JP2020105359A - 接合材料及びそれを用いた接合方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】大気雰囲気下で焼成しても十分な接合強度が得られる接合材料を提供すること。【解決手段】樹枝状銅粒子と、ヒドロキシル基及びカルボキシル基のうちの少なくとも一方を有する化合物とを含有することを特徴とする接合材料。【選択図】なし
Description
本発明は、接合材料及びそれを用いた接合方法に関し、より詳しくは、銅粒子を含有する接合材料及びそれを用いた接合方法に関する。
半導体装置の多くは、金属部材からなる回路層の上に半導体素子が接合された構造となっている。半導体素子等の電子部品を回路層上に接合する際には、はんだ材を用いた方法が広く使用されているが、半導体素子自体の耐熱性が向上したことで、半導体装置が自動車のエンジンルーム等の高温環境下で使用されることが多くなり、接合材料に耐熱性が要求されている。しかしながら、はんだ材を使用して半導体素子等の電子部品と回路層とを接合した場合、これを高温環境下で使用すると、はんだの一部が溶融してしまい、半導体素子等の電子部品と回路層との接合信頼性が低下することが問題となっている。
そこで、はんだ材の代替として、耐熱性・高い熱伝導率・導電性を有する、金や銀、銅等の金属粒子を含む金属ペースト、或いは酸化銀や酸化銅等の金属酸化物粒子と還元剤とを含む金属酸化物ペーストを用いて、半導体素子等の電子部品を回路層に接合する技術が提案されている。
例えば、特開2010−131669号公報(特許文献1)には、平均粒径が0.1〜50μmであり、融点が400℃より高く、加熱焼結性を有する金属粒子(銀粒子や銅粒子等)と液状フラックスとを含有する接合材料が記載されており、この接合材料を用いることによって金属部材同士を強固に接合することができ、電気伝導性と耐熱処理性に優れた接合体が得られることも記載されている。しかしながら、金属粒子として銀粒子を用いた場合には、銀が比較的酸化されにくいため、大気雰囲気下で焼成できるものの、銀はコストが高く、エレクトロマイグレーションが発生しやすいという問題があった。また、金属粒子として銅粒子を用いた場合には、銅が大気中で酸化しやすいため、不活性雰囲気下や還元雰囲気下で焼成する必要があった。また、十分な接合強度を得ることはできなかった。
また、特開2016−153530号公報(特許文献2)には、平均粒径0.1〜1μmの銅粉80〜95質量%とアルコール系溶剤5〜20質量%とを含む銅ペーストからなる、安価な接合材料が記載されており、この接合材料が被接合物に印刷しやすいこと、また、被接合部同士の接合部においてボイドの発生が抑制されることも記載されている。しかしながら、この接合材料では、銅粉が球状であるため、銅粉同士の接触が不十分であり、不活性雰囲気下や還元雰囲気下で焼成しても十分な接合強度を得ることはできなかった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、大気雰囲気下で焼成しても十分な接合強度が得られる接合材料及び接合方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、樹枝状銅粒子と、ヒドロキシル基及びカルボキシル基のうちの少なくとも一方を有する化合物とを含有する接合材料を用いて接合することによって、大気雰囲気下で、しかも比較的低い温度(例えば、400℃、好ましくは250℃)でも、十分な接合強度が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の接合材料は、樹枝状銅粒子と、ヒドロキシル基及びカルボキシル基のうちの少なくとも一方を有する化合物とを含有することを特徴とするものである。このような接合材料においては、前記ヒドロキシル基及びカルボキシル基のうちの少なくとも一方を有する化合物が、沸点が150〜400℃のアルコール類、炭素数1〜6のカルボン酸類、及び炭素数1〜6のヒドロキシカルボン酸類からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。また、前記ヒドロキシル基及びカルボキシル基のうちの少なくとも一方を有する化合物としては、モノオール、グリコール、3個以上のヒドロキシル基を有するポリオール、グリコールエーテル、飽和脂肪族モノカルボン酸、飽和脂肪族ヒドロキシカルボン酸、不飽和脂肪族ヒドロキシカルボン酸、及び芳香族ヒドロキシカルボン酸からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
また、本発明の接合方法は、金属部材の被接合面と被接合部材の被接合面との間に、前記本発明の接合材料を用いて接合材料層を形成する工程と、
前記接合材料層を加熱して前記接合材料を焼結せしめて接合層を形成し、該接合層を介して前記金属部材と前記被接合部材とを接合せしめる工程と、
を含むことを特徴とする方法である。
前記接合材料層を加熱して前記接合材料を焼結せしめて接合層を形成し、該接合層を介して前記金属部材と前記被接合部材とを接合せしめる工程と、
を含むことを特徴とする方法である。
なお、本発明の接合材料を用いて接合することによって、大気雰囲気下、比較的低い温度(例えば、400℃、好ましくは250℃)でも十分な接合強度が得られる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、球状の銅粒子を含有する従来の接合材料では、銅粒子間の接触が点と点の接触となり、接合強度が小さくなるため、十分な接合強度が得られないと推察される。
一方、本発明の接合材料には、樹枝状銅粒子と、ヒドロキシル基及びカルボキシル基のうちの少なくとも一方を有する化合物とが含まれている。前記樹枝状銅粒子は、銅粒子間の接触が面と面で広範囲に形成されて絡み合うため、十分な接合強度が得られると推察される。また、前記ヒドロキシル基及びカルボキシル基のうちの少なくとも一方を有する化合物が、焼成(焼結)時に銅粒子表面における酸化銅の生成を効率的に抑制したり、酸化銅を還元したりして、酸化銅を積極的に排除することができるため、十分な接合強度が得られると推察される。
本発明によれば、大気雰囲気下、比較的低い温度(例えば、400℃、好ましくは250℃)で焼成しても十分な接合強度で接合され、導電性に優れた接合体を得ることが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
〔接合材料〕
先ず、本発明の接合材料について説明する。本発明の接合材料は、樹枝状銅粒子と、ヒドロキシル基及びカルボキシル基のうちの少なくとも一方を有する化合物とを含有するものである。
先ず、本発明の接合材料について説明する。本発明の接合材料は、樹枝状銅粒子と、ヒドロキシル基及びカルボキシル基のうちの少なくとも一方を有する化合物とを含有するものである。
(樹枝状銅粒子)
本発明に用いられる樹枝状銅粒子は、2次元又は3次元の形態である樹枝状の形状を有する銅粒子である。より具体的には、直線状に成長した主幹と、その主幹から2次元的又は3次元的に分かれた複数の枝とを有する形状の銅粒子であり、前記枝においては、その枝から更に枝が分かれていてもよい。このような樹枝状銅粒子としては、平板状の微細銅粒子が樹枝状に集合したものが挙げられる。このような樹枝状銅粒子を用いることによって、銅粒子間の接触が面と面で広範囲に形成されて絡み合うため、十分な接合強度を得ることが可能となる。なお、このような樹枝状銅粒子の形状は、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)等を用いて観察することによって確認することができる。
