JP2020105528A - インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】インク組成物に含有される成分が析出すること抑制し、インクジェット記録装置内で不具合が発生することを効果的に抑制すること。【解決手段】インクジェット記録用の油性インク組成物であって、少なくとも、色材と、樹脂と、下記式(1)で表される溶剤を含有する溶剤と、を含有し、R1−(OR2)n−O−R3(1)n:1以上4以下の整数、R1:炭素数1以上8以下の分岐してもよいアルキル基R2:炭素数1以上4以下の分岐してもよいアルキレン基R3:水素又は炭素数1以上4以下の分岐してもよいアルキル基水の含有量が油性インク組成物100質量部中3質量部未満である油性インク組成物である。【選択図】なし
Description
本発明は、インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置の部材適性が良好でメンテナンス性に優れ、吐出安定性、印刷物の乾燥性、耐ブロッキング性が良好で、低臭気である、優れたインク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なインクジェットヘッドノズルからインク液滴を紙等の記録媒体に直接吐出し、付着させて文字や画像を得る記録方式である。この記録方式は、小型化、高速化、低騒音化、省電力化、カラー化が容易であり、しかも記録媒体に対して非接触印刷が可能であることから、家庭用途のみならず、オフィス用途、商業印刷用途にまで適用範囲が拡大している。
インクジェット記録方式に用いられるインク組成物として、例えば、水を含まない有機溶剤を主成分とした油性インクジェットインクを挙げることができる。
具体的には、インクジェットインクの保存安定性や印刷安定性、インク膜の耐性に優れた油性インクジェットインクとして、所定のアルキレングリコールアルキルエーテルを溶剤として含有したインクジェットインクが特許文献1及び特許文献2に開示されている。
近年のインクジェット技術の進歩により、インクジェットヘッドのノズル及び内部構造の高密度化、超微細化が更に進み、より高精細な画像を印刷するために、インクジェットインクへの要求が更に厳しくなっている。具体的には、インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置の部材適性、メンテナンス性、吐出安定性、印刷物の乾燥性、耐ブロッキング性、臭気の低減等が更に強く求められるようになっている。
特許文献1及び特許文献2のアルキレングリコールアルキルエーテルを溶剤として含有したインクジェットインクはすでに開示されている。しかしながら、アルキレングリコールアルキルエーテルは水酸基やエーテル基を有することから、吸水性が高い。そのため、アルキレングリコールアルキルエーテルを含むインク組成物は、例えば大気中等に含有される水蒸気等を吸水することがある。
油性インク組成物に含有される水分量によっては、近年のインクジェットインクに求められる性能を必ずしも満たすことができないことが本発明者らにより見出された。インク組成物に多量の水分が含有された場合、インク組成物に含有される成分が析出し、これにより、インクジェット記録装置のノズル内でインク組成物がつまる等の不具合が生じることがあることが本発明者らにより見出された。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、インク組成物に含有される成分が凝集したり析出したりすること抑制し、インクジェット記録装置内で不具合が発生することを効果的に抑制することのできるインクジェット記録用のインク組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねたところ、溶剤としてアルキレングリコールアルキルエーテルを用いた油性インク組成物において、インク組成物に含まれる水分の含有量が低減されたインク組成物であれば上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)インクジェット記録用の油性インク組成物であって、少なくとも、色材と、樹脂と、下記式(1)で表される溶剤を含有する溶剤と、を含有し、
R1−(OR2)n−O−R3 (1)
n:1以上4以下の整数、
R1:炭素数1以上8以下の分岐してもよいアルキル基
R2:炭素数1以上4以下の分岐してもよいアルキレン基
R3:水素又は炭素数1以上4以下の分岐してもよいアルキル基
水の含有量が油性インク組成物100質量部中3質量部未満である油性インク組成物である。
R1−(OR2)n−O−R3 (1)
n:1以上4以下の整数、
R1:炭素数1以上8以下の分岐してもよいアルキル基
R2:炭素数1以上4以下の分岐してもよいアルキレン基
R3:水素又は炭素数1以上4以下の分岐してもよいアルキル基
水の含有量が油性インク組成物100質量部中3質量部未満である油性インク組成物である。
(2)下記で定義されるA値が、50以上100以下である(1)に記載の油性インク組成物。
A値=Σ(a×b)
(ここで、aは油性インク組成物100質量部中に含まれる溶剤の質量部であり、bは該溶剤の引火点(℃)であり、Σ(a×b)とは、溶剤が1種類であった場合にはa×bの値であり、溶剤が2種類以上であった場合にはそれぞれの溶剤のa×bの値の総和である。)
A値=Σ(a×b)
(ここで、aは油性インク組成物100質量部中に含まれる溶剤の質量部であり、bは該溶剤の引火点(℃)であり、Σ(a×b)とは、溶剤が1種類であった場合にはa×bの値であり、溶剤が2種類以上であった場合にはそれぞれの溶剤のa×bの値の総和である。)
(3)前記樹脂はアクリル系樹脂を含有する(1)又は(2)に記載の油性インク組成物。
(4)(1)から(3)のいずれかに記載のインク組成物を、インクジェット方式にて記録媒体の表面に吐出するインクジェット記録方法。
(5)(1)又は(3)に記載のインク組成物を、インクジェット方式にて記録媒体の表面に吐出する工程を含む、印刷物の製造方法。
本発明は、インク組成物に含有される成分が析出したりすることを抑制することのできる油性インク組成物である。
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<油性インク組成物>
本実施の形態に係る油性インク組成物は、少なくとも、色材と、樹脂と、下記式(1)で表される溶剤を含有する溶剤と、を含有するインク組成物である。ここで、油性インク組成物とは、水を主成分とする水性インク組成物とは異なり、水を意図的に含有させずに製造された有機溶剤を含むインク組成物であることを意味する。
本実施の形態に係る油性インク組成物は、少なくとも、色材と、樹脂と、下記式(1)で表される溶剤を含有する溶剤と、を含有するインク組成物である。ここで、油性インク組成物とは、水を主成分とする水性インク組成物とは異なり、水を意図的に含有させずに製造された有機溶剤を含むインク組成物であることを意味する。
そして、本実施の形態に係る油性インク組成物は、水の含有量が油性インク組成物100質量部中3質量部未満であることを特徴とする。
式(1)で表される溶剤は、水酸基やエーテル基を有することから、吸水性が高い。そのため、アルキレングリコールアルキルエーテルを含むインク組成物は、例えば大気中等に含有される水蒸気等を吸水することがある。
