JP2020097532A - 油中アルコール型乳化組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】エタノールの作用が得られる程度の高濃度のエタノールを含有し、エタノールが安定に内相中に保持され、乳化安定性に優れた油中アルコール型乳化組成物の提供。【解決手段】(A)SP値19.5以下の25℃で液状の油剤、(B)両末端型ポリエーテル変性シリコーン、ポリエーテル・アルキル共変性シリコーン及びポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンから選ばれる1種以上のシリコーン界面活性剤、並びに(C)エタノールを50体積%以上含む水溶液を含有する油中アルコール型乳化組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、高濃度のアルコールを含有する油中アルコール型乳化組成物に関する。
エタノールは、爽快な使用感、難溶性成分の溶解性向上、防腐性の向上などの作用を有することから、多くの化粧品に使用されている。例えば、エタノールの抗菌性を利用して消毒液、エタノールの速乾性を利用してヘアセット剤、ひげそり用化粧品、腋臭防止剤など、有効成分の皮膚浸透性向上を利用して育毛剤などに使用されている。このようなエタノール高濃度含有化粧料で、実際に商品化されているものの多くは高濃度エタノール水溶液の剤形であるが、このような高濃度エタノール水溶液の剤形の製剤は、エタノールが揮散しやすいことから容器が制限されるなどの問題がある。
そこで、乳化型組成物に高濃度エタノールを配合する検討がなされている。特許文献1には、油分、低級アルコール50重量%以上、水、及び乳化剤としてポリエーテル変性シリコーンを含有し、乳化剤として他の界面活性剤を実質的に含有しないアルコール中油型乳化組成物が記載されている。また、特許文献2には、高濃度の1価アルコールを含有し、乳化剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はポリオキシエチレンヒマシ油を含むO/W又は多相エマルションが記載されている。しかし、これらの高濃度エタノール含有乳化組成物では、外層がエタノール含有相であるため、エタノールが揮散しやすく、開放系におかれると乳化安定性が低下する、肌に塗布するとエタノールが即座に揮散してしまい、肌に均一に延ばすことができない、エタノール臭を感じやすい、などの問題がある。
一方、シリコーン誘導体と、ポリエーテル変性シリコーンと、低級アルコールとを含有する油中低級アルコール型乳化毛髪化粧料が報告されている(特許文献3)。
国際公開第97/002888号パンフレット 国際公開第2006/106813号パンフレット 特開平10−324616号公報
しかしながら、特許文献3記載の化粧料は、毛髪化粧料の提供を目的とするものであり、シリコーン誘導体とポリエーテル変性シリコーンとを併用しているが、高濃度のアルコールを配合した場合には優れた乳化安定性が得られるものではなかった。
従って、本発明の課題は、エタノールの作用が得られる程度の高濃度のエタノールを含有し、エタノールが安定に内相中に保持され、乳化安定性に優れた油中アルコール型乳化組成物を提供することにある。
そこで本発明者は、安定な油中アルコール型乳化組成物を得るべく種々検討した結果、油剤として特定のSP値を有する液状油を使用し、乳化剤として両末端型ポリエーテル変性シリコーン、ポリエーテル・アルキル共変性シリコーン、又はポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンを使用すれば、50体積%以上の高濃度のエタノールを含有する水溶液であっても、乳化安定性に優れ、高濃度エタノール水溶液やアルコール中油型乳化型組成物の欠点を克服した油中アルコール型乳化組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(A)SP値19.5以下の25℃で液状の油剤、(B)両末端型ポリエーテル変性シリコーン、ポリエーテル・アルキル共変性シリコーン、及びポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンから選ばれる1種以上のシリコーン界面活性剤、並びに(C)エタノールを50体積%以上含む水溶液を含有する油中アルコール型乳化組成物を提供するものである。
本発明の油中アルコール型乳化組成物は、水相に50体積%以上の高濃度のエタノールを含み、エタノールの爽快な使用感、難溶性成分の溶解性向上、防腐性の向上などの作用を有し、エタノールが内相である水相に存在するため、エタノールが揮散し難く、皮膚に塗布されたエタノールが即座に揮散することなく肌に均一に伸ばすことができ、かつ乳化安定性に優れている。
本発明の油中アルコール型乳化組成物は、内相に(C)エタノールを50体積%以上含む水溶液を含み、外相に(A)SP値19.5以下の25℃で液状の油剤を含み、(B)両末端型ポリエーテル変性シリコーン、ポリエーテル・アルキル共変性シリコーン、及びポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンから選ばれる1種以上のシリコーン界面活性剤により乳化された組成物である。
本発明の油中アルコール型乳化組成物の油相には、成分(A)SP値19.5以下の25℃で液状の油剤が含まれる。
