JP2020098230A - 音響再生装置及び音響再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】疑似エンジン音と再生音との干渉を軽減する。【解決手段】音響再生装置は、再生音の所定の周波数帯域におけるレベルを分析する再生音処理部20と、車両情報に基づく疑似エンジン音を発生する疑似エンジン音再生装置10と、を備える。疑似エンジン音再生装置10は、再生音処理部20の分析結果に基づき、発生する疑似エンジン音の周波数において再生音のレベルが所定の閾値を超えた場合、車両情報に基づき再生する疑似エンジン音を抑圧し、疑似エンジン音の倍音成分を発生して出力する。【選択図】図1

Description

本開示は、疑似エンジン音の発生が可能な音響再生装置及び音響再生方法に関する。
自動車においては、エンジン音の魅力を強化することを目的として、或いは、電気自動車(EV:Electric Vehicle)やハイブリッド車(HV:Hybrid Vehicle)等において、歩行者が車両の接近をエンジン音により認識することを目的として、エンジン音を疑似的に発生させるエンジン音強調装置(ESE:Engine Sound Enhancer)が採用されることがある。
疑似エンジン音の発生は、運転者がスピード感や走行感を享受し、エンジン音による走行臨場感を向上させることにも役立つ。このため、エンジン音強調装置は、自動車の走行状態等に応じた疑似エンジン音を発生して、車室内スピーカから出力させる。
例えば、特許文献1においては、速度(加速、減速、定速)の状態や回転数に応じて疑似エンジン音を生成すると共に、ゆらぎ処理を付加することで、実車両の走行速度に応じた疑似エンジン音を生成する技術が開示されている。
また、特許文献2においては、回転数、アクセル開度によって複数の整数次成分のゲインを設定し、旋回走行状態の場合に、4次成分のゲインを大きくすることで、旋回走行状態の臨場感を向上させる疑似エンジン音を発生することができる技術が開示されている。
特開2011−84109号公報 特開2016−145884号公報
ところで、自動車には、ラジオ、オーディオプレーヤー、ナビゲーションシステム等からの音声(再生音)を聞くために車載オーディオ装置が搭載されていることが多い。車室内空間においては、エンジン音強調装置からの疑似エンジン音と車載オーディオ装置からの再生音とが1つ又は複数のスピーカから同時に出力される。このため、疑似エンジン音と再生音とが干渉し合い、相互に所望の音響特性を得ることができないことがあるという課題があった。
本開示は、上述した従来の事情に鑑みて案出され、疑似エンジン音と再生音との干渉を軽減することを可能にした音響再生装置及び音響再生方法を提供することを目的とする。
本開示は、再生音の所定の周波数帯域におけるレベルを分析する再生音処理部と、車両情報に基づく疑似エンジン音を発生する疑似エンジン音再生装置と、を備え、前記疑似エンジン音再生装置は、前記発生する疑似エンジン音の周波数において前記再生音のレベルが所定の閾値を超えた場合、前記車両情報に基づき発生する疑似エンジン音を抑圧し、前記疑似エンジン音の倍音成分を発生して出力する、音響再生装置を提供する。
また、本開示は、車両情報に基づく疑似エンジン音を発生する疑似エンジン音再生装置を備えた音響再生装置における音響再生方法であって、再生音の所定の周波数帯域におけるレベルを分析し、前記発生する疑似エンジン音の周波数において前記再生音のレベルが所定の閾値を超えた場合、前記車両情報に基づき発生する疑似エンジン音を抑圧し、前記疑似エンジン音の倍音成分を発生して出力する、音響再生方法を提供する。
本開示によれば、疑似エンジン音と再生音との干渉を軽減することが可能になる。
実施の形態に係る音響再生装置の一例を示すブロック図 実施の形態に係る音響再生装置の具体的な構成の一例を示すブロック図 実施の形態に係る音響再生装置の動作を説明するためのフローチャート 音響処理部及び信号レベル検出器による再生音の分析結果を示す図 実施の形態1における干渉判定器による判定処理と、倍音生成器により発生される疑似エンジン音の一例を示す図 実施の形態2に採用される倍音生成器の一例を示すブロック図 実施の形態2における干渉判定器による判定処理と、倍音生成器により発生される疑似エンジン音の一例を示す図
以下、添付図面を適宜参照しながら、本開示に係る音響再生装置及び音響再生方法を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
以下の実施の形態では、本開示に係る音響再生装置を車載用に適用した例について説明する。実施の形態は、車載オーディオ装置からの再生音と干渉する擬似エンジン音(以下、干渉エンジン音と称することもある)については、レベルを抑圧すると共に、当該干渉エンジン音の倍音成分を干渉エンジン音に代えて発生させるものである。これにより、車載オーディオ装置からの再生音が干渉を受けることを防止すると同時に、所望の疑似エンジン音が得られることを可能にする。
なお、本実施の形態において、干渉とは、疑似エンジン音によって再生音が影響を受けることを言う。干渉により、疑似エンジン音及び再生音の同一の周波数帯域において、疑似エンジン音と再生音の位相関係に応じて再生音の音響としての出力レベルが変化することがある。例えば、疑似エンジン音と再生音とが打ち消しあって再生音の出力レベルが低下する、或いは、疑似エンジン音と再生音とが加算されて再生音の出力レベルが増大する、などの現象が干渉によって生じ得る。
