JP2020076418A - トルクコンバータ - Google Patents

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Abstract

【課題】クランクシャフトの変位に起因し、フロントボスの基端部(根元)に作用する応力を低減でき、フロントボスの基端部を起点としたクラックの発生を防止することが可能なトルクコンバータを提供する。【解決手段】トルクコンバータ1は、略円柱状に形成され、フロントカバー21の中心部に突設されたフロントボス10を備えている。フロントボス10には、頂面から側面にかけて、かつ、軸方向に所定の深さを有する切り欠き10aが形成されている。切り欠き10aは、フロントボス10の軸方向から見て、軸心を通り、径方向に所定の幅を有する直線状に形成されている。また、切り欠き10aは、結合されるエンジン3のピストンの往復方向に対して略直交する方向に沿って延びるように形成される。【選択図】 図2

Description

本発明は、トルクコンバータに関する。
従来から、車両に搭載される有段自動変速機(ステップAT)や無段変速機(CVT)等と組み合わせて、流体(オイル)を利用し、エンジントルク(エンジン駆動力)を増幅させるトルクコンバータが広く利用されている。トルクコンバータは、オイルを介してエンジントルクを伝達し、かつトルク増幅機能を有するため、スムーズな車両発進を可能とする。また、トルクコンバータは、エンジンから生じる振動の吸収機能等も有している。
ここで、特許文献1には、トルクコンバータの締結部構造が開示されている。より具体的には、このトルクコンバータの締結部構造では、エンジンのクランクシャフトの端部に取り付けられたドライブプレートと同軸上にトルクコンバータのコンバータケース(フロントカバー)が設けられ、該コンバータケースからドライブプレートに向けて周方向に複数のボルトが突設されている。一方、ドライブプレートには、これらの複数のボルトを挿通させるボルト挿通孔が形成されている。そして、ボルト挿通孔へ挿通させたボルトをナットで締め付けることにより、ドライブプレートとコンバータケースとが締結される。
また、エンジンのクランクシャフトとトルクコンバータとが締結される際に、クランクシャフトの端面の回転軸中心に形成された嵌合孔に、トルクコンバータのコンバータケース(フロントカバー)中央に設けられたフロントボス(パイロットボス)を嵌め合わせることで軸心合わせ(位置合わせ)が行われる。
特開平05−118408号公報
上述したようにエンジンのクランクシャフトにトルクコンバータが組み付けられた後、エンジンが駆動されると、エンジン運転に伴うクランクシャフトの変位がフロントボスに荷重として入力される。クランクシャフトの変位が大きい場合、フロントボスにかかる繰り返し荷重が増大し、フロントボスの疲労強度を上回ると、疲労破壊に至るおそれがある。特に、従来の構造では、クランクシャフトの変位による入力荷重に起因する応力がフロントボスの基端部(根元)に集中する傾向があり、例えば、フロントボスの基端部を起点としてクラックが発生すると、該クラックがトルクコンバータの内側に達して、トルクコンバータからオイル漏れが生じるおそれがあった。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、クランクシャフトの変位に起因し、フロントボスの基端部(根元)に作用する応力を低減でき、フロントボスの基端部を起点としたクラック(疲労破壊)の発生を防止することが可能なトルクコンバータを提供することを目的とする。
本発明に係るトルクコンバータは、略円柱状に形成され、フロントカバーの中心部に突設されたフロントボスを備え、フロントボスには、頂面から側面にかけて、かつ、軸方向に所定の深さを有する切り欠きが形成されていることを特徴とする。
本発明に係るトルクコンバータによれば、略円柱状に形成されフロントカバーの中心部に突設されたフロントボスの頂面から側面にかけて、かつ、軸方向に所定の深さを有する切り欠きが形成されている。そのため、クランクシャフトの変位による入力荷重に起因する応力をフロントボスの基端部(根元)と切り欠きの底部とに分散させることができる。発生応力が分散されることで、フロントボスの基端部の応力が減少し、フロントボスの疲労破壊が防止される。その結果、クランクシャフトの変位に起因し、フロントボスの基端部(根元)に作用する応力を低減でき、フロントボスの基端部を起点としたクラック(疲労破壊)の発生を防止することが可能となる。
本発明に係るトルクコンバータでは、上記切り欠きが、フロントボスの軸方向から見て、軸心を通り、径方向に所定の幅を有する直線状に形成されていることが好ましい。
この場合、切り欠きが、フロントボスの軸方向から見て、軸心を通り、径方向に所定の幅を有する直線状に形成されているため、クランクシャフトの変位に起因する応力を効果的に分散することが可能となる。
