JP2020091652A - 情報提供システム、サーバ、及びコンピュータプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】対象領域における通行者の行動の干渉の発生を抑制する。【解決手段】情報提供システムは、対象領域における通行者の行動を推定する推定部と、複数の通行者について前記推定部により推定される行動が互いに干渉するか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記推定される行動が互いに干渉すると判定された場合に、前記通行者に対し、行動の干渉を回避するための推奨行動を決定する決定部と、前記決定部によって決定された前記推奨行動を示す推奨行動情報を出力する出力部と、を備える。【選択図】図8

Description

本発明は、情報提供システム、サーバ、及びコンピュータプログラムに関する。
特許文献1には、幅狭の道路において車両同士が対向通行する等の複雑な交通状況が発生し、自動走行車両の通行が行き詰まった場合に、遠隔地にある指令センターが自動走行車両の制御に介入する方法が開示されている。特許文献1に開示された方法では、指令センターは、行き詰まっている車両に対して、当該車両が自身の行き詰まりを自律的に解決できるようにするための情報を提供したり、指令センターの遠隔運転者によって車両の制御を完全に引き受けたりする。
特開2018−77845号公報
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、車両の通行の行き詰まりの発生を抑制することはできない。
本開示は、以下の発明を含む。但し、本発明は、特許請求の範囲によって定められるものである。
本発明の一態様に係る情報提供システムは、対象領域における通行者の行動を推定する推定部と、複数の通行者について前記推定部により推定される行動が互いに干渉するか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記推定される行動が互いに干渉すると判定された場合に、前記通行者に対し、行動の干渉を回避するための推奨行動を決定する決定部と、前記決定部によって決定された前記推奨行動を示す推奨行動情報を出力する出力部と、を備える。
本発明の一態様に係るサーバは、対象領域における通行者の行動を推定する推定部と、複数の通行者について前記推定部により推定される行動が互いに干渉するか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記推定される行動が互いに干渉すると判定された場合に、前記通行者に対し、行動の干渉を回避するための推奨行動を決定する決定部と、前記決定部によって決定された前記推奨行動を示す推奨行動情報を送信する送信部と、を備える。
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、対象領域における通行者の行動を推定するステップと、複数の通行者について推定される行動が互いに干渉するか否かを判定するステップと、前記推定される行動が互いに干渉すると判定された場合に、前記通行者に対し、行動の干渉を回避するための推奨行動を決定するステップと、決定された前記推奨行動を示す推奨行動情報を送信するステップと、を実行させる。
本発明は、上記のような特徴的な処理部を備えるサーバとして実現することができるだけでなく、かかる特徴的な処理をステップとする情報処理方法として実現したり、かかるステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムとして実現したりすることができる。また、サーバの一部又は全部を半導体集積回路として実現したり、サーバを含む情報提供システムとして実現したりすることができる。
本発明によれば、対象領域における通行者の行動の干渉の発生を抑制できる。
実施形態に係る無線通信システムの全体構成図である。 エッジサーバ及びコアサーバの内部構成の一例を示すブロック図である。 車載装置の内部構成の一例を示すブロック図である。 歩行者端末の内部構成の一例を示すブロック図である。 路側センサの内部構成の一例を示すブロック図である。 実施形態に係る情報提供システムの全体構成図である。 歩行者端末、車両、路側センサ、及びエッジサーバの協働により実行される、動的情報の更新処理、行動調整処理、及び情報配信処理の一例を示すシーケンス図である。 実施形態に係るエッジサーバの機能の一例を示す機能ブロック図である。 実施形態に係るエッジサーバによる行動の干渉の判定例を説明するための図である。 実施形態に係るエッジサーバによる推奨行動の決定の具体例を説明するための図である。 実施形態に係るエッジサーバによる行動の干渉の判定例を説明するための図である。 実施形態に係るエッジサーバによる推奨行動の決定の具体的な一例を説明するための図である。 実施形態に係るエッジサーバによる推奨行動の決定の具体例な他の一例を説明するための図である。 実施形態に係るエッジサーバによる行動の干渉の判定例を説明するための図である。 実施形態に係るエッジサーバによる推奨行動の決定の具体例を説明するための図である。 実施形態に係るエッジサーバによる行動調整処理の手順の一例を示すフローチャートである。
<本発明の実施形態の概要>
以下、本発明の実施形態の概要を列記して説明する。
(1) 本実施形態に係る情報提供システムは、対象領域における通行者の行動を推定する推定部と、複数の通行者について前記推定部により推定される行動が互いに干渉するか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記推定される行動が互いに干渉すると判定された場合に、前記通行者に対し、行動の干渉を回避するための推奨行動を決定する決定部と、前記決定部によって決定された前記推奨行動を示す推奨行動情報を出力する出力部と、を備える。これにより、実際に通行者の行動(通行)の干渉が発生する前に、干渉の発生を判定することができ、通行者に推奨行動情報を提供できる。このため、対象領域における通行者の行動の干渉の発生を抑制できる。なお、「行動の干渉」は、複数の通行者が接触若しくは衝突する可能性がある状況、又は複数の通行者の少なくともいずれかが道を譲らなければ通行できない状況を意味する。
(2) また、本実施形態に係る情報提供システムは、交通法規を記憶する交通法規記憶部をさらに備え、前記決定部は、前記交通法規記憶部に記憶された前記交通法規に基づいて、前記推奨行動を決定してもよい。これにより、交通法規にしたがって通行者の推奨行動を決定できる。
(3) また、本実施形態に係る情報提供システムにおいて、前記決定部は、前記複数の通行者に車両の運転者が含まれる場合に、前記運転者の運転熟練度に基づいて、前記推奨行動を決定してもよい。これにより、例えば運転熟練度が低い運転者に対しては高度な運転技術を必要としない推奨行動を、運転熟練度が高い運転者に対しては高度な運転技術が要求される推奨行動を決定する等、運転者の運転熟練度に応じた推奨行動を決定することができる。
(4) また、本実施形態に係る情報提供システムにおいて、前記判定部は、前記対象領域における通行者のグループごとに、前記推定される行動が互いに干渉するか否かを判定してもよい。1つの対象領域において、複数のグループにおいて通行者の行動が干渉する場合がある。このため、上記構成により、複数のグループそれぞれにおいて通行者の行動を調整することができる。
(5) また、本実施形態に係る情報提供システムにおいて、前記推定部は、前記対象領域における通行者に歩行者が含まれる場合、前記歩行者が使用する歩行者端末によって検出された歩行者の行動に関する情報に基づいて、前記歩行者の行動を推定してもよい。これにより、通行者に歩行者が含まれる場合に、高精度に歩行者の行動を推定できる。
(6) 本実施形態に係るサーバは、対象領域における通行者の行動を推定する推定部と、複数の通行者について前記推定部により推定される行動が互いに干渉するか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記推定される行動が互いに干渉すると判定された場合に、前記通行者に対し、行動の干渉を回避するための推奨行動を決定する決定部と、前記決定部によって決定された前記推奨行動を示す推奨行動情報を送信する送信部と、を備える。これにより、実際に通行者の行動の干渉が発生する前に、干渉の発生を判定することができ、通行者に推奨行動情報を提供できる。このため、対象領域における通行者の行動の干渉の発生を抑制できる。
