JP2020085561A - 亜鉛電池の劣化の判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フロート充電中において電極間の絶縁異常の発生状況を予め検知し、亜鉛電池の劣化を精度良く判定すること。【解決手段】一実施形態に係る亜鉛電池の劣化の判定方法は、亜鉛電池のフロート充電中における、亜鉛電池へ流れる電流量の推移を取得する取得ステップと、電流量の推移における基準値からの電流増加度を算出する算出ステップと、電流増加度に基づいて亜鉛電池の劣化を判定する判定ステップと、を含む。【選択図】図4

Description

本発明は、亜鉛電池の劣化の判定方法に関する。
従来から、蓄電池の劣化を判定する手法が知られている。例えば、特許文献1には、充電式のバッテリの劣化状態の推定方法が記載されている。この方法は、バッテリの充放電電流を積算することによりクーロンカウント値を生成するステップと、バッテリの状態を監視するステップと、クーロンカウント値に基づいて、バッテリが所定電荷量だけ充放電されたことを検出するステップと、所定電荷量の充放電が検出されるたびに、バッテリの劣化を示す指標Xを、所定電荷量が充放電された期間において測定されたバッテリの状態に応じた変化量ΔXだけ変化させるステップとを含む。
特開2017−116522号公報
蓄電池の劣化には様々な現象が存在するが、亜鉛電池においては、例えばデンドライトといった現象により、電極間の短絡或いは低抵抗化といった絶縁異常が発生する。電極間の絶縁異常が発生すると、亜鉛電池へ過度な電流が流れ続けることで、電池が発熱し、亜鉛電池が熱逸走(熱暴走)するおそれがあるので、電極間の絶縁異常の発生状況を予め検知し、熱逸走(熱暴走)を予防することが望ましい。しかしながら、フロート充電中においては、一定電圧を印加した状態なので、亜鉛電池から得られる情報は限られる。本発明は、フロート充電中において電極間の絶縁異常の発生状況を予め検知し、亜鉛電池の劣化を精度良く判定することが可能な亜鉛電池の劣化の判定方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る亜鉛電池の劣化の判定方法は、亜鉛電池のフロート充電中における、亜鉛電池へ流れる電流量の推移を取得する取得ステップと、電流量の推移における基準値からの電流増加度を算出する算出ステップと、電流増加度に基づいて亜鉛電池の劣化を判定する判定ステップと、を含む。フロート充電中においては、亜鉛電池へ流れる電流量は略一定か僅かに変化する程度であるが、電極間の短絡或いは低抵抗化といった絶縁異常が発生すると、該電流量は極端に増加する。この判定方法では、基準値からの電流増加度に基づいて亜鉛電池の劣化を判定するので、フロート充電中であっても、電極間の絶縁異常を良好に検知し、亜鉛電池の劣化を精度良く判定することができる。
上記の判定方法において、判定ステップでは、電流増加度が閾値以上である場合に亜鉛電池が劣化状態であると判定してもよい。例えばこのような方法により、電極間の絶縁異常をより精度良く検知することができる。
上記の判定方法において、判定ステップでは、電流増加度が第1閾値以上である場合に、亜鉛電池が第1劣化状態であると判定し、電流増加度が第2閾値以上かつ第1閾値未満である場合に、亜鉛電池が、第1劣化状態よりも劣化の度合いが小さい第2劣化状態であると判定してもよい。例えばこのように亜鉛電池の劣化状態を段階的に判定することにより、亜鉛電池の交換等の判断を容易にすることができる。
上記の判定方法において、算出ステップでは、電流量の変動が予め定められた範囲内に収束した時点における電流量を基準値としてもよく、或いは、当該フロート充電の直前に行われた放電処理ののちの充電開始から予め定められた時間が経過した時点で取得された電流量を基準値としてもよい。例えばこれらのうち何れかの方法により、亜鉛電池の劣化の判定においてより適切な基準値を設定することができる。
上記の判定方法において、判定ステップでは、電流増加度が閾値以上であるという監視事象が発生した回数に基づいて亜鉛電池の劣化を判定してもよい。デンドライトによる絶縁異常は継続して生じるものではなく、亜鉛電池は絶縁異常の発生及び回復を繰り返しつつ寿命に至る。従って、絶縁異常が一度発生したのみでは亜鉛電池の劣化を判定し難い場合がある。そのような場合であっても、電流増加度の異常(監視事象)が発生した回数に基づいて亜鉛電池の劣化を判定することによって、亜鉛電池の劣化を更に精度良く判定することができる。この場合、判定ステップでは、監視事象が連続して発生した回数が、予め定められた閾値以上である場合に、亜鉛電池が劣化状態であると判定してもよく、或いは、監視事象が発生した累積の回数が、予め定められた閾値以上である場合に、亜鉛電池が劣化状態であると判定してもよい。
上記の判定方法において、亜鉛電池はニッケル亜鉛電池であってもよい。この場合、上記の判定方法が特に有効である。
本発明の一態様に係る亜鉛電池の劣化の判定方法によれば、フロート充電中において電極間の絶縁異常の発生状況を予め検知し、亜鉛電池の劣化を精度良く判定することができる。
