JP2020108012A - 画像復号装置および画像符号化装置 - Google Patents

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Eiichi Sasaki
瑛一 佐々木
知典 橋本
Tomonori Hashimoto
知典 橋本
知宏 猪飼
Tomohiro Igai
知宏 猪飼
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Takeshi Nakajo
健 中條
友子 青野
Tomoko Aono
友子 青野
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Abstract

【課題】高い圧縮率を実現する場合における、符号化効率の低下を抑制可能な画像復号装置を実現する。【解決手段】画像復号装置は、パラメータ復号部を有し、上記パラメータ復号部は、スキップモードか否かを示すスキップフラグを復号し、スキップフラグがスキップモードを示していない場合、マージモードか否かを示すマージフラグを復号し、マージフラグがマージモードを示していない場合、MMVDモードか否かを示すMMVDフラグを復号する。【選択図】図18

Description

本発明の実施形態は、画像復号装置および画像符号化装置に関する。
動画像を効率的に伝送または記録するために、動画像を符号化することによって符号化データを生成する動画像符号化装置、および、当該符号化データを復号することによって復号画像を生成する動画像復号装置が用いられている。
具体的な動画像符号化方式としては、例えば、H.264/AVCやHEVC(High-Efficiency Video Coding)方式などが挙げられる。
このような動画像符号化方式においては、動画像を構成する画像(ピクチャ)は、画像を分割することにより得られるスライス、スライスを分割することにより得られる符号化ツリーユニット(CTU:Coding Tree Unit)、符号化ツリーユニットを分割することで得
られる符号化単位(符号化ユニット(Coding Unit:CU)と呼ばれることもある)、及び
、符号化単位を分割することより得られる変換ユニット(TU:Transform Unit)からなる階層構造により管理され、CU毎に符号化/復号される。
また、このような動画像符号化方式においては、通常、入力画像を符号化/復号することによって得られる局所復号画像に基づいて予測画像が生成され、当該予測画像を入力画像(原画像)から減算して得られる予測誤差(「差分画像」または「残差画像」と呼ぶこともある)が符号化される。予測画像の生成方法としては、画面間予測(インター予測)、および、画面内予測(イントラ予測)が挙げられる。
また、近年の動画像符号化及び復号の技術として非特許文献1〜4が挙げられる。
"Algorithm Description of Joint Exploration Test Model 7", JVET-L1001, Joint Video Exploration Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11, 2018-10-19 "CE4 Ultimate motion vector expression (Test 4.5.4)", JVET-L0054-v4, Joint Video Exploration Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11, 2018-10-11 "Simplified DMVR for inclusion in VVC", JVET-L0670-v1, Joint Video Exploration Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11, 2018-10-6 "CE4-related: Improvement on ultimate motion vector expression", JVET-L0408-v3, Joint Video Exploration Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11, 2018-10-3
高い圧縮率を実現する場合、非特許文献2のMMVD技術で追加された予測パラメータ情報のフラグ情報がオーバヘッドとなり、符号化効率が低下する問題があった。
また、MMVDの適当な距離はピクチャにより変化すると考えられる考えられるが、非特許
文献4で開示されている前ピクチャで利用された距離の分析により距離テーブルを更新する方法は、連続するピクチャを並列処理することができないという課題がある
また非特許文献1のMMVDでは、スケーリングとフリップが2回行われ、複雑であるという課題がある。またL0参照ピクチャとL1参照ピクチャとの距離が等しい場合の処理が2通りあり複雑であるという課題がある。
本発明の実施形態は、高い圧縮率を実現する場合における、符号化効率の低下を抑制可能な画像復号装置および画像符号化装置を実現することを目的とする。
上記課題を解決するために、
本発明の一態様に係る画像復号装置は、
予測画像を生成するためのパラメータを復号するパラメータ復号部を有し、
上記パラメータ復号部は、距離テーブルの要素を選択する距離インデックスインデクスを復号し、マージ候補から導出される動きベクトルに、所定の距離及び所定の方向の差分ベクトルを加算することで動きベクトルを得るMMVD予測部を有し、
上記MMVD予測部は、距離インデックスインデクスと方向インデックスから、第1の差分ベクトルを導出し、
上記MMVD予測部は、対象ピクチャとL0参照ピクチャのPOC差分と、対象ピクチャとL1参
照ピクチャのPOC差分が等しい場合に、L0差分ベクトルとL1差分ベクトルに、第1の差分
ベクトルを設定し、
それ以外で、対象ピクチャとL0参照ピクチャのPOC差分の絶対値が、対象ピクチャとL1
参照ピクチャのPOC差分の絶対値よりも大きい場合に、L0差分ベクトルに、上記第1の差
分ベクトルを設定し、L1差分ベクトルに、上記第1の差分ベクトルを、対象ピクチャとL0参照ピクチャのPOC差分と、対象ピクチャとL1参照ピクチャのPOC差分でスケーリングしたベクトルを設定し、
それ以外の場合に(対象ピクチャとL0参照ピクチャのPOC差分の絶対値が、対象ピクチ
ャとL1参照ピクチャのPOC差分の絶対値より以下の場合)、L1差分ベクトルに、上記第1
の差分ベクトルを設定し、L0差分ベクトルに、上記第1の差分ベクトルを、対象ピクチャとL1参照ピクチャのPOC差分と、対象ピクチャとL0参照ピクチャのPOC差分でスケーリングしたベクトルを設定することを特徴とする。
予測画像を生成するためのパラメータを復号するパラメータ復号部を有し、
上記パラメータ復号部は、距離テーブルの要素を選択する距離インデックスインデクスを復号し、マージ候補から導出される動きベクトルに、所定の距離及び所定の方向の差分ベクトルを加算することで動きベクトルを得るMMVD予測部を有し、
さらに、上記パラメータ復号部は、セグメントヘッダもしくはパラメータセットで、距離テーブルの情報を復号し、上記パラメータ復号部は、距離テーブルインデックステーブルインデクスに基づいて、距離テーブルを導出し、
上記MMVD予測部は、上記導出された距離テーブルと、上記距離インデックスと上記方向インデックスから差分ベクトルを導出することを特徴とする。
上記距離テーブルの情報は、距離テーブルを選択するためのインデックスであることを特徴とする請求項2に記載のMMVD予測部情報は、距離テーブルの各要素を示すインデックスである請求項2に記載のMMVD予測部上記距離テーブルの情報は、距離テーブルの先頭要素を示す値であることを特徴とする。
以上の構成によれば、距離テーブルを更新する方法は、連続するピクチャを並列処理することができないという課題を解決できる。また、スケーリングとフリップが2回行われ
複雑であるという課題を解決できる。またL0参照ピクチャとL1参照ピクチャとの距離が等しい場合の処理が2通りあり複雑であるという課題がある、また高い圧縮率を実現する場合における、符号化効率の低下を抑制可能な画像復号装置および画像符号化装置を実現できる。
本実施形態に係る画像伝送システムの構成を示す概略図である。 本実施形態に係る動画像符号化装置を搭載した送信装置、および、動画像復号装置を搭載した受信装置の構成について示した図である。(a)は動画像符号化装置を搭載した送信装置を示しており、(b)は動画像復号装置を搭載した受信装置を示している。 本実施形態に係る動画像符号化装置を搭載した記録装置、および、動画像復号装置を搭載した再生装置の構成について示した図である。(a)は動画像符号化装置を搭載した記録装置を示しており、(b)は動画像復号装置を搭載した再生装置を示している。 符号化ストリームのデータの階層構造を示す図である。 CTUの分割例を示す図である。 参照ピクチャおよび参照ピクチャリストの一例を示す概念図である。 動画像復号装置の構成を示す概略図である。 インター予測パラメータ復号部の構成を示す概略図である。 マージ予測パラメータ導出部、および、AMVP予測パラメータ導出部の構成を示す概略図である。 アフィン予測の動きベクトルspMvLX[xi][yi]を示す図である。 インター予測画像生成部の構成を示す概略図である。 動画像符号化装置の構成を示すブロック図である。 パラメータ符号化部の構成を示す概略図である。 MMVDモードにおいて用いられるインデックスの一例を示す図であって、(a)は、マージ候補リストmergeCandList[]のマージ候補を示すインデックスbase_candidate_idxの一例を示す図であり、(b)は、対象ブロックに隣接するブロックの一例を示す図であり、(c)は、distance_idxの一例を示す図であり、(d)は、direction_idxの一例を示す図である。 動画像符号化装置における探索距離の候補数および導出方向の候補数の一例を示す図である。 動画像復号装置における予測モードの選択処理の流れを示すフローチャートである。 本実施形態に係る予測モードの選択処理を示すシンタックスを示す図である。 動画像復号装置における予測モードの選択処理の流れを示すフローチャートである。 本実施形態に係る予測モードの選択処理を示すシンタックスを示す図である。 動画像復号装置における予測モードの選択処理の流れを示すフローチャートである。 本実施形態に係る予測モードの選択処理を示すシンタックスを示す図である。 距離テーブルを伝送する場合の動画像復号装置の動作を示すフローチャートである。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像伝送システム1の構成を示す概略図である。
画像伝送システム1は、符号化対象画像を符号化した符号化ストリームを伝送し、伝送された符号化ストリームを復号し画像を表示するシステムである。画像伝送システム1は、動画像符号化装置(画像符号化装置)11、ネットワーク21、動画像復号装置(画像復号装置)31、及び動画像表示装置(画像表示装置)41を含んで構成される。
動画像符号化装置11には画像Tが入力される。
ネットワーク21は、動画像符号化装置11が生成した符号化ストリームTeを動画像復号装置31に伝送する。ネットワーク21は、インターネット(Internet)、広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)、小規模ネットワーク(LAN:Local Area Network)またはこれらの組み合わせである。ネットワーク21は、必ずしも双方向の通信網に限らず、地上デジタル放送、衛星放送等の放送波を伝送する一方向の通信網であっても良い。また、ネットワーク21は、DVD(Digital Versatile Disc:登録商標)、BD(Blue-ray Disc:登録商標)等の符号化ストリームTeを記録した記憶媒体で代替されても良い。
動画像復号装置31は、ネットワーク21が伝送した符号化ストリームTeのそれぞれを復号し、復号した1または複数の復号画像Tdを生成する。
動画像表示装置41は、動画像復号装置31が生成した1または複数の復号画像Tdの全部または一部を表示する。動画像表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-luminescence)ディスプレイ等の表示デバイスを備える。ディスプレイの形態としては、据え置き、モバイル、HMD等が挙げられる。また、動画像復号装置31が高い処理能力を有する場合には、画質の高い画像を表示し、より低い処理能力しか有しない場合には、高い処理能力、表示能力を必要としない画像を表示する。
<演算子>
本明細書で用いる演算子を以下に記載する。
>>は右ビットシフト、<<は左ビットシフト、&はビットワイズAND、|はビットワイズOR
、|=はOR代入演算子であり、||は論理和を示す。
x?y:zは、xが真(0以外)の場合にy、xが偽(0)の場合にzをとる3項演算子である。
Clip3(a,b,c) は、cをa以上b以下の値にクリップする関数であり、c<aの場合にはaを返し、c>bの場合にはbを返し、その他の場合にはcを返す関数である(ただし、a<=b)。
abs(a)はaの絶対値を返す関数である。
Int(a)はaの整数値を返す関数である。
floor(a)はa以下の最大の整数を返す関数である。
ceil(a)はa以上の最小の整数を返す関数である。
a/dはdによるaの除算(小数点以下切り捨て)を表す。
sign(a)はaの符号(sign)を返す関数である。
a^bは、aのb乗を表す。
<符号化ストリームTeの構造>
本実施形態に係る動画像符号化装置11および動画像復号装置31の詳細な説明に先立って、動画像符号化装置11によって生成され、動画像復号装置31によって復号される符号化ストリームTeのデータ構造について説明する。
図4は、符号化ストリームTeにおけるデータの階層構造を示す図である。符号化ストリ
ームTeは、例示的に、シーケンス、およびシーケンスを構成する複数のピクチャを含む。図4の(a)〜(f)は、それぞれ、シーケンスSEQを既定する符号化ビデオシーケンス、ピクチャPICTを規定する符号化ピクチャ、スライスSを規定する符号化スライス、スライスデータを規定する符号化スライスデータ、符号化スライスデータに含まれる符号化ツリーユニット、符号化ツリーユニットに含まれる符号化ユニットを示す図である。
(符号化ビデオシーケンス)
符号化ビデオシーケンスでは、処理対象のシーケンスSEQを復号するために動画像復号
装置31が参照するデータの集合が規定されている。シーケンスSEQは、図4(a)に示すよう
に、ビデオパラメータセット(Video Parameter Set)、シーケンスパラメータセットSPS(Sequence Parameter Set)、ピクチャパラメータセットPPS(Picture Parameter Set)、ピクチャPICT、及び、付加拡張情報SEI(Supplemental Enhancement Information)を含んでいる。
ビデオパラメータセットVPSは、複数のレイヤから構成されている動画像において、複
数の動画像に共通する符号化パラメータの集合および動画像に含まれる複数のレイヤおよび個々のレイヤに関連する符号化パラメータの集合が規定されている。
シーケンスパラメータセットSPSでは、対象シーケンスを復号するために動画像復号装
置31が参照する符号化パラメータの集合が規定されている。例えば、ピクチャの幅や高さが規定される。なお、SPSは複数存在してもよい。その場合、PPSから複数のSPSの何れか
を選択する。
ピクチャパラメータセットPPSでは、対象シーケンス内の各ピクチャを復号するために
動画像復号装置31が参照する符号化パラメータの集合が規定されている。例えば、ピクチャの復号に用いられる量子化幅の基準値(pic_init_qp_minus26)や重み付き予測の適用を示すフラグ(weighted_pred_flag)が含まれる。なお、PPSは複数存在してもよい。その場合、対象シーケンス内の各ピクチャから複数のPPSの何れかを選択する。
(符号化ピクチャ)
符号化ピクチャでは、処理対象のピクチャPICTを復号するために動画像復号装置31が参照するデータの集合が規定されている。ピクチャPICTは、図4(b)に示すように、スライス0〜スライスNS-1を含む(NSはピクチャPICTに含まれるスライスの総数)。
なお、以下、スライス0〜スライスNS-1のそれぞれを区別する必要が無い場合、符号の
添え字を省略して記述することがある。また、以下に説明する符号化ストリームTeに含まれるデータであって、添え字を付している他のデータについても同様である。
(符号化スライス)
符号化スライスでは、処理対象のスライスSを復号するために動画像復号装置31が参照
するデータの集合が規定されている。スライスは、図4(c)に示すように、スライスヘッダ、および、スライスデータを含んでいる。
スライスヘッダには、対象スライスの復号方法を決定するために動画像復号装置31が参照する符号化パラメータ群が含まれる。スライスタイプを指定するスライスタイプ指定情報(slice_type)は、スライスヘッダに含まれる符号化パラメータの一例である。
スライスタイプ指定情報により指定可能なスライスタイプとしては、(1)符号化の際にイントラ予測のみを用いるIスライス、(2)符号化の際に単方向予測、または、イントラ予測を用いるPスライス、(3)符号化の際に単方向予測、双方向予測、または、イントラ予測を用いるBスライスなどが挙げられる。なお、インター予測は、単予測、双予測に限定されず、より多くの参照ピクチャを用いて予測画像を生成してもよい。以下、P
、Bスライスと呼ぶ場合には、インター予測を用いることができるブロックを含むスライ
スを指す。
なお、スライスヘッダは、ピクチャパラメータセットPPSへの参照(pic_parameter_set_id)を含んでいても良い。
(符号化スライスデータ)
