以下、図面を参照して、本発明の1または複数の実施形態が説明される。しかしながら、発明の範囲は、開示された実施形態に限定されない。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
実施形態における運転支援装置は、車両が走行する走行領域に配設され前記走行領域を区分するゲートのゲート位置を表す位置情報を含む地図情報を格納する地図情報格納部と、前記走行領域での前記車両の車両位置を測定する位置測定部と、前記走行領域に配置される車線を示す区画線を検出する区画線検出部と、前記車両の走行を制御する走行制御部と、前記位置測定部で測定した車両位置が前記位置情報で表されたゲート位置から所定の距離以内である場合であって前記区画線検出部によって前記区画線の終了を検出した場合に、前記区画線で示された車線を前記車両が走行していた際の走行方向に沿って、前記ゲート位置から前記位置測定部で測定した車両位置に向かって、前記ゲート含む所定の第1長さのゲート区間、前記ゲート区間に続く所定の第2長さの速度制御区間、および、前記速度制御区間に続く所定の第3長さの加速禁止区間を前記走行領域に設定する区間設定部とを備える。そして、前記走行制御部は、前記位置測定部で測定した車両位置が前記加速禁止区間内である場合には前記車両の加速を禁止する第1運転支援で前記車両の走行を制御し、前記位置測定部で測定した車両位置が前記速度制御区間内である場合には前記車両の速度を制御する第2運転支援で前記車両の走行を制御し、前記位置測定部で測定した車両位置が前記ゲート区間内である場合には前記車両における操舵および速度を制御する自動運転で前記車両の走行を制御する。このような運転支援装置について、以下、より具体的に説明する。
図1は、実施形態における運転支援装置の構成を示すブロック図である。図2は、車両に取り付けられた前記運転支援装置の撮像部を説明するための図である。図3は、渋滞無しの場合において、前記運転支援装置によって走行領域に割り付けられる各区間を説明するための図である。図4は、渋滞有りの場合において、前記運転支援装置によって走行領域に割り付けられる各区間を説明するための図である。図5は、前記運転支援装置で表示される表示画面を説明するための図である。
実施形態における運転支援装置DSは、例えば、図1に示すように、撮像部1と、位置測定部2と、制御処理部4と、記憶部5とを備え、さらに、本実施形態では、走行を制御するために、車速測定部3を備え、走行させるために、動力部6a、動力伝達部6b、制動部7および操舵部8を備え、所定の入力および表示を行うために、入力部9および表示部10を備える。
撮像部1は、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って画像を生成する装置である。撮像部1は、例えば、被写体の光学像を所定の結像面上に結像する結像光学系、前記結像面に受光面を一致させて配置され、前記被写体の光学像を電気的な信号に変換するエリアイメージセンサ、および、エリアイメージセンサの出力を画像処理することで前記被写体の画像を表すデータである画像データを生成する画像処理部等を備えるデジタルカメラである。撮像部1は、区画線を検出するために、路面を含むように、車両の前方を撮像するように、前記車両に搭載される。例えば、撮像部1は、図2に示すように、車両VC内において、フロントガラス近傍の天井面(ルーフ内側面)に、路面を含むように、車両VCの前方を撮像するように、その撮影方向(光軸方向)を斜め下方に向けて配設される。これによって、撮像部1は、路面を含むように車両VCの前方を撮像することで前方画像(前方画像データ)を生成する。撮像部1は、前方画像(前方画像データ)を制御処理部4へ出力する。
位置測定部2は、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って、車両が走行する走行領域での車両の車両位置を測定する装置である。位置測定部2は、例えば、地球上の現在位置を測定するための衛星測位システムによって、車両位置を測定する装置、例えばGPS(Global Positioning System)受信装置であり、その測位結果(緯度X、経度Y、高度Z)を制御処理部4へ出力する。なお、GPS受信装置は、DGSP(Differential GSP)等の誤差を補正する補正機能を持ったGPS受信装置であっても良い。また、衛星測位システムの衛星は、準同期軌道を周回するいわゆるGPS衛星だけでなく、見かけ上一地域の上空に留まる準天頂衛星を含む。
車速測定部3は、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って、車両の速度を測定する装置である。車速測定部3は、例えば、ロータリエンコーダおよびその周辺回路を備え、単位時間当たりの、車輪(車軸)における回転の変位量から車輪速(車輪の回転速度)を測定する車輪速センサ等である。車速測定部3は、その測定した車輪速を制御処理部4へ出力する。本実施形態では、制御処理部4が車輪の大きさに基づき車輪速を車速へ変換するが、この車輪速から車速の変換は、車輪速センサを備える車速測定部3で実施されて良く、あるいは、制御処理部4は、車輪速を車速として扱っても良い。
動力部6aは、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って車両を駆動(移動)する動力を生成する装置である。動力部6aは、例えば、エンジン、モータおよびこれらのハイブリッド装置等の原動機およびその付属機器を備えて構成される。動力伝達部6bは、動力部6aが生成した動力を駆動輪に伝達する機構であり、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って、車両の進行方向の切り換えや、変速比および減速比の切り換えを行うトランスミッションを含む。このように動力部6aが生成した動力は、動力伝達部6bを介して駆動輪に伝達され、駆動輪を回転させる。
