JP2020095117A - 保護部材及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ディスプレイ表面の視認性や見栄えが低下することを適切に回避しつつ、プッシュ型スイッチの操作を適切に行えるようにする。【解決手段】保護部材9は、基材層12と粘着層13とを有する保護フィルム10と、保護フィルムの使用前には粘着層の片面全体に貼着されており、保護フィルムの使用時には粘着層から一部が剥離されると共に残りの部分が剥離されないセパレータ11と、を備える。オーバーレイカバー7にディスプレイ表面が設けられていると共に開口部8dからプッシュ型スイッチ16のプッシュ板17の上面17aが露出されている前面パネルの表面に保護フィルムが貼着される際には、オーバーレイカバーの表面7aの一部に粘着層が粘着されると共にプッシュ型スイッチのプッシュ板の上面及び当該上面周辺に粘着層が粘着されないように前面パネルの表面に保護フィルムが貼着される。【選択図】図9
Description
本発明は、保護部材及び電子機器に関する。
ディスプレイを有する電子機器においては、例えば特許文献1に開示されているように、ディスプレイ表面に傷や汚れが付着することを防止するために、ディスプレイ表面に保護フィルムが貼着される構成となっている。保護フィルムは、透明性及び柔軟性を有する樹脂からなる基材層と、基材層の片面全体に粘着剤が塗布されている粘着層とを有し、使用前には粘着層の片面全体にセパレータが貼着されている。保護フィルムは、使用時には粘着層からセパレータが剥離されて粘着層が露出され、その露出された粘着層がディスプレイ表面に粘着される。
例えば車両のダッシュボードに配置されるセンターディスプレイ機器では、透明なオーバーレイカバーの一部が画面表示部とされており、その画面表示部に対向してディスプレイ表面が配置されていると共に、ディスプレイ表面周辺にユーザが押下可能なプッシュ型スイッチが配置されている場合がある。この場合、オーバーレイカバーに開口部が形成され、その開口部からプッシュ型スイッチのプッシュ板の上面が露出されることで、前面パネルが構成されている。このような構成では、前面パネルの表面全体に粘着層が粘着されることで、画面表示部に保護フィルムが貼着され、画面表示部に傷や汚れが付着することを防止し、ディスプレイ表面の視認性や見栄えが低下することを回避することができる。
しかしながら、前面パネルの表面全体に粘着層が粘着される構成では、画面表示部だけでなく、プッシュ型スイッチのプッシュ板の上面及び当該上面周辺でも粘着層が粘着される。そのため、保護フィルムの張力によりプッシュ板を押下することができない問題が懸念される。又、プッシュ板を押下することができたとしても、保護フィルムの粘着力によりプッシュ板が元の位置まで復帰しない問題も懸念される。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電子機器の前面パネルの表面に保護フィルムが貼着されることで、ディスプレイ表面の視認性や見栄えが低下することを適切に回避しつつ、プッシュ型スイッチの操作を適切に行うことができる保護部材及び電子機器を提供することにある。
請求項1に記載した保護部材によれば、基材層(12)と、基材層に粘着剤が塗布されている粘着層(13)と、を有する保護フィルム(10)と、保護フィルムの使用前には粘着層の片面全体に貼着されており、保護フィルムの使用時には粘着層から一部が剥離されると共に残りの部分が剥離されないセパレータ(11)と、を備える。オーバーレイカバー(7)にディスプレイ表面(4)が設けられていると共に開口部(8b〜8g)からプッシュ型スイッチ(16)のプッシュ板(17)の上面(17a)が露出されている前面パネル(3)の表面(3a)に保護フィルムが貼着される際には、オーバーレイカバーの表面(7a)の一部に粘着層が粘着されると共にプッシュ型スイッチのプッシュ板の上面及び当該上面周辺に粘着層が粘着されないように前面パネルの表面に保護フィルムが貼着される。
