JP2020112036A - バランサシャフト - Google Patents

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Abstract

【課題】バランサシャフトを軽量化する。【解決手段】直列3気筒の内燃機関12は、クランクシャフト100の中心軸線方向一方側が、第1マウント15を介して車体に支持され、他方側が、第1マウント15よりもばね定数の大きい第2マウント17を介して車体に支持されている。バランサシャフト20におけるクランクシャフト100の中心軸線方向一方側に位置している第1バランサマス24の質量及び他方側に位置している第2バランサマス26の質量に関して、気筒12a内におけるピストン116の往復運動によって内燃機関12に発生する力を100%打ち消すことができる仮想的な質量を仮想基準質量としたとき、第2バランサマス26の質量は仮想基準質量以下になっており、第1バランサマス24の質量は第2バランサマス26の質量よりも小さくなっている。【選択図】図1

Description

この発明は、バランサシャフトに関する。
特許文献1に開示された直列3気筒の内燃機関には、ピストンの往復運動に起因した慣性偶力による振動を抑制するためのバランサシャフトが設けられている。バランサシャフトは、クランクシャフトの中心軸線と平行に配置されている。バランサシャフトにおける中心軸線方向の中央よりも一方側と他方側には、バランサマスがそれぞれ固定されている。2つのバランサマスのそれぞれの重心は、バランサシャフトの中心軸線から外れた位置に位置している。また、2つのバランサマスは、互いに周方向に180度ずれて配置されている。バランサシャフトは、クランクシャフトと等速で逆回転する。
特開2009−236085号公報
バランサシャフトにおいては、内燃機関の重量低下や油面たたきを抑える上で、バランサマスの軽量化や小型化が望まれる。しかし、バランサマスを軽量化すると、上記慣性偶力を完全には打ち消すことができなくなるため、従来、バランサシャフトの軽量化は実現できていない。したがって、内燃機関の振動を適切に抑制しつつもバランサシャフトを軽量化できる技術が求められる。
上記課題を解決するためのバランサシャフトは、クランクシャフトの中心軸線方向に関する中央よりも一方側が、弾性変形する第1マウントを介して車体に支持され、前記クランクシャフトの中心軸線方向に関する中央よりも他方側が、弾性変形するとともに前記第1マウントよりもばね定数の大きい第2マウントを介して車体に支持される直列3気筒の内燃機関に適用されるバランサシャフトであって、前記内燃機関に取り付けられた状態において前記クランクシャフトの中心軸線と平行に配置されるシャフト本体と、前記シャフト本体に固定されているとともに前記シャフト本体の中心軸線上から外れた位置に重心が位置する第1バランサマスと、前記シャフト本体に固定されているとともに前記シャフト本体の中心軸線上から外れた位置であって前記第1バランサマスの重心と周方向に180度ずれた位置に重心が位置している第2バランサマスとを備え、前記第1バランサマスは、前記シャフト本体における中心軸線方向の中央よりも前記クランクシャフトの中心軸線方向一方側に位置しており、前記第2バランサマスは、前記シャフト本体における中心軸線方向の中央よりも前記クランクシャフトの中心軸線方向他方側に位置しており、前記第1バランサマスの質量及び前記第2バランサマスの質量に関して、気筒内におけるピストンの往復運動によって前記内燃機関に生じる慣性偶力を100%打ち消すことができる仮想的な質量を仮想基準質量としたとき、前記第2バランサマスの質量は前記仮想基準質量以下になっており、前記第1バランサマスの質量は前記第2バランサマスの質量よりも小さくなっている。
上記構成においては、第1バランサマスの質量及び第2バランサマスの質量が、仮想基準質量よりも小さくなっている。つまり、慣性偶力を100%打ち消すことができるバランサシャフトに比べて、上記構成のバランサシャフトは軽量化されている。
ここで、上記のように第1バランサマスの質量及び第2バランサマスの質量が仮想基準質量よりも小さくなっていることから、内燃機関に発生する慣性偶力はバランサシャフトによって完全には打ち消されず一部が残存する。この残存する力は、第1バランサマスの質量と第2バランサマスの質量との差が異なっていることから、一部が慣性力として作用する。一方で、第1マウントのばね定数と第2マウントとのばね定数とが異なっていることに起因して、この慣性力は、上記残存する力のうちの慣性偶力を打ち消すように逆位相で作用する。そのため、内燃機関の振動を抑制できる。
