫層がリフロー時に母体粉末の錫に融合し、リフロー時の溶融性等に優れる。またリフロー後は、コアの銅の存在により、また既に存在する金属間化合物により、融点の高い金属間化合物を形成する。このため、この接合用粉末は、特に高温雰囲気に晒される電子部品等の実装に用いられる接合用粉末として好適に用いることができる。また、粉末を構成する一つの金属粒子内において、銅と錫が含まれるため、リフロー時の溶融ムラや組成ズレによる接合強度の低下を防止できる。
この接合用ペーストは、ロジンを含まないか、又は2質量%以下含む。それ以外の成分が、溶剤としてのαテルピネオールと、活性剤としてのシクロヘキシルアミン臭化水素酸塩と、チキソ剤としての硬化ひまし油とを混合して調製されたフラックスを含む。フラックスは12質量%、接合用粉末は82質量%含む。
一方、はんだの濡れ性が確保でき、はんだボールの保持性を確保でき、かつ、はんだ付け後の残渣量を抑制して無洗浄で使用する用途に適用できるような低残渣を実現可能なフラックス及びソルダペーストが開示されている(特許文献2参照。要約)。このフラックスは、炭素数が10以上の有機酸からなる有機酸混合物を1wt%以上15wt%以下、イソボルニルシクロヘキサノールを50wt%以上90wt%以下、他の溶剤を5wt%以上45wt%以下含み、イソボルニルシクロヘキサノールと他の溶剤の合計を100wt%としたとき、イソボルニルシクロヘキサノールの比率が50wt%以上95wt%以下であり、炭素数が10以上の有機酸からなる有機酸混合物は、2−メチルノナン二酸と、4−(メトキシカルボニル)−2,4−ジメチルウンデカン二酸と、4,6−ビス(メトキシカルボニル)−2,4,6−トリメチルトリデカン二酸と、8,9−ビス(メトキシカルボニル)−8,9−ジメチルヘキサデカン二酸からなる。
特開2018−122309号公報 特許第6399242号公報
特許文献1に示される接合用ペーストは、溶剤としてαテルピネオールと、活性剤としてシクロヘキシルアミン臭化水素酸塩と、チキソ剤として硬化ひまし油とを混合して調製されたフラックスを含むため、基板上又は接合物上にペーストを塗布するときに、ペーストのレオロジーに劣る未だ解決すべき課題があった。
特許文献2に示されるソルダペーストのフラックスは、はんだ付け後の残渣量を抑制して無洗浄で使用する用途に適用できる利点はあるものの、イソボルニルシクロヘキサノール以外に、炭素数が10以上の有機酸からなる有機酸混合物を1wt%以上15wt%以下含むため、酸価値が比較的高い。このため、ペーストにしたときのはんだとフラックスが反応し易く、ペーストの室温での長期保管性が劣る課題があった。
本発明の目的は、リフロー後又は加熱後のフラックスの残渣が少なく、再溶融しにくく、かつ室温での長期保管性とバンプの形状保持性に優れ、接合強度の高い接合用ペースト、この接合用ペーストを用いたバンプの形成方法及び接合体の製造方法を提供することにある。また本発明の別の目的は、基板上又は接合物上にペーストを塗布するときのペーストレオロジーが改善された接合用ペースト、この接合用ペーストを用いたバンプの形成方法及び接合体の製造方法を提供することにある。
本発明の第1の観点は、接合用粉末とフラックスとを含む接合用ペーストにおいて、前記接合用粉末は前記接合用粉末の全体量100質量%に対して錫の含有割合が20質量%〜80質量で銅及び/又はニッケルの含有割合が20質量%〜80質量%であり、前記接合用ペーストは酸価値が45mgKOH/g以下であり、熱重量測定において300℃での減少率が前記フラックスを100質量%としたときに80質量%以上であり、室温における粘度が20Pa・s〜300Pa・sであり、かつ室温におけるタッキング力が800mN以上であることを特徴とする。なお、タッキング力とは、はんだ用フラックスを基板等に塗布した際の基板等に対する粘着強度を意味する。
本発明の第2の観点は、第1の観点に係る発明であって、前記接合用粉末は、錫を含む融点が250℃以下の低融点金属粉末と銅及び/又はニッケルを含む融点が250℃を超える高融点金属粉末との混合粉末である接合用ペーストである。
本発明の第3の観点は、第1の観点に係る発明であって、前記接合用粉末は、母体粉末の表面がギ酸錫層で被覆され、前記母体粉末が、銅及び/又はニッケルを含む融点が250℃を超える高融点金属からなるコアと、前記コアを被覆する錫を含む融点が250℃以下の低融点金属からなるシェルと、により構成され、前記コアと前記シェルの間に、前記コアの少なくとも一部を被覆するように銅及び/又はニッケルと錫を含む金属間化合物からなる中間層が介在するコアシェル構造の粉末である。
本発明の第4の観点は、第1から第3の観点のいずれかの観点に係る発明であって、前記フラックスの含有割合が前記接合用ペーストを100体積%としたときに30体積%〜90体積%である接合用ペーストである。
本発明の第5の観点は、第1から第3の観点のいずれかの観点に係る発明であって、前記接合用ペーストは酸価値が30mgKOH/g以下であることを特徴とする接合用ペーストである。
本発明の第6の観点は、開口部を有するマスクを基板上に配置し、前記開口部内に第1から第4の観点のいずれかに記載の接合用ペーストであって、酸価値が30mgKOH/gを超え45mgKOH/g以下である接合用ペーストを前記開口部内に充填するように印刷し、前記マスクを剥離した後前記基板上のバンプ前駆体を不活性ガス雰囲気下でリフロー処理してバンプを形成することを特徴とする接合用ペーストを用いたバンプの形成方法である。
本発明の第7の観点は、第1から第4の観点のいずれかに記載の接合用ペーストであって、酸価値が30mgKOH/gを超え45mgKOH/g以下である接合用ペーストを接合物と被接合物との間に配置し、不活性ガス雰囲気下で加熱することによって前記接合物と前記被接合物とを接合することを特徴とする接合用ペーストを用いた接合体の製造方法である。
本発明の第8の観点は、開口部を有するマスクを基板上に配置し、第1から第5の観点のいずれかに記載の接合用ペーストであって、酸価値が30mgKOH/g以下である接合用ペーストを前記開口部内に充填するように印刷し、前記マスクを剥離した後前記基板上のバンプ前駆体をギ酸ガス雰囲気下でリフロー処理してバンプを形成することを特徴とする接合用ペーストを用いたバンプの形成方法である。
本発明の第9の観点は、第1から第5の観点のいずれかに記載の接合用ペーストであって、酸価値が30mgKOH/g以下である接合用ペーストを接合物と被接合物との間に配置し、ギ酸ガス雰囲気下で加熱することによって前記接合物と前記被接合物とを接合することを特徴とする接合用ペーストを用いた接合体の製造方法である。
本発明の第1の観点の接合用ペーストは、接合用粉末が錫と銅及び/又はニッケルを含む粉末であるため、リフロー又は加熱により、この粉末が液相焼結して、融点の高い錫と銅の金属間化合物又は錫とニッケルの金属間化合物を形成する。例えば、ε相(Cu3Sn)の融点は676℃、η相(Cn6Sn5)の融点は415℃と非常に高いため、凝固開始温度が300℃〜640℃程度まで上昇することで再溶融が起こりにくく、接合強度が高くなる。接合用ペーストの酸価値が45mgKOH/g以下と小さいため、接合用ペーストとしたときに接合用粉末とフラックスとが反応することが抑制され、室温での長期保管性に優れる。また、熱重量測定において300℃での減少率が前記フラックスを100質量%としたときに80質量%以上であるため、リフロー後又は加熱後のフラックスの残渣が少なく、無洗浄で済む。更に室温における粘度が20Pa・s〜300Pa・sであり、かつ室温におけるタッキング力が800mN以上であるため、基板などへの塗布性及び塗布後のペーストの形状保持性に優れ、ペーストレオロジーが改善される。
本発明の第2の観点の接合用ペーストは、錫を含む融点が250℃以下の低融点金属粉末と銅及び/又はニッケルを含む融点が250℃を超える高融点金属粉末との混合粉末であるため、液相焼結により一層接合強度が高くなる利点がある。
本発明の第3の観点の接合用ペーストは、接合用粉末は、高融点金属のコアが低融点金属のシェルで被覆されるコアシェル構造の粉末であるため、液相焼結に好適である。特にこの接合用粉末は母体粉末を被覆している最外殻のギ酸錫層がリフロー時に200℃以上で加熱されると錫にまで還元され、最外殻で覆われていたシェルの錫に融合し、リフロー時の溶融性等に優れる。またこれにより、リフロー時に接合用ペースト中のフラックスに起因して残存する酸化物の除去が不要となるか、又はその除去を軽減でき、接合用ペースト中のフラックスに含まれるロジンの使用比率を低減できる。またリフロー後は、コアの銅及び/又はニッケルの存在により、また既に存在する金属間化合物により、融点の高い金属間化合物を形成し、再溶融がより一層起こりにくく、接合強度がより一層高くなる。
