JP2020094831A - ガスセンサ素子の製造方法、ガスセンサ素子およびガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ素子の製造方法、ガスセンサ素子およびガスセンサ Download PDF

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【課題】固体電解質体からの外側電極の剥離を抑制することでガス検出精度の低下を抑制できるガスセンサ素子の製造方法、ガスセンサ素子およびガスセンサを提供する。【解決手段】ガスセンサ素子の製造方法であって、多孔質層形成工程と、メッキ工程と、電極形成工程と、を有する。この製造方法で製造されたガスセンサ素子は、外側電極27が多孔質層21aの内部に入り込んだ構成となるため、固体電解質体からの外側電極の剥離を抑制できる。また、電極形成工程での熱処理温度が多孔質層形成工程の焼成温度よりも低いため、外側電極の電極性能の低下を抑制できる。固体電解質体からの外側電極の剥離を抑制することができるとともに、外側電極の電極性能の低下を抑制できるため、ガス検出精度の低下を抑制できるガスセンサ素子を製造できる。【選択図】図5

Description

本開示は、ガスセンサ素子の製造方法、ガスセンサ素子およびガスセンサに関する。
測定対象ガスに含まれる特定ガスを検出するための有底筒状のガスセンサ素子を備えるガスセンサがある。
有底筒状のガスセンサ素子には、固体電解質体と、その表面に設けられた電極と、を備えるものがある。なお、電極としては、例えば、固体電解質体の外表面に設けられた外側電極と、固体電解質体の内表面に設けられた内側電極と、が挙げられる。
また、このようなガスセンサ素子には、電極を覆う保護層を備えるものがある(特許文献1)。この保護層が固体電解質体から剥離するのを抑制するために、固体電解質体の表面に凸部を設けたものが提案されている(特許文献1)。
これにより、保護層の剥離を抑制することができる。
特開平11−230930号公報
しかし、上記のガスセンサ素子では、電極と固体電解質体との密着性が十分ではない場合があり、電極が固体電解質体から浮いた状態や剥離した状態となった場合には、電極と固体電解質体との間の電気抵抗値が増大して、ガス検出精度が低下する可能性がある。
これに対して、例えば、焼成後にガスセンサ素子となる未焼成固体電解質材料において、電極となる領域に導電性金属材料を含有させた上で、固体電解質体と電極とを同時に焼成してガスセンサ素子を製造することで、電極が固体電解質体から剥離し難い構造を実現できる可能性はある。
しかし、未焼成固体電解質材料の焼成温度は高温(例えば、1500℃)であるため、高温の影響により電極の性能が低下してしまい、ガスセンサ素子としての検出精度が低下する可能性がある。
そこで、本開示の一局面においては、固体電解質体からの電極の剥離を抑制することでガス検出精度の低下を抑制できるガスセンサ素子の製造方法、ガスセンサ素子およびガスセンサを提供することが望ましい。
本開示の一態様は、ガスセンサ素子の製造方法であって、多孔質層形成工程と、メッキ工程と、電極形成工程と、を有する。
ガスセンサ素子は、有底筒型の固体電解質体と、電極と、を備える。電極は、固体電解質体の表面に設けられ、導電性金属材料で形成されている。固体電解質体は、固体電解質体の表面のうち電極の形成領域において多孔質層を備えている。多孔質層は、自身の表面のうち少なくとも2箇所で多孔質層の外部に連通するように形成された孔部を備えている。
多孔質層形成工程は、予め定められた焼成温度で有底筒型の未焼成固体電解質材料を焼成して固体電解質体を形成するとともに、多孔質層を形成する工程である。メッキ工程は、多孔質層形成工程の後、多孔質層の孔部に導電性金属材料を析出させる工程である。電極形成工程は、メッキ工程の後、焼成温度よりも低い熱処理温度で孔部に析出した導電性金属材料の熱処理を行い、電極を形成する工程である。
この製造方法で製造されたガスセンサ素子は、電極が多孔質層の内部(詳細には、孔部)に入り込んだ構成となるため、固体電解質体(詳細には、多孔質層)からの電極の剥離を抑制できる。また、電極形成工程での熱処理温度が多孔質層形成工程の焼成温度よりも低いため、電極の電極性能の低下を抑制できる。
よって、本開示の製造方法によれば、固体電解質体からの電極の剥離を抑制することができるとともに、電極の電極性能の低下を抑制できるため、ガス検出精度の低下を抑制できるガスセンサ素子を製造できる。
次に、上記のガスセンサ素子の製造方法においては、多孔質層形成工程は、未焼成固体電解質材料のうち多孔質層の形成領域に気孔化剤を含有させて未焼成固体電解質材料を焼成することで、孔部を有する多孔質層を形成する工程であってもよい。
このように、多孔質層形成工程において気孔化剤(造孔剤)を用いることで、孔部を有する多孔質層を形成できる。なお、孔部の大きさや形状は、気孔化剤の粒径や含有量を変更することにより、調整してもよい。
次に、上記のガスセンサ素子の製造方法においては、多孔質層形成工程は、焼成固体電解質材料のうち多孔質層の形成領域における未焼成固体電解質材料として、未焼成固体電解質材料のうち他の部位よりも焼成し難い材料を用いて、未焼成固体電解質材料を焼成することで、孔部を有する前記多孔質層を形成する工程である。
つまり、未焼成固体電解質材料は、焼成し難い材料であるほど、焼成時に孔部が形成されやすいため、多孔質層は、その他の部位と比べて、孔部が形成されやすくなる。このため、この製造方法によれば、孔部を有する多孔質層を形成することができる。なお、孔部の大きさや形状は、多孔質層となる未焼成固体電解質材料の種類、粒径、量などを変更することにより調整してもよい。なお、焼成し難い材料とは、焼成温度が高い材料と同義である。
次に、上記のガスセンサ素子の製造方法においては、多孔質層形成工程は、未焼成固体電解質材料のうち多孔質層の形成領域に溶融剤を含有させて未焼成固体電解質材料を焼成した後、溶融剤を溶融させて除去することで、孔部を有する多孔質層を形成する工程であってもよい。