オーバーレイカバーの表面の一部に粘着層が粘着されるようにしたので、前面パネルの表面に保護フィルムが貼着されることで、ディスプレイ表面の視認性や見栄えが低下することを適切に回避することができる。プッシュ型スイッチのプッシュ板の上面及び当該上面周辺に粘着層が粘着されないようにしたので、保護フィルムの張力や粘着力が作用することがなく、プッシュ型スイッチの操作を適切に行うことができる。これにより、電子機器の前面パネルの表面に保護フィルムが貼着されることで、ディスプレイ表面の視認性や見栄えが低下することを適切に回避しつつ、プッシュ型スイッチの操作を適切に行うことができる。
請求項7に記載した電子機器によれば、オーバーレイカバー(7)にディスプレイ表面(4)が設けられていると共に開口部(8b〜8g)からプッシュ型スイッチ(16)のプッシュ板(17)の上面(17a)が露出されている前面パネル(3)と、基材層(12)と、基材層に粘着剤が塗布されている粘着層(13)と、を有する保護フィルム(10)と、を備える。保護フィルムは、オーバーレイカバーの表面(7a)の一部に粘着層が粘着されると共にプッシュ型スイッチのプッシュ板の上面及び当該上面周辺に粘着層が粘着されないように前面パネルの表面(3a)に貼着されている。
請求項1に記載した保護部材と同様に、電子機器の前面パネルの表面に保護フィルムが貼着されることで、ディスプレイ表面の視認性や見栄えが低下することを適切に回避しつつ、プッシュ型スイッチの操作を適切に行うことができる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、車室内において、ダッシュボード1にはセンターディスプレイ機器2(電子機器)が配置されている。センターディスプレイ機器2の前面パネル3の表面3aにはディスプレイ表面4が設けられていると共に、回転型スイッチの操作つまみ5a,5b、プッシュ型スイッチのプッシュ板6a〜6fの上面が露出されている。乗員は、センターディスプレイ機器2の前面パネル3において回転型スイッチの操作つまみ5a,5bやプッシュ型スイッチのプッシュ板6a〜6fを操作可能となっている。
図2に示すように、前面パネル3は、所定形状のオーバーレイカバー7の中央部に矩形状の画面表示部8aが設けられていると共に、その画面表示部8aの横に複数の開口部8b〜8gが形成されて構成されている。オーバーレイカバー7は、透明樹脂で成形されており、画面表示部8aを除く部分が例えば黒色インクにより着色されている。例えばネジ止め等で前面パネル3が機器本体(図示せず)に取付けられた状態では、画面表示部8aにディスプレイ表面4が対向し、円形状の開口部8b,8cから回転型スイッチの操作つまみ5a,5bが露出され、矩形状の開口部8d〜8gからプッシュ型スイッチのプッシュ板6a〜6fの上面が露出される。即ち、乗員は、画面表示部8aを通してディスプレイ表面4を視認可能となっている。開口部8d,8fから1個分のプッシュ型スイッチのプッシュ板6a,6dの上面が露出され、開口部8e,8gから2個分のプッシュ型スイッチのプッシュ板6b,6c,6e,6fの上面が露出される。図1にも示したように、乗員から見てディスプレイ表面4の右側に回転型スイッチの操作つまみ5a及びプッシュ型スイッチのプッシュ板6a〜6cが配置され、ディスプレイ表面4の左側に回転型スイッチの操作つまみ5b及びプッシュ型スイッチのプッシュ板6d〜6fが配置される。
ディスプレイ表面4には、例えばナビゲーション機能の地図画面、オーディオ機能の設定画面、エアコン機能の設定画面等が表示され、その画面上で各種タッチボタンが表示される。オーバーレイカバー7において画面表示部8aは、静電容量式のタッチセンサを有し、ユーザが画面表示部8aにおいてタッチボタンに対応する箇所をタッチ操作すると、そのタッチ操作を検知する。回転型スイッチは、例えば音量を調整するためのボリュームスイッチ、ラジオの受信局を選択するためのチューンスイッチ等である。プッシュ型スイッチは、例えば各種項目を選択したり決定したりするためのスイッチ等である。
