JP2020100188A - インホイールモータユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】モータの並進を許容しつつ、モータの回転反力を受け止めることができるインホイールモータユニットを提供すること。【解決手段】伝達カップリング20および支持カップリング30が弾性カップリングとして形成され、モータ10のハウジング11の軸方向端面に支持カップリング30の駆動側カラー41が連結されるので、弾性カップリングの変形特性を利用して、モータ10の並進を許容しつつ、モータ10の回転反力を受け止めることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、インホイールモータユニットに関し、特にモータの並進を許容しつつ、モータの回転反力を受け止めることができるインホイールモータユニットに関するものである。
モータをナックルに弾性的に支持することで、モータの質量をダイナミックダンパとして作用させる技術が知られている。例えば、特許文献1には、タイヤ1(車輪)と電気モータ3M(モータ)との間にフレキシブルカップリング32(弾性カップリング)を介設し、ナックル5に電気モータ3Mを緩衝機構40により支持する。
特開2008−95772号公報(例えば、段落0003)
しかしながら、上述した従来の技術では、コイルスプリングから形成される緩衝機構40が、電気モータ3M(モータ)の上下方向の変位を許容する姿勢で配設されるため、電気モータ3Mの回転反力を受け止め可能な程度に緩衝機構40のばね定数を大きくすると、電気モータ3Mの並進(軸直方向の変位)を許容できず、一方、緩衝機構40のばね定数を小さくすると、電気モータ3Mの回転反力を受け止めることができず、電気モータ3Mの駆動力をタイヤ1(車輪)に安定して伝達できないという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、モータの並進を許容しつつ、モータの回転反力を受け止めることができるインホイールモータユニットを提供することを目的とする。
この目的を達成するために本発明のインホイールモータユニットは、モータと、そのモータの回転軸を車輪に連結する回転軸側連結手段と、前記モータのケースをナックルに連結するケース側連結手段とを備えたものであって、前記回転軸側連結手段は、前記車輪側に連結される複数の車輪側連結部材と、その車輪側連結部材と周方向に交互に配設され、前記モータの回転軸側に連結される複数の回転軸側連結部材と、前記車輪側連結部材および前記回転軸側連結部材を弾性支持する円環形状の弾性支持手段と、を備えた弾性カップリングとして形成され、前記ケース側連結手段は、前記ナックル側に連結される複数のナックル側連結部材と、そのナックル側連結部材と周方向に交互に配設され、前記モータのケース側に連結される複数のケース側連結部材と、前記ナックル側連結部材および前記ケース側連結部材を弾性支持する円環形状の弾性支持手段と、を備えた弾性カップリングとして形成され、前記モータのケースの軸方向端面に前記ケース側連結手段のケース側連結部材が連結される。
請求項1記載のインホイールモータユニットによれば、回転軸側連結手段およびケース側連結手段が弾性カップリングとして形成され、モータのケースの軸方向端面にケース側連結手段のケース側連結部材が連結されるので、弾性カップリングの変形特性を利用して、モータの並進を許容しつつ、モータの回転反力を受け止めることができる。
請求項2記載のインホイールモータユニットによれば、請求項1記載のインホイールモータユニットが奏する効果に加え、回転軸側連結手段とケース側連結手段とが同心に配設されるので、これら回転軸側連結手段およびケース側連結手段から構成の変形特性に方向性が生じることを抑制できる。よって、モータの並進をいずれの方向にも許容できる。また、モータの回転反力が受け止められた際のモータの傾斜を抑制できる。よって、モータ(回転軸や軸受け)の負担を抑制できる。
また、回転軸側連結手段とケース側連結手段とが同心に配設されることで、回転軸側連結手段またはケース側連結手段の一方の一部が径方向外方へ突出することを抑制できる。よって、回転軸側連結手段およびケース側連結手段とモータとからなる構造全体の配設に要するスペースを小さくできる。
請求項3記載のインホイールモータユニットによれば、請求項1又は2に記載のインホイールモータユニットの奏する効果に加え、ケース側連結手段は、モータの回転軸が回転軸側連結手段に連結される側と反対側におけるモータのケースの軸方向端面に連結されるので、モータの回転軸の長さを短くすることができ、その分、製品コストを低減できる。
請求項4記載のインホイールモータユニットによれば、請求項1から3のいずれかに記載のインホイールモータユニットの奏する効果に加え、回転軸側連結手段とケース側連結手段とが同一の構成とされるので、部品や成型金型を共通化でき、その分、製品コストを低減できる。
また、回転軸側連結手段とケース側連結手段とが同心に配設される場合には、モータの並進をいずれの方向にも許容しやすくできると共に、モータの回転反力が受け止められた際のモータの傾斜を抑制しやすくできる。併せて、回転軸側連結手段またはケース側連結手段の一方が径方向外方へ突出することを抑制できる。よって、回転軸側連結手段およびケース側連結手段とモータとからなる構造全体の配設に要するスペースを小さくできる。
本発明の第1実施形態におけるインホイールモータユニットを備えた車両の部分拡大断面図である。 (a)は、図1の矢印IIa方向視における伝達カップリングの側面図であり、(b)は、図2(a)のIIb−IIb線における伝達カップリングの断面図である。 (a)は、第2実施形態における伝達カップリングの側面図であり3(b)は、図3(a)のIIIb−IIIb線における伝達カップリングの断面図である。 (a)は、第3実施形態における伝達カップリングの側面図であり、(b)は、第4実施形態における伝達カップリングの側面図である。 (a)は、第5実施形態における伝達カップリングの側面図であり、(b)は、図5(a)のVb−Vb線における伝達カップリングの断面図である。 (a)は、第6実施形態における伝達カップリングの側面図であり、(b)は、図6(a)のVIb−VIb線における伝達カップリングの断面図である。 (a)は、第7実施形態における伝達カップリングの側面図であり、(b)は、図7(a)のVIIb−VIIb線における伝達カップリングの断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態におけるインホイールモータユニット1について説明する。図1は、本発明の第1実施形態におけるインホイールモータユニット1を備えた車両2の部分拡大断面図である。図1は、インホイールモータユニット1の回転軸を通り、車両2の前後方向に対して垂直な面における断面に対応する。
なお、図1における矢印F−B,L−R,U−Dは、車両2の前後方向、左右方向、上下方向をそれぞれ示す。また、車両2は模式的に図示される。これらは、以下の図においても同様であるので、その説明は省略する。
図1に示すように、インホイールモータユニット1は、車両2に搭載され、車輪3を回転させる回転(駆動)力を発生させるためのものである。車両2は、インホイールモータユニット1に加え、懸架装置4と、懸架装置4に懸架される車輪3及びハブ5と、ハブ5に結合される車軸6と、を備える。
車輪3は、回転することで車両2を変位させるためのものであり、ゴム状弾性体から構成されるタイヤ3aと、アルミニウム合金、鉄等から構成されるホイール3bとから構成され、ホイール3bがハブ5に締結固定されることで車両2に回転可能に配設される。
懸架装置4は、乗り心地を向上させるためのものであり、車両2の車体(図示せず)に結合されるスプリング、ダンパ(いずれも図示せず)、アーム4a及びナックル4bとから構成される。
ナックル4bは、ハブ5を介してスプリング、ダンパ及びアーム4aと車輪3とを連結するためのものであり、ハブ5を回転可能に配設するためのハブベアリング4cと、インホイールモータユニット1を支持するための支持部材4dとを備える。
ハブベアリング4cは、略円環状に形成される内筒と、内筒の径方向外側に略円環状に形成される外筒と、内筒と外筒との間に回転可能に配設され、球状に形成される球とを備え、内筒に対して外筒が回転可能なボールベアリングから構成される。ハブベアリング4cは、その回転軸が車輪3の回転軸O1に一致した状態でナックル4bに配設される。