パワープラントの支持構造を表した概略図。 クランクシャフト及びバランサシャフトの斜視図。 パワープラントに発生する力の模式図。 パワープラントの支持特性の説明図。 パワープラントに残存する力の模式図。 慣性偶力及び慣性力に起因してパワープラントが変位しようとする方向の説明図。
以下、バランサシャフトの一実施形態を、図面を参照して説明する。
先ず、車両Cにおけるパワープラント10の支持構造について説明する。図1に示すように、車両Cには、当該車両Cの駆動源として内燃機関12が搭載されている。内燃機関12には、変速機14が連結されている。内燃機関12と変速機14とは、内燃機関12のクランクシャフト100の中心軸線方向に並んでいる。また、図示は省略するが、内燃機関12における変速機14とは反対側には、各種の補機等が搭載されている。内燃機関12と変速機14と各種の補機等で、パワープラント10が構成されている。なお、図1では、内燃機関12及び変速機14を簡略化して図示している。
パワープラント10は、車両CのエンジンルームCR内に位置している。パワープラント10は、内燃機関12が横置きになるように配置されている。つまり、内燃機関12のクランクシャフト100の中心軸線方向が車幅方向に沿っている。車室から見て右側をクランクシャフト100の中心軸線方向一方側、車室から見て左側をクランクシャフト100の中心軸線方向他方側としたとき、変速機14は、クランクシャフト100の中心軸線方向他方側に位置している。
パワープラント10は、弾性変形するマウントを介して車体に支持されている。具体的には、内燃機関12におけるクランクシャフト100の中心軸線方向一方側の端には、第1マウント15が取り付けられている。第1マウント15は、車体の骨格18(例えばサイドメンバ)に接続されている。第1マウント15は、自身が有する弾性体が弾性変形することによって、内燃機関12からの荷重が車体に伝達されるのを抑制する。なお、第1マウント15は液封式になっており、弾性部材の弾性変形の動作が作動液で減衰される。なお、図1では、第1マウント15を簡略化して表している。
変速機14における、クランクシャフト100の中心軸線方向他方側の端には、第2マウント17が取り付けられている。第2マウント17は、車体の骨格19に接続されている。第2マウント17は、自身が有する弾性体が弾性変形することによって、内燃機関12からの荷重が車体に伝達されるのを抑制する。第2マウント17のばね定数は、第1マウント15のばね定数よりも大きくなっている。なお、図1では、第2マウント17を簡略化して表している。
第1マウント15のばね定数と第2マウント17のばね定数は、車両Cに対して入力される路面からの振動を減衰させることを考慮して定められている。具体的には、上記のとおり、第2マウント17のばね定数は第1マウント15のばね定数よりも大きくなっている。このことから、路面から入力される上下振動に対して、パワープラント10は、第1マウント15が位置しているクランクシャフト100の中心軸線方向一方側のほうが、第2マウント17が位置している他方側よりも上下に振れやすい。つまり、路面からの入力に対して、パワープラント10はクランクシャフト100の中心軸線方向一方側と他方側とで上下に傾きをもつ。仮に、路面から連続的に上下振動が入力された場合には、パワープラント10における、クランクシャフト100の中心軸線方向一方側と他方側とが、シーソーのように上下方向に関して互いに反対方向に振れるように作用し、そうした動きによって路面からの振動を吸収する。つまり、パワープラント10が、路面からの振動に対してダイナミックダンパであるかのように機能する。こうした減衰機能を発揮することができるように、第1マウント15及び第2マウント17のばね定数が定められている。