前面パネル3が機器本体に取付けられた状態では、回転型スイッチの操作つまみ5a,5bは、オーバーレイカバー7の表面7aから前方(乗員方向)に突出し、ディスプレイ表面4及びプッシュ型スイッチのプッシュ板6a〜6fの上面は、オーバーレイカバー7の表面7aと略面一となる。ここでいう略面一とは、完全な同一平面だけでなく、ディスプレイ表面4及びプッシュ型スイッチのプッシュ板6a〜6fの上面がオーバーレイカバー7の表面7aから僅かに凹んでいたり凸んでいたりする状態の意味も含む。又、オーバーレイカバー7の表面7aは、完全な平面ではなく僅かに湾曲した形状であり、上下方向で僅かに凸状に湾曲していると共に、左右方向でも僅かに凸状に湾曲した曲面構造となっている。
車両がユーザの手元に届くまでの製造過程や配送過程では、ディスプレイ表面4に対向する画面表示部8aに傷や汚れが付着することを防止するために、車両メーカー側で前面パネル3の表面3aに保護フィルムが貼着される。尚、ユーザが車両を購入した後に、ディスプレイ表面4に対向する画面表示部8aに傷や汚れが付着することを防止するために、ユーザ自身で保護フィルムが貼着される場合もある。
以下、保護フィルムについて説明する。図3に示すように、保護部材9は、保護フィルム10の片面全体にセパレータ11が貼着されて構成されている。保護フィルム10は、保護フィルム10からセパレータ11が剥離されることで使用される。図4に示すように、保護フィルム10及びセパレータ11の外形は、前面パネル3の外形と略同一である。ここでいう略同一とは、完全な同一形状だけでなく、僅かに相違している状態の意味も含む。保護フィルム10には、前面パネル3の表面3aに貼着されたときに上記した回転型スイッチの操作つまみ5a,5bが挿通される円形状の開口部14a,14bが形成されている。尚、セパレータ11には、後述するように開口部14a,14bに対応する部分が保護フィルム10から剥離されるので、開口部14a,14bに相当する開口部は形成されていない。
保護フィルム10は、基材層12と、基材層12の片面全体に粘着剤が塗布されている粘着層13とを有する。基材層12は、前面パネル3の表面3aに保護フィルム10が貼着された状態で外部に露出する層である。即ち、基材層12は、実際にディスプレイ表面4を傷や汚れから保護する層である。粘着層13は、使用前にはセパレータ11が貼着され、使用時には後述するようにセパレータ11の一部が剥離される層であり、そのセパレータ11が剥離された一部がオーバーレイカバー7の表面7aに貼着される層である。
基材層12は、前面パネル3の表面3aに保護フィルム10が貼着された状態でディスプレイ表面4やプッシュ型スイッチのプッシュ板6a〜6fの上面が視認可能となるように、且つプッシュ板6a〜6fの上面が押下された際に撓むように透明性及び柔軟性を有する樹脂から構成されている。基材層12に採用される樹脂としては、例えばシリコン樹脂、オレフィン系樹脂、PET(Poly Ethylene Terephthalate)樹脂等を挙げることができる。
粘着層13は、前面パネル3の表面3aに保護フィルム10が貼着された状態でディスプレイ表面4やプッシュ型スイッチ6a〜6fのプッシュ板の上面が視認可能となるように透明性を有する粘着剤から構成されている。又、粘着層13は、セパレータ11が貼着される際には密着性が高く、且つセパレータ11が剥離される際には簡単に剥離可能な性質の粘着剤であることが好ましい。粘着層13に採用される粘着剤としては、例えばアクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤等を挙げることができる。
セパレータ11は、保護フィルム10の使用前において粘着層13に貼着されており、上記したように保護フィルム10の使用時において一部だけが粘着層13から剥離される。保護フィルム10の使用前において粘着層13が露出されていると粘着力が低下してしまうので、粘着力の低下を未然に回避するために粘着層13にセパレータ11が貼着されている。
