JP2020078210A - 電力変換装置 - Google Patents

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卓郎 新井
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慧 関口
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Hiroshi Mochikawa
宏 餅川
洋一 森島
Yoichi Morishima
洋一 森島
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Abstract

【課題】 所望の電力変換が可能な電力変換装置を提供する。【解決手段】 実施形態による電力変換装置は、第1および第2直流コンデンサC1、C2と、第1直流コンデンサC1に並列に接続した第1レグL1と、第2直流コンデンサC2に並列に接続した第2レグL2と、第1レグL1の出力端子と交流負荷と接続する交流端子との間に直列に接続した複数の単位変換器Cを含む正側アームA1と、第2レグL2の出力端子と交流端子との間に直列に接続した複数の単位変換器Cを含む負側アームA2と、単位変換器CのセルコンデンサCAの電圧平均値を所定の値とする第1操作量電流値と、第1および第2直流コンデンサC1、C2の電圧平均値を所定の値とする第2操作量電流値と、の和を演算し、電流Ipと電流Inとの検出値から交流電流成分Iacを演算し、交流電流成分Iacが和を含む指令値に追従するようにゲート信号を生成する制御回路CNTと、を備える。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、電力変換装置に関する。
従来、交流電力を直流電力へ、または、直流電力を交流電力へ変換する電力変換装置は、三相2レベル変換器が適用されてきた。三相2レベル変換器は、直流電力を三相交流電力へ変換して出力する電力変換装置を構成する上で、必要最小限の6つの半導体スイッチング素子で構成することができるため、電力変換装置の小型化および低コスト化を実現することができる。
一方、その出力電圧波形は、例えば入力直流電圧をVdcとしたとき、相ごとに、+Vdc/2と、−Vdc/2の2値の切替(スイッチング)をPWM(パルス幅変調)で行うことにより、擬似的に生成された交流波形となっており、多分にスイッチングに起因する高調波電圧を含んでいる。このため、電力変換装置の三相交流電力の出力経路にリアクトルやコンデンサで構成されるフィルタを挿入し、スイッチングによる高調波を低減する対策が取られている。
しかしながら、電力系統と電力変換装置とを接続する場合、電力系統へ流れ出す高調波成分が他の機器に悪影響を及ぼさないレベルまで低減するためには、高調波を低減するためのフィルタ容量を大きくする必要があり、電力変換装置のコスト上昇と、重量増加とを招いていた。
スイッチング周波数を高くすることにより、高調波を低減するためのフィルタを小型化することが可能であるが、スイッチング周波数が高くなることによりスイッチングに伴う損失が増大し、電力ロスが大きくなるのみならず、電力変換装置の冷却性能を向上させる必要が生じる。屋外等で使用される電力変換装置は、冷却ファンを設置することが困難である可能性がある。その場合には、冷却部が大型化するために電力変換装置全体を小型化することが困難となる。
これに対し、コンデンサと半導体スイッチとを有した単位変換器を多段接続した構成を備え電力変換器であって、電力系統電圧や配電系統電圧と同等の高電圧を変換可能なモジュラー・マルチレベル変換器(MMC:Modular Multilevel Converter)の研究開発が進められている。
この電力変換器が実用化されると、多レベル化により、出力電圧波形および出力電流波形が正弦波波形に近づくため、高調波フィルタが不要になるメリットが得られる。さらに、複数の単位変換器のスイッチングタイミングを互いにずらすことにより、低いスイッチング周波数で従来と同じ出力波形を得ることが可能となるため、スイッチング損失を低減することも可能になる。
MMCの単位変換器の数を減らす回路として、例えば、中性点クランプ形モジュラー・マルチレベル変換器(以下、NPC−MMC(Neutral Point Clamped Modular Multilevel Converter)という。)が提案されている。NPC−MMCは、直流側の電圧を2つのコンデンサで分圧し、それぞれのコンデンサと並列に接続した半導体スイッチで構成されるレグを含む高圧チョッパを備え、高圧チョッパの交流端子に単位変換器を多段接続して構成される。この構成により、従来のMMCと比較して、単位変換器の数をおよそ半分に削減することができる。
特開2015−146692号公報
萩原 誠、赤木 泰文 著、「モジュラー・マルチレベル変換器(MMC)のPWM制御法と動作検証」、電気学会論文誌D,128巻7号,2008
上記のように、NPC−MMCは、直流側に2つの直流コンデンサを有する。直流コンデンサは、直流側へ電力供給する場合やコンデンサ自身の漏れ電流などで放電してしまうため、2つの直流コンデンサの電圧を維持する必要がある。
また、上記NPC−MMCは、直流側が電圧源に接続された場合、直流コンデンサから放電された電力は、電圧源から供給される。しかしながら、電流源や負荷、または、電流源動作させるよう制御されている制御電圧源が直流側に接続される場合、直流コンデンサの放電に伴い直流側へ供給する電圧が低下し、所望の電力変換動作ができなくなる可能性があった。
さらに、高調波の少ない出力電力を得るためには、単位変換器に含まれるセルコンデンサも同様に電圧を維持する必要がある。すなわち、直流コンデンサおよびセルコンデンサを同時に電圧維持することが要求される。
