JP2020097758A - 真空蒸着用粒体 - Google Patents

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英司 岸川
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【課題】真空蒸着用材料を真空蒸着装置の蒸着源に供給して充填する際に真空蒸着装置の供給部の閉塞を生じさせず、入手容易性に優れた真空蒸着用粒体を提供すること。【解決手段】式:ABx[式中、Aは、アルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子を示し、Bは、ハロゲン原子を示し、およびxは1または2である]で表される化合物を含有する粒子から構成される真空蒸着用粒体であって、粒子の垂直投影図により示される形状の輪郭を面積相当近似法により楕円形へ変換したときの該楕円形の下記式(i)で定義される扁平率が40%以下である粒子の個数の割合が80%を超える、真空蒸着用粒体。扁平率=〔(長軸寸法−短軸寸法)/長軸寸法〕×100 (i)【選択図】なし

Description

本発明は、真空蒸着用粒体およびその製造方法、並びに真空蒸着用粒体から形成された蒸着膜を有する有機電子デバイスに関する。
特許文献1には、2元素以上からなる物質を、物質が蒸着する温度まで加熱された蒸着源に粒径が100〜1000μmの粉体を少量ずつ供給して基板上に成膜する蒸着方法が提案されている。特許文献2には、蒸発材料からなる等寸法球形材料が同時に1個だけ通過可能な孔を設けた円盤を備える蒸着材料の供給装置が提案されている。
特開昭60−145373号公報 特開平10−140334号公報
特許文献1に記載の蒸着方法では、粒体を供給する供給装置に閉塞が発生する場合がある。特許文献2に記載の真空蒸着用材料は入手容易性に優れるものではない。
本発明の目的は、真空蒸着装置の供給部において閉塞を生じさせず、入手容易性に優れた真空蒸着用粒体を提供することである。
本発明には以下の態様[1]〜[9]が含まれる。
[1] 式(1):
AB (1)
[式中、Aは、アルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子を示し、Bは、ハロゲン原子を示し、およびxは1または2である]
で表される化合物を含有する粒子から構成される真空蒸着用粒体であって、下記条件(a)を満たす前記粒子の個数の割合が80%を超える、真空蒸着用粒体。
条件(a):前記粒子の垂直投影図により示される形状の輪郭を面積相当近似法により楕円形へ変換したときの該楕円形の下記式(i)で定義される扁平率が40%以下である。
扁平率=〔(長軸寸法−短軸寸法)/長軸寸法〕×100 (i)
[2] 下記条件(b)を満たす前記粒子の個数の割合が70%以上である、[1]に記載の真空蒸着用粒体。
条件(b):前記楕円形の外周寸法に対する前記粒子の垂直投影図により示される形状の外周寸法の割合が150%以下である。
[3] 下記条件(c)を満たす前記粒子を含む、[1]または[2]に記載の真空蒸着用粒体。
条件(c):前記粒子の垂直投影図により示される形状を、前記長軸寸法を10等分した長さを単位格子の1辺の長さとする正方格子により分割したときに、前記単位格子を構成する1辺において、該1辺と前記粒子の垂直投影図により示される形状の輪郭との交点を2つ有する単位格子であって、前記2つの交点における前記輪郭についての接線がなす角度の前記1辺側の角度が100度以下である単位格子の数が3未満である。
[4] 前記粒子は、粒子の質量を基準に前記式(1)で表される化合物を99質量%以上含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の真空蒸着用粒体。
[5] 前記式(1)で表される化合物はフッ化ナトリウムである、[1]〜[4]のいずれかに記載の真空蒸着用粒体。
[6] 基材、第1電極層、有機機能層、[1]〜[5]のいずれかに記載の真空蒸着用粒体から構成される蒸着膜、および第2電極層がこの順に積層された有機電子デバイス。
[7] [6]に記載の有機電子デバイスの製造方法であって、
真空蒸着法により蒸着膜を形成する工程
を含む製造方法。
[8] 前記蒸着膜を形成する工程は、
前記真空蒸着用粒体を蒸着源に連続的に供給する供給工程と、
前記蒸着源から真空蒸着用材料を真空蒸着する蒸着工程と
を含む、[7]に記載の製造方法。
[9] 式(1):
AB (1)
[式中、Aは、アルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子を示し、Bは、ハロゲン原子を示し、xは1または2である]
で表される化合物を含有する粒子であって、下記条件(a1)および(c1)を満たす粒子。
条件(a1):前記粒子の垂直投影図により示される形状の輪郭を面積相当近似法により楕円形へ変換したときの該楕円形の下記式(i)で定義される扁平率が50%以下である。
扁平率=〔(長軸寸法−短軸寸法)/長軸寸法〕×100 (i)
条件(c1):前記粒子の垂直投影図により示される形状を、前記長軸寸法の10等分した長さを単位格子の1辺の長さとする正方格子により分割したときに、前記単位格子を構成する1辺において、該1辺と前記粒子の垂直投影図により示される形状の輪郭との交点を2つ有する単位格子であって、前記2つの交点における前記輪郭についての接線がなす角度の前記1辺側の角度が100度以下である単位格子の数が3未満である。
本発明の一態様によれば、真空蒸着用材料を真空蒸着装置の蒸着源に供給して充填する際に真空蒸着装置の供給部の閉塞を生じさせず、入手容易性に優れた真空蒸着用粒体を提供することができる。