SP値は溶解度パラメーターδであって、液体の分子凝集エネルギーEと分子容Vからδ=(E/V)1/2(J/cm3)で与えられる物質定数である。この値から物質の相対的な極性の高さを推定することができる。SP値は種々の方法で実測又は計算で決定される。本実施形態においては、Fedorsの方法に従い、J.BRANDR UP著「POLYMER HANDBOOK 4th」(JHON WILEY & SONS,INC 1999年発行)、VII685〜686項に示されるパラメーターを用いて求められる。
本実施形態において、油剤が混合物である場合は、成分(A)の油剤のSP値は、加重平均すなわち構成成分それぞれのSP値と質量分率の積の総和として求める。また、天然物やポリマーなどの構造式が特定できないものについては代表構造に従ってSP値を計算する。
本発明に用いられる成分(A)SP値19.5以下の25℃で液状の油剤のうち、高濃度アルコール水溶液と相溶することなく乳化安定性を良好にする観点、肌にうるおい感を与える観点から、SP値16以上19.5以下の油剤を含むことが好ましく、SP値16.2以上19.0未満の油剤を含むことがより好ましく、SP値16.2以上18.6以下の油剤を含むことが更に好ましく、SP値16.2以上17.7以下の油剤を含むことがより更に好ましい。
成分(A)としては、(A1)SP値が19.5以下の25℃で液状の炭化水素油、エステル油、エーテル油、フッ素油、高級脂肪酸及び高級アルコールから選ばれる1種以上の炭化水素基含有油剤、並びに(A2)シリコーン油が挙げられる。このうち、(A1)炭化水素基含有油剤としては、油中アルコール型乳化組成物の乳化安定性の観点から、炭化水素油、エステル油、エーテル油及びフッ素油から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、炭化水素油、エステル油及びエーテル油から選ばれる1種以上を含むことがより好ましい。
炭化水素油としては、流動パラフィン、スクワラン等が挙げられる。
エステル油としては、ホホバ油、オリーブ油、ナタネ油、ヒマシ油、カカオ油、マカデミアナッツ油、大豆油、ヤシ油、綿実油、アマニ油、パーム油、パーム核油、キリ油、ヒマワリ油、ツバキ油、トウモロコシ油、小麦胚芽油等の植物油;イソペラルゴン酸オクチル、リノール酸オレイル、イソノナン酸イソトリデシル、リノール酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、オクタン酸イソセチル、オレイン酸イソデシルアルコール、エルカ酸オレイル、オクタン酸イソステアリル、ピバリン酸イソデシル、イソノナン酸イソデシル、エルカ酸エルシル、オレイン酸オクチルドデシル、ピバリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソセチル、エルカ酸イソステアリル、エルカ酸オクチルドデシル、オレイン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸オレイル、エルカ酸ステアリル、オレイン酸エチル、オレイン酸デシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸オクチル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸オクチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸イソステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、イソステアリン酸ミリスチル、イソステアリン酸ラウリル、オレイン酸セチル、ステアリン酸イソブチル、パルミチン酸イソブチル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチル、ラウリン酸イソデシル、イソステアリン酸ブチル、ペラルゴン酸オクチル、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸イソアミル、ラウリン酸イソヘキシル、ネオペンタン酸ミリスチル、ペラルゴン酸イソブチル、パルミチン酸ラウリル、プロピオン酸エイコサニル、ミリスチン酸デシル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸エチル、ミリスチン酸ブチル、ラウリン酸エチル、ミリスチン酸メチル、ラウリン酸メチル、パルミチン酸レチノール、ペラルゴン酸エチル、12−ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル、ペラルゴン酸メチル、カプロン酸メチル、アセチルリシノレイン酸ブチル、リシノレイン酸セチル、イソステアリン酸バチル、オキシステアリン酸オクチル、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、乳酸オクチルドデシル等の1価カルボン酸と1価アルコールとのエステル;トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルヘキサン酸トリグリセリド、テトライソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジノナン酸プロピレングリコール、トリオクタン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリアセチルリシノール酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、モノイソステアリン酸モノミリスチン酸グリセリル等の1価カルボン酸と多価アルコールとのエステル;セバシン酸ジオクチル、マレイン酸ジオクチル、ステアロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル、アジピン酸ジオクチル、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル、ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、セバシン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、リンゴ酸ジイソステアリル等の多価カルボン酸と1価アルコールとのエステル等が挙げられる。
このうち、SP値16.2〜18.6のモノエステル、ジエステル又はトリグリセリドの液体油が好ましく、例えばイソノナン酸イソトリデシル、イソステアリン酸イソプロピル、オクタン酸イソセチル、オレイン酸イソデシルアルコール、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、ピバリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソセチル、エルカ酸イソステアリル、オレイン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、オレイン酸エチル、オレイン酸デシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸オクチル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸オクチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸イソステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、オレイン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチル、ペラルゴン酸オクチル、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸イソヘキシル、パルミチン酸ラウリル、プロピオン酸エイコサニル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ブチル、ラウリン酸エチル、ミリスチン酸メチル、ラウリン酸メチル、パルミチン酸レチノール、ペラルゴン酸エチル、ペラルゴン酸メチル、カプロン酸メチル、アセチルリシノレイン酸ブチル、リシノレイン酸セチル、イソステアリン酸バチル、オキシステアリン酸オクチル、乳酸オクチルドデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、モノイソステアリン酸モノミリスチン酸グリセリル、セバシン酸ジオクチル、マレイン酸ジオクチル、ステアロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル、ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、リンゴ酸ジイソステアリル、等が挙げられる。
エーテル油としては、セチルジメチルブチルエーテル、エチレングリコールジオクチルエーテル、グリセロールモノオレイルエーテル等が挙げられる。
フッ素油としては、パーフルオロエチルリン酸、パーフルオロポリオキシエチレンリン酸、パーフルオロポリエーテル、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
(A2)シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アルキル変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等が挙げられる。(A2)シリコーン油としては、油中アルコール型乳化組成物の乳化安定性の観点から、25℃での動粘度2mm2/s以上30mm2/s以下のシリコーン油を含むことが好ましい。
成分(A)としては、油中アルコール型乳化組成物の乳化安定性、肌にうるおい感を与える観点から、(A1)SP値16.2以上19.5以下の炭化水素基含有油剤及び(A2)25℃での動粘度2mm2/s以上30mm2/s以下のシリコーン油から選ばれる1種以上を含有する油剤であるのが好ましく、(A1)SP値16.2以上17.7以下の炭化水素基含有油剤と(A2)25℃での動粘度2mm2/s以上30mm2/s以下のシリコーン油とを含有する油剤であるのがより好ましい。ここで、(A1)の炭化水素基含有油剤としては、炭化水素油、エステル油、エーテル油及びフッ素油から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、炭化水素油、エステル油及びエーテル油から選ばれる1種以上を含むことがより好ましく、炭化水素油及びエステル油から選ばれる1種以上を含むことが更に好ましい。
