JP2020091968A - イオンビーム発生装置およびイオンビーム発生装置の制御方法 - Google Patents

イオンビーム発生装置およびイオンビーム発生装置の制御方法 Download PDF

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Antonio Spa Dabekkya Uruderiko Claudio
ウルデリコ クラウディオ アントニオ スパダベッキヤ
志村 尚彦
Naohiko Shimura
尚彦 志村
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Sukeyuki Yasui
祐之 安井
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貴行 佐古
晋弥 松田
Shinya Matsuda
晋弥 松田
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Taichi Takezaki
太智 竹崎
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徹 佐々木
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Abstract

【課題】イオンビームの出力時に無衝突条件を満たす真空度できるイオンビーム発生装置の制御技術を提供する。【解決手段】イオンビーム発生装置1は、プラズマPの発生源となるガスGの分子を電離させてプラズマPを間欠的に発生させるプラズマ発生室21と、プラズマ発生室21で発生させたプラズマPが導入される主放電室9と、主放電室9に設けられ、間欠的な放電によりプラズマPを加速させる加速用電極4と、主放電室9にプラズマPが導入されるタイミングと加速用電極4の放電のタイミングとを同期させる制御部31とを備える。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、イオンビーム発生装置およびイオンビーム発生装置の制御方法に関する。
従来、筒状の外側陰極の軸心に棒状の内側陽極が配置され、内側陽極の基部が絶縁体により外側陰極から絶縁されたプラズマフォーカス装置がある。このようなプラズマフォーカス装置では、内側陽極が絶縁体と接する位置から沿面放電が起こり、プラズマシートが生成される。プラズマシートを通して電流が流れることにより自己磁場が発生するため、この自己磁場と電流によるローレンツ力によってプラズマシートを軸方向に加速し、イオンビームとして放出させる技術が知られている。
特開平01−100387号公報 特開昭62−294778号公報 特開昭63−124878号公報 特開平02−223385号公報
K. Masugata, et.al., University of Toyama (材料プロセスに向けたプラズマフォーカス装置の応用) D.L. Willenborg, C.D. Hendricks, Charged Particle Laboratory Report No. 2-76 United States Airforce (Design and Construction of a Dense Plasma Focus) R.P. Drake, Physics of Plasmas, Volume 7, Number 11 (The Design of Laboratory Experiments to Produce Collisionless Shocks of Cosmic Relevance) D. Haberberger, S. Tochitsky, F. Fiuza, C. Gong, R.A. Fonseca, L.O. Silva, W.B. Mori, C. Joshi. Nature Physics Vol.8, January 2012 (Collisionless shocks in Laser-Produced Plasma Generate Monoenergetic High-Energy Protom Beams) 星野真弘、天野孝伸、日本物理学会誌、64(6),412,2009(宇宙における衝撃波粒子加速機構の親展開) 稲垣領太、佐々木徹、菊池崇志、原田信弘(長岡技術科学大学)(パルスパワー装置を用いた無衝突衝撃波の形成実験) T.Takezaki, et.al., Physics of Plasmas 23,062904(2016)(Accelerated ions from pulsed-power-driven fast plasma flow in perpendicular magnetic field) K.Kondo, et.al., Review of Scientific Instruments 77, 036104(2006)(Compact pulse power device for generation of one-dimensional strong shock waves) Robert G. Jahn, DOVER PUBLICATIONS (Physics of Electric Propulsion)
プラズマフォーカス装置では、プラズマ中の荷電粒子が有する運動エネルギーを落とさずに加速させるために、荷電粒子の平均自由行程が装置系の大きさより長くなるように、その内部を真空にしてある。特に、荷電粒子間の衝突が殆ど起きない無衝突条件を満たす高真空にする必要がある。
本発明の実施形態は、このような事情を考慮してなされたもので、イオンビームの出力時に無衝突条件を満たす真空度できるイオンビーム発生装置の制御技術を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係るイオンビーム発生装置は、プラズマの発生源となるガスの分子を電離させて前記プラズマを間欠的に発生させるプラズマ発生室と、前記プラズマ発生室で発生させた前記プラズマが導入される主放電室と、前記主放電室に設けられ、間欠的な放電により前記プラズマを加速させる加速用電極と、前記主放電室に前記プラズマが導入されるタイミングと前記加速用電極の放電のタイミングとを同期させる制御部と、を備える。
本発明の実施形態により、イオンビームの出力時に無衝突条件を満たす真空度できるイオンビーム発生装置の制御技術が提供される。