(7) 本実施形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、対象領域における通行者の行動を推定するステップと、複数の通行者について推定される行動が互いに干渉するか否かを判定するステップと、前記推定される行動が互いに干渉すると判定された場合に、前記通行者に対し、行動の干渉を回避するための推奨行動を決定するステップと、決定された前記推奨行動を示す推奨行動情報を送信するステップと、を実行させる。これにより、実際に通行者の行動の干渉が発生する前に、干渉の発生を判定することができ、通行者に推奨行動情報を提供できる。このため、対象領域における通行者の行動の干渉の発生を抑制できる。
<本発明の実施形態の詳細>
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態の詳細を説明する。なお、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
[無線通信システムの全体構成]
図1は、本実施形態に係る無線通信システムの全体構成図である。
図1に示すように、本実施形態の無線通信システムは、無線通信が可能な複数の通信端末1A〜1D、通信端末1A〜1Dと無線通信する1又は複数の基地局2、基地局2と有線又は無線で通信する1又は複数のエッジサーバ3、及び、エッジサーバ3と有線又は無線で通信する1又は複数のコアサーバ4を備える。
コアサーバ4は、コアネットワークのコアデータセンタ(DC)に設置されている。エッジサーバ3は、メトロネットワークの分散データセンタ(DC)に設置されている。
メトロネットワークは、例えば都市ごとに構築された通信ネットワークである。各地のメトロネットワークは、それぞれコアネットワークに接続されている。
基地局2は、メトロネットワークに含まれる分散データセンタのいずれかのエッジサーバ3に通信可能に接続されている。
コアサーバ4は、コアネットワークに通信可能に接続されている。エッジサーバ3は、メトロネットワークに通信可能に接続されている。したがって、コアサーバ4は、コアネットワーク及びメトロネットワークを介して、各地のメトロネットワークに属するエッジサーバ3及び基地局2と通信可能である。
基地局2は、マクロセル基地局、マイクロセル基地局、及びピコセル基地局のうちの少なくとも1つよりなる。
例えば、メトロネットワークには交通法規データベース91と、運転者情報データベース(以下、「DB」という)92とが接続される。交通法規DB91には、例えば、道路交通法、道路交通法施行令、道路交通法施行規則等の交通法規が記憶される。交通法規DB91に記憶される情報は、自然言語に限られず、コンピュータによって処理可能なデータ構造によって表現された交通法規であればよい。運転者情報DB92には、車両の運転者情報が記憶される。運転者情報は、運転者ID、車両ID、運転熟練度等を含む。
エッジサーバ3及びコアサーバ4のそれぞれは、交通法規DB91及び運転者情報DB92のそれぞれと通信可能である。なお、エッジサーバ3及びコアサーバ4とは別に、交通法規DB91及び運転者情報DB92を設けるのではなく、エッジサーバ3又はコアサーバ4が、交通法規DB91及び運転者情報DB92の機能を有してもよい。
本実施形態の無線通信システムにおいて、エッジサーバ3及びコアサーバ4は、SDN(Software-Defined Networking)が可能な汎用サーバよりなる。基地局2及び図示しないリピータなどの中継装置は、SDNが可能なトランスポート機器によりなる。
したがって、ネットワーク仮想化技術により、低遅延通信と大容量通信などの相反するサービス要求条件を満足する複数の仮想的なネットワーク(ネットワークスライス)S1〜S4を、無線通信システムの物理機器に定義することができる。
上記のネットワーク仮想化技術は、現時点で規格化が進行中の「第5世代移動通信システム」(以下、「5G」(5th Generation)と略記する。)の基本コンセプトである。したがって、本実施形態の無線通信システムは、例えば5Gよりなる。
もっとも、本実施形態の無線通信システムは、遅延時間などの所定のサービス要求条件に応じて複数のネットワークスライス(以下、「スライス」ともいう。)S1〜S4を定義可能な移動通信システムであればよく、5Gに限定されるものではない。また、定義するスライスの階層は、4階層に限らず5階層以上であってもよい。
図1の例では、各ネットワークスライスS1〜S4は、次のように定義されている。
スライスS1は、通信端末1A〜1Dが、直接通信するように定義されたネットワークスライスである。スライスS1で直接通信する通信端末1A〜1Dを、「ノードN1」ともいう。
スライスS2は、通信端末1A〜1Dが、基地局2と通信するように定義されたネットワークスライスである。スライスS2における最上位の通信ノード(図例では基地局2)を、「ノードN2」ともいう。
スライスS3は、通信端末1A〜1Dが、基地局2を経由してエッジサーバ3と通信するように定義されたネットワークスライスである。スライスS3における最上位の通信ノード(図例ではエッジサーバ3)を、「ノードN3」ともいう。
スライスS3では、ノードN2が中継ノードとなる。すなわち、ノードN1→ノードN2→ノードN3のアップリンク経路と、ノードN3→ノードN2→ノードN1のダウンリンク経路によりデータ通信が行われる。
スライスS4は、通信端末1A〜1Dが、基地局2及びエッジサーバ3を経由してコアサーバ4と通信するように定義されたネットワークスライスである。スライスS4における最上位の通信ノード(図例ではコアサーバ4)を、「ノードN4」ともいう。
スライスS4では、ノードN2及びノードN3が中継ノードとなる。すなわち、ノードN1→ノードN2→ノードN3→ノードN4のアップリンク経路と、ノードN4→ノードN3→ノードN2→ノードN1のダウンリンク経路によりデータ通信が行われる。
スライスS4において、エッジサーバ3を中継ノードとしないルーティングの場合もある。この場合、ノードN1→ノードN2→ノードN4のアップリンク経路と、ノードN4→ノードN2→ノードN1のダウンリンク経路によりデータ通信が行われる。
スライスS2において、複数の基地局2(ノードN2)が含まれる場合は、基地局2,2間の通信を辿るルーティングも可能である。
同様に、スライスS3において、複数のエッジサーバ3(ノードN3)が含まれる場合は、エッジサーバ3,3間の通信を辿るルーティングも可能である。スライスS4において、複数のコアサーバ4(ノードN4)が含まれる場合は、コアサーバ4,4の通信を辿るルーティングも可能である。
通信端末1Aは、車両5に搭載された無線通信機よりなる。車両5には、通常の乗用車だけでなく、路線バスや緊急車両などの公共車両も含まれる。車両5は、四輪車だけでなく、二輪車(バイク)であってもよい。
車両5の駆動方式は、エンジン駆動、電気モータ駆動、及びハイブリッド方式のいずれでもよい。車両5の運転方式は、運転者が加減速やハンドル操舵などの操作を行う通常運転、及びその操作をソフトウェアが実行する自動運転のいずれでもよい。
車両5の通信端末1Aは、車両5に既設の無線通信機であってもよいし、搭乗者が車両5に持ち込んだ携帯端末であってもよい。
搭乗者の携帯端末は、車両5の車内LAN(Local Area Network)に接続されることにより、一時的に車載の無線通信機となる。
通信端末1Bは、歩行者7が携帯する携帯端末よりなる。歩行者7は、道路や駐車場などの屋外、及び建物内や地下街などの屋内を徒歩で移動する人間である。歩行者7には、徒歩だけでなく、動力源を有しない自転車などに搭乗する人間も含まれる。
通信端末1Cは、路側センサ8に搭載された無線通信機よりなる。路側センサ8は、道路に設置された画像式車両感知器、及び屋外又は屋内に設置された防犯カメラなどよりなる。通信端末1Dは、交差点の交通信号制御機9に搭載された無線通信機よりなる。
スライスS1〜S4のサービス要求条件は、次の通りである。スライスS1〜S4に許容される遅延時間D1〜D4は、D1<D2<D3<D4となるように定義されている。例えば、D1=1ms、D2=10ms、D3=100ms、D4=1sである。
スライスS1〜S4に許容される所定期間(例えば1日)当たりのデータ通信量C1〜C4は、C1<C2<C3<C4となるように定義されている。例えば、C1=20GB、C2=100GB、C3=2TB、C4=10TBである。
上記の通り、図1の無線通信システムでは、スライスS1での直接的な無線通信(例えば、車両5の通信端末1Aが直接通信する「車車間通信」など)、及び基地局2を経由するスライスS2の無線通信が可能である。
