以下、実施形態1,2に係る照明点灯装置、照明装置、及び照明器具について、図面を参照して説明する。下記の実施形態等において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(実施形態1)
(1)照明点灯装置の全体構成
実施形態1に係る照明点灯装置の全体構成について、図面を参照して説明する。
照明点灯装置1は、図1に示すように、点灯部2と、光センサ31と、制御部32とを備える。照明点灯装置1は、光ファイバ8によって発光部9と接続されている。照明点灯装置1は、直列に接続された複数のレーザ素子5を点灯させる装置である。照明点灯装置1は、複数のレーザ素子5と共に照明装置4を構成する。
照明点灯装置1は、例えば、水中から光を放射する水中照明器具に用いられたり、自動車の前照灯に用いられたりする。
(2)照明装置
照明装置4は、図1に示すように、照明点灯装置1と、複数(図示例では4つ)のレーザ素子5と、光学部6とを備える。さらに、照明装置4は、図6に示すように、筐体41を備える。筐体41は、照明点灯装置1と複数のレーザ素子5と光学部6とを収容する。
照明装置4は、後述の発光部9と共に用いられ、上述したように、水中照明器具に用いられたり、自動車の前照灯に用いられたりする。
(2.1)レーザ素子
複数のレーザ素子5は、それぞれ例えばレーザダイオードであり、互いに直列に接続されている。各レーザ素子5は、例えば青色光を放射する。
(2.2)光学部
光学部6は、図5に示すように、複数のレーザ素子5から放射される光を導光する。光学部6は、少なくとも1つの光学部品で構成されており、複数のレーザ素子5から放射される光を集光する。光学部6には、後述の光ファイバ8が接続されており、光学部6で集光された光は、光学部6から光ファイバ8に入って照明装置4の外部に出力される。
(3)照明器具
照明器具7は、図5に示すように、照明装置4と、光ファイバ8と、発光部9(灯具)とを備える。
(3.1)光ファイバ
光ファイバ8は、図5に示すように、照明点灯装置1の光学部6からの光を発光部9に導光する。より詳細には、光ファイバ8は、照明装置4と発光部9とを光学的に接続する。光ファイバ8には、照明点灯装置1の光学部6からの光が通る。
光ファイバ8のコア径は、例えば、400μmである。なお、光ファイバ8のコア径は、5mm以下であればよい。
(3.2)発光部
発光部9は、図5に示すように、光ファイバ8からの光を放射する。発光部9は、光変換部材91と、配光光学系92とを備える。さらに、発光部9は、図6に示すように、筐体93を備える。筐体93は、光変換部材91と配光光学系92とを収容する。
光変換部材91は、透光性材料に蛍光体が混合されている部材である。蛍光体は、例えば黄色蛍光体である。黄色蛍光体は、例えば、Ceで付活されたY3Al5O12、又はEuで付活されたBa2SiO4である。蛍光体は、照明装置4から出力されて光ファイバ8を通ってきた青色光の一部により励起されて、黄色光を放射する。光変換部材91は、残りの青色光と黄色光との混色光である白色光を出力する。
配光光学系92は、少なくとも1つの光学部品で構成されており、光変換部材91から出力された白色光を配光制御して発光部9の外部に出力する。
(4)照明点灯装置の各構成要素
以下、照明点灯装置1の各構成要素について、図面を参照して説明する。
(4.1)点灯部
点灯部2は、図1に示すように、AC/DC変換部21と、DC/DC変換部22と、調光信号受信部23(受信部)とを備える。また、点灯部2は、複数のレーザ素子5を調光点灯させる調光機能を有する。
(4.1.1)AC/DC変換部
AC/DC変換部21は、図1に示すように、電源P1に電気的に接続されており、電源P1から電圧を受けている。電源P1は、例えば商用交流電源(AC100V50/60Hz又はAC200V50/60Hz等)である。AC/DC変換部21は、複数のレーザ素子5に必要な直流の定電圧をDC/DC変換部22に出力する。AC/DC変換部21は、DC/DC変換部22への出力電圧を、例えばDC60V又はDC30Vのような、レーザ素子5に必要な電圧(例えば、DC20V)以上に設定する。
AC/DC変換部21は、図2に示すように、フィルタ24と、整流回路25と、平滑コンデンサC1と、昇圧回路26とを備える。AC/DC変換部21は、電圧検出回路211と、AC/DC制御部212とを備える。AC/DC変換部21は、例えば、定電圧出力の絶縁型のフライバック方式である。
フィルタ24は、電源P1の両端に電気的に接続されており、電源ライン上のノイズを低減させる。
整流回路25は、例えばダイオードブリッジであり、電源P1からの交流電圧を整流する。整流された脈流電圧は、平滑コンデンサC1に印加される。
平滑コンデンサC1は、整流回路25の出力間に電気的に接続されており、整流回路25で整流された脈流電圧を平滑にする。平滑コンデンサC1で平滑された直流電圧は、昇圧回路26に出力される。
昇圧回路26は、フライバック方式のコンバータ回路であり、平滑コンデンサC1で平滑された直流電圧を昇圧する。昇圧回路26は、トランスT1と、スイッチング素子Q1と、ダイオードD1と、平滑コンデンサC2とを備える。
トランスT1は、一次巻線n1と、二次巻線n2とを備える。トランスT1は、一次巻線n1に接続されている入力側と二次巻線n2に接続されている出力側との間を電気的に絶縁する絶縁型フライバックトランスである。一次巻線n1は、平滑コンデンサC1の両端に電気的に接続されている。二次巻線n2は、DC/DC変換部22の入力に電気的に接続されている。