第1実施形態のイオンビーム発生装置を示す斜視断面図。 第1実施形態のイオンビーム発生装置を示す側断面図。 図2のA−A断面図。 予備電離ユニットを示す側断面図。 第1実施形態のイオンビーム発生装置のシステム構成を示すブロック図。 主放電室の主放電タイミングを示すタイミングチャート。 第1実施形態のイオンビーム発生装置の制御方法を示すフローチャート。 変形例1のイオンビーム発生装置の制御方法を示すフローチャート。 第2実施形態のイオンビーム発生装置を示す側断面図。 第2実施形態のイオンビーム発生装置のシステム構成を示すブロック図。 第2実施形態のイオンビーム発生装置の制御方法を示すフローチャート。 変形例2のイオンビーム発生装置の制御方法を示すフローチャート。 変形例3の予備電離ユニットを示す側断面図。
(第1実施形態)
以下、本実施形態を添付図面に基づいて説明する。まず、イオンビーム発生装置およびその産業上の利用可能性について説明する。なお、イオンビーム発生装置は、プラズマ状態のイオンを加速して出力する。この加速されて出力されるプラズマをイオンビームと称して以下に説明する。
イオンビーム発生装置は、炭素イオンなどで構成されるイオンビームを患者の患部(がん)に照射して治療を行う粒子線治療装置、または、ホウ素を含む薬剤が投与された患者に対して、イオンビームを介して発生させた中性子を照射することで治療を行うホウ素中性子捕捉療法(BNCT:Boron Neutron Capture Therapy)などのイオンビームを利用した治療装置のイオン源として用いられる。
また、イオンビーム発生装置は、X線源、中性子源、核融合の高密度プラズマ、または、材料プロセスなどの幅広い範囲で用いられている。特に、イオンビーム発生装置の一種として、プラズマ物理学の分野における多様な用途に用いられるアークジェットがある。このアークジェットは、宇宙用電気推進(MPDスラスタ、直流アークジェット)、プラズマ化学反応用熱源としての直流アークジェット(プラズマトーチ)、核融合用プラズマガンなどの幅広い範囲で用いられている。
また、イオンビームを利用する治療装置では、イオン源から引き出されたイオンを、線形加速器を用いて静電場で加速させる。そして、シンクロトロン(円形加速器)で周回加速させて所定の設定エネルギーまで高められたイオンビームを治療に用いる。
また、イオン源から引き出された低エネルギーのイオンを電場で加速する線形加速器として、荷電粒子特有の空間電荷効果による発散を抑制しつつ、高エネルギーのイオンビームを出力できる高周波四重極線形加速器が広く利用されている。
従来の加速器施設では、イオン源および線形加速器の両方の装置を備える。そのため、施設全体が大型化するとともに複雑化している。ここで、線形加速器を必要せずにイオン源単体で高エネルギーのイオンビームを供給可能となれば、施設の構成を簡易かつコンパクトにすることが可能となる。また、大電流かつ高エネルギーのイオンビームを出力できれば、そのイオンビームをBNCTなどの治療装置に直接利用することも可能となる。
また、イオンビーム発生装置による無衝突衝撃波を用いた加速は、宇宙空間における探査機などの加速手段として広く受け入れられるようになっている。宇宙探査機などの加速に用いる場合は、地上で人類が現在利用している加速器よりも加速エネルギーを遥かに高くする必要がある。そのため、加速器中性子源などのイオン加速器を用いたものが主流となる可能性がある。
イオンビーム発生装置は、電極を用いた沿面放電でプラズマが生成されるため、超高真空である宇宙空間における加速方法として用いることができる。しかし、制御方法が適切でなければ放出される衝撃波が広がってしまい、推力が減衰されてしまう。そのため、電極の断面は、一対のテーパー状となるように構成される。さらに、電極の出口側の端部には誘導管が設けられる。
テーパー状の電極の先端部に到達するプラズマは、30km/s程度の速度に達する。そして、ピンチ効果により軸方向の運動エネルギーが熱エネルギーに変換される。さらに、真空条件では、プラズマを構成するイオンと中性子のとの間の平均自由行程が誘導管の長さよりも大きくなるため、テーパー状の電極で形成された衝撃波が無衝突条件を維持しつつ、誘導管の先端まで伝播される。なお、誘導管の伝播方向に対して垂直方向に外部磁場を印加することで、この磁場と無衝突衝撃波との相互作用によって、プラズマがより加速される。さらに、無衝突衝撃波では、波動粒子の相互作用によって、高エネルギー粒子の生成が期待される。
第1実施形態のイオンビーム発生装置について図1から図7を用いて説明する。図1の符号1は、本実施形態のイオンビーム発生装置である。以下に説明するイオンビーム発生装置1は、所謂プラズマフォーカス装置であり、線形加速器を用いること無く、大電流かつ高エネルギーのイオンビーム(荷電粒子ビーム)を出力できる。
図1および図2に示すように、本実施形態のイオンビーム発生装置1は、プラズマPを発生させる複数の予備電離ユニット2と、予備電離ユニット2で発生させたプラズマPを加速する主放電ユニット3とを備える。
以下、図1および図2の紙面左側をイオンビーム発生装置1の基端側(後方側、上流側)とし、紙面右側をイオンビーム発生装置1の先端側(前方側、下流側)として説明する。プラズマP(荷電粒子)は、イオンビーム発生装置1の基端側から先端側に向かって進行する。そして、プラズマPがイオンビームとして外部に出力される。
主放電ユニット3は、プラズマPを加速する加速用電極4を備える。この加速用電極4は、基端側が閉塞されるとともに先端側が開放された筒状のカソードとしての外側陰極5と、この外側陰極5の軸心に配置された棒状のアノードとしての内側陽極6とから成る。つまり、加速用電極4は、外側陰極5と内側陽極6とが同心に配置された同心電極である。
さらに、主放電ユニット3は、外側陰極5の基端側を閉塞する隔壁部7と、外側陰極5の先端側に設けられた筒状の誘導管8とを備える。なお、外側陰極5と隔壁部7で囲まれた内部空間が、主放電室9となっている。
主放電室9および誘導管8の内部空間は、真空にされる。なお、イオンビーム発生装置1を真空チェンバの内部に配置することで、主放電室9および誘導管8の内部空間を真空にしても良い。つまり、イオンビーム発生装置1は、主放電室9および誘導管8の内部空間を真空にするための真空ポンプなどの装置を備えても良い。
加速用電極4を構成する外側陰極5および内側陽極6は、電力線11,12を介して加速用電源10に接続される。なお、外側陰極5は、電力線11を介して加速用電源10の負極に接続される。また、内側陽極6は、電力線12を介して加速用電源10の正極に接続される。
本実施形態では、加速用電源10から加速用電極4に電力を供給し、主放電を発生させるときの電圧波形がパルス状の電圧波形となっている(図6参照)。つまり、加速用電極4は、オンとオフを繰り返す間欠的な電力供給を行う。この電力供給により間欠的な主放電が生じ、プラズマPが加速される。