なお、以下の説明では、車載オーディオ装置から再生音が再生音処理部に入力される例を説明するが、車載オーディオ装置が再生するソース音声の情報が直接再生音処理部に与えられるようになっていてもよい。即ち、車載オーディオ装置からスピーカに出力される再生音の特徴、例えば再生音の周波数帯域の特徴を示す情報が再生音処理部に入力されればよい。
図1は、実施の形態に係る音響再生装置の一例を示すブロック図である。図1の音響再生装置は、主に、疑似エンジン音再生装置10、再生音処理部20、合成回路3、及びスピーカ4を有して構成される。図1の音響再生装置は、例えば車両に搭載されるものである。
疑似エンジン音再生装置10及び再生音処理部20は、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)等を用いたプロセッサによって構成され、各部の動作に関する処理を実行する。疑似エンジン音再生装置10及び再生音処理部20は、図示しないメモリに記憶されたプログラムに従って動作するものであってもよいし、ハードウェアの電子回路により機能の一部又は全部を実現するものであってもよい。
入力端子I2には、車載オーディオ装置(図示略)からの再生音が入力される。再生音処理部20は、入力端子I2からの再生音を取り込んで、再生音の特徴を分析するものである。例えば、再生音処理部20は、再生音について周波数分析処理を行って、再生音の周波数帯域の情報及び各周波数帯域における再生音のレベルの情報を求めて、分析結果を疑似エンジン音再生装置10に出力する。また、再生音処理部20は、入力された再生音をそのまま又は所定の信号処理を施した後、合成回路3に出力する。
疑似エンジン音再生装置10は、疑似エンジン音を発生する公知のエンジン音強調装置(ESE)を含んで構成することができる。疑似エンジン音再生装置10には、入力端子I1を介して疑似エンジン音の生成に関する各種情報、例えば、エンジン回転数、車速、トルク等の情報(以下、車両情報と称する)が入力される。
なお、車両情報は、エンジン、アクセル、車輪を回転させるシャフト等に取り付けられた各種センサ、及び、車両のエンジンを電気的に制御する電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)等により取得されて、入力端子I1に供給される。
疑似エンジン音再生装置10は、1つの周波数の発振信号に基づく疑似エンジン音、又は、複数の周波数の複数の発振信号の合成信号に基づく疑似エンジン音を発生することができる。疑似エンジン音再生装置10は、入力された車両情報に基づいて、発振周波数及び発振レベルを制御することにより、スピード感や走行感等を与える所望の疑似エンジン音の発生が可能である。
以下、エンジン回転数、車速、トルク等に関する車両情報に基づく疑似エンジン音を入力対応疑似エンジン音と称する。
疑似エンジン音再生装置10は、再生音処理部20の分析結果を用いて、入力対応疑似エンジン音の周波数が、再生音の周波数帯域に含まれるか否かの周波数条件を判定する。また、疑似エンジン音再生装置10は、再生音のレベル(例えばエネルギレベル)が所定の閾値を超えているか否かのレベル条件を判定する。
疑似エンジン音再生装置10は、入力対応疑似エンジン音の周波数が再生音の周波数帯域に含まれる場合、即ち周波数条件を満足する場合に、入力対応疑似エンジン音の周波数において再生音のレベルが所定の閾値を超えているか否か、即ちレベル条件を満足するか否かによって、入力対応疑似エンジン音が再生音に干渉するか否の判定結果を得る。即ち、疑似エンジン音再生装置1は、入力対応疑似エンジン音が発生する周波数において、再生音がレベル条件を満足するか否かを判定することで、干渉の有無を判定する。
疑似エンジン音再生装置10は、入力対応疑似エンジン音の周波数において再生音がレベル条件を満足する場合には、この入力対応疑似エンジン音は、再生音に干渉して悪影響を与えると判定(以下、干渉判定と称する)する。また、疑似エンジン音再生装置10は、入力対応疑似エンジン音の周波数において再生音がレベル条件を満足しない場合には、この入力対応疑似エンジン音は、再生音に干渉して悪影響を与えないと判定(以下、非干渉判定と称する)する。
本実施の形態においては、疑似エンジン音再生装置10は、干渉判定を行った場合には、干渉判定の対象となった入力対応疑似エンジン音を抑圧する。更に、疑似エンジン音再生装置10は、干渉判定の対象となった入力対応疑似エンジン音の周波数(以下、干渉周波数と称する)の倍音成分として2倍音以上の1つ以上の倍音を発生する。疑似エンジン音再生装置10は、レベルを抑圧した入力対応疑似エンジン音と発生した1つ以上の倍音とを合成し、合成音を疑似エンジン音として発生する。なお、疑似エンジン音再生装置10は、干渉判定の対象となった入力対応疑似エンジン音については、レベルを0に抑圧してもよい。
なお、疑似エンジン音再生装置10は、非干渉判定を行った場合には、入力対応疑似エンジン音を抑圧せずに疑似エンジン音として発生する。
疑似エンジン音再生装置10は発生した疑似エンジン音を合成回路3に出力する。合成回路3は、再生音処理部20からの再生音と疑似エンジン音再生装置10からの疑似エンジン音を合成して、合成音をスピーカ4に出力する。スピーカ4は、音声出力デバイスの一例であり、入力された合成音を音響として出力する。