このような多孔質層形成工程を実行することで、孔部を有する多孔質層を形成できる。なお、孔部の大きさや形状は、溶融剤(ガラス材料など)の粒径や含有量を変更することにより調整してもよい。
なお、この多孔質層形成工程は、例えば、焼成工程と、エッチング工程と、を実行することで実現できる。この場合、焼成工程は、未焼成固体電解質材料のうち多孔質層の形成領域に溶融剤を含有させて未焼成固体電解質材料を焼成する工程である。エッチング工程は、焼成工程の後、溶融剤を溶融させて除去することで、孔部を有する多孔質層を形成する工程である。
次に、上記のガスセンサ素子の製造方法においては、電極の導電性金属材料はPtまたはPt合金であってもよい。一例として、このような材料を用いることで、メッキ工程および電極形成工程によって電極を形成できる。
次に、上記のガスセンサ素子の製造方法においては、多孔質層の厚さ寸法は、電極のうち多孔質層の外側に形成される部位の最大厚さ寸法の2倍以上であってもよい。
このように多孔質層の厚さ寸法が規定されたガスセンサ素子においては、多孔質層のうち深い部分まで電極が入り込んだ状態となるため、多孔質層からの電極の剥離をより好適に抑制できる。
次に、上記のガスセンサ素子の製造方法においては、電極は、多孔質層の表面において多孔質層の一部が露出する状態で形成されてもよい。
この製造方法により製造されるガスセンサ素子は、多孔質層の一部が露出した状態で電極が形成されるため、三相界面(電極、多孔質層、測定対象ガスの三者が接する界面)を広く形成でき、ガス検出精度を向上できる。
なお、「多孔質層の一部が露出する状態で形成される電極」とは、換言すれば、「電極における複数の隙間から多孔質層が露出する状態」であり、例えば、海島構造、網目構造、水玉模様構造などが挙げられる。海島構造は、海に相当する電極において、複数の島に相当する隙間から多孔質層が露出した構造である。網目構造は、網目状に形成された電極において、網目の隙間から多孔質層が露出した構造である。水玉模様構造は、面状に形成された電極において、水玉模様状に設けられた複数の隙間から多孔質層が露出した構造である。なお、水玉模様状の複数の隙間は、形状,大きさが全て同一であるものに限られず、大きさ,形状が不均等なものであってもよい。また、水玉模様状の複数の隙間は、規則的に配列された物に限られず、不規則に配置されたものであってもよい。
本開示の他の一態様は、有底筒型の固体電解質体と、電極と、を備えるガスセンサ素子であって、固体電解質体は多孔質層を備える。
電極は、固体電解質体の表面に設けられ、導電性金属材料で形成されている。多孔質層は、固体電解質体の表面のうち電極の形成領域に形成される。多孔質層は、自身の表面のうち少なくとも2箇所で多孔質層の外部に連通するように形成された孔部を備えている。電極は、多孔質層のうち孔部の内部に電極の一部が配置されている。電極は、多孔質層の表面において、多孔質層の一部が露出する状態で形成されている。
このガスセンサ素子は、電極が多孔質層の内部(詳細には、孔部)に入り込んだ構成となるため、固体電解質体(詳細には、多孔質層)からの電極の剥離を抑制できる。よって、本開示のガスセンサ素子によれば、固体電解質体からの電極の剥離を抑制することができ、ガス検出精度の低下を抑制できる。
次に、上記のガスセンサ素子においては、電極は、固体電解質体の外表面に設けられた外側電極であってもよい。このような外側電極を備えるガスセンサ素子においては、多孔質層からの外側電極の剥離を抑制できる。
本開示の他の一態様は、ガスセンサ素子と、支持部と、を備えるガスセンサである。ガスセンサ素子は、測定対象ガスに含まれる特定ガスを検出するものであり、上述のガスセンサ素子である。支持部は、ガスセンサ素子を支持する。このガスセンサは、上記のガスセンサ素子を備えることで、固体電解質体からの電極の剥離を抑制することができ、ガス検出精度の低下を抑制できる。
ガスセンサを軸線O方向に破断した状態を示す説明図である。 保護層が形成される前のガスセンサ素子の外観を示す正面図である。 ガスセンサ素子の構成を示す断面図である。 図3に示すガスセンサ素子のうち点線で囲まれた領域D1を拡大した拡大断面図である。 ガスセンサ素子の内部構造のうち、素子本体,多孔質層、外側電極、保護層の断面構造を撮影した画像である。 保護層が形成される前のガスセンサ素子における多孔質層および外側電極を撮影した画像である。 多孔質層の内部における外側電極の形状を表した三次元画像である。 ガスセンサ素子の製造工程のうち多孔質層用スラリー塗布工程および乾燥工程の概略状態を表した説明図である。 多孔質層形成工程において、造孔剤が消失して焼成後の多孔質層に孔部が形成される状態を模式的に表した説明図である。 多孔質層形成工程において、多孔質層の材料として、素子本体の材料よりも焼結温度が高い材料を用いることで、孔部を有する多孔質層が形成される状態を模式的に表した説明図である。 多孔質層形成工程において、溶融剤を用いて孔部を有する多孔質層が形成される状態を模式的に表した説明図である。 多孔質層用スラリー塗布工程において、ディスペンサを用いて多孔質層用スラリーを塗布する状態を模式的に表した説明図である。 多孔質層用スラリー塗布工程において、吐出型ディスペンサを用いて多孔質層用スラリーを塗布する状態を模式的に表した説明図である。 多孔質層用スラリー塗布工程において、転写部材を用いて多孔質層用スラリーを塗布する状態を模式的に表した説明図である。
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
尚、本開示は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
[1.第1実施形態]
[1−1.全体構成]
第1実施形態として、内燃機関の排気管に対して先端部分を排気管内に突出させる形態で装着し、排気ガス中の酸素を検出する酸素センサ(以下、ガスセンサ1ともいう)を例に挙げて説明する。なお、ガスセンサ1は、例えば、自動車またはオートバイ等の車両の排気管に取り付けられ、排気管内の排気ガスに含まれる酸素濃度を検出する。
まず、本実施形態のガスセンサ1の構成について、図1を用いて説明する。