図1は、蓄電システム1およびその周辺の構成の一例を模式的に示す。 図2は、統括コントローラ30の機能構成を示す。 図3は、フロート充電の概略を示すグラフである。 図4は統括コントローラ30の動作の例を示すフローチャートであり、具体的には、一つの蓄電装置10に対する処理を示す。 図5(a)〜(c)は、基準値を決定する種々の方法を示す。 図6は判定処理(判定ステップ)の一例を示す。 図7は、条件4(温度40℃)にてフロート充電寿命試験を実施した5つのニッケル亜鉛電池における、放電容量維持率の推移を示すグラフである。 図8(a)は測定された放電容量を示す図表であり、図8(b)は図8(a)から算出された放電容量維持率を示す(図7の基となった)図表である。 図9は、条件4にてフロート充電寿命試験を実施した5つのニッケル亜鉛電池における、充電電流量の推移を示すグラフである。 図10は、条件5(温度55℃)にてフロート充電寿命試験を実施した5つのニッケル亜鉛電池における、放電容量維持率の推移を示すグラフである。 図11(a)は測定された放電容量を示す図表であり、図11(b)は図11(a)から算出された放電容量維持率を示す(図10の基となった)図表である。 図12は、条件5にてフロート充電寿命試験を実施した5つのニッケル亜鉛電池における、充電電流量の推移を示すグラフである。 図13は判定処理(判定ステップ)の別の例を示す。 図14は判定処理(判定ステップ)のさらに別の例を示す。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[蓄電システムの全体構成]
蓄電システム1は、生成された電気を蓄え、その蓄えた電気を必要に応じて供給するシステムである。蓄電システム1が適用される場面は限定されず、例えば、蓄電システム1は不動産にも動産にも適用可能である。不動産への適用の例として、蓄電システム1は、再生可能エネルギを利用して生成された電気を管理してもよく、例えば家庭、オフィス、工場、農場等の様々な場所で利用され得る。動産への適用の例として、蓄電システム1は自動車等の移動体に動力源として搭載されてもよい。
図1を参照しながら、蓄電システム1を含む電力システムの全体像を説明する。図1は、蓄電システム1およびその周辺の構成の一例を模式的に示す図である。蓄電システム1は、蓄電システム1に電力を供給可能な供給要素2と、蓄電システム1から電力を受け取ることが可能な需要要素4との間に設けられる。蓄電システム1および供給要素2を含む直流系統と、需要要素4を含む交流系統とは、PCS(パワーコンディショニングシステム)3を介して電気的に接続される。蓄電システム1、供給要素2、およびPCS3は、直流電流が流れるDC(Direct Current)バス6を介して電気的に接続される。需要要素4およびPCS3は、交流電流が流れるAC(Alternating Current)バス7を介して電気的に接続される。供給要素2により生成された電気、または蓄電システム1に蓄えられた電気は需要要素4に供給される。蓄電システム1は、蓄電池をクッションのように利用することで供給要素2から需要要素4への電力供給の変動を緩和する役割を担ってもよい。
供給要素2は、蓄電システム1に電力を供給可能な装置または設備である。供給要素2の種類は何ら限定されない。例えば、供給要素2は、再生可能エネルギを利用して発電を行う発電装置であってもよい。発電方法および発電装置の種類は何ら限定されず、例えば、発電装置は太陽光発電装置でもよいし風力発電機でもよい。あるいは、供給要素2は、移動体に搭載されたモータあってもよい。
需要要素4は、蓄電システム1から電力を受け取ることが可能な装置または設備である。需要要素4の種類も何ら限定されない。例えば、供給要素は、発電、変電、送電、および配電を統合した商用電源の設備である外部の電力系統であってもよい。例えば、外部の電力系統は電力会社により提供される。あるいは、需要要素4は、電力を消費する1以上の機器または装置の集合である負荷であってもよい。負荷の例として、1以上の家庭用または業務用の様々な電気機器の集合と、任意の装置の任意の構成要素とが挙げられる。
PCS3は、直流の電気を交流に変換する装置であり、電力変換器の一種である。PCS3は、DCバス6に接続するDC端子と、ACバス7に接続するAC端子とを有する。
蓄電システム1は、蓄電装置10、電力変換器20、および統括コントローラ30を備える。一つの蓄電装置10には一つの電力変換器20が対応し、これら二つの装置はDCバスを介して電気的に接続する。対応し合う蓄電装置10および電力変換器20の組を蓄電ユニットということもできる。図1の例では蓄電システム1は3組の蓄電装置10および電力変換器20(3個の蓄電ユニット)を備えるが、その組数は限定されず、1でも2でも4以上でもよい。複数の蓄電ユニットが存在する場合に、蓄電装置10の性能(例えば、定格容量、応答速度など)および電力変換器20の性能(例えば、定格出力、応答速度など)は統一されてもよいし、統一されなくてもよい。統括コントローラ30は、通信線40を介して各蓄電装置10および各電力変換器20と通信可能に接続される。
蓄電装置10は、供給要素2から提供される電気を化学エネルギに変えて蓄える装置であり、充放電が可能である。蓄電装置10は、供給要素2から提供された直流電力の変動を緩和(平準化)するためにも用いられ得る。蓄電装置10は、直列に接続された複数のセルを含んで構成される亜鉛電池(亜鉛二次電池)11を備える。亜鉛電池11の例として、ニッケル亜鉛電池、酸化銀・亜鉛電池等が挙げられるが、これらに限定されない。亜鉛電池11を構成するセルの個数は限定されず、例えば、7個または8個でもよい。蓄電装置10はさらに、バッテリ・コントロール・ユニット(Battery Control Unit:BCU)などの制御機能を含み、この制御機能により、蓄電装置10に関するデータを統括コントローラ30に送信することができる。