外側陰極5は、中空円筒形状を成す電極である。この外側陰極5は、基端側から延びる円筒形状を成す部分と、この円筒形状を成す部分の先端側に設けられ、先端側にゆくに従って窄まる形状を成す部分とを有する。また、外側陰極5の内周面の形状も、円筒形状を成す部分と、その先端側の窄まる形状を成す部分とを有する。
外側陰極5は、内側陽極6を中心として、その周囲に配置される。そして、外側陰極5の内部の主放電室9は、進行するプラズマPを内側陽極6の円錐形状の先端に案内するために、途中から狭まるように形成される。
なお、外側陰極5の窄まった先端部分の中央の円形の開口に、この開口とほぼ同じ内径を有する円筒形状を成す誘導管8が接続される。
内側陽極6は、円柱形状を成す電極である。この内側陽極6は、基端側から延びる円柱形状を成す部分と、この円柱形状を成す部分の先端側に設けられ、先端側にゆくに従って窄まる円錐形状を成す部分とを有する。
図2および図3に示すように、外側陰極5の基端側を閉塞する隔壁部7は、円盤状の部材である。この隔壁部7は、絶縁体で形成される。例えば、NCナイロン、テフロン(登録商標)、デルリン(登録商標)などの合成樹脂系の絶縁材料を用いて隔壁部7が形成される。また、窒化ホウ素などのセラミック材料を用いて隔壁部7を形成しても良い。
隔壁部7の中央部には、内側陽極6が設けられる中央孔13が開口されている。また、隔壁部7には、中央孔13の周囲に複数の導入孔14が開口されている。これらの導入孔14は、内側陽極6の周方向に沿って均等に並んで配置される。本実施形態では、4つの導入孔14が設けられている。
これらの導入孔14には、それぞれに対応する予備電離ユニット2が接続される。本実施形態では、4つの導入孔14のそれぞれに対応する4つの予備電離ユニット2が設けられる。なお、予備電離ユニット2で発生したプラズマPは、導入孔14を介して主放電室9に導入される。つまり、プラズマPが外側陰極5の基端側に導入される。
そして、加速用電源10により外側陰極5と内側陽極6との間に電圧を印加することで、予備電離ユニット2から外側陰極5の基端側に導入されたプラズマPが、この外側陰極5の先端側に向かって軸方向に加速される。このようにすれば、プラズマPを安定的に加速させることができる。
図1および図2に示すように、外側陰極5と内側陽極6に印加された電圧により、プラズマPを通して放射状の電流Cが流れる。そのため、主放電室9において、内側陽極6の周方向に自己磁場M1が発生する。ここで、放射状の電流Cと周方向に自己磁場M1とは、互いに垂直に交わる。
自己磁場M1とプラズマPを通して流れる電流Cとで生じるローレンツ力により、プラズマPが加速用電極4の軸方向に加速移動される。なお、この自己磁場M1による加速は、磁気ピストンと呼ばれる。
なお、プラズマPが加速移動されるときに、このプラズマPの前方に圧縮ガスの薄い層である衝撃波前面Wが形成される。この衝撃波前面Wは、磁気ピストンに先行し、主放電室9の空間内に存在するガスを掃引して電離させる。
そして、内側陽極6の先端の円錐部まで到達されたプラズマPは、内側陽極6が途切れた部分で、ローレンツ力(J×B)により径方向に圧縮(ピンチ)される。つまり、内側陽極6の先端を過ぎると、内側陽極6から先端方向に向けて電流が流れることで、自己磁場M1によりプラズマPが圧縮される。このとき、プラズマPは、高温かつ高密度となり、圧縮された効果により軸方向の運動エネルギーは熱エネルギーに変換される。
そして、圧縮されたプラズマPは、高いエネルギー状態で誘導管8の内部に伝搬される。なお、誘導管8の内部は、主放電室9よりも圧力が低いので、この圧力差によりプラズマPが誘導管8の内部に伝搬される。
イオンビーム発生装置1は、誘導管8の内部を通過するプラズマPの進行方向に対して垂直な磁場M2を印加する垂直磁場発生部15を備える。この垂直磁場発生部15は、誘導管8を径方向に挟むように設けられ、プラズマPの進行方向に対して垂直な磁場M2を発生させる。
主放電室9から誘導管8の内部に伝搬されたプラズマPは、誘導管8に加えられた垂直磁場M2を通過する。このとき、垂直磁場M2によって電場が誘導されて、プラズマPがさらに加速される。
本実施形態では、主放電室9および誘導管8の内部空間を1Pa以下の真空状態に保持する。さらに、誘導管8の長さを、イオンおよび電子の平均自由行程よりも短くなるように設定している。このようにすれば、誘導管8の内部を伝播するプラズマPが、無衝突条件を満たすようになる。そして、プラズマPは、その高エネルギー状態が維持されつつ、誘導管8から出力される。
このように、プラズマPを主放電室9において加速し、かつ圧縮する。さらに、誘導管8においてプラズマPを外部磁場との相互作用により無衝突状態で加速することにより、大電流かつ高エネルギーのイオンビームが出力される。
次に、予備電離ユニット2について詳述する。本実施形態のイオンビーム発生装置1が備える複数の予備電離ユニット2は、同一構成であるので、1つの予備電離ユニット2のみを用いて説明する。
図4に示すように、予備電離ユニット2は、高周波の予備電離放電によりガスGの分子を電離させてプラズマPを発生させる電離用電極16と、電離用電極16の両電極17,18間に電圧が印加されたときにプラズマPが発生される予備電離部19と、予備電離部19と主放電室9とを繋ぐプラズマ流通管20とを備える。なお、予備電離部19の内部空間が、プラズマ発生室21となっている。本実施形態の予備電離ユニット2では、バリアー放電によりプラズマPを発生させる。
さらに、予備電離ユニット2は、プラズマ発生室21にガスGを供給するガス供給部26を備える。このガス供給部26は、予備電離部19の上流側に接続されている。なお、ガス供給部26は、プラズマ発生室21に対するガスGの供給を制御するバルブを備える。
予備電離部19は、石英ガラスなどの誘電体で形成される管である。この予備電離部19には、ガス供給部26からプラズマPの発生源となる電離用のガスGが供給される。なお、電離用のガスGは、利用されるイオンビームの種類によって適宜選択される。例えば、水素、キセノン、アルゴンなどのガスが用いられる。プラズマ発生室21は、電離用のガスGで満たされる。
予備電離部19の内部には、電離用電極16の棒状の電極17が配置される。予備電離部19の外周には、電離用電極16の円環状の電極18が配置される。つまり、予備電離部19は、電離用電極16の一方の電極17と他方の電極18とを隔てる誘電体である。予備電離部19の内部の電極17は、ガスGに曝される。一方、予備電離部19の外周の電極18は、ガスGに曝されることがない。