本実施形態では、上記したように保護フィルム10の使用時においてセパレータ11の全体が粘着層13から剥離されるのではなく、セパレータ11の一部だけが粘着層13から剥離されるので、粘着層13から剥離される部分が剥離され易いように切込みが形成されている。即ち、セパレータ11は、切込みにより粘着層13から剥離される部分と剥離されずに残る部分とに分離される。具体的に説明すると、図4に示すように、A1−A2で示す切込み15aと、A3−A4で示す切込み15bとの2本の切込み15a,15bが形成されている。切込み15aの外側(右側)であるS1、切込み15bの外側(左側)であるS2の部分が粘着層13から剥離される部分である。切込み15aの内側(左側)であり且つ切込み15bの内側(右側)であるS3の部分が粘着層13から剥離されずに残る部分である。粘着層13から剥離されずに残る部分の横方向の長さ(図4中W1)は、上記した画面表示部8aの横方向の長さ(図2中W2)よりも僅かに長く、粘着層13から剥離されずに残る部分の縦方向の長さ(図4中H1)は、上記した画面表示部8aの縦方向の長さ(図2中H2)よりも僅かに長い。即ち、画面表示部8aの全体に対応する部分で、粘着層13からセパレータ11が剥離されずに残る。
セパレータ11も、基材層12と同様に、前面パネル3の表面3aに保護フィルム10が貼着された状態でディスプレイ表面4やプッシュ型スイッチのプッシュ板6a〜6fの上面が視認可能となるように、且つプッシュ板6a〜6fの上面が押下された際に撓むように透明性及び柔軟性を有する樹脂から構成されている。ただし、基材層12にある程度の強度があれば、基材層12ほどの強度は不要である。セパレータ11に採用される樹脂としては、例えばアルキル系樹脂、シリコン系樹脂を挙げることができる。
図5及び図6に示すように、プッシュ型スイッチ16は、プッシュ板17と、タクトスイッチ18とを有する。図5及び図6に示すプッシュ板17は、オーバーレイカバー7の開口部8dから上面が露出される図1に示したプッシュ板6aと同じ部材である。オーバーレイカバー7の他の開口部8e〜8gから上面が露出される図1に示した他のプッシュ板6b〜6fについても同様である。オーバーレイカバー7の裏面7bにはリフレクタ19がネジ20によりネジ止めで固定されている。プッシュ板17は、オーバーレイカバー7の表面7aに対して垂直方向、即ち、ダッシュボード1にセンターディスプレイ機器2が配置されている状態では前後方向に往復移動可能にリフレクタ19により支持されている。タクトスイッチ18は、ラバー21と、ベース22とを有する。ラバー21は、プッシュ板17の先端部に当該プッシュ板17と一体的に往復移動可能に固定されている。ベース22は、プリント基板23に固定されている。
プッシュ板17が押下されていない状態では、上記したようにプッシュ板17の上面17aとオーバーレイカバー7の表面7aとが略面一であり、電気的な接点が開状態であり、タクトスイッチ18がオフ状態である。プッシュ板17に上方からの押圧力が加わると、プッシュ板17の上面17aがオーバーレイカバー7の表面7aから凹み、ラバー21がベース22側に移動されることで電気的な接点が開状態から閉状態になり、タクトスイッチ18がオン状態になる。プッシュ板17に加わっていた押圧力か解かれると、オーバーレイカバー7の表面7aから凹んでいたプッシュ板17の上面17aが元の位置まで戻り、ベース22側に移動されていたラバー21が元の位置まで戻り、電気的な接点が閉状態から開状態に戻り、タクトスイッチ18がオフ状態に戻る。
次に、前面パネル3の表面3aに保護フィルム10が貼着される態様について説明する。図7に示すように、オーバーレイカバー7の表面7aは、保護フィルム10の使用時において粘着層13からセパレータ11が剥離される部分(図4に示したS1,S2の部分)に対応する部分(T1,T2の部分)が、粘着層13が粘着される粘着部とされている。又、オーバーレイカバー7の表面7aは、粘着層13からセパレータ11が剥離されずに残る部分(図4に示したS3の部分)に対応する部分(T3の部分)が、粘着層13が粘着されない非粘着部とされている。即ち、画面表示部8a,開口部8d〜8gは非粘着部とされている。
保護フィルム10の粘着層13は、セパレータ11が剥離される左右上側の部分がオーバーレイカバー7の表面7aに粘着される。又、保護フィルム10の粘着層13は、セパレータ11が剥離されずに残る中央の部分及び左右下側の部分がオーバーレイカバー7の表面7aに粘着されない。