本発明の第4の観点の接合用ペーストは、フラックスの含有割合が前記接合用ペーストを100体積%としたときに30体積%〜90体積%であるため、ペーストの粘着力が適正になり、印刷時の掻き取り性が良く、或いはディスペンサによる塗布時やピン転写時の形状が良好となる。言い換えればペーストレオロジーがより一層適正になる。
本発明の第5の観点の接合用ペーストは、第1から第3の観点の接合用ペーストの特長に加えて、接合用ペーストの酸価値が30mgKOH/g以下と小さいため、接合用ペーストとしたときの接合用粉末とフラックスとが反応することがより一層抑制され、室温での長期保管性に優れる。
本発明の第6の観点のバンプの形成方法又は第7の接合体の製造方法では、前記酸価値が30mgKOH/gを超え45mgKOH/g以下である接合用ペーストを用いるため、リフロー時又は加熱時の雰囲気を汎用される不活性ガス雰囲気下にしても、基板上の酸化被膜を還元して接合用粉末の溶融を円滑にするとともに、リフロー後又は加熱後のフラックスの残渣を少なくすることができる。
本発明の第8の観点のバンプの形成方法又は第9の接合体の製造方法では、前記酸価値が30mKOH/g以下である接合用ペーストを用いるため、リフロー時又は加熱時の雰囲気をギ酸ガス雰囲気下にすることにより、酸価値が低くても、基板上の酸化被膜を還元して接合用粉末の溶融を円滑にするとともに、リフロー後又は加熱後のフラックスの残渣を少なくすることができる。
本実施形態の接合用ペーストに用いられる接合用粉末の一例の断面構造を模式的に表した図である。 本実施形態の母体粉末表面にギ酸錫層を形成する装置の構成図である。
以下、本実施形態の接合用ペースト、この接合用ペーストを用いたバンプの形成方法及び接合体の製造方法について説明する。
本実施形態の接合用ペーストは、接合用粉末とフラックスとを含む。
〔接合用粉末〕
本実施形態の接合用粉末は、接合用粉末の全体量を100質量%としたときに、錫の含有割合が20質量%〜80質量であり、また銅及び/又はニッケルの含有割合が20質量%〜80質量%である。錫の含有割合は、好ましくは25質量%〜75質量%であり、更に好ましくは35質量%〜65質量%である。銅及び/又はニッケルの含有割合は、好ましくは25質量%〜75質量%であり、更に好ましくは35質量%〜65質量%である。錫の含有割合が20質量%未満又は銅及び/又はニッケルの含有割合が80質量%を超えると、接合時において、溶融する錫が不足し、溶融不良を起こし、接合不良が発生する。また、錫の含有割合が80質量%を超えるか又は銅及び/又はニッケルの含有割合が20質量%未満では、銅及び/又はニッケルの含有割合が少なくなり、接合層に錫成分が残留し耐熱性が低下し、例えば、200℃以上の高温雰囲気下において、再溶融し易く、基板等との接合強度が低下する。
この接合用粉末は、錫を含む融点が250℃以下の低融点金属粉末と銅及び/又はニッケルを含む融点が250℃を超える高融点金属粉末との混合粉末であるか、又は母体粉末の表面がギ酸錫層で被覆され、前記母体粉末が銅及び/又はニッケルを含む融点が250℃を超える高融点金属からなるコアと前記コアを被覆する錫を含む融点が250℃以下の低融点金属からなるシェルとにより構成され、前記コアと前記シェルの間に、前記コアの少なくとも一部を被覆するように銅と錫を含む金属間化合物及び/又はニッケルと錫を含む金属間化合物からなる中間層が介在するコアシェル構造の粉末である。前者の混合粉末である接合用粉末では、安価に製造でき、組成制御し易い等の利点がある。一方、後者の接合用粉末では、錫を含むシェルがギ酸錫層で被覆されるため、シェルの錫(Sn)が大気中の酸素と反応してSnOにならない利点がある。ギ酸錫層は、加熱されたときに還元されてSnになることで、フラックスの活性成分を低減でき、また接合用粉末の溶融性を確保するという意味では活性剤と同様の役割を果たす。
上記混合粉末の場合、錫を含む低融点金属粉末の平均粒径が1μm〜25μmであることが好ましく、3μm〜15μmであることが更に好ましい。平均粒径が1μm未満では表面積が大きくなることによる溶融性の変化やペーストの粘度上昇による塗布性の悪化を生じるおそれがある。25μmを超えると、混合粉末が溶融したときに溶融液中で空隙になり、固化したときにボイドになり易い。
また銅及び/又はニッケルを含む高融点金属粉末の平均粒径が1μm〜25μmであることが好ましく、2μm〜15μmであることが更に好ましい。平均粒径が1μm未満では、高融点金属粉末とフラックスとの反応が低融点金属粉末とフラックスとの反応より早期に進行し、ペーストの安定性が低下し易い。25μmを超えると、Cu又はNiがSnと反応するのが遅くなり、Snの粒子の周囲に余ることによる焼結速度の低下や、ペーストの粘度上昇による塗布性の悪化などの不具合が生じるおそれがある。低融点金属粉末としては、Sn粉末、Sn−3質量%Ag−0.5質量%Cu(SAC305)粉末、Snを90質量%含有するAu−Sn共晶合金(Au90Sn)粉末、Sn−0.7質量%Cu、Pb−63質量%Sn等が挙げられる。高融点金属粉末としては、Cu粉末、Cu−25質量%Ni(Cu25Ni)粉末、Ni粉末、Ag粉末、Au粉末等が挙げられる。
コアシェル構造の粉末の場合、平均粒径が1μm〜25μmが好ましく、3μm〜10μmが更に好ましい。平均粒径が1μm未満では、ペーストにしたときに粘度が上がり、塗布性能に悪影響を及ぼす他、ペーストの溶融性、焼結性も悪くなり易い。平均粒径が25μmを超えるとペーストの塗布性に影響し、またコアシェル構造の粉末が溶融したときに溶融液中で空隙になり、固化したときにボイドになり易い。本明細書において、粉末の平均粒径とは、レーザー回折散乱法を用いた粒度分布測定装置(堀場製作所社製、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−950)にて測定した体積累積中位径(Median径、D50)をいう。
〔コアシェル構造の粉末の製造方法〕
接合用粉末のうち、コアシェル構造の粉末の製造方法を、コアが銅であって、シェルが錫である例を挙げて、説明する。
母体粉末におけるコアの銅はアトマイズ法により製造し分級処理した銅粉末を利用する。またこれ以外に、湿式還元法で母体粉末におけるコアの銅を作製してもよい。以下、それぞれの方法について説明する。
コアの銅として銅粉末を用いる場合には、アトマイズ法により得られた銅粉末と分散剤を溶媒に添加混合して銅粉末の分散液を調製し、これに錫を含む化合物を直接添加混合し溶解させることにより、銅粉末が分散した溶解液を使用する。この場合に使用される銅粉末、及び、錫を含む化合物の各割合は、接合用粉末製造後に、各金属元素の含有割合が上記範囲になるように調整する。
湿式還元法で調製してコアの銅を作製する場合には、溶媒に、銅を含む化合物及び錫を含む化合物と、分散剤とをそれぞれ添加して混合することにより、溶解液を調製する。溶解液中における錫を含む化合物、銅を含む化合物の割合は、接合用粉末製造後に、各金属元素の含有割合が上記範囲になるように調整する。
溶解液の調製に用いられる銅化合物としては、塩化銅(II)、硫酸銅(II)又は酢酸銅等が挙げられ、錫化合物としては、塩化錫(II)、硫酸錫(II)、酢酸錫(II)、シュウ酸錫(II)等が挙げられる。このうち、銅を含む化合物、錫を含む化合物は、いずれも塩酸塩の塩化銅(II)、塩化錫(II)を使用するのが特に好ましい。
溶媒としては、水、アルコール、エーテル、ケトン、エステル等が挙げられる。また、分散剤としては、セルロース系、ビニル系、多価アルコール等が挙げられ、その他にゼラチン、カゼイン等を用いることができる。調製した溶解液はpH調整する。pHは、生成した接合用粉末の再溶解等を考慮して、0〜2.0の範囲に調整するのが好ましい。なお、溶媒に上記金属化合物をそれぞれ添加して溶解させた後、錯化剤を加えて、各金属元素を錯体化した後に、分散剤を添加しても良い。錯化剤を加えることでpHがアルカリ側でも金属イオンが沈殿せず、広い範囲での合成が可能となる。錯化剤としては、コハク酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸、フタル酸、リンゴ酸、クエン酸、シュウ酸、エチレンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸又はその塩等が挙げられる。