成分(A)として、成分(A1)と成分(A2)とを併用する場合、その混合質量比[(A1):(A2)]は、油中アルコール型乳化組成物の乳化安定性、肌にうるおい感を与え、且つ肌に塗布した際のさっぱり感を与える観点から、80:20〜5:95が好ましく、75:25〜10:90がより好ましく、70:30〜20:80が更に好ましい。
前記の成分(A)は、1種又は2種以上を用いることができる。
成分(A)の含有量は、乳化安定性、肌にうるおい感を与える観点から、油中アルコール型乳化組成物中に10質量%以上含有するのが好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましく、また乳化安定性の観点から、90質量%以下含有するのが好ましく、75質量%以下がより好ましく、55質量%以下が更に好ましい。成分(A)の含有量の具体的な範囲は、10質量%以上90質量%以下が好ましく、15質量%以上75質量%以下がより好ましく、20質量%以上55質量%以下が更に好ましい。
また、成分(A1)の含有量は肌にうるおい感を与える観点から、油中アルコール型乳化組成物中に1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましく、乳化安定性の観点から、80質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
成分(B)は、両末端型ポリエーテル変性シリコーン、ポリエーテル・アルキル共変性シリコーン、及びポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンから選ばれる1種以上のシリコーン界面活性剤である。成分(B)は、内相に(C)エタノールを50体積%以上含む水溶液を含む油中アルコール型乳化組成物の乳化安定性及び保存安定性を顕著に向上させる作用を有する。
成分(B)のシリコーン界面活性剤は、シリコーン鎖がポリオキシアルキレンとの共重合体となり変性されることで極性、親水性を付与されてノ二オン性界面活性剤となったものである。
本発明に係る両末端型ポリエーテル変性シリコーンは、シリコーン鎖とポリエーテル基との共重合体であり、共重合の形態として、シリコーン鎖の双方の末端にポリエーテル基が結合したものである。シリコーン鎖に対して単数又は複数のポリエーテル基が側鎖として結合した側鎖型では、本発明の効果(乳化安定化)は得られない。具体的には、ビス(PEG/PPG−14/14)ジメチコン[ABIL EM97(エボニックジャパン社製)]等が挙げられる。
本発明に係るポリエーテル・アルキル共変性シリコーンは、シリコーン鎖とポリエーテル基との共重合体であり、更に炭素数6〜20のアルキル基を側鎖又は末端に導入したものである。また更にシリコーンデンドロン基を側鎖又は末端に導入したものも含まれる。具体的には、セチルPEG/PPG10−1ジメチコン[ABIL EM90、EM180(いずれもエボニックジャパン社製)、KF−6048(信越化学工業社製)]、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン[KF−6038(信越化学工業社製)]、ラウリルPEG/PPG−18/18メチコン[DC5200(東レ・ダウコーニング社製)]、ラウリルPEG−10トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチコン[ES−5300(東レ・ダウコーニング社製)]等が挙げられる。
本発明に係るポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンは、シリコーン鎖とポリグリセリン基との共重合体であり、更に炭素数6〜20のアルキル基を側鎖又は末端に導入したものである。また更にシリコーンデンドロン基を側鎖又は末端に導入したものも含まれる。具体的には、ラウリルポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン[KF−6105(信越化学工業社製)]、セチルジグリセリルトリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチコン[ES−5600(東レ・ダウコーニング社製)]等が挙げられる。
成分(B)のうち、HLB値は、乳化安定性の観点から、2以上6以下が好ましく、3以上5以下がさらに好ましい。
前記の成分(B)は1種又は2種以上を用いることができる。
成分(B)の含有量は、乳化安定性、製造が容易になる観点から、油中アルコール型乳化組成物中に0.2質量%以上含有するのが好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましく、1.5質量%以上がより更に好ましく、また乳化安定性、肌に塗布した際のべたつきを抑える観点から、10質量%以下含有するのが好ましく、8質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましく、4質量%以下がより更に好ましい。成分(B)の含有量の具体的な範囲は、0.2質量%以上10質量%以下が好ましく、0.5質量%以上8質量%以下がより好ましく、1質量%以上5質量%以下が更に好ましく、1.5質量%以上4質量%以下がより更に好ましい。
本発明において、成分(A)及び(B)の質量割合(A/B)は、乳化安定性、肌に塗布した際の伸びの良さの観点から、2以上が好ましく、4以上がより好ましく、8以上が更に好ましく、また50以下が好ましく、35以下がより好ましく、20以下が更に好ましい。A/Bの好ましい範囲としては2以上50以下が好ましく、4以上35以下がより好ましく、8以上20以下が更に好ましい。