この実施形態では、パワープラント10の重心Gは、クランクシャフト100の中心軸線方向に関して、内燃機関12の略中央に位置している。上記のとおりパワープラント10におけるクランクシャフト100の中心軸線方向一方側の端(内燃機関12におけるクランクシャフト100の中心軸線方向一方側の端)と車体との間に第1マウント15が介在していることから、パワープラント10における、重心Gよりもクランクシャフト100の中心軸線方向一方側は、第1マウント15を介して車体に支持されている。また、パワープラント10におけるクランクシャフト100の中心軸線方向他方側の端(変速機14におけるクランクシャフト100の中心軸線方向他方側の端)と車体との間に第2マウント17が介在していることから、パワープラント10における、重心Gよりもクランクシャフト100の中心軸線方向他方側は、第2マウント17を介して車体に支持されている。
次に、内燃機関12について説明する。図1に示すように、内燃機関12は、直列3気筒の内燃機関である。すなわち、内燃機関12は、円柱状の気筒12aが3つ区画されたシリンダブロックを備えている。3つの気筒12aは、クランクシャフト100の中心軸線方向に並んでいる。また、各気筒12aの軸線は、上下に延びている。
内燃機関12における気筒12aよりも下側には、クランクシャフト100が配置されている。図2に示すように、クランクシャフト100は、略円柱状のジャーナル101を備えている。このジャーナル101の中心軸線方向がクランクシャフト100の中心軸線方向となっている。
ジャーナル101の中心軸線方向他方側の端面には、略板状のクランクアーム102が固定されている。クランクアーム102は、ジャーナル101の中心軸線方向から平面視したときに当該ジャーナル101の径方向外側へと延びる略楕円形状のアーム部108と、アーム部108のうちジャーナル101の径方向内側の部分に連結された略扇形状のカウンタウエイト部109とで構成されている。カウンタウエイト部109の重心の位置は、ジャーナル101の中心軸線から外れている。カウンタウエイト部109の大きさや質量は、後述するピストン116やコネクティングロッド112の質量に基づいて定められている。
クランクアーム102における、ジャーナル101の中心軸線方向他方側の面には、略円柱状のクランクピン103が固定されている。クランクピン103は、アーム部108のうち、ジャーナル101の径方向外側部分に固定されている。つまり、クランクピン103は、ジャーナル101の中心軸線から外れた位置に固定されている。クランクピン103の中心軸線方向他方側の端面には、略板状のクランクアーム104が固定されている。このクランクアーム104は、上述したクランクアーム102と同一形状になっているとともに、ジャーナル101の周方向において上述したクランクアーム102と同一の配置になっている。
上記したジャーナル101、一対のクランクアーム102,104、クランクピン103の組には、クランクシャフト100の中心軸線方向他方側から、ジャーナル101、一対のクランクアーム102,104、クランクピン103の組がさらに接続されている。この組における一対のクランクアーム102,104は、カウンタウエイト部109を有しておらず、アーム部108のみで構成されている。さらに、この組に対してクランクシャフト100の中心軸線方向他方側から、ジャーナル101、一対のクランクアーム102,104、クランクピン103の組が接続されている。この組における一対のクランクアーム102,104は、アーム部108及びカウンタウエイト部109で構成されている。
クランクシャフト100の中心軸線方向における最も他方側に位置しているクランクアーム104には、その軸線方向他方側の面に、もう一つジャーナル101が固定されている。したがって、クランクシャフト100には、計4個のジャーナル101が存在している。そして、これらの各ジャーナル101は、シリンダブロック及び当該シリンダブロックに取り付けられるクランクキャップによって回転可能に支持されている。
クランクシャフト100の中心軸線方向に関して最も他方側に位置しているジャーナル101の外周面からは、径方向外側に向けてフランジ105が張り出している。一方、クランクシャフト100の中心軸線方向に関して最も一方側に位置しているジャーナル101の中心軸線方向一方側の端面からは、略円柱状の突出軸106が突出している。突出軸106の外周面には、平面視で略円形のドライブギヤ107が固定されている。
クランクシャフト100の3つのクランクピン103は、周方向に120度間隔で配置されている。これら3つのクランクピン103には、全体としては棒状のコネクティングロッド112を介して、ピストン116が連結されている。図1に示すように、ピストン116は気筒12a内に収容されている。