次に、還元剤を溶解した水溶液を調製し、この水溶液のpHを、上記調製した溶解液と同程度に調整する。還元剤としては、テトラヒドロホウ酸ナトリウム、ジメチルアミンボラン等のホウ素水素化物、ヒドラジン等の窒素化合物、三価のチタンイオンや2価のクロムイオン等の金属イオン等が挙げられる。
次に、上記溶解液に還元剤水溶液を添加して混合することにより、溶解液中の各金属イオンが還元され、液中に金属粉末が分散した分散液が得られる。
この還元反応では、上記銅を含む化合物、錫を含む化合物が溶解する溶解液を用いた場合には、先ず、錫よりも貴な銅が還元され、最後に錫が還元される。これにより、銅からなるコアと、このコアを被覆する錫からなるシェルで構成された金属粉末である母体粉末が形成される。
銅粉末が分散した溶解液を使用した場合には、銅粉末の表面に錫が還元されることで、銅からなるコアと、このコアを被覆する錫からなるシェルで構成された金属粉末である母体粉末が形成される。
溶解液と還元剤水溶液を混合する方法としては、容器内の溶解液に所定の添加速度で還元剤水溶液を滴下し、スターラ等で攪拌する方法や、所定の径を有する反応チューブを用い、この反応チューブ内に両液を所定の流量で注ぎ込み、混合させる方法等が挙げられる。
次いで、この分散液を、デカンテーション等によって固液分離し、回収した固形分を水又はpHを0.5〜2に調整した塩酸、硝酸水溶液、硫酸水溶液、或いはメタノール、エタノール、アセトン等で洗浄する。洗浄後は、再度固液分離して固形分を回収する。洗浄から固液分離までの工程を、好ましくは2〜5回繰り返す。
次に、回収した固形分に、沸点が100℃以上の高沸点溶媒を加えて分散させ、不活性ガス雰囲気下、所定の温度で加熱する。この加熱処理を施すことにより、上記還元反応で形成された銅からなるコア、コアを被覆する錫からなるシェルの一部が反応して、その一部が銅と錫の金属間化合物からなるコアを有するコアシェル構造の母体粉末が形成される。
使用される高沸点溶媒としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ヒマシ油等が挙げられる。
上記加熱処理は、100℃〜130℃の温度で20分間〜1時間行うのが好ましい。処理温度又は保持時間が下限値未満では、コアに金属間化合物が形成されない場合がある。また、処理温度が上限値を越えると、シェルの錫が酸化されて溶融性が低下する不具合が生じる。なお、保持時間を上限値以上としてもその効果は変わらない。このうち115℃〜125℃の温度で30分〜40分間行うのが特に好ましい。
加熱後は、再度上記洗浄から固液分離までの工程を、好ましくは2〜5回繰り返した後、回収した固形分を真空乾燥させることにより、本実施形態の母体粉末を得ることができる。なお、上記高沸点溶媒を用いて加熱処理する代わりに、コアが銅からなり、そのシェルが錫からなる粉末を不活性ガス雰囲気下、250℃で30分間維持することにより、銅からなるコア、コアを被覆する錫からなるシェルの一部が反応して、その一部が銅と錫の金属間化合物からなるコアを有する母体粉末を得ることもできる。
図1に上記方法で製造されたコアシェル構造の接合用粉末10を示す。この実施形態の接合用粉末10では、母体粉末11が銅からなるコア12とこのコアを被覆する錫からなるシェル13で構成され、コアとシェルの間に、コアの少なくとも一部を被覆するように銅と錫との金属間化合物及び/又はニッケルと錫を含む金属間化合物からなる中間層14が介在する。そしてこの母体粉末11の表面がギ酸錫層15で被覆される。このギ酸錫層の厚さは10nm〜30nmであることが好ましい。ギ酸錫層の厚さはこの範囲で厚い方がより好ましい。ギ酸錫層の形成メカニズムは、母体粉末表面に形成されている自然酸化膜が後述するギ酸含有窒素ガスと接触することでギ酸錫層に変化することによる。ギ酸錫層の厚さが10nm未満では上記自然酸化膜が完全にギ酸錫に変化しておらず、ギ酸錫層による効果が発現しない。また30nmを超えてもギ酸錫層による効果は殆ど変わらない。コアの一部を構成する銅と錫との金属間化合物としては、Cu3Sn、Cu6Sn5、Cu10Sn3及びCu41Sn11からなる群より選ばれた1種又は2種以上の化合物が挙げられるが、実際には、銅と錫との組成比により、主にCu3Sn、Cu6Sn5が形成される。またコアの一部を構成するニッケルと錫との金属間化合物としては、Ni3Sn、Ni3Sn2、Ni3Sn4及びNiSn3からなる群より選ばれた1種又は2種以上の化合物が挙げられる。
図2は母体粉末表面にギ酸錫層を形成する装置の一例を示す。図2に示すように、流動床の反応容器30は、両端が閉止されかつ鉛直方向に延びる円筒状の筒本体31と、この筒本体31の側面に接続され母体粉末11を筒本体31に導入する原料導入管32と、筒本体31内の下端近傍に設けられ母体粉末11を受けるとともに筒本体内のガスを鉛直上方向に整流するスライドゲート式の整流板33と、筒本体31の底部から筒本体31に窒素ガス34又はギ酸ガス36と窒素ガス34の混合ガスであるギ酸含有窒素ガスを導入するガス導入管37とを備える。ガス導入管37の途中には窒素ガス中にギ酸ガスを混入するための切換弁37aが設けられる。筒本体31の下方には不活性ガス雰囲気に維持された回収タンク38が設けられる。筒本体31の底部と回収タンク38との間にはこれらを接続する導出管39が設けられる。円筒状の筒本体31の外周は熱媒が通るジャケット構造になっている。筒本体31の頂部には排ガスを排出するための排気管40が接続される。
このように構成された反応容器30により、母体粉末表面にギ酸錫層を形成するには、ガス導入管37の切換弁37aを切換えて流動床の反応容器30の筒本体31内の雰囲気を窒素ガス34で置換し、筒本体31を熱媒により100℃〜180℃、好ましくは160℃〜180℃まで昇温する。この状態で、原料粉末である母体粉末11を原料導入管32により導入し、筒本体内で流動状態にする。切換弁37aを更に切換えてギ酸ガス36を窒素ガス34に混入させ、筒本体31の内部にギ酸含有窒素ガスをガス導入管37より流入させる。流動状態の母体粉末11はギ酸含有窒素ガスと接触し、ギ酸と母体粉末の錫とが反応し、母体粉末表面にはギ酸錫層15が形成される。反応時間は混合ガス中のギ酸ガスの含有割合(体積%)に応じて30分〜60分間の範囲に設定される。ギ酸錫層15が形成された後、切換弁37aを切換えて窒素ガス34のみ筒本体31の内部に導入し、筒本体内を降温した後、ガス整流板33を外して、導出管39を介して、筒本体31の底部より回収タンク38にギ酸錫層が形成された母体粉末、即ちコアシェル構造の接合用粉末10を回収する。
〔フラックス〕
本実施形態のフラックスは、粘稠剤、チクソ剤、活性剤、溶剤を含む。その配合組成は、フラックスの全体量を100質量%としたときに、粘稠剤の含有割合が30質量%〜80質量%で、チクソ剤の含有割合が1質量%〜10質量%で、活性剤の含有割合が0質量%〜20質量%で、残部が溶剤である。好ましい含有割合は、粘稠剤が35質量%〜70質量%で、チクソ剤が2.5質量%〜5.5質量%で、活性剤が0.01質量%〜5質量%で、残部が溶剤である。活性剤は含まなくてもよい。
なお、本実施形態のフラックスには、粘稠剤、チクソ剤、活性剤、溶剤以外に、その他の添加物として、酸化防止剤や界面活性剤を含んでもよい。
粘稠剤の含有割合が30質量%未満では、接合用ペースト(以下、単にペーストということもある。)を構成できないか、若しくは、乾いたペーストとなり、ペーストを基板などに塗布できないおそれがある。また80質量%を超えると、ペーストの粘度又は粘着力が高くなり易く、ペーストの印刷時の掻き取り性が悪化し、或いはディスペンサによる塗布時やピン転写時の形状が悪化するおそれがある。
チクソ剤の含有割合が1質量%未満では、塗布後のペーストの形状保持性が不良となり、10質量%を超えると、固くなりすぎ、塗布性に劣る。活性剤の含有割合が20質量%を超えると、ペーストとしたときに接合用粉末とフラックスとが反応し、粘度変化が大きくなるので、冷蔵保存であっても長期保管性に劣る。
活性剤は、バンプ表面又は接合物上の酸化被膜を還元して溶融を円滑にする。活性剤は含まなくてもよい。活性剤はペーストの酸価値が45mgKOH/g以下、好ましくは30mgKOH/g以下となるようにフラックスに含有させることができる。なお、活性剤の量を増やすか、又は活性力の強い活性剤を用いると、酸価値は上昇する。活性剤の含有割合は、例えば、0質量%〜20質量%、好ましくは0.01質量%〜5質量%である。