有機ELデバイスの概略的断面図である。 実施例1の真空蒸着用粒体を構成する粒子の垂直投影図、2値化形状、輪郭、近似楕円および分割垂直投影図である。 実施例2の真空蒸着用粒体を構成する粒子の垂直投影図、2値化形状、輪郭、近似楕円および分割垂直投影図である。 比較例1の真空蒸着用粒体を構成する粒子の垂直投影図、2値化形状、輪郭、近似楕円および分割垂直投影図である。
<真空蒸着用粒体>
本発明の一態様に係る真空蒸着用粒体(以下、粒体ともいう)は、式(1):
AB (1)
[式中、Aは、アルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子を示し、Bは、ハロゲン原子を示し、およびxは1または2である]
で表される化合物(以下、化合物1ともいう)を含有する粒子(以下、単に「粒子」ともいう)から構成される集合体であり、通常2以上の粒子から構成される。粒子とは、光学顕微鏡観察により観察される形状で判別できる、粒体の最小構成単位をいう。光学顕微鏡観察は、粒子の外形が最も鮮明となる条件で、通常5倍の対物倍率で落射光により行う。通常、粒子は、化合物1の単結晶体、多結晶体またはそれらの集合体若しくは焼結体から構成される。
式(1)におけるアルカリ金属原子としては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等が挙げられる。
式(1)におけるアルカリ土類金属原子としては、例えばマグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム等が挙げられる。
式(1)におけるハロゲン原子としては、例えばフッ素、臭素、塩素、ヨウ素等が挙げられる。
化合物1としては、例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属のフッ化物、臭化物、塩化物、ヨウ化物等が挙げられる。中でも入手し易い傾向にあることから、アルカリ金属のフッ化物が好ましく、フッ化ナトリウムがより好ましい。
粒子中の化合物1の含有量は例えば99質量%以上であってよく、好ましくは99.5質量%以上であり、より好ましくは99.9質量%以上である。上記含有量が99質量%以上である場合、真空蒸着の際に不純ガスが発生しにくい傾向にある。
粒体は、下記条件(a)を満たす粒子の個数の割合が80%以上である。
条件(a):粒子の垂直投影図により示される形状の輪郭を面積相当近似法により楕円形へ変換したときの楕円形の下記式(i)で定義される扁平率(以下、扁平率ともいう)が40%以下である。
扁平率=〔(長軸寸法−短軸寸法)/長軸寸法〕×100 (i)
面積相当近似法により変換された楕円形(以下、楕円形ともいう)には、円形も含まれる。楕円形が円形である場合、式(i)における長軸寸法および短軸寸法は同一となる。扁平率は、後述する実施例の欄において説明する方法に従って測定することができる。
なお、粒体が条件(a)、および後述の条件(a’)、(a’’)、(b)および(b’)を満たすかどうかの判断は、粒体を構成する全粒子について、または粒体が35個を超える粒子から構成される場合は35個の粒子について測定を行い、判断を行う。例えば粒体が35個を超える粒子から構成される場合、粒体から35個の粒子を任意に採取して測定し、上記条件を満たすかどうか判断し、その結果に基づいて上記条件を満たす粒子の個数の割合を求める。したがって、条件(a)、および後述の条件(a’)、(a’’)、(b)および(b’)を満たす粒子の個数の割合とは、粒体を構成する全粒子に対する、または粒体が35個を超える粒子から構成される場合は35個の粒子に対する割合をいう。
条件(a)を満たす粒子の個数の割合が80%未満である場合、真空蒸着装置の蒸着源に蒸着材料を供給する際、供給部内で粒子同士が引っ掛かり、供給部の閉塞が発生し、安定的に蒸着源へ材料を供給することができなくなる。これは、扁平率が40%を超える粒子は粒体の流動性が低く、その扁平率が40%を超える粒子の割合が多くなることで供給部の閉塞が発生するためであると推定される。
粒体中の条件(a)を満たす粒子の個数の割合を80%以上とするには、粒子の原料の選定や、粒子の製造条件、例えば焼成温度・時間の調節、粉砕法の選定等により行うことができる。例えば、粉砕粒子を焼結する際の焼成温度を高くすると粒子の扁平率は下がる傾向にある。
粒体は、条件(a)を満たす粒子の個数の割合が好ましくは82%以上であり、より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは90%以上であり、特に好ましくは92%以上である。
粒体は、例えば下記条件(a’)を満たす粒子の個数の割合が55%以上であってよい。
条件(a’):扁平率が30%以下である。
粒体は、下記条件(a’)を満たす粒子の個数の割合が好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは75%以上であり、特に好ましくは80%以上である。
粒体は、下記条件(a’’)を満たす粒子の個数の割合が25%以上であってよい。
条件(a’’):扁平率が20%以下である。
粒体は、下記条件(a’’)を満たす粒子の個数の割合が好ましくは28%以上であり、より好ましくは30%以上であり、さらに好ましくは32%以上であり、特に好ましくは35%以上である。
粒体は、好ましくは下記条件(b)を満たす粒子の個数の割合が70%以上である。
条件(b):粒子の垂直投影図により示される形状の輪郭を面積相当近似法により楕円形へ変換したときの楕円形の外周寸法に対する粒子の垂直投影図により示される形状の外周寸法の割合(以下、外周比ともいう)が150%以下である。