符号化スライスデータでは、処理対象のスライスデータを復号するために動画像復号装置31が参照するデータの集合が規定されている。スライスデータは、図4(d)に示すように、CTUを含んでいる。CTUは、スライスを構成する固定サイズ(例えば64x64)のブロックであり、最大符号化単位(LCU:Largest Coding Unit)と呼ぶこともある。
(符号化ツリーユニット)
図4(e)には、処理対象のCTUを復号するために動画像復号装置31が参照するデータの集
合が規定されている。CTUは、再帰的な4分木分割(QT(Quad Tree)分割)、2分木分割(BT(Binary Tree)分割)あるいは3分木分割(TT(Ternary Tree)分割)により符号
化処理の基本的な単位である符号化ユニットCUに分割される。BT分割とTT分割を合わせてマルチツリー分割(MT(Multi Tree)分割)と呼ぶ。再帰的な4分木分割により得られる木構造のノードのことを符号化ノード(Coding Node)と称する。4分木、2分木、及び
3分木の中間ノードは、符号化ノードであり、CTU自身も最上位の符号化ノードとして規
定される。
CTは、CT情報として、QT分割を行うか否かを示すQT分割フラグ(qt_split_cu_flag)、MT分割の有無を示すMT分割フラグ(mtt_split_cu_flag)、MT分割の分割方向を示すMT分
割方向(mtt_split_cu_vertical_flag)、MT分割の分割タイプを示すMT分割タイプ(mtt_split_cu_binary_flage)を含む。qt_split_cu_flag、mtt_split_cu_flag、mtt_split_cu_vertical_flag、mtt_split_cu_binary_flagは符号化ノード毎に伝送される。
図5は、CTUの分割例を示す図である。qt_split_cu_flagが1の場合、符号化ノードは4つの符号化ノードに分割される(図5(b))。
qt_split_cu_flagが0の時、mtt_split_cu_flagが0の場合に符号化ノードは分割され
ず1つのCUをノードとして持つ(図5(a))。CUは符号化ノードの末端ノードであり、これ以上分割されない。CUは、符号化処理の基本的な単位となる。
mtt_split_cu_flagが1の場合に符号化ノードは以下のようにMT分割される。mtt_split_cu_vertical_flagが0、かつmtt_split_cu_binary_flagが1の場合に符号化ノードは2つの符号化ノードに水平分割され(図5(d))、mtt_split_cu_vertical_flagが1、かつmtt_split_cu_binary_flagが1の場合に符号化ノードは2つの符号化ノードに垂直分割される(図5(c))。また、mtt_split_cu_vertical_flagが0、かつmtt_split_cu_binary_flagが0の場合に符号化ノードは3つの符号化ノードに水平分割され(図5(f))、mtt_split_cu_vertical_flagが1、かつmtt_split_cu_binary_flagが0の場合に符号化ノードは3つの符号化ノードに垂直分割される(図5(e))。これらを図5(g)に示す。
また、CTUのサイズが64x64画素の場合には、CUのサイズは、64x64画素、64x32画素、32x64画素、32x32画素、64x16画素、16x64画素、32x16画素、16x32画素、16x16画素、64x8画素、8x64画素、32x8画素、8x32画素、16x8画素、8x16画素、8x8画素、64x4画素、4x64画素、32x4画素、4x32画素、16x4画素、4x16画素、8x4画素、4x8画素、及び、4x4画素の何れかをとり得る。
(符号化ユニット)
図4(f)に示すように、処理対象の符号化ユニットを復号するために動画像復号装置31が参照するデータの集合が規定されている。具体的には、CUは、CUヘッダCUH、予測パラメ
ータ、変換パラメータ、量子化変換係数等から構成される。CUヘッダでは予測モード等が規定される。
予測処理は、CU単位で行われる場合と、CUをさらに分割したサブCU単位で行われる場合がある。CUとサブCUのサイズが等しい場合には、CU中のサブCUは1つである。CUがサブCUのサイズよりも大きい場合、CUは、サブCUに分割される。たとえばCUが8x8、サブCUが4x4の場合、CUは水平2分割、垂直2分割からなる、4つのサブCUに分割される。
予測の種類(予測モード)は、イントラ予測と、インター予測の2つがある。イントラ予測は、同一ピクチャ内の予測であり、インター予測は、互いに異なるピクチャ間(例えば、表示時刻間)で行われる予測処理を指す。
変換・量子化処理はCU単位で行われるが、量子化変換係数は4x4等のサブブロック単位
でエントロピー符号化してもよい。
(予測パラメータ)
予測画像は、ブロックに付随する予測パラメータによって導出される。予測パラメータには、イントラ予測とインター予測の予測パラメータがある。
以下、インター予測の予測パラメータについて説明する。インター予測パラメータは、予測リスト利用フラグpredFlagL0、predFlagL1と、参照ピクチャインデックスrefIdxL0、refIdxL1と、動きベクトルmvL0、mvL1から構成される。予測リスト利用フラグpredFlagL0、predFlagL1は、各々L0リスト、L1リストと呼ばれる参照ピクチャリストが用いられるか否かを示すフラグであり、値が1の場合に対応する参照ピクチャリストが用いられる。なお、本明細書中「XXであるか否かを示すフラグ」と記す場合、フラグが0以外(たとえば1)をXXである場合、0をXXではない場合とし、論理否定、論理積などでは1を真、0を偽と扱う(以下同様)。但し、実際の装置や方法では真値、偽値として他の値を用いることもできる。
インター予測パラメータを導出するためのシンタックス要素には、例えば、アフィンフラグaffine_flag、マージフラグmerge_flag、マージインデックスmerge_idx、インター予測識別子inter_pred_idc、参照ピクチャインデックスrefIdxLX、予測ベクトルインデックスmvp_LX_idx、差分ベクトルmvdLX、動きベクトル精度モードamvr_modeがある。
(参照ピクチャリスト)
参照ピクチャリストは、参照ピクチャメモリ306に記憶された参照ピクチャからなるリ
ストである。図6は、参照ピクチャおよび参照ピクチャリストの一例を示す概念図である
。図6(a)において、矩形はピクチャ、矢印はピクチャの参照関係、横軸は時間、矩形中のI、P、Bは各々イントラピクチャ、単予測ピクチャ、双予測ピクチャ、矩形中の数字は復
号順を示す。図に示すように、ピクチャの復号順は、I0、P1、B2、B3、B4であり、表示順は、I0、B3、B2、B4、P1である。図6(b)に、ピクチャB3(対象ピクチャ)の参照ピクチャリストの例を示す。参照ピクチャリストは、参照ピクチャの候補を表すリストであり、1つのピクチャ(スライス)が1つ以上の参照ピクチャリストを有してもよい。図の例では、対象ピクチャB3は、L0リストRefPicList0およびL1リストRefPicList1の2つの参照ピクチャリストを持つ。個々のCUでは、参照ピクチャリストRefPicListX(X=0または1)中のどのピクチャを実際に参照するかを参照ピクチャインデックスrefIdxLXで指定する。図は、refIdxL0=2、refIdxL1=0の例である。なお、LXは、L0予測とL1予測を区別しない場合に用いられる記述方法であり、以降では、LXをL0、L1に置き換えることでL0リストに対するパラメータとL1リストに対するパラメータを区別する。
(マージ予測とAMVP予測)
予測パラメータの復号(符号化)方法には、マージ予測(merge)モードとAMVP(Advanced Motion Vector Prediction、適応動きベクトル予測)モードがあり、マージフラグmerge_flagは、これらを識別するためのフラグである。マージ予測モードは、予測リスト利用フラグpredFlagLX(またはインター予測識別子inter_pred_idc)、参照ピクチャインデックスrefIdxLX、動きベクトルmvLXを符号化データに含めずに、既に処理した近傍ブロックの予測パラメータから導出する用いるモードである。AMVPモードは、インター予測識別子inter_pred_idc、参照ピクチャインデックスrefIdxLX、動きベクトルmvLXを符号化データに含めるモードである。なお、動きベクトルmvLXは、予測ベクトルmvpLXを識別する予測ベクトルインデックスmvp_LX_idxと差分ベクトルmvdLX、動きベクトル精度モードamvr_modeとして符号化される。マージ予測モードは、隣接ブロックの動き情報等から導出されるマージ候補を選択して動きベクトルmvLX(動きベクトル情報)を得るモードである。また、マージ予測モードの他に、アフィンフラグaffine_flagにより識別されるアフィン予測モードがあってもよい。マージ予測モードの一形態として、スキップフラグskip_flagにより識別されるスキップモードがあってもよい。なお、スキップモードとは、マージモードと同様の方法で予測パラメータを導出する用いるモードであり、かつ、予測誤差(残差画像、残差情報)を符号化データに含めないモードである。換言すれば、スキップフラグskip_flagが1の場合、対象CUに関して、当該スキップフラグskip_flagとマージインデックスmerge_idxなどのマージモードに関連するシンタックス要素のみを含み、動きベクトルや残差情報などは符号化データに含まれない。
(動きベクトル)
動きベクトルmvLXは、異なる2つのピクチャ上のブロック間のシフト量を示す。動きベクトルmvLXに関する予測ベクトル、差分ベクトルを、それぞれ予測ベクトルmvpLX、差分
ベクトルmvdLXと呼ぶ。
(インター予測識別子inter_pred_idcと予測リスト利用フラグpredFlagLX)
インター予測識別子inter_pred_idcは、参照ピクチャの種類および数を示す値であり、PRED_L0、PRED_L1、PRED_BIの何れかの値をとる。PRED_L0、PRED_L1は、各々L0リスト、L1リストで管理された1枚の参照ピクチャを用いる単予測を示す。PRED_BIはL0リストとL1リストで管理された2枚の参照ピクチャを用いる双予測BiPredを示す。
マージインデックスmerge_idxは、処理が完了したブロックから導出される予測パラメ
ータ候補(マージ候補)のうち、いずれの予測パラメータを対象ブロックの予測パラメータとして用いるかを示すインデックスである。
インター予測識別子inter_pred_idcと、予測リスト利用フラグpredFlagL0、predFlagL1
の関係は以下のとおりであり、相互に変換可能である。
inter_pred_idc = (predFlagL1<<1)+predFlagL0
predFlagL0 = inter_pred_idc & 1
predFlagL1 = inter_pred_idc >> 1
(双予測biPredの判定)
双予測BiPredであるかのフラグbiPredは、2つの予測リスト利用フラグがともに1であるかによって導出できる。例えば以下の式で導出できる。
biPred = (predFlagL0==1 && predFlagL1==1)
あるいは、フラグbiPredは、インター予測識別子が2つの予測リスト(参照ピクチャ)を使うことを示す値であるか否かによっても導出できる。例えば以下の式で導出できる。
biPred = (inter_pred_idc==PRED_BI) ? 1 : 0
(動画像復号装置の構成)
本実施形態に係る動画像復号装置31(図7)の構成について説明する。
動画像復号装置31は、エントロピー復号部301、パラメータ復号部302、ループフィルタ305、参照ピクチャメモリ306、予測パラメータメモリ307、予測画像生成部(予測画像生
成装置)308、逆量子化・逆変換部311、及び加算部312を含んで構成される。なお、後述
の動画像符号化装置11に合わせ、動画像復号装置31にループフィルタ305が含まれない構
成もある。
パラメータ復号部302は、さらに、図示しない、ヘッダ復号部3020、CT情報復号部3021
、及びCU復号部3022(予測モード復号部)を備えており、CU復号部3022はさらにTU復号部3024を備えている。これらを総称して復号モジュールと呼んでもよい。ヘッダ復号部3020は、符号化データからVPS、SPS、PPSなどのパラメータセット情報、スライスヘッダ(ス
ライス情報)を復号する。CT情報復号部3021は、符号化データからCTを復号する。CU復号部3022は符号化データからCUを復号する。TU復号部3024は、TUに予測誤差が含まれている場合に、符号化データからQP更新情報(量子化補正値)と量子化予測誤差(residual_coding)を復号する。
TU復号部3024は、スキップモード以外(skip_mode==0)の場合に、符号化データからQP更新情報(量子化補正値)と量子化予測誤差(residual_coding)を復号する。より具体的
には、TU復号部3024は、skip_mode==0の場合に、対象ブロックに量子化予測誤差が含まれているか否かを示すフラグcu_cbpを符号化データから復号し、cu_cbpが1の場合に量子化
予測誤差を復号するす。cu_cbpが符号化データに存在しない場合は0を設定する。また、cu_cbpが符号化データに存在しない場合において、スキップモードではcu_cbp=0、スキッ
プモード以外の場合にはcu_cbp=1と設定してもよい。
また、パラメータ復号部302は、図示しないインター予測パラメータ復号部303及びイントラ予測パラメータ復号部304を含んで構成される。予測画像生成部308は、インター予測画像生成部309及びイントラ予測画像生成部310を含んで構成される。
また、以降では処理の単位としてCTU、CUを使用した例を記載するが、この例に限らず
、サブCU単位で処理をしてもよい。あるいはCTU、CUをブロック、サブCUをサブブロック
と読み替え、ブロックあるいはサブブロック単位の処理としてもよい。
エントロピー復号部301は、外部から入力された符号化ストリームTeに対してエントロ
ピー復号を行って、個々の符号(シンタックス要素)を復号する。復号された符号には、
予測画像を生成するための予測情報および、差分画像を生成するための予測誤差などがある。
エントロピー復号部301は、復号した符号をパラメータ復号部302に出力する。復号した符号とは、例えば、predMode、merge_flag、merge_idx、inter_pred_idc、refIdxLX、mvp_LX_idx、mvdLX、amvr_mode等である。どの符号を復号するかの制御は、パラメータ復号
部302の指示に基づいて行われる。
(インター予測パラメータ復号部の構成)
インター予測パラメータ復号部303は、エントロピー復号部301から入力された符号に基づいて、予測パラメータメモリ307に記憶された予測パラメータを参照してインター予測
パラメータを復号する。また、インター予測パラメータ復号部303は、復号したインター
予測パラメータを予測画像生成部308に出力し、予測パラメータメモリ307に記憶する。
図8は、本実施形態に係るインター予測パラメータ復号部303の構成を示す概略図である。インター予測パラメータ復号部303は、マージ予測部30374、DMVR部30375、サブブロック予測部(アフィン予測部)30372、MMVD予測部30376、Triangle予測部30377、AMVP予測パラメータ導出部3032、加算部3038を含んで構成される。マージ予測部30374は、マージ予測パラメータ導出部3036を含んで構成される。AMVP予測パラメータ導出部3032、マージ予測パラメータ導出部3036、アフィン予測部30372は、動画像符号化装置、動画像復号装置で共通する手段であるので、これらを総称して動きベクトル導出部(動きベクトル導出装置)と称してもよい。
(アフィン予測部)
アフィン予測部30372は対象ブロックのアフィン予測パラメータを導出する。本実施形
態では、アフィン予測パラメータとして、対象ブロックの2つの制御点(V0、V1)の動きベクトル(mv0_x,mv0_y)(mv1_x,mv1_y)を導出する。具体的には、対象ブロックの隣接ブロックの動きベクトルから予測することにより、各制御点の動きベクトルを導出してもよいし、制御点の動きベクトルとして導出された予測ベクトルと符号化データから導出される差分ベクトルの和により、各制御点の動きベクトルを導出してもよい。
図10は、対象ブロック(bW×bH)を構成する各サブブロックの動きベクトルspMvLXを、制御点V0の動きベクトル(mv0_x,mv0_y)およびV1の動きベクトル(mv1_x,mv1_y)から導出する例を示す図である。各サブブロックの動きベクトルspMvLXは、図に示すように、各サブブロックの中心に位置する点毎の動きベクトルとして導出される。
アフィン予測部30372は対象ブロックのアフィン予測パラメータに基づいて、対象ブロ
ック中の各サブブロックの動きベクトルspMvLX[xi][yi] (xi=xPb+sbW*i, yj=yPb+sbH*j, i=0,1,2,…,bW/sbW-1、j=0,1,2,…,bH/sbH-1)を下記の式を用いて、導出する。
spMvLX[xi][yi][0] = mv0_x+(mv1_x-mv0_x)/bW*(xi+sbW/2)-(mv1_y-mv0_y)/bH*(yi+sbH/2)
spMvLX[xi][yi][1] = mv0_y+(mv1_y-mv0_y)/bW*(xi+sbW/2)+(mv1_x-mv0_x)/bH*(yi+sbH/2)
(マージ予測)
図9(a)は、マージ予測部30374に含まれるマージ予測パラメータ導出部3036の構成を示
す概略図である。マージ予測パラメータ導出部3036は、マージ候補導出部30361、マージ
候補選択部30362を備える。なお、マージ候補は、予測リスト利用フラグpredFlagLX、動
きベクトルmvLX、参照ピクチャインデックスrefIdxLXを含んで構成され、マージ候補リストに格納される。マージ候補リストに格納されたマージ候補には、所定の規則に従ってイ
