JP2020094276A - シール装置、真空装置、成膜装置、及びフィルム製造方法 - Google Patents

シール装置、真空装置、成膜装置、及びフィルム製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ウェブの振動を低減することができるシール装置を提供すること。【解決手段】本発明に係るシール装置は、第1空間と前記第1空間よりも圧力が低い第2空間とを隔離しつつウェブWを連続搬送可能とするシール装置Sであって、前記第1空間と前記第2空間との間を区分する隔壁部1と、前記隔壁部1に近接して設けられ、前記ウェブWを案内する少なくとも1つのガイドローラ2,3と、を備え、前記第1空間及び前記第2空間を接続し、前記ウェブが通過する搬送路4と、少なくとも前記搬送路4の近傍で前記第1空間に開口し、低圧源に接続され、前記第1空間内の気体を外部に排出する排気流路5と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、シール装置、真空装置、成膜装置、及びフィルム製造方法に関する。
例えば蒸着フィルムの製造等では、ウェブを大気圧と異なる圧力の空間に配置して加工を行う工程が必要とされる。このような加工工程は、ウェブを巻き取ったリールを加工チャンバの内部に搬入し、ウェブを巻き戻しながら所定の加工を行い、加工したウェブを巻き取ったリールを加工チャンバから搬出するバッチ処理により行われていた。リールの搬入及び搬出時にも加工チャンバ内の圧力を一定に保持してバッチ処理を効率的に行うために、加工チャンバに隣接する前室(ロードロック)を設け、この前室の圧力を外部の圧力と加工チャンバの圧力との間で増減する装置が知られている。
しかしながら、前室を設けたとしてもバッチ処理では生産性を十分に向上できないため、ウェブを連続的に加圧又は減圧された空間内に供給し、加工されたウェブを加圧又は減圧された空間から連続的に排出する連続処理が求められている。
ウェブの連続処理を行う場合、圧力が異なる2つの空間を区分する隔壁にウェブが通過する開口(スリット)が必要となるが、この開口を通して高圧側の空間内の雰囲気ガスが低圧側の空間内に流入する。各空間の圧力を効率よく要求される圧力で保持するために、ウェブが通過する開口部に雰囲気ガスの移動を抑制するシール装置を配設する技術が知られている。
薄い樹脂フィルム等、ウェブの種類によっては、ウェブに接触するシール部材を有するシール装置は使用することができないため、高圧側空間内の雰囲気ガスが低圧側の空間に流入する流路を完全に閉鎖することが困難である。また、薄い樹脂フィルム等は、大きな張力を付与できないので、隔壁の近傍にガイドローラを配置して、隔壁の開口を通過する際に振動して開口の内壁に接触することを防止することが望まれる。しかしながら、隔壁の近傍に配置されたガイドローラは隔壁の開口に流れ込むガスがウェブに衝突するような流路を形成し、ガスの衝突によってウェブを振動させ得る。
特許文献1には、ウェブ(ストリップ)が通過する扁平な内部空間(インナークリアランス)を形成する内筒(シール筒)と、この内筒を取り囲む外筒(アウターシールバー)とを備え、内筒及び外筒の高圧空間側の先端部をガイドローラに沿う形状としたシール装置が提案されている。特許文献1のシール装置は、ガイドローラに沿って内筒内に流入しようとする空気を内筒と外筒との間の空間を通して低圧側の空間に逃がすことで、ウェブに衝突する空気量を低減してウェブの振動を抑制することができる。
特開平4−147973号公報
近年、ウェブの中でも特に光学用フィルムの傷に対する要求が厳しくなってきている。具体的には、従来は欠陥とはみなされなかった微細な傷が許容されないことが増えてきている。また、近年、より圧力差が大きい空間の間でウェブを搬送することが求められている。隣接する空間の差圧が大きくなると、雰囲気ガスの移動量が増大するため、ウェブの振動が大きくなりやすい。ウェブの振動は、ウェブの搬送ローラ等に対する滑りを生じさせることにより、ウェブに周期的な傷を発生させる。ウェブの張力を大きくすればウェブの振動を抑制できるが、熱収縮率等を不安定にする原因となり得るため、薄い光学用フィルム等の製造ではウェブに大きな張力を付与することができない。
そこで、本発明は、ウェブの振動を低減することができるシール装置、真空装置、成膜装置、及びフィルム製造方法を提供することを課題とする。
本発明にかかるシール装置は、第1空間と前記第1空間よりも圧力が低い第2空間とを隔離しつつウェブを連続搬送可能とするシール装置であって、前記第1空間と前記第2空間との間を区分する隔壁部と、前記隔壁部に近接して設けられ、前記ウェブを案内する少なくとも1つのガイドローラと、を備え、前記第1空間及び前記第2空間を接続し、前記ウェブが通過する搬送路と、少なくとも前記搬送路の近傍で前記第1空間に開口し、低圧源に接続され、前記第1空間内の気体を外部に排出する排気流路と、を有する。
本発明にかかるシール装置において、前記排気流路は、前記ガイドローラの外周面のうち前記ウェブが当接しない角度領域に対向又は隣接する位置で前記第1空間に開口してもよい。
本発明にかかるシール装置において、前記排気流路は、前記第1空間及び前記第2空間を接続する連通部と、前記連通部を前記低圧源に接続する接続部とを有してもよい。
本発明にかかるシール装置において、前記排気流路は、異なる前記低圧源に接続される複数の前記連通部を有してもよい。
本発明にかかるシール装置において、前記ガイドローラは、前記隔壁部に形成される開口内に配置され、前記第1空間及び前記第2空間にそれぞれ部分的に露出し、前記ガイドローラと前記開口の内縁との間に形成される2つの空間の一方が前記搬送路とされ、他方が前記排気流路の前記連通部とされ、前記排気流路の前記ガイドローラの周方向の長さが前記搬送路の前記ガイドローラの周方向の長さよりも大きくてもよい。
前記隔壁部は、前記開口の内壁面のうち、前記ガイドローラの周面に対向する面及び前記ガイドローラの端面に対向する面に連続して形成される排気溝を有してもよい。
前記隔壁部と前記ガイドローラの周面との隙間を封止するシャッタ部をさらに備え、前記ガイドローラの周面に対向するとともに定常運転時における前記ガイドローラの撓みに合わせて前記ガイドローラの側に凸状又は凹状に湾曲している先端縁を有するシール部材を含んでもよい。
本発明にかかるシール装置において、前記ガイドローラが前記ウェブを加熱するために発熱可能であってもよい。
本発明にかかるシール装置において、前記搬送路の前記ウェブの厚み方向の平均長さは、0.1mm以上1.0mm以下であってもよい。
本発明にかかる真空装置は、上記したシール装置と、前記第2空間を画定する低圧室とを備える。
本発明にかかる真空装置において、前記第1空間の圧力が大気圧であってもよい。
