JP2020114069A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】低速運転時の安定した動作と高速運転時のさらなる高回転化および低損失化とを実現する。【解決手段】実施形態の回転電機1は、第一コイル12を有するステータ2と、ステータ2と同軸に設けられたロータ3と、ロータ3と軸方向で重なる第二コイル4と、ロータ3の回転を制御する制御部5と、を備え、ロータ3は、ロータ3の外周面において周方向に間隔をあけて形成された複数の磁石貼付溝と、磁石貼付溝に嵌め込まれた永久磁石と、磁石貼付溝よりも径方向内側においてロータ3の周方向に間隔をあけて形成された複数の空隙と、を有し、第二コイル4は、空隙と軸方向で対向し、制御部5は、ロータ3の回転速度が閾値以下の場合、第一コイル12から発生する磁束によりロータ3をIPMSMとして回転させ、ロータ3の回転速度が閾値を超える場合、第二コイル4と空隙とにより発生するロータ3の磁気抵抗の差によってロータ3をSRMとして回転させる。【選択図】図1
Description
本発明は、回転電機に関する。
ハイブリッド自動車や電気自動車等に搭載される回転電機では、コイルに電流が供給されることでステータコアに磁界が形成され、ロータの磁石とステータコアとの間に磁気的な吸引力や反発力が生じる。これにより、ロータがステータに対して回転する。
回転電機としては、ロータを高速回転させるために、ロータとステータとの間の磁束量を調整し、磁石磁束がステータに鎖交することで発生する誘起電圧を抑制する構成が知られている。
例えば、特許文献1には、ロータの軸方向一端側にロータとの間に間隔をあけて補助界磁を設け、補助界磁で作られる磁束をロータに出入りさせることによって、ステータとロータとの間を通過する磁束の量を調整可能とした構成が開示されている。
例えば、特許文献2には、ロータコアの両端面に小ギャップを隔てて対面する一対の静止磁路部材を設け、静止磁路部材のロータ側の端面の溝に励磁コイルを収容した構成が開示されている。特許文献2では、ロータコアにおいて奇数番目のロータ磁極部の永久磁石と、偶数番目のロータ磁極部の永久磁石と、励磁コイルとを、磁気回路内にて直列に配置することによって、ロータ磁極部からステータに流れるロータ磁束(界磁束)を調整可能としている。
例えば、特許文献1には、ロータの軸方向一端側にロータとの間に間隔をあけて補助界磁を設け、補助界磁で作られる磁束をロータに出入りさせることによって、ステータとロータとの間を通過する磁束の量を調整可能とした構成が開示されている。
例えば、特許文献2には、ロータコアの両端面に小ギャップを隔てて対面する一対の静止磁路部材を設け、静止磁路部材のロータ側の端面の溝に励磁コイルを収容した構成が開示されている。特許文献2では、ロータコアにおいて奇数番目のロータ磁極部の永久磁石と、偶数番目のロータ磁極部の永久磁石と、励磁コイルとを、磁気回路内にて直列に配置することによって、ロータ磁極部からステータに流れるロータ磁束(界磁束)を調整可能としている。
しかしながら、低速運転時の安定した動作と高速運転時のさらなる高回転化および低損失化とを実現する上で改善の余地があった。
そこで本発明は、低速運転時の安定した動作と高速運転時のさらなる高回転化および低損失化とを実現することができる回転電機を提供することを目的とする。
(1)本発明の一態様に係る回転電機(例えば、実施形態における回転電機1)は、第一コイル(例えば、実施形態における第一コイル12)を有するステータ(例えば、実施形態におけるステータ2)と、前記ステータと同軸に設けられたロータ(例えば、実施形態におけるロータ3)と、前記ロータと軸方向で重なる第二コイル(例えば、実施形態における第二コイル4)と、前記ロータの回転を制御する制御部(例えば、実施形態における制御部5)と、を備え、前記ロータは、前記ロータの外周面において周方向に間隔をあけて形成された複数の磁石貼付溝(例えば、実施形態における磁石貼付溝25)と、前記磁石貼付溝に嵌め込まれた永久磁石(例えば、実施形態における磁石22)と、前記磁石貼付溝よりも径方向内側において前記ロータの周方向に間隔をあけて形成された複数の空隙(例えば、実施形態における空隙27)と、を有し、前記第二コイルは、前記空隙と軸方向で対向し、前記制御部は、前記ロータの回転速度が閾値以下の場合、前記第一コイルから発生する磁束により前記ロータを埋込磁石同期モータとして回転させ、前記ロータの回転速度が前記閾値を超える場合、前記第二コイルと前記空隙とにより発生する前記ロータの磁気抵抗の差によって前記ロータをリラクタンスモータとして回転させる。
(2)本発明の一態様において、前記第二コイルは、前記複数の空隙と軸方向で重なるように環状に配置されていてもよい。
(3)本発明の一態様において、前記第二コイルは、周方向に間隔をあけて複数配置されていてもよい。
(4)本発明の一態様において、前記第二コイルは、前記ロータの軸方向両側に設けられていてもよい。
(2)本発明の一態様において、前記第二コイルは、前記複数の空隙と軸方向で重なるように環状に配置されていてもよい。
(3)本発明の一態様において、前記第二コイルは、周方向に間隔をあけて複数配置されていてもよい。
(4)本発明の一態様において、前記第二コイルは、前記ロータの軸方向両側に設けられていてもよい。