ンデックスが割り当てられる。
マージ候補導出部30361は、復号済の隣接ブロックの動きベクトルと参照ピクチャイン
デックスrefIdxLXをそのまま用いてマージ候補を導出する。
マージ候補リストmergeCandList[]に格納する順番は、例えば、空間マージ候補A1,B1,B0,A0,B2、時間マージ候補Col、ペアワイズマージ候補avgK、ゼロマージ候補ZK、である。なお、利用可能でない(ブロックがイントラ予測等)参照ブロックはマージ候補リストに格納しない。
マージ候補選択部30362は、マージ候補リストに含まれるマージ候補のうち、マージイ
ンデックスmerge_idxが示すマージ候補Nを以下の式で選択する。
N = mergeCandList[merge_idx]
ここでNは、マージ候補を示すラベルであり、A1,B1,B0,A0,B2,Col,avgK,ZKなどをとり
る。ラベルNで示されるマージ候補の動き情報は(mvLXN[0], mvLXN[1])、predFlagLXN, refIdxLXNで示される。
選択されたマージ候補の動き情報(mvLXN[0], mvLXN[1])、predFlagLXN, refIdxLXNを、対象ブロックのインター予測パラメータとして選択する。
マージ候補選択部30362は選択したマージ候補のインター予測パラメータを予測パラメー
タメモリ307に記憶するとともに、予測画像生成部308に出力する。
(AMVP予測)
図9(b)は、本実施形態に係るAMVP予測パラメータ導出部3032の構成を示す概略図である。AMVP予測パラメータ導出部3032は、ベクトル候補導出部3033とベクトル候補選択部3034を備える。ベクトル候補導出部3033は、参照ピクチャインデックスrefIdxLXに基づいて予測パラメータメモリ307が記憶する復号済みの隣接ブロックの動きベクトルmvLXから予測ベクトル候補を導出し、予測ベクトル候補リストmvpListLX[]に格納する。
ベクトル候補選択部3034は、予測ベクトル候補リストmvpListLX[]の予測ベクトル候補
のうち、予測ベクトルインデックスmvp_LX_idxが示す動きベクトルmvpListLX[mvp_LX_idx]を予測ベクトルmvpLXとして選択する。ベクトル候補選択部3034は選択した予測ベクトルmvpLXを加算部3038に出力する。
なお、予測ベクトル候補は、対象ブロックから予め定めた範囲の復号済隣接ブロックの動きベクトルをスケーリングすることで導出される。なお、隣接ブロックは、対象ブロックに空間的に隣接するブロック、例えば、左ブロック、上ブロックの他、対象ブロックに時間的に隣接する領域、例えば、対象ブロックと同じ位置を含み、表示時刻が異なるブロックの予測パラメータから得られた領域を含む。
加算部3038は、AMVP予測パラメータ導出部3032から入力された予測ベクトルmvpLXと復
号した差分ベクトルmvdLXを加算して動きベクトルmvLXを算出する。加算部3038は、算出
した動きベクトルmvLXを予測画像生成部308および予測パラメータメモリ307に出力する。
mvLX[0] = mvpLX[0]+mvdLX[0]
mvLX[1] = mvpLX[1]+mvdLX[1]
動きベクトル精度モードamvr_modeは、AMVPモードで導出される動きベクトルの精度を
切り替えるシンタックス要素である、例えば、amvr_mode=0, 1, 2において、1/4画素、1
画素、4画素精度を切り替える。
動きベクトルの精度を1/16精度(MVPREC=16)とする場合、1/4, 1, 4画素精度の動きベクトル差分を1/16画素精度の動きベクトル差分に変更するために下記のように、amvr_mode
から導出されるMvShift (=1<<amvr_mode)を用いて逆量子化してもよい。
mvdLX[0] = mvdLX[0] << (MvShift + 2)
mvdLX[1] = mvdLX[1] << (MvShift + 2)
なお、さらにパラメータ復号部302は、上記MvShiftでシフトする前のmvdLX[]を以下の
シンタックス要素を復号して導出してもよい。
・abs_mvd_greater0_flag
・abs_mvd_minus2
・mvd_sign_flag
そして、パラメータ復号部302は、以下の式を用いることによって、シンタックス要素か
ら差分ベクトルlMvd[]を復号する。
lMvd[compIdx] = abs_mvd_greater0_flag[compIdx] * (abs_mvd_minus2[compIdx]+2) *
(1-2*mvd_sign_flag[compIdx])
さらに復号した差分ベクトルlMvd[]は、並進MVDの場合(MotionModelIdc[x][y] == 0)にはMvdLXに設定し、制御点MVDの場合(MotionModelIdc[x][y] != 0)には、MvdCpLXに設定する。
if (MotionModelIdc[x][y] == 0)
mvdLX[x0][y0][compIdx] = lMvd[compIdx]
else
mvdCpLX[x0][y0][compIdx] = lMvd[compIdx]<<2
(動きベクトルスケーリング)
動きベクトルのスケーリングの導出方法を説明する。動きベクトルMv(参照動きベクトル)、Mvをもつブロックを含むピクチャPicMv、Mvの参照ピクチャPicMvRef、スケーリン
グ後の動きベクトルsMv、sMvをもつブロックを含むピクチャCurPic、sMvが参照する参照
ピクチャCurPicRefとすると、sMvの導出関数MvScale(Mv,PicMv,PicMvRef,CurPic,CurPicRef)は下式で表される。
sMv = MvScale(Mv,PicMv,PicMvRef,CurPic,CurPicRef)
= Clip3(-R1,R1-1,sign(distScaleFactor*Mv)*((abs(distScaleFactor*Mv)+round1-1)>>shift1))
distScaleFactor = Clip3(-R2,R2-1,(tb*tx+round2)>>shift2)
tx = (16384+abs(td)>>1)/td
td = DiffPicOrderCnt(PicMv,PicMvRef)
tb = DiffPicOrderCnt(CurPic,CurPicRef)
ここで、round1、round2、shift1、shift2は、逆数を用いて除算を行うためのラウンド値及びシフト値で、例えば、round1=1<<(shift1-1)、round2=1<<(shift2-1)、shift1=8、shift2=6などである。DiffPicOrderCnt(Pic1,Pic2)はPic1とPic2の時間情報(例えばPOC)の差を返す関数である。R1、R2は処理を限られた精度で行うために値域を制限するもので例えば、R1=32768、R2=4096などである。
また、スケーリング関数MvScale(Mv,PicMv,PicMvRef,CurPic,CurPicRef)は以下の式で
もよい。
MvScale(Mv,PicMv,PicMvRef,CurPic,CurPicRef) =
Mv*DiffPicOrderCnt(CurPic,CurPicRef)/DiffPicOrderCnt(PicMv,PicMvRef)
すなわち、CurPicとCurPicRefの時間情報の差と、PicMvとPicMvRefの時間情報の差との比に応じてMvをスケーリングしてもよい。
(DMVR)
続いて、DMVR部30375が行うDMVR(Decoder side Motion Vector Refinement)処理について説明する。DMVR部30375は、対象CUについて以下の条件が満たされている場合に、マ
ージ予測部30374が導出する当該対象CUの動きベクトルmvLXを、参照画像を用いて修正す
る。
- 対象CUに対して、merge_flagがマージモード又は、skip_flagがスキップモードを適用
することを示している。
- 対象CUに対して、affine_flagがアフィンモードを使っていないことを示している。
- 対象CUが双予測である。
- 参照ピクチャについて以下の等式が満たされる(対象ピクチャに対し2枚の参照ピクチャが反対方向、かつ対象ピクチャから同じPOC距離(POCの差分)にある)。
POC_current - POC0 = POC1 - POC_current
- 対象CUのサイズが所定の値より大きい。例えば、CUの幅と高さの和が12よりも大きい場合である。
DMVR処理は、以下のステップからなる。
ステップ0:マージインデックスが指し示す初期(initial)ベクトルを取得する。この
時、動きベクトルの値を四捨五入で、整数化して初期整数ベクトルとする。
ステップ1:探索点のブロックの画素値の平均値を求める。
ステップ2:マージ候補の動きベクトル(初期ベクトル)が指す点、および、その4近傍
の点のMRSAD costを算出し、コストが最小となる点を求める。
ステップ3:ステップ2のコストが最小となる点とその8近傍の点MRSAD costを算出し、
コストが最小となる点を求め、初期(initial)ベクトル(整数化されていないもの)を
最小となる点の整数画素分だけ修正し、リファイン動きベクトルとする。
ステップ4:ステップ2及びステップ3において動きベクトルが初期整数ベクトルから変更されなかった場合、error surface equationを用いて小数精度のリファインメント(refinement)動きベクトルを取得する。
ステップ5:リファインメント動きベクトルに基づいて、8-tapの補間フィルタを用いて
、最終的な予測画像を取得する。
ステップ2および3において、MRSADコストは、以下の式により算出される。
MRSAD=ΣΣabs(Temp_L0[xi][yi]-Temp_L1[xi][yi]-AVE(Temp_L0)+AVE(Temp_L1))
ここで、AVEはブロック内の画素値の平均値である。すなわち、
AVE(Temp_L0)=ΣΣTemp_L0[xi][yi]/(BH*BW)
AVE(Temp_L1)=ΣΣTemp_L1[xi][yi]/(BH*BW)
である。BHはブロックの垂直方向の画素数であり、BWはブロックの水平方向の画素数である。
ステップ4において、error surface equationは以下のとおりである。
E(x,y)=A(x-x0)^2+ B(y-y0)^2+C
ここで、初期ベクトルの指す点を中心(0,0)とした4近傍位置(-1,0)、(0,-1)、(1,0)、(0,1)のコストをE(-1,0)、E(0,-1)、E(1,0)、E(0,1)として、(x0,y0)を導出する。
x0=(E(-1,0)-E(1,0))/(2(E(-1,0)+E(1,0)-2E(0,0)))
y0=(E(0,-1)-E(0,1))/(2(E(0,-1)+E(0,1)-2E(0,0)))
なお、リファインメント動きベクトルmvL0',mvL1'およびリファインメント前の動きベ
クトルmvL0,mvL1は、以下の等式を満たす。
mvL0'-mvL0= mvL1-mvL1'
リファインメント動きベクトルmvLXは、インター予測画像生成部309に供給される。
リファインメント動きベクトルmvLXは、デブロッキング動作、および時間的な動きベクトル(temporal motion vector)予測に用いられてもよい。
また、空間的動きベクトル(spatial motion vector)予測には、上および左上のCTUからのリファインメント動きベクトルmvLXが用いられる。但し、マージ候補の動きベクトルが上および左上のCTUのものでない場合には、リファインメントされていない動きベクト
ルが用いられる。
ここでは、誤差評価値としてMRSADを用いる手法を示したが、絶対値差分和であるSAD値SAD=ΣΣabs(Temp_L0[xi][yi]-Temp_L1[xi][yi])を用いてもよい。この場合、ステップ1のブロックの平均値を求める処理は、必要ではない。
(Triangle予測)
続いてTriangle予測について説明する。Triangle予測では、対角線又は反対角線を境界として、対象CUが2つの三角形の予測単位に分割される。それぞれの三角形予測単位における予測画像は、対象CU(三角形予測単位を含む矩形ブロック)の予測画像の各画素に画素の位置に応じた重みつけマスク処理を施すことで導出する。例えば、矩形領域内の三角形領域の画素を1、三角形以外の領域を0とするマスクを乗ずることにより、矩形画像から三角形画像を導出できる。予測画像の適応的な重み付け処理は対角線を挟んだ双方の領域に対して適用され、2つの予測画像を用いた適応的重みつけ処理により対象CU(矩形ブロック)の1つの予測画像が導出される。この処理を、Triangle合成処理と呼ぶ。変換(逆変換)及び量子化(逆量子化)処理が対象CUの全体に対して適用される。なお、Triangle予測は、マージ予測モード又はスキップモードの場合にのみ適用される。
Triangle予測部30377は、Triangle予測に用いられる2つの三角形領域に対応する予測
パラメータを導出し、インター予測画像生成部309に供給する。Triangle予測では処理の
簡略化のために、双予測を用いない構成でもよい。この場合、1つの三角形領域において単方向予測のインター予測パラメータを導出する。なお、2つの予測画像の導出及び予測画像を用いた合成は、動き補償部3091、Triangle合成部30952で行う。
(MMVD予測部30376)
MMVD予測部30376は、MMVD(Merge with Motion Vector Differece)モードにおける処
理を行う。MMVDモードは、マージ候補から導出される動きベクトル(隣接ブロックの動きベクトルなどから導出される動きベクトル)に、所定の距離及び所定の方向の差分ベクトルを加算することで動きベクトルを得るモードである。MMVDモードにおいては、MMVD予測部30376は、マージ候補を用いるとともに、差分ベクトルの値域を所定の距離(例えば8通り)及び所定の方向(例えば4方向, 8方向など)に制限することで、効率的に動きベクトルを導出する。
MMVD予測部30376は、マージ候補mergeCandList[]と符号化データから復号もしくは符号化データに符号化するシンタックス要素base_candidate_idx、direction_idx、distance_idxを用いて動きベクトルmvLX[]を導出する。さらに、MMVD予測部30376は、距離テーブルを選択するシンタックス要素distance_list_idxを符号化もしくは復号して利用してもよ
い。
MMVD予測部30376は、対象CUに対して、merge_flagがマージモードを適用することを示
している場合、又は、skip_flagがスキップモードを適用することを示している場合に、M
MVDフラグを復号する。さらに、MMVD予測部30376は、MMVDフラグがMMVDモードを適用することを示している場合(mmvd_flag=1)には、MMVDモードを適用する。
MMVD予測部30376は、マージ候補リストの先頭から2個の候補のいずれかの予測ベクト
ルと、方向および距離で表した差分ベクトル(MVD:motion vector difference)とで、
動きベクトルを導出する。さらに、MMVD予測部30376は、予測ベクトルと差分ベクトルか
ら動きベクトルを導出する。
図15は、MMVD予測部30376において導出される差分ベクトルmvdLXの候補を示す。図に示す例では、中央の黒丸が予測ベクトルmvLXN(中心ベクトル)の指す位置である。
図14の(a)はmergeCandList[]のインデックスbase_candidate_idxとmvLXNの関係を示し
、mvLXNにはmergeCandList[base_candidate_idx]の動きベクトルがセットされる。この中心ベクトルが指す位置(図15の黒丸)と実際の動きベクトルの差が差分ベクトルmvdLXで
ある。
図14の(b)は、対象ブロックに隣接するブロックの一例を示す図である。例えば、mergeCandList[]={A1,B1,B0,A0,B2}の場合、復号したbase_candidate_idxが0を示すと、MMVD予測部30376は図14の(b)に示すブロックA1の動きベクトルを予測ベクトルmvLXNとして選択する。また、復号したbase_candidate_idxが1を示すと、MMVD予測部30376は図14の(b)に示すブロックB1の動きベクトルを予測ベクトルmvLXNとして選択する。なお、base_candidate_idxが符号化データで通知されない場合には、base_candidate_idx=0と推定してもよい。
また、MMVD予測部30376は、差分ベクトルmvdLXの長さを示すインデックスdistance_idxおよびmvdLXの方向を示すインデックスdirection_idxを用いてmvdLXを導出する。
図14の(c)は、distance_idxの一例を示す図である。図14の(c)に示すように、distance_idxにおいて、0、1、2、3、4、5、6および7の値は、1/4pel、1/2pel、1pel、2pel、4pel、8pel、16pelおよび32pelの8つの距離(長さ)のそれぞれに対応付けられている。
図14の(d)は、direction_idxの一例を示す図である。図14の(d)に示すように、direction_idxにおいて、0,1,2および3の値は、x軸が正の方向、x軸が負の方向、y軸が正の方向、y軸が負の方向に各々対応付けられている。MMVD予測部30376は、direction_idxから方向テーブルDirectionTableを参照して基本動きベクトル(mvdUnit[0], mvdUnit[1])を導出する。(mvdUnit[0], mvdUnit[1])は、(sign[0],sign[1])と記述されてもよい。
dir_table_x[] = { 1, -1, 0, 0 }
dir_table_y[] = { 0, 0, 1, -1 }