本発明の実施形態は、スイッチングによる高調波および損失を抑制するとともに、所望の電力変換が可能な電力変換装置を提供することを目的とする。
実施形態による電力変換装置は、第1直流コンデンサと、前記第1直流コンデンサと直列に接続した第2直流コンデンサと、前記第1直流コンデンサに並列に接続した第1スイッチングレグと、前記第2直流コンデンサに並列に接続した第2スイッチングレグと、前記第1スイッチングレグの出力端子と交流負荷と接続する交流端子との間に直列に接続した複数の単位変換器を含む正側アームと、前記第2スイッチングレグの出力端子と前記交流端子との間に直列に接続した複数の単位変換器を含む負側アームと、前記単位変換器に含まれるセルコンデンサの電圧の平均値を所定の値とする第1フィードバック操作量電流値と、前記第1直流コンデンサおよび前記第2直流コンデンサの電圧の平均値を所定の値とする第2フィードバック操作量電流値と、の和を演算し、前記正側アームに流れる電流と前記負側アームに流れる電流との検出値から、前記交流端子に流れる交流電流成分を演算し、前記交流電流成分が前記和を含む指令値に追従するように前記第1スイッチングレグと、前記第2スイッチングレグと、複数の前記単位変換器とのゲート信号を生成する制御回路と、を備える。
図1は、第1実施形態の電力変換装置の一構成例を概略的に示す図である。 図2は、図1に示す電力変換装置の単位変換器の一構成例を概略的に示す図である。 図3は、第1実施形態の電力変換装置の動作の一例を説明するための図である。 図4は、第1実施形態の電力変換装置の制御回路の一構成例を概略的に示す図である。 図5は、第2実施形態の電力変換装置の制御回路の一構成例を概略的に示す図である。 図6は、第3実施形態の電力変換装置の制御回路の一構成例を概略的に示す図である。 図7は、第4実施形態の電力変換装置の制御回路の一構成例を概略的に示す図である。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態の電力変換装置の一構成例を概略的に示す図である。
本実施形態の電力変換装置20は、正側直流端子TAと、負側直流端子TBと、三相交流端子TU、TV、TWと、を備え、交流負荷10と直流負荷(図示せず)との間に接続可能である。直流負荷は、例えば、太陽光発電システムや、UPS(Uninterruptible Power Supply:無停電電源装置)のような直流電源や、バッテリや、他の電力変換装置等である。
電力変換装置20は、第1直流コンデンサC1と、第2直流コンデンサC2と、第1スイッチングレグL1U、L1V、L1Wと、第2スイッチングレグL2U、L2V、L2Wと、正側アームA1U、A1V、A1Wと、第1バッファリアクトルLAU、LAV、LAWと、負側アームA2U、A2V、A2Wと、第2バッファリアクトルLBU、LBV、LBWと、計器用変圧器22と、制御装置CNTと、を備えている。
第1直流コンデンサC1と第2直流コンデンサC2とは、正側直流端子TAと負側直流端子TBとの間において、直列に接続されている。第1直流コンデンサC1と第2直流コンデンサとの間は中性点電位となる。
第1スイッチングレグL1U、L1V、L1Wは、第1直流コンデンサC1と並列に接続している。第2スイッチングレグL2U、L2V、L2Wは、第2直流コンデンサC2と並列に接続している。
なお、本実施形態の電力変換装置20では、第1直流コンデンサC1と第2直流コンデンサC2とは、三相に共有されているが、三相それぞれに2つの直流コンデンサが並列接続されていてもよい。
第1スイッチングレグL1U、L1V、L1Wのそれぞれは、第1スイッチング素子S1U、S1V、S1Wと、第2スイッチング素子S2U、S2V、S2Wと、を備えている。
第2スイッチングレグL2U、L2V、L2Wのそれぞれは、第3スイッチング素子S3U、S3V、S3Wと、第4スイッチング素子S4U、S4V、S4Wと、を備えている。
第1スイッチング素子S1U、S1V、S1Wと、第2スイッチング素子S2U、S2V、S2Wとは、正側直流端子TAと中性点電位との間において、直列に接続されている。すなわち、第1スイッチング素子S1U、S1V、S1Wと、第2スイッチング素子S2U、S2V、S2Wとは第1直流コンデンサC1と並列に接続されている。
第3スイッチング素子S3U、S3V、S3Wと、第4スイッチング素子S4U、S4V、S4Wとは、負側直流端子TBと中性点電位との間において、直列に接続されている。すなわち、第3スイッチング素子S3U、S3V、S3Wと、第4スイッチング素子S4U、S4V、S4Wとは第2直流コンデンサC2と並列に接続されている。
第1スイッチング素子S1U、S1V、S1Wと、第2スイッチング素子S2U、S2V、S2Wと、第3スイッチング素子S3U、S3V、S3Wと、第4スイッチング素子S4U、S4V、S4Wとは、例えば、IGBT(insulated gate bipolar transistor)やMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)等の自己消弧型素子である。
正側アームA1U、A1V、A1Wと負側アームA2U、A2V、A2Wとのそれぞれは、直列に接続された複数の単位変換器Cを備えている。
正側アームA1U、A1V、A1Wと負側アームA2U、A2V、A2Wとは、第1スイッチング素子S1U、S1V、S1Wと、第2スイッチング素子S2U、S2V、S2Wとの間の第1出力端子O1U、O1V、O1Wと、第3スイッチング素子S3U、S3V、S3Wと、第4スイッチング素子S4U、S4V、S4Wとの間の第2出力端子O2U、O2V、O2Wとの間において、第1バッファリアクトルLAU、LAV、LAW、および第2バッファリアクトルLBU、LBV、LBWを介して直列に接続している。