本発明に用いられる樹枝状銅粒子は、2次元又は3次元の形態である樹枝状の形状を有する銅粒子である。より具体的には、直線状に成長した主幹と、その主幹から2次元的又は3次元的に分かれた複数の枝とを有する形状の銅粒子であり、前記枝においては、その枝から更に枝が分かれていてもよい。このような樹枝状銅粒子としては、平板状の微細銅粒子が樹枝状に集合したものが挙げられる。このような樹枝状銅粒子を用いることによって、銅粒子間の接触が面と面で広範囲に形成されて絡み合うため、十分な接合強度を得ることが可能となる。なお、このような樹枝状銅粒子の形状は、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)等を用いて観察することによって確認することができる。
前記樹枝状銅粒子の平均粒径としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はないが、1〜50μmが好ましく、1〜20μmがより好ましく、1〜10μmが更に好ましい。このような平均粒径の樹枝状銅粒子を用いることによって、樹枝状銅粒子が均一に分散した接合材料が得られるため、接合材料の印刷性(塗工性)が向上し、更に十分な接合強度を得ることができる。一方、樹枝状銅粒子の平均粒径が前記下限未満になると、十分な樹枝状に形成された銅粒子を得ることができないため、十分な接合強度が得られない傾向にあり、他方、前記上限を超えると、樹枝状銅粒子間の隙間が多くなるため、十分な接合強度が得られない傾向にある。なお、このような樹枝状銅粒子の平均粒径は、例えば、樹枝状銅粒子を電界放出形走査型電子顕微鏡(FE−SEM)等を用いて観察し、得られたSEM像において、50個以上の樹枝状銅粒子を無作為に抽出し、各一次粒子の2つの端部を結ぶ直線のうち最も長いものの長さを測定して、それらを算術平均することによって求めることができる。
このような樹枝状銅粒子は、一般的には電解法によって製造することができ、例えば、福田金属箔粉工業株式会社製「FCC−CP」、「FCC−TB」、「FCC−SP」や三井金属鉱業社製「MP−D2」等の商品名で市販されている。
本発明の接合材料においては、前記樹枝状銅粒子として、表面処理が施されていない樹枝状金属銅粒子をそのまま使用してもよいし、表面処理を施した樹枝状金属銅粒子を使用してもよい。前記表面処理を施した樹枝状金属銅粒子としては、表面が酸化銅、カルボン酸銅又はヒドロキシカルボン酸銅で被覆された樹枝状金属銅粒子が挙げられる。
表面が酸化銅で被覆された樹枝状金属銅粒子は、例えば、樹枝状金属銅粒子を酢酸水溶液(10%)で洗浄し、さらに水洗する操作を2回繰り返し、その後、大気雰囲気下で、例えば、300℃で1時間加熱することによって得ることができる。また、表面がカルボン酸銅又はヒドロキシカルボン酸銅で被覆された樹枝状金属銅粒子は、例えば、樹枝状金属銅粒子をカルボン酸又はヒドロキシカルボン酸の水溶液(50%)中、60〜90℃で2〜3時間加熱した後、水洗し、遠心分離等により回収し、乾燥することによって得ることができる。
前記カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。
前記ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、ロイシン酸、メバロン酸、パントイン酸等の飽和脂肪族ヒドロキシカルボン酸;リシノール酸等の不飽和脂肪族ヒドロキシカルボン酸;サリチル酸、クレオソート酸、バニリン酸、シリング酸、ピロカテク酸、レソルシル酸、プロトカテク酸、ゲンチジン酸、オルセリン酸、没食子酸、マンデル酸、ベンジル酸、アトロラクチン酸、メリロト酸、フロレト酸、クマル酸、ウンベル酸、コーヒー酸、フェルラ酸、シナピン酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸が挙げられる。
本発明の接合材料において、このような樹枝状銅粒子の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はないが、接合材料全体に対して、50〜98質量%が好ましく、55〜95質量%がより好ましく、60〜90質量%が更に好ましい。樹枝状銅粒子の含有量が前記範囲内にあると、樹枝状銅粒子が均一に分散した接合材料が得られるため、更に十分な接合強度を得ることができる。一方、樹枝状銅粒子の含有量が前記下限未満になると、接合材料中の樹枝状銅粒子の量が少なすぎるため、十分な接合強度が得られない傾向にあり、他方、前記上限を超えると、接合材料中の樹枝状銅粒子の量が多くなりすぎ、樹枝状銅粒子表面における焼成時の酸化銅の生成を抑制できないため、十分な接合強度が得られない傾向にある。
(ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基含有化合物)
本発明に用いられるヒドロキシル基及びカルボキシル基のうちの少なくとも一方を有する化合物(以下、「ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基含有化合物」ともいう)は、前記樹枝状銅粒子を焼結させる際に、前記樹枝状銅粒子の表面における酸化銅の生成を抑制したり、酸化銅を還元したりする作用を発現するものである。このようなヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基含有化合物としては、アルコール類、カルボン酸類、ヒドロキシカルボン酸類が挙げられる。
本発明に用いられるヒドロキシル基及びカルボキシル基のうちの少なくとも一方を有する化合物(以下、「ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基含有化合物」ともいう)は、前記樹枝状銅粒子を焼結させる際に、前記樹枝状銅粒子の表面における酸化銅の生成を抑制したり、酸化銅を還元したりする作用を発現するものである。このようなヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基含有化合物としては、アルコール類、カルボン酸類、ヒドロキシカルボン酸類が挙げられる。
前記アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、テルピネオール、シクロヘキサノール等のモノオール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、シクロヘキサンジオール等のグリコール;グリセリン、ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、シクロヘキサントリオール、エリトリトール、トレイトール、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、クエルシトール、グルコース、ガラクトース、フルクトース、トリグリセリン、イジトール、ガラクチトール、ソルビトール、マンニトール、ジペンタエリトリトール、イノシトール、ボレミトール、ペルセイトール、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、マルトトリオース等の3個以上のヒドロキシル基を有するポリオール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、2−フェノキシエタノール等のグリコールエーテルが挙げられる。
前記カルボン酸類としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。
前記ヒドロキシカルボン酸類としては、例えば、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、ロイシン酸、ジメチロール酪酸、メバロン酸、パントイン酸の飽和脂肪族ヒドロキシカルボン酸;リシノール酸等の不飽和脂肪族ヒドロキシカルボン酸;サリチル酸、クレオソート酸、バニリン酸、シリング酸、ピロカテク酸、レソルシル酸、プロトカテク酸、ゲンチジン酸、オルセリン酸、没食子酸、マンデル酸、ベンジル酸、アトロラクチン酸、メリロト酸、フロレト酸、クマル酸、ウンベル酸、コーヒー酸、フェルラ酸、シナピン酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸が挙げられる。
これらのヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基含有化合物の中でも、前記樹枝状銅粒子を焼結させる際に、銅粒子表面における酸化銅の生成をより効率的に抑制したり、酸化銅を還元したりすることができ、より十分な接合強度が得られるという観点から、沸点が150〜400℃のアルコール類、炭素数1〜6のカルボン酸類及び炭素数1〜6のヒドロキシカルボン酸類が好ましく、沸点が170〜400℃のアルコール類及び炭素数1〜6のヒドロキシカルボン酸類がより好ましく、沸点が200〜380℃のアルコール類及び炭素数2〜4のヒドロキシカルボン酸類が更に好ましい。
具体的には、前記アルコール類の中では、沸点が150〜400℃のアルコールである、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、テルピネオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、グリセリン、ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、シクロヘキサントリオール、エリトリトール、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、2−フェノキシエタノールが好ましく、沸点が170〜400℃のアルコールである、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、テルピネオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、グリセリン、ブタントリオール、エリトリトール、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、2−フェノキシエタノールがより好ましく、沸点が200〜380℃のアルコールである、ノナノール、デカノール、テルピネオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、グリセリン、エリトリトール、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、2−フェノキシエタノールが更に好ましい。
また、前記カルボン酸類の中では、炭素数1〜6のカルボン酸である、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸が好ましい。
さらに、前記ヒドロキシカルボン酸類の中では、炭素数1〜6のヒドロキシカルボン酸である、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、ロイシン酸、ジメチロール酪酸、メバロン酸、パントイン酸がより好ましく、炭素数2〜4のヒドロキシカルボン酸である、乳酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸が更に好ましい。
本発明の接合材料において、このようなヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基含有化合物の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はないが、接合材料全体に対して、2〜50質量%が好ましく、5〜45質量%がより好ましく、10〜40質量%が更に好ましい。ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基含有化合物の含有量が前記範囲内にあると、樹枝状銅粒子が均一に分散した接合材料が得られるため、更に十分な接合強度を得ることができる。一方、ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基含有化合物の含有量が前記下限未満になると、接合材料中の樹枝状銅粒子が多くなりすぎ、樹枝状銅粒子表面における焼成時の酸化銅の生成を抑制できないため、十分な接合強度が得られない傾向にあり、他方、前記上限を超えると、接合材料中の樹枝状銅粒子の量が少なすぎるため、十分な接合強度が得られない傾向にある。
(溶媒)
本発明の接合材料は、前記樹枝状銅粒子及び前記ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基含有化合物のみを含有するものであってもよいが、ペースト状に調製する場合には溶媒を更に添加してもよい。このような溶媒としては、例えば、水、ケトン類、エステル類(環状エステル類を含む)、極性脂環式炭化水素類、アミド類、スルホキシド類等が挙げられる。
本発明の接合材料は、前記樹枝状銅粒子及び前記ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基含有化合物のみを含有するものであってもよいが、ペースト状に調製する場合には溶媒を更に添加してもよい。このような溶媒としては、例えば、水、ケトン類、エステル類(環状エステル類を含む)、極性脂環式炭化水素類、アミド類、スルホキシド類等が挙げられる。
水としては、イオン交換水、蒸留水等が挙げられる。ケトン類としては、イソホロン、ジイソブチルケトン等が挙げられる。エステル類としては、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート等が挙げられる。極性脂環式炭化水素類としては、N−メチル−2−ピロリドン、プロピレンカーボネート等が挙げられる。アミド類としては、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。スルホキシド類としては、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明の接合材料において、このような溶媒の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はないが、接合材料の取扱性の観点から、前記樹枝状銅粒子と前記ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基含有化合物との合計量100質量部に対して、0〜48質量部が好ましい。
(分散剤)
本発明の接合材料においては、前記樹枝状銅粒子の分散性を向上させるために、分散剤を配合してもよい。このような分散剤としては、焼成時に残留が少なく、接合材料の性能(接合強度)に影響を及ぼしにくいものが好ましく、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、キレート剤が好ましい。
本発明の接合材料においては、前記樹枝状銅粒子の分散性を向上させるために、分散剤を配合してもよい。このような分散剤としては、焼成時に残留が少なく、接合材料の性能(接合強度)に影響を及ぼしにくいものが好ましく、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、キレート剤が好ましい。