(粘稠剤)
本実施形態のフラックスに含まれる粘稠剤としては、分解温度が低く、粘稠性を有するものが好ましい。例えば、粘稠剤としては、イソボルニルシクロヘキサノール、イソボルニルフェノール及びこれらの誘導体の他、数平均分子量が700以上1500以下のポリブデン等が用いられる。なお、ポリブデンの数平均分子量が700以上1500以下としたのは、数平均分子量が700未満であるとペーストの粘度が1Pa・s未満となり粘稠効果が低く、ペーストの印刷性が低下するからであり、数平均分子量が1500を超えると耐熱性が高くなり残渣として残りやすくなるからである。
このように本実施形態では、粘稠剤をロジン類、ダイマー酸、及び数平均分子量が1500を超えるポリブデン等により構成していないことから、熱重量測定において300℃での減少率が粘稠剤を100質量%としたときに90質量%以上となり、バンプに残渣が残ることを抑制しつつ、粘稠性を確保している。
(チクソ剤)
本実施形態のフラックスに含まれるチクソ剤としては、硬化ひまし油、水素添加ひまし油、カルナバワックス、アミド類、ヒドロキシ脂肪酸類(例えば、1,2−ヒドロキシステアリン酸)、ジベンジリデンソルビトール、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール類、蜜蝋、ステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミド、等が単独又はこれらを2種以上混合して用いられる。
(活性剤)
本実施形態のフラックスに含まれる活性剤としては、アミン類、有機酸、ハロゲン化水素酸アミン塩、有機酸アンモニウム塩、有機酸アミン塩、ハロゲン化アンモニウム、有機ハロゲン化合物やロジン類等が、単独又はこれらを2種以上混合して、用いられる。以下、具体的な化合物を例示する。
アミン類としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、3,4−ジヒドロキシベンジルアミン、メチルジエタノールアミン、ジフェニルグアニジン、アミノプロパノール、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンラウレルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、tert−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン、メトキシプロピルアミン、ジメチルヘキシルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、2−ブロモエチルアミン、1,3−ジ−o−トリグアニジン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、エチルヘキシルアミン、エトキシプロピルアミン、エチルヘキシルオキシプロピルアミン、ピリジン、4−ブロモピリジン、ピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、ピペコリン、アニリン、ジメチルアミン、エチルアニリン、2,4,6−トリメチルアニリン、モルホリン、メチルモルホリン、エチルモルホリン、エチルナフチルアミン、3−アミノ−1−プロペン、シクロヘキシルアミン、ジシロヘキシルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、シクロヘキシルジエチレンアミン、シクロヘキシルメチルエチルアミン、シクロヘキシルジ−n−プロピルアミン、シクロヘキシルジイソプロピルアミン、シクロヘキシルジ−n−ブチルアミン、シクロヘキシルジイソブチルアミン、シクロヘキシルジペンチルアミン、シクロヘキシルジヘキシルアミン又はジシクロヘキシルメチルアミン等が例示される。
有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ドデカン二酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベヘン酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、フタル酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、サリチル酸、没食子酸、安息香酸、フタル酸、ケイ(桂)皮酸、メリト酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、アコニット酸、グルタル酸、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ベヘニン酸等が例示される。
ハロゲン化水素酸アミン塩としては、上記アミンの塩化水素酸塩又は臭化水素酸塩が例示され、有機酸アンモニウム塩としては、アンモニアと上記有機酸との塩が例示され、有機酸アミン塩としては、上記アミンと上記有機酸との塩が例示される。
有機ハロゲン化合物としては、ハロゲン化アルキル(1−ブロモ−3−メチル−1−ブテン、1,4−ジブロモブテン、1−ブロモ−1−プロペン、2,3−ジブロモプロペン、1,1−ジブロモテトラクロロエタン、1,2−ジブロモ−1−フェニルエタン、1,2−ジブロモスチレン、1,2,5,6,9,10−ヘキサブロモシクロドデカン、2,2−ビス[4−(2,3−ジブロモプロピル)−3,5−ジブロモフェルニ]プロパン、α,β−ジブロモエチルベンゼン等)、ハロゲン化アルコール(1−ブロモ−2−プロパノール、3−ブロモ−1−プロパノール、3−ブロモ−1,2−プロパンジオール、1,3−ジブロモ−2−プロパノール、1,4−ジブロモ−2,3−ブタンジオール、2,3−ジブロモ−1−プロパノール、1−ブロモ−2−ブタノール、1,4−ジブロモ−2−ブタノール、2,3−ジブロモ−2−プロパノール、1,4−ジブロモ−2−ブタンジオール、2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、9,10,12,13,15,16−へキサブロモステアリルアルコール、9,10,12,13−テトラブロモステアリルアルコール等)、ハロゲン化エステル(ブロモ酢酸エチル、α−ブロモカプリル酸エチル、α−ブロモプロピオン酸エチル、β−ブロモプロピオン酸エチル、α−ブロモ−酢酸エチル、9,10,12,13,15,16−へキサブロモステアリン酸メチルエステル、同エチルエステル、9,10,12,13−テトラブロモステアリン酸、同メチルエステル、同エチルエステル等)、ハロゲン化カルボン酸(2,3−ジブロモコハク酸、2−ブロモコハク酸、2,2−ジブロモアジピン酸、9,10,12,13,15,16−ヘキサブロモステアリン酸、ビス(2,3−ジブロモプロピル)スクシネート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)o−フタレート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)p−フタレート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)p−フタルアミド、トリス(2,3−ジブロモプロピル)トリメリテート、4−ブロモメチルベンジルステアレート、2,4−ビスブロモメチルベンジルステアレート、テトラ(2,3−ジブロモプロピル)ピロメリテート等)、ハロゲン化ケトン(2,4−ジブロモアセトフェノン等)、ハロゲン化アミド(ビス(2,3−ジブロモプロピル)o−フタルアミド、トリス(2,3−ジブロモプロピル)トリメリトアミド、テトラ(2,3−ジブロモプロピル)ピロメリトアミド、ビス(2,3−ジブロモプロピル)タータミド、N,N‘−ビス(2,3−ジブロモプロピル)スクシアミド、N,N,N’,N’−テトラ(2,3−ジブロモプロピル)スクシアミド等)、ハロゲン化エーテル(トリメチロールプロパンビス(2,3−ジブロモプロピル)エーテル、4−パルミトイルオキシベンジルブロマイド、4−ミリストイルオキシベンジルブロマイド、4−ラウロイルオキシベンジルブロマイド、4−ウンデカノイルオキシベンジルブロマイド等)等が例示される。
ロジン類としては、アビエチン酸、パラストリン酸、イソピマール酸、ロジン酸、重合ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、変性ロジン、ダイマー酸などが例示される。これらは、単独又は2種以上混合して用いることができる。