支持部材4dは、金属材料から、側面視において略矩形の板状体から形成される。支持部材4dは、左右方向(矢印L−R方向)においてインホイールモータユニット1よりも車両2の中央側(矢印R方向側)に配設され、ブラケットを介してナックル4bに固定される。なお、支持部材4dは、樹脂材料から形成されても良く、側面視において略円形に形成されても良い。
支持部材4dは、後述する支持カップリング30の筒部材43(図2参照)に対応する位置にボルト挿通孔4eが穿設され、そのボルト挿通孔4eに挿通されたボルト(図示せず)が、筒部材43を挿通し、そのボルトにナット(図示せず)が締結されることで、支持カップリング30が支持部材4dに係合される。なお、以下においてもボルト及びナットの図示は省略する。
ハブ5及び車軸6は、インホイールモータユニット1の回転力を車輪3に伝達するためのものである。車軸6は、その回転軸がハブ5の回転軸と一致した状態でハブ5に結合される。ハブ5は、ハブベアリング4cを介してナックル4bに回転可能に配設される。これにより、側面視においてハブ5に加え車軸6の回転軸は、ハブベアリング4cの回転軸、即ち、車輪3の回転軸O1と一致した位置に配設される。
ハブ5は、外形におねじが螺刻された円柱状の複数のハブボルトを備える。ハブボルトがホイール3bに形成された挿通孔に挿通された状態で、ハブボルトにナットが締結されることで、ホイール3bがハブ5に締結固定される。
ハブ5には、回転軸方向の一方側(矢印L方向側)に車輪3のホイール3bが締結固定され、回転軸方向の他方側(矢印R方向側)に車軸6が固定される。また、車軸6には、回転軸方向の他方側にインホイールモータユニット1が係合される。
車軸6は、後述する伝達カップリング20の筒部材43(図2参照)に対応する位置にボルト挿通孔6aが穿設され、そのボルト挿通孔6aに挿通されたボルトが、筒部材43を挿通し、そのボルトにナットが締結されることで、伝達カップリング20が車軸6に係合される。
インホイールモータユニット1は、モータ10と、車軸6とモータ10との間に介設される伝達カップリング20と、ナックル4bの支持部材4dとモータ10との間に介設される支持カップリング30とを備える。
モータ10は、ハブ5(車輪3)を回転(駆動)させるための回転(駆動)力を発生させるためのものである。なお、図1では、永久磁石、巻線、ブラシ、コミテータ等の図示を省略し、モータ10の外殻を構成するハウジング11と、ハウジング11に配設される軸受け12と、軸受け12に回転可能に軸支される駆動軸13のみを図示する。
ハウジング11は、金属材料から中空状に形成され、ナックル4bの支持部材4dと対向する面(矢印R方向側の面)において支持カップリング30と係合する。ハウジング11には、ボルトを挿通するボルト挿通孔11aが穿設される。
軸受け12は、ハブベアリング4cと同様に、ボールベアリングから構成されるため、その説明は省略する。軸受け12は、側面視において車軸6(ハブ5)の回転軸、即ち、車輪3の回転軸O1と一致した位置に配設される。軸受け12は、ハウジング11の内側において駆動軸13の軸方向(矢印L−R方向)両端に一対配設される。
駆動軸13は、回転(駆動)することで車軸6を回転させるためのものであり、円柱状に形成されるシャフト13aと、シャフト13aの車軸6側(矢印L方向側)の先端に形成されるカップリング係合部13bとを備える。
シャフト13aは、その回転軸が車輪3の回転軸O1と一致した状態で軸受け12に回転可能に軸支される。巻線(図示せず)に電流が流れ、シャフト13aに回転力が作用することで駆動軸13は回転可能となる。
カップリング係合部13bは、伝達カップリング20と係合するための部位である。カップリング係合部13bには、ボルトを挿通するボルト挿通孔13cが穿設され、車軸6側に突出するブッシュ係合部13dが突設される。ブッシュ係合部13dは、車軸6側へ向かうにつれてその幅が小さくなるテーパ状の円柱から形成され、ブッシュ係合部13dの回転軸は、シャフト13aの回転軸と一致する。
次いで、図1に加え図2を参照して、伝達カップリング20について説明する。図2(a)は、図1の矢印IIa方向視における伝達カップリング20の側面図であり、図2(b)は、図2(a)のIIb−IIb線における伝達カップリング20の断面図である。なお、図2(a)では、繊維コード束44が、破線で図示される。
伝達カップリング20は、モータ10の回転(駆動)力を車軸6に伝達するためのものであり、弾性継手40と、弾性継手40に配設される防振ブッシュ50と、弾性継手40と防振ブッシュ50との間に介設されるベアリング60と、を備える。
弾性継手40は、その軸心O2を中心として周方向に等しい間隔を空けて配設される複数の駆動側カラー41と、駆動側カラー41に対し軸心O2を中心として周方向に所定の間隔を空けて配設される複数の従動側カラー42と、駆動側カラー41及び従動側カラー42に配設される筒部材43と、駆動側カラー41及び従動側カラー42に巻き掛けられる複数の無端状の繊維コード束44と、駆動側カラー41、従動側カラー42及び繊維コード束44が埋没される弾性体45と、を備える。
なお、本実施形態において、複数の駆動側カラー41及び複数の従動側カラー42はそれぞれ3個配設されるが、その配設個数は、2個以下でも良く、4個以上でも良い。
駆動側カラー41は、アルミニウム合金等の金属材料から、略円環状に形成される。駆動側カラー41及び従動側カラー42は、同一形状に形成されるため、従動側カラー42についての説明は省略する。
駆動側カラー41と従動側カラー42とは、軸心O2を中心とする同一円周上に駆動側カラー41と従動側カラー42とが交互に配設される。また、各駆動側カラー41と各従動側カラー42との間の距離は一定にそれぞれ配設される。
筒部材43は、金属材料から、略円環状に形成される。筒部材43は、駆動側カラー41及び従動側カラー42の内周面41a,42aにそれぞれ圧入される。
筒部材43の軸方向(矢印L−R方向)における長さは、駆動側カラー41及び従動側カラー42の左右方向(矢印L−R方向)における長さよりも大きく形成される。駆動側カラー41に配設される筒部材43の一端は、駆動側カラー41よりも駆動軸13側(矢印R方向側)に突出して配設され、従動側カラー42に配設される筒部材43の他端は、従動側カラー42よりも車軸6側(矢印L方向側)に突出して配設される(図1参照)。
繊維コード束44は、駆動側カラー41及び従動側カラー42の一方に伝達される回転力を駆動側カラー41及び従動側カラー42の他方に伝達させるためのものであり、ポリエステル繊維、ナイロン樹脂等の合成繊維からなる繊維コードを多層多列にループ状に巻き回して無端状に形成される。
繊維コード束44は、駆動側カラー41と弾性継手40の周方向一方側に配設される従動側カラー42との間に巻き掛けられる。また、繊維コード束44は、駆動側カラー41と弾性継手40の周方向他方側に配設される従動側カラー42との間に巻き掛けられる。即ち、一対の繊維コード束44により、駆動側カラー41は、弾性継手40の周方向両側に配設される従動側カラー42に係合される。
弾性体45は、駆動軸13及び車軸6の一方に発生する振動(変位)または捩れ(撓み)が他方、特に、車軸6に発生する振動または捩れが駆動軸13へ伝達されることを抑制するためのものである。弾性体45は、ゴム部材から形成され、これにより、弾性体45は弾性特性および減衰特性を有する。また、弾性体45の外形は、側面視において略六角形状に形成され、軸心O2方向における弾性体45の幅は側面視における弾性体45の外形よりも小さく形成される。弾性体45には、軸心O2を中心とした円形状の挿通孔45aが穿設される。
なお、弾性体45の外形は、側面視において略八角形状、或いは、略四角形状等の略多角形状に形成されても良く、略円形状に形成されても良い。
弾性体45は、その内側に複数の駆動側カラー41、複数の従動側カラー42及び複数の繊維コード束44が配設された状態で、一体成形される。これにより、弾性継手40は、繊維コード束44を介して駆動側カラー41に加えられた回転力を従動側カラー42へ伝達できる。また、弾性体45が変形することで、駆動側カラー41(駆動軸13)及び従動側カラー42(車軸6)の一方の変位に伴い他方が変位することを抑制できる。
防振ブッシュ50は、軸部材51と、軸部材51の径方向の外側に配設される筒部材52と、軸部材51と筒部材52とを結合するゴム弾性体53と、軸部材51の内周面に配設されるクッション材54とを備える。