アニオン界面活性剤としては、石鹸、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル、α−オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、モノアルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。カチオン界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。ノニオン界面活性剤としては、高級アルコールアルキレンオキサイド付加物、アルキルフェノールアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸アルキレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドアルキレンオキサイド付加物、ポリオキシプロピレンのアルキレンオキサイド付加物等のポリアルキレングリコール型ノニオン界面活性剤;グリセロール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の多価アルコール型ノニオン界面活性剤が挙げられる。なお、前記高級アルコールは、通常、直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の全炭素数が8〜22の高級アルコールであり、アルキルフェノールは、通常、直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の全炭素数が7〜22のアルキルフェノールであり、脂肪酸は、通常、飽和又は不飽和の全炭素数が10〜22の脂肪酸であり、多価アルコールは、通常、全炭素数が3〜12の多価アルコールであり、高級アルキルアミンは、通常、直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の全炭素数が8〜22の高級アルキルアミンである。キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、プロパンジアミン四酢酸、ジアミノヒドロキシプロパン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ジカルボキシメチルグルタミン酸、エチレンジアミンジコハク酸等のアミノカルボン酸系キレート剤、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、ホスホノブタントリカルボン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)等のホスホン酸系キレート剤が挙げられる。これらの分散剤は、1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明の接合材料において、このような分散剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はないが、接合材料の取扱性の観点から、前記樹枝状銅粒子と前記ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基含有化合物との合計量100質量部に対して、0〜20質量部が好ましく、0〜10質量部がより好ましい。
(その他の添加剤)
本発明の接合材料においては、塗工性を向上させたり、接合を促進させたりするために、バインダー、フラックスを配合してもよい。また、接合を促進させたりするために、前記樹枝状銅粒子以外の他の金属成分、銅塩類を更に添加してもよい。
本発明の接合材料においては、塗工性を向上させたり、接合を促進させたりするために、バインダー、フラックスを配合してもよい。また、接合を促進させたりするために、前記樹枝状銅粒子以外の他の金属成分、銅塩類を更に添加してもよい。
前記バインダーとしては、有機バインダー及び無機バインダーのいずれであってもよい。また、前記有機バインダーは粘度調整機能を有していてもよい。前記有機バインダーとしては、水溶化樹脂や水性樹脂等が挙げられる。具体的には、各種変性ポリエステル樹脂(例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂)、ポリエーテルウレタン樹脂、ポリカーボネートウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミド、変性セルロース類(例えば、ニトロセルロース、セルロース・アセテート・ブチレート(CAB)、セルロース・アセテート・プロピオネート(CAP))、ビニル系樹脂(例えば、酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン)、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、セルロース樹脂(例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース)、DAP樹脂(ジアリルフタレート樹脂)、ポリオレフィン樹脂、合成ゴムラテックス、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、パラフィン等が挙げられる。無機バインダーとしては、シリカゾル、アルミナゾル、ジルコニアゾル、チタニアゾル等が挙げられる。これらのバインダーは、1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明の接合材料において、このようなバインダーの含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はないが、接合材料の取扱性の観点から、前記樹枝状銅粒子と前記ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基含有化合物との合計量100質量部に対して、0〜20質量部が好ましく、0〜10質量部がより好ましい。
前記フラックスとしては、例えば、安息香酸等の芳香族モノカルボン酸;アビエチン酸等の脂環式モノカルボン酸;コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン二酸等のジカルボン酸が挙げられる。これらのフラックスは、1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明の接合材料において、このようなフラックスの含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はないが、接合材料の取扱性の観点から、前記樹枝状銅粒子と前記ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基含有化合物との合計量100質量部に対して、0〜20質量部が好ましく、0〜10質量部がより好ましい。
前記金属成分としては、前記樹枝状銅粒子以外のものであれば、その構成成分や形状は特に制限はなく、用途に応じて適宜選択することができる。また、前記金属成分の形状が粒子状の場合、その平均粒径としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はないが、1〜50μmが好ましく、1〜20μmがより好ましく、1〜10μmが更に好ましい。
前記金属成分の構成成分としては、導電性の観点から、周期表VIII族(鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金)及びIB族(銅、銀、金)の金属(樹枝状金属粒子の場合には金属銅を除く)が好ましい。このような金属成分は、1種の金属であっても、2種以上の金属(例えば、合金、積層体)であってもよい。また、前記金属成分には、製法上不可避の酸素、異種金属等の不純物を含有していてもよく、金属成分の急激な酸化防止のために必要に応じて予め酸素、金属酸化物やメルカプトカルボン酸以外の有機化合物などが含まれていてもよい。
本発明の接合材料において、このような金属成分の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はないが、接合材料の取扱性の観点から、接合材料全体に対して、0.01〜40質量%が好ましく、0.01〜20質量%がより好ましい。
前記銅塩類としては、例えば、乳酸銅等の飽和脂肪族ヒドロキシカルボン酸銅、ギ酸銅等の飽和脂肪族モノカルボン酸銅が挙げられる。このような銅塩類は、1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、このような銅塩類の形状としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、用途に応じて適宜選択することができる。前記銅塩類の形状が粒子状の場合、その平均粒径としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はないが、1〜50μmが好ましく、1〜20μmがより好ましく、1〜10μmが更に好ましい。