上記(1)の態様によれば、制御部は、ロータの回転速度が閾値以下の場合(低速運転時)、第一コイルから発生する磁束によりロータを埋込磁石同期モータ(以下「IPMSM(Interior Permanent Magnet Synchronous Motor)」ともいう。)として回転させることで、低速運転時にロータをスイッチリラクタンスモータ(以下「SRM(Switched Reluctance Motor)」ともいう。)として回転させる構成と比較して、低速運転時の制御性を向上させることができる。加えて、制御部は、ロータの回転速度が閾値を超える場合(高速運転時)、第二コイルと空隙とにより発生するロータの磁気抵抗の差によってロータをリラクタンスモータ(SRM)として回転させることで、高速運転時にロータをIPMSMとして回転させる場合と比較して、回転上限が制限されることを回避することができ、かつ、銅損の悪化を抑制することができる。したがって、低速運転時の安定した動作と高速運転時のさらなる高回転化および低損失化とを実現することができる。
具体的に、本態様によれば、高回転化に対応するため、IPMSMとしてのロータを軸方向から見た時に本来孔部としてしか存在しない部分(例えば、軽量化のための肉抜き構造)を、軸方向から磁束を通す際、ロータコアよりも磁気抵抗が大きい部分(以下「磁気抵抗大部」ともいう。)として活用し、軸方向に配置された第二コイルにより、アキシャルギャップリラクタンスモータとして駆動することが可能となる。すなわち、軽量化のための肉抜き構造をフラックスバリアとして活用し、肉抜き構造とアキシャルギャップリラクタンスモータの磁束の通り道とを両立させることができる。ここで、SRMは、低速運転時の制御性の悪さが課題として存在する。一方、IPMSMは、高速運転時の逆起電力により電圧制限下では回転上限が制限されるという課題が存在する。この回転上限に対する解決策としては、高速運転時に負のd軸電流を流す弱め界磁制御を行うことが考えられるが、弱め界磁電流により銅損が悪化する懸念がある。これに対し、SRMは、磁束を発生させるための磁石を持たず、ロータの磁気抵抗の差によってトルクを発生させるため、逆起電力が小さく、高速運転に適している。本態様によれば、永久磁石がロータの外周面の磁石貼付溝に嵌め込まれていることで、磁石貼付溝よりも径方向内側において軸方向には磁石は存在しない。そのため、ロータの軸方向に磁束を通し、磁力線の歪みによって生じるリラクタンストルクによる運転が可能となる。また、磁石貼付溝よりも径方向内側の空隙と軸方向で重なる第二コイルにはロータからの鎖交磁束が少なくなるため、逆起電力も小さくなる。その結果、弱め界磁制御を使用せずに高回転化が可能となる。すなわち、高速運転時はSRMとして駆動することで、弱め界磁制御を使わないことができる。したがって本態様によれば、IPMSMが持つ長所および短所と、SRMが持つ長所および短所とを互いに補完し、それぞれの特徴(長所)を活かすことにより、低速運転時の安定した動作と高速運転時のさらなる高回転化および低損失化とを実現することができる。
さらに、本態様によれば、下記(A)、(B)の構造的特徴を有する。
(A)ロータにおいて、本来、孔部としてしか存在しない部分を、遠心力に対する耐性を持たせたバネ構造としての機能と、SRMとしての磁気抵抗大部としての機能との両方を持ち合わせた構造とすることができる。
(B)IPMSMは、電流進角を調整しリラクタンストルクを活用するための磁石配置となっている。これに対し、本態様の回転電機では、リラクタンストルクは軸方向に配置したトルクにより行うため、表面磁石モータとして磁石を配置することができる。
上記(2)の態様によれば、第二コイルは、複数の空隙と軸方向で重なるように環状に配置されていることで、第二コイルの配置形状が、ロータの周方向に間隔をあけて形成された複数の空隙の配置と実質的に同じ形状になるため、騒音および振動等を抑制し、ロータをスムーズに回転させることができる。
上記(3)の態様によれば、第二コイルは、周方向に間隔をあけて複数配置されていることで、第二コイルの配置構成が、ロータの周方向に間隔をあけて形成された複数の空隙の配置と実質的に同じ構成になるため、騒音および振動等を抑制し、ロータをスムーズに回転させることができる。
上記(4)の態様によれば、第二コイルは、ロータの軸方向両側に設けられていることで、第二コイルがロータの軸方向片側のみに設けられている構成と比較して、ロータをより一層スムーズに回転させることができる。
具体的に、本態様によれば、高回転化に対応するため、IPMSMとしてのロータを軸方向から見た時に本来孔部としてしか存在しない部分(例えば、軽量化のための肉抜き構造)を、軸方向から磁束を通す際、ロータコアよりも磁気抵抗が大きい部分(以下「磁気抵抗大部」ともいう。)として活用し、軸方向に配置された第二コイルにより、アキシャルギャップリラクタンスモータとして駆動することが可能となる。すなわち、軽量化のための肉抜き構造をフラックスバリアとして活用し、肉抜き構造とアキシャルギャップリラクタンスモータの磁束の通り道とを両立させることができる。ここで、SRMは、低速運転時の制御性の悪さが課題として存在する。一方、IPMSMは、高速運転時の逆起電力により電圧制限下では回転上限が制限されるという課題が存在する。この回転上限に対する解決策としては、高速運転時に負のd軸電流を流す弱め界磁制御を行うことが考えられるが、弱め界磁電流により銅損が悪化する懸念がある。これに対し、SRMは、磁束を発生させるための磁石を持たず、ロータの磁気抵抗の差によってトルクを発生させるため、逆起電力が小さく、高速運転に適している。本態様によれば、永久磁石がロータの外周面の磁石貼付溝に嵌め込まれていることで、磁石貼付溝よりも径方向内側において軸方向には磁石は存在しない。そのため、ロータの軸方向に磁束を通し、磁力線の歪みによって生じるリラクタンストルクによる運転が可能となる。また、磁石貼付溝よりも径方向内側の空隙と軸方向で重なる第二コイルにはロータからの鎖交磁束が少なくなるため、逆起電力も小さくなる。その結果、弱め界磁制御を使用せずに高回転化が可能となる。すなわち、高速運転時はSRMとして駆動することで、弱め界磁制御を使わないことができる。したがって本態様によれば、IPMSMが持つ長所および短所と、SRMが持つ長所および短所とを互いに補完し、それぞれの特徴(長所)を活かすことにより、低速運転時の安定した動作と高速運転時のさらなる高回転化および低損失化とを実現することができる。