電力変換器20は、蓄電装置10の充放電を制御する装置である。電力変換器20は、統括コントローラ30から指示信号(データ信号)を受信し、その指示信号に基づいて蓄電装置10の充放電を制御する。電力変換器20は、充電モードでは、供給要素2から流れてきた電気を蓄電装置10に蓄え、放電モードでは、蓄電装置10を放電させて外部に電力を供給し、停止状態では充放電を行わない。電力変換器20は、例えばDC/DCコンバータであり得る。
統括コントローラ30は蓄電装置10および電力変換器20を制御するコンピュータ(例えばマイクロコンピュータ)である。図2は、統括コントローラ30の機能構成を示す図である。この図に示すように、統括コントローラ30はハードウェア装置としてプロセッサ101、メモリ102、および通信インタフェース103を備える。プロセッサ101は例えばCPUであり、メモリ102は例えばフラッシュメモリで構成されるが、統括コントローラ30を構成するハードウェア装置の種類はこれらに限定されず、任意に選択されてよい。統括コントローラ30の各機能は、プロセッサ101が、メモリ102に格納されているプログラムを実行することで実現される。例えば、プロセッサ101は、メモリ102から読み出したデータまたは通信インタフェース103を介して受信したデータに対して所定の演算を実行し、その演算結果を他の装置に出力することで、該他の装置を制御する。あるいは、プロセッサ101は受信したデータまたは演算結果をメモリ102に格納する。統括コントローラ30は1台のコンピュータで構成されてもよいし、複数のコンピュータの集合(すなわち分散システム)で構成されてもよい。
統括コントローラ30は、通信ネットワーク41を介して監視コンピュータ8と接続してもよい。通信ネットワーク41の構成は限定されず、例えば、インターネットおよびイントラネットのうちの少なくとも一方を用いて構築されてもよい。監視コンピュータ8は、蓄電システム1の状況を監視するコンピュータである。監視コンピュータ8の種類は限定されない。例えば、監視コンピュータ8は携帯型または据置型のパーソナルコンピュータであってもよい。あるいは、監視コンピュータ8は、高機能携帯電話機(スマートフォン)、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、タブレットなどの携帯端末でもよい。監視コンピュータ8は蓄電システム1の一部でもよいし、蓄電システム1とは別のコンピュータシステムに設けられてもよい。
ここで、フロート充電について説明する。図3は、フロート充電の概略を示すグラフである。図3において、横軸は時間を表し、縦軸はSOC(State Of Charge)を表す。例えば蓄電システム1がバックアップ電源等に使用される場合、蓄電システム1が備える複数の蓄電装置10は或る充電状態(例えばSOC=80〜100%)となるよう、一定の電圧(以下、フロート充電電圧という)を供給されつつ自己放電分の充電が常に行われる。或る充電状態とは、亜鉛電池11に十分に電気が蓄えられた状態のことをいい、例えば、亜鉛電池11の能力または仕様により決定される最大限にまで電気が蓄えられた状態のことをいう。図3における期間P1は、各蓄電装置10がこのような満充電状態すなわちフロート充電状態にある期間であり、1回のフロート充電につき、例えば数ヶ月(図の例では3ヶ月)といった長期間にわたって継続される。フロート充電は、例えば統括コントローラ30により制御される。そして、各フロート充電期間P1の合間(期間P2)には、定期的に放電処理が行われる。放電処理は、各蓄電装置10のSOCを0%(若しくは100%未満の任意の大きさ)にする処理である。0%(若しくは100%未満の任意の大きさ)とされた各蓄電装置10のSOCは、再びフロート充電により或る充電状態(SOC=80〜100%)とされる。このような放電処理は、例えば統括コントローラ30により制御される。各期間P2における放電処理ののち、期間P1において各蓄電装置10に再びフロート充電電圧が印加される。こうして、各蓄電装置10が寿命に至るまで、期間P1と期間P2とが交互に繰り返される。
蓄電システム1の特徴の一つは、上述した期間P1のフロート充電中における亜鉛電池11の劣化の判定方法にあり、この特徴は例えば統括コントローラ30により実現される。以下では、その判定処理に関する統括コントローラ30の機能および構成を説明する。
図2に示されるように、統括コントローラ30のプロセッサ101は、取得部31、算出部32、判定部33、および出力部34として機能する。取得部31は、フロート充電中に亜鉛電池11へ流れる電流の大きさ(電流量)の推移を取得する。算出部32は、取得された電流量の推移に基づいて、基準値からの電流増加度を算出する。電流増加度とは、亜鉛電池11の電流量が基準値に対してどの程度上昇したかを示す指標である。判定部33はその電流増加度に基づいて亜鉛電池11の劣化状態を判定する。出力部34はその判定に基づくデータを出力する。劣化状態とは、亜鉛電池11の性能が初期状態(製造時の状態)からどのくらい低下したかを示す概念である。亜鉛電池11の劣化の典型は、負極(亜鉛電極)の表面から成長するデンドライト(針状または樹枝状の結晶)がセパレータを突き破って正極まで達することで発生する、短絡若しくは低抵抗化といった絶縁異常である。亜鉛電池11の劣化の程度は、デンドライトの成長の程度に左右され得る。