前面パネル3の表面3aに保護フィルム10を貼着する場合には、図4に示したS1,S2の部分のセパレータ11を粘着層13から剥離すると共にS3の部分のセパレータ11を粘着層13から剥離せずに残す。そして、保護フィルム10の粘着層13のS1,S2の部分に対応する部分と、オーバーレイカバー7の表面7aのT1,T2の部分との位置を合わせ、保護フィルム10の粘着層13をオーバーレイカバー7の表面7aに粘着させる。このとき、保護フィルム10の粘着層13が画面表示部8a及びプッシュ型スイッチ16のプッシュ板17の上面17a及び当該上面17a周辺に粘着されない。即ち、保護フィルム10は、画面表示部8aを挟む2か所で粘着層13が粘着されることでオーバーレイカバー7の表面7aに貼着される。尚、粘着層13が粘着される部分の上下方向にある程度の長さを持たせることで、前面パネル3の表面3aに貼着された保護フィルム10が剥離され難くなる。
このように粘着層13の一部をオーバーレイカバー7の表面7aに粘着させることで、前面パネル3の表面3aに保護フィルム10を貼着することができる。図8及び図9に示すように、前面パネル3の表面3aに保護フィルム10が貼着された状態では、プッシュ型スイッチ16のプッシュ板17の上面17a及び当該上面17a周辺でセパレータ11が剥離されずに残っている。プッシュ型スイッチ16のプッシュ板17の上面17a及び当該上面17a周辺に粘着層13が粘着されていないので、保護フィルム10の張力や粘着力が作用することがない。そのため、前面パネル3の表面3aに保護フィルム10が貼着されている場合でも、前面パネル3の表面3aに保護フィルム10が貼着されていない上記した図5及び図6に示したときと同じように、プッシュ型スイッチ16の操作を適切に行うことができる。尚、図8及び図9では、保護フィルム10及びセパレータ11の厚さを誇張して図示しているが、実際には保護フィルム10及びセパレータ11の厚さはオーバーレイカバー7の厚さに対して極めて薄い。
又、このように保護フィルム10が貼着された状態でセパレータ11が剥離されずに残っているので、図10に示すように、セパレータ11に切込み24が形成されることで、その切込み24を例えば製造過程内での管理ラベル25の貼着位置の目印として使用可能である。尚、上記した切込み15a,15b,24は、保護フィルム10にセパレータ11を貼着した後にハーフカットの手法によりセパレータ11に形成しても良いし、保護フィルム10にセパレータ11を貼着する前にセパレータ11に形成しても良い。
又、オーバーレイカバー7の表面7aが曲面構造であると、オーバーレイカバー7の表面7aに平面形状の保護フィルム10が貼着された際に、湾曲しているオーバーレイカバー7の表面7aの形状と平面形状の保護フィルム10の形状とが整合せずに保護フィルム10が浮いてしまい、気泡や皺の発生が懸念される。本実施形態では、粘着層13の全体が粘着される場合に比べ、粘着層13の一部だけが粘着され、粘着層13が粘着される面積が小さいので、気泡や皺の発生を抑えることができる。即ち、粘着層13が粘着される面積が大きいほど気泡や皺の発生が懸念されるが、本実施形態では、粘着層13が粘着される面積を小さくすることで、気泡や皺の発生を抑えることができる。その結果、気泡や皺の発生により見栄えが低下することを回避することができる。
以上に説明したように本実施形態によれば、以下に示す作用効果を得ることができる。オーバーレイカバー7の表面7aの一部に粘着層13が粘着されるようにしたので、前面パネル3の表面3aに保護フィルム10が貼着されることで、ディスプレイ表面4の視認性や見栄えが低下することを適切に回避することができる。プッシュ型スイッチ16のプッシュ板17の上面17a及び当該上面17a周辺に粘着層13が粘着されないようにしたので、保護フィルム10の張力や粘着力が作用することがなく、プッシュ型スイッチ16の操作を適切に行うことができる。これにより、前面パネル3の表面3aに保護フィルム10が貼着されることで、画面表示部8aに傷や汚れが付着することを防止し、ディスプレイ表面4の視認性や見栄えが低下することを適切に回避しつつ、プッシュ型スイッチ16の操作を適切に行うことができる。