水を意図的に含有させない油性インク組成物の場合、油性インク組成物に含まれる各成分(例えば、界面活性剤等の添加剤)は、水を含まない溶剤であることを前提に油性の溶剤に溶解するように最適な量や種類が決定されることが通常である。しかしながら、大気中等に含有される水蒸気等のような製造者が意図しないような原因により水分が含有されてしまう場合、油性インク組成物中の成分比が変化し、これにより、成分が析出することがあった。
そこで、本実施の形態に係る油性インク組成物は、水の含有量が油性インク組成物100質量部中3質量部未満とすることにより、インク組成物に含まれる成分が析出することを効果的に抑制することができる。これにより、インクジェット記録装置のノズル内でインク組成物がつまる等の不具合を抑制して、吐出安定性等を効果的に向上させることができる。
なお、水の含有量は、油性インク組成物100質量部中2.5質量部以下とすることが好ましく、2.0質量部以下とすることがより好ましい。
油性インク組成物中の水の含有量の測定方法は、JIS K 0113:2005、JIS K 0068:2001、JIS K 2275−3:2015 等に記載の方法によって測定することができる。
又、水の含有量は、油性インク組成物100質量部中0.001質量部超にすることが好ましく、0.005質量部以上にすることがより好ましい。油性インク組成物100質量部中0.001質量部以下になるように脱水処理を施しても成分の析出の抑制に大きな影響はなくなり、又、水の含有量が0.001質量部超であれば、乾燥に要するコストも低減することができる。又、油性インク組成物100質量部中の水の含有量を0.001質量部以下とすると、油性インク組成物の水分吸収性が上昇し、特に高温高湿環境下では油性インク組成物が雰囲気気体に含まれる水分を吸収しやすくなる。油性インク組成物が雰囲気気体に含まれる水分を吸収すると、吸収した水分が油性インク組成物の雰囲気気体と接触する界面の近傍に偏在して、その界面の近傍にインク組成物に含まれる成分が析出することがある。油性インク組成物100質量部中0.001質量部超とすることにより、油性インク組成物の水分吸収性を低下させ、油性インク組成物の界面にインク組成物に含まれる成分が凝集したり析出したりすることを効果的に抑制することができる。
なお、式(1)で表される溶剤に含まれる水分の含有量は、その溶剤を製造する環境(温度や湿度等)に強く依存するものであるため、同じメーカーの同じ品番であっても必ずしも同一ではなく、その製造ロットごとに大きく異なるものである。
以下、本実施の形態に係る油性インク組成物に含有される有機溶媒、色材、その他の添加剤について説明する。
[溶剤]
本実施の形態に係る油性インク組成物に含有される溶剤は、式(1)で表される溶剤を含む。又、式(1)で表される溶剤以外の溶剤を含んでいてもよい。
本実施の形態に係る油性インク組成物に含有される溶剤は、式(1)で表される溶剤を含む。又、式(1)で表される溶剤以外の溶剤を含んでいてもよい。
ここで、油性インク組成物に含まれる溶剤の質量部と引火点(℃)との関係式(2)であるA値が50以上100以下であることが好ましい。
A値=Σ(a×b) (2)
(ここで、aは油性インク組成物100質量部中に含まれる溶剤の質量部であり、bは該溶剤の引火点(℃)であり、Σ(a×b)とは、溶剤が1種類であった場合にはa×bの値であり、溶剤が2種類以上であった場合にはそれぞれの溶剤のa×bの値の総和である。)
(ここで、aは油性インク組成物100質量部中に含まれる溶剤の質量部であり、bは該溶剤の引火点(℃)であり、Σ(a×b)とは、溶剤が1種類であった場合にはa×bの値であり、溶剤が2種類以上であった場合にはそれぞれの溶剤のa×bの値の総和である。)
A値が50以上であることにより、油性インク組成物に含まれる溶剤が揮発して油性インク組成物の粘度が高くなることや油性インク組成物に含まれる成分が析出することを抑制し、インクジェット記録用インク組成物の吐出安定性を向上させることができる。A値が100以下であることにより、油性インク組成物の乾燥性を向上させ、印刷面にベタツキやタックの発生を抑制し印刷物の耐ブロッキング性を向上させることができる。
特に、本実施の形態に係る油性インク組成物は、水の含有量が油性インク組成物100質量部中3質量部未満であり、上述した通りインク組成物に含有される成分が析出すること抑制することのできる油性インク組成物であることから、A値を50以上100以下の範囲にすることにより、油性インク組成物に含まれる成分が析出することをより効果的に抑制するとともに、印刷面にベタツキやタックの発生を抑制し印刷物の耐ブロッキング性を向上させることができる。
つぎに以下、式(1)で表される溶剤について説明する。
(式(1)で表される溶剤)
式(1)で表される溶剤とは、下記式(1)で表されるアルキレングリコールアルキルエーテルである。
式(1)で表される溶剤とは、下記式(1)で表されるアルキレングリコールアルキルエーテルである。
R1−(OR2)n−O−R3 (1)
n:1以上4以下の整数、
R1:炭素数1以上8以下の分岐してもよいアルキル基
R2:炭素数1以上4以下の分岐してもよいアルキレン基
R3:水素又は炭素数1以上4以下の分岐してもよいアルキル基
n:1以上4以下の整数、
R1:炭素数1以上8以下の分岐してもよいアルキル基
R2:炭素数1以上4以下の分岐してもよいアルキレン基
R3:水素又は炭素数1以上4以下の分岐してもよいアルキル基
なお、R1は、炭素数1以上4以下の分岐してもよいアルキル基であることが好ましい。R2は、炭素数1以上2以下の分岐してもよいアルキレン基であることが好ましい。R3は、水素又は炭素数1以上2以下の分岐してもよいアルキル基であることが好ましい。
式(1)で表される溶剤は、例えば、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−イソブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル)エーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーエル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−イソブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチル(又はエチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル)エーテル、トリプロピレングリコールモノメチル(又はエチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル)エーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーエル、等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチル−2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールエチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールメチルプロピルエーテル、プロピレングリコールメチルブチルエーテル、プロピレングリコールメチル−2−エチルヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルメチルエーテル等の多価アルコールのジアルキルエーテル類を挙げることができる。又、これらを2種以上混ぜた混合した溶剤であってもよい。