また、MMVD予測部30376は、距離テーブルDistanceTableにおいてdistance_idxの示す距離DistanceTable[distance_idx]から、ベースとなる差分ベクトルの大きさDistFromBaseMV
を下式で導出する。
DistFromBaseMV = DistanceTable[distance_idx]
(4方向以外の場合)
上記では、基本動きベクトル(mvdUnit[0], mvdUnit[1])が上下左右の4方向の場合を説明したが、4方向に限定されず8方向でもよい。基本動きベクトルを8方向とする場合の方向テーブルDirectionTableのx成分dir_table_x[]およびy成分dir_table_y[]の例を以下に示す。
dir_table_x[] = { 2, -2, 0, 0, 1, -1, -1, 1 }
dir_table_y[] = { 0, 0, 2, -2, 1, -1, 1, -1 }
なお、方向テーブルの大きさや順序は上記以外でもよい。
MMVD予測部30376は、direction_idxからDirectionTableを参照して基本動きベクトル(mvdUnit[0], mvdUnit[1])を導出する。
mvdUnit[0] = dir_table_x[direction_idx]
mvdUnit[1] = dir_table_y[direction_idx]
また、例えば以下のような方向テーブルを用いることで、4、6、12、16方向としてもよい。
・6方向の場合
dir_table_x[] = { 8, -8, 2, -2, -2, 2 }
dir_table_y[] = { 0, 0, 4, -4, 4, -4 }
もしくは
dir_table_x[] = { 8, -8, 3, -3, -3, 3 }
dir_table_y[] = { 0, 0, 6, -6, 6, -6 }
・12方向の場合
dir_table_x[] = { 8, -8, 0, 0, 4, 2, -4, -2, -2, -4, 2, 4 }
dir_table_y[] = { 0, 0, 8, -8, 2, 4, -2, -4, 4, 2, -4, -2 }
もしくは
dir_table_x[] = { 8, -8, 0, 0, 6, 3, -6, -3, -3, -6, 3, 6 }
dir_table_y[] = { 0, 0, 8, -8, 3, 6, -3, -6, 6, 3, -6, -3 }
・16方向の場合
dir_table_x[] = {8, -8, 0, 0, 4, -4, -4, 4, 6, 2, -6, -2, -2, -6, 2, 6 }
dir_table_y[] = {0, 0, 8, -8, 4, -4, 4, -4, 2, 6, -2, -6, 6, 2, -6, -2 }
勿論、4方向の場合も以下のようになる。
dir_table_x[] = { 1, -1, 0, 0 }
dir_table_y[] = { 0, 0, 1, -1 }
なお、方向テーブルの大きさや順序は上記以外でもよい。
(複数の距離テーブル)
また、距離テーブルは1つに限定されず複数でもよい。例えば、MMVD予測部30376は、
第1の距離テーブルDistanceTable1[]と第2の距離テーブルDistanceTable2[]から以下のようにDistFromBaseMVを導出しても良い。
MMVD予測部30376は、さらに符号化データから復号もしくは導出したdistance_list_idxが示すDistanceTable[]を用いて、差分ベクトルmvdLXの長さを導出する。
DistanceTable1 [] = {1, 2, 3, 5}
DistanceTable2 [] = {4, 8, 16, 32}
DistanceTable = DistanceTable1 (distance_list_idx == 0)
DistanceTable = DistanceTable2 (distance_list_idx == 1)
DistFromBaseMV = DistanceTable[distance_idx]
また、MMVD予測部30376は、2次元テーブルDistanceTable2dを用いて2つの距離テーブルを切り替えてもよい。
DistanceTable2d [] = {{1, 2, 3, 5},{4, 8, 16, 32}}
DistFromBaseMV = DistanceTable2d[distance_list_idx][distance_idx]
(距離テーブル伝送の実施例1)
パラメータ復号部302が、タイルグループヘッダやスライスヘッダなどのセグメントの
ヘッダ、もしくは、パラメータセットにおいて、MMVDの距離テーブルに関する情報を伝送してもよい。上記複数の距離テーブルの例との違いは、上記では、距離テーブルインデックスdistance_list_idxを、符号化ユニット単位で伝送する構成に対し、以下の構成の特
徴の一つは、符号化ユニットのセットであるセグメントヘッダもしくはパラメータセットで伝送する点であるしてもよい。
図22は、距離テーブルの情報を伝送する場合の動画像復号装置の動作を示すフローチャートである。
S101:パラメータ復号部302は、セグメントヘッダもしくはパラメータヘッダの符号化
データから距離テーブルの情報のシンタックス要素を復号する。
パラメータ復号部302は、i = 0…N-1のインデックス情報distance_tbl_idx[i]を復号し、インデックス情報の示すDistanceTableBase[]の値をDistanceTableの値とする。ここでDistanceTableBase[]は動画像符号化装置および動画像復号装置のMMVD予測で使用する距離の候補を格納するテーブルである。また、Nは、テーブルの要素数である。
なお、距離のインデックスを伝送する場合には、i=0..N-1のN個のインデックスではな
く、i=0..N-2のN-1個のインデックスを復号してもよい。最後(i=N-1)のインデックスは、復号したインデックス(i=0からN-2までのインデックス)で出現しなかったインデックス値を導出する。具体的には、N個のインデックスの和は、N*(N-1)/2であることから、
distance_tbl_idx[N-1] = N*(N-1)/2 - (distance_tbl_idx[0] + distance_tbl_idx[1]
+ …distance_tbl_idx[N-2])
により導出できる。例えばN=8の場合で、復号されたN-1個のインデックスが6, 7, 5, 4, 3, 2, 1である場合には、最後のインデックスdistance_tbl_idx[N-1]は以下のように導出できる。
distance_tbl_idx[7] = 28 - (6 + 7 + 5 + 4 + 3 + 2 + 1) = 28 - 28 = 0
S102:パラメータ復号部302は、距離テーブルのシンタックス要素から距離テーブルを
導出する。
DistanceTable[0] = DistanceTableBase[distance_tbl_idx[0]]
DistanceTable[1] = DistanceTableBase[distance_tbl_idx[1]]
DistanceTable[2] = DistanceTableBase[distance_tbl_idx[2]]

DistanceTable[N-1] = DistanceTableBase[distance_tbl_idx[N-1]]
例えば、DistanceTableBase[] = {1, 2, 4, 8, 16, 32, 64, 128}の場合、で、distance_tbl_idx[] = {6, 7, 5, 4, 3, 2, 1, 0}が復号された場合、DistanceTableは以下のよ
うに導出する。
DistanceTable[0] = DistanceTableBase[6] = 64
DistanceTable[1] = DistanceTableBase[7] = 128
DistanceTable[2] = DistanceTableBase[5] = 32

DistanceTable[N-1] = DistanceTableBase[0] = 1
すなわち、DistanceTable[] = {64, 128, 32, 16, 8, 4, 2, 1}
また距離テーブルのシンタックスはピクチャパラメータセットなどのパラメータセットで伝送してもよい。
上記構成によれば、ピクチャの性質に合わせた距離テーブルを符号化データで効率的に伝送するすることができるので符号化効率を向上することができる。また前ピクチャの状態に依存しないため、連続するピクチャを並列処理することができる。また、復号側の処理が簡単でありエラー耐性に強い。
(距離テーブル伝送の実施例2)
動画像符号化装置および動画像復号装置において予め複数の距離テーブルを用意しておいて、符号化データとしてテーブルを選択するインデックスを伝送しても良い。
S101:パラメータ復号部302は、セグメントヘッダもしくはパラメータヘッダの符号化
データから距離テーブルの情報のシンタックス要素として、テーブルを選択するためのインデックスmmvd_tbl_idxを復号する。
DistanceTableSet[][] =
{
{1, 2, 4, 8, 16, 32, 64, 128} // DistanceTable0[]
{2, 4, 1, 8, 16, 32, 64, 128} // DistanceTable1[]
{4, 8, 2, 16, 1, 32, 64, 128} // DistanceTable2[]
{8, 16, 4, 32, 2, 64, 1, 128} // DistanceTable3[]
{64, 128, 32, 16, 8, 4, 2, 1} // DistanceTable4[]
{128, 64, 32, 16, 8, 4, 2, 1} // DistanceTable5[]
}
S102:パラメータ復号部302は、インデックスmmvd_tbl_idxを用いて距離テーブルを選
択する。
DistanceTable[] = DistanceTableSet[mmvd_tbl_idx]
なお、テーブルは上記に限定されず以下のようなテーブルでもよい。
DistanceTableSet[][] =
{
{1, 2, 4, 8, 16, 32, 64, 128} // DistanceTable0[]
{2, 4, 1, 8, 16, 32, 64, 128} // DistanceTable1[]
{2, 1, 4, 8, 16, 32, 64, 128} // DistanceTable2[]
{4, 8, 2, 16, 1, 32, 64, 128} // DistanceTable3[]
{4, 2, 8, 16, 1, 32, 64, 128} // DistanceTable4[]
{8, 16, 4, 32, 2, 64, 1, 128} // DistanceTable5[]
{8, 4, 16, 32, 2, 64, 1, 128} // DistanceTable6[]
{64, 128, 32, 16, 8, 4, 2, 1} // DistanceTable7[]
{64, 32, 128, 16, 8, 4, 2, 1} // DistanceTable8[]
{128, 64, 32, 16, 8, 4, 2, 1} // DistanceTable9[]
}
上記のテーブルでは、もっとも優先度の高い距離値において複数のテーブルを用いることによって、異なるピクチャの性質により合わせたテーブルの選択ができる。例えば、先頭の値が4である場合に対して、2番目の要素が先頭要素の4より大きい8であるテーブルと、2番目の要素が先頭要素の4より小さい2であるテーブルを用意する。
{4, 8, 2, 16, 1, 32, 64, 128} // DistanceTable3[]
{4, 2, 8, 16, 1, 32, 64, 128} // DistanceTable4[]
上記構成によれば、ピクチャの性質に合わせた距離テーブルを選択することによって、
符号化効率を向上することができる。また既符号化(既復号)ピクチャの状態に依存しないため、連続するピクチャを並列処理することができる。また、復号側の処理が簡単でありエラーに強い。
(距離テーブル伝送の実施例3)
動画像符号化装置および動画像復号装置において、符号化データとして最も頻度が高い距離のインデックスを伝送しても良い。
S101:パラメータ復号部302は、セグメントヘッダもしくはパラメータヘッダの符号化
データから距離テーブルの情報のシンタックス要素として、距離テーブルの先頭シンタックス要素として、テーブルを導出するためのインデックスmmvd_tbl_idxを復号する。
DistanceTable[0] = DistanceTable[mmvd_tbl_idx]
S102:パラメータ復号部302は、mmvd_tbl_idxのシンタックス値に応じて距離テーブル
の先頭要素DistanceTable[0]を導出する。さらに、パラメータ復号部302は、距離テーブ
ルの先頭要素の値DistanceTable[0]に基づいて、他の距離テーブルの値を導出する。
例えば、先頭要素の値の2倍と1/2倍、4倍と1/4倍の重みを順に計算し、ある特定の範囲の重みを距離テーブルの値として追加する。
例えば、以下のような疑似コードで導出可能である。
i = 0
tmp = DistanceTable[0]
for (K = 2; K < 16; K=K*2) {
if (i < NumDistanceTable && tmp * K > MinDistanceVal && tmp * K < MaxDistanceVal) {
DistanceTable[i++] = tmp * K
if (i < NumDistanceTable && tmp / K > MinDistanceVal && tmp / K < MaxDistanceVal)
DistanceTable[i++] = tmp / K
}
ここで、NumDistanceTableは距離テーブルのサイズ、MinDistanceValは距離テーブルの最小値(例えば0)、MaxDistanceValは距離テーブルの最大値(例えば128)である。
また以下のように先頭要素のインデックスmmvd_tbl_idxに対して、+1, -1, +2, -2のインデックスの重みを順に計算し、ある特定の範囲の重みを距離テーブルの値として追加する。
例えば、以下のような疑似コードで導出可能である。
i = 0
DistanceTable[0] = DistanceTableBase[mmvd_tbl_idx]
for (K = 1; K < 16; K=K+1) {
if (i < NumDistanceTable && mmvd_tbl_idx+K < NumDistanceTable)
DistanceTable[i++] = DistanceTableBase[mmvd_tbl_idx+K]
if (i < NumDistanceTable && mmvd_tbl_idx-K > 0)
DistanceTable[i++] = DistanceTableBase[mmvd_tbl_idx-K]
}
上記構成によれば、距離テーブルの先頭要素に関するインデックスを1つ伝送するだけ
で、動画像復号装置でピクチャの性質に合わせた距離テーブルを導出することができ、符号化効率を向上することができる。
(距離テーブル生成の実施例1)
動画像符号化装置および動画像復号装置において、MMVD距離テーブルを画面内で更新する構成としてもよい。特に、隣接ブロック(左隣接ブロックと上隣接ブロック)で利用したMMVD距離値を優先してもよい。
i = 0
if (左ブロックがMMVD予測を利用したブロック)
左ブロックの重みをDistanceTable[i]に代入し、iをインクリメント(i++)
if (上ブロックがMMVD予測を利用したブロック)
上ブロックの重みをDistanceTable[i]に代入し、iをインクリメント(i++)
j = i..NumDistanceTable -1においてNumDistanceTable[j]の値を導出する。例えば、DistanceTableBase[]に格納されている重みのうち、DistanceTable[]にまだ格納されてお
らず、また、先頭要素DistanceTable[0]に近い大きさの(先頭要素との差分値の絶対値が小さい)重みをDistanceTable[i]に順に代入する。
上記構成によれば、画面内の処理によって、距離テーブルを並び替えることによって、ピクチャの性質に合わせた距離テーブルを導出することができ、符号化効率を向上することができる。また前ピクチャの状態に依存しないため、連続するピクチャを並列処理することができる。
(差分ベクトルの導出)
MMVD予測部30376は、基本動きベクトルと差分ベクトルの大きさDistFromBaseMVからrefineMvLXを導出する。中心ベクトルに関するマージ候補NがL0参照ピクチャからの単予測(predFlagL0N = 1, predFlagL1N = 0)の場合、MMVD予測部30376は、L0の差分ベクトルrefineMvL0を、基本動きベクトルと差分ベクトルの大きさDistFromBaseMVから導出する。
refineMvL0[0] = (DistFromBaseMV<<shiftMMVD) * mvdUnit[0]
refineMvL0[1] = (DistFromBaseMV<<shiftMMVD) * mvdUnit[1]
refineMvL1[0] = 0
refineMvL1[1] = 0
ここでshiftMMVDは、動き補償部3091(補間部)での動きベクトルの精度MVPRECにあう
ように差分ベクトルの大きさを調整する値である。例えばMVPRECが16、つまり1/16画素の動きベクトル精度で、4方向、つまりmvdUnit[0], mvdUnit[1]が0もしくは1の場合には
