JP2020111759A - 粘着剤組成物及び粘着フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】カバーガラスに配設された枠印刷への段差追従性が良好であり、カバーガラスとセンサーガラスとを貼り合わせる場合でも、優れた段差追従性と、耐久性とを兼ね備えた粘着剤組成物及びそれを用いた粘着フィルムを提供する。【解決手段】アクリル系ポリマーが、(A)アルキル基の炭素数がC1〜C14のアルキルアクリレートモノマーと、(B)脂環族含有モノマーと、(C)分岐構造アルキル基含有モノマーと、(D)窒素含有ビニルモノマーと、から選択されたモノマーの合計100重量部と、(E)水酸基含有共重合性ビニルモノマーの合計を0.1〜10.0重量部と、を共重合して得られた共重合体であり、アクリル系ポリマーの酸価が1以下であり、(A)〜(D)のモノマーの合計100重量部に対して、架橋剤としてイソシアネート化合物を0.01〜3.0重量部と、シランカップリング剤を0.01〜2.0重量部との割合で含有してなる。【選択図】なし
Description
本発明は、タッチパネル部材のカバーガラス(またはタッチセンサーガラス)とセンサーガラス(またはセンサーフィルム)との貼り合わせ用に用いられる粘着剤層及び粘着フィルムに関する。さらに詳細には、カバーガラスに配設された枠印刷への段差追従性が良好であり、カバーガラスとセンサーガラスとを貼り合わせる場合でも、優れた段差追従性と、耐久性とを兼ね備えた光学用粘着剤層及びそれを用いた、タッチパネル用粘着フィルム、粘着剤層付き光学フィルムに関する。
タッチパネルが適用されるディスプレイ(表示装置)としては、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(無機EL、有機EL)などが挙げられ、そのタッチパネルが利用される具体的な電子機器としては、液晶テレビ、携帯端末、携帯電話、電子ペーパー、電子書籍端末、パソコンなどが挙げられる。
例えば、特許文献1には、液晶装置やタッチパネルにおいて、遮光層の段差を有する透光部材を表示面の上に接着するため、耐衝撃性と厚みのある粘着剤層と、気泡の入り込みにくい接着剤層とを併用することが記載されている。
また、特許文献2には、環状オレフィン系樹脂、飽和ポリイソブチレン樹脂、アクリル樹脂、光開始剤等を含有する透明粘着シートを用いて、タッチパネルとガラス板等の表面保護層との間を貼付する方法が記載されている。
また、特許文献3には、アルケニル基を有するポリオキシアルキレン系重合体、ヒドロシリル基を有する化合物、ヒドロシリル化触媒等を含有する透明粘着シートを用いて、タッチパネルと保護透明板との間を接着する方法が記載されている。
また、特許文献2には、環状オレフィン系樹脂、飽和ポリイソブチレン樹脂、アクリル樹脂、光開始剤等を含有する透明粘着シートを用いて、タッチパネルとガラス板等の表面保護層との間を貼付する方法が記載されている。
また、特許文献3には、アルケニル基を有するポリオキシアルキレン系重合体、ヒドロシリル基を有する化合物、ヒドロシリル化触媒等を含有する透明粘着シートを用いて、タッチパネルと保護透明板との間を接着する方法が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の表示装置では、タッチパネルの表面に透光部材を接着剤層及び粘着剤層を介して貼り合わせるのは、粘着剤層のみを使用する場合に比べて、余分な手間を要することからコスト上昇の原因となり、安価な表示装置には採用できないという問題があった。また、特許文献1に記載の表示装置では、液晶装置の外周を囲むような厚さが5〜10μm程度の遮光層が形成されているが、遮光層の印刷段差の影響が及ばないように、遮光層の枠内に、接着剤層及び粘着剤層の領域が配設されている。
また、特許文献2には、特定の貯蔵弾性率を有する粘着剤層を介して、タッチパネルの表面に、光遮光層を有する表面保護層を貼り合わせることが開示されている。この粘着剤層を使用すると気泡を生じないとしているが、表面保護層をタッチパネルに貼り合わせた後、表面保護層、もしくは、タッチパネルの反対側から紫外線照射して、粘着剤を硬化させることから、光遮光層の裏側に紫外線が充分に照射されないという問題があった。
また、特許文献3には、特定のせん断貯蔵弾性率とゲル分率とを有する透明粘着シートを介して、タッチパネルの表面に、黒色印刷層を有する保護透明板を貼り合わせることが開示されている。特許文献3の透明粘着シートを使用すれば、液晶表示パネルと保護透明板との接着面において発泡が生じないとしている。しかし、透明粘着シートを介して、透明プラスチックからなる保護透明板を液晶パネルに接着しているため、黒色印刷層の段差が生じている隅部において、気泡が残ることを避けることができないという問題があった。
本発明は、カバーガラスに配設された枠印刷への段差追従性が良好であり、カバーガラスとセンサーガラスとを貼り合わせる場合でも、優れた段差追従性と、耐久性とを兼ね備えた光学用粘着剤層及びそれを用いた粘着フィルムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明者らは、鋭意検討した結果、粘着剤層のゲル分率、および粘着剤層にせん断力をかけた時の歪値が、所定の範囲である場合、優れた段差追従性と、耐久性とを兼ね備えていることを見出した。本発明は、粘着剤層のゲル分率が40〜75%であり、粘着剤層を1000μmの厚みに積層して測定した、1Hz、100℃での貯蔵弾性率が100000(10の5乗)Pa以下であり、荷重1Nでせん断力500Paを30分間かけ続けた時の歪が15%以上であり、かつ、その後の歪回復力が50%以上である粘着剤層とすることを技術思想としている。
前記課題を解決するため、本発明は、アクリル系ポリマーと、架橋剤と、を含む粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層であり、前記アクリル系ポリマーが、アルキル基の炭素数がC1〜C14のアルキルアクリレートモノマーと、脂環族含有モノマーと、分岐構造アルキル基含有モノマーと、窒素含有ビニルモノマーと、からなるモノマー群から選択された少なくとも1種以上のモノマーと、水酸基含有共重合性ビニルモノマーとを共重合して得られた共重合体であり、前記アクリル系ポリマーが、前記モノマー群から選択された少なくとも1種以上のモノマーの合計100重量部に対して、前記水酸基含有共重合性ビニルモノマーを0.1〜10.0重量部を含有し、前記粘着剤層のゲル分率が40〜75%であり、前記粘着剤層を1000μmの厚みに積層して測定した、1Hz、100℃での貯蔵弾性率が100000Pa以下であり、荷重1Nでせん断力500Paを30分間かけ続けた時の歪が15%以上であり、かつ、その後の歪回復力が50%以上であることを特徴とする粘着剤層を提供する。
また、前記アクリル系ポリマーの酸価が1以下であり、前記粘着剤組成物が、前記架橋剤としてイソシアネート化合物を、前記モノマー群から選択された少なくとも1種以上のモノマーの合計100重量部に対して、0.01〜3.0重量部含有し、前記粘着剤組成物を架橋した後の粘着剤層を、基材の片面に175μmの厚みに積層した時の、粘着力が20N/25mm以上であり、全光線透過率が90%以上であり、ヘイズ値が1.0%以下であることが好ましい。
また、前記粘着剤組成物が、さらに、前記モノマー群から選択された少なくとも1種以上のモノマーの合計100重量部に対して、シランカップリング剤を0.01〜2.0重量部含有することが好ましい。