本発明にかかる成膜装置は、真空引きされる成膜室と、前記成膜室の前記ウェブの搬送方向前後にそれぞれ直列して設けられる複数の緩衝室と、隣接し合う前記成膜室間並びに前記成膜室及び前記緩衝室間の少なくともいずれかに、前記緩衝室を前記第1空間を画定する高圧室とし、前記成膜室又は前記成膜室側に隣接する前記緩衝室を前記第2空間を画定する低圧室として設けられる上記したシール装置と、を備える。
本発明にかかる成膜装置において、前記成膜室の上流側の前記緩衝室と下流側の前記緩衝室とが一体であり、前記ウェブが折り返して搬送されてもよい。
本発明にかかるフィルム製造方法は、上記した成膜装置を用いて前記ウェブに加工する工程を備える。
本発明にかかるフィルム製造方法において、前記搬送路を通過する際の前記ウェブの平均厚みが20μm以上100μm以下であってもよい。
本発明によれば、ウェブの振動を低減することができる。
本発明の一実施形態にかかる成膜装置を示す断面図である。 図1の成膜装置のシール装置を詳細に示す断面図である。 本発明の図1とは異なる実施形態にかかる成膜装置を示す断面図である。 図3の成膜装置のシール装置を詳細に示す断面図である。 本発明の図2及び図4とは異なる実施形態にかかるシール装置を示す断面図である。 本発明の図2、図4及び図5とは異なる実施形態にかかるシール装置を示す断面図である。 本発明の図2、図4乃至図6とは異なる実施形態にかかるシール装置を示す断面図である。 本発明の図2、図4乃至図7とは異なる実施形態にかかるシール装置を示す断面図である。 本発明の図2、図4乃至図8とは異なる実施形態にかかるシール装置を示す断面図である。 本発明の図2、図4乃至図9とは異なる実施形態にかかるシール装置を示す断面図である。 図10のシール装置のガイドローラ回転軸に沿う断面図である。 本発明の図2、図4乃至図10とは異なる実施形態にかかるシール装置を示す断面図である。
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態の各例について説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。また、便宜上、ハッチング及び部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、他の図面を参照するものとする。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の一実施形態にかかる成膜装置Fを示す断面図である。成膜装置Fは、ウェブWの表面に被膜を積層する装置である。成膜装置Fは、第1緩衝室R1、第2緩衝室R2、第3緩衝室R3、成膜室Rf、第4緩衝室R4、第5緩衝室R5及び第6緩衝室R6がこの順番にウェブWが連続して通過するよう直列して設けられている。つまり、成膜装置Fは、成膜室RfのウェブWの搬送方向前後に複数の緩衝室(R1〜R3及びR4〜R5)がそれぞれ直列して設けられている。
第1緩衝室R1と第2緩衝室R2とは第1隔壁P1により区分されている。第1隔壁P1には開口が形成され、この開口に第1緩衝室R1内の空間と第2緩衝室R2内の空間とを隔離しつつウェブWを連続搬送可能とする第1のシール装置Sが配設されている。同様に、第2緩衝室R2と第3緩衝室R3とは第2隔壁P2により区分され、第2隔壁P2に第2のシール装置Sが配設されている。第3緩衝室R3と成膜室Rfとは第3隔壁P3により区分され、第3隔壁P3に第3のシール装置Sが配設されている。成膜室Rfと第4緩衝室R4とは第4隔壁P4により区分され、第4隔壁P4に第4のシール装置Sが配設されている。第4緩衝室R4と第5緩衝室R5とは第5隔壁P5により区分され、第5隔壁P5に第4のシール装置Sが配設されている。第5緩衝室R5と第6緩衝室R6とは第6隔壁P6により区分され、第6隔壁P6に第6のシール装置Sが配設されている。
成膜装置Fの6つのシール装置Sは、それぞれが本発明に係るシール装置の一実施形態である。また、成膜装置Fのうち、シール装置Sのいずれかと、このシール装置Sのいずれかによって隔離される空間を形成する緩衝室R1〜R6及び成膜室Rfのうちの2つとを含む部分は、本発明に係る真空装置の一実施形態と解される。なお、「真空」とは、いわゆる高真空に限られず、低真空を含み、大気圧よりも圧力が低い状態を広く包含する概念である。
ウェブWとしては、特に限定されないが、典型的には樹脂フィルムが考えられる。樹脂フィルムの具体的な材質としては、例えばポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルケトン、ポリオレフィン、トリアセチルセルロース等を挙げることができる。また、樹脂フィルムは、保護膜を両面に有するもの、片面に有するもの、保護膜がないもの等、どのようなフィルムであってもよい。
第1緩衝室R1及び第6緩衝室R6は、大気開放されており、内部空間の圧力が大気圧となっている。第2緩衝室R2、第3緩衝室R3、成膜室Rf、第4緩衝室R4及び第5緩衝室R5には、例えば真空ポンプ、イジェクタ等の排気装置によって構成される低圧源V1〜V5がそれぞれ接続され、内部空間がそれぞれ設定される圧力に保持される。第2緩衝室R2の内部空間は第1緩衝室R1の内部空間よりも圧力が低く、第3緩衝室R3の内部空間は第2緩衝室R2の内部空間よりも圧力が低く、成膜室Rfの内部空間は第3緩衝室R3の内部空間よりも圧力が低い。第5緩衝室R5の内部空間は第6緩衝室R1の内部空間よりも圧力が低く、第4緩衝室R4の内部空間は第5緩衝室R5の内部空間よりも圧力が低く、成膜室Rfの内部空間は第3緩衝室R3の内部空間よりも圧力が低い。つまり、成膜装置Fは、真空引きされる成膜室Rfの上流側に配置される複数の緩衝室R1〜R3によって段階的に圧力を下げ、真空引きされる成膜室Rfの下流側に配置される複数の緩衝室R4〜R6によって段階的に圧力を上げることで、成膜室Rfの内部空間の圧力を、大気圧との差が単一のシール装置Sの能力を超えるような所望の真空とすることができる。低圧源V1として用いられる真空ポンプとしては、例えばダイヤフラム式ポンプ、ロータリーポンプ、ドライポンプ、クライオポンプ、メカニカルブースターポンプ、ターボ分子ポンプ、イオンポンプ、ゲッターポンプ等が挙げられ、これらを複数組み合わせた装置を用いてもよい。
成膜装置Fは、シール装置Sに個別に接続され、緩衝室R1〜R6及び成膜室Rfから独立して設けられる低圧源V11〜V16を備える。低圧源V11〜V16は、低圧源V1〜V5と同様の排気装置によって構成することができる。
成膜室Rfの内部には、ウェブWの表面に膜を形成する機構が設けられる。図示する例では、成膜室Rfの内部には、ウェブWが巻き付けられるドラムDと、このドラムDに巻き付けられているウェブWの表面に他の材料を供給して積層するスパッタリングデバイスEとが配設されている。
<シール装置>