もっとも、本実施形態では、図1の無線通信システムにおけるスライスS3及びスライスS4を利用した、比較的広域のサービスエリア(例えば、市町村や都道府県を包含するエリア)に含まれるユーザに対する情報提供サービスを想定している。
[エッジサーバ及びコアサーバの内部構成]
図2は、エッジサーバ3及びコアサーバ4の内部構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、エッジサーバ3は、CPU(Central Processing Unit)などを含む制御部31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33、記憶部34、及び通信部35などを備える。
制御部31は、ROM32に予め記憶された1又は複数のプログラムをRAM33に読み出して実行することにより、各ハードウェアの動作を制御し、コンピュータ装置をコアサーバ4や基地局2などと通信可能なエッジサーバとして機能させる。
RAM33は、SRAM(Static RAM)又はDRAM(Dynamic RAM)などの揮発性のメモリ素子で構成され、制御部31が実行するプログラム及びその実行に必要なデータが一時的に記憶される。
記憶部34は、フラッシュメモリ若しくはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性のメモリ素子、又は、ハードディスクなどの磁気記憶装置などにより構成されている。
通信部35は、5G対応の通信処理を実行する通信装置よりなり、メトロネットワークを介してコアサーバ4や基地局2などと通信する。通信部35は、制御部31から与えられた情報を、メトロネットワークを介して外部装置に送信するとともに、メトロネットワークを介して受信した情報を制御部31に与える。
図2に示すように、エッジサーバ3の記憶部34は、例えば交差点、道路、駐車場等の対象領域における動的情報マップ(以下、単に「マップ」ともいう。)M1を記憶している。
マップM1は、静的情報である高精細のデジタル地図に対して、時々刻々と変化する動的情報を重畳させたデータの集合体(仮想的なデータベース)である。マップM1を構成するデジタル情報には、下記の「動的情報」、「准動的情報」、「准静的情報」、及び「静的情報」が含まれる。
「動的情報」(〜1秒)は、1秒以内の遅延時間が要求される動的なデータのことである。例えば、ITS(Intelligent Transport Systems)先読み情報として活用される、移動体(車両及び歩行者など)の位置情報、及び信号情報などが動的情報に該当する。
「准動的情報」(〜1分)は、1分以内の遅延時間が要求される准動的なデータのことである。例えば、事故情報、渋滞情報、及び狭域気象情報などが准動的情報に該当する。
「准静的情報」(〜1時間)は、1時間以内の遅延時間が許容される准静的なデータのことである。例えば、交通規制情報、道路工事情報、及び広域気象情報などが准静的情報に該当する。
「静的情報」(〜1カ月)は、1カ月以内の遅延時間が許容される静的なデータのことである。例えば、路面情報、車線情報、3次元構造物データなどが静的情報に該当する。
エッジサーバ3の制御部31は、記憶部34に格納されたマップM1の動的情報を、所定の更新周期ごとに更新する(動的情報の更新処理)。
具体的には、制御部31は、所定の更新周期ごとに、自装置のサービスエリア内で車両5や路側センサ8などが計測した各種のセンサ情報を、5G対応の各通信端末1A〜1Dから収集し、収集したセンサ情報に基づいてマップM1の動的情報を更新する。
エッジサーバ3の制御部31は、車両5、路側センサ8、及び歩行者端末70が計測するセンサ情報を、所定周期ごとに収集可能である。
車両5のセンサ情報には、高精細な画像データ(動画でもよい。)及び車両CAN(Controller Area Network)情報などが含まれる。車両5の画像データは、車載カメラ59が撮影した車両5周囲の画像データよりなる。車内カメラを有する車両5の場合は、運転者の画像データが含まれていてもよい。
路側センサ8のセンサ情報には、高精細な画像データ(動画でもよい。)が含まれる。画像データは、路側カメラ83が撮影した所定の撮影エリアの画像データである。
歩行者端末70のセンサ情報には、GPSによる歩行者(自装置)位置、加速度センサによる加速度、ジャイロセンサによる方位などが含まれる。
エッジサーバ3の制御部31は、所定の更新周期ごとに、車両5、路側センサ8、及び歩行者端末70などの各センサから取得した情報に基づいて、現時点以後にサービスエリア内の所定地点において各通行者の行動を所定周期ごとに推定し、複数の通行者について推定された行動が互いに干渉する場合に、行動の干渉を回避するための推奨行動を決定する(行動調整処理)。
制御部31は、所定のユーザの通信端末1A,1Bから動的情報の要求メッセージを受信すると、所定の配信周期ごとに、最新の動的情報を要求メッセージの送信元の通信端末1A,1Bに配信する(情報配信処理)。制御部31は、推奨行動の決定が行われた場合、決定された推奨行動を示す推奨行動情報を、情報配信処理において通信端末1A,1Bに配信する。
制御部31は、交通管制センター及び民間気象業務支援センターなどからサービスエリア内の各地の交通情報及び気象情報を収集し、収集した情報に基づいて、マップM1の准動的情報及び准静的情報を更新する。
図2に示すように、コアサーバ4は、CPUなどを含む制御部41、ROM42、RAM43、記憶部44、及び通信部45などを備える。
制御部41は、ROM32に予め記憶された1又は複数のプログラムをRAM43に読み出して実行することにより、各ハードウェアの動作を制御し、コンピュータ装置をエッジサーバ3と通信可能なコアサーバ4として機能させる。
RAM43は、SRAM又はDRAMなどの揮発性のメモリ素子で構成され、制御部41が実行するプログラム及びその実行に必要なデータが一時的に記憶される。
記憶部44は、フラッシュメモリ若しくはEEPROMなどの不揮発性のメモリ素子、又は、ハードディスクなどの磁気記憶装置などにより構成されている。
通信部45は、5G対応の通信処理を実行する通信装置よりなり、コアネットワークを介してエッジサーバ3や基地局2などと通信する。通信部45は、制御部41から与えられた情報を、コアネットワークを介して外部装置に送信するとともに、コアネットワークを介して受信した情報を制御部41に与える。
図2に示すように、コアサーバ4の記憶部44は、動的情報マップM2を記憶している。
マップM2のデータ構造(動的情報、准動的情報、准静的情報、及び静的情報を含むデータ構造)は、マップM1の場合と同様である。マップM2は、特定のエッジサーバ3のマップM1と同じサービスエリアのマップでもよいし、複数のエッジサーバ3が保持する各マップM1を統合した、より広域のマップであってもよい。
コアサーバ4の制御部41は、エッジサーバ3の場合と同様に、記憶部44に格納されたマップM2の動的情報を更新する動的情報の更新処理と、行動調整処理と、要求メッセージに応答して動的情報及び推奨行動情報を配信する情報配信処理を行うことができる。
すなわち、制御部41は、エッジサーバ3とは別に、自装置のマップM2に基づく動的情報の更新処理、行動調整処理、及び情報配信処理を独自に実行可能である。
もっとも、スライスS4に属するコアサーバ4は、スライスS3に属するエッジサーバ3に比べて、通信端末1A〜1Dとの通信の遅延時間が大きい。
このため、コアサーバ4がマップM2の動的情報を独自に更新しても、エッジサーバ3が管理するマップM1の動的情報に比べてリアルタイム性に劣る。同様に、コアサーバ4によって生成される推奨行動情報も、エッジサーバ3によって生成される推奨行動情報に比べてリアルタイム性に劣る。そこで、例えば所定のエリアごとに定義した優先度に応じて、エッジサーバ3の制御部31とコアサーバ4の制御部41が動的情報の更新処理、行動調整処理及び情報配信処理を分散的に処理することが好ましい。
制御部41は、交通管制センター及び民間気象業務支援センターなどからサービスエリア内の各地の交通情報及び気象情報を収集し、収集した情報に基づいて、マップM2の准動的情報及び准静的情報を更新する。
制御部41は、エッジサーバ3から受信したマップM1の准動的情報及び准静的情報を、自装置のマップM2の准動的情報及び准静的情報として採用してもよい。
[車載装置の内部構成]