メモリ102はプロセッサ101の動作に必要な情報を記憶する。例えば、メモリ102は判定規則35を記憶する。判定規則35は、劣化状態の判定に用いられる情報である。判定規則35の記述方法は限定されない。例えば、判定規則35は数式、閾値、アルゴリズム、および対応表のいずれかで表されてもよいし、数式、閾値、アルゴリズム、および対応表のうちの任意の2以上の組合せで表されてもよい。あるいは、判定規則35は、プロセッサ101により実行されるプログラムの一部であってもよい。
判定規則35は書き換え可能であってもよい。例えば、蓄電装置10または亜鉛電池11が別の型のものに交換されたり新しい型の蓄電装置10または亜鉛電池11が追加されたりした場合には、管理者がその構成の変更に応じてメモリ102内の判定規則35を書き換える。この場合、管理者は所定の通信ネットワーク(図示せず)を介して管理用のコンピュータ(図示せず)で統括コントローラ30にアクセスし、構成の変更を反映した新たな判定規則35を統括コントローラ30に転送してもよい。この転送により、メモリ102内の判定規則35が書き換えられる。
通信インタフェース103はプロセッサ101と連携してデータの送受信を実行する。例えば、通信インタフェース103は取得部31と連携して、亜鉛電池11に関するデータを受信する。また、通信インタフェース103は出力部34と連携して、判定に基づくデータを送信する。
[統括コントローラの動作]
ここで、統括コントローラ30の動作を説明するとともに、本実施形態に係る、亜鉛電池の劣化の判定方法について説明する。図4は統括コントローラ30の動作の例を示すフローチャートであり、具体的には、一つの蓄電装置10に対する処理を示す。
ステップS11では、取得部31が、亜鉛電池11のフロート充電中における、亜鉛電池11へ流れる電流量の推移を取得する(取得ステップ)。電流量の推移とは、時間の経過に伴って生じる亜鉛電池11への供給電流の変化のことをいう。また、この電流は、主に亜鉛電池11の自己放電分を補うための充電電流である。亜鉛電池11が正常である場合、時間経過に伴う自己放電量の変化が殆どないので、電流量は略一定で推移する。この取得ステップS11においては、電流量を連続して取得してもよく、断続的に(例えば定期的に)取得してもよい。例えば、電流量を一日一回、予め定められた時間に取得してもよく、或いは数日に一回だけ取得してもよい。電流量の取得は、例えば電力変換器20(図1を参照)と亜鉛電池11との間に電流検出器を接続することにより行われる。
ステップS12では、算出部32が、電流量の推移に基づいて、基準値からの亜鉛電池11の電流増加度を算出する(算出ステップ)。電流量が基準値からどの程度増加したかを示す限り、電流増加度の計算方法は限定されない。例えば、算出部32は、当該電流量と基準値との差(すなわち電流増加量)を電流増加度として求めてもよい。或いは、算出部32は、当該電流量と基準値との差を基準値で除算した数値(すなわち電流増加率)を電流増加度として求めてもよい。また、基準値としては、種々の値が用いられ得る。例えば、図5(a)に示されるように、電流量が減衰した或る時点t1における電流量を基準値とし、時点t1から時間Δta後の時点t2において取得された電流量が基準値に対して増加していたら、劣化と判定してもよい。時間Δtaは、例えば1日、30日、或いは90日といった長さである。或いは、図5(b)に示されるように、電流量の変動、例えば単位時間Δtb内における電流量の変動率(ΔI/Δtb)が予め定められた範囲内に収束した時点における電流量を基準値としてもよい。或いは、図5(c)に示されるように、当該フロート充電の直前に行われた放電処理ののちの充電開始から予め定められた時間Δtcが経過した時点で取得された電流量を基準値としてもよい。時間Δtcは、例えば1日、30日、或いは90日といった長さである。
ステップS13では、判定部33が電流増加度に基づいて亜鉛電池11の劣化状態を判定する(判定ステップ)。劣化状態を判定する具体的な手法は一つに限定されず、判定部33は様々な手法を用いて劣化状態を判定してもよい。
図6は判定処理(判定ステップ)の一例を示す。ステップS111では、判定部33が電流増加度を閾値Ta(第2閾値)と比較する。電流増加度がTa未満であれば(ステップS111においてNO)、処理はステップS112に移り、判定部33は亜鉛電池11が正常状態であると判定する。正常状態とは、亜鉛電池11が劣化していないか、または劣化の度合いが無視できる程度に小さいことを意味する。一方、電流増加度がTa以上であれば(ステップS111においてYES)、処理はステップS113に移り、判定部33はさらに電流増加度を閾値Tb(第1閾値)と比較する。この閾値Tbは閾値Taよりも大きい値である。
閾値Taおよび閾値Tbの具体的な値は限定されない。また、閾値Taおよび閾値Tbは、亜鉛電池11の動作温度(或いは周囲温度)によっても変更され得る。本発明の発明者は、亜鉛電池11の特性を考慮してそれらの閾値を以下のように設定できることを見出した。すなわち、基準値からの電流増加率が300%以下である場合には、亜鉛電池11は正常であるといえる。電流増加率がそれよりも高い値を超えると(例えば400%以上)、亜鉛電池11内でデンドライトが成長している可能性があり、したがって、内部短絡の可能性を意識し始める必要が生ずる。電流増加率がさらに高い場合(例えば500%以上である場合)には、デンドライトがだいぶ成長している可能性があり、比較的近い将来に内部短絡が生ずる蓋然性が高いと見込まれる。