スイッチング素子Q1は、例えばnチャネル・エンハンスメント型のMOSFET(Metal-Oxide-SemiconductorField-Effect Transistor)である。スイッチング素子Q1は、平滑コンデンサC1の両端間において、トランスT1の一次巻線n1に直列に接続されている。スイッチング素子Q1がMOSFETである場合、スイッチング素子Q1のドレインがトランスT1の一次巻線n1に接続されており、スイッチング素子Q1のソースが平滑コンデンサC1の低圧側に電気的に接続されている。
ダイオードD1は、トランスT1の二次巻線n2に直列に接続されている。より詳細には、ダイオードD1のアノードがトランスT1の二次巻線n2に電気的に接続されており、ダイオードD1のカソードが平滑コンデンサC2に電気的に接続されている。
平滑コンデンサC2は、トランスT1の二次巻線n2及びダイオードD1の直列回路に並列に接続されている。平滑コンデンサC2は、トランスT1の二次巻線n2に誘起した電圧を平滑にする。
電圧検出回路211は、複数(図示例では2つ)の抵抗R1,R2と、コンデンサC3と、シャントレギュレータSR1と、フォトカプラ213とを備える。
複数の抵抗R1,R2は、トランスT1の二次巻線n2及びダイオードD1の直列回路に並列に接続されている。より詳細には、複数の抵抗R1,R2は、トランスT1の二次巻線n2及びダイオードD1の直列回路と平滑コンデンサC2との接続点に接続されている。つまり、複数の抵抗R1,R2は、平滑コンデンサC2に並列に接続されている。
コンデンサC3は、トランスT1の二次巻線n2及びダイオードD1の直列回路の両端において、抵抗R1に直列に接続されており、かつ、抵抗R2に並列に接続されている。
シャントレギュレータSR1は、複数の抵抗R1,R2の低圧側とフォトカプラ213との間に接続されている。シャントレギュレータSR1の制御端子は、抵抗R1と抵抗R2との接続点に電気的に接続されている。つまり、シャントレギュレータSR1は、抵抗R1とコンデンサC3との間に電気的に接続されている。
フォトカプラ213は、レーザ素子としての発光ダイオード214と、受光素子としてのフォトトランジスタ215とを備える。発光ダイオード214のアノードは、抵抗R3に電気的に接続されており、発光ダイオード214のカソードは、シャントレギュレータSR1に電気的に接続されている。発光ダイオード214には、抵抗R3を介して、制御電源からの電圧が印加される。
AC/DC制御部212は、トランスT1の二次巻線n2の電圧に基づいて、スイッチング素子Q1のオンオフを制御する。より詳細には、AC/DC制御部212は、例えば制御用IC(Integrated Circuit)である。AC/DC制御部212には、フォトカプラ213のフォトトランジスタ215が電気的に接続されている。AC/DC制御部212は、フォトカプラ213の出力に応じてスイッチング素子Q1への制御信号を調整する。
(4.1.2)DC/DC変換部
DC/DC変換部22は、図3に示すように、降圧回路27を備える。DC/DC変換部22は、電圧検出回路221と、電流検出回路222と、DC/DC制御部223とを備える。DC/DC変換部22は、例えば、定電流出力の降圧チョッパ方式である。
降圧回路27は、スイッチング素子Q2と、インダクタL1と、ダイオードD2と、コンデンサC4とを備える。
スイッチング素子Q2は、例えばnチャネル・エンハンスメント型のMOSFETであり、AC/DC変換部21の高圧側の出力に電気的に接続されている。
インダクタL1は、スイッチング素子Q2に直列に接続されている。
ダイオードD2は、AC/DC変換部21の出力間において、スイッチング素子Q2に直列に接続されている。より詳細には、ダイオードD2のアノードは、AC/DC変換部21の低圧側の出力に電気的に接続されている。ダイオードD2のカソードは、スイッチング素子Q2とインダクタL1の接続点に電気的に接続されている。
コンデンサC4は、AC/DC変換部21の出力間において、スイッチング素子Q2とインダクタL1との直列回路に並列に接続されている。コンデンサC4は、スイッチング素子Q2、インダクタL1及びダイオードD2とで降圧された電圧を平滑する。
電圧検出回路221は、複数(図示例では2つ)の抵抗R4,R5を備える。複数の抵抗R4,R5は、コンデンサC4の両端間において、互いに直列に接続されている。つまり、複数の抵抗R4,R5は、コンデンサC4に並列に接続されている。複数の抵抗R4,R5により、コンデンサC4で平滑された電圧の電圧値を検出することができる。
電流検出回路222は、抵抗R6を備える。抵抗R6は、DC/DC変換部22の低圧側の入力とDC/DC変換部22の低圧側の出力との間に接続されている。つまり、抵抗R6は、DC/DC変換部22の低圧側の入力とDC/DC変換部22の低圧側の出力とに電気的に接続されている。抵抗R6により、DC/DC変換部22から出力される電流の電流値を検出することができる。
DC/DC制御部223は、DC/DC変換部22の出力電圧及びDC/DC変換部22から出力される電流I1に基づいて、スイッチング素子Q2のオンオフを制御する。より詳細には、DC/DC制御部223は、例えば制御用ICである。DC/DC制御部223は、電圧検出回路221の出力と電流検出回路222の出力とに応じてスイッチング素子Q2への制御信号を調整する。