軸部材51は、駆動軸13のブッシュ係合部13dを係合するためのものであり、金属材料から形成される。軸部材51は、側面視において略円形状であり、駆動軸13側(矢印R方向側)から車軸6側(矢印L方向側)へ凹設される箱状に形成され、その内形は、駆動軸13のブッシュ係合部13dの外形よりもやや大きく形成される(図1参照)。
筒部材52は、防振ブッシュ50の外殻を形成するためのものであり、薄肉の金属材料から形成される。筒部材52は、その内径が軸部材51の外径よりも大きい円筒状に形成される。
ゴム弾性体53は、軸部材51及び筒部材52の一方が変位した場合において、軸部材51及び筒部材52の他方の変位を抑制するためのものであり、ゴム部材から形成される。ゴム弾性体53は、軸部材51の外周面と筒部材52の内周面とに加硫接着され、これにより、軸部材51、筒部材52及びゴム弾性体53が一体成形される。
上下方向(矢印U−D方向)におけるゴム弾性体53には、軸心O2方向(矢印L−R方向)中央に液室53a,53bが形成され(図1参照)、前後方向(矢印F−B方向)におけるゴム弾性体53には、軸心O2方向に貫通する一対の非形成部53cが形成される。また、非形成部53cよりも径方向外側には液室53a,53bを連通する一対のオリフィス53dが周方向に形成され、液室53a,53b及びオリフィス53dにはエチルグリコールなどの不凍液(液体)が封入される(図示せず)。
これにより、防振ブッシュ50は、上下方向に振動(変位)が入力されると、液室53a,53b間を液体が流動し、高い減衰性を奏することができる。その結果、走行時、段差等を通過した際の振動を収束し易くできる。一方、前後方向においては、ゴム弾性体53に非形成部53cが配設されるため、低い減衰性を奏することができ、車両2の前後方向の振動を抑制できる。
なお、前後方向に液室53a,53bが配設され、上下方向に非形成部53cが配設されても良い。また、防振ブッシュ50の上下方向および前後方向に液室53a,53b、或いは、非形成部53cを配設しても良い。
防振ブッシュ50の車軸6側(矢印L方向側)に配設される保護部材は、回転軸よりも下方側(矢印D方向側)に位置し、非形成部53cは、回転軸よりも上方側(矢印U方向側)が大きく形成される。これらにより、防振ブッシュ50の重心は、回転軸よりも下方側(矢印D方向側)に位置する。その結果、弾性継手40が回転した場合においても防振ブッシュ50の姿勢を一定の方向に維持でき、上下方向(矢印U−D方向)および前後方向(矢印F−B方向)における減衰特性が変化することを抑制できる。
なお、防振ブッシュ50の下方側に錘を配設することで防振ブッシュ50の重心を回転軸よりも下方側に位置させても良く、下方側(矢印D方向側)に配設される液室53a(図1参照)を、上方側(矢印U方向側)に配設される液室53bよりも大きく形成し、液室53aには液室53bよりも多量の液体が封入することで、防振ブッシュ50の重心を回転軸よりも下方側に位置させても良い。
クッション材54は、軸部材51の内周面に沿って配設され、その内周面は、駆動軸13のブッシュ係合部13dの外形よりもやや大きく形成される。クッション材54は、ブッシュ係合部13dと同様、駆動軸13側(矢印R方向側)から車軸6側(矢印L方向側)へ向けて径が小さくなるテーパ状に形成される(図1参照)。これにより、防振ブッシュ50と駆動軸13(ブッシュ係合部13d)との係合を容易に行える。
ベアリング60は、ハブベアリング4cと同様に、ボールベアリングから構成されるため、その説明は省略する。ベアリング60は、その外筒が弾性継手40の挿通孔45aに圧入され、ベアリング60の内筒に防振ブッシュ50が圧入される。これにより、弾性継手40に対して防振ブッシュ50は、その姿勢が変更されることを抑制できる。
また、防振ブッシュ50(軸部材51)は、その回転軸が軸心O2に一致した状態で弾性継手40に配設されるため、弾性継手40の回転に伴い防振ブッシュ50が回転することを抑制できる。これにより、防振ブッシュ50に慣性力が作用し、防振ブッシュ50の姿勢が変更(回転)することを抑制できる。
防振ブッシュ50は、その重心が回転軸よりも液室53a側に位置するため、液室53aが下方側(矢印D方向側)となる姿勢でベアリング60に配設され、また、その姿勢を維持できる(図1参照)。これにより、液室53aが下方側に位置した状態で伝達カップリング20に防振ブッシュ50を配設でき、防振ブッシュ50の減衰効果を上下方向(矢印U−D方向)に作用させることができる。
なお、モータ10のカップリング係合部13bに挿通孔を形成し、その挿通孔を挿通するブラケットを配設することで、液室53a,53bが上下方向に配設された状態でモータ10(ハウジング11)に防振ブッシュ50を固定しても良い。
モータ10(駆動軸13)と伝達カップリング20との係合は、ブッシュ係合部13dの回転軸と軸部材51の回転軸とを一致させた状態でブッシュ係合部13dを防振ブッシュ50(軸部材51)に挿通し、カップリング係合部13bに穿設されたボルト挿通孔13cを挿通したボルトが、伝達カップリング20の駆動側カラー41に配設される筒部材43を挿通し、このボルトにナットが締結されることで行われる。
軸部材51の内周面に配設されるクッション材54は、ブッシュ係合部13dの外形よりもやや大きく形成されるため、クッション材54とブッシュ係合部13dとの当接を抑制できる。これにより、駆動軸13(ブッシュ係合部13d)が回転しても、防振ブッシュ50が回転することを抑制でき、防振ブッシュ50は、上下方向、前後方向における弾性特性および減衰特性を一定とすることができる。
図1に戻って、支持カップリング30について説明する。支持カップリング30は、モータ10をナックル4bの支持部材4dに係合するためのものである。なお、支持カップリング30は、伝達カップリング20の弾性継手40と同一に構成される。即ち、伝達カップリング20から防振ブッシュ50及びベアリング60が取り外されたものと同一に構成されるため、その説明は省略する。これにより、部品又は成形金型を共通化でき、インホイールモータユニット1の製造コストを低減できる。
なお、支持カップリング30は、伝達カップリング20と同一に構成しても良い。即ち、弾性継手40に加え防振ブッシュ50及びベアリング60を配設しても良い。これにより、回転軸O1方向におけるモータ10の両側において、モータ10を係合する伝達カップリング20及び支持カップリング30を同一の構成にできる。
また、側面視において伝達カップリング20の駆動側カラー41及び従動側カラー42を支持カップリング30の駆動側カラー41及び従動側カラー42に重なる位置に配設しても良い。
その結果、モータ10の回転軸O1方向両側において、モータ10の係合特性(伝達カップリング20及び支持カップリング30の弾性特性および減衰特性)を一致させることで、モータ10に外力が作用した場合、モータ10の一方側(伝達カップリング20側)に対し他方側(支持カップリング30側)が相対変位することを抑制でき、モータ10の傾斜を抑制し易くできる。
モータ10(ハウジング11)と支持カップリング30との係合は、駆動軸13の回転軸と支持カップリング30の軸心O2とを一致させた状態でハウジング11に穿設されたボルト挿通孔11aを挿通したボルトが、支持カップリング30の駆動側カラー41に配設される筒部材43を挿通し、このボルトにナットが締結されることで行われる。
次いで、図1に加え図2を適宜参照して、インホイールモータユニット1の車両2への組付けについて説明する。車軸6と伝達カップリング20との係合は、車軸6のボルト挿通孔6aを挿通したボルトが、伝達カップリング20の従動側カラー42に配設される筒部材43を挿通し、このボルトにナットが締結されることで行われる。
ナックル4bの支持部材4dと支持カップリング30との係合は、支持部材4dのボルト挿通孔4eを挿通したボルトが、支持カップリング30の従動側カラー42に配設される筒部材43を挿通し、このボルトにナットが締結されることで行われる。
弾性特性および減衰特性を有する支持カップリング30によりモータ10を支持部材4dに係合できるため、ダンパやスプリングを不要とでき、インホイールモータユニット1の製造コストを抑制できる。また、ダンパやスプリングを不要とすることで、インホイールモータユニット1を小さく形成でき、懸架装置4(アーム4a又はナックル4b)の設計の自由度を高めることができる。