制動部7は、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って車両に制動力を与え、車両を減速する装置である。制動部7は、車両を減速した結果、停止させることもでき、車両の停止中に制動力を与え続けた結果、車両の停止を維持することもできる。制動部7は、例えば、ディスクブレーキおよび回生ブレーキ等のブレーキ装置およびその付属機器を備えて構成される。なお、制動部7は、いわゆるパーキングブレーキ装置の機能を含む。
操舵部8は、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って車両の操舵を行う装置である。操舵部8は、車両の操舵輪の方向を変えるステアリング装置およびその付属機器を備えて構成される。
動力部6aおよび制動部7それぞれを制御することで、車両の加速度が調整され、車輪速および車両の速度(車速)が調整される。動力伝達部6bの前記トランスミッションを制御することで、車両の進行方向(前進、後退)が調整される。操舵部8を制御することで、車両の走行方向が調整される。
入力部9は、制御処理部4に接続され、例えば、定速走行の開始やその解除を指示するコマンドや、運転支援の開始やその解除を指示するコマンドや、自動運転の開始やその解除を指示するコマンドや、カーナビゲーションの開始やその解除を指示するコマンド等の各種コマンド、および、例えば定速走行の設定速度や目的地等の各種データを運転支援装置DSに入力する機器であり、例えば、予め機能を割り付けた複数のスイッチ等である。表示部10は、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って、入力部9から入力されたコマンドやデータ、カーナビゲーションにかかる情報(例えば地図、経路、走行上の注意や案内、および、現在位置等)、および、後述のように運転支援装置DSで走行領域に設定された各区間等を表示する機器であり、例えば液晶ディスプレイ(LCD)および有機ELディスプレイ等の表示装置である。
本実施形態では、入力部9の一部および表示部10からタッチパネルが構成される。このタッチパネルを構成する場合において、入力部9は、その一部として、例えば抵抗膜方式や静電容量方式等の操作位置を検出して入力する位置入力装置を含む。このタッチパネルでは、表示部10の表示面上に前記位置入力装置が設けられ、表示部10に入力可能な1または複数の入力内容の候補が表示され、ユーザが、入力したい入力内容を表示した表示位置を触れると、前記位置入力装置によってその位置が検出され、検出された位置に表示された表示内容がユーザの操作入力内容として運転支援装置DSに入力される。このようなタッチパネルでは、ユーザは、入力操作を直感的に理解し易いので、ユーザにとって取り扱い易い運転支援装置DSが提供される。
記憶部5は、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。前記各種の所定のプログラムには、例えば、運転支援装置DSの各部1〜3、5〜10を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御する制御プログラムや、撮像部1で生成された前方画像から、走行領域に配置される車線を示す区画線を検出する区画線検出処理プログラムや、撮像部1で生成された前方画像から、前記ゲート位置から前記区画線検出処理プログラムによって検出された前記区画線が終了する終了位置までの走行領域における渋滞状況を検出する渋滞検出処理プログラムや、後述のように、ゲート区間、速度制御区間および加速禁止区間を走行領域に設定する区間設定プログラムや、車両の走行を制御する走行制御プログラムや、表示部10に所定の情報を表示する表示処理プログラム等の制御処理プログラムが含まれる。前記各種の所定のデータには、走行領域を含む地図を表す地図情報等の、各プログラムを実行する上で必要なデータ等が含まれる。記憶部5は、例えば不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)や書き換え可能な不揮発性の記憶素子であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等を備える。そして、記憶部5は、前記所定のプログラムの実行中に生じるデータ等を記憶するいわゆる制御処理部4のワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等を含む。なお、記憶部5は、比較的大きな記憶容量を持つハードディスク装置や、例えばDVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)等の記録媒体からデータを読み出すドライブ装置を備えても良い。そして、記憶部5は、地図情報記憶部51を機能的に備える。
地図情報記憶部51は、地図情報を記憶するものである。前記地図情報は、本実施形態では、車両が走行する走行領域に配設され前記走行領域を区分するゲートのゲート位置を表す位置情報、および、前記走行領域の形状を表す走行領域情報を含む。前記地図情報は、例えば車線や標識等の走行領域に付属する走行に関わる各種情報や、例えば地名およびその位置や建物名およびその位置等のカーナビゲーションに関わる各種情報等を含む。このような地図情報には、公知の地図情報が用いられて良く、いわゆるADASマップや高精度地図等と呼称される地図情報が好ましい。ADAS(Advanced Driver Assistance System、先進運転支援システム)は、自動運転の実現に向けた施策であり、ADASマップ(高精度地図)は、このADASに利用可能なデータであり、例えば、道路、路面標識、車線、道路標識、外灯、電柱、橋、トンネル、建物等の道路を走行する車両から観測可能な主要な対象物を表した3次元データであり、例えば、いわゆる地図メーカから提供されている。