、2を用いることが適当である。また、shiftMMVDのシフト方向は左シフトの限定されない。例えば、6、8、12、16方向など、mvdUnit[0], mvdUnit[1]が0もしくは1以外の値(例えば8)などを用いる場合には、MMVD予測部30376は、シフト方向を右シフトとしてもよい。例えば、MMVD予測部30376は、以下のように基本動きベクトル(mvdUnit[0], mvdUnit[1])を乗算した後で右シフトをしてもよい。
refineMvL0[0] = (DistFromBaseMV * mvdUnit[0]) >> shiftMMVD
refineMvL0[1] = (DistFromBaseMV * mvdUnit[1]) >> shiftMMVD
また、MMVD予測部30376は、動きベクトルの大きさと符号に分けて計算してもよい。以
後、差分ベクトルの他の導出方法においても同様である。
refineMvL0[0] = ((DistFromBaseMV * abs(mvdUnit[0])) >> shiftMMVD) * sign(mvdUnit[0])
refineMvL0[1] = ((DistFromBaseMV * abs(mvdUnit[1])) >> shiftMMVD) * sign(mvdUn
it[1])
上記以外、中心ベクトルに関するマージ候補NがL1参照ピクチャからの単予測(predFlagL0N = 0, predFlagL1N = 1)の場合、MMVD予測部30376は、L1の差分ベクトルrefineMvL1を、基本動きベクトルと差分ベクトルの大きさDistFromBaseMVから導出する。
refineMvL0[0] = 0
refineMvL0[1] = 0
refineMvL1[0] = (DistFromBaseMV<<shiftMMVD) * mvdUnit[0]
refineMvL1[1] = (DistFromBaseMV<<shiftMMVD) * mvdUnit[1]
もしくは
refineMvL1[0] = (DistFromBaseMV * mvdUnit[0]) >> shiftMMVD
refineMvL1[1] = (DistFromBaseMV * mvdUnit[1]) >> shiftMMVD
上記以外、中心ベクトルに関するマージ候補Nが双予測(predFlagL0N = 1, predFlagL1N = 1)の場合、MMVD予測部30376は、第1差分ベクトルfirstMvを、基本動きベクトルと差分ベクトルの大きさDistFromBaseMVから導出する。firstMvをMmvdOffsetと呼んでも良い。
firstMv[0] = (DistFromBaseMV<<shiftMMVD) * mvdUnit[0]
firstMv[1] = (DistFromBaseMV<<shiftMMVD) * mvdUnit[1]
もしくは
firstMv[0] = (DistFromBaseMV * mvdUnit[0]) >> shiftMMVD
firstMv[1] = (DistFromBaseMV * mvdUnit[1]) >> shiftMMVD
ここでshiftMMVDは、所定の長さに正規化するシフト値である。右シフトの場合には、シ
フト前にラウンド用のオフセットaddを加算してもよい。add = 1<<(shiftMMVD-1)を用い
ても、add = (1<<(shiftMMVD-1))-1を用いても良い。
ここで、第1差分ベクトルrefineMvは、対象ピクチャと参照ピクチャのPOC距離(POCの差)が大きい方の差分ベクトルに対応する。つまり、参照ピクチャリストL0と参照ピクチャリストL1の参照ピクチャの内、対象ピクチャと参照ピクチャのPOC距離(POCの差)が大きい方の参照ピクチャを参照ピクチャリストLXの参照ピクチャとすると、POC距離(POCの差)が大きい方(LX)の参照ピクチャの参照画像と対象ピクチャ上の対象ブロックの差分ベクトルである。
続いて、MMVD予測部30376は、第1動きベクトルfirstMvをスケーリングすることで、もう一方の参照ピクチャ(参照リストLY(Y=1-X))の第2動きベクトル(POC距離の小さい方の参照ピクチャの動きベクトルsecondMv)を導出してもよい。
例えば、対象ピクチャcurrPicとL0ピクチャRefPicList0[ refIdxLN0 ]の距離が、対象
ピクチャとL1ピクチャRefPicList1[ refIdxLN1 ]との距離よりも大きい場合には、第1ベクトルfirstMvはL0差分ベクトルrefineMvL0に対応する。さらに、MMVD予測部30376は、第1ベクトルfirstMvをスケーリングしてL1差分ベクトルrefineMvL1を導出してもよい。
refineMvL0[0] = firstMv[0]
refineMvL0[1] = firstMv[1]
refineMvL1[0] = Clip3( -32768, 32767, Sign( distScaleFactor * firstMv[0]) *
( ( Abs( distScaleFactor * refineMvL0[0]) + 127 ) >> 8 ) )
refineMvL1[1] = Clip3( -32768, 32767, Sign( distScaleFactor * firstMv[1]) *
( ( Abs( distScaleFactor * refineMvL0[1]) + 127 ) >> 8 ) )
ここでMMVD予測部30376は、distScaleFactor を、currPicとL0参照ピクチャのPOC差DiffPicOrderCnt( currPic, RefPicList0[ refIdxLN0 ]とcurrPicとL1参照ピクチャのPOC差D
iffPicOrderCnt( currPic, RefPicList1[ refIdxLN1 ]から以下のように導出する。
distScaleFactor = Clip3( -4096, 4095, ( tb * tx + 32 ) >> 6 )
tx = ( 16384 + ( Abs( td ) >> 1 ) ) / td
td = Clip3( -128, 127, DiffPicOrderCnt( currPic, RefPicList0[ refIdxLN0 ]) )
tb = Clip3( -128, 127, DiffPicOrderCnt( currPic, RefPicList1[ refIdxLN1 ]) )
上記以外、対象ピクチャcurrPicとL0ピクチャRefPicList0[ refIdxLN0 ]の距離が、対
象ピクチャとL1ピクチャRefPicList1[ refIdxLN1 ]との距離以下の場合には、第1ベクトルfirstMvはL1差分ベクトルrefineMvL1に対応する。この場合、MMVD予測部30376は、第1ベクトルfirstMvをスケーリングしてL0差分ベクトルrefineMvL0を導出してもよい。
refineMvL0[0] = Clip3( -32768, 32767, Sign( distScaleFactor * firstMv[0]) *
( ( Abs( distScaleFactor * firstMv[0]) + 127 ) >> 8 ) )
refineMvL0[1] = Clip3( -32768, 32767, Sign( distScaleFactor * firstMv[1]) *
( ( Abs( distScaleFactor * firstMv[1]) + 127 ) >> 8 ) )
refineMvL1[0] = firstMv[0]
refineMvL1[1] = firstMv[1]
ここでMMVD予測部30376は、distScaleFactor を、currPicとL0参照ピクチャのPOC差DiffPicOrderCnt( currPic, RefPicList0[ refIdxLN0 ]とcurrPicとL1参照ピクチャのPOC差DiffPicOrderCnt( currPic, RefPicList1[ refIdxLN1 ]から以下のように導出する。
distScaleFactor = Clip3( -4096, 4095, ( tb * tx + 32 ) >> 6 )
tx = ( 16384 + ( Abs( td ) >> 1 ) ) / td
td = Clip3( -128, 127, DiffPicOrderCnt( currPic, RefPicList1[ refIdxLN1 ]) )
tb = Clip3( -128, 127, DiffPicOrderCnt( currPic, RefPicList0[ refIdxLN0 ]) )
なお、対象ピクチャcurrPicとL0ピクチャRefPicList0[ refIdxLN0 ]の距離が、対象ピ
クチャとL1ピクチャRefPicList1[ refIdxLN1 ]との距離と等しい場合には、MMVD予測部30376は、firstMv[]をスケーリングすることなく、以下の処理(処理Aもしくは処理B)からrefineMv[]に設定してもよい。
処理A:
refineMvL0[0] = firstMv[0]
refineMvL0[1] = firstMv[1]
refineMvL1[0] = -firstMv[0]
refineMvL1[1] = -firstMv[1]
処理B:
refineMvL0[0] = firstMv[0]
refineMvL0[1] = firstMv[1]
refineMvL1[0] = firstMv[0]
refineMvL1[1] = firstMv[1]
より具体的には、MMVD予測部30376は、refineMv[]を、L0参照ピクチャと、対象ピクチ
ャcurrPicと、L1対象ピクチャと、が時間順に並ぶ場合には処理Aで導出し、それ以外の
場合には処理Bで導出する。
なお、時間順に並ぶ場合とは
(POC_L0 - POC_curr) * (POC_L1 - POC_curr) < 0の場合、すなわち、
DiffPicOrderCnt( RefPicList0[ refIdxLN0 ], currPic) * DiffPicOrderCnt( currPic, RefPicList1[ refIdxLN1 ] ) > 0の場合である。
ここで、POC_L0、POC_L1、POC_currは、各々L0参照ピクチャ、L1参照ピクチャ、対象ピクチャのPicture Order Countを示す。
その逆の場合(時間順序の逆)とは、
(POC_L0 - POC_curr) * (POC_L1 - POC_curr) > 0の場合、すなわち、
DiffPicOrderCnt( RefPicList0[ refIdxLN0 ], currPic) * DiffPicOrderCnt( currPic, RefPicList1[ refIdxLN1 ] ) < 0の場合である。
なお、POC間の距離が異なる場合においても、上記POC間の距離が等しい場合で説明したrefineMvLX[]を先に導出した後に、参照ピクチャと対象ピクチャのPOC距離に応じてrefineMvLX[]をスケールし最終的なrefineMvLX[]を導出しても構わない。
(スケーリングの別の例)
上記では、対象ピクチャcurrPicとL0ピクチャRefPicList0[ refIdxLN0 ]の距離が、対
象ピクチャとL1ピクチャRefPicList1[ refIdxLN1 ]との距離と等しい場合には、処理Aと処理Bを用いてフリップする例を示したが、フリップはスケーリング処理で行うことができるため処理Bだけの処理とすることができる。
MMVD予測部30376は、第1動きベクトルfirstMvをスケーリングすることで、もう一方の参照ピクチャ(参照リストLY(Y=1-X))の第2動きベクトル(POC距離の小さい方の参照ピクチャの動きベクトルsecondMv)を導出してもよい。
まず、対象ピクチャcurrPicと参照ピクチャの距離をcurrPocDiffL0, currPocDiffL1と
して導出する。
currPocDiffL0 = DiffPicOrderCnt( currPic, RefPicList0[ refIdxL0 ] )
currPocDiffL1 = DiffPicOrderCnt( currPic, RefPicList1[ refIdxL1 ] )
対象ピクチャcurrPicとL0ピクチャRefPicList0[ refIdxLN0 ]の差分と、対象ピクチャcurrPicとL1ピクチャRefPicList0[ refIdxLN0 ]の差分が等しい場合(currPocDiffL0 == currPocDiffL1)には、以下のように、第1ベクトルfirstMvをL0差分ベクトルrefineMvL0
とL1差分ベクトルrefineMvL1に設定する。この処理は、上記の処理Bに等しい。
refineMvL0[0] = firstMv[0]
refineMvL0[1] = firstMv[1]
refineMvL1[0] = firstMv[0]
refineMvL1[1] = firstMv[1]
上記以外、対象ピクチャcurrPicとL0ピクチャRefPicList0[ refIdxLN0 ]の距離が、対
象ピクチャとL1ピクチャRefPicList1[ refIdxLN1 ]との距離よりも大きい場合には(Abs(currPocDiffL0) > Abs(currPocDiffL1))、第1ベクトルfirstMvはL0差分ベクトルrefineMvL0に対応する。さらに、MMVD予測部30376は、第1ベクトルfirstMvをスケーリングしてL1差分ベクトルrefineMvL1を導出してもよい。
refineMvL0[0] = firstMv[0]
refineMvL0[1] = firstMv[1]
refineMvL1[0] = Clip3( -32768, 32767, Sign( distScaleFactor * firstMv[0]) *
( ( Abs( distScaleFactor * refineMvL0[0]) + 127 ) >> 8 ) )
refineMvL1[1] = Clip3( -32768, 32767, Sign( distScaleFactor * firstMv[1]) *
( ( Abs( distScaleFactor * refineMvL0[1]) + 127 ) >> 8 ) )
ここでMMVD予測部30376は、distScaleFactor を、currPicとL0参照ピクチャのPOC差DiffPicOrderCnt( currPic, RefPicList0[ refIdxLN0 ]とcurrPicとL1参照ピクチャのPOC差DiffPicOrderCnt( currPic, RefPicList1[ refIdxLN1 ]から以下のように導出する。
distScaleFactor = Clip3( -4096, 4095, ( tb * tx + 32 ) >> 6 )
tx = ( 16384 + ( Abs( td ) >> 1 ) ) / td
td = Clip3( -128, 127, DiffPicOrderCnt( currPic, RefPicList0[ refIdxLN0 ]) )
tb = Clip3( -128, 127, DiffPicOrderCnt( currPic, RefPicList1[ refIdxLN1 ]) )
なお上記では、Abs(currPocDiffL0) > Abs(currPocDiffL1)を用いたがAbs(currPocDiffL0) >= Abs(currPocDiffL1)を用いてもよい。
上記以外の場合(対象ピクチャcurrPicとL0ピクチャRefPicList0[ refIdxLN0 ]の距離
が、対象ピクチャとL1ピクチャRefPicList1[ refIdxLN1 ]との距離以下の場合(Abs(currPocDiffL0) <= Abs(currPocDiffL1))、第1ベクトルfirstMvはL1差分ベクトルrefineMvL1に対応する。この場合、MMVD予測部30376は、第1ベクトルfirstMvをスケーリングしてL0差分ベクトルrefineMvL0を導出してもよい。
refineMvL0[0] = Clip3( -32768, 32767, Sign( distScaleFactor * firstMv[0]) *
( ( Abs( distScaleFactor * firstMv[0]) + 127 ) >> 8 ) )
refineMvL0[1] = Clip3( -32768, 32767, Sign( distScaleFactor * firstMv[1]) *
( ( Abs( distScaleFactor * firstMv[1]) + 127 ) >> 8 ) )
refineMvL1[0] = firstMv[0]
refineMvL1[1] = firstMv[1]
上記構成では、スケーリングが多くても1回行われるだけであるので処理がシンプルである。またL0参照ピクチャとL1参照ピクチャとの距離が等しい場合の処理は、第1ベクトルfirstMvをL0差分ベクトルrefineMvL0とL1差分ベクトルrefineMvL1に設定する(処理B
)ことだけであり、処理が簡単である。
(中心ベクトルと差分ベクトルの加算)
最終的に、MMVD予測部30376は、差分ベクトルrefineMv[](mvdLX[])と中心ベクトルmvLXN[](mvpLX[])とから以下のように、MMVDマージ候補の動きベクトルを導出する。
mvL0[ 0 ] = mvL0N[ 0 ] + refineMvL0[0]
mvL0[ 1 ] = mvL0N[ 1 ] + refineMvL0[1]
mvL1[ 0 ] = mvL1N[ 0 ] + refineMvL1[0]
mvL1[ 1 ] = mvL1N[ 1 ] + refineMvL1[1]
(まとめ)
このように、予測ベクトルが双予測であっても、MMVD予測部30376は、1方の動きベク
トルの情報(direction_idx、distance_idx)を1組だけ通知する。そして1組の情報か
ら2つの動きベクトルを導出する。MMVD予測部30376は、2つの参照ピクチャのそれぞれ