このような電流の変化に関する実際の試験結果について説明する。試験では、亜鉛電池の一例である、公称電圧が1.65Vであり定格容量が8Ahであるニッケル亜鉛電池を稼働させた。まず、ニッケル亜鉛電池を下記の条件1により満充電状態(SOC=100%)とした(ステップS1)。
[条件1]
・定電流定電圧(CC−CV:Constant Current-Constant Voltage)
・温度:25℃
・電流:8A(カットオフ電流:0.4A)
・電圧:1.9V
次に、定格容量の確認のため、電流8Aでの初期放電容量を下記の条件2により確認した(ステップS2)。
[条件2]
・DCバスへの放電
・温度:25℃
・電流:8A
・終止電圧:1.1V
続いて、ニッケル亜鉛電池を上記の条件1により再び満充電状態としたのち(ステップS3)、電流32Aでの初期放電容量を下記の条件3により確認した(ステップS4)。
[条件3]
・DCバスへの放電
・温度:25℃
・電流:32A
・終止電圧:1.1V
続いて、SOC=0%の状態から、フロート充電寿命試験を開始した(ステップS5)。その際、5つのニッケル亜鉛電池については下記の条件4にて試験を行い、別の5つのニッケル亜鉛電池については下記の条件5にて試験を行った。
[条件4]
・定電流定電圧(CC−CV)
・温度:40℃
・電流の上限値:1.6A
・フロート充電電圧:5つの電池それぞれ、1.825V、1.83V、1.84V、1.85V、及び1.87V
・フロート充電期間:120日
[条件5]
・定電流定電圧(CC−CV)
・温度:55℃
・電流の上限値:1.6A
・フロート充電電圧:5つの電池それぞれ、1.825V、1.83V、1.84V、1.85V、及び1.87V
・フロート充電期間:42日
そして、フロート充電実施後の所定の期間(12時間)、電池温度が25℃に近づくように調節した(ステップS6)。その後、フロート充電後の放電容量を上記の条件3により確認した(ステップS7)。このフロート充電後の放電容量が初期放電容量に対して閾値(60%)以下であれば寿命と判定し、該閾値より大きい場合は上記のステップS5へ戻った(ステップS8)。このようなステップS5〜S8を、全てのニッケル亜鉛電池が寿命と判定されるまで繰り返した。なお、この試験では寿命と判定される放電容量の閾値を60%としたが、この閾値は例えば50%〜80%の範囲内の任意の値に設定されてもよい。
図7は、条件4(温度40℃)にてフロート充電寿命試験を実施した5つのニッケル亜鉛電池における、放電容量維持率の推移を示すグラフである。図8(a)は測定された放電容量を示す図表であり、図8(b)は図8(a)から算出された放電容量維持率を示す(図7の基となった)図表である。また、図9は、条件4にてフロート充電寿命試験を実施した5つのニッケル亜鉛電池における、充電電流量の推移を示すグラフである。なお、図9において定期的に充電電流量が落ち込んでいるのは、放電処理(図3の期間P2)によるものである。この試験では、放電処理を120日毎に実施した。
図9を参照すると、フロート充電電圧を1.825V、1.83V、1.84V、及び1.87Vとした各ニッケル亜鉛電池に関しては、フロート充電中の充電電流量は放電処理後なだらかに推移しており、急激な増加は見られない。これは、ニッケル亜鉛電池が正常であり、デンドライト等による絶縁異常が生じていないことを示す。これに対し、電圧を1.85Vとしたニッケル亜鉛電池に関しては、330日〜344日の期間、及び351日〜358日の期間においてフロート充電中の充電電流量が急激に増加している。これは、デンドライト等による絶縁異常がニッケル亜鉛電池に生じたことを示す。なお、この例では電圧を1.85Vとしたニッケル亜鉛電池において絶縁異常が最初に生じたが、他の電圧としたニッケル亜鉛電池において絶縁異常が最初に生じる可能性もある。通常、フロート充電電圧が高いほど、デンドライト等による絶縁異常が早く生じる傾向がある。
図10は、条件5(温度55℃)にてフロート充電寿命試験を実施した5つのニッケル亜鉛電池における、放電容量維持率の推移を示すグラフである。図11(a)は測定された放電容量を示す図表であり、図11(b)は図11(a)から算出された放電容量維持率を示す(図10の基となった)図表である。また、図12は、条件5にてフロート充電寿命試験を実施した5つのニッケル亜鉛電池における、充電電流量の推移を示すグラフである。
図12を参照すると、フロート充電電圧を1.825V、1.83V、1.84V、及び1.85Vとした各ニッケル亜鉛電池に関しては、フロート充電中の充電電流量は放電処理後なだらかに推移しており、急激な増加は見られない。これに対し、電圧を1.87Vとしたニッケル亜鉛電池に関しては、35日〜42日の期間、及び77日〜84日の期間においてフロート充電中の充電電流量が急激に増加している。
再び図6を参照する。電流増加度がTb以上であれば(ステップS113においてYES)、処理はステップS114に移り、判定部33は亜鉛電池11が第1劣化状態であると判定する。第1劣化状態は、亜鉛電池11の劣化の度合いが比較的大きい状態のことをいう。一方、電流増加度がTb未満であれば(ステップS113においてNO)、すなわち、電流増加度がTa以上かつTb未満であれば、処理はステップS115に移り、判定部33は亜鉛電池11が第2劣化状態であると判定する。第2劣化状態は、亜鉛電池11の劣化の度合いが第1劣化状態よりも小さい状態のことをいう。この関係を維持する限り、第1劣化状態および第2劣化状態のそれぞれの具体的な意味は限定されない。例えば、第1劣化状態は、比較的近い将来に内部短絡が生ずる蓋然性が高い程にデンドライトが成長していると見込まれる状態に対応してもよい。第2劣化状態は、デンドライトは存在するものの、亜鉛極の放電によるデンドライトの溶解により亜鉛電池11の性能が改善する可能性がある状態に対応してもよい。