(溶剤)
本実施形態のフラックスに含まれる溶剤としては、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、芳香族系、炭化水素類、テルペン系及びテルペノイド系等の溶剤が用いられる。具体的には、ベンジルアルコール、エタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール 、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸ブチル、アジピン酸ジエチル、ドデカン、テトラデセン、α−テルピネオール、2−メチル2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、トルエン、キシレン、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジイソブチルアジペート、へキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2−ターピニルオキシエタノール、2−ジヒドロターピニルオキシエタノール、シトラール、リナロール、リモネン、カルバクロール、ピネン、ファルネセン、ミリスチン酸エチルなどが単独又はこれらを2種以上混合して用いられる。
〔接合用ペースト〕
本実施形態の接合用ペーストは、上記接合用粉末と上記フラックスとを含み、その酸価値が45mgKOH/g以下であり、熱重量測定において300℃での減少率がフラックスを100質量%としたときに80質量%以上であり、室温における粘度が20Pa・s〜300Pa・sであり、かつ室温におけるタッキング力が800mN以上である。上記酸価値、熱重量減少率、粘度及びタッキング力は、上記フラックスの構成要素及びその含有割合に依存する。
本実施形態の接合用ペーストの酸価値は、45mgKOH/g以下である。この酸価値を45mgKOH/g以下に設定することにより、接合用ペーストとしたときの接合用粉末とフラックスとが反応することが抑制され、接合用ペーストとしての粘度変化を少なくすることができる。また酸価値が45mgKOH/gを超えると、フラックスと接合用粉末の酸化物との還元反応で生じる還元水の発生が多くなり、形成されたバンプ内のボイドが多くなる。なお、ペーストの酸価値は、30mgKOH/g以下であることが好ましく、10mgKOH/g以下であることがより好ましい。ペーストの酸価値が低い方が、接合用ペーストとしての粘度変化を少なくすることができ、長期保管性が向上する。酸価値の下限に特に制限はなく、測定の検出下限値以下であってもよいが、例えば、1mgKOH/gである。この酸価値は、JIS Z 3197に準拠して測定され、現状では検出限界値は1mgKOH/gである。
本実施形態の接合用ペーストは、熱重量測定において300℃での減少率がフラックスを100質量%としたときに80質量%以上である。これは熱重量測定において300℃での減少率がフラックスを100質量%としたときに80質量%未満であると、接合用ペーストがリフロー又は加熱された際に残渣の量が多くなるからである。この減少率は85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。減少量の上限に特に制限はないが、一般的に利用可能な粘稠剤を接合用ペーストに用いた場合の数値として、例えば、99.5質量%である。熱重量測定における300℃での減少率については、一般の熱重量測定装置を用いて測定する。例えば、接合用ペースト及び前述した粘稠剤の熱重量測定では、10mgの接合用ペースト又は粘稠剤を窒素ガス雰囲気下で、昇温10℃/min、室温(25℃)から300℃まで温度を上昇させたときの重量変化を測定することにより、上記減少率を求める。
本実施形態の接合用ペーストの室温(25℃)における粘度は、20Pa・s〜300Pa・sである。この粘度が20Pa・s未満であると、基板などに塗布した際に、ダレを生じるおそれがある。ダレが生じると、隣接するバンプ前駆体同士が接触し、短絡するおそれがある。また、保管時に粉末とフラックスが分離し易くなる。また粘度が300Pa・sを超えると、基板などに塗布した際に、開口部へのペーストの充填が不十分となるおそれがある。この粘度は、100Pa・s〜250Pa・Sであることが好ましい。塗布性などの観点から、例えば、200Pa・sである。接合用ペーストの粘度については、JIS Z 3284、粘稠剤の粘度については、JIS Z 8803にそれぞれ準拠して測定する。
本実施形態の接合用ペーストの室温(25℃)におけるタッキング力は、800mN以上である。このタッキング力が800mN未満であると、粘着強度が低いため、接合用ペーストを基板などに塗布した際に、塗布した接合用ペーストが基板などからずれ落ちたりするおそれがある。このタッキング力は、1000mN以上であることが好ましい。タッキング力の上限に特に制限はないが、マスクからの版抜け性などの観点から、例えば、100Nである。タッキング力とは、フラックスを基板等に塗布した際の基板に対する粘着強度を意味し、JIS Z 3284に基づいて測定される。
上述した接合用ペーストの物性を実現するために、粘稠剤は、熱重量測定において、300℃での減少量が粘稠剤を100質量%としたときに90質量%以上であることが好ましい。これは、フラックス成分のうちの多くが粘稠剤であるため、熱重量測定において300℃での減少率が粘稠剤を100質量%としたときに90質量%未満であると、フラックスの熱重量測定において300℃での減少率をフラックスを100質量%としたときに80%質量%以上にできないおそれがあるからである。減少率の上限に特に制限はなく、100質量%減少する粘稠剤を用いることも可能である。
また粘稠剤は、室温(25℃)で固体又は粘度が1Pa・s以上の液体であることが望ましい。これは、粘稠剤が室温で粘度が1Pa・s未満の液体であると、フラックスの粘度が小さすぎて接合用ペーストを構成できず、基板等に塗布できないおそれがあるからである。このように粘稠剤が室温で1Pa・s以上の粘度を有しているか、又は室温で固体であるため、この粘稠剤を含むフラックス及び接合用ペーストは、形状保持性を有する。粘度の上限に特に制限はないが、塗布性などの観点から、例えば、400Pa・sである。また、
更に粘稠剤の室温(25℃)でのタッキング力は、1100mN以上であることが望ましい。上述したように、フラックス成分のうちの多く粘稠剤であるため、粘稠剤のタッキング力が1100mN未満であると、接合用ペーストのタッキング力を800mN以上にできないおそれがあるからである。タッキング力の上限に特に制限はないが、マスクからの版抜け性などの観点から、例えば、200Nである。
[接合用ペーストの構成]
接合用ペーストは、上述したフラックスと、接合用粉末とを混合してなる混合体であり、フラックスの含有率が、接合用ペーストを100体積%としたときに、30体積%以上90体積%以下であることが好ましい。接合用ペーストに用いられるフラックス(以下、ペースト用フラックスという。)の含有率が30体積%未満の場合、ペーストを構成できないか、若しくは、乾いたペーストとなり、接合用ペーストを基板などに印刷塗布できないおそれがある。一方、ペースト用フラックスの含有率が90体積%を超えていると、接合用ペーストの粘度が高くなりすぎる、若しくは、粘着力が高くなりすぎ、印刷時の掻き取り性が悪化し、或いはディスペンサによる塗布時やピン転写時の形状が悪化するおそれがある。このため、本実施形態では、フラックスの含有率が30体積%以上90体積%以下であることが好ましい。なお、フラックスの含有率は、40体積%以上90体積%以下であることが更に好ましい。これにより、接合用ペーストの粘度は、20Pa・S〜300Pa・sの範囲になり易く、接合用ペーストのタッキング力は、800mN以上になり易い。
[バンプの形成方法]
次に接合用ペーストを用いたバンプの形成方法を説明する。この形成方法は、接合用ペーストを印刷する印刷工程と、接合用ペーストを不活性ガス雰囲気又はギ酸ガス雰囲気下で加熱するリフロー工程とを備える。以下、印刷工程、リフロー工程の順に詳細を説明する。
(印刷工程)
印刷工程では、シリコンウェーハ、ガラスエポキシ樹脂基板等の基板上に開口部を有するマスクを配置し、この開口部内に接合用ペーストを充填するように接合用ペーストを印刷塗布する。この印刷塗布後、マスクを基板から剥離して、基板上にバンプ前駆体を形成する。なお、接合用ペーストは、印刷塗布されることとしたが、ディスペンサ等による吐出供給でもよいし、ピン転写装置等によるピン転写でもよい。