なお、予備電離部19の内部の棒状の電極17を誘電体の部材で覆っても良い。つまり、電離用電極16の両電極17,18がガスGに曝されないようにしても良い。また、予備電離部19の内部の棒状の電極17を誘電体の部材で覆い、円環状の電極18を予備電離部19の内周に配置しても良い。
電離用電極16の両電極17,18は、電力線22,23を介して電離用電源24に接続される。なお、予備電離部19の外周の電極18は、接地25を介して電離用電源24に接続される。電離用電源24は、高周波電流を発生させる。例えば、13kHzの周波数の電流を発生させる。この高周波は、10kHzから300kHzまでの周波数であれば良い。
電離用電極16に高周波の交流電流が供給されると、予備電離部19でガスGの分子が電離し、プラズマPが発生する。予備電離部19の内部は、ガスGで満たされているので、その密度が主放電室9よりも高くなっている。そのため、ガスGが電離したときに、この電離された分子または電子が他の分子に衝突し易くなる。この衝突された他の分子も電離されるので、さらにプラズマPが発生する。このように、プラズマPを安定的に発生させることができる。
主放電室9の内部体積よりも小さい内部体積を有するプラズマ発生室21において、予備電離部19の内部のガスGを電離させるだけで良いので、電離用電極16の小型化を図ることができる。さらに、電離用電極16の両電極17,18に印加される電力が低電圧でもプラズマPを発生させることができる。なお、イオンビーム発生装置1の全体構成を小型化できるので、初期コストを低減させることができる。
本実施形態では、電離用電源24から電離用電極16に電力を供給し、高周波の予備電離放電を発生させる。なお、電離用電源24は、オンとオフを繰り返す間欠的な電力供給を行う。この電力供給により間欠的な予備電離放電が生じ、プラズマPが間欠的に発生する。そして、プラズマ発生室21で発生したプラズマPがプラズマ流通管20を介して主放電室9に導入される。
プラズマ流通管20は、合成樹脂系の絶縁材料またはセラミック材料などの絶縁体で形成された管である。このプラズマ流通管20の上流側の端部が予備電離部19に接続される。さらに、プラズマ流通管20の下流側の端部が導入孔14に接続される。また、予備電離部19の内径よりもプラズマ流通管20の内径が小さくなっている。なお、予備電離部19の内径よりもプラズマ流通管20の内径が大きくても良いし、予備電離部19の内径とプラズマ流通管20の内径が同一であっても良い。
また、予備電離部19で発生したプラズマPに基づいて、プラズマ流通管20にて、さらにプラズマPが発生する。つまり、プラズマ流通管20にて、プラズマPが進展される。そして、進展されたプラズマPがプラズマ流通管20から主放電室9に導入される。このようにすれば、プラズマ流通管20でプラズマPが進展されるので、プラズマPの生成量を安定させることができる。
なお、隔壁部7は、主放電室9の基端側を閉鎖する部材である。導入孔14は、プラズマ発生室21から主放電室9にプラズマPを導入させる開口である。導入孔14の開口寸法は、主放電室9の内径寸法よりも小さいので、主放電室9が真空状態であっても、プラズマ発生室21の内圧が下がり難くなっている。このようにすれば、プラズマ発生室21のガスGの密度を高めつつ、主放電室9の真空度を高めることができる。
なお、予めプラズマ流通管20の長さと導入孔14の径を調整することで、プラズマ発生室21と主放電室9との圧力差を調整することができる。
主放電室9は、真空であるので、ガスGの密度がプラズマ発生室21よりも低くなっている。つまり、プラズマPが有するエネルギーを落とさずに加速させることができる。これに対してプラズマ発生室21は、電離用のガスGで満たされるので、プラズマPを安定的に発生させることができる。
また、主放電ユニット3では、プラズマPを生成しなくても済むので、加速用電極4に加える電圧が、従来よりも低い電圧で済むようになる。さらに、主放電室9の基端側をプラズマPで満たすことができるので、この基端側において、外側陰極5と内側陽極6との間を流れる電流Cを安定させることができる。さらに、この基端側においても、充分な強さのローレンツ力を発生させることができるので、プラズマPの加速効率が向上される。
次に、イオンビーム発生装置1のシステム構成を図5に示すブロック図を参照して説明する。
イオンビーム発生装置1は、イオンビームの出力を制御する制御ユニット30を備える。この制御ユニット30により加速用電源10と電離用電源24と垂直磁場発生部15とガス供給部26とが制御される。
制御ユニット30は、制御部31と設定記憶部32と計時部33とを備える。これらは、メモリまたはHDDに記憶されたプログラムがCPUによって実行されることで実現される。
制御部31は、イオンビームの出力を制御する。設定記憶部32は、イオンビームの出力に必要な各種設定情報を記憶する。計時部33は、時間の経過をカウントする。
本実施形態の制御ユニット30は、プロセッサおよびメモリなどのハードウェア資源を有し、CPUが各種プログラムを実行することで、ソフトウェアによる情報処理がハードウェア資源を用いて実現されるコンピュータで構成される。さらに、本実施形態のイオンビーム発生装置1の制御方法は、プログラムをコンピュータに実行させることで実現される。
制御ユニット30の制御部31は、イオンビームを出力するときに、主放電室9にプラズマPが導入されるタイミングと加速用電極4の主放電のタイミングとを同期させる制御を行う。
電離用電極16が間欠的に予備電離放電を行うことで、プラズマ発生室21でプラズマPが間欠的に発生する。このプラズマPは、プラズマ流通管20を介して主放電室9に間欠的に導入される。そして、この間欠的に導入されるプラズマPに合わせて、主放電室9で加速用電極4が間欠的に主放電を行うようにする。
例えば、イオンビーム発生装置1の設計時に、プラズマPの進行速度に基づいてプラズマ流通管20の長さを調整することで、所定のタイミングでプラズマPが主放電室9に導入されるように調整することができる。
図2に示すように、主放電室9において隔壁部7の近傍位置をトリガ位置Qとして設定する。なお、隔壁部7の内面と一致する位置をトリガ位置Qとして設定しても良い。そして、プラズマ流通管20の長さを調整することで、プラズマ発生室21から主放電室9のトリガ位置Qまでの距離Lが設定される。
ここで、プラズマPの進行速度が一定であると仮定すると、プラズマ発生室21で発生したプラズマPがプラズマ流通管20を通ってトリガ位置Qに到達されるまでの特定時間Td(図6参照)は、プラズマPの進行速度に基づいて予め取得可能である。例えば、距離LをプラズマPの進行速度Vで割った値(距離L/進行速度V)が、プラズマPがプラズマ発生室21から主放電室9に到達するまでの特定時間Tdとなる。なお、イオンビーム発生装置1を事前にテスト運用することで、プラズマ発生室21から主放電室9までの特定時間Tdを取得しても良い。