外周比は、後述する実施例の欄において説明する方法に従って測定することができる。
有機電子デバイスの蒸着膜に用いられるイオン結晶化合物は、一般に、閃亜鉛鉱型構造や塩化ナトリウム型構造等の立方晶系の結晶構造を有するため、その粒子は角張った形状を有していることが多い。本発明者らは、この角張った形状が、供給部の閉塞を起こす1つの原因であることを突止め、粒子が条件(b)および/または後述する条件(c)を満たす場合であれば、粒子において上記角張った部分が少ない傾向にあることを見出した。条件(b)および/または条件(c)を満たす粒子は、輪郭が、平滑な輪郭を有する楕円形の形状に近づくため、粒子表面の微細な凹凸や角張った部分が少なく、粒子の流動性に優れる傾向にあると推定される。その結果、粒子が条件(b)および/または条件(c)を満たす場合、真空蒸着装置の供給部内での粒子同士の引っ掛かりが起こりにくくなり、安定的に材料供給し易くなる傾向にある。
粒子が条件(b)を満たすようにするには、粒子の原料の選定や、粒子の製造条件、例えば焼成温度・時間の調節、粉砕法の選定等により行うことができる。
粒体は、条件(b)を満たす粒子の個数の割合が好ましくは80%以上であり、より好ましくは90%以上である。
粒体は、条件(a)および条件(b)を満たす粒子の個数の割合が好ましくは50%以上であり、より好ましくは60%以上であり、さらに好ましくは70%以上であり、特に好ましくは80%以上である。
粒体は、好ましくは下記条件(b)を満たす粒子の個数の割合が45%を超える。
条件(b’):外周比が140%以下である。
粒体は、条件(a)および条件(b’)を満たす粒子の個数の割合が好ましくは35%以上であり、より好ましくは40%以上であり、さらに好ましくは50%以上であり、特に好ましくは60%以上である。
粒体は、好ましくは下記条件(c)を満たす粒子を含む。
条件(c):粒子の垂直投影図により示される形状を、楕円形の長軸寸法を10等分した長さを単位格子の1辺の長さとする正方格子により分割したときに、単位格子を構成する1辺において、この1辺と粒子の垂直投影図により表される形状の輪郭との交点を2つ有する単位格子であって、この2つの交点における輪郭についての接線がなす角度の1辺側の角度が100度以下である単位格子(以下、特定単位格子ともいう)の数が3未満である。
特定単位格子数は、後述する実施例の欄において説明する方法に従って測定することができる。
粒体が条件(c)を満たす粒子を含む場合、真空蒸着装置の蒸着源に粒体を供給する際に、供給部内で粒子同士が引っ掛かりにくくなり、安定的に材料供給し易くなる傾向にある。これは、特定単位格子数が3未満である場合、粒子表面の微細な凹凸や角張った部分が少なくなり、粒子の流動性が向上する傾向にあることが推定される。
粒体を構成する粒子は、条件(c)を満たす粒子の個数の割合が、例えば20%以上であってよく、より好ましくは40%以上、さらに好ましくは60%以上、特に好ましくは80%以上であり、とりわけ好ましくは全ての粒子が条件(c)を満たす。条件(c)を満たす粒子の割合は、粒体を構成する全粒子について、または粒体が5個を超える粒子から構成される場合は5個の粒子について測定を行い、その結果に基づいて割合を求める。したがって、条件(c)を満たす粒子の個数の割合とは、粒体を構成する全粒子に対する、または粒体が55個を超える粒子から構成される場合は5個の粒子に対する割合をいう。
粒子が条件(c)を満たすようにするには、粒子の原料の選定や、粒子の製造条件、例えば焼成温度・時間の調節、粉砕法の選定等により行うことができる。
なお、粒体が条件(c)を満たすかどうか判断を行う際には、粒体から任意の1個の粒子を採取して、その粒子の測定結果に基づいて判断を行う。
粒体は、真空蒸着法により形成される蒸着膜の材料として好適である。粒体は、とりわけ有機ELデバイス、有機太陽電池、有機フォトディテクタ、有機トランジスタ等の有機電子デバイスの蒸着膜用材料として好ましく用いられる。
<粒子>
本発明の一態様に係る粒子は、式(1):
AB (1)
[式中、Aは、アルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子を示し、Bは、ハロゲン原子を示し、およびxは1または2である]
で表される化合物を含有する粒子であって、下記条件(a1)および(c1)を満たす。
条件(a1):粒子の垂直投影図により示される形状の輪郭を面積相当近似法により楕円形へ変換したときの該楕円形の下記式(i)で定義される扁平率(以下、扁平率ともいう)が50%以下である。
扁平率=〔(長軸寸法−短軸寸法)/長軸寸法〕×100 (i)
条件(c1):粒子の垂直投影図により示される形状の輪郭を面積相当近似法により楕円形へ変換し、この輪郭を、楕円形の長軸寸法の10等分した長さを単位格子の1辺の長さとする正方格子により分割したときに、単位格子を構成する1辺において、この1辺と粒子の垂直投影図により表される形状の輪郭との交点を2つ有する単位格子であって、この2つの交点における輪郭についての接線がなす角度の1辺側の角度が100度以下である単位格子(以下、特定単位格子ともいう)の数が3未満である。
扁平率および特定単位格子は、後述する実施例の欄において説明する方法に従って測定することができる。
式(1)におけるアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子およびハロゲン原子、並びに式(1)で表される化合物の例は、上述の粒体における説明で例示したものと同じである。