3つのピストン116は、気筒12a内を上下に往復運動する。ここで、直列3気筒の内燃機関においては、クランクシャフト100の中心軸線方向に関して対称な位置で同方向に動くピストン116が存在しない。そのため、クランクシャフト100の中心軸線方向の両端側に位置するピストン116の上下動に伴って、内燃機関12に慣性偶力が生じる。この慣性偶力の一部は、クランクアーム102,104のカウンタウエイト部109の回転に伴う力によって一部相殺される。すなわち、クランクシャフト100の回転方向を正回転方向、それとは反対の回転方向を逆回転方向として定義し、ピストン116の上下動に伴う慣性偶力を、便宜的にこれらの2つの回転方向の成分に分けて考える。ピストン116が生じる慣性偶力のうち、図3の(a)に示す正回転方向の成分は、図3の(b)に示すように、同じく正回転方向に回転するカウンタウエイト部109が生じる慣性偶力であってピストン116が生じる慣性偶力とは逆位相の慣性偶力によって相殺される。一方、ピストン116が生じる慣性偶力のうち、図3の(c)に示す逆回転方向の成分は、カウンタウエイト部109によって打ち消されることなく残存する。この残存する慣性偶力を打ち消すべく、内燃機関12には、つぎに説明するバランサシャフト20が搭載されている。なお、図3では、ピストン116やカウンタウエイト部109の動作によってパワープラント10に発生する力を模式的に表している。
図1及び図2に示すように、内燃機関12におけるクランクシャフト100よりも下側には、ピストン116の運動に伴って生じる内燃機関12の振動を抑制するバランサシャフト20が配置されている。なお、図1では、バランサシャフト20を簡略化して表している。
図2に示すように、バランサシャフト20は、棒状のシャフト本体22を備えている。シャフト本体22の中心軸線は、クランクシャフト100の中心軸線と平行になっている。詳しい図示は省略するが、シャフト本体22における中心軸線方向の途中の部位は、軸受け機構によって回転可能に支持されている。
クランクシャフト100の中心軸線方向一方側をシャフト本体22の中心軸線方向一方側としたとき、シャフト本体22における中心軸線方向の中央よりも一方側には、平面視で略円形のドリブンギヤ28が固定されている。ドリブンギヤ28の径は、クランクシャフト100に固定されているドライブギヤ107の径と同じになっている。ドリブンギヤ28は、シャフト本体22の中心軸線方向に関して、ドライブギヤ107と同じ位置に配置されている。また、ドリブンギヤ28の歯は、ドライブギヤ107の歯と噛み合っている。このため、クランクシャフト100が回転すると、バランサシャフト20がクランクシャフト100と等速で逆方向に回転する。
シャフト本体22におけるドリブンギヤ28よりも中心軸線方向一方側には、第1バランサマス24が固定されている。詳細には、第1バランサマス24は、シャフト本体22における中心軸線方向一方側の端部に位置している。第1バランサマス24は、シャフト本体22の中心軸線方向からの平面視で、リング状の円環部24aの外周に、扇形状のマス部24bの内周を結合させた形状となっている。そして、円環部24aの内周が、シャフト本体22の外周に固定されている。したがって、マス部24bは、シャフト本体22よりも径方向外側に位置している。このため、第1バランサマス24の重心は、シャフト本体22の中心軸線から外れた位置に位置している。
シャフト本体22における中心軸線方向の中央よりも他方側には、第2バランサマス26が固定されている。詳細には、第2バランサマス26は、シャフト本体22における中心軸線方向他方側の端部に位置している。第2バランサマス26は、シャフト本体22の中心軸線方向からの平面視で、リング状の円環部26aの外周に、扇形状のマス部26bの内周を結合させた形状となっている。そして、円環部26aの内周が、シャフト本体22の外周に固定されている。したがって、マス部26bは、シャフト本体22よりも径方向外側に位置している。このため、第2バランサマス26の重心は、シャフト本体22の中心軸線から外れた位置に位置している。マス部26bは、シャフト本体22の周方向に関して、第1バランサマス24のマス部24bとは180度反対側に位置している。このため、第2バランサマス26の重心は、シャフト本体22の中心軸線から外れた位置であって尚且つ第1バランサマス24の重心と周方向に180度ずれた位置に位置している。
