JP2020095451A - パラメータ推定装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】設備に関する未知のパラメータの推定精度を向上できるようにすること。【解決手段】設備3に関するパラメータを推定するパラメータ推定装置1は、設備に関する物理量を測定するセンサ2から観測値を取得し、観測値を対象パラメータに基づいて算出する設備モデル式を取得し(41)、設備モデル式に対象パラメータの推定値を代入して得られる推定観測値の観測値に対する尤度を第1尤度関数により算出し、対象パラメータの推定値があらかじめ用意された所定範囲内(42)に属する確率を求める第2尤度関数と第1尤度関数とに基づいて、対象パラメータの推定値の尤度を算出し、算出された尤度に基づいて対象パラメータを推定し(43)、推定された対象パラメータを所定の評価基準にしたがって評価する(44)。【選択図】図1

Description

本発明は、パラメータ推定装置および方法に関する。
エネルギを効率的に使用するため、ビルや商店施設にBEMS(Building Energy Management System)が普及しつつある。BEMSは、建物の熱源設備、空調設備、電力設備等のユーティリティ設備を管理する。BEMSは、ユーティリティ設備にセンサおよび通信装置を付けて計測し、見える化し、管理することで、設備の保全および設備の最適化を実行する。
さらに近年では、CEMS(Community Energy Management System)の重要性が高まっている。CEMSは、複数のBEMSを管理し、地域全体のエネルギを管理する。BEMSおよびCEMSの主要な機能は、設備状態の見える化である。設備状態とは、消費電力だけではなく、効率、流量、温度、圧力など、BEMSおよびCEMSが管理するユーティリティ設備の動作状態を表す値である。しかし、設備の持つすべての状態を知るために、多種多様なセンサをユーティリティ設備に設けることは、高コストであり、現実的ではない。
そこで、一つの状態を検知するセンサデータに基づいて、他の状態の値を推定することが考えられる。すなわち、BEMSまたはCEMSの管理下にある計測データを用いて、未知の状態を推定することにより、検知対象の状態毎にセンサを取り付けずに、設備状態を管理することができる。
ところで、ユーティリティ設備の状態を推定するためには、パラメータを推定する必要がある。しかし、未知のパラメータを推定する場合、物理的な値ではない値に推定値が収束する場合がある。未知のパラメータの推定精度を向上する技術として、特許文献1の技術が提案されている
特許文献1では、「分電盤接続されている複数の電気機器による消費電力の合計値を用いて、前記複数の電気機器の稼動状態を確率モデルによりモデル化したときのモデルパラメータを推定するパラメータ推定ステップを含み、前記パラメータ推定ステップでは、前記複数の電気機器それぞれの動作傾向から事前知識として予め定めることのできる電力データの特徴に基づいて、尤度関数によって算出される尤度が最大になるようなモデルパラメータを推定し、前記確率モデルは、Factorial HMM(Hidden Markov Model)であり、前記尤度は、前記Factorial HMMによってモデル化された前記消費電力の合計値のパターンの、実測した前記消費電力の合計値に対する確からしさを示す値である。」という記載がある。
特開2017−49221号公報
しかし、特許文献1では、Factorial HMM以外のモデルを用いる場合に限定されてしまい、他のモデルを用いて未知パラメータを推定することは難しい。
ところで、ユーティリティ設備モデルの多数のパラメータを容易に推定するためには、観測値の種類の数が多い必要がある。観測値とは、センサなどの計測装置により実測された値である。しかし多種類の観測値を得るためには、上述のように、センサなどの計測装置をユーティリティ設備に取り付ける必要があり、コスト上の問題がある。