インク組成物中での樹脂との相溶性、インクが吐出された基材への浸透性、基材表面でのレベリング性、乾燥性、の観点からは、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチル−2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールエチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールメチルプロピルエーテル、プロピレングリコールメチルブチルエーテル、プロピレングリコールメチル−2−エチルヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルメチルエーテル等が、好ましいものとして挙げられる。
[その他の溶剤]
本実施形態の油性インク組成物には、設計上の性能を損なわない範囲でその他の溶剤を含有することができる。その他の溶剤の沸点は、150℃以上300℃以下であることが好ましい。その他の溶剤(以下、単にその他の溶媒と表記することがある。)の沸点が150℃以上であることにより、溶剤の揮発性が高くなることによる油性インク組成物の臭気を抑制することができ、又、低沸点成分のその他の溶剤によるインクジェットヘッドやインクジェット記録装置の樹脂部材の膨潤あるいは溶解することにより不具合が発生する危険性を軽減することができる。その他の溶媒の沸点が300℃以下であることにより、油性インク組成物の乾燥性が向上し、印刷物の耐ブロッキング性が向上する。
本実施形態の油性インク組成物には、設計上の性能を損なわない範囲でその他の溶剤を含有することができる。その他の溶剤の沸点は、150℃以上300℃以下であることが好ましい。その他の溶剤(以下、単にその他の溶媒と表記することがある。)の沸点が150℃以上であることにより、溶剤の揮発性が高くなることによる油性インク組成物の臭気を抑制することができ、又、低沸点成分のその他の溶剤によるインクジェットヘッドやインクジェット記録装置の樹脂部材の膨潤あるいは溶解することにより不具合が発生する危険性を軽減することができる。その他の溶媒の沸点が300℃以下であることにより、油性インク組成物の乾燥性が向上し、印刷物の耐ブロッキング性が向上する。
[色材]
本実施の形態に係る油性インク組成物に含有される色材は、特に限定されるものではなく、染料系であってもよいし、顔料系であってもよいが、印刷物の耐水性や耐光性等の耐性が良好である顔料系インクを使用することが好ましい。本実施の形態に係る油性インク組成物において、用いることのできる顔料は特に限定されず、従来のインクジェット記録用の油性インク組成物に使用されている有機顔料又は無機顔料等が挙げられる。これらは1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施の形態に係る油性インク組成物に含有される色材は、特に限定されるものではなく、染料系であってもよいし、顔料系であってもよいが、印刷物の耐水性や耐光性等の耐性が良好である顔料系インクを使用することが好ましい。本実施の形態に係る油性インク組成物において、用いることのできる顔料は特に限定されず、従来のインクジェット記録用の油性インク組成物に使用されている有機顔料又は無機顔料等が挙げられる。これらは1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
具体的な有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、染料からの誘導体、フタロシアニン系有機顔料、キナクリドン系有機顔料、ペリレン系有機顔料、ジオキサジン系有機顔料、ニッケルアゾ系顔料、イソインドリノン系有機顔料、ピランスロン系有機顔料、チオインジゴ系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、キノフタロン系有機顔料、イソインドリン系有機顔料、キナクリドン系固溶体顔料、ペリレン系固溶体顔料等の有機固溶体顔料、その他の顔料として、カーボンブラック等が挙げられる。
有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで例示すると、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、16、17、20、24、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、117、120、125、128、129、130、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185、213、214、C.I.ピグメントレッド5、7、9、12、48、49、52、53、57、97、112、122、123、149、168、177、180、184、192、202、206、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、254、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、64、71、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36、58、C.I.ピグメントブラウン23、25、26、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
本実施の形態に係る油性インク組成物において、用いることのできる無機顔料の具体例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、炭酸バリウム、シリカ、タルク、クレー、合成マイカ、アルミナ、アルミニウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、無機固溶体顔料、その他の金属および金属塩類等を挙げることができる。
このように、本実施の形態に係る油性インク組成物では、種々の顔料を使用することができる。例えば、上述したフタロシアニン系有機顔料は、4つのフタル酸イミドが窒素原子で架橋された構造をもつ。フタロシアニン系有機顔料は、親水基を有さない化学構造であるため、水の影響を受けやすい。そのため、水の含有量が油性インク組成物100質量部中3質量部以上含有すると、フタロシアニン系有機顔料の分散系が破壊されてフタロシアニン系有機顔料同士が油性インク組成物内で凝集して、含有される成分が析出し、インクジェット記録装置内で不具合が特に発生しやすい。
本実施の形態に係る油性インク組成物のように水の含有量が油性インク組成物100質量部中3質量部未満であれば、フタロシアニン系有機顔料を含有する油性インク組成物において特に発生し得るインク組成物に含有される成分が析出することを抑制して、インクジェット記録装置内で不具合が発生することを効果的に抑制することが可能となる。