第1実施形態では、先のプラズマPが主放電室9に導入されると、加速用電極4が主放電を開始し、所定の主放電時間Te(図6参照)に亘って主放電を継続する。そして、主放電の終了後、次のプラズマPを発生させる前に、所定の待機時間Ts(図6参照)が設けられる。
なお、待機時間Tsは、プラズマ発生室21で次のプラズマPを発生させる前、または主放電室9で次の主放電を開始する前までに、主放電室9に残ったプラズマPが一掃され、主放電室9が無衝突条件に必要な真空度に復帰されるまでの時間を設定する。この設定情報は、設定記憶部32に記憶される。
図6のタイミングチャートは、プラズマPの特定時間Tdと、主放電室9の主放電時間Teと、待機時間Tsとの関係を示す。このタイミングチャートでは、プラズマ発生室21からプラズマPが出力されるタイミングをT1とし、主放電室9のトリガ位置QにプラズマPが到達して主放電が開始されるタイミングをT2とし、主放電が終了するタイミングをT3としている。特定時間Tdは、T1からT2までの時間であり、主放電時間Teは、T2からT3までの時間であり、待機時間Tsは、T3から次のT1までの時間である。
なお、制御部31は、計時部33がカウントする時間に基づいて、各タイミングで所定の制御を行う。また、設定記憶部32には、特定時間Tdと主放電時間Teと待機時間Tsとが予め設定され、これらの設定に基づいて、制御部31が各タイミングを取得する。
本実施形態では、理解を助けるために、プラズマ発生室21で電離用電極16が予備電離放電を開始するタイミングをT1とする。そして、予備電離放電の開始と同時に生成されたプラズマPがプラズマ発生室21から出力されるものとする。なお、予め主放電が開始されるタイミングT2を設定し、このタイミングT2から逆算して予備電離放電の開始タイミングT1を設定しても良い。
また、電離用電極16による予備電離放電の開始タイミングと、実際にプラズマPが生成されるタイミングまたはプラズマ発生室21からプラズマPが出力されるタイミングとの間に、タイムラグがある場合は、T1が予備電離放電の開始タイミングと一致してなくても良い。つまり、T1は、プラズマ発生室21からプラズマPが出力されるタイミングであれば良い。
T1で開始された予備電離放電は、プラズマPの特定時間Tdの経過時のT2で終了する。このT2のタイミングにおいて、主放電室9にて加速用電極4が主放電を開始する。そして、主放電は、主放電時間Teの経過時のT3で終了する。つまり、加速用電極4のオンのタイミングがT2と一致し、オフのタイミングがT3と一致している。なお、主放電時間Teの経過期間中に、プラズマ発生室21で生成されたプラズマPは全て主放電室9に導入され、イオンビームとして出力される。
また、主放電の終了タイミングのT3から待機時間Tsが開始される。そして、この待機時間Tsの経過時の次のT1で予備電離放電が再び開始される。なお、第1実施形態では、常時、ガスGがガス供給部26からプラズマ発生室21に供給される。つまり、ガスGは、電離用電極16の間欠的な予備電離放電とは無関係に継続的に供給される。
第1実施形態の制御部31は、計時部33がカウントする特定時間Tdの経過に基づいて、プラズマPが主放電室9に導入されるタイミングT2を取得する。このようにすれば、特定時間Tdの経過に基づいて主放電室9に導入されるタイミングT2を取得する処理が行えるため、制御部31の処理を簡素化することができる。
また、制御部31は、プラズマ発生室21でプラズマPを発生させるタイミングT1を加速用電極4の主放電が終了するタイミングT3に対応付けて設定する。本実施形態では、T3の後に、さらに待機時間Tsが経過した後に、プラズマ発生室21でプラズマPを発生させる。つまり、先のプラズマPを加速するための主放電の実行中に、次のプラズマPをプラズマ発生室21で発生させないようにしている。このようにすれば、加速用電極4より先のプラズマPを加速する主放電が終了し、主放電室9の真空条件が復帰した後に、次のプラズマPをプラズマ発生室21で発生させることができる。
制御部31は、計時部33がカウントする待機時間Tsの経過に基づいて、プラズマ発生室21でプラズマPを発生させるタイミングを取得する。このようにすれば、加速用電極4より先のプラズマPを加速する主放電が終了し、真空条件が成立する待機時間Tsが経過した後に、次のプラズマPをプラズマ発生室21で発生させることができる。そのため、イオンビームの出力時に無衝突条件を満たす真空度できる。
次に、第1実施形態のイオンビーム発生装置1が実行する制御方法について図7のフローチャートを用いて説明する。このイオンビーム発生装置1の動作によって受動的に生じる作用を含めて説明する。なお、図1から図6を適宜参照する。また、この処理は、一定時間毎に繰り返される処理である。この処理が繰り返されることで、プラズマ発生室21でプラズマPが間欠的に発生する。さらに、加速用電極4により主放電が間欠的に行われる。
図7に示すように、まず、ステップS11において、制御部31は、ガス供給部26を制御し、このガス供給部26からプラズマ発生室21に電離用のガスGを供給する。このガスGの供給は常時行われる。そして、プラズマ発生室21がガスGで満たされる。
次のステップS12において、制御部31は、計時部33による待機時間Tsのカウントに基づいて、予備電離放電の開始タイミングT1であるか否かを判定する。ここで、予備電離放電の開始タイミングT1でない場合(ステップS12がNO)は、処理を終了する。一方、予備電離放電の開始タイミングT1である場合(ステップS12がYES)は、ステップS13に進む。
次のステップS13において、制御部31は、電離用電源24を制御し、この電離用電源24から電離用電極16に電力を供給する。ここで、供給される電力は高周波の交流であり、この電流が電離用電極16に供給されることで、電離用電極16で予備電離放電が生じる。この予備電離放電により、ガスGの分子が電離されてプラズマ発生室21でプラズマPが発生する。
次のステップS14において、プラズマ発生室21で発生したプラズマPがプラズマ流通管20を通って隔壁部7の導入孔14から主放電室9に導入される。
次のステップS15において、制御部31は、計時部33による特定時間Tdのカウントに基づいて、プラズマPが主放電室9に導入されたか否か、つまり、主放電の開始タイミングT2であるか否かを判定する。ここで、主放電の開始タイミングT2でない場合(ステップS15がNO)は、前述のステップS13に戻る。一方、主放電の開始タイミングT2である場合(ステップS15がYES)は、ステップS16に進む。