扁平率が50%を超えるか、または特定単位格子数が3以上である粒子の場合、真空蒸着装置の蒸着源に粒体を供給する際、供給部内で粒子同士が引っ掛かり易くなり、安定的に材料供給できなくなる傾向にある。これは、扁平率が50%を超えるか、または特定単位格子数が3以上である粒子は流動性が低い傾向にあり、粒子が供給部内で滑らかに流動できなくなるためであると推定される。これに対し、扁平率が50%以下であり、かつ特定単位格子数が3未満である場合、粒子が供給部内で滑らかに流動でき、供給部内で粒子同士の引っ掛かりが起こりにくくなると推定される。
条件(a1)を満たす粒子を得るには、原料の選定や、粒子の製造条件、例えば焼成温度・時間の調節、粉砕法の選定等により行うことができる。例えば、焼成温度を高くすると粒子の扁平率は下がる傾向にあり、焼成時間を長くする粒子の扁平率は下がる傾向にある。
条件(c1)を満たす粒子を得るには、原料の選定や、粒子の製造条件、例えば焼成温度・時間の調節、粉砕法の選定等により行うことができる。例えば、焼成温度を高くすると粒子の扁平率は下がる傾向にあり、焼成時間を長くする粒子の扁平率は下がる傾向にある。
条件(a1)における扁平率は、好ましくは0%を超え40%以下であり、より好ましくは0.1〜30%であり、特に好ましくは1〜20%である。
条件(c1)における特定単位格子数は、好ましくは2未満であり、より好ましくは0でる。
長軸寸法は、例えば0.01〜50mmであってよく、好ましくは0.1〜20mm、より好ましくは0.2〜10mmである。短軸寸法は、例えば0.005〜25mmであってよく、好ましくは0.05〜10mm、より好ましくは0.1〜5mmである。
粒子は、好ましくは下記条件(b1)を満たす。
条件(b1):粒子の垂直投影図により示される形状の輪郭を面積相当近似法により楕円形へ変換したときの楕円形の外周寸法に対する粒子の垂直投影図により示される形状の外周寸法の割合(以下、外周比ともいう)が150%以下である。
外周比は、後述する実施例の欄において説明する方法に従って測定することができる。
粒子が条件(b1)を満たす場合、真空蒸着装置の蒸着源に粒体を供給する際に、供給部内での粒子同士が引っ掛かりにくくなり、安定的に材料供給し易くなる傾向にある。外周比が100%に近づく場合、粒子表面の微細な凹凸や角張った部分が少なくなり、粒子の流動性が向上し易くなる傾向にあることが推定される。
粒子が条件(b1)を満たすようにするには、粒子の原料の選定や、粒子の製造条件、例えば焼成温度・時間の調節、粉砕法の選定等により行うことができる。
条件(b1)における外周比は好ましくは140%以下であり、より好ましくは130%以下であり、特に好ましくは120%以下である。
<粒体の製造方法>
粒体の製造方法は、化合物1の結晶を粉砕する工程(以下、粉砕工程ともいう)、および粉砕した結晶を焼結する工程(以下、焼結工程ともいう)を含む。
粉砕工程において、化合物1の結晶を粉砕する方法としては、特に限定されないが例えば乾式ボールミル、湿式ボールミル、乾式ビーズミル、湿式ビーズミル、ジェットミル、遊星ボールミル、ヘンシェルミキサー等を用いた粉砕法が挙げられる。粉砕法や粉砕時間等は、粉砕する化合物1の結晶の大きさや量に応じて適宜選択することができる。粉砕時間としては、例えば30秒間〜120分間であってよい。化合物1を粉砕した後、粉砕した結晶は、焼結前に乾燥することができる。
焼結工程において、粉砕した結晶の焼結は、真空中または不活性ガス雰囲気中で行うことができる。焼結温度としては、例えば200℃〜1800℃であってよく、好ましくは400℃〜1500℃、より好ましくは600℃〜1200℃である。焼結時間としては、例えば0.5〜20時間であってよく、好ましくは1〜10時間、より好ましくは1.5〜5時間である。
粒体の製造方法は、焼結工程後、焼結した結晶を分級するための分級工程をさらに含んでよい。分級は、例えば振動ふるい機等を用いて行うことができる。
<有機電子デバイス>
有機電子デバイスは、基材、第1電極層、有機機能層、真空蒸着用粒体から構成される蒸着膜、および第2電極層がこの順に積層されたものである。真空蒸着用粒体としては、上述の本発明の一態様に係る真空蒸着用粒体を用いることができる。有機電子デバイスとしては、有機ELデバイス、有機太陽電池、有機フォトディテクタ、有機トランジスタ等が挙げられる。
以下では、本発明の一態様に係る有機電子デバイスが有機ELデバイスである場合について説明する。図1に示す本発明の一態様に係る有機ELデバイス10は、基板11上に、陽極12(第1電極層)、有機機能層13、蒸着膜14、陰極15(第2電極層)を順に備える。有機ELデバイスは、陽極側から光を出射する形態、または陰極側から光を出射する形態を取り得る。以下では、断らない限り、陽極側から光を出射する形態について説明する。
[基板]
基板11は、可視光(波長400nm〜800nmの光)に対して透光性を有する。基板11は、ガラス基板またはフィルム状の基板であり得る。基板11の厚みは、例えば30μm以上700μm以下である。基板11は、長尺状であっても、枚葉状であってもよい。
フィルム状の基板としては、プラスチックフィルムまたは高分子フィルムである。フィルム状の基板の材料としては、例えばポリエーテルスルホン(PES);ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、環状ポリオレフィン等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリビニルアルコール樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物;ポリアクリロニトリル樹脂;アセタール樹脂;ポリイミド樹脂;エポキシ樹脂等が挙げられる。