また、前記水酸基含有共重合性ビニルモノマーが、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、からなる化合物群の中から選択された少なくとも一種以上であることが好ましい。
また、前記粘着剤組成物が、さらに、前記モノマー群から選択された少なくとも1種以上のモノマーの合計100重量部に対して、一分子中に2〜3個のアクリロイル基を有する多官能アクリレートモノマーを0.1〜10重量部と、光重合開始剤を0.01〜2.0重量部と、を含有し、前記粘着剤組成物を架橋した後の前記粘着剤層を、被着体に貼り合わせた後に、さらに、紫外線照射による紫外線硬化をした後の、前記粘着剤層のゲル分率が50〜95%であることが好ましい。
また、前記粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層である、前記粘着剤層を、被着体に貼り合わせた後に、さらに、紫外線照射による紫外線硬化をした粘着剤層であり、前記粘着剤組成物が、さらに、前記モノマー群から選択された少なくとも1種以上のモノマーの合計100重量部に対して、一分子中に2〜3個のアクリロイル基を有する多官能アクリレートモノマーを0.1〜10重量部と、光重合開始剤を0.01〜2.0重量部と、を含有し、前記紫外線硬化をした後の、前記粘着剤層のゲル分率が50〜95%であることが好ましい。
また、本発明は、基材の片面上に、前記粘着剤層が積層されてなる、タッチパネル用粘着フィルムを提供する。
また、本発明は、光学フィルムの少なくとも一方の面に、前記粘着剤層が積層されてなる、粘着剤層付き光学フィルムを提供する。
本発明の粘着剤層によれば、粘着剤層のゲル分率、および粘着剤層にせん断力をかけた時の歪値が、所定の範囲となるようにしていることから、カバーガラスに配設された枠印刷への段差追従性が良好であり、カバーガラスとセンサーガラスとを貼り合わせる場合でも、優れた段差追従性と、耐久性とを兼ね備えた光学用粘着剤層及びそれを用いた粘着フィルムを提供することができる。
以下、好適な実施形態に基づいて、本発明を説明する。
本発明の粘着剤層は、アクリル系ポリマーと、架橋剤と、を含む粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層であり、前記アクリル系ポリマーが、アルキル基の炭素数がC1〜C14のアルキルアクリレートモノマーと、脂環族含有モノマーと、分岐構造アルキル基含有モノマーと、窒素含有ビニルモノマーと、からなるモノマー群から選択された少なくとも1種以上のモノマーと、水酸基含有共重合性ビニルモノマーとを共重合して得られた共重合体であり、前記アクリル系ポリマーが、前記モノマー群から選択された少なくとも1種以上のモノマーの合計100重量部に対して、前記水酸基含有共重合性ビニルモノマーを0.1〜10.0重量部を含有し、前記粘着剤層のゲル分率が40〜75%であり、前記粘着剤層を1000μmの厚みに積層して測定した、1Hz、100℃での貯蔵弾性率が100000Pa以下であり、荷重1Nでせん断力500Paを30分間かけ続けた時の歪が15%以上であり、かつ、その後の歪回復力が50%以上であることを特徴とする。
本発明の粘着剤層は、アクリル系ポリマーと、架橋剤と、を含む粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層であり、前記アクリル系ポリマーが、アルキル基の炭素数がC1〜C14のアルキルアクリレートモノマーと、脂環族含有モノマーと、分岐構造アルキル基含有モノマーと、窒素含有ビニルモノマーと、からなるモノマー群から選択された少なくとも1種以上のモノマーと、水酸基含有共重合性ビニルモノマーとを共重合して得られた共重合体であり、前記アクリル系ポリマーが、前記モノマー群から選択された少なくとも1種以上のモノマーの合計100重量部に対して、前記水酸基含有共重合性ビニルモノマーを0.1〜10.0重量部を含有し、前記粘着剤層のゲル分率が40〜75%であり、前記粘着剤層を1000μmの厚みに積層して測定した、1Hz、100℃での貯蔵弾性率が100000Pa以下であり、荷重1Nでせん断力500Paを30分間かけ続けた時の歪が15%以上であり、かつ、その後の歪回復力が50%以上であることを特徴とする。
本発明に係わる粘着剤層のアクリル系ポリマーは、第1モノマー群に属するモノマーとして、アルキル基の炭素数がC1〜C14のアルキルアクリレートモノマーと、脂環族含有モノマーと、分岐構造アルキル基含有モノマーと、窒素含有ビニルモノマーと、からなるモノマー群から選択された少なくとも1種以上のモノマーを使用し、第2モノマー群に属するモノマーとして、水酸基含有共重合性ビニルモノマーを使用し、第1モノマー群に属するモノマーと、第2モノマー群に属するモノマーとを、それぞれ1種以上共重合して得られた共重合体である。本明細書中、(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタクリレートの総称である。
本発明に係わる粘着剤層の粘着剤組成物において、アルキル基の炭素数がC1〜C14のアルキルアクリレートモノマーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ウンデシルアクリレート、ドデシルアクリレート、トリデシルアクリレート、テトラデシルアクリレートなどの少なくとも1種以上が挙げられる。アルキルアクリレートモノマーのアルキル基は、直鎖状、分枝状、環状のいずれでもよいが、ここでのアルキル基は、直鎖状である。分枝状アルキル基を有するアクリレートモノマーは、分岐構造アルキル基含有モノマーに属する。また、環状アルキル基を有するアクリレートモノマーは、脂環族含有モノマーに属する。
本発明に係わる粘着剤層の粘着剤組成物において、脂環族含有モノマーとしては、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ビシクロヘプチル(メタ)アクリレート、ビシクロオクチル(メタ)アクリレート、ジメチルビシクロヘプチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートなどの少なくとも1種以上が挙げられる。脂環族含有モノマーは、アルキル基の炭素数がC1〜C18の脂環族アルキル(メタ)アクリレートモノマーであってもよい。
本発明に係わる粘着剤層の粘着剤組成物において、分岐構造アルキル基含有モノマーとしては、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソウンデシル(メタ)アクリレート、イソドデシル(メタ)アクリレート、イソトリデシル(メタ)アクリレート、イソテトラデシル(メタ)アクリレート、イソペンタデシル(メタ)アクリレート、イソヘキサデシル(メタ)アクリレート、イソヘプタデシル(メタ)アクリレート、イソオクタデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートなどの少なくとも1種以上が挙げられる。分岐構造アルキル基含有モノマーは、アルキル基の炭素数がC1〜C18の分岐構造アルキル(メタ)アクリレートモノマーであってもよい。分岐構造アルキル基含有モノマーは、t−ブチル基のように、アルキル基が2以上の分岐構造(例えば主鎖に対する2以上の側鎖)を有してもよい。