上述したように、モータ10は、ハウジング11の支持部材4dと対向する面(車両2の中央側の面、矢印R方向側の面)において支持カップリング30と係合する。これにより、ハウジング11の車軸6と対向する面(車両2の外側の面、矢印L方向側の面)において支持カップリング30と係合する場合と比較して、駆動軸13のシャフト13aの全長を短くできる。その結果、モータ10の製品コストを低減できる。
また、ハウジング11の上下方向(矢印U−D方向)の面おいて支持カップリング30と係合する場合と比較して、インホイールモータユニット1の上下方向または前後方向の長さを短くできる。これらにより、懸架装置4(アーム4a又はナックル4b)の設計の自由度を高めることができる。
上述したように、軸心O2方向における支持カップリング30(弾性体45)の幅は側面(軸心O2方向)視における支持カップリング30の外形よりも小さく形成されるため、例えば、支持カップリング30の軸心O2を上下方向に向けて配設する場合と比較して、インホイールモータユニット1の回転軸O1方向への長さを小さくでき、懸架装置4の設計の自由度を高めることができる。
モータ10(駆動軸13)に発生する回転(駆動)力は、伝達カップリング20(弾性継手40)の駆動側カラー41に配設される筒部材43へ伝達される。上述したように、駆動側カラー41と従動側カラー42との間には繊維コード束44が巻き掛けられるため、モータ10に発生する回転力を従動側カラー42に配設される筒部材43を介して車軸6へ伝達できる。これにより、ハブ5を介して車輪3を回転(駆動)させることができる。
なお、モータ10は、支持カップリング30を介してナックル4bに固定された支持部材4dに係合されるため、支持部材4dは、駆動軸13の回転(駆動)による反力によりハウジング11が回転することを抑制できる。
詳細には、支持カップリング30は、ハウジング11の支持部材4dと対向する面に係合されることで、駆動軸13の回転により、支持カップリング30には、その軸心O2周りに回転反力が作用される。
回転反力が作用する方向と繊維コード束44が巻き掛けられる方向とを略同一とすることで、ナックル4bは、支持カップリング30を介してハウジング11が回転することを抑制できる。その結果、ハウジング11が駆動軸13と共に回転し、駆動軸13の回転力が低下することを抑制でき、駆動軸13の回転力を車軸6へ効果的に伝達できる。
駆動軸13の回転(駆動)により振動(変位)が発生した場合、伝達カップリング20の弾性体45が変形することで、車軸6が変位することを抑制できる。これにより、車軸6の破損、又は、乗り心地の悪化を抑制できる。
同様に、段差等を通過するなど車輪3に上下方向(矢印U−D方向)又は前後方向(矢印F−B方向)に振動(変位)が発生した場合、伝達カップリング20の弾性体45が変形することで、モータ10が変位することを抑制できる。即ち、車輪3に対するモータ10の並進を許容できる。これにより、モータ10の破損、又は、乗り心地の悪化を抑制できる。
また、伝達カップリング20の軸心O2と支持カップリング30の軸心O2とが一致して配設される、即ち、伝達カップリング20と支持カップリング30とが同心とすることで、軸心O2に直交する方向へのモータ10の並進を許容できる。また、モータ10の回転反力が受け止められた場合におけるモータ10の傾斜を抑制できる。その結果、車軸6又はモータ10が破損することを抑制できる。
特に、本実施形態においては、伝達カップリング20及び支持カップリング30が同一の弾性継手40から形成されるため、モータ10の傾斜を効果的に抑制できる。
また、伝達カップリング20及び支持カップリング30により、モータ10は、懸架装置4に上下方向(矢印U−D方向)又は前後方向(矢印F−B方向)に変位可能に係合されるため、モータ10をダイナミックダンパの質量として作用させることができる。これにより、走行時、懸架装置4のスプリング(図示せず)よりも車輪3側(ばね下)に発生するばね下振動、特にばね下共振を抑制できる。その結果、乗り心地を向上できる。
ここで、モータをダイナミックダンパの質量として作用させる場合、モータの変位が減衰される状態でモータを懸架装置に弾性支持する必要があるが、ダンパ及びスプリングを備えたインホイールモータユニットでは、その配設に必要な空間が大きくなるという問題点がある。
これに対し、本実施形態におけるインホイールモータユニット1では、伝達カップリング20が防振ブッシュ50を備え、防振ブッシュ50は、弾性継手40の内周側に配設される。即ち、伝達カップリング20はその外形を大きくすることなく防振ブッシュ50を備えることができる。また、インホイールモータユニット1にダンパを配設することを抑制できるため、インホイールモータユニット1の外形を小さくでき、懸架装置4に配設するために必要な空間を小さくできる。これにより、懸架装置4の設計の自由度を高めることができる。
防振ブッシュ50は、ベアリング60を介して弾性継手40に配設されることで弾性継手40に相対回転可能に配設される。また、防振ブッシュ50のクッション材54の内周面は、駆動軸13のブッシュ係合部13dの外形よりもやや大きく形成されることで、防振ブッシュ50は駆動軸13と相対回転可能に係合できる。
これにより、走行時、即ち、弾性継手40が回転する場合においても防振ブッシュ50の姿勢を一定に維持でき、上下方向(矢印U−D方向)又は前後方向(矢印F−B方向)における弾性特性および減衰特性を一定とできる。その結果、段差等を通過するなど車輪(図示せず)に上下方向又は前後方向に振動(変位)が発生した場合においても、モータ10をダイナミックダンパの質量として作用させることでばね下振動を抑制でき、乗り心地を向上できる。
また、防振ブッシュ50の減衰特性を変化させる、或いは、異なる減衰特性を備えた防振ブッシュに変更することで、チューニング作業を容易にでき、モータ10をダイナミックダンパの質量として効果的に作用させ易くすることができる。
また、防振ブッシュ50(伝達カップリング20)は、駆動軸13と車軸6との間に配設されるため、防振ブッシュ50を外部に露出させることを抑制でき、防振ブッシュ50のゴム弾性体53が劣化することや、小石などがぶつかり、防振ブッシュ50が破損することを抑制できる。
次いで、図3を参照して、第2実施形態における伝達カップリング220について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図3(a)は、第2実施形態における伝達カップリング220の側面図であり、図3(b)は、図3(a)のIIIb−IIIb線における伝達カップリング220の断面図である。なお、図3(a)は、図1の矢印IIa方向視における側面図に対応する。また、図3ではモータおよび車軸の図示は省略し、以下の図においても同様である。
図3に示すように、第2実施形態における伝達カップリング220は、内筒240と、内筒240の径方向外側に配設される外筒250と、内筒240と外筒250との間に介設される複数(本実施形態においては6個)の筒部材243と、内筒240と外筒250との間に介設され、筒部材243の外形を取り囲む弾性体245と、を備えて形成される。
内筒240は、モータの回転(駆動)力を筒部材243へ伝達するためのものである。内筒240は、金属材料から、軸方向視において略円形の板状に形成される。内筒240には、軸方向視において車軸側(矢印L方向側)に突出する略円環状の駆動側カラー241と、駆動側カラー241の径方向外側であり、筒部材243の位置に対応して車軸側に突出する複数(本実施形態においては6個)従動側カラー242とが形成される。
駆動側カラー241は、モータの回転(駆動)力が伝達される部位であり、その軸心は伝達カップリング220(内筒240)の軸心O2に一致する。駆動側カラー241の内周は、セレーションが形成され、そのセレーションに対応して形成されるモータの駆動軸が係合(結合)されることで、モータの回転力が伝達される。
従動側カラー242は、モータの回転力を筒部材243に伝達するための部位であり、筒部材243を中心として軸心O2側に凹となる円弧状に湾曲して形成される。また、従動側カラー242の周方向両端は、隣り合う筒部材243の間に張り出して形成される。モータが駆動し、従動側カラー242が回転することで、弾性体245を介して筒部材243に回転力を伝達できる。
なお、隣り合う従動側カラー242の端部どうしは連結され、その連結部は、軸心O2を中心とした外筒250側へ凸となる円弧状に湾曲して形成される。これにより、内筒240の外周面は全周において突出して形成される。