次のステップS16において、制御部31は、電離用電源24を制御し、電離用電極16に対する電力の供給を停止し、プラズマ発生室21の予備電離放電を終了する。
次のステップS17において、制御部31は、加速用電源10を制御し、加速用電極4に電力を供給し、主放電室9で主放電を発生させる。この主放電によりプラズマPが加速される。
より詳しくは、外側陰極5と内側陽極6に印加された電圧により、プラズマPを通して放射状の電流Cが流れる。そして、自己磁場M1とプラズマPを通して流れる電流Cとで生じるローレンツ力により、プラズマPが加速用電極4の軸方向に加速移動される。そして、内側陽極6の先端の円錐部まで到達されたプラズマPは、ローレンツ力により径方向に圧縮される。また、プラズマPが誘導管8の内部に伝搬され、誘導管8に加えられた磁場M2との相互作用によりプラズマPがさらに加速される。そして、高エネルギー状態のイオンビームが誘導管8から出力される。
次のステップS18において、制御部31は、計時部33による主放電時間Teのカウントに基づいて、主放電の終了タイミングT3であるか否かを判定する。ここで、主放電の終了タイミングT3でない場合(ステップS18がNO)は、前述のステップS16に戻る。一方、主放電の終了タイミングT3である場合(ステップS18がYES)は、ステップS19に進む。
次のステップS19において、制御部31は、加速用電源10を制御し、加速用電極4に対する電力の供給を停止し、主放電室9の主放電を終了する。
次のステップS20において、制御部31は、待機時間Tsのカウント処理を実行する。この待機時間Tsが設けられることで、主放電室9に残ったプラズマPが一掃される時間を確保することができる。
次のステップS21において、制御部31は、計時部33による待機時間Tsのカウントに基づいて、待機時間Tsが経過したか否かを判定する。ここで、待機時間Tsが経過していない場合(ステップS21がNO)は、前述のステップS20に戻る。一方、待機時間Tsが経過した場合(ステップS21がYES)は、処理を終了する。
第1実施形態では、制御部31が計時部33による時間のカウントに基づいて、イオンビームの出力に関する制御を行うことができる。また、主放電室9の主放電が終了したタイミングから、適切な待機時間Tsを保留することで、主放電室9から下流側の誘導管8にプラズマPが流れる真空条件に戻すことができる。そのため、主放電の度に主放電室9および誘導管8の無衝突条件を保つことができる。
次に、変形例1のイオンビーム発生装置1の制御方法について図8のフローチャートを用いて説明する。このイオンビーム発生装置1の動作によって受動的に生じる作用を含めて説明する。なお、図1から図6を適宜参照する。また、この処理は、一定時間毎に繰り返される処理である。この処理が繰り返されることで、プラズマ発生室21でプラズマPが間欠的に発生する。さらに、加速用電極4により主放電が間欠的に行われる。
なお、変形例1のイオンビーム発生装置1の制御方法では、前述の第1実施形態とは異なり、ガス供給部26からプラズマ発生室21に電離用のガスGを常時供給しないようにする。この変形例1のイオンビーム発生装置1の制御方法では、ガス供給部26がプラズマ発生室21に電離用のガスGを間欠的に供給する。
この変形例1では、理解を助けるために、ガスGが供給されるタイミングが予備電離放電の開始タイミングT1と一致させている。なお、ガス供給部26からガスGの供給を開始して、プラズマ発生室21がガスGで満たされるまでに、タイムラグがある場合は、ガスGが供給されるタイミングと予備電離放電の開始タイミングT1とが一致してなくても良い。つまり、予備電離放電の開始タイミングT1以前に、ガスGが供給されるタイミングを設けても良い。
変形例1の制御部31は、プラズマ発生室21に電離用のガスGを供給するタイミングを加速用電極4の放電が終了するタイミングに対応付けて設定する。このようにすれば、加速用電極4より先のプラズマPを加速する主放電が終了し、主放電室9の真空条件が復帰するまでの間に、不要なガスGが主放電室9に流入されないようにできるため、イオンビームの出力時に無衝突条件を満たす真空度できる。なお、ガスGを供給するタイミングを示す設定情報は、設定記憶部32に記憶される。
また、制御部31は、計時部33がカウントする待機時間Tsの経過に基づいて、ガス供給部26からプラズマ発生室21にガスGを供給するタイミングを取得する。このようにすれば、加速用電極4より先のプラズマPを加速する主放電が終了し、真空条件が成立する待機時間Tsが経過した後に、プラズマ発生室21に次のプラズマPを発生させるためのガスGを供給することができる。
図8に示すように、まず、ステップS12において、制御部31は、計時部33による待機時間Tsのカウントに基づいて、予備電離放電の開始タイミングT1であるか否かを判定する。ここで、予備電離放電の開始タイミングT1でない場合(ステップS12がNO)は、処理を終了する。一方、予備電離放電の開始タイミングT1である場合(ステップS12がYES)は、ステップS13Aに進む。
次のステップS13Aにおいて、制御部31は、ガス供給部26を制御し、このガス供給部26からプラズマ発生室21に電離用のガスGを供給する。そして、プラズマ発生室21がガスGで満たされる。
次のステップS13Bにおいて、制御部31は、電離用電源24を制御し、この電離用電源24から電離用電極16に電力を供給する。ここで、供給される電力は高周波の交流であり、この電流が電離用電極16に供給されることで、電離用電極16で予備電離放電が生じる。この予備電離放電により、ガスGの分子が電離されてプラズマ発生室21でプラズマPが発生する。
次のステップS14において、プラズマ発生室21で発生したプラズマPがプラズマ流通管20を通って隔壁部7の導入孔14から主放電室9に導入される。
次のステップS15において、制御部31は、計時部33による特定時間Tdのカウントに基づいて、プラズマPが主放電室9に導入されたか否か、つまり、主放電の開始タイミングT2であるか否かを判定する。ここで、主放電の開始タイミングT2でない場合(ステップS15がNO)は、前述のステップS13に戻る。一方、主放電の開始タイミングT2である場合(ステップS15がYES)は、ステップS16Aに進む。
次のステップS16Aにおいて、制御部31は、ガス供給部26を制御し、プラズマ発生室21に対するガスGの供給を停止する。
次のステップS16Bにおいて、制御部31は、電離用電源24を制御し、電離用電極16に対する電力の供給を停止し、プラズマ発生室21の予備電離放電を終了する。