さらに、観測値の種類の数が少ない場合は、いわゆる劣問題となるため、推定値が収束しない可能性がある。したがって、限られた種類の観測値を用いて、真値に近い推定値を取得する手法が必要である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、その目的は、設備に関する未知のパラメータの推定精度を向上できるようにしたパラメータ推定装置および方法を提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明に従うパラメータ推定装置は、設備に関するパラメータを推定する装置であって、設備に関する物理量を測定するセンサから観測値を取得し、観測値を対象パラメータに基づいて算出する設備モデル式を取得し、設備モデル式に対象パラメータの推定値を代入して得られる推定観測値の観測値に対する尤度を第1尤度関数により算出し、対象パラメータの推定値があらかじめ用意された所定範囲内に属する確率を求める第2尤度関数と第1尤度関数とに基づいて、対象パラメータの推定値の尤度を算出し、算出された尤度に基づいて対象パラメータを推定し、推定された対象パラメータを所定の評価基準にしたがって評価する。
本発明によれば、第1尤度関数と第2尤度関数とに基づいて算出される対象パラメータの推定値の尤度から、対象パラメータを推定し、評価することができる。
パラメータ推定装置を含むシステム全体の構成図である。 パラメータ推定装置の構成図である。 パラメータ推定処理を示すフローチャートである。 設備モデル式を決定する処理を示すフローチャートである。 対象パラメータの適正範囲を設定する処理を示すフローチャートである。 対象パラメータの適正範囲の設定例を示す説明図である。 対象パラメータの適正範囲の他の設定例を示す説明図である。 対象パラメータの適正範囲のさらに別の設定例を示す説明図である。 第2実施例に係り、適正範囲の設定処理を示すフローチャートである。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態に係るパラメータ推定装置では、対象パラメータ(以下、パラメータまたは未知パラメータと呼ぶ場合がある)の推定値が所定範囲での分布密度が高くなるように、尤度を設定して学習する。
本実施形態では、未知パラメータの推定値を確率的に自動算出し、評価する。パラメータの推定値が、所定範囲において尤度が高くなる所定の分布に従うと仮定することにより、対象パラメータの良否を判定する。
本実施形態によれば、パラメータの適正範囲に基づく尤度関数を設定し、観測値の推定値の尤度関数と適正範囲に基づく尤度関数とを用いてパラメータを推定し、パラメータの良否を判断することができる。したがって、本実施形態では、ユーティリティ設備における観測値の種類の数よりも多い数のパラメータを推定する場合に、真値に近い推定値を算出することができる。
本実施形態に係るパラメータ推定装置およびパラメータ推定方法は、例えば、以下のように表現することもできる。
「表現1」ユーティリティ設備のパラメータ推定装置において、パラメータの適正範囲に基づき、尤度関数を設定し、パラメータを推定し、パラメータを判定するパラメータ推定装置。
「表現2」ユーティリティ設備のパラメータ推定方法において、パラメータの適正範囲に基づき、尤度関数を設定し、パラメータを推定し、パラメータを判定するパラメータ推定方法。
「表現3」表現2記載のパラメータ推定方法において、一つの連続した適正範囲に基づく尤度設定をするステップを含むパラメータ推定方法。
「表現4」表現2記載のパラメータ推定方法において、複数の連続区間を有する適正範囲に基づく尤度設定をするステップを含むパラメータ推定方法。
「表現5」表現2記載のパラメータ推定方法において、推定パラメータに対して、一定時間の変化量の適正範囲に基づく尤度設定をするステップを含むパラメータ推定方法。
「表現6」表現2記載のパラメータ推定方法において、設備モデル式を記憶部から検索し、推定するパラメータを決定するステップを含むパラメータ推定方法。
「表現7」ユーティリティ設備のパラメータを推定する方法において、複数のパラメータの適正範囲に基づき、複数の尤度関数の組合せ生成して設定し、パラメータを推定し、パラメータを判定するパラメータ推定方法。
「表現8」表現2記載のパラメータ推定方法において、各尤度設定の組合せで、適正範囲を用いてないパラメータに対しても、パラメータ判定ステップで、適正範囲設定ステップで設定した適正範囲を適用し、良否を判定するパラメータ推定方法。
図1〜図8を用いて第1実施例を説明する。本実施例では、ビルディング内のユーティリティ設備についての未知パラメータを推定する場合を例に挙げて説明するが、これに限らず、例えば、工場の生産設備、商業施設の冷蔵設備、遊戯設備、エレベータ、エスカレータ、食品配送設備等の他の施設の他の設備にも適用することができる。