図3は、車載装置50の内部構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、車両5の車載装置50は、制御部(ECU:Electronic Control Unit)51、GPS受信機52、車速センサ53、ジャイロセンサ54、記憶部55、ディスプレイ56、スピーカ57、入力デバイス58、車載カメラ59、レーダセンサ60、及び通信部61などを備える。
通信部61は、前述の通信端末1A、すなわち、例えば5G対応の通信処理が可能な無線通信機よりなる。
したがって、車両5は、スライスS3に属する移動端末の一種として、エッジサーバ3と通信することができる。また、車両5は、スライスS4に属する移動端末の一種として、コアサーバ4と通信することもできる。
制御部51は、車両5の経路探索及び他の電子機器52〜61の制御などを行うコンピュータ装置よりなる。制御部51は、GPS受信機52が定期的に取得するGPS信号により自車両の車両位置を求める。
制御部51は、車速センサ53及びジャイロセンサ54の入力信号に基づいて、車両位置及び方位を補完し、車両5の正確な現在位置及び方位を把握する。
GPS受信機52、車速センサ53及びジャイロセンサ54は、車両5の現在位置、速度及び向きを計測するセンサ類である。
記憶部55は、地図データベースを備える。地図データベースは、制御部51に道路地図データを提供する。道路地図データは、リンクデータやノードデータを含み、DVD、CD−ROM、メモリカード、又はHDDなどの記録媒体に格納されている。記憶部55は、記録媒体から必要な道路地図データを読み出して制御部51に提供する。
ディスプレイ56とスピーカ57は、制御部51が生成した各種情報を車両5の搭乗者であるユーザに通知するための出力装置である。
具体的には、ディスプレイ56は、経路探索の際の入力画面、自車周辺の地図画像及び目的地までの経路情報などを表示する。スピーカ57は、車両5を目的地に誘導するためのアナウンスなどを音声出力する。これらの出力装置は、通信部61が受信した提供情報を搭乗者に通知することもできる。
入力デバイス58は、車両5の搭乗者が各種の入力操作を行うためデバイスである。入力デバイス58は、ハンドルに設けた操作スイッチ、ジョイスティック、及びディスプレイ56に設けたタッチパネルなどの組み合わせよりなる。
搭乗者の音声認識によって入力を受け付ける音声認識装置を、入力デバイス58とすることもできる。入力デバイス58が生成した入力信号は、制御部51に送信される。
車載カメラ59は、車両5の前方の映像を取り込む画像センサよりなる。車載カメラ59は、単眼又は複眼のいずれでもよい。レーダセンサ60は、ミリ波レーダやLiDAR方式などにより車両5の前方や周囲に存在する物体を検出するセンサよりなる。
制御部51は、車載カメラ59及びレーダセンサ60による計測データに基づいて、運転中の搭乗者に対する注意喚起をディスプレイ56に出力させたり、強制的なブレーキ介入を行ったりする運転支援制御を実行することができる。
制御部51は、記憶部55に格納された各種の制御プログラムを実行する、マイクロコンピュータなどの演算処理装置により構成されている。
制御部51は、上記制御プログラムを実行することにより、ディスプレイ56に地図画像を表示させる機能、出発地から目的地までの経路(中継地がある場合はその位置を含む。)を算出する機能、算出した経路にしたがって車両5を目的地まで誘導する機能など、各種のナビゲーション機能を実行可能である。
制御部51は、車載カメラ59及びレーダセンサ60のうちの少なくとも1つの計測データに基づいて、自車両の前方又は周囲の物体を認識する物体認識処理と、認識した物体までの距離を算出する測距処理が可能である。
制御部51は、測距処理により算出した距離と、自車両のセンサ位置とから、物体認識処理によって認識した物体の位置情報を算出することができる。
制御部51は、エッジサーバ3(コアサーバ4であってもよい。)との通信において、以下の各処理を実行可能である。
1)要求メッセージの送信処理
2)情報受信処理
3)変化点情報の算出処理
4)変化点情報の送信処理
5)センサ情報の送信処理
6)推奨行動情報の出力処理
要求メッセージの送信処理とは、エッジサーバ3が逐次更新するマップM1の動的情報の配信を要求する制御パケットを、エッジサーバ3に送信する処理のことである。制御パケットには、自車両の車両IDが含まれる。
エッジサーバ3は、所定の車両IDを含む要求メッセージを受信すると、送信元の車両IDを有する車両5の通信端末1A宛てに、動的情報を所定の配信周期で配信する。
情報受信処理とは、自装置に宛ててエッジサーバ3が配信した動的情報を、受信する処理のことである。
車両5における変化点情報の算出処理とは、受信した動的情報と、受信時点における自車両のセンサ情報との比較結果から、それらの情報間の変化量を算出する処理である。車両5が算出する変化点情報としては、例えば、次の情報例a1〜a2が考えられる。
情報例a1:認識物体に関する変化点情報
制御部51は、受信した動的情報には物体X(車両、歩行者及び障害物など)が含まれないが、自身の物体認識処理により物体Xを検出した場合は、検出した物体Xの画像データと位置情報を変化点情報とする。
制御部51は、受信した動的情報に含まれる物体Xの位置情報と、自身の物体認識処理により求めた物体Xの位置情報とが、所定の閾値以上ずれている場合は、検出した物体Xの画像データと、両者の位置情報の差分値を変化点情報とする。
情報例a2:自車両に関する変化点情報
制御部51は、受信した動的情報に含まれる自車両の位置情報と、GPS信号により自身が算出した自車両の車両位置とが、所定の閾値以上ずれている場合は、両者の差分値を変化点情報とする。
制御部51は、受信した動的情報に含まれる自車両の方位と、ジャイロセンサ54の計測データから自身が算出した自車両の方位とが、所定の閾値以上ずれている場合は、両者の差分値を変化点情報とする。
制御部51は、上記のようにして変化点情報を算出すると、算出した変化点情報を含むエッジサーバ3宛の通信パケットを生成する。制御部51は、その通信パケットに自車両の車両IDを含める。
変化点情報の送信処理とは、変化点情報をデータに含む上記の通信パケットを、エッジサーバ3宛てに送信する処理のことである。変化点情報の送信処理は、エッジサーバ3による動的情報の配信周期内に行われる。
センサ情報の送信処理とは、車両5のセンサ情報をデータに含む上記のパケットを、エッジサーバ3宛てに送信する処理のことである。車両5のセンサ情報には、高精細な画像データ(動画でもよい。)及び車両CAN(Controller Area Network)情報などが含まれる。車両5の画像データは、車載カメラ59が撮影した車両5周囲の画像データよりなる。車内カメラを有する車両5の場合は、運転者の画像データが含まれていてもよい。センサ情報の送信処理は、エッジサーバ3による動的情報の配信周期内に行われる。
推奨行動情報の出力処理とは、エッジサーバ3から受信した推奨行動情報を出力する処理である。推奨行動情報の出力は、例えば、ディスプレイ56に推奨行動情報を表示することで行われる。
制御部51は、エッジサーバ3などから受信した動的情報に基づいて、運転中の運転者に対する注意喚起をディスプレイ56に出力させたり、強制的なブレーキ介入を行ったりする運転支援制御を実行することもできる。
[歩行者端末の内部構成]
図4は、歩行者端末70の内部構成の一例を示すブロック図である。
図4の歩行者端末70は、前述の通信端末1B、すなわち、例えば5G対応の通信処理が可能な無線通信機よりなる。
したがって、歩行者端末70は、スライスS3に属する移動端末の一種として、エッジサーバ3と通信することができる。また、歩行者端末70は、スライスS4に属する移動端末の一種として、コアサーバ4と通信することもできる。
図4に示すように、歩行者端末70は、制御部71、記憶部72、表示部73、操作部74、通信部75、GPS受信機76、加速度センサ77、及びジャイロセンサ78を備える。
通信部75は、5Gサービスを提供するキャリアの基地局2と無線通信する通信インターフェースよりなる。通信部75は、基地局2からのRF信号をデジタル信号に変換して制御部71に出力し、制御部71から入力されたデジタル信号をRF信号に変換して、基地局2に送信する。
制御部71は、CPU、ROM及びRAMなどを含む。制御部71は、記憶部72に記憶されたプログラムを読み出して実行し、歩行者端末70の全体の動作を制御する。
記憶部72は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどより構成され、各種のコンピュータプログラムやデータを記憶する。記憶部72は、歩行者端末70の識別情報である携帯IDを記憶している。携帯IDは、例えば、キャリア契約者の固有のユーザIDやMACアドレスなどよりなる。