筒部材243は、車軸に係合されることでモータの回転力を車軸に伝達するためのものであり、第1実施形態における駆動側カラー41及び従動側カラー42に配設される筒部材43に対応する位置に配設される。これにより、側面視において、各筒部材243は、所定の間隔を空けてそれぞれ配設される。詳細には、軸心O2を中心に60度の間隔を空けてそれぞれ配設される。
筒部材243の軸方向における長さは、従動側カラー242の突出長さよりも大きく形成され、これにより、従動側カラー242と車軸とが当接することを抑制できる。
車軸は筒部材243に対応する位置に挿通孔が穿設され、その挿通孔を挿通したボルトが、筒部材243を挿通し、このボルトにナットが締結されることで車軸と伝達カップリング220とが係合される。
本実施形態における伝達カップリング220は、第1実施形態における伝達カップリング20と比較して、車軸との係合箇所を増やすことがでる。詳細には、第1実施形態では3箇所で伝達カップリング20と車軸6とが係合されるのに対し、本実施形態においては6箇所で係合される。これにより、各筒部材243又は車軸の各挿通孔に掛かる負荷を低減でき、伝達カップリング220又は車軸の破損を抑制できる。
回転軸O1から筒部材243までの距離は、回転軸O1からモータと内筒240との係合位置までの距離よりも大きく形成されるため、モータの回転(駆動)力を車軸に伝達し易くできる。
弾性体245は、モータの回転(駆動)力を車軸へ伝達すると共に、モータおよび車軸の一方に発生する振動(変位)がモータおよび車軸の他方に伝達することを抑制するためのものである。
弾性体245は、各筒部材243の外形を取り囲む包囲部245aと、その包囲部245aどうしを連結する連結部245bとを備える。弾性体245は、内筒240の外周面、外筒250の内周面、及び筒部材243の外周面に加硫接着され、これにより、内筒240、外筒250、筒部材243及び弾性体245が一体成形される。即ち、部品の圧入作業等を不要とでき、伝達カップリング220の製造工程を低減して、製品コストを低減できる。
弾性体245は、連結部245bにより一体に連結される。即ち、弾性体245は、包囲部245aが分断して配設されることを抑制できる。これにより、包囲部245aの原材料の配設経路を加硫金型に形成することを抑制でき、加硫金型の製造コストを低減できる。その結果、伝達カップリング220の製品コストを低減できる。
包囲部245aは、筒部材243の外周面において一定厚に形成され、これにより、内筒240と外筒250との間において包囲部245aの弾性特性および減衰特性を一定にできる。
包囲部245aの軸心O2方向における長さは、筒部材243の軸心O2方向における長さ及び従動側カラー242の突出長さよりも小さく形成される。これにより、包囲部245aが車軸又はモータの回転軸に当接することを抑制できる。
連結部245bは、軸心O2を中心とする円弧状に湾曲して形成される。連結部245bは、径方向における幅が一定に形成され、幅方向の中心は、軸心O2を中心として筒部材243の軸心を通過する円周上に配設される。また、連結部245bの径方向における幅は筒部材243の外形よりも小さく形成される。これにより、内筒240の従動側カラー242を周方向において筒部材243の外形に重なる位置に配設できる。
その結果、従動側カラー242と筒部材243との間において包囲部245aを圧縮または引張変形させることができ、モータの駆動力を確実に伝達させることができる。また、包囲部245aのせん断変形が大きくなることを抑制でき、包囲部245aの破損を抑制できる。
連結部245bは、隣り合う包囲部245aを連結して配設されるため、圧縮または引張による包囲部245aの変形量を大きくできる。これにより、段差等を通過するなど車輪(図示せず)に上下方向(矢印U−D方向)又は前後方向(矢印F−B方向)に振動(変位)が発生した場合、連結部245bが包囲部245aを変形させ易くすることで包囲部245aの変形量を大きくでき、モータの変位を抑制できる。言い換えると、車輪に対するモータの並進(モータの軸心が車輪の軸心に対してずれること)を許容できる。
また、内筒240は、その外周面の全周において弾性体245に加硫接着されるため、筒部材243に対して内筒240を撓ませ易くできる。即ち、車軸に対してモータの回転軸の傾斜を許容でき、車軸又はモータが破損することを抑制できる。
また、連結部245bは、各筒部材243の周りに配設される弾性体245どうしを連結することにより、モータが駆動された場合、特に、大きな回転力を伴って駆動された場合、駆動(回転)初期における車軸への回転力の伝達を和らげることができる。
詳細には、駆動(回転)初期において、内筒240が包囲部245aを介して筒部材243を回転させることを連結部245bが抑制できる。即ち、連結部245bをダンパとして作用させることができ、これにより、モータから車軸への回転力の伝達を和らげることができる。
本実施形態における伝達カップリング220は、内筒240にモータが係合され、車軸に筒部材243が係合される。また、内筒240と筒部材243との間には包囲部245aが介設される。これにより、モータと車軸との間に配設される部材を少なくでき、モータから車軸への回転力の伝達を早めることができる。
例えば、6個の筒部材のうち、3個の筒部材がモータに係合され、他の3個の筒部材が車軸に係合される場合、モータに係合される筒部材と車軸に係合される筒部材との間には包囲部がそれぞれ介設されるため、モータと車軸との間に配設される部材が多くなり、駆動力の伝達が遅くなる。
これに対し、本実施形態における伝達カップリング220は、モータから車軸への回転力の伝達を早めることで操縦性を向上できる。
外筒250は、筒部材243及び弾性体245の変位を規制するためのものである。外筒250は、金属材料から略円環状に形成される。外筒250の軸心O2方向における厚さは、内筒240の従動側カラー242の突出高さと略同一に形成される。
外筒250の内周面には筒部材243に対応する位置に筒部材243を中心として径方向外側に円弧状の係合部250aが凹設される。
上述したように、連結部245bは、軸心O2を中心として筒部材243の軸心を通過する円周上に配設され、従動側カラー242の端部は筒部材243の軸心よりも軸心O2側に形成されるため、内筒240の回転により筒部材243に伝達される回転力は、軸心O2を中心として筒部材243の軸心を通過する円の接線方向よりも外側(外筒250側)に向けて作用する。
これに対し、係合部250aが筒部材243及び弾性体245の径方向外側に配設されるため、筒部材243及び弾性体245が径方向外側に変位することを抑制できる。また、従動側カラー242が筒部材243及び弾性体245の径方向内側に配設されるため、筒部材243及び弾性体245が径方向内側に変位することを抑制できる。
即ち、係合部250a及び従動側カラー242により、筒部材243及び弾性体245が回転方向以外に変位することを抑制できる。その結果、モータの回転力の筒部材243への伝達効率の悪化を抑制できる。言い換えると、モータの回転力の伝達効率を向上できる。また、弾性体245の変形を抑制することで、弾性体245が破損することを抑制できる。
また、各筒部材243は、所定の間隔を空けてそれぞれ配設されるため、各筒部材243により内筒240及び外筒250に作用する反力を打ち消すことができる。これにより、筒部材243及び弾性体245が回転方向以外に変位することを抑制し易くできる。
また、外筒250の内周面と内筒240の外周面との間に弾性体245が当接して介設されることで、外筒250及び内筒240により弾性体245が外部に露出することを抑制でき、弾性体245の劣化または破損を抑制できる。
次いで、図4を参照して、第3実施形態および第4実施形態における伝達カップリング320,420について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図4(a)は、第3実施形態における伝達カップリング320の側面図であり、図4(b)は、第4実施形態における伝達カップリング420の側面図である。なお、図4(a)及び図4(b)は、図1の矢印IIa方向視における側面図に対応する。
図4(a)示すように、第3実施形態における伝達カップリング320の従動側カラー342は、第2実施形態における従動側カラー242に対し、筒部材243の外形全体と伝達カップリング320の周方向に重なる位置まで径方向外側に張り出して形成される。
これにより、従動側カラー342と筒部材243との重なり代を最大とできる、即ち、従動側カラー342と筒部材243との間において包囲部245aを圧縮または引張変形させる領域を最大とでき、モータの駆動力を確実に伝達できる。また、包囲部245aのせん断変形が大きくなることを抑制でき、包囲部245aの破損を抑制できる。