上記のような構成のDC/DC変換部22は、AC/DC変換部21から出力された定電圧を受け取り、定電流出力を行う。定電流の電流値は、調光信号受信部23の出力レベルによって設定する。調光レベルが100%である場合、DC/DC変換部22は、レーザ素子5の定格電流を出力する。調光レベルが50%である場合、DC/DC変換部22は、レーザ素子5の定格電流の半分の電流を出力する。PWM制御の場合、DC/DC変換部22から出力される電流I1の電流値は、レーザ素子5の定格電流とする。調光レベルが100%である場合、DC/DC変換部22は、デューティ比100%の電流を出力する。調光レベルが50%である場合、DC/DC変換部22は、デューティ比50%の電流を出力する。
なお、DC/DC変換部22は、レーザ素子5の電圧がAC/DC変換部21の出力電圧より低い場合、降圧チョッパ回路等の降圧型の回路を用いる。一方、レーザ素子5の電圧がAC/DC変換部21の出力電圧より高い場合、昇圧チョッパ回路等の昇圧型の回路を用いる。また、レーザ素子5の電圧がAC/DC変換部21の出力電圧より高いときと低いときとがある場合、昇降圧チョッパ回路等の昇降圧型の回路を用いる。
(4.1.3)調光信号受信部
調光信号受信部23は、図1に示すように、調光器A1から点灯制御信号を受信する。本開示において、点灯制御信号は、例えば、複数のレーザ素子5を点灯させるための点灯信号、複数のレーザ素子5を消灯させるための消灯信号、又は、複数のレーザ素子5を調光点灯させるための調光信号である。調光信号は、調光レベルを含み、例えばPWM(Pulse Width Modulation)方式で調光器A1から送信される。例えば、デューティ比(一周期に対するオン期間の比)が小さいほど調光レベル(光量)が高く、デューティ比が大きいほど調光レベルが低い。調光信号受信部23は、受信した点灯制御信号の制御内容をDC/DC変換部22のDC/DC制御部223に出力する。
(4.2)光センサ
光センサ31は、図4に示すように、例えば単一のセンサであり、複数のレーザ素子5から放射されて光ファイバ8を通る光を検出する。光センサ31は、例えばフォトダイオードである。光センサ31は、複数のレーザ素子5から放射されて光ファイバ8を通って発光部9で反射した光を検出する。光センサ31は、制御部32に電気的に接続されており、光センサ31の検出結果は、制御部32に出力される。
光センサ31は、上述したように発光部9で反射した光つまり黄色光を検出する。より詳細には、発光部9では、光変換部材91の蛍光体が、複数のレーザ素子5から放射されて光ファイバ8を通って青色光の一部により励起されて、黄色光を放射する。この黄色光の一部が光ファイバ8を通って照明装置4に到達する。光センサ31は、照明装置4に到達した黄色光を検出する。
光センサ31が光ファイバ8から黄色光を検出するために、複数のレーザ素子5から放射されている光と、光ファイバ8を通ってくる光とを分岐させる光分岐部材と、分岐された光を波長ごとに分ける分光器とが設けられている。これらの部材により、光センサ31は、青色光と黄色光とが混在している中で、黄色光を検出することができる。
(4.3)制御部
制御部32は、図1に示すように、光センサ31で検出される光に基づいて光ファイバ8及び発光部9の異常を検出する。また、制御部32は、レーザ素子5を制御する。制御部32は、点灯部2と光ファイバ8との間に設けられている。より詳細には、制御部32は、点灯部2のDC/DC変換部22と光ファイバ8との間に設けられている。制御部32は、図4に示すように、処理部34と、増幅部35とを備える。
本明細書において、「光ファイバ8の異常」とは、例えば、光ファイバ8が断線したり、光ファイバ8が照明装置4から外れたりすることをいう。本明細書において、「発光部9の異常」とは、蛍光体を含む光変換部材91が脱落したり、発光部9が光ファイバ8から外れたりすることをいう。
(4.3.1)増幅部
増幅部35は、光センサ31の出力を増幅するアンプである。増幅部35は、光センサ31の出力を増幅して処理部34に出力する。
増幅部35は、光センサ31の出力を増幅させるときに用いられるゲインとして、レーザ素子5を第2電流以下で点灯させる場合の第1ゲインと、レーザ素子5を定格電流で点灯させる場合の第2ゲインとを有する。増幅部35は、処理部34の指示に従って、第1ゲインと第2ゲインとのいずれかを択一的に選択する。
(4.3.2)処理部
処理部34は、例えばマイクロコントローラであり、点灯部2を制御する。より詳細には、処理部34は、点灯部2に対して、複数のレーザ素子5を点灯させるための点灯許可信号を出力することによって制御して、複数のレーザ素子5への電流供給を制御する。
処理部34は、電源投入時を含むレーザ素子の点灯初期、及び、通常時において、光ファイバ8の断線を検出する機能と、光ファイバ8の断線を検出したときに、点灯部2の動作を停止させる機能とを有する。処理部34は、増幅部35を介して光センサ31の検出値を取得する。処理部34は、複数のレーザ素子5から放射されて光ファイバ8を通る光及び上記光の変化を検出する。
光ファイバ8が断線せずに正常である場合、点灯部2が複数のレーザ素子5に電流I1を供給していない場合、複数のレーザ素子5から光が放射されておらず、かつ、外乱光が入射されないので、光センサ31の検出値は小さい。一方、点灯部2が複数のレーザ素子5に電流I1を供給している場合、複数のレーザ素子5から光が放射されており、かつ、複数のレーザ素子5からの光が外に漏れることがないので、光センサ31の検出値は大きい。
これに対して、光ファイバ8が断線している場合、点灯部2が複数のレーザ素子5に電流I1を供給しておらず、かつ、外乱光(黄色光を含む)が存在する場合、複数のレーザ素子5から光が放射されていないにもかかわらず、光ファイバ8の断線箇所から外乱光が入射されるので、光センサ31の検出値は大きい。一方、点灯部2が複数のレーザ素子5に電流I1を供給しており、かつ、外乱光が存在しない場合、複数のレーザ素子5から光が放射されているが、複数のレーザ素子5からの光が外に漏れるので、光センサ31の検出値は小さい。