本発明に係わる粘着剤層の粘着剤組成物において、窒素含有ビニルモノマーとしては、アミド結合を含有するビニルモノマー、アミノ基を含有するビニルモノマー、窒素含有の複素環式構造を有するビニルモノマー等が挙げられる。より具体的には、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルピロリドン、メチルビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール、N−ビニルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルラウリロラクタム等の、N−ビニル置換の複素環式構造を有する環状窒素ビニル化合物;N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピペラジン、N−(メタ)アクリロイルアジリジン、N−(メタ)アクリロイルアゼチジン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−(メタ)アクリロイルアゼパン、N−(メタ)アクリロイルアゾカン等の、N−(メタ)アクリロイル置換の複素環式構造を有する環状窒素ビニル化合物;N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等の、窒素原子及びエチレン系不飽和結合を環内に有する複素環式構造を有する環状窒素ビニル化合物;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド等の無置換又はモノアルキル置換の(メタ)アクリルアミド;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル−N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキル置換(メタ)アクリルアミド;N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノイソプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチル−N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチル−N−プロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチル−N−イソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノ(メタ)アクリレート;N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エチル−N−メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−プロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアルキル置換アミノプロピル(メタ)アクリルアミド;N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド等のN−ビニルカルボン酸アミド類;N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の、(メタ)アクリルアミド類;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和カルボン酸ニトリル類;などが挙げられる。
窒素含有ビニルモノマーとしては、水酸基を含有しないものが好ましく、水酸基およびカルボキシル基を含有しないものがより好ましい。このようなモノマーとしては、上に例示したモノマー、例えば、N,N−ジアルキル置換アミノ基やN,N−ジアルキル置換アミド基を含有するアクリル系モノマー;N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニル−2−ピペリドンなどのN−ビニル置換ラクタム類;N−(メタ)アクリロイルモルホリンやN−(メタ)アクリロイルピロリジンなどのN−(メタ)アクリロイル置換環状アミン類が好ましい。
窒素含有ビニルモノマーとしては、水酸基を含有しないものが好ましく、水酸基およびカルボキシル基を含有しないものがより好ましい。このようなモノマーとしては、上に例示したモノマー、例えば、N,N−ジアルキル置換アミノ基やN,N−ジアルキル置換アミド基を含有するアクリル系モノマー;N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニル−2−ピペリドンなどのN−ビニル置換ラクタム類;N−(メタ)アクリロイルモルホリンやN−(メタ)アクリロイルピロリジンなどのN−(メタ)アクリロイル置換環状アミン類が好ましい。
本発明に係わる粘着剤層の粘着剤組成物において、水酸基含有共重合性ビニルモノマーとしては、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート類や、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の水酸基含有(メタ)アクリルアミド類などの少なくとも1種以上が挙げられる。中でも、水酸基含有共重合性ビニルモノマーが、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、からなる化合物群の中から選択された少なくとも1種以上であることが好ましい。本発明に係わるアクリル系ポリマーは、前記第1モノマー群に属するモノマーの合計100重量部に対して、水酸基含有共重合性ビニルモノマー0.1〜10.0重量部を含有することが好ましく、0.2〜5.0重量部を含有することがより好ましく、0.2〜4.0重量部を含有することが特に好ましい。
本発明に係わる粘着剤層の粘着剤組成物において、アクリル系ポリマーは、粘着剤層の誘電率を低くする観点から、芳香族基を有する(メタ)アクリレートモノマーを含有しないことが好ましい。同様に、芳香族基を有する(メタ)アクリレートに限らず、芳香族基を有する共重合性ビニルモノマー(スチレン等)を含有しないことができる。また、透明導電性フィルムのITO表面などの腐食し易い被着体に対する腐食性への影響を避ける観点から、アクリル系ポリマーの酸価が1以下であることが好ましい。
前記アクリル系ポリマーとして使用される共重合体の重合方法は、特に限定されるものではなく、溶液重合法、乳化重合法等、適宜、公知の重合方法が使用可能である。前記アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリレートモノマーなどのアクリル系モノマーを50〜100重量%含むことが好ましい。
前記粘着剤組成物は、上記のアクリル系ポリマーに、架橋剤や、適宜任意の添加剤を配合することで、必要とされる物性値などの特性を調整することができる。
架橋剤としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等のジイソシアネート類のビュレット変性体やイソシアヌレート変性体、トリメチロールプロパンや、グリセリン等の3価以上のポリオールとのアダクト体などのポリイソシアネート化合物の少なくとも1種以上が挙げられる。アクリル系ポリマーが、架橋剤のイソシアネート化合物と架橋反応可能な官能基として、水酸基を有することが好ましく、また、これらの官能基を側鎖に有するモノマーを含有することが好ましい。
架橋剤として使用されるイソシアネート化合物の含有量は、第1モノマー群に属するモノマーの合計100重量部に対して、0.01〜3.0重量部が好ましい。架橋剤として、イソシアネート化合物のみを用いてもよい。
架橋剤として使用されるイソシアネート化合物の含有量は、第1モノマー群に属するモノマーの合計100重量部に対して、0.01〜3.0重量部が好ましい。架橋剤として、イソシアネート化合物のみを用いてもよい。