本発明の接合材料において、このような銅塩類の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はないが、接合材料の取扱性の観点から、接合材料全体に対して、0.01〜40質量%が好ましく、0.01〜20質量%がより好ましい。
(接合材料の製造方法)
本発明の接合材料は、例えば、前記樹枝状銅粒子と前記ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基含有化合物と、必要に応じて溶媒等とを、攪拌混合することによって製造することができる。このような攪拌混合に用いられる混合機としては特に制限はなく、例えば、ホモミキサー、アジテイター、ディスパー、プラネタリーミキサー、アジホモミキサー、ユニバーサルミキサー、アトライター、自転・公転方式混合機等の混合機を適宜選択して使用することができる。これらの混合機は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明の接合材料は、例えば、前記樹枝状銅粒子と前記ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基含有化合物と、必要に応じて溶媒等とを、攪拌混合することによって製造することができる。このような攪拌混合に用いられる混合機としては特に制限はなく、例えば、ホモミキサー、アジテイター、ディスパー、プラネタリーミキサー、アジホモミキサー、ユニバーサルミキサー、アトライター、自転・公転方式混合機等の混合機を適宜選択して使用することができる。これらの混合機は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
〔接合方法〕
次に、本発明の接合方法について説明する。本発明の接合方法は、金属部材の被接合面と被接合部材の被接合面との間に、前記本発明の接合材料を用いて接合材料層を形成する工程と、前記接合材料層を加熱して前記接合材料を焼結せしめて接合層を形成し、該接合層を介して前記金属部材と前記被接合部材とを接合せしめる工程と、を含む方法である。
次に、本発明の接合方法について説明する。本発明の接合方法は、金属部材の被接合面と被接合部材の被接合面との間に、前記本発明の接合材料を用いて接合材料層を形成する工程と、前記接合材料層を加熱して前記接合材料を焼結せしめて接合層を形成し、該接合層を介して前記金属部材と前記被接合部材とを接合せしめる工程と、を含む方法である。
前記金属部材としては導電性を有する金属部材であれば特に制限はなく、例えば、半導体装置等の電子部品の電極や配線等の回路層が挙げられる。また、前記金属部材を構成する金属の種類としては特に制限はなく、金、銀、銅、ニッケル等が挙げられる。さらに、前記被接合部材としては電子部材であれば特に制限はなく、例えば、半導体素子等が挙げられる。
このような本発明の接合方法において、金属部材の被接合面と被接合部材の被接合面との間に形成された接合材料層の配置状態としては、例えば、
(1)金属部材の被接合面と被接合部材の被接合面との間のみに接合材料層が配置されている状態、
(2)金属部材の被接合面と被接合部材の被接合面の両被接合面の外縁部のみに接合材料層が配置されている状態、
(3)金属部材の被接合面と被接合部材の被接合面との間及びの両被接合面の外縁部に接合材料層が配置されている状態、
等が挙げられる。
(1)金属部材の被接合面と被接合部材の被接合面との間のみに接合材料層が配置されている状態、
(2)金属部材の被接合面と被接合部材の被接合面の両被接合面の外縁部のみに接合材料層が配置されている状態、
(3)金属部材の被接合面と被接合部材の被接合面との間及びの両被接合面の外縁部に接合材料層が配置されている状態、
等が挙げられる。
本発明の接合方法において、前記接合材料層を形成する方法としては、例えば、金属部材(例えば、基板上の電極)及び/又は被接合部材(例えば、電子部品の接続部)の必要部分(前記接合材料層を形成する領域)に、インクジェット法により微細なノズルからペースト状の前記接合材料を噴出させて前記接合材料を塗布、付着、注入、コーティング又は充填等する方法;開口したメタルマスクやメッシュ状マスクを用いて前記接合材料を塗布、付着、注入、コーティング又は充填等する方法;ディスペンサを用いて前記接合材料を塗布、付着、注入、コーティング又は充填等する方法等が挙げられる。これらの方法は、接合する金属部材(例えば、基板上の電極)及び被接合部材(例えば、電子部品の接続部)の面積、形状等に応じて適宜選択する又は組み合わせることが可能である。
本発明の接合方法における前記接合材料の配置量(前記接合材料層の大きさ等)は、接合する金属部材(例えば、基板上の電極)及び被接合部材(例えば、電子部品の接続部)の面積、接合強度等に応じて適宜設定することができ、特に制限されない。
このようにして形成された接合材料層から有機成分(例えば、前記ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基含有化合物、溶媒等)を効率的に除去することによって更に十分な接合強度が得られる観点から、前記接合材料層には予備乾燥を施すことが好ましい。予備乾燥温度としては特に制限はないが、50〜160℃が好ましい。また、予備乾燥時間としては特に制限はないが、1〜60分間が好ましい。
本発明の接合方法において、前記接合材料を焼結せしめる際の加熱温度(焼成温度)としては前記接合材料が溶融、焼結する温度であれば特に制限はないが、前記ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基含有化合物の分解温度である200℃以上500℃以下であることが好ましく、200℃以上450℃以下であることがより好ましく、200℃以上400℃以下であることが更に好ましい。前記加熱温度が前記下限未満になると、前記接合材料層から有機成分(例えば、前記ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基含有化合物、溶媒等)が効率的に除去されず、十分な接合強度が得られない傾向にあり、他方、前記上限を超えると、電子部品等の被接合部材が熱により損傷(例えば、溶融、変形等)を受けやすくなる傾向にある。
また、本発明の接合方法において、前記接合材料を焼結せしめる際の加熱時間(焼成時間)としては前記接合材料が十分に溶融、焼結する時間であれば特に制限はないが、5〜60分間が好ましい。
さらに、本発明の接合方法において、前記接合材料を焼結せしめる際の圧力としては、前記金属部材と前記被接合部材とが接合される圧力であれば無加圧でもよいが、接合を促進させるという観点から、加圧してもよい。このような接合時の圧力としては、例えば、0〜20MPaが好ましく、電子部品等の被接合部材の損傷を抑制するという観点から、0〜15MPaがより好ましく、0〜10MPaが更に好ましい。
また、本発明の接合方法においては、接合材料層の形成や加熱(焼成)等の処理を、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン)雰囲気下や還元雰囲気(例えば、水素ガス雰囲気)下で実施してもよいが、前記ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基含有化合物が、焼成(焼結)時に前記樹枝状銅粒子の表面における酸化銅の生成を効率的に抑制するため、十分な接合強度が得られることから、大気(空気)雰囲気下で実施することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、粒子の平均粒径は以下の方法により測定した。
<粒子の平均粒径>