本実施の形態に係る油性インク組成物において、含有することのできる顔料の平均分散粒径は、所望の発色が可能なものであればよく、特に限定されない。用いる顔料の種類によっても異なるが、顔料の分散性及び分散安定性が良好で、充分な着色力を得る点から、数平均粒子径が5nm以上の範囲内であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、30nm以上であることが更に好ましい。数平均粒子径が上記の上限値以下であれば、インク組成物中の溶剤が揮発してインク組成物の粘度が高くなることを抑制し、インク組成物の吐出安定性を向上させることができる。数平均粒子径が300nm以下の範囲内であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましく、150nm以下であることが更に好ましい。数平均粒子径が上記の下限値以下の場合には耐光性が低下する場合がある。なお、本実施形態において、顔料の数平均粒子径は、測定温度25℃にて濃厚系粒径アナライザー(大塚電子(株)製、型式:FPAR−1000)を用いて測定したものである。
本実施形態のインク組成物において、用いることのできる顔料の含有量としては、所望の画像を形成可能であれば特に限定されるものではなく、適宜調整されるものである。具体的には、顔料の種類によっても異なるが、インク組成物全量中0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。インク組成物全量中20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。顔料の含有量が0.05質量%以上、又は20質量%以下の範囲内であることにより、顔料の分散安定性と着色力のバランスに優れたものとすることができる。
[樹脂]
本実施形態の油性インク組成物には樹脂を含有する。油性インク組成物に樹脂を含有することで、印刷された印刷物の耐水性が向上する。樹脂としては、特に限定はなく、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ウレタン樹脂、ロジン変性樹脂、フエノール樹脂、テルペン系樹脂、ポリアミド樹脂、ビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、セルロースアセテートブチレート、シリコーン(シリコン)樹脂、アクリルアミド樹脂、エポキシ樹脂、あるいはこれらの共重合樹脂や混合物を用いることができる。
本実施形態の油性インク組成物には樹脂を含有する。油性インク組成物に樹脂を含有することで、印刷された印刷物の耐水性が向上する。樹脂としては、特に限定はなく、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ウレタン樹脂、ロジン変性樹脂、フエノール樹脂、テルペン系樹脂、ポリアミド樹脂、ビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、セルロースアセテートブチレート、シリコーン(シリコン)樹脂、アクリルアミド樹脂、エポキシ樹脂、あるいはこれらの共重合樹脂や混合物を用いることができる。
本実施の形態に係る油性インク組成物においては、中でも、高速印刷時の吐出応答性を向上する点、及び、吐出安定性、耐水性及び耐溶剤性を向上させることができることから、アクリル樹脂を含むものであることが好ましい。
アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルモノマーを構成するモノマーの主成分として含むものであれば特に限定されるものではない。アクリル樹脂は、1種のラジカル重合性モノマーの単独重合体であってもよいし、ラジカル重合性モノマーを2種以上選択して用いた共重合体のいずれであってもよく、特に、本実施の形態に係る油性インク組成物として好ましいアクリル樹脂は、メタクリル酸メチル単独の重合体、或いは、メタクリル酸メチルと、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸エトキシエチル、及びメタクリル酸ベンジルよりなる群から選ばれる少なくとも1つ以上の化合物との共重合体である。
このようなアクリル樹脂は、特にインク中の溶剤と良好な相溶性を示し、インクの保存安定性と画像再現性を有する油性インク組成物を提供することができる。アクリル樹脂は、質量平均分子量が5000以上であるものが好ましい。中でも、油性インク組成物で用いられるアクリル樹脂は、耐擦性及び耐ブロッキング性の観点から、中でも質量平均分子量が10000以上であることが好ましく、12000以上であることがより好ましく、15000以上であることがより更に好ましい。一方、本実施形態のインク組成物で用いられるアクリル樹脂は、高速印刷時の高い吐出安定性の点から、100000以下であることが好ましく、50000以下であることがより好ましく、更に35000以下であることが更に好ましく、より更に30000以下であることが好ましい。又、本実施の形態に係る油性インク組成物で用いられるアクリル樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が80℃以上であるものが好ましい。本実施の形態に係る油性インク組成物で用いられるアクリル樹脂は、110℃以下であるものが好ましい。Tgが上記範囲内であることにより、良好な印刷乾燥性が得られるという効果が顕著になる。又、市販の(メタ)アクリル樹脂としては、例えばロームアンドハース社の「パラロイドB99N」(メチルメタアクリレート/ブチルメタアクリレート共重合体)Tg82℃、質量平均分子量15,000)、「パラロイドB60」(メチルメタアクリレート/ブチルメタアクリレート共重合体)Tg75℃、質量平均分子量50,000)等が例示される。
本実施の形態に係る油性インク組成物に用いることのできる塩化ビニル酢酸ビニル系共重合樹脂としては、例えば、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル/マレイン酸共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル/ヒドロキシアルキルアクリレート共重合体など、及びそれらの混合物が挙げられる。上記の塩化ビニル酢酸ビニル系共重合樹脂としては、日信化学工業(株)社から「ソルバインC(数平均分子量(Mn)、31000)、CL(Mn、25000)、CNL(Mn、12000)、CLL(Mn、18000)、C5R(Mn、27000)、TA2(Mn、33000)、TA3(Mn、24000)、A(Mn、30000)、AL(Mn、22000)、TA5R(Mn、28000)、M5(Mn、32000)等の商品名で入手して本発明で使用することができる。
本実施の形態に係る油性インク組成物において、インク組成物100質量部中に含まれる樹脂の質量部は、特に限定されるものではないが、例えば、油性インク組成物中に0.05質量部以上であることが好ましく、中でも、0.1質量部以上であることが好ましく、更に0.5質量部以上であることが好ましく、1.0質量部以上であることがより好ましい。上限は、例えば、インク組成物中に20質量部以下の範囲内であることが好ましく、中でも、15質量部以下の範囲内であることがより好ましい。
[分散剤]