例えば、前記走行領域は、道路であり、前記ゲートは、前記道路を有料道路と非有料道路とに区分するゲートである。また例えば、前記走行領域は、道路と区画領域とを含み、前記ゲートは、前記道路と前記区画領域との境界に配設されたゲートである。前記区画領域は、例えば、駐車場、テーマパークおよびサファリパーク等である。以下では、一例として、前記走行領域が道路であって、前記ゲートが前記有料道路の一例である高速道路と前記非有料道路の一例である一般道路とを区分する料金ゲートの場合について説明するが、前記走行領域および前記ゲートが上述の各場合であっても同様に説明できる。また、実施形態における運転支援装置DSは、有料道路に入るためにゲートを通過する場合でだけでなく、有料道路から出るためにゲートを通過する場合にも適用され、同様に、区画領域に入るためにゲートを通過する場合でだけでなく、区画領域から出るためにゲートを通過する場合にも適用される。
制御処理部4は、運転支援装置DSの各部1〜3、5〜10を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、ユーザの運転操作を支援するための回路である。制御処理部4は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびその周辺回路を備えて構成される。制御処理部4は、前記制御処理プログラムが実行されることによって、制御部41、区画線検出処理部42、渋滞検出処理部43、区間設定部44、走行制御部45および表示処理部46を機能的に備える。
制御部41は、運転支援装置DSの各部1〜3、5〜10を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、運転支援装置DSの全体制御を司るものである。
区画線検出処理部42は、撮像部1で生成された前方画像から、走行領域に配置される車線を示す区画線(ライン)を検出するものである。画像から区画線を検出する区画線検出処理には、公知の処理手法が用いられる。例えば、特開平11−167636号公報に開示されているように、予め白線(区画線の一例)を示すテンプレート画像を用意し、前記テンプレート画像とカメラで得られた画像とのマッチングを行って白線位置を検出するテンプレートマッチング法を用いて白線が求められる。あるいは、例えば、特開平7−85249号公報に開示されているように、白線探索エリア内で横方向に明度変化が探索され、明度変化の極めて少ない部分が道路部分であると判断され、明度変化の極めて少ない道路部分に隣接して該明度変化が大きい部分が白線であると判断される。あるいは、例えば、特開2007−220013号公報に開示されているように、走行路上の画像からエッジ検出により白線の候補となる構造物が検出され、前記白線の候補となる構造物の位置に対して所定の複数の相対位置にそれぞれ所定の構造物が存在するか否かが判定され、この判定結果に基づいて前記白線の候補となる構造物が白線であるか否かが判定される。ここで、前記所定の複数の相対位置および前記所定の構造物は、路上の複数の構造物が有する特有の相対位置関係を基に定められている。
渋滞検出処理部43は、撮像部1で生成された前方画像から、前記ゲートのゲート位置から区画線検出処理部42によって検出された前記区画線が終了する終了位置までの走行領域における渋滞状況を検出するものである。例えば、渋滞検出処理部43は、例えばエッジ検出を用いた車両の輪郭線の検出や、車両を表すテンプレートを用いたテンプレートマッチング等によって、撮像部1で生成された前方画像から車両を抽出し、前記抽出した車両の個数と予め設定された閾値(第1渋滞有無判定閾値)とを比較し、前記比較の結果、前記抽出した車両の個数が前記第1渋滞有無判定閾値以上である場合には、前記渋滞状況として渋滞有りと判定する一方、前記抽出した車両の個数が前記第1渋滞有無判定閾値未満である場合には、前記渋滞状況として渋滞無しと判定する。また例えば、渋滞検出処理部43は、第1時点で撮像部1で撮像した画像から抽出され車両の個数と前記第1渋滞有無判定閾値とを比較し、この比較の結果、前記第1時点での車両の個数が前記第1渋滞有無判定閾値未満である場合には、前記渋滞状況として渋滞無しと判定する一方、前記第1時点での車両の個数が前記第1渋滞有無判定閾値以上である場合には、さらに、前記第1時点での車両の個数と、前記第1時点から所定の時間間隔を空けた第2時点で撮像部1で撮像した画像から抽出され車両の個数と比較し、前記比較の結果、前記第2時点での車両の個数が前記第1時点での車両の個数より予め設定された閾値(第2渋滞有無判定閾値)以上減っている場合には、前記渋滞状況として渋滞無しと判定する一方、前記第2時点での車両の個数が前記第1時点での車両の個数より第2渋滞有無判定閾値以上減っていない場合には、前記渋滞状況として渋滞有りと判定する。これによれば、ゲートを通過する車両の状況を勘案して渋滞状況が判定できる。