基板11には、有機ELデバイスを駆動するための駆動回路(例えば、薄膜トランジスタなどを含む回路)が形成されていてもよい。このような駆動回路は、通常、透明材料から構成される。
基板11の表面上には、バリア膜が形成されていてもよい。バリア膜は、例えば、ケイ素、酸素および炭素からなる膜、または、ケイ素、酸素、炭素および窒素からなる膜であり得る。具体的には、バリア膜の材料の例は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素等である。バリア膜の厚みの例は、100nm〜10μmである。
[陽極]
陽極12は、基板の表面上に設けられている。陽極12には、光透過性を示す電極が用いられる。光透過性を示す電極としては、電気伝導度の高い金属酸化物、金属硫化物および金属等の薄膜を用いることができ、光透過率の高い薄膜が好適に用いられる。陽極12は、導電体(例えば金属)からなるネットワーク構造を有してもよい。
陽極12の材料としては、例えば酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:略称IZO)、金、白金、銀、銅等が挙げられ、これらの中でもITO、IZO、または酸化スズが好ましい。陽極12は、例示した材料からなる薄膜として形成され得る。陽極12の材料には、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体等の有機物を用いてもよい。この場合、陽極12は、透明導電膜として形成され得る。
陽極12の厚みは、光の透過性や、電気伝導度等を考慮して決定することができる。陽極12の厚みは、通常、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
[有機機能層]
有機機能層13は、陽極および陰極に印加された電力(例えば電圧)に応じて、電荷の移動および電荷の再結合などの有機ELデバイスの発光に寄与する機能部である。
有機機能層13は、光を発する機能層である発光層を有する。発光層の厚さは、例えば1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは10nm〜300nmである。
発光層は、通常、主として蛍光およびりん光の少なくとも一方を発光する有機物、または、その有機物とその有機物を補助するドーパント材料とから形成される。ドーパント材料は、例えば発光効率の向上や、発光波長を変化させるために加えられる。発光層に含まれる有機物は、低分子化合物でも高分子化合物でもよい。
発光層は、陽極上に設けられており、所定の波長の光を発光する機能を有する機能層である。発光層の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように適宜設定される。発光層の厚さは、例えば1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは10nm〜200nmである。
発光層の材料は、公知の発光層用の材料であればよい。発光層は、通常、主として蛍光および/またはりん光を発光する有機物、或いは、該有機物とこれを補助するドーパントを含む。ドーパントは、例えば発光効率の向上や、発光波長を変化させるために加えられる。発光層16に含まれる有機物は、低分子化合物でも高分子化合物でもよい。発光層16を構成する発光材料としては、下記の色素系材料、金属錯体系材料、高分子系材料等の主として蛍光および/またはりん光を発光する有機物、ドーパント材料等が挙げられる。
色素系材料としては、例えばシクロペンダミン若しくはその誘導体、テトラフェニルブタジエン若しくはその誘導体、トリフェニルアミン若しくはその誘導体、オキサジアゾール若しくはその誘導体、ピラゾロキノリン若しくはその誘導体、ジスチリルベンゼン若しくはその誘導体、ジスチリルアリーレン若しくはその誘導体、ピロール若しくはその誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン若しくはその誘導体、ペリレン若しくはその誘導体、オリゴチオフェン若しくはその誘導体、オキサジアゾールダイマー若しくはその誘導体、ピラゾリンダイマー若しくはその誘導体、キナクリドン若しくはその誘導体、クマリン若しくはその誘導体等が挙げられる。
金属錯体系材料としては、例えばTb、Eu、Dyなどの希土類金属、またはAl、Zn、Be、Pt、Ir等を中心金属に有し、オキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を配位子に有する金属錯体等が挙げられる。金属錯体としては、例えばイリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミニウムキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、フェナントロリンユーロピウム錯体等が挙げられる。
高分子系材料としては、例えばポリパラフェニレンビニレン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリパラフェニレン若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、ポリアセチレン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、上記色素材料および金属錯体材料の少なくとも一方を高分子化した材料等が挙げられる。
ドーパント材料としては、例えばペリレン若しくはその誘導体、クマリン若しくはその誘導体、ルブレン若しくはその誘導体、キナクリドン若しくはその誘導体、スクアリウム若しくはその誘導体、ポルフィリン若しくはその誘導体、スチリル色素、テトラセン若しくはその誘導体、ピラゾロン若しくはその誘導体、デカシクレン若しくはその誘導体、フェノキサゾン若しくはその誘導体等が挙げられる。
