JP2020107415A - レドックスフロー電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】マンガンイオンを含む正極電解液中にMnO2が生成した場合に選択的にMnO2を還元して再溶解することができ、かつ、電池の電気容量の低下を抑制することができるレドックスフロー電池を提供すること。【解決手段】レドックスフロー電池セルと、正極電解液を循環させる循環ポンプと、正極電解液を循環させるための正極電解液循環配管と、正極電解液循環配管に設けられた、還元性化合物に由来する部位を含むフィルターとを備え、正極電解液がマンガンイオンを含むレドックスフロー電池。【選択図】図2

Description

本発明は、マンガンイオンを含む正極電解液を用いたレドックスフロー電池に関する。
レドックスフロー電池は、電力の負荷平準化や瞬間停止対策などとして利用され、新規の電力貯蔵用電池として注目されており、特に、バナジウム塩を活物質にしたレドックスフロー電池が知られている(例えば、特許文献1参照)。
レドックスフロー電池の動作原理を図1に基づいて説明する。
レドックスフロー電池100は、イオン交換膜からなる隔膜101で正極セル100Aと負極セル100Bとに分離された電池セル110と、電解液を貯留する電解液タンク104Aおよび104Bから電池セル110に電解液を循環供給するための正極電解液循環配管106Aおよび負極電解液循環配管106Bと、循環配管106Aおよび106Bに接続されて電解液を循環させる循環ポンプ105Aおよび105Bと、電池セル110から電解液タンク104Aおよび104Bに電解液を循環供給するための正極電解液循環配管107Aおよび負極電解液循環配管107Bとを備える。
正極セル100Aおよび負極セル100Bには、それぞれ正極電極102および負極電極103が内蔵されている。
また、正極セル100Aには、正極電解液を貯留する正極電解液タンク104Aが正極電解液循環配管106Aおよび107Aを介して接続され、負極セル100Bには、負極電解液を貯留する負極電解液タンク104Bが負極電解液循環配管106Bおよび107Bを介して接続されている。循環配管106Aおよび106Bには、それぞれ循環ポンプ105Aおよび105Bが設けられており、正極電解液および負極電解液が、それぞれの循環配管を介してタンクとセルとの間で循環される。
特許文献2には、マンガンイオンを含む正極電解液およびチタンイオンを含む負極電解液を用いたマンガン−チタン系レドックスフロー電池が開示されている。マンガン−チタン系レドックスフロー電池では、前記図1を用いて説明すると、ポンプ105Aおよび105Bで各電解液を循環させながら、正極電極102および負極電極103におけるイオンの価数変化反応に伴って充放電が行われる。このとき、正極および負極では以下の反応が起きる。
正極:(充電)Mn2+ → Mn3+ + e-
(放電)Mn2+ ← Mn3+ + e-
負極:(充電)Ti4+ + e- → Ti3+
(放電)Ti4+ + e- ← Ti3+
なお、実際には、Mn2+、Mn3+、Ti3+およびTi4+は、それぞれ水和した状態や硫酸イオンが配位した状態で存在していると推定される。本明細書では特に断りのない限り、前記各状態のものを含め、各価数のマンガン原子で構成されるイオンをそれぞれMn2+およびMn3+で表し、これらのイオンを「マンガンイオン」と称し、各価数のチタン原子で構成されるイオンをそれぞれTi3+およびTi4+で表し、これらのイオンを「チタンイオン」と称する。
充電時に正極で生成される水素イオン(H+)は、隔膜を通って負極側に移動し、電解液の電気的中性が保たれる。発電部(例えば、発電所など)から供給された電力は、価数の異なるマンガンイオンおよびチタンイオンの価数変化として電解液タンクに貯蔵される。一方、放電時には、充電時とは逆の反応によって貯蔵した電力を取り出し、負荷(需要家など)に供給することができる。
レドックスフロー電池では、電解液の充電状態(SOC:State Of Charge)は、電解液中のイオン価数の比率によって決まる。例えば、マンガン−チタン系電池の場合、正極電解液では、正極電解液中のマンガンイオン(Mn3+およびMn2+)におけるMn3+の比率、負極電解液では、負極電解液中のチタンイオン(Ti3+およびTi4+)におけるTi3+の比率で表される。充電時の電池反応は、電池セル内における正極でMn2+がMn3+に酸化され、負極でTi4+がTi3+に還元される。放電時の電池反応は、充電時と逆の反応になる。
マンガン−チタン系レドックスフロー電池においては、劣化抑制や充電効率等の観点から満充電電圧(充電完了電圧、充電終了電圧)と放電末電圧が予め設定されており、電池の通常の運転時には、充電状態が放電末(例えば、充電状態:20%)から満充電(例えば、充電状態:80%)の充放電可能範囲内で充放電が行われる。ここで、満充電電圧は電力系統からの充電を停止するように設定された電圧であり、放電末電圧は電力系統への放電を停止するように設定された電圧である。