さらに、本態様によれば、下記(A)、(B)の構造的特徴を有する。
(A)ロータにおいて、本来、孔部としてしか存在しない部分を、遠心力に対する耐性を持たせたバネ構造としての機能と、SRMとしての磁気抵抗大部としての機能との両方を持ち合わせた構造とすることができる。
(B)IPMSMは、電流進角を調整しリラクタンストルクを活用するための磁石配置となっている。これに対し、本態様の回転電機では、リラクタンストルクは軸方向に配置したトルクにより行うため、表面磁石モータとして磁石を配置することができる。
上記(2)の態様によれば、第二コイルは、複数の空隙と軸方向で重なるように環状に配置されていることで、第二コイルの配置形状が、ロータの周方向に間隔をあけて形成された複数の空隙の配置と実質的に同じ形状になるため、騒音および振動等を抑制し、ロータをスムーズに回転させることができる。
上記(3)の態様によれば、第二コイルは、周方向に間隔をあけて複数配置されていることで、第二コイルの配置構成が、ロータの周方向に間隔をあけて形成された複数の空隙の配置と実質的に同じ構成になるため、騒音および振動等を抑制し、ロータをスムーズに回転させることができる。
上記(4)の態様によれば、第二コイルは、ロータの軸方向両側に設けられていることで、第二コイルがロータの軸方向片側のみに設けられている構成と比較して、ロータをより一層スムーズに回転させることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態においては、ハイブリッド自動車や電気自動車等の車両に搭載される回転電機(走行用モータ)を挙げて説明する。
<回転電機>
図1は、実施形態に係る回転電機1の全体構成を示す概略構成図である。図1は、軸線Cを含む仮想平面で切断した断面を含む図である。以下、回転電機の軸線Cに沿う方向を「軸方向」、軸線Cに直交する方向を「径方向」、軸線C周りの方向を「周方向」とする。
図1に示すように、回転電機1は、第一コイル12を有するステータ2と、ステータ2と同軸に設けられたロータ3と、ロータ3と軸方向で重なる第二コイル4と、ロータ3の回転を制御する制御部5と、を備える。図中符号6は、ロータ3の軸方向外側で第二コイル4を支持する第二コイル支持部を示す。
図1は、実施形態に係る回転電機1の全体構成を示す概略構成図である。図1は、軸線Cを含む仮想平面で切断した断面を含む図である。以下、回転電機の軸線Cに沿う方向を「軸方向」、軸線Cに直交する方向を「径方向」、軸線C周りの方向を「周方向」とする。
図1に示すように、回転電機1は、第一コイル12を有するステータ2と、ステータ2と同軸に設けられたロータ3と、ロータ3と軸方向で重なる第二コイル4と、ロータ3の回転を制御する制御部5と、を備える。図中符号6は、ロータ3の軸方向外側で第二コイル4を支持する第二コイル支持部を示す。
ステータ2は、ステータコア11と、ステータコア11に装着された複数層(例えば、U相、V相、W相)の第一コイル12と、を備える。
ステータコア11は、軸線Cと同軸に配置された環状をなしている。例えば、ステータコア11は、圧粉材等の無方向性の部材により形成されている。なお、ステータコア11は、磁束が径方向から通過することを前提としているため、方向性鋼板により形成されていてもよい。
ステータコア11は、軸線Cと同軸に配置された環状をなしている。例えば、ステータコア11は、圧粉材等の無方向性の部材により形成されている。なお、ステータコア11は、磁束が径方向から通過することを前提としているため、方向性鋼板により形成されていてもよい。
ステータコア11には、第一コイル12が挿入されたスロット13が周方向に並んで設けられている。例えば、第一コイル12は、ステータコア11のスロット13に挿通された挿通部12aと、ステータコア11から軸方向に突出したコイルエンド部12bと、を備える。ステータコア11は、第一コイル12に電流が流れることで磁界を発生する。
<ロータ>
ロータ3は、ステータ2に対して径方向の内側に、間隔をあけて配置されている。ロータ3は、出力シャフト7に固定されている。ロータ3は、軸線C回りに出力シャフト7と一体で回転可能に構成されている。ロータ3は、ロータコア21および磁石22(図2参照)を備える。実施形態において、磁石22は永久磁石である。
ロータ3は、ステータ2に対して径方向の内側に、間隔をあけて配置されている。ロータ3は、出力シャフト7に固定されている。ロータ3は、軸線C回りに出力シャフト7と一体で回転可能に構成されている。ロータ3は、ロータコア21および磁石22(図2参照)を備える。実施形態において、磁石22は永久磁石である。