以下、成膜装置Fのシール装置Sについて、詳しく示す図2を参照しながら説明する。なお、以下では、第1緩衝室R1と第2緩衝室R2との間に配置されるシール装置Sを例に説明するが、他のシール装置についても同様である。また、シール装置Sの両側の空間(隣接する緩衝室R1〜R6及び成膜室Rfが画定する内部空間)のうち、圧力が高い方を第1空間(それを画定する緩衝室R1〜R6を高圧室)、圧力が低い方を第2空間(それを画定する成膜室Rf又は成膜室Rf側の緩衝室R2〜R5を低圧室)と呼ぶ。このため、成膜室Rのウェブ搬送方向上流側に配置されるシール装置Sに関しては、上流側の空間が第1空間であり、下流側の空間が第2空間であるのに対し、成膜室Rの下流側に配置されるシール装置Sに関しては、下流側の空間が第1空間であり、上流側の空間が第2空間である。このため、成膜室Rfの下流側に配置されるシール装置Sは、図2のシール装置Sとは、鏡写しに形成される(ウェブWの搬送方向が逆方向と考えてもよい)。最も上流側のシール装置S及び最も下流側のシール装置Sにおいて、第1空間の圧力は大気圧である。
シール装置Sは、隔壁P1と一体となって第1空間と第2空間とを隔離する隔壁部1と、隔壁部1に近接して設けられ、ウェブWを案内する2つのガイドローラ(第1空間側の第1ガイドローラ2及び第2空間側の第2ガイドローラ3)とを備える。このシール装置Sは、第1空間及び第2空間を接続し、ウェブWが通過するよう形成された搬送路4と、搬送路4の近傍で第1空間に開口し、低圧源V11に接続され、第1空間内の気体を外部に排出する形成された排気流路5とを有する。
ガイドローラ2,3は、隔壁部1に接触しないよう隔壁部1との間に小さい隙間を形成すると共に、両者の1つの接線(ガイドローラ2,3間に掛け渡されるウェブWの搬送経路)が搬送路4内に位置するよう配置される。ウェブWは、ガイドローラ2,3の周面の一部の角度範囲内に当接して折り曲げられ、一対のガイドローラ2,3の接線上を搬送されて搬送路4を通過するよう案内される。このため、ウェブWは、搬送路4から見て第1ガイドローラ2の中心軸側に傾斜する方向からシール装置Sに進入し、搬送路4から見て第2ガイドローラ3の中心軸側に傾斜する方向にシール装置Sから退出する。
ガイドローラ2,3の少なくとも一方は、ウェブWを加熱するために発熱可能であってもよい。具体的には、ガイドローラ2,3は、内部にヒータを有してもよく、表面近傍に抵抗発熱体パターンが形成されていてもよく、隣接して配置される励磁コイルにより印加される高周波磁界により発熱する金属層を有していてもよい。このように、ガイドローラ2,3によりウェブWを加熱するよう構成することで、成膜室Rf内の装置の数を少なくすることができる。これにより、成膜室Rfを小さくすることができるので、低圧源V3の負荷を低減してエネルギー効率を向上することや、成膜装置Fの設備コストを低減することができる。
搬送路4及び排気流路5は、隔壁部1に形成され、ガイドローラ2,3の軸と平行な方向に長い断面形状を有するスリット状の穴である。搬送路4は、隔壁部1を垂直に貫通し、第1空間と第2空間とを最短距離で接続するよう形成されることが好ましい。排気流路5は、隔壁部1を貫通して第1空間及び第2空間を接続する連通部6と、連通部6を低圧源に接続する接続部7とを有する。連通部6は、搬送路4と平行に、隔壁部1を垂直に貫通するよう形成されることが好ましい。接続部7は、一端が連通部6に接続され、他端に低圧源V11が接続される。
ウェブWが厚み50μm以下の光学フィルムである場合、搬送路4のウェブWの厚み方向の平均長さ(ウェブWに対向する内壁面間の平均距離)の下限としては、0.1mmが好ましい。一方、搬送路4のウェブWの厚み方向の平均長さの上限としては、1.0mmが好ましく、0.5mmがより好ましく、0.3mmがさらに好ましい。搬送路4のウェブWの厚み方向の平均長さが上記下限に満たない場合、設計技術的に難易度が高いため、搬送路4の形成コストやガイドローラ2,3の支持構造のコストなどが不必要に増大するおそれや、ウェブWが搬送路4の内壁に接触して損傷しやすくなるおそれがある。逆に、搬送路4のウェブWの厚み方向の平均長さが上記上限を超える場合、シール装置Sが保持できる第1空間と第2空間との差圧が小さくなるおそれがある。
排気流路5の連通部6は、第1ガイドローラ2の外周面のうちウェブWが当接しない角度領域に対向する位置で第1空間に開口し、第2ガイドローラ3の外周面のうちウェブWが当接しない角度領域に対向する位置で第2空間に開口することが好ましい。つまり、連通部6は、好ましくはその流路中心の延長線がガイドローラ2,3と交差するよう形成される。連通部6が、第1ガイドローラ2に対向するよう開口することで、第1ガイドローラ2に沿って搬送路4に流れ込もうとする雰囲気ガスの一部を効率よく排気流路5から吸引して外部に排気することができる。これにより、隔壁部1と第1ガイドローラ2との隙間を通ってウェブWに衝突してから搬送路4に流れ込む雰囲気ガスの量を低減し、その結果としてウェブWの振動を抑制することができる。
搬送路4に流れ込もうとする雰囲気ガスを効率よく排気流路5に吸引できるよう、連通部6の開口方向は、連通部6の流路中心の延長線と交差する第1ガイドローラ2の外周上の点における径方向又はそれより第1ガイドローラ2の回転方向下流側に傾斜した方向とすること、つまり搬送路4に流れ込もうとする雰囲気ガスの流れ方向と排気流路5に吸い込まれる方向との角度変化を小さくすることがより好ましい。
排気流路5の接続部7に接続される第1低圧源V11の圧力としては、第1空間の圧力より低く、第2空間の圧力より高い圧力とすることができる。つまり、第1低圧源V11としては、第2空間の圧力を保持する第2低圧源V2よりも能力の低い真空ポンプ等を用いることができる。
排気流路5の接続部7から外部に排気されるガスの流量としては、搬送路4及び排気流路5の連通部6を通して第1空間から第2空間に流入するガスの流量の5%以上20%以下、例えば10%程度とすることができる。シール装置Sは、このように比較的少量のガスを排気流路5から外部に排出するだけで、ウェブWの振動を大幅に抑制することができる。
従って、シール装置Sは、第1空間と第2空間との差圧が同じであれば、排気流路5を有しない従来のシール装置よりもウェブWの振動を小さくすることができ、ウェブWの振動を同程度に抑制する場合には、第1空間と第2空間との差圧を従来のシール装置よりも大きくすることができる。このため、成膜装置Fは、緩衝室R1〜R6の段数を少なくしても成膜室Rfの内部空間の圧力を従来の成膜装置と同等にすることができる。例として、緩衝室R1〜R6の段数を従来の半分程度にすることができる。また、緩衝室R1〜R6の段数が同じであれば従来の成膜装置に比して成膜室Rfの内部空間の圧力をより小さくすることができる。