本発明に係るトルクコンバータでは、上記切り欠きが、結合されるエンジンのピストンの往復方向に対して略直交する方向に沿って延びるように形成されることが好ましい。
この場合、切り欠きが、結合されるエンジンのピストンの往復方向に対して略直交する方向に沿って延びるように形成されるため、クランクシャフトの変位に起因する応力に対してたわみ易くなり、当該応力をより効果的に分散することが可能となる。
本発明に係るトルクコンバータでは、上記切り欠きの軸方向の深さが、結合されるエンジンのクランクシャフトに形成される嵌合孔とフロントボスとが接する深さと略同じ深さに形成されることが好ましい。
この場合、切り欠きの軸方向の深さが、結合されるエンジンのクランクシャフトに形成される嵌合孔とフロントボスとが接する深さと略同じ深さに形成されるため、クランクシャフトの変位に起因する応力を効果的に分散することが可能となる。
本発明に係るトルクコンバータでは、上記切り欠きの軸方向の深さが、切り欠きの底部の角部を起点として、軸線との成す角度が45度でクラックが延びたと仮定しても、該クラックがトルクコンバータの内側とつながらない深さに形成されていることが好ましい。
この場合、切り欠きの軸方向の深さが、切り欠きの底部の角部を起点として、軸線との成す角度が45度でクラックが延びたと仮定しても、該クラックがトルクコンバータの内側とつながらない深さに形成されているため、もし仮にクラックが入ったとしても、トルクコンバータからのオイル漏れを防止することが可能となる。
本発明に係るトルクコンバータでは、上記所定の幅が、フロントボスの直径の略1/3に設定されていることが好ましい。
この場合、所定の幅(切り欠きの幅)が、フロントボスの直径の略1/3に設定されているため、強度とたわみ性(たわみ易さ)とをバランスよく両立することができ、クランクシャフトの変位に起因する応力をより効果的に分散することが可能となる。
本発明に係るトルクコンバータでは、上記切り欠きの底部の角部がR面取りされていないことが好ましい。
この場合、切り欠きの底部の角部にRがつけられていないため、応力をフロントボスの基端部(根元)ではなく、フロントボスの切り欠きに集中させる(すなわちヒューズ機能を発揮する)ことが可能となる。
一方、本発明に係るトルクコンバータでは、上記フロントボスの基端部が、周方向に沿って、切り欠きの底部の角部よりも大きくR面取りされていることが好ましい。
この場合、フロントボスの基端部に、周方向に沿って、切り欠きの底部の角部よりも大きなRが設けられているため、クランクシャフトの変位に起因する応力を切り欠き側に集中させることが可能となる。
本発明に係るトルクコンバータでは、上記フロントボスが、エンジンと結合される際に、180度クランクのエンジンのクランクシャフトに形成された嵌合孔に嵌合されることが好ましい。
この場合、フロントボスが、180度クランクのエンジン(180度間隔で燃焼行程が来るエンジン)のクランクシャフトに形成された嵌合孔に嵌合されること、すなわち、本発明に係るトルクコンバータが、180度クランクのエンジンと結合されることにより、クランクシャフトの変位に起因する応力をより効果的に分散することが可能となる。
本発明によれば、クランクシャフトの変位に起因し、フロントボスの基端部(根元)に作用する応力を低減でき、フロントボスの基端部を起点としたクラック(疲労破壊)の発生を防止することが可能となる。
実施形態に係るトルクコンバータが適用されたパワーユニットの概要構成を示すブロック図である。 実施形態に係るトルクコンバータの全体構造を示す図である。 実施形態に係るトルクコンバータのフロントボスを拡大して示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
まず、図1〜図3を併せて用いて、実施形態に係るトルクコンバータ1の構造について説明する。図1は、トルクコンバータ1が適用されたパワーユニットの概要構成を示すブロック図である。図2は、トルクコンバータ1の全体構造を示す図である。図3は、トルクコンバータ1のフロントボス10を拡大して示す斜視図である。
図1に示されるように、エンジン3の出力軸(クランクシャフト)3aには、クラッチ機能とトルク増幅機能を持つトルクコンバータ1を介して、エンジン3からの駆動力を変換して出力する無段変速機5が接続されている。ここで、エンジン3としては、例えば、180度クランクのエンジン、すなわち、180度間隔で燃焼行程が来るエンジンが好適に用いられる。例えば、エンジン3としては、水平対向型の4気筒エンジン等が好適に用いられる。
トルクコンバータ1は、主として、ポンプインペラ11、タービンランナ12、及びステータ13を備えて構成されている。エンジン3の出力軸(クランクシャフト)3aに接続されたポンプインペラ11がオイルの流れを生み出し、ポンプインペラ11に対向して配置されたタービンランナ12がオイルを介してエンジン3の駆動力を受けてタービン出力軸23を駆動する。両者の間に位置するステータ13は、タービンランナ12からの排出流(戻り)を整流し、ポンプインペラ11に還元することでトルク増幅作用を発生させる。