前記粘着剤組成物は、さらに、シランカップリング剤を含有することが好ましい。シランカップリング剤としては、1分子中に、少なくとも1つの有機官能基と、少なくとも1つの加水分解性基を有し、前記加水分解性基が、ケイ素原子に結合したアルコキシ基等である化合物が挙げられる。前記シランカップリング剤が、エポキシ基、(メタ)アクリロキシ基、メルカプト基、アミノ基からなる群から選択された少なくとも一種類の、有機官能基を有することが好ましい。ここで、(メタ)アクリロキシ基とは、アクリロキシ基(CH2=CHCOO−)、又は、メタクリロキシ基(CH2=C(CH3)COO−)を意味する。
エポキシ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、5,6−エポキシヘキシルトリメトキシシラン、5,6−エポキシヘキシルメチルジメトキシシラン、5,6−エポキシヘキシルメチルジエトキシシラン、5,6−エポキシヘキシルトリエトキシシランなどが挙げられる。
(メタ)アクリロキシ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシランなどが挙げられる。
メルカプト基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(メチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(メチルアミノ)プロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
また、前記有機官能基を含み、オリゴマー化したアルコキシオリゴマー(シリコーンアルコキシオリゴマー)なども、シランカップリング剤として用いることができる。
(メタ)アクリロキシ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシランなどが挙げられる。
メルカプト基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(メチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(メチルアミノ)プロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
また、前記有機官能基を含み、オリゴマー化したアルコキシオリゴマー(シリコーンアルコキシオリゴマー)なども、シランカップリング剤として用いることができる。
シランカップリング剤の含有量は、第1モノマー群に属するモノマーの合計100重量部に対して、0.01〜2.0重量部が好ましい。
その他任意の成分として、酸化防止剤、界面活性剤、硬化促進剤、可塑剤、充填剤、架橋触媒、架橋遅延剤、硬化遅延剤、加工助剤、老化防止剤などの公知の添加剤を適宜に配合することができる。これらは、単独で、もしくは2種以上併せて用いてもよい。
本発明の粘着剤層は、前記粘着剤組成物を基材や離型フィルムに塗布した後、粘着剤組成物を架橋することで得ることができる。架橋後の粘着剤層のゲル分率は、40〜75%であることが好ましい。また、カバーガラスの枠印刷への段差追従性が良好であり、カバーガラスとセンサーガラスとを貼り合わせる場合でも、優れた段差追従性と、耐久性とを兼ね備えた光学用粘着剤層とするためには、粘着剤層を1000μmの厚みに積層して測定した、1Hz、100℃での貯蔵弾性率が100000Pa以下であり、荷重1Nでせん断力500Paを30分間かけ続けた時の歪が15%以上であり、かつ、その後の歪回復力が50%以上であることが好ましい。
光学部材の層間の貼合などに用いる場合、前記粘着剤組成物を架橋した後の粘着剤層を、基材の片面に175μmの厚みに積層した時の、粘着力が20N/25mm以上であり、全光線透過率が90%以上であり、ヘイズ値が1.0%以下であることが好ましい。粘着力の試験に使用される被着体としては、無アルカリガラス等のガラス板、樹脂フィルム等が挙げられる。
本発明の粘着剤層は、前記粘着剤組成物を架橋して得た後に、被着体に貼り合わせ、さらに、紫外線照射による紫外線硬化をした粘着剤層とすることもできる。この場合、前記粘着剤組成物は、アクリル系ポリマーと、架橋剤と、多官能アクリレートモノマーと、光重合開始剤とを、必須成分として含有することが好ましい。この粘着剤組成物は、任意成分として、上述のシランカップリング剤等を、さらに含有することができる。
多官能アクリレートモノマーとしては、一分子中に2〜3個のアクリロイル基を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、2価アルコール(ジオール)のジアクリレート、3価アルコール(トリオール)のジアクリレートまたはトリアクリレート、4価アルコール(テトラオール)のジアクリレートまたはトリアクリレート等が挙げられる。具体例としては、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、等の1種又は2種以上が挙げられる。多官能アクリレートモノマーと同様に、一分子中に2〜3個のメタクリロイル基を有する多官能メタクリレートモノマーを用いることもできる。これらの多官能モノマーは、粘着剤組成物中に1種又は2種以上を用いることができる。本発明の粘着剤組成物に用いられる多官能モノマーは、(メタ)アクリロイル基等の重合性官能基を、一分子中に2〜3個有することが好ましい。前記粘着剤組成物は、一分子中に4個以上の重合性官能基を有するモノマーを含まなくてもよい。
光重合開始剤は、特に限定されないが、例えば、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤等が挙げられる。
アセトフェノン系光重合開始剤としては、アセトフェノン、p−(tert−ブチル)1’,1’,1’−トリクロロアセトフェノン、クロロアセトフェノン、2’,2’−ジエトキシアセトフェノン、ヒドロキシルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2’−フェニルアセトフェノン、2−アミノアセトフェノン、ジアルキルアミノアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等が挙げられる。
ベンゾイン系光重合開始剤としては、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等が挙げられる。
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、メチル−o−ベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシルベンゾフェノン、ヒドロキシルプロピルベンゾフェノン、アクリルベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
チオキサントン系光重合開始剤としては、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ジメチルチオキサントン等が挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、α−アシルオキシムエステル、ベンジル−(o−エトキシカルボニル)−α−モノオキシム、アシルホスフィンオキサイド、フェニルグリオキシル酸エステル、3−ケトクマリン、2−エチルアンスラキノン、カンファーキノン、テトラメチルチウラムスルフィド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシピバレート等が挙げられる。