第1バランサマス24の重心と第2バランサマス26の重心とが、シャフト本体22の周方向に180度ずれていることから、シャフト本体22が回転する際には当該シャフト本体22はすりこぎ運動し、慣性偶力を生じる。ここで、図3の(d)に示すように、第1バランサマス24のマス部24b及び第2バランサマス26のマス部26bの周方向の位置は、シャフト本体22が回転する際に、ピストン116が生じる慣性偶力とは逆位相の慣性偶力がシャフト本体22に発生する位置として定められている。このことに加え、シャフト本体22の回転方向が上記逆回転方向であることから、シャフト本体22に発生する慣性偶力によって、ピストン116が生じる慣性偶力のうち、カウンタウエイト部109によって打ち消されることなく内燃機関12に残存する逆回転方向の慣性偶力成分を打ち消すことが可能である。
ここで、第1バランサマス24の質量及び第2バランサマス26の質量に関して、ピストン116の往復運動によって内燃機関12に生じる慣性偶力を100%打ち消すことができる仮想的な質量を仮想基準質量とする。第1バランサマス24及び第2バランサマス26の双方の質量は、仮想基準質量よりも小さくなっている。また、第1バランサマス24の質量は、第2バランサマス26の質量よりも小さくなっている。この実施形態では、第1バランサマス24の質量は、仮想基準質量の60%の大きさになっている。また、第2バランサマス26の質量は、仮想基準質量の80%の大きさになっている。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
先ず、パワープラント10の支持特性について説明する。本実施形態では、パワープラント10の振動を小さく抑えることができるように、第2マウント17のばね定数を、第1マウント15のばね定数よりも大きくしている。
仮に、第2マウント17のばね定数が、第1マウント15のばね定数と同じであるものとする。この場合、図4の(a)に示すように、鉛直方向に関する弾性主軸Pがパワープラント10の重心Gを通っている。弾性主軸Pとは、弾性体によって支持された系において特定の軸に沿って力を加えたときに、力の方向と弾性変位の方向とが一致し、尚且つ角変位が生じないような軸をいう。第2マウント17のばね定数が第1マウント15のばね定数と同じである場合には、パワープラント10に上下への慣性力が作用すると、パワープラント10は傾くことなく上下に変位する。
一方、図4の(b)に示すように、第1マウント15のばね定数を上記の例と同じとし、第2マウント17のばね定数を第1マウント15のばね定数よりも大きくしたとする。この場合、弾性主軸Pの位置は、パワープラント10の重心Gの位置よりもクランクシャフト100の中心軸線方向他方側に寄る。そして、パワープラント10に上下への慣性力が作用したときには、パワープラント10に傾きが生じる。詳細には、パワープラント10に上下への慣性力が作用した場合、パワープラント10におけるクランクシャフト100の中心軸線方向一方側の方が、他方側よりも上下方向の振幅が大きくなる。このように、第2マウント17のばね定数が第1マウント15よりも大きい場合、パワープラント10に傾きが生じる一方で、パワープラント10におけるクランクシャフト100の中心軸線方向他方側の上下の変位が小さくなる。そのため、重心Gの位置におけるパワープラント10の上下の変位も小さくなる。
さらに、本実施形態では、第1マウントが液封式であることから、図4の(c)に示すように、第1マウント15の弾性変形の動きが妨げられて、クランクシャフト100の中心軸線方向一方側の変位は速やかに減衰する。そのため、クランクシャフト100の中心軸線方向の一方側と他方側とでのパワープラント10の変位量の差は小さくなる。このように、本実施形態のパワープラント10の支持構造においては、パワープラント10の振動を比較的小さく抑えられるようになっている。
次に、パワープラント10の支持特性と、バランサシャフト20における2つのバランサマス24,26の質量のアンバランスと、の兼ね合いから、内燃機関12が自立して駆動を継続できる最小限度のエンジン回転数であるとき(以下、アイドル時と称する。)のパワープラント10の振動が抑制されることについて説明する。