特に、本実施形態に係るトルクコンバータ1は、クランクシャフト3aの変位に起因し、フロントボス10の基端部(根元)に作用する応力を低減でき、フロントボス10の基端部を起点としたクラック(疲労破壊)の発生を防止する機能を有している。以下、図2を用いて、より詳細に説明する。
エンジン3のクランクシャフト3a(図2では一部のみ示した)は、ピストンの往復運動をコネクティングロッドを介して回転運動に変換するものである。クランクシャフト3aは、互いに間隔を隔てて一直線上に配置され、メインメタルを介してシリンダブロックに支持されるクランクジャーナル(メインジャーナル)と、隣り合うクランクジャーナル間に位置し、コネクティングロッドの大端部が取付けられるクランクピンとを備えている。
クランクシャフト3aの後端部には、出力フランジ(大径部)3cが設けられている。出力フランジ3cの中心部には、トルクコンバータ1のフロントボス10が嵌合される
嵌合孔(凹部)3bが形成されている。
クランクシャフト3aの端部に形成された出力フランジ3cには、ディスク部材20を介してフロントカバー21が連結されている。該フロントカバー21の端部には複数のブレード11aを有するポンプインペラ(インペラシェル)11が接続(固定)されている。
また、フロントカバー21の中心部には、略円柱状に形成されたフロントボス(パイロットボス)10が突設されている。エンジン3のクランクシャフト3aとトルクコンバータ1とが締結される際に、クランクシャフト3aの端面の回転軸中心に形成された嵌合孔3bに、フロントカバー21中央に設けられたフロントボス10を嵌め合わせることで軸心合わせ(位置合わせ)が行われる。
略円柱状のフロントボス10には、頂面から側面にかけて、かつ、フロントボス10の軸方向に所定の深さを有する切り欠き10aが形成されている。切り欠き10aは、例えば、フロントボス10の軸方向から見て(平面視において)、フロントボス10の軸心を通り、径方向に所定の幅を有する直線状(すり割り状)に形成されている。また、フロントボス10の側面方向から見て(側面視において)、カタカナの略コ字状に形成されている。特に、切り欠き10aは、入力負荷に対してたわみ易く、クランクシャフト3aの変位に起因する応力を効果的に分散するため、結合されるエンジン3のピストンの往復方向に対して略直交する方向に沿って延びるように形成されていることが好ましい。
また、もし仮にクラックが入ったとしても、トルクコンバータ1からのオイル漏れを防止する観点から、切り欠き10aは、軸方向の深さが、切り欠き10aの底部の角部を起点として、フロントボス10の軸線との成す角度が45度でクラックが延びたと仮定しても、該クラックがトルクコンバータ1の内側とつながらない(すなわちオイルが漏れない)深さに形成されていることが好ましい。例えば、切り欠き10aは、軸方向の深さが、結合されるエンジン3のクランクシャフト3aに形成される嵌合孔3bの側面とフロントボス10の側面とが接する深さと略同じ深さに、又はそれよりも若干深く(すなわち、クランクシャフト3aとの接触円筒面と同じか、又は若干それよりも深く)形成されることが好ましい。
また、フロントボス10の強度とたわみ性(たわみ易さ)とをバランスよく両立させる観点から、切り欠き10aの幅(上記所定の幅)は、フロントボス10の直径の1/2以上1/4以下に設定されていることが好ましい。特に、切り欠き10aの幅(上記所定の幅)は、フロントボス10の直径の略1/3に設定されていることがより好ましい。
また、クランクシャフト3aの変位に起因する応力を切り欠き10a側に集中させる観点から、切り欠き10aの底部の角部はR面取りが施されていない(すなわち、Rがつけられていない)ことが好ましい。一方、フロントボス10の基端部(根元)には、周方向に沿って、切り欠き10aの底部の角部よりも大きくR面取りが施されている(すなわち、より大きなRが設けられている)ことが好ましい。
上述したポンプインペラ(インペラシェル)11の内周側には、トルクコンバータスリーブ15が溶接などで接合されている。
フロントカバー21とポンプインペラ11とによって区画されるコンバータ室30には、複数のブレード12aを備えるタービンランナ12が回転自在に収容されている。タービンランナ12は、ポンプインペラ11に対向するように配置されている。タービンランナ12にはタービンハブ22が固定されており、タービンハブ22には、タービン出力軸23がスプライン結合されている。また、互いに対向するポンプインペラ11とタービンランナ12との間には複数のブレード13aを備えるステータ13が設けられている。ステータ13は、ワンウェイクラッチ14を介してミッションケース5bに取り付けられている。