なお、図1に示す電力変換装置20の例では、正側アームA1U、A1V、A1Wと負側アームA2U、A2V、A2Wとは、第1バッファリアクトルLAU、LAV、LAW、および第2バッファリアクトルLBU、LBV、LBWを介して接続しているが、例えば、結合リアクトルや変圧器を介して接続してもよく、直接接続してもよい。
正側アームA1U、A1V、A1Wと負側アームA2U、A2V、A2Wとは、バッファリアクトルLAU、LAV、LAWとバッファリアクトルLBU、LBV、LBWとの間の交流端子TU、TV、TWにおいて、交流負荷10と電気的に接続される。
計器用変圧器22は、交流負荷10と電力変換装置20との間を接続する交流ラインの交流電圧を制御回路CNTで利用可能な電圧に変換して、制御回路CNTへ出力する。
制御回路CNTは、外部から供給される指令値にしたがって、電力変換装置20の出力電力が所定の値となるように、第1スイッチング素子S1U、S1V、S1Wと、第2スイッチング素子S2U、S2V、S2Wと、第3スイッチング素子S3U、S3V、S3Wと、第4スイッチング素子S4U、S4V、S4Wと、正側アームA1U、A1V、A1Wと、負側アームA2U、A2V、A2Wと、の動作を制御する。
制御回路CNTは、例えば、CPU(central processing unit)やMPU(micro processing unit)などのプロセッサを少なくとも1つと、プロセッサにより実行されるプログラムが記録されるメモリと、を備え、ソフトウエアにより動作するように構成されてもよい。制御回路CNTの構成については、後に図面を参照して詳細に説明する。
図2は、図1に示す電力変換装置の単位変換器の一構成例を概略的に示す図である。
単位変換器Cは、第1セルスイッチング素子SAと、第2セルスイッチング素子SBと、セルコンデンサCAと、コンデンサ電圧検出回路VSと、を備えている。
第1セルスイッチング素子SAと第2セルスイッチング素子SBとは直列に接続されている。第1セルスイッチング素子SAと第2セルスイッチング素子SBとは、例えば、IGBT(insulated gate bipolar transistor)やMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)等の自己消弧型素子である。
セルコンデンサCAは、第1セルスイッチング素子SAおよび第2セルスイッチング素子SBと、並列に接続している。
単位変換器Cは、第1セルスイッチング素子SAと第2セルスイッチング素子SBとの間(第1端子T1)にて、高電位側に接続する単位変換器Cの第2セルスイッチング素子SBのソース(第2端子T2)と電気的に接続する。最も高電位側の単位変換器Cの第1端子T1は、第1出力端子O1U、O1V、O1Wと電気的に接続される。最も低電位側の単位変換器Cの第2端子T2は、第2出力端子O2U、O2V、O2Wと電気的に接続される。
コンデンサ電圧検出回路VSは、セルコンデンサCAの電圧を検出し、電圧値(又は電圧相当値)を制御回路CNTへ出力する。
セルコンデンサCAの電圧をVcとすると、第1セルスイッチング素子SAをオン、第2セルスイッチング素子SBをオフしたときに、単位変換器Cの出力はVc[V]となり、第1セルスイッチング素子SAをオフ、第2セルスイッチング素子SBをオンしたときに、単位変換器Cの出力は0[V]となる。
なお、単位変換器Cの構成は図2示したものに限定されるものではなく、スイッチング素子とセルコンデンサとを有し、スイッチ状態で出力電圧を切り替えられるものであれば他の構成でも構わない。例えば、単位変換器Cは、4つのスイッチング素子とセルコンデンサとを備えたフルブリッジ回路であってもよい。
次に、本実施形態の電力変換装置20の動作の一例について説明する。
図3は、第1実施形態の電力変換装置の動作の一例を説明するための図である。
ここでは、電力変換装置20が出力する交流相電圧Vac、第1スイッチングレグL1U、L1V、L1Wの出力電圧Vp、第2スイッチングレグL2U、L2V、L2Wの出力電圧Vn、正側アームA1U、A1V、A1Wの出力電圧Varmp、負側アームA2U、A2V、A2Wの出力電圧Varmn、正側アームA1U、A1V、A1Wの電流Ip、および、負側アームA2U、A2V、A2Wの電流Inについて、時系列に沿った変化の一例を示している。
なお、Iacは、交流端子TU、TV、TWの電流(または交流電流成分)であり、Vdcは、直流側の電圧(正側直流端子TAと負側直流端子TBとの間の電圧)であり、Idcは、直流側の電流である。
第1スイッチング素子S1U、S1V、S1Wおよび第3スイッチング素子S3U、S3V、S3Wは、電力変換装置20の出力交流電圧Vacが正である1/2周期(0<ωt<π)にてオンとなり、出力交流電圧Vacが負である1/2周期(π<ωt<2π)にてオフとなる。
これにより、第1スイッチングレグL1U、L1V、L1Wの出力電圧Vpは、出力交流電圧Vacが正となる1/2周期では、第1直流コンデンサC1の電圧と等しくなり、出力交流電圧Vacが負となる1/2周期ではゼロとなる。
第2スイッチング素子S2U、S2V、S2Wおよび第4スイッチング素子S4U、S4V、S4Wは、電力変換装置20の出力交流電圧Vacが負である1/2周期にてオンとなり、出力交流電圧Vacが正である1/2周期にてオフとなる。
これにより、第2スイッチングレグL2U、L2V、L2Wの出力電圧Vnは、出力交流電圧Vacが正となる1/2周期ではゼロとなり、出力交流電圧Vacが負となる1/2周期では第2直流コンデンサC2の電圧と等しくなる。
第1出力端子O1U、O1V、O1Wと第2出力端子O2U、O2V、O2Wとの間には、交流電圧が正の1/2周期では、第1直流コンデンサC1の電圧が出力され、負の1/2周期では、第2直流コンデンサC2の電圧が出力される。
第1直流コンデンサC1の電圧と第2直流コンデンサC2の電圧とは、正側直流端子TAと負側直流端子TBとの間の直流電圧Vdcのおよそ1/2の電圧であるため、第1出力端子O1U、O1V、O1Wと第2出力端子O2U、O2V、O2Wとの間電圧は、直流電圧Vdcのおよそ1/2となる。