粒子を電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM、Carl Zeiss社製「FE−SEM ULTRA plus」)を用いてSEM観察を行い、得られたSEM像において、50個以上の粒子を無作為に抽出し、樹枝状粒子については、各一次粒子の2つの端部を結ぶ直線のうち最も長いものの長さを測定し、その算術平均値を一次粒子の平均粒径とし、球状粒子については、各一次粒子の最も長い直径を測定し、その算術平均値を一次粒子の平均粒径とした。
粒子を電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM、Carl Zeiss社製「FE−SEM ULTRA plus」)を用いてSEM観察を行い、得られたSEM像において、50個以上の粒子を無作為に抽出し、樹枝状粒子については、各一次粒子の2つの端部を結ぶ直線のうち最も長いものの長さを測定し、その算術平均値を一次粒子の平均粒径とし、球状粒子については、各一次粒子の最も長い直径を測定し、その算術平均値を一次粒子の平均粒径とした。
(実施例1)
グリセリン(沸点:290℃)25質量部に樹枝状銅粒子(福田金属箔粉工業株式会社製「FCC−CP−X0」、平均粒径:4.5μm)75質量部を添加し、自転・公転方式混合機(株式会社シンキー製、「SR−500」)を用いて、2000rpmで3分間攪拌して接合材料を調製した。
グリセリン(沸点:290℃)25質量部に樹枝状銅粒子(福田金属箔粉工業株式会社製「FCC−CP−X0」、平均粒径:4.5μm)75質量部を添加し、自転・公転方式混合機(株式会社シンキー製、「SR−500」)を用いて、2000rpmで3分間攪拌して接合材料を調製した。
この接合材料を銅板A(縦50mm、横20mm、厚さ1.6mm)の表面にマスクを使用して縦10mm、横10mmの領域に厚さ0.1mmで塗布した。塗布後、マスクを除去し、60℃で30分間の予備乾燥を行なった。予備乾燥後の接合材料層の上に銅板B(縦50mm、横20mm、厚さ1.6mm)を配置した後、前記接合材料層を、空気雰囲気中、250℃の温度条件で30分間焼成することにより、前記接合材料を焼結させて銅板Aと銅板Bを接合し、試験片を作製した。この試験片は3個作製した。なお、前記銅板Aと銅板Bとしては、予め、アセトンを用いて脱脂及び5%塩酸液を用いて酸洗浄した後、蒸留水で洗浄したものを用いた。
(実施例2)
樹枝状銅粒子として平均粒径が7μmの樹枝状銅粒子(福田金属箔粉工業株式会社製「FCC−TB」)75質量部を用いた以外は実施例1と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
樹枝状銅粒子として平均粒径が7μmの樹枝状銅粒子(福田金属箔粉工業株式会社製「FCC−TB」)75質量部を用いた以外は実施例1と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(実施例3)
樹枝状銅粒子として平均粒径が10μmの樹枝状銅粒子(福田金属箔粉工業株式会社製「FCC−SP−99」)75質量部を用いた以外は実施例1と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
樹枝状銅粒子として平均粒径が10μmの樹枝状銅粒子(福田金属箔粉工業株式会社製「FCC−SP−99」)75質量部を用いた以外は実施例1と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(実施例4)
樹枝状銅粒子の量を70質量部に、グリセリンの量を30質量部に変更した以外は実施例1と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
樹枝状銅粒子の量を70質量部に、グリセリンの量を30質量部に変更した以外は実施例1と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(実施例5)
樹枝状銅粒子の量を85質量部に、グリセリンの量を15質量部に変更した以外は実施例1と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
樹枝状銅粒子の量を85質量部に、グリセリンの量を15質量部に変更した以外は実施例1と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(実施例6)
グリセリンの代わりに乳酸(沸点:122℃)25質量部を用いた以外は実施例1と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
グリセリンの代わりに乳酸(沸点:122℃)25質量部を用いた以外は実施例1と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(実施例7)
実施例6と同様にして接合材料を調製した。この接合材料を厚さ0.1mmで塗布し、銅板Bの上部からクランプを用いて10MPaの圧力で加圧しながら接合材料層を焼成した以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
実施例6と同様にして接合材料を調製した。この接合材料を厚さ0.1mmで塗布し、銅板Bの上部からクランプを用いて10MPaの圧力で加圧しながら接合材料層を焼成した以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(実施例8)
樹枝状銅粒子として平均粒径が7μmの樹枝状銅粒子(福田金属箔粉工業株式会社製「FCC−TB」)75質量部を用いた以外は実施例6と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例7と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
樹枝状銅粒子として平均粒径が7μmの樹枝状銅粒子(福田金属箔粉工業株式会社製「FCC−TB」)75質量部を用いた以外は実施例6と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例7と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(実施例9)
樹枝状銅粒子として平均粒径が10μmの樹枝状銅粒子(福田金属箔粉工業株式会社製「FCC−SP−99」)75質量部を用いた以外は実施例6と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例7と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
樹枝状銅粒子として平均粒径が10μmの樹枝状銅粒子(福田金属箔粉工業株式会社製「FCC−SP−99」)75質量部を用いた以外は実施例6と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例7と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(実施例10)
樹枝状銅粒子75質量部の代わりに樹枝状銅粒子(福田金属箔粉工業株式会社製「FCC−CP−X0」、平均粒径:4.5μm)70質量部と乳酸銅5質量部を用いた以外は実施例1と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
樹枝状銅粒子75質量部の代わりに樹枝状銅粒子(福田金属箔粉工業株式会社製「FCC−CP−X0」、平均粒径:4.5μm)70質量部と乳酸銅5質量部を用いた以外は実施例1と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(実施例11)
乳酸銅の代わりにギ酸銅5質量部を用いた以外は実施例10と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