記憶部72は、ユーザが任意にインストールした各種のアプリケーションソフトを記憶している。
このアプリケーションソフトには、例えば、エッジサーバ3(コアサーバ4でもよい。)との5G通信により、マップM1の動的情報などを受信する情報提供サービスを享受するためのアプリケーションソフトなどが含まれる。
制御部71は、歩行者7の経路探索及び他の電子機器72〜78の制御などを行うコンピュータ装置よりなる。制御部71は、GPS受信機76が定期的に取得するGPS信号により歩行者(自装置)の位置を求める。
制御部71は、加速度センサ77及びジャイロセンサ78の入力信号に基づいて、歩行者位置及び方位を補完し、歩行者7の正確な現在位置及び方位を把握する。
GPS受信機76、加速度センサ77及びジャイロセンサ78は、歩行者7の現在位置、加速度及び向きを計測するセンサ類である。
操作部74は、各種の操作ボタンや表示部73のタッチパネル機能により構成されている。操作部74は、ユーザの操作に応じた操作信号を制御部71に出力する。
表示部73は、例えば液晶ディスプレイよりなり、各種の情報をユーザに提示する。例えば、表示部73は、サーバ3,4から送信された動的情報マップM1,M2の画像データなどを画面表示することができる。
制御部71は、エッジサーバ3(コアサーバ4であってもよい。)との通信において、以下の各処理を実行可能である。
1)要求メッセージの送信処理
2)センサ情報の送信処理
3)情報受信処理
4)推奨行動情報の出力処理
要求メッセージの送信処理とは、エッジサーバ3が逐次更新するマップM1の動的情報の配信を要求する制御パケットを、エッジサーバ3に送信する処理のことである。制御パケットには、歩行者端末70の携帯IDが含まれる。
エッジサーバ3は、所定の携帯IDを含む要求メッセージを受信すると、送信元の携帯IDを有する歩行者7の通信端末1B宛てに、動的情報及び推奨行動が決定されていれば推奨行動情報を所定の配信周期で配信する。
センサ情報の送信処理とは、自装置の位置及び方位情報などの歩行者端末70のセンサ情報を、エッジサーバ3に送信する処理のことである。センサ情報には、GPS受信機76、加速度センサ77及びジャイロセンサ78によって検出された、歩行者7の現在位置、加速度及び向きの情報が含まれる。センサ情報には、地図アプリ、メールアプリ及びゲームアプリなど、いわゆる「歩きスマホ」の原因になり易いアプリケーションソフトを表示中か否かを表す識別情報が含まれていてもよい。
情報受信処理とは、自装置に宛ててエッジサーバ3が配信した動的情報及び推奨行動情報を、受信する処理のことである。
推奨行動情報の出力処理とは、エッジサーバ3から受信した推奨行動情報を出力する処理である。推奨行動情報の出力は、例えば、表示部73に推奨行動情報を表示することで行われる。
[路側センサの内部構成]
図5は、路側センサ8の内部構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、路側センサ8は、制御部81、記憶部82、路側カメラ83、レーダセンサ84、及び通信部85を備える。
通信部85は、前述の通信端末1C、すなわち、例えば5G対応の通信処理が可能な無線通信機よりなる。
したがって、路側センサ8は、スライスS3に属する固定端末の一種として、エッジサーバ3と通信することができる。また、路側センサ8は、スライスS4に属する固定端末の一種として、コアサーバ4と通信することもできる。
制御部81は、CPU、ROM及びRAMなどを含む。制御部81は、記憶部82に記憶されたプログラムを読み出して実行し、路側センサ8の全体の動作を制御する。
記憶部82は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどより構成され、各種のコンピュータプログラムやデータを記憶する。記憶部82は、路側センサ8の識別情報であるセンサIDを記憶している。センサIDは、例えば、路側センサ8の所有者固有のユーザIDやMACアドレスなどよりなる。
路側カメラ83は、所定の撮影エリアの映像を取り込む画像センサよりなる。路側カメラ83は、単眼又は複眼のいずれでもよい。レーダセンサ60は、ミリ波レーダやLiDAR方式などにより車両5の前方や周囲に存在する物体を検出するセンサよりなる。
路側センサ8が防犯カメラである場合、制御部81は、取り込んだ映像データなどを防犯管理者のコンピュータ装置に送信する。路側センサ8が画像式車両感知器である場合、制御部81は、取り込んだ映像データなどを交通管制センターに送信する。
制御部81は、路側カメラ83及びレーダセンサ84のうちの少なくとも1つの計測データに基づいて、撮影エリア内の物体を認識する物体認識処理と、認識した物体までの距離を算出する測距処理が可能である。
制御部51は、測距処理により算出した距離と、自車両のセンサ位置とから、物体認識処理によって認識した物体の位置情報を算出することができる。
制御部81は、エッジサーバ3(コアサーバ4であってもよい。)との通信において、以下の各処理を実行可能である。
1)変化点情報の算出処理
2)変化点情報の送信処理
3)センサ情報の送信処理
路側センサ8における変化点情報の算出処理とは、所定の計測周期(例えば、エッジサーバ3による動的情報の配信周期)ごとの、前回のセンサ情報と今回のセンサ情報との比較結果から、それらのセンサ情報間の変化量を算出する処理である。路側センサ8が算出する変化点情報としては、例えば、次の情報例b1が考えられる。
情報例b1:認識物体に関する変化点情報
制御部81は、前回の物体認識処理では物体Y(車両、歩行者及び障害物など)が含まれないが、今回の物体認識処理により物体Yを検出した場合は、検出した物体Yの画像データと位置情報を変化点情報とする。
制御部81は、前回の物体認識処理により求めた物体Yの位置情報と、今回の物体認識処理により求めた物体Xの位置情報とが、所定の閾値以上ずれている場合は、検出した物体Yの位置情報と、両者の差分値を変化点情報とする。
制御部81は、上記のようにして変化点情報を算出すると、算出した変化点情報を含むエッジサーバ3宛の通信パケットを生成する。制御部81は、その通信パケットに自装置のセンサIDを含める。
変化点情報の送信処理とは、変化点情報をデータに含む上記の通信パケットを、エッジサーバ3宛てに送信する処理のことである。変化点情報の送信処理は、エッジサーバ3による動的情報の配信周期内に行われる。
センサ情報の送信処理とは、路側センサ8のセンサ情報を含む上記の通信パケットを、エッジサーバ3宛てに送信する処理のことである。路側センサ8のセンサ情報には、高精細な画像データ(動画でもよい。)が含まれる。画像データは、路側カメラ83が撮影した所定の撮影エリアの画像データである。路側センサ8のセンサ情報には、レーダセンサ84によって検出された位置情報が含まれてもよい。センサ情報の送信処理は、エッジサーバ3による動的情報の配信周期内に行われる。
[情報提供システムの全体構成]
図6は、本発明の実施形態に係る情報提供システムの全体構成図である。
図6に示すように、本実施形態の情報提供システムは、比較的広範囲であるエッジサーバ3のサービスエリア(リアルワード)に散在する多数の車両5、歩行者端末70及び路側センサ8と、これらの通信ノードと基地局2を介した5G通信などにより低遅延での無線通信が可能なエッジサーバ3とを備える。
エッジサーバ3は、車両5及び路側センサ8などから、前述の変化点情報を所定周期で収集しており(ステップS31)、収集した変化点情報をマップマッチングによって統合し、管理中の動的情報マップM1の動的情報を更新する(ステップS32)。
エッジサーバ3は、所定周期ごとの変化点情報の収集(ステップS31)に加えて、車両5、歩行者端末70、及び路側センサ8によって得られたセンサ情報を、所定周期ごとに収集可能である(ステップS33)。
エッジサーバ3は、所定の更新周期ごとに、取得されたセンサ情報に基づいて、現時点以後にサービスエリア内の所定地点において起こり得る通行者の行動を推定し、複数の通行者の間で推定された行動が干渉するか否かを判定し、干渉が発生する場合に通行者の推奨行動を決定する(行動調整処理:ステップS34)。
エッジサーバ3は、車両5又は歩行者端末70から要求があれば、最新の動的情報及び推奨行動情報を要求元の通信ノードに送信する(ステップS35)。これにより、例えば動的情報及び推奨行動情報を受信した車両5及び歩行者端末70は、運転者の運転支援及び歩行者の通行支援などに動的情報及び推奨行動情報を活用することができる。