すなわち、第1スイッチングレグL1U、L1V、L1Wの出力電圧Vpは、下記式にて表すことができる。
Vp=Vdc/2 (0<wt<π)
=0 (π<wt<2π)
また、第2スイッチングレグL2U、L2V、L2Wの出力電圧Vnは、下記式にて表すことができる。
Vn=0 (0<wt<π)
=−Vdc/2 (π<wt<2π)
一方、単位変換器Cから構成される正側アームおよび負側アームは、図3に示すような所望の電圧Varmp、Varmnが出力できるように、単位変換器Cのオンオフ時比率(デューティ)が適宜調整される。たとえば、制御回路CNTは、単位変換器Cの出力指令値と三角波とを比較するPWM(Pulse Width Modulation)技術を用いることにより、単位変換器Cの第1セルスイッチング素子SAと第2セルスイッチング素子SBとのゲート信号を生成することができる。このとき、各単位変換器Cの三角波キャリアの位相を適切にずらすことにより、高調波が少ない電圧を出力させることができる。
ここで、説明のため、直流側の基準電位を正側直流端子TAと負側直流端子TBの中性点電位とすると、正側アームA1U、A1V、A1Wの出力電圧Varmpは、下記式にて表すことができる。
Varmp=Vdc/2−Vac (0<wt<π)
=−Vac (π<wt<2π)
また、負側アームA2U、A2V、A2Wの出力電圧Varmnは、下記式にて表すことができる。
Varmn=Vac (0<wt<π)
=Vdc/2+Vac (π<wt<2π)
上記のように第1スイッチングレグL1U、L1V、L1W、第2スイッチングレグL2U、L2V、L2W、正側アームA1U、A1V、A1W、および、負側アームA2U、A2V、A2Wを動作させることにより、電力変換装置20の交流相電圧Vacを所望の値とすることができる。
次に、正側アームA1U、A1V、A1Wの電流Ipと、負側アームA2U、A2V、A2Wの電流Inとについて説明する。
本実施形態の電力変換装置20は、例えば、正側アームA1U、A1V、A1Wの電流Ipと負側アームA2U、A2V、A2Wの電流Inとを検出する電流検出器を備えている。
正側アームA1U、A1V、A1Wの電流Ipと、負側アームA2U、A2V、A2Wの電流Inとは、下記変数変換式により、交流電流成分Iacと循環電流成分Izとに分離することができる。
Iac=Ip−In
Iz =(Ip+In)/2
交流電流成分Iacは、交流端子TU、TV、TWから外に出る成分である。一方、循環電流成分Izは、交流端子TU、TV、TWから外に出ない成分で、仮想的な電流である。本実施形態では、交流電流成分Iacは、外部から交流端子TU、TV、TWへ向かって流れる方向を正とし、循環電流成分Izは、負側アームA2U、A2V、A2Wから正側アームA1U、A1V、A1Wへ向かって流れる方向を正とする。
正側アームA1U、A1V、A1Wの電流Ipと、負側アームA2U、A2V、A2Wの電流Inとは、交流電流成分Iacと循環電流成分Izとを用いて、下記式で表すことができる。
Ip=Iac/2+Iz
In=−Iac/2+Iz
次に、本実施形態の電力変換装置20の制御回路CNTの構成例について説明する。
図4は、第1実施形態の電力変換装置の制御回路の一構成例を概略的に示す図である。
本実施形態では、制御回路CNTは、セルコンデンサ電圧平均値制御部31と、直流コンデンサ電圧制御部32と、交流電流制御部33と、循環電流制御部34と、コンパレータCOMと、PWM制御部35、36と、切替器SP、SNと、セルコンデンサ電圧バランス制御部37と、直流コンデンサ電圧バランス制御部38と、加算器AD1−AD5と、乗算器M1、M2と、を備えている。
セルコンデンサ電圧平均値制御部31は、減算器(第1減算器)S1と、乗算器(第1乗算器)G1と、を備えている。
減算器S1は、外部から入力されるセルコンデンサ電圧指令値から、セルコンデンサ電圧Vcの平均値Vcaveを引いた差を出力する。
なお、セルコンデンサ電圧の平均値Vcaveは、制御回路CNTにて演算することができる。セルコンデンサ電圧平均値Vcaveは、たとえば、正側アームA1U、A1V、A1Wと負側アームA2U、A2V、A2WとのそれぞれがN個の単位変換器Cを備えるとき、全部で6N個の単位変換器CのセルコンデンサCAの電圧Vcの平均値であって、下記式のように表すことができる。
Vcave=((Vcup1+…VcupN)+(Vcun1+…VcunN)+…+(Vcwn1+…VcwnN))/(6N)
乗算器G1は、減算器S1から出力された値と所定のゲインとの積を出力する。乗算器G1の出力値は、セルコンデンサ電圧のフィードバック操作量電流(第1フィードバック操作量電流)の値である。乗算器G1で乗じられるゲインは、応答性や安定性を鑑みて設定される。
セルコンデンサ電圧平均値制御部31は、例えば、セルコンデンサ電圧指令値と、セルコンデンサ電圧平均値との差がゼロとなるように制御する比例制御回路又は比例積分回路である。
直流コンデンサ電圧制御部32は、減算器(第2減算器)S2と、乗算器(第2乗算器)G2と、を備えている。
減算器S2は、外部から入力される直流コンデンサ電圧指令値から、直流コンデンサ電圧平均値を引いた差を出力する。なお、直流コンデンサ電圧の平均値は、制御回路CNTにて演算することができる。
乗算器G2は、減算器S2から出力された値と所定のゲインとの積を出力する。乗算器G2の出力値は、直流コンデンサ電圧のフィードバック操作量電流(第2フィードバック操作量電流)の値である。乗算器G2にて乗じられるゲインは、応答性や安定性を鑑みて設定される。
直流コンデンサ電圧制御部32は、例えば、直流コンデンサ電圧指令値と、直流コンデンサ電圧平均値との差がゼロとなるように操作量を出力する比例制御回路又は比例積分制御回路である。