以上のように、本実施形態のシール装置Sは、搬送路4の近傍で第1空間に開口し、低圧源V11に接続される排気流路5を備えるシール装置Sは、搬送路4に流れ込もうとする雰囲気ガス(本実施形態では空気が想定される)の一部を排気流路5に吸引して外部に排出することによって、第1空間から第1ガイドローラ2に沿って搬送路4に流入する雰囲気ガスの量を低減することができる。これにより、シール装置Sは、ウェブWに衝突する雰囲気ガスのエネルギーを低減し、ウェブWの振動を抑制することができる。また、排気流路5は、第2空間(第2空間に接続される低圧源V1)から独立した低圧源V11から独立した低圧源V1に接続されるので、排気流路5を介して外部に排出する雰囲気ガスの量を最適化してウェブWの振動を効率よく抑制することができる。
シール装置Sを備える成膜装置Fは、シール装置SによってウェブWの振動を抑制し、少ない数の緩衝室R1〜R6で成膜室Rfの圧力を低くすることができ、ウェブWの傷つきを抑制しながら効率よく成膜することができるので、高品質な積層フィルムを比較的安価に製造することができる。例えば、ウェブWが20μm級の薄物のフィルムや表面硬度が低い樹脂製フィルム等である場合、ウェブWの張力を大きくすることができないにもかかわらず、ウェブWのガイドローラ2,3や他の搬送ローラに対する滑りを抑制することが重要となる。この場合、成膜装置Fを用いることで、ウェブWの張力を小さくしてもウェブWの振動が抑制され、振動に起因するウェブWのガイドローラ2,3に対する滑りを抑制することができる。
<フィルム製造方法>
本発明に係るフィルム製造方法の一実施形態は、図1の成膜装置F(本発明に係る真空装置の一実施形態)を用いてウェブWの表面に異なる材料を積層する加工を施す工程を備える。成膜装置Fの第1緩衝室R1には、ウェブWを巻き取ったリール(不図示)からウェブWを連続的に供給することができる。また、第6緩衝室R6から連続して排出される加工済みのウェブW(製造されたフィルム)は、別のリール(不図示)に巻き取って回収することができる。
このフィルム製造方法によれば、シール装置SによってウェブWの振動を抑制することができるので、高品質なフィルムを効率よく製造することができる。
このため、搬送路4を通過する際の平均厚みが20μm以上100μm以下であり、大きな張力を付与できないウェブWを用いる場合には、ウェブWの振動を抑制する効果が顕著となる。
中でも、光学フィルムの品質基準は、年々厳しくなっており、例えば長さ10μm幅50μm程度の微小な傷であっても設備に由来して周期的に発生する場合には許容されなくなってきている。本発明に係るフィルム製造方法は、このような品質基準を満足させるために特に有用であり、加工前のウェブが保護膜を有していない場合にはその効果がより顕著となる。
また、成膜装置Fを用いてフィルムを製造することによって、成膜装置Fの上流側及び下流側において、つまり大気圧下において、オーブン乾燥工程、塗布工程、外観検査工程、スリット(フィルム分割)工程を行うことができる。つまり、成膜装置F内では、真空下で行う必要がある工程のみを行うようにすることができるので、全工程を真空下で行うことができるような大規模な製造設備を設けることなく、比較的安価に連続してフィルムを製造することができる。
〔第2実施形態〕
図3に示す成膜装置Faは、図1の成膜装置Fと同様に、ウェブWの表面に被膜を積層する装置である。本実施形態の成膜装置Faは、第1緩衝室R1a、第2緩衝室R2a、第3緩衝室R3a、成膜室Rfa、第4緩衝室R4a、第5緩衝室R5a及び第6緩衝室R6aがこの順番にウェブWが連続して通過するよう直列して設けられている。成膜装置Faにおいて、成膜室Rfaより上流側の緩衝室R1a〜R3aと下流側の緩衝室R4a〜R6aとは一体である。より詳しくは、第1緩衝室R1aと第6緩衝室R6a、第2緩衝室R2aと第5緩衝室R5a、第3緩衝室R3aと第4緩衝室R4は、それぞれ一体に形成されている。このため、成膜装置Fでは、ウェブWが成膜室Rfaにおいて折り返して搬送される。
緩衝室R1〜R6及び成膜室Rfの間は、それぞれ隔壁P1a〜P6aにより区分されている。第1隔壁P1aと第6隔壁P6a、第2隔壁P2aと第5隔壁P5a、第3隔壁P3aと第4隔壁P4aはそれぞれ一体である。これらの隔壁P1a〜P6aには、それぞれシール装置Saが設けられている。
シール装置Saは、本発明に係るシール装置の別の実施形態であり、成膜装置Faにおいてシール装置Saのいずれかとその両側の緩衝室R1a〜R6a又は成膜室Rfaを含む部分は本発明に係る真空装置の別の実施形態と解される。
第1緩衝室R1a及び第6緩衝室R6aを構成する部屋は大気開放されている。成膜室Rfaには独立した低圧源V3が接続されている。第2緩衝室R2a及び第5緩衝室R5aを構成する部屋には低圧源V6が接続され、第3緩衝室R3a及び第4緩衝室R4aを構成する部屋には低圧源V7が接続されている。
成膜装置Faは、成膜室Rfaの上流側の緩衝室R1a〜R3aと下流側の緩衝室R6a〜R4aとを一体にしたため、必要とされる低圧源V3,V6,V7の数が少ない。つまり、第2緩衝室R2a及び第5緩衝室R5、並びに第3緩衝室R3a及び第4緩衝室R4aは、それぞれ1つの低圧源V6,V7を共有する。また、成膜装置Faは成膜室RfaにおいてウェブWを折り返して搬送するため、装置全体の専有面積が比較的小さい。
<シール装置>
図4に詳しく示すように、成膜装置Faのシール装置Saは、隔壁P1と一体となって第1空間と第2空間とを隔離する隔壁部1aと、2つのガイドローラ(第1空間側の第1ガイドローラ2及び第2空間側の第2ガイドローラ3)とを備える。このシール装置Saは、第1空間及び第2空間を接続し、ウェブが通過するよう形成された搬送路4と、搬送路4の近傍で第1空間に開口し、低圧源V11に接続され、第1空間内の気体を外部に排出するよう形成された排気流路5aとを有する。
図4のシール装置Saでは、隔壁部1aに形成される排気流路5aが、図2のシール装置Sの隔壁部1に形成される排気流路5とは異なる。一方、図4のシール装置Saにおけるガイドローラ2,3及び搬送路4の構成は、図2のシール装置Sにおけるガイドローラ2,3及び搬送路4の構成と同様である。
排気流路5aは、ガイドローラ2,3の軸に垂直な断面において、端部が第1ガイドローラ2に向かって開口するL字状に形成されており、第1空間には開口するが第2空間には開口しない。つまり、図4のシール装置Saにおける排気流路5aは、図2のシール装置Sにおける排気流路5の連通部6の接続部7よりも第2空間側の部分を省略した形状とされている。
このような排気流路5aを有するシール装置Saは、排気流路5aが第2空間に連通していないので、第1空間から第2空間に流入する雰囲気ガスの量を低減してウェブWの振動を抑制することが比較的容易である。しかしながら、シール装置Saでは、第1ガイドローラ2に沿って搬送路4に流れ込もうとする雰囲気ガスを排気流路5に吸引するために第2空間の圧力を利用できず、低圧源V11のみに依存するため、低圧源V11としてより安定した装置を用いることが望まれる。