動的情報を受信した車両5は、動的情報に基づいて自車両のセンサ情報との変化点情報を検出すると、検出した変化点情報をエッジサーバ3に送信する(ステップS36)。
このように、本実施形態の情報提供システムでは、変化点情報の収集(ステップS31)→動的情報の更新(ステップS32)→センサ情報の収集(ステップS33)→通行者の推奨行動の決定(ステップS34)→動的情報及び推奨行動情報の配信(ステップS35)→車両による変化点情報の検出(ステップS36)→変化点情報の収集(ステップS31)の順で、各通信ノードにおける情報処理が循環する。
図6では、1つのエッジサーバ3のみを含む情報提供システムを例示しているが、複数のエッジサーバ3が含まれていてもよいし、エッジサーバ3の代わりに或いはエッジサーバ3に加えて、1又は複数のコアサーバ4が含まれていてもよい。
また、エッジサーバ3が管理する動的情報マップM1は、デジタル地図などの地図情報に少なくとも物体の動的情報が重畳されたマップであればよい。この点は、コアサーバの動的情報マップM2の場合も同様である。
[動的情報の更新処理、行動調整処理及び情報配信処理]
図7は、歩行者端末70、車両5、路側センサ8、及びエッジサーバ3の協働により実行される、動的情報の更新処理、行動調整処理、及び情報配信処理の一例を示すシーケンス図である。
以下の説明では、実行主体が歩行者端末70、車両5、路側センサ8及びエッジサーバ3となっているが、実際の実行主体は、それらの制御部71,51,81,31である。図7中のU1,U2……は、動的情報の配信周期である。
図7に示すように、エッジサーバ3は、歩行者端末70及び車両5から動的情報の要求メッセージを受信すると(ステップS1)、受信時点において最新の動的情報を、送信元の歩行者端末70及び車両5に配信する(ステップS2)。
ステップS1において、歩行者端末70及び車両5のいずれか一方から要求メッセージがあった場合には、ステップS2において、要求メッセージの送信元である一方の通信端末のみに動的情報が配信される。
ステップS2の動的情報を受信した車両5は、配信周期U1内に、動的情報と自身のセンサ情報との比較結果から変化点情報を検出すると(ステップS3)、検出した変化点情報をエッジサーバ3に送信する(ステップS5)。
路側センサ8は、配信周期U1内に、自身のセンサ情報の変化点情報を検出すると(ステップS4)、検出した変化点情報をエッジサーバ3に送信する(ステップS5)。
車両5、歩行者端末70、及び路側センサ8のそれぞれは、配信周期U1内に、取得したセンサ情報をエッジサーバ3に送信する(ステップS6)。
エッジサーバ3は、配信周期U1内に、車両5及び路側センサ8から変化点情報を受信すると、それらの変化点情報を反映した動的情報に更新する(ステップS7)。
エッジサーバ3は、配信周期U1内に、行動調整処理を実行する(ステップS8)。行動調整処理では、エッジサーバ3が、車両5、歩行者端末70、及び路側センサ8のそれぞれから送信されたセンサ情報に基づいて、通行者の行動を推定し、複数の通行者間において推定された行動が干渉するか否かを判定し、干渉すると判定された場合に、通行者の推奨行動を決定する。
エッジサーバ3は、更新後の動的情報、及び、推奨行動が決定された場合には推奨行動情報を、歩行者端末70及び車両5に配信する(ステップS9)。
配信周期U1内に、車両5のみが変化点情報を検出した場合は、ステップS3で車両5が検出した変化点情報のみがエッジサーバ3に送信され(ステップS5)、その変化点情報のみを反映した動的情報の更新が行われる(ステップS7)。
配信周期U1内に、路側センサ8のみが変化点情報を検出した場合は、ステップS4で路側センサ8が検出した変化点情報のみがエッジサーバ3に送信され(ステップS5)、その変化点情報のみを反映した動的情報の更新が行われる(ステップS7)。
配信周期U1内に、車両5及び路側センサ8の双方が変化点情報を検出しなかった場合は、ステップS3〜S5及びS7の処理が実行されず、前回送信分の動的情報(ステップS2)と同じ動的情報が歩行者端末70及び車両5に配信される(ステップS9)。
ステップS9の動的情報を受信した車両5は、配信周期U2内に、動的情報と自身のセンサ情報との比較結果から変化点情報を検出すると(ステップS10)、検出した変化点情報をエッジサーバ3に送信する(ステップS12)。
路側センサ8は、配信周期U2内に、自身のセンサ情報の変化点情報を検出すると(ステップS11)、検出した変化点情報をエッジサーバ3に送信する(ステップS12)。
車両5、歩行者端末70、及び路側センサ8のそれぞれは、配信周期U2内に、取得したセンサ情報をエッジサーバ3に送信する(ステップS13)。
エッジサーバ3は、配信周期U2内に、車両5及び路側センサ8から変化点情報を受信すると、それらの変化点情報を反映した動的情報に更新する(ステップS14)。
エッジサーバ3は、配信周期U2内に、車両5、歩行者端末70、及び路側センサ8のそれぞれから送信されたセンサ情報に基づいて、通行者の行動を推定し、複数の通行者間において推定された行動が干渉するか否かを判定し、干渉すると判定された場合に、通行者の推奨行動を決定する(ステップS15)。
エッジサーバ3は、更新後の動的情報、及び、推奨行動が決定された場合には推奨行動情報を、歩行者端末70及び車両5に配信する(ステップS16)。
配信周期U2内に、車両5のみが変化点情報を検出した場合は、ステップS10で車両5が検出した変化点情報のみがエッジサーバ3に送信され(ステップS12)、その変化点情報のみを反映した動的情報の更新が行われる(ステップS14)。
配信周期U2内に、路側センサ8のみが変化点情報を検出した場合は、ステップS11で路側センサ8が検出した変化点情報のみがエッジサーバ3に送信され(ステップS12)、その変化点情報のみを反映した動的情報の更新が行われる(ステップS14)。
配信周期U2内に、車両5及び路側センサ8の双方が変化点情報を検出しなかった場合は、ステップS10〜S12及びS14の処理が実行されず、前回送信分の動的情報(ステップS9)と同じ動的情報が歩行者端末70及び車両5に配信される(ステップS16)。
その後、歩行者端末70及び車両5の双方から、動的情報の配信停止の要求メッセージを受信するか、或いは、歩行者端末70及び車両5の通信が遮断されるまで、上記と同様のシーケンスが繰り返される。
エッジサーバ3は、運転者情報DB92に、運転者情報を蓄積する。具体的な一例では、エッジサーバ3は、GPS受信機52によって取得された位置情報から、対象領域における運転者の走行経験を判断する。また、エッジサーバ3は、車両5の制御部51によって取得された、運転者のアクセルワーク、ステアリング操作、ブレーキ操作等のプローブ情報を受信することができる。また、例えば車両5に運転者を撮像する車内カメラを搭載してもよく、エッジサーバ3が、当該車内カメラの画像に基づく運転者の視線分布情報を取得してもよい。エッジサーバ3は、対象領域の走行経験、プローブ情報、及び視線分布情報の少なくとも1つに基づいて、運転者の運転熟練度を算出することができる。エッジサーバ3は、算出された運転熟練度を、運転者ID及び車両IDと対応付けて、運転者情報DB92に登録することができる。
[通行者の行動の調整]
以下、通行者の行動の調整についてさらに詳細に説明する。図8は、本実施形態に係るエッジサーバ3の機能の一例を示す機能ブロック図である。図8に示すように、エッジサーバ3は、受信部310と、推定部320と、判定部330と、決定部340と、送信部350との各機能を有する。
受信部310は、車両5、歩行者端末70、及び路側センサ8のそれぞれから送信されたセンサ情報を受信できる。
推定部320は、受信部310によって受信されたセンサ情報に基づいて、対象領域における通行者、即ち、車両5(運転者)及び歩行者7の将来の行動を推定する。例えば、推定部320は、通行者の移動ベクトルから、通行者が将来どの方向へどの程度の速度で移動するかを推定してもよい。推定部320は、信号機の点灯状態によって、通行者が将来どのような行動を取るか(赤信号の場合停止する、青信号の場合走行する等)を推定してもよい。また、推定部320は、車両5が走行中の車線から、当該車両5がどちらの方向へ進行するか(右折レーンの場合、右折する等)を推定してもよい。また、推定部320は、車両5の方向指示器の点灯状態から、当該車両5がどちらの方向へ進行するか(右側の方向指示器が点灯している場合、右折する等)を推定してもよい。