制御部32は、以下の第1機能と、第2機能と、第3機能とを有する。
第1機能では、制御部32は、電源投入後から複数のレーザ素子5を点灯させるまでの間に、光センサ31で検出される光の光量(第1検出値E1)が所定値(第1閾値Eth1)以上である場合、複数のレーザ素子5を点灯させない。これにより、レーザ素子5の点灯前に光ファイバ8及び発光部9の少なくとも一方に異常が発生していることを検出することができる。
特に、実施形態1では、制御部32は、電源投入後であって点灯許可を受けてから複数のレーザ素子5を点灯させるまでの間に、光センサ31で検出される光の光量(第1検出値E1)が所定値(第1閾値Eth1)以上である場合、複数のレーザ素子5を点灯させない。これにより、複数のレーザ素子5の点灯前に光ファイバ8及び発光部9の少なくとも一方に異常が発生していることを効率よく検出することができる。つまり、点灯許可を受けない場合、上記異常を検出することを低減できる。
本明細書において、「点灯許可」とは、複数のレーザ素子5の点灯を許可するための指示である。また、本明細書において、「点灯許可信号を受ける」とは、点灯部2が制御部32から点灯許可信号を受けることをいう。
第2機能では、制御部32は、電源投入後に、複数のレーザ素子5を、複数のレーザ素子5の定格電流(第1電流)よりも小さい第2電流(電流値a1の電流I1)以下で点灯させる。そして、制御部32は、第1条件及び第2条件の少なくとも一方を満たす場合、複数のレーザ素子5を定格電流で点灯させない。第1条件は、第2電流以下での複数のレーザ素子5の点灯前後に光センサ31で検出される光の光量の変化量(差分(E2−E1))が変化量閾値(差分閾値Eth)以下であるという条件である。第2条件は、第2電流以下での複数のレーザ素子5の点灯後に光センサ31で検出される光の光量(第2検出値E2)が光量閾値(第2閾値Eth2)以下であるという条件である。
本明細書において、「複数のレーザ素子5を第2電流以下で点灯させる」とは、例えば、複数のレーザ素子5をクラス2以下で点灯させることをいう。本明細書において、「クラス」とは、IEC 60825−1又はJIS C 6802で規定されているクラス、又は、これらの規格に準拠する規格(EN60825−1等)で規定されているクラスである。クラスは、出力の大きさ、波長等で規定されている。「クラス2以下」には、クラス1、クラス1M、クラス2、クラス2Mが含まれる。一方、「クラス3以上」には、クラス3R、クラス3B、クラス4が含まれる。
クラス2以下の光出力であれば、複数のレーザ素子5の点灯に必要な電力は低パワーであり、通常、まばたきなどの嫌悪反応によって目は保護される。そのため、クラス2以下の光は、複数のレーザ素子5を定格電流で点灯する前に断線の有無の検出に適用する光として好適である。
さらに、より好ましい第2電流以下での点灯形態として、レーザ素子5として半導体レーザ素子を適用し、当該半導体レーザ素子をレーザ発振閾値以下の電流で駆動する例が挙げられる。この場合、半導体レーザ素子は、発光ダイオード(LED)として動作するため、断線の有無を検出する光として極めて好適である。
上記の規格は、本来、外部に出力される光に対する規格であるが、本明細書では、光ファイバ8を通る光に対して適用している。さらに、上記の規格は、光ファイバ8が断線したときに、光ファイバ8から外部に出力される光に適用している。あるいは、上記の規格は、光ファイバ8が外れたときに、照明装置4から外部に出力される光に適用している。
第1条件及び第2条件の少なくとも一方を満たす場合、レーザ素子5を点灯させても、光センサ31で検出される光の光量が変化しない又は光量が少ないため、光ファイバ8及び発光部9の少なくとも一方に異常が発生し、レーザ素子5からの光が外部に漏れている可能性がある。上記の場合に、レーザ素子5を定格電流で点灯させないようにすることにより、光ファイバ8及び発光部9の少なくとも一方に異常がある場合に、レーザ素子5からのレーザ光の出力を精度よく停止させることができる。
ところで、制御部32は、電源投入後であってレーザ素子5の点灯を許可するための点灯許可を受けると、レーザ素子5を第2電流以下で点灯させる。そして、制御部32は、第1条件及び第2条件の少なくとも一方を満たす場合、レーザ素子5を消灯させる。
第3機能では、制御部32は、複数のレーザ素子5を、定格電流(電流値a2の電流I1)で点灯させる。そして、制御部32は、定格電流での複数のレーザ素子5の点灯において光センサ31で検出される光の光量(第4検出値E4)の変化量の絶対値が第2変化量閾値以上である条件、及び、定格電流での複数のレーザ素子5の点灯において光センサ31で検出される光の光量(第4検出値E4)が第2光量閾値(第3閾値Eth3、第4閾値Eth4)以下である条件の少なくとも一方を満たす場合、複数のレーザ素子5を消灯させる。これにより、レーザ素子5を定格電流で点灯させている状態であっても、光ファイバ8及び発光部9の少なくとも一方に異常が発生した場合に、異常の発生を検出し、レーザ素子5からのレーザ光の出力を精度よく停止させることができる。
また、実施形態1では、処理部34は、点灯部2が調光制御を行っている間は、光ファイバ8の断線を検出する処理を停止する。点灯部2が調光制御を行っている間は、複数のレーザ素子5から放射される光の光量が変動する期間であるため、光ファイバ8の断線によって光量が変化しているのかどうかの判断が難しい。このため、調光制御を行っている間は、光ファイバ8の断線を検出する処理を停止する。