次のステップS17において、制御部31は、加速用電源10を制御し、加速用電極4に電力を供給し、主放電室9で主放電を発生させる。この主放電によりプラズマPが加速される。
次のステップS18において、制御部31は、計時部33による主放電時間Teのカウントに基づいて、主放電の終了タイミングT3であるか否かを判定する。ここで、主放電の終了タイミングT3でない場合(ステップS18がNO)は、前述のステップS16に戻る。一方、主放電の終了タイミングT3である場合(ステップS18がYES)は、ステップS19に進む。
次のステップS19において、制御部31は、加速用電源10を制御し、加速用電極4に対する電力の供給を停止し、主放電室9の主放電を終了する。
次のステップS20において、制御部31は、待機時間Tsのカウント処理を実行する。この待機時間Tsが設けられることで、主放電室9に残ったプラズマPが一掃される時間を確保することができる。
次のステップS21において、制御部31は、計時部33による待機時間Tsのカウントに基づいて、待機時間Tsが経過したか否かを判定する。ここで、待機時間Tsが経過していない場合(ステップS21がNO)は、前述のステップS20に戻る。一方、待機時間Tsが経過した場合(ステップS21がYES)は、処理を終了する。
なお、変形例1のガス供給部26において、ガスGの供給量が所定値以上または所定値以下でなければ、プラズマ発生室21でプラズマPを発生させないように制御しても良い。このようにすれば、ガスGの供給量に応じてプラズマPの発生の有無が制御されるため、より適切なイオンビームの出力の制御を行うことができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のイオンビーム発生装置1Aについて図9から図11を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
図9に示すように、第2実施形態のイオンビーム発生装置1Aでは、主放電室9のプラズマPを検出する検出センサ34が設けられる。この検出センサ34の探針(トリガーピン)の先端は、主放電室9において隔壁部7の近傍位置に設けられる。なお、隔壁部7の内面と一致する位置に検出センサ34の探針を設けても良い。
図10に示すように、検出センサ34の検出信号は、制御ユニット30に入力される。第2実施形態では、制御部31は、検出センサ34によるプラズマPの検出に基づいて、プラズマPが主放電室9に導入されるタイミングを取得する。
次に、第2実施形態のイオンビーム発生装置1Aが実行する制御方法について図11のフローチャートを用いて説明する。なお、第2実施形態のイオンビーム発生装置1Aの制御方法は、ステップS15Aのみが、前述の第1実施形態のフローチャート(図7参照)と異なり、他のステップは、第1実施形態のフローチャートと同様である。
図11に示すように、ステップS15Aにおいて、制御部31は、検出センサ34によるプラズマPの検出に基づいて、プラズマPが主放電室9に導入されたか否か、つまり、主放電室9でプラズマPが検出されたか否かを判定する。ここで、主放電室9でプラズマPが検出されていない場合(ステップS15AがNO)は、前述のステップS13に戻る。一方、主放電室9でプラズマPが検出された場合(ステップS15AがYES)は、ステップS16に進む。
次に、変形例2のイオンビーム発生装置1Aが実行する制御方法について図12のフローチャートを用いて説明する。なお、変形例2のイオンビーム発生装置1Aの制御方法は、ステップS15Aのみが、前述の変形例1のフローチャート(図8参照)と異なり、他のステップは、変形例1のフローチャートと同様である。
図12に示すように、ステップS15Aにおいて、制御部31は、検出センサ34によるプラズマPの検出に基づいて、プラズマPが主放電室9に導入されたか否か、つまり、主放電室9でプラズマPが検出されたか否かを判定する。ここで、主放電室9でプラズマPが検出されていない場合(ステップS15AがNO)は、前述のステップS13Aに戻る。一方、主放電室9でプラズマPが検出された場合(ステップS15AがYES)は、ステップS16Aに進む。
第2実施形態および変形例2では、実際にプラズマPが主放電室9に導入されたことを検出センサ34で検出できるため、プラズマPが主放電室9に導入されるタイミングを制御部31が正確に取得することができる。よって、制御部31は、高精度に各タイミングで制御を行うことができる。
本実施形態に係るイオンビーム発生装置を第1実施形態から第2実施形態に基づいて説明したが、いずれか1の実施形態において適用された構成を他の実施形態に適用しても良いし、各実施形態において適用された構成を組み合わせても良い。
なお、本実施形態のフローチャートにおいて、各ステップが直列に実行される形態を例示しているが、必ずしも各ステップの前後関係が固定されるものでなく、一部のステップの前後関係が入れ替わっても良い。また、一部のステップが他のステップと並列に実行されても良い。
本実施形態のシステムは、専用のチップ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、またはCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを高集積化させた制御装置と、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)などの記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)などの外部記憶装置と、ディスプレイなどの表示装置と、マウスまたはキーボードなどの入力装置と、通信インターフェースとを備える。このシステムは、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成で実現できる。
なお、本実施形態のシステムで実行されるプログラムは、ROMなどに予め組み込んで提供される。もしくは、このプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、CD−R、メモリカード、DVD、フレキシブルディスク(FD)などのコンピュータで読み取り可能な非一過性の記憶媒体に記憶されて提供するようにしても良い。
また、このシステムで実行されるプログラムは、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせて提供するようにしても良い。また、このシステムは、構成要素の各機能を独立して発揮する別々のモジュールを、ネットワークまたは専用線で相互に接続し、組み合わせて構成することもできる。