また、内筒340の回転により筒部材243に伝達される回転力の作用する方向を従動側カラー342の回転方向に近づけることができる。これにより、モータの回転力の伝達効率を向上できる。
弾性体345の連結部345bは、伝達カップリング320の径方向外側において包囲部245aに連結され、連結部345bの外周面は側面視において略円形状に形成される。これにより、外筒350との当接面積を小さくでき、モータの駆動力の伝達効率が悪化することを抑制できる。
図4(b)示すように、第4実施形態における伝達カップリング420の外筒450は、第2実施形態における従動側カラー242に対し、弾性体445の筒部材243の外形全体と伝達カップリング420の周方向に重なる位置まで径方向外側に張り出して形成される。
これにより外筒450と筒部材243との間において包囲部245aを圧縮または引張変形させる領域を最大とでき、車輪(図示せず)に振動(変位)が発生した場合、モータの変位を抑制し易くできる。
次いで、図5を参照して、第5実施形態における伝達カップリング520について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図5(a)は、第5実施形態における伝達カップリング520の側面図であり、図5(b)は、図5(a)のVb−Vb線における伝達カップリング520の断面図である。なお、図5(a)は、図1の矢印IIaとは反対の方向視、即ち、矢印L方向視における側面図に対応する。
図5に示すように、第5実施形態における伝達カップリング520は、複数(本実施形態においては2個)の筒部材243と、複数の筒部材243の外側に配設される外筒550と、複数の筒部材243と外筒550との間に介設される弾性体545と、一対の板材546と、を備えて形成される。筒部材243は、伝達カップリング520の軸心O2から上下方向(矢印U−D方向)に一定距離だけ離れた位置にそれぞれ配設される。
外筒550は、モータの回転力を車軸に伝達するためのものである。外筒550は、金属板から、側面視において略円環状に形成される。外筒550には、車軸に結合するためのボルトを相通するための複数(本実施形態においては2箇所)のボルト挿通孔550aが穿設され、従動側カラー552がモータ側(矢印R方向側)に突出して形成される。
従動側カラー552は、側面視において筒部材243よりも径方向外側に配設され、筒部材243の軸心を中心とした円弧状に湾曲して形成される一対の湾曲部と、一対の湾曲部の端部どうしを連結する一対の直線部とから形成される。また、一対の直線部には、従動側カラー552の上下方向略中央において、その対向間距離が小さく形成される凹部を備える。
また、従動側カラー552の突出長さは、筒部材243の軸心O2方向における長さよりも小さく形成される。これにより、従動側カラー542とモータの回転軸とが当接することを抑制できる。
弾性体545は、筒部材243の外周面、従動側カラー552内周面および板材546に加硫接着され、これにより、外筒550、筒部材243、弾性体545及び板材546が一体成形される。
弾性体545の軸心O2方向における長さは、筒部材243の軸心O2方向における長さ及び従動側カラー552の突出長さよりも小さく形成される。これにより、弾性体545が車軸又はモータの回転軸に当接することを抑制できる。
板材546は、金属材料から板状に形成され、側面視において従動側カラー552の湾曲部から軸心O2側に一定距離だけ離れて配設される一対の湾曲部とその湾曲部の端部どうしを連結する一対の直線部とから形成される。
また、上下方向(矢印U−D方向)における従動側カラー552と筒部材243との間には、板材546は非形成とされる。これにより、板材546の内面側に配設される弾性体545と板材546の外面側に配設される弾性体545とを一体に連結でき、加硫金型の製造コストを低減できる。その結果、伝達カップリング520の製品コストを低減できる。
板材546の上下端における板材546の前後方向(矢印F−B方向)における対向間距離は、筒部材243の外形よりも大きく形成される。
本実施形態における伝達カップリング520では、モータの回転(駆動)力が筒部材243に伝達されると、弾性体545に加え板材546を介することでモータの駆動力を車軸に伝達し易くできる。
一方、上下方向(矢印U−D方向)において従動側カラー552と筒部材243との間には、板材546が非形成とされるため、弾性体545の変形量を大きくできる。これにより、車輪(図示せず)に上下方向に振動(変位)が発生した場合には、従動側カラー552の変位が筒部材243に伝達されることを抑制でき、モータの変位を抑制できる。
次いで、図6を参照して、第6実施形態における伝達カップリング620について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図6(a)は、第6実施形態における伝達カップリング620の側面図であり、図6(b)は、図6(a)のVIb−VIb線における伝達カップリング620の断面図である。なお、図6(a)は、図1の矢印IIa方向視における側面図に対応する。
図6に示すように、第6実施形態における伝達カップリング620は、内筒640と、内筒640の径方向外側に配設される外筒650と、内筒640と外筒650との間に介設される弾性体645と、外筒650に対して内筒640が所定量を超えて相対回転された場合に内筒640と外筒650とを係合する規制部材660と、を備えて形成される。
内筒640は、モータの回転(駆動)力を外筒650へ伝達するためのものである。内筒640は、金属材料から、側面視において略円形の板状に形成される。内筒640にはモータの駆動軸に結合するためのボルトを相通するための複数(本実施形態においては2箇所)のボルト挿通孔640aが穿設される。
ボルト挿通孔640aは、側面視において規制部材660とは異なる位置に形成される。これにより、モータの回転軸と内筒640との係合を容易に行える。
また、内筒640の外周縁には、駆動側カラー641がモータ側(矢印R方向側)に突出して形成され、内筒640の軸心O2には、側面視において円形状の受け部642が車軸側(矢印L方向側)に突出して形成される。駆動側カラー641の外周面には、弾性体645が加硫接着される。
受け部642は、内筒640に規制部材660を固定するための部位である。受け部642の突出先端面(矢印L方向側の面)は、側面視において略X字状の凹設部が凹設され、その凹設幅は後述する規制部材660の固定部材661の外形と略同一またはやや大きく形成される。
また、上下方向に沿って凹設される凹設部の凹設深さは固定部材661の外形の略2倍の大きさよりもやや大きく形成される。これにより、一対の固定部材661が受け部642の凹設部から突出して配設されることを抑制できる。
外筒650は、内筒640に伝達されたモータの回転力を車軸へ伝達するためのものである。外筒650は、金属材料から、側面視において略円環状に形成される。外筒650には車軸に結合するためのボルトを相通するための複数(本実施形態においては2箇所)のボルト挿通孔650aが穿設される。
また、外筒650の内周縁には、従動側カラー651がモータ側(矢印R方向側)に突出して形成され、外筒650の外周縁には規制部652が、軸心O2へ向けて凹設される。従動側カラー651の内周面には、弾性体645が加硫接着される。
規制部652は、後述する規制部材660の当接部材662に対応する位置に形成される。規制部652は、その凹設面にストッパーゴム653を備え、ストッパーゴム653を介して規制部652と後述する規制部材660の当接部材662とが当接する。
規制部652の径方向における凹設深さは、当接部材662の外形よりも大きく形成される。規制部652の周方向における凹設幅は、径方向における凹設深さよりも大きく形成され、本実施形態においては当接部材662の外形の略3倍の長さに形成される。
ストッパーゴム653は、ゴム部材であり、規制部652の底壁(周方向に形成される壁)におけるストッパーゴム653の厚さは、規制部652の縦壁(径方向に形成される壁)におけるストッパーゴム653の厚さよりも大きく形成される。また、規制部652の底壁におけるストッパーゴム653は軸心O2を中心とする凸状に湾曲して形成され、これにより、外筒650(ストッパーゴム653)に対して規制部材660(当接部材662)が相対変位する際、その変位を妨げることを抑制できる。