正極電解液にマンガンイオンを含むレドックスフロー電池において、充電が進行すると正極セル内のMn3+の濃度が増加し、下記式(1)に示す不均化反応により、二酸化マンガン(MnO2)が生成する。MnO2が正極セル、正極電解液循環配管および電解液タンク等に付着して系の閉塞を引き起こす。
不均化反応:2Mn3+ + 2H2O → Mn2+ + MnO2 + 4H+ ・・・(1)
特許文献2には、MnO2が生成した正極電解液に、シュウ酸、亜硫酸、アスコルビン酸、ブドウ糖といった還元性の添加剤を添加することにより、生成したMnO2を再溶解する電解液の再生方法が示されている。再溶解の反応式を下記式(2)に示す。
逆反応:Mn2+ + MnO2 + 4H+ → 2Mn3+ + 2H2O ・・・(2)
特開昭62−186473号公報 特開2017−091857号公報
本発明者らが検討したところ、特許文献2の方法のように、正極電解液に生成したMnO2を再溶解するために還元性の添加剤を用いた場合、Mn3+も同時に還元されるため、正極と負極の電荷のバランスが崩れるとともに、電池の電気容量が低下するという問題も判明した。
本発明は前記の問題に鑑みてなされたものであり、マンガンイオンを含む正極電解液中にMnO2が生成した場合に選択的にMnO2を還元して再溶解することができ、かつ、電池の電気容量の低下を抑制することができるレドックスフロー電池を提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、還元性化合物に由来する部位を含むフィルターを正極電解液循環配管に設けることで、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の構成例は以下の通りである。
[1] レドックスフロー電池セルと、
正極電解液を循環させる循環ポンプと、
正極電解液を循環させるための正極電解液循環配管と、
正極電解液循環配管に設けられた、還元性化合物に由来する部位を含むフィルターと
を備え、正極電解液がマンガンイオンを含むレドックスフロー電池。
[2] 前記フィルターが、還元性化合物に由来する部位を持つポリマーにより構成される[1]に記載のレドックスフロー電池。
[3] 前記還元性化合物に由来する部位が、イミノジ酢酸に由来する部位である[1]または[2]に記載のレドックスフロー電池。
[4] 前記フィルターが、正極電解液を循環させる循環ポンプとレドックスフロー電池セルとの間に配置される[1]〜[3]のいずれかに記載のレドックスフロー電池。
本発明は、還元性化合物に由来する部位を含むフィルターを、正極電解液循環配管に設けることで、MnO2が生成した場合に選択的にMnO2を還元して再溶解することができ、電池の電気容量の低下を抑制することができるレドックスフロー電池を提供することである。
図1は、従来のレドックスフロー電池を説明するための模式図である。 図2は、本発明のレドックスフロー電池の一例を説明するための模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
[レドックスフロー電池]
本発明のレドックスフロー電池は、本発明の還元性化合物に由来する部位を含むフィルターを備えること以外は、公知の構成を採用することができる(例えば、NTT Building Technology Institute 2004「電力貯蔵システムの最新動向」参照。)。具体的には、本発明のレドックスフロー電池は、レドックスフロー電池セル(以下、単に「電池セル」ともいう。)と、正極電解液を循環させる循環ポンプと、正極電解液を循環させるための正極電解液循環配管と、正極電解液循環配管に設けられた、還元性化合物に由来する部位を含むフィルター(以下「還元性フィルター」ともいう。)とを備え、正極電解液にマンガンイオンを含むことを特徴とする。
また単セルの電圧は、0.9V〜1.4V程度と低いため、単セル100枚程度積層した電池セルスタックを構成して使用することができる。
本発明のレドックスフロー電池のより具体的な例を図2を参照しながら説明する。電池セル110は、イオン交換膜からなる隔膜101で正極セル100Aと負極セル100Bとに分離され、正極セル100Aおよび負極セル100Bには、それぞれ正極電極102および負極電極103が内蔵されている。正極電解液タンク104A内の電解液は、ポンプ105Aを起動することにより、正極電解液循環配管106Aを流通して還元性フィルター120を介して電池セル110に送られる。電池セル110に送られた正極電解液は、電池セル110の下方から内部を通って上方に排出され、正極電解液循環配管107Aを流通して正極電解液タンク104Aに戻されて、図中矢印方向に循環する。同様に、負極電解液タンク104B内の電解液は、ポンプ105Bを起動することにより、負極電解液循環配管106Bを流通して電池セル110に送られる。電池セル110に送られた電解液は、電池セル110の下方から内部を通って上方に排出され、負極電解液循環配管107Bを流通して負極電解液タンク104Bに戻されて、図中矢印方向に循環する。