直流コンデンサ電圧バランス制御部38は、第1直流コンデンサC1と第2直流コンデンサC2との電圧値を一致させる、つまりバランスさせる操作量を出力する。例えば、直流コンデンサ電圧バランス制御部38は、第1直流コンデンサC1と第2直流コンデンサC2との電圧値との差がゼロとする操作量を出力する。
セルコンデンサ電圧バランス制御部37は、すべてのセルコンデンサCAの電圧Vcを一致させる、つまりバランスさせる操作量を出力する。例えば、セルコンデンサ電圧バランス制御部37は、正側アームの単位変換器CのセルコンデンサCAと、負側アームの単位変換器CのセルコンデンサCAとの差がゼロとする操作量を出力する。
加算器AD1は、直流コンデンサ電圧制御部32の出力(直流コンデンサ電圧フィードバック操作量電流)と、セルコンデンサ電圧平均値制御部31の出力(セルコンデンサ電圧フィードバック操作量電流)との値を加算した和を交流電流制御部33へ出力する。
なお、直流コンデンサ電圧制御部32は、直流端子TA、TB間に電圧源(若しくは電圧源動作する回路)が接続されるときには、直流コンデンサC1、C2の電圧のフィードバック操作量電流をゼロとする。
交流電流制御部33は、検出された正側アーム電流Ipと負側アーム電流Inとの値から演算される交流電流成分Iac(=Ip−In)を演算し、交流電流成分Iacが入力される電流指令値(加算器AD1の出力値)に一致するように、電圧指令値Vacを演算する。
交流電流制御部33の出力値(電圧指令値Vac)は、コンパレータCOMと、乗算器M2と、切替器SNと、加算器AD3とに入力される。
加算器AD5は、直流コンデンサ電圧制御部32の出力値(直流コンデンサ電圧のフィードバック操作量電流)と、加算器AD4の出力値とを加算して循環電流制御部34へ出力する。
加算器AD4は、セルコンデンサ電圧バランス制御部37の出力値と、直流コンデンサ電圧バランス制御部38の出力値とを加算して出力する。
循環電流制御部34は、検出された正側アーム電流Ipと負側アーム電流Inとの値から循環電流成分Iz(=(Ip+In)/2)を演算し、外部から入力される指令値電流を満たす循環電流成分Izを実現するように、電圧指令値Vdcを出力する。
コンパレータCOMは、電圧指令値Vacと基準電位とを比較して、第1スイッチング素子S1U、S1V、S1Wと、第2スイッチング素子S2U、S2V、S2Wと、第3スイッチング素子S3U、S3V、S3Wと、第4スイッチング素子S4U、S4V、S4Wとのゲート信号を出力する。
すなわち、コンパレータCOMは、電圧指令値Vacが正(基準電圧より大きい)ときに第1スイッチング素子S1U、S1V、S1Wおよび第3スイッチング素子S3U、S3V、S3Wをオンし、電圧指令値Vacが負(基準電圧より小さい)ときに第1スイッチング素子S1U、S1V、S1Wおよび第3スイッチング素子S3U、S3V、S3Wをオフするゲート信号を出力する。
また、コンパレータCOMは、電圧指令値Vacが負(基準電圧より小さい)ときに第2スイッチング素子S2U、S2V、S2Wおよび第4スイッチング素子S4U、S4V、S4Wをオンし、電圧指令値Vacが正(基準電圧より大きい)ときに第2スイッチング素子S2U、S2V、S2Wおよび第4スイッチング素子S4U、S4V、S4Wをオフするゲート信号を出力する。
乗算器M2は、交流電流制御部33から入力された電圧指令値Vacに−1を乗じた値を、加算器AD2および切替器SPへ出力する。
乗算器M1は、循環電流制御部34から入力された電圧指令値Vdcに1/2を乗じた値を、加算器AD2、AD3および切替器SNへ出力する。
加算器AD2は、乗算器M2から入力された値(−Vac)と乗算器M1から入力された値(Vdc/2)とを加算して切替器SPへ出力する。
加算器AD3は、交流電流制御部33から出力された電圧指令値Vacと、乗算器M1から入力された値(Vdc/2)とを加算して、切替器SNへ出力する。
切替器SP、SNは、コンパレータCOMの出力値が切り替わるタイミングと同期して、出力値が切り替わるように構成されている。
例えば、切替器SPは、電圧指令値Vacが正(基準電圧より大きい)とき、出力値(正側アームの電圧Varmpの指令値)が、加算器AD2の出力値(=Vdc/2−Vac)となり、電圧指令値Vacが負(基準電圧より小さい)とき、出力値(正側アームの電圧Varmpの指令値)が、乗算器M2の出力値(=−Vac)となるように切り替わる。
また、切替器SNは、電圧指令値Vacが正(基準電圧より大きい)とき、出力値(負側アームの電圧Varmnの指令値)が、交流電流制御部33の出力値(=Vac)となり、電圧指令値Vacが負(基準電圧より小さい)とき、出力値(負側アームの電圧Varmpの指令値)が、加算器AD3の出力値(=Vdc/2+Vac)となるように切り替わる。
PWM制御部35は、切替器SPから入力された値を電圧指令値として、電圧指令値とキャリア波とを比較して、正側アームA1U、A1V、A1Wの単位変換器Cのスイッチング素子SA、SBのゲート信号を生成し、出力する。
PWM制御部36は、切替器SNから入力された値を電圧指令値として、電圧指令値とキャリア波とを比較して、負側アームA2U、A2V、A2Wの単位変換器Cのスイッチング素子SA、SBのゲート信号を生成し、出力する。
次に、本実施形態の電力変換装置20の効果について説明する。
コンデンサの電圧はコンデンサに流入する電力で変化する。例えば正側アームA1U、A1V、A1Wの単位変換器CのセルコンデンサCAの流入電力Pcellpは、下記式により表すことができる。
Pcellp=−Varmp×Ip
=−(Vdc/2−Vac)(Iac/2+Iz)
=(Vac−Vdc/2)Iac/2−Vdc×Iz/2+Vac×Iz
(0<wt<π)
=−(Vac)(−Iac/2+Iz)
=Vac×Iac/2−Vac×Iz (π<wt<2π)