なお、本実施形態では、隔壁部7に複数の導入孔14が開口されているが、その他の形態であっても良い。例えば、隔壁部7に1つの導入孔14が開口されていても良い。
なお、本実施形態では、複数の導入孔14のそれぞれに対応する複数の予備電離ユニット2が設けられているが、その他の形態であっても良い。例えば、1つの予備電離ユニット2を設けるようにし、この予備電離ユニット2の予備電離部19に繋がるプラズマ流通管20を複数に分岐し、分岐されたそれぞれの端部を、複数の導入孔14にそれぞれ接続しても良い。
本実施形態の予備電離ユニット2では、バリアー放電によりプラズマPを発生させているがその他のプラズマ発生方式でも良い。例えば、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma)によりプラズマPを発生させても良い。誘導結合プラズマとは、ガスGに高電圧をかけてプラズマ化するとともに、高周波数の変動磁場を付与することで、プラズマ内部に渦電流によるジュール熱を発生させて高温のプラズマPを生成するものである。例えば、図13に示す変形例3の予備電離ユニット2Aのように、予備電離部19の周囲にコイル35を巻き付ける。このコイル35に電離用電源24で発生させた高周波電流を流すことで、高電圧と高周波数の変動磁場とが同時にガスGに与えられる。このようにして、プラズマPを発生させても良い。
なお、本実施形態では、主放電室9および誘導管8の内部空間を1Pa以下の真空状態に保持しているが、0.1Pa以下、10Pa以下、または100Pa以下に保持しても良い。
なお、本実施形態のイオンビーム発生装置1を、航空宇宙の分野におけるロケットエンジンに適用しても良い。
なお、本実施形態では、待機時間Tsを先の主放電の終了後(T3)から次の予備電離放電の開始時(T1)までの期間としているが、その他の態様であっても良い。例えば、先の主放電の終了後(T3)から次の主放電の開始時(T2)までに、主放電室9に残ったプラズマPが一掃され、主放電室9が無衝突条件に必要な真空度に復帰するのであれば、待機時間Tsをゼロに設定しても良い。
なお、待機時間Tsと特定時間Tdとを合わせた時間で主放電室9に残ったプラズマPが一掃されても良いし、待機時間Tsのみで主放電室9に残ったプラズマPが一掃されても良いし、特定時間Tdのみで主放電室9に残ったプラズマPが一掃されても良い。
なお、本実施形態では、電離用電極16が予備電離放電を行うことで、プラズマ発生室21でプラズマPを発生させているが、その他の態様であっても良い。例えば、高出力のレーザを用いてプラズマ発生室21でプラズマPを発生させても良い。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、主放電室にプラズマが導入されるタイミングと加速用電極の放電のタイミングとを同期させる制御部を備えることにより、イオンビームの出力時に無衝突条件を満たす真空度できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1(1A)…イオンビーム発生装置、2(2A)…予備電離ユニット、3…主放電ユニット、4…加速用電極、5…外側陰極、6…内側陽極、7…隔壁部、8…誘導管、9…主放電室、10…加速用電源、11,12…電力線、13…中央孔、14…導入孔、15…垂直磁場発生部、16…電離用電極、17,18…電極、19…予備電離部、20…プラズマ流通管、21…プラズマ発生室、22,23…電力線、24…電離用電源、25…接地、26…ガス供給部、30…制御ユニット、31…制御部、32…設定記憶部、33…計時部、34…検出センサ、35…コイル、C…電流、G…ガス、L…距離、M1…自己磁場、M2…垂直磁場、P…プラズマ、Q…トリガ位置、W…衝撃波前面。

Claims (8)

  1. プラズマの発生源となるガスの分子を電離させて前記プラズマを間欠的に発生させるプラズマ発生室と、
    前記プラズマ発生室で発生させた前記プラズマが導入される主放電室と、
    前記主放電室に設けられ、間欠的な放電により前記プラズマを加速させる加速用電極と、
    前記主放電室に前記プラズマが導入されるタイミングと前記加速用電極の放電のタイミングとを同期させる制御部と、
    を備えるイオンビーム発生装置。
  2. 時間の経過をカウントする計時部を備え、
    前記制御部は、前記計時部がカウントする特定時間の経過に基づいて、前記プラズマが前記主放電室に導入されるタイミングを取得する請求項1に記載のイオンビーム発生装置。
  3. 前記主放電室の前記プラズマを検出する検出センサを備え、
    前記制御部は、前記検出センサによる前記プラズマの検出に基づいて、前記プラズマが前記主放電室に導入されるタイミングを取得する請求項1に記載のイオンビーム発生装置。
  4. 前記制御部は、前記プラズマ発生室で前記プラズマを発生させるタイミングを前記加速用電極の放電が終了するタイミングに対応付けて設定する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のイオンビーム発生装置。
  5. 時間の経過をカウントする計時部を備え、
    前記制御部は、前記計時部がカウントする待機時間の経過に基づいて、前記プラズマ発生室で前記プラズマを発生させるタイミングを取得する請求項4に記載のイオンビーム発生装置。
  6. 前記プラズマ発生室に前記ガスを間欠的に供給するガス供給部を備え、
    前記制御部は、前記プラズマ発生室に前記ガスを供給するタイミングを前記加速用電極の放電が終了するタイミングに対応付けて設定する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のイオンビーム発生装置。
  7. 時間の経過をカウントする計時部を備え、
    前記制御部は、前記計時部がカウントする待機時間の経過に基づいて、前記ガス供給部から前記プラズマ発生室に前記ガスを供給するタイミングを取得する請求項6に記載のイオンビーム発生装置。
  8. プラズマ発生室でプラズマの発生源となるガスの分子を電離させて前記プラズマを間欠的に発生させるステップと、
    前記プラズマ発生室で発生させた前記プラズマが主放電室に導入されるステップと、
    前記主放電室に設けられた加速用電極により間欠的な放電により前記プラズマを加速させるステップと、
    前記主放電室に前記プラズマが導入されるタイミングと前記加速用電極の放電のタイミングとを同期させるステップと、
    を含むイオンビーム発生装置の制御方法。
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