ロータコア21は、軸線Cと同軸に配置された環状をなしている(図2参照)。ロータコア21の径方向内側には、出力シャフト7が圧入固定されている。例えば、ロータコア21は、圧粉材等の無方向性の部材により形成されている。なお、ロータコア21は、磁束が径方向からだけではなく、軸方向にも通過するため、方向性鋼板ではなく、無方向性鋼板により形成されていることが好ましい。
図2は、実施形態の係るロータ3を軸方向から見た図である。
図2に示すように、ロータコア21の外周面には、磁石貼付溝25が形成されている。磁石貼付溝25は、周方向に間隔をあけて複数配置されている。磁石貼付溝25は、ロータコア21の外周面においてロータコア21を軸方向に貫通している。
図2に示すように、ロータコア21の外周面には、磁石貼付溝25が形成されている。磁石貼付溝25は、周方向に間隔をあけて複数配置されている。磁石貼付溝25は、ロータコア21の外周面においてロータコア21を軸方向に貫通している。
各磁石貼付溝25内には、磁石22が嵌め込まれている。磁石22は、ロータコア21の外周部において複数の磁石貼付溝25のそれぞれに貼り付けられている。実施形態のロータ3は、磁石22をロータ3表面(ロータコア21の外周面)に組み込んだ、いわゆる表面磁石型(SPM:Surface Permanent Magnet)である。
各磁石22は、径方向に磁化方向が配向されている。各磁石22は、周方向に沿って間隔をあけるとともに、交互に磁化方向が反転するように配置されている。各磁石22は、磁石22によってロータコア21の外周面に形成される磁極の極性(N極またはS極)が周方向に交互に並ぶように磁化されている。
図2の例では、ロータコア21の外周面には、周方向に間隔をあけて12個の磁石貼付溝25が配置されている。ロータコア21の外周面には、周方向に間隔をあけて12個の磁石22が設けられている。複数の磁石22は、ロータコア21の外周面において、周方向に30°間隔毎に配置されている。
図2においては、IPMSMにおけるロータ3の孔構造(以下「IPMSM孔構造29」ともいう。)を併せて示している。IPMSM孔構造29は、ロータコア21の外周部に形成された複数のスロット群30と、ロータコア21の内周部に形成された第一孔部群31と、第一孔部群31とスロット群30との間に形成された第二孔部群32と、第二孔部群32とスロット群30との間に形成された第三孔部群33と、を有する。これにより、ロータコア21の軽量化に寄与する。
軸方向から見て、スロット群30は、ロータコア21の外周面から離れる方向に向けて湾曲する湾曲形状(V字状)を有している。軸方向から見て、スロット群30は、台形形状の第一スロット30aと、第一スロット30aの周方向外側部からロータコア21の外周面に向けて第一スロット30aから離れる方向に傾斜する一対の第二スロット30bと、を有する。一対の第二スロット30bは、IPMSMにおける磁石挿入孔に相当する。図2の例では、スロット群30は、周方向に間隔をあけて12個配置されている。
軸方向から見て、第一孔部群31は、径方向外側に凸の三角形状をなす複数の三角孔部31aと、周方向に長軸を有する長孔形状をなす複数の長孔部31bと、を有する。三角孔部31aと長孔部31bとは、周方向に間隔をあけて交互に並んでいる。図2の例では、三角孔部31aと長孔部31bとは、それぞれ6個ずつ配置されている。
軸方向から見て、第二孔部群32は、径方向内側に凸の三角形状をなす複数の逆三角孔部32aと、径方向外側を上底とする台形形状をなす複数の台形孔部32bと、を有する。逆三角孔部32aと台形孔部32bとは、周方向に間隔をあけて交互に並んでいる。図2の例では、逆三角孔部32aと台形孔部32bとは、それぞれ12個ずつ配置されている。
軸方向から見て、第三孔部群33は、径方向外側に凸の三角形状をなす複数の三角孔部33aを有する。三角孔部33aは、隣り合う2つのスロット群30の間に位置するように、周方向に間隔をあけて配置されている。図2の例では、第三孔部群33における三角孔部33aは、周方向に間隔をあけて12個配置されている。
<空隙の配置>
次に、実施形態に係るロータ3における複数の空隙27の配置について説明する。
ロータコア21の内部には、複数の空隙27が形成されている。複数の空隙27は、周方向に間隔をあけて配置されている。空隙27は、磁石貼付溝25よりも径方向内側に配置されている。軸方向から見て、空隙27は、径方向内側に凸の三角形状を有している。図2の例では、空隙27は、周方向に間隔をあけて12個配置されている。
次に、実施形態に係るロータ3における複数の空隙27の配置について説明する。
ロータコア21の内部には、複数の空隙27が形成されている。複数の空隙27は、周方向に間隔をあけて配置されている。空隙27は、磁石貼付溝25よりも径方向内側に配置されている。軸方向から見て、空隙27は、径方向内側に凸の三角形状を有している。図2の例では、空隙27は、周方向に間隔をあけて12個配置されている。
軸方向から見て、空隙27の径方向内端部は、第二孔部群32における逆三角孔部32aと重なる。
軸方向から見て、空隙27の径方向外端部は、スロット群30と重なる。具体的に、軸方向から見て、空隙27の径方向外端部は、スロット群30における第一スロット30aの全部と重なるとともに、一対の第二スロット30bの周方向内側部と重なる。
軸方向から見て、空隙27の径方向中央部は、第三孔部群33において隣り合う2つの三角孔部33aの周方向外端部と重なる。
軸方向から見て、空隙27の径方向外端部は、スロット群30と重なる。具体的に、軸方向から見て、空隙27の径方向外端部は、スロット群30における第一スロット30aの全部と重なるとともに、一対の第二スロット30bの周方向内側部と重なる。