また、例えば第1直流コンデンサC1の流入電力Pc1は、下記式により表すことができる。
Pc1=Vp×Ip
=Vdc×Iac/4+Vdc×Iz/2 (0<wt<π)
=0 (π<wt<2π)
交流1周期平均の電力として、(0<wt<π)と(π<wt<2π)との両期間の平均をとると、セルコンデンサCAの流入電力Pcellpは下記式により表すことができる。
Pcellp=(Vac−Vdc/4)Iac/2−Vdc×Iz/4
また、交流1周期平均の電力として、(0<wt<π)と(π<wt<2π)との両期間の平均をとると、第1直流コンデンサC1の流入電力Pc1は下記式により表すことができる。
Pc1=Vdc×Iac/8+Vdc×Iz/4
負側アームA2U、A2V、A2Wの単位変換器CのセルコンデンサCAと第2直流コンデンサC2についても同様である。
すなわち、例えば負側アームA2U、A2V、A2Wの単位変換器CのセルコンデンサCAの流入電力Pcellnは、下記式により表すことができる。
Pcelln=−Varmn×In
=−(Vac)(−Iac/2+Iz)
=Vac×Iac/2−Vac×Iz (0<wt<π)
=(Vdc/2+Vac)(Iac/2+Iz)
=(Vdc/2+Vac)Iac/2+Vdc×Iz/2+Vac×Iz
(π<wt<2π)
また、例えば第2直流コンデンサC2の流入電力Pc2は、下記式により表すことができる。
Pc2=Vn×In
=0 (0<wt<π)
=Vdc×Iac/4−Vdc×Iz/2 (π<wt<2π)
交流1周期平均の電力として、(0<wt<π)と(π<wt<2π)との両期間の平均をとると、セルコンデンサCAの流入電力Pcellnは下記式により表すことができる。
Pcelln=(Vdc/4+Vac)Iac/2+Vdc×Iz/4
また、交流1周期平均の電力として、(0<wt<π)と(π<wt<2π)との両期間の平均をとると、第2直流コンデンサC2の流入電力Pc2は下記式により表すことができる。
Pc2=Vdc×Iac/8−Vdc×Iz/4
流入電力Pcellp、Pcelln、Pc1、Pc2の数式の第1項によれば、交流電流成分Iacを増加することにより、流入電力Pcellp、Pcelln、Pc1、Pc2を増加させることができ、交流電流成分Iacを減少させることにより、流流入電力Pcellp、Pcelln、Pc1、Pc2を減少させることができる。したがって、交流電流成分Iacを調整することにより、正側アームA1U、A1V、A1Wの単位変換器CのセルコンデンサCA、負側アームA2U、A2V、A2Wの単位変換器CのセルコンデンサCA、第1直流コンデンサC1、および、第2直流コンデンサC2の電圧を調整することが可能である。
つまり、交流電流制御部33にて、直流コンデンサ電圧のフィードバック操作量電流とセルコンデンサ電圧のフィードバック操作量電流との値の和を、交流電流成分Iacの指令値とすることで、正側アームA1U、A1V、A1Wの単位変換器CのセルコンデンサCA、負側アームA2U、A2V、A2Wの単位変換器CのセルコンデンサCA、第1直流コンデンサC1、および、第2直流コンデンサC2の電圧とを制御することが可能になる。
すなわち、本実施形態の電力変換装置20によれば、交流負荷10へ供給する電力のほか、コンデンサやスイッチング素子で発生するスイッチング損失や漏れ電流、検出回路の損失などによって、セルコンデンサCAや直流コンデンサC1、C2の電圧が徐々に低下することを防ぐことができる。
上記のように、本実施形態によれば、スイッチングによる高調波および損失を抑制するとともに、所望の電力変換が可能な電力変換装置を提供することができる。
次に、第2実施形態の電力変換装置について図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明において、上述の第1実施形態の電力変換装置20と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の電力変換装置20は、制御回路CNTの構成が上述の第1実施形態と異なっている。
図5は、第2実施形態の電力変換装置の制御回路の一構成例を概略的に示す図である。
本実施形態の電力変換装置20は第1実施形態の変形例であって、第1ゲイン乗算器G3と、第2ゲイン乗算器G4とを更に備えている。
第1ゲイン乗算器G3は、セルコンデンサ電圧平均値制御部31から出力されるセルコンデンサ電圧のフィードバック操作量電流値にゲインK1を乗じた積を、加算器AD1へ出力する。
第2ゲイン乗算器G4は、直流コンデンサ電圧制御部32から出力される直流コンデンサ電圧のフィードバック操作量電流値にゲインK2を乗じた積を、加算器AD1へ出力する。
上記のように、直流コンデンサ電圧のフィードバック操作量電流とセルコンデンサ電圧のフィードバック操作量電流の値の和を演算する前に、それぞれに異なるゲインを乗算することにより、制御性が良くなることが期待される。
例えば、上述の第1実施形態において説明したコンデンサの流入電力の式を参照すると、交流電流成分Iacに係る係数と循環電流成分Izに係る係数とが、同一式内および別の式で比べた場合で異なっている。そこで、本実施形態では、直流コンデンサ電圧のフィードバック操作量電流とセルコンデンサ電圧のフィードバック操作量電流との和算をする前に、異なるゲインを乗算することで、交流電流成分Iacと循環電流成分Izとを同様に用いて、セルコンデンサ電圧平均値Vcaveおよび直流電圧Vdcを制御し、制御性を改善している。
ゲインK1、K2を適切な値に設定することにより、例えば外乱が生じた場合であっても、出力電圧をより速やかに指令値に追従させることができ、結果として所望の電力変換動作に戻るまでの時間を短縮することが可能となる。
すなわち、本実施形態によれば、上述の第1実施形態と同様に、スイッチングによる高調波および損失を抑制するとともに、所望の電力変換が可能な電力変換装置を提供することができる。