区間設定部44は、位置測定部2で測定した車両位置が前記位置情報で表されたゲート位置から所定の距離以内である場合であって区画線検出処理部42によって前記区画線の終了を検出した場合に、前記区画線で示された車線を前記車両が走行していた際の走行方向に沿って、前記ゲート位置から前記位置測定部2で測定した車両位置に向かって、前記ゲートを含む所定の第1長さのゲート区間、前記ゲート区間に続く所定の第2長さの速度制御区間、および、前記速度制御区間に続く所定の第3長さの加速禁止区間を走行領域に設定するものである。本実施形態では、区間設定部44は、渋滞検出処理部43で検出した渋滞状況に応じて、前記ゲート区間における第1始点位置および第1終点位置、前記速度制御区間における第2始点位置および第2終点位置、ならびに、前記加速禁止区間における第3始点位置および第3終点位置を決定する。より具体的には、本実施形態では、区間設定部44は、渋滞検出処理部43によって前記渋滞状況として渋滞有りを検出した場合に、渋滞無しの場合における速度制御区間の第2長さに較べて前記速度制御区間の第2長さが長くなるように、前記ゲート区間における第1始点位置および第1終点位置、前記速度制御区間における第2始点位置および第2終点位置、ならびに、前記加速禁止区間における第3始点位置および第3終点位置を決定する。前記所定の距離は、適宜に設定され、例えば、300mや、500m等に設定される。
例えば、図3および図4に示すように、走行領域DAが、4個の第1ないし第4区画線LM1〜LM4によって示される3個の第1ないし第3車線LN1、LN2、LN3を備える第1走行区間DA1と、区画線LMの無い、第1走行区間DA1の道路幅(幅員)より道路幅の拡幅されている、前記第1走行区間DA1に続く第2走行区間DA2と、第2走行区間DA2から互いに異なる方向に分岐して延びる、第2走行区間DA2に続く2個の第3および第4走行区間DA3、DA4とから成り、第2走行区間DA2の一方端側に5個の第1ないし第5ゲートGT1〜GT5が、走行方向に対し直交する方向に並置して配置されている場合に、第1車線LN1を走行する車両VCsの運転支援装置DSにおいて、区間設定部44は、位置測定部2で測定した車両VCsの車両位置Psがゲート位置Pgtから所定の距離(上述の例では300mや500m等)以内である場合であって区画線検出処理部42によって区画線LM(この例ではLM2)の終了を検出した場合に、区画線LM2で示された車線LN1を車両VCsが走行していた際の走行方向DRに沿って、ゲート位置Pgtから位置測定部2で測定した車両VCsの車両位置Psに向かって、ゲートGT(GT1〜GT5)を含む所定の第1長さのゲート区間ARgt、ゲート区間ARgtに続く所定の第2長さの速度制御区間ARcs、および、速度制御区間ARcsに対しゲート位置Pgtから離れる方に速度制御区間ARcsに続く所定の第3長さの加速禁止区間ARnaを走行領域DAに設定する。
前記ゲート区間は、渋滞有りの場合および渋滞無しの場合において、ゲート位置を終点として、あるいは、ゲート位置の前後に、設定される。図3および図4に示す例では、ゲート区間ARgtは、ゲート位置Pgtを終点として設定されている。前記ゲート区間の第1長さは、適宜な長さに設定されて良いが、例えば、ゲートGT(GT1〜GT5)での車線を区分するアイランドIS(IS1〜IS5)の長さに設定される。この例では、ゲート区間ARgtの第1始点位置Pg1は、アイランドISの開始位置に設定され、ゲート区間ARgtの第1終点位置Pg2は、ゲート位置Pgtに設定される(Pgt=Pg2)。
前記速度制御区間は、運転者がゲートを選択できるように運転者の操舵操作を許容しつつ、車両の速度を制御することで運転操作を支援する区間であり、前記速度制御区間の第2長さは、ゲート選択の可能な長さに適宜に設定される。例えば、渋滞無しの場合において、前記速度制御区間の第2長さは、原則、区画線終了位置Plmからゲート位置Pgtまでの長さ(距離)の7割程度の長さに設定される。ここで、この原則では、前記区画線終了位置Plmからゲート位置Pgtまでの長さによっては、速度制御区間が、運転者の操舵操作によってゲート選択の可能な十分な第2長さで設定されない場合が有り得る。このため、速度制御区間の第2長さにおける最低限の第2長さが予め設定され、上述のように求めた第2長さと前記最低限の第2長さとが比較され、前記求めた第2長さが前記最低限の長さを下回った場合には、区間設定部44は、前記速度制御区間の第2長さにおける前記最低限の長さで速度制御区間を設定する。この結果、速度制御区間の一部は、区画線の有る車線と重なる(オーバラップする)ことも有り得る。前記速度制御区間の第2長さにおける前記最低限の長さは、予め適宜に設定され、例えば、100mや、200m等である。
そして、渋滞有りの場合では、図4に示すように、上述のように渋滞無しの場合で設定された速度制御区間の第2長さに、予め設定された所定の長さ(付加長さ)が加算され、渋滞有りでの速度制御区間の第2長さが設定される((渋滞有りの第2長さ)=(渋滞無しの第2長さ)+(付加長さ))。この結果、速度制御区間の一部は、区画線の有る車線と重なることも有り得る。前記付加長さは、例えば50mや100m等で、予め適宜に設定される。
速度制御区間の第2終点位置Ps2は、ゲート区間の第1始点位置Pg1であり、速度制御区間の第1始点位置Ps1は、ゲート区間の第1始点位置Pg1から、ゲート位置Pgtから離れる方向に、上述のように渋滞の有無に応じて設定された第2長さだけ移動した位置となる。