この場合、粘稠剤が室温で固体又は粘度が1Pa・s以上の液体であるため、粘稠剤を含むペースト用フラックス及び接合用粉末からなる接合用ペーストの形状保持性を確保できる。また、接合用ペーストに用いられるフラックスの含有率が好ましくは30体積%以上90体積%以下であることから、適切な粘度及び粘着力の接合用ペーストを構成でき、印刷時の掻き取り性の悪化等を抑制できる。
(リフロー工程)
リフロー工程では、まず予備加熱として、不活性ガス雰囲気又はギ酸ガス雰囲気下で、基板上に形成されたバンプ前駆体を接合用粉末の融点より低い温度で30秒〜2分加熱し(プレヒート工程)、フラックス中のボイド源である溶剤を揮発させる。不活性ガス雰囲気下の場合、不活性ガスをリフロー炉内に供給することにより行われる。
またギ酸ガス雰囲気下の場合、この雰囲気での各ヒート工程は、室温で、例えば、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスを純度99%のギ酸にバブリングすることにより不活性ガス内にギ酸を溶け込ませたガスを発生させ、このギ酸が溶け込んだ不活性ガスをリフロー炉内に供給することにより実行される。このギ酸が溶け込んだ不活性ガス(ギ酸ガス)のギ酸濃度は、例えば、略3体積%に設定される。なお、リフロー炉内にギ酸を置いたり、炉外で加熱して気化させたギ酸ガスを不活性ガスと混合して導入したりすることによりギ酸ガス雰囲気を生成してもよい。
その後、接合用粉末の融点より高い温度、例えば、接合用粉末の融点+30℃の温度で10秒〜1分加熱し(本ヒート工程)、接合用粉末を溶融する。この際、ギ酸は、接合用粉末に含まれるSnなどの金属酸化物と反応してギ酸塩を生成した後、更に高温化に置かれることでギ酸塩がギ酸により還元される。このようにギ酸ガス雰囲気下において、各ヒート工程を実行すると、ギ酸の還元力により接合用粉末等の酸化皮膜が還元される。そして、溶融した接合用粉末を冷却すると、表面張力により略半球状のバンプが形成される。
接合用ペーストの酸価値が、30mgKOH/gを超え45mgKOH/g以下である場合には、一般的な雰囲気である不活性ガス雰囲気下でリフロー処理することができる。なお、ここで、不活性ガス雰囲気とは、酸素が含まれない、若しくは極低濃度の酸素が含まれる、金属との反応性が低いガスの雰囲気であり、例えば、酸素濃度が0.5体積%以下の窒素ガス雰囲気やアルゴンガス雰囲気が挙げられる。
接合用ペーストの酸価値が、30mgKOH/g以下である場合には、酸価値が低いことからギ酸ガス雰囲気でリフロー処理する。
本実施形態では、ペースト用フラックスが熱重量測定において300℃での減少率がペーストを100質量%としたときに80質量%以上であり、その中でも粘稠剤が熱重量測定において300℃での減少量が粘稠剤を100質量%としたときに90質量%以上であるため、ペースト用フラックスを含む接合用ペーストがリフローされた際に、フラックスとしても揮発分が多いため、バンプ前駆体がリフローされてバンプが形成された場合であっても、残渣が発生することを抑制でき、バンプの洗浄工程を省くことができる。
また、ギ酸ガス雰囲気下でリフロー処理がなされる場合には、酸価値が低くても、ギ酸ガスの還元力により接合用粉末や基板上の酸化被膜を還元してはんだ溶融を円滑にできる。
また、本実施形態のペースト用フラックスを使用することで残渣の発生が抑制されるので、接合用粉末が高融点のAu−Sn接合用粉末であってもリフロー時の残渣の飛び跳ねを防止できる。更に接合用ペーストの酸価値が45mgKOH/g以下に設定されているので、バンプ内におけるボイドの発生を抑制できる他、接合用ペーストを長期間(例えば、6か月以上)保存でき、長期保管性を向上できる。
上記実施形態では、フラックスは、粘稠剤、溶剤、及びチクソ剤のみから構成されることとしたが、これに限らず、ペーストの酸価値が45mgKOH/g、好ましくは30mgKOH/gを超えない範囲内であれば、フラックスはロジン類及び活性剤を含んでもよい。例えば、フラックスの全体量を100質量%としたときに、ロジン類の場合は10質量%以下、活性剤の場合は5質量%以下の範囲であれば、フラックスにこれらを含んでもよい。
また、上記実施形態では、リフロー工程においてプレヒート工程及び本ヒート工程を実行することで、加熱温度を二段階で段階的に上昇させることとしたが、これに限らず、本ヒート工程のみを実行してもよい。また、加熱温度を三段階以上で段階的に上昇させてもよい。
更に、上記実施形態では、接合用ペーストを用いたバンプの製造方法について説明したが、これに限らず、本発明の接合用ペーストは、接合物と被接合物との間に配置され、上記実施形態と同様に、不活性ガス雰囲気下又はギ酸ガス雰囲気下で加熱することによって接合物と被接合物とを接合する、接合体の製造方法に用いてもよい。また本発明における接合用ペーストは、銅貼り絶縁回路基板と半導体素子(SiやSiCなど)との接合や、基板とヒートシンクとの接合などに好適に用いることができる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
〔13種類の接合用粉末〕
本発明の実施例1〜10及び比較例1〜11の接合用ペーストに用いられる13種類の接合用粉末(No.1〜No.13)を以下の表1及び表2に示す。表1には、低融点金属粉末及び高融点金属粉末の混合粉末(No.1〜No.7)を示し、低融点金属粉末及び高融点金属粉末の各種類と各平均粒径と各混合比率をそれぞれ示す。また混合粉末中のSn比率も示す。表2にはコアシェル構造の粉末(No.8〜No.13)を示し、低融点金属からなるシェルと高融点金属からなるコアの各種類と各組成比率をそれぞれ示す。またコアシェル構造の粉末の平均粒径も示す。
Figure 2020116637
Figure 2020116637
〔7種類の粘稠剤〕
次に本発明の実施例1〜10及び比較例1〜11の接合用ペーストに用いられる7種類の粘稠剤(A〜G)を以下の表3に示す。
Figure 2020116637
〔21種類のフラックス〕
更に本発明の実施例1〜10及び比較例1〜11の接合用ペーストに用いられる21種類のフラックス(No.1〜No.21)を以下の表4に示す。表4において、フラックス中の粘稠剤の熱重量測定における300℃での粘稠剤を100質量%としたときの減少率を「300℃TG減少」として示している。
Figure 2020116637
<実施例1>
接合用粉末として表1に示すNo.1の混合粉末を用い、表3に示す種類Aの粘稠剤を80質量%含み、表4に示す活性剤を含まないNo.1のフラックスを用いた。この混合粉末にNo.1のフラックスを接合用ペースト100体積%に対して50体積%になるように加えて接合用ペーストを調製した。フラックス中の活性剤、粘稠剤、チクソ剤及び溶剤の各配合割合は上述した表4に記載の通りとし、チクソ剤は5質量%とし、残部を溶剤とした。チクソ剤として硬化ひまし油を、溶剤としてミリスチン酸エチルをそれぞれ用いた。この粘稠剤の熱重量測定における300℃での減少率(300℃TG減少)は100質量%であり、室温における粘度は1Pa・s以上であった。この接合用ペーストの酸価値は検出限界以下であり、熱重量測定における300℃での接合用ペーストを100質量%としたときの減少率は80質量%であり、室温における粘度は200Pa・sであり、かつ室温におけるタッキング力は1500mNであった、これらの特性値は前述した方法で測定した。これらの結果を表5に示す。
Figure 2020116637
<実施例2〜10及び比較例1〜11>
実施例2〜10及び比較例1〜11の各接合用ペーストを、表4に示すフラックス及び表1と表2に示す接合用粉末を用いて調製した。フラックス及び接合用粉末の内容並びに接合用ペーストの特性値を表5に示す。実施例2〜10、比較例1〜11のチクソ剤には硬化ひまし油をそれぞれ用い、溶剤にはミリスチン酸エチルをそれぞれ用いた。
<接合用ペーストの評価>
実施例1〜10及び比較例1〜11により製造した接合用ペーストから得られるバンプのリフロー後の残渣の量、形状保持性、接合用ペーストの長期保管性、接合強度及び再溶融性に関する試験を次の方法により行った。その結果を表6に示す。
Figure 2020116637
(リフロー後の残渣の状況)
銅板の表面に厚み200μmの印刷用ステンシルマスクを被せて、このマスクの上から実施例1〜10及び比較例1〜11の各接合用ペーストのそれぞれを直径6.5mmの円形状に印刷塗布して、銅板から印刷用ステンシルマスクを除去した。このようにして、各試料について円形状のバンプ前駆体を銅板上に形成して評価用基板とした。