本実施の形態に係る油性インク組成物において必要に応じて分散剤を用いてもよい。分散剤としては、油性インク組成物において用いられている任意の分散剤を用いることができる。分散剤としては、高分子分散剤を用いるとよい。こうした分散剤としては、主鎖がポリエステル系、ポリアクリル系、ポリウレタン系、ポリアミン系、ポリカプロラクトン系などからなり、側鎖としてアミノ基、カルボキシル基、スルホン基、ヒドロキシル基などの極性基を有するものである。ポリアクリル系分散剤では、例えば、Disperbyk−2000、2001、2008、2009、2010、2020、2020N、2022、2025、2050、2070、2095、2150、2151、2155、2163、2164、BYKJET−9130、9131,9132,9133,9151(ビック・ケミー社製)が用いられる。ポリカプロラクトン系分散剤では、例えば、アジスパーPB821、PB822、PB881(味の素ファインテクノ(株)製)が用いられる。好ましい分散剤としては、ポリエステル系分散剤であり、例えばヒノアクトKF−1000、T−6000、T−7000、T−8000、T−8000E、T−9050(川研ファインケミカル(株)製)、Solsperse20000、24000、32000、32500、32550、32600、33000、33500、34000、35200、36000、37500、39000、71000(ルーブリゾール社製)、フローレンDOPA−15BHFS、17HF、22、G−700、900、NC−500、GW−1500(共栄社化学(株)製)、Efka4310、4320、4330、4401、4402、4403N、4570、7411、7477、7700(BASF社製)の単独、又はそれらの混合物を用いることができる。
本実施の形態に係る油性インク組成物において必要に応じて分散剤を用いてもよい。分散剤としては、油性インク組成物において用いられている任意の分散剤を用いることができる。分散剤としては、高分子分散剤を用いるとよい。こうした分散剤としては、主鎖がポリエステル系、ポリアクリル系、ポリウレタン系、ポリアミン系、ポリカプロラクトン系などからなり、側鎖としてアミノ基、カルボキシル基、スルホン基、ヒドロキシル基などの極性基を有するものである。ポリアクリル系分散剤では、例えば、Disperbyk−2000、2001、2008、2009、2010、2020、2020N、2022、2025、2050、2070、2095、2150、2151、2155、2163、2164、BYKJET−9130、9131,9132,9133,9151(ビック・ケミー社製)が用いられる。ポリカプロラクトン系分散剤では、例えば、アジスパーPB821、PB822、PB881(味の素ファインテクノ(株)製)が用いられる。好ましい分散剤としては、ポリエステル系分散剤であり、例えばヒノアクトKF−1000、T−6000、T−7000、T−8000、T−8000E、T−9050(川研ファインケミカル(株)製)、Solsperse20000、24000、32000、32500、32550、32600、33000、33500、34000、35200、36000、37500、39000、71000(ルーブリゾール社製)、フローレンDOPA−15BHFS、17HF、22、G−700、900、NC−500、GW−1500(共栄社化学(株)製)、Efka4310、4320、4330、4401、4402、4403N、4570、7411、7477、7700(BASF社製)の単独、又はそれらの混合物を用いることができる。
[界面活性剤]
又、本実施の形態に係る油性インク組成物においては、ノズル部やチューブ内等の機器内での油性インク組成物の揮発抑制、固化防止、又、固化した際の再溶解性を目的として、混合溶剤に加えて、室温、大気圧下で液状の非イオン性ポリオキシエチレン誘導体を添加してもよい。例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類であるノニオンP−208、P−210、P−213、E−202S、E−205S、E−215、K−204、K−220、S−207、S−215、A−10R、A−13P、NC−203、NC−207(日本油脂(株)製)、エマルゲン106、108、707、709、A−90、A−60(花王(株)製)、フローレンG−70、D−90(共栄社化学(株)製)、ポエムJ−0081HV(理研ビタミン(株)製)、アデカトールNP−620、NP−650、NP−660、NP−675、NP−683、NP−686、アデカコールCS−141E、TS−230E((株)アデカ製)等、ソルゲン30V、40、TW−20、TW−80、ノイゲンCX−100(第一工業製薬(株)製)等が例示される。
又、本実施の形態に係る油性インク組成物においては、ノズル部やチューブ内等の機器内での油性インク組成物の揮発抑制、固化防止、又、固化した際の再溶解性を目的として、混合溶剤に加えて、室温、大気圧下で液状の非イオン性ポリオキシエチレン誘導体を添加してもよい。例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類であるノニオンP−208、P−210、P−213、E−202S、E−205S、E−215、K−204、K−220、S−207、S−215、A−10R、A−13P、NC−203、NC−207(日本油脂(株)製)、エマルゲン106、108、707、709、A−90、A−60(花王(株)製)、フローレンG−70、D−90(共栄社化学(株)製)、ポエムJ−0081HV(理研ビタミン(株)製)、アデカトールNP−620、NP−650、NP−660、NP−675、NP−683、NP−686、アデカコールCS−141E、TS−230E((株)アデカ製)等、ソルゲン30V、40、TW−20、TW−80、ノイゲンCX−100(第一工業製薬(株)製)等が例示される。
界面活性剤としては、上記に限られず、アセチレングリコール系化合物、ポリシロキサン化合物、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性又は非イオン系界面活性剤等のいずれの界面活性剤も用いることができ、添加目的に合わせて適宜選択されればよい。
[その他の添加剤]
本実施の形態に係る油性インク組成物には、必要に応じて、更に、従来公知の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、粘度調整剤、pH調整剤、表面張力調整剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、電荷調整剤、湿潤剤等の公知の添加剤が任意成分として挙げられる。
本実施の形態に係る油性インク組成物には、必要に応じて、更に、従来公知の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、粘度調整剤、pH調整剤、表面張力調整剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、電荷調整剤、湿潤剤等の公知の添加剤が任意成分として挙げられる。
[油性インク組成物の製造方法]
本実施の形態に係る油性インク組成物を製造する方法は、例えば、一般式(1)で表される溶剤を乾燥する精製工程と、色材と、樹脂と、乾燥工程後の下記一般式(1)で表される溶剤と、を混合することによりインク組成物を調整するインク組成物調整工程と、を含むインク組成物の製造方法を挙げることができる。