軸方向から見て、空隙27の径方向中央部は、第三孔部群33において隣り合う2つの三角孔部33aの周方向外端部と重なる。
図3は、図2の要部拡大図を含む、力学モデルの説明図である。図3において、符号41は第一磁路通過部、符号42は第二磁路通過部、符号43は第三磁路通過部、符号44はバネ構造をそれぞれ示す。
図3に示すように、第一磁路通過部41は、ロータコア21の内周部に沿う環状を有する。軸方向から見て、第一磁路通過部41は、第一孔部群31よりも径方向内側に配置されている。
第二磁路通過部42は、第一磁路通過部41よりも大きい環状を有する。軸方向から見て、第二磁路通過部42は、径方向において第一孔部群31と第二孔部群32との間に配置されている。
第三磁路通過部43は、第二磁路通過部42よりも大きい環状を有する。軸方向から見て、第三磁路通過部43は、径方向において第二孔部群32と第三孔部群33との間に配置されている。
第二磁路通過部42は、第一磁路通過部41よりも大きい環状を有する。軸方向から見て、第二磁路通過部42は、径方向において第一孔部群31と第二孔部群32との間に配置されている。
第三磁路通過部43は、第二磁路通過部42よりも大きい環状を有する。軸方向から見て、第三磁路通過部43は、径方向において第二孔部群32と第三孔部群33との間に配置されている。
バネ構造44は、遠心力に対するバネとして機能する。具体的に、バネ構造44は、適度にロータコア21を肉抜きしつつ、ロータ3が回転した際、径方向に発生する遠心力を分散させるための構造である。バネ構造44は、径方向に互いに連なる第一バネ部45および第二バネ部46を備える。
軸方向から見て、第一バネ部45は、第一孔部群31における三角孔部31aと重なる。
軸方向から見て、第二バネ部46は、第二孔部群32における逆三角孔部32aと重なる。
軸方向から見て、第一バネ部45は、第一孔部群31における三角孔部31aと重なる。
軸方向から見て、第二バネ部46は、第二孔部群32における逆三角孔部32aと重なる。
<第二コイルの配置>
図4は、実施形態に係るロータ3を軸方向から見た、第二コイル4の配置の説明図である。図4においては、IPMSM孔構造29を併せて示している。
図4に示すように、第二コイル4は、空隙27(図2参照)と軸方向で対向している。第二コイル4は、複数の空隙27(図2参照)と軸方向で重なるように環状に配置されている。図4の例では、第二コイル4が配置される領域8(以下「第二コイル配置領域8」ともいう。)は、円環状を有している。軸方向から見て、第二コイル配置領域8は、スロット群30における第一スロット30aの径方向内端部と、第二孔部群32における逆三角孔部32aおよび台形孔部32bのそれぞれの径方向外端部とに跨っている。
図4は、実施形態に係るロータ3を軸方向から見た、第二コイル4の配置の説明図である。図4においては、IPMSM孔構造29を併せて示している。
図4に示すように、第二コイル4は、空隙27(図2参照)と軸方向で対向している。第二コイル4は、複数の空隙27(図2参照)と軸方向で重なるように環状に配置されている。図4の例では、第二コイル4が配置される領域8(以下「第二コイル配置領域8」ともいう。)は、円環状を有している。軸方向から見て、第二コイル配置領域8は、スロット群30における第一スロット30aの径方向内端部と、第二孔部群32における逆三角孔部32aおよび台形孔部32bのそれぞれの径方向外端部とに跨っている。
図5は、図4の要部拡大図を含む、第二コイル4の磁極の説明図である。図5においては、第二コイル支持部6を併せて示している。
図5に示すように、第二コイル4は、周方向に間隔をあけて複数配置されている。図5の例では、第二コイル4は、周方向に間隔をあけて6個(図示はしないが全周では24個)配置されている。第二コイル4は、周方向にN極とS極とが互い違いになるように配置されている。
図5に示すように、第二コイル4は、周方向に間隔をあけて複数配置されている。図5の例では、第二コイル4は、周方向に間隔をあけて6個(図示はしないが全周では24個)配置されている。第二コイル4は、周方向にN極とS極とが互い違いになるように配置されている。
図6は、実施形態に係るロータ3を軸方向から見た図である。図6においては、磁石貼付溝25および磁石22の図示を省略している。図6の例では、軸方向から見て、第二コイル4は、隣り合う2つの空隙27の周方向外端部に跨っている。
図7は、図6のVII−VII断面を含む、軸方向に発生する磁束の説明図である。図7においては、空隙27にハッチで示している。
図7に示すように、第二コイル4は、ロータ3の軸方向両側に設けられている。第二コイル4は、ロータ3の軸方向両側において、空隙27と軸方向と対向している。第二コイル4の磁束は、空隙27を避けるようにロータコア21を通るため、軸方向に対して歪む。このようにロータ3の軸方向に発生させた磁束を歪ませることで、リラクタンストルクを発生させることができる。
図7に示すように、第二コイル4は、ロータ3の軸方向両側に設けられている。第二コイル4は、ロータ3の軸方向両側において、空隙27と軸方向と対向している。第二コイル4の磁束は、空隙27を避けるようにロータコア21を通るため、軸方向に対して歪む。このようにロータ3の軸方向に発生させた磁束を歪ませることで、リラクタンストルクを発生させることができる。