以下、電極、隔膜、電解液および還元性フィルターについて、それぞれ詳細に説明する。
[電極]
正極電極および負極電極としては、公知の電極を用いることができ、特に限定されないが、正極は酸素過電圧が高く、かつ、活物質の酸化還元過電圧が低いものがよく、負極は水素過電圧が高く、かつ、活物質の酸化還元過電圧が低いものがよい。
電極としては、カーボンフェルトのようなカーボン材又はそれを黒鉛化したものを用いることが好ましく、あるいは、食塩電解で用いられているようなチタン若しくはジルコニウムの基板に、貴金属メッキを施したもの又はカーボンコートしたものを用いることが好ましい。
[隔膜]
隔膜としては、公知の隔膜を用いることができ、特に限定されないが、例えば有機高分子からなるイオン交換膜が好ましく、フッ素系樹脂やポリイミド系樹脂に陽イオン交換能を付与したものなどが挙げられる。
[電解液]
本発明の電解液の調製方法としては、公知の方法を用いることができ、特に限定されないが、例えば正極電解液には正極活物質であるマンガン化合物を、負極電解液には負極活物質であるチタン化合物を硫酸水溶液や蒸留水で溶解させ、適切な濃度にメスアップして調製する方法が挙げられる。正極側および負極側の電解液はセルスタック部と分離して貯蔵可能であり、その場合、電池の使用時に電解液を循環してセルスタックに送ることになる。このとき、ゴムまたはプラスチックのような強酸に侵されない物質で内面を加工したタンクやプラスチックで作製したタンクに電解液を貯蔵し、ポンプによってセルスタック部へ供給を行うことが好ましい。充放電の際にセルスタック部が発熱するため、必要に応じて水冷または空冷式冷却システムを設けることが有効である。
〈正極電解液〉
本発明の正極電解液は、正極活物質として、マンガンイオンを含む正極電解液を利用できる。具体的には、2価のマンガンイオン(Mn2+)および3価のマンガンイオン(Mn3+)の少なくとも一種を含む。放電時はMn2+が存在し、充電時はMn3+が存在し、充放電の繰り返しにより、両マンガンイオンが存在する形態となる。充電過程では、前記充電反応に示すように、Mn2+からMn3+が生成され、放電過程では、前記放電反応に示すように、Mn3+からMn2+が生成される。充電過程でMn3+の濃度が増加すると、前記(1)式の不均化反応によってMn2+及びマンガン酸化物が生成される。すなわち、マンガン酸化物は、充電過程で生成される。このマンガン酸化物は、代表的には、4価の二酸化マンガン(MnO2)が挙げられる。生成されたMnO2は、前記式(2)の不均化反応の逆反応によって溶解する。正極電解液は、負極電解液の負極活物質によっては、正極活物質としてマンガンイオンに加えて、チタンイオンまたはクロムイオンを含んでいてもよい。
前記正極電解液は、マンガンイオンと硫酸イオンとを含み、前記マンガンイオンの濃度は、好ましくは0.1〜3mol/l、より好ましくは0.5〜2mol/lである。
なお、本発明において「マンガンイオン濃度」は、特に断りのない限り、正極電解液中に複数種のマンガンイオンが存在する場合はそれらの合計濃度である。また、本発明において「濃度」は、液温が(20℃)の時の値で示す。
〈負極電解液〉
本発明の負極電解液は、負極活物質としてレドックス対を構成できる金属イオンを含んでいればよく、公知の負極電解液を利用できる。前記金属イオンとしては、特に限定されず適宜選択できるが、例えば、鉄、チタンイオン、マンガンイオン、バナジウムイオン、クロムイオン、亜鉛イオン、およびスズイオン等が挙げられる。これらの中では、チタンイオンが好ましい。
[還元性フィルター]
本発明で用いられる還元性フィルターは、還元性化合物に由来する部位を含み、好ましくは、還元性化合物に由来する部位を有するポリマーにより構成される。前記還元性化合物に由来する部位としては、例えば、イミノジ酢酸に由来する部位(−N(CH2COO−)2)等が挙げられる。このような部位を有するポリマーの好適な例として、三菱ケミカル(株)製キレート樹脂「ダイヤイオンCR11」(商品名)等が挙げられる。
前記還元性フィルターの挿入位置としては、レドックスフロー電池の正極電解液の流路内であれば特に限定されないが、好ましくはレドックスフロー電池セルへ流入する直前である。例えば、図2における正極電解液循環配管106Aの流路内であり、より好ましくは、循環ポンプ105Aと正極セル100Aとの間である。還元性フィルターを通過した直後は正極電解液中の不溶成分MnO2が最も少ないことから、前記のような位置に還元性フィルターを配置することにより、正極セル内の電極との反応を効率的に行うことができる。