パワープラント10(内燃機関12)においては、ピストン116が生じる慣性偶力のうち、カウンタウエイト部109によって打ち消されることなく残存する逆回転方向の慣性偶力成分に起因して、すりこぎ運動が生じる。このすりこぎ運動の周波数は、概ねクランクシャフト100の回転数と一致する(一次振動)。したがって、クランクシャフト100の回転数が第1マウント15や第2マウント17の共振周波数に近いと(例えばアイドル時)、上述したパワープラント10の支持特性を採用したとしても、第1マウント15及び第2マウント17がパワープラント10と共振して振動が一層大きくなり得る。
ここで、仮にバランサシャフト20の第1バランサマス24及び第2バランサマス26の双方の質量が共に仮想基準質量であるものとする。この場合、ピストン116の動作に伴ってパワープラント10に発生する慣性偶力のうち、カウンタウエイト部109によって打ち消されることなく残存する成分は、以下に示すようにほぼ完全に打ち消されるため、上記共振は生じ得ない。具体的には、図3の(c)に示すように、パワープラント10に発生する慣性偶力に関して、クランクシャフト100の中心軸線方向一方側が上向きの位相、他方側が下向きの位相になっているものとする。こうした位相状態の下、図3の(d)の点線の丸で示すように、バランサシャフト20の第1バランサマス24の質量が仮想基準質量である場合、シャフト本体22におけるクランクシャフト100の中心軸線方向一方側には、パワープラント10におけるクランクシャフト100の中心軸線方向一方側に作用する力と同じ大きさの力が逆向き(下向き)に発生する。また、第2バランサマス26の質量が仮想基準質量である場合、シャフト本体22におけるクランクシャフト100の中心軸線方向他方側には、パワープラント10におけるクランクシャフト100の中心軸線方向他方側に作用する力と同じ大きさの力が逆向き(上向き)に発生する。したがって、バランサシャフト20には、カウンタウエイト部109によって打ち消されることなくパワープラント10に残存している慣性偶力を完全に打ち消すことができる慣性偶力が発生することから、パワープラント10全体としてはすりこぎ運動に伴う振動は生じない。
これに対して、本実施形態のバランサシャフト20の第1バランサマス24及び第2バランサマス26の双方の質量は、仮想基準質量よりも小さくなっている。そのため、パワープラント10に発生する力の一部は、バランサシャフト20によって打ち消されることなく残存する。具体的には、図5の(a)に示すように、クランクシャフト100の中心軸線方向一方側では上向きの力が、他方側では下向きの力が残存する。さらに、本実施形態では、第1バランサマス24の質量が第2バランサマス26の質量よりも小さいことから、クランクシャフト100の中心軸線方向一方側に残存する上向きの力は、クランクシャフト100の中心軸線方向他方側に残存する下向きの力よりも大きくなっている。詳細には、第1バランサマス24の質量が、仮想基準質量の60%の大きさであることから、クランクシャフト100の中心軸線方向一方側に残存する上向きの力は、バランサシャフト20が存在しなかったときに残存する慣性力の40%に該当する。また、第2バランサマス26の質量が、仮想基準質量の80%の大きさであることから、クランクシャフト100の中心軸線方向他方側に残存する下向きの力は、バランサシャフト20が存在しなかったときに残存する慣性力の20%に該当する。
上記のとおりクランクシャフト100の中心軸線方向一方側と他方側とでパワープラント10に残存する力が異なっていることから、この残存する力の一部は慣性偶力とは別に、慣性力として作用する。すなわち、上記残存する力は、慣性偶力と慣性力とに区分できる。図5の(b)に示すように、慣性偶力に関しては、クランクシャフト100の中心軸線方向の一方側と他方側とにそれぞれ残存する力の向きを反映して、中心軸線方向一方側では上向きの位相、他方他では下向きの位相となっている。慣性偶力の大きさは、残存する力を、パワープラント10の重心G位置からのクランクシャフト100の中心軸線方向の距離で乗じて総和することで決まる。なお、一方側と他方側とで、残存する力を、同じ大きさであり且つ逆向きとすることで、図5の(b)では慣性力は発生しない。