図中において、符号4Aはロータ3の軸方向の第一端側に配置された第二コイル(以下「第一端側第二コイル」ともいう。)、符号4Bはロータ3の軸方向の第二端側に配置された第二コイル(以下「第二端側第二コイル」ともいう。)をそれぞれ示す。図1の例では、第一端側第二コイル4Aから第二端側第二コイル4Bに向けて軸方向に磁束が発生する様子を示している。
<リラクタンストルクの発生メカニズム>
図8は、リラクタンストルクの発生メカニズムの説明図である。
リラクタンストルクを活用するには、磁束の流れやすいところと流れにくいところとが必要である。図8に示すように、磁束線が折り曲げられることによって、リラクタンストルクが発生する。図8において、符号51は磁束が相対的に流れやすい第一領域、符号52は磁束が相対的に流れにくい第二領域、符号53は磁束線が折り曲げられる第三領域をそれぞれ示す。
図8は、リラクタンストルクの発生メカニズムの説明図である。
リラクタンストルクを活用するには、磁束の流れやすいところと流れにくいところとが必要である。図8に示すように、磁束線が折り曲げられることによって、リラクタンストルクが発生する。図8において、符号51は磁束が相対的に流れやすい第一領域、符号52は磁束が相対的に流れにくい第二領域、符号53は磁束線が折り曲げられる第三領域をそれぞれ示す。
図4に示すように、ロータコア21における第二コイル配置領域8には、軽量化のための肉抜き構造を用いて磁束の流れやすいところ(第一領域A1)と流れにくいところ(第二領域A2)とが存在している。第二コイル配置領域8において磁気抵抗の差を利用することにより、ロータ3をリラクタンスモータとして動作させることができる。
<ロータの回転制御>
制御部5(図1参照)は、ロータ3の回転速度が閾値以下の場合(低速運転時)、第一コイル12から発生する磁束によりロータ3をIPMSMとして回転させる。本実施形態のロータ3は、構造的にはSPMであるが、低速運転時はIPMSMとして制御される。
制御部5は、ロータ3の回転速度が閾値を超える場合(高速運転時)、第二コイル4と空隙27とにより発生するロータ3の磁気抵抗の差によってロータ3をリラクタンスモータとして回転させる。
例えば、制御部5は、ロータ3の回転速度が閾値以下の場合、第一コイル12に電力を供給し、ロータ3の回転速度が閾値を超える場合、第一コイル12に加えて第二コイル4に電力を供給する。
制御部5(図1参照)は、ロータ3の回転速度が閾値以下の場合(低速運転時)、第一コイル12から発生する磁束によりロータ3をIPMSMとして回転させる。本実施形態のロータ3は、構造的にはSPMであるが、低速運転時はIPMSMとして制御される。
制御部5は、ロータ3の回転速度が閾値を超える場合(高速運転時)、第二コイル4と空隙27とにより発生するロータ3の磁気抵抗の差によってロータ3をリラクタンスモータとして回転させる。
例えば、制御部5は、ロータ3の回転速度が閾値以下の場合、第一コイル12に電力を供給し、ロータ3の回転速度が閾値を超える場合、第一コイル12に加えて第二コイル4に電力を供給する。
以上説明したように、上記実施形態の回転電機1は、第一コイル12を有するステータ2と、ステータ2と同軸に設けられたロータ3と、ロータ3と軸方向で重なる第二コイル4と、ロータ3の回転を制御する制御部5と、を備え、ロータ3は、ロータ3の外周面において周方向に間隔をあけて形成された複数の磁石貼付溝25と、磁石貼付溝25に嵌め込まれた磁石22と、磁石貼付溝25よりも径方向内側においてロータ3の周方向に間隔をあけて形成された複数の空隙27と、を有し、第二コイル4は、空隙27と軸方向で対向し、制御部5は、ロータ3の回転速度が閾値以下の場合、第一コイル12から発生する磁束によりロータ3を埋込磁石同期モータ(IPMSM)として回転させ、ロータ3の回転速度が閾値を超える場合、第二コイル4と空隙27とにより発生するロータ3の磁気抵抗の差によってロータ3をリラクタンスモータ(SRM)として回転させる。
この構成によれば、制御部5は、ロータ3の回転速度が閾値以下の場合(低速運転時)、第一コイル12から発生する磁束によりロータ3をIPMSMとして回転させることで、低速運転時にロータ3をSRMとして回転させる構成と比較して、低速運転時の制御性を向上させることができる。加えて、制御部5は、ロータ3の回転速度が閾値を超える場合(高速運転時)、第二コイル4と空隙27とにより発生するロータ3の磁気抵抗の差によってロータ3をSRMとして回転させることで、高速運転時にロータ3をIPMSMとして回転させる場合と比較して、回転上限が制限されることを回避することができ、かつ、銅損の悪化を抑制することができる。したがって、低速運転時の安定した動作と高速運転時のさらなる高回転化および低損失化とを実現することができる。