前記加速禁止区間は、運転支援の観点から車線の走行から速度制御区間の走行へ円滑に移行するために加速を禁止する区間であり、前記加速禁止区間の第3長さは、例えば、区画線終了位置Plmからゲート位置Pgtまでの長さ(距離)から、ゲート区間の第1長さおよび速度制御区間の第2長さそれぞれを減算した残余の長さに、原則、設定される。すなわち、前記加速禁止区間の第3長さは、例えば、区画線終了位置Plmから速度制御区間の第2始点位置までの長さに、原則、設定される。ここで、この原則では、前記区画線終了位置Plmからゲート位置Pgtまでの長さによっては、加速禁止区間が円滑な移行に十分な第3長さで設定されない場合が有り得る。このため、加速禁止区間の第3長さにおける最低限の第3長さが予め設定され、前記減算結果の残余の長さと前記最低限の第3長さとが比較され、前記減算結果の残余の長さが前記最低限の第3長さを下回った場合には、区間設定部44は、前記加速禁止区間の第3長さにおける前記最低限の第3長さで加速禁止区間を設定する。前記加速禁止区間の第3長さにおける前記最低限の第3長さは、予め適宜に設定され、例えば、30mや50m等である。
このように各区間ARgt、ARcs、ARnaが設定される結果、渋滞無しの場合であって、前記減算結果の残余の長さが十分に確保されている場合、図3に示すように、加速禁止区間の第3始点位置Pa1は、区画線終了位置Plmとなり(Pa1=Pim)、加速禁止区間の第3終点位置Pa2は、速度制御区間の第2始点位置Ps1となる(Pa2=Ps1)。区間設定部44は、前記ゲート位置Pgtから区画線検出処理部42によって検出された区画線が終了する区画線終了位置Plmまでの走行領域(第2走行区間DA2)に、ゲート区間ARgt、速度制御区間ARcsおよび加速禁止区間ARnaを設定する。
一方、渋滞有りの場合であって、前記減算結果の残余の長さが十分に確保されていない場合、図4に示すように、加速禁止区間の第3終点位置Pa2は、速度制御区間の第2始点位置Ps1となるが(Pa2=Ps1)、加速禁止区間の第3始点位置Pa1は、区画線終了位置Plmより、前記ゲート位置Pgtから離れる方向に、ずれた位置となる。すなわち、加速禁止区間の一部または全部は、区画線の有る車線と重なる(オーバラップする)。したがって、この場合では、区間設定部44は、渋滞検出処理部43によって前記渋滞状況として渋滞有りを検出した場合に、前記加速禁止区間における第3始点位置Pa1を、区画線検出処理部42によって検出された前記区画線が終了する区画線終了位置Plmより、前記ゲート位置Pgtから離れる方向に、所定の距離だけ離れた位置に決定する(ずらす、シフトする、移動する)ことになる。また、図3および図4に示すように、区間設定部44は、渋滞検出処理部43によって前記渋滞状況として渋滞有りを検出した場合に、渋滞無しの場合における速度制御区間ARcsにおける第2始点位置Ps1(加速禁止区間ARnaにおける第3終点位置Pa2)より、ゲート位置Pgtから離れる方向に、所定の距離だけ離れた位置に決定する(ずらす、シフトする、移動する)ことになる。
なお、渋滞有りの場合であっても、前記減算結果の残余の長さが十分に確保されている場合には、区間設定部44は、前記ゲート位置Pgtから区画線検出処理部42によって検出された区画線が終了する区画線終了位置Plmまでの走行領域(第2走行区間DA2)に、ゲート区間ARgt、速度制御区間ARcsおよび加速禁止区間ARnaを設定することになる。
走行制御部45は、位置測定部2で測定した車両位置が前記加速禁止区間内である場合には前記車両の加速を禁止する第1運転支援で前記車両の走行を制御し、位置測定部2で測定した車両位置が前記速度制御区間内である場合には前記車両の速度を制御する第2運転支援で前記車両の走行を制御し、位置測定部2で測定した車両位置が前記ゲート区間内である場合には前記車両における操舵および速度を制御する自動運転で前記車両の走行を制御するものである。走行制御部45は、前記車両が前記加速禁止区間に到達すると前記第1運転支援に自動で切り換え、前記車両が前記加速禁止区間から前記速度制御区間へ走行する場合に、前記第1運転支援から前記第2運転支援に自動で切り換え、前記車両が前記速度制御区間から前記ゲート区間へ走行する場合に、前記田尾2運転支援から前記自動運転に自動で切り換える。
前記第1運転支援では、走行制御部45は、運転者による加速の運転操作(例えばアクセルペダルの踏む込み操作等)があっても、車両を加速しないように前記車両の走行を制御する。
前記第2運転支援では、走行制御部45は、例えば、車両の速度を減速するように前記車両の走行を制御する。より具体的には、走行制御部45は、車両が速度制御区間の始点位置を通過する際に、車速測定部3で測定した車速から、前記車両が前記速度制御区間の第2終点位置を通過する際に、ゲート区間での自動運転で用いられる車速まで前記車両の速度を減速するように、動力部6a、動力伝達部6bおよび制動部7を制御することで前記車両の走行を制御する。これにより運転支援区間からゲート区間へ車両が車速の点で円滑(スムーズ)に走行でき、車両の搭乗者に安心感を与えることができる。
前記自動運転では、走行制御部45は、車両の操舵をゲート区間の車線に沿って直進となるように、かつ、前記車両の速度を定速となるように、動力部6a、動力伝達部6bおよび操舵部8を制御することで前記車両の走行を制御する。前記定速の速度は、例えば、ゲートの通過で許容されている速度以下で適宜に設定される。例えば、前記ゲートがETCゲートである場合では、前記定速の速度は、20km/h以下で適宜に設定される。
なお、ゲート区間の前記自動運転において、ゲートが開いた場合やゲートの通過を許可するサイン(例えばゲートがETCである場合に表示される「OK」サイン)が発行された場合には、走行制御部45は、車両を加速するように、前記車両の走行を制御しても良い。これら前記ゲートが開いた場合や、前記サインが発行された場合は、例えば、前方画像を画像処理することによって認識できる。
表示処理部46は、前記走行領域情報で表される走行領域、前記位置情報で表されるゲート位置のゲート、前記ゲート区間、前記速度制御区間および前記加速禁止区間を、表示部10に表示するものである。