〔第3実施形態〕
図5に示す本発明のまた別の実施形態に係るシール装置Sbは、隔壁P1と一体となって第1空間と第2空間とを隔離する隔壁部1bと、2つのガイドローラ(第1空間側の第1ガイドローラ2及び第2空間側の第2ガイドローラ3)とを備える。このシール装置Sbは、第1空間及び第2空間を接続し、ウェブWが通過するよう形成された搬送路4と、搬送路4の近傍で第1空間に開口し第1空間内の気体を外部に排出するよう形成された排気流路5aとを有する。
図5のシール装置Sbにおけるガイドローラ2,3、搬送路4及び排気流路5aの構成は、図4のシール装置Sにおけるガイドローラ2,3、搬送路4及び排気流路5aの構成と同様である。図5のシール装置Sbは、隔壁部1bが、排気流路5aの第1空間側の開口部に隣接する位置に、隔壁部1bと第1ガイドローラ2との隙間を小さくする突起部8を有する。
このように、シール装置Sbは、突起部8を有することにより、第1ガイドローラ2に沿って搬送路4に流れ込もうとする雰囲気ガスのより多くの部分を排気流路5aに吸引することができる。このため、シール装置Sbは、第1空間と第2空間との差圧を比較的大きくすることができる。
〔第4実施形態〕
図6に示す本発明のまた別の実施形態に係るシール装置Scは、第1空間と第2空間とを隔離する隔壁部1cと、2つのガイドローラ(第1空間側の第1ガイドローラ2及び第2空間側の第2ガイドローラ3)とを備える。このシール装置Scは、第1空間及び第2空間を接続し、ウェブWが通過するよう形成された搬送路4と、搬送路4の近傍で第1空間に開口し、第1空間内の気体を外部に排出するよう形成された排気流路5cとを有する。
図6のシール装置Scでは、隔壁部1cに形成される排気流路5cが、図2のシール装置Sの隔壁部1に形成される排気流路5とは異なる。一方、図6のシール装置Scにおけるガイドローラ2,3及び搬送路4の構成は、図2のシール装置Sにおけるガイドローラ2,3及び搬送路4の構成と同様である。
排気流路5cは、隔壁部1を垂直に貫通して第1空間及び第2空間を接続する連通部6と、連通部6を異なる低圧源に接続する2つの接続部(第1接続部7c及び第2接続部7c)とを有する。第1接続部7cは、第2接続部7cよりも第1空間側で連通部6に接続されている。
このように、複数の接続部7c,7cを有する排気流路5cを設けたシール装置Scは、連通部6を通して第1空間から第2空間に流入する雰囲気ガスの量を効果的に抑制し、ウェブWの振動をさらに低減することができる。このため、シール装置Scは、第1空間と第2空間との差圧を比較的大きくすることができる。
特に、複数の接続部7c,7cを設ける場合、各接続部7c,7cに接続される低圧源の圧力を異ならせることで、第1空間と第2空間との差圧をより大きくすることができる。具体的には、第2空間側の接続部7cに接続される低圧源の圧力をより低くすることが好ましい。第2空間を高真空とする場合、最も第2空間側の接続部7cに接続される低圧源は、ターボ分子ポンプを有することが好ましく、ターボ分子ポンプの上流側に冷却により水蒸気を凝縮させて除去するトラップをさらに有することがより好ましい。
〔第5実施形態〕
図7に示す本発明のさらに別の実施形態に係るシール装置Sdは、第1空間と第2空間とを隔離する隔壁部1dと、1つのガイドローラ9とを備える。ガイドローラ9は、隔壁部1dに形成される開口10内に配置され、第1空間及び第2空間にそれぞれ部分的に露出している。シール装置Sdでは、断面視で開口10の内縁とガイドローラ9との間に形成される2つの空間の一方(図面下側)がウェブWが通過する搬送路4dとされ、他方(図面上側)が第1空間内の気体を外部に排出する排気流路5dの連通部6dとされている。隔壁部1dの開口10のガイドローラ9に対向する内縁は、ガイドローラ9との隙間を一定にするような円筒面とされている。また、隔壁部1dには、連通部6dを低圧源に接続する接続部7dが形成されている。ガイドローラ9は、ウェブWを加熱するために発熱可能であってもよく、ウェブWを冷却するために冷媒が挿通されてもよい。
排気流路5dの連通部6の一方の内面はガイドローラ9によって画定されているため、排気流路5dの第1空間側の開口は、ガイドローラ9のウェブWに当接しない角度領域に隣接して開口している。このため、本実施形態のシール装置Sdは、第1空間からガイドローラ9に沿って搬送路4dに流入しようとする雰囲気ガスの一部を排気流路5dに吸引して外部に排気することで、ウェブWの振動を抑制することができる。
シール装置Sdにおいて、隔壁部1dは、図示するように、連通部6dを延長するよう、第1空間側及び第2空間側に突出し、ガイドローラ9の周面に沿って開口10の内縁を延長する面を有する第1延長突部11及び第2延長突部12を有してもよい。このように、排気流路5dのガイドローラ9の周方向の長さが搬送路4dのガイドローラ9の周方向の長さよりも大きくなるよう連通部6dをガイドローラ9に沿って搬送路4d側に向かって延長することにより、搬送路4dに流入する雰囲気ガスの量をより低減することができるので、ウェブWの振動をより効果的に抑制することができる。
また、開口10の内部にガイドローラ9を配置することを可能にしつつ、搬送路4d及び排気流路5dの連通部6dの厚みを小さくするために、隔壁部1dは、その開口10のガイドローラ9に対向する内縁の一方を含む部分が他の部分から分離可能に構成されていてもよい。
〔第6実施形態〕
図8に示す本発明のさらに別の実施形態に係るシール装置Seは、第1空間と第2空間とを隔離する隔壁部1eと、2つのガイドローラ(第1空間側の第1ガイドローラ2及び第2空間側の第2ガイドローラ3)と、ウェブWを挟んでガイドローラ2,3と反対側に配置される2つの補助ローラ(第1空間側の第1補助ローラ13及び第2空間側の第2補助ローラ14)とを備える。このシール装置Seは、第1空間及び第2空間を接続し、ウェブが通過するよう形成された搬送路4と、搬送路4の近傍で第1ガイドローラ2に対向するよう第1空間に開口し、低圧源に接続されて第1空間内の気体を外部に排出するよう形成された第1の排気流路5と、搬送路4の近傍で第1ガイドローラ2に対向するよう第1空間に開口し、低圧源に接続されて第1空間内の気体を外部に排出するよう形成された第2の排気流路5eとを有する。
図8のシール装置Seにおけるガイドローラ2,3、搬送路4及び第1の排気流路5の構成は、図2のシール装置Sにおけるガイドローラ2,3、搬送路4及び排気流路5の構成と同様である。つまり、図8のシール装置Seは、図2のシール装置Sに補助ローラ13,14及び第2の排気流路5eを追加したものである。
補助ローラ13,14は、第1空間のウェブWを挟んで第1ガイドローラ2と反対側から搬送路4に流入する雰囲気ガスの量を低減する。また、補助ローラ13,14は、ガイドローラ2,3との間にウェブWを挟み込むことによりウェブWを搬送路4を通過するよう案内する。このため、シール装置Seは、図示するようにウェブWを直線的に搬送することができる。