具体的に、本態様によれば、高回転化に対応するため、IPMSMとしてのロータ3を軸方向から見た時に本来孔部としてしか存在しない部分(軽量化のための肉抜き構造であるIPMSM孔構造29)を、軸方向から磁束を通す際、磁気抵抗大部として活用し、軸方向に配置された第二コイル4により、アキシャルギャップリラクタンスモータとして駆動することが可能となる。すなわち、軽量化のための肉抜き構造をフラックスバリアとして活用し、肉抜き構造とアキシャルギャップリラクタンスモータの磁束の通り道とを両立させることができる。ここで、SRMは、低速運転時の制御性の悪さが課題として存在する。一方、IPMSMは、高速運転時の逆起電力により電圧制限下では回転上限が制限されるという課題が存在する。この回転上限に対する解決策としては、高速運転時に負のd軸電流を流す弱め界磁制御を行うことが考えられるが、弱め界磁電流により銅損が悪化する懸念がある。これに対し、SRMは、磁束を発生させるための磁石を持たず、ロータの磁気抵抗の差によってトルクを発生させるため、逆起電力が小さく、高速運転に適している。本態様によれば、磁石22がロータ3の外周面の磁石貼付溝25に嵌め込まれていることで、磁石貼付溝25よりも径方向内側において軸方向には磁石22は存在しない。そのため、ロータ3の軸方向に磁束を通し、磁力線の歪みによって生じるリラクタンストルクによる運転が可能となる。また、磁石貼付溝25よりも径方向内側の空隙27と軸方向で重なる第二コイル4にはロータ3からの鎖交磁束が少なくなるため、逆起電力も小さくなる。その結果、弱め界磁制御を使用せずに高回転化が可能となる。すなわち、高速運転時はSRMとして駆動することで、弱め界磁制御を使わないことができる。したがって本態様によれば、IPMSMが持つ長所および短所と、SRMが持つ長所および短所とを互いに補完し、それぞれの特徴(長所)を活かすことにより、低速運転時の安定した動作と高速運転時のさらなる高回転化および低損失化とを実現することができる。
さらに、本態様によれば、下記(A)、(B)の構造的特徴を有する。
(A)ロータ3において、本来、孔部としてしか存在しない部分を、遠心力に対する耐性を持たせたバネ構造44としての機能と、SRMとしての磁気抵抗大部としての機能との両方を持ち合わせた構造とすることができる。
(B)IPMSMは、電流進角を調整しリラクタンストルクを活用するための磁石配置となっている。これに対し、本態様の回転電機1では、リラクタンストルクは軸方向に配置したトルクにより行うため、表面磁石モータとして磁石22を配置することができる。
この構成によれば、制御部5は、ロータ3の回転速度が閾値以下の場合(低速運転時)、第一コイル12から発生する磁束によりロータ3をIPMSMとして回転させることで、低速運転時にロータ3をSRMとして回転させる構成と比較して、低速運転時の制御性を向上させることができる。加えて、制御部5は、ロータ3の回転速度が閾値を超える場合(高速運転時)、第二コイル4と空隙27とにより発生するロータ3の磁気抵抗の差によってロータ3をSRMとして回転させることで、高速運転時にロータ3をIPMSMとして回転させる場合と比較して、回転上限が制限されることを回避することができ、かつ、銅損の悪化を抑制することができる。したがって、低速運転時の安定した動作と高速運転時のさらなる高回転化および低損失化とを実現することができる。
具体的に、本態様によれば、高回転化に対応するため、IPMSMとしてのロータ3を軸方向から見た時に本来孔部としてしか存在しない部分(軽量化のための肉抜き構造であるIPMSM孔構造29)を、軸方向から磁束を通す際、磁気抵抗大部として活用し、軸方向に配置された第二コイル4により、アキシャルギャップリラクタンスモータとして駆動することが可能となる。すなわち、軽量化のための肉抜き構造をフラックスバリアとして活用し、肉抜き構造とアキシャルギャップリラクタンスモータの磁束の通り道とを両立させることができる。ここで、SRMは、低速運転時の制御性の悪さが課題として存在する。一方、IPMSMは、高速運転時の逆起電力により電圧制限下では回転上限が制限されるという課題が存在する。この回転上限に対する解決策としては、高速運転時に負のd軸電流を流す弱め界磁制御を行うことが考えられるが、弱め界磁電流により銅損が悪化する懸念がある。これに対し、SRMは、磁束を発生させるための磁石を持たず、ロータの磁気抵抗の差によってトルクを発生させるため、逆起電力が小さく、高速運転に適している。本態様によれば、磁石22がロータ3の外周面の磁石貼付溝25に嵌め込まれていることで、磁石貼付溝25よりも径方向内側において軸方向には磁石22は存在しない。そのため、ロータ3の軸方向に磁束を通し、磁力線の歪みによって生じるリラクタンストルクによる運転が可能となる。また、磁石貼付溝25よりも径方向内側の空隙27と軸方向で重なる第二コイル4にはロータ3からの鎖交磁束が少なくなるため、逆起電力も小さくなる。その結果、弱め界磁制御を使用せずに高回転化が可能となる。すなわち、高速運転時はSRMとして駆動することで、弱め界磁制御を使わないことができる。したがって本態様によれば、IPMSMが持つ長所および短所と、SRMが持つ長所および短所とを互いに補完し、それぞれの特徴(長所)を活かすことにより、低速運転時の安定した動作と高速運転時のさらなる高回転化および低損失化とを実現することができる。
さらに、本態様によれば、下記(A)、(B)の構造的特徴を有する。
(A)ロータ3において、本来、孔部としてしか存在しない部分を、遠心力に対する耐性を持たせたバネ構造44としての機能と、SRMとしての磁気抵抗大部としての機能との両方を持ち合わせた構造とすることができる。
(B)IPMSMは、電流進角を調整しリラクタンストルクを活用するための磁石配置となっている。これに対し、本態様の回転電機1では、リラクタンストルクは軸方向に配置したトルクにより行うため、表面磁石モータとして磁石22を配置することができる。
上記実施形態では、第二コイル4は、複数の空隙27と軸方向で重なるように環状に配置されていることで、第二コイル4の配置形状が、ロータ3の周方向に間隔をあけて形成された複数の空隙27の配置と実質的に同じ形状になるため、騒音および振動等を抑制し、ロータ3をスムーズに回転させることができる。