これにより、複数のレーザ素子5から放射される光の光量が調光制御によって変動している間では光ファイバ8の断線の検出を行わないので、光ファイバ8の断線の誤検出を低減させることができる。
一方、点灯部2は、制御部32が光ファイバ8の断線を検出する処理を行っているときは、調光制御を行わない。上述したように、点灯部2が調光制御を行うと、複数のレーザ素子5から放射される光の光量が変動する。このため、制御部32が光ファイバ8の断線を検出する処理を行っているときに、点灯部2が調光制御を行うと、光ファイバ8の断線によって光量が変化しているのかどうかの判断が難しい。したがって、制御部32が光ファイバ8の断線を検出する処理を行っているときは、点灯部2は調光制御を行わない。
上記より、光ファイバ8の断線を検出する処理を行っているときに、複数のレーザ素子5から放射される光の光量が変動する調光制御がないので、光ファイバ8の断線の誤検出を低減させることができる。
ところで、処理部34は、増幅部35の複数のゲインを切り替える機能を有する。より詳細には、処理部34は、第1ゲインと第2ゲインとを切り替えるように、増幅部35を制御する。第2ゲインは、第1ゲインよりも小さい。これにより、一の光センサ31でより正確に光ファイバ8及び発光部9の少なくとも一方の異常を検出することができる。
例えば、第2電流以下での点灯形態としてLED点灯を適用する場合、第1電流で点灯する場合との複数のレーザ素子5の光出力の違いが2〜3桁以上(100倍から1000倍以上)になり得る。このように幅広い光出力範囲においても、複数のゲインを切り替えることにより、高い精度で断線を検出することができる。
(5)動作例
以下、照明点灯装置1の動作例について説明する。具体的には、複数のレーザ素子5の点灯初期の動作例と、複数のレーザ素子5から放射される光が変化したときの例とを説明する。
(5.1)複数のレーザ素子の点灯初期の動作例
複数のレーザ素子5の点灯初期における照明点灯装置1の動作の例について図7〜図9を参照して説明する。
最初に、図7の例について説明する。図7の例は、光ファイバ8が断線して、断線箇所から多くの外乱光が入射している状態の例である。
まず、電源P1が投入されると、点灯部2が電流I1を複数のレーザ素子5に供給する前に、光センサ31は、光ファイバ8を通った光の検出を開始する(時刻t1)。図7の例では、光ファイバ8の断線箇所から外乱光が入射されているため、複数のレーザ素子5に電流I1が供給されていないにもかかわらず、光センサ31で検出される光の光量(第1検出値E1)が第1閾値Eth1以上である。したがって、制御部32は、複数のレーザ素子5を点灯させないように、点灯部2を制御する。
その後、調光信号受信部23が点灯制御信号を受け取ると(時刻t2)、制御部32は、点灯許可信号を点灯部2に出力する。しかしながら、光ファイバ8が断線しており、光センサ31で検出される光の光量が第1閾値Eth1以上であるため、制御部32は、複数のレーザ素子5を点灯させないように、点灯部2を制御する。つまり、制御部32は、点灯許可信号の出力を停止する。
次に、図8の例について説明する。図8の例は、光ファイバ8が断線しているが、断線箇所から外乱光が入射していない状態の例である。
まず、電源P1が投入されると、点灯部2が電流I1を複数のレーザ素子5に供給する前に、光センサ31は、光ファイバ8を通った光の検出を開始する(時刻t11)。図8の例では、複数のレーザ素子5に電流I1が供給されておらず、かつ、光ファイバ8の断線箇所から外乱光が入射されていないため、光センサ31で検出される光の光量(第1検出値E1)は第1閾値Eth1未満である。
その後、調光信号受信部23が点灯制御信号を受け取ると(時刻t12)、制御部32は、電流値a1の電流I1を複数のレーザ素子5に供給するように、点灯部2を制御する。つまり、制御部32は、点灯許可信号を点灯部2に出力する。電流値a1の電流I1は、複数のレーザ素子5がクラス2以下で点灯するための電流である。光センサ31の第1検出値E1は第1閾値Eth1未満であるから、点灯部2は、制御部32の制御に従って、電流値a1の電流I1を複数のレーザ素子5に供給する(時刻t13)。
その後、電流値a1の電流I1を複数のレーザ素子5に供給し始めてから所定時間が経過したとき(時刻t14)、光センサ31の第2検出値E2が第2閾値Eth2以下である。さらに、点灯前の第1検出値E1と点灯後の第2検出値E2の差分(E2−E1)も、差分閾値Eth以下である。複数のレーザ素子5からの光が光ファイバ8の断線箇所から外部に漏れているから、制御部32は、点灯許可信号の出力を停止する(時刻t15)。点灯部2は、制御部32からの点灯許可信号が停止するため、複数のレーザ素子5への電流供給を停止する。
次に、図9の例について説明する。図9の例では、光ファイバ8が断線しておらず、正常な状態の例である。
まず、電源P1が投入されると、点灯部2が電流I1を複数のレーザ素子5に供給する前に、光センサ31は、光ファイバ8を通った光の検出を開始する(時刻t21)。図9の例では、複数のレーザ素子5に電流I1が供給されていないため、光センサ31で検出される光の光量(第1検出値E1)は第1閾値Eth1未満である。
その後、調光信号受信部23が点灯制御信号を受け取ると(時刻t22)、制御部32は、電流値a1の電流I1を複数のレーザ素子5に供給するように、点灯部2を制御する。つまり、制御部32は、点灯許可信号を点灯部2に出力する。電流値a1の電流I1は、上述したように、複数のレーザ素子5がクラス2以下で点灯するための電流である。光センサ31の第1検出値E1は第1閾値Eth1未満であるから、点灯部2は、制御部32の制御に従って、電流値a1の電流I1を複数のレーザ素子5に供給する(時刻t23)。