より具体的には、これらを表示する表示画面60は、例えば、図5に示すように、カーナビゲーションにかかる情報を表示するナビ情報表示領域61と、所定のメッセージを表示するメッセージ表示領域62とを備える。ナビ情報表示領域61には、表示処理部46によって、走行領域情報に基づいて、自車両を含む走行方向前方の走行領域DAの平面形状が表示され、自車両の車両位置に応じた走行領域DA上の位置に、自車両を表す車両アイコンIVCsが表示され、ゲートの位置情報に応じた走行領域DA上の位置に、ゲートを表すゲートアイコンIGTが表示され、区間設定部44で設定された各位置に応じた走行領域DA上の各位置に、ゲート区間、速度制御区間および加速禁止区間が矢符付きの各線分で表示される。前記アイコンは、物事を比較的簡単な絵柄等で記号化して表現したものであり、絵、記号、図またはこれらの組合せで構成される。表示処理部46は、公知の処理手法によって、自車両VCsの移動に応じて表示画面60のナビ情報表示領域61に表示される、カーナビゲーションにかかる情報を更新する。メッセージ表示領域62には、各区間を表示すると、例えば、「この先、各区間で運転を支援します。」等の、メッセージがテキストで表示される。
なお、本実施形態では、地図情報記憶部51は、車両が走行する走行領域に配設され前記走行領域を区分するゲートのゲート位置を表す位置情報を含む地図情報を格納する地図情報格納部の一例に相当する。撮像部1および制御処理部4の区画線検出処理部42は、前記走行領域に配置される車線を示す区画線を検出する区画線検出部の一例に相当する。撮像部1および制御処理部4の渋滞検出処理部43は、前記ゲート位置から前記区画線検出部によって検出された前記区画線が終了する終了位置までの走行領域における渋滞状況を検出する渋滞検出部の一例に相当する。
次に、本実施形態の動作について説明する。図6は、前記運転支援装置の動作を示すフローチャートである。なお、以下の説明において、例えば初期設定等によって、各区間で運転支援する指示が入力部9から予め入力されているものとする。
このような運転支援装置DSは、車両が稼働を始めると、必要な各部の初期化を実行し、その稼働を始める。その制御処理プログラムの実行によって、制御処理部4には、制御部41、区画線検出処理部42、渋滞検出処理部43、区間設定部44、走行制御部45および表示処理部46が機能的に構成される。
図6において、まず、運転支援装置DSは、制御処理部の制御部41によって、撮像部1から、その生成した前方画像を取得し、位置測定部2から、その測定結果の車両位置を取得し、車速測定部3から、その測定結果の車輪速を取得し、前記車輪速から車輪の大きさに基づいて車速を求めて取得する(S1)。
次に、運転支援装置DSは、制御処理部4の区間設定部44によって、付近にゲートが存在するか否かを判定する(S2)。より具体的には、区間設定部44は、処理S1で取得した車両位置に最も近く配置されているゲートのゲート位置を、地図情報記憶部51に記憶されている位置情報から選定(検索)し、この選定したゲート位置と処理S1で取得した車両位置とを比較し、処理S1で取得した車両位置が前記選定したゲート位置から前記所定の距離以内であるか否かを判定する。この判定の結果、前記車両位置が前記ゲート位置から前記所定の距離以内である場合には、運転支援装置DSは、付近にゲートが存在すると判定し(Yes)、次に、処理S3を実行する。一方、前記判定の結果、前記車両位置が前記ゲート位置から前記所定の距離以内ではない場合には、運転支援装置DSは、付近にゲートが存在しないと判定し(No)、処理を処理S1に戻す。したがって、自車両の付近にゲートが存在すると判定されるまで、処理S1および処理S2が繰り返し実行される。
この処理S3では、運転支援装置DSは、制御処理部4における区画線検出処理部42および区間設定部44によって、区画線の終了を検出したか否かを判定する。より具体的には、まず、区画線検出処理部42は、処理S1で取得した前方画像から区画線を検出する。そして、区間設定部44は、区画線検出処理部42で検出した区画線が終了しているか否かを判定する。この判定の結果、区画線検出処理部42で検出した区画線に終端が存在する場合には、区間設定部44は、前記区画線が終了していると判定し(Yes)、前記区画線終了位置を求め、前記区画線で示された車線の延長方向を車両の走行方向として求め、次に、処理S4を実行する。例えば、撮像部1の仕様(前記結像光学系の光学特性等)から、前方画像における下端から上端までの各画素ごとに、一画素当たりの実距離が求められるので、前方画像に写り込んでいる区画線の終了位置に対応する画素位置と前記前方画像と共に処理S1で取得した車両位置とから、前記区画線の終了位置が求められる。一方、前記判定の結果、区画線検出処理部42で検出した区画線に終端が存在しない場合(例えば、本線の道路から分岐した、ゲートの配置されている走行領域に続く道路ではない前記本線の道路を車両が走行している場合等)には、区間設定部44は、前記区画線が終了していないと判定し(No)、処理を処理S1に戻す。
なお、上述では、処理S2の次に、処理S3を実行したが、逆に、処理S3を実行してから処理S2が実行されても良い。すなわち、ゲートの存在の判定と区画線の終了の判定とは、どちらを先に実行しても良い。
この処理S4では、運転支援装置DSは、制御処理部4の渋滞検出処理部43によって渋滞状況を検出する。より具体的には、本実施形態では、渋滞検出処理部43は、撮像部1で生成された前方画像から、前記ゲートのゲート位置から区画線検出処理部42によって検出された前記区画線が終了する終了位置までの走行領域における渋滞の有無を検出する。