本実施の形態に係る油性インク組成物を製造する方法は、例えば、一般式(1)で表される溶剤を乾燥する精製工程と、色材と、樹脂と、乾燥工程後の下記一般式(1)で表される溶剤と、を混合することによりインク組成物を調整するインク組成物調整工程と、を含むインク組成物の製造方法を挙げることができる。
(精製工程)
一般式(1)で表される溶剤中の水分量を低減する精製工程は、例えば、蒸留や窒素雰囲気下でドライ窒素を所定時間吹き付ける方法等を挙げることができる。なお、窒素の代わりにアルゴンガス等の希ガスを用いてもよい。
一般式(1)で表される溶剤中の水分量を低減する精製工程は、例えば、蒸留や窒素雰囲気下でドライ窒素を所定時間吹き付ける方法等を挙げることができる。なお、窒素の代わりにアルゴンガス等の希ガスを用いてもよい。
(混合工程)
色材と、樹脂と、精製工程後の下記一般式(1)で表される溶剤と、を混合する方法は特に限定されず、例えば、まず、上記の精製工程後の一般式(1)で表される溶剤の一部又は全部を混合して油性インク組成物における溶媒とする。例えば分散剤を用いる場合、その溶媒に、色材と分散剤を添加し、ボールミル、ビーズミル、超音波、又はジェットミル等で混合・分散させて色材分散液を調製する。得られた色材分散液に、上記で得た溶媒の残部と樹脂、その他の添加剤を攪拌下に添加することにより得られる。
色材と、樹脂と、精製工程後の下記一般式(1)で表される溶剤と、を混合する方法は特に限定されず、例えば、まず、上記の精製工程後の一般式(1)で表される溶剤の一部又は全部を混合して油性インク組成物における溶媒とする。例えば分散剤を用いる場合、その溶媒に、色材と分散剤を添加し、ボールミル、ビーズミル、超音波、又はジェットミル等で混合・分散させて色材分散液を調製する。得られた色材分散液に、上記で得た溶媒の残部と樹脂、その他の添加剤を攪拌下に添加することにより得られる。
なお、油性インク組成物の製造方法は上記の方法に限定されず、例えば、従来公知の方法で油性インク組成物を調整し、調整後の油性インク組成物を窒素雰囲気下でドライ窒素を所定時間吹き付ける方法であってもよい。
[油性インク組成物に用いられる記録媒体]
本実施の形態に係る油性インク組成物を用いたインクジェット記録方法において、記録媒体としては、紙であってもよいし、印刷面が主として樹脂からなるものであってもよい。樹脂としては、ポリ塩化ビニル系重合体やアクリル、PET、ポリカーボネート、PE、PP等が用いられる。特に、印刷面が硬質又は軟質ポリ塩化ビニル系重合体からなる記録媒体への記録に適している。印刷面がポリ塩化ビニル重合体からなる記録媒体としては、ポリ塩化ビニル基材(フィルム又はシート)等が例示できる。
本実施の形態に係る油性インク組成物を用いたインクジェット記録方法において、記録媒体としては、紙であってもよいし、印刷面が主として樹脂からなるものであってもよい。樹脂としては、ポリ塩化ビニル系重合体やアクリル、PET、ポリカーボネート、PE、PP等が用いられる。特に、印刷面が硬質又は軟質ポリ塩化ビニル系重合体からなる記録媒体への記録に適している。印刷面がポリ塩化ビニル重合体からなる記録媒体としては、ポリ塩化ビニル基材(フィルム又はシート)等が例示できる。
[油性インク組成物を用いた記録方法]
本実施の形態に係る油性インク組成物を用いたインクジェット記録方法は、油性インク組成物をインクジェット方式で吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法である。好ましくは、インクジェットヘッドのクリーニングシステムを備えたインクジェット記録装置を用いて記録媒体に記録を行う、インクジェット記録方法である。本実施の形態に係る油性インク組成物を用いることにより、インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置の部材適性が良好でメンテナンス性に優れたインクジェット記録方法を実現することができる。又、本実施の形態に係る油性インク組成物は、特に吐出安定性が良好であるため、インクジェット記録方法を用いた印刷物の生産性を良好にすることができる。
本実施の形態に係る油性インク組成物を用いたインクジェット記録方法は、油性インク組成物をインクジェット方式で吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法である。好ましくは、インクジェットヘッドのクリーニングシステムを備えたインクジェット記録装置を用いて記録媒体に記録を行う、インクジェット記録方法である。本実施の形態に係る油性インク組成物を用いることにより、インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置の部材適性が良好でメンテナンス性に優れたインクジェット記録方法を実現することができる。又、本実施の形態に係る油性インク組成物は、特に吐出安定性が良好であるため、インクジェット記録方法を用いた印刷物の生産性を良好にすることができる。
本実施の形態に係るインクジェット記録方法は、従来公知のインクジェットヘッドのクリーニングシステムを備えたインクジェット記録装置のいずれにも適用可能である。中でもインクジェットヘッドのノズル内に残留あるいは目詰まり等しているインク組成物を吸引する構成を少なくとも有するクリーニングシステムを備えたインクジェット記録装置に好ましく適用することができる。又、送液ポンプ接続等にエラストマー製等可撓性送液チューブが用いられているクリーニングシステムを備えたインクジェット記録装置に好ましく用いられる。
本実施の形態に係る油性インク組成物に含まれる水を指針として、油性インク組成物の検査方法としてもよい。このような油性インク組成物の検査方法は例えば、油性インク組成物に含まれる水の含有量が油性インク組成物100質量部中3質量部未満の場合に良と判定する。
[油性インク組成物に用いた印刷物の製造方法]
上記インクジェット記録方法を用いて印刷物を製造することもできる。本実施の形態に係る印刷物の製造方法は、本実施の形態に係る油性インク組成物を用いることにより、当該インク組成物が吐出安定性が高いため高品質の印刷物を得ることができる。
上記インクジェット記録方法を用いて印刷物を製造することもできる。本実施の形態に係る印刷物の製造方法は、本実施の形態に係る油性インク組成物を用いることにより、当該インク組成物が吐出安定性が高いため高品質の印刷物を得ることができる。
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
<油性インク組成物の調整>
1.式(1)で表される溶剤の精製
式(1)で表される溶剤(「ジエチレングリコールジメチルエーテル」(表中、「DEGDME」と表記)、「ジエチレングリコールエチルメチルエーテル」(表中、「DEGEME」と表記)、「ジエチレングリコールブチルメチルエーテル」(表中、「DEGBME」と表記)、「ジプロピレングリコールジメチルエーテル」(表中、「DPGDME」と表記)、「ジプロピレングリコールモノメチルエーテル」(表中、「DPGMME」と表記)、「トリプロピレングリコールモノメチルエーテル」(表中、「TPGMME」と表記)、「テトラエチレングリコールジメチルエーテル」(表中、「TeEGDME」と表記)、「ジエチレングリコールジエチルエーテル」(表中、「DEGDEE」と表記)、「ジエチレングリコールジブチルエーテル」(表中、「DEGDBE」と表記)、「ジエチレングリコールモノブチルエーテル」(表中、「DEGMBE」と表記)、「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」(表中、「TEGMBE」と表記)を窒素雰囲気下でドライ窒素を所定時間吹き付けることにより溶剤中の水分量を低減させた。なお、各溶媒の引火点を表1に示す。