次に、第3実施形態の電力変換装置について図面を参照して詳細に説明する。
図6は、第3実施形態の電力変換装置の制御回路の一構成例を概略的に示す図である。
本実施形態の電力変換装置20は第1実施形態の変形例であって、減算器S3を更に備えている。
減算器S3は、直流コンデンサ電圧制御部32の出力値からセルコンデンサ電圧平均値制御部31の出力値を減じた差を、加算器AD5へ出力する。
上述の第1実施形態では、交流電流成分Iacにより、単位変換器CのセルコンデンサCAと直流コンデンサC1、C2とを制御していたが、例えば、セルコンデンサCAと直流コンデンサC1、C2との一方のみが充電もしくは放電され続け、所望の電力変換動作が不可能になる可能性があった。
そこで、本実施形態の電力変換装置20では、循環電流成分Izを用い、直流コンデンサ電圧のフィードバック操作量電流とセルコンデンサ電圧のフィードバック操作量電流との値の差を循環電流成分Izの指令値とすることで、セルコンデンサCAと直流コンデンサC1、C2とを制御可能になる。
すなわち、上述の第1実施形態にて説明したコンデンサの流入電力の数式によれば、第2項で表されるように、たとえば、正の循環電流成分Izを流すことにより、セルコンデンサCAは放電され、直流コンデンサC1、C2は充電される。つまり、循環電流成分Izの値を調整することにより、セルコンデンサCAと直流コンデンサC1、C2との電圧を調整することが可能である。
つまり、循環電流制御部34にて、直流コンデンサ電圧のフィードバック操作量電流とセルコンデンサ電圧のフィードバック操作量電流との値の差を、循環電流成分Izの指令値とすることで、正側アームA1U、A1V、A1Wの単位変換器CのセルコンデンサCA、負側アームA2U、A2V、A2Wの単位変換器CのセルコンデンサCA、第1直流コンデンサC1、および、第2直流コンデンサC2の電圧とを、独立して同時に制御することが可能になる。
すなわち、本実施形態の電力変換装置20によれば、交流負荷10へ供給する電力のほか、コンデンサやスイッチング素子で発生するスイッチング損失や漏れ電流、検出回路の損失などによって、セルコンデンサCAや直流コンデンサC1、C2の電圧が徐々に低下することを防ぐことができる。
上記のように、本実施形態によれば、スイッチングによる高調波および損失を抑制するとともに、所望の電力変換が可能な電力変換装置を提供することができる。
次に、第4実施形態の電力変換装置について図面を参照して詳細に説明する。
図7は、第4実施形態の電力変換装置の制御回路の一構成例を概略的に示す図である。
本実施形態の電力変換装置は第3実施形態の変形例であって、第1ゲイン乗算器G3、第2ゲイン乗算器G4、第3ゲイン乗算器G5、および第4ゲイン乗算器G6を更に備えている。
第1ゲイン乗算器G3は、セルコンデンサ電圧平均値制御部31から出力されるセルコンデンサ電圧のフィードバック操作量電流値にゲインK1を乗じた積を、加算器AD1へ出力する。
第2ゲイン乗算器G4は、直流コンデンサ電圧制御部32から出力される直流コンデンサ電圧のフィードバック操作量電流値にゲインK2を乗じた積を、加算器AD1へ出力する。
第3ゲイン乗算器G5は、セルコンデンサ電圧平均値制御部31から出力されるセルコンデンサ電圧のフィードバック操作量電流値にゲインK3を乗じた積を、減算器S1へ出力する。
第4ゲイン乗算器G6は、直流コンデンサ電圧制御部32から出力される直流コンデンサ電圧のフィードバック操作量電流値にゲインK4を乗じた積を、減算器S1へ出力する。
上記のように、直流コンデンサ電圧のフィードバック操作量電流とセルコンデンサ電圧のフィードバック操作量電流との値の和(交流電流指令値)を演算する前に、それぞれに異なるゲインを乗算することにより、制御性が良くなることが期待される。
また、直流コンデンサ電圧のフィードバック操作量電流とセルコンデンサ電圧のフィードバック操作量電流との値の差(循環電流指令値)を演算する前に、それぞれに異なるゲインを乗算することにより、制御性が良くなることが期待される。
すなわち、本実施形態では、直流コンデンサ電圧のフィードバック操作量電流とセルコンデンサ電圧のフィードバック操作量電流との値の和算をする前、および、減算する前のそれぞれにおいて、異なるゲインを乗算することで、交流電流成分Iacと循環電流成分Izとを同様に用いて、セルコンデンサ電圧平均値Vcaveおよび直流電圧Vdcを制御し、制御性を改善している。
ゲインK1、K2、K3、K4を適切な値に設定することにより、例えば外乱が生じた場合であっても、出力電圧をより速やかに指令値に追従させることができ、結果として所望の電力変換動作に戻るまでの時間を短縮することが可能となる。
すなわち、本実施形態によれば、上述の第1実施形態と同様に、スイッチングによる高調波および損失を抑制するとともに、所望の電力変換が可能な電力変換装置を提供することができる。
なお、上述の第1乃至第4実施形態において、直流コンデンサ電圧のフィードバック操作量電流とセルコンデンサ電圧のフィードバック操作量電流との値の和と差とを用いて、セルコンデンサCAと直流コンデンサC1、C2との電圧を制御したが、電圧および電流のいずれの向きを正とするか、および、ゲインの設定により演算方法が変更する可能性があるものである。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
なお、上記第1乃至第4実施形態では、電圧Vacと電流Iacとは同位相であり、その乗算結果(Vac・Iac)によって有効電力が発生するものとして電力変換装置の動作について説明をした。しかしながら、図1に示す電力変換装置は、電圧Vacの位相と比較して電流Iacの位相を変化させることも可能であり、たとえば電圧Vacの位相に対して電流Iacの位相が90度ずれている場合は、交流電流成分Iacを増加させても直流コンデンサC1、C2とセルコンデンサCAとの電圧を増加または減少させることはできない。