フロントカバー21とタービンランナ12との間には、フロントカバー21の内面と対向するようにロックアップピストン31が配設されている。ロックアップピストン31は軸方向に移動自在とされてタービンハブ22に取り付けられている。また、ロックアップピストン31のフロントカバー21と対向する面の外縁部には環状のロックアップクラッチ32が取り付けられている。
ロックアップピストン31により、コンバータ室30は、フロントカバー21側のリリース室34とタービンランナ12側のアプライ室33とに区画される。すなわち、フロントカバー21とロックアップピストン31とによりリリース室34が画成されるとともに、ロックアップピストン31を挟んで、リリース室34と対向するようにアプライ室33が形成(画成)される。ロックアップピストン31は、アプライ室33とリリース室34との間の圧力差に応じて、ロックアップクラッチ32の締結方向(フロントカバー21に近づく方向)又は解放方向(フロントカバー21から離れる方向)に進退移動する。
また、ロックアップピストン31とタービンハブ22との間には、複数のダンパスプリング42と、ダンパスプリング42を保持する保持部材43とを有して構成されるダンパ機構41が取り付けられている。より詳細には、各ダンパスプリング42の一方の端部がロックアップピストン22に取り付けられ、他方の端部が保持部材43を介してタービンハブ22に取り付けられている。ダンパ機構41により、ロックアップクラッチ32締結時(ロックアップ時)のトルク変動(ショック)が吸収される。
上述したトルクコンバータスリーブ15は、軸方向に延びる筒部と、筒部の一端から径方向に延びるフランジとを有している。このフランジはポンプインペラ(インペラシェル)11の中央穴の内径面と整合する外径を有している。トルクコンバータスリーブ15の回転軸中心には、上述したタービン出力軸23が挿通されている。なお、タービン出力軸23(トルクコンバータ1の出力軸)は、無段変速機5の入力軸5aと接続(結合)されている。
トルクコンバータスリーブ15とトランスミッションケース5bとの間には、トルクコンバータスリーブ15を回転可能に軸支するとともに、トルクコンバータ1の内径面に作用する軸方向(スラスト方向)の油圧荷重を受けるベアリング17が介装されている。ベアリング17としては、転がり軸受(例えばボールベアリング等)が好適に用いられる。
上述したように構成されることにより、エンジン3のクランクシャフト3aにトルクコンバータ1が組み付けられた後、エンジン3が駆動され、エンジン運転に伴うクランクシャフト3aの変位がフロントボス10に荷重として入力された場合、クランクシャフト3aの変位による入力荷重に起因する応力は、フロントボス10の基端部(根元)と切り欠き10aの底部とに分散される。そして、発生応力が分散されることで、フロントボス10の基端部(根元)の応力が減少し、フロントボス10の疲労破壊が防止される。
以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、略円柱状に形成されたフロントボス10の頂面から両側面にかけて切り欠き10aが形成されているため、クランクシャフト3aの変位による入力荷重に起因する応力をフロントボス10の基端部(根元)と切り欠き10aの底部とに分散させることができる。発生応力が分散されることで、フロントボス10の基端部の応力が減少し、フロントボス10の疲労破壊が防止される。その結果、クランクシャフト3aの変位に起因し、フロントボス10の基端部(根元)に作用する応力を低減でき、フロントボス10の基端部を起点としたクラック(疲労破壊)の発生を防止することが可能となる。
本実施形態によれば、切り欠き10aが、フロントボス10の軸方向から見て、軸心を通り、径方向に所定の幅を有する直線状に形成されているため、クランクシャフト3aの変位に起因する応力を効果的に分散することが可能となる。
また、本実施形態によれば、切り欠き10aが、結合されるエンジン3のピストンの往復方向に対して略直交する方向に沿って延びるように形成されているため、クランクシャフト3aの変位に起因する応力に対してたわみ易くなり、当該応力をより効果的に分散することが可能となる。
本実施形態によれば、切り欠き10aの軸方向の深さが、結合されるエンジン3のクランクシャフト3aに形成される嵌合孔3bの側面とフロントボス10の側面とが接する深さと略同じ深さに、又はそれよりも若干深く(すなわち、クランクシャフト3aとの接触円筒面と同じか、又は若干それよりも深く)形成されるため、クランクシャフト3aの変位に起因する応力を効果的に分散することが可能となる。
また、本実施形態によれば、切り欠き10aの軸方向の深さが、切り欠き10aの底部の角部を起点として、軸線との成す角度が45度でクラックが延びたと仮定しても、該クラックがトルクコンバータ1の内側とつながらない深さに形成されているため、もし仮にクラックが入ったとしても、トルクコンバータ1からのオイル漏れを防止することが可能となる。