1.式(1)で表される溶剤の精製
式(1)で表される溶剤(「ジエチレングリコールジメチルエーテル」(表中、「DEGDME」と表記)、「ジエチレングリコールエチルメチルエーテル」(表中、「DEGEME」と表記)、「ジエチレングリコールブチルメチルエーテル」(表中、「DEGBME」と表記)、「ジプロピレングリコールジメチルエーテル」(表中、「DPGDME」と表記)、「ジプロピレングリコールモノメチルエーテル」(表中、「DPGMME」と表記)、「トリプロピレングリコールモノメチルエーテル」(表中、「TPGMME」と表記)、「テトラエチレングリコールジメチルエーテル」(表中、「TeEGDME」と表記)、「ジエチレングリコールジエチルエーテル」(表中、「DEGDEE」と表記)、「ジエチレングリコールジブチルエーテル」(表中、「DEGDBE」と表記)、「ジエチレングリコールモノブチルエーテル」(表中、「DEGMBE」と表記)、「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」(表中、「TEGMBE」と表記)を窒素雰囲気下でドライ窒素を所定時間吹き付けることにより溶剤中の水分量を低減させた。なお、各溶媒の引火点を表1に示す。
2.油性インク組成物の調製
顔料(ピグメントブルー15:3(クラリアント社製、銅フタロシアニン顔料))、分散剤(SOLSPERSE 39000(ルーブリゾール社製、ポリカプロラクトン系分散剤))、アクリル樹脂(パラロイドB60 ロームアンドハース社製)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ソルバインCLL 日信化学工業株式会社 表中「塩酢ビ樹脂」と表記)、添加剤(ポリシロキサン系界面活性剤 BYK−333 ビックケミー社製)、式(1)で表される溶剤、式(1)で表される溶剤以外の溶剤(γ-ブチロラクトン(表中「BL」と表記)、2−ピロリドン(表中「PR」と表記)、プロピレンカーボネート(表中「PC」と表記)、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート(表中「EGMMEAc」と表記)、酢酸−n−ブチル(表中「nBuAc」と表記))を用いて下記表のように実施例及び比較例の油性インク組成物を調整した。比較例の油性インク組成物は、精製していない式(1)で表される溶剤を用いた。
顔料(ピグメントブルー15:3(クラリアント社製、銅フタロシアニン顔料))、分散剤(SOLSPERSE 39000(ルーブリゾール社製、ポリカプロラクトン系分散剤))、アクリル樹脂(パラロイドB60 ロームアンドハース社製)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ソルバインCLL 日信化学工業株式会社 表中「塩酢ビ樹脂」と表記)、添加剤(ポリシロキサン系界面活性剤 BYK−333 ビックケミー社製)、式(1)で表される溶剤、式(1)で表される溶剤以外の溶剤(γ-ブチロラクトン(表中「BL」と表記)、2−ピロリドン(表中「PR」と表記)、プロピレンカーボネート(表中「PC」と表記)、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート(表中「EGMMEAc」と表記)、酢酸−n−ブチル(表中「nBuAc」と表記))を用いて下記表のように実施例及び比較例の油性インク組成物を調整した。比較例の油性インク組成物は、精製していない式(1)で表される溶剤を用いた。
<評価>
上記の実施例及び比較例のインク組成物について各評価を行った。評価基準において、評価「〇」、及び「△」は、従来のものより優れているか実用上問題のない範囲であり、「×」は従来のものと比べて優位性が見られないか実用上問題があるものである。
上記の実施例及び比較例のインク組成物について各評価を行った。評価基準において、評価「〇」、及び「△」は、従来のものより優れているか実用上問題のない範囲であり、「×」は従来のものと比べて優位性が見られないか実用上問題があるものである。
(1)水分量の測定
実施例及び比較例のインク組成物について、水分量を測定した。具体的には、メトローム社製KFタイトランドカールフィッシャー水分計を用いて測定した。
実施例及び比較例のインク組成物について、水分量を測定した。具体的には、メトローム社製KFタイトランドカールフィッシャー水分計を用いて測定した。
(2)吐出安定性試験
インクジェットプリンター(商品名 VersaArt RE−640、ローランドDG(株)製)を使用)により、実施例及び比較例の油性インク組成物を用いて、双方向の高速印刷モード(360x360dpi)にて細線を上記記録媒体に印刷し、目視で確認して評価した(表中、「吐出安定性」と表記)。
(評価基準)
〇:細線が正しく再現できている。
△:わずかに曲がりがみられる。
×:着弾位置がずれ、曲がりがみられる。
インクジェットプリンター(商品名 VersaArt RE−640、ローランドDG(株)製)を使用)により、実施例及び比較例の油性インク組成物を用いて、双方向の高速印刷モード(360x360dpi)にて細線を上記記録媒体に印刷し、目視で確認して評価した(表中、「吐出安定性」と表記)。
(評価基準)
〇:細線が正しく再現できている。
△:わずかに曲がりがみられる。
×:着弾位置がずれ、曲がりがみられる。
(3)間欠吐出性試験
上記インクジェットプリンターに実施例及び比較例の油性インク組成物を充填して、長期間に亘り、常温下で、上記記録媒体に断続的な印刷を実施し、ドット抜け、飛行曲がり及びインクの飛び散りの有無を観察し、発生回数を計数し評価した(表中、「間欠吐出性」と表記)。
(評価基準)
〇:24時間の試験期間内で、ドット抜け、飛行曲がり又はインクの飛び散りの発生が10回未満であった。
△:24時間の試験期間内で、ドット抜け、飛行曲がり又はインクの飛び散りの発生が10回以上20回未満であった。
×:24時間の試験期間内で、ドット抜け、飛行曲がり又はインクの飛び散りの発生が20回以上であった。
上記インクジェットプリンターに実施例及び比較例の油性インク組成物を充填して、長期間に亘り、常温下で、上記記録媒体に断続的な印刷を実施し、ドット抜け、飛行曲がり及びインクの飛び散りの有無を観察し、発生回数を計数し評価した(表中、「間欠吐出性」と表記)。
(評価基準)
〇:24時間の試験期間内で、ドット抜け、飛行曲がり又はインクの飛び散りの発生が10回未満であった。
△:24時間の試験期間内で、ドット抜け、飛行曲がり又はインクの飛び散りの発生が10回以上20回未満であった。
×:24時間の試験期間内で、ドット抜け、飛行曲がり又はインクの飛び散りの発生が20回以上であった。
(4)乾燥性試験
上記インクジェットプリンターにより、実施例及び比較例の油性インク組成物を用いて、高品質印刷モード(1440x720dpi)でベタ部の印刷を行い、40℃で乾燥するまでの時間を計測した(表中、「乾燥性」と表記)。
(評価基準)
〇:5分未満で乾燥する。
△:5分以上7分未満で乾燥する。
×:7以上で乾燥する。