図1では、図面下方向がガスセンサの先端側であり、図面上方向がガスセンサの後端側である。
ガスセンサ1は、ガスセンサ素子3、セパレータ5、閉塞部材7、端子金具9、リード線11を備える。さらに、ガスセンサ1は、ガスセンサ素子3、セパレータ5、および閉塞部材7の周囲を覆う様に配置される主体金具13、プロテクタ15、外筒16を備えている。なお、外筒16は、内側外筒17および外側外筒19を備えている。
ガスセンサ1は、ガスセンサ素子3を加熱するためのヒータを備えていない、いわゆるヒータレスのセンサであり、排気ガスの熱を利用してガスセンサ素子3を活性化して酸素を検出するものである。
図2は、保護層31が形成される前のガスセンサ素子3の外観を示す正面図である。なお、図2では、保護層31の形成領域を点線で表している。図3は、ガスセンサ素子3の構成を示す断面図である。
ガスセンサ素子3は、酸素イオン伝導性を有する固体電解質体を用いて形成されており、先端部25が閉塞された有底筒型形状であり、軸線O方向に延びる円筒状の素子本体21を有している。この素子本体21の外周には、径方向外向きに突出した素子鍔部23が周設されている。
なお、素子本体21を構成する固体電解質体は、ジルコニア(ZrO)に安定化剤としてイットリア(Y)又はカルシア(CaO)を添加してなる部分安定化ジルコニア焼結体を用いて構成されている。素子本体21を構成する固体電解質体は、これらに限られることはなく、「アルカリ土類金属の酸化物とZrOとの固溶体」、「希土類金属の酸化物とZrOとの固溶体」などを使用しても良い。さらには、これらにHfOが含有されたものを、素子本体21を構成する固体電解質体として用いても良い。
ガスセンサ素子3の先端部25には、素子本体21の外周面に外側電極27(図3参照)が形成されている。外側電極27は、PtあるいはPt合金を多孔質に形成したものである。外側電極27は、多孔質状の保護層31で覆われている。このため、図2では、保護層31は図示されるが、外側電極27は図示されていない。
素子鍔部23の先端側(図2下方)には、Pt等で形成された環状の環状リード部28が形成されている。
素子本体21の外周面のうち外側電極27と環状リード部28との間には、Pt等で形成された縦リード部29が軸線方向に延びるように形成されている。縦リード部29は、外側電極27と環状リード部28とを電気的に接続している。
一方、図3に示すように、ガスセンサ素子3の素子本体21の内周面には、内側電極30が形成されている。内側電極30は、PtあるいはPt合金を多孔質に形成したものである。ガスセンサ素子3の先端部25(検知部)において、保護層31を介して外側電極27が測定対象ガスに晒され、内側電極30が基準ガス(大気)に晒されることで、測定対象ガス中の酸素濃度を検出している。
図1に示すように、セパレータ5は、電気絶縁性を有する材料(例えばアルミナ)で形成された円筒形状の部材である。セパレータ5は、その軸中心に、リード線11が貫挿される貫通孔35が形成されている。セパレータ5は、その外周側を覆う内側外筒17との間に空隙18が設けられるように配置されている。
閉塞部材7は、電気絶縁性を有する材料(例えばフッ素ゴム)で形成された円筒形状のシール部材である。閉塞部材7は、その後端に径方向外向きに突出する突出部36を備える。閉塞部材7は、その軸中心にリード線11が挿通されるリード線挿通孔37を備えている。閉塞部材7の先端面95は、セパレータ5の後端面97に密着し、閉塞部材7のうち突出部36よりも先端側の側方外周面98は、内側外筒17の内面に密着している。即ち、閉塞部材7は、外筒16の後端側を閉塞している。
閉塞部材7の後端向き面99は、外側外筒19の縮径部19gの先端向き面19aとの間で、リード線保護部材89の鍔部89bを挟持する。
このうち、縮径部19gは、閉塞部材7よりも後端側にて、径方向内側に延びており、縮径部19gの先端向き面19aは、ガスセンサ1の先端側に向く面として備えられている。縮径部19gの中央領域には、リード線11およびリード線保護部材89を挿通するためのリード線挿通部19cが形成されている。
リード線保護部材89は、リード線11を収容可能な内径寸法を有する筒状部材であり、可撓性、耐熱性および絶縁性を有する材料(例えば、ガラスチューブや樹脂チューブなど)で構成されている。リード線保護部材89は、リード線11を外部からの飛来物(石や水など)から保護するために備えられる。
リード線保護部材89は、先端側端部89aにおいて、軸線方向の垂直方向における外向きに突出する板状の鍔部89bを備える。鍔部89bは、リード線保護部材89の周方向の一部ではなく、全周にわたり形成されている。
リード線保護部材89の鍔部89bは、外筒16(詳細には、外側外筒19)の縮径部19gの先端向き面19aと閉塞部材7の後端向き面99との間に挟持される。
端子金具9は、導電性材料(例えばインコネル750(英インコネル社、商標名))で形成されており、センサ出力を外部に取り出すための導電性材料で構成される筒状部材である。端子金具9は、リード線11に電気的に接続されると共に、ガスセンサ素子3の内側電極30に電気的に接触するように配置されている。端子金具9は、その後端側に径方向(軸線方向と垂直の方向)の外向きに突出するフランジ部77を備えている。フランジ部77は、3枚の板状のフランジ片75を備えている。
リード線11は、芯線65と、その芯線65の外周を覆う被覆部67と、を備えて構成されている。
主体金具13は、金属材料(例えば鉄またはSUS430)で形成された円筒状の部材である。主体金具13には、内周面において径方向内側に向かって張り出した段部39が周設されている。段部39は、ガスセンサ素子3の素子鍔部23を支持するために備えられている。
主体金具13のうち先端側の外周面には、ガスセンサ1を排気管に取付けるためのネジ部41が形成されている。主体金具13のうちネジ部41の後端側には、ガスセンサ1を排気管に着脱する際に取付工具を係合させる六角部43が形成されている。更に、主体金具13のうち六角部43の後端側には、筒状部45が設けられている。