有機機能層13は、発光層と、他の機能層を含む積層体でもよい。陽極12と発光層との間に設けられる機能層としては、例えば正孔注入層、正孔輸送層等が挙げられる。陰極15と発光層との間に設けられる機能層としては、例えば電子輸送層等が挙げられる。正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層の厚みは、有機ELデバイスのデバイス性能などに応じて適宜設定され得る。
正孔注入層は、陽極12から発光層への正孔注入効率を改善する機能を有する機能層である。正孔注入層の材料には、公知の正孔注入材料が用いられ得る。正孔注入材料としては、例えば酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、および酸化アルミニウム等の酸化物、フェニルアミン化合物、スターバースト型アミン化合物、フタロシアニン化合物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、およびポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体が挙げられる。
正孔輸送層は、陽極12、正孔注入層または陽極12により近い正孔輸送層から発光層への正孔注入効率を改善する機能を有する機能層である。正孔輸送層の材料には、公知の正孔輸送材料が用いられ得る。正孔輸送層の材料としては、例えばポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン若しくはその誘導体、ピラゾリン若しくはその誘導体、アリールアミン若しくはその誘導体、スチルベン若しくはその誘導体、トリフェニルジアミン若しくはその誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体等が挙げられる。正孔輸送層の材料としては、例えば特開2012−144722号公報に開示されている正孔輸層材料も挙げられる。
電子輸送層は、陰極15または陰極15により近い電子輸送層から発光層への電子注入効率を改善する機能を有する機能層である。電子輸送層を構成する電子輸送材料には、公知の材料が用いられ得る。電子輸送層を構成する電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、または8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体などが挙げられる。
上述した各種の機能層を含む有機機能層13の層構成の例を以下に示す。
(a)(陽極)/正孔注入層/発光層/(蒸着膜/陰極)
(b)(陽極)/正孔注入層/発光層/電子輸送層/(蒸着膜/陰極)
(c)(陽極)/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/(蒸着膜/陰極)
(d)(陽極)/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/(蒸着膜/陰極)
(e)(陽極)/発光層/(蒸着膜/陰極)
(f)(陽極)/発光層/電子輸送層/(蒸着膜/陰極)
記号「/」は、記号「/」の両側の層同士が接合していることを意味する。
有機機能層13は単層の発光層を有していても2層以上の発光層を有していてもよい。電荷発生層を設けずに、複数の発光層を直接的に積層させて有機機能層13を構成してもよい。なお、電荷発生層とは、電極の役割をする層である。
[蒸着膜]
蒸着膜14は、真空蒸着用粒体から形成される膜であり、無機物から形成される無機膜である。蒸着膜14の厚みは、例えば0.5nm〜20nmであり、好ましくは1nm〜10nmである。真空蒸着用粒体は、上述の本発明の一態様に係る真空蒸着用粒体を用いることができる。蒸着膜14は、電子注入層として働くことができる。蒸着膜14は、陰極15側の有機機能層13上に形成してよく、有機機能層13側の陰極15上に形成してもよい。
電子注入層は、陰極15から発光層への電子注入効率を改善する機能を有する。電子注入層の材料には、上述の真空蒸着用粒体が用いられる。
[陰極]
陰極15は、発光層上に設けられている。陰極15の厚みは、用いる材料によって最適値が異なり、電気伝導度、耐久性等を考慮して設定される。陰極15の厚みは、通常、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
有機ELデバイス10は、少なくとも有機機能層13を封止する封止部を備えてもよい。また、引出電極を備えていてもよい。
<有機電子デバイスの製造方法>
本発明の一態様に係る有機電子デバイスの製造方法は、真空蒸着法により蒸着膜を形成する工程(以下、蒸着膜形成工程ともいう)を含む。蒸着膜形成工程は、真空蒸着用粒体を蒸着源に連続的に供給する供給工程、および蒸着源から真空蒸着用材料を真空蒸着する蒸着工程を含み得る。
有機電子デバイスの製造方法は、基板上に陽極(第1電極層)を形成する工程(陽極形成工程)、有機機能層を形成する工程(有機機能層形成工程)、上記蒸着膜形成工程、および陰極(第2電極層)を形成する工程(陰極形成工程)を含む製造方法であってよい。
[陽極形成工程]
陽極形成工程では、基板上に陽極を形成する。基板上に陽極を形成する方法としては、例えば真空成膜法、イオンプレーティング法、メッキ法、塗布法等が挙げられる。塗布法としては、例えばインクジェット印刷法が挙げられるが、陽極14を形成可能な塗布法であれば、他の公知の塗布法でもよい。インクジェット印刷法以外の公知の塗布法としては、例えばマイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法およびノズルプリント法等が挙げられる。