アセトフェノン系光重合開始剤としては、アセトフェノン、p−(tert−ブチル)1’,1’,1’−トリクロロアセトフェノン、クロロアセトフェノン、2’,2’−ジエトキシアセトフェノン、ヒドロキシルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2’−フェニルアセトフェノン、2−アミノアセトフェノン、ジアルキルアミノアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等が挙げられる。
ベンゾイン系光重合開始剤としては、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等が挙げられる。
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、メチル−o−ベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシルベンゾフェノン、ヒドロキシルプロピルベンゾフェノン、アクリルベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
チオキサントン系光重合開始剤としては、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ジメチルチオキサントン等が挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、α−アシルオキシムエステル、ベンジル−(o−エトキシカルボニル)−α−モノオキシム、アシルホスフィンオキサイド、フェニルグリオキシル酸エステル、3−ケトクマリン、2−エチルアンスラキノン、カンファーキノン、テトラメチルチウラムスルフィド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシピバレート等が挙げられる。
多官能アクリレートモノマーと、光重合開始剤と、紫外線照射を用いることにより、架橋剤で架橋されたアクリル系ポリマーを、さらに紫外線硬化させ、耐久性を向上させることができる。架橋前の粘着剤組成物における多官能アクリレートモノマーの含有量は、第1モノマー群に属するモノマーの合計100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましい。また、光重合開始剤の含有量は、第1モノマー群に属するモノマーの合計100重量部に対して、0.01〜2.0重量部が好ましい。紫外線硬化をした後の、粘着剤層のゲル分率は、50〜95%であることが好ましい。
本発明に係わる粘着剤層を、光学部材の層間の貼合などに用いる場合、粘着剤層と光学部材との界面での光線の反射を低減させるため、屈折率の差がなるべく小さいことが望ましい。このため、前記粘着剤層の屈折率が1.47〜1.50であることが好ましい。
本発明に係わる粘着剤層を、タッチパネル等の電子機器に使用した場合、電磁界のノイズを低減する観点から、粘着剤層を、1000μmの厚みに積層して測定した、周波数100kHzにおける比誘電率が1.50〜5.50であり、かつ、誘電損失が0.01〜0.09であることが好ましい。
本発明の粘着フィルムは、本発明の粘着剤層を、基材又は離型フィルムの片面上に形成することで製造することができる。
粘着剤層の形成に用いる基材フィルムや、粘着面を保護する離型フィルム(セパレーター)としては、ポリエステルフィルムなどの樹脂フィルム等を用いることができる。
基材フィルムには、樹脂フィルムの粘着剤層が形成された側とは反対面に、シリコーン系、フッ素系の離型剤やコート剤、シリカ微粒子等による防汚処理、帯電防止剤の塗布や練り込み等による帯電防止処理を施すことができる。
粘着剤層の形成に用いる基材フィルムや、粘着面を保護する離型フィルム(セパレーター)としては、ポリエステルフィルムなどの樹脂フィルム等を用いることができる。
基材フィルムには、樹脂フィルムの粘着剤層が形成された側とは反対面に、シリコーン系、フッ素系の離型剤やコート剤、シリカ微粒子等による防汚処理、帯電防止剤の塗布や練り込み等による帯電防止処理を施すことができる。
離型フィルムには、粘着剤層の粘着面と合わされる側の面に、シリコーン系、フッ素系の離型剤などにより離型処理が施される。
1つの粘着剤層の両面に、それぞれ離型フィルムの離型処理が施された面を合わせることで、「離型フィルム/粘着剤層/離型フィルム」の構成とすることもできる。この場合、両側の離型フィルムを、順次、あるいは同時に剥離して粘着面を表出することにより、光学フィルム等の光学部材と貼合可能になる。光学フィルムとしては、偏光フィルム、位相差フィルム、反射防止フィルム、防眩(アンチグレア)フィルム、紫外線吸収フィルム、赤外線吸収フィルム、光学補償フィルム、輝度向上フィルム等が挙げられる。
1つの粘着剤層の両面に、それぞれ離型フィルムの離型処理が施された面を合わせることで、「離型フィルム/粘着剤層/離型フィルム」の構成とすることもできる。この場合、両側の離型フィルムを、順次、あるいは同時に剥離して粘着面を表出することにより、光学フィルム等の光学部材と貼合可能になる。光学フィルムとしては、偏光フィルム、位相差フィルム、反射防止フィルム、防眩(アンチグレア)フィルム、紫外線吸収フィルム、赤外線吸収フィルム、光学補償フィルム、輝度向上フィルム等が挙げられる。
本発明の粘着剤層は、カバーガラスとセンサーガラスのような、ガラスとガラスとの貼り合わせでも良好な段差追従性が得られるので、タッチパネルのカバーガラスとセンサーガラスとの貼り合わせに、好適に用いることができる。また、フィルム部材とガラス部材との貼り合わせを行う場合には、本発明の粘着剤層をフィルム部材の片面に積層して得られる、本発明の粘着フィルムは、カバーガラス、センサーガラス等のガラス部材に貼り合わせることもできる。本発明の粘着剤層及び粘着フィルムは、タッチパネル用粘着剤層及びタッチパネル用粘着フィルムとして好適である。段差追従性としては、例えば、粘着剤層の厚みが175μmのとき、42μmの印刷段差に対する良好な段差追従性が挙げられる。
本発明の粘着フィルムは、偏光板を主とする液晶表示装置の周辺部材用の各種光学フィルム、タッチパネル用の各種光学フィルム、電子ペーパー用の各種光学フィルム、有機EL用の各種光学フィルム等の貼り合わせに用いることができる。
また、これらの光学フィルムの少なくとも一方の面に、前記粘着剤層が積層されている粘着剤層付き光学フィルムとすることができる。具体的には、「光学フィルム/粘着剤層/光学フィルム」、「光学フィルム/粘着剤層/離型フィルム」、「光学フィルム/粘着剤層」、「光学フィルム/粘着剤層/光学フィルム/粘着剤層/光学フィルム」、「光学フィルム/粘着剤層/光学フィルム/粘着剤層/離型フィルム」、「離型フィルム/粘着剤層/光学フィルム/粘着剤層/離型フィルム」等の構成が挙げられる。
例えば、「光学フィルム/粘着剤層/離型フィルム」のように、離型フィルムで保護された粘着剤層を有する場合、離型フィルムを剥がして、「光学フィルム/粘着剤層」のように粘着剤層を表出させ、他の光学フィルムと貼合することにより、粘着剤層が層間の貼合に用いられた「光学フィルム/粘着剤層/光学フィルム」のような構成が得られる。
また、これらの光学フィルムの少なくとも一方の面に、前記粘着剤層が積層されている粘着剤層付き光学フィルムとすることができる。具体的には、「光学フィルム/粘着剤層/光学フィルム」、「光学フィルム/粘着剤層/離型フィルム」、「光学フィルム/粘着剤層」、「光学フィルム/粘着剤層/光学フィルム/粘着剤層/光学フィルム」、「光学フィルム/粘着剤層/光学フィルム/粘着剤層/離型フィルム」、「離型フィルム/粘着剤層/光学フィルム/粘着剤層/離型フィルム」等の構成が挙げられる。