前記還元性フィルターは、固体のMnO2を濾別し、フィルターに付着した固体成分は、前記還元性化合物に由来する部位により還元され、再び溶解する。なお、Mn3+は電解液に溶解しているため、フィルターを素通りして前記還元性化合物に由来する部位と接触する機会が少なく、還元されにくい。そのため、正極と負極のバランスが崩れることにより電池の電気容量が低下するという問題を生じ難くすることができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
実施例および比較例において、一般的なレドックスフロー電池セルを用いた。
[実施例1]
30%硫酸チタン溶液(和光純薬工業株式会社)56.5mL、95%濃硫酸(和光純薬工業株式会社)9.68g、硫酸マンガン(II)五水和物(和光純薬工業株式会社)24.1gを混合し、蒸留水を加えて100mLにメスアップして電解液を調製した。この電解液のマンガンイオン、チタンイオンおよび硫酸イオンの濃度を、それぞれ1mol/l、1mol/lおよび5mol/lとした。
前記のように調製した電解液を、正極電解液および負極電解液として、それぞれ50mLを正極タンク及び負極タンクに入れ、各タンク内の電解液を調製した。
直径2cmのカラムに、三菱ケミカル(株)製キレート樹脂「ダイヤイオンCR11」を10g充填し、図2に示すように、電池セルの正極側の流路とポンプとの間に直列に接続した。
両電解液を25ml/分で循環させ、圧力および電圧を測定しながら充放電を行った。圧力は、レドックスフロー電池セルの出口を大気圧に開放し、前記カラムの入り口で測定した。電圧が1.60Vになるまで5Aの電流値で充電を行い、次に、電圧が1.00Vになるまで5Aの電流値で放電を行い、1回目の放電開始時のセルの圧力および放電容量を測定した。この充放電を100回繰り返し、100回目の放電時のセルの圧力と放電容量を測定した。その結果を表1に示す。二酸化マンガンが生成すると流路の閉塞が生じてセルの圧力が上昇するため、二酸化マンガンの生成をセルの圧力の上昇で評価した。
[比較例1]
三菱ケミカル(株)製キレート樹脂「ダイヤイオンCR11」を充填したカラムを接続しなかったこと、および圧力はレドックスフロー電池セルの正極の入り口で測定したこと以外は実施例1と同様にして、1回目の放電開始時のセルの圧力(ゲージ圧)および放電容量を測定した。この充放電を100回繰り返し、100回目の放電開始時のセルの圧力と放電容量を測定した。その結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例1と同様にして、充放電を99回繰り返した後、100回目の充電を行った。その後、正極電解液に還元剤としてアスコルビン酸ナトリウムを徐々に加えていった。セルの圧力が1回目の放電開始時の約1.1倍に低下したときまでに加えたアスコルビン酸ナトリウムは1.3g(6.6mmol)であった。この後、1.00Vになるまで5Aで放電を行ったときの放電容量を表1に示す。
Figure 2020107415
実施例1と比較例1を比較すると、比較例1では二酸化マンガンの生成により圧力の上昇がみられるが、実施例1では圧力の上昇がなく二酸化マンガンの生成が抑制されていると考えられる。また、比較例2においても、アスコルビン酸ナトリウムによる還元剤により二酸化マンガンが還元されて再溶解することにより、圧力が1回目の状態に戻っているが、充放電を100回行った後の放電容量は、1回目と比較して大きく低下していることから、MnO2だけでなくMn3+も同時に還元されていると考えられる。したがって、実施例1は比較例2よりも選択性よく二酸化マンガンを再溶解していると考えられる。
100 レドックスフロー電池
100A 正極セル
100B 負極セル
101 隔膜
102 正極電極
103 負極電極
104A、104B 電解液タンク
105A、105B 循環ポンプ
106A、107A 正極電解液循環配管
106B、107B 負極電解液循環配管
110 電池セル
120 還元性フィルター

Claims (4)

  1. レドックスフロー電池セルと、
    正極電解液を循環させる循環ポンプと、
    正極電解液を循環させるための正極電解液循環配管と、
    正極電解液循環配管に設けられた、還元性化合物に由来する部位を含むフィルターと
    を備え、正極電解液がマンガンイオンを含むレドックスフロー電池。
  2. 前記フィルターが、還元性化合物に由来する部位を持つポリマーにより構成される請求項1に記載のレドックスフロー電池。
  3. 前記還元性化合物に由来する部位が、イミノジ酢酸に由来する部位である請求項1または2に記載のレドックスフロー電池。
  4. 前記フィルターが、正極電解液を循環させる循環ポンプとレドックスフロー電池セルとの間に配置される請求項1〜3のいずれか1項に記載のレドックスフロー電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112531192A (zh) * 2021-02-01 2021-03-19 深圳市寒暑科技新能源有限公司 一种锌锰单液流电池

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