<全体の構成>
図1は、パラメータ推定装置1を含むシステムの全体構成を示す。パラメータ推定装置1は、例えば、BEMS4とセンサ2とに通信ネットワークCNを介して接続される。センサ2は、ユーティリティ設備(以下、設備)3と接続されており、計測情報(センサデータ、観測値とも呼ぶ)を、BEMS4またはパラメータ推定装置1へ送信する。
設備3は、例えば、ボイラ設備、空調装置、ガスタービン発電装置、電力関連機器等である。センサ2は、設備3の各種物理量を計測し、その計測結果である計測情報を出力する装置である。センサ2は、例えば、消費電力、効率、流量、温度、圧力、液位、質量、音、光量などを計測する。色彩、味、匂いといった心理物理量を計測するセンサであってもよい。
センサ2で計測されたデータ(計測情報)は、通信ネットワークCNを介してパラメータ推定装置1へ直接的に送信されてもよいし、BEMS4などの装置と通信ネットワークCNとを介してパラメータ推定装置1へ送信されてもよい。さらに、センサ2は、定期的にデータを送信してもよいし、パラメータ推定装置1またはBEMS4からの要求に応じてデータを送信してもよい。あるいは、センサ2の計測したデータを記録媒体に格納し、記録媒体からパラメータ推定装置1へ読み込ませてもよい。
なお、本実施例では、BEMS4を例に挙げるが、これに限らず、CEMSなどのユーティリティ設備3を管理するシステムであればよい。
パラメータ推定装置1は、例えばCPU(マイクロプロセッサ)、メモリ、通信機能、表示機能、入力機能(いずれも図示せず)などを備えた装置である。パラメータ推定装置1は、パーソナルコンピュータを利用して構成することもできるし、専用コンピュータとして構成することもできる。
パラメータ推定装置1の機能構成の詳細は、図2と共に後述する。ここでは、パラメータ推定装置1の概要を先に説明する。パラメータ推定装置1は、設備モデル式決定部41と、適正範囲設定部42と、パラメータ推定部43と、パラメータ判定部44といった機能を有している。
図2は、パラメータ推定装置1の機能構成を示す。パラメータ推定装置1は、例えば、取得部10と、インタフェース部20と、記憶部30と、演算部40とを含む。これら各機能10〜40は、メモリに格納された所定のコンピュータプログラム(不図示)をマイクロプロセッサが読み込んで実行することにより、実現される。機能10〜40のいずれか少なくとも一部をハードウェア回路として構成してもよい。
インタフェース部20は、例えば、入力部21と出力部22とを有する。演算部40は、例えば、設備モデル式決定部41と、適正範囲設定部42と、パラメータ推定部43と、パラメータ判定部44とを備える。
取得部10は、設備3のセンサ2、BEMS4(あるいはCEMS)、インターネット上の情報源(不図示)からデータ(情報とも呼ぶ)を取得する。取得されたデータは、記憶部30に格納される。
インタフェース部20の入力部21は、パラメータ推定装置1に対してユーザが情報を入力するための機能である。ユーザは、例えばキーボードまたはマウスなどの入力装置(不図示)を用いて、設備3などの情報を入力部21へ入力する。キーボードなどに代えて、あるいはキーボードなどと共に、音声認識装置などの入力装置を用いてもよい。
入力部21に入力された設備3などの情報は、記憶部30に転送されて記憶される。入力部21に入力された情報の一部または全部を、出力部22により表示出力させることもできる。さらに、入力部21に入力された情報は、記憶部30を介して演算部40に送られる。
入力される情報としては、例えば、設備3の仕様、設備3の設置場所、設備3と他の設備との接続関係、設備3について推定するパラメータがある。入力情報の例は、これらに限定されない。
出力部22は、ユーザに対して情報を提供する機能である。出力部22は、例えば、ディスプレイ、プリンタ、音声合成装置などの出力装置(不図示)を用いて、パラメータの推定結果などを表示する。出力部22は、入力部21へ入力された情報を表示したり、演算部40から記憶部30に格納された情報を読み出して表示したり、記憶部30に記憶されている情報を読み出して表示したりすることができる。
記憶部30は、取得部10と、インタフェース部20と、演算部40との間で、情報を送受信する。記憶部30は、入力された情報を格納すると共に、要求された情報を取り出して要求元へ送信する。記憶部30には、設備3の仕様情報などのほかに、後述する設備モデル式と適正範囲とパラメータ初期値などが格納される。