例えば、「光学フィルム/粘着剤層/離型フィルム」のように、離型フィルムで保護された粘着剤層を有する場合、離型フィルムを剥がして、「光学フィルム/粘着剤層」のように粘着剤層を表出させ、他の光学フィルムと貼合することにより、粘着剤層が層間の貼合に用いられた「光学フィルム/粘着剤層/光学フィルム」のような構成が得られる。
本発明の粘着フィルムは、偏光板とディスプレイパネルとの貼り合わせに好適に用いられる。ディスプレイパネルとしては、例えば、液晶パネル又は有機ELパネルが挙げられる。本発明の粘着フィルムは、粘着剤層付き偏光板の粘着剤層として好適に用いることができる。偏光板の構成材料として、λ/4又はλ/2の位相差を持つ位相差フィルムが用いられてもよい。位相差フィルムと偏光板との貼り合わせに、本発明の粘着剤層を使用することができる。本発明の粘着フィルムによれば、粘着剤層が低誘電率であることから、カラーフィルタと偏光板の間にタッチセンサーが設けられたオンセル方式の表示装置において、偏光板とバックライトユニットとの間における光学部材の貼り合わせに好適に使用できる。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。
<アクリル系ポリマーの製造>
[実施例1]
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを導入して、反応装置内の空気を窒素ガスで置換した。その後、反応装置にブチルアクリレート80重量部、メチルアクリレート20重量部、8−ヒドロキシオクチルアクリレート1.0重量部とともに溶剤(酢酸エチル)を60重量部加えた。その後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を2時間かけて滴下させ、65℃で6時間反応させ、実施例1に用いるアクリル系ポリマー溶液を得た。アクリル系ポリマーの一部を採取し、後述する酸価の測定試料として用いた。
[実施例2〜5及び比較例1〜3]
モノマーの組成を各々、表1の(1)群及び(2)群の記載のようにする以外は、上記の実施例1に用いるアクリル系ポリマー溶液と同様にして、実施例2〜5及び比較例1〜3に用いるアクリル系ポリマー溶液を得た。
[実施例1]
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを導入して、反応装置内の空気を窒素ガスで置換した。その後、反応装置にブチルアクリレート80重量部、メチルアクリレート20重量部、8−ヒドロキシオクチルアクリレート1.0重量部とともに溶剤(酢酸エチル)を60重量部加えた。その後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を2時間かけて滴下させ、65℃で6時間反応させ、実施例1に用いるアクリル系ポリマー溶液を得た。アクリル系ポリマーの一部を採取し、後述する酸価の測定試料として用いた。
[実施例2〜5及び比較例1〜3]
モノマーの組成を各々、表1の(1)群及び(2)群の記載のようにする以外は、上記の実施例1に用いるアクリル系ポリマー溶液と同様にして、実施例2〜5及び比較例1〜3に用いるアクリル系ポリマー溶液を得た。
<粘着剤組成物、粘着剤層及び粘着フィルムの製造>
[実施例1]
上記のとおり製造した実施例1のアクリル系ポリマー溶液に対して、コロネートL(トリレンジイソシアネート(TDI)化合物のトリメチロールプロパン(TMP)アダクト体の75%酢酸エチル溶液)0.5重量部、KBM−803(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)0.2重量部を加えて撹拌混合して実施例1の粘着剤組成物を得た。この粘着剤組成物を、離型フィルム(シリコーン樹脂コートされたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム)の上に塗布後、90℃で乾燥することによって溶剤を除去した後、23℃、50%RHの雰囲気下で7日間エージングすることにより、粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層を、離型フィルムの片面上に有する、実施例1の粘着フィルムを得た。
[実施例2〜5及び比較例1〜3]
添加剤の組成を各々、表1の(3)群〜(6)群の記載のようにする以外は、上記の実施例1の粘着フィルムと同様にして、実施例2〜5及び比較例1〜3の粘着フィルムを得た。実施例3〜5及び比較例2の粘着フィルムでは、粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層に紫外線を照射して、さらに紫外線硬化をした。
[実施例1]
上記のとおり製造した実施例1のアクリル系ポリマー溶液に対して、コロネートL(トリレンジイソシアネート(TDI)化合物のトリメチロールプロパン(TMP)アダクト体の75%酢酸エチル溶液)0.5重量部、KBM−803(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)0.2重量部を加えて撹拌混合して実施例1の粘着剤組成物を得た。この粘着剤組成物を、離型フィルム(シリコーン樹脂コートされたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム)の上に塗布後、90℃で乾燥することによって溶剤を除去した後、23℃、50%RHの雰囲気下で7日間エージングすることにより、粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層を、離型フィルムの片面上に有する、実施例1の粘着フィルムを得た。
[実施例2〜5及び比較例1〜3]
添加剤の組成を各々、表1の(3)群〜(6)群の記載のようにする以外は、上記の実施例1の粘着フィルムと同様にして、実施例2〜5及び比較例1〜3の粘着フィルムを得た。実施例3〜5及び比較例2の粘着フィルムでは、粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層に紫外線を照射して、さらに紫外線硬化をした。
表1では、(1)群の、アルキル基の炭素数がC1〜C14のアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、脂環族含有モノマーと、分岐構造アルキル基含有モノマーとからなるモノマー群の合計を、100重量部として求めた。また、(2)群〜(6)群の添加割合として、重量部の数値を括弧で囲んで示す。
なお、(2)群は、水酸基含有共重合性ビニルモノマー及びカルボキシル基含有共重合性ビニルモノマーからなるモノマー群である。(3)群は、架橋剤である。(4)群は、シランカップリング剤である。(5)群は、多官能アクリレートモノマーである。(6)群は、光重合開始剤である。
なお、(2)群は、水酸基含有共重合性ビニルモノマー及びカルボキシル基含有共重合性ビニルモノマーからなるモノマー群である。(3)群は、架橋剤である。(4)群は、シランカップリング剤である。(5)群は、多官能アクリレートモノマーである。(6)群は、光重合開始剤である。