乳酸銅の代わりにギ酸銅5質量部を用いた以外は実施例10と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(実施例12)
グリセリンの代わりにデカノール(沸点:230℃)25質量部を用いた以外は実施例1と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
グリセリンの代わりにデカノール(沸点:230℃)25質量部を用いた以外は実施例1と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(実施例13)
グリセリンの代わりに3−メチル−1,3−ブタンジオール(日本テルペン化学株式会社製「テルソルブIPG」、沸点:207℃)25質量部を用いた以外は実施例1と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
グリセリンの代わりに3−メチル−1,3−ブタンジオール(日本テルペン化学株式会社製「テルソルブIPG」、沸点:207℃)25質量部を用いた以外は実施例1と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(実施例14)
グリセリンの代わりにプロピレングリコール(沸点:188℃)25質量部を用いた以外は実施例1と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
グリセリンの代わりにプロピレングリコール(沸点:188℃)25質量部を用いた以外は実施例1と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(実施例15)
グリセリンの代わりにヘキサノール(沸点:157℃)25質量部を用いた以外は実施例1と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
グリセリンの代わりにヘキサノール(沸点:157℃)25質量部を用いた以外は実施例1と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(実施例16)
溶媒である乳酸エチル15質量部に乳酸(沸点:122℃)15質量部を添加し、さらに、樹枝状銅粒子(福田金属箔粉工業株式会社製「FCC−CP−X0」、平均粒径:4.5μm)70質量部を添加した以外は実施例1と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
溶媒である乳酸エチル15質量部に乳酸(沸点:122℃)15質量部を添加し、さらに、樹枝状銅粒子(福田金属箔粉工業株式会社製「FCC−CP−X0」、平均粒径:4.5μm)70質量部を添加した以外は実施例1と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(実施例17)
乳酸の代わりにデカノール(沸点:230℃)15質量部を用いた以外は実施例16と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
乳酸の代わりにデカノール(沸点:230℃)15質量部を用いた以外は実施例16と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(実施例18)
乳酸の代わりにプロピレングリコール(沸点:188℃)15質量部を用いた以外は実施例16と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
乳酸の代わりにプロピレングリコール(沸点:188℃)15質量部を用いた以外は実施例16と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(実施例19)
乳酸の代わりにグリコール酸(炭素数:2)15質量部を用いた以外は実施例16と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
乳酸の代わりにグリコール酸(炭素数:2)15質量部を用いた以外は実施例16と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(実施例20)
乳酸の代わりにジメチロール酪酸(炭素数:6)15質量部を用いた以外は実施例16と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
乳酸の代わりにジメチロール酪酸(炭素数:6)15質量部を用いた以外は実施例16と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(実施例21)
グリセリンの代わりにギ酸(炭素数:1)25質量部を用いた以外は実施例1と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
グリセリンの代わりにギ酸(炭素数:1)25質量部を用いた以外は実施例1と同様にして接合材料を調製した。さらに、この接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(実施例22)
焼成温度を400℃に変更した以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
焼成温度を400℃に変更した以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(比較例1)
グリセリンの代わりに乳酸エチル(沸点:154℃)25質量部を用いた以外は実施例1と同様にして比較用接合材料を調製した。さらに、この比較用接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
グリセリンの代わりに乳酸エチル(沸点:154℃)25質量部を用いた以外は実施例1と同様にして比較用接合材料を調製した。さらに、この比較用接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(比較例2)
グリセリンの代わりにヘキサン(沸点:68℃)25質量部を用いた以外は実施例1と同様にして比較用接合材料を調製した。さらに、この比較用接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
グリセリンの代わりにヘキサン(沸点:68℃)25質量部を用いた以外は実施例1と同様にして比較用接合材料を調製した。さらに、この比較用接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(比較例3)
樹枝状銅粒子の代わりに球状銅粒子(福田金属箔粉工業株式会社製「Cu HWQ 5.0μm」、平均粒径:5μm)75質量部を用いた以外は実施例1と同様にして比較用接合材料を調製した。さらに、この比較用接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
樹枝状銅粒子の代わりに球状銅粒子(福田金属箔粉工業株式会社製「Cu HWQ 5.0μm」、平均粒径:5μm)75質量部を用いた以外は実施例1と同様にして比較用接合材料を調製した。さらに、この比較用接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(比較例4)
樹枝状銅粒子の代わりに球状銅粒子(福田金属箔粉工業株式会社製「EFC−09−LML」、平均粒径:1μm)75質量部を用いた以外は実施例1と同様にして比較用接合材料を調製した。さらに、この比較用接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
樹枝状銅粒子の代わりに球状銅粒子(福田金属箔粉工業株式会社製「EFC−09−LML」、平均粒径:1μm)75質量部を用いた以外は実施例1と同様にして比較用接合材料を調製した。さらに、この比較用接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(比較例5)