上記実施形態では、第二コイル4は、周方向に間隔をあけて複数配置されていることで、第二コイル4の配置構成が、ロータ3の周方向に間隔をあけて形成された複数の空隙27の配置と実質的に同じ構成になるため、騒音および振動等を抑制し、ロータ3をスムーズに回転させることができる。
上記実施形態では、第二コイル4は、ロータ3の軸方向両側に設けられていることで、第二コイル4がロータ3の軸方向片側のみに設けられている構成と比較して、ロータ3をより一層スムーズに回転させることができる。
以下、実施形態の変形例について説明する。各変形例において、実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、詳細説明を省略する。
上述した実施形態では、制御部5は、ロータ3の回転速度が閾値以下の場合、第一コイル12に電力を供給し、ロータ3の回転速度が閾値を超える場合、第一コイル12に加えて第二コイル4に電力を供給する構成について説明したが、これに限らない。例えば、制御部5は、ロータ3の回転速度が閾値以下の場合、第一コイル12に電力を供給し、ロータ3の回転速度が閾値を超える場合、第一コイル12への電力供給から第二コイル4への電力供給に切り替えることで運転を継続してもよい。
上述した実施形態では、回転電機1が、ハイブリッド自動車や電気自動車等の車両に搭載される走行用モータである例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、回転電機1は、発電用モータやその他用途のモータ、車両用以外の回転電機(発電機を含む)であってもよい。
上述した実施形態では、ロータコア21の外周面には、周方向に間隔をあけて12個の磁石貼付溝25が配置されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、磁石貼付溝25の配置数は、11個以下であってもよいし、13個以上であってもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能であり、上述した変形例を適宜組み合わせることも可能である。
1…回転電機
2…ステータ
3…ロータ
4…第二コイル
4A…第一端側第二コイル(第二コイル)
4B…第二端側第二コイル(第二コイル)
5…制御部
12…第一コイル
22…磁石(永久磁石)
25…磁石貼付溝
27…空隙
2…ステータ
3…ロータ
4…第二コイル
4A…第一端側第二コイル(第二コイル)
4B…第二端側第二コイル(第二コイル)
5…制御部
12…第一コイル
22…磁石(永久磁石)
25…磁石貼付溝
27…空隙
Claims (4)
- 第一コイルを有するステータと、
前記ステータと同軸に設けられたロータと、
前記ロータと軸方向で重なる第二コイルと、
前記ロータの回転を制御する制御部と、を備え、
前記ロータは、
前記ロータの外周面において周方向に間隔をあけて形成された複数の磁石貼付溝と、
前記磁石貼付溝に嵌め込まれた永久磁石と、
前記磁石貼付溝よりも径方向内側において前記ロータの周方向に間隔をあけて形成された複数の空隙と、を有し、
前記第二コイルは、前記空隙と軸方向で対向し、
前記制御部は、
前記ロータの回転速度が閾値以下の場合、前記第一コイルから発生する磁束により前記ロータを埋込磁石同期モータとして回転させ、
前記ロータの回転速度が前記閾値を超える場合、前記第二コイルと前記空隙とにより発生する前記ロータの磁気抵抗の差によって前記ロータをリラクタンスモータとして回転させることを特徴とする回転電機。 - 前記第二コイルは、前記複数の空隙と軸方向で重なるように環状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
- 前記第二コイルは、周方向に間隔をあけて複数配置されていることを特徴とする請求項2に記載の回転電機。
- 前記第二コイルは、前記ロータの軸方向両側に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の回転電機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019001949A JP2020114069A (ja) | 2019-01-09 | 2019-01-09 | 回転電機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019001949A JP2020114069A (ja) | 2019-01-09 | 2019-01-09 | 回転電機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020114069A true JP2020114069A (ja) | 2020-07-27 |
Family
ID=71667327
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2019001949A Pending JP2020114069A (ja) | 2019-01-09 | 2019-01-09 | 回転電機 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020114069A (ja) |
-
2019
- 2019-01-09 JP JP2019001949A patent/JP2020114069A/ja active Pending
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