なお、スピーカ4を複数のスピーカにより構成して、疑似エンジン音再生装置10からの疑似エンジン音と再生音処理部20からの再生音とをそれぞれ直接に各スピーカに供給し、各スピーカから疑似エンジン音と再生音とを音響として出力させてもよい。この場合には、合成回路3は省略可能である。
図2は、実施の形態に係る音響再生装置の具体的な構成の一例を示すブロック図である。図2は、図1の音響再生装置についてより具体的な構成例を示すものである。
疑似エンジン音再生装置10は、主に、エンジン音強調部11、干渉判定器12、及び倍音生成器13を有して構成される。また、再生音処理部20は、主に、音響処理部21、及び信号レベル検出器22を有して構成される。
エンジン音強調部11は、疑似エンジン音を発生する公知のエンジン音強調装置(ESE)により構成することができる。例えば、エンジン音強調部11は、CPU等のプロセッサと、所定周波数の正弦波を発生する1つ又は複数の発振器と、発生した正弦波のレベルを調整して合成する合成回路等によって構成することができる。また、例えば、エンジン音強調部11は、CPU等のプロセッサとデジタルシンセサイザとを有し、ソフトウェア処理によって、所望の疑似エンジン音を発生させるように構成されていてもよい。また、エンジン音強調部11は、CPU等のプロセッサと複数の波形データを記憶するメモリとを有し、波形データを合成することで、所望の疑似エンジン音を発生するように構成されていてもよい。
エンジン音強調部11には、入力端子I1を介して車両情報が入力される。エンジン音強調部11は、入力された車両情報に基づいて、例えば、発生させる正弦波の発振周波数及びレベルを制御することによって、所望の入力対応疑似エンジン音を発生する。こうして、エンジン音強調部11は、エンジン回転数、車速、トルク等に基づいて、スピード感や走行感等に応じた入力対応疑似エンジン音を発生することが可能である。
エンジン音強調部11は、発生した入力対応疑似エンジン音を倍音生成器13に与えると共に、入力対応疑似エンジン音の周波数に関する情報を干渉判定器12に与える。
入力端子I2には、車載オーディオ装置(図示略)からの再生音が入力される。音響処理部21は、入力端子I2からの再生音を取り込んで、再生音の特徴を分析するために、再生音を複数の周波数帯域に分割するものである。例えば、音響処理部21としては、所定の周波数帯域を通過帯域とする1つ又は複数のバンドパスフィルタによって構成してもよい。音響処理部21は、各周波数帯域の再生音を信号レベル検出器22に与える。
また、音響処理部21は、入力された再生音をそのまま又は所定の信号処理を施した後、合成回路3に出力する。
本実施の形態においては、音響処理部21は、例えば、エンジン音強調部11により発生する入力対応疑似エンジン音の周波数に対応した帯域に再生音を分割するように構成される。従って、音響処理部21は、入力対応疑似エンジン音の周波数帯域(以下、有効帯域と称する)について、再生音を各周波数帯域に分割すればよい。
信号レベル検出器22は、音響処理部21からの各周波数帯域の再生音のレベルを検出するものである。信号レベル検出器22は、再生音の各周波数帯域のレベルを分析結果として疑似エンジン音再生装置10に出力する。
疑似エンジン音再生装置10の干渉判定器12は、入力対応疑似エンジン音が再生音に干渉を与えるか否かの干渉判定を行うものである。干渉判定器12は、エンジン音強調部11からの入力対応疑似エンジン音の周波数の情報と信号レベル検出器22からの分析結果とが与えられる。干渉判定器12は、再生音の各周波数帯域のレベルが所定のレベルを超えているか否かのレベル条件の判定を行う。また、干渉判定器12は、入力対応疑似エンジン音の周波数が、レベル条件を満足した再生音の周波数帯域に含まれるか否かの周波数条件を判定する。
なお、干渉判定器12は、レベル条件及び周波数条件をいずれの順序で判定してもよい。干渉判定器12は、レベル条件及び周波数条件を満足した場合、即ち、干渉判定器12は、入力対応疑似エンジン音の周波数において、再生音がレベル条件を満足した場合には、入力対応疑似エンジン音が再生音に干渉を与えるとの干渉判定を行う。なお、干渉判定器12は、入力対応疑似エンジン音の周波数において、再生音がレベル条件を満足しない場合には、入力対応疑似エンジン音は再生音に干渉を与えないとの非干渉判定を行う。干渉判定器12は干渉判定又は非干渉判定を倍音生成器13に出力する。
倍音生成器13は、干渉周波数の倍音成分を発生するものである。倍音生成器13は、エンジン音強調部11と同様の構成である。例えば、倍音生成器13は、発振周波数が異なる複数の発振器によって構成することもでき、また、デジタルシンセサイザによって構成することもでき、また、波形データを備えたメモリを有して構成することもできる。
倍音生成器13は、エンジン音強調部11から入力対応疑似エンジン音が与えられる。倍音生成器13は、干渉判定器12から非干渉判定が入力された場合には、入力対応疑似エンジン音をそのまま疑似エンジン音として合成回路3に出力する。
一方、倍音生成器13は、干渉判定器12から干渉判定が入力された場合には、入力対応疑似エンジン音を0又は所定のレベルに抑圧する。また、倍音生成器13は、入力対応疑似エンジン音の周波数の2倍音以上の1つ以上の倍音を発生する。倍音生成器13は、レベルを抑圧した入力対応疑似エンジン音及び発生した倍音を合成して合成音を疑似エンジン音とする。