また、図5の(c)に示すように、慣性力に関しては、クランクシャフト100の中心軸線方向一方側に残存する上向きの力が、他方側に残存する下向きの力よりも大きくなっていることを反映して、上向きの位相となる。この慣性力に係る力の大きさは、クランクシャフト100の中心軸線方向の一方側と他方側とにそれぞれ残存する力を、位相を考慮して足し合わせたものである。そして、この慣性力は、パワープラント10の重心G位置に作用する。
内燃機関12のアイドル時において、上記のようにパワープラント10に残存する力に起因してパワープラント10が変位しようとする方向を、パワープラント10の支持特性を考慮して説明する。先ず、パワープラント10に残存する慣性偶力に起因してパワープラント10が変位しようとする方向を説明する。慣性偶力がクランクシャフト100の中心軸線方向一方側で上向きの位相、他方他で下向きの位相となっていることから、図6の(a)に示すように、パワープラント10は、クランクシャフト100の中心軸線方向一方側が上側へ変位しようとし、他方側が下側へ変位しようとする。
次に、パワープラント10に残存する慣性力に起因してパワープラント10が変位しようとする方向を説明する。前提として、パワープラント10の支持特性において説明したとおり、第2マウント17のばね定数が第1バランサマス24のばね定数よりも大きくなっている結果として、弾性主軸Pが、パワープラント10の重心Gよりもクランクシャフト100の中心軸線方向他方側に寄っている。弾性主軸Pが寄っている結果として、図4の(b)及び(c)に示すように、上下の慣性力に対して、パワープラント10は傾いて変位する。ここで、弾性主軸Pは、パワープラント10に作用する支持力を合算して一点に集約したときの作用点となる。上記のとおり、パワープラント10に残存している慣性力は上向きの位相であることから、パワープラント10の弾性主軸Pの位置においては上向きの力が作用する。そのため、図6の(b)に示すように、パワープラント10においては、弾性主軸Pが寄っている側である、クランクシャフト100の中心軸線方向他方側が上向きに変位しようとする。その一方で、クランクシャフト100の中心軸線方向一方側は下向きに変位しようとする。つまり、慣性力に起因してパワープラント10が変位しようとする方向は、慣性偶力に起因してパワープラント10が変位しようとする方向と逆位相になっている。
上記のとおり、パワープラント10に残存する慣性力と慣性偶力との双方の大きさは、互いに似通った大きさとなっている。その上で、慣性力に起因してパワープラント10が変位しようとする方向と、慣性偶力に起因してパワープラント10が変位しようとする方向とが逆位相になっている。この結果として、慣性力に係るパワープラント10の動作と、慣性偶力に係るパワープラント10の動作とが互いに相殺される。このように、本実施形態によれば、パワープラント10の支持特性により、パワープラント10に残存する力のうち慣性力と慣性偶力とが互いを打ち消すように作用する。したがって、パワープラント10の振動は抑制される。
以上のとおり、バランサシャフト20の第1バランサマス24及び第2バランサマス26の双方の質量が共に仮想基準質量よりも小さいことから、パワープラント10に発生する慣性偶力を100%打ち消すことができるバランサシャフトに比べて、バランサシャフト20を軽量化できる。尚且つ、第1バランサマス24及び第2バランサマス26のばね定数の違いにより、パワープラント10に残存する力のうちの慣性偶力成分と慣性力成分とが互いに打ち消し合うように作用する。したがって、パワープラント10の全体としては、振動を抑制できる。
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・第1バランサマス24及び第2バランサマス26の双方の質量が仮想基準質量以下となっていて尚且つ第1バランサマス24の質量が第2バランサマス26の質量よりも小さくなっていることを前提として、第1バランサマス24の質量及び第2バランサマス26の質量を、上記実施形態の例から変更してよい。第1バランサマス24の質量及び第2バランサマス26の質量は、パワープラント10に残存する力のうち、慣性力と慣性偶力とが互いをある程度打ち消すように作用する大きさになっていればよい。なお、慣性力と慣性偶力とがどの程度打ち消し合うかは、第1マウント15及び第2マウント17のばね定数の差や、仮想基準質量に対する第1バランサマス24や第2バランサマス26の質量の差等によって左右される。