図6に示す例では、判定部33が第1劣化状態および第2劣化状態という2段階で亜鉛電池11の劣化を判定するが、判定部33は、その第1劣化状態および第2劣化状態を含む3以上の段階で亜鉛電池の劣化を判定してもよい。
図13は判定処理(判定ステップ)の別の例を示す。ステップS121では、判定部33が電流増加度を閾値Taと比較する。電流増加度がTa未満であれば(ステップS121においてNO)、処理はステップS122に移り、判定部33は亜鉛電池11が正常状態であると判定する。
一方、電流増加度がTa以上であれば(ステップS121においてYES)、処理はステップS123に移り、判定部33は、「電流増加度が閾値Ta以上である」という状態(監視事象)が連続して発生した回数nを取得する。判定部33は、亜鉛電池11の状態を判定する度にその判定結果を履歴としてメモリ102に記録し、ステップS123においてその履歴を参照することで、その回数nを求めることができる。
回数nが閾値Tc未満であれば(ステップS124においてNO)、処理はステップS122に移り、判定部33は亜鉛電池11が正常状態であると判定する。一方、回数nが閾値Tc以上であれば(ステップS124においてYES)、処理はステップS125に移り、判定部33は亜鉛電池11が第1劣化状態であると判定する。閾値Tcの具体的な値は限定されず、任意の基準に基づいて設定されてよい。例えば、閾値Tcは、亜鉛電池11の特性などの様々な要因を考慮して設定されてもよい。
負極を構成する亜鉛は析出と溶解とを繰り返すので、デンドライトは時間の経過に伴って単調に成長するとは限らず、デンドライトが一時的に解消する(負極表面からのデンドライトの突出量が一時的に下がる)場合があり得る。したがって、デンドライトのこのような特性を考慮し、判定部33は、連続して得られた複数の電流増加度に基づいて亜鉛電池11の劣化状態を判定してもよい。電流増加度が比較的高い状態が続いている場合には、デンドライトが或る程度大きく成長していると予想されるので、亜鉛電池11の劣化が或る程度進んでいると判定することができる。
図14は判定処理(判定ステップ)のさらに別の例を示す。ステップS131では、判定部33が電流増加度を閾値Taと比較する。電流増加度がTa未満であれば(ステップS131においてNO)、処理はステップS132に移り、判定部33は亜鉛電池11が正常状態であると判定する。一方、電流増加度がTa以上であれば(ステップS131においてYES)、処理はステップS133に移り、判定部33はさらに電流増加度を閾値Tb(Tb>Ta)と比較する。閾値Taおよび閾値Tbの具体的な値は、図6の例と同様に設定してよい。
電流増加度がTb以上であれば(ステップS133においてYES)、処理はステップS134に移り、判定部33は亜鉛電池11が第1劣化状態であると判定する。一方、電流増加度がTb未満であれば(ステップS133においてNO)、処理はステップS135に移り、判定部33は、「電流増加度が閾値Ta以上である」という状態(監視事象)が連続して発生した回数nを取得する。回数nが閾値Tc未満であれば(ステップS136においてNO)、処理はステップS132に移り、判定部33は亜鉛電池11が正常状態であると判定する。一方、回数nが閾値Tc以上であれば(ステップS136においてYES)、処理はステップS134に移り、判定部33は亜鉛電池が第1劣化状態であると判定する。図14に示す例は、図6および図13に示された二つの手法の組合せであるともいえる。
図13および図14は、監視事象が発生した回数に基づいて亜鉛電池11の劣化を判定する処理を含む。この処理の変形として、判定部33は、「電流増加度が閾値Ta以上である」という状態(監視事象)が連続して発生した回数nに代えて、「電流増加度が閾値Ta以上である」という状態(監視事象)が発生した累積の回数mに基づいて劣化状態を判定してもよい。すなわち、判定部33は、累積発生回数mが閾値Td未満であれば亜鉛電池11が正常状態であると判定し、累積発生回数mが閾値Td以上であれば亜鉛電池11が第1劣化状態であると判定してもよい。上述したように、デンドライトは一時的に解消する場合があり得る。しかし、電流増加度の比較的高い状態が連続して発生したか不連続で発生したかにかかわらず、該状態を多く検知してきた場合には、デンドライトが或る程度大きく成長していると予想される。したがって、判定部33はこのような場合に、亜鉛電池11の劣化が或る程度進んでいると判定してもよい。閾値Tdの具体的な値は限定されず、任意の基準に基づいて設定されてよい。例えば、閾値Tdは、亜鉛電池11の特性などの様々な要因を考慮して設定されてもよい。
或いは、判定部33は、連続発生回数と累積発生回数との双方を用いて劣化状態を判定してもよい。例えば、判定部33は連続発生回数nおよび累積発生回数mの双方をカウントする。そして、判定部33は、連続発生回数nが閾値Tc以上であるか、または累積発生回数mが閾値Td以上である場合には、亜鉛電池11が第1劣化状態であると判定し、それ以外の場合には、亜鉛電池11が正常状態であると判定してもよい。