樹枝状銅粒子の代わりに球状酸化銅粒子(富士フィルム和光純薬株式会社製、平均粒径:2.8μm)75質量部を用いた以外は実施例1と同様にして比較用接合材料を調製した。さらに、この比較用接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
樹枝状銅粒子の代わりに球状酸化銅粒子(富士フィルム和光純薬株式会社製、平均粒径:2.8μm)75質量部を用いた以外は実施例1と同様にして比較用接合材料を調製した。さらに、この比較用接合材料を用いた以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
(比較例6)
比較例5と同様にして比較用接合材料を調製した。この比較用接合材料を厚さ0.5mmで塗布し、銅板Bの上部からクランプを用いて10MPaの圧力で加圧しながら、比較用接合材料層を400℃の温度条件で60分間焼成した以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
比較例5と同様にして比較用接合材料を調製した。この比較用接合材料を厚さ0.5mmで塗布し、銅板Bの上部からクランプを用いて10MPaの圧力で加圧しながら、比較用接合材料層を400℃の温度条件で60分間焼成した以外は実施例1と同様にして銅板Aと銅板Bを接合して試験片を作製した。
<接合強度測定>
実施例及び比較例で得られた試験片の銅板Aと銅板Bとの接合強度を精密万能試験機(株式会社島津製作所製「オートグラフAG−IS」)を用いて測定した。すなわち、試験片の銅板Aと銅板Bの間の接合層の剪断方向に、剪断速度1mm/min、室温の条件で荷重を加え、破断時の最大荷重を測定した。この最大荷重を接合面積(縦10mm×横10mm)で除し、接合強度(せん断強度)を求めた。この測定を3個の試験片について行い、その平均値を求めた。その結果を表1に示す。
実施例及び比較例で得られた試験片の銅板Aと銅板Bとの接合強度を精密万能試験機(株式会社島津製作所製「オートグラフAG−IS」)を用いて測定した。すなわち、試験片の銅板Aと銅板Bの間の接合層の剪断方向に、剪断速度1mm/min、室温の条件で荷重を加え、破断時の最大荷重を測定した。この最大荷重を接合面積(縦10mm×横10mm)で除し、接合強度(せん断強度)を求めた。この測定を3個の試験片について行い、その平均値を求めた。その結果を表1に示す。
<電気抵抗測定>
実施例及び比較例で得られた試験片の電気抵抗を抵抗計(日置電機株式会社製「RM3548」)を用いて測定した。その結果を表1〜表3に示す。
実施例及び比較例で得られた試験片の電気抵抗を抵抗計(日置電機株式会社製「RM3548」)を用いて測定した。その結果を表1〜表3に示す。
表1〜表2に示したように、樹枝状銅粒子とヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基含有化合物とを含む接合材料(実施例1〜22)は、大気雰囲気下で、銅板同士を十分な接合強度で接合することが可能であり、導電性にも優れていることがわかった。また、250℃の低温で焼成した場合(実施例1)でも400℃で焼成した場合(実施例22)と同等の接合強度及び導電性が得られることがわかった。さらに、焼成時に加圧しなかった場合(実施例6)でも10MPaの圧力で加圧しながら焼成した場合(実施例7)と同等の接合強度及び導電性が得られることがわかった。
一方、表3に示したように、ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基含有化合物の代わりにヒドロキシカルボン酸エステル(比較例1)又は脂肪族炭化水素(比較例2)を用いた場合、樹枝状銅粒子の代わりに球状銅粒子(比較例3)又は球状酸化銅粒子(比較例5)を用いた場合には、大気雰囲気下、250℃の焼成で銅板同士を接合することは困難であった。また、樹枝状銅粒子の粒径を小さくしたり(比較例4)、焼成温度を高くし、焼成時間を長くしたり(比較例6)しても、接合することは困難であった。
以上の結果から明らかなように、樹枝状銅粒子とヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基含有化合物とを含む本発明の接合材料は、大気雰囲気下、比較的低い温度(例えば、400℃、好ましくは250℃)で焼成することによって、十分な接合強度を有する接合層を形成できることがわかった。したがって、本発明の接合材料を用いた接合方法を採用することにより、金属部材同士を大気雰囲気下で接合することが可能となり、しかも、比較的低い焼成温度であっても十分な接合強度で接合できることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、大気雰囲気下、比較的低い温度(例えば、400℃、好ましくは250℃)で焼成しても十分な接合強度で接合することが可能となる。
したがって、本発明の接合材料は、金属部材と被接合部材との接合に用いられる接合材料として有用である。特に、本発明の接合材料は、比較的低い温度(例えば、400℃、好ましくは250℃)での接合が可能であり、形成される接合層が導電性に優れていることから、半導体装置等の電子部品の電極や配線等の回路層等の金属部材と、半導体素子等の電子部材の被接合部材とを接合する際に用いられる接合材料として有用である。
Claims (4)
- 樹枝状銅粒子と、ヒドロキシル基及びカルボキシル基のうちの少なくとも一方を有する化合物とを含有することを特徴とする接合材料。
- 前記ヒドロキシル基及びカルボキシル基のうちの少なくとも一方を有する化合物が、沸点が150〜400℃のアルコール類、炭素数1〜6のカルボン酸類、及び炭素数1〜6のヒドロキシカルボン酸類からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の接合材料。
- 前記ヒドロキシル基及びカルボキシル基のうちの少なくとも一方を有する化合物が、モノオール、グリコール、3個以上のヒドロキシル基を有するポリオール、グリコールエーテル、飽和脂肪族モノカルボン酸、飽和脂肪族ヒドロキシカルボン酸、不飽和脂肪族ヒドロキシカルボン酸、及び芳香族ヒドロキシカルボン酸からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の接合材料。
- 金属部材の被接合面と被接合部材の被接合面との間に、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の接合材料を用いて接合材料層を形成する工程と、
前記接合材料層を加熱して前記接合材料を焼結せしめて接合層を形成し、該接合層を介して前記金属部材と前記被接合部材とを接合せしめる工程と、
を含むことを特徴とする接合方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018245352A JP2020105359A (ja) | 2018-12-27 | 2018-12-27 | 接合材料及びそれを用いた接合方法 |
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CN111834231A (zh) * | 2019-04-19 | 2020-10-27 | 中国科学院深圳先进技术研究院 | 铜基导电浆料及其制备方法和应用 |
WO2023163083A1 (ja) * | 2022-02-28 | 2023-08-31 | 住友金属鉱山株式会社 | 銅粉及び銅粉の製造方法 |
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2018
- 2018-12-27 JP JP2018245352A patent/JP2020105359A/ja active Pending
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