プロテクタ15は、金属材料(例えばSUS310S)で形成されており、ガスセンサ素子3の先端側を覆う保護部材である。プロテクタ15は、その後端縁が、パッキン88を介して、ガスセンサ素子3の素子鍔部23と主体金具13の段部39との間に挟まれるようにして固定されている。
ガスセンサ素子3のうち素子鍔部23の後端側領域においては、主体金具13とガスセンサ素子3との間に、先端側から後端側にかけて、滑石で形成されたセラミック粉末47と、アルミナで形成されたセラミックスリーブ49と、が配置されている。
更に、主体金具13の筒状部45の後端部51の内側には、金属材料(例えばSUS430)で形成された金属リング53と、金属材料(例えばSUS304L)で形成された内側外筒17の先端部55と、が配置されている。内側外筒17の先端部55は、径方向外向きに広がる形状に形成されている。つまり、筒状部45の後端部51が加締められることで、内側外筒17の先端部55が、金属リング53を介して筒状部45の後端部51とセラミックスリーブ49との間に挟持されて、内側外筒17が主体金具13に固定される。
また、内側外筒17の外周には、樹脂材料(例えばPTFE)で形成された筒状のフィルタ57が配置されると共に、フィルタ57の外周には、例えばSUS304Lで形成された外側外筒19が配置されている。フィルタ57は、通気は可能であるが水分の侵入は抑制できるものである。
そして、外側外筒19の加締め部19bが外周側から径方向内向きに加締められることにより、内側外筒17とフィルタ57と外側外筒19とが一体に固定される。また、外側外筒19の加締め部19hが外周側から径方向内向きに加締められることにより、内側外筒17と外側外筒19とが一体に固定され、閉塞部材7の側方外周面98が、内側外筒17の内面に密着することとなる。
なお、内側外筒17および外側外筒19は、それぞれ通気孔59、61を備えており、各通気孔59、61及びフィルタ57を介して、ガスセンサ1の内部と外部との通気が可能である。
[1−2.ガスセンサ素子]
ガスセンサ素子3の構成について説明する。
ガスセンサ素子3は、上述の通り、素子本体21と、外側電極27と、環状リード部28と、縦リード部29と、内側電極30と、保護層31と、を備えている。
図4は、図3に示すガスセンサ素子3のうち点線で囲まれた領域D1を拡大した拡大断面図である。
ガスセンサ素子3の先端部25においては、外側電極27および内側電極30が素子本体21を挟み込むように配置されている。
素子本体21は、上述のように、固体電解質体で構成されている。素子本体21は、素子本体21の外表面のうち第1領域L1(軸線方向の領域うち、素子鍔部23および素子鍔部23よりも先端側の領域)において、多孔質層21aを備えている。
外側電極27は、素子本体21の外表面における多孔質層21aの形成領域(第1領域L1)のうち素子本体21の先端領域(第2領域L2)に形成されている。つまり、素子本体21は、素子本体21の外表面のうち少なくとも外側電極27の形成領域において、多孔質層21aを備えている。
ここで、ガスセンサ素子3の内部構造のうち、素子本体21,多孔質層21a、外側電極27、保護層31の断面構造を撮影した画像を、図5に示す。なお、この画像は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影したものである。
図5に示すように、多孔質層21aは、多孔質層21aの内部に孔部21bを備えている。孔部21bは、多孔質層21aの表面(詳細には、測定対象ガスに接触する面)のうち少なくとも2箇所で多孔質層21aの外部に露出するように形成されている。
外側電極27は、多孔質層21aの内部(詳細には、孔部21b)に配置されるとともに、多孔質層21aの表面に露出する状態で設けられている。図6に示すように、外側電極27は、多孔質層21aの表面において、多孔質層21aの一部が露出する状態で形成されている。つまり、外側電極27は、最外表面に通過穴を有する構成である。測定対象ガスは、通過穴を介して多孔質層21a(素子本体21の一部)に到達することができる。
ここで、多孔質層21aの内部における外側電極27の形状を表した三次元画像を、図7に示す。この三次元画像は、FIB−SEMによりガスセンサ素子3の内部構造を立体的に観察し、外側電極27のみを抜粋して3D構築したものである。FIB−SEMとは、FIB(集束イオンビーム:Focused Ion Beam)装置を用いて試料の断面が露出するように試料を加工し、露出した断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察する手法である。試料の加工と観察を繰り返し、そのSEM画像をコンピュータ処理して、X軸、Y軸、Z軸で特定される三次元空間に試料の内部構造を立体的に表したものが、図7の三次元画像である。なお、この三次元画像は、外側電極27の形状を表した三次元画像であるとともに、多孔質層21aの内部における孔部21bの状態を表した画像ともいえる。図7に示すように、外側電極27は、多孔質層21aの内部(詳細には、孔部21b)に入り込んだ構成である。
図5に示すように、多孔質層21aの厚さ寸法T1は、外側電極27のうち多孔質層21aの外側に形成される部位の最大厚さ寸法T2の2倍以上である(T1≧T2×2)。本実施形態では、厚さ寸法T1は2.0[μm]であり、最大厚さ寸法T2は8.0[μm]である。なお、厚さ寸法T1は、多孔質層21aにおける任意の複数箇所(例えば10箇所)における厚さ寸法の平均値を用いてもよい。最大厚さ寸法T2は、外側電極27のうち多孔質層21aの外側に形成される任意の複数箇所(例えば、10箇所)における最大厚さ寸法の平均値を用いてもよい。
保護層31は、外側電極27を覆うように形成されている。保護層31は、多孔質状に形成されており、スピネル(MgAl)を備えて構成されている。