また、表1に用いた各成分の略記号の化合物名を、表2に示す。なお、コロネート(登録商標)Lは日本ポリウレタン工業株式会社の商品名であり、D−110N及びD−170Nは三井化学株式会社の商品名であり、KBM−803(上述)、KBE−9007(3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン)及びX−41−1805(メルカプト基含有シリコーンアルコキシオリゴマー)は信越化学工業株式会社の商品名である。TDIはトリレンジイソシアネートを意味し、TMPはトリメチロールプロパンを意味し、XDIはキシリレンジイソシアネートを意味し、HDIはヘキサメチレンジイソシアネートを意味する。IRGACURE(登録商標)651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、IRGACURE(登録商標)184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)、DAROCUR(登録商標)1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)は、BASF(ビーエーエスエフ)社の商品名である。
<試験方法及び評価>
実施例1〜5及び比較例1〜3における粘着フィルムから、離型フィルム(シリコーン樹脂コートされたPETフィルム)を剥がして、粘着剤層を表出させ、下記の試験方法及び測定方法により、評価した。
実施例1〜5及び比較例1〜3における粘着フィルムから、離型フィルム(シリコーン樹脂コートされたPETフィルム)を剥がして、粘着剤層を表出させ、下記の試験方法及び測定方法により、評価した。
<粘着力の測定方法>
厚さ50μmのポリエステルフィルムの片面に、厚み175μmの粘着剤層を転写して、試料となる粘着フィルム(粘着剤層付き光学フィルム)を得た。
得られた粘着フィルムを、アセトンで洗浄した無アルカリガラスの非錫面に圧着ロールで貼り合わせ、50℃、0.5MPa×20分間の条件でオートクレーブ処理した後、23℃×50%RHの雰囲気下に戻し、1時間経過させた。その後の粘着フィルムの剥離強度を、引張試験機によって、JIS Z0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準拠して測定し、180°方向に300mm/minの速度で剥離した時の剥離強度を、粘着フィルムの粘着剤層の粘着力(N/25mm)とした。
厚さ50μmのポリエステルフィルムの片面に、厚み175μmの粘着剤層を転写して、試料となる粘着フィルム(粘着剤層付き光学フィルム)を得た。
得られた粘着フィルムを、アセトンで洗浄した無アルカリガラスの非錫面に圧着ロールで貼り合わせ、50℃、0.5MPa×20分間の条件でオートクレーブ処理した後、23℃×50%RHの雰囲気下に戻し、1時間経過させた。その後の粘着フィルムの剥離強度を、引張試験機によって、JIS Z0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準拠して測定し、180°方向に300mm/minの速度で剥離した時の剥離強度を、粘着フィルムの粘着剤層の粘着力(N/25mm)とした。
<ゲル分率の測定方法>
粘着剤層の、測定試料の質量を正確に測定し、トルエン中に24時間浸漬後、200メッシュの金網で濾過する。その後、濾過物を100℃、1時間乾燥した後、残渣の質量を正確に測定して、以下の式から粘着剤層(架橋後の粘着剤)のゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)=不溶部分質量(g)/粘着剤質量(g)×100
実施例3〜5及び比較例2の粘着フィルムでは、エージングによる架橋後で紫外線照射前と、紫外線照射後のそれぞれで、粘着剤層のゲル分率を測定し、右向き矢印(⇒)の左側には紫外線照射前、右側には紫外線照射後の値を記載した。
粘着剤層の、測定試料の質量を正確に測定し、トルエン中に24時間浸漬後、200メッシュの金網で濾過する。その後、濾過物を100℃、1時間乾燥した後、残渣の質量を正確に測定して、以下の式から粘着剤層(架橋後の粘着剤)のゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)=不溶部分質量(g)/粘着剤質量(g)×100
実施例3〜5及び比較例2の粘着フィルムでは、エージングによる架橋後で紫外線照射前と、紫外線照射後のそれぞれで、粘着剤層のゲル分率を測定し、右向き矢印(⇒)の左側には紫外線照射前、右側には紫外線照射後の値を記載した。
<耐久性の試験方法>
粘着力の測定方法におけると同様の方法で作成した10cm角の粘着フィルムを、同様の方法で無アルカリガラスの非錫面に貼り合わせて作成した試料を、所定の雰囲気(80℃dry雰囲気、または60℃×90%RHの雰囲気)下に250時間放置後、23℃×50%RH雰囲気下に取り出し、1時間後に粘着フィルムの状態を目視で観察して耐久性を判断した。
○・・粘着フィルムの剥がれ及び発泡が全くない。
△・・粘着フィルムの一部に剥がれ及び発泡が発生している。
×・・粘着フィルムの全体に剥がれ及び発泡が発生している。
粘着力の測定方法におけると同様の方法で作成した10cm角の粘着フィルムを、同様の方法で無アルカリガラスの非錫面に貼り合わせて作成した試料を、所定の雰囲気(80℃dry雰囲気、または60℃×90%RHの雰囲気)下に250時間放置後、23℃×50%RH雰囲気下に取り出し、1時間後に粘着フィルムの状態を目視で観察して耐久性を判断した。
○・・粘着フィルムの剥がれ及び発泡が全くない。
△・・粘着フィルムの一部に剥がれ及び発泡が発生している。
×・・粘着フィルムの全体に剥がれ及び発泡が発生している。
<貯蔵弾性率の測定方法>
厚みを1000μmにした粘着剤層を試料として、せん断型レオメーター(AntonPaar社;装置名 MCR301)にて、周波数1Hzの条件で動的粘弾性試験を実施した。貯蔵弾性率の測定値は、100℃における値とした。
厚みを1000μmにした粘着剤層を試料として、せん断型レオメーター(AntonPaar社;装置名 MCR301)にて、周波数1Hzの条件で動的粘弾性試験を実施した。貯蔵弾性率の測定値は、100℃における値とした。
<せん断力による歪及び回復力の試験方法>
厚みを1000μmにした粘着剤層を試料として、荷重1Nでせん断力500Paを30分間保持した際の歪A(%)と、その後せん断力を0にした際の歪B(%)を測定した。せん断による歪は、粘着剤層の厚みをy、せん断方向(厚みに垂直な方向)の変位をΔxとしたとき、次の式で求められる。
せん断歪=(Δx/y)×100(%)
歪の回復力は、歪Bが0%(荷重を加える前の形状に戻る)なら、回復力が100%となり、歪Bが歪Aに等しい(歪が永久的に残る)なら、回復力が0%となるように、次の式で求められる。
回復力=(A−B)/A×100(%)
厚みを1000μmにした粘着剤層を試料として、荷重1Nでせん断力500Paを30分間保持した際の歪A(%)と、その後せん断力を0にした際の歪B(%)を測定した。せん断による歪は、粘着剤層の厚みをy、せん断方向(厚みに垂直な方向)の変位をΔxとしたとき、次の式で求められる。
せん断歪=(Δx/y)×100(%)
歪の回復力は、歪Bが0%(荷重を加える前の形状に戻る)なら、回復力が100%となり、歪Bが歪Aに等しい(歪が永久的に残る)なら、回復力が0%となるように、次の式で求められる。
回復力=(A−B)/A×100(%)
<段差追従性の試験方法>
0.7mmのガラス板の表面に、175μmの厚さにした粘着剤層を貼り合わせ、その後、印刷段差42μmを有する厚さ1.1mmのカバーガラスをその上から圧力80kPa、真空度が−100kPaの条件で、真空貼り合わせ装置で貼り合わせる。さらに、温度60℃、6気圧、30分の条件でオートクレーブ処理した後の、段差追従性を目視で確認する。目視確認の判定基準は、次のとおりとした。