設備モデル式とは、取得部10から取得するデータとインタフェース部20から取得する推定パラメータとの関係を示す式である。設備モデル式は、取得部10から取得されるデータと推定パラメータとの関係を表現可能な複数の式として構成することができ、物理式を含んでもよい。「所定範囲」としての適正範囲とは、設備種類、設備仕様、設置環境といったタグ(種類情報)が設定された、各パラメータの適正範囲である。
演算部40は、設備モデル式決定部41と、適正範囲設定部42と、パラメータ推定部43と、パラメータ判定部44とを含む。演算部40は、インタフェース部20と記憶部30とから演算に必要な情報を取得して対象パラメータを推定し、インタフェース部20に推定結果を送信する。対象パラメータの推定結果は、出力部22に表示される。
パラメータの推定結果を含む情報を、設備導入のシミュレーションシステムなどの外部装置(不図示)へ提供してもよい。パラメータ推定装置1から外部装置へ有線または無線により情報を転送してもよいし、記録媒体に格納して外部装置へ提供してもよい。
<パラメータ推定装置1の全体の処理の概要>
図3は、パラメータ推定装置1の全体処理を示すフローチャートである。ステップS12〜S15の詳細は後述する。
パラメータ推定装置1は、インタフェース部20と記憶部30とからデータを取得する(S11)。パラメータ推定装置1は、ステップS11で取得されたデータに基づいて、設備モデル式を決定する(S12)。パラメータ推定装置1は、ステップS11で取得されたデータに基づいて、適正範囲を設定する(S13)。
ここで、ステップS12とステップS13とは、並列で処理されてもいい。ステップS12を先に処理し、ステップS13を後で処理してもよい。ステップS12とステップS13の処理の順番は問わない。
パラメータ推定装置1は、ステップS12で決定された設備モデル式とステップS13で設定された適正範囲とに基づいて、対象パラメータを推定する(S14)。
パラメータ推定装置1は、ステップS14で算出されたパラメータの推定値を評価する(S15)。評価とは、例えば、算出されたパラメータの推定値の良否を判定することである。
パラメータ推定装置1は、ステップS15で「否」と判定されると、ステップS14へ戻ってパラメータ推定を再度行う。一方、パラメータ推定装置1は、ステップS15で「良」と判定された場合、ステップS14で算出されたパラメータの推定値を出力する(S16)。
<設備モデル式決定部41の処理>
図4は、図3中にステップS12で示された、設備モデル式決定部41での処理の詳細を示すフローチャートである。
設備モデル式決定部41は、図3のステップS11で取得されたデータに基づいて、記憶部30に格納されている設備モデル式の中から演算に使用する設備モデル式を一つ以上検索する(S121)。
記憶部30に格納されている設備モデル式には、例えば、「設備種類」、「式の左辺のパラメータ」、「式の右辺のパラメータ」といったタグが付いている。そこで、設備モデル式決定部41は、タグに基づいて設備モデル式を検索する。設備モデル式の検索には、クラスタリングを用いればいいが、この限りではない。
設備モデル式決定部41は、ステップS121で検索された設備モデル式のパラメータを確認し、推定対象のパラメータを決める(S122)。以下、ステップS121とステップS122の一例を、蒸気ボイラのガス消費量を計算する式を用いて説明する。
G=(H+Hb)/Hrout×Grout・・・式(1)
H=f(S,Es,Ew) ・・・式(2)
Hb=f(S,Ek,Ew,Br)・・・式(3)
Es=f(P) ・・・式(4)
Ew=f(Tw) ・・・式(5)
Ek=f(Tk) ・・・式(6)
Tk=g(P) ・・・式(7)
ここで、「G」はガス消費量、「H」は熱量、「Hb」はブロー損失熱量、「Hrout」は定格熱出力、「Grout」は定格ガス消費量、「S」は蒸気量、「Es」は蒸気エンタルピ、「Ew」は給水エンタルピ、「Ek」は缶水エンタルピ、「Br」はブロー係数、「P」は使用圧力、「Tw」は給水温度、「Tk」は缶水温度である。
各式は、物理モデル式または近似式である。例えば、給水エンタルピEwの式(5)は給水温度の二次近似式であり、ガス消費量Gの式(1)は物理モデル式である。