上記インクジェットプリンターにより、実施例及び比較例の油性インク組成物を用いて、高品質印刷モード(1440x720dpi)でベタ部の印刷を行い、40℃で乾燥するまでの時間を計測した(表中、「乾燥性」と表記)。
(評価基準)
〇:5分未満で乾燥する。
△:5分以上7分未満で乾燥する。
×:7以上で乾燥する。
(5)画質評価試験
上記インクジェットプリンターにより、実施例及び比較例の油性インク組成物について印字を行い、画質評価試験を行った。具体的には、IMAGin JT5829R(ポリ塩化ビニルフィルム;MACtac社製)上に解像度720×720dpiで印刷を行い、印刷物を80℃に加温したヒーター上で5分間乾燥した。次いで、乾燥処理後の印刷表面の状態を目視にて評価した。評価結果を表1に示す(表1中、「画質」と表記。)。
上記インクジェットプリンターにより、実施例及び比較例の油性インク組成物について印字を行い、画質評価試験を行った。具体的には、IMAGin JT5829R(ポリ塩化ビニルフィルム;MACtac社製)上に解像度720×720dpiで印刷を行い、印刷物を80℃に加温したヒーター上で5分間乾燥した。次いで、乾燥処理後の印刷表面の状態を目視にて評価した。評価結果を表1に示す(表1中、「画質」と表記。)。
(評価基準)
〇:ハジキやムラが起きずに均一で平滑なインク膜であった。
△:局所的にハジキ、ムラがあるが、画像品質への影響が少なかった。
×:ハジキ、ムラが部分的にあり、画像品質への影響が大きかった。
〇:ハジキやムラが起きずに均一で平滑なインク膜であった。
△:局所的にハジキ、ムラがあるが、画像品質への影響が少なかった。
×:ハジキ、ムラが部分的にあり、画像品質への影響が大きかった。
[耐擦過性試験]
上記インクジェットプリンターにより、実施例及び比較例の油性インク組成物について印字を行い、耐擦過性試験を行った。具体的には、上記画質評価試験の印刷物の試験用布片を荷重200g、50往復で擦り、目視で耐擦過性を評価した。
上記インクジェットプリンターにより、実施例及び比較例の油性インク組成物について印字を行い、耐擦過性試験を行った。具体的には、上記画質評価試験の印刷物の試験用布片を荷重200g、50往復で擦り、目視で耐擦過性を評価した。
(評価基準)
〇:印刷面の変化がみられなかった。
×:印刷面の状態の明らかな変化がみられた。
〇:印刷面の変化がみられなかった。
×:印刷面の状態の明らかな変化がみられた。
[耐水性試験]
上記インクジェットプリンターにより、実施例及び比較例の油性インク組成物について印字を行い、耐擦過性試験を行った。具体的には、上記画質評価試験の印刷物の印刷面をイオン交換水で拭き、目視で印刷面の耐水性を確認した。
上記インクジェットプリンターにより、実施例及び比較例の油性インク組成物について印字を行い、耐擦過性試験を行った。具体的には、上記画質評価試験の印刷物の印刷面をイオン交換水で拭き、目視で印刷面の耐水性を確認した。
(評価基準)
○:印刷面の変化がみられなかった。
△:印刷面の色の局所的な変化があるが、画像品質は実使用範囲内であった。
×:印刷面の色が明らかに薄くなっていた。
○:印刷面の変化がみられなかった。
△:印刷面の色の局所的な変化があるが、画像品質は実使用範囲内であった。
×:印刷面の色が明らかに薄くなっていた。
表2、表3より、インク組成物に含まれる水分の含有量が3質量部未満である実施例の油性インク組成物であれば、吐出安定性、間欠吐出性が良好となっており、含有される成分が析出すること抑制することのできる油性インク組成物であることがわかる。さらに、実施例の油性インク組成物は、油性インク組成物に含まれる溶剤の引火点と質量部との関係式であるA値が50以上100以下となっており、これにより、吐出安定性、間欠吐出性に加え、乾燥性が向上したものであると考えられる。なお、実施例のインク組成物は、「画質」、「耐擦過性」、「耐水性」をも良好であり、油性インク組成物に求められる一般的な特性をも有していることがわかる。
一方、インク組成物に含まれる水分の含有量が3質量部以上である比較例の油性インク組成物は、「吐出安定性」、「間欠吐出性」が実施例の油性インク組成物と比べ悪化しており、油性インク組成物中の成分が析出して、インクジェット記録装置のノズル内でインク組成物がつまる等の不具合が生じたものであると考えられる。
特に、銅フタロシアニン顔料(フタロシアニン系有機顔料)を含有し、所定の溶剤(式(1)で表される溶剤)を含有する溶剤と、を含有する油性インク組成物は、水酸基やエーテル基を有する溶剤を含有していることから大気中等に含有される水蒸気等を吸水やすく、しかもフタロシアニン系有機顔料は親水基を有さない化学構造であり、吸水された水分によって凝集がおこりやすいものである。比較例に示すような水分量を低減させていない油性インク組成物は、顔料同士が油性インク組成物内で凝集して油性インク組成物の「吐出安定性」等が低下しやすいものであることが確認された。一方、窒素雰囲気下でドライ窒素を所定時間吹き付けることにより水分量を低減させた所定の溶剤(式(1)で表される溶剤)を含有する実施例の油性インク組成物であれば、フタロシアニン系有機顔料を含有するものであっても、顔料同士が油性インク組成物内で凝集することなく、「吐出安定性」等に優れていることが確認された。
Claims (5)
- インクジェット記録用の油性インク組成物であって、
少なくとも、色材と、樹脂と、下記式(1)で表される溶剤を含有する溶剤と、を含有し、
R1−(OR2)n−O−R3 (1)
n:1以上4以下の整数、
R1:炭素数1以上8以下の分岐してもよいアルキル基
R2:炭素数1以上4以下の分岐してもよいアルキレン基
R3:水素又は炭素数1以上4以下の分岐してもよいアルキル基
水の含有量が油性インク組成物100質量部中3質量部未満である油性インク組成物。 - 下記で定義されるA値が、50以上100以下である
請求項1に記載の油性インク組成物。
A値=Σ(a×b)
(ここで、aは油性インク組成物100質量部中に含まれる溶剤の質量部であり、bは該溶剤の引火点(℃)であり、Σ(a×b)とは、溶剤が1種類であった場合にはa×bの値であり、溶剤が2種類以上であった場合にはそれぞれの溶剤のa×bの値の総和である。) - 前記樹脂はアクリル系樹脂を含有する
請求項1又は2に記載の油性インク組成物。 - 請求項1から3のいずれかに記載のインク組成物を、インクジェット方式にて記録媒体の表面に吐出するインクジェット記録方法。
- 請求項1から3のいずれかに記載のインク組成物を、インクジェット方式にて記録媒体の表面に吐出する工程を含む、印刷物の製造方法。
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JP2020058193A JP2020105528A (ja) | 2020-03-27 | 2020-03-27 | インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法 |
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- 2020-03-27 JP JP2020058193A patent/JP2020105528A/ja active Pending
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