補助ローラ13,14は、ウェブWの表裏で雰囲気ガスの流路となりえる空間形状を略等しくできるよう、ガイドローラ2,3と略等しい径を有し、ウェブWを挟んで対称に配置されることが好ましい。
補助ローラ13,14は、ガイドローラ2,3と等しい構成を有してもよいが、少なくとも表面に弾性を有し、剛性を有するガイドローラ2,3にウェブWを押圧できるよう構成されてもよい。
第2の排気流路5eは、隔壁部1eを貫通して第1空間及び第2空間を接続する連通部6eと、連通部6eを低圧源に接続する接続部7eとを有する。この第2の排気流路5eは、第1補助ローラ13に沿って第1空間から搬送路4に流入しようとする雰囲気ガスの一部を吸引して外部に排出する。これよって、第2の排気流路5eは、第1補助ローラ13に沿って搬送路4に向かって流れ、ウェブWに衝突する雰囲気ガスの量を低減することにより、ウェブWの振動を抑制する。
第2の排気流路5eと第1補助ローラ13との関係は、第1の排気流路5と第1ガイドローラ2との関係と同じである。従って、第2の排気流路5eの連通部6eは、第1補助ローラ13の外周面のうちウェブWが当接しない角度領域に対向する位置で第1空間に開口し、第2補助ローラ14の外周面のうちウェブWが当接しない角度領域に対向する位置で第2空間に開口することが好ましい。より好ましくは、第2の排気流路5eは、ウェブWの表裏で搬送路4に流入する雰囲気ガスの流れを略等しくするために、ウェブWを挟んで第1の排気流路5と略対称に形成される。
〔第7実施形態〕
図9に示す本発明のまた別の実施形態に係るシール装置Sfは、第1空間と第2空間とを隔離する隔壁部1fと、2つのガイドローラ(第1空間側の第1ガイドローラ2及び第2空間側の第2ガイドローラ3)とを備える。このシール装置Sfは、第1空間及び第2空間を接続し、ウェブWが通過するよう形成された搬送路4と、搬送路4の近傍で第1空間に開口し、第1空間内の気体を外部に排出するよう形成された排気流路5fと、排気流路5fに外部から気体を供給する供給流路15とを有する。
図9のシール装置Sfにおけるガイドローラ2,3及び搬送路4の構成は、図2のシール装置Sにおけるガイドローラ2,3及び搬送路4の構成と同様である。
排気流路5fは、隔壁部1を垂直に貫通して第1空間及び第2空間を接続する連通部6と、連通部6を低圧源に接続する接続部7fとを有する。供給流路15は、接続部7fと異なる位置で、例えば接続部7fの上流側で連通部6に接続されている。
供給流路15には、例えば清浄な乾燥空気、窒素等が供給される。これにより、連通部6から第2空間に流入する気体中の好ましくない不純物(例えば水蒸気、酸素等)の含有量を低減することができる。
供給流路15から供給される気体の流量としては、接続部7fから外部に排気される気体の流量の例えば1/100000以上1/100以下とすることができる。
〔第8実施形態〕
図10及び図11に示す本発明のさらに別の実施形態に係るシール装置Sgは、第1空間と第2空間とを隔離する隔壁部1gと、隔壁部1gに形成される開口10内に配置されたガイドローラ9と、ガイドローラ9の前後でウェブWを案内する一対の補助ローラ16と、を備える。ガイドローラ9は、隔壁部1gに形成される開口10内に配置され、第1空間及び第2空間にそれぞれ部分的に露出している。シール装置Sgでは、断面視で開口10の内縁とガイドローラ9の周面との間に形成される2つの空間の一方(図面下側)がウェブWが通過する搬送路4gとされ、他方(図面上側)が第1空間内の気体を外部に排出する排気流路5gの連通部6gとされている。隔壁部1gの開口10のガイドローラ9の周面に対向する内縁は、ガイドローラ9との隙間を一定にするような円筒面とされている。隔壁部1gは、開口10の内壁面のうち、ガイドローラ9のウェブWに当接しない側の周面に対向する面、ガイドローラ9の端面に対向する面、及びガイドローラ9のウェブWに当接しない側の周面に対向する面に連続して形成される排気溝17を有する。また、隔壁部1gには、連通部6gを低圧源に接続するために、それぞれ排気溝17に開口する複数の接続部7gが形成されている。
排気溝17は、連通部6gの内圧をガイドローラ9の軸方向に均等化する。これにより、ウェブWに衝突しようとする気体を幅方向全体に亘って均等に排気して、ウェブWの振動をより効果的に抑制することができる。
また、排気溝17は、開口10の内縁のうち、ガイドローラ9の周面のウェブWに当接しない側に対向する面からガイドローラ9の端面に対向する面、さらにはガイドローラ9の周面のウェブWに当接する側に対向する面に連続して形成されている。このため、排気溝17は、隔壁部1gとガイドローラ9の端面との隙間及びガイドローラ9の周面のウェブWに当接する側との隙間を通過して第2空間に進入しようとする気体を外部に排出することができる。これにより、第2空間の圧力上昇を抑制して第1空間と第2空間との差圧をより大きくすることができる。
さらに、シール装置Sgは、複数の排気溝17及び接続部7gを有している。これにより、第1空間から第2空間に向かって連通部6gの内部の圧力を段階的に低下させることができるので、第1空間と第2空間との差圧をさらに大きくすることができる。このように、連通部6gの内部の圧力を段階的に低下させるため、複数の接続部7gには、異なる低圧源が接続されることが好ましい。
〔第9実施形態〕
図12に示す本発明のさらに別の実施形態に係るシール装置Shは、第1空間と第2空間とを隔離する隔壁部1hと、隔壁部1hに形成される開口10内に配置されたガイドローラ9と、ガイドローラ9の前後でウェブWを案内する一対の補助ローラ16と、隔壁部1hとガイドローラ9との間を封止するシャッタ部18と、を備える。シール装置Shでは、断面視で開口10の内縁とガイドローラ9の周面との間に形成される2つの空間の一方(図面下側)がウェブWが通過する搬送路4hとされ、他方(図面上側)が第1空間内の気体を外部に排出する排気流路5hの連通部6hとされている。隔壁部1hは、開口10の内壁面のうち、ガイドローラ9のウェブWに当接しない側の周面に対向する面、ガイドローラ9の端面に対向する面、及びガイドローラ9のウェブWに当接しない側の周面に対向する面に連続して形成される排気溝17を有する。また、隔壁部1hには、連通部6hを低圧源に接続するために、それぞれ排気溝17に開口する複数の接続部7hが形成されている。図12のシール装置Shにおける隔壁部1hは、図10のシール装置Shにおける隔壁部1gと同様である。つまり、図12のシール装置Shの搬送路4h、排気流路5h(連通部6h及び接続部7h)は、図10のシール装置Sgの搬送路4g、排気流路5g(連通部6g及び接続部7g)と同様である。したがって、図12のシール装置Shは、図10のシール装置Sgにシャッタ部18を付加したものである。