次に、実施例1〜5及び比較例4〜9で得られた11種類の接合用ペーストを塗布した評価基板をギ酸ガス雰囲気下において加熱することで、バンプ前駆体をリフロー処理させた。このとき、ピーク温度は、混合粉末の場合は低融点金属粉末の融点より30℃高い温度に設定し、コアシェル構造粉末の場合はシェル(低融点金属)の融点より30℃高い温度に設定した。また加熱時間は1分とした。このギ酸ガス雰囲気下での加熱は、室温で窒素ガスをバブリングすることにより窒素ガス内にギ酸を溶け込ませたガスを発生させ、このギ酸が溶け込んだ窒素ガスを炉内に供給することにより実行した。このギ酸が溶け込んだ窒素ガス(ギ酸ガス)のギ酸濃度は、略3体積%とした。
一方、実施例6〜10及び比較例1〜3、比較例10、11で得られた10種類の接合用ペーストを上記と同様の方法で塗布して、バンプ前駆体を銅板上に形成して評価基板とした。この評価基板を窒素ガス雰囲気下において加熱することで、バンプ前駆体をリフロー処理させた。
その後、電子顕微鏡(SEM)を用いて、ギ酸ガス雰囲気下及び窒素ガス雰囲気下でリフロー処理されたバンプ前駆体(バンプ)を観察し、残渣の面積が接合用ペーストの塗布面積の3割未満の場合を「良好」と判定し、残渣が接合用ペーストの塗布面積の3割以上を覆っている場合を「不良」と判定した。
(形状保持性)
銅板の表面にピッチ200μm、開口径120μm、厚み25μmのマスクを被せ、このマスクの上から実施例1〜10及び比較例1〜11で得られた21種類の接合用ペーストを銅板上に塗布して、バンプ前駆体を100個形成した。100個のバンプ前駆体を形成した評価基板を目視、又は光学顕微鏡で観察し、100個のバンプ前駆体のうち、ミッシングが5箇所以下、印刷ダレによるブリッジが5箇所以下、バンプ前駆体の欠けが5箇所以下の全てを満たす場合を「良好」と判定し、ミッシング、ブリッジ及び欠けのいずれかが5箇所より多く発生している場合を「不良」と判定した。
(接合用ペーストの長期保管性)
実施例1〜10及び比較例1〜11で得られた21種類の接合用ペーストを室温(25℃)で6ヶ月間保管した後、このペーストを用いて上記と同じ評価用基板を作製し、上述した形状保持性の評価と同様の評価を行った。6ヶ月間保管する前と比較し、ミッシングの箇所、印刷ダレよるブリッジの箇所、及び、バンプ前駆体の欠けの箇所が全て2倍以内の場合は「優秀」とし、全て3倍以内の場合は「良好」とし、それ以外を「不良」と判定した。
(接合強度)
実施例1〜10及び比較例1〜11で得られた21種類の接合用ペーストを、3mm□の開口部で厚さ50μmのメタルマスクを用いて、銅板上にメタルスキージを使用しペーストの厚さ50μmになるようにそれぞれ印刷した。印刷したペースト上に2.5mm□のSi素子を搭載した。Si素子はペーストと接する面において予めAuスパッタリングをしている。接合炉(SIKAMA社製 Falcon8500)にて最大保持温度300℃で60秒間加熱処理し、Si素子と銅板とを接合させることにより、21種類の接合サンプルを得た。接合した銅板およびSi素子との接合強度について、室温(25℃)下で接合シェア強度(MPa)を測定した。接合シェア強度が6.5MPa以上である場合を「良好」と判定し、6.5MPa未満である場合を「不良」と判定した。
接合※シェア強度は、せん断強度評価試験機(株式会社レスカ製ボンディングテスタPTR−1101)を用いて測定した。測定は、銅板を水平に固定し、接合層の表面から100μm上方の位置にてシェアツールを用いて、Si素子を横から水平方向に押して、Si素子が破断されたときの強度を測定した。シェアツールの移動速度は0.1mm/secとした。一条件につき3回試験を行い、それらの算術平均値を接合シェア強度とした。
(再溶融性)
前述した接合強度の測定用サンプルと同様の21種類の接合サンプルを作製した。これらの接合サンプルを300℃、60秒間再加熱した。再加熱後に、再加熱前の状態からSi素子が100μm以上動いた場合を「不良」と判定し、そうでない場合を「良好」と判定した。なお、Si素子が動いたか否かは、光学顕微鏡によって観察した。
表4〜表6から明らかなように、比較例1では、フラックスに含まれる粘稠剤の熱重量測定における300℃での減少率が80質量%と低く、また接合用ペーストのこの減少率が55質量%と低いことから、リフロー後の残渣が発生した領域が接合用ペーストの塗布面積の3割を超えており、リフロー後の残渣が多く「不良」であった。また接合用ペーストの酸価値が180mgKOH/gと非常に高く、接合用ペーストの長期保管性が「不良」であった。一方、比較例1では、接合用ペーストの室温における粘度が250Pa・sと適正であり、かつタッキング力も1600mNと高かった。このため接合用ペーストの形状保持性は「良好」であった。更に接合用粉末として低融点金属粉末が80質量%を超えない60.0質量%である混合粉末を用いたため、接合強度が「良好」であり、再溶融性の評価も「良好」であった。
比較例2では、接合用ペーストの酸価値が60mgKOH/gと高く、接合用ペーストの長期保管性が「不良」であった。その一方、接合用ペーストの熱重量測定における300℃での減少率が80質量%と適正であり、リフロー後の残渣が発生した領域が接合用ペーストの塗布面積の3割未満と少なく「良好」であった。また比較例2では、接合用ペーストの室温における粘度が20Pa・sと適正であり、かつタッキング力も1400mNと高かった。このため接合用ペーストの形状保持性は「良好」であった。更に接合用粉末として低融点金属粉末が80質量%を超えない60.9質量%であるコアシェル構造粉末を用いたため、接合強度が「良好」であり、再溶融性の評価も「良好」であった。
比較例3では、接合用ペーストの酸価値が50mgKOH/gと高く、接合用ペーストの長期保管性が「不良」であった。その一方、接合用ペーストの熱重量測定における300℃での減少率が80質量%と適正であり、リフロー後の残渣が発生した領域が接合用ペーストの塗布面積の3割未満と少なく「良好」であった。また比較例3では、接合用ペーストの室温における粘度が200Pa・sと適正であり、かつタッキング力も1200mNと高かった。このため接合用ペーストの形状保持性は「良好」であった。更に接合用粉末として低融点金属粉末が80質量%を超えない60.0質量%である混合粉末を用いたため、接合強度が「良好」であり、再溶融性の評価も「良好」であった。
比較例4では、フラックスに含まれる粘稠剤の熱重量測定における300℃での減少率が30質量%と非常に低く、また接合用ペーストのこの減少率が53質量%と低いことから、リフロー後の残渣が発生した領域が接合用ペーストの塗布面積の3割を超えており、リフロー後の残渣が多く「不良」であった。一方、接合用ペーストの酸価値が検出限界以下であり、接合用ペーストの長期保管性が「優秀」であった。また比較例4では、接合用ペーストの室温における粘度が160Pa・sと適正であり、かつタッキング力も1100mNと高かった。このため接合用ペーストの形状保持性は「良好」であった。更に接合用粉末として低融点金属粉末が80質量%を超えない60.0質量%である混合粉末を用いたため、接合強度が「良好」であり、再溶融性の評価も「良好」であった。
比較例5では、接合用粉末として低融点金属粉末が18.0質量%、高融点金属粉末が80質量%を超える82.0質量%である混合粉末を用いたため、加熱処理時に焼結が十分に進まず、接合強度が「不良」である一方、再溶融は起こらず、再溶融性の評価は「良好」であった。また接合用ペーストの熱重量測定における300℃での減少率は80質量%と適正であり、リフロー後の残渣が発生した領域が接合用ペーストの塗布面積の3割未満と少なく「良好」であった。また接合用ペーストの酸価値が検出限界以下であり、接合用ペーストの長期保管性が「優秀」であった。また比較例5では、接合用ペーストの室温における粘度が180Pa・sと適正であり、かつタッキング力も1500mNと高かった。このため接合用ペーストの形状保持性は「良好」であった。