陽極は、例えば基板の主面上に導電膜を作製した後に、その導電膜を、陽極のパターンにパターニングすることによって形成され得る。
陽極の材料を含む塗布液の溶媒は、陽極の材料を溶解できる溶媒であればよい。溶媒としては、例えばクロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩化物溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル溶媒等が挙げられる。
[有機機能層形成工程]
有機機能層形成工程では、陽極上に有機機能層を形成する。有機機能層が有する発光層を形成する場合を例にして説明する。発光層の形成方法としては、例えば真空成膜法、塗布法等が挙げられる。塗布法としては、例えばインクジェット印刷法が挙げられるが、発光層を形成可能な塗布法であれば、他の公知の塗布法でもよい。インクジェット印刷法以外の公知の塗布法としては、陽極を塗布法で形成する場合の説明で例示した塗布法が挙げられる。
有機機能層が発光層以外の機能層を含む場合、有機機能層の層構成に応じて陽極側から順に機能層を形成すればよい。各機能層の形成方法は、発光層の場合と同様とし得る。
[蒸着膜形成工程]
蒸着膜形成工程では、蒸着源から真空蒸着用材料を真空蒸着し、有機機能層上に蒸着膜を形成する。具体的には、蒸着源を備えた真空蒸着装置を用い、真空下で、陽極および有機機能層が形成された基板に対して、蒸着源から真空蒸着用材料を排出し、蒸着膜を形成する。
蒸着膜形成工程は、真空蒸着用粒体を蒸着源に連続的に供給する供給工程、および蒸着源から真空蒸着用材料を真空蒸着する蒸着工程を含み得る。蒸着膜形成工程では、蒸着源に安定して供給でき、生産効率を向上させることができる点から、蒸着源に真空蒸着用材料を連続的に供給することが好ましい。
蒸着源に真空蒸着用材料を連続的に供給する方法としては、例えば真空蒸着装置の蒸着源に供給機構を備えた供給部を設置し、所定の量の真空蒸着用材料を供給部から蒸着源に充填する方法が挙げられる。供給部に充填された真空蒸着用材料は、蒸着源へと連続的に供給することができる。真空蒸着用材料としては、上述の本発明の一態様に係る真空蒸着用粒体が用いられる。
蒸着膜は、陰極側の有機機能層上に形成してよく、有機機能層側の陰極上に形成してもよい。
[陰極形成工程]
陰極形成工程では、有機機能層上に陰極を形成する。陰極は、陽極の形成方法と同様にして形成され得る。ロールツーロール方式で陰極を形成してもよい。すなわち、電極付き基板をその長手方向に搬送しながら発光層上に陰極を形成してもよい。
有機電子デバイスの製造方法では、陽極形成工程、有機機能層形成工程、蒸着膜形成工程および陰極形成工程のうち少なくとも一つの工程をロールツーロール方式で実施してもよい。例えば、有機機能層形成工程をロールツーロール方式で実施してもよいし、有機機能層形成工程、蒸着膜形成工程および陰極形成工程を連続的にロールツーロール方式で実施してもよい。
本発明の有機電子デバイスは、第1電極層を陰極とし、第2電極層を陽極としてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
扁平率、外周比及び特定単位格子数の評価方法について、図2、図3及び図4を用いて以下に説明する。図2、図3及び図4は、後述の粒体A〜Cからそれぞれ採取した5個の粒子1〜5についての各画像処理イメージを示す。
[扁平率]
まず、粒体A〜Cからそれぞれ35個の粒子を採取し、各粒子につき以下の操作を行った。粒子を光学顕微鏡(OLYMPUS製MX61L)のステージ上に置き、ステージに変位1cmにて1Hzの振動を10回繰り返し与え、真空蒸着用粒子がステージ上で最も安定して配置された状態(最安定面配置)とした。投影画像は、対物レンズ(LMPLFLN ×5)を通してカメラユニット(接眼ユニット:DP72)により落射光観察にてステージ面に対して鉛直方向に撮影を行い、真空蒸着用粒子の垂直投影図をパーソナルコンピュータ上に取り込んだ(図2a、図3a及び図4a)。画像の焦点は、粒子の外形が最も鮮明になるように合わせた。
次に得られた真空蒸着用粒子の垂直投影図を画像解析ソフト(ImageJ:オープンソースによる画像解析ソフト)を用いて2値化し(図2b、図3b及び図4b)、これを面積相当近似法により楕円形の形状へと変換し(図2c、図3c及び図4c)、その形状の輪郭を得た(図2d、図3d及び図4d)。得られた楕円形の長軸および短軸を求め、以下の式(i)にしたがって扁平率を算出した。
扁平率[%]=〔(長軸寸法−短軸寸法)/長軸寸法〕×100 (i)
[外周比]
上記扁平率の測定において得られた真空蒸着用粒子の垂直投影図において、2値化した真空蒸着用粒子の形状(図2b、図3b及び図4b)の外周寸法と、その形状を面積相当近似法により変換した楕円形(図2c、図3c及び図4c)の外周寸法とを、画像解析ソフト(ImageJ:オープンソースによる画像解析ソフト)を用いて求め、楕円形の外周寸法に対する前記真空蒸着用粒子の垂直投影図により示される形状の外周寸法の割合を算出した。
[特定単位格子数]
上記扁平率の測定において得られた真空蒸着用粒子の垂直投影図(図2a、図3a及び図4a)において、真空蒸着用粒子の形状を、画像解析ソフト(ImageJ:オープンソースによる画像解析ソフト)を用いて上記扁平率の測定において求めた楕円形(図2c、図3c及び図4c)の長軸寸法の10等分した長さを単位格子の1辺の長さとする正方格子により分割し、分割垂直投影図とした(図2e、図3e及び図4e)。この1辺と粒子の垂直投影図により表される形状の輪郭との交点を2つ有し、かつこの2つの交点における輪郭についての接線がなす角度の上記1辺側の角度が100度以下である単位格子(特定単位格子)の数を測定した。