判定部330は、複数の通行者について推定部320により推定される行動が互いに干渉するか否かを判定する。具体的な一例では、判定部330は、複数の通行者の推定される移動方向が互いに交差するか否かを判定することにより、行動が互いに干渉するか否かを判定することができる。つまり、判定部330は、複数の通行者の移動方向が互いに交差する場合、これらの通行者の行動が互いに干渉すると判定し、複数の通行者の移動方向が互いに交差しない場合、これらの通行者の行動が互いに干渉しないと判定することができる。
判定部330は、対象領域における通行者をグルーピングし、通行者のグループごとに、推定される行動が互いに干渉するか否かを判定してもよい。
図9A,図10A,及び図11Aは、本実施形態に係るエッジサーバ3による行動の干渉の判定例を説明するための図である。
図9Aに示す例では、十字路の交差点を、車両Aと、車両Aの対向車である車両Bと、車両Bの先行車両である車両C,Dと、歩行者aとが通行する。車両Aは、交差点に進入し、右折することが推定される。車両Bは車両Aと反対方向に交差点を直進することが推定される。車両C,Dは交差点を通過済みであり、停止状態を維持することが推定される。車両Dの後方には、車両1台分のスペースが存在する。歩行者aは、車両Aから見て右側の横断歩道を、車両Aの進行方向と同一方向に横断することが推定される。
図9Aの例では、車両Aと車両Bとの推定される移動方向が互いに交差する。このため、判定部330は、車両A及び車両Bの間で行動が干渉すると判定する。また、図9Aの例では、車両Aと歩行者aとの推定される移動方向が互いに交差する。このため、判定部330は、車両A及び歩行者aの間で行動が干渉すると判定する。
図9Aの例において、判定部330は、対象領域である十字路の交差点における通行者をグルーピングしてもよい。具体的には、判定部330は、車両A及び車両Bのグループ1と、車両A及び歩行者aのグループ2とを作成することができる。判定部330は、グループ1において、車両Aと車両Bとの間で行動が干渉すると判定し、グループ2において、車両Aと歩行者aとの間で行動が干渉すると判定することができる。
図10Aに示す例では、道路幅が大きい平行な2本の道路を、道路幅が小さい1本の道路が接続する。道路幅が大きい一方の道路で車両A,Bが停止中であり、道路幅が大きい他方の道路で車両Cが停止中である。車両Cが停止中の道路の道路幅は、車両A,Bが停止中の道路の道路幅より小さい。車両A,Bは、右折して道路幅が小さい道路に進入することが推定される。車両Cも、右折して道路幅が小さい道路に進入することが推定される。道路幅が小さい道路は、車両の対向走行がかろうじて可能な道路幅である。
図10Aの例では、車両Aと車両Cとの推定される移動方向が互いに交差する。このため、判定部330は、車両A及び車両Cの間で行動が干渉すると判定する。
図11Aに示す例では、T字路における直線道路において車両Aが停止中であり、当該直線道路へ垂直に繋がる道路を車両BがT字路に向かって走行する。車両AはT字路において右折することが推定され、車両BもT字路において右折することが推定される。
図11Aの例では、車両Aと車両Bとの推定される移動方向が互いに交差する。このため、判定部330は、車両A及び車両Bの間で行動が干渉すると判定する。
再び図8を参照する。決定部340は、判定部330によって、推定される行動が互いに干渉すると判定された場合に、複数の通行者のそれぞれに対し、行動の干渉を回避するための推奨行動を決定する。決定部340は、交通法規DB91に記憶された交通法規に基づいて、推奨行動を決定してもよい。また、決定部340は、通行者に車両5の運転者が含まれる場合に、運転者情報DB92に記憶される運転者の運転熟練度に基づいて、推奨行動を決定してもよい。
図9B,図10B,図10C,及び図11Bは、本実施形態に係るエッジサーバ3による推奨行動の決定の具体例を説明するための図である。
図9Bには、図9Aの例における推奨行動の決定例が示される。この例において、決定部340は、交通法規では直進車優先であり、車両Aの運転者と車両Bの運転者との運転熟練度は同レベルであり、また、車両Cの後に車両1台分のスペースがあるため、車両Bに対する推奨行動として「直進」を決定する。決定部340は、車両A及び車両Bの間の行動の干渉を回避するため、車両Aに対する推奨行動として、「右折待機」を決定する。また、決定部340は、車両A及び歩行者aの間の行動の干渉を回避するため、車両Aに対する推奨行動としても、「右折待機」を決定する。決定部340は、歩行者aの推奨行動として、「横断歩道の横断」を決定してもよい。
図10Bには、図10Aの例における推奨行動の決定の一例が示される。この例において、決定部340は、車両Cの後続車両がなく、車両A,B,Cにおける運転者の運転熟練度は同レベルであるため、車両A及び車両Bに対する推奨行動として「右折」を決定する。決定部340は、車両A,Bと車両Cの間の行動の干渉を回避するため、車両Cに対する推奨行動として、「右折待機」を決定する。これにより、車両A,Bの狭い道路への進入が、車両Cの当該道路への進入より優先される。
図10Cには、図10Aの例における推奨行動の決定の他の例が示される。この例においては、車両Cの運転者の運転熟練度が、車両A,Bの運転者の運転熟練度よりも高い。この場合、決定部340は、車両A,Bと車両Cの間の行動の干渉を回避するため、車両Cに対する推奨行動として「右折した後待機」を決定する。決定部340は、車両A,Bに対する推奨行動として、「右折」を決定する。これにより、車両Cの後続車両がないが、待機している間に車両Cの後に別の車両が到来することによる渋滞の発生を回避するため、車両Cの狭い道路への進入が促される。また、車両Cが狭い道路へ進入した後、待機することが推奨される。これにより、運転者の運転熟練度が高い車両Cが狭い道路中で待機し、徐行して車両A,Bとすれ違うことにより、車両A,Bと車両Cの間の行動の干渉が回避される。
図11Bには、図11Aの例における推奨行動の決定の一例が示される。この例において、左方優先の交通法規により、車両Aの右折が車両Bの右折より優先される。車両A,Bにおける運転者の運転熟練度は同レベルである。決定部340は、車両Aの推奨行動として「右折」を決定し、車両Bの推奨行動として「右折待機」を決定する。
再び図8を参照する。送信部350は、決定部340によって決定された推奨行動を示す推奨行動情報を、車両5及び歩行者端末70へ送信する。車両5の推奨行動情報は、ディスプレイ56に出力(表示)される。歩行者7の推奨行動情報は、表示部73に出力(表示)される。図9Bの例では、車両Aにおいて、「待ってください」という推奨行動情報が表示され、車両Bにおいて、「直進してください」という推奨行動情報が表示される。図10Bの例では、車両A,Bにおいて、「右折してください」という推奨行動情報が表示され、車両Cにおいて、「待ってください」という推奨行動情報が表示される。図10Cの例では、車両A,Bにおいて、「右折してください」という推奨行動情報が表示され、車両Cにおいて、「右折後待ってください(対向車有)」という推奨行動情報が表示される。図11Bの例では、車両Aにおいて、「右折してください」という推奨行動情報が表示され、車両Bにおいて、「待ってください」という推奨行動情報が表示される。
受信部310及び送信部350は、例えば、通信部35によって実現できる。推定部320、判定部330及び決定部340は、例えば、制御部31によって実現できる。
図12は、本実施形態に係るエッジサーバによる行動調整処理の手順の一例を示すフローチャートである。エッジサーバ3は、車両5、歩行者端末70、及び路側センサ8によって得られるセンサ情報を受信する(ステップS101)。
制御部31は、受信されたセンサ情報に基づいて、対象領域における通行者の行動を推定する(ステップS102)。
制御部31は、通行者のグルーピングを行い(ステップS103)、グループごとに通行者の間で行動が干渉するか否かを判定する(ステップS104)。
制御部31は、行動が干渉すると判定されたグループが1つ以上存在するか否かを判定する(ステップS105)。行動が干渉すると判定されたグループが存在しない場合(ステップS105においてNO)、制御部31は処理を終了する。
行動が干渉すると判定されたグループが存在する場合(ステップS105においてYES)、制御部31は、行動が干渉すると判定されたグループを1つ選択する(ステップS106)。
制御部31は、選択されたグループに車両が含まれるか否かを判定する(ステップS107)。選択されたグループに車両が含まれない場合(ステップS107においてNO)、制御部31は、ステップS111へ処理を移す。