シャッタ部18は、ガイドローラ9の周面のウェブWを案内しない部分に対向するよう、隔壁部1hの第2空間側に配置されている。つまり、シャッタ部18は、連通部6hの第2空間側の端部を封止するよう配設されている。シャッタ部18は、先端縁をガイドローラ9の周面に近接させるシール部材19と、シール部材19をガイドローラ9との間隔を調節可能に保持する保持機構20と、を含む。
シール部材19の少なくともガイドローラ9に近接する先端部は、角棒状又は帯板状に形成されることが好ましい。シール部材19は、ガイドローラ9の回転軸方向視において、その先端面がガイドローラ9の周面の対向部分と略平行になるよう配向されることが好ましい。これにより、シール部材19とガイドローラ9との隙間を通過する気体の流路抵抗を大きくし、第1空間と第2空間との差圧を大きくしやすくなる。また、シール部材19の先端縁は、成膜装置の定常運転時におけるガイドローラ9の撓みに合わせてガイドローラ9の側に凸状又は凹状に湾曲している。
ガイドローラ9は、自重及び第1空間と第2空間との差圧により撓む。このため、シール部材19の先端縁は、成膜装置bの定常運転時におけるガイドローラ9の撓みに合わせてガイドローラ9の側に凸状又は凹状に湾曲していることが好ましい。
ガイドローラ9の構造並びに第1空間及び第2空間の設定圧力によっても異なるが、ガイドローラ9に作用する力は、第1空間と第2空間との差圧による成分が支配的となること多い。このため、ガイドローラ9を撓ませる合力は、略開口10の貫通方向となり得る。このため、第1空間側に配設されるシャッタ部18のシール部材19の先端縁は、ガイドローラ9の側に凹状に湾曲する。
成膜装置の定常運転時におけるガイドローラ9のシャッタ部18が配設される角度位置における径方向の撓み量(長さ方向中央部において観測される最大変位)としては、例えば長さ1200mmのガイドローラ9において30μm程度となる。また、同じ条件で第1空間と第2空間との差圧がなく自重のみによってガイドローラ9が撓む場合、ガイドローラ9の撓み量は5μ程度となる。
成膜装置の定常運転時におけるシール部材19とガイドローラ9との間隔としては、得ようとする第1空間と第2空間との差圧にもよるが、例えば100μm以下とすることが必要となり得る。シール部材19とガイドローラ9との間隔が大きくなると、第1空間内の気体がシール部材19とガイドローラ9と隙間を通って第2空間に流れ込み、第2空間の内圧を上昇させ得る。また、シール部材19とガイドローラ9とが接触するとシール部材19又はガイドローラ9が摩耗し、摩耗粉がウェブWに付着するおそれがあるため、シール部材19とガイドローラ9とは接触しないようにしなければならない。
シャッタ部18は、シール部材19の先端縁が湾曲していることによって、シール部材19とガイドローラ9との間隔を全体的に小さくすることができる。逆に言うと、シール部材19の先端縁が直線状である場合、ガイドローラ9の撓みによるガイドローラ9の端部と中央部とにおけるシール部材19との間隔の差に組み立ての誤差や機械的振動等が加わると、シール部材19とガイドローラ9との間隔をガイドローラ9の全長に亘って上述の範囲内に収めることができない。先端縁が湾曲しているシール部材19を有するシャッタ部18を備えるシール装置Shは、第1空間から第2空間に流れ込む気体の量を小さくできるので、第2空間から気体を排出する低圧源の能力が小さくても第1空間と第2空間との差圧を比較的大きくすることができる。
シール部材19は、鋼、ステンレス鋼等によって形成することができる。また、シール部材19は、例えば停電等により真空ポンプが緊急停止して低圧側の圧力が急上昇した場合、何等かの原因で大きな振動を受けた場合などの不測の事態によりガイドローラ9に接触してもガイドローラ9を傷つけないよう、先端部が樹脂等で被覆されることが好ましい。シール部材19の先端部を被覆する樹脂としては、硬度が高く耐摩耗性に優れるウレタン樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリウレア樹脂、NBR樹脂等を用いることが好ましい。シール部材19の先端部を被覆する樹脂の厚みとしては、シール部材19の先端縁の形状の誤差を抑制するために、数十μm程度とすることが好ましい。
保持機構20は、隔壁部1hに配設されるベース部材21、シール部材19をガイドローラ9の径方向に突退可能に保持し、且つベース部材21に対してガイドローラ9の径方向に移動可能に取り付けられる可動支持部材22と、シール部材19を可動支持部材22上で位置決めする調節部23と、可動支持部材22ひいてはシール部材19をガイドローラ9に向かって突出するよう付勢する弾性部材24と、を有する構成とすることができる。
保持機構20は、シャッタ部18にシール効果を発揮させるために、調節部23により可動支持部材22をガイドローラ9の側に突出させることによってシール部材19とガイドローラ9との隙間を小さくする。また、保持機構20は、何らかの不測の事態によりガイドローラ9の撓みが減少してシール部材19にガイドローラ9が接触した場合には、弾性部材24の付勢力に抗してシール部材19が後退可能とすることで、ガイドローラ9及びシール部材19の損傷を防止する。
ベース部材21は、隔壁部1hと一体に形成されてもよく、隔壁部1hに気密に取り付けられてもよい。可動支持部材22は、ベース部材21に気密に取り付けられ、且つシール部材19を気密に保持することが好ましい。調節部23は、例えばマイクロメーターヘッド等によって構成することができる。弾性部材24は、通常は可動支持部材22を封止ローラ側の移動端に圧接するよう配設され、例えばつる巻ばね等によって構成することができる。
調節部23は、真空装置Uの運転状態に合わせて自動的にシール部材19とガイドローラ9との隙間を調節するよう構成されてもよいが、オペレータが主導で操作するよう構成されてもよい。調節部23を手動で操作されるよう構成する場合、オペレータが容易にアクセスできるよう、シャッタ部18は、第1空間、即ち減圧室Rの外側に設けられることが好ましい。
本実施形態のシール装置Shは、シャッタ部18によって、第1空間から連通部6hを通して第2空間に流入する気体の量を低減することができるので、第1空間と第2空間との差圧をさらに大きくすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の変更及び変形が可能である。
例として、本発明に係る成膜装置における緩衝室の数は任意であり、成膜室の上流側と下流側で緩衝室の数が異なっていてもよい。また、本発明に係る成膜装置は、少なくとも1組の隣接し合う緩衝室間又は緩衝室及び成膜室間に本発明に係るシール装置が配設されていればよい。本発明に係る成膜装置において、比較的圧力が高い緩衝室間には、本発明に係るシール装置が設けられることが好ましい。具体的には、隣接する緩衝室間を吹き抜ける空気(雰囲気ガス)の運動状態が粘性流となる部分には、本発明に係るシール装置を設けることで、ウェブの振動を効果的に抑制できる。一方、隣接する緩衝室間を吹き抜ける空気の運動状態が中間流又は分子流となる場合には、空気がウェブを振動させる可能性が低いため、より簡素な構成のシール装置を設けてもよい。