[化合物1]
フッ化ナトリウム(NaF)結晶(比重:2.8g/cm
[真空蒸着用粒体]
粒体A(NaF結晶からなる粒子から構成される真空蒸着用粒体):採取した35個の粒子についての扁平率および外周寸法の割合の評価結果を表1及び2に示す。粒体Aから採取した5個の粒子は全て特定単位格子の数が3未満であった。
粒体B(NaF結晶からなる粒子から構成される真空蒸着用粒体):採取した35個の粒子についての扁平率および外周寸法の割合の評価結果を表1及び2に示す。粒体Bから採取した5個の粒子は全て特定単位格子の数が3未満であった。
粒体C(NaF結晶からなる粒子から構成される真空蒸着用粒体、Alfa Aesar株式会社製):採取した35個の粒子についての扁平率および外周寸法の割合の評価結果を表1及び2に示す。粒体Cから採取した5個の粒子は全て特定単位格子の数が3以上であった。
実施例1
粒体Aについて、真空蒸着装置の供給部を模擬したφ6mmの開口を持つ平板を通して供給を行い、閉塞が生じるか確認した。供給中、粒体の閉塞が起こることなく連続的に供給することができた。
実施例2
粒体Aに代えて粒体Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にして閉塞が生じるか確認した。供給中、粒体の閉塞が起こることなく連続的に供給することができた。
比較例1
粒体Aに代えて粒体Cを用いたこと以外は、実施例1と同様にして閉塞が生じるか確認した。供給中、粒子が引っかかることによって開口部の閉塞が生じ、連続的に供給することができなかった。
10 有機ELデバイス、11 基板、12 陽極、13 有機機能層、14 蒸着膜、15 陰極

Claims (9)

  1. 式(1):
    AB (1)
    [式中、Aは、アルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子を示し、Bは、ハロゲン原子を示し、およびxは1または2である]
    で表される化合物を含有する粒子から構成される真空蒸着用粒体であって、下記条件(a)を満たす前記粒子の個数の割合が80%を超える、真空蒸着用粒体。
    条件(a):前記粒子の垂直投影図により示される形状の輪郭を面積相当近似法により楕円形へ変換したときの該楕円形の下記式(i)で定義される扁平率が40%以下である。
    扁平率=〔(長軸寸法−短軸寸法)/長軸寸法〕×100 (i)
  2. 下記条件(b)を満たす前記粒子の個数の割合が70%以上である、請求項1に記載の真空蒸着用粒体。
    条件(b):前記楕円形の外周寸法に対する前記粒子の垂直投影図により示される形状の外周寸法の割合が150%以下である。
  3. 下記条件(c)を満たす前記粒子を含む、請求項1または2に記載の真空蒸着用粒体。
    条件(c):前記粒子の垂直投影図により示される形状を、前記長軸寸法を10等分した長さを単位格子の1辺の長さとする正方格子により分割したときに、前記単位格子を構成する1辺において、該1辺と前記粒子の垂直投影図により示される形状の輪郭との交点を2つ有する単位格子であって、前記2つの交点における前記輪郭についての接線がなす角度の前記1辺側の角度が100度以下である単位格子の数が3未満である。
  4. 前記粒子は、粒子の質量を基準に前記式(1)で表される化合物を99質量%以上含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の真空蒸着用粒体。
  5. 前記式(1)で表される化合物はフッ化ナトリウムである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の真空蒸着用粒体。
  6. 基材、第1電極層、有機機能層、請求項1〜5のいずれか一項に記載の真空蒸着用粒体から構成される蒸着膜、および第2電極層がこの順に積層された有機電子デバイス。
  7. 請求項6に記載の有機電子デバイスの製造方法であって、
    真空蒸着法により蒸着膜を形成する工程
    を含む製造方法。
  8. 前記蒸着膜を形成する工程は、
    前記真空蒸着用粒体を蒸着源に連続的に供給する供給工程と、
    前記蒸着源から真空蒸着用材料を真空蒸着する蒸着工程と
    を含む、請求項7に記載の製造方法。
  9. 式(1):
    AB (1)
    [式中、Aは、アルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子を示し、Bは、ハロゲン原子を示し、xは1または2である]
    で表される化合物を含有する粒子であって、下記条件(a1)および(c1)を満たす粒子。
    条件(a1):前記粒子の垂直投影図により示される形状の輪郭を面積相当近似法により楕円形へ変換したときの該楕円形の下記式(i)で定義される扁平率が50%以下である。
    扁平率=〔(長軸寸法−短軸寸法)/長軸寸法〕×100 (i)
    条件(c1):前記粒子の垂直投影図により示される形状を、前記長軸寸法の10等分した長さを単位格子の1辺の長さとする正方格子により分割したときに、前記単位格子を構成する1辺において、該1辺と前記粒子の垂直投影図により示される形状の輪郭との交点を2つ有する単位格子であって、前記2つの交点における前記輪郭についての接線がなす角度の前記1辺側の角度が100度以下である単位格子の数が3未満である。
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