前記処理S4に続く処理S5では、運転支援装置DSは、区間設定部44によって、処理S4で検出した渋滞状況が渋滞有りか否かを判定する。この判定の結果、渋滞無しの場合(No)では、区間設定部44は、次に、処理S6を実行した後に、処理S8を実行する。一方、前記判定の結果、渋滞有りの場合(Yes)では、区間設定部44は、次に、処理S7を実行した後に、処理S8を実行する。
前記処理S6では、区間設定部44は、区画線で示された車線を車両が走行していた際の走行方向に沿って、ゲート位置から位置測定部2で測定した車両位置に向かって、渋滞無しの場合における上述の設定方法で、ゲート区間、速度制御区間、および、加速禁止区間を走行領域に設定する。この結果、例えば、上述したように、図3に示すように、走行領域DAにおける第2走行区間DA2に、ゲート区間ARgt、速度制御区間ARcs、および、加速禁止区間ARnaそれぞれが設定される。そして、これら各区間ARgt、ARcs、ARnaが表示処理部46によって表示部10に表示される。
前記処理S7では、区間設定部44は、区画線で示された車線を車両が走行していた際の走行方向に沿って、ゲート位置から位置測定部2で測定した車両位置に向かって、渋滞有りの場合における上述の設定方法で、ゲート区間、速度制御区間、および、加速禁止区間を走行領域に設定する。この結果、例えば、上述したように、図4に示すように、走行領域DAにおける第1および第2走行区間DA1、DA2に、ゲート区間ARgt、速度制御区間ARcs、および、加速禁止区間ARnaそれぞれが設定される。そして、これら各区間ARgt、ARcs、ARnaが表示処理部46によって表示部10に表示される。
前記処理S6または前記処理S7に続く処理S8では、運転支援装置DSは、制御処理部4の走行制御部45によって、加速禁止区間では第1運転支援で車両の走行を制御する。より具体的には、本実施形態では、走行制御部45は、位置測定部2で測定した車両位置が加速禁止区間の第3始点位置に到達すると、位置測定部2で測定される車両位置が前記加速禁止区間の第3終点位置(すなわち、速度制御区間の第2始点位置)に到達するまで、運転者による加速の運転操作があっても、車両を加速しないように前記車両の走行を制御する。
前記処理S8に続く処理S9では、運転支援装置DSは、走行制御部45によって、速度制御では第2運転支援で車両の走行を制御する。より具体的には、本実施形態では、走行制御部45は、位置測定部2で測定した車両位置が速度制御区間の第2始点位置に到達すると、位置測定部2で測定される車両位置が前記速度制御区間の第2終点位置(すなわち、ゲート区間の第1始点位置)に到達するまで、前記車両が前記速度制御区間の第2始点位置を通過する際に、車速測定部3で測定した車速から、前記車両が前記速度制御区間の第2終点位置を通過する際に、ゲート区間での自動運転で用いられる車速まで前記車両の速度を減速するように、動力部6a、動力伝達部6bおよび制動部7を制御することで前記車両の走行を制御する。この第2運転支援では、運転者の操舵操作が許容される。
前記処理S9に続く処理S10では、運転支援装置DSは、走行制御部45によって、ゲート区間では自動運転で車両の走行を制御する。より具体的には、本実施形態では、走行制御部45は、位置測定部2で測定した車両位置がたゲート区間の第1始点位置に到達すると、位置測定部2で測定される車両位置が前記ゲート区間の第1終点位置に到達するまで、車両の操舵をゲート区間の車線に沿って直進となるように、かつ、前記車両の速度を定速となるように、動力部6a、動力伝達部6bおよび操舵部8を制御することで前記車両の走行を制御する。位置測定部2で測定される車両位置が前記ゲート区間の第1終点位置を通過すると、運転支援装置DSは、前記設定した各区間を解消する。
そして、前記処理S10に続く処理S11では、運転支援装置DSは、例えばその稼働をオンオフするスイッチの入力操作等によって、その稼働の終了が指示されているか否かを判定する。この判定の結果、前記稼働の終了が指示されている場合(Yes)では、運転支援装置DSは、本処理を終了して稼働を終了し、一方、前記判定の結果、前記稼働の終了が指示されていない場合(No)では、運転支援装置DSは、処理を処理S1に戻す。なお、これら上述の処理S1ないし処理S10のいずれかの処理を実行している際に、前記稼働をオンオフするスイッチの入力操作があった場合には、割り込みで実行中の処理が終了され、運転支援装置DSは、その稼働を終了しても良い。
以上説明したように、実施形態における運転支援装置DSおよびこれに実装された駐車支援方法は、ゲート含むゲート区間の手前に速度制御区間を設定し、この速度制御区間では、車両の速度を制御することで、運転者の運転操作を支援する。したがって、速度制御区間では運転者の操舵操作が許容され、上記運転支援装置DSおよび運転支援方法は、運転者の操舵意図に合わせて運転操作を支援できる。上記運転支援装置DSおよび運転支援方法は、ゲートに至るまでに、加速禁止区間、速度制御区間およびゲート区間を順次に設定し、加速の禁止、速度の制御および自動運転の順で運転支援の程度を順次に強めて運転操作を支援するので、比較的、交通の錯綜し易いゲート付近を運転者の意図を汲みつつ安全に走行できる。
操舵のし易さは、渋滞状況に応じて変わる。上記運転支援装置DSおよび運転支援方法は、渋滞状況に応じて各区間の長さを変更できるので、操舵操作を許容する速度制御区間の第2長さを渋滞状況に応じて可変できる。したがって、上記運転支援装置DSおよび運転支援方法は、操舵がし易くなるように、渋滞状況に応じて速度制御区間の第2長さを変更できる。
上記運転支援装置DSおよび運転支援方法は、渋滞有りを検出した場合に、渋滞無しの場合における速度制御区間の第2長さに較べて前記速度制御区間の第2長さを長くするので、操舵操作を許容する速度制御区間をより長く確保でき、運転者は、他車の動向を観察しながら余裕を持って操舵できる。したがって、運転者は、比較的、交通の錯綜し易いゲート付近を安全に運転できる。