その後、電流値a1の電流I1を複数のレーザ素子5に供給し始めてから所定時間が経過したとき(時刻t24)、光センサ31の第2検出値E2が第2閾値Eth2より大きい。さらに、点灯前の第1検出値E1と点灯後の第2検出値E2の差分(E2−E1)も、差分閾値Ethよりも大きい。したがって、制御部32は、電流値a2の電流I1を複数のレーザ素子5に供給するように、点灯部2を制御する(時刻t25)。つまり、制御部32は、定格電流を複数のレーザ素子5に供給するように、点灯部2を制御する。点灯部2は、制御部32の制御に従い、電流値a2の電流I1を複数のレーザ素子5に供給する。
(5.2)複数のレーザ素子の通常点灯時の動作例
複数のレーザ素子5の通常時における照明点灯装置1の動作の例について図10を参照して説明する。なお、図10の例では、複数のレーザ素子5の点灯初期の動作については省略する。
まず、電源P1が投入された後(時刻t31)、点灯部2は、電流値a2の電流I1を複数のレーザ素子5に供給する(時刻t32)。つまり、点灯部2は、定格電流を複数のレーザ素子5に供給する。点灯部2による複数のレーザ素子5への電流供給が開始されると、光センサ31の検出を開始する。複数のレーザ素子5への電流供給が開始してから所定時間が経過したとき(時刻t34)、光センサ31で検出される光の光量(第4検出値E4)は第3閾値Eth3及び第4閾値Eth4よりも大きい。
第4閾値Eth4は、正常時における光センサ31の検出値の50%である。複数のレーザ素子5として例えば4個の半導体レーザ素子が用いられる場合、第4閾値Eth4を正常時の検出値の50%とすれば、レーザ素子5の1つに突然光学故障が発生した場合の光センサ31の検出値の変化量25%に比べて変化量が大きいため、レーザ素子5の故障の影響を受けずに、適切に光ファイバ8の断線の有無を判定することが可能となる。要するに、n個の半導体レーザ素子が用いられる場合、第4閾値Eth4は正常時の検出値のn分の1とすればよい。
その後、光ファイバ8の断線が発生すると、光センサ31で検出される光の光量(第4検出値E4)が低減する(時刻t35)。第4検出値E4が低減して、第4検出値E4が第4閾値Eth4以下になった場合(時刻t36)、又は、第4検出値E4が第3閾値Eth3以下になった場合(時刻t37)、制御部32は、点灯許可信号の出力を停止する。点灯部2は、制御部32からの点灯許可信号が停止されると、複数のレーザ素子5への電流I1の供給を停止する(時刻t38)。
(6)照明点灯装置の動作
以下、照明点灯装置1の動作(照明点灯装置1を用いた照明点灯方法)について、図11及び図12を参照して説明する。
電源P1から照明点灯装置1への電力供給をオンにする(ステップS1)。照明点灯装置1が点灯許可を受けた場合(ステップS2の「Yes」)、照明点灯装置1がレーザ素子5を点灯させるまでに、処理部34は、光センサ31で検出された光の光量(第1検出値E1)を読み込む(ステップS3)。照明点灯装置1において、第1検出値E1が第1閾値Eth1以上である場合(ステップS4の「Yes」)、制御部32の処理部34は、複数のレーザ素子5を点灯させない(ステップS5)。一方、第1検出値E1が第1閾値Eth1未満である場合(ステップS4の「No」)、照明点灯装置1は、電流値a1の電流I1(第2電流)を複数のレーザ素子5へ供給して、レーザ素子5をクラス2以下で点灯させる(ステップS6)。電流値a1は、定格電流(第1電流)よりも小さい電流値である。処理部34は、複数のレーザ素子5の点灯初期からの時間を計測する。
照明点灯装置1において、所定時間が経過した後(ステップS7の「Yes」)、処理部34は、複数のレーザ素子5から放射されて光ファイバ8を通って光センサ31で検出された光の光量(第2検出値E2)を読み込む(ステップS8)。光センサ31は、複数のレーザ素子5から放射されて光ファイバ8を通った光を検出し、第2検出値E2を処理部34に出力する。処理部34は、第2閾値Eth2を設定する。
第2検出値E2が第2閾値Eth2以下である場合(ステップS9)、照明点灯装置1は、レーザ素子5を停止させる(ステップS5)。一方、第2検出値E2が第2閾値Eth2より大きくても(ステップS9の「No」)、第2検出値E2と第1検出値E1の差分(E2−E1)が差分閾値Eth以下である場合(ステップS10)、照明点灯装置1は、電流値a2の電流I1を複数のレーザ素子5へ供給して、複数のレーザ素子5をクラス3以上で点灯させる。
その後、処理部34は、第3閾値Eth3を設定する(ステップS12)。処理部34は、光センサ31で検出された光の光量(第3検出値E3)を読み込む(ステップS13)。
照明点灯装置1において、所定時間が経過した後(ステップS14の「Yes」)、処理部34は、第4閾値Eth4を設定する(ステップS15)。処理部34は、複数のレーザ素子5から放射されて光ファイバ8を通って光センサ31で検出された光の光量(第4検出値E4)を読み込む(ステップS16)。
第4検出値E4が第3閾値Eth3以下である場合、又は、第4検出値E4が第4閾値Eth4以下である場合(ステップS17)、照明点灯装置1は、レーザ素子5の点灯を停止させる(ステップS18)。
一方、第4検出値E4が第3閾値Eth3より大きい、かつ、第4検出値E4が第4閾値Eth4より大きい場合(ステップS17の「No」)、調光信号受信部23が、複数のレーザ素子5を消灯させるための消灯信号を受信しないとき(ステップS19の「No」)、処理部34は、第4閾値Eth4を更新する(ステップS20)。その後、ステップS16に戻る。一方、消灯信号を受信したとき(ステップS19の「Yes」)、照明点灯装置1は、レーザ素子5の点灯を停止させる。