○:印刷段差に追従し印刷段差の周囲に発泡が全く無い。
△:印刷段差の周囲に発泡がわずかにある。
×:印刷段差の周囲に発泡がある。
0.7mmのガラス板の表面に、175μmの厚さにした粘着剤層を貼り合わせ、その後、印刷段差42μmを有する厚さ1.1mmのカバーガラスをその上から圧力80kPa、真空度が−100kPaの条件で、真空貼り合わせ装置で貼り合わせる。さらに、温度60℃、6気圧、30分の条件でオートクレーブ処理した後の、段差追従性を目視で確認する。目視確認の判定基準は、次のとおりとした。
○:印刷段差に追従し印刷段差の周囲に発泡が全く無い。
△:印刷段差の周囲に発泡がわずかにある。
×:印刷段差の周囲に発泡がある。
<酸価の測定方法>
アクリル系ポリマーの酸価は、試料を溶剤(ジエチルエーテルとエタノールを体積比2:1で混合したもの)に溶かし、電位差自動滴定装置(京都電子工業製、AT−610)を用いて、0.1上記電位差滴定装置を用い、濃度が約0.1mol/lの水酸化カリウムエタノール溶液で電位差滴定を行い、試料を中和するために必要な水酸化カリウムエタノール溶液の量を測定した。そして、下記式より、酸価を求めた。
酸価=(B×f×5.611)/S
B=滴定に用いた0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)
f=0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
S=試料の固形分の質量(g)
アクリル系ポリマーの酸価は、試料を溶剤(ジエチルエーテルとエタノールを体積比2:1で混合したもの)に溶かし、電位差自動滴定装置(京都電子工業製、AT−610)を用いて、0.1上記電位差滴定装置を用い、濃度が約0.1mol/lの水酸化カリウムエタノール溶液で電位差滴定を行い、試料を中和するために必要な水酸化カリウムエタノール溶液の量を測定した。そして、下記式より、酸価を求めた。
酸価=(B×f×5.611)/S
B=滴定に用いた0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)
f=0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
S=試料の固形分の質量(g)
<全光線透過率の測定方法>
光透過率の測定方法:JIS K7105、「プラスチックの光学的特性試験方法」により、全光線透過率を測定した。
光透過率の測定方法:JIS K7105、「プラスチックの光学的特性試験方法」により、全光線透過率を測定した。
<ヘイズ値の測定方法>
ヘイズ値の測定方法:JIS K7136、「プラスチック−透明材料のヘーズの求め方」により、ヘイズ値を測定した。
ヘイズ値の測定方法:JIS K7136、「プラスチック−透明材料のヘーズの求め方」により、ヘイズ値を測定した。
表3、及び表4に、実施例1〜5及び比較例1〜3の評価結果を示す。表3の貯蔵弾性率の測定結果では、100000Paを1.0E+05(1.0×105)のように表記した。
本発明に係わる実施例1〜5の粘着剤層は、架橋後の粘着剤層のゲル分率が40〜75%であり、粘着剤層を1000μmの厚みに積層して測定した、1Hz、100℃での貯蔵弾性率が100000Pa以下であり、荷重1Nでせん断力500Paを30分間かけ続けた時の歪が15%以上であり、かつ、その後の歪回復力が50%以上であり、耐久性及び段差追従性に優れていた。また、基材の片面に175μmの厚みに積層した時の、粘着力が20N/25mm以上であり、粘着力に優れていた。また、全光線透過率が90%以上かつ、ヘイズ値が1.0%以下であり、光学特性にも優れていた。すなわち、本発明に係わる実施例1〜5の粘着剤層によれば、従来技術における要求事項および問題を克服することができた。
比較例1の粘着剤層は、アクリル系ポリマーにおける水酸基含有共重合性ビニルモノマーの含有量が少ない粘着剤組成物を用いて作製されており、粘着剤層のゲル分率が1%であり、歪回復力が低く、耐久性及び段差追従性が劣っていた。
比較例2の粘着剤層は、一分子中に4個のアクリロイル基を有する多官能アクリレートモノマーを用いて紫外線硬化させたため、1Hz、100℃での貯蔵弾性率が高く、耐久性及び段差追従性が劣っていた。
比較例3の粘着剤層は、架橋剤を含有していない粘着剤組成物を用いて作製されており、粘着剤組成物を架橋させていないため、粘着剤層のゲル分率が0%であり、歪回復力が低く、耐久性及び段差追従性が劣っていた。
このように、比較例1〜3の粘着剤層では、従来技術における要求事項および問題を克服することができなかった。
比較例2の粘着剤層は、一分子中に4個のアクリロイル基を有する多官能アクリレートモノマーを用いて紫外線硬化させたため、1Hz、100℃での貯蔵弾性率が高く、耐久性及び段差追従性が劣っていた。
比較例3の粘着剤層は、架橋剤を含有していない粘着剤組成物を用いて作製されており、粘着剤組成物を架橋させていないため、粘着剤層のゲル分率が0%であり、歪回復力が低く、耐久性及び段差追従性が劣っていた。
このように、比較例1〜3の粘着剤層では、従来技術における要求事項および問題を克服することができなかった。
Claims (3)
- アクリル系ポリマーと、架橋剤と、シランカップリング剤とを含む粘着剤組成物であり、
前記アクリル系ポリマーが、
(A)アルキル基の炭素数がC1〜C14のアルキルアクリレートモノマーと、(B)脂環族含有モノマーと、(C)分岐構造アルキル基含有モノマーと、(D)窒素含有ビニルモノマーと、からなる(A)〜(D)のモノマー群から選択された少なくとも1種以上のモノマーの合計100重量部と、
(E)水酸基含有共重合性ビニルモノマーの少なくとも1種以上の合計を0.1〜10.0重量部と、を共重合して得られた共重合体であり、
前記(A)〜(D)のモノマー群から選択された少なくとも1種以上のモノマーの合計100重量部に対して、前記(A)アルキル基の炭素数がC1〜C14のアルキルアクリレートモノマー又は(C)分岐構造アルキル基含有モノマーのうち、ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートからなる化合物群から選択した1種以上の合計を60〜90重量部の割合で含有してなり、
前記(E)水酸基含有共重合性ビニルモノマーが、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、からなる化合物群の中から選択された少なくとも1種以上であり、
前記アクリル系ポリマーの酸価が1以下であり、
前記粘着剤組成物が、前記(A)〜(D)のモノマー群から選択された少なくとも1種以上のモノマーの合計100重量部に対して、前記架橋剤としてイソシアネート化合物を0.01〜3.0重量部と、前記シランカップリング剤を0.01〜2.0重量部との割合で含有してなることを特徴とする粘着剤組成物。 - 基材の片面上に、請求項1に記載の粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層が積層されてなり、前記粘着剤層のゲル分率が40〜75%である、タッチパネル用粘着フィルム。
- 光学フィルムの少なくとも一方の面に、請求項1に記載の粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層が積層されてなり、前記粘着剤層のゲル分率が40〜75%である、粘着剤層付き光学フィルム。
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