本実施形態によれば、切り欠き10aの幅が、フロントボス10の直径の略1/3に設定されているため、強度とたわみ性(たわみ易さ)とをバランスよく両立することができ、クランクシャフト3aの変位に起因する応力をより効果的に分散することが可能となる。
本実施形態によれば、切り欠き10aの底部の角部にRがつけられていないため、応力をフロントボス10の基端部(根元)ではなく、フロントボス10の切り欠き10aに集中させる(すなわちヒューズ機能を発揮する)ことが可能となる。
また、本実施形態によれば、フロントボス10の基端部(根元)に、周方向に沿って、切り欠き10aの底部の角部よりも大きなRが設けられているため、クランクシャフト3aの変位に起因する応力を切り欠き10a側に集中させることが可能となる。
本実施形態によれば、フロントボス10が、180度クランクのエンジン3(180度間隔で燃焼行程が来るエンジン3)のクランクシャフト3aに形成された嵌合孔3bに嵌合されること、すなわち、トルクコンバータ1が、180度クランクのエンジン3と結合されることにより、クランクシャフト3aの変位に起因する応力をより効果的に分散することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、切り欠き10aの延びる向き、幅、深さ、形状、個数、配置等は、上記実施形態に限定されることなく、例えば求められる要件等に応じて、任意に設定することができる。例えば、切り欠き10aは、軸方向から見て、十字状やV字状などに形成されていてもよい。
また、上記実施形態では、トルクコンバータ1を180度クランクのエンジン3(180度間隔で燃焼行程が来るエンジン3)と結合させる場合を例にして説明したが、本発明は、180度クランク以外のエンジンと結合されるトルクコンバータにも適用することができる。
同様に、上記実施形態では、本発明を無段変速機(CVT)5と組み合わせた場合を例にして説明したが、本発明は、例えば、有段自動変速機(ステップAT)などと組み合わせることもできる。
1 トルクコンバータ
3 エンジン
3a クランクシャフト
3b 嵌合孔
5 無段変速機
10 フロントボス(パイロットボス)
10a 切り欠き
11 ポンプインペラ
12 タービンランナ
13 ステータ
20 ディスク部材
21 フロントカバー
22 タービンハブ
23 タービン出力軸
31 ロックアップピストン
32 ロックアップクラッチ
33 アプライ室
34 リリース室
41 ダンパ機構
42 ダンパスプリング
43 保持部材

Claims (9)

  1. 略円柱状に形成され、フロントカバーの中心部に突設されたフロントボスを備え、
    前記フロントボスには、頂面から側面にかけて、かつ、軸方向に所定の深さを有する切り欠きが形成されていることを特徴とするトルクコンバータ。
  2. 前記切り欠きは、前記フロントボスの軸方向から見て、軸心を通り、径方向に所定の幅を有する直線状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトルクコンバータ。
  3. 前記切り欠きは、結合されるエンジンのピストンの往復方向に対して略直交する方向に沿って延びるように形成されることを特徴とする請求項2に記載のトルクコンバータ。
  4. 前記切り欠きは、軸方向の深さが、結合されるエンジンのクランクシャフトに形成される嵌合孔とフロントボスとが接する深さと略同じ深さに形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトルクコンバータ。
  5. 前記切り欠きは、軸方向の深さが、前記切り欠きの底部の角部を起点として、軸線との成す角度が45度でクラックが延びたと仮定しても、該クラックがトルクコンバータの内側とつながらない深さに形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のトルクコンバータ。
  6. 前記所定の幅は、前記フロントボスの直径の略1/3に設定されていることを特徴とする請求項2に記載のトルクコンバータ。
  7. 前記切り欠きは、底部の角部がR面取りされていないことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のトルクコンバータ。
  8. 前記フロントボスは、基端部に、周方向に沿って、前記切り欠きの底部の角部よりも大きなR面取りが施されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のトルクコンバータ。
  9. 前記フロントボスは、エンジンと結合される際に、180度クランクのエンジンのクランクシャフトに形成された嵌合孔に嵌合されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のトルクコンバータ。
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