・第1マウント15を液封化することは必須ではない。第1マウント15のばね定数と第2マウント17のばね定数との差が小さければ、クランクシャフト100の中心軸線方向の一方側と他方側とにおけるパワープラント10の変位量の差を小さくできる。
・第1マウント15と第2マウント17とを入れ替えてもよい。つまり、パワープラント10におけるクランクシャフト100の中心軸線方向一方側を、第2マウント17を介して車体で支持し、他方側を、第1マウント15を介して車体で支持するようにしてもよい。この場合、バランサシャフト20において、第1バランサマス24と第2バランサマス26とを入れ替えればよい。つまり、第2バランサマス26をクランクシャフト100の中心軸線方向一方側に配置し、第1バランサマス24を他方側に配置すればよい。
・パワープラント10は、内燃機関12が縦置きになるように配置してもよい。つまり、クランクシャフト100の中心軸線方向が車幅方向と直交していてもよい。この場合でも、バランサマスを軽量化し、尚且つパワープラント10の振動を抑制できる。具体的には、パワープラント10をクランクシャフト100の中心軸線方向一方側と他方側とでマウントによって支持するとともに、クランクシャフト100の中心軸線方向一方側のマウントと他方側のマウントとでばね定数を異なる大きさにする。そして、クランクシャフト100の中心軸線方向一方側に位置するバランサマスと他方側に位置するバランサマスとの双方の質量を基準仮想質量よりも小さくするとともに、ばね定数が大きいマウントの側のバランサマスの質量を、ばね定数が小さいマウントの側のバランサマスの質量よりも大きくすればよい。
・上記実施形態におけるパワープラント10の重心Gの位置は一例である。例えば内燃機関12における補機の配置等によって、パワープラント10の重心Gの位置が、クランクシャフト100の中心軸線方向に関して内燃機関12の中央から離れていることもあり得る。
・上記実施形態における第1バランサマス24の形状は一例である。第1バランサマス24は、当該第1バランサマス24の重心の位置が、シャフト本体22の中心軸線上から外れた位置にくる形状になっていればよい。例えば、円環部24aを廃止してマス部24bのみによって第1バランサマス24を構成してもよい。この場合、マス部24bの内周をシャフト本体22の外周に固定すればよい。第2バランサマス26についても同様である。
10…パワープラント、12…内燃機関、15…第1マウント、17…第2マウント、20…バランサシャフト、22…シャフト本体、24…第1バランサマス、26…第2バランサマス、100…クランクシャフト。

Claims (1)

  1. クランクシャフトの中心軸線方向に関する中央よりも一方側が、弾性変形する第1マウントを介して車体に支持され、前記クランクシャフトの中心軸線方向に関する中央よりも他方側が、弾性変形するとともに前記第1マウントよりもばね定数の大きい第2マウントを介して車体に支持される直列3気筒の内燃機関に適用されるバランサシャフトであって、
    前記内燃機関に取り付けられた状態において前記クランクシャフトの中心軸線と平行に配置されるシャフト本体と、前記シャフト本体に固定されているとともに前記シャフト本体の中心軸線上から外れた位置に重心が位置する第1バランサマスと、前記シャフト本体に固定されているとともに前記シャフト本体の中心軸線上から外れた位置であって前記第1バランサマスの重心と周方向に180度ずれた位置に重心が位置している第2バランサマスとを備え、
    前記第1バランサマスは、前記シャフト本体における中心軸線方向の中央よりも前記クランクシャフトの中心軸線方向一方側に位置しており、前記第2バランサマスは、前記シャフト本体における中心軸線方向の中央よりも前記クランクシャフトの中心軸線方向他方側に位置しており、
    前記第1バランサマスの質量及び前記第2バランサマスの質量に関して、気筒内におけるピストンの往復運動によって前記内燃機関に生じる慣性偶力を100%打ち消すことができる仮想的な質量を仮想基準質量としたとき、前記第2バランサマスの質量は前記仮想基準質量以下になっており、前記第1バランサマスの質量は前記第2バランサマスの質量よりも小さくなっている
    バランサシャフト。
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