本実施の形態においては、倍音生成器13は、抑圧した入力対応疑似エンジン音と発生した倍音とを合成した場合に、聴覚上の錯覚(ミッシングファンダメンタル)効果により、車室内の人が聴いたときに入力対応疑似エンジン音と同様の音質の合成音が得られるように、各倍音のレベルを設定する。
従って、倍音生成器13からの合成音は、聴覚上で入力対応疑似エンジン音の音質と同様の音質を与えるものとなる。即ち、倍音生成器13から出力される疑似エンジン音は、聴覚上、車両情報に対応したスピード感や走行感等を人に与えるものとなる。
また、倍音生成器13が生成する合成音には、入力対応疑似エンジン音の周波数成分が含まれていないか又はそのレベルが抑圧されており、合成音である疑似エンジン音による再生音への干渉を無くすか又は十分に軽減することができる。
次にこのように構成された実施の形態の動作について図3から図5を参照して説明する。図3は、実施の形態に係る音響再生装置の動作を説明するためのフローチャートである。また、図4は、音響処理部及び信号レベル検出器による再生音の分析結果を示す図である。図4では、横軸に周波数をとり縦軸にレベルをとって、再生音の入力対応疑似エンジン音の有効帯域における各周波数帯域のレベルを示している。また、図5は、実施の形態1における干渉判定器による判定処理と、倍音生成器により発生される疑似エンジン音の一例を示す図である。図5は、上段において干渉判定器12による判定処理の一例を示し、下段において倍音生成器13により発生される疑似エンジン音の一例を示すものである。図5では、横軸に周波数をとり縦軸にレベルをとって、再生音の分析結果と入力対応疑似エンジン音との関係及び疑似エンジン音の周波数成分を示している。
車両の各種センサ等によって取得された車両情報は、入力端子I1を介して疑似エンジン音再生装置10のエンジン音強調部11に入力される。一方、車載オーディオシステムからの再生音は、入力端子I2を介して再生音処理部20の音響処理部21に入力される。
エンジン音強調部11は、車両情報を取得すると(ステップS1)、車両情報に基づく入力対応疑似エンジン音を発生する(ステップS2)。この入力対応疑似エンジン音は倍音生成器13に与えられ、入力対応疑似エンジン音の周波数の情報は干渉判定器12に与えられる。
音響処理部21は、入力された再生音を入力対応疑似エンジン音に含まれる周波数を含むように、例えば、バンドパスフィルタによって各周波数帯域に分割する(ステップS3)。音響処理部21は、分割した各周波数帯域の再生音を信号レベル検出器22に出力する。
信号レベル検出器22は、音響処理部21の出力から、各周波数帯域の再生音のレベルを検出し(ステップS4)、検出した各周波数帯域のレベルを分析結果として疑似エンジン音再生装置10の干渉判定器12に出力する。
図4は曲線により再生音の周波数特性を示している。音響処理部21は、図4に示す入力対応疑似エンジン音の有効帯域を複数の周波数帯域に分割する。図4の有効帯域内の各長方形は、分割された各周波数帯域及びそのレベルを示すヒストグラムである。信号レベル検出器22は、図4のような各周波数帯域のレベルを分析結果として出力することになる。
干渉判定器12は、信号レベル検出器22の分析結果が与えられると、周波数条件及びレベル条件の判定によって、入力対応疑似エンジン音が再生音に干渉を与えるか否かの判定を行う(ステップS5)。干渉判定器12は、判定結果を倍音生成器13に出力する。
倍音生成器13は、干渉の判定結果が干渉判定であるか非干渉判定であるかに応じて処理を分岐する(ステップS6)。干渉判定器12から非干渉判定が出力された場合には、倍音生成器13は、入力対応疑似エンジン音を疑似エンジン音としてそのまま合成回路3に出力する(ステップS11)。
図5の上段は、音響処理部21から与えられた分析結果を、図4と同様にヒストグラムにて示している。図5において閾値は、レベル条件の判定の閾値である。また、図5の上段の塗り潰した部分は、入力対応疑似エンジン音の周波数及びそのレベルを示している。
図5の例では、入力対応疑似エンジン音は、再生音の周波数帯域に含まれており周波数条件を満足する。また、入力対応疑似エンジン音の周波数において、再生音のレベルが閾値を超えており、レベル条件を満足する。従って、図5の例では、干渉判定器12は判定結果として干渉判定を倍音生成器13に出力する。
干渉判定器12により干渉判定が行われると、倍音生成器13は、入力対応疑似エンジン音を抑圧する(ステップS7)。図5の下段は破線によって入力対応疑似エンジン音が抑圧されたこと(例えば0レベル)を示している。また、倍音生成器13は、干渉周波数の2倍音以上の倍音を発生する(ステップS8)。図5の例では、干渉周波数f1に対して、倍音生成器13は、周波数が2f1〜5f5の2倍音〜5倍音を発生する。倍音生成器13は発生した倍音を合成して(ステップS9)、疑似エンジン音として合成回路3に出力する(ステップS10)。なお、倍音生成器13は、発生した倍音を合成した場合に、ミッシングファンダメンタル効果によって入力対応疑似エンジン音と同様の音質の合成音が得られるように、各倍音のレベルを設定している。
倍音生成器13から出力される疑似エンジン音は、再生音の周波数帯域の周波数成分を含んでいないか又はこの周波数成分が十分に抑圧されている。従って、疑似エンジン音は再生音に干渉して悪影響を与えることはないか又は再生音に対する悪影響は極めて小さい。また、倍音生成器13からの疑似エンジン音は、入力対応疑似エンジン音の1つ以上の倍音により構成されており、ミッシングファンダメンタル効果によって、聴覚上、入力対応疑似エンジン音と同様の音質の音響を与えるものとなる。