連続発生回数および累積発生回数の少なくとも一方を用いる場合に、判定部33は、第1劣化状態だけでなく第2劣化状態も判定してもよい。連続発生回数nについては、判定部33は二つの閾値TclowおよびTchighを用いる(ただし、Tclow<Tchigh)。そして判定部33は、n<Tclowの場合には亜鉛電池11が正常状態と判定し、Tclow≦n<Tchighの場合には亜鉛電池11が第2劣化状態と判定し、Tchigh≦nの場合には亜鉛電池11が第1劣化状態と判定してもよい。累積発生回数mについては、判定部33は二つの閾値TdlowおよびTdhighを用いる(ただし、Tdlow<Tdhigh)。そして判定部33は、m<Tdlowの場合には亜鉛電池11が正常状態と判定し、Tdlow≦m<Tdhighの場合には亜鉛電池11が第2劣化状態と判定し、Tdhigh≦mの場合には亜鉛電池11が第1劣化状態と判定してもよい。連続発生回数および累積発生回数の少なくとも一方を用いる場合においても、判定部33は、第1劣化状態および第2劣化状態を含む3以上の段階で亜鉛電池の劣化を判定してもよい。
このように劣化状態の判定については様々な手法を採用し得る。いずれにしても、判定部33は、予め定められた判定規則35(例えば、上記の閾値を含む判定規則35)を用いて亜鉛電池11の劣化状態を判定することができる。
再び図4を参照する。ステップS14では、出力部34が、判定部33による判定に基づくデータを出力する。データの内容は限定されない。例えば、出力部34は、判定結果(例えば、正常状態、第1劣化状態、または第2劣化状態のいずれか)を通信ネットワーク41を介して監視コンピュータ8に送信してもよい。監視コンピュータ8はその判定結果をモニタ上に表示したりデータベースに格納したりするなどの任意の処理を実行してよい。あるいは、出力部34は判定結果が第1劣化状態である場合に停止指示を生成し、対応する蓄電装置10に向けてその停止指示を送信してもよい。「蓄電装置に向けて停止指示を送信する」とは、亜鉛電池11に充放電をさせないために、該蓄電装置10に、または該蓄電装置10に対応する他の装置に、停止指示を送信することをいう。例えば、出力部34は、蓄電装置10に対応する電力変換器20に通信線40を介して停止指示を送信してもよい。停止させられた蓄電装置10の亜鉛電池11は、例えば人手により、新しいものに交換される。
蓄電システム1が複数の蓄電装置10を備える場合には、統括コントローラ30はすべての蓄電装置10についてステップS11〜S14の処理を実行する。一つの蓄電装置10について、ステップS11〜S14の処理は繰り返し実行される。
[プログラム]
コンピュータを統括コントローラ30として機能させるための判定プログラムは、該コンピュータを取得部31、算出部32、判定部33、および出力部34として機能させるためのプログラムコードを含む。この判定プログラムは、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等の有形の記録媒体に固定的に記録された上で提供されてもよい。あるいは、判定プログラムは、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。提供された判定プログラムは例えばメモリ102に記憶される。プロセッサ101がメモリ102と協働してその判定プログラムを実行することで、上記の各機能要素が実現する。
[効果]
以上説明したように、本実施形態に係る亜鉛電池の劣化の判定方法は、亜鉛電池11のフロート充電中における、亜鉛電池11へ流れる電流量の推移を取得する取得ステップS11と、電流量の推移における基準値からの電流増加度を算出する算出ステップS12と、電流増加度に基づいて亜鉛電池11の劣化を判定する判定ステップS13と、を含む。フロート充電中においては、亜鉛電池11へ流れる電流量は略一定か僅かに変化する程度であるが、田土ライト等による電極間の短絡或いは低抵抗化といった絶縁異常が発生すると、該電流量は極端に増加する(図9及び図12を参照)。この判定方法では、基準値からの電流増加度に基づいて亜鉛電池11の劣化を判定するので、フロート充電中であっても、電極間の絶縁異常を良好に検知し、亜鉛電池11の劣化を精度良く判定することができる。
本実施形態のように、判定ステップS13では、電流増加度が閾値以上である場合に亜鉛電池11が劣化状態であると判定してもよい。例えばこのような方法により、電極間の絶縁異常をより精度良く検知することができる。
図6に示されたように、判定ステップS13では、電流増加度が閾値Tb以上である場合に、亜鉛電池11が第1劣化状態であると判定し、電流増加度が閾値Ta以上かつ閾値Tb未満である場合に、亜鉛電池11が、第1劣化状態よりも劣化の度合いが小さい第2劣化状態であると判定してもよい。例えばこのように亜鉛電池11の劣化状態を段階的に判定することにより、亜鉛電池11の交換等の判断を容易にすることができる。
算出ステップS12では、図5(a)に示されたように、電流量が減衰した或る時点t1における電流量を基準値とし、時点t1から時間Δta後の時点t2において取得された電流量が基準値に対して増加した場合に劣化と判定してもよく、図5(b)に示されたように、電流量の変動が予め定められた範囲内に収束した時点における電流量を基準値としてもよく、或いは、図5(c)に示されたように、当該フロート充電の直前に行われた放電処理ののちの充電開始から予め定められた時間Δtcが経過した時点で取得された電流量を基準値としてもよい。例えばこれらのうち何れかの方法により、亜鉛電池11の劣化の判定においてより適切な基準値を設定することができる。