のPOCと対象ピクチャのPOCとの差から、必要に応じて動きベクトルのスケーリングを行う。POC距離(POCの差)が大きい方の参照ピクチャLXの参照画像と対象ピクチャ上の対象ブロックの差分ベクトルが通知される動きベクトル(firstMv)に対応する。
firstMv[0] = (DistFromBaseMV<<shiftMMVD) * mvdUnit[0]
firstMv[1] = (DistFromBaseMV<<shiftMMVD) * mvdUnit[1]
MMVD予測部30376は、POC距離の小さい方の参照ピクチャLY (Y = 1 - X)の動きベクトルmvdLY(secondMv)を、ピクチャ間のPOC距離の比(POCS/POCL)でスケーリングすることで導
出する。
secondMv[0] = (DistFromBaseMV<<shiftMMVD) * mvdUnit[0] *POCS/POCL
secondMv[1] = (DistFromBaseMV<<shiftMMVD) * mvdUnit[1] *POCS/POCL
なお、POC距離の小さい方の参照ピクチャとは、対象ピクチャと参照ピクチャのPOC距離(POCの差)が小さい方に対応する。ここで、POCSは対象ピクチャに近い参照ピクチャと
のPOC差の差分値、POCLは対象ピクチャから遠い参照ピクチャとのPOC差の差分値である。あるいは動きベクトルmvdLYを下式で導出してもよい。
mvdLY = MvScale(DistFromBaseMV,CurPic,PicLX,CurPic,PicLY)
ここで、CurPic,PicLX, PicLYは対象ピクチャ、対象ピクチャから遠いほうの参照ピクチ
ャ、対象ピクチャから近いほうの参照ピクチャを表す。
以上のように、MMVD予測部30376はmvpLX[](mvLXN[])とmvdLX[](refineMv[])を導出し、これらを用いて対象ブロックの動きベクトルmvLX[]を導出する。
mvLX[0] = mvpLX[0]+mvdLX[0]
mvLX[1] = mvpLX[1]+mvdLX[1]
(動きベクトルの整数丸め)
MMVD予測部30376は、中心ベクトルに加算する差分ベクトルmvdLXの大きさが所定の閾値よりも大きい場合に、対象ブロックの動きベクトルmvLXが整数画素位置を示すように修正してもよい。例えば、MMVD予測部30376は、DistFromBaseMVが所定の閾値16以上の場合に
整数化をおこなってもよい。
また、MMVD予測部30376は、距離テーブルを選択するインデックスdistance_list_idxが特定の距離テーブル(例えばDistanceTable2)かつ距離テーブルの要素を選択する(距離の係数を選択する)インデックスdistance_idxが特定の範囲(例えば、distance_idxが2
や3)の場合に、整数化をおこなってもよい。例えば、MMVD予測部30376は、distance_list_idx == 1 かつ、distance_idx >= 2のとき、以下の式からmvLXを修正してもよい。
mvLX[0] = (mvLX[0] / MVPREC) * MVPREC
mvLX[1] = (mvLX[1] / MVPREC) * MVPREC
またシフトを用いて導出しても良い。
mvLX[0] = (mvLX[0] >> MVBIT) << MVBIT
mvLX[1] = (mvLX[1] >> MVBIT) << MVBIT
ここでMVBIT = log2(MVPREC)。例えば4。また、正と負を考慮して以下で導出しても良い
mvLX[0] = mvLX[0] >=0 ? (mvLX[0] >> MVBIT) << MVBIT : -((-mvLX[0] >> MVBIT) <<
MVBIT)
mvLX[1] = mvLX[1] >=0 ? (mvLX[1] >> MVBIT) << MVBIT : -((-mvLX[1] >> MVBIT) <<
MVBIT)
このように、動きベクトルを整数に丸めることにより、予測画像生成の演算量を削減することが可能となる。
(シンタックス)
次に、図16及び図17を参照して、MMVD予測部30376における予測モードの選択処理の流
れについて説明する。図16は、MMVD予測部30376における予測モードの選択処理の流れを
示すフローチャートである。図17は、本実施形態に係る予測モードの選択処理を示すシンタックスを示す図であり、図16に示す処理の一部に対応するシンタックステーブルである。
図16に示すように、本実施形態では、パラメータ復号部302は、まず、スキップフラグ
(図17におけるskip_flag)を復号する(S1301)。スキップフラグがスキップモードであることを示している場合(S1302でYES)、パラメータ復号部302はMMVDフラグ(図17にお
けるmmvd_flag)を復号する(S1303)。MMVDフラグがMMVDモードであることを示していない場合(S1304でNO)、予測モードはスキップモードである(S1305)。スキップモードでは、図17に示すように、パラメータ復号部302は、マージインデックス(図17におけるmerge_idx)を復号する。
MMVDフラグがMMVDモードであることを示している場合(S1304でYES)、予測モードはMMVDモードである(S1305)。MMVDモードでは、図17に示すように、パラメータ復号部302はbase_candidate_idx、distance_idx、及びdirection_idxを復号する。
スキップフラグがスキップモードであることを示していない場合(S1302でNO)、パラ
メータ復号部302は、マージフラグ(図17におけるmerge_flag)を復号する(S1307)。マージフラグがマージモードであることを示している場合(S1308でYES)、パラメータ復号部302は、MMVDフラグ(図17におけるmmvd_flag)を復号する(S1309)。MMVDフラグがMMVDモードであることを示していない場合(S1310でNO)、予測モードはマージモードである(S1311)。マージモードでは、図17に示すように、パラメータ復号部302は、マージインデックス(図17におけるmerge_idx)を復号する。
MMVDフラグがMMVDモードであることを示している場合(S1310でYES)、予測モードはMMVDモードである(S1312)。MMVDモードでは、図17に示すように、パラメータ復号部302はbase_candidate_idx、distance_idx、及びdirection_idxを復号する。
マージフラグがマージモードであることを示していない場合(S1308でNO)、予測モー
ドはAMVPモードである(S1313)。
スキップモード、マージモードにおいては、パラメータ復号部302は、merge_idxを復号する。
MMVDモードにおいては、パラメータ復号部302は、base_candidate_idx、distance_idx
およびdirection_idxを復号する。MMVD予測部30376はこれらのパラメータを用いて、mvpLX、mvdLXを導出する。そしてmvLXを導出する。
次に、図18及び図19を参照して、本発明の別の実施の形態のMMVD予測部30376における
予測モードの選択処理の流れについて説明する。図18は、MMVD予測部30376における予測
モードの選択処理の流れを示すフローチャートである。図19は、本実施形態に係る予測モードの選択処理を示すシンタックスを示す図であり、図18に示す処理の一部に対応するシンタックステーブルである。
図16のフローチャート及び図17のシンタックスでは、スキップモードおよびマージモードにおいて、MMVDフラグを復号する処理が存在する。高い圧縮率で、符号化、復号を行いたい場合、相対的にスキップモードやマージモードが多く選択されるが、その場合、MMVDフラグの存在がオーバヘッドとなる。図18のフローチャート及び図19のシンタックスでは、MMVD予測部30376は、スキップモードおよびマージモードのいずれも選択されなかった場合にMMVDモードを選択する。
図18に示すように、本実施形態では、パラメータ復号部302は、まず、スキップフラグ
(図19におけるskip_flag)を復号する(S1401)。スキップフラグがスキップモードであることを示している場合(S1402でYES)、予測モードはスキップモードである(S1403)
。スキップモードでは、図19に示すように、パラメータ復号部302は、マージインデック
ス(図19におけるmerge_idx)を復号する。
スキップフラグがスキップモードであることを示していない場合(S1402でNO)、パラ
メータ復号部302は、マージフラグ(図19におけるmerge_flag)を復号する(S1404)。マージフラグがマージモードであることを示している場合(S1405でYES)、予測モードはマージモードである(S1406)。マージモードでは、図19に示すように、パラメータ復号部302は、マージインデックス(図19におけるmerge_idx)を復号する。
マージフラグがマージモードであることを示していない場合(S1405でNO)、パラメー
タ復号部302は、MMVDフラグ(図19におけるmmvd_flag)を復号する(S1407)。MMVDフラ
グがMMVDモードであることを示していない場合(S1408でNO)、予測モードはAMVPモード
である(S1409)。MMVDフラグがMMVDモードであることを示している場合(S1408でYES)
、予測モードはMMVDモードである(S1410)。MMVDモードでは、図19に示すように、パラ
メータ復号部302はbase_candidate_idx、distance_idx、及びdirection_idxを復号する。パラメータ符号化部111は、同様の動作でシンタックス要素を符号化する。
尚、マージモードとスキップモードとの違いは、復号画像生成において、予測残差を用いるか否かであるため、パラメータ復号部302は、図18及び図19の処理の後に、スキップ
モードおよびマージモードでは、量子化予測誤差が含まれているか否かを示すフラグをシンタックス要素として復号する必要はない。一方、AMVPAMVPモードである場合は、パラメータ復号部302は、量子化予測誤差が含まれているかか否かを示すフラグをシンタックス要素として復号する必要がある。すなわち、TU復号部3024は、skip_mode==0かつmerge_flag==0の場合に、対象ブロックに量子化予測誤差が含まれているか否かを示すフラグcu_cbfcbfを符号化データから復号し、それ以外の場合、つまり、スキップモードskip_mode==1、もしくは、マージモードmerge_flagflag==1の場合にcu_cbfcbfの復号を省略する。cu_cbfcbfが1の場合に量子化予測誤差を復号する。cu_cbfcbfが符号化データに存在しない場合はスキップモードでは0、マージモードでは1と設定する。
このような構成をとることで、高い圧縮率で符号化された時に、多数のスキップフラグが予測残差の存在しないスキップモードを示す場合には、MMVDフラグを復号する必要がないために、符号化効率が低下しない。
次に、図20及び図21を参照して、本発明の実施の形態のMMVD予測部30376における予測
モードの選択処理の流れについて説明する。図20は、MMVD予測部30376における予測モー
ドの選択処理の流れを示すフローチャートである。図21は、本実施形態に係る予測モードの選択処理を示すシンタックスを示す図であり、図20に示す処理の一部に対応するシンタックステーブルである。
図20のフローチャート及び図21のシンタックスでは、スキップモードでは、MMVD予測を行わず、マージモードの時のみにMMVD予測を選択可能とする。
図20に示すように、本実施形態では、パラメータ復号部302(予測パラメータ復号部)
は、まず、スキップフラグ(図21におけるskip_flag)を復号する(S1501)。スキップフラグがスキップモードであることを示している場合(S1502でYES)、予測モードはスキップモードである(S1503)。スキップモードでは、図20に示すように、パラメータ復号部302は、マージインデックス(図21におけるmerge_idx)を復号する。
スキップフラグがスキップモードであることを示していない場合(S1502でNO)、パラ
メータ復号部302は、マージフラグ(図21におけるmerge_flag)を復号する(S1504)。マージフラグがマージモードであることを示している場合(S1505でYES)、パラメータ復号部302は、MMVDフラグ(図21におけるmmvd_flag)を復号する(S1506)。MMVDフラグがMMVDモードであることを示していない場合(S1507でNO)、予測モードはマージモードである(S1508)。マージモードでは、図21に示すように、パラメータ復号部302は、マージインデックス(図21におけるmerge_idx)を復号する。MMVDフラグがMMVDモードであることを示している場合(S1507でYES)、予測モードはMMVDモードである(S1509)。MMVDモードでは、図21に示すように、パラメータ復号部302はbase_candidate_idx、distance_idx、及びdirection_idxを復号する。
マージフラグがマージモードであることを示していない場合(S1505でNO)、予測モー
ドはAMVPモードである(S1510)。パラメータ符号化部111は、同様の動作でシンタックス要素を符号化する。
尚、マージモードかつMMVDモードでない場合(S1508, merge_flag == 1 && mmvd_flag ==0)は、スキップモード(S1503, skip_flag == 1)との違いは、量子化予測誤差が含まれているか否かであるため、パラメータ復号部302は、図20及び図21の処理の後に、量子化予測誤差が含まれているか否かを示すフラグcu_cbfcbfをシンタックス要素として復号する必要はない。すなわち、TU復号部3024は、skip_mode==0かつ(merge_flag==0、または、mergemerge_flag==1かつMMVDモード(mmvd_flag==11)の場合(AMVPモード、MMVDモード)に、対象ブロックに量子化予測誤差が含まれているか否かを示すフラグcu_cbfcbfを符号化データから復号し、それ以外の場合、つまり、スキップモードskip_mode==1、もしくは、マージモードmerge_flag==1の場合(スキップモード、マージモード)にcu_cbfcbfの復号を省略する。cu_cbfcbfが1の場合に量子化予測誤差を復号する。cu_cbpが符号化データに存在しない場合はスキップモードでは0、マージモードでは1と設定する。
このような構成をとることで、高い圧縮率で符号化された時に、多数のスキップフラグが予測残差の存在しないスキップモードを示す場合にMMVDフラグを復号する必要がないために、符号化効率が低下しない。
ループフィルタ305は、符号化ループ内に設けたフィルタで、ブロック歪やリンギング
歪を除去し、画質を改善するフィルタである。ループフィルタ305は、加算部312が生成したCUの復号画像に対し、デブロッキングフィルタ、サンプル適応オフセット(SAO)、適
応ループフィルタ(ALF)等のフィルタを施す。
参照ピクチャメモリ306は、加算部312が生成したCUの復号画像を、対象ピクチャ及び対象CU毎に予め定めた位置に記憶する。
予測パラメータメモリ307は、復号対象のCTUあるいはCU毎に予め定めた位置に予測パラメータを記憶する。具体的には、予測パラメータメモリ307は、パラメータ復号部302が復号したパラメータ及びエントロピー復号部301が復号した予測モードpredMode等を記憶す
る。
予測画像生成部308には、予測モードpredMode、予測パラメータ等が入力される。また
、予測画像生成部308は、参照ピクチャメモリ306から参照ピクチャを読み出す。予測画像生成部308は、予測モードpredModeが示す予測モードで、予測パラメータと読み出した参
照ピクチャ(参照ピクチャブロック)を用いてブロックもしくはサブブロックの予測画像を生成する。ここで、参照ピクチャブロックとは、参照ピクチャ上の画素の集合(通常矩形であるのでブロックと呼ぶ)であり、予測画像を生成するために参照する領域である。
(インター予測画像生成部309)
予測モードpredModeがインター予測モードを示す場合、インター予測画像生成部309は
、インター予測パラメータ復号部303から入力されたインター予測パラメータと読み出し
た参照ピクチャを用いてインター予測によりブロックもしくはサブブロックの予測画像を生成する。
図11は、本実施形態に係る予測画像生成部308に含まれるインター予測画像生成部309の構成を示す概略図である。インター予測画像生成部309は、動き補償部(予測画像生成装
置)3091、合成部3095を含んで構成される。
(動き補償)
動き補償部3091(補間画像生成部3091)は、インター予測パラメータ復号部303から入
力された、インター予測パラメータ(予測リスト利用フラグpredFlagLX、参照ピクチャインデックスrefIdxLX、動きベクトルmvLX)に基づいて、参照ピクチャメモリ306から、参
照ピクチャインデックスrefIdxLXで指定された参照ピクチャRefPicLXにおける、対象ブロックの位置を起点として動きベクトルmvLXだけシフトした位置にあるブロックを読み出すことによって補間画像(動き補償画像)を生成する。ここで、動きベクトルmvLXの精度が整数精度でない場合には、動き補償フィルタと呼ばれる小数位置の画素を生成するためのフィルタを施して、補間画像を生成する。
動き補償部3091は、まず、予測ブロック内座標(x,y)に対応する整数位置(xInt,yInt)および位相(xFrac,yFrac)を以下の式で導出する。
xInt = xPb+(mvLX[0]>>(log2(MVPREC)))+x
xFrac = mvLX[0]&(MVPREC-1)
yInt = yPb+(mvLX[1]>>(log2(MVPREC)))+y
yFrac = mvLX[1]&(MVPREC-1)