合成回路3には、再生音処理部20からの再生音及び疑似エンジン音再生装置10からの疑似エンジン音が与えられる。再生音及び疑似エンジン音は合成回路3によって合成されてスピーカ4に出力される。スピーカ4は、合成回路3からの合成音を音響として出力する。
なお、図3の処理は、所定周期で繰り返され、逐次変化する車両情報及び再生音に従って、擬似エンジン音の生成が行われる。また、図3のステップS1,S2の処理とステップS3,S5の処理とは、相互に独立して同時に実行される処理である。
なお、エンジン音強調部11は、倍音生成器13に対して入力対応疑似エンジン音を出力するものと説明したが、入力対応疑似エンジン音の周波数の情報のみ又は周波数及びレベルの情報を倍音生成器13に出力するようになっていてもよい。この場合においても、倍音生成器13は、入力対応疑似エンジン音の周波数成分及びその倍音による疑似エンジン音の生成が可能である。
このように本実施の形態においては、車両情報に基づく疑似エンジン音が車載オーディオ装置からの再生音に干渉を与えるか否かを、周波数条件及びレベル条件により判定する。そして、干渉判定が行われた場合には、車両情報に基づく疑似エンジン音を抑圧すると共に倍音を発生して合成することで、疑似エンジン音を得るようになっている。こうして発生した疑似エンジン音は、ミッシングファンダメンタル効果によって、聴覚上、車両情報に基づく疑似エンジン音と同様の音質に聞こえるだけでなく、再生音との干渉が抑制されており、再生音に悪影響を与えることが防止される。これにより、車載オーディオ装置の再生音を良好な音質で聴くことができると同時に、所望の疑似エンジン音を得ることができる。
なお、上記実施の形態においては、車載オーディオ装置からの再生音を再生音処理部に与える例を説明したが、車載オーディオ装置において再生音の周波数帯域の分析が可能であれば、車載オーディオ装置から分析結果の情報が疑似エンジン音再生装置10に入力されるようなっていてもよい。即ち、再生音処理部20は、車載オーディオ装置の一部の機能により実現されるものであってもよい。更に、図1の音響再生装置の全体が車載オーディオ装置に組込まれて構成されてもよい。また、再生音処理部20は、干渉判定器12の機能を持つものとしてもよいし、倍音生成器13、合成回路3の機能を持つものとしてもよい。
同様に、疑似エンジン音を発生するエンジン音強調装置(ESE)に、図1の音響再生装置の一部又は全部の機能が組込まれて構成されるようになっていてもよい。
なお、図5は、入力対応疑似エンジン音が1つの周波数成分のみを有する場合の例である。入力対応疑似エンジン音が複数の周波数成分により構成される場合もある。この場合には、入力対応疑似エンジン音のうち聴覚上支配的な音成分についてのみ、干渉の判定を行うようにしてもよい。
なお、聴覚上支配的な音成分とは、音を構成する複数の周波数成分のうち他の周波数成分に比べてレベル(例えばエネルギレベル)が比較的高い周波数成分のことであり、以下、単に支配的な音成分又は支配的な周波数成分という。例えば、音が基音とその倍音とにより構成される場合には、通常基音が支配的な音成分となる。
例えば、入力対応疑似エンジン音のうち支配的な音成分が干渉判定された場合には、この支配的な音成分を抑圧すると共に、この支配的な音成分の倍音を発生する。そして、入力対応疑似エンジン音のうち支配的な音成分については、その抑圧した音と発生した倍音との合成音を疑似エンジン音の発生に用いる。
また例えば、入力対応疑似エンジン音が基音とその倍音により構成される場合には、一般的に支配的な音成分は基音であるので、入力対応疑似エンジン音を構成する基音についてのみ干渉の判定を行い、この基音を抑圧すると共にその基音の倍音を発生する。この場合には、発生する倍音のレベルは、元々入力対応疑似エンジン音に含まれる倍音のレベルを考慮したものとすればよい。
(実施の形態2)
図6は、実施の形態2に採用される倍音生成器の一例を示すブロック図である。実施の形態2においては、倍音生成器以外の他の構成は図2に示した実施の形態1と同様であり、説明を省略する。実施の形態2は、倍音生成器の具体的な構成の一例を示すものである。
図6において、倍音生成器15は、主に、制御部16、複数の発振器G1〜GN、複数のアンプA1〜AN、複数のゲイン設定部T1〜TN、及び合成回路17を有して構成される。
制御部16は、CPU等を用いたプロセッサによって構成されていてもよく、図示しないメモリに記憶されたプログラムに従って動作して各部を制御するものであってもよいし、ハードウェアの電子回路で機能の一部又は全部を実現するものであってもよい。
制御部16には入力対応疑似エンジン音又は入力対応疑似エンジン音に関する情報と干渉の判定結果とが入力される。制御部16は、非干渉判定が入力されると、入力対応疑似エンジン音を発生させるように各部を制御する。また、制御部16は、干渉判定が入力されると、入力対応疑似エンジン音の支配的な音成分を抑圧した音成分及び抑圧した音成分に対応する倍音成分を発生させるように各部を制御する。
即ち、制御部16は、入力対応疑似エンジン音の周波数及びレベルの情報に基づいて、発振器G1〜GNの発振を個別に制御する発振制御情報を生成して発振器G1〜GNに出力する。
また、制御部16は、入力対応疑似エンジン音の周波数及びレベルの情報に基づいて、アンプA1〜ANのゲインを個別に設定するためのゲイン設定情報を生成してゲイン設定部T1〜TNに出力する。