選択されたグループに車両が含まれる場合(ステップS107においてYES)、制御部31は、交通法規DB91から、関連する交通法規を取得する(ステップS108)。
制御部31は、運転者情報DB92から、運転者の運転熟練度を取得する(ステップS109)。この処理において、制御部31は、グループに含まれる車両の車両ID又は当該車両の運転者の運転者IDをキーとして、運転者情報DB92から運転熟練度を検索することができる。
制御部31は、グループに含まれる各通行者の推奨行動を決定する(ステップS110)。この処理において、制御部は、交通法規DB91から取得した交通法規、及び運転者情報DB92から取得した運転熟練度の少なくとも一方を用いて、通行者の推奨行動を決定することができる。
制御部31は、行動が干渉すると判定された全てのグループが選択されたか否かを判定する(ステップS111)。行動が干渉すると判定されたグループに未選択のグループが残っている場合(ステップS111においてNO)、制御部31は、ステップS106へ処理を戻す。制御部31は、未選択のグループの1つを選択し(ステップS106)、ステップS107〜S111の処理を再度実行する。
行動が干渉すると判定された全てのグループが選択された場合(ステップS111においてYES)、制御部31は、車両5及び歩行者端末70を宛先として、決定された推奨行動を示す推奨行動情報を、通信部35に送信させる(ステップS112)。以上で、行動調整処理が終了する。上記の処理は、動的情報の更新周期ごとに実行される。
なお、コアサーバ4もエッジサーバ3と同様の上記機能を有し、上記の行動調整処理を実行してもよい。
図3を参照する。車両5の通信部61は、エッジサーバ3又はコアサーバ4から送信された推奨行動情報を受信する。制御部51は、推奨行動情報を、ディスプレイ56に表示(出力)させる。
図4を参照する。歩行者端末70の通信部75は、エッジサーバ3又はコアサーバ4から送信された推奨行動情報を受信する。制御部71は、推奨行動情報を、表示部73に表示(出力)させる。
[変形例]
上記の実施形態では、エッジサーバ3が歩行者端末70からのセンサ情報を受信し、当該センサ情報を用いて歩行者の行動を推定したが、これに限定されない。例えば、エッジサーバ3は、歩行者の行動を、路側センサ8及び車両5からのセンサ情報を用いて推定してもよい。また、エッジサーバ3は、歩行者の推奨行動を決定したが、これに限定されない。歩行者については推奨行動を決定せず、車両5のみの推奨行動を決定してもよい。
[効果]
上記のように、本実施形態に係る情報提供システムは、推定部320と、判定部330と、決定部340と、出力部(ディスプレイ56,表示部73)とを備える。推定部320は、対象領域における通行者(車両5、歩行者7)の行動を推定する。判定部330は、複数の通行者について推定部320により推定される行動が互いに干渉するか否かを判定する。決定部340は、判定部330によって、推定される行動が互いに干渉すると判定された場合に、通行者に対し、行動の干渉を回避するための推奨行動を決定する。出力部は、決定部340によって決定された推奨行動を示す推奨行動情報を出力する。これにより、実際に通行者の行動の干渉が発生する前に、干渉の発生を判定することができ、通行者に推奨行動情報を提供できる。このため、対象領域における通行者の行動の干渉の発生を抑制できる。
情報提供システムは、交通法規を記憶する交通法規DB91をさらに備えてもよい。決定部340は、交通法規DB91に記憶された交通法規に基づいて、推奨行動を決定してもよい。これにより、交通法規にしたがって通行者の推奨行動を決定できる。
決定部340は、複数の通行者に車両5の運転者が含まれる場合に、運転者の運転熟練度に基づいて、推奨行動を決定してもよい。これにより、例えば運転熟練度が低い運転者に対しては高度な運転技術を必要としない推奨行動を、運転熟練度が高い運転者に対しては高度な運転技術が要求される推奨行動を決定する等、運転者の運転熟練度に応じた推奨行動を決定することができる。
判定部330は、対象領域における通行者のグループごとに、推定される行動が互いに干渉するか否かを判定してもよい。1つの対象領域において、複数のグループにおいて通行者の行動が干渉する場合がある。このため、上記構成により、複数のグループそれぞれにおいて通行者の行動を調整することができる。
推定部320は、対象領域における通行者に歩行者が含まれる場合、歩行者が使用する歩行者端末によって検出された歩行者の行動に関する情報に基づいて、歩行者の行動を推定してもよい。これにより、通行者に歩行者が含まれる場合に、高精度に歩行者の行動を推定できる。
[補記]
今回開示した実施形態(変形例を含む。)はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
1A 通信端末
1B 通信端末
1C 通信端末
1D 通信端末
2 基地局
3 エッジサーバ
4 コアサーバ
5 車両
7 歩行者
8 路側センサ
9 交通信号制御機
31 制御部
32 ROM
33 RAM
34 記憶部
35 通信部
41 制御部
42 ROM
43 RAM
44 記憶部
45 通信部
50 車載装置
51 制御部
52 GPS受信機
53 車速センサ
54 ジャイロセンサ
55 記憶部
56 ディスプレイ(出力部)
57 スピーカ
58 入力デバイス
59 車載カメラ
60 レーダセンサ
61 通信部
70 歩行者端末
71 制御部
72 記憶部
73 表示部(出力部)
74 操作部
75 通信部
76 GPS受信機
77 加速度センサ
78 ジャイロセンサ
81 制御部
82 記憶部
83 路側カメラ
84 レーダセンサ
85 通信部
91 交通法規データベース
92 運転者情報データベース
310 受信部
320 推定部
330 判定部
340 決定部
350 送信部


Claims (7)

  1. 対象領域における通行者の行動を推定する推定部と、
    複数の通行者について前記推定部により推定される行動が互いに干渉するか否かを判定する判定部と、
    前記判定部によって前記推定される行動が互いに干渉すると判定された場合に、前記通行者に対し、行動の干渉を回避するための推奨行動を決定する決定部と、
    前記決定部によって決定された前記推奨行動を示す推奨行動情報を出力する出力部と、
    を備える、
    情報提供システム。
  2. 交通法規を記憶する交通法規記憶部をさらに備え、
    前記決定部は、前記交通法規記憶部に記憶された前記交通法規に基づいて、前記推奨行動を決定する、
    請求項1に記載の情報提供システム。
  3. 前記決定部は、前記複数の通行者に車両の運転者が含まれる場合に、前記運転者の運転熟練度に基づいて、前記推奨行動を決定する、
    請求項1又は請求項2に記載の情報提供システム。
  4. 前記判定部は、前記対象領域における通行者のグループごとに、前記推定される行動が互いに干渉するか否かを判定する、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報提供システム。
  5. 前記推定部は、前記対象領域における通行者に歩行者が含まれる場合、前記歩行者が使用する歩行者端末によって検出された歩行者の行動に関する情報に基づいて、前記歩行者の行動を推定する、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報提供システム。
  6. 対象領域における通行者の行動を推定する推定部と、
    複数の通行者について前記推定部により推定される行動が互いに干渉するか否かを判定する判定部と、
    前記判定部によって前記推定される行動が互いに干渉すると判定された場合に、前記通行者に対し、行動の干渉を回避するための推奨行動を決定する決定部と、
    前記決定部によって決定された前記推奨行動を示す推奨行動情報を送信する送信部と、
    を備える、
    サーバ。
  7. コンピュータに、
    対象領域における通行者の行動を推定するステップと、
    複数の通行者について推定される行動が互いに干渉するか否かを判定するステップと、
    前記推定される行動が互いに干渉すると判定された場合に、前記通行者に対し、行動の干渉を回避するための推奨行動を決定するステップと、
    決定された前記推奨行動を示す推奨行動情報を送信するステップと、
    を実行させるための、
    コンピュータプログラム。
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