本発明の油中アルコール型乳化組成物の内相には、成分(C)エタノールを50体積%以上含む水溶液が含まれる。内相のエタノール濃度は、エタノールの爽快な使用感、難溶性成分の溶解性向上、防腐性の向上等の観点から50体積%以上であるのが好ましく、60体積%以上がより好ましく、65体積%以上が更に好ましい。エタノール濃度の上限は、製造が容易になる観点から98体積%以下が好ましく、95体積%以下がより好ましい。
成分(C)の含有量は、さっぱり感、冷涼感、有効成分の溶解性、有効成分の皮膚浸透性、抗菌性の観点から、油中アルコール型乳化組成物中に、10質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましく、40質量%以上が更に好ましく、また乳化安定性、肌に塗布した際の伸びの良さの観点から90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、75質量%以下が更に好ましい。具体的な成分(C)の含有量は、10質量%以上90質量%以下が好ましく、25質量%以上80質量%以下がより好ましく、40質量%以上75質量%以下が更に好ましい。
本発明の油中アルコール型乳化組成物には、前記成分(A)、(B)及び(C)以外に種々の成分を含有させることができる。油相中に含有させることができる成分としては、脂溶性ビタミンC誘導体などの美白作用成分、アラントイン、グアイアズレンなどの消炎作用成分、ビタミンA、ビタミンEなどの抗酸化作用成分、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどの紫外線吸収剤などが挙げられる。
また、内相中(エタノール水溶液中)に含有させることができる成分としては、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、塩化ベンザルコニウムなどの抗菌作用成分、トランス−3,4'−ジメチル−3−ヒドロキシフラバノンを代表とするフラバノノール誘導体などの育毛作用成分、トラネキサム酸、アルブチン、水溶性ビタミンC誘導体などの美白作用成分、グリチルリチン酸ジカリウムなどの消炎作用成分、メントール、カンフルなどの冷感作用成分、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの保湿成分などが挙げられる。
本発明の油中アルコール型乳化組成物は、例えば成分(A)と成分(B)を混合し、これに成分(C)を添加して攪拌することにより製造することができる。
本発明の油中アルコール型乳化組成物は、高濃度のエタノールを安定に含有することから、消毒剤、ヘアセット剤、ひげそり用化粧品、腋臭防止剤、育毛剤、日焼け止め化粧品、ハンドケア剤、ボディケア剤として使用することができる。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
試験例1
油中アルコール型乳化組成物において、油剤と高濃度エタノール水溶液が相溶してしまうと乳化系が形成できない。そこで、室温(25℃)にて各種の油剤と高濃度エタノール水溶液との相溶性を視覚判断で検討した。油剤と高濃度エタノール水溶液の混合比率は、1:4及び1:1及び4:1とした。その結果、表1に示すように、SP値19.5以下の油剤は、いずれの混合比率でも70体積%エタノールと相溶せず、明確に分離した。また、SP値19.0未満、特にSP値18.6以下の油剤はいずれの混合比率でも95体積%エタノールと相溶せず、明確に分離した。
Figure 2020097532
*1:パールリームEX(日油社製)
*2:KF96A(6mm2/s,信越化学工業社製)
*3:ASE166(花王社製)
*4:サラコス913(日清オイリオグループ社製)
*5:シリコーンSH245(東レ・ダウコーニング社製)
*6:クロピュアOL(クローダジャパン社製)
*7:エステモール N−01(日清オイリオグループ社製)
*8:エルデュウ CL202(味の素ヘルシーサプライ社製)
*9:コスモール222(日清オイリオグループ社製)
*10:エキセパールGD−MI(花王社製)
*11:コスモール 42V(日清オイリオグループ社製)
*12:パルソールMCX(DSMニュートリションジャパン社製)
*13:グルカムE20(ルーブリゾール社製)
実施例1〜42及び比較例1〜20
実施例1〜42及び比較例1〜20の乳化組成物を製造し、乳化安定性を評価した。その結果を表2〜表8に示す。
(製造方法)
表2〜8に示す組成からなる乳化組成物を常法により製造した。乳化手順は、成分(A)に成分(B)又は成分(B’)を25℃にて混合溶解し、該混合物の撹拌混合下にて成分(C)を滴下して乳化組成物を製造した。
(評価方法)
・乳化タイプ
イオン交換水を満たしたビーカー中に、乳化組成物を数滴滴下して撹拌混合した後の外観観察により、乳化タイプを判定する。
O/Wタイプ:イオン交換水が濁る場合
W/Oタイプ:イオン交換水が濁らない場合
・乳化安定性
蓋つき容器に入れた乳化物を25℃に2週間静置した後の外観性状を観察して乳化安定性を判定した。
〇:外観に変化なし
×:安定性評価開始時と外観が異なる場合(2相分離、粘度低下など)
Figure 2020097532