発振器G1〜GNは、それぞれ所定の発振周波数で発振して発振出力を出力するものである。発振器G1〜GNは、相互に発振周波数が異なる。発振器G1〜GNは制御部16からの発振制御情報によって指定された発振器のみが発振して発振出力を発生するようになっている。発振器G1〜GNの発振出力はそれぞれアンプA1〜ANに与えられる。
アンプA1〜ANは、それぞれ入力された発振出力を増幅するものである。また、ゲイン設定部T1〜TNは、それぞれアンプA1〜ANのゲインを設定するものである。
ゲイン設定部T1〜TNは、制御部16からゲイン設定情報が与えられると、それぞれ設定されたゲインをアンプA1〜ANに設定する。アンプA1〜ANは、それぞれゲイン設定部T1〜TNにより設定されたゲインで、入力された発振器G1〜GNからの発振出力を増幅して出力するようになっている。アンプA1〜ANの出力は、合成回路17に供給される。
合成回路17は、アンプA1〜ANの出力を合成して、合成音を疑似エンジン音として発生するようになっている。合成回路17からの疑似エンジン音が合成回路3に供給される。
次に、このように構成された実施の形態の動作について図7を参照して説明する。図7は、実施の形態2における干渉判定器による判定処理と、倍音生成器により発生される疑似エンジン音の一例を示す図である。図7は、図5と同様の表記方法を採用しており、上段において干渉判定器12による判定処理の一例を示し、中段及び下段において倍音生成器15により発生される疑似エンジン音の一例を示すものである。図7では、横軸に周波数をとり縦軸にレベルをとって、再生音の分析結果と入力対応疑似エンジン音との関係及び疑似エンジン音の周波数成分を示している。図7の例は、入力対応疑似エンジン音の支配的な音成分が2つの基音である場合を示している。
干渉判定器12は、信号レベル検出器22の分析結果が与えられると、周波数条件及びレベル条件の判定によって、入力対応疑似エンジン音が再生音に干渉を与えるか否かの判定を行う。干渉判定器12は、判定結果を倍音生成器13に出力する。
ここで、信号レベル検出器22による再生音の各周波数帯域のレベルが図7の上段のヒストグラムに示すものであるとする。また、図7の上段の塗り潰した部分及び斜線部分は、入力対応疑似エンジン音を構成する複数の周波数成分のうちの支配的な音成分である2つの基音を示している。
図7の上段の例では、入力対応疑似エンジン音を構成する2つの基音は、再生音の周波数帯域に含まれており周波数条件を満足する。また、支配的な音成分である2つの基音の周波数f1,f2において、再生音のレベルが閾値を超えており、いずれの基音についてもレベル条件を満足する。従って、図7の例では、入力対応疑似エンジン音を構成する各周波数成分うちの支配的な音成分のうち、周波数がf1,f2の2つの基音については、干渉判定器12は判定結果として干渉判定を倍音生成器13に出力する。
これらの2つ基音についての情報を含む入力対応疑似エンジン音に関する情報は、倍音生成器15の制御部16に与えられる。また、倍音生成器15には、干渉判定器12により干渉の判定結果も与えられる。
倍音生成器15の制御部16は、周波数がf1,f2の2つの基音についてはレベルを抑圧するための発振制御情報及びゲイン設定情報を生成する。また、制御部16は、抑圧した周波数がf1,f2の2つの基音に相当する倍音を発生させるための発振制御情報及びゲイン設定情報を生成する。制御部16は、発振制御情報を発振器G1〜GNに与え、ゲイン設定情報をゲイン設定部T1〜TNに与える。
例えば、制御部16は、周波数がf1,f2の2つの基音を抑圧してレベルを0とする場合には、これらの周波数f1,f2の発振出力を発生する発振器については発振出力を発生させないように発振制御情報を生成する。また、制御部16は、周波数がf1,f2の2つの基音のそれぞれの倍音の周波数、即ち、周波数2f1,3f1,4f1,…及び周波数2f2,3f2,4f2,…の発振出力を発生する発振器については発振出力を発生させるように発振制御情報を生成する。
また、制御部16は、周波数2f1,3f1,4f1,…の発振出力のゲインが、抑圧した周波数f1の基音に対応するレベル、即ち、ミッシングファンダメンタル効果によって、聴覚上周波数f1の基音が聞こえるように感じられるレベルとなるようにゲイン設定情報を生成する。また、制御部16は、周波数2f2,3f2,4f2,…の発振出力のゲインが、抑圧した周波数f2の基音に対応するレベル、即ち、ミッシングファンダメンタル効果によって、聴覚上周波数f2の基音が聞こえるように感じられるレベルとなるようにゲイン設定情報を生成する。
ゲイン設定部T1〜TNは、制御部16からのゲイン設定情報に基づくゲインをそれぞれアンプA1〜ANに設定する。これにより、発振出力が入力されたアンプA1〜ANは、入力された発振出力を設定されたゲインに応じて増幅して出力する。
こうして、図7の中段の破線に示すように、周波数がf1の基音が抑圧されると共に、この抑圧された周波数f1の基音に対応する周波数2f1,3f1,4f1,5f1の倍音が生成される。また、図7の下段の破線に示すように、周波数がf2の基音が抑圧されると共に、この抑圧された周波数f2の基音に対応する周波数2f2,3f2,4f2,5f2の倍音が生成される。