なお、図3では、各層や電極の積層構造を説明するために模式的に表したものであり、各層や電極における厚さ寸法の相対的な比率は、実際の比率とは異なる。また、図4では、多孔質層21aおよび外側電極27を厳密に表すことが難しいため、多孔質層21aおよび外側電極27を同一層として模式的に表している。ここでの「厚さ寸法」とは、素子本体21の表面に対する垂直方向の寸法を意味している。例えば、厚さ寸法T1は、多孔質層21aにおける内面から外面までの寸法であって、素子本体21の表面に対する垂直方向の寸法である。
[1−3.ガスセンサ素子の製造方法]
ガスセンサ素子3の製造方法について説明する。
本実施形態のガスセンサ素子の製造方法では、少なくとも、未焼結成形体製造工程、多孔質層用スラリー塗布工程、乾燥工程、多孔質層形成工程、メッキ工程、電極形成工程、保護層形成工程の各工程を実行する。
まず、素子本体21の材料である固体電解質体の粉末として、ジルコニア(ZrO)に安定化剤としてイットリア(Y)を5mol%添加したもの(「5YSZ」ともいう)を用意する。この粉末をプレス加工した後、筒型形状となるように切削加工を実施することで、未焼結成形体(未焼成固体電解質材料)を得る(未焼結成形体製造工程)。
次に、未焼結成形体のうち、多孔質層21aの形成領域(換言すれば、素子鍔部23および素子鍔部23よりも先端側の領域)に対して、多孔質層用スラリー113を塗布する(多孔質層用スラリー塗布工程)。例えば、図8の左側領域に示すように、素子本体21の未焼結成形体を、容器111に収容された多孔質層用スラリー113に浸漬することで、多孔質層用スラリー113の塗布を実施する。このとき、未焼結成形体を軸線O(図1参照)を回転軸として回転させつつ容器111を上昇させることで、未焼結成形体を多孔質層用スラリー113に浸漬させ、その後、容器111を下降させることで、多孔質層用スラリー113の塗布が完了する。
多孔質層用スラリー113は、ベース材、造孔剤、バインダー、分散材、溶媒を混合したものである。ベース材は、上記の素子本体21の材料と同じものを用いる。なお、ベース材は、この材料に限られることはなく、例えば、ジルコニア、アルミナ(Al)などを用いて構成してもよい。造孔剤は、例えば、カーボン、ダイヤモンド、樹脂等、高温で焼失するものを用いて構成される。
次に、図8の右側領域に示すように、未焼結成形体を軸線O(図1参照)を回転軸として回転させつつ、多孔質層用スラリー113に対して温風を吹き付けることで、多孔質層用スラリー113を乾燥させる(乾燥工程)。
このあと、未焼結成形体を所定の焼成温度(例えば、1500℃)で焼成することで、多孔質層21aが形成された素子本体21が得られる(多孔質層形成工程)。このとき、図9に模式的に示すように、多孔質層用スラリー113に含まれる造孔剤115は、焼成により焼失し、焼成後の多孔質層21aには孔部21bが形成される。このとき、造孔剤の含有量、粒径、焼成温度を調整することで、孔部21bの気孔率・気孔径を制御できる。
次に、多孔質層21aを備える素子本体21のうち、外側電極27の形成位置に対して、メッキ処理により導電性金属材料27(後述の熱処理後に外側電極27となるもの)を形成する(メッキ工程)。メッキ工程では、多孔質層21aのうち外側電極27の形成位置に対して、前処理、金属核付け処理を実施した上で、金属メッキ処理(Ptメッキ処理)を実施することで、導電性金属材料27を形成する。このとき、金属メッキ処理での析出速度を、通常のメッキ処理よりも遅い速度に設定することで、孔部21bの内部で金属(Pt)が析出し易くなり、孔部21bの内部に導電性金属材料27を形成できる。
なお、金属メッキ処理での析出速度が速い場合には、孔部21bのうち多孔質層21aの表面における開口部が、析出した金属(Pt)によって塞がれてしまい、孔部21bの内部に導電性金属材料27を形成できない可能性がある。このような事態を避けるために、金属メッキ処理での析出速度を適切に設定することで、孔部21bの内部に導電性金属材料27を適切に形成できる。
また、メッキ工程では、導電性金属材料27を形成するにあたり、多孔質層21aの表面において多孔質層21aの一部が露出する状態となるように、メッキ条件を調整して、導電性金属材料27を形成する。これにより、導電性金属材料27によって形成される外側電極27は、多孔質層21aの表面において多孔質層21aの一部が露出する状態となる。
次に、導電性金属材料27が形成された素子本体21のうち、環状リード部28、縦リード部29、内側電極30のそれぞれの形成位置に対して、白金(Pt)およびジルコニアを含有するスラリーを塗布する。
このとき、環状リード部28、縦リード部29を形成するためのスラリーは、白金(Pt)に対して15質量%の単斜晶ジルコニアを添加したものを用いる。内側電極30を形成するためのスラリーは、白金(Pt)に対して、「5YSZ」(素子本体21と同じ組成)を15質量%添加したものを用いる。
次に、上記の各スラリーが塗布された素子本体21について、乾燥処理を施した後、所定の熱処理温度(例えば、1250℃)で1時間かけて、孔部21bに析出した導電性金属材料27の熱処理を行うことで、外側電極27が形成される(電極形成工程)。このとき、同時に各スラリーについても熱処理が行われることで、環状リード部28、縦リード部29、内側電極30が形成される。なお、電極形成工程の熱処理温度は、多孔質層形成工程の焼成温度よりも低い温度が設定されている。
次に、素子本体21のうち外側電極27の全体を覆うように、焼成後に保護層31となるスラリーをディップ法により塗布することで、未焼成の保護層31を形成する。このスラリーは、5YSZに対して、造孔材(気孔化材)としてカーボンを添加し、スピネル粉末およびチタニア粉末を含んだものである。
次に、上記のスラリーが塗布された素子本体21について、乾燥処理を施した後、1000℃で1時間かけて焼成し保護層31を形成した(保護層形成工程)。
このあと、焼成体のうち保護層31の形成部分を、貴金属を含有する水溶液(塩化Pt酸溶液+硝酸Pd溶液+硝酸Rh溶液)に浸漬した後、乾燥処理を施し、さらに800℃で熱処理した。
このような製造工程を実施することで、ガスセンサ素子3が得られる。
このようにして製造されたガスセンサ素子3は、セパレータ5、閉塞部材7、端子金具9、リード線11などと組み付けられることで、ガスセンサ1の一部を構成する。