ステップS11において、インタフェース部20から、推定パラメータとしてブロー係数Brを、設備種類として蒸気ボイラをそれぞれ取得するものとする。さらに、ステップS11では、取得部10と入力部21とから、蒸気量S、使用圧力P、給水温度Tw、定格熱出力Hrout、定格ガス消費量Groutを取得するものとする。この場合、ステップS121では、記憶部30の設備モデル式を検索することにより、式(1)、式(2)、式(3)、式(4)、式(5)、式(6)、式(7)を取得する。
設備モデル式決定部41は、ステップS11において推定パラメータとして取得されたブロー係数Br以外に推定が必要なパラメータを決める(S122)。ここでは、ステップS11において、ブロー係数Br以外のすべてのパラメータを取得できたため、推定パラメータはブロー係数Brと決定する。これに対し、もし蒸気量Sが取得部10から取得できない場合は、蒸気量Sも推定パラメータであると決定される。
<適正範囲設定部42の処理>
図5は、図3中にステップS13で示された、適正範囲設定部42での処理の詳細を示すフローチャートである。
適正範囲設定部42は、設備モデル式決定部41により決定された推定パラメータの適正範囲を記憶部30から検索し、検索された適正範囲を推定対象パラメータに設定する(S131)。すなわち、適正範囲設定部42は、設備種類と推定対象パラメータの名称とをタグとして、記憶部30が格納している適正範囲の中から検索し、各推定対象パラメータに対する適正範囲を設定する(S131)。
適正範囲の検索には、例えばクラスタリングを用いることができるが、検索手法は問わない。適正範囲を見つけることのできない推定対象パラメータについては、適正範囲を設定しない。
図6〜図8に示すように、適正範囲には、様々なパターンがある。図6は、例えば、給水温度の適正範囲が「20℃〜40℃」と一つの連続した範囲の場合である。図7は、給水温度の適正範囲が「10℃〜20℃」と「30℃〜40℃」との、複数の連続した区間を有する場合である。
図8は、ある一定時間(t1−t2)において温度変化をするパラメータの適正範囲を表す。点Aは、時刻t1における温度T1である。点B1は、時刻t2において取り得る最低温度T2である。点B2は、時刻t2において取り得る最高温度T3である。
図8の例において、ある一定時間(t1とt2の差分)による温度変化範囲は、ΔT1からΔT2の間である。このように、時間差分(t1−t2)によるパラメータの変化量ΔTを適正範囲として設定することも可能である。
図5に戻る。適正範囲設定部42は、ステップS131で設定された適性範囲を用いて、尤度関数を設定する(S132)。尤度関数の設定方法を、蒸気ボイラを例にあげて詳細に説明する。
設備モデル式決定部41により決定された設備モデル式が、式(1)、式(2)、式(3)、式(4)、式(5)、式(6)、式(7)であるとし、さらに、ガス消費量Gの計測値が記憶部30に格納されていると仮定する。
式(1)、式(2)、式(3)、式(4)、式(5)、式(6)、式(7)の各パラメータに値を入力することにより、ガス消費量Gの推定値(推定観測値)を算出することができる。算出されたガス流量Gの推定値の尤度は、尤度関数により計算できる。例えば、計測値と推定値との誤差である観測誤差が正規分布であるとき、尤度関数は以下の式(8)で求められる。式(8)において、「X」は確率関数、「μ」は平均、「σ」は分散である。ステップS132の説明として、図5にも式(8)を示す。
f(X:μ,σ)=(1/(2πσ1/2)exp(−(X−μ)/2σ
・・・式(8)
適正範囲設定部42は、ステップS131で設定されたパラメータの適正範囲を用いて、尤度関数を更新する。
例えば、給水温度が推定対象パラメータであり、ステップS131で適正範囲を「20℃〜40℃」と設定した場合、パラメータの尤度関数として一様分布を適用する。ここでは一様分布を用いるが、一様分布以外の分布も適用できる。給水温度の推定値が20℃から40℃の範囲内の場合、その尤度は「1/(40−20)」であり、それ以外の場合は尤度が「0」である。
適正範囲設定部42は、パラメータの尤度関数を式(8)に示す尤度関数に乗算することにより、尤度関数を設定する。ここでは図6の適正範囲に基づく尤度関数の設定を説明したが、図7または図8に示した適正範囲に基づく尤度関数設定も、図6の場合の尤度関数設定を例として応用することが可能である。推定対象パラメータが複数であり、それぞれの適正範囲がある場合は、式(8)の尤度関数にそれぞれのパラメータの尤度関数を乗算することにより、尤度関数を設定すればよい。