弾性体645は、内筒640に伝達された回転力を外筒650に伝達するためのものであり、側面視において略円環状に形成される。駆動側カラー641と従動側カラー651との間に介設された弾性体645がせん断変形することで回転力を伝達できる。
また、駆動側カラー641と従動側カラー651との間に弾性体645を介設することで、弾性体645が外部に露出することを抑制でき、弾性体645の劣化または破損を抑制できる。
規制部材660は、一対の固定部材661と、固定部材661の両端に配設される当接部材662とを備える。なお、固定部材661は、規制部材660に1個配設されても良く、3個以上配設されても良い。
固定部材661は、金属材料から、棒状に形成される。また、固定部材661の両端は、モータ側(矢印R方向側)に屈曲して形成され、その屈曲部に当接部材662が配設される。
一対の固定部材661は、その延設長さの中間を軸心O2に一致した状態で側面視において略X字状に配設される。また、前後方向(矢印F−B方向)に延設される固定部材661は、上下方向(矢印U−D方向)に延設される固定部材661の車軸側(矢印L方向側)に当接して配設される。
受け部642の凹設部に一対の固定部材661を配設し、受け部642の突出先端に係止部(図示せず)が溶接、或いは、ねじ止めにより係合されることで、受け部642から一対の固定部材661が脱離することを抑制できる。これにより、内筒640と共に規制部材660を回転できる。また、受け部642に係止部を係合することで、一対の固定部材661から受け部642に力が作用し、受け部642が破損することを抑制できる。
なお、溶接、或いは、ねじ止めすることで、受け部642と一対の固定部材661とを係合することで受け部642から一対の固定部材661が脱離することを抑制しても良い。
当接部材662は、外筒650に対する内筒640の相対変位を規制するためのものである。当接部材662は、金属材料から、円柱状に形成され、固定部材661の両端に回転可能に係合される。これにより、当接部材662が固定部材661に対して回転すると共に当接部材662が外筒650に対して相対変位できるため、当接部材662がストッパーゴム653に引っ掛かることを抑制できる。その結果、外筒650に対する内筒640の相対変位を妨げることを抑制できる。なお、当接部材662は、固定部材661に固定、即ち、固定部材661に回転不可能に係合されても良い。
当接部材662は、規制部652の縦壁(径方向に形成される壁)に配設されるストッパーゴム653に非当接とされた状態で規制部652に配設される。
一方、当接部材662は、規制部652の底壁(周方向に形成される壁)に配設されるストッパーゴム653に当接して配設される。これにより、弾性体645に加えストッパーゴム653が変形することでモータの変位を抑制できる。その結果、車輪(図示せず)に対するモータの並進を許容できる。
本実施形態における伝達カップリング620は、内筒640にモータの回転力が伝達された場合、弾性体645がせん断変形することで、外筒650に対して内筒640を相対変位すると共に外筒650に回転力を伝達できる。これにより、回転力を緩やかに伝達できる。また、当接部材662と縦壁(径方向に形成される壁)に配設されるストッパーゴム653とは非当接とされるため、当接部材662による回転力の伝達を抑制できる。これにより、回転力の伝達の変動を緩やかにできる。
上述したように、当接部材662は、固定部材661に回転可能に係合されるため、当接部材662がストッパーゴム653に引っ掛かることを抑制でき、回転力の伝達の変動が急激に発生することを抑制できる。
一方、内筒640に過大な回転力が伝達され、外筒650に対する内筒640の相対変位(回転)量が所定量に達すると、当接部材662が規制部652の底壁(周方向に形成される壁)に配設されるストッパーゴム653に当接する。これにより、外筒650に対する内筒640の相対変位を抑制できる。その結果、弾性体645のせん断変形量を規制でき、弾性体645の破損を抑制できる。
また、当接部材662と規制部652の底壁に配設されるストッパーゴム653とが当接することで、外筒650に回転力を伝達できる。これにより、回転力の伝達効率の悪化を抑制できる。
次いで、図7を参照して、第7実施形態における伝達カップリング720について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図7(a)は、第7実施形態における伝達カップリング720の側面図であり、図7(b)は、図7(a)のVIIb−VIIb線における伝達カップリング720の断面図である。なお、図7(a)は、図1の矢印IIa方向視における側面図に対応する。
図7に示すように、第7実施形態における伝達カップリング720は、モータ側プレート740と、モータ側プレート740よりも車軸側(矢印L方向側)に配設される車軸側プレート750と、モータ側プレート740と車軸側プレート750との間に配設される弾性体745と、弾性体745を介してモータ側プレート740と車軸側プレート750とを係合する円柱体760と、を備えて形成される。
モータ側プレート740は、モータの回転(駆動)力を車軸側プレート750へ伝達するためのものである。モータ側プレート740は、金属材料から、側面視において略円形の板状に形成される。モータ側プレート740には円柱体760を挿通するための複数(本実施形態においては4箇所)の開口740aが穿設され、モータ係合部741がモータ側(矢印R方向側)に突出して形成される。
開口740aは、円柱体760の変位を規制するための部位であり、円柱体760の外形よりも大きく形成される。開口740aと円柱体760との間には、弾性体745が介設される。開口740aが円柱体760の変位を規制することで、弾性体745の変形を規制でき、弾性体745の破損を抑制できる。
モータ係合部741は、側面視において軸心O2を中心とする円柱状に形成される。モータ係合部741には、凹設部741aが車軸側(矢印L方向側)に向けて凹設され、凹設部741aに螺刻されためねじ(図示せず)とモータの回転軸に螺刻されたおねじ(図示せず)とが螺合することにより、モータ係合部741にモータの回転軸が締結固定される。なお、モータ係合部741は、側面視において軸心O2を中心とする同心円上に複数(2個以上)配設されても良い。
車軸側プレート750は、モータ側プレート740に伝達された回転(駆動)力を車軸へ伝達するためのものである。車軸側プレート750は、モータ側プレート740に対し軸心O2に直交する面において対称に形成されるため、開口750a及び車軸係合部751の構成の説明は省略する。
車軸係合部751の凹設部751aに螺刻されためねじ(図示せず)と車軸に螺刻されたおねじ(図示せず)とが螺合することにより、車軸係合部751に車軸が締結固定される。
弾性体745は、軸心O2方向においてモータ側プレート740と車軸側プレート750との間に介設される。これにより、伝達カップリング720は、上下方向(矢印U−D方向)又は前後方向(矢印F−B方向)に加え、軸心O2方向において車輪(図示せず)に対するモータの並進を許容できる。
また、弾性体745は、円柱体760の外周面に配設される包囲部746を備える。包囲部746は、開口740a,750aを挿通してモータ側プレート740及び車軸側プレート750よりも軸心O2方向外側に突出して形成されるこれにより、円柱体760と開口740a,750aとが当接することを抑制でき、円柱体760、モータ側プレート740又は車軸側プレート750の破損を抑制できる。
包囲部746は、円柱体760の外周面において一定厚に形成され、これにより、円柱体760と開口740a,750aの内周面との間において包囲部746の弾性特性および減衰特性を一定にできる。
弾性体745は、モータ側プレート740、車軸側プレート750及び円柱体760に加硫接着され、これにより、モータ側プレート740、車軸側プレート750及び円柱体760が一体成形される。
円柱体760は、金属材料から、側面視において略円柱状に形成される。円柱体760の軸心O2方向における長さは、モータ側プレート740のモータ側(矢印R方向側)に形成される面から車軸側プレート750の車軸側(矢印L方向側)に形成される面までの距離よりも大きく形成される。これにより、円柱体760を開口740a,750aの内周面に当接させることができ、弾性体745の変形を抑制できる。