[1−4.効果]
以上説明したように、本実施形態のガスセンサ1に備えられるガスセンサ素子3の製造方法は、多孔質層形成工程と、メッキ工程と、電極形成工程と、を有する。
この製造方法で製造されたガスセンサ素子3は、外側電極27が多孔質層21aの内部(詳細には、孔部21b)に入り込んだ構成となるため、素子本体21(詳細には、多孔質層21a)からの外側電極27の剥離を抑制できる。また、電極形成工程での熱処理温度が多孔質層形成工程の焼成温度よりも低いため、外側電極27の電極性能の低下を抑制できる。
よって、本実施形態におけるガスセンサ素子の製造方法によれば、素子本体21からの外側電極27の剥離を抑制することができるとともに、外側電極27の電極性能の低下を抑制できるため、ガス検出精度の低下を抑制できるガスセンサ素子3を製造できる。
なお、本実施形態の多孔質層形成工程は、未焼結成形体(未焼成固体電解質材料)のうち多孔質層21aの形成領域に造孔剤115(気孔化剤)を含有させて未焼成固体電解質材料を焼成することで、孔部21bを有する多孔質層21aを形成する工程である。
このように、多孔質層形成工程において造孔剤115を用いることで、孔部21bを有する多孔質層21aを形成できる。なお、孔部21bの大きさや形状は、造孔剤115の粒径や含有量などの変更や、焼成温度の変更により、調整してもよい。
次に、本実施形態においては、外側電極27の導電性金属材料はPtまたはPt合金である。このような材料を用いることで、メッキ工程および電極形成工程によって外側電極27を形成できる。
次に、本実施形態においては、多孔質層21aの厚さ寸法T1は、外側電極27のうち多孔質層21aの外側に形成される部位の最大厚さ寸法T2の2倍以上である。このように多孔質層21aの厚さ寸法が規定されたガスセンサ素子3においては、多孔質層21aのうち深い部分まで外側電極27が入り込んだ状態となるため、多孔質層21aからの外側電極27の剥離をより好適に抑制できる。
次に、本実施形態においては、外側電極27は、多孔質層21aの表面において多孔質層21aの一部が露出する状態で形成されている。この製造方法により製造されるガスセンサ素子3は、多孔質層21aの一部が露出した状態で外側電極27が形成されるため、三相界面(外側電極27、素子本体21(多孔質層21a)、測定対象ガスの三者が接する界面)を広く形成でき、ガス検出精度を向上できる。
また、本実施形態のガスセンサ1は、ガスセンサ素子3を備えることから、外側電極27が多孔質層21aの内部(詳細には、孔部21b)に入り込んだ構成となるため、素子本体21(詳細には、多孔質層21a)からの外側電極27の剥離を抑制できる。よって、ガスセンサ1によれば、素子本体21からの外側電極27の剥離を抑制することができ、ガス検出精度の低下を抑制できる。
[1−5.文言の対応関係]
ここで、本実施形態における文言の対応関係について説明する。
ガスセンサ1がガスセンサの一例に相当し、ガスセンサ素子3がガスセンサ素子の一例に相当し、素子本体21が固体電解質体の一例に相当し、外側電極27が電極の一例に相当する。多孔質層21aが多孔質層の一例に相当し、孔部21bが孔部の一例に相当し、造孔剤115が気孔化剤の一例に相当する。主体金具13が支持部の一例に相当する。
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
上記実施形態では、多孔質層形成工程として、造孔剤を用いて孔部を形成する多孔質層形成工程について説明したが、他の方法により孔部を形成してもよい。
例えば、多孔質層形成工程は、未焼成固体電解質材料のうち多孔質層の形成領域における未焼成固体電解質材料として、未焼成固体電解質材料のうち他の部位よりも焼成し難い材料を用いて、未焼成固体電解質材料を焼成することで、孔部を有する前記多孔質層を形成する工程であってもよい。なお、焼成し難い材料とは、焼成温度が高い材料と同義である。
具体的には、図10に示すように、多孔質層21aの材料(セラミック粉末121)として、素子本体21の材料よりも焼結温度が高い材料(セラミック粉末)を用いることで、孔部を有する多孔質層を形成してもよい。この場合の多孔質層用スラリーは、ベース材、造孔剤、バインダー、分散材、溶媒を混合したものであるが、ベース剤は、素子本体21の材料よりも焼結温度が高いセラミック粉末を用いて構成する。
このとき、セラミック粉末121の粒子径や焼結温度(セラミック粉末の種類)を調整することで、多孔質層21aの気孔率や気孔径を制御できる。例えば、セラミック粉末121の粒子径が小さくなるに従い、多孔質層21aにおいて孔部21bが形成され難くなるが、粒子径が大きくなるに従い、多孔質層21aはセラミック粉末121が積み重なった状態で焼成されるため、孔部21bが形成されやすくなる。また、セラミック粉末121の焼結温度が低くなるに従い、焼成時に多孔質層21aの焼結が進行しやすくなるため孔部21bが焼失しやすくなり、セラミック粉末121の焼結温度が高くなるに従い、焼成時に多孔質層21aの焼結が進行し難くなるため孔部21bが形成されやすくなる。ただし、セラミック粉末121の焼結温度が高くなりすぎると、粒子どうしの焼結が不十分となり、多孔質層21aが形成できない可能性があるため、孔部21bを有する多孔質層21aを形成できるように適切な焼結温度のセラミック粉末を選択するとよい。
あるいは、多孔質層形成工程は、焼成工程と、エッチング工程と、を有しており、溶融剤(ガラス材料など)を用いて孔部を形成する工程であってもよい。焼成工程は、未焼成固体電解質材料のうち多孔質層の形成領域に溶融剤を含有させて未焼成固体電解質材料を焼成する工程である。エッチング工程は、焼成工程の後、溶融剤を溶融させて除去することで、孔部を有する多孔質層を形成する工程である。
具体的には、図11に示すように、多孔質層用スラリー113として、上記の実施形態における造孔剤115に代えて、溶融剤123を混合したものを用いて、多孔質層21aを形成する。溶融剤123は、例えば、ガラス材料(SiO粉末)やFe粉末などが挙げられる。