ステップS9において、調光信号受信部23が消灯信号を受信した場合(ステップS19の「Yes」)、照明点灯装置1は、電源P1からの電力供給を停止する(ステップS18)。
上記の動作により、照明点灯装置1は、光ファイバ8が外れていたり、光ファイバ8又は発光部9が不良品であったりすることができる。つまり、照明点灯装置1は、レーザ素子5からの光が漏れていることを検出することができる。
(7)効果
照明点灯装置1では、定格電流でのレーザ素子5の点灯において、光量の変化量の絶対値が第2変化量閾値以上である条件、及び、光量(第4検出値E4)が第2光量閾値(第3閾値Eth3、第4閾値Eth4)以下である条件の少なくとも一方を満たす場合、レーザ素子5を消灯させる。これにより、レーザ素子5を定格電流で点灯させている状態であっても、光ファイバ8及び発光部9の少なくとも一方に異常が発生した場合に、異常の発生を検出し、レーザ素子5からのレーザ光の出力を精度よく停止させることができる。
照明点灯装置1では、電源投入後からレーザ素子5を点灯させるまでの間に、光センサ31で検出される光の光量(第1検出値E1)が所定値(第1閾値Eth1)以上である場合、レーザ素子5を点灯させない。これにより、レーザ素子5の点灯前に光ファイバ8及び発光部9の少なくとも一方に異常が発生していることを検出することができる。
照明点灯装置1では、点灯許可を受けてからレーザ素子5を点灯させるまでに、光センサ31で検出される光の光量(第1検出値E1)が所定値(第1閾値Eth1)以上である場合、レーザ素子5を点灯させない。これにより、レーザ素子5の点灯前に光ファイバ8及び発光部9の少なくとも一方に異常が発生していることを効率よく検出することができる。つまり、点灯許可を受けない場合、上記異常を検出することを低減できる。
照明点灯装置1では、第1条件及び第2条件の少なくとも一方を満たす場合、制御部32がレーザ素子5を定格電流で点灯させない。第1条件及び第2条件の少なくとも一方を満たす場合、レーザ素子5を点灯させても、光センサ31で検出される光の光量(第2検出値E2)が変化しない又は光量が少ないため、光ファイバ8及び発光部9の少なくとも一方に異常が発生し、レーザ素子5からの光が外部に漏れている可能性がある。上記の場合に、レーザ素子5を定格電流で点灯させないようにすることにより、光ファイバ8及び発光部9の少なくとも一方に異常がある場合に、レーザ素子5からのレーザ光の出力を精度よく停止させることができる。
照明点灯装置1では、第1条件及び第2条件の少なくとも一方を満たす場合、制御部32がレーザ素子5を消灯させる。これにより、レーザ素子5の消費電力を低減させることができるので、光ファイバ8及び発光部9の少なくとも一方に異常がある場合に、不要な電力消費を抑えることができる。
(8)変形例
以下、実施形態1の変形例について説明する。
制御部32は、第1条件及び第2条件の少なくとも一方を満たす場合、レーザ素子5を消灯させるのでなく、レーザ素子5を第2電流(電流値a1の電流I1)以下で点滅させてもよい。これにより、光ファイバ8及び発光部9に異常があることを知らせることができる。
光センサ31は、フォトダイオード以外の光検出素子であってもよい。光センサ31は、例えばフォトトランジスタ、太陽電池又はCdSセルであってもよい。
AC/DC変換部21とDC/DC変換部22とが一体であって、電源P1からの入力電圧に基づいて、直流の定電流を出力する回路を構成してもよい。
AC/DC変換部21は、非絶縁型のコンバータであってもよい。AC/DC変換部21は、フライバック方式に限定されず、チョッパ方式であってもよい。
DC/DC変換部22は、チョッパ方式に限定されず、絶縁型のコンバータであってもよい。DC/DC変換部22は、レーザ素子5の電圧とAC/DC変換部21の出力電圧との関係によって、昇圧チョッパ又は昇降圧チョッパであってもよい。
上記の各変形例においても、実施形態1と同様の効果を奏する。
(実施形態2)
実施形態2に係る照明点灯装置1aは、図13及び図14に示すように、第2光センサ33を更に備える点で、実施形態1に係る照明点灯装置1と相違する。
照明点灯装置1aは、図13に示すように、点灯部2と、光センサ31と、制御部32aと、第2光センサ33とを備える。なお、実施形態2に係る照明点灯装置1aに関し、実施形態1に係る照明点灯装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
照明装置4aは、図13に示すように、照明点灯装置1aと、複数(図示例では4つ)のレーザ素子5と、光学部6とを備える。さらに、照明装置4aは、実施形態1に係る照明装置4と同様、筐体41(図6参照)を備える。
照明器具7aは、実施形態1に係る照明器具7(図5参照)と同様、図13に示すように、照明装置4aと、光ファイバ8と、発光部9とを備える。
第2光センサ33は、図14に示すように、例えば単一のセンサであり、複数のレーザ素子5から放射される光を検出する。第2光センサ33は、例えばフォトダイオードである。第2光センサ33は、複数のレーザ素子5から放射される光の一部を検出する。具体的には、図13に示すように、第2光センサ33は、複数のレーザ素子5から放射される光のうち光学部6から反射される光を検出する。第2光センサ33は、制御部32aに電気的に接続されており、第2光センサ33の検出結果は、制御部32aに出力される。
第2光センサ33は、上述したように複数のレーザ素子5から放射される光つまり青色光を検出する。したがって、第2光センサ33は、黄色光を検出する光センサ31とは、異なる波長の光を検出する。