ここで、(xPb,yPb)は、bW*bHサイズのブロックの左上座標、x=0…bW-1、y=0…bH-1であり、MVPRECは、動きベクトルmvLXの精度(1/MVPREC画素精度)を示す。例えばMVPREC=16。
動き補償部3091は、参照ピクチャrefImgに補間フィルタを用いて水平補間処理を行うことで、一時的画像temp[][]を導出する。以下のΣはk=0..NTAP-1のkに関する和、shift1は値のレンジを調整する正規化パラメータ、offset1=1<<(shift1-1)である。
temp[x][y] = (ΣmcFilter[xFrac][k]*refImg[xInt+k-NTAP/2+1][yInt]+offset1)>>shift1
続いて、動き補償部3091は、一時的画像temp[][]を垂直補間処理により、補間画像Pred[][]を導出する。以下のΣはk=0..NTAP-1のkに関する和、shift2は値のレンジを調整する正規化パラメータ、offset2=1<<(shift2-1)である。
Pred[x][y] = (ΣmcFilter[yFrac][k]*temp[x][y+k-NTAP/2+1]+offset2)>>shift2
(合成部)
合成部3095は、動き補償部3091から供給される補間画像、インター予測パラメータ復号部303から供給されるインター予測パラメータ、及び、イントラ予測画像生成部310から供給されるイントラ画像を参照して、予測画像を生成し、生成した予測画像を加算部312に
供給する。
合成部3095は、Combined intra/inter合成部30951、Triangle合成部30952、OBMC部30953、BIO部30954を備えている。
(Combined intra/inter合成処理)
Combined intra/inter合成部30951は、AMVPにおける単方向予測、スキップモード、マ
ージモード、及びイントラ予測を複合的に用いることによって予測画像を生成する。
(Triangle合成処理)
Triangle合成部30952は、上述したTriangle予測を用いた予測画像を生成する。
(OBMC処理)
OBMC部30953は、OBMC(Overlapped block motion compensation)処理を用いて予測画
像を生成する。OBMC処理には以下の処理が含まれる。
・対象サブブロックに付加されたインター予測パラメータを用いて生成される補間画像(PU補間画像)と、対象サブブロックの隣接サブブロックの動きパラメータを用いて生成される補間画像(OBMC補間画像)とを用いて、対象サブブロックの補間画像(動き補償画像)を生成する。
・OBMC補間画像とPU補間画像とを加重平均することにより、予測画像を生成する。
(BIO処理)
BIO部30954は、BIO(Bi-directional optical flow;双予測勾配変化)処理を行うことによって、予測画像を生成する。BIO処理では、動き補償画像PredL0及びPredL1と、勾配
補正項とを参照して予測画像を生成する。BIO部30954は、後述する重み予測を行うことによって予測画像を生成する構成としてもよい。
(重み予測)
重み予測では、動き補償画像PredLXに重み係数を乗算することによりブロックの予測画像を生成する。予測リスト利用フラグの一方(predFlagL0もしくはpredFlagL1)が1(単予測)、かつ、重み予測を用いない場合、動き補償画像PredLX(LXはL0もしくはL1)を画素ビット数bitDepthに合わせる以下の式の処理を行う。
Pred[x][y] = Clip3(0,(1<<bitDepth)-1,(PredLX[x][y]+offset1)>>shift1)
ここで、shift1=14-bitDepth、offset1=1<<(shift1-1)である。
また、参照リスト利用フラグの両者(predFlagL0とpredFlagL1)が1(双予測BiPred)、かつ、重み予測を用いない場合、動き補償画像PredL0、PredL1を平均し画素ビット数に合わせる以下の式の処理を行う。
Pred[x][y] = Clip3(0,(1<<bitDepth)-1,(PredL0[x][y]+PredL1[x][y]+offset2)>>shift2)
ここで、shift2=15-bitDepth、offset2=1<<(shift2-1)である。
さらに、単予測、かつ、重み予測を行う場合、重み予測部3094は重み予測係数w0とオフセットo0を符号化データから導出し、以下の式の処理を行う。
Pred[x][y] = Clip3(0,(1<<bitDepth)-1,((PredLX[x][y]*w0+2^(log2WD-1))>>log2WD)+o0)
ここで、log2WDは所定のシフト量を示す変数である。
さらに、双予測BiPred、かつ、重み予測を行う場合、重み予測部3094は重み予測係数w0、w1、o0、o1を符号化データから導出し、以下の式の処理を行う。
Pred[x][y] = Clip3(0,(1<<bitDepth)-1,(PredL0[x][y]*w0+PredL1[x][y]*w1+((o0+o1+1)<<log2WD))>>(log2WD+1))
そして、生成したブロックの予測画像を加算部312に出力する。
逆量子化・逆変換部311は、エントロピー復号部301から入力された量子化変換係数を逆量子化して変換係数を求める。この量子化変換係数は、符号化処理において、予測誤差に対してDCT(Discrete Cosine Transform、離散コサイン変換)、DST(Discrete Sine Transform、離散サイン変換)等の周波数変換を行い量子化して得られる係数である。逆量子化・逆変換部311は、求めた変換係数について逆DCT、逆DST等の逆周波数変換を行い、予測誤差を算出する。逆量子化・逆変換部311は予測誤差を加算部312に出力する。逆量子化・逆変換部311は、skip_flagが1の場合もしくはcu_cbpが0の場合に対象ブロックの予測誤差を全て0と設定する。
加算部312は、予測画像生成部308から入力されたブロックの予測画像と逆量子化・逆変換部311から入力された予測誤差を画素毎に加算して、ブロックの復号画像を生成する。
加算部312はブロックの復号画像を参照ピクチャメモリ306に記憶し、また、ループフィルタ305に出力する。
(動画像符号化装置の構成)
次に、本実施形態に係る動画像符号化装置11の構成について説明する。図12は、本実施形態に係る動画像符号化装置11の構成を示すブロック図である。動画像符号化装置11は、予測画像生成部101、減算部102、変換・量子化部103、逆量子化・逆変換部105、加算部106、ループフィルタ107、予測パラメータメモリ(予測パラメータ記憶部、フレームメモリ)108、参照ピクチャメモリ(参照画像記憶部、フレームメモリ)109、符号化パラメータ決定部110、パラメータ符号化部111、エントロピー符号化部104を含んで構成される。
予測画像生成部101は画像Tの各ピクチャを分割した領域であるCU毎に予測画像を生成
する。予測画像生成部101は既に説明した予測画像生成部308と同じ動作であり、説明を省略する。
減算部102は、予測画像生成部101から入力されたブロックの予測画像の画素値を、画像Tの画素値から減算して予測誤差を生成する。減算部102は予測誤差を変換・量子化部103に出力する。
変換・量子化部103は、減算部102から入力された予測誤差に対し、周波数変換によって変換係数を算出し、量子化によって量子化変換係数を導出する。変換・量子化部103は、
量子化変換係数をエントロピー符号化部104及び逆量子化・逆変換部105に出力する。
逆量子化・逆変換部105は、動画像復号装置31における逆量子化・逆変換部311(図7)
と同じであり、説明を省略する。算出した予測誤差は加算部106に出力される。
エントロピー符号化部104には、変換・量子化部103から量子化変換係数が入力され、パラメータ符号化部111から符号化パラメータが入力される。符号化パラメータには、例え
ば、参照ピクチャインデックスrefIdxLX、予測ベクトルインデックスmvp_LX_idx、差分ベクトルmvdLX、動きベクトル精度モードamvr_mode、予測モードpredMode、及びマージインデックスmerge_idx等の符号がある。
エントロピー符号化部104は、分割情報、予測パラメータ、量子化変換係数等をエント
ロピー符号化して符号化ストリームTeを生成し、出力する。
パラメータ符号化部111は、図示しないヘッダ符号化部1110、CT情報符号化部1111、CU
符号化部1112(予測モード符号化部)、およびパラメータ符号化部112を備えている。CU
符号化部1112はさらにTU符号化部1114を備えている。
以下、各モジュールの概略動作を説明する。パラメータ符号化部111はヘッダ情報、分
割情報、予測情報、量子化変換係数等のパラメータの符号化処理を行う。
CT情報符号化部1111は、符号化データからQT、MT(BT、TT)分割情報等を符号化する。
CU符号化部1112はCU情報、予測情報、TU分割フラグsplit_transform_flag、CU残差フラグcbf_cb、cbf_cr、cbf_luma等を符号化する。
TU符号化部1114は、TUに予測誤差が含まれている場合に、QP更新情報(量子化補正値)と量子化予測誤差(residual_coding)を符号化する。
CT情報符号化部1111、CU符号化部1112は、インター予測パラメータ(予測モードpredMode、マージフラグmerge_flag、マージインデックスmerge_idx、インター予測識別子inter_pred_idc、参照ピクチャインデックスrefIdxLX、予測ベクトルインデックスmvp_LX_idx
、差分ベクトルmvdLX)、イントラ予測パラメータ(prev_intra_luma_pred_flag、mpm_idx、rem_selected_mode_flag、rem_selected_mode、rem_non_selected_mode、)、量子化変換係数等のシンタックス要素をエントロピー符号化部104に供給する。
(パラメータ符号化部の構成)
パラメータ符号化部112は、符号化パラメータ決定部110から入力された予測パラメータに基づいて、インター予測パラメータを導出する。パラメータ符号化部112は、インター
予測パラメータ復号部303がインター予測パラメータを導出する構成と一部同一の構成を
含む。
図13は、パラメータ符号化部112の構成を示す概略図である。パラメータ符号化部112の構成について説明する。図13に示すように、パラメータ符号化部112は、パラメータ符号
化制御部1121、マージ予測部30374、サブブロック予測部(アフィン予測部)30372、DMVR部30375、MMVD予測部30376、Triangle予測部30377、AMVP予測パラメータ導出部3032、減
算部1123を含んで構成される。マージ予測部30374は、マージ予測パラメータ導出部3036
を備えている。パラメータ符号化制御部1121は、マージインデックス導出部11211とベク
トル候補インデックス導出部11212を含む。また、パラメータ符号化制御部1121は、マー
ジインデックス導出部11211でmerge_idx、affine_flag、base_candidate_idx、distance_idx、direction_idx等を導出し、ベクトル候補インデックス導出部11212でmvpLX等を導出する。マージ予測パラメータ導出部3036、AMVP予測パラメータ導出部3032、アフィン予測部30372、MMVD予測部30376、Triangle予測部30377を総称して動きベクトル導出部(動きベクトル導出装置)と称してもよい。パラメータ符号化部112は、動きベクトルmvLX、参照ピクチャインデックスrefIdxLX、インター予測識別子inter_pred_idc、あるいはこれらを示す情報を予測画像生成部101に出力する。またパラメータ符号化部112は、merge_flag、skip_flag、merge_idx、inter_pred_idc、refIdxLX、mvp_lX_idx、mvdLX、amvr_mode、affine_flagをエントロピー符号化部104に出力する。
パラメータ符号化制御部1121は差分ベクトルを表すパラメータ(base_candidate_idx、distance_idx、direction_idx等)を導出し、MMVD予測部30376に出力する。図15を参照してパラメータ符号化制御部1121におけるの差分ベクトル導出を説明する。図の中央の黒丸が予測ベクトルmvpLXの指す位置であり、この位置を中心にして、4(上、下、左、右)
方向に各々8つの探索距離を探索する。mvpLXはマージ候補リストの先頭と2番目の候補
の動きベクトルであり、各々に対し探索を実施する。マージ候補リストの予測ベクトルが2つ(リストの1番目と2番目)あり、探索距離が8、探索方向が4であるので、mvdLX
には64通りの候補がある。探索した中で最もコストの小さいmvdLXを、base_candidate_idx、distance_idxおよびdirection_idxで表す。
このようにMMVDモードは、予測ベクトルを中心として限られた候補点を探索し、適切な動きベクトルを導出するモードである。
マージインデックス導出部11211は、マージインデックスmerge_idxを導出し、マージ予測パラメータ導出部3036(マージ予測部)に出力する。MMVDモードにおいては、マージインデックス導出部11211は、マージインデックスmerge_idxの値をbase_candidate_idxの値
と同じ値に設定する。ベクトル候補インデックス導出部11212は予測ベクトルインデック
スmvp_lX_idxを導出する。
マージ予測パラメータ導出部3036は、マージインデックスmerge_idxに基づいて、イン
ター予測パラメータを導出する。
AMVP予測パラメータ導出部3032は動きベクトルmvLXに基づいて予測ベクトルmvpLXを導
出する。AMVP予測パラメータ導出部3032は予測ベクトルmvpLXを減算部1123に出力する。
なお、参照ピクチャインデックスrefIdxLX及び予測ベクトルインデックスmvp_lX_idxは、エントロピー符号化部104に出力される。
アフィン予測部30372は、サブブロックのインター予測パラメータ(アフィン予測パラ
メータ)を導出する。
減算部1123は、符号化パラメータ決定部110から入力された動きベクトルmvLXから、AMVP予測パラメータ導出部3032の出力である予測ベクトルmvpLXを減算して差分ベクトルmvdLXを生成する。差分ベクトルmvdLXはエントロピー符号化部104に出力される。
加算部106は、予測画像生成部101から入力されたブロックの予測画像の画素値と逆量子化・逆変換部105から入力された予測誤差を画素毎に加算して復号画像を生成する。加算
部106は生成した復号画像を参照ピクチャメモリ109に記憶する。
ループフィルタ107は加算部106が生成した復号画像に対し、デブロッキングフィルタ、SAO、ALFを施す。なお、ループフィルタ107は、必ずしも上記3種類のフィルタを含まな
くてもよく、例えばデブロッキングフィルタのみの構成であってもよい。
予測パラメータメモリ108は、符号化パラメータ決定部110が生成した予測パラメータを、対象ピクチャ及びCU毎に予め定めた位置に記憶する。
参照ピクチャメモリ109は、ループフィルタ107が生成した復号画像を対象ピクチャ及びCU毎に予め定めた位置に記憶する。
符号化パラメータ決定部110は、符号化パラメータの複数のセットのうち、1つのセッ
トを選択する。符号化パラメータとは、上述したQT、BTあるいはTT分割情報、予測パラメータ、あるいはこれらに関連して生成される符号化の対象となるパラメータである。予測画像生成部101は、これらの符号化パラメータを用いて予測画像を生成する。
符号化パラメータ決定部110は、複数のセットの各々について情報量の大きさと符号化
誤差を示すRDコスト値を算出する。符号化パラメータ決定部110は、算出したコスト値が
最小となる符号化パラメータのセットを選択する。これにより、エントロピー符号化部104は、選択した符号化パラメータのセットを符号化ストリームTeとして出力する。符号化パラメータ決定部110は決定した符号化パラメータを予測パラメータメモリ108に記憶する。
なお、上述した実施形態における動画像符号化装置11、動画像復号装置31の一部、例えば、エントロピー復号部301、パラメータ復号部302、ループフィルタ305、予測画像生成
部308、逆量子化・逆変換部311、加算部312、予測画像生成部101、減算部102、変換・量
子化部103、エントロピー符号化部104、逆量子化・逆変換部105、ループフィルタ107、符号化パラメータ決定部110、パラメータ符号化部111をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可
能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、動画像符号化装置11、動画像復号装置31のいずれかに内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
また、上述した実施形態における動画像符号化装置11、動画像復号装置31の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現しても良い。動画像符号化装置11、動画像復号装置31の各機能ブロックは個別にプロセッサ化しても良いし、一部、または全部を集積してプロセッサ化しても良い。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いても良い。
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
〔応用例〕
上述した動画像符号化装置11及び動画像復号装置31は、動画像の送信、受信、記録、再生を行う各種装置に搭載して利用することができる。なお、動画像は、カメラ等により撮像された自然動画像であってもよいし、コンピュータ等により生成された人工動画像(CGおよびGUIを含む)であってもよい。