また、円柱体760の軸心O2方向における両端面は、モータ係合部741の突出先端面と車軸係合部751の突出先端面との間に形成される。これにより、円柱体760がモータ又は車軸に当接し、モータ、車軸または円柱体760が破損することを抑制できる。
本実施形態における伝達カップリング720は、モータ側プレート740にモータの回転力が伝達された場合、弾性体745がせん断変形することで、車軸側プレート750に対してモータ側プレート740を相対変位すると共に車軸側プレート750に回転力を伝達できる。これにより、回転力を緩やかに伝達できる。
また、車軸側プレート750に対してモータ側プレート740を相対変位(回転)させることで、円柱体760の姿勢を傾倒させることができる。これにより、回転初期において、弾性体745のせん断変形に対する反力を抑制できる。その結果、相対変位(回転)の初期において相対変位(回転)し易くできる。
一方、モータ側プレート740に過大な回転力が伝達され、車軸側プレート750に対するモータ側プレート740の相対変位(回転)量が所定量に達すると、弾性体745に加え円柱体760が開口740a,750aの内周面に包囲部746を介して受け止められる。これにより、車軸側プレート750に対するモータ側プレート740の相対変位を抑制できる。その結果、弾性体745のせん断変形量を規制でき、弾性体745の破損を抑制できる。
また、円柱体760により、モータ側プレート740の回転力を車軸側プレート750に伝達できる。これにより、回転力の伝達効率の悪化を抑制できる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態では、車軸6とモータ10との間に伝達カップリング20,220,320,420,520,620,720が介設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ハブ5と車軸6との間に介設されても良い。
第1実施形態では、モータ10に駆動側カラー41が係合され、車軸6に従動側カラー42が係合され、第2実施形態から第4実施形態では、モータに内筒240,340,440が係合され、車軸に筒部材243が係合され、第5実施形態では、モータに筒部材243が係合され、車軸に外筒550が係合され、第6実施形態では、モータに内筒640が係合され、車軸に外筒650が係合され、第7実施形態では、モータにモータ側プレート740が係合され、車軸に車軸側プレート750が係合される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、モータ10(モータ)に従動側カラー42、筒部材243、外筒550,650又は車軸側プレート750が係合され、車軸6(車軸)に駆動側カラー41、内筒240,340,440、筒部材243、内筒640又は車軸側プレート750が係合されても良い。
第2実施形態から第4実施形態では、包囲部245aの軸心O2方向における長さは、筒部材243の軸心O2方向における長さ及び従動側カラー242の突出長さよりも小さく形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、包囲部245aの軸心O2方向における長さを筒部材243の軸心O2方向における長さよりも大きく形成しても良い。これにより、包囲部245aとモータの回転軸とが当接することで、モータの回転軸と内筒240又は筒部材243とが当接することを抑制できる。
第2実施形態から第4実施形態では、筒部材243が軸心O2を中心に60度の間隔を空けて6個配設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、筒部材243の配設個数が5個以下でも良く、7個以上でも良い。
第6実施形態では、規制部652の底壁におけるストッパーゴム653は軸心O2を中心とする凸状に湾曲して形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、規制部652の底壁に沿って一定幅に形成されても良い。これにより、外筒650に対して内筒640が相対変位する際、その相対変位量が大きくなるにつれて、当接部材662によるストッパーゴム653の変形量を大きくでき、回転力の伝達効率を徐々に変化(向上)させることができる。その結果、回転力の伝達効率が急激に変化することを抑制できる。その変位を妨げることを抑制できる。
第7実施形態では、円柱体760が包囲部746を介してモータ側プレート740及び車軸側プレート750に配設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、円柱体760がモータ側プレート740及び車軸側プレート750の一方に固定されても良い。これにより、円柱体760の姿勢が傾倒することを抑制でき、回転力の伝達効率の悪化を抑制できる。
第7実施形態では、円柱体760の軸心O2方向における長さがモータ側プレート740のモータ側に形成される面から車軸側プレート750の車軸側に形成される面までの距離よりも大きく形成され、円柱体760を開口740a,750aの内周面に当接させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、円柱体760の軸心O2方向における長さがモータ側プレート740のモータ側に形成される面から車軸側プレート750の車軸側に形成される面までの距離よりも小さく形成され、円柱体760を包囲部746に埋没させても良い。これにより、回転初期において、弾性体745のせん断変形に対する反力を抑制できる。また、円柱体760とモータまたは車軸とが当接することを抑制できる。
1 インホイールモータユニット
3 車輪
10 モータ
11 ハウジング(ケース)
13 駆動軸(回転軸)
20,220,320,420,520,620,720 伝達カップリング(回転軸側連結手段、弾性カップリング)
30 支持カップリング(ケース側連結手段、弾性カップリング)
40 弾性継手(弾性カップリング)
41 駆動側カラー(回転軸側連結部材、ケース側連結部材)
42 従動側カラー(車輪側連結部材、ナックル側連結部材)
43,243 筒部材(回転軸側連結部材、ケース側連結部材、車輪側連結部材、ナックル側連結部材)
45,245,345,445,545,645,745 弾性体(弾性支持手段)
240,340,640 内筒(回転軸側連結部材、ケース側連結部材)
250,350,450,550,650 外筒(車輪側連結部材、ナックル側連結部材)
740 モータ側プレート(回転軸側連結部材、ケース側連結部材)
750 車軸側プレート(車輪側連結部材、ナックル側連結部材)

Claims (4)

  1. モータと、そのモータの回転軸を車輪に連結する回転軸側連結手段と、前記モータのケースをナックルに連結するケース側連結手段とを備えたインホイールモータユニットにおいて、
    前記回転軸側連結手段は、
    前記車輪側に連結される複数の車輪側連結部材と、
    その車輪側連結部材と周方向に交互に配設され、前記モータの回転軸側に連結される複数の回転軸側連結部材と、
    前記車輪側連結部材および前記回転軸側連結部材を弾性支持する円環形状の弾性支持手段と、を備えた弾性カップリングとして形成され、
    前記ケース側連結手段は、
    前記ナックル側に連結される複数のナックル側連結部材と、
    そのナックル側連結部材と周方向に交互に配設され、前記モータのケース側に連結される複数のケース側連結部材と、
    前記ナックル側連結部材および前記ケース側連結部材を弾性支持する円環形状の弾性支持手段と、を備えた弾性カップリングとして形成され、
    前記モータのケースの軸方向端面に前記ケース側連結手段のケース側連結部材が連結されることを特徴とするインホイールモータユニット。
  2. 前記回転軸側連結手段と前記ケース側連結手段とが同心に配設されることを特徴とする請求項1記載のインホイールモータユニット。
  3. 前記ケース側連結手段は、前記モータの回転軸が前記回転軸側連結手段に連結される側と反対側における前記モータのケースの軸方向端面に連結されることを特徴とする請求項1又は2に記載のインホイールモータユニット。
  4. 前記回転軸側連結手段と前記ケース側連結手段とが同一の構成とされることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインホイールモータユニット。
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