この場合の多孔質層形成工程は、まず、焼成工程として、未焼結成形体(未焼成固体電解質材料)のうち多孔質層21aの形成領域に溶融剤123を含有させて未焼成固体電解質材料を焼成することで、溶融剤123を有する多孔質層21aを形成する焼成工程を実施する。次のエッチング工程では、溶融剤123を溶融するための処理を実行することで、孔部21bを形成する。なお、溶融剤123としてSiO粉末を用いる場合には、エッチング工程では、フッ酸(HF)を用いて溶融剤123を溶融させるHF処理を実行する。
このとき、溶融剤123の粒子径や量を調整することで、多孔質層21aの気孔率や気孔径を制御できる。例えば、溶融剤123の粒子径が小さくなるに従い、多孔質層21aにおいて孔部21bが形成され難くなるが、粒子径が大きくなるに従い、多孔質層21aは溶融剤123が積み重なった状態となるため、孔部21bが形成されやすくなる。
次に、上記実施形態では、多孔質層用スラリー塗布工程において、素子本体21の未焼結成形体を多孔質層用スラリー113に浸漬することで、多孔質層用スラリー113を塗布する方法について説明したが、多孔質層用スラリー塗布方法はこのような形態に限られることはない。
例えば、図12に示すように、ディスペンサ131を用いて多孔質層用スラリーを塗布する方法を用いて、多孔質層用スラリー塗布工程を実行してもよい。具体的には、素子本体21の未焼結成形体のうち、多孔質層21aの形成領域(換言すれば、素子鍔部23および素子鍔部23よりも先端側の領域)に対して、ディスペンサ131から多孔質層用スラリーを供給しながら、未焼結成形体とディスペンサ131との相対位置を移動させることで、多孔質層用スラリー113を塗布する。
なお、図12のように、未焼結成形体に対してディスペンサ131を接触させつつ、多孔質層用スラリー113を塗布する方法(接触方式)に限られることはなく、図13のように、素子本体21の未焼結成形体から離れた位置の吐出型ディスペンサ133から多孔質層用スラリー113を吐出して、多孔質層用スラリー113を塗布する方法(非接触方式)で塗布してもよい。吐出型ディスペンサ133は、例えば、ジェットディスペンサやインクジェットなどを用いて構成できる。
次に、他の多孔質層用スラリー塗布方法としては、転写部材を用いて多孔質層用スラリー113を転写する塗布方法を用いてもよい。例えば、図14に示すように、まず、転写部材135の転写面に多孔質層用スラリー113を印刷して、その後、転写部材135を素子本体21の未焼結成形体の所定位置に当接させて、多孔質層用スラリー113を転写する。これにより、転写による多孔質層用スラリー塗布方法を実行できる。
次に、上記実施形態においては、外側電極の導電性金属材料がPtまたはPt合金である形態について説明したが、他の導電性金属材料を用いて構成された外側電極を備える形態であってもよい。
さらに、上記実施形態では、外側電極の一部が多孔質層の孔部に設けられる形態のガスセンサ素子について説明したが、本開示は、内側電極の一部が多孔質層の孔部に設けられる形態であってもよい。あるいは、本開示は、内側電極の一部および外側電極の一部のそれぞれが、内側多孔質層の孔部および外側多孔質層に設けられる電極として設けられる形態であってもよい。なお、内側多孔質層は、有底筒型形状のガスセンサ素子の内周面に設けられる多孔質層であり、外側多孔質層は、有底筒型形状のガスセンサ素子の外周面に設けられる多孔質層である。上記実施形態の多孔質層21aは外側多孔質層である。
内側電極の一部が多孔質層の孔部に設けられる形態のガスセンサ素子の製造方法においては、内側電極および内側多孔質層を形成するための工程として、少なくとも、多孔質層用スラリー塗布工程、乾燥工程、多孔質層形成工程、メッキ工程、電極形成工程の各工程を実行する。
この場合の多孔質層用スラリー塗布工程は、有底筒状の素子本体の内部に対して、ディスペンサなどを用いて多孔質層用スラリー(内側多孔質層を形成するためのスラリー)を充填(注入)した後、素子本体の内部から多孔質層用スラリーを吸い取り除去することで、素子本体の内周面に多孔質層用スラリーを塗布することで実行できる。このとき、ディスペンサとしては、素子本体の内面底部に先端が到達する長さ寸法の管状部を備え、管状部による多孔質層用スラリーの吸い取りが可能なものを使用してもよい。このようなディスペンサを用いることで、管状部を素子本体の内部に挿入した状態で、多孔質層用スラリーの充填作業と吸い取り除去作業とを連続して実行できる。
なお、多孔質層用スラリー塗布工程は、有底筒状の素子本体の内部に多孔質層用スラリーを充填する方法に限られることはなく、素子本体の内周面に直接塗布する方法を用いてもよい。例えば、素子本体を僅かに斜めに配置した状態で、ディスペンサの管状部を素子本体の内部に挿入し、素子本体を回転させながら多孔質層用スラリーを内周面に塗布する方法が挙げられる。
乾燥工程は、例えば、塗布した多孔質層用スラリーに対して温風を吹き付けることで、多孔質層用スラリーを乾燥させる方法で実現できる。
多孔質層形成工程は、素子本体(未焼結成形体)を所定の焼成温度で焼成することで実現できる。これにより、孔部を有する内側多孔質層を形成できるとともに、内側多孔質層を有する素子本体が得られる。
メッキ工程は、核付け工程と、析出工程と、エージング工程と、を含んだ工程であり、内側多孔質層を備える素子本体のうち、内側電極の形成位置に対して、メッキ処理により導電性金属材料(熱処理後に内側電極となるもの)を形成する工程である。核付け工程では、まず、素子本体の内部に塩化白金酸水溶液を注入し、加熱した後、この塩化白金酸水溶液を排出し、素子本体の内周面に塩化白金酸の水溶液の塗布膜を形成し、この後、素子本体の内部にヒドラジンの水溶液を注入し、75℃に加熱して30分間放置して、素子本体の内周面(詳細には、内側多孔質層の孔部)に白金の核を析出させる。次の析出工程では、素子本体の内部に白金錯塩水溶液と、ヒドラジンの水溶液とを混合して調整したメッキ液を注入し、これを加熱して放置することによりメッキ液中の白金を析出させる。次のエージング工程では、素子本体の内周面に水を吹き付けて洗浄した後、素子本体を乾燥機に収容し十分に乾燥させる。この結果、内側多孔質層を備える素子本体のうち、内側電極の形成位置に対して、導電性金属材料(熱処理後に内側電極となるもの)を形成できる。