*14:セチルPEG/PPG10−1ジメチコン(ABIL EM90、エボニックジャパン社製)
Figure 2020097532
Figure 2020097532
*15:ビス(PEG/PPG−14/14)ジメチコン(ABIL EM97、エボニックジャパン社製)
*16:セチルPEG/PPG10−1ジメチコン(ABIL EM180、エポニックジャパン社製)
*17:セチルPEG/PPG10−1ジメチコン(KF−6048、信越化学工業社製)
*18:ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(KF−6038、信越化学工業社製)
Figure 2020097532
Figure 2020097532
Figure 2020097532
*19:ビス(グリセリル/ラウリル)グリセリルラウリルジメチコン(ABIL EM120、エボニックジャパン社製)
*20:PEG−3ジメチコン(KF−6015、信越化学工業社製)
*21:PEG−11メチルエーテルジメチコン(KF−6011、信越化学工業社製)
*22:PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(KF−6028、信越化学工業社製)
*23:ポリグリセリル−3ジシロキサンジメチコン(KF−6100、信越化学工業社製)
Figure 2020097532
実施例43〜56
実施例43〜56の乳化組成物を製造し、保存安定性及び使用感触を評価した。その結果を表9〜表10に示す。
(製造方法)
表9〜10に示す組成からなる油中アルコール型乳化組成物を常法により製造した。乳化手順は、成分(A)に成分(B)を25℃にて混合溶解し、該混合物の撹拌混合下にて予め混合した成分(C)及び成分(D)を滴下して油中アルコール型乳化組成物を製造した。
(評価方法)
・保存安定性
蓋つき容器に入れた乳化物を50℃に静置した後の外観性状を経時的に観察して加速安定性を判定した。
+++:6週間経過しても外観に変化なし
++ :4週間経過しても外観に変化なし
+ :2週間経過しても外観に変化なし
− :2週間経過しても外観に変化あり(粘度低下)
−− :2週間経過しても外観に変化あり(2相分離)
・乳化組成物の感触評価
乳化組成物を手の甲に適量とり、手のひらで伸ばした際の使用感触をスコア評価した。評価者は化粧料の官能評価を専門に行う4名が行い、スコア1〜10で判定した。最終スコアは4名のスコアの加算平均値を算出した。
(1)べたつきのなさ:スコア1:非常にべたつく 〜 スコア10:べたつかない
(2)うるおい感:スコア1:うるおいを全く感じない 〜 スコア10:うるおいを強く感じる
(3)伸びの良さ:スコア1;伸びが非常に悪い 〜 スコア10:伸びが非常に良い
(4)さっぱり感:スコア1:全くさっぱりしない 〜 スコア10;さっぱり感を強く感じる
(5)爽快な使用感:スコア1:爽快な使用感を感じない 〜 スコア10:爽快な使用感を強く感じる
Figure 2020097532
*24:KF96(10mm2/s,信越化学工業社製)
Figure 2020097532
*25:ラウリルPEG−10トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチコン(ES−5300、東レ・ダウコーニング社製)
実施例57〜59
表11〜13に示す組成からなる油中アルコール型乳化組成物は、乳化安定性、保存安定性及び使用感触において、いずれも優れた効果が得られるものである。
Figure 2020097532
*26:パルソール1789(DSMニュートリションジャパン社製)
*27:クレワットN(ナガセケムテックス社製)
Figure 2020097532
*28:ラウリルグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(KF−6105、信越化学工業社製)
*29:イソプロピルメチルフェノール(大阪化成社製)
Figure 2020097532
*30:クラウンタルク(松村化学社製)
*31:サニゾールP(花王社製)

Claims (5)

  1. (A)SP値19.5以下の25℃で液状の油剤、(B)両末端型ポリエーテル変性シリコーン、ポリエーテル・アルキル共変性シリコーン及びポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンから選ばれる1種以上のシリコーン界面活性剤、並びに(C)エタノールを50体積%以上含む水溶液を含有する油中アルコール型乳化組成物。
  2. 成分(A)のSP値が16.2以上である請求項1記載の油中アルコール型乳化組成物。
  3. 成分(A)が、(A1)SP値16.2以上19.5以下の炭化水素基含有油剤及び(A2)25℃での動粘度2mm2/s以上30mm2/s以下のシリコーン油から選ばれる1種以上を含有する油剤である請求項1又は2記載の油中アルコール型乳化組成物。
  4. 成分(A1)が、SP値16.2以上19.5以下の炭化水素油、エステル油、エーテル油、フッ素油、高級脂肪酸及び高級アルコールから選ばれる1種以上の油剤である請求項3記載の油中アルコール型乳化組成物。
  5. 成分(C)が、エタノールを60体積%以上含む水溶液である請求項1〜4のいずれか1項記載の油中アルコール型乳化組成物。
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