又、オーバーレイカバー7の表面7aの全体に粘着層13が粘着される場合と比べ、オーバーレイカバー7の表面7aに貼着されている保護フィルム10を剥離させる際に糊残りが発生し得る面積を少なくすることができる。これにより、糊残りの発生による見栄えの悪化を未然に回避することができる。
又、オーバーレイカバー7の表面7aとプッシュ型スイッチ16のプッシュ板17の上面17aとで加飾方法が異なる場合、プッシュ板17の上面17a及び当該上面17a周辺に粘着層13が粘着される構成では、オーバーレイカバー7の表面7aとプッシュ板17の上面17aとの両方について粘着層13に対する耐性及び糊残り耐性を評価する必要がある。これに対し、プッシュ板17の上面17aだけについて粘着層13に対する耐性及び糊残り耐性を評価すれば良く、開発コスト及び開発期間を抑えることができ、開発の効率化を図ることができる。
又、プッシュ型スイッチ16のプッシュ板17の上面17a及び当該上面17a周辺だけでなく、ディスプレイ表面4に対向する画面表示部8aにも粘着層13が粘着されないようにしたので、気泡や皺の発生によりディスプレイ表面4の視認性や見栄えが低下することも適切に回避することができる。
又、オーバーレイカバー7の表面7aにおいて左右方向の対向する2か所で粘着層13が粘着されるようにしたので、例えば保護フィルム10の右端を右手で保持すると共に左端を左手で保持し、前面パネル3の表面3aに保護フィルム10を貼着する場合に、左右のバランスを均等に調整し易くなり、保護フィルム10を貼着する際の作業性を高めることができる。
又、従来では、製造工程や検査工程においてプッシュ型スイッチ16の動作確認後でしか保護フィルム10を貼着することができず、製造工程や検査工程で画面表示部8aに傷や汚れが付着することが懸念されていたが、本実施形態では、プッシュ型スイッチ16の動作確認前でも保護フィルム10を貼着することができ、製造工程や検査工程で画面表示部8aに傷や汚れが付着することを適切に防止することができる。又、製造工程や検査工程の手順の自由度を高めることもできる。又、保護フィルム10を貼着後にプッシュ型スイッチ16の動作確認する必要が発生した場合、従来では、保護フィルム10を部分的に剥離する必要があったが、本実施形態では、保護フィルム10を部分的に剥離する必要がない。
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、更には、それらに一要素のみ、それ以上、或いはそれ以下を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
電子機器は、センターディスプレイ機器2に限らず、他の車載機器であっても良い。又、車載の用途以外の別の用途の電子機器であっても良い。
回転型スイッチやプッシュ型スイッチのレイアウトや個数は任意である。即ち、プッシュ型スイッチのレイアウトや個数に応じて、セパレータ11において、粘着層13から剥離される部分と粘着層13から剥離されずに残る部分とのレイアウトや形状や面積比等を決定すれば良い。
前面パネル3の表面3aにおいて、ディスプレイ表面4がオーバーレイカバー7の画面表示部8aに覆われている構成を例示したが、ディスプレイ表面4が露出されている構成でも良い。
回転型スイッチやプッシュ型スイッチのレイアウトや個数は任意である。即ち、プッシュ型スイッチのレイアウトや個数に応じて、セパレータ11において、粘着層13から剥離される部分と粘着層13から剥離されずに残る部分とのレイアウトや形状や面積比等を決定すれば良い。
前面パネル3の表面3aにおいて、ディスプレイ表面4がオーバーレイカバー7の画面表示部8aに覆われている構成を例示したが、ディスプレイ表面4が露出されている構成でも良い。
図面中、2はセンターディスプレイ機器(電子機器)、3は前面パネル、3aは表面、4はディスプレイ表面、7はオーバーレイカバー、7aは表面、8aは画面表示部、8b〜8gは開口部、9は保護部材、10は保護フィルム、11はセパレータ、12は基材層、13は粘着層、16はプッシュ型スイッチ、17はプッシュ板、17aは上面、24は切込みである。
Claims (12)