次の電極形成工程は、素子本体を所定の熱処理温度で所定時間かけて、孔部に析出した導電性金属材料の熱処理を行うことで、内側電極を形成する工程である。なお、電極形成工程の熱処理温度は、多孔質層形成工程の焼成温度よりも低い温度が設定されている。
なお、メッキ工程を実施した後、電極形成工程の前に、素子本体のうち、環状リード部、縦リード部、外側電極のそれぞれの形成位置に対して、白金(Pt)およびジルコニアを含有するスラリーを塗布してもよい。これにより、電極形成工程において、内側電極と同時に、環状リード部、縦リード部、外側電極を形成することが可能となる。
次に、上記実施形態では、ガスセンサとしてヒータレスガスセンサについて説明したが、本開示を適用するガスセンサは、ガスセンサ素子を加熱するためのヒータを備えるヒータ付きガスセンサであってもよい。このようなガスセンサは、ヒータによる加熱に加えて排気ガスからの熱を効率よくガスセンサ素子の活性化に利用できるため、低温(300℃以下)環境下でもガス検出が可能となる。なお、ヒータとしては、例えば、棒状に形成されて、有底筒型形状のガスセンサ素子のうち筒状内面に当接する棒状ヒータなどが挙げられる。
また、上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
1…ガスセンサ、3…ガスセンサ素子、13…主体金具、21…素子本体、21a…多孔質層、21b…孔部、23…素子鍔部、27…外側電極、28…環状リード部、29…縦リード部、30…内側電極、31…保護層、115…造孔剤、123…溶融剤、131…ディスペンサ、133…吐出型ディスペンサ、135…転写部材。

Claims (11)

  1. 有底筒型の固体電解質体と、
    前記固体電解質体の表面に設けられた導電性金属材料で形成された電極と、
    を備えるガスセンサ素子の製造方法であって、
    前記固体電解質体は、前記固体電解質体の表面のうち前記電極の形成領域において多孔質層を備え、
    前記多孔質層は、自身の表面のうち少なくとも2箇所で前記多孔質層の外部に連通するように形成された孔部を備えており、
    予め定められた焼成温度で有底筒型の未焼成固体電解質材料を焼成して前記固体電解質体を形成するとともに、前記多孔質層を形成する多孔質層形成工程と、
    前記多孔質層形成工程の後、前記多孔質層の前記孔部に導電性金属材料を析出させるメッキ工程と、
    前記メッキ工程の後、前記焼成温度よりも低い熱処理温度で前記孔部に析出した前記導電性金属材料の熱処理を行い、前記電極を形成する電極形成工程と、
    を有するガスセンサ素子の製造方法。
  2. 前記多孔質層形成工程は、前記未焼成固体電解質材料のうち前記多孔質層の形成領域に気孔化剤を含有させて前記未焼成固体電解質材料を焼成することで、前記孔部を有する前記多孔質層を形成する工程である、
    請求項1に記載のガスセンサ素子の製造方法。
  3. 前記多孔質層形成工程は、前記未焼成固体電解質材料のうち前記多孔質層の形成領域における未焼成固体電解質材料として、前記未焼成固体電解質材料のうち他の部位よりも焼成し難い材料を用いて、前記未焼成固体電解質材料を焼成することで、前記孔部を有する前記多孔質層を形成する工程である、
    請求項1に記載のガスセンサ素子の製造方法。
  4. 前記多孔質層形成工程は、前記未焼成固体電解質材料のうち前記多孔質層の形成領域に溶融剤を含有させて前記未焼成固体電解質材料を焼成した後、前記溶融剤を溶融させて除去することで、前記孔部を有する前記多孔質層を形成する工程である、
    請求項1に記載のガスセンサ素子の製造方法。
  5. 前記電極の前記導電性金属材料は、PtまたはPt合金である、
    請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載のガスセンサ素子の製造方法。
  6. 前記多孔質層の厚さ寸法は、前記電極のうち前記多孔質層の外側に形成される部位の最大厚さ寸法の2倍以上である、
    請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載のガスセンサ素子の製造方法。
  7. 前記電極は、前記多孔質層の表面において、前記多孔質層の一部が露出する状態で形成されている、
    請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載のガスセンサ素子の製造方法。
  8. 前記電極は、前記固体電解質体の外表面に設けられた外側電極である、
    請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載のガスセンサ素子の製造方法。
  9. 有底筒型の固体電解質体と、
    前記固体電解質体の表面に設けられた導電性金属材料で形成された電極と、
    を備えるガスセンサ素子であって、
    前記固体電解質体は、前記固体電解質体の表面のうち前記電極の形成領域において多孔質層を備え、
    前記多孔質層は、自身の表面のうち少なくとも2箇所で前記多孔質層の外部に連通するように形成された孔部を備えており、
    前記電極は、前記多孔質層のうち前記孔部の内部に前記電極の一部が配置されており、
    前記電極は、前記多孔質層の表面において、前記多孔質層の一部が露出する状態で形成されている、
    ガスセンサ素子。
  10. 前記電極は、前記固体電解質体の外表面に設けられた外側電極である、
    請求項9に記載のガスセンサ素子。
  11. 測定対象ガスに含まれる特定ガスを検出するガスセンサ素子と、
    前記ガスセンサ素子を支持する支持部と、
    を備えるガスセンサであって、
    前記ガスセンサ素子は、請求項9または請求項10に記載のガスセンサ素子である、
    ガスセンサ。
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