制御部32aは、第2光センサ33の出力が小さくなると、光センサ31の検出結果との比較対象である変化量閾値及び光量閾値を小さくする。第2光センサ33の出力が小さくなるということは、複数のレーザ素子5から放射されている光の光量が相対的に小さくなるということである。複数のレーザ素子5から放射されている光の光量が小さくなると、発光部9で発生する黄色光の光量も相対的に小さくなる。これにより、光センサ31で検出される光の光量も相対的に小さくなる。光センサ31の検出値も小さくなるため、これに整合させるために、変化量閾値及び光量閾値も小さくする必要がある。なお、制御部32aに関し、実施形態1の制御部32と同様の構成及び機能については説明を省略する。
以上説明した照明点灯装置1aでは、第2光センサ33で検出される光の光量が小さくなると、第2変化量閾値及び第2光量閾値を小さくする。これにより、レーザ素子5からの光の光量が小さい場合であっても、光ファイバ8及び発光部9の少なくとも一方の異常を精度よく検出することができる。
以上説明した実施形態及び変形例は、本発明の様々な実施形態及び変形例の一部に過ぎない。また、実施形態及び変形例は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(態様)
以上説明した実施形態及び変形例より以下の態様が開示されている。
第1の態様に係る照明点灯装置(1;1a)は、光ファイバ(8)によって灯具(発光部9)と接続されており、レーザ素子(5)を点灯させる。照明点灯装置(1;1a)は、制御部(32;32a)と、光センサ(31)とを備える。制御部(32)は、レーザ素子(5)を制御する。光センサ(31)は、レーザ素子(5)から放射されて光ファイバ(8)を通る光を検出する。制御部(32)は、レーザ素子(5)を、定格電流(電流値a2の電流I1)で点灯させ、定格電流でのレーザ素子(5)の点灯において光センサ(31)で検出される光の光量(第4検出値E4)の変化量の絶対値が変化量閾値以上である条件、及び、定格電流でのレーザ素子(5)の点灯において光センサ(31)で検出される光の光量(第4検出値E4)が光量閾値(第3閾値Eth3、第4閾値Eth4)以下である条件の少なくとも一方を満たす場合、レーザ素子(5)を消灯させる。
第1の態様に係る照明点灯装置(1;1a)によれば、レーザ素子(5)を定格電流で点灯させている状態であっても、光ファイバ(8)及び灯具(発光部9)の少なくとも一方に異常が発生した場合に、異常の発生を検出し、レーザ素子(5)からのレーザ光の出力を精度よく停止させることができる。
第2の態様に係る照明点灯装置(1a)は、第1の態様において、第2光センサ(33)を更に備える。第2光センサ(33)は、レーザ素子(5)から放射される光を検出する。制御部(32a)は、第2光センサ(33)で検出される光の光量が小さくなると、変化量閾値及び光量閾値を小さくする。
第2の態様に係る照明点灯装置(1a)によれば、レーザ素子(5)からの光の光量が小さい場合であっても、光ファイバ(8)及び灯具(発光部9)の少なくとも一方の異常を精度よく検出することができる。
第3の態様に係る照明点灯装置(1;1a)では、第1又は2の態様において、制御部(32;32a)は、電源投入後からレーザ素子(5)を点灯させるまでの間に、光センサ(31)で検出される光の光量(第1検出値E1)が所定値(第1閾値Eth1)以上である場合、レーザ素子(5)を点灯させない。
第3の態様に係る照明点灯装置(1;1a)によれば、レーザ素子(5)の点灯前に光ファイバ(8)及び灯具(発光部9)の少なくとも一方に異常が発生していることを検出することができる。
第4の態様に係る照明点灯装置(1;1a)では、第3の態様において、制御部(32;32a)は、電源投入後であってレーザ素子(5)の点灯を許可するための点灯許可を受けてからレーザ素子(5)を点灯させるまでに、光センサ(31)で検出される光の光量(第1検出値E1)が所定値(第1閾値Eth1)以上である場合、レーザ素子(5)を点灯させない。
第4の態様に係る照明点灯装置(1;1a)によれば、レーザ素子(5)の点灯前に光ファイバ(8)及び灯具(発光部9)の少なくとも一方に異常が発生していることを効率よく検出することができる。つまり、点灯許可を受けない場合、上記異常を検出することを低減できる。
第5の態様に係る照明装置(4;4a)は、第1〜4の態様のいずれか1つの照明点灯装置(1;1a)と、レーザ素子(5)と、光学部(6)とを備える。光学部(6)は、レーザ素子(5)から放射される光を導光する。
第5の態様に係る照明装置(4;4a)によれば、照明点灯装置(1;1a)において、レーザ素子(5)を定格電流で点灯させている状態であっても、光ファイバ(8)及び灯具(発光部9)の少なくとも一方に異常が発生した場合に、異常の発生を検出し、レーザ素子(5)からのレーザ光の出力を精度よく停止させることができる。
第6の態様に係る照明器具(7;7a)は、第5の態様の照明装置(4;4a)と、灯具(発光部9)と、光ファイバ(8)とを備える。灯具は、照明点灯装置(1;1a)の光学部(6)からの光を放射する。光ファイバ(8)は、照明点灯装置(1;1a)の光学部(6)からの光を灯具に導光する。
第6の態様に係る照明器具(7;7a)によれば、照明点灯装置(1;1a)において、レーザ素子(5)を定格電流で点灯させている状態であっても、光ファイバ(8)及び灯具(発光部9)の少なくとも一方に異常が発生した場合に、異常の発生を検出し、レーザ素子(5)からのレーザ光の出力を精度よく停止させることができる。