<パラメータ推定部43の処理>
パラメータ推定部43は、設備モデル式決定部41により決定された設備モデル式と適正範囲設定部42により設定された推定対象パラメータの適正範囲とに基づく尤度関数を用いることにより、パラメータを推定する。パラメータ推定手法としては、例えば粒子フィルタ法や、マルコフ連鎖モンテカルロ法を用いることができる。
<パラメータ判定部44の処理>
パラメータ判定部44は、パラメータ推定部43により算出されたパラメータの推定値の良否を判定する。良否の判定基準としては、例えば、推定値の収束度、適正範囲、観測誤差などがある。
推定値の収束度には、推定ステップごとの推定値の分散を用いればよい。これに代えて、標準偏差などを用いてもよい。推定値の収束度に基づく良否判定では、予め設定した閾値を基準に判定される。適正範囲に基づく良否判定では、推定値が適正範囲内に収束した場合に「良」と判定し、収束しない場合に「否」と判定する。観測誤差に基づく良否判定では、予め設定された閾値を基準に判定される。推定値の収束度、適正範囲、観測誤差の複数の判定基準(評価基準)に基づく良否判定において、いずれか一つでも「否」と判定された場合には、パラメータ推定部43において再度推定処理を行う(S14)。
<出力部22の処理>
出力部22は、入力部21、記憶部30、および演算部40からの情報を受信して、出力装置に表示する。出力部22は、演算部40のパラメータ判定部44による判定基準毎の判定結果と、推定値と、適正範囲とをそれぞれ出力装置に表示する。
このように構成される本実施例によれば、推定対象パラメータを効率よく正確に推定することができる。本実施例によれば、観測値の種類の数よりも多いパラメータを推定する場合であっても、適正範囲内の推定値の尤度が高くなるように設定された尤度関数を用いることにより、各推定対象パラメータの推定値を適正範囲内に収束させることができ、真値に近い推定値を効率的に取得することができる。
なお、本実施例では、適正範囲設定部42において様々なパターンの適正範囲を用いることにより、推定対象パラメータについてより多くの情報を得ることができる。したがって、この場合は、より一層、真値に近い推定値を効率的に取得することができる。
図9を用いて第2実施例を説明する。本実施例は、第1実施例の変形例であるため、第1実施例との相違を中心に説明する。
第1実施例では、適正範囲設定部42において尤度関数を設定する場合、すべての推定対象パラメータの尤度関数を乗算することにより、全体としての尤度関数を設定する場合を説明した。しかし、もしパラメータ判定部44での判定結果が「否」であった場合、パラメータ推定部43で再度推定することになるが、再推定してもその判定結果が「否」となってしまい、推定処理(S14)と判定処理(S15)とが繰り返される可能性が考えられる。
図9は、本実施例における適正範囲設定部42の処理S13Aを示す。図9に示すフローチャートと図5で述べたフローチャートとを比較すると、本実施例ではステップS132Aが第1実施例のステップS132と異なる。そこで、この異なるステップS132Aについて説明する。
適正範囲設定部42は、ステップS131で設定された適正範囲に基づいて尤度関数を設定する場合に、各推定対象パラメータの適正範囲の組合せを計算して、尤度関数を設定する(S132A)。
例えば、推定対象のパラメータがパラメータPaとパラメータPbとの2つある場合、尤度設定の組合せは、パラメータPaの適正範囲による尤度設定、パラメータPbの適正範囲による尤度設定、パラメータPaの適正範囲とパラメータPbの適正範囲とによる尤度設定の、合計3つある。
そして、本実施例のパラメータ推定部43は、それぞれの組合せの尤度設定を用いて、パラメータ推定処理を行う。本実施例のパラメータ判定部44は、それぞれの組合せの尤度設定によるパラメータ推定値の良否を判定する。
パラメータ判定部44は、第1実施例で述べた判定基準を用いることができる。その判定基準の中で、適正範囲の設定されていない推定対象パラメータに対しても、ステップS131で設定された適正範囲を適用して、良否を判定する。
例えば、パラメータPaの適正範囲だけに基づいて尤度関数を設定する組合せの場合、パラメータ判定部44は、ステップS131で設定されたパラメータPbの適正範囲に基づいて、パラメータPbの推定値の良否を判定する。