- 基材層(12)と、前記基材層に粘着剤が塗布されている粘着層(13)と、を有する保護フィルム(10)と、
前記保護フィルムの使用前には前記粘着層の片面全体に貼着されており、前記保護フィルムの使用時には前記粘着層から一部が剥離されると共に残りの部分が剥離されないセパレータ(11)と、を備え、
オーバーレイカバー(7)にディスプレイ表面(4)が設けられていると共に開口部(8b〜8g)からプッシュ型スイッチ(16)のプッシュ板(17)の上面(17a)が露出されている前面パネル(3)の表面(3a)に前記保護フィルムが貼着される際には、前記オーバーレイカバーの表面(7a)の一部に前記粘着層が粘着されると共に前記プッシュ型スイッチの前記プッシュ板の上面及び当該上面周辺に前記粘着層が粘着されないように前記前面パネルの表面に前記保護フィルムが貼着される保護部材。 - 前記プッシュ型スイッチの前記プッシュ板の上面及び当該上面周辺に対応する部分では前記粘着層から前記セパレータが剥離されないことで、前記プッシュ型スイッチの前記プッシュ板の上面及び当該上面周辺に前記粘着層が粘着されないように前記前面パネルの表面に前記保護フィルムが貼着される請求項1に記載した保護部材。
- 前記ディスプレイ表面に対向する画面表示部(8a)が前記オーバーレイカバーに設けられ、
前記画面表示部に対応する部分でも前記粘着層から前記セパレータが剥離されないことで、前記画面表示部に前記粘着層が粘着されないように前記前面パネルの表面に前記保護フィルムが貼着される請求項2に記載した保護部材。 - 前記オーバーレイカバーの表面において対向する複数箇所で前記粘着層が粘着されるように前記前面パネルの表面に前記保護フィルムが貼着される請求項1から3の何れか一項に記載した保護部材。
- 前記オーバーレイカバーの表面において左右方向の対向する複数箇所で前記粘着層が粘着されるように前記前面パネルの表面に前記保護フィルムが貼着される請求項4に記載した保護部材。
- 前記セパレータにおいて前記粘着層から剥離されない部分に切込み(24)が形成されている請求項1から5の何れか一項に記載した保護部材。
- オーバーレイカバー(7)にディスプレイ表面(4)が設けられていると共に開口部(8b〜8g)からプッシュ型スイッチ(16)のプッシュ板(17)の上面(17a)が露出されている前面パネル(3)と、
基材層(12)と、前記基材層に粘着剤が塗布されている粘着層(13)と、を有する保護フィルム(10)と、を備え、
前記保護フィルムは、前記オーバーレイカバーの表面(7a)の一部に前記粘着層が粘着されると共に前記プッシュ型スイッチの前記プッシュ板の上面及び当該上面周辺に前記粘着層が粘着されないように前記前面パネルの表面(3a)に貼着されている電子機器。 - 前記保護フィルムは、前記プッシュ型スイッチの前記プッシュ板の上面及び当該上面周辺に対応する部分では前記粘着層から前記セパレータが剥離されていないことで、前記プッシュ型スイッチの前記プッシュ板の上面及び当該上面周辺に前記粘着層が粘着されないように前記前面パネルの表面に貼着されている請求項7に記載した電子機器。
- 前記オーバーレイカバーは、前記ディスプレイ表面に対向する画面表示部(8a)を備え、
前記保護フィルムは、前記画面表示部に対応する部分でも前記粘着層から前記セパレータが剥離されていないことで、前記画面表示部に前記粘着層が粘着されないように前記前面パネルの表面に貼着されている請求項8に記載した電子機器。 - 前記保護フィルムは、前記オーバーレイカバーの表面において対向する複数箇所で前記粘着層が粘着されるように前記前面パネルの表面に貼着されている請求項7から9の何れか一項に記載した電子機器。
- 前記保護フィルムは、前記オーバーレイカバーの表面において左右方向の対向する複数箇所で前記粘着層が粘着されるように前記前面パネルの表面に貼着されている請求項10に記載した電子機器。
- 前記セパレータにおいて前記粘着層から剥離されていない部分に切込み(24)が形成されている請求項7から11の何れか一項に記載した電子機器。
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