まず、上述した動画像符号化装置11及び動画像復号装置31を、動画像の送信及び受信に利用できることを、図2を参照して説明する。
図2(a)は、動画像符号化装置11を搭載した送信装置PROD_Aの構成を示したブロック図である。図に示すように、送信装置PROD_Aは、動画像を符号化することによって符号化データを得る符号化部PROD_A1と、符号化部PROD_A1が得た符号化データで搬送波を変調することによって変調信号を得る変調部PROD_A2と、変調部PROD_A2が得た変調信号を送信する送信部PROD_A3と、を備えている。上述した動画像符号化装置11は、この符号化部PROD_A1として利用される。
送信装置PROD_Aは、符号化部PROD_A1に入力する動画像の供給源として、動画像を撮像
するカメラPROD_A4、動画像を記録した記録媒体PROD_A5、動画像を外部から入力するための入力端子PROD_A6、及び、画像を生成または加工する画像処理部A7を更に備えていて
もよい。図においては、これら全てを送信装置PROD_Aが備えた構成を例示しているが、一部を省略しても構わない。
なお、記録媒体PROD_A5は、符号化されていない動画像を記録したものであってもよい
し、伝送用の符号化方式とは異なる記録用の符号化方式で符号化された動画像を記録した
ものであってもよい。後者の場合、記録媒体PROD_A5と符号化部PROD_A1との間に、記録媒体PROD_A5から読み出した符号化データを記録用の符号化方式に従って復号する復号部(
不図示)を介在させるとよい。
図2(b)は、動画像復号装置31を搭載した受信装置PROD_Bの構成を示したブロック図である。図に示すように、受信装置PROD_Bは、変調信号を受信する受信部PROD_B1と、受信部PROD_B1が受信した変調信号を復調することによって符号化データを得る復調部PROD_B2と
、復調部PROD_B2が得た符号化データを復号することによって動画像を得る復号部PROD_B3と、を備えている。上述した動画像復号装置31は、この復号部PROD_B3として利用される
受信装置PROD_Bは、復号部PROD_B3が出力する動画像の供給先として、動画像を表示す
るディスプレイPROD_B4、動画像を記録するための記録媒体PROD_B5、及び、動画像を外部に出力するための出力端子PROD_B6を更に備えていてもよい。図においては、これら全て
を受信装置PROD_Bが備えた構成を例示しているが、一部を省略しても構わない。
なお、記録媒体PROD_B5は、符号化されていない動画像を記録するためのものであって
もよいし、伝送用の符号化方式とは異なる記録用の符号化方式で符号化されたものであってもよい。後者の場合、復号部PROD_B3と記録媒体PROD_B5との間に、復号部PROD_B3から
取得した動画像を記録用の符号化方式に従って符号化する符号化部(不図示)を介在させるとよい。
なお、変調信号を伝送する伝送媒体は、無線であってもよいし、有線であってもよい。また、変調信号を伝送する伝送態様は、放送(ここでは、送信先が予め特定されていない送信態様を指す)であってもよいし、通信(ここでは、送信先が予め特定されている送信態様を指す)であってもよい。すなわち、変調信号の伝送は、無線放送、有線放送、無線通信、及び有線通信の何れによって実現してもよい。
例えば、地上デジタル放送の放送局(放送設備など)/受信局(テレビジョン受像機など)は、変調信号を無線放送で送受信する送信装置PROD_A/受信装置PROD_Bの一例である。また、ケーブルテレビ放送の放送局(放送設備など)/受信局(テレビジョン受像機など)は、変調信号を有線放送で送受信する送信装置PROD_A/受信装置PROD_Bの一例である。
また、インターネットを用いたVOD(Video On Demand)サービスや動画共有サービスなどのサーバ(ワークステーションなど)/クライアント(テレビジョン受像機、パーソナルコンピュータ、スマートフォンなど)は、変調信号を通信で送受信する送信装置PROD_A/受信装置PROD_Bの一例である(通常、LANにおいては伝送媒体として無線または有線の何れかが用いられ、WANにおいては伝送媒体として有線が用いられる)。ここで、パーソナルコンピュータには、デスクトップ型PC、ラップトップ型PC、及びタブレット型PCが含まれる。また、スマートフォンには、多機能携帯電話端末も含まれる。
なお、動画共有サービスのクライアントは、サーバからダウンロードした符号化データを復号してディスプレイに表示する機能に加え、カメラで撮像した動画像を符号化してサーバにアップロードする機能を有している。すなわち、動画共有サービスのクライアントは、送信装置PROD_A及び受信装置PROD_Bの双方として機能する。
次に、上述した動画像符号化装置11及び動画像復号装置31を、動画像の記録及び再生に利用できることを、図3を参照して説明する。
図3(a)は、上述した動画像符号化装置11を搭載した記録装置PROD_Cの構成を示したブロック図である。図に示すように、記録装置PROD_Cは、動画像を符号化することによって符号化データを得る符号化部PROD_C1と、符号化部PROD_C1が得た符号化データを記録媒体PROD_Mに書き込む書込部PROD_C2と、を備えている。上述した動画像符号化装置11は、この符号化部PROD_C1として利用される。
なお、記録媒体PROD_Mは、(1)HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などのように、記録装置PROD_Cに内蔵されるタイプのものであってもよいし、(2)SDメモリカードやUSB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリなどのように、記録装置PROD_Cに接続されるタイプのものであってもよいし、(3)DVD(Digital Versatile Disc:登録商標)やBD(Blu-ray Disc:登録商標)などのように、記録装置PROD_Cに内蔵されたドライブ装置(不図示)に装填されるものであってもよい。
また、記録装置PROD_Cは、符号化部PROD_C1に入力する動画像の供給源として、動画像
を撮像するカメラPROD_C3、動画像を外部から入力するための入力端子PROD_C4、動画像を受信するための受信部PROD_C5、及び、画像を生成または加工する画像処理部PROD_C6を更に備えていてもよい。図においては、これら全てを記録装置PROD_Cが備えた構成を例示しているが、一部を省略しても構わない。
なお、受信部PROD_C5は、符号化されていない動画像を受信するものであってもよいし
、記録用の符号化方式とは異なる伝送用の符号化方式で符号化された符号化データを受信するものであってもよい。後者の場合、受信部PROD_C5と符号化部PROD_C1との間に、伝送用の符号化方式で符号化された符号化データを復号する伝送用復号部(不図示)を介在させるとよい。
このような記録装置PROD_Cとしては、例えば、DVDレコーダ、BDレコーダ、HDD(Hard Disk Drive)レコーダなどが挙げられる(この場合、入力端子PROD_C4または受信部PROD_C5が動画像の主な供給源となる)。また、カムコーダ(この場合、カメラPROD_C3が動画像の主な供給源となる)、パーソナルコンピュータ(この場合、受信部PROD_C5または画像処理部C6が動画像の主な供給源となる)、スマートフォン(この場合、カメラPROD_C3または受信部PROD_C5が動画像の主な供給源となる)なども、このような記録装置PROD_Cの一例である。
図3(b)は、上述した動画像復号装置31を搭載した再生装置PROD_Dの構成を示したブロックである。図に示すように、再生装置PROD_Dは、記録媒体PROD_Mに書き込まれた符号化データを読み出す読出部PROD_D1と、読出部PROD_D1が読み出した符号化データを復号することによって動画像を得る復号部PROD_D2と、を備えている。上述した動画像復号装置31は、この復号部PROD_D2として利用される。
なお、記録媒体PROD_Mは、(1)HDDやSSDなどのように、再生装置PROD_Dに内蔵されるタイプのものであってもよいし、(2)SDメモリカードやUSBフラッシュメモリなどのよ
うに、再生装置PROD_Dに接続されるタイプのものであってもよいし、(3)DVDやBDなど
のように、再生装置PROD_Dに内蔵されたドライブ装置(不図示)に装填されるものであってもよい。
また、再生装置PROD_Dは、復号部PROD_D2が出力する動画像の供給先として、動画像を
表示するディスプレイPROD_D3、動画像を外部に出力するための出力端子PROD_D4、及び、動画像を送信する送信部PROD_D5を更に備えていてもよい。図においては、これら全てを
再生装置PROD_Dが備えた構成を例示しているが、一部を省略しても構わない。
なお、送信部PROD_D5は、符号化されていない動画像を送信するものであってもよいし
、記録用の符号化方式とは異なる伝送用の符号化方式で符号化された符号化データを送信するものであってもよい。後者の場合、復号部PROD_D2と送信部PROD_D5との間に、動画像を伝送用の符号化方式で符号化する符号化部(不図示)を介在させるとよい。
このような再生装置PROD_Dとしては、例えば、DVDプレイヤ、BDプレイヤ、HDDプレイヤなどが挙げられる(この場合、テレビジョン受像機等が接続される出力端子PROD_D4が動
画像の主な供給先となる)。また、テレビジョン受像機(この場合、ディスプレイPROD_D3が動画像の主な供給先となる)、デジタルサイネージ(電子看板や電子掲示板等とも称され、ディスプレイPROD_D3または送信部PROD_D5が動画像の主な供給先となる)、デスクトップ型PC(この場合、出力端子PROD_D4または送信部PROD_D5が動画像の主な供給先となる)、ラップトップ型またはタブレット型PC(この場合、ディスプレイPROD_D3または送信部PROD_D5が動画像の主な供給先となる)、スマートフォン(この場合、ディスプレイPROD_D3または送信部PROD_D5が動画像の主な供給先となる)なども、このような再生装置PROD_Dの一例である。
(ハードウェア的実現およびソフトウェア的実現)
また、上述した動画像復号装置31および動画像符号化装置11の各ブロックは、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU
(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
後者の場合、上記各装置は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記
プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random
Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の実施形態の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである上記各装置の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記各装置に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD-ROM(Compact Disc Read-Only Memory)/MOディスク(Magneto-Optical disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc:登録商標)/CD-R(CD Recordable)/ブルーレイディスク(Blu-ray Disc:登録商標)等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)/EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read-Only Memory:登録商標)/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
また、上記各装置を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN(Local Area Network)、ISDN(Integrated Services Digital Network)、VAN(Value-Added Network)、CATV(Community Antenna television/Cable Television)通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDA(Infrared Data Association)やリモコンのような赤外線、BlueTooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance:登録商標)、携帯電話網、衛星回線、地上デジタル放送網等の無線でも利用可能である。なお、本発明の実施形態は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明の実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の実施形態は、画像データが符号化された符号化データを復号する動画像復号装置、および、画像データが符号化された符号化データを生成する動画像符号化装置に好適に適用することができる。また、動画像符号化装置によって生成され、動画像復号装置によって参照される符号化データのデータ構造に好適に適用することができる。
31 画像復号装置
301 エントロピー復号部
302 パラメータ復号部
3020 ヘッダ復号部
303 インター予測パラメータ復号部
304 イントラ予測パラメータ復号部
308 予測画像生成部
309 インター予測画像生成部
310 イントラ予測画像生成部
311 逆量子化・逆変換部
312 加算部
11 画像符号化装置
101 予測画像生成部
102 減算部
103 変換・量子化部
104 エントロピー符号化部
105 逆量子化・逆変換部
107 ループフィルタ
110 符号化パラメータ決定部
111 パラメータ符号化部
112 パラメータ符号化部
1110 ヘッダ符号化部
1111 CT情報符号化部
1112 CU符号化部(予測モード符号化部)
1114 TU符号化部

Claims (7)

  1. 予測画像を生成するためのパラメータを復号するパラメータ復号部を有し、
    上記パラメータ復号部は、距離テーブルの要素を選択する距離インデックスインデクスを復号し、マージ候補から導出される動きベクトルに、所定の距離及び所定の方向の差分ベクトルを加算することで動きベクトルを得るMMVD予測部を有し、
    上記MMVD予測部は、距離インデックスインデクスと方向インデックスから、第1の差分ベクトルを導出し、
    上記MMVD予測部は、対象ピクチャとL0参照ピクチャのPOC差分と、対象ピクチャとL1参
    照ピクチャのPOC差分が等しい場合に、L0差分ベクトルとL1差分ベクトルに、第1の差分
    ベクトルを設定し、
    それ以外で、対象ピクチャとL0参照ピクチャのPOC差分の絶対値が、対象ピクチャとL1
    参照ピクチャのPOC差分の絶対値よりも大きい場合に、L0差分ベクトルに、上記第1の差
    分ベクトルを設定し、L1差分ベクトルに、上記第1の差分ベクトルを、対象ピクチャとL0参照ピクチャのPOC差分と、対象ピクチャとL1参照ピクチャのPOC差分でスケーリングしたベクトルを設定し、
    それ以外の場合に(対象ピクチャとL0参照ピクチャのPOC差分の絶対値が、対象ピクチ
    ャとL1参照ピクチャのPOC差分の絶対値より以下の場合)、L1差分ベクトルに、上記第1
    の差分ベクトルを設定し、L0差分ベクトルに、上記第1の差分ベクトルを、対象ピクチャとL1参照ピクチャのPOC差分と、対象ピクチャとL0参照ピクチャのPOC差分でスケーリングしたベクトルを設定することを特徴とするMMVD予測部。
  2. 予測画像を生成するためのパラメータを復号するパラメータ復号部を有し、
    上記パラメータ復号部は、距離テーブルの要素を選択する距離インデックスインデクスを復号し、マージ候補から導出される動きベクトルに、所定の距離及び所定の方向の差分ベクトルを加算することで動きベクトルを得るMMVD予測部を有し、
    さらに、上記パラメータ復号部は、セグメントヘッダもしくはパラメータセットで、距離テーブルの情報を復号し、上記パラメータ復号部は、距離テーブルインデックステーブルインデクスに基づいて、距離テーブルを導出し、
    上記MMVD予測部は、上記導出された距離テーブルと、上記距離インデックスと上記方向インデックスから差分ベクトルを導出することを特徴とするMMVD予測部。
    上記距離テーブルの情報は、距離テーブルを選択するためのインデックスであることを特徴とする請求項2に記載のMMVD予測部情報は、距離テーブルの各要素を示すインデックスである請求項2に記載のMMVD予測部上記距離テーブルの情報は、距離テーブルの先頭要素を示す値であることを特徴とする請求項2に記載のMMVD予測部。
  3. 上記距離テーブルの情報は、距離テーブルを選択するためのインデックスであることを特徴とする請求項2に記載のMMVD予測部。
  4. 上記距離テーブルの情報は、距離テーブルの各要素を示すインデックスであることを特徴とする請求項2に記載のMMVD予測部。
  5. 上記距離テーブルの情報は、距離テーブルの先頭要素を示す値であることを特徴とする請求項2に記載のMMVD予測部。
  6. 上記請求項1から5のMMVD予測部を備える動画像復号装置。
  7. 上記請求項1から5のMMVD予測部を備える動画像符号化装置。
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