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに、本実施例では、複数の尤度設定の組合せを用いて推定するため、パラメータ判定部44で「良」と判定されるパラメータ推定値を取得する確率を高めることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。上述の実施形態において、添付図面に図示した構成例に限定されない。本発明の目的を達成する範囲内で、実施形態の構成や処理方法は適宜変更することが可能である。
また、本発明の各構成要素は、任意に取捨選択することができ、取捨選択した構成を具備する発明も本発明に含まれる。さらに特許請求の範囲に記載された構成は、特許請求の範囲で明示している組合せ以外にも組み合わせることができる。
1:パラメータ推定装置、2:センサ、3:設備、41:設備モデル式決定部、42:適正範囲設定部、41:パラメータ推定部、42:パラメータ判定部

Claims (12)

  1. 設備に関するパラメータを推定する装置であって、
    前記設備に関する物理量を測定するセンサから観測値を取得し、
    前記観測値を対象パラメータに基づいて算出する設備モデル式を取得し、
    前記設備モデル式に前記対象パラメータの推定値を代入して得られる推定観測値の前記観測値に対する尤度を第1尤度関数により算出し、
    前記対象パラメータの推定値があらかじめ用意された所定範囲内に属する確率を求める第2尤度関数と前記第1尤度関数とに基づいて、前記対象パラメータの推定値の尤度を算出し、
    前記算出された尤度に基づいて前記対象パラメータを推定し、
    前記推定された対象パラメータを所定の評価基準にしたがって評価する、
    パラメータ推定装置。
  2. 前記対象パラメータの評価結果を出力する、
    パラメータ推定装置。
  3. 前記対象パラメータの推定値の前記所定範囲における分布密度が前記所定範囲外での分布密度よりも大きくなるように前記対象パラメータの尤度が設定されている、
    請求項1に記載のパラメータ推定装置。
  4. 前記設備モデル式は、設備の種類に応じてあらかじめ用意されている、
    請求項1に記載のパラメータ推定装置。
  5. 前記センサから得られる観測値の数よりも前記対象パラメータの数が大きく設定されている、
    請求項1に記載のパラメータ推定装置。
  6. 前記設備モデル式には、異なる複数の対象パラメータが含まれている、
    請求項1に記載のパラメータ推定装置。
  7. 前記所定範囲は、一つの連続した範囲である、
    請求項1に記載のパラメータ推定装置。
  8. 前記所定範囲は、複数の連続した範囲からなる、
    請求項1に記載のパラメータ推定装置。
  9. 前記所定範囲は、あらかじめ設定される単位時間で変化する、
    請求項1に記載のパラメータ推定装置。
  10. 前記所定範囲は、複数の対象パラメータそれぞれに関する前記所定範囲の組合せにしたがって前記第2尤度関数と前記第1尤度関数とに基づいて、前記複数の対象パラメータの推定値の尤度をそれぞれ算出する、
    請求項1に記載のパラメータ推定装置。
  11. 前記推定された複数の対象パラメータを所定の評価基準にしたがって評価する場合、前記所定範囲の組合せに含まれていない所定範囲を持つ対象パラメータに対しても当該対象パラメータに関する前記所定範囲を設定して評価する、
    請求項10に記載のパラメータ推定装置。
  12. 設備に関するパラメータを計算機により推定する方法であって、
    前記計算機は、
    前記設備に関する物理量を測定するセンサから観測値を取得し、
    前記観測値を対象パラメータに基づいて算出する設備モデル式を取得し、
    前記設備モデル式に前記対象パラメータの推定値を代入して得られる推定観測値の前記観測値に対する尤度を第1尤度関数により算出し、
    前記対象パラメータの推定値があらかじめ用意された所定範囲内に属する確率を求める第2尤度関数と前記第1尤度関数とに基づいて、前記対象パラメータの推定値の尤度を算出し、
    前記算出された尤度に基づいて前記対象パラメータを推定し、
    前記推定された対象パラメータを所定の評価基準にしたがって評価する、
    パラメータ推定方法。
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