アンプA1〜ANの出力は合成回路17に供給されて合成される。合成回路17の出力が疑似エンジン音として合成回路3に出力される。合成回路17からの合成音は、車載オーディオ装置からの再生音に干渉を与える音成分が抑圧されており、再生音の周波数成分との干渉が抑制されて再生音に悪影響を与えることが防止される。また、抑圧した基音に対応する倍音を発生して疑似エンジン音を得ており、ミッシングファンダメンタル効果によって、聴覚上、抑圧した基音と同様の音質が得られる。
このように、実施の形態2のように複数の周波数成分を合成して疑似エンジン音を発生する構成においても、実施の形態1と同様に、疑似エンジン音と再生音との干渉を抑制可能であるとともに、疑似エンジン音及び再生音を良好な音質で聴くことが可能になる。
以上のように、本実施の形態の音響再生装置は、再生音処理部20において、再生音の所定の周波数帯域におけるレベルを分析する。疑似エンジン音再生装置10は、車両情報に基づく疑似エンジン音を発生する。疑似エンジン音再生装置10は、車両情報に基づく疑似エンジン音の周波数において再生音のレベルが所定の閾値を超えるか否かを再生音処理部20の分析結果に基づいて判定する。疑似エンジン音再生装置10は、発生する疑似エンジン音の周波数において再生音のレベルが所定の閾値を超えた場合、車両情報に基づき発生する疑似エンジン音を抑圧し、疑似エンジン音の倍音成分を発生して出力する。
これにより、車両情報に基づく疑似エンジン音の周波数において再生音のレベルが所定の閾値を超えたことを判定した場合には、車両情報に基づき発生する疑似エンジン音が再生音に干渉を与えるものと判定することができる。この干渉の判定が行われた場合には発生する疑似エンジン音を抑圧する。この結果、疑似エンジン音と再生音との干渉が軽減されて、再生音に悪影響を与えることが防止される。また、車両情報に基づき発生する疑似エンジン音の倍音成分を発生して出力することにより、倍音に基づくミッシングファンダメンタル効果によって、聴覚上、車両情報に基づく疑似エンジン音と同様の音質の疑似エンジン音を得ることができる。
また、本実施の形態の音響再生装置は、疑似エンジン音再生装置10が、再生音処理部20の分析結果に基づいて、車両情報に基づく疑似エンジン音の周波数が再生音の周波数帯域に含まれるか否かの周波数条件の判定、及び前記再生音のレベルが所定の閾値を超えているか否かのレベル条件の判定を行う。これにより、周波数条件とレベル条件の判定に基づき、車両情報に基づく疑似エンジン音が再生音に干渉を与えるか否かを判定することができる。
また、本実施の形態の音響再生装置は、疑似エンジン音再生装置10が、干渉判定器12と倍音生成器13とを有して構成される。干渉判定器12は、再生音処理部20の分析結果に基づき、周波数条件及びレベル条件の判定を行って、車両情報に基づく疑似エンジン音が再生音に干渉するか否かを判定する。倍音生成器13は、疑似エンジン音が再生音に干渉する判定結果となった場合、車両情報に基づき再生する疑似エンジン音の倍音を発生する。これにより、車両情報に基づく疑似エンジン音が再生音に干渉すると判定された場合には、疑似エンジン音の基音の代わりにその倍音を発生することになり、倍音成分によるミッシングファンダメンタル効果によって、聴覚上、車両情報に基づく疑似エンジン音と同様の音質の疑似エンジン音を得ることができる。
また、本実施の形態の音響再生装置は、再生音処理部20が、バンドパスフィルタと信号レベル検出器22とを有して構成される。バンドパスフィルタは、所定の周波数帯域の再生音を通過させ、信号レベル検出器22は、バンドパスフィルタを通過した再生音のレベルを検出する。これにより、例えば、車両情報に基づく疑似エンジン音の周波数帯域における再生音のレベルを周波数帯域ごとに細かく検出することができる。なお、本実施の形態の音響再生装置は、再生音処理部20が疑似エンジン音の周波数帯域における再生音のレベルを周波数帯域毎に検出できれば、どのような構成であってもよい。例えば、入力された再生音に対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)、または離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)を用いることができる。これによって、再生音を周波数領域の関数などへ変換した上で、周波数帯域毎のエネルギーを算出するといった手法を用いて、再生音のレベルを周波数帯域毎に検出できる。
また、本実施の形態の音響再生装置は、疑似エンジン音再生装置10が発生する車両情報に基づく疑似エンジン音が、複数の周波数成分を有し、疑似エンジン音再生装置10は、疑似エンジン音の複数の周波数成分のうち支配的な周波数成分を抑圧し、支配的な周波数成分の倍音成分を発生して出力する。これにより、レベルが比較的高い支配的な周波数成分が抑圧されることで、再生音への影響が著しく軽減される。また、支配的な周波数成分の倍音を発生することで、車両情報に基づく疑似エンジン音と同様の音質の疑似エンジン音を得ることができる。
また、本実施の形態の音響再生装置は、車両情報に基づく疑似エンジン音が、基音及びその倍音の周波数成分を有し、疑似エンジン音再生装置10は、疑似エンジン音の複数の周波数成分のうち基音を支配的な周波数成分として抑圧し、基音の倍音を発生して出力する。これにより、レベルが比較的高い支配的な周波数成分である基音が抑圧されるので、再生音への影響が著しく軽減される。また、基音の倍音を発生することで、車両情報に基づく疑似エンジン音と同様の音質の疑似エンジン音を得ることができる。