そこで、上述の第1乃至第4実施形態において、交流電流制御部33は、三相交流を固定座標系から、交流と同位相のd軸成分と90度位相がずれたq軸成分に座標変換する座標変換部を更に有するように構成してもよい。いわゆるdq変換と呼ばれる変換法で、電力変換装置一般で用いられる技術である。
上記により、交流電流成分Iacの代わりに、直流コンデンサC1、C2の電圧のフィードバック操作量電流(第1フィードバック操作量電流)とセルコンデンサCAの電圧のフィードバック操作量電流(第2フィードバック操作量電流)との和を用いて、d軸電流(有効電流)Idの指令値を演算し、交流電流制御部33の指令値とすることで、交流電流成分Iacの位相を考慮せず、セルコンデンサCAと直流コンデンサC1、C2との両者の電圧を制御可能となる。なお、d軸電流Idには、セルコンデンサCAと直流コンデンサC1、C2の充電又は放電に必要な電流のほか、所望の電力変換動作に必要な電流も含まれる。
10…交流負荷、20…電力変換装置、31…セルコンデンサ電圧平均値制御部、32…直流コンデンサ電圧制御部、33…交流電流制御部、34…循環電流制御部、35、36…PWM制御部、37…セルコンデンサ電圧バランス制御部、38…直流コンデンサ電圧バランス制御部、AD1−AD5…加算器、A1U、A1V、A1W…正側アーム、A2U、A2V、A2W…負側アーム、C1…第1直流コンデンサ、C2…第2直流コンデンサ、G1−G6、M1、M2…乗算器、O1U−O1W、O2U−O2W…出力端子、SB1、SB2…減算器。

Claims (7)

  1. 第1直流コンデンサと、
    前記第1直流コンデンサと直列に接続した第2直流コンデンサと、
    前記第1直流コンデンサに並列に接続した第1スイッチングレグと、
    前記第2直流コンデンサに並列に接続した第2スイッチングレグと、
    交流負荷と接続する交流端子と前記第1スイッチングレグの出力端子との間に直列に接続した複数の単位変換器を含む正側アームと、
    前記交流端子と前記第2スイッチングレグの出力端子との間に直列に接続した複数の単位変換器を含む負側アームと、
    複数の前記単位変換器のそれぞれに含まれるセルコンデンサの電圧の平均値を所定の値とする第1フィードバック操作量電流値と、前記第1直流コンデンサおよび前記第2直流コンデンサの電圧の平均値を所定の値とする第2フィードバック操作量電流値と、の和を演算し、前記正側アームに流れる電流と前記負側アームに流れる電流との検出値から、前記交流端子に流れる交流電流成分を演算し、前記交流電流成分が前記和を含む指令値に追従するように前記第1スイッチングレグと、前記第2スイッチングレグと、複数の前記単位変換器とのゲート信号を生成する制御回路と、を備えたことを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記制御回路は、前記第1フィードバック操作量電流値から前記第2フィードバック操作量電流値を引いた差を演算し、前記正側アームに流れる電流と前記負側アームに流れる電流との検出値から、前記交流端子から出力されない循環電流成分を演算し、前記循環電流成分が前記差を含む指令値に追従するように、前記ゲート信号を生成する、ことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  3. 前記制御回路は、前記第1フィードバック操作量電流値にゲインを乗じる第1ゲイン乗算器と、前記第2フィードバック操作量電流値にゲインを乗じる第2ゲイン乗算器と、を備え、前記和は前記第1ゲイン乗算器の出力値と前記第2ゲイン乗算器の出力値とを加算した値である、ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電力変換装置。
  4. 前記制御回路は、前記第1フィードバック操作量電流値にゲインを乗じる第3ゲイン乗算器と、前記第2フィードバック操作量電流値にゲインを乗じる第4ゲイン乗算器と、を備え、前記差は前記第3ゲイン乗算器の出力値から前記第4ゲイン乗算器の出力値を引いた値である、ことを特徴とする請求項2記載の電力変換装置。
  5. 前記制御回路は、外部から入力された前記セルコンデンサの電圧指令値と、複数の前記単位変換器に含まれる前記セルコンデンサの電圧の平均値との差を出力する第1減算器と、前記第1減算器の出力値にゲインを乗じて前記第1フィードバック操作量電流値として出力する第1乗算器と、を備えたセルコンデンサ電圧平均値制御部と、
    外部から入力された前記第1直流コンデンサおよび前記第2直流コンデンサの電圧指令値と、前記第1直流コンデンサと前記第2直流コンデンサとの電圧の平均値との差を出力する第2減算器と、前記第2減算器の出力値にゲインを乗じて前記第2フィードバック操作量電流値として出力する第2乗算器と、を備えた直流コンデンサ電圧制御部と、を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の電力変換装置。
  6. 前記第1直流コンデンサおよび前記第2直流コンデンサと並列に電圧源として動作する回路が接続されるときに、前記制御回路は前記第2フィードバック操作量電流値をゼロとする、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 前記制御回路は、三相交流を交流と同位相のd軸成分と90度位相がずれたq軸成分に座標変換する座標変換部を有し、
    前記交流電流成分はd軸成分である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の電力変換装置。
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