図13及び図14に示されたように、判定ステップS13では、電流増加度が閾値Ta以上であるという監視事象が発生した回数nに基づいて亜鉛電池11の劣化を判定してもよい。前述したように、デンドライトによる絶縁異常は継続して生じるものではなく、亜鉛電池11は絶縁異常の発生及び回復を繰り返しつつ寿命に至る。従って、絶縁異常が一度発生したのみでは亜鉛電池11の劣化を判定し難い場合がある。そのような場合であっても、電流増加度の異常(監視事象)が発生した回数nに基づいて亜鉛電池11の劣化を判定することによって、亜鉛電池11の劣化を更に精度良く判定することができる。この場合、判定ステップS13では、監視事象が連続して発生した回数nが、予め定められた閾値Tc以上である場合に、亜鉛電池11が劣化状態であると判定してもよく(図14)、或いは、監視事象が発生した累積の回数nが、予め定められた閾値Tc以上である場合に、亜鉛電池11が劣化状態であると判定してもよい(図13)。
本実施形態のように、亜鉛電池11はニッケル亜鉛電池であってもよい。この場合、本実施形態の判定方法が特に有効であり、上述した効果を顕著に奏することができる。
[変形例]
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。例えば、少なくとも一つのプロセッサにより実行される、亜鉛電池の劣化の判定方法の処理手順は上記実施形態での例に限定されない。例えば、上述したステップ(処理)の一部が省略されてもよいし、別の順序で各ステップが実行されてもよい。また、上述したステップのうちの任意の2以上のステップが組み合わされてもよいし、ステップの一部が修正又は削除されてもよい。あるいは、上記の各ステップに加えて他のステップが実行されてもよい。
蓄電システム1内で二つの数値の大小関係を比較する際には、「以上」および「よりも大きい」という二つの基準のどちらを用いてもよく、「以下」および「未満」の二つの基準のうちのどちらを用いてもよい。このような基準の選択は、二つの数値の大小関係を比較する処理についての技術的意義を変更するものではない。
上記実施形態では統括コントローラ30が亜鉛電池の劣化の判定方法を実行するが、この方法の一部または全部が人手により行われてもよい。
1…蓄電システム、2…供給要素、3…PCS、4…需要要素、6…DCバス、7…ACバス、8…監視コンピュータ、10…蓄電装置、11…亜鉛電池、20…電力変換器、30…統括コントローラ、31…取得部、32…算出部、33…判定部、34…出力部、35…判定規則、40…通信線、41…通信ネットワーク。

Claims (9)

  1. 亜鉛電池のフロート充電中における、亜鉛電池へ流れる電流量の推移を取得する取得ステップと、
    前記電流量の推移における基準値からの電流増加度を算出する算出ステップと、
    前記電流増加度に基づいて前記亜鉛電池の劣化を判定する判定ステップと、
    を含む、亜鉛電池の劣化の判定方法。
  2. 前記判定ステップでは、前記電流増加度が閾値以上である場合に前記亜鉛電池が劣化状態であると判定する、請求項1に記載の亜鉛電池の劣化の判定方法。
  3. 前記判定ステップでは、前記電流増加度が第1閾値以上である場合に、前記亜鉛電池が第1劣化状態であると判定し、前記電流増加度が第2閾値以上かつ前記第1閾値未満である場合に、前記亜鉛電池が、前記第1劣化状態よりも劣化の度合いが小さい第2劣化状態であると判定する、請求項2に記載の亜鉛電池の劣化の判定方法。
  4. 前記算出ステップでは、前記電流量の変動が予め定められた範囲内に収束した時点における前記電流量を前記基準値とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の亜鉛電池の劣化の判定方法。
  5. 前記算出ステップでは、当該フロート充電の直前に行われた放電処理ののちの充電開始から予め定められた時間が経過した時点で取得された前記電流量を前記基準値とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の亜鉛電池の劣化の判定方法。
  6. 前記判定ステップでは、前記電流増加度が閾値以上であるという監視事象が発生した回数に基づいて前記亜鉛電池の劣化を判定する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の亜鉛電池の劣化の判定方法。
  7. 前記判定ステップでは、前記監視事象が連続して発生した回数が、予め定められた閾値以上である場合に、前記亜鉛電池が劣化状態であると判定する、請求項6に記載の亜鉛電池の劣化の判定方法。
  8. 前記判定ステップでは、前記監視事象が発生した累積の回数が、予め定められた閾値以上である場合に、前記亜鉛電池が劣化状態であると判定する、請求項6または7に記載の亜鉛電池の劣化の判定方法。
  9. 亜鉛電池がニッケル亜鉛電池である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の亜鉛電池の劣化の判定方法。
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