上記運転支援装置DSおよび運転支援方法は、必要に応じて加速禁止区間を車線に重ねるので、速度制御区間の第2長さが長くなっても、加速禁止区間を確保できる。
上記運転支援装置DSおよび運転支援方法は、走行領域、加速禁止区間、速度制御区間、ゲート区間およびゲートを表示部10に表示するので、運転者は、走行領域上で、これら加速禁止区間、速度制御区間、ゲート区間およびゲートの各位置を認識できる。
なお、上述の実施形態では、前記地図情報を格納する地図情報格納部の一例として、地図情報記憶部51が用いられたが、これに限定されるものではなく、前記地図情報格納部は、他の形態であっても良い。例えば、前記地図情報格納部は、例えばDVD−ROMやUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の、前記地図情報を記録することで格納する記録媒体と、例えばDVDドライブ装置やUSBインターフェース等の、前記記録媒体から前記地図情報を読み出す読出装置とを備えても良い。また例えば、前記地図情報格納部は、例えば通信カード等の、前記地図情報を管理するサーバ装置からネットワークを介して受信する受信部と、前記受信部で受信した地図情報を記憶することで格納する記憶部とを備えても良い。
また、上述の実施形態では、区画線検出処理部42は、撮像部1で生成された前方画像から画像処理によって区画線を検出したが、地図情報記憶部51に記憶されている地図情報に、区画線を表す区画線情報が含まれている場合には、区画線検出処理部42は、地図情報記憶部51に記憶されている地図情報における区画線情報から区画線を検出してもよい。
また、上述の実施形態では、渋滞検出処理部43は、撮像部1で生成された前方画像から、渋滞状況を検出したが、これに限定されるものではなく、他の形態であっても良い。例えば、運転支援装置DSは、図1に破線で示すように、例えば通信カード等の、制御処理部4に接続され、制御処理部4の制御に従って、外部の装置と通信を行う通信部11をさらに備え、渋滞検出処理部43は、通信部11で受信されたデータに基づいて渋滞状況を検出する。
より具体的には、例えば、前記外部の装置は、他車両(他車両に搭載された通信部)であって、自車両の通信部11は、前記他車両(前記他車両の通信部)と通信することによって前記車両の個数および前記車両それぞれの速度を取得し、渋滞検出処理部43は、前記取得した車両の個数および各速度に基づいて前記渋滞状況を検出する。車両は、その通信部によって自車両の識別子(車両ID(例えば製造番号や自動車登録番号等))および自車両の速度を外部に送信する。
また例えば、前記外部の装置は、車両の個数および速度を管理するサーバ装置であり、通信部11は、前記サーバ装置からネットワークを介して前記車両の個数および前記車両それぞれの速度を取得し、前記取得した車両の個数および各速度に基づいて前記渋滞状況を検出する。車両は、その通信部によって自車両の識別子(車両ID(例えば製造番号や自動車登録番号等))および自車両の速度を前記ネットワークを介して前記サーバ装置へ送信する。
これら上述の各形態において、例えば、渋滞検出処理部43は、前記取得した車両の個数と予め設定された閾値(個数判定閾値)とを比較すると共に、前記車両の速度のヒストグラムにおける最頻値を与える速度クラスの速度と予め設定された閾値(速度判定閾値)とを比較し、これら比較の各結果、前記車両の個数が前記個数判定閾値以上であって、前記速度クラスの速度が前記速度判定閾値以下である場合に、前記渋滞状況として渋滞有りと判定し、これらを除く場合には、前記渋滞状況として渋滞無しと判定する。これによれば、ゲートを通過する車両の状況を勘案して渋滞状況が判定できる。
また、上述の実施形態では、前記渋滞状況は、渋滞の有無で表されたが、複数のレベルで表されても良い。例えば、前記個数判定閾値は、互いに異なる複数のサブ個数判定閾値を備え、前記速度判定閾値は、互いに異なる複数のサブ速度判定閾値を備え、前記渋滞検出処理部43は、これら複数のサブ個数判定閾値および複数のサブ速度判定閾値の組み合わせることによって、互いに異なる複数のレベルで前記渋滞状況を判定する。例えば、前記個数判定閾値は、第1サブ個数判定閾値と前記第1サブ個数閾値より大きい第2サブ個数判定閾値とを備え、前記サブ速度判定閾値は、第1サブ速度判定閾値と前記第1サブ速度判定閾値より小さい第2サブ速度判定閾値とを備え、前記渋滞検出処理部43は、前記取得した車両の個数が前記第2サブ個数判定閾値以上であって前記車両の速度のヒストグラムにおける最頻値を与える速度クラスの速度が前記第2サブ速度判定閾値以下である場合に、前記渋滞状況として重度の渋滞有りと判定し、前記取得した車両の個数が前記第1サブ個数判定閾値以下であって前記車両の速度のヒストグラムにおける最頻値を与える速度クラスの速度が前記第1サブ速度判定閾値以上である場合に、前記渋滞状況として渋滞無しと判定し、これらを除く場合には、前記渋滞状況として中度の渋滞有りと判定する。そして、区間設定部44は、渋滞のレベルに応じて速度制御区間の長さを設定する。例えば、区間設定部44は、前記渋滞状況が中度の渋滞有りである場合には、前記速度制御区間を前記渋滞状況が渋滞無しである場合の長さより長く設定し、前記渋滞状況が重度の渋滞有りである場合には、前記速度制御区間を前記渋滞状況が中度の渋滞有りである場合の長さより長く設定する。これによれば渋滞のレベルに応じてより適切に速度制御区間が設定できる。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。