本発明に係るシール装置は、大気圧よりも圧力が高い空間を第1空間として、この第1空間から雰囲気ガスが流出することを抑制するためにも使用することができる。この場合、排気流路から排出したガスは第1空間に還流させてもよい。
本発明に係る真空装置及び本発明に係る成膜装置において、隣接する室間を区分する隔壁全体が本発明に係るシール装置の隔壁部であってもよい。
第1空間の圧力が大気圧より高い場合、本発明に係るシール装置の排気流路に接続される低圧源は、2次側が大気開放され、排気流路に所望の背圧を与える調圧弁等の圧力調節機構であってもよい。
本発明に係るシール装置の排気流路は、連通路に接続される3以上の接続部を有してもよい。また、複数の接続部が接続される連通路に外部から気体を供給する供給流路を接続してもよい。接続部と供給流路の位置関係は特に限定されず、最も第2空間側に供給流路が接続されてもよい。
本発明に係るシール装置の排気流路は、図示した実施形態では隔壁内に形成される流路を介して低圧源に接続されているが、第1空間又は第2空間を通るパイプやチューブを介して低圧源に接続されてもよい。
本発明に係るシール装置の排気溝は、開口の内壁面のうち、少なくともガイドローラのウェブに当接しない側の周面に対向する面に形成されていればよい。
本発明に係るフィルム製造方法は、ウェブに他の材料を積層する方法に限られず、本発明に係る真空装置によって大気から隔離さられた真空の空間内でウェブに例えばプラズマ処理、減圧乾燥、窒化処理、熱処理、脱水処理、減圧アーク表面除染処理等の加工を施すものであってもよい。また、これらの加工と共に、真空の空間外で例えばX線膜厚測定、組成測定等の各種検査を行ってもよい。また、ウェブに他の材料を積層する方法としては、スパッタリングに限られず、他のPVD(物理蒸着法)、CVD(化学蒸着法)、溶射等を採用してもよい。積層される材料は、特に限定されず、DLCコート、PVDセラミクスハードコート等を形成してもよい。
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f 隔壁部
2,3,9 ガイドローラ
4,4d 搬送路
5,5a,5c,5d,5e,5f 排気流路
6,6a,6d,6e 連通部
7,7c,7c,7e,7f 接続部
8 突起部
9 ガイドローラ
10 開口
11 第1延長突部
12 第2延長突部
13,14 補助ローラ
15 供給流路
17 排気溝
18 シャッタ部
D ドラム
E スパッタリングデバイス
F 成膜装置
P1〜P6,P1a〜P6a 隔壁
R1〜R6,R1a〜R6a 緩衝室
Rf、RFa 成膜室
S,Sa,Sb,Sc,Sd,Se,Sf シール装置
V1〜V5,V6,V7,V11〜V16 低圧源
W ウェブ

Claims (15)

  1. 第1空間と前記第1空間よりも圧力が低い第2空間とを隔離しつつウェブを連続搬送可能とするシール装置であって、
    前記第1空間と前記第2空間との間を区分する隔壁部と、
    前記隔壁部に近接して設けられ、前記ウェブを案内する少なくとも1つのガイドローラと、
    を備え、
    前記第1空間及び前記第2空間を接続し、前記ウェブが通過する搬送路と、
    少なくとも前記搬送路の近傍で前記第1空間に開口し、低圧源に接続され、前記第1空間内の気体を外部に排出する排気流路と、
    を有するシール装置。
  2. 前記排気流路は、前記ガイドローラの外周面のうち前記ウェブが当接しない角度領域に対向又は隣接する位置で前記第1空間に開口する請求項1に記載のシール装置。
  3. 前記排気流路は、前記第1空間及び前記第2空間を接続する連通部と、前記連通部を前記低圧源に接続する接続部とを有する請求項1又は請求項2に記載のシール装置。
  4. 前記排気流路は、異なる前記低圧源に接続される複数の前記連通部を有する請求項3に記載のシール装置。
  5. 前記ガイドローラは、前記隔壁部に形成される開口内に配置され、前記第1空間及び前記第2空間にそれぞれ部分的に露出し、
    前記ガイドローラと前記開口の内縁との間に形成される2つの空間の一方が前記搬送路とされ、他方が前記排気流路の前記連通部とされ、
    前記排気流路の前記ガイドローラの周方向の長さが前記搬送路の前記ガイドローラの周方向の長さよりも大きい請求項3又は4に記載のシール装置。
  6. 前記隔壁部は、前記開口の内壁面のうち、前記ガイドローラの周面に対向する面及び前記ガイドローラの端面に対向する面に連続して形成される排気溝を有する、請求項5に記載のシール装置。
  7. 前記隔壁部と前記ガイドローラの周面との隙間を封止するシャッタ部をさらに備え、
    前記シャッタ部は、前記ガイドローラの周面に対向するとともに定常運転時における前記ガイドローラの撓みに合わせて前記ガイドローラの側に凸状又は凹状に湾曲している先端縁を有するシール部材を含む、請求項5又は6に記載のシール装置。
  8. 前記ガイドローラが前記ウェブを加熱するために発熱可能である請求項1から7のいずれかに記載のシール装置。
  9. 前記搬送路の前記ウェブの厚み方向の平均長さは、0.1mm以上1.0mm以下である請求項1から8のいずれかに記載のシール装置。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載のシール装置と、前記第2空間を画定する低圧室とを備える真空装置。
  11. 前記第1空間の圧力が大気圧である請求項10に記載の真空装置。
  12. 真空引きされる成膜室と、
    前記成膜室の前記ウェブの搬送方向前後にそれぞれ直列して設けられる複数の緩衝室と、
    隣接し合う前記成膜室間並びに前記成膜室及び前記緩衝室間の少なくともいずれかに、前記緩衝室を前記第1空間を画定する高圧室とし、前記成膜室又は前記成膜室側に隣接する前記緩衝室を前記第2空間を画定する低圧室として設けられる請求項1から9のいずれかに記載のシール装置と、
    を備える成膜装置。
  13. 前記成膜室の上流側の前記緩衝室と下流側の前記緩衝室とが一体であり、前記ウェブが折り返して搬送される請求項12に記載の成膜装置。
  14. 請求項10又は11に記載の真空装置を用いて前記ウェブに加工する工程を備えるフィルム製造方法。
  15. 前記搬送路を通過する際の前記ウェブの平均厚みが20μm以上100μm以下である請求項14に記載のフィルム製造方法。
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