比較例6では、接合用粉末として低融点金属粉末が80質量%を超える82.0質量%であって、高融点金属粉末が20質量%未満の18.0質量%である混合粉末を用いたため、接合強度は「良好」であったが、接合層にSn成分が残留して耐熱性に劣り、再溶融性の評価は「不良」であった。その一方、接合用ペーストの熱重量測定における300℃での減少率は80質量%と適正であり、リフロー後の残渣が発生した領域が接合用ペーストの塗布面積の3割未満と少なく「良好」であった。また接合用ペーストの酸価値が検出限界以下であり、接合用ペーストの長期保管性が「優秀」であった。また比較例6では、接合用ペーストの室温における粘度が160Pa・sと適正であり、かつタッキング力も1600mNと高かった。このため接合用ペーストの形状保持性は「良好」であった。
比較例7では、接合用ペーストの室温における粘度が250Pa・sと適正であったが、タッキング力が500mNと低かった。これは粘稠剤の粘度が低いためであると推察された。このため接合用ペーストの形状保持性は「不良」であった。一方、接合用ペーストの酸価値が検出限界以下であり、接合用ペーストの長期保管性が「良好」であった。また比較例7では、接合用ペーストの熱重量測定における300℃での減少率が90質量%と高く、リフロー後の残渣が発生した領域が接合用ペーストの塗布面積の3割未満と少なく「良好」であった。更に接合用粉末として低融点金属のシェルとしてSn80.0質量%、高融点金属のコアとしてNi20.0質量%のコアシェル構造の粉末を用いたため、接合強度は「良好」であり、再溶融も「良好」であった。
比較例8では、接合用粉末として低融点金属粉末が18.0質量%、高融点金属粉末が80質量%を超える82.0質量%であるコアシェル構造粉末を用いたため、加熱処理時に焼結が十分に進まず、接合強度が「不良」である一方、再溶融は起こらず、再溶融性の評価は「良好」であった。また接合用ペーストの酸価値が検出限界以下であり、接合用ペーストの長期保管性が「優秀」であった。また接合用ペーストの熱重量測定における300℃での減少率が80質量%と適正であり、リフロー後の残渣が発生した領域が接合用ペーストの塗布面積の3割未満と少なく「良好」であった。また比較例8では、接合用ペーストの室温における粘度が150Pa・sと適正であり、かつタッキング力も1200mNと高かった。このため接合用ペーストの形状保持性は「良好」であった。
比較例9では、接合用粉末として低融点金属粉末が80質量%を超える82.0質量%であって、高融点金属粉末が20質量%未満の18.0質量%である混合粉末を用いたため、接合強度は「良好」であったが、接合層にSn成分が残留して耐熱性に劣り、再溶融性の評価は「不良」であった。その一方、リフロー後の残渣が発生した領域が接合用ペーストの塗布面積の3割未満と少なく「良好」であった。また接合用ペーストの酸価値が検出限界以下であり、接合用ペーストの長期保管性が「優秀」であった。また比較例9では、接合用ペーストの室温における粘度が140Pa・sと適正であり、かつタッキング力も1100mNと高かった。このため接合用ペーストの形状保持性は「良好」であった。
比較例10では、接合用ペーストの粘度が18Pa・Sと低過ぎたため、開口部に充填し、マスクを剥離した後のペーストにダレが見られ、形状保持性が「不良」であった。一方、接合用ペーストの酸価値が35mgKOH/gと低く、接合用ペーストの長期保管性が「良好」であった。また比較例10では、接合用ペーストの熱重量測定における300℃での減少率が80質量%と高く、リフロー後の残渣が発生した領域が接合用ペーストの塗布面積の3割未満と少なく「良好」であった。更に接合用粉末として低融点金属粉末が60.0質量%、高融点金属粉末が40.0質量%の混合粉末を用いたため、接合強度が「良好」であり、再溶融の評価も「良好」であった。
比較例11では、接合用ペーストの粘度が330Pa・Sと高過ぎたため、開口部にペーストが十分に充填せず、形状保持性が「不良」であった。一方、接合用ペーストの酸価値が40mgKOH/gと低く、接合用ペーストの長期保管性が「良好」であった。また比較例11では、接合用ペーストの熱重量測定における300℃での減少率が80質量%と高く、リフロー後の残渣が発生した領域が接合用ペーストの塗布面積の3割未満と少なく「良好」であった。更に接合用粉末として低融点金属粉末が60.0質量%、高融点金属粉末が40.0質量%の混合粉末を用いたため、接合強度が「良好」であり、再溶融の評価も「良好」であった。
これに対して、実施例1〜10の接合用ペーストは、本発明の第1及び第2の観点に記載された要件を備えるため、ペースト中に含まれる接合用粉末の液相焼結に優れていた。またこれらの接合用ペーストはリフロー後の残渣が少なく「良好」であった。またこれらの接合用ペーストの酸価値が45mgKOH/g以下と低く、接合用ペーストの長期保管性が「良好」又は「優秀」であった。また接合用ペーストの室温における粘度が20Pa・s〜300Pa・sの範囲にあり、かつタッキング力も800mN以上と高かった。このためこれらの接合用ペーストの形状保持性は「良好」であった。更に接合用粉末は接合用粉末の全体量100質量%に対して錫の含有割合が20質量%〜80質量で銅及び/又はニッケルの含有割合が20質量%〜80質量%であるため、すべて接合強度が「良好」であり、再溶融も「良好」であった。
本発明の接合用ペーストは、高温雰囲気で使用される電子部品の実装に好適に用いることができる。
10 接合用粉末
11 母体粉末
12 コア(Cu)
13 シェル(Sn)
14 中間層(Cu6Sn5
15 ギ酸錫層

Claims (9)

  1. 接合用粉末とフラックスとを含む接合用ペーストにおいて、
    前記接合用粉末は前記接合用粉末の全体量100質量%に対して錫の含有割合が20質量%〜80質量で銅及び/又はニッケルの含有割合が20質量%〜80質量%であり、
    前記接合用ペーストは酸価値が45mgKOH/g以下であり、熱重量測定において300℃での減少率が前記フラックスを100質量%としたときに80質量%以上であり、室温における粘度が20Pa・s〜300Pa・sであり、かつ室温におけるタッキング力が800mN以上であることを特徴とする接合用ペースト。
  2. 前記接合用粉末は、錫を含む融点が250℃以下の低融点金属粉末と銅及び/又はニッケルを含む融点が250℃を超える高融点金属粉末との混合粉末である請求項1記載の接合用ペースト。
  3. 前記接合用粉末は、母体粉末の表面がギ酸錫層で被覆され、前記母体粉末が、銅及び/又はニッケルを含む融点が250℃を超える高融点金属からなるコアと、前記コアを被覆する錫を含む融点が250℃以下の低融点金属からなるシェルと、により構成され、前記コアと前記シェルの間に、前記コアの少なくとも一部を被覆するように銅及び/又はニッケルと錫を含む金属間化合物からなる中間層が介在するコアシェル構造の粉末である請求項1記載の接合用ペースト。
  4. 前記フラックスの含有割合が前記接合用ペーストを100体積%としたときに30体積%〜90体積%である請求項1から3のいずれか1項に記載の接合用ペースト。
  5. 前記接合用ペーストは酸価値が30mgKOH/g以下である請求項1から3のいずれか1項に記載の接合用ペースト。
  6. 開口部を有するマスクを基板上に配置し、請求項1から4いずれか1項に記載の接合用ペーストであって、酸価値が30mgKOH/gを超え45mgKOH/g以下である接合用ペーストを前記開口部内に充填するように印刷し、前記マスクを剥離した後前記基板上のバンプ前駆体を不活性ガス雰囲気下でリフロー処理してバンプを形成することを特徴とする接合用ペーストを用いたバンプの形成方法。
  7. 請求項1から4いずれか1項に記載の接合用ペーストであって、酸価値が30mgKOH/gを超え45mgKOH/g以下である接合用ペーストを接合物と被接合物との間に配置し、不活性ガス雰囲気下で加熱することによって前記接合物と前記被接合物とを接合することを特徴とする接合用ペーストを用いた接合体の製造方法。
  8. 開口部を有するマスクを基板上に配置し、請求項1から5いずれか1項に記載の接合用ペーストであって、酸価値が30mgKOH/g以下である接合用ペーストを前記開口部内に充填するように印刷し、前記マスクを剥離した後前記基板上のバンプ前駆体をギ酸ガス雰囲気下でリフロー処理してバンプを形成することを特徴とする接合用ペーストを用いたバンプの形成方法。
  9. 請求項1から5いずれか1項に記載の接合用ペーストであって、酸価値が30mgKOH/g以下である接合用ペーストを接合物と被接合物との間に配置し、ギ酸ガス雰囲気下で加熱することによって前記接合物と前記被接合物とを接合することを特徴とする接合用ペーストを用いた接合体の製造方法。
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