また、本実施の形態の音響再生装置は、再生音処理部20が、所定の周期で、再生音の所定の周波数帯域におけるレベルを分析し、疑似エンジン音再生装置10が、所定の周期で、再生音処理部20の分析結果に基づく判定を行い、判定結果に基づいて車両情報に基づく疑似エンジン音の抑圧及び疑似エンジン音の倍音の発生を行う。これにより、車両情報に基づく疑似エンジン音及び再生音の変化に応じて、疑似エンジン音の抑圧及びその疑似エンジン音の倍音の発生が行われ、継続して干渉が軽減された再生音と車両情報に対応した疑似エンジン音とを含む音響を再生出力できる。
また、本実施の形態の音響再生方法は、車両情報に基づく疑似エンジン音を発生する疑似エンジン音再生装置を備えた音響再生装置における音響再生方法であって、再生音の所定の周波数帯域におけるレベルを分析し、発生する疑似エンジン音の周波数において再生音のレベルが所定の閾値を超えた場合、車両情報に基づき発生する疑似エンジン音を抑圧し、疑似エンジン音の倍音成分を発生して出力する。これにより、疑似エンジン音と再生音との干渉を抑制可能であるとともに、疑似エンジン音及び再生音を良好な音質で聴くことが可能な音響を再生出力できる。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
本開示は、疑似エンジン音と再生音との干渉を軽減することを実現可能にした音響再生装置及び音響再生方法として有用である。
3 合成回路
4 スピーカ
10 疑似エンジン音再生装置
11 エンジン音強調部
12 干渉判定器
13 倍音生成器
15 倍音生成器
16 制御部
17 合成回路
20 再生音処理部
21 音響処理部
22 信号レベル検出器
I1 入力端子
I2 入力端子
A1〜AN アンプ
G1〜GN 発振器
T1〜TN ゲイン設定部

Claims (8)

  1. 再生音の所定の周波数帯域におけるレベルを分析する再生音処理部と、
    車両情報に基づく疑似エンジン音を発生する疑似エンジン音再生装置と、を備え、
    前記疑似エンジン音再生装置は、前記発生する疑似エンジン音の周波数において前記再生音のレベルが所定の閾値を超えた場合、前記車両情報に基づき発生する疑似エンジン音を抑圧し、前記疑似エンジン音の倍音成分を発生して出力する、
    音響再生装置。
  2. 請求項1に記載の音響再生装置であって、
    前記疑似エンジン音再生装置は、前記再生音処理部の分析結果に基づいて、前記車両情報に基づく疑似エンジン音の周波数が前記再生音の周波数帯域に含まれるか否かの周波数条件の判定、及び前記再生音のレベルが所定の閾値を超えているか否かのレベル条件の判定を行う、
    音響再生装置。
  3. 請求項2に記載の音響再生装置であって、
    前記疑似エンジン音再生装置は、
    前記再生音処理部の分析結果に基づき、前記周波数条件及び前記レベル条件の判定を行い、前記車両情報に基づく疑似エンジン音が前記再生音に干渉するか否かを判定する干渉判定器と、
    前記疑似エンジン音が前記再生音に干渉する判定結果となった場合、前記車両情報に基づき再生する疑似エンジン音の倍音を発生する倍音生成器と、
    を有する、音響再生装置。
  4. 請求項1に記載の音響再生装置であって、
    前記再生音処理部は、
    前記所定の周波数帯域の前記再生音を通過させるバンドパスフィルタと、
    前記バンドパスフィルタを通過した前記再生音のレベルを検出する信号レベル検出器と、
    を有する、音響再生装置。
  5. 請求項1に記載の音響再生装置であって、
    前記発生する車両情報に基づく疑似エンジン音は、複数の周波数成分を有し、
    前記疑似エンジン音再生装置は、前記疑似エンジン音の複数の周波数成分のうち支配的な周波数成分を抑圧し、前記支配的な周波数成分の倍音成分を発生して出力する、
    音響再生装置。
  6. 請求項5に記載の音響再生装置であって、
    前記発生する車両情報に基づく疑似エンジン音は、基音及びその倍音の周波数成分を有し、
    前記疑似エンジン音再生装置は、前記疑似エンジン音の複数の周波数成分のうち前記基音を支配的な周波数成分として抑圧し、前記基音の倍音を発生して出力する、
    音響再生装置。
  7. 請求項1に記載の音響再生装置であって、
    前記再生音処理部は、所定の周期で、前記再生音の所定の周波数帯域におけるレベルを分析し、
    前記疑似エンジン音再生装置は、所定の周期で、前記再生音処理部の分析結果に基づく判定を行い、判定結果に基づいて前記車両情報に基づく疑似エンジン音の抑圧及び前記疑似エンジン音の倍音の発生を行う、
    音響再生装置。
  8. 車両情報に基づく疑似エンジン音を発生する疑似エンジン音再生装置を備えた音響再生装置における音響再生方法であって、
    再生音の所定の周波数帯域におけるレベルを分析し、
    前記発生する疑似エンジン音の周波数において前記再生音のレベルが所定の閾値を超えた場合、前記車両情報に基づき発生する疑似エンジン音を抑圧し、前記疑似エンジン音の倍音成分を発生して出力する、
    音響再生方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114827825A (zh) * 2021-01-22 2022-07-29 本田技研工业株式会社 有源式音效发生装置

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