JP2020082624A - ガス吸収フィルム - Google Patents

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周 加藤
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Abstract

【課題】金属系化学吸収剤を有し、かつ高温環境下での脆化が抑制されているガス吸収フィルムを提供する。【解決手段】本発明のガス吸収フィルム100a、100bは、ポリプロピレン、及び金属系化学吸収剤12を含有している、ガス吸収層10a、10bを有し、酸素吸収剤22が、ガス吸収層10aに更に含有されており、かつ/又はガス吸収層10bに積層されている酸素吸収層20に含有されている。【選択図】図1

Description

本発明は、ガス吸収フィルムに関する。
従来、食品、医薬品、電子部品、精密機械、記録材料等の分野において、品質劣化を防ぐ目的で、ガス吸収剤を同梱する方法がとられている。また、包装内に別体のガス吸収剤を入れずに、包装材自体にガス吸収機能を持たせるため、吸収剤を包装材自体に含有させることが行われている。
具体的には、酸素を吸収する包装材として、特許文献1では、ポリオレフィン内面材、ポリオレフィンと鉄系酸素吸収剤との組成物から成る酸素吸収層、ポリオレフィン緩衝層、アルミニウム箔、延伸フィルム又は無機蒸着プラスチックフィルムが順次積層されていることを特徴とする酸素吸収性包装材が開示されている。
また、硫化物系のガス、例えば硫化水素、メルカプタン等を吸収する包装材として、特許文献2では、オレフィン系エラストマーを含む第1のスキン層、並びに硫化物を吸着する無機吸着剤及びバインダーを含む吸着層を有する、硫化物系ガス吸着用積層体が開示されている。
この特許文献2で言及されているように、硫化物を吸着するための無機吸着剤としては、金属系化学吸収剤、例えば銅、鉄、亜鉛、マンガン、コバルト、ニッケル、ジルコニウ
ム、及びランタノイド元素から選ばれる少なくとも1種の金属を含む化合物又は塩を用いることが知られている。
特開2000−343661号公報 特開2016−112510号公報
ガス吸収フィルムを用いた包装材の用途によっては、ガス吸収性に加え、高温環境で長期間形状を維持できる耐熱性が求められることがある。この場合には、フィルム化しやすく、かつ耐熱性に優れたポリプロピレン系樹脂を用いることが好ましい。しかしながら、ポリプロピレン系樹脂及び金属系化学吸収剤を用いてガス吸収フィルムを作製し、これを高温環境下に置くと、ガス吸収フィルムが短期間で脆化し、ポリプロピレンの耐熱性を十分に活かせない場合があることを、本発明者らは見出した。
そこで、金属系化学吸収剤を有し、かつ高温環境下での脆化が抑制されているガス吸収フィルムを提供する必要性が存在する。
本発明者らは、鋭意検討したところ、以下の手段により上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記のとおりである:
〈態様1〉ポリプロピレン、及び金属系化学吸収剤を含有している、ガス吸収層を有し、
酸素吸収剤が、前記ガス吸収層に更に含有されており、かつ/又は前記ガス吸収層に積層されている酸素吸収層に含有されている、
ガス吸収フィルム。
〈態様2〉前記金属系化学吸収剤が、銅、コバルト、マンガン、鉄、ニッケル、亜鉛、銀、カルシウム、及びチタンからなる群より選択される少なくとも1つを含有している、態様1に記載のガス吸収フィルム。
〈態様3〉前記酸素吸収剤が、前記ガス吸収層に含有されている、態様1又は2に記載のガス吸収フィルム。
〈態様4〉前記酸素吸収剤が、前記ガス吸収層に積層されている酸素吸収層に含有されている、態様1〜3のいずれか一項に記載のガス吸収フィルム。
〈態様5〉態様1〜4のいずれか一項に記載のガス吸収フィルム、及び前記ガス吸収フィルムに積層されている基材層を具備している、包装用積層体。
〈態様6〉前記基材層が、バリア層及び基材樹脂層を具備している、態様5に記載の包装用積層体。
〈態様7〉内容物を封入している、包装袋であって、
態様1〜4のいずれか一項に記載のガス吸収フィルムが、前記包装袋に更に封入されているか、又は
態様5又は6に記載の包装用積層体が、前記包装袋の少なくとも一部を構成している、
包装袋。
本発明によれば、金属系化学吸収剤を有し、かつ高温環境下での脆化が抑制されているガス吸収フィルムを提供することができる。
図1は、本発明のガス吸収フィルムの側面断面図である。 図2は、本発明の包装用積層体の側面断面図である。
《ガス吸収フィルム》
図1に示すように、本発明のガス吸収フィルム100a、100bは、ポリプロピレン、及び金属系化学吸収剤12を含有している、ガス吸収層10a、10bを有し、
酸素吸収剤22が、ガス吸収層10aに含有されており(図1(a))、かつ/又はガス吸収層10bに積層されている酸素吸収層20に含有されている(図1b)。
本発明者らは、酸素の存在下で、ポリプロピレン系樹脂と金属系化学吸収剤とが接触した状態で、高温環境下に置かれることにより、フィルムの脆化が促進されることを見出した。理論に拘束されることを望まないが、これは、酸化されやすいポリプロピレン系樹脂と酸素との反応が、金属系化学吸収剤が触媒として作用すること、及び高温環境により促進されることによると考えられる。この問題に対し、本発明者らは、上記の構成により、ポリプロピレン系樹脂の脆化の原因である酸素濃度を低減させることにより、上記のフィルムの脆化が抑制できることを見出した。
したがって、本発明のガス吸収フィルムは、高温、例えば50℃以上、60℃以上、70℃以上、80℃以上、又は90℃以上、また150℃以下、140℃以下、130℃以下、120℃以下、又は110℃以下の温度に達し得る環境において用いることができる。したがって、本発明のガス吸収フィルムは、例えば全固体リチウムイオン電池の包装のために用いることができる。
本発明のガス吸収フィルムは、ガス吸収フィルムの各層を構成する材料を、必要に応じて溶融混錬し、これを製膜し、必要に応じて各層を積層することにより製造することができる。
溶融混練は、例えばニーダー、ヘンシェルミキサー、ミキシングロールなどのバッチ式混練機、二軸混練機などの連続混練機などを用いて行うことができる。
製膜は、例えばインフレーション法、Tダイ法、カレンダー法、キャスティング法、熱プレス成形、押出成形又は射出成形等により行うことができる。
積層は、サンドラミネート法等の押出ラミネート法、ヒートシール法、熱プレス成形等により行うことができる。
また、共押出インフレーション法及び共押出Tダイ法等の共押出法により、製膜及び積層を同時に行ってもよい。
以下では、本発明の各構成要素について説明する。
〈ガス吸収層〉
ガス吸収層は、ポリプロピレン系樹脂、及び金属系化学吸収剤を含有している。また、ガス吸収層は、酸素吸収剤を更に含有していてよい。金属系化学吸収剤は、ポリプロピレン系樹脂と接触していてよく、特にポリプロピレン系樹脂に分散していてよい。ガス吸収層は、単層であってもよく、又は積層体であってもよい。また、積層体の場合には、ガス吸収層は、金属系化学吸収剤を含有している層の一方又は両方の側に、ポリプロピレン系樹脂で構成されている層を有していてもよく、この場合、金属系化学吸収剤を含有している層は、以下で言及するポリエチレン系樹脂中に金属系化学吸収剤が分散している層であってもよい。また、金属系化学吸収剤を含有している層は、特にこの層を構成している熱可塑性樹脂中に分散している、酸素吸収剤を更に含有していてよい。
ガス吸収層中における金属系化学吸収剤を含有している層の金属系化学吸収剤の含有率は、良好な吸収能力を確保する観点から、上記の層全体の質量を基準として、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、7質量%以上、又は10質量%以上であることが好ましく、また良好な製膜性を確保する観点から、70質量%以下、65質量%以下、60質量%以下、55質量%以下、又は50質量%以下であることが好ましい。
ガス吸収層における金属系化学吸収剤を含有している層が酸素吸収剤を更に含有している場合、上記の層中の酸素吸収剤の含有率は、良好な吸収能力を確保する観点から、ガス吸収層全体の質量を基準として、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、7質量%以上、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、又は70質量%以上であることが好ましく、また良好な製膜性を確保する観点から、90質量%以下、85質量%以下、又は80質量%以下であることが好ましい。
ガス吸収層の厚さは、1μm以上、2μm以上、3μm以上、5μm以上、10μm以上、20μm以上、又は30μm以上であることが、良好な吸収能力を確保する観点から好ましく、また100μm以下、90μm以下、又は80μm以下であることが、フィルムのしなやかさを確保する観点から好ましい。
(ポリプロピレン系樹脂)
本明細書において、ポリプロピレン系樹脂とは、ポリマーの主鎖にプロピレン基の繰返し単位を、50mol%超、60mol%以上、70mol%以上、又は80mol%以上含む樹脂である。かかるポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレン(PP)ホモポリマー、ランダムポリプロピレン(ランダムPP)、ブロックポリプロピレン(ブロックPP)、塩素化ポリプロピレン、カルボン酸変性ポリプロピレン、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
(金属系化学吸収剤)
金属系化学吸収剤は、銅、コバルト、マンガン、鉄、ニッケル、亜鉛、銀、カルシウム、及びチタンからなる群より選択される少なくとも1つを含有していてよく、特にこれらの単体又は化合物、特にこれらの塩、より特にこれらのケイ酸塩であってよい。
特に好ましい金属系化学吸収剤は、銅、亜鉛、マンガン、コバルト、ニッケルから選択される少なくとも1つの金属を含む金属ケイ酸塩であり、さらに好ましくは金属とケイ素の元素組成(モル)比が、金属/ケイ素=0.60〜0.80の範囲となるものである。このような無機吸着剤は、金属塩とケイ酸アルカリ塩とを反応させて製造することができる。上記金属塩としては、銅、亜鉛、マンガン、コバルト、ニッケルから選ばれる少なくとも1種の金属の、硫酸、塩酸、硝酸等の無機塩、及び/又はギ酸、酢酸、シュウ酸などの有機塩を用いることができる。これらの内で、金属として好ましいのは銅(I)、銅(II)、亜鉛(I)である。上記ケイ酸塩としては、MO・nSiO・xHO(ここで、式中Mは1価アルカリ金属を表し、nは1以上、かつxは0以上である。)の式のケイ酸アルカリ塩をあげることができる。最も好ましい金属ケイ酸塩は、硫酸銅(II)とケイ酸ナトリウムとの反応生成物である銅(II)ケイ酸塩であり、例えば特開2011−104274号公報に記載のものである。例えばケスモンNS−20Cの呼称で東亞合成株式会社から入手可能な銅(II)ケイ酸塩系吸着剤を用いることができる。特に、この金属系化学吸収剤を用いた場合には、特許文献2で言及されているように、硫化水素を良好に吸収することができる。
(酸素吸収剤)
酸素吸収剤としては、例えば酸素欠損を有する金属酸化物、鉄系酸素吸収剤等の無機系酸素吸収剤、並びに金属及び多価フェノールを含有している酸素吸収性金属含有樹脂組成物等が挙げられる。
酸素欠損を有する金属酸化物としては、例えば酸素欠損を有する酸化セリウム、金属欠損を有する二酸化チタン等が挙げられる。中でも、吸収剤として酸素欠損を有する酸化セリウムが、酸素吸収性の観点から好ましい。
酸素欠損を有する金属酸化物についてより具体的に説明する。金属酸化物(MO)の酸素欠損は、強還元雰囲気下での還元処理によって、以下の式(1)で表されるように、金属酸化物の結晶格子中から酸素が強制的に引き抜かれて酸素欠損状態(MO2−x、0<x<2)となることによりもたらされる。還元処理は、例えば水素ガスなどの還元性雰囲気下、1000℃などの高温で熱処理すること等により行うことができる。
MO+xH→MO2−x+xHO ・・・(1)
そして、以下の式(2)に示すように、酸素が欠損した部分が、酸素と反応することにより、無機系酸素吸収剤としての効果が発揮される。
MO2−x+(x/2)O→MO ・・・(2)
上記のxの値は、1.0以下の正の数であることができ、中でも0.7以下の正の数であることが好ましい。上記の式(2)に示すように、金属酸化物は酸素との反応において雰囲気中に水が存在することは必要とされない。したがって、無機系酸素吸収剤として酸素欠損を有する金属酸化物を用いることは、水分を嫌う内容物に特に有効である。
鉄系酸素吸収剤としては、例えば鉄粉(例えば、還元鉄粉、噴霧鉄粉、活性鉄粉等)、酸化第一鉄、第一鉄塩等を用いることができる。
〈酸素吸収層〉
酸素吸収層は、熱可塑性樹脂、及び酸素吸収剤を含有している層である。酸素吸収剤は、熱可塑性樹脂中に分散していてよい。酸素吸収剤としては、ガス吸収層に関して挙げた酸素吸収剤を用いることができる。
酸素吸収層中の酸素吸収剤の含有率は、良好な吸収能力を確保する観点から、酸素吸収層全体の質量を基準として、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、7質量%以上、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、又は70質量%以上であることが好ましく、また良好な製膜性を確保する観点から、90質量%以下、85質量%以下、又は80質量%以下であることが好ましい。
酸素吸収層の厚さは、1μm以上、2μm以上、3μm以上、5μm以上、10μm以上、20μm以上、又は30μm以上であることが、良好な吸収能力を確保する観点から好ましく、また100μm以下、90μm以下、又は80μm以下であることが、フィルムのしなやかさを確保する観点から好ましい。
(熱可塑性樹脂)
酸素吸収層の熱可塑性樹脂としては、例えばポリオレフィンを用いることができる。ポリオレフィンとしては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。
本明細書において、ポリエチレン系樹脂とは、ポリマーの主鎖にエチレン基の繰返し単位を、50mol%超、60mol%以上、70mol%以上、又は80mol%以上含む樹脂である。かかるポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレンを用いてもよく、エチレンと、カルボキシル基又はエステル基を有するエチレン系モノマーとの共重合体を用いてもよい。
ポリプロピレン系樹脂としては、ガス吸収層に関して挙げたポリプロピレン系樹脂を用いることができる。
〈スキン層〉
スキン層は、ガス吸収層及び/又は酸素吸収層の片側又は両側に存在している層であってよい。また、スキン層は、ガス吸収層及び/又は酸素吸収層に融着されていてもよい。
スキン層は、金属系化学吸収剤及び/又は酸素吸収剤の脱落や内容物への接触を防止することができる。また、スキン層は、金属系化学吸収剤及び酸素吸収剤を含有していない層であってよい。
スキン層は、例えばポリオレフィンで構成されていてよい。ポリオレフィンとしては、例えば酸素吸収層に関して挙げたポリオレフィンを用いることができる。
スキン層の厚さは、1μm以上、3μm以上、5μm以上、又は7μm以上であることができ、また50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、又は15μm以下であることができる。
《包装用積層体》
図2に示すように、本発明の包装用積層体200a、200bは、上記のガス吸収フィルム100a、100b、及び上記のガス吸収フィルム100a、100bに積層されている基材層30を具備している。
より具体的には、図2(a)に示すように、酸素吸収剤22が、ガス吸収層10aの中に更に分散している場合には、包装用積層体200aは、上記のガス吸収フィルム100a、及びガス吸収層10aに積層されている、基材層30を具備している。
また、図2(b)に示すように、酸素吸収剤22が、ガス吸収層10bに積層されている酸素吸収層20に含有されている場合には、包装用積層体200bは、上記のガス吸収フィルム100b、及びガス吸収層10b又は酸素吸収層20に積層されている、基材層30を具備している。
いずれの態様においても、基材層30は、バリア層32及び基材樹脂層34を具備していてよい。
本発明の包装用積層体は、種々の包装用途のために用いることができ、例えば全固体電池のためのラミネートフィルムとして用いることができる。
〈基材層〉
基材層は、バリア性を有する層である。また、基材層は、バリア層及び基材樹脂層を有していてよい。
基材層とガス吸収層又は酸素吸収層との積層、及び基材層を構成することができる下記の層の積層は、例えば接着層を介して行うことができる。接着層としては、例えばドライラミネート接着剤、アンカーコート接着剤、ホットメルト接着剤、水溶性接着剤、エマルション接着剤、ノンソルベントラミネート接着剤、及び押出ラミネート用の熱可塑性樹脂等を用いることができる。
(バリア層)
バリア層としては、外部からの水分、有機ガス、及び酸素等の無機ガスが機能層へと透過することを抑制することができる材料を用いることができる。バリア層としては、例えば、これに限られないが、アルミニウム箔、若しくはアルミニウム合金等の金属箔、アルミニウム蒸着膜、シリカ蒸着膜、アルミナ蒸着膜、若しくはシリカ・アルミナ二元蒸着膜等の無機物蒸着膜、又はポリ塩化ビニリデンコーティング膜、若しくはポリフッ化ビニリデンコーティング膜等の有機物コーティング膜を用いることができる。特に、バリア性及び取り扱い性を両立させやすくする観点から、バリア層としては、アルミニウム箔を用いることが好ましい。
バリア層の厚さは、7μm以上、10μm以上、又は15μm以上であることが、強度及びバリア性を確保する観点から好ましく、また45μm以下、40μm以下、又は35μm以下であることが、取り扱い性を向上させる観点から好ましい。
(基材樹脂層)
基材樹脂層としては、耐衝撃性、耐摩耗性等に優れた熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィン、ビニル系ポリマー、ポリエステル、ポリアミド等を単独で、又は2種類以上組み合わせて複層で使用することができる。この基材樹脂層は、延伸フィルムであっても、無延伸フィルムであってもよい。また、この基材樹脂層は、バリア層の片面又は両面に存在していても良い。この基材樹脂層により、バリア層を保護することができる。
ポリオレフィンとしては、例えば酸素吸収層に関して挙げたポリオレフィンを用いることができる。
ビニル系ポリマーとしては、例えばポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル(PAN)等が挙げられる。
ポリエステルとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
ポリアミドとしては、例えばナイロン(登録商標)6、ナイロンMXD6等のナイロン等が挙げられる。
基材樹脂層の厚さは、7μm以上、10μm以上、又は15μm以上であることが、バリア層を良好に保護する観点から好ましく、また55μm以下、50μm以下、又は45μm以下であることが、取り扱い性を向上させる観点から好ましい。
《包装袋》
本発明の包装袋は、内容物を封入している、包装袋であって、
上記のガス吸収フィルムが、包装袋に更に封入されているか、又は
上記の包装用積層体が、包装袋の少なくとも一部を構成している。
〈内容物〉
内容物としては、外気との接触によって劣化しうる物であれば限定されるものではなく、薬剤の他、食品、化粧品、医療器具、医療機器、電子部材、精密機械、記録材料等を挙げることができる。また、薬剤としては、医薬品製剤の他、洗浄剤、農薬等を含む。
中でも、内容物が電子部材、特に硫化物系固体電解質を用いる全固体リチウムイオン電池である場合には、使用時の発熱に耐えることができる耐熱性、及び硫化物系固体電解質により発生する硫化水素の処理能力が要求されることとなるため、本発明の包装袋がより有益となる。
実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
《サンプルの作製》
〈比較例1〉
熱可塑性樹脂としてのポリプロピレン(ノバテックFL02A、日本ポリプロ株式会社)90質量部と、金属系化学吸収剤としての銅(II)ケイ酸塩系吸着剤(ケスモンNS−20C、東亞合成株式会社)10質量部とをバンバリーミキサーにより、190℃で10分間混錬し、これを所定の質量に切り分け、そして熱プレス成型(プレス温度190℃、圧力40MPa、プレス時間2分)することにより、厚さ100μmの比較例1のフィルムを作製した。
〈比較例2〉
熱可塑性樹脂として、別のポリプロピレン(ノバテックFG3DC、日本ポリプロ株式会社)を用いたことを除き、比較例1と同様にして、厚さ100μmの比較例2のフィルムを作製した。
〈実施例1〉
熱可塑性樹脂としてのポリプロピレン(ノバテックFG3DC、日本ポリプロ株式会社)25質量部と、酸素吸収剤としての酸素欠損を有する酸化セリウムCeO2−x(x=0.5)75質量部とをバンバリーミキサーにより、190℃で10分間混錬して、酸素吸収層用マスターバッチを作製し、これを所定の質量に切り分け、そして熱プレス成型(プレス温度190℃、圧力40MPa、プレス時間2分)することにより、厚さ100μmの酸素吸収フィルムを作製した。
作製した酸素吸収フィルムと、比較例1のフィルムとを重ね合わせ、そして熱プレス成型(プレス温度190℃、圧力40MPa、プレス時間2分)することにより、厚さ200μmの実施例1のフィルムを作製した。
〈実施例2〉
上記の酸素吸収用マスターバッチ90質量部と、金属系化学吸収剤としての銅(II)ケイ酸塩系吸着剤(ケスモンNS−20C、東亞合成株式会社)10質量部とをバンバリーミキサーにより、190℃で10分間混錬し、これを所定の質量に切り分け、そして熱プレス成型(プレス温度190℃、圧力40MPa、プレス時間2分)することにより、厚さ100μmの実施例2のフィルムを作製した。
《評価》
〈フィルムとしての評価〉
作製した各フィルムをそれぞれ5cm角にカットし、それぞれ体積22mlのガラス容器に封入した。これを、酸素吸収フィルムが容器内の酸素を吸収するのに十分な時間放置し、その後この容器を100℃のオーブンに入れ、5日間保管した。
保管後、容器中のフィルムを取り出し、フィルムを180°折り曲げた際の表面の割れを目視観察した。評価基準は以下のとおりである。
A:ひび及び割れが生じていない
B:ひびが生じた
C:割れが生じた
〈包装用積層体としての評価〉
作製した各フィルムのガス吸収層側に、バリア層としての厚さ9μmのアルミニウム箔を接着し、ここに基材樹脂層としての厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)を接着して、包装用積層体を作製した。接着は、タケラックA525S(三井化学株式会社)と、タケネートA52(三井化学株式会社)と、酢酸エチルを所定の配合で混ぜ、塗布量3g/mとなるようにハンドコーターにて塗布し、圧着させることにより行った。
作製した包装用積層体を5mm角にカットし、上記と同様の試験を行った。
実施例及び比較例の構成及び評価結果を以下の表1に示す。
Figure 2020082624
表1から、酸素吸収剤を有しない、比較例1〜2のフィルム及び包装用積層体は、割れ又はひびが生じていたのに対し、酸素吸収剤を有する実施例1〜2のフィルム及び包装用積層体は、ひび及び割れが生じていないことが理解できよう。
なお、表には示していないが、実施例1のフィルムの酸素吸収層側に基材層を積層させて同様の試験を行ったところ、ひび及びわれのいずれに関しても、実施例1の包装用積層体と同一の結果が得られた。このことから、本発明の包装用積層体は、酸素と接している層がいずれの層であるかに関わらず、ひび及び割れを抑制できることが理解できよう。
10a、10b ガス吸収層
12 金属系化学吸収剤
20 酸素吸収層
22 酸素吸収剤
30 基材層
32 バリア層
34 基材樹脂層
100a、100b ガス吸収フィルム
200a、200b 包装用積層体

Claims (7)

  1. ポリプロピレン、及び金属系化学吸収剤を含有している、ガス吸収層を有し、
    酸素吸収剤が、前記ガス吸収層に更に含有されており、かつ/又は前記ガス吸収層に積層されている酸素吸収層に含有されている、
    ガス吸収フィルム。
  2. 前記金属系化学吸収剤が、銅、コバルト、マンガン、鉄、ニッケル、亜鉛、銀、カルシウム、及びチタンからなる群より選択される少なくとも1つを含有している、請求項1に記載のガス吸収フィルム。
  3. 前記酸素吸収剤が、前記ガス吸収層に更に含有されている、請求項1又は2に記載のガス吸収フィルム。
  4. 前記酸素吸収剤が、前記ガス吸収層に積層されている酸素吸収層に含有されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のガス吸収フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス吸収フィルム、及び前記ガス吸収フィルムに積層されている基材層を具備している、包装用積層体。
  6. 前記基材層が、バリア層及び基材樹脂層を具備している、請求項5に記載の包装用積層体。
  7. 内容物を封入している、包装袋であって、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス吸収フィルムが、前記包装袋に更に封入されているか、又は
    請求項5又は6に記載の包装用積層体が、前記包装袋